JP2008034483A - 化合物半導体素子およびそれを用いる照明装置ならびに化合物半導体素子の製造方法 - Google Patents

化合物半導体素子およびそれを用いる照明装置ならびに化合物半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板上にナノコラムやナノロッドなどと称される柱状結晶構造体が形成されて成る化合物半導体発光素子において、柱状結晶構造体の柱径を高精度に制御可能とする。
【解決手段】発光ダイオードを形成するナノコラム6において、その作成後、フォトルミネッセンス法などで実際の発光波長を測定し、所望とする波長からずれていれば、該ナノコラム6を熱酸化し、表面に径調整層10を形成する。したがって、径調整層10の部分は発光動作に寄与せず、実質的にナノコラム6の外径が細くなった場合と同様の動作を行うことになり、従来では全く不可能であった形成後の外径の微調整を、容易かつ高精度に行うことができ、発光波長を調整することができる。また、径調整層10はナノコラム6の表面を保護するので、SOGの埋め込みによる表面保護の場合に問題になる埋め込みの均一性は一切問題にならず、制御性、再現性に優れた表面保護を実現することもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、III−V族化合物半導体などの化合物半導体発光素子およびそれを用いる照明装置ならびに化合物半導体素子の製造方法に関し、特に半導体素子としては、基板上にナノコラムやナノロッドなどと称されるナノスケールの柱状結晶構造体が形成されて成るものに関する。
近年、窒化物半導体もしくは酸化物半導体で構成された発光層を有する化合物半導体発光素子が注目されている。この発光素子の構造は、一例として、サファイア基板を用い、発光層の下部にシリコン(Si)がドーピングされたn−GaN層から成るn−クラッド層およびコンタクト層、発光層の上部にマグネシウム(Mg)がドーピングされたp−AlGa1−xNから成る電子ブロック層、電子ブロック層の上部にp−GaNのコンタクト層がそれぞれ形成されて構成されている。これらのいわゆるバルク結晶を用いる発光素子は、基板のサファイアと、窒化物や酸化物の半導体層との格子定数が大きく異なり、かつ基板上に薄膜として形成されるので、結