JP2008034902A - 電子カメラ - Google Patents
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Abstract
【構成】電子カメラ10は、CCDイメージャ16を含み、CCDイメージャ16は、被写界の光学像に対応する生画像信号を生成する撮像面を有する。撮像面で生成された生画像信号は、Dr14aによって撮像面から読み出される。Dr14aによって読み出された生画像信号は、AGC回路24によって増幅される。加算器26および第2クランプ回路30は、AGC回路24によって増幅された生画像信号から暗電流ノイズを除去する。加算器26および第2クランプ回路30によって除去される暗電流ノイズのレベルは、黒レベル測定回路44によって検出される。CPU54は、黒レベル測定回路44によって検出されたレベルの上昇に応じてAGC回路24の最低増幅率を増大させる。
【効果】ダイナミックレンジの縮小を抑えることができる。
【選択図】図1
【効果】ダイナミックレンジの縮小を抑えることができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、電子カメラに関し、特にたとえば被写界を表す画像信号の基準レベルを調整する、電子カメラに関する。
従来のこの種の電子カメラの一例が、特許文献1に開示されている。この従来技術によれば、CCDイメージャから出力された画像信号は、ダミークランプ回路およびCDS回路を経た後、AGC回路によって増幅される。AGC回路から出力された画像信号は、暗電流レベルが設定レベルと一致するように加算器によってクランプされる。
特開2004−312551号公報[H04N 5/335,5/16]
しかし、CCDイメージャの温度が上昇すると、撮像面で発生する暗電流ノイズが増大する。このため、AGC回路の設定によっては、CCDイメージャの温度上昇に起因する暗電流ノイズの増大に起因して、加算器から出力される画像信号のダイナミックレンジが縮小する。
それゆえに、この発明の主たる目的は、画像信号のダイナミックレンジの縮小を抑えることができる、電子カメラを提供することである。
請求項1の発明に従う電子カメラ(10)は、被写界の光学像に対応する画像信号を生成する撮像面を有する撮像手段(16)、撮像面で生成された画像信号を撮像手段から読み出す読み出し手段(14a)、読み出し手段によって読み出された画像信号を増幅する増幅手段(24)、調整手段によって増幅された画像信号から暗電流ノイズを除去する除去手段(26,30)、除去手段によって除去された暗電流ノイズのレベルを検出する検出手段(44)、および検出手段によって検出されたレベルの上昇に応じて増幅手段の最低増幅率を増大させる制御手段(S11)を備える。
撮像手段は、被写界の光学像に対応する画像信号を生成する撮像面を有する。撮像面で生成された画像信号は、読み出し手段によって撮像面から読み出される。読み出し手段によって読み出された画像信号は、増幅手段によって増幅される。除去手段は、増幅手段によって増幅された画像信号から暗電流ノイズを除去する。除去手段によって除去される暗電流ノイズのレベルは、検出手段によって検出される。制御手段は、検出手段によって検出されたレベルの上昇に応じて増幅手段の最低増幅率を増大させる。
被写界が明るいとき、撮像面の露光量は十分に確保され、増幅手段の増幅率は低く抑えられる。したがって、最低増幅率は、被写界が十分に明るいときに注目される。ただし、被写界が明るいと、撮像面で生成される画像信号が飽和する。また、撮像手段の温度が上昇すると、撮像面で発生する暗電流ノイズが増大する。この結果、最低増幅率を固定とすると、撮像手段の温度上昇に起因する暗電流ノイズの増大によって、除去手段から出力される画像信号の最大レベル(飽和レベルに相当)が低下する。換言すると、高温になる程、電子の熱運動が活性化するため、電子がオーバフローバリアを乗り越える確率が増加し、飽和信号量(飽和レベルに相当)が減少する。つまり、画像信号のダイナミックレンジが縮小する。
