JP2008038984A - ゴム連結体及びゴム連結体の検査方法 - Google Patents

ゴム連結体及びゴム連結体の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴム連結体における各ゴム部材の境界位置を効率良く測定する。
【解決手段】ゴム硬度の異なる複数のゴム部材を一体的に連結して成形されたゴム連結体1の検査方法であって、X線造影剤を含有するゴム部材と含有しないゴム部材とを交互に連結してゴム連結体1を製造する製造工程と、ゴム連結体1をX線検査装置2で撮像する撮像工程と、この撮像したX線画像に基づいて、ゴム連結体1における各ゴム部材の境界位置を判別する判別工程とからなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ゴム硬度の異なる複数のゴム部材を一体的に連結して成形されたゴム連結体及びゴム連結体の検査方法に関する。
自動車のサスペンションに使用されるバンプストッパ等は、ゴム硬度の異なる複数のゴム部材を一体的に連結して成形されている(例えば特許文献1参照)。このように連結成形されたゴム連結体において、所定の位置に各ゴム部材の境界が存在するか否かを検査する際に、ゴム硬度計(例えば特許文献2参照)を使用して、所定間隔毎にゴム硬度を測定して、境界位置を判別する。しかし、全てのゴム連結体について検査する場合、全品について所定間隔ごとにゴム硬度計を押し当てて測定、検査することは、手間や時間が非常にかかり、検査効率が極めて悪いという問題があった。
特開2005−265158号公報 特開2006−3185号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ゴム連結体における各ゴム部材の境界位置を効率良く測定するために、全く新規なゴム連結体及びゴム連結体の検査方法を提供することにある。
前記した課題を解決するために、本発明に係るゴム連結体は、ゴム硬度の異なる複数のゴム部材を一体的に連結して成形されたゴム連結体であって、X線造影剤を含有するゴム部材と含有しないゴム部材とを交互に連結してなる。
好ましくは、前記ゴム連結体が2種類の各ゴム部材からなり、低硬度のゴム部材にX線造影剤が含有されている。
前記した課題を解決するために、本発明に係るゴム連結体の検査方法は、ゴム硬度の異なる複数のゴム部材を一体的に連結して成形されたゴム連結体の検査方法であって、X線造影剤を含有するゴム部材と含有しないゴム部材とを交互に連結してゴム連結体を製造する製造工程と、ゴム連結体をX線検査装置で撮像する撮像工程と、この撮像したX線画像に基づいて、ゴム連結体における各ゴム部材の境界位置を判別する判別工程と、からなることを特徴とする。
好ましくは、前記製造工程において、2種類のゴム部材を準備して、低硬度のゴム部材にX線造影剤を含有する。
好ましくは、前記判別工程において、画像処理手段を用いて、X線画像のデジタル画像データを取得し、演算手段を用いて、画像データと所定閾値とを比較することにより、境界位置を自動判別する。
好ましくは、前記製造工程において、ゴム連結体がバンプストッパであって、バンプストッパの軸方向に各ゴム部材を連結する。
更に好ましくは、前記製造工程において、各ゴム部材にカーボンブラックを含有する。
本発明に係るゴム連結体及びその検査方法は、前記のように、X線造影剤を含有するゴム部材と含有しないゴム部材とを交互に連結してゴム連結体を製造する。これにより、X線透過率の異なる各ゴム部材が、交互に並列することになる。従って、このゴム連結体をX線検査装置で撮像したX線画像では、各ゴム部材毎に明度が異なるので、非常に容易且つ迅速に、さらに非破壊で各ゴム部材の境界位置を検査することができる。
2種類のゴム部材でゴム連結体を構成する場合、低硬度側のゴム部材にX線造影剤を含有する。高硬度側のゴム部材は、要求特性によって硬度が異なるので、X線造影剤を含有しないことにより、容易に所定硬度のゴム部材を製造することができる。
画像処理手段及び演算手段を用いることによって、目視によらずに各ゴム部材の境界位置を判別することができるので、自動化して作業時間を大幅に減らすことができる。
特に、ゴム連結体がバンプストッパである場合、全品について各ゴム部材の境界位置を正確に判別する必要があるので、硬度計による全品検査の手間や時間を大幅に減少して、検査効率を著しく向上することができる。
各ゴム部材がカーボンブラックを含有することにより、ゴム連結体が全体として強度を増すと共に、黒一色に構成され、単なる目視だけでは各ゴム部材の境界位置を判別することができない。しかし、この場合でも、本発明によれば、簡単に目視により各ゴム部材の境界位置を判別することができる。
以下、添付図面に基づき、本発明に係るゴム連結体の検査方法について、詳細に説明する。
図1は、ゴム連結体(バンプストッパ)を示しており、(a)はショックアブソーバーに装着された状態の断面図、(b)は拡大断面図である。図2は、X線検査装置を示しており、(a)は概略平面図、(b)は概略側面断面図である。図3は、ゴム連結体(バンプストッパ)のX線画像を示す写真図である。
先ず、本発明の検査方法における被検査物である、ゴム連結体(バンプストッパ)について説明する。
