JP2008038670A - 内燃機関の排気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浄化手段による排気ガスの浄化性能の向上を図ることのできる内燃機関の排気装置を提供すること。
【解決手段】内燃機関に接続される排気管5に内設される浄化手段である触媒30の上流側に内管20を設けて、排気管5内に外側通路25と内側通路26とを設ける。また、排気管5における触媒30の上流側で触媒30の近傍には、触媒30の上流から触媒30に向かうに従って断面積が大きくなる部分である上流側コーン部7を形成する。さらに、内管20において上流側コーン部7に位置する部分である内管傾斜部21には、貫通穴23を形成する。これにより、内側通路26を流れる排気ガスは触媒30における内側部分を流れ、外側通路25を流れる排気ガスは、貫通穴23を通過して触媒30の外周面31付近を流れる。従って、排気ガスは触媒30全体に流れる。この結果、浄化手段である触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の排気装置に関するものである。特に、この発明は、排気ガスの浄化性能の向上を図ることのできる内燃機関の排気装置に関するものである。
従来の排気ガスの浄化装置では、内燃機関の運転中に排出される排気ガスに含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などの有害成分を、より確実に浄化するために、様々な手法が用いられている。例えば、特許文献1に記載の自動車用排ガス浄化装置では、ドーナツ状のハニカム構造体からなる吸着部と、吸着部の内側に管状隔壁を介して設けたメイン流路と、メイン流路に配設されたハニカム構造体からなる触媒部とを有している。さらに、管状隔壁には、触媒部の上流側に、吸着部と触媒部とを連通する開口部が設けられており、開口部の上流側には、排気ガスの触媒部への導入を制御するための切替手段が配設されている。
この特許文献1に記載の自動車用排ガス浄化装置では、このような構成にすることにより、内燃機関の始動直後など触媒部が活性状態にないときには、切替手段を作動させて排気ガスを吸着部に流すことにより吸着部に排気ガス中の有害成分を吸着させ、その後排気ガスを、開口部を通じて触媒部に流入させる。これにより、触媒部が活性状態にない場合でも、有害成分が外部に放出されることを抑制できる。また、触媒部が活性状態になった場合には、切替手段を作動させて、内燃機関から排出された排気ガスの大部分をメイン流路から触媒部に導入し、触媒部で有害成分を浄化する。これらにより、触媒部の活性状態に関わらず、排気ガスの浄化を行なうことができる。
特開2000−337135号公報
ここで、排気ガスを浄化する浄化手段は、排気効率をなるべく低下させることなく多くの排気ガスを浄化させるために、例えば特許文献1の図1に示すように、触媒部、即ち浄化手段は、排気ガスの流れ方向における投影面積が、排気ガスの通路の、排気ガスの流れ方向と直交する方向における断面積よりも大きくなっている。さらに、排気ガスの通路は、このように形成される浄化手段によって排気ガスをより確実に浄化させるために、浄化手段の上流側での断面積が、浄化手段に向かうに従って大きくなっている。しかし、このように排気ガスの通路の断面積を大きくした場合でも、浄化手段に流れる排気ガスは排気ガスの通路に沿って広がらない場合がある。
つまり、排気ガスは、断面積が浄化手段の投影面積よりも小さい排気ガスの通路を流れて、排気ガスの流れの幅が浄化手段の投影面積よりも小さいまま浄化手段に流れるので、浄化手段の一部にのみ流れる虞があった。このため、浄化手段の投影面積を大きくしても排気ガスを浄化手段全体に流すことが困難になり、浄化手段を効率よく使用して排気ガスを浄化することが困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、浄化手段による排気ガスの浄化性能の向上を図ることのできる内燃機関の排気装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る内燃機関の排気装置は、内燃機関から排出された排気ガスが内側に流れる排気通路と、前記排気通路に内設されると共に前記排気ガスを浄化可能な浄化手段と、前記排気通路に形成されると共に、前記排気通路を流れる前記排気ガスの流れ方向における前記浄化手段の上流側から前記浄化手段に近付くに従って前記排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が大きくなっている部分である上流側断面積変化部と、前記排気通路が有すると共に前記排気ガスが流れる部分における外周部分に位置する外側通路と、前記排気通路における前記外側通路の内側に位置すると共に、前記上流側断面積変化部で前記浄化手段に近付くに従って前記排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が大きくなっている内側通路と、前記外側通路と前記内側通路とを区画する隔壁部と、前記上流側断面積変化部に位置する前記隔壁部に複数形成され、且つ、前記隔壁部を貫通する穴である貫通穴と、を備えることを特徴とする。
この発明では、浄化手段の上流側に位置する上流側断面積変化部に位置する内側通路は浄化手段に向かうに従って断面積が大きくなっており、また、内側通路と外側通路とを区画する隔壁部のうち、上流側断面積変化部に形成される隔壁部には貫通穴が形成されている。このため、内側通路と外側通路との双方に排気ガスが流れた場合、外側通路を流れる排気ガスは、上流側断面積変化部に形成される隔壁部の貫通穴を通って内側通路に入り、内側通路において上流側断面積変化部の上流側から上流側断面積変化部に流れ込んだ排気ガスの外側を流れる。これにより、これらの排気ガスは、浄化手段に流入する際に浄化手段の広範囲に流入する。従って、排気ガスを浄化手段によって浄化する際に、浄化手段における広い範囲で浄化することができる。この結果、浄化手段による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、この発明に係る内燃機関の排気装置は、前記排気通路は、前記浄化手段が設けられている部分である浄化手段嵌合部の内周面の形状が前記浄化手段の外周面の形状に合わせて形成されており、前記隔壁部は、前記排気ガスの流れ方向における前記浄化手段側の端部が前記浄化手段嵌合部の内周面の形状と同一形状で形成されると共に前記排気通路の内周面に接続されていることを特徴とする。
この発明では、隔壁部の浄化手段側の端部が、浄化手段嵌合部の内周面の形状で当該内周面に接続されている。このため、上流側断面積変化部に形成される隔壁部の浄化手段側の端部は、浄化手段の外周面とほぼ同じ形状になるため、この隔壁部に形成される貫通穴は、排気ガスをより確実に浄化手段における外周面付近にも流すことができる。従って、排気ガスをより確実に浄化手段の広範囲に流すことができる。この結果、より確実に浄化手段による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、この発明に係る内燃機関の排気装置は、前記内側通路には、前記内側通路を流れる前記排気ガスの量を調整可能な内側通路流量調整手段が設けられていることを特徴とする。
この発明では、内側通路に内側通路流量調整手段を設けているので、例えば、内燃機関の高負荷時に内側通路流量調整手段を調整して内側通路を流れる排気ガスの量を低減することにより、排気ガスを、浄化手段の外周部分付近に流すことができる。これにより、比較的温度が高くなり易い高負荷時の排気ガスを、浄化手段において比較的放熱し易い外周部分付近に流すことができるので、高温の排気ガスが流れた場合でも、浄化手段の温度が高くなり過ぎることを抑制できる。この結果、浄化手段の劣化を抑制できる。
また、この発明に係る内燃機関の排気装置は、前記外側通路には、前記外側通路を流れる前記排気ガスの量を調整可能な外側通路流量調整手段が設けられていることを特徴とする。
この発明では、外側通路に外側通路流量調整手段を設けているので、例えば、内燃機関の暖機運転時に外側通路流量調整手段を調整して外側通路を流れる排気ガスの量を低減することにより、排気ガスを、浄化手段の内側部分付近に流すことができる。これにより、浄化手段において放熱し難い内側部分に、より多くの排気ガスを流すことができるので、浄化手段の温度を早めに上昇させることができる。これにより、内燃機関の暖機運転時など冷間時における浄化手段の温度を早急に上昇させることができ、浄化手段を早急に、排気ガスを効率よく浄化することのできる温度にすることができる。この結果、より確実に浄化手段による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、この発明に係る内燃機関の排気装置は、前記内側通路には、前記排気ガスを前記浄化手段で浄化する際に用いる還元剤を前記内側通路に供給する還元剤供給手段が設けられていることを特徴とする。