そこで、請求項1の発明では、暗電流ノイズのレベルを検出し、検出されたレベルの上昇に応じて最低増幅率を増大させるようにしている。これによって、除去手段から出力される画像信号の最大レベルの低下、すなわち画像信号のダイナミックレンジの縮小が抑えられる。
請求項2の発明に従う電子カメラは、請求項1に従属し、除去手段から出力された画像信号にA/D変換を施すA/D変換手段(28)をさらに備える。この結果、画像信号に対応するディジタルデータが得られる。
請求項3の発明に従う電子カメラは、請求項1または2に従属し、撮像面は、露出した第1受光素子および第1電荷転送路が設けられる第1エリアと、遮蔽された第2受光素子および第2電荷伝送路が設けられる第2エリアとを有し、検出手段は第2エリアに対応するタイミングで検出処理を行う。この結果、暗電流ノイズのレベルが適切に検出される。
請求項4の発明に従う電子カメラは、請求項3に従属し、読み出し手段は周期的に読み出し処理を実行し、除去手段から出力された画像信号に基づく動画像を再現する再現手段(38)をさらに備える。この結果、撮影条件が調整された画像を視覚で捉えることができる。
請求項5の発明に従う電子カメラは、請求項1または2に従属し、撮像面を覆うシャッタ部材(60)、およびシャッタ部材が閉状態にあるときに読み出し手段に読み出し処理を要求する要求手段(S31)をさらに備え、検出手段は要求手段の要求処理に関連して検出処理を実行する。この結果、暗電流ノイズのレベルが適切に検出される。
請求項6の発明に従う電子カメラは、請求項1ないし5のいずれかに従属し、制御手段による制御の後に除去手段から出力された画像信号に記録処理を施す記録手段(S23)をさらに備える。この結果、所望の被写界像を記録することができる。
この発明によれば、暗電流ノイズのレベルを検出し、検出されたレベルの上昇に応じて最低増幅率を増大させるようにしている。これによって、除去手段から出力される画像信号の最大レベルの低下、すなわち画像信号のダイナミックレンジの縮小が抑えられる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1を参照して、この実施例のディジタルカメラ10(電子カメラ)は、光学レンズ12を含む。被写界の光学像は、光学レンズ12を介してCCDイメージャ16の撮像面に照射される。光学特性上、撮像面に照射された光学像は上下方向において反転する。
電源が投入されると、スルー画像処理つまり被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)をLCD40に表示する処理が実行される。具体的には、CPU54はまず、プリ露光時間および間引き読み出しの繰り返しをドライバ(Dr)14aに命令する。Dr14aは、タイミングジェネレータ(TG)/シグナルジェネレータ(SG)18から出力されたタイミング信号に応答して、CCDイメージャ16にプリ露光を施し、かつプリ露光によって生成された電荷(生画像信号)を間引き態様でCCDイメージャ16から読み出す。
この実施例のCCDイメージャ16はインタレース走査型であり、本露光によって生成された1フレームの生画像信号は複数フィールドに分けてCCDイメージャ16から読み出される。これによって、被写界の光学像に対応する生画像信号が、30fpsのフレームレートでCCDイメージャ16から出力される。
CCDイメージャ16は、図2に示すように、撮像面に平面状に配列された複数の受光素子16a,16a,・・・と、複数の受光素子列にそれぞれ割り当てられた複数の垂直転送レジスタ16b,16b,・・・と、複数の垂直転送レジスタ16b,16b,・・・の終端に設けられた水平転送レジスタ16cとを有する。
図3を参照して、撮像面は、有効画素エリア,第1OBエリア(光学的黒エリア)および第2OBエリアを有する。有効画素エリアは第1OBエリアによって囲まれ、第2OBエリアはラスタ走査方向において第1OBエリアに隣接する。クランプエリア1はダミーエリアに属するように撮像面に割り当てられ、クランプエリアは第2OBエリアに属するように撮像面に割り当てられる。図2に示す受光素子16a,16a,・・・および垂直転送レジスタ16b,16b,・・・は、有効画素エリアおよび第1OBエリアに存在する。