図1(a)に示すように、バンプストッパ1は、自動車のショックアブソーバー7に装着されてる。バンプストッパ1は、自動車のサスペンションがストロークの限界近くに圧縮されたとき、ホイールからの衝撃が自動車のボディーに直接伝われないようにするための衝撃吸収材である。そして、バンプストッパ1は、弾性材料で形成され、一般的にはゴム製である。バンプストッパ1は、軸方向に中空形状であって、ピストンロッド70に外挿される。ショックアブソーバ7に荷重がかかると、バンプストッパ1が軸方向に圧縮され、ストロークが弾性的に制限されると共に衝撃が吸収されるように構成されている。
バンプストッパ1は、ダストカバー3が下側に一体的に連結されている。ダストカバー3も、ゴム製であって、軸方向に中空な円筒形状である。ダストカバー3は、蛇腹形状で、軸方向に折り畳み可能に構成されている。ダストカバー3は、中空部にピストンロッド70が挿入されている。従って、ダストカバー3は、ピストンロッド70の上下移動に応じて伸縮するようになっている。そして、このダストカバー3が、ピストンロッド70とシリンダ71の間隙からのダスト侵入を防止している。
図1(b)に示すように、バンプストッパ1は、ゴム硬度の異なる第一ゴム部材10と第二ゴム部材11を軸方向Cに一体的に連結してなるゴム連結体である。第一ゴム部材10は、低硬度ゴム材料からなっている。第二ゴム部材11は、第一ゴム部材10よりも硬度の高いゴム材料で構成されている。第一ゴム部材10は、環状凹部10aと環状凸部10bが軸方向Cに交互に形成されている。また、第二ゴム部材11も、環状凹部11aと環状凸部11bが交互に形成されている。これにより、バンプストッパ1は、軸方向Cの荷重に対して変形可能になっている。
例えば、第一ゴム部材10はゴム硬度が40乃至65度、第二ゴム部材11はゴム硬度が70乃至85度で形成されている。このように、ゴム高度の異なるゴム部材10,11でバンプストッパ1を構成することにより、軸方向荷重が小さい範囲では、ゴム硬度の低い第一ゴム部材10が変形してバネ定数が小さくなり、荷重が大きい範囲では、第一ゴム部材10が変形せずに、ゴム硬度の高い第二ゴム部材11の変形でバネ定数が大きくなる。これにより、ショックアブソーバの動作初期では、バンプストッパ1のたわみ量が大きくなり衝撃の緩和効果が増大し、ショックアブソーバの動作後半では、バンプストッパ1の変形が小さくなり、部材間の干渉、衝突を防止することができる。
第一ゴム部材10又は第二ゴム部材11のいずれか一方には、X線造影剤(例えば硫酸バリウム)が含有されている。本実施形態では、第二ゴム部材11は、要求特性のゴム硬度に応じてゴム材料を選定し製造するので、要求に応じ易いように、第二ゴム部材11にはX線造影剤が含有されておらず、第一ゴム部材10にX線造影剤が含有されている。例えば、X線造影剤は、第一ゴム部材10の体積比で2乃至10%配合されている。なお、バンプストッパ1は、強度を増すためにカーボンブラックが全体に含有されており、全体的に黒一色に構成されている。
次に、本発明の検査方法における検査装置及び検査手順について説明する。
図2(a)に示すように、X線検査装置2は、本体20及びベルトコンベア23を備えている。ベルトコンベア23は、平面視環状になっており、途中で本体20を通過するように構成されている。ベルトコンベア23は、上面が図示時計回りに移動するようになっている。そして、ベルトコンベア23は、前記した被検査物のゴム連結体(バンプストッパ)1を搬送し本体20内を通過させる。
図2(b)に示すように、本体20は、左右両側に開口部20a(一点鎖線)を有している。ベルトコンベア23が、この開口部20aを通じて、バンプストッパ1を本体20内に通過させる。本体20内に、X線管装置29及びX線検出器27が設置されている。X線管装置29は、X線高電圧発生装置21に接続されている。X線検査装置2は、X線制御装置22を備えており、検査装置2全体をコントロールするようになっている。X線制御装置22は、X線検査装置2を制御するように、X線高電圧発生装置21に接続されている。X線制御装置22は、ベルトコンベア23を駆動する駆動モータ26にも接続されており、ベルトコンベア23の正転、逆転、停止などの駆動を制御する。
図2(a)に示すように、本体20は、バンプストッパ1の進入側に位置検出センサ25が設置されている。位置検出センサ25は、X線制御装置22に接続されている(図示略)。そして、X線制御装置22は、位置検出センサ25がバンプストッパ1を検知した所定時間経過後に、X線高電圧発生装置21を駆動、停止して、バンプストッパ1を後述のX線撮像するようになっている。即ち、位置検出センサ25によって、パンプストッパ1がX線照射野内にあるときだけ、X線撮像するようになっている。
本体20内には、X線照射野を設定するためのX線コリメータ28,28’が設置されている。そして、X線高圧発生装置21、X線管装置29及びX線コリメータ28,28’が、X線ビームを形成する。
本体20内には、バンプストッパ1を透過したX線を検出して電気信号に変換するX線検出器27が設置されている。X線検出器27は、入射X線を光に変換するシンチレータと、その光を電気信号に変換するフォトダイオードを備えている(図示略)。
