JP2013011667A - 光学シート、面光源装置、及び画像表示装置 - Google Patents

光学シート、面光源装置、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シート内部に設けた光拡散性凹凸による、正面輝度低下、輝度ムラ発生及びモアレ発生の全て防いだ光学シートとこれを用いた面光源装置と画像表示装置を提供する。
【解決手段】
光学シート10は、シート状の本体部1の一方の面1pに光拡散性の微小凹凸条2が形成され、この面にさらに複数の単位光学要素3が形成されている。微小凹凸条は網目状パターン2Pを呈し、網目状パターンは二つの分岐点Bの間を延びて多数の開口領域Aを画成する多数の境界線分Lから構成され、一つの分岐点から延びる境界線分の数の平均値Nが、3.0≦N<4.0で、開口領域が繰返周期を持つ方向が存在しない領域を含むパターンとなっている。面光源装置はこの光学シートを光源の出光面上に載置し、画像表示装置はこの面光源装置の出光面上にディスプレイパネルを載置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光の進行方向を制御する光学シートに関し、特に正面輝度と光拡散性が両立すると共に、光拡散性を付与したが為に正面輝度低下に加えて輝度ムラもモアレも生じない光学シートに関する。また、本発明は、この光学シートを用いた面光源装置と、この面光源装置を用いた画像表示装置に関する。
画像表示装置に用いられる面光源装置は、光源と、光源からの光の進行方向を変化させる複数の光学シート(光学フィルム)と、を備えている。例えば、光学シートとして、光の進行方向を正面方向へ絞り込み、正面輝度を向上させたりする集光シート、光源光を拡散させて光源の像を目立たなくさせたりする光拡散シート等である。そして、面光源装置は、集光シートと光拡散シートとを適宜組み合わせることで、所望の正面輝度と視野角を実現し且つ光源の像を目立たなくしている。
集光シートとしては、線状に延びる単位光学要素をその長手方向に直交する方向に配列(いわゆる線状配列)してなる光学シートが汎用されている。単位光学要素の形状は、その長手方向に直交する断面(主切断面とも言う)において、代表的には、三角形形状、半楕円形状又は半円形状の断面形状を有している。
光拡散シートとしては、透明樹脂層中に光を拡散させる光拡散性粒子を含有させた光拡散層、透明樹脂層の表面に光を拡散させる光拡散性凹凸を設けた光拡散層、等からなる光学シートが知られている。
また、集光シートと光拡散シートのそれぞれの機能を一体化した光学シートとして、多数の単位光学要素からなるレンズ層乃至はプリズム層と基材シートとの間に光拡散層を設けた光学シートが知られている(特許文献1、特許文献2)。集光機能と光拡散機能とを一体化することで、面光源装置に組み込む部品点数を減らし、複数枚間を開けて使用するときの光学シート間の反射による光損失を減らせる等の利点が得られる。
こうしたシート内部に光拡散機能を付与するには、層中に光拡散性粒子として透明微粒子を分散させて光拡散層の表面に光拡散性凹凸を形成した形態もあるが、透明微粒子は用いずに、エンボス法などの成形法で基材シートや光拡散層の表面に、単位光学要素に比べて小さな寸法の単位プリズム乃至単位レンズ形状を多数配列してなる光拡散性凹凸を形成した形態が、光損失を少なくでき、正面輝度の低下を小さくできる点で有利である。このため、後者の形態では、光拡散性を正面輝度の低下を回避して付与することができる。
特許第3606636号公報 中華民国特許第I284599号明細書
しかしながら、透明微粒子を用いずに光学シート内部に光拡散性凹凸を形成することで、正面輝度の低下を来たさずに光拡散性を付与できたとしても、この光拡散性凹凸は、透明微粒子のランダムな分散によって生成させた光拡散性凹凸とは異なる。特に、この光拡散性凹凸の集光性が高い特許文献2の形態に於いては、その「第4図」及び「第8図」に図示の如く、直方体等の突起を平面内の2方向(例えば、上下方向及び左右方向)に周期的に配列している。この為、微小凹凸群の凹凸形状の周期性に起因して、レンズやプリズムなどの単位光学要素の規則的配列との干渉によるモアレや、ディスプレイパネルの画素配列との干渉によるモアレが発生することがあった。
なお、単に周期性に起因するモアレを低減するだけであれば、こうした光拡散性凹凸の平面内配列を乱雑(ランダム)化することも考え得る。但し、実際に試作、評価すると、現実には、光拡散性凹凸の配列をモアレが完全に解消する程度に完全にランダム化すると、凹凸形状の面内分布の粗密による面内輝度の輝度ムラが生じる。一方、光拡散性凹凸の配列を輝度ムラが完全に解消する程度に周期性を持たせると、今度はモアレが目立ってしまう。即ち、光拡散性凹凸の配列周期について、モアレ解消効果と輝度分布の均一性(輝度ムラ解消)とを両立させることは困難であった。
すなわち、本発明の課題は、光拡散性を付与する為にシート内部に光拡散性凹凸を設けた光学シートについて、この光拡散性凹凸による正面輝度低下、輝度ムラ発生、及びモアレ発生を全て防ぐことである。また、この光学シートを用いた面光源装置及び画像表示装置を提供することである。
そこで、本発明では、次の様な構成の、光学シート、面光源装置、及び画像表示装置とした。
(1)シート状の本体部と、この本体部の一方の面に形成された光拡散性の微小凹凸条と、この微小凹凸条が形成されている一方の面上に配置された複数の単位光学要素とを有し、
前記微小凹凸条は、シート状の本体部のシート面に垂直な法線方向から見たときに網目状パターンを呈し、この網目状パターンは二つの分岐点の間を延びて多数の開口領域を画成する多数の境界線分から構成され、一つの分岐点から延びる境界線分の数の平均値Nが、3.0≦N<4.0であり、且つ、前記開口領域が繰返周期を持つ方向が存在しない領域を含む、光学シート。
(2)光源と、この光源の出光面上に載置した上記(1)の光学シートとを備える、面光源装置。
(3)上記(2)の面光源装置と、この面光源装置の出光面上に載置したディスプレイパネルとを備える、画像表示装置。
本発明によれば、単位光学要素によって光線の進行方向を変化させると共に、正面輝度の低下を防ぎつつ光拡散性を付与する為に設けた微小凹凸条が呈する網目状パターンが、この網目状パターンで画成される多数の開口領域に、どの方向にも周期性が存在しない特定の網目状パターンを選択した為、ディスプレイパネルの画素配列や単位光学要素の配列との干渉によるモアレも生じさせずに、且つ、輝度ムラも生じさせずに、光拡散性を付与できる。
本発明による光学シートの一実施形態を説明する斜視図。 微小凹凸条の主切断面形状の各種例を示す断面図。 網目状パターンの平面視形状の一例を示す平面図。 網目状パターンに繰返周期が存在しないことを説明する平面図。 網目状パターンを設計する方法において、母点を決定する方法を示す図。 網目状パターンを設計する方法において、母点を決定する方法を示す図。 網目状パターンを設計する方法において、母点を決定する方法を示す図。 決定された母点群の分散の程度を絶対座標系と相対座標系で説明する図。 決定された母点からボロノイ図を作成して網目状パターンを決定する方法を示す図。 網目状パターンが光学シートにおける微小凹凸条の形成面の寸法の1/3以上の大きさの単位パターン領域として繰り返された一例を示す平面図。 本発明の光学シートの微小凹凸条が有する網目状パターンを示す平面図。 ディスプレイパネルの画素配列を示す平面図。 図11Aと図11Bとを重ねた状態を示す平面図。 規則的パターンを有する光学シートを示す平面図。 ディスプレイパネルの画素配列を示す平面図。 図12Aと図12Bとを重ねた状態を示す平面図。 単位光学要素の形状の各種例を示す断面図。 本発明による面光源装置の形態例を示す断面図。 本発明による画像表示装置の一実施形態例を例示する断面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