この発明では、内側通路に還元剤供給手段が設けられているので、浄化手段で排気ガスを浄化する際に還元剤を用いて、排気ガス中の一部の成分と還元剤とを還元反応させることにより浄化する浄化手段の場合、より確実に浄化手段で排気ガスを浄化することができる。また、排気ガスを浄化させる際に、このように還元剤を用いる場合、排気ガス通路の内壁面に付着する場合があるが、内側通路の内壁面である隔壁部には、浄化手段寄りの部分に貫通穴が設けられている。このため、貫通穴付近に還元剤が付着した場合、貫通穴を通過する排気ガスによって付着した還元剤を蒸発させたり吹き飛ばしたりすることにより、還元剤を浄化手段に供給することができる。この結果、浄化手段が還元剤を用いる浄化手段である場合における排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、この発明に係る内燃機関の排気装置は、さらに、前記排気通路は、前記排気ガスの流れ方向における前記外側通路及び前記内側通路よりも上流側で2方向に分かれており、2方向に分かれた前記排気通路のうち、一方の前記排気通路は前記外側通路に接続されており、他方の前記排気通路は前記内側通路に接続されていること特徴とする。
この発明では、排気通路が、外側通路及び内側通路の上流側で2方向に分かれており、2方向に分かれた排気通路を、外側通路または内側通路に接続している。これにより、内燃機関から排出される排気ガスを外側通路と内側通路とに流す際に、それぞれに流す排気ガスの量の精度を向上させることができる。従って、浄化手段の外周部分と内側部分とに流す排気ガスの量の精度を向上させることができる。この結果、より確実に浄化手段による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
本発明に係る内燃機関の排気装置は、浄化手段による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る内燃機関の排気装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の排気装置を示す要部断面図である。なお、同図に示す排気管5内に記載された矢印は、排気管5内を流れる排気ガスの流れ方向を示している(以下、他の図面において同様)。同図に示す排気装置1は、略円筒形の管状の形状で内燃機関(図示省略)に接続され、内燃機関の運転時に当該内燃機関から排出された排気ガスが内側に流れる排気通路である排気管5が設けられている。この排気管5には、排気ガスを浄化可能な浄化手段である触媒30が内設されている。なお、この触媒30は、炭化水素(HC)と、一酸化炭素(CO)と、窒素酸化物(NOx)との3物質を酸化・還元反応によって同時に除去する、いわゆる三元触媒となっている。
また、排気管5のうち、触媒30が設けられている部分は、浄化手段嵌合部である触媒嵌合部10となっており、この触媒嵌合部10は、排気ガスの流れ方向に直交する方向の断面積が、触媒嵌合部10を有する当該排気管5の他の部分における断面積よりも大きくなっている。つまり、触媒嵌合部10において排気ガスが流れる通路の断面積は、排気管5の他の部分における排気ガスが流れる通路の断面積よりも大きくなっている。また、この触媒嵌合部10は、内周面11の形状が触媒30の外周面31の形状に合わせて形成されており、触媒30は、この触媒嵌合部10の内側に嵌合されている。
排気管5に形成される触媒嵌合部10は、このように排気管5における他の部分よりも断面積が大きくなっているため、排気管5のうち排気ガスの流れ方向において触媒嵌合部10の近傍で触媒嵌合部10の上流側と下流側とに位置する部分の排気管5には、断面積が変化した上流側コーン部7と下流側コーン部8とが形成されている。
これらの上流側コーン部7と下流側コーン部8とのうち、上流側コーン部7は上流側断面積変化部として、排気管5が有する触媒嵌合部10の上流側に形成されている。この上流側コーン部7は、排気管5を流れる排気ガスの流れ方向における触媒30の上流側から触媒30に近付くに従って排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が大きくなっている。換言すると、上流側コーン部7は、排気ガスの流れ方向において、触媒30から、当該触媒30の上流側の方向に離れるに従って排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が小さくなっている。即ち、上流側コーン部7は、排気ガスの流れ方向における上流側から下流側に向かうに従って、排気管5の径方向において広がっており、上流側コーン部7を形成する壁面はこの方向に傾斜している。
また、下流側コーン部8は下流側断面積変化部として、排気管5が有する触媒嵌合部10の下流側に形成されている。この下流側コーン部8は、排気管5を流れる排気ガスの流れ方向における触媒30の下流側から触媒30に近付くに従って排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が大きくなっている。即ち、下流側コーン部8は、排気ガスの流れ方向における上流側から下流側に向かうに従って、排気管5の径方向において狭まっており、下流側コーン部8を形成する壁面はこの方向に傾斜している。
また、排気管5には、内側に隔壁部である内管20が形成されている。この内管20は、排気管5の形状である管の太さよりも細い略管状の形状で排気管5の内側に形成されている。即ち、排気管5において内管20が設けられる部分は、管状に形成された内管20と、内管20の径方向の外側方向に位置する外管15とが形成された二重管構造になっている。また、排気管5においてこのように内管20が形成されている部分は、外側通路25と内側通路26とを有している。
このうち、外側通路25は、排気管5内を流れる排気ガスが流れる部分における外周部分、つまり、外管15のすぐ内側に位置しており、外管15と内管20との間に位置している。また、内側通路26は、排気管5における外側通路25の内側に位置しており、内管20の内側に位置している。つまり、内管20は、外側通路25と内側通路26とを区画している。
また、内管20は、上流側コーン部7にも形成されている。このため、上流側コーン部7は、外管15と内管20とを有する二重管構造になっている。ここで、上流側コーン部7は、排気管5を流れる排気ガスの流れ方向における触媒30の上流側から触媒30に近付くに従って排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が大きくなっているが、この形状は、上流側コーン部7に位置する外管15によって形成されている。つまり、上流側コーン部7に位置する外管15は、排気ガスの流れ方向における上流側から触媒30に近付くに従って、内側部分、即ち排気ガスが通る部分の断面積が大きくなるように、管状に形成された排気管5の径方向における外側方向に広がっている。
また、外管15の内側に位置する内管20は、上流側コーン部7では外管15の内側で外管15の形状に沿って形成されている。このため、上流側コーン部7に位置する内管20は、上流側コーン部7に位置する外管15と同様に、排気ガスの流れ方向における上流側から触媒30に近付くに従って、内側部分、即ち排気ガスが通る部分の断面積が大きくなるように、外側方向に広がっている。このため、内管20の内側に位置する内側通路26は、上流側コーン部7で触媒30に近付くに従って排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が大きくなっている。内管20において、このように排気ガスの流れ方向の上流側から触媒30に近付くに従って外側方向に広がった形状で上流側コーン部7に位置している部分は、内管傾斜部21となっている。
また、上流側コーン部7に位置する内管傾斜部21は、このように排気ガスの流れ方向における上流側から触媒30に近付くに従って外側方向に広がっているため、内管傾斜部21を排気ガスの流れ方向に見た場合、内管傾斜部21は触媒30に対して対向している。つまり、上流側コーン部7に位置する内管傾斜部21は、排気ガスの流れ方向に対して斜め方向に形成されているため、内管傾斜部21と触媒30とを排気ガスの流れ方向に見た場合、内管傾斜部21と触媒30とは対向している。また、このように触媒30に対して対向している内管傾斜部21は、排気ガスの流れ方向における上流側から触媒30に近付くに従って外側方向に広がっているため、触媒30における外周面31寄りの部分に対向している。
図2は、図1のA部詳細図である。また、内管20、或いは内管傾斜部21は、排気ガスの流れ方向における触媒30側の端部である触媒側端部22が触媒嵌合部10の内周面11の形状とほぼ同一形状で形成されている。また、この触媒側端部22は、触媒30の上流側における触媒30の近傍で、排気管5の内周面11に接続されている。つまり、排気管5が有する外管15と内管20とは、触媒30の上流側における触媒30の近傍で互いに接続されており、これにより、外管15と内管20との間に位置する外側通路25は、この接続部分で閉塞されている。