X線検査装置2は、画像処理手段4を備えている。画像処理手段4は、X線検出器27に接続されたA/D(アナログ・デジタル)変換器40を備えている。従って、バンプストッパ1を透過したX線ビームが、X線検出器27で電気信号に変換され、その電気信号がA/D変換器40でデジタルデータに変換される。画像処理手段4は、このデジタルデータに基づいて、バンプストッパ1をデジタル画像データとして処理する。そして、画像処理手段4に接続された表示手段(モニタ)24が、このデジタル画像データから、バンプストッパ1のX線撮像を表示する(図3参照)。
図3に示すように、バンプストッパ1は、X線造影剤が含有された第一ゴム部材10側(上部側)が黒色に、X線撮像剤が含有されていない第二ゴム部材11側(下部側)が白色にX線撮像される。
画像処理手段4は、さらに演算手段5に接続されている。前記したデジタル画像データが、演算手段5に入力されて処理される。演算手段5は、デジタル画像データを処理することにより、バンプストッパ1の上端から明度(濃淡)が変化(黒色から白色への変化)する位置(境界位置)までの距離を検出、記憶する。また、演算手段5は、バンプストッパ1上端から境界位置までの基準距離レンジを、閾値として予め記憶されている。
演算手段5が、この閾値と入力されたデジタル画像データとを比較して、パンプストッパ1における境界位置が基準距離レンジ内か否かを判別する。そして、境界位置が基準レンジ外にあるときは、演算手段5が信号を発して、例えば、報知ランプ(図示略)を点灯するように構成されている。この報知ランプに基づいて、作業者が、境界位置が基準レンジ内にある適正なバンプストッパ1と、境界位置が基準レンジ内にない不適正なバンプストッパ1を分別する。
前記した実施形態以外にも、被検査物のゴム連結体が、例えば、低ゴム硬度のゴム部材が内部にあって、このゴム部材を被覆するように高ゴム硬度のゴム部材が外部にあるものでもよい。この場合でも、低ゴム硬度のゴム部材にX線造影剤を含有して、本発明の検査方法を実施することにより、各ゴム部材の境界位置が所望の位置にあるか否かを明確に判別することができる。勿論、ゴム部材が3種類以上であってもよく、X線造影剤を含有しているゴム部材と含有していないゴム部材とを交互に連結することにより、境界位置を判別できる。
また、前記した形態では、演算手段5により境界位置を自動判別したが、表示手段24に表示されたX線撮像から作業者が目視で判別してもよい。
ゴム連結体(バンプストッパ)を示しており、(a)はショックアブソーバーに装着された状態の断面図、(b)は拡大断面図である。 X線検査装置を示しており、(a)は概略平面図、(b)は概略側面断面図である。 ゴム連結体(バンプストッパ)のX線画像を示す写真図である。
符号の説明
1 ゴム連結体(バンプストッパ)
10 第一ゴム部材
11 第二ゴム部材
2 X線検査装置
21 X線高電圧発生装置
24 表示手段(モニタ)
27 X線検出器
29 X線管装置
4 画像処理手段
5 演算手段

Claims (7)

  1. ゴム硬度の異なる複数のゴム部材を一体的に連結して成形されたゴム連結体であって、X線造影剤を含有する前記ゴム部材と含有しない前記ゴム部材とを交互に連結してなることを特徴とするゴム連結体。
  2. 前記ゴム連結体が2種類の前記各ゴム部材からなり、低硬度の前記ゴム部材に前記X線造影剤が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のゴム連結体。
  3. ゴム硬度の異なる複数のゴム部材を一体的に連結して成形されたゴム連結体の検査方法であって、
    X線造影剤を含有する前記ゴム部材と含有しない前記ゴム部材とを交互に連結して前記ゴム連結体を製造する製造工程と、
    前記ゴム連結体をX線検査装置で撮像する撮像工程と、
    この撮像したX線画像に基づいて、前記ゴム連結体における前記各ゴム部材の境界位置を判別する判別工程と、
    からなることを特徴とするゴム連結体の検査方法。
  4. 前記製造工程において、2種類の前記ゴム部材を準備して、低硬度の前記ゴム部材に前記X線造影剤を含有することを特徴とする請求項3に記載のゴム連結体の検査方法。
  5. 前記判別工程において、画像処理手段を用いて、前記X線画像のデジタル画像データを取得し、演算手段を用いて、前記画像データと所定閾値とを比較することにより、前記境界位置を自動判別することを特徴とする請求項3又は4に記載のゴム連結体の検査方法。
  6. 前記製造工程において、前記ゴム連結体がバンプストッパであって、前記バンプストッパの軸方向に前記各ゴム部材を連結することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のゴム連結体の検査方法。
  7. 前記製造工程において、前記各ゴム部材にカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のゴム連結体の検査方法。
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