[A]用語の定義:
以下に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「シート面」とは、シート状の光学シート10を全体的かつ大局的に見た場合において光学シート10の平面方向と一致する面(凹凸面の場合は包絡面にも相当)のことを意味する。また、この場合、「シート面」は、本体部1の「一方の面1p」或いは「他方の面1q」と平行な面でもある。
「一方の面1p」と「他方の面1q」との面それ自体の区別はないが、微小凹凸条2及び単位光学要素3が常に存在する方の面を「一方の面1p」として取り扱う。
「一方の面1p」は単位光学要素3で埋め尽くされるときは露出しない仮想的な面である。
「一方の面1p」に微小凹凸条2が形成された状態では、微小凹凸条2で画成される開口領域Aの部分が、微小凹凸条2形成前に存在した「一方の面1p」であり、微小凹凸条2は一方の面1pでもある開口領域Aに対して凸又は凹となり、一方の面1pとは厚み方向の水準が異なる。
「他方の面1q」は微小凹凸条2を有さないか、或いは有する面である。
「主切断面形状」とは、光学シート10のシート面に立てた法線nに平行な断面のうち、注目する要素に延在方向が存在する場合に、その延在方向に直交する断面として定義される「主切断面」に於ける形状のことを意味する。
単に「断面」乃至は「断面形状」というときの「断面」とは、シート状の光学部材10のシート面に立てた法線nに平行な断面のことを意味する。
「平面視形状」とは、光学シート10のシート面に平行な面に於ける形状のことを意味する。言い換えると、「平面視形状」とは、光学シート10のシート面に立てた法線nの方向から見た形状のことを意味する。
「平滑」とは、光学的な意味合いでの平滑を意味するものである。すなわち、ここでは、或る程度の割合の可視光が、光学シート10の入光面又は出光面においてスネルの法則を満たしながら屈折するようになる程度を意味している。したがって、例えば、本体部1の一方の面1pの十点平均粗さRz(JISB0601:1994年版)が最短の可視光波長(0.38μm)以下となっていれば、十分、平滑に該当する。
「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
[B]光学シート:
先ず、本発明による光学シートを、図1の斜視図で示す一実施形態例を参照して説明する。図1(B)は図1(A)に対する拡大図である。
図1で例示する本発明の光学シート10は、シート状の本体部1の一方の面1pに、本発明固有の網目状パターン2Pからなる光拡散性の微小凹凸条2が設けられている。さらに、この微小凹凸条2が形成されている一方の面1pに、多数の単位光学要素3が規則的な配列で配置されている。同図の実施形態例においては、前記単位光学要素3は主切断面形状が二等辺三角形で、その底辺を本体部1側とする形状の単位三角柱プリズムである。
また、本体部1の他方の面1qは平滑面の平面となっている。この他方の面1qと前記一方の面1pとは互いに平行な面となっている。
なお通常、「一方の面1p」と「他方の面1q」とは、互いに平行な面となる。
図1の実施形態例においては、微小凹凸条2が呈する網目状パターン2Pは、シート状の本体部1のシート面に垂直な法線nの方向から見たときに、二つの分岐点Bの間を延びて多数の開口領域Aを画成する多数の境界線分Lから構成され、境界線分Lは一つの分岐点Bから延びる境界線分Lの数の平均値Nが、3.0≦N<4.0であり、且つ、前記開口領域Aが繰返周期を持つ方向が存在しない領域からなるパターンとなっている。前記開口領域Aの面は、一方の面1pとなっており、平滑面である。
こうした網目状パターン2Pからなる微小凹凸条2によって、モアレも輝度ムラも生じさせずに正面輝度の低下を防ぎつつ光拡散効果を付与することができる。
微小凹凸条2の主切断面形状は、例えば、図2(1)〜(5)の様に凸形状でも良く、図2(6)〜(10)の様に凹形状でも良く、図2(11)の様に凸及び凹形状でも良い。要求される光拡散特性によって適宜選択する。
以下、本発明による光学シートを、構成要素毎に更に詳述する。
《本体部》
本体部1は微小凹凸条2を支持する透明な部材であり、樹脂シートの様な有機系部材の他、ガラス、石英、セラミックスなどの無機系部材でも良い。これらは用途に応じて公知の透明な部材から適宜選択すれば良い。例えば、有機系部材として、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などからなる樹脂シートを用いることができる。
本体部1の屈折率は、通常、1.30〜1.70の範囲から適宜選択される。微小凹凸条2が凹条から構成される場合、この凹条の部分が呈する表面は、本体部1が呈する表面である。このため、光拡散性を発揮させる為に微小凹凸条2と単位光学要素3との界面では屈折率差を有するが、この屈折率差は前記界面を構成する本体部1と単位光学要素3との屈折率差に該当する。
本体部1は、「シート状」であるが、「シート」とは前記定義欄で述べたとおり、フィルムや板も含む概念であり、厚みや剛性によって区別されるものではない。例えば、本体部1の厚みは25μm〜5mmである。
《微小凹凸条》
微小凹凸条2は、光拡散性を付与する為に設けられる光学要素である。
微小凹凸条2は、平面視形状が、多数の開口領域Aを画成する網目状パターン2Pから成り、この開口領域Aが繰返周期を持つ方向が存在しないランダムパターンとなっている。
図1、図3、図4、及び図11Aに図示の形態については、微小凹凸条2が形成されている全領域が、該開口領域Aが繰返周期を持たないパターンからなっている。図1の形態では、この網目状パターン2Pを呈する微小凹凸条2が主切断面形状に於いて、前記開口領域Aに対して凸形状となっている。
[網目状パターンとこれにより画成される開口領域]
網目状パターン2Pは、図3に示す如く、二つの分岐点Bの間を延びて多数の開口領域Aを画成する多数の境界線分Lから形成され、一つの分岐点Bから延びる境界線分Lの数の平均値Nが、3.0≦N<4.0、つまり、3.0以上で4.0未満であり、且つ、前記境界線分Lで画成された前記開口領域Aに繰返周期を持つ方向が存在しない形状となっている。
さらに、微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pについて、図3および図9を主として参照しながら、網目状パターン2Pを、シート状の光学シート10のシート面への法線方向から観察した場合における平面視形状で、説明する。
これら図面では、網目状パターン2Pはそのパターンが判り易い様に、黒く誇張して描いてあるが、実物は無色透明な物である。
図3および図9に示すように、網目状パターン2Pのライン部Ltは、多数の分岐点Bを含んでいる。網目状パターン2Pのライン部Ltは、両端において分岐点Bを形成する多数の境界線分Lから構成されている。すなわち、網目状パターン2Pのライン部Ltは、二つの分岐点Bの間を延びる多数の境界線分Lから構成されている。そして、分岐点Bにおいて、境界線分Lが接続されていくことにより、開口領域Aが画成されている。言葉を換えて言うと、境界線分Lで囲繞され、区画されて1つの閉領域としての開口領域Aが画成されている。
なお、図3および図9に示すように、ライン部Ltが境界線分Lのみから構成されているため、開口領域Aの内部に延び入って行き止まりとなるライン部Ltは存在しない。このような態様によれば、光学シート10に十分に低い輝度ムラと高い光拡散性とを同時に付与することを効果的に実現することできる。