ただし、有効画素エリア上の受光素子16aは被写界の光学像を受けるべく露出するものの、第1OBエリア上の受光素子16aは図示しない遮光材によって覆われる。つまり、遮蔽された受光素子16aが第1OBエリアに存在する。ダミーエリア上には、受光素子16aおよび垂直転送レジスタ16bのいずれも存在しない。したがって、有効画素エリアは“被写界像エリア”と定義することができ、第1OBエリアおよび第2OBエリアの各々は“黒画像エリア”と定義することができる。
なお、CCDイメージャ16から出力される電荷は、垂直転送レジスタ16bで発生した暗電流ノイズに相当する成分を含む。暗電流ノイズ成分の量は、垂直転送の距離が長いほど増大する。したがって、水平転送レジスタ16cから離れた受光素子16aに対応する電荷ほど、多くの暗電流ノイズ成分を含む。
図3に示す撮像面を垂直方向中央で水平方向に眺めると、有効画素エリア,第1OBエリア,第2OBエリアおよびクランプエリアは、図4(A)に示すように分布する。第1クランプ回路20は、SG/TG18からのタイミング信号に基づいて、図4(B)に示すクランプパルスがHレベルとなる期間にクランプ処理を実行する。この結果、CCDイメージャ16から出力された各ラインの生画像信号の基準レベルは、第2OBエリアに対応するクランプレベルに固定される。
図1に戻って、第1クランプ回路20から出力された生画像信号は、CDS回路22およびAGC回路24で相関2重サンプリングおよび自動ゲイン調整を施される。CDS回路22およびAGC回路24のいずれの処理も、SG/TG18から出力されたタイミング信号に応答して実行される。CPU54は、キー入力装置56の感度設定操作に応答して後述するゲインテーブルT1(図6または図10参照)から最適ゲインを選択する。選択された最適ゲインはAGC回路24に付与される。
加算器26は、AGC回路24から出力された生画像信号と第2クランプ回路30から出力されたオフセット信号(後述)とを互いに加算する。A/Dコンバータ28は、加算器26から出力された生画像信号をディジタル信号である生画像データに変換する。
A/Dコンバータ28は、図5に示すように構成される。加算器26からの生画像信号が印加される入力端子T1は、4095個のコンパレータC1〜C4095の一方入力端子に接続される。電源電圧Vccが印加される入力端子T2とアースとの間には直接接続された4096個の抵抗R1〜R4096が介挿され、抵抗R1〜R4096の一方端(電源Vcc側)は、コンパレータC1〜C4095の他方入力端子にそれぞれ接続される。
コンパレータC1〜C4095の各々は、画像信号レベルを異なる直流電圧と比較し、“1”または“0”の比較結果を出力する。画像信号レベルが直流電圧未満であれば“0”が出力され、画像信号レベルが直流電圧以上であれば“1”が出力される。エンコーダ28aは、コンパレータC1〜C4095から4095個の比較結果つまり画像信号レベルの評価結果を取り込み、この評価結果に対応する12ビット値を出力端子T31〜T43からそれぞれ出力する。
A/Dコンバータ28ではまた、ディジタル信号への変換と同時にクリップ処理が実行される。この実施例では、抵抗R1の端子電圧すなわちコンパレータC1の他方入力端子の印加電圧を1.0Vとする。画像信号レベルが1.0Vに満たないとき、コンパレータC1〜C4095の全ての比較結果が“0”となる。すると、エンコーダ28aは出力端子T31〜T43の全てに“0”を印加する。これによって、1.0Vを基準レベルとするクリップ処理が施された生画像データが得られる。
図1に戻って、第2クランプ回路30は、図4(C)に示す第2クランプパルスP2がHレベルとなる期間に、A/Dコンバータ28から出力される生画像データを取り込む。第2クランプ回路30はまた、取り込んだ生画像データに基づいて、生画像信号の基準レベルが第2クランプレベル(=1.0V)を示すようにオフセット信号を生成する。このようなフィードバックループが形成されることにより、生画像データの基準レベルが調整される。
信号処理回路32は、バスB1を通して所定量の画像データをメモリ制御回路34に与え、この所定量の画像データの書き込みリクエストをメモリ制御回路34に向けて発行する。所定量の画像データは、メモリ制御回路34によってSDRAM36に書き込まれる。こうして、画像データは所定量ずつSDRAM36に格納される。
