JP2008037372A - 車両用静電霧化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者が車両に乗り込んで運転を行う際には脱臭やアレルゲンの不活化がなされている状態とする。
【課題を解決するための手段】放電電極11及びこれに対向するとともに放電電極との間に高圧が印加される対向電極12と、上記放電電極12に水分を供給する水分供給手段13と、放電電極への高電圧印加による上記水分の静電霧化で生成されたミストを車室内に放出する放出口17と、上記高電圧印加による静電霧化動作を制御する制御手段とを備え、車両用電源VにイグニッションキースイッチSWを介することなく接続されているとともに、車両使用者の運転終了の信号に基づいて上記静電霧化動作を開始するものである。エンジンの停止や使用者が車から離れることで静電霧化動作が開始される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用の静電霧化装置に関するものである。
乗用車等の車両にあっては車室内が密閉空間となっているため車室内に煙草等の臭いがこもるという問題がある。このために濾過式の空気浄化装置が各種提供されているが、車室内の壁面等に付着した臭い成分を除去することはできない。
ここにおいて、水を霧化させてナノメータサイズの帯電微粒子水(ナノサイズミスト)を発生させる静電霧化装置が注目されている。この静電霧化装置が発生するナノサイズミストはスーパーオキサイドラジカルやヒドロキシラジカルといったラジカルが含まれていることから、脱臭効果に加えてウイルス・カビ菌の抑制効果、アレル物質不活化効果等も備えており、このために上記ナノサイズミストを車室内に送り出せば、車室内の空気中の臭い成分だけでなく、車室内の壁面やシート等に付着した臭い成分の脱臭も行うことができる上に、シートやフロアカーペット、クッション等に付着したダニの屍骸や、屋外でのドアの開閉に伴って車室内に入ったり人の衣服に付着して車室内に持ち込まれた花粉等のアレルゲンも抑制することができる。このために、特開2006−151046号公報(特許文献1)には車両が備える空調装置が出力する風にナノサイズミストを乗せることで、車室内にナノサイズミストを放出する車両用静電霧化装置が提案されている。
ここにおいて、車両内に設けられる従来の空気浄化装置は、車両用の電源であるバッテリの消耗防止という点から、イグニッションキースイッチにキーを差し込んで上記スイッチ(におけるアクセサリスイッチを含む)をオンとすることによって電源が供給されるようになっており、実際上、エンジンを始動している時にだけ空気を浄化するものであった。
一方、使用者にしてみれば、車のドアを開けた時や、車両が搭載している空調装置を作動させた時に車内残留の臭いを最も強く感ずるものであり、また使用者が車室内に乗り込む際、車室内のアレルゲンは活性状態にある。しかし、上記空気浄化装置と同様にイグニッションキースイッチがオンとなっている時に動作可能となっている静電霧化装置では、この点に対処することができない。
また、シートに人が座っていると、ナノサイズミストMはシートにしみ込んだ臭いやシート内に入り込んだアレルゲンに触れることができないために、これらに対する脱臭や不活化の機会がないことになる。
特開2006−151046号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、使用者が車両に乗り込んで運転を行う際には脱臭やアレルゲンの不活化がなされている状態とすることができる車両用静電霧化装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る静電霧化装置は、 放電電極及びこれに対向するとともに放電電極との間に高圧が印加される対向電極と、上記放電電極に水分を供給する水分供給手段と、放電電極への高電圧印加による上記水分の静電霧化で生成されたミストを車室内に放出する放出口と、上記高電圧印加による静電霧化動作を制御する制御手段とを備えた車両用静電霧化装置であり、車両用電源にイグニッションキースイッチを介することなく接続されているとともに、車両使用者の運転終了の信号に基づいて上記静電霧化動作を開始するものであることに特徴を有している。エンジンの停止や使用者が車から離れることで静電霧化動作が開始されるようにしたものである。