また、内管傾斜部21には、当該内管傾斜部21を貫通する穴である貫通穴23が複数形成されている。この貫通穴23は、内管20のうち、上流側コーン部7に位置して触媒30に対向して形成された内管傾斜部21に形成されているため、この内管傾斜部21に複数形成される貫通穴23も、触媒30に対向して形成されている。詳しくは、この貫通穴23は、内管傾斜部21と同様に、触媒30における外周面31寄りの部分に対向して形成されている。
この実施例1に係る内燃機関の排気装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。上記排気装置1を備えた内燃機関を運転すると、内燃機関の運転時に排出された排気ガスは、排気装置1の排気管5内に流れる。このように排気管5内に流れた排気ガスは、排気管5内を流れて当該排気管5に内設された触媒30の方向に向かうが、触媒30の上流側には内管20が設けられている。排気管5において、内管20が設けられている部分は、この内管20により区画された外側通路25と内側通路26とに分かれているため、この部分に流れた排気ガスは、外側通路25と内側通路26とに分かれて流れる。
外側通路25と内側通路26とに流れた排気ガスは、このように分かれた状態で触媒30の方向に流れるが、これらの排気ガスのうち、内側通路26を流れる排気ガスは、触媒30に流れた際に触媒30における内側付近に流れ、触媒30のこの部分を通過する。つまり、内側通路26を流れる排気ガスは、触媒30に流れる際に管状に形成された排気管5の径方向における中心付近、つまり触媒30における内側部分に流れ、触媒30のこの部分を通過する。
また、外側通路25を流れる排気ガスは、上流側コーン部7に流れた際に、上流側コーン部7の形状に沿って外側方向に広がる。つまり、上流側コーン部7では、外管15及び内管20が、共に管状に形成された排気管5の径方向における外側方向に広がっているため、外管15と内管20とにより形成される外側通路25も外側方向に広がっている。上流側コーン部7では、外側通路25はこのように外側方向に広がっているため、外側通路25を流れる排気ガスは、上流側コーン部7で外側通路25に沿って外側方向に広がって流れる。
外側通路25を流れる排気ガスは、このように上流側コーン部7で外側方向に広がって流れるが、上流側コーン部7に位置する内管20である内管傾斜部21には、複数の貫通穴23が形成されている。このため、上流側コーン部7の外側通路25に流れた排気ガスは、内管傾斜部21に形成された貫通穴23から流れ出る、つまり、外側通路25内から内側通路26内に流れ出る。ここで、この貫通穴23は、触媒30における外周面31寄りの部分に対向して形成されている。このため、外側通路25を流れ、貫通穴23から内側通路26内に流れた排気ガスは、内側通路26を通って触媒30における外周面31寄りの部分に流れ、触媒30のこの部分を通過する。
これらのように、内燃機関の運転時に内燃機関から排出された排気ガスのうち、内側通路26に流れた排気ガスは、触媒30の中心付近、或いは内側部分を通過し、この部分で浄化される。また、内燃機関から排出された排気ガスのうち、外側通路25に流れた排気ガスは、触媒30における外周面31寄りの部分を通過し、この部分で浄化される。つまり、外側通路25に流れた排気ガスは、触媒30を通過する際に、内側通路26を流れた排気ガスが通る部分の外側部分を通過してこの部分で浄化される。
以上の内燃機関の排気装置1は、排気管5が有する内側通路26のうち、触媒30の上流側に位置している上流側コーン部7に位置する内側通路26は、触媒30に向かうに従って断面積が大きくなっている。また、内側通路26と外側通路25とを区画する内管20のうち、上流側コーン部7に形成される内管20の内管傾斜部21には貫通穴23が形成されている。このため、内側通路26と外側通路25との双方に排気ガスが流れた場合、内側通路26を流れる排気ガスは、触媒30における内側部分を流れる。また、外側通路25を流れる排気ガスは、上流側コーン部7に位置する内管傾斜部21の貫通穴23を通って内側通路26に入り、内側通路26において上流側コーン部7の上流側から上流側コーン部7に流れ込んだ排気ガスの外側を流れる。このため、この排気ガスは、触媒30において内側通路26を流れた排気ガスが通る部分の外側部分を流れる。従って、これらの排気ガスは、触媒30に対して均一に流れ、触媒30に流入する際に触媒30の広範囲に流入するので、排気ガスを触媒30によって浄化する際に、触媒30における広い範囲で浄化することができる。この結果、浄化手段である触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、内管20のうち、排気ガスの流れ方向における触媒30側の端部である触媒側端部22は、触媒嵌合部10の内周面11とほぼ同一形状で形成され、当該内周面11に接続されている。このため、上流側コーン部7に形成される内管20の触媒側端部22は、排気ガスの流れ方向に見た場合における形状が、触媒30を同方向に見た場合における当該触媒30の外周面31の形状とほぼ同じ形状になる。従って、このように触媒側端部22が形成される内管20は、より確実に触媒30の外周面31寄りの部分に対向して形成されるため、この内管20に形成される貫通穴23も、より確実に触媒30の外周面31寄りの部分に対向して形成される。これにより、外側通路25を流れた排気ガスを、より確実に触媒30における外周面31付近に流すことができ、内燃機関から排出された排気ガスを、より確実に触媒30の広範囲に流すことができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、このように排気ガスは内側通路26と外側通路25とを排気ガスが流れるが、外側通路25を流れる排気ガスは、貫通穴23を通過して触媒30に到達する。このため、排気ガスが排気管5内を流れる場合には、外側通路25内を流れるよりも内側通路26内を流れる方が抵抗が少なくなっており、内側通路26の方が排気ガスが流れ易くなっている。ここで、内燃機関の運転時における軽負荷時などは、内燃機関から排出される排気ガスは圧力が低く、また、温度も低くなっているが、このように排気ガスの圧力が低い場合には、排気ガスは抵抗が少ない内側通路26を通り易くなる。このため、排気ガスは触媒30における内側部分を流れ易くなるので、排気ガスの温度が低い場合でも、触媒30の温度である床温が、触媒30で排気ガスを効率よく浄化できる所定の温度になるように維持することができる。
つまり、触媒30の外周面31付近は、当該触媒30を内設する触媒嵌合部10の内周面11に近いため、触媒30の外周面31付近の熱は、触媒嵌合部10を介して排気管5の外部に比較的放熱し易くなっているが、触媒30の内側部分は触媒嵌合部10の内周面11から離れているため、放熱し難くなっている。従って、内燃機関の軽負荷時など排気ガスの温度が比較的低い場合でも、この排気ガスを触媒30における内側部分に流すことにより、床温が低下し過ぎることを抑制でき、触媒30で排気ガスを効率よく浄化できる所定の温度に維持することができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、内管20を設けることにより外側通路25と内側通路26とを設け、上流側コーン部7に位置する内管20に貫通穴23を形成して外側通路25から触媒30に排気ガスを流すことにより、排気管5の径方向における触媒30の大きさが大きい場合や、排気ガスの流れ方向における上流側コーン部7の長さを確保することが困難な場合でも、排気ガスを、より確実に触媒30全体に流すことができる。
つまり、排気管5の径方向における触媒30の大きさが大きい場合や、排気ガスの流れ方向における上流側コーン部7の長さが短い場合には、上流側コーン部7は、排気ガスの流れ方向における断面積の変化の度合いが大きくなる。即ち、上流側コーン部7は、排気ガスの流れ方向における上流側から下流側に向かうに従って広がる方向に壁面が傾斜しているが、排気管5の径方向における触媒30の大きさが大きい場合や、排気ガスの流れ方向における上流側コーン部7の長さが短い場合には、この傾斜の度合いが大きくなる。このため、上流側コーン部7の変化の度合いが大き過ぎるため、排気ガスの通路が外側通路25と内側通路26とに分かれていない場合には、排気ガスが上流側コーン部7に流れた際に上流側コーン部7の形状に沿って広がることが困難になり、触媒30の外周面31付近には排気ガスが流れ難くなる。
これに対し、内管20のうち上流側コーン部7に位置する部分である内管傾斜部21に貫通穴23を形成し、外側通路25を流れた排気ガスが貫通穴23を通過して触媒30に流れるようにすることにより、上流側コーン部7の変化の度合いが大きい場合でも、排気ガスを触媒30の外周面31付近に流すことができる。従って、排気管5の径方向における触媒30の大きさが大きい場合や、排気ガスの流れ方向における上流側コーン部7の長さを確保することが困難な場合でも、排気ガスを、より確実に触媒30全体に流すことができる。この結果、排気装置1に触媒30を設ける際における設計の自由度を向上させることができる。また、触媒30を設ける際における設計の自由度を向上させることができるので、触媒30を設定する際の自由度を向上させることができ、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