一方、モアレの発生を防止するため、本実施形態による光学シート10が有する網目状パターン2Pでは、その全領域が、開口領域Aが繰返周期を有する方向が存在しないようになっている。モアレを確実に解消する為には、網目状パターン2Pの全領域がこのような領域のみから構成されていることが好ましい。本実施形態はこの様な構成からなる。本件発明者らは、鋭意研究を重ねた結果として、単に網目状パターン2Pのパターンを不規則化するのではなく、網目状パターン2Pの開口領域Aが一定の規則性を持った繰返周期で並べられた方向が存在しないように網目状パターン2Pのパターンを画成することにより、微小凹凸条2を周期的配列した構成の光学シートと周期的画素配列を有するディスプレイパネル30とを重ねた際に生じ得るモアレを、極めて効果的に目立たなくさせることが出来ると判明した。
また、同様に周期的配列をした単位光学要素3との干渉で生じ得るモアレも、極めて効果的に目立たなくさせることが出来ると判明した。
(繰返周期の不存在)
図4は、網目状パターン2Pで画成される多数の開口領域Aに、繰返周期が存在しないことを説明するXY平面に平行なシート面に於ける平面図である。このシート面の面内において、任意の方向を向く任意の位置に一本の仮想的な直線diが選ばれている。
この一本の直線diは、境界線分Lと交差し交差点が形成される。この交差点を、図面では図面左下から順に、交差点c1,c2,c3,・・・・・,c9として図示してある。隣接する交差点、例えば、交差点c1と交差点c2との距離が、前記或る一つの開口領域Aの直線di上での寸法t1である。次に、開口領域Aに直線di上で隣接する別の開口領域Aについても、同様に、直線di上での寸法t2が定まる。そして、任意方向で任意位置の直線diについて、直線diと交差する境界線分Lとから、任意方向で任意位置の直線diと遭遇する多数の開口領域Aについて、該直線di上における寸法として、t1,t2,t3,・・・・・・,t8が定まる。そして、t1,t2,t3,・・・・・・,t8の数値の並びには、周期性が存在しない。
図4では、このt1,t2,t3,・・・・・・,t8は、判り易い様に図面下方に、直線diと共に網目状パターン2Pとは分離して描いてある。
この直線diを図4で図示のものから任意の角度回転させて別の方向について各開口領域Aの寸法t1,t2,・・を求めると、やはり図4の場合と同様、直線di方向に対して繰返し周期性は見られない。即ち、このt1,t2,t3,・・・・・・,t8の数値の並びの様に、境界線分Lで画成された開口領域Aには繰返周期を持つ方向が存在しない。
さらに、本実施形態による光学シート10の微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pでは、一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の平均値Nが3.0≦N<4.0となっている。このように一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の平均値Nが3.0≦N<4.0となっている場合、網目状パターン2Pの配列パターンを、図12Aに示された正方格子パターン(N=4.0)から大きく異なるパターンとすることができる。また、一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の平均値Nが3.0<N<4.0となっている場合には、ハニカム配列(N=3.0)からも大きく異なるパターンとすることができる。そして、一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の平均値Nを3.0≦N<4.0とした上で、開口領域Aの配列を不規則化して、開口領域Aが繰返周期を持って並べられた方向が安定して存在しないようにすることが可能となり、その結果、モアレを極めて効果的に目立たなくさせることが可能となることが、確認された。
なお、一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の平均値Nは、厳密には、網目状パターン2P内に含まれる全ての分岐点Bについて、延び出す境界線分Lの数を調べてその平均値を算出することになる。ただし、実際的には、ライン部Ltによって画成された一つ当たりの開口領域Aの大きさ等を考慮した上で、一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の全体的な傾向を反映し得ると期待される面積を持つ一区画(例えば、後述の寸法例で開口領域Aが形成されている網目状パターン2Pにおいては、10mm×10mmの部分)に含まれる分岐点Bについて延び出す境界線分Lの数を調べてその平均値を算出し、算出された値を当該網目状パターン2Pについての一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の平均値Nとして取り扱うようにしてもよい。
実際に、図3に示された光学シート10の微小凹凸条2を構成する網目状パターン2Pでは、一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の平均値Nが3.0<N<4.0となっている。一例を挙げると、図3の網目状パターン2Pの場合、合計387個の分岐点Bについて計測したところ、境界線分Lが3本の分岐点Bが373個、境界線分Lが4本の分岐点Bが14個であり(分岐する境界線分Lの数が5個以上の分岐点は0個)、分岐点Bから出る境界線分Lの平均本数(平均分岐数)は3.04個であった。
(ディスプレイパネル画素配列との干渉によるモアレ発生状況)
そして、図11Cには、図3及び図11Aに示された光学シート10の微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pを、図11Bに示されたディスプレイパネル30に於ける典型的な画素配列上に重ねた状態が示されている。図11Cからも理解され得るように、図3及び図11Aに示された網目状パターン2Pを実際に作製してディスプレイパネル30の画素配列上に配置した場合、視認され得る程度の縞状の模様、すなわちモアレ(干渉縞)は発生しなかった。
なお、これら図面では、網目状パターン2Pはそのパターンが判り易い様に、黒く誇張して描いてあるが、実物は無色透明な物である。
ここで、図11Bで示されたディスプレイパネル30の画素配列は、ディスプレイパネル30に於ける典型的な画素配列である。図11Bに示す様に、このディスプレイパネル30では、一つの画素Pは、赤色に発光する副画素(サブピクセル)RPと、緑色に発光する副画素GPと、青色に発光する副画素BPと、から構成されている。すなわち、ディスプレイパネル30はカラーで画像を形成することができる。図11Bに示された例は、いわゆるストライプ配列として、画素Pが形成されている。すなわち、赤色に発光する副画素RP、緑色に発光する副画素GPおよび青色に発光する副画素BPは、それぞれ、一つの方向(図11Bでは縦方向)に連続して並べられている。一方、赤色に発光する副画素RP、緑色に発光する副画素GPおよび青色に発光する副画素BPは、当該一つの方向に直交する方向(図11Bでは横方向)に、一つずつ、順に並べられている。なお、図11Bは、ディスプレイパネル30の画像形成面(出光面、即ち画面)への法線方向、言い換えると、ディスプレイパネル30のパネル面への法線方向から当該ディスプレイパネル30を観察した状態で、画素Pの配列を示している。