ビデオエンコーダ38は、SDRAM36に格納された画像データを1/30秒に1フレームの割合で読み出すべく、読み出しリクエストをメモリ制御回路36に向けて繰り返し発行する。メモリ制御回路34は、SDRAM36から所定量の画像データを読み出す。読み出された画像データは、バスB1を通してビデオエンコーダ38に与えられる。SDRAM36に格納された画像データは、こうして所定量ずつビデオエンコーダ38に与えられる。
ビデオエンコーダ38は、メモリ制御回路34から与えられた画像データをNTSCフォーマットに従うコンポジットビデオ信号に変換し、変換されたコンポジットビデオ信号をLCD40に出力する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCD40に再現され、撮影条件が調整された画像を視覚で捉えることができる。なお、以下では説明を適宜省略するが、SDRAM36へのアクセスは必ずメモリ制御回路34を通して行われる。
AE/AF評価回路42は、信号処理回路32から出力された画像データに基づいて、被写界の明るさを示す輝度評価値と被写界の合焦度を示すフォーカス評価値とを作成する。作成された輝度評価値およびフォーカス評価値は、CPU54に与えられる。
キー入力装置56に設けられたシャッタボタン56sが操作されていないとき、スルー画像用AE処理が実行される。CPU54はこのとき、AE/AF評価回路42からの輝度評価値に基づいてTG/SG18に与えるプリ露光時間およびAGC回路24に与える最適ゲインを制御する。これによって、スルー画像の明るさが適度に調整される。
図6を参照して、ゲインテーブルT1には、ISO感度50(最低ゲイン)からISO感度800(最高ゲイン)に対応する最適ゲインが登録される。CCDイメージャ18の周辺温度が25°を示すとき、AGC回路24に与えるべき最適ゲインは、ISO感度800の場合は16倍に設定され、ISO感度400の場合は12倍に設定され、ISO感度200の場合は8倍に設定され、ISO感度100の場合は6倍に設定され、そしてISO感度50の場合は4倍に設定される。
CCDイメージャ16の周辺温度が25°を示すときの第1クランプ回路20,AGC回路24,加算器26およびA/Dコンバータ28の出力について、図7(A)〜図7(D)を参照して説明する。ここでは、飽和レベルが0.55Vでかつ第2クランプエリアで発生する暗電流ノイズレベルが0.05Vの生画像信号が図7(A)に示す要領で第1クランプ回路20から出力されることを想定する。
撮像面で生成される生画像信号が飽和すると、CPU54は、明るい被写界でISO感度50に相当する最適ゲインを選択するべく、ゲインテーブルT1に注目し、ISO感度50に対応する4倍を最適ゲインとしてAGC回路24に付与する。このとき、生画像信号および暗電流ノイズレベルはそれぞれ、2.0Vおよび0.2Vを示す(図7(B)参照)。
−0.2Vを示すオフセット信号が第2クランプ回路30から加算器26に与えられると、図7(C)に示すように、暗電流ノイズレベルが1.0Vを示す生画像信号が加算器26から出力される。A/Dコンバータ28は、このような生画像信号を生画像データに変換するともに、クランプエリア1に属する生画像データにクリップ処理を施す。この結果、図7(D)に示すような波形に相当する生画像データがA/Dコンバータ28から出力される。
シャッタボタン56sが半押しされると、AGC回路24に与える最適ゲインの調整可能範囲の微調整が行われる。たとえば、CCDイメージャ16の周辺温度が50°を示すとき、ゲインテーブルT1は図8に示すように変更される。つまり、ISO感度50に相当する最適ゲインは5倍に設定される。
具体的には、黒レベル測定回路44はまず、SG/TG18からのタイミング信号に基づいて、図4(C)に示す第2クランプパルスP2がHレベルとなる期間でAGC回路24から出力される生画像信号を検出する。黒レベル測定回路44は続いて、検出された生画像信号の平均値を測定する。CPU54は、黒レベル検出回路44から測定値を取り込み、数1に従う演算処理を実行する。取り込んだ測定値は、数1の変数xに割り当てられる。