実施例2に係る内燃機関の排気装置は、実施例1に係る内燃機関の排気装置1と略同様の構成であるが、内側通路流量調整手段が設けられている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図3は、本発明の実施例2に係る内燃機関の排気装置の説明図である。同図に示す内燃機関の排気装置40は、実施例1に係る内燃機関の排気装置1と同様に、内燃機関が排出した排気ガスが流れる排気管5を有しており、排気管5には、排気ガスを浄化可能な浄化手段である触媒30が内設されている。また、排気管5は、触媒30の上流側に内管20を有しており、この内管20により排気管5内は外側通路25と内側通路26とに区画されている。このうち、内側通路26には、内側通路26を流れる排気ガスの量を調整可能な内側通路流量調整手段である内側流量調整弁41が設けられている。この内側流量調整弁41は、開閉弁42と軸部43とを有しており、開閉弁42は軸部43を中心に回動可能に形成されている。内側流量調整弁41は、このよう形成されることにより内側通路26内を開閉可能に設けられており、さらに、開度を調整可能に設けられている。
この実施例2に係る内燃機関の排気装置40は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この実施例2に係る内燃機関の排気装置40を備える内燃機関を運転すると、実施例1に係る排気装置1を備える内燃機関の運転時と同様に、内燃機関から排出された排気ガスは排気装置40の排気管5内に流れる。この排気管5は、内管20により区画された外側通路25と内側通路26とを有しているため、排気ガスは外側通路25と内側通路26とに分かれて流れるが、内側通路26には、内側流量調整弁41が設けられている。このため、排気管5内を流れる排気ガスは、内側流量調整弁41の状態により、外側通路25と内側通路26とに流れる排気ガスの量が変化する。
具体的には、内側流量調整弁41を作動させて内側流量調整弁41の開度を全開にした場合、つまり、内側通路26内を開いた場合には、排気ガスは内側通路26内を流れ易くなるため、内側通路26を流れる排気ガスの量が多くなる。このため、排気管5内を流れる排気ガスは、実施例1に係る内燃機関の排気装置1が有する排気管5内を排気ガスが流れる場合と同様に、内側通路26と外側通路25との双方に流れる。このように、内側通路26と外側通路25とに流れた排気ガスは、排気ガスの流れ方向において、これらの下流側に位置する触媒30の方向に向かう。このうち、内側通路26を通って触媒30の方向に流れる排気ガスは、触媒30に到達して触媒30を流れる際に、触媒30における中心付近、或いは内側部分を流れる。
また、外側通路25を流れる排気ガスは、外側通路25を通って触媒30の方向に向かい、上流側コーン部7に位置する内管傾斜部21に形成された貫通穴23から、上流側コーン部7に位置する内側通路26に流出して触媒30に流れる。その際に、外側通路25は、上流側コーン部7においては、管状に形成された排気管5の径方向における外側方向に広がった上流側コーン部7の形状に沿って形成されているため、上流側コーン部7に位置する貫通穴23から触媒30に向かう排気ガスは、触媒30における外周面31付近を流れる。つまり、外側通路25を通って触媒30を通過する排気ガスは、内側通路26を通った排気ガスが触媒30を通過する際に通る部分の外側を通過する。これにより、内燃機関の運転時に排気管5に流れた排気ガスは、触媒30全体を通過する。
これ対し、内側流量調整弁41を作動させて内側流量調整弁41の開度を全開状態よりも閉じた場合、つまり、内側通路26内を絞った場合には、内側通路26を流れる排気ガスの量が減少する。このように、内側通路26を流れる排気ガスの量が減少した場合には、この排気ガスの量の減少に伴い、触媒30における内側部分を流れる排気ガスの量が減少する。
一方、内側通路26を流れる排気ガスの量が減少した場合には、減少した分の排気ガスは外側通路25に流れるので、外側通路25を流れる排気ガスの量は増加する。このように、外側通路25を流れる排気ガスの量が増加した場合には、排気ガスの量の増加に伴い、触媒30の外周面31寄りの部分を流れる排気ガスの量が増加する。
以上の内燃機関の排気装置40は、内側通路26に内側流量調整弁41を設けているので、内側流量調整弁41を調整することにより、内側通路26を流れる排気ガスの量を調整することができる。これにより、例えば内燃機関の高負荷時に内側流量調整弁41を調整して内側通路26を流れる排気ガスの量を低減することにより、外側通路25を流れる排気ガスの量を増加させることができる。このため、内燃機関から排出される排気ガスを、比較的放熱し易い触媒30の外周面31寄りの部分に、より多く流すことができる。即ち、内燃機関の高負荷時など排気ガスの温度が高くなり易い場合に、温度が高い排気ガスを、触媒30において比較的放熱し易い外周面31付近に流すことができる。従って、内燃機関から高温の排気ガスが排出された場合でも、この排気ガスが触媒30に流れることに起因して触媒30の温度が高くなり過ぎることを抑制できる。この結果、触媒30の劣化を抑制できる。
実施例3に係る内燃機関の排気装置は、実施例1に係る内燃機関の排気装置1と略同様の構成であるが、外側通路流量調整手段が設けられている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図4は、本発明の実施例3に係る内燃機関の排気装置の説明図である。同図に示す内燃機関の排気装置50は、実施例1に係る内燃機関の排気装置1と同様に、内燃機関が排出した排気ガスが流れる排気管5を有しており、排気管5には、排気ガスを浄化可能な浄化手段である触媒30が内設されている。また、排気管5は、触媒30の上流側に内管20を有しており、この内管20により排気管5内は外側通路25と内側通路26とに区画されている。
このうち、外側通路25には、外側通路25を流れる排気ガスの量を調整可能な外側通路流量調整手段である外側流量調整弁51が設けられている。この外側流量調整弁51は、排気ガスの流れ方向における内管20の上流側の端部付近に設けられており、軸部53と、当該軸部53が回転することにより排気管5の径方向に作動する開閉弁52とを有している。外側流量調整弁51は、このように形成されることにより外側通路25内を開閉可能に設けられており、さらに、開度を調整可能に設けられている。
この実施例3に係る内燃機関の排気装置50は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この実施例3に係る内燃機関の排気装置50を備える内燃機関を運転すると、実施例1に係る排気装置1を備える内燃機関の運転時と同様に、内燃機関から排出された排気ガスは排気装置50の排気管5内に流れる。この排気管5は、外側通路25と内側通路26とを有しているため、排気ガスは外側通路25と内側通路26とに分かれて流れるが、外側通路25には、外側流量調整弁51が設けられている。このため、排気管5内を流れる排気ガスは、外側流量調整弁51の状態により、外側通路25と内側通路26とに流れる排気ガスの量が変化する。
具体的には、外側流量調整弁51を作動させて外側流量調整弁51の開度を全開にした場合、つまり、外側通路25内を開いた場合には、排気ガスは外側通路25内を流れ易くなるため、外側通路25を流れる排気ガスの量が多くなる。このため、排気管5内を流れる排気ガスは、実施例1に係る内燃機関の排気装置1が有する排気管5内を排気ガスが流れる場合と同様に、外側通路25と内側通路26との双方に流れる。このように、外側通路25と内側通路26とに流れた排気ガスは、排気ガスの流れ方向において、これらの下流側に位置する触媒30の方向に向かう。このうち、外側通路25を通って触媒30の方向に流れる排気ガスは、触媒30に到達して触媒30を流れる際に、触媒30の外周面31寄りに部分に流れる。また、内側通路26を流れる排気ガスは、内側通路26を通って触媒30の方向に向かい、触媒30に到達して触媒30を流れる際に、触媒30の中心付近、或いは内側部分を流れる。これらにより、内燃機関の運転時に排気管に流れた排気ガスは、触媒30全体を通過する。
これ対し、外側流量調整弁51を作動させて外側流量調整弁51の開度を全開状態よりも閉じた場合、つまり、外側通路25内を絞った場合には、外側通路25を流れる排気ガスの量が減少する。このように、外側通路25を流れる排気ガスの量が減少した場合には、この排気ガスの量の減少に伴い、触媒30の外周面31寄りの部分を流れる排気ガスの量が減少する。
一方、外側通路25を流れる排気ガスの量が減少した場合には、減少した分の排気ガスは内側通路26に流れるので、内側通路26を流れる排気ガスの量は増加する。このように、内側通路26を流れる排気ガスの量が増加した場合には、排気ガスの量の増加に伴い、触媒30における内側部分を流れる排気ガスの量が増加する。