一方、網目状パターン52Pで画成される開口領域Aに一定の繰返周期が存在する場合のモアレ発生を例示するのが図12A〜図12Cである。これらの図面でも、網目状パターン52Pはそのパターンが判り易い様に、黒く描いてある。ここでは、網目状パターン52Pは、一定の繰返周期を有することを明示的に示す意味で、以下において、網目状パターン52Pを繰返周期パターン52Pとも言うことにする。
図12Aに図示したものは、正方格子状パターンで形成され、縦横方向に所定の周期で配列した繰返周期パターン52Pを呈する微小凹凸条52を有した光学シートであり、本発明の光学シート10とは異なるものである。
図12Cには、図12Aに示された繰返周期を有する繰返周期パターン52Pを、図12Bに示されたディスプレイパネル30(図11Bで示したものと同じである)に於ける典型的な画素配列上に重ねた状態が示されている。図12A、図12B及び図12Cからも理解され得るように、繰返周期パターン52Pからなる微小凹凸条52がディスプレイパネル30の画素配列上に配置されると、微小凹凸条52を構成する繰返周期パターン52Pの規則的パターンと画素の規則的パターンとの干渉によって、明暗の筋(図12Cに示された例では、左上から右下に延びている明暗の筋)が視認されるようになる。
なお、図12Aおよび図12Cに示された例では、繰返周期パターン52Pによって形成された正方格子の配列方向が、画素Pの配列方向に対して、数度傾斜している。この傾斜角をバイアス角(度)と呼称する。このような傾斜は、一般的に、モアレを目立たなくさせるものとして広く用いられている手法である。但し、図12Cに縞状模様が視認されることからも理解され得るように、モアレ発生の程度は単にバイアス角のみで決まる訳では無く、この他、画素P及び繰返周期パターン52Pの繰返周期比、繰返周期パターン52Pの線幅等の要因にも依存する。繰返周期パターン52Pのバイアス角のみでモアレを解消しようとすると、ディスプレイパネル30の設計仕様毎に応じてバイアス角の異なる光学シートを用意する必要が有る。
(網目状パターンのパターン形状の作成方法)
ここで、一つの分岐点Bから延び出す境界線分Lの数の平均値Nが3.0≦N<4.0であり且つ開口領域Aが一定の規則性を持った繰返周期で並べられた方向が存在しない網目状パターン2Pのパターンを作製する方法の一例を以下に説明する。
ここで説明する方法は、母点を決定する工程と、決定された母点からボロノイ図を作成する工程と、ボロノイ図における一つのボロノイ境界によって結ばれる二つのボロノイ点の間を延びる境界線分Lの経路を決定する工程と、決定された経路の太さを決定して各境界線分Lを画定して網目状パターン2P(ライン部Lt)のパターンを決定する工程と、を有している。以下、各工程について順に説明していく。なお、上述した図3に示されたパターンは、実際に以下に説明する方法で決定されたパターンである。
まず、母点を決定する工程について説明する。最初に、図5に示すように、絶対座標系O−X−Y(この座標系O−X−Yは普通の2次元平面であるが、後述の相対座標と区別する為、頭に「絶対」を付記する)の任意の位置に一つ目の母点(以下、「第1の母点」と呼ぶ)BP1を配置する。次に、図6に示すように、第1の母点BP1から距離rだけ離れた任意の位置に第2の母点BP2を配置する。言い換えると、第1の母点BP1を中心として絶対座標系XY上に位置する半径rの円の円周(以下、「第1の円周」と呼ぶ)上の任意の位置に、第2の母点BP2を配置する。次に、図7に示すように、第1の母点BP1から距離rだけ離れ且つ第2の母点BP2から距離r以上離れた任意の位置に、第3の母点BP3を配置する。その後、第1の母点BP1から距離rだけ離れ且つその他の母点BP2,BP3から距離r以上離れた任意の位置に、第4の母点を配置する。
このようにして、次の母点を配置することができなくなるまで、第1の母点BP1から距離rだけ離れ且つその他の母点から距離r以上離れた任意の位置に母点を配置していく。その後、第2の母点BP2を基準にしてこの作業を続けていく。すなわち、第2の母点BP2から距離rだけ離れ且つその他の母点から距離r以上離れた任意の位置に、次の母点を配置する。第2の母点BP2を基準にして、次の母点を配置することができなくなるまで、第2の母点BP2から距離rだけ離れ且つその他の母点から距離r以上離れた任意の位置に母点を配置していく。その後、基準となる母点を順に変更して、同様の手順で母点を形成していく。
以上の手順で、網目状パターン2Pが形成されるべき領域内に母点を配置することができなくなるまで、母点を配置していく。網目状パターン2Pが形成されるべき領域内に母点を配置することができなくなった際に、母点を作製する工程が終了する。ここまでの処理により、2次元平面(XY平面)に於いて不規則的に配置された母点群が、網目状パターン2Pが形成されるべき領域内に一様に分散した状態となる。
このような工程で2次元平面(XY平面)内に分布された母点群BP1、BP2、・・、BP6(図8(A)参照)について、個々の母点間の距離は一定では無く分布を有する。但し、任意の隣接する2母点間の距離Rの分布は完全なランダム分布(一様分布)でも無く、平均値RAVGを挾んで上限値RMAXと下限値RMINとの間の範囲ΔR=RMAX−RMINの中で分布している。なお、ここで、隣接する2母点であるが、母点群BP1、BP2、・・からボロノイ図を作成した後、2つのボロノイ領域XAが隣接していた場合に、その2つのボロノイ領域XAの母点同士が隣接していると定義する。
即ち、ここで説明した母点群について、各母点を原点とする座標系(相対座標系o−x−yと呼称し、一方、現実の2次元平面を規定する座標系を絶対座標系O−X−Yと呼称する)上に、原点に置いた母点と隣接する全母点をプロットした図8(B)、図8(C)、・・等のグラフを全母点について求める。そして、これら全部の相対座標系上の隣接母点群のグラフを、各相対座標系の原点oを重ね合わせて表示すると、図8(D)の如きグラフが得られる。この相対座標形上での隣接母点群の分布パターンは、母点群を構成する任意の隣接する2母点間の距離が0から無限大迄の一様分布では無く、原点oからの距離がRAVG−ΔRからRAVG+ΔR迄の有限の範囲(半径RMINからRMAX迄のドーナツ形領域)内に分布していることを意味する。
以上の様にして、各母点間の距離を設定することによって、該母点群から以下に説明する方法で得られるボロノイ領域XA、更には、これから得られる開口領域Aの外接円直径(乃至は開口領域Aの面積)の分布についても、一様分布(完全ランダム)では無く、有限の範囲内に分布したものとなる。
この様に構成することにより、網目状パターン2Pを目視した際の濃淡(明暗)ムラが、より一層、効果的に解消する。網目状パターン2Pの目視時の濃淡ムラを、実質上、目視不能とし、且つ網目状パターン2Pの非周期性によるモアレ防止性とも両立させる為には、開口領域Aの外接円直径D(開口領域Aの大きさ)の最大値をDMAX、最小値をDMINとしたときに、当該外接円直径Dの分布範囲ΔD=DMAX−DMINが外接円直径Dの平均値DAVGに対して、
0.1≦ΔD/DAVG≦0.6
より好ましくは、
0.2≦ΔD/DAVG≦0.4
とする。
なお、以上の母点を決定する工程において、距離rの大きさを変化させることにより、一つあたりの開口領域Aの大きさを調節することができる。具体的には、距離rの大きさを小さくすることにより、一つあたりの開口領域Aの大きさを小さくすることができ、逆に距離rの大きさを大きくすることにより、一つあたりの開口領域Aの大きさを大きくすることができる。