[数1]
Y=αx+β(α>0,β>0)
図9を参照して、線L1は数1に対応し、数1は以下に示す要領で作成される。CCDイメージャ16の周辺温度が異なる2つのタイミングでそれぞれ得られた2つの生画像信号は、黒レベル測定回路44で検出される。検出された2つの生画像信号から測定値Iy1およびIy2がそれぞれ得られる。ISO感度50に相当するゲインG1およびG2が測定値Iy1およびIy2に基づいてそれぞれ割り出される。座標(Iy1,G1)および(Iy2,G2)の間を結ぶ近似直線が線L1となる。求められた変数Yの値は、最低ゲインに割り当てられる。こうして、調整可能範囲の微調整が行われる。
[数1]
Y=αx+β(α>0,β>0)
図9を参照して、線L1は数1に対応し、数1は以下に示す要領で作成される。CCDイメージャ16の周辺温度が異なる2つのタイミングでそれぞれ得られた2つの生画像信号は、黒レベル測定回路44で検出される。検出された2つの生画像信号から測定値Iy1およびIy2がそれぞれ得られる。ISO感度50に相当するゲインG1およびG2が測定値Iy1およびIy2に基づいてそれぞれ割り出される。座標(Iy1,G1)および(Iy2,G2)の間を結ぶ近似直線が線L1となる。求められた変数Yの値は、最低ゲインに割り当てられる。こうして、調整可能範囲の微調整が行われる。
CCDイメージャ16の周辺温度が50°を示すときの第1クランプ回路20,AGC回路24,加算器26およびA/Dコンバータ28の出力について、図10(A)〜図10(D)を参照して説明する。ここでは、飽和レベルが0.55Vでかつ第2クランプエリアで発生する暗電流ノイズレベルが0.15Vの生画像信号が図10(A)に示す要領で第1クランプ回路20から出力されることを想定する。
CPU54はこのとき、明るい被写界でISO感度50に相当する最適ゲインを選択するべく、暗電流ノイズレベルに応じて変更されたゲインテーブルT1に注目し、ISO感度50に対応する5倍を最適ゲインとしてAGC回路24に付与する。生画像信号および暗電流ノイズレベルはそれぞれ、2.0Vおよび0.75Vを示す(図10(B)参照)。
−0.75Vを示すオフセット信号が第2クランプ回路30から加算器26に与えられると、図10(C)に示すように、暗電流ノイズレベルが1.0Vを示す生画像信号が加算器26から出力される。この結果、図10(D)に示すような波形に相当する生画像データがA/Dコンバータ28から出力される。
調整可能範囲の微調整が完了すると、CPU54は、記録用AE処理およびAF処理を実行する。記録用AE処理の結果、Dr14aに設定されたプリ露光時間は上述の輝度評価値に基づいてより厳密に調整され、AGC回路24に設定された最適ゲインは変更されたゲインテーブルT1に基づいてより厳密に調整される。また、AF処理の結果、光学レンズ12はDr14bによって合焦位置に設定される。なお、記録用AE処理によってDr14aに設定された最適露光時間は、シャッタボタン56sの半押し状態が継続される限り、変更されることはない。
シャッタボタン56sが全押しされると、撮影処理が実行される。具体的には、CPU54は、最適露光時間に従う本露光及び全画素読み出しの実行をDr14aに命令する。Dr14aは、TG/SG18から出力された複数のタイミング信号に応答して、記録用AE処理によって算出された最適露光時間に従う本露光をCCDイメージャ16に施し、これによって生成された電荷の全てをラスタ走査態様で読み出す。この結果、全ての電荷によって形成される高解像度の生画像信号がCCDイメージャ16から出力される。
CCDイメージャ16から出力された生画像信号は上述と同様の処理を施され、高解像度の生画像信号に基づく画像データがSDRAM36に与えられる。画像データがSDRAM36に格納されると、記録処理が実行される。CPU54はこのとき、JPEGコーデック46およびI/F回路48に命令を与える。JPEGコーデック46は、SDRAM36に格納された画像データを読み出す。読み出された画像データは、バスB1を介してJPEGコーデック46に与えられ、JPEG圧縮を施される。これによって生成された圧縮画像データはSDRAM36に書き込まれる。I/F回路48は、SDRAM36に格納された圧縮画像データを読み出し、読み出された圧縮画像データをファイル形式で記録媒体50に記録する。なお、記録媒体48は、着脱自在であり、図示しないスロットに装着されたときにCPU54によってアクセス可能となる。