車両使用者の運転終了の信号としては、車両のドア開閉信号もしくはドアロック信号、車室内に配された人検知用の検知装置が出力する人の非検知信号、イグニッションキースイッチからのキーの抜き取り検知信号を用いることができるが、人が車室内にいなくなってから静電霧化動作を開始するものが好ましく、特にリモートキーレスエントリ用の無線通信手段からの信号を好適に用いることができる。
本発明は、車両使用者の運転終了の信号に基づいて静電霧化動作を開始するものであるために、エンジンを停止させたり使用者が車から離れることで静電霧化動作が開始されるものであり、従って車両使用者が次に車に乗り込んで運転を開始する時には、臭いの除去やアレルゲンの不活化がなされた状態とすることができて、快適な空間での車両使用を行うことができる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明すると、図2はナノメータサイズの帯電微粒子水(ナノサイズミスト)を発生させる静電霧化装置1の霧化ユニット部分を示しており、放電電極11を囲む絶縁材からなる筒体16の先端開口部に配設されて上記放電電極11に対向するリング状の対向電極12と、上記放電電極11を冷却することで空気中の水分を放電電極11上に結露させる冷却手段13と、放電電極11と対向電極12との間に高電圧を印加する高圧電源部15とからなるもので、ペルチェ素子で構成されているとともに冷却側に上記放電電極11が熱的に接続されている上記冷却手段13は、その放熱側に放熱フィン14を備えている。
また、上記静電霧化装置1は、放熱フィン14に冷却風を送るモータファン(図示せず)を備えているとともに、このモータファンから送られる風の一部は上記筒体16の側面開口から筒体16内に入り、筒体16の先端開口である放出口17から吐出される。
この静電霧化装置1では、冷却手段13で放電電極11を冷却することで空気中の水分を結露させて放電電極11上に結露水を生成するものであり、従って冷却手段13が放電電極に水分を供給する水分供給手段を構成している。そして、結露水が放電電極11に付着している状態において、上記電極11,12間に高電圧を印加すれば、上記結露水は放電電極11の先端に集まるとともに対向電極12との間の放電によってレイリ一分裂を繰り返してナノサイズミストMとなり、上記のモータファンによる風に乗って前記放出口17から外部に吐出される。なお、上記静電霧化装置1は、放電電圧検出回路と放電電流検出回路とを備えて検出された放電電圧及び放電電流を基に冷却手段13の冷却度調整による結露水生成量の調整を行う制御回路を備えており、放電電極11上に適量の結露水を常に確保してナノサイズミストMの発生を温度や湿度に影響されることなく確実に行うものとなっている。
このように構成された静電霧化装置1は、図3に示すように自動車である車両の車室の天井部分や、空調装置における吹き出し口近傍に設置されて放出口17から放出するナノサイズミストMを車室内に供給し、脱臭やアレルゲンの不活化等を行う。
ここにおいて、静電霧化装置1の動作を司る上記制御回路は、車両の各部動作を司る車載制御回路Cに接続されて車載制御回路から各種信号を受けられるようになっており、車両が運転されている時(イグニッションキースイッチSWがオンの時)にはそのことを示す信号を受けて、静電霧化動作を常時、もしくは車室内に設置した臭いセンサーやアレルゲンセンサーの出力に応じて行う。図6のエンジンが動作中の静電霧化動作は、後者の場合を示している。
ただし、該静電霧化装置1は、図1に示すように車両におけるイグニッションキースイッチSWを介することなく車両電源であるバッテリーVから電源供給を受けられるようになっており、このためにイグニッションキースイッチSWがオフの時にも静電霧化動作が可能となっている。図1中の6は車載機器である。
そして、該静電霧化装置1はイグニッションキースイッチSWがオフの時でも次の信号が車載制御回路から送られてきた時には静電霧化動作を開始する。すなわち、イグニッションキースイッチSWにキーが差し込まれていない状態での車両におけるドア(殊に運転席のドア)のドアロックがなされたことを示すドアロック信号、もしくは図4に示すリモートキーレスエントリシステムにおける無線通信手段5のドア閉スイッチ52を操作した際に出力されるドアロックを指令する信号が送られてきたならば、図5に示すように、静電霧化動作、つまり冷却手段13で放電電極11を冷却することによる結露水の確保と、高圧を印加して放電させることによるナノサイズミストMの生成を開始する。