次に、図9に示すように、配置された母点を基準にして、ボロノイ図を作成する。図9に示すように、ボロノイ図とは、隣接する2つの母点BP、BP間に垂直二等分線を引き、その各二等分線同士の交点で結ばれた線分で構成される図である。ここで、二等分線の線分をボロノイ境界XBと呼び、ボロノイ境界XBの端部をなすボロノイ境界XB同士の交点をボロノイ点XPと呼び、ボロノイ境界XBに囲まれた領域をボロノイ領域XAと呼ぶ。
図9のように作成されたボロノイ図において、各ボロノイ点XPが、網目状パターン2Pの分岐点Bをなすようにする。そして、一つのボロノイ境界XBの端部をなす二つのボロノイ点XPの間に、一つの境界線分Lを設ける。この際、境界線分Lは、図3に示された例のように二つのボロノイ点XPの間を直線状に延びるように決定してもよいし、あるいは、他の境界線分Lと接触しない範囲で二つのボロノイ点XPの間を種々の経路(例えば、円(弧)、楕円(弧)、抛物線、双曲線、正弦曲線、双曲線正弦曲線、楕円函数曲線、ベッセル関数曲線等の曲線状、折れ線状等の経路)で延びるようにしてもよい。なお、境界線分Lは、図3に示された例のように二つのボロノイ点XPの間を直線状に延びるように決定した場合、各ボロノイ境界XBが、境界線分Lを画成するようになる。
各境界線分Lの経路を決定した後、各境界線分Lの線幅(太さ)を決定する。境界線分Lの線幅は、微小凹凸条2による光拡散性能、及び微小凹凸条2の不可視性を勘案して、決定される。以上のようにして、網目状パターン2Pのパターンを決定することができる。
以上のような本実施形態によれば、光学シート10の微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pが、二つの分岐点Bの間を延びて多数の開口領域Aを画成する多数の境界線分Lから形成されており、一つの分岐点Bから延びる境界線分Lの数の平均値Nが3.0≦N<4.0となっており、且つ、開口領域Aが繰返周期を持つ方向が存在しないようになっている。この結果、規則的(周期的)に画素Pが配列されたディスプレイパネル30に、この光学シート10を重ねたとしても、縞状の模様(モアレ、干渉縞)が視認され得る程度に発生することを効果的に防止することができる。
(単位パターン領域としての繰返し)
上述した実施形態では、光学シート10中の微小凹凸条2の全領域において、該微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pによって画成される開口領域Aが繰返周期を持つ方向が存在しないようになっている例を説明した。しかしながら、図10の様に、その内部に於いて微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pの全領域が、単位パターン領域Sを複数集合して網目状パターン2Pの全領域が構成されるようにして、且つ各単位パターン領域S内に於いては、複数の開口領域Aが、所定の繰返周期のないパターンで配列されている領域からなるようにしてもよい。

すなわち、この形態に於いては、網目状パターン2Pの全領域中に、局所的に見たときに、同一パターンで開口領域群が配列されてなる単位パターン領域Sを2箇所以上含むようになる。この場合、特定方向について、一定周期で4箇所以上の繰返しが無ければ、単位パターン領域S同士の繋ぎ目は実質上目立ち難く、無視し得る。もちろん、単位パターン領域S中でモアレも濃淡ムラも生じていない。この例において、一つの単位パターン領域S内における網目状パターン2Pのパターンは、例えば、図5〜図9を参照しながら説明したパターン作成方法と同様にして作成することができる。
特に最近では、ディスプレイパネル30の大型化が進んでおり、この様な大画面のディスプレイパネル30に対しては、微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pが、複数の単位パターン領域Sの配列から構成されていて、且つ各々の単位パターン領域S内に於いては互いに同一のパターンで開口領域Aが配列されている構成とした複数の単位パターン領域Sを含む形態とした方が、網目状パターン2Pのパターン作成を格段に容易化することが可能となる点において好ましい。
なお、特に一種類の単位パターン領域Sを図10に示す様に縦横に複数配置する例においては、特定方向(図面縦方向と横方向の2方向)で単位パターン領域Sとしての繰返しが存在する。図10の実施形態に於いては、横方向に繰返周期SP2、縦方向に繰返周期SP1を以って単位パターン領域Sが繰り返される。この条件下では、特定方向に於ける単位パターン領域Sの寸法をLsとし、該特定方向に延びる任意の直線dj上において単位パターン領域Sが寸法Ls内に開口領域AをN個有するとき、直線dj上の或る開口領域Aに注目すると、直線dj上では開口領域Aの個数がN個分だけ離れた位置には、全く同じ寸法tj及び形状の開口領域Aが常に存在するという規則性を有する。しかし、この規則性は、単位パターン領域Sとしての繰返周期(前記で言えば寸法Lsがその繰返周期に該当する)に基づくものであり、開口領域Aとしての繰返周期ではなく、各単位パターン領域S内に於いて開口領域Aが繰返周期を上記特定方向に持つことではない。また、単位パターン領域Sとしての繰返周期は、ディスプレイパネルの画素配列の配列周期に対して寸法が例えば1000倍以上異なる為に、モアレが発生する様な近い寸法関係にない。
図10に示された例では、光学シート10が、同一の形状を有した六つの単位パターン領域Sに分割され、各単位パターン領域S内で微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pが同一に構成されている。そして、六つの単位パターン領域Sは、図10の縦方向(図の上下方向)に繰返周期SP1で三つの領域が並ぶとともに、図10の横方向に繰返周期SP2で二つの領域が並ぶように配列されている。
[微小凹凸条の主切断面形状]
微小凹凸条2の主切断面形状は、光拡散性を付与できる形状であれば特に限定はない。光拡散性を付与できる形状とは、一方の面1pに対して、凸形状、凹形状の何れか一方又は両方の形状を有することである。こうした形状によって、一方の面1pである開口領域Aの部分での本体部1と単位光学要素3とで構成される界面に於ける光の屈折作用と異なる、光の屈折作用によって、光を拡散させることができる。
こうした微小凹凸条2の主切断面形状としては、例えば、図2の断面図で示した各種形状をとり得る。図2(1)〜図2(5)は凸形状の例であり、図2(1)は長方形(含む正方形)、図2(2)は台形、図2(3)は円又は楕円の一部、図2(4)は三角形、図2(5)は三角形や台形の斜辺が外側に向かって凸形状に変調された形状(図は三角形の場合)である。図2(6)〜図2(10)は凹形状の例であり、図2(6)は長方形(含む正方形)、図2(7)は台形、図2(8)は円又は楕円の一部、図2(9)は三角形、図2(10)は三角形や台形の斜辺が外側に向かって凸形状に変調された形状(図は三角形の場合)である。また、凸形状及び凹形状共に、この他、図示は省くが、五角形、六角形などでも良い。図2(11)は、凸形状であり且つ凹形状である例である。図面は概念的なものであり、断面形状の角は製造上の造形精度や形状耐久性などを勘案して、丸みを帯びていることがある。
[微小凹凸条の寸法]
微小凹凸条2の主切断面形状での寸法は、光拡散性を付与できる寸法とする。主切断面形状での寸法とは、図2で示す様に、一方の面1pに於ける幅W、及び高低差Hである。