以上の内燃機関の排気装置50は、外側通路25に外側流量調整弁51を設けているので、外側流量調整弁51を調整することにより、外側通路25を流れる排気ガスの量を調整することができる。これにより、例えば内燃機関の暖機運転時に外側流量調整弁51を調整して外側通路25を流れる排気ガスの量を低減することにより、内側通路26を流れる排気ガスの量を増加させることができる。従って、内燃機関から排出される排気ガスを、触媒30における内側部分に、より多く流すことができる。
この触媒30における内側部分は、当該触媒30において放熱し易い部分である外周面31から離れているため、触媒30の内側部分付近の熱は、外部に放熱し難くなっている。このため、このように内燃機関の暖機運転時に排気ガスを触媒30の内側部分付近に、より多く流すことにより、排気ガスから触媒30に伝達された排気ガスの熱を放熱し難くすることができるので、内燃機関の暖機運転時における触媒30の温度を、早急に上昇させることができる。従って、内燃機関の暖機運転時など冷間時に外側通路25を流れる排気ガスの量を低減することにより、冷間時における触媒30の温度を早急に上昇させることができ、触媒30を早急に、排気ガスを効率よく浄化することのできる温度にすることができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、内燃機関の軽負荷運転時など、内燃機関から排出される排気ガスの温度が低い状態で長時間続くことにより、触媒30が排気ガスを効率よく浄化するのが困難になる程度に床温が低下しそうな場合でも、外側流量調整弁51を調整して外側通路25を流れる排気ガスの量を低減することにより、床温が低くなり過ぎることを抑制できる。つまり、温度が低い排気ガスが長時間触媒30を通過することにより、床温が低下した場合でも、外側流量調整弁51を調整して排気ガスが触媒30における内側部分を集中的に流れるようにすることにより、排気ガスから触媒30に伝達された熱は放熱し難くなるので、床温が低くなり過ぎることを抑制できる。これにより、触媒30が排気ガスを効率よく浄化できる温度に、床温を維持することができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
実施例4に係る内燃機関の排気装置は、実施例2に係る内燃機関の排気装置40と略同様の構成であるが、還元剤供給手段が設けられている点に特徴がある。他の構成は実施例2と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図5は、本発明の実施例4に係る内燃機関の排気装置の説明図である。同図に示す排気装置60を備える内燃機関は、軽油を燃料として運転するディーゼルエンジン(図示省略)となっている。また、この実施例4に係る内燃機関の排気装置60が有する浄化手段である触媒30は、排気ガスに含まれるNOxの低減に適した触媒であるNOx触媒となっている。さらに、この実施例4に係る内燃機関の排気装置60は、実施例2に係る内燃機関の排気装置40と同様に、外側通路25と内側通路26とを有する排気管5を有しており、内側通路26には、内側通路26を流れる排気ガスの量を調整可能な内側流量調整弁41が設けられている。
また、実施例4に係る内燃機関の排気装置60では、内側通路26に、排気ガスを触媒30で浄化する際に用いる還元剤を内側通路26に供給する還元剤供給手段である添加インジェクタ61が設けられている。この添加インジェクタ61は、内燃機関の運転時に用いる燃料を内側通路26に噴射することにより、排気ガスを触媒30で浄化する際の還元剤として、この燃料を内側通路26に供給可能に形成されている。
この実施例4に係る内燃機関の排気装置60は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この実施例4に係る内燃機関の排気装置60を備える内燃機関の運転時には、実施例2に係る内燃機関の排気装置40を備える内燃機関の運転時と同様に、内側流量調整弁41の開度を調整することにより、内側通路26と外側通路25とに流れる排気ガスの量を調整することができる。これにより、触媒30における外周面31寄りの部分を流れる排気ガスの量と、内側部分を流れる排気ガスの量とを調整することができる。
また、排気ガスを触媒30で浄化する際には、必要に応じて添加インジェクタ61から燃料を内側通路26に噴射する。噴射された燃料は内側通路26を通り、触媒30に向かう。触媒30に到達した燃料は、触媒30が排気ガスに含まれるNOxを還元反応させて排気ガスを浄化する際の還元剤として使用される。このため、この燃料が触媒30に到達することにより、触媒30を通過中の排気ガスに含まれるNOxは、還元剤である燃料によって還元され、排気ガスはより確実に浄化される。
また、燃料を内側通路26に噴射した場合、燃料は内管20の内側通路26側の面に付着する場合があるが、燃料が、内管20のうち上流側コーン部7に位置する部分である内管傾斜部21に付着した場合、この燃料は内管傾斜部21の貫通穴23から流出する排気ガスにより蒸発する。つまり、外側通路25を流れる排気ガスは、上流側コーン部7に位置する内管傾斜部21に形成された貫通穴23から内側通路26に流れ込むが、この排気ガスは、高温・高圧となっている。このため、内管傾斜部21に付着した燃料は、貫通穴23を通過する排気ガスによって熱せられて温度が上昇し、蒸発し易くなる。また、この内管傾斜部21に付着した燃料は、高圧の排気ガスが貫通穴23を通過する際の風圧により吹き飛ばされる。これらのため、内管傾斜部21に付着した燃料は、外側通路25を流れて内管傾斜部21の貫通穴23を通過する排気ガスにより、蒸発したり吹き飛ばされたりする。蒸発したり吹き飛ばされたりしたこの燃料は、触媒30の方向に流れて触媒30に供給され、触媒30で排気ガスに含まれるNOxを還元反応させて排気ガスを浄化する。
以上の内燃機関の排気装置60は、内側通路26に、還元剤供給手段である添加インジェクタ61が設けられている。このため、触媒30がNOx触媒のように、触媒30で排気ガスを浄化する際に内燃機関の運転に用いる燃料などの還元剤を使用し、この燃料と排気ガスに含まれるNOxとを還元反応させることにより浄化する触媒30の場合、より確実に触媒30で排気ガスを浄化することができる。また、排気ガスを触媒30で浄化させる際に、このように還元剤として燃料を用いる場合、この燃料が、排気ガスが流れる通路の内壁面に付着する場合があるが、内側通路26の内壁面である内管20には、上流側コーン部7に位置する内管傾斜部21に貫通穴23が設けられている。このため、内管傾斜部21の貫通穴23付近に燃料が付着した場合、貫通穴23を通過する排気ガスによって付着した燃料を蒸発させたり吹き飛ばしたりすることにより、燃料を触媒30に供給することができる。この結果、触媒30が燃料などの還元剤を用いる触媒30である場合における排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
実施例5に係る内燃機関の排気装置は、実施例1に係る内燃機関の排気装置1と略同様の構成であるが、分岐通路が設けられている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図6は、本発明の実施例5に係る内燃機関の排気装置及び内燃機関の概略図である。同図に示す排気装置70を備える内燃機関90は、複数の気筒91を有しており、排気管71は複数に分かれて各気筒91に接続されることにより、内燃機関90に接続されている。また、この排気管71は、複数に分かれて気筒91に接続された部分が集合して1つに集合して形成されており、1つに集合した排気管71が、内燃機関90から離れる方向の途中で2方向に分かれている。即ち、排気管71は、排気ガスの流れ方向における触媒嵌合部10の上流側で、2方向に分岐しており、この2方向に分岐した部分は、分岐管75となっている。また、2方向の分岐管75のうち、一方の分岐管75は外側分岐管76となっており、他方の分岐管75は内側分岐管77となっており、これらの外側分岐管76、及び内側分岐管77は、共に触媒嵌合部10に接続されている。
図7は、図6のB部詳細図である。これらの外側分岐管76と内側分岐管77とは、触媒嵌合部10の上流側の位置で重なっており、外側分岐管76の内側に内側分岐管77が位置している。詳しくは、外側分岐管76は、上流側コーン部7に接続されている。内側分岐管77は、内側分岐管77における触媒30上流の触媒30近傍が、上流側コーン部7に接続された外側分岐管76の一部の外壁を貫通して外側分岐管76の内側に設けられており、内側分岐管77におけるこの部分は、隔壁部である内管20として設けられている。換言すると、内側分岐管77は、内管20に接続されている。また、外側分岐管76における触媒30上流の触媒30近傍、或いは、内側に内側分岐管77が位置している部分は、外管15として設けられている。
このように、外側分岐管76と内側分岐管77とは、触媒30上流における触媒30近傍では、それぞれ外管15、内管20として設けられているため、この部分には外側通路25、及び内側通路26が設けられている。つまり、内管20の内側は内側通路26となっており、内管20と外管15との間の部分は、外側通路25となっている。