なお、バスB1上での画像データの転送速度は、信号処理回路32,メモリ制御回路34,ビデオエンコーダ38,JPEGコーデック48およびI/F回路50の各々の処理速度よりも格段に速い。このため、画像データがバスB1上で衝突することなく、データ転送処理が破綻することもない。
このように、CCDイメージャ16は、被写界の光学像に対応する生画像信号を生成する撮像面を有する。撮像面で生成された生画像信号は、Dr14aによって撮像面から読み出される。Dr14aによって読み出された生画像信号は、AGC回路24によって増幅される。加算器26および第2クランプ回路30は、AGC回路24によって増幅された生画像信号から暗電流ノイズを除去する。加算器26および第2クランプ回路30によって除去される暗電流ノイズのレベルは、黒レベル測定回路44によって検出される。CPU54は、黒レベル測定回路44によって検出されたレベルの上昇に応じてAGC回路24の最低増幅率を増大させる。
被写界が明るいとき、撮像面の露光量は十分に確保され、AGC回路24の最適ゲインは低く抑えられる。したがって、ISO感度50は、被写界が明るいときに注目される。ただし、被写界が明るいと、撮像面で生成される生画像信号が飽和する。また、CCDイメージャ16の温度が上昇すると、撮像面で発生する暗電流ノイズが増大する。この結果、ISO感度50に相当する最適ゲインを固定とすると、CCDイメージャ16の温度上昇に起因する暗電流ノイズの増大によって、加算器26から出力される生画像信号の最大レベル(飽和レベルに相当)が低下する。換言すると、高温になる程、電子の熱運動が活性化するため、電子がオーバフローバリアを乗り越える確率が増加し、飽和信号量(飽和レベルに相当)が減少する。つまり、生画像信号のダイナミックレンジが縮小する。
そこで、暗電流ノイズのレベルを検出し、検出されたレベルの上昇に応じて最低増幅率を増大させるようにしている。これによって、加算器26から出力される生画像信号の最大レベルの低下、すなわち生画像信号のダイナミックレンジの縮小が抑えられる。
CPU54は、具体的には、図11に示すフロー図に従う処理を実行する。なお、このフロー図に対応する撮影制御プログラムは、フラッシュメモリ52に記憶される。
図11を参照して、ステップS1では、スルー画像処理を行う。これによって、被写界のスルー画像がLCD40に表示される。ステップS3では、シャッタボタン56sが半押しされたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS5でスルー画像用のAE処理を実行し、ステップS1に戻る。
判別結果がYESであればステップS7で黒レベル測定回路44から測定値を取り込む。ステップS9では、算出処理を実行する。つまり、取り込んだ測定値を数1に示す変数xに割り当てる。ステップS11では、算出処理によって得られた変数Yの値を調整可能範囲の最低値に変更する。この結果、ゲインテーブルT1が変更される。
ステップS13では、記録用のAE処理を実行し、ステップS15でAF処理を実行する。つまり、AE/AF評価回路42からフォーカス評価値を取り込み、取り込んだフォーカス評価値に基づいてDr14bを制御する。この結果、光学レンズ12の光軸方向の位置が調整される。
ステップS17では、シャッタボタン56sが全押しされたか否か判別する。判別結果が否定的であれば、ステップS19でシャッタボタン56sが解除されたか否か判別する。シャッタボタン56sの半押し状態が解除されると、ステップS1に戻り、シャッタボタン56sの半押し状態が継続すれば、ステップS17に戻る。一方、ステップS17の判別結果が肯定的であれば、ステップS21で撮影/記録処理を行い、この処理が完了すると、ステップS1に戻る。