この為には、微小凹凸条2の寸法は、少なくとも光源光中の可視光線スペクトルの最短波長0.38μm以上、より好ましくは、光源光中の可視光線スペクトルの最長波長0.78μm以上とし、通常は、多少余裕を見込んで1μm以上とする。また、100μmを超えても光拡散性効果は既に飽和している上、微小凹凸条2が視認され易くなる。よって、これらの兼ね合いから、微小凹凸条2の寸法は1〜100μm程度である。微小凹凸条2の寸法は、網目状パターン2Pの全領域にて同一とする必要はない。したがって、微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pを構成する境界線分Lの線幅は1〜100μm程度となる。
微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pが画成する開口領域Aの寸法は、開口領域Aの面部分は光拡散性に寄与しないため最大限に光拡散性を得る点では開口領域Aは小さい方が好ましく、開口領域Aを内接する外接円の直径にて1〜500μm、好ましくは3〜30μm程度とする。
[屈折率差]
微小凹凸条2が光拡散性を発揮するためには、微小凹凸条2と単位光学要素3との界面において、屈折率差を有することが必要である。この屈折率差としては、光拡散性を効果的に発揮させるために、0.1以上、より好ましくは0.2以上とすることが望ましい。
微小凹凸条2と単位光学要素3との界面とは、微視的且つ平面視でみると、微小凹凸条2を構成する網目状パターン2Pのライン部Ltの部分と単位光学要素3との界面のことである。
上記屈折率差は、微小凹凸条2と単位光学要素3との界面を形成する、該界面の本体部1側を構成する材料の屈折率と、単位光学要素3を構成する材料の屈折率によって決まる。これら両方の材料の屈折率を適宜に選択することで、屈折率差を調整する。
微小凹凸条2と単位光学要素3との界面の本体部1側を構成する材料とは、微小凹凸条2が本体部1とは異なる材料で構成される場合は、微小凹凸条2を構成する材料であり、微小凹凸条2が本体部1と一体的に同一材料で構成される場合は、本体部1を構成する材料となる。
例えば、微小凹凸条2が、図2(1)〜(5)のように一方の面1pに対して凸形状となる部分では、この微小凹凸条2は本体部1と一体的に同一材料で構成することもできるし、異なる材料で構成することもできる。一方、微小凹凸条2が、図2(6)〜(10)のように一方の面1pに対して凹形状となる部分では、この微小凹凸条2は本体部1と異なる材料で形成することはできないので、本体部1と一体的に同一材料で構成されることになる。したがって、微小凹凸条2が一方の面1pに対して凸形状である部分では、屈折率差は本体部1を構成する材料とは関係なく設定することもできる。
このように、屈折率差に関係する、本体部1の材料、或いは微小凹凸条2自体を構成する材料、単位光学要素3の材料は、上記屈折率差を与える様に、これらは通常、1.30〜1.70の範囲から適宜選択される。
《微小凹凸条の本体部への形成法》
微小凹凸条2を本体部1の一方の面1pに形成する方法は、特に限定されない。成形法など公知の各種形成方法を適宜採用して形成することができる。
微小凹凸条2は、一方の面1pに対して凸形状となる部分で且つ本体部1とは異なる材料で構成する部分においては、微小凹凸条2は本体部1の一方の面1pとの境界、つまり本体部1との界面に於いては、該界面を透過する透過光に対して積極的に光学的作用を機能させなくても良いし、界面での屈折率差を利用して積極的に光学的作用を機能させても良い。このため、該界面を透過する透過光に対して積極的に光学的作用を機能させない場合は、微小凹凸条2は本体部1と一体的に成形することもできる。
このように、本体部1の一方の面1pは仮想的な面であるから、微小凹凸条2を一方の面1pに対して凸形状とする部分では、本体部1の一方の面1pの外側(微小凹凸条2側)と内側とは、同じ材料から構成されても良いし、異なる材料から構成されても良い。
本体部1自体の表面に直接プレス加工等の成形加工を施して微小凹凸条2を形成する場合には、必然的に、本体部1と微小凹凸条2とは同一の材料から構成されることになる。
本体部1の一方の面1pに微小凹凸条2を形成するための成形法としては、例えば、下記の成形法乃至は成形型を利用して成形できる。この成形型の型面には、微小凹凸条2とは逆凹凸形状の凹凸が設けられている。
a)円筒状の成形型の型面に未硬化では液状の電離放射線硬化性樹脂を塗布後、塗布面に樹脂シートを押し付けた後、型面上で樹脂を硬化させ、その後樹脂シートを該樹脂の硬化物と共に剥がして該硬化性樹脂面に賦型する賦型法、
b)円筒状の成形型と押圧ロール間にTダイ等から押し出した溶融樹脂を供給して該成形型面で樹脂を冷却固化することによって、成形する溶融押出成形法、
c)射出成形法、
d)加熱された成形型と金属板や金属ロール間に樹脂を挟んで加熱加圧し、冷却固化後離型する熱プレス法、
e)成形型に樹脂を積層後、成形型を剥がして樹脂面に型面の形状を転写する転写法。
(本体部1の構成と一方の面1p)
上記成形法の説明にて、樹脂シートと樹脂材料とを用いる場合で説明すると、上記a)賦型法などの方法によれば、樹脂材料を成形型と樹脂シートとの間の全面に介在させることで、樹脂シートは成形型の型面に接触していない状態で、樹脂材料を硬化させて微小凹凸条2を樹脂シート上に成形することもできる。この結果、本体部1は、樹脂シートとシート状に硬化した樹脂材料とから構成されるようになる。また、上記b)又はc)の成形法を適用した場合は、樹脂シートが成形型の型面に接触している状態で、樹脂材料を固化(乃至硬化)させて微小凹凸条2を樹脂シート上に成形することもでき、この場合は、本体部1は、樹脂シートのみから構成されるようになる。従って、一方の面1pとは、後者の場合は樹脂シートの表面となり、前者の場合は、硬化した樹脂材料の内部の仮想的な面となる。
微小凹凸条2は、成形法以外の形成方法として、印刷法によって形成しても良い。印刷法では、微小凹凸条2が有する網目状パターン2Pに対応する画線を印刷する。印刷法では、樹脂材料をインク化したものを用いる。印刷法としては、凹版印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、活版印刷、インクジェット印刷等、公知の印刷法を採用できる。
[微小凹凸条の材料]
微小凹凸条2を本体部1とは異なる材料で形成する場合は、微小凹凸条2は、透明材料から構成することができる。該透明材料としては基本的には特に制限はなく、樹脂材料、或いは本体部が特に無機材料であるときはガラスやセラミックス等の無機材料を用いても良い。なかでも、樹脂材料は、形成が容易な点で好ましい。該透明材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂でも良いが、固化が迅速などの点で、好ましくは、硬化性樹脂、それも、紫外線や電子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂を用いるのが良い。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系などの樹脂が挙げられる。
微小凹凸条2は、微小凹凸条2を本体部1とは異なる材料で構成する場合、微小凹凸条2を構成する材料中に光拡散性粒子を含有させても良い。光拡散性粒子としては、シリカ、アルミナ、ガラス等の無機材料、或いはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂材料からなる粒子を用いることができる。光拡散性粒子を光拡散性粒子とは異なる屈折率のマトリックス中に分散させることで、光拡散性粒子によっても、光拡散効果が得られる。ただ、それは等方的な光拡散効果となり正面輝度が低下するため、光拡散性粒子は、支障を来たさない程度での使用となる。
[光拡散性の評価尺度]
本光学シート10は、後述の如く、面光源装置に組み込まれて画像表示装置に適用するに当たり、透過光に適度な光拡散性を付与させることが出来る。この光拡散性は、JIS K7136(2000年版)規定のヘイズ(曇価)によって規定することができる。