また、2方向に分岐した分岐管75の内側は分岐通路80となっており、このため、この分岐通路80は、排気ガスの流れ方向における外側通路25及び内側通路26よりも上流側で2方向に分岐している。また、2方向に分岐した分岐通路80のうち、外側分岐管76の内側に位置する分岐通路80は外側分岐通路81となっており、この外側分岐通路81は、外側通路25に接続されている。同様に、2方向に分岐した分岐通路80のうち、内側分岐管77の内側に位置する分岐通路80は内側分岐通路82となっており、この内側分岐通路82は、内側通路26に接続されている。
また、外側分岐通路81には、外側分岐通路81内を開閉可能に形成され、外側分岐通路81を流れる排気ガスの量を調整可能な外側分岐通路流量調整弁85が設けられている。また、内側分岐通路82には、内側分岐通路82内を開閉可能に形成され、内側分岐通路82を流れる排気ガスの量を調整可能な内側分岐通路流量調整弁86が設けられている。
この実施例5に係る内燃機関90の排気装置70は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この実施例5に係る内燃機関90の排気装置70を備える内燃機関90を運転すると、内燃機関90が有する各気筒91から排出された排気ガスは、排気管71内を流れ、2方向に分岐した分岐管75に流れる。つまり、排気ガスは、分岐管75で2方向に分かれて流れる。分岐管75で2方向に分かれた排気ガスのうち、一方の排気ガスは外側分岐管76の外側分岐通路81に流れ、他方の排気ガスは内側分岐管77の内側分岐通路82に流れる。さらに、このように分かれた排気ガスのうち、内側分岐通路82を流れる排気ガスは、内側分岐通路82が接続された内側通路26に流れ、内側通路26を通って触媒30の方向に向かう。内側通路26を通って触媒に向かい、触媒30に到達した排気ガスは、触媒30を流れる際に、触媒30における内側部分を流れる。
また、外側分岐通路81を流れる排気ガスは、外側分岐通路81が接続された外側通路25に流れ、外側通路25を通って触媒30の方向に向かう。外側通路25を通って触媒30の方向に向かう排気ガスは、内管20の内管傾斜部21に形成された貫通穴23から内側通路26に流出して、内側通路26を通って触媒30に向かう。このように、貫通穴23を通って触媒30に向かう排気ガスは、触媒30における外周面31付近を流れる。従って、内燃機関90の運転時に排気管71に流れた排気ガスは、外側分岐通路81を通って外側通路25に流れ、貫通穴23を通る排気ガスと、内側分岐通路82を通って内側通路26を流れる排気ガスとが触媒30に流れることにより、触媒30全体を通過する。
外側分岐通路81と内側分岐通路82とを流れる排気ガスは、このように触媒30に流れるように設けられているが、外側分岐通路81には外側分岐通路流量調整弁85が設けられており、内側分岐通路82には内側分岐通路流量調整弁86が設けられている。このため、外側分岐通路流量調整弁85によって外側分岐通路81の開閉を調整することにより、外側分岐通路81を流れる排気ガスの量は変化し、触媒30における外周面31付近を流れる排気ガスの量は変化する。同様に、内側分岐通路流量調整弁86によって内側分岐通路82の開閉を調整することにより、内側分岐通路82を流れる排気ガスの量は変化し、触媒30における内側部分を流れる排気ガスの量は変化する。
以上の内燃機関90の排気装置70は、排気管71を、外側通路25及び内側通路26の上流側で2方向の分岐管75に分岐させており、2方向の分岐管75の内側に位置する通路である分岐通路80を、外側通路25または内側通路26に接続している。このように、予め2方向に分岐した分岐通路80、即ち外側分岐通路81と内側分岐通路82とを外側通路25と内側通路26とに接続することにより、外側分岐通路81と内側分岐通路82とによって2方向に分かれた排気ガスを、外側通路25と内側通路26とに流すことができる。これにより、内燃機関90から排出される排気ガスを外側通路25と内側通路26とに流す際に、それぞれに流す排気ガスの量の精度を向上させることができる。従って、触媒30の外周面31付近と、触媒30における内側部分とに流す排気ガスの量の精度を向上させることができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、外側分岐通路81には外側分岐通路流量調整弁85が設けられており、内側分岐通路82には内側分岐通路流量調整弁86が設けられている。このため、外側分岐通路81を流れる排気ガスの量は、外側分岐通路流量調整弁85の開度を調整することにより、流量を調整することができ、内側分岐通路82を流れる排気ガスの量は、内側分岐通路流量調整弁86の開度を調整することにより、流量を調整することができる。これにより、外側分岐通路81に接続された外側通路25に流れる排気ガスの量や、内側分岐通路82に接続された内側通路26に流れる排気ガスの量を調整することができる。従って、触媒30の外周面31付近に流れる排気ガスの量と、触媒30における内側部分に流れる排気ガスの量とを、より確実に任意の流量に調整することができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
実施例6に係る内燃機関の排気装置は、実施例5に係る内燃機関90の排気装置70と略同様の構成であるが、排気装置を備える内燃機関が、V型の内燃機関となっている点に特徴がある。他の構成は実施例5と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図8は、本発明の実施例6に係る内燃機関の排気装置及び内燃機関の概略図である。図9は、図8のC部詳細図である。同図に示す排気装置100を備える内燃機関120は、複数の気筒121を有しており、この複数の気筒121は、内燃機関120運転時における出力軸であるクランクシャフト(図示省略)に対して気筒121が2方向に向けて形成されている。つまり、この内燃機関120は、気筒121が2方向に向けて形成された、いわゆるV型の内燃機関120となっている。このV型の内燃機関120は、4つの気筒121が1つの組となってバンク122を形成しており、バンク122が2つ設けられている。即ち、当該内燃機関120は、8つの気筒121を有している。また、2つのバンク122のうち、一方のバンク122は第1バンク123となっており、他方のバンク122は第2バンク124となっている。
また、排気装置100が有する排気管101は、このように形成された第1バンク123と第2バンク124とが有する各気筒121に接続される。このように各気筒121に接続される排気管101のうち、第1バンク123が有する気筒121に接続される排気管101は第1バンク側排気管102となっており、第2バンク124が有する気筒121に接続される排気管101は第2バンク側排気管103となっている。このうち、第1バンク側排気管102は、排気ガスの流れ方向における触媒30の上流側で内側通路26に接続されており、換言すると、第1バンク側排気管102の内側に位置する通路である第1バンク側排気通路105は、触媒30の上流側で内側通路26に接続されている。また、第2バンク側排気管103は、排気ガスの流れ方向における触媒30の上流側で外側通路25に接続されており、換言すると、第2バンク側排気管103の内側に位置する通路である第2バンク側排気通路106は、触媒30の上流側で外側通路25に接続されている。
換言すると、排気管101は、排気ガスの流れ方向における外側通路25及び内側通路26よりも上流側で、第1バンク側排気管102と第2バンク側排気管103との2方向に分かれている。さらに、2方向に分かれた排気管101のうち、一方の排気管101である第1バンク側排気管102は内側通路26に接続されており、他方の排気管101である第2バンク側排気管103は外側通路25に接続されている。
また、第1バンク側排気通路105には、第1バンク側排気通路105内を開閉可能に形成され、第1バンク側排気通路105を流れる排気ガスの量を調整可能な第1バンク側通路流量調整弁111が設けられている。また、第2バンク側排気通路106には、第2バンク側排気通路106内を開閉可能に形成され、第2バンク側排気通路106を流れる排気ガスの量を調整可能な第2バンク側通路流量調整弁112が設けられている。
つまり、第1バンク側排気通路105と第2バンク側排気通路106とは、実施例5に係る内燃機関90の排気装置70(図7参照)が有する内側分岐通路82が内側通路26に接続され、外側分岐通路81が外側通路25に接続されるのと同様に、第1バンク側排気通路105は内側通路26に接続され、第2バンク側排気通路106は外側通路25に接続されている。また、実施例5に係る内燃機関90の排気装置70が有する内側分岐通路82に内側分岐通路流量調整弁86が設けられ、外側分岐通路81に外側分岐通路流量調整弁85が設けられるのと同様に、実施例6に係る内燃機関120の排気装置100では、第1バンク側排気通路105に第1バンク側通路流量調整弁111が設けられ、第2バンク側排気通路106に第2バンク側通路流量調整弁112が設けられている。