このように、明るい被写界を撮影するときには十分な光量が得られるため、AGC回路24のゲイン調整の優先度は露光時間の調整および光量の絞り機構(図示せず)の調整よりも低い。つまり、最低ゲインは、被写界が明るいときに注目される。ただし、被写界が明るいと、撮像面で生成される生画像信号が飽和する。また、CCDイメージャ16の周辺温度が上昇すると、生画像信号に含まれる暗電流ノイズレベルも増大する。最低ゲインが固定されていれば、CCDイメージャ16の周辺温度の上昇に起因する暗電流ノイズレベルの増大によって、加算器26から出力される生画像信号の飽和レベルが低下する。換言すると、生画像信号のダイナミックレンジが縮小する。この結果、LCD40に再現された画像にムラまたは偽色が生じる。
したがって、暗電流ノイズレベルを検出し、検出されたレベルの上昇に応じて最低ゲインを増大させるようにしている。これによって、加算器26から出力される生画像信号の最大レベルの低下、すなわち生画像信号のダイナミックレンジの縮小が抑えられる。
なお、この実施例では、CCDイメージャ16の撮像面に有効画素エリア,第1OBエリアおよび第2OBエリアが割り当てられていると説明した。これに限らず、CCDイメージャ16の黒画像エリアにOBエリアのみ割り当てることも可能である。
その他の実施例のディジタルカメラ10は、以下で述べる点を除き、図1〜図11実施例と同じであるため、同じ構成に関する説明は省略する。
図12を参照して、被写界の光学像は、光学レンズ12およびCCDイメージャ16を覆うメカニカルシャッタ60を経てCCDイメージャ16の撮像面に照射される。CCDイメージャ16の撮像面は、図13に示すように、有効画素エリアおよびOBエリアを有する。有効画素エリアはラスタ走査方向においてOBエリアに隣接する。クランプエリアはOBエリアに属するように撮像面に割り当てられる。
図13に示す撮像面を垂直方向中央で水平方向に眺めると、有効画素エリア,OBエリアおよびクランプエリアは、図14(A)に示すように分布する。第1クランプ回路20は、SG/TG18からのタイミング信号に基づいて、図14(B)に示すクランプパルスP1がHレベルとなる期間にクランプ処理を実行する。この結果、CCDイメージャ16から出力された各ラインの生画像信号の基準レベルは、OBエリアに対応するクランプレベルに固定される。
シャッタボタン56sが半押しされると、CPU54はまず、SG/TG18に起動命令を与える。SG/TG18は、この命令に応答して、複数のタイミング信号を発生する。続いて、AGC回路24に与える最適ゲインの調整可能範囲の微調整が行われる。具体的には、黒レベル測定回路44は、SG/TG18からのタイミング信号に基づいて、図14(C)に示す第2クランプパルスP2がHレベルとなる期間でAGC回路24から出力される生画像信号を検出する。黒レベル測定回路44は続いて、検出された生画像信号の平均値を測定する。CPU54は、黒レベル検出回路44から測定値を取り込み、数1に従う演算処理を実行する。演算結果に基づいてゲインテーブルT1が変更される。
調整可能範囲の微調整が完了すると、CPU54は次に、メカニカルシャッタ60を開口させる命令をDr58に命令する。Dr58は、この命令に応答してメカニカルシャッタ60を開ける。この結果、CCDイメージャ16の撮像面は、遮光状態から受光状態に遷移する。
シャッタボタン56sが全押しされると、撮影処理が実行される。CPU54はこのとき、撮影処理に起因する最適露光時間に対応するタイミングでメカニカルシャッタ60を閉口させる命令をDr58に与える。この結果、最適露光時間で得られる露光量を有する生画像信号がCCDイメージャ16から出力される。
CPU54は、撮影制御プログラムを図15に示す処理順序で実行する。なお、このフロー図に対応する撮影制御プログラムは、フラッシュメモリ54に記憶される。
電源が投入されると、ステップS3でシャッタボタン56sが半押し操作されるまで待機する。シャッタボタン56sの半押し操作が行われると、ステップS31でSG/TG18を起動させる。ゲインテーブルT1の変更が完了すると、ステップS33でメカニカルシャッタ60を開口させる命令をDr58に与える。この結果、CCDイメージャの撮像面は受光状態に遷移する。ステップS21で撮影処理が実行されると、ステップS35で最適露光時間に従うタイミングでメカニカルシャッタ60を閉口させる命令をDr58に与える。この結果、最適露光時間で得られる露光量を有する生画像信号がCCDイメージャ16から出力される。