画像表示装置に適用される場合のヘイズは20〜95の範囲、通常は、30〜90の範囲とする。光学シート10のヘイズの値は、微小凹凸条2の形状(主切断面形状及びその幅Wと高低差H、開口領域の外接円直径、及び網目状パターン2Pの平面視形状)、及び屈折率によって決まるため、これらを適宜調整して所望のヘイズを得るように設計する。
《単位光学要素》
単位光学要素3は、微小凹凸条2が形成されている一方の面1pに、多数、一次元配置又は二次元配置され光の進行方向を変化させる透明な光学要素である。単位光学要素3は、本体部1の一方の面1pと、この一方の面1pに形成された微小凹凸条2とによって形成される表面に対して凸なる形状を有する。この様な単位光学要素3としては、従来公知の各種形状のものを用いることができる。
例えば、一次元配置される単位光学要素3としては、柱状単位プリズム、柱状単位レンズ等の柱状単位光学要素があり、これら各柱状単位光学要素の延在方向(稜線方向)と直交する方向(図1(A)に於いては左右方向)に規則的又は不規則的に配列させる。この配列を一次元配置と呼称する。二次元配置される単位光学要素3としては、四角錘等の錐体状単位プリズム、半球状単位レンズ等の突起状単位光学要素がある。これら各突起状単位光学要素をシート面内の2方向(例えば、XY面内に於けるX方向及びY方向)に規則的又は不規則的に配列させる。この配列を二次元配置と呼称する。
ここで、プリズムとは表面(空気との接触面)が平面の組み合わせからなる光学要素、レンズとは表面が単一の曲面乃至は複数の曲面の組み合わせからなる光学要素を意味する。
単位光学要素3は、その表面が平面と曲面との組み合わせからなる光学要素でも良く、この場合は平面の部分はプリズムとして機能し、曲面の部分はレンズとして機能する。
[一次元配置される単位光学要素]
上記一次元配置される柱状単位プリズムとしては、主切断面形状が三角形{図13(1)参照}の三角柱単位プリズムが代表的であるが、この他、主切断面形状が、五角形{図13(2)参照}、六角形などの多角柱単位プリズムでも良い。
上記一次元配置される柱状単位レンズとしては、表面部分の主切断面形状が円又は楕円の一部を成す形状{図13(3)参照}の円柱状単位レンズが代表的であるが、この他、表面部分の主切断面形状が、放物線、双曲線、サイクロイド、カージオイド、正規分布曲線、正弦曲線、双曲線正弦曲線、楕円関数曲線(sn関数、cn関数)、ベッセル関数曲線、ランキンの卵型曲線、等の一部を成す連続して滑らかな曲線からなる曲面柱単位レンズでも良い。
[二次元配置される単位光学要素]
上記二次元配置される錐体状単位プリズムとしては、断面形状が三角形{図13(1)参照}の円錐体又は角錐体単位プリズムが代表的であるが、この他、断面形状が台形の円錐台又は角錐台単位プリズムでも良い。
錐体状単位プリズムの、微小凹凸条2が形成されている一方の面1pに接する底面の形状は、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、円、楕円等の滑らかな連続曲線形状などである。
上記二次元配置される半球状単位レンズとしては、表面部分の断面形状が円又は楕円の一部を成す形状{図13(3)参照}が代表的であるが、この他、放物線、双曲線、サイクロイド、カージオイド、正規分布曲線、正弦曲線、双曲線正弦曲線、楕円関数曲線(sn関数、cn関数)、ベッセル関数曲線、ランキンの卵型曲線、等の一部を成す形状でも良い。
半球状単位レンズの、微小凹凸条2が形成されている一方の面1pに接する底面の形状は、例えば、円、楕円等の滑らかな連続曲線形状、或いは、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形などである。
[変形形状]
単位光学要素3は、断面又は底面形状が変形されたものもあり得る。例えば、断面の三角形の頂点両側の両斜辺の片方又は両方を、外側又は内側に折れ曲げたり、外側又は内側に湾曲させたりした形状{図13(4)参照}、三角形の頂点近傍を湾曲させて丸みを帯びさせた形状(図示略)などである。
図13(1)〜図13(4)に例示の単位光学要素3は、本体部1の、微小凹凸条2が形成されている一方の面1pに対して凸なる形状であるが、この凸なる形状であっても、例えば単位光学要素3がレンズである場合で言えば凸レンズの他に凹レンズの様に凹形状{図13(5)参照}でも良い。
[配置の様式]
一次元配置される単位光学要素3は、直線状に延びる柱状の単位光学要素3では、直線状に延びる延在方向を互いに平行にして、通常、シート面内の一方向に対して一定の周期で配列される。また、柱状の単位光学要素3は、延びる方向は、シート面に立てた法線方向から見たときの平面視形状が、円形状や波形状など曲線、折れ線などあっても良い。
二次元配置される単位光学要素3は、通常、規則格子状に一定の周期で配列される。
一次元配置及び二次元配置の場合も共に、配置は一定の周期を有する規則的な配列以外に、不規則的な配置でも良い。
単位光学要素3は、レンズ要素の単位光学要素3とプリズム要素の単位光学要素3とが混在して配置されていても良い。
単位光学要素3は、一次元配置される単位光学要素3と、二次元配置される単位光学要素3とが混在して配置されていても良い。例えば、単位光学要素3は、特許第4642124号公報等に開示の如く、一次元配置される3角柱からなる単位光学要素3と、二次元配置される半球乃至半裁回転楕円体からなる単位光学要素3とが混在して配置されていても良い。
単位光学要素3は、多数配置されるとき、全て同じ形状同じ寸法のものを配置することもあるが、異なる形状、異なる寸法のものを配置することもある。
不規則性を、形状、寸法、配置の1以上に導入することで、他の部材が規則性パターンを有するときに、その規則性パターンと干渉してモアレが生じるのを防ぐことができる。
[寸法]
単位光学要素3の寸法は、単位三角柱プリズムである場合で示せば、例えば、一方の面1pに接する底辺が10〜100μm、高さが10〜100μm、頂角の角度は80〜120°、配列周期は10〜100μmである。
以上、単位光学要素3の各種形状及び配置は、集光乃至は光拡散などの要求される光学機能、及び材料の収差等の光学性能に基づいて、適宜選択される。
《変形形態》
本光学シート10は、上記した実施形態及び構成以外に、例えば下記の様に、更に、微小凹凸条2の変形形態、その他の構成要素を加えた形態などとしても良い。
[開口領域以外に対する繰返周期]
上記した実施形態に於いては、光学シート10は、微小凹凸条2の全領域が、開口領域Aに繰返周期を有する方向が存在しない網目状パターン2Pのみから構成されていた。
しかしながら、ディスプレイパネルの画素の周期的配列とのモアレが実質上無視し得る範囲内であるならば、一部、開口領域Aが一定の繰返周期で配列する方向が存在するような網目状パターン2Pを採用しても良い。勿論、この様な特定方向以外は、開口領域Aが繰返周期を有する方向が存在しない。本発明の網目状パターン2Pには、このような形態も包含する。例えば、周期性を有する網点が開口領域Aを構成するような繰返周期を有する網点パターンによって、製品型版などを表わす文字の表示領域を設けることができる。
[屈折率差増強層]
微小凹凸条2と単位光学要素3との間に、屈折率差増強層を介在させても良い。この屈折率差増強層は微小凹凸条2の凹凸形状を引き継いで該凹凸形状と同様の凹凸形状をしている。このため、屈折率差増強層を介在させることによって、微小凹凸条2と単位光学要素3との屈折率差を大きくとれない場合に、微小凹凸条2の凹凸形状による光拡散効果を、屈折率差増強層に伝播した凹凸形状によって発揮させることができる。