なお、エンジンが始動されていない時の静電霧化動作は、バッテリVの消耗を避けるために所定時間t(たとえば10分)後に停止となるようにしてある。ただし、バッテリVの電圧が所定電圧以下に低下している時には静電霧化動作を開始しないようにしておくことが望ましい。
図5の最下段に示すようにエンジンの停止(イグニッションキースイッチSWのオフ)によって静電霧化動作を開始する(静電霧化動作を継続する)ようにしてもよいが、ドアロックによって静電霧化動作を開始する場合、車両使用者が運転席から離れた後に静電霧化によるナノサイズミストMの発生が行われるものであり、運転席のシートにナノサイズミストMを確実に触れさせることができ、これ故にナノサイズミストMによる脱臭及びアレルゲンの不活化をより広範囲に行うことができる。
ドアロックによって静電霧化動作を開始するほか、車室内に人がいるかどうかを検知する検知装置Hを配置し、この検知装置Hが出力する人非検知信号が入力された時に静電霧化動作を開始するようにしてもよい。この検知装置Hとしては、遠赤外線を用いたものを好適に用いることができ、この場合、図6に示すように車室内の前方中央部に検知装置Hを配して、運転席及び助手席の双方を検知範囲HA内に入るようにして、この検知範囲HA内に人がいるかどうかを検知できるようにしたものが好ましい。もちろん、後部座席も検知範囲HAに入るようにしておくと更に好ましい。なお、人非検知信号が入って静電霧化動作を開始した後の動作については、前記実施例と同様に、所定時間経過後に静電霧化動作を停止する。
人を検知する検知装置Hとしては、座席(殊に運転席)下に配置した重量センサを用いて、人が座席から離れたことを検知して静電霧化動作を開始するようにしたものであってもよい。
このほか、イグニッションキースイッチSWにキーが差し込まれたかどうかを検知するスイッチを設けて、このスイッチによるキーの抜き取り検知によって静電霧化動作を開始するようにしてもよい。エンジンの停止で静電霧化動作を開始する場合に比して、人が座席から離れるまでの時間が短いことが期待できるために、運転席の座席をナノサイズミストMに曝露させる時間が長くなる。
リモートキーレスエントリ用の無線通信手段5からのドアロックの指令信号に基づいて静電霧化動作を開始するものでは、図4に示すように無線通信手段5に静電霧化動作スイッチ53を設けて、この静電霧化動作スイッチが押された時にも静電霧化動作が所定時間tだけ行われるようにしておくとよい。車から離れる時だけでなく、これから運転を始めようとする時にも直前にナノサイズミストMによる脱臭及びアレルゲン不活化を行うことができる。図4中の51はドアロック解除の指令信号を出力させるためのドア開スイッチである。
本発明の実施の形態の一例のブロック回路図である。 同上の静電霧化ユニット部分の断面図である。 同上の車載状態を示す概略断面図である。 同上のリモートキーレスエントリの例におけるブロック回路図である。 同上の動作を示すタイムチャートである。 他例における人検知装置の配置についての説明図である。
符号の説明
1 静電霧化装置
V バッテリ
SW イグニッションキースイッチ

Claims (5)

  1. 放電電極及びこれに対向するとともに放電電極との間に高圧が印加される対向電極と、上記放電電極に水分を供給する水分供給手段と、放電電極への高電圧印加による上記水分の静電霧化で生成されたミストを車室内に放出する放出口と、上記高電圧印加による静電霧化動作を制御する制御手段とを備えた車両用静電霧化装置であり、車両用電源にイグニッションキースイッチを介することなく接続されているとともに、車両使用者の運転終了の信号に基づいて上記静電霧化動作を開始するものであることを特徴とする車両用静電霧化装置。
  2. 車両のドア開閉信号もしくはドアロック信号に基づいて静電霧化動作を開始するものであることを特徴とする請求項1記載の車両用静電霧化装置。
  3. 車室内に配された人検知用の検知装置が出力する人の非検知信号に基づいて静電霧化動作を開始するものであることを特徴とする請求項1記載の車両用静電霧化装置。
  4. イグニッションキースイッチからのキーの抜き取り検知信号に基づいて静電霧化動作を開始するものであることを特徴とする請求項1記載の車両用静電霧化装置。
  5. リモートキーレスエントリ用の無線通信手段からの信号に基づいて静電霧化動作を開始するものであることを特徴とする請求項1記載の車両用静電霧化装置。
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