10 … ディジタルカメラ
12 … 光学レンズ
14a,14b,58 … ドライバ
16 … CCDイメージャ
18 … TG/SG
24 … AGC
44 … 黒レベル測定回路
50 … 記録媒体
54 … CPU
60 … メカニカルシャッタ
12 … 光学レンズ
14a,14b,58 … ドライバ
16 … CCDイメージャ
18 … TG/SG
24 … AGC
44 … 黒レベル測定回路
50 … 記録媒体
54 … CPU
60 … メカニカルシャッタ
Claims (6)
- 被写界の光学像に対応する画像信号を生成する撮像面を有する撮像手段、
前記撮像面で生成された画像信号を前記撮像手段から読み出す読み出し手段、
前記読み出し手段によって読み出された画像信号を増幅する増幅手段、
前記増幅手段によって増幅された画像信号から暗電流ノイズを除去する除去手段、
前記除去手段によって除去された暗電流ノイズのレベルを検出する検出手段、および
前記検出手段によって検出されたレベルの上昇に応じて前記増幅手段の最低増幅率を増大させる制御手段を備える、電子カメラ。 - 前記除去手段から出力された画像信号にA/D変換を施すA/D変換手段をさらに備える、請求項1記載の電子カメラ。
- 前記撮像面は、露出した第1受光素子および第1電荷転送路が設けられる第1エリアと、遮蔽された第2受光素子および第2電荷伝送路が設けられる第2エリアとを有し、
前記検出手段は前記第2エリアに対応するタイミングで検出処理を行う、請求項1または2記載の電子カメラ。 - 前記読み出し手段は周期的に読み出し処理を実行し、
前記除去手段から出力された画像信号に基づく動画像を再現する再現手段をさらに備える、請求項3記載の電子カメラ。 - 前記撮像面を覆うシャッタ部材、および
前記シャッタ部材が閉状態にあるときに前記読み出し手段に読み出し処理を要求する要求手段をさらに備え、
前記検出手段は前記要求手段の要求処理に関連して検出処理を実行する、請求項1または2記載の電子カメラ。 - 前記制御手段による制御の後に前記除去手段から出力された画像信号に記録処理を施す記録手段をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006202721A JP2008034902A (ja) | 2006-07-26 | 2006-07-26 | 電子カメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006202721A JP2008034902A (ja) | 2006-07-26 | 2006-07-26 | 電子カメラ |
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ID=39123933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006202721A Withdrawn JP2008034902A (ja) | 2006-07-26 | 2006-07-26 | 電子カメラ |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010177928A (ja) * | 2009-01-28 | 2010-08-12 | Canon Inc | 撮像素子及び撮像装置 |
CN108810323A (zh) * | 2018-05-31 | 2018-11-13 | 维沃移动通信有限公司 | 一种图像处理方法及终端设备 |
-
2006
- 2006-07-26 JP JP2006202721A patent/JP2008034902A/ja not_active Withdrawn
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