この実施例6に係る内燃機関120の排気装置100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この実施例6に係る内燃機関120の排気装置100を備える内燃機関120を運転すると、内燃機関120が有する各気筒121から排出された排気ガスは、排気管101内を流れる。その際に、第1バンク123が有する気筒121から排出される排気ガスは、第1バンク側排気管102の第1バンク側排気通路105に流れ、第2バンク124が有する気筒121から排出される排気ガスは、第2バンク側排気管103の第2バンク側排気通路106に流れる。
このように第1バンク側排気通路105や第2バンク側排気通路106を流れる排気ガスのうち、第1バンク側排気通路105を流れる排気ガスは、第1バンク側排気通路105が接続された内側通路26に流れ、内側通路26を通って触媒30の方向に向かう。内側通路26を通って触媒30に向かい、触媒30に到達した排気ガスは、触媒30を流れる際に、触媒30における中心付近、或いは内側部分を流れる。また、第2バンク側排気通路106を流れる排気ガスは、第2バンク側排気通路106が接続された外側通路25に流れ、外側通路25を通って触媒30の方向に向かう。外側通路25を通って触媒30の方向に向かう排気ガスは、内管20の内管傾斜部21に形成された貫通穴23から内側通路26に流出して、内側通路26を通って触媒30に向かう。このように、貫通穴23を通って触媒30に向かう排気ガスは、触媒30における外周面31付近を流れる。従って、内燃機関120の運転時に排気管101に流れた排気ガスは、第2バンク側排気通路106を通って外側通路25に流れ、貫通穴23を通る排気ガスと、第1バンク側排気通路105を通って内側通路26を流れる排気ガスとが触媒30に流れることにより、触媒30全体を通過する。
また、第1バンク側排気通路105には第1バンク側通路流量調整弁111が設けられており、第2バンク側排気通路106には第2バンク側通路流量調整弁112が設けられているため、これらの開閉を調整することにより、実施例5に係る内燃機関90の排気装置70が有する外側分岐通路流量調整弁85や内側分岐通路流量調整弁86の開閉を調整する場合と同様に、触媒30における外周面31付近や内側部分を流れる排気ガスの量は変化する。
また、上記の内燃機関120の始動直後やアイドリングの時間が長い場合には、第1バンク123が有する気筒121と第2バンク124が有する気筒121とで、空気と燃料との比率である空燃比を異ならせて運転する。例えば、第1バンク123が有する気筒121では、空気の量に対して燃料の量を多めにして、空燃比をいわゆるリッチ寄りの状態で運転し、第2バンク124が有する気筒121では、空気の量に対して燃料の量を少なめにして、空燃比をいわゆるリーン寄りの状態で運転する。この場合、第1バンク側排気通路105にはリッチ寄りの排気ガスが流れ、第2バンク側排気通路106にはリーン寄りの排気ガスが流れる。
これらの排気ガスは、第1バンク側排気通路105を流れる排気ガスは内側通路26を通って触媒30に流れ、第2バンク側排気通路106を流れる排気ガスは外側通路25を通って触媒30に流れる。第1バンク123が有する気筒121から排出された排気ガスと第2バンク124が有する気筒121から排出された排気ガスは、このように共に触媒30に流れて触媒30内で合流するが、これらの排気ガスは空燃比が異なっている。このため、これらの排気ガスは触媒30内で反応が活性化する。具体的には、第1バンク123が有する気筒121が排出したリッチ寄りの排気ガスに含まれる未燃焼の燃料と、第2バンク124が有する気筒121が排出したリーン寄りの排気ガスに含まれる酸素とが酸化反応をする。これにより、触媒30の温度が上昇する。
以上の内燃機関120の排気装置100は、第1バンク123が有する気筒121から排出される排気ガスは第1バンク側排気通路105に流れ、第2バンク124が有する気筒121から排出される排気ガスは第2バンク側排気通路106に流れることにより、内燃機関120から排出される排気ガスを、より確実に触媒30全体に流すことができる。つまり、内燃機関120から排出される排気ガスを、複数の気筒121から排出された時点で第1バンク側排気通路105と第2バンク側排気通路106とに分けて流すことにより、より確実に排気ガスを内側通路26と外側通路25とに流すことができる。従って、より確実に触媒30の外周面31付近と、触媒30における内側部分とに排気ガスを流すことができ、排気ガスを触媒30全体に流すことができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、第1バンク側排気通路105には第1バンク側通路流量調整弁111が設けられており、第2バンク側排気通路106には第2バンク側通路流量調整弁112が設けられている。これにより、第1バンク側排気通路105を流れる排気ガスの量と第2バンク側排気通路106を流れる排気ガスの量を調整することができ、これに伴い内側通路26を流れる排気ガスの量と外側通路25を流れる排気ガスの量とを調整することができる。従って、触媒30の外周面31付近に流れる排気ガスの量と、触媒30における内側部分に流れる排気ガスの量とを、より確実に任意の流量に調整することができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、第1バンク側排気通路105が内側通路26に接続され、第2バンク側排気通路106が外側通路25に接続されているため、内燃機関120の運転時に第1バンク123が有する気筒121の空燃比と第2バンク124が有する気筒121の空燃比を変化させることにより、排気ガスが触媒30に流れた際に触媒30内での反応を活性化させることができる。これにより、触媒30の温度が上昇する。従って、内燃機関120の始動時や、アイドリングの時間が長い場合など床温を早急に高くしたい場合や、床温を維持したい場合に、このように第1バンク123が有する気筒121と第2バンク124が有する気筒121との空燃比を異ならせることにより、床温を早急に高くする、または床温を高い温度で維持することできる。これにより、より確実に床温を、触媒30が排気ガスを効率よく浄化する温度にすることができる。この結果、より確実に触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
なお、上述した説明では、排気管には触媒30が1つ設けられているが、触媒30は1つの排気管に複数設けられていてもよい。即ち、排気管は、多段触媒構成で形成されていてもよい。また、このように、排気管が多段触媒構成の場合、触媒嵌合部10と触媒嵌合部10との間に内管20を設けて外側通路25と内側通路26とを区画し、各内管20において上流側コーン部7に位置する部分である内管傾斜部21には、貫通穴23を形成するのが好ましい。このように、1つの排気管に触媒30を複数設ける場合において、各触媒30の上流側に外側通路25と内側通路26とを設け、各触媒30の上流側に位置する内管傾斜部21に貫通穴23を形成することにより、各触媒30による排気ガスの浄化性能を向上させたり、触媒30の劣化を抑制したりすることができる。
なお、このように排気管が多段触媒構成の場合、触媒30の上流側に外側通路25と内側通路26とを設け、触媒30の上流側に位置する内管20に貫通穴23を形成するのは、各触媒30の上流側でそのような形態にしてもよく、または一部の触媒30の上流側でそのような形態にしてもよい。また、このように1つの排気管に触媒30を複数設ける場合には、実施例4に係る内燃機関の排気装置60が有する添加インジェクタ61は、各触媒30の上流側に設けてもよく、一部の触媒30の上流側に設けてもよい。つまり、排気管が多段触媒構成の場合には、内燃機関の運転状態などにより、必要に応じて触媒30の上流側に外側通路25と内側通路26とを設けたり、添加インジェクタ61を設けたりするのが好ましい。これにより、より確実に内燃機関から排出される排気ガスを触媒30で浄化することができ、触媒30による浄化性能の向上を図ることができる。
また、実施例4に係る内燃機関の排気装置60に設けられた添加インジェクタ61を、実施例6に係る内燃機関120の排気装置100に設けてもよい。この場合、第1バンク123が有する気筒121では、空燃比がリッチ寄りの状態で運転し、第2バンク124が有する気筒121では、空燃比がリーン寄りの状態で運転するのが好ましい。これにより、第1バンク側排気通路105が接続された内側通路26にはリッチ寄りの排気ガスが流れ、第2バンク側排気通路106が接続された外側通路25にはリーン寄りの排気ガスが流れる。外側通路25には、このようにリーン寄りの排気ガスが流れるため、内管傾斜部21に形成される貫通穴23からは、外側通路25を通ったリーン寄りの排気ガスが外側通路25から触媒30に向かって流れる。