こうした屈折率差増強層としては、高屈折率又は低屈折率の物質からなる透明な層を用いることができる。例えば、高屈折率の物質としては、二酸化チタン(屈折率2.5)、二酸化セリウム(屈折率2.3)等があり、低屈折率の物質としては、フッ化マグネシウム(屈折率1.38)、氷晶石(屈折率1.35)等がある。こうした物質からなる屈折率差増強層は、微小凹凸条2が形成されている一方の面1pに対して、真空蒸着、スパッタリングなどの公知の薄膜形成法によって形成することができる。
[反射防止層]
光学シート10は、その表面に、該表面を構成する層よりも相対的に低屈折率の低屈折率層からなる反射防止層を形成しても良い。反射防止層によって、光学シート10の最外面での光の反射損失を低減できる。
[帯電防止層]
光学シート10は帯電防止層を有していてもよい。帯電防止層は、本体部1、微小凹凸条2、単位光学要素3のいずれか1以上を兼用することもできる。帯電防止層によって光学シート10に帯電防止機能が付与され、埃等の異物付着を低減し、光学特性への悪影響を抑制できる。
[他の光学部材との一体化]
光学シート10は、その他の光学部材と積層しても良い。例えば、偏光フィルム、輝度向上フィルム、位相差フィルムなどの公知の光学部材である。
このように構成とすることによって、1枚のシートで本発明の光学シート10の機能と他の光学部材の機能の両機能を発現し、同等の機能をより少ない部品数及び総厚で実現することが出来る。
[C]面光源装置:
本発明による面光源装置は、光源と、この光源の出光面上に載置した上記本発明の光学シート10と、を少なくとも備える。
本発明による面光源装置を、図14(A)に例示する一実施形態例の面光源装置100を参照して説明する。本実施形態による面光源装置100では、光源20と、この光源20の平面状の出光面20a上に配置された光学シート10とを備える。光学シート10は、図1等で例示した本発明の光学シート10である。
光学シート10が備える微小凹凸条2によって、輝度低下もモアレも輝度ムラも生じさせずに光拡散性が付与されている。
本実施形態例では、光源20は、出光面20aが平面状となる面光源であり、この面光源の光源20としては、公知の光源を採用できる。
例えば、発光源として、面状発光体の電界発光パネル(ELパネル)を用いれば、そのまま面光源の光源20として用いることができる。また、発光源として、線状発光体の冷陰極管、点状発光体の発光ダイオード(LED)を用いるときは、導光板、光拡散板、光反射板などを適宜組み合わせて、出光面20aが平面状となる様に、エッジライト(サイドライト)型又は直下型として光源20を構成する。言い換えると、この場合、光源20は光源モジュールとも言える。
また、出光面20aは仮想的な面でもよい。例えば、直下型の面光源で発光体から光学部材10に至る部分に空間を有する場合などである。
面光源装置100は、光源20及び光学部材10以外に、更にその他の部材を備えていても良く、その他の部材としては、面光源装置における公知の各種部材を適宜採用することができる。その他の部材の例を挙げれば、偏光分離フィルム等の輝度向上フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散シート、集光シート等である。
面光源装置100としては、光学シート10の光源20に対する向きは、図14(A)の様に、単位光学要素3側を観察者V側とする向きでも良いが、これとは逆に、図14(B)の様に、単位光学要素3側を光源20側とする向きでも良い。単位光学要素3の向きによって、配光特性を調整することができる。
これらの図面において、図面上方の面光源装置100としての出光面側が、画像表示パネルが配置されその画像の観察者V側となる。
光学シート10は一枚の配置の他、2枚など複数枚を重ねて配置してもよい。複数枚配置することで、例えば、単位光学要素2が柱状単位光学要素であり光学特性がシート面方向で方向性を有する場合に、複数の方向にその方向性を有する光学特性を配することができる。
[D]画像表示装置:
本発明による画像表示装置は、上記の本発明による面光源装置100と、この面光源装置100の出光面上に載置したディスプレイパネルとを少なくとも備える。
本発明による画像表示装置を、図15に例示する一実施形態例の画像表示装置1000を参照して説明する。図15に例示する画像表示装置1000は、上記した様な光学シート10を備える面光源装置100と、この面光源装置100の出光面100a上に配置されたディスプレイパネル30とを備える、表示装置である。本画像表示装置1000は、面光源装置100及びディスプレイパネル30以外に、筐体(キャビネット)、入出力部品等の他、画像表示装置の用途に応じて、例えば、テレビジョン受像機の場合はチューナ等の、公知の各種部品を備える。これらのその他の構成要素は、特に制限はなく、用途に応じたものとなる。
ディスプレイパネル30は、液晶パネルなどの透過型で画像を表示可能な表示パネルである。ディスプレイパネル30としては、ディスプレイ駆動回路等の各種回路、該駆動回路とディスプレイパネル本体間の配線、これらを一体化するシャーシ、フレーム、タッチパネル等を含んでいても良い。従って、ディスプレイパネル30は、「ディスプレイモジュール」乃至は「パネルモジュール」等と呼ぶこともできる。
この様な構成の画像表示装置1000とすることによって、その面光源装置100には上記光学シート10が使用されている為、画像の観察者V側から画像表示装置1000を見たときに、該光学シート10が備える単位光学要素3と微小凹凸条2によって、モアレも輝度ムラも生じさせずに、光源光の利用効率を高めて正面輝度を維持しつつ光拡散効果が、単位光学要素3による集光効果に付与された装置となる。
[E]用途:
本発明による光学シート10は、面光源装置用などの光学シートとして好適である。この光学シート10を備える面光源装置100は、透過型表示装置のバックライトとして好適である。この面光源装置100を備える画像表示装置1000は、テレビジョン受像機、測定機器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器、電話機、電子看板、遊戯機器、デジタルフォトフレーム等の画像表示装置として好適である。
1 本体部
1p 一方の面
1q 他方の面
2 微小凹凸条(光拡散層)
2P 網目状パターン
3 単位光学要素
10 光学シート
20 光源
20a 出光面
30 ディスプレイパネル
100 面光源装置
100a 出光面
1000 画像表示装置
A 開口領域
B 分岐点
BP 母点
L 境界線分
Lt ライン部(境界線分の集合)
S 単位パターン領域
V 観察者

Claims (3)

  1. シート状の本体部と、この本体部の一方の面に形成された光拡散性の微小凹凸条と、この微小凹凸条が形成されている一方の面上に配置された複数の単位光学要素とを有し、
    前記微小凹凸条は、シート状の本体部のシート面に垂直な法線方向から見たときに網目状パターンを呈し、この網目状パターンは二つの分岐点の間を延びて多数の開口領域を画成する多数の境界線分から構成され、一つの分岐点から延びる境界線分の数の平均値Nが、3.0≦N<4.0であり、且つ、前記開口領域が繰返周期を持つ方向が存在しない領域を含む、光学シート。
  2. 光源と、この光源の出光面上に載置した上記請求項1記載の光学シートとを備える、面光源装置。
  3. 請求項2記載の面光源装置と、この面光源装置の出光面上に載置したディスプレイパネルとを備える、画像表示装置。
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