また、添加インジェクタ61から、触媒30で排気ガスを浄化する際の還元剤として用いる燃料を内側通路26に噴射した場合には、噴射した燃料の一部は内管20に付着する場合があり、内管20の内管傾斜部21にも付着する場合がある。このように、内管傾斜部21には燃料が付着する場合があるが、この内管傾斜部21には貫通穴23が形成されており、貫通穴23からは外側通路25を通ったリーン寄りの排気ガスが触媒30に向かって流れる。このため、内管傾斜部21に付着した燃料は、貫通穴23を通過した排気ガスによって吹き飛ばされるが、その際に、この燃料と排気ガスとは混合する。従って、外側通路25を通って貫通穴23を通過したリーン寄りの排気ガスは、内管傾斜部21に付着した燃料と混合することによって、リッチ寄りになった状態で触媒30に流れる。
また、第2バンク側排気通路106から内側通路26に流れた排気ガスも触媒30に流れるが、この排気ガスは、リッチ寄りに排気ガスとなっている。このため、触媒30に流れる排気ガスは、外側通路25からの排気ガスも内側通路26からの排気ガスも共にリッチ寄りの排気ガスになるため、触媒30を流れる排気ガスの空燃比の均一化を図ることができる。これにより、触媒30で排気ガスを浄化する際に、触媒30全体で浄化することができ、触媒30の部分的な劣化を抑制することができる。
また、実施例6に係る内燃機関120の排気装置100では、内燃機関120は第1バンク123と第2バンク124とを有するV型の内燃機関120となっているが、内燃機関はV型の内燃機関以外でもよい。内燃機関がV型の内燃機関以外の場合でも、内燃機関は複数の気筒121を有し、排気管101は、複数の気筒121のうちの、一部の気筒121に接続された第1バンク側排気管102に相当する排気管101と、複数の気筒121のうち、残りの他の気筒121に接続された第2バンク側排気管103に相当する排気管101とを有していればよい。これにより、内燃機関の運転時に排出される排気ガスを、気筒121ごとに外側通路25と内側通路26とに流すことができるので、触媒30による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
また、実施例2に係る内燃機関の排気装置40では、内側通路26を流れる排気ガスの流量を調整可能な内側流量調整弁41が設けられ、実施例3に係る内燃機関の排気装置50では、外側通路25を流れる排気ガスの流量を調整可能な外側流量調整弁51が設けられているが、これらの内側流量調整弁41と外側流量調整弁51とは、1つの排気装置に双方が設けられていてもよい。内側流量調整弁41と外側流量調整弁51とが共に設けられることにより、内側通路26を流れる排気ガスの流量と、外側通路25を流れる排気ガスの流量とを、より精度よく調整することができ、より確実に触媒30における任意の位置に排気ガスを流すことができる。
また、実施例5に係る内燃機関90の排気装置70では、外側分岐通路流量調整弁85と内側分岐通路流量調整弁86とが設けられているが、これらはいずれか一方のみが設けられていていてもよく、または、双方とも設けられていなくてもよい。同様に、実施例6に係る内燃機関120の排気装置100では、第1バンク側通路流量調整弁111と第2バンク側通路流量調整弁112とが設けられているが、これらはいずれか一方のみが設けられていてもよく、または、双方とも設けられていなくてもよい。これらの外側分岐通路流量調整弁85と内側分岐通路流量調整弁86、または、第1バンク側通路流量調整弁111と第2バンク側通路流量調整弁112とは、排気管71、101の形状や、内燃機関90、120の使用状況などを考慮して、必要に応じて、より適した状態で設ければよい。
また、上述した内燃機関の排気装置が有する排気管は、略円筒形の形状で形成されているが、排気管の形状は、これ以外の形状で形成されていてもよく、例えば、排気ガスが流れる方向と直交する方向の断面形状が楕円形となる筒状の形状で形成されていてもよい。排気管は、内側に排気ガスが流れることのできる筒状の形状であれば、詳細な形状は問わない。同様に、この排気管に内設される触媒30も、触媒嵌合部10に内設可能な形状であれば、詳細な形状は問わない。
また、上述した内燃機関の排気装置では、浄化手段として触媒嵌合部に内設される触媒30は三元触媒、またはNOx触媒となっているが、浄化手段は三元触媒やNOx触媒以外のものでもよい。例えば、浄化手段として、炭化水素(HC)を吸着する吸着手段を用いてもよい。上述した内燃機関の排気装置の触媒嵌合部10内に、三元触媒やNOx触媒以外の浄化手段を用いた場合でも、浄化手段の広範囲に排気ガスを流すことができるので、浄化手段における広い範囲で排気ガスを浄化することができる。この結果、浄化手段による排気ガスの浄化性能の向上を図ることができる。
以上のように、本発明に係る内燃機関の排気装置は、浄化手段を有する排気装置に有用であり、特に、排気管よりも径が大きい浄化手段を有する場合に適している。
本発明の実施例1に係る内燃機関の排気装置を示す要部断面図である。 図1のA部詳細図である。 本発明の実施例2に係る内燃機関の排気装置の説明図である。 本発明の実施例3に係る内燃機関の排気装置の説明図である。 本発明の実施例4に係る内燃機関の排気装置の説明図である。 本発明の実施例5に係る内燃機関の排気装置及び内燃機関の概略図である。 図6のB部詳細図である。 本発明の実施例6に係る内燃機関の排気装置及び内燃機関の概略図である。 図8のC部詳細図である。
符号の説明
1、40、50、60、70、100 排気装置
5、71、101 排気管
7 上流側コーン部
8 下流側コーン部
10 触媒嵌合部
11 内周面
15 外管
20 内管
21 内管傾斜部
22 触媒側端部
23 貫通穴
25 外側通路
26 内側通路
30 触媒
31 外周面
41 内側流量調整弁
42、52 開閉弁
43、53 軸部
51 外側流量調整弁
61 添加インジェクタ
75 分岐管
76 外側分岐管
77 内側分岐管
80 分岐通路
81 外側分岐通路
82 内側分岐通路
85 外側分岐通路流量調整弁
86 内側分岐通路流量調整弁
90、120 内燃機関
91、121 気筒
102 第1バンク側排気管
103 第2バンク側排気管
105 第1バンク側排気通路
106 第2バンク側排気通路
111 第1バンク側通路流量調整弁
112 第2バンク側通路流量調整弁
122 バンク
123 第1バンク
124 第2バンク

Claims (6)

  1. 内燃機関から排出された排気ガスが内側に流れる排気通路と、
    前記排気通路に内設されると共に前記排気ガスを浄化可能な浄化手段と、
    前記排気通路に形成されると共に、前記排気通路を流れる前記排気ガスの流れ方向における前記浄化手段の上流側から前記浄化手段に近付くに従って前記排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が大きくなっている部分である上流側断面積変化部と、
    前記排気通路が有すると共に前記排気ガスが流れる部分における外周部分に位置する外側通路と、
    前記排気通路における前記外側通路の内側に位置すると共に、前記上流側断面積変化部で前記浄化手段に近付くに従って前記排気ガスの流れ方向に対して直交する方向の断面積が大きくなっている内側通路と、
    前記外側通路と前記内側通路とを区画する隔壁部と、
    前記上流側断面積変化部に位置する前記隔壁部に複数形成され、且つ、前記隔壁部を貫通する穴である貫通穴と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  2. 前記排気通路は、前記浄化手段が設けられている部分である浄化手段嵌合部の内周面の形状が前記浄化手段の外周面の形状に合わせて形成されており、
    前記隔壁部は、前記排気ガスの流れ方向における前記浄化手段側の端部が前記浄化手段嵌合部の内周面の形状と同一形状で形成されると共に前記排気通路の内周面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気装置。
  3. 前記内側通路には、前記内側通路を流れる前記排気ガスの量を調整可能な内側通路流量調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気装置。
  4. 前記外側通路には、前記外側通路を流れる前記排気ガスの量を調整可能な外側通路流量調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気装置。
  5. 前記内側通路には、前記排気ガスを前記浄化手段で浄化する際に用いる還元剤を前記内側通路に供給する還元剤供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気装置。
  6. さらに、前記排気通路は、前記排気ガスの流れ方向における前記外側通路及び前記内側通路よりも上流側で2方向に分かれており、2方向に分かれた前記排気通路のうち、一方の前記排気通路は前記外側通路に接続されており、他方の前記排気通路は前記内側通路に接続されていること特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気装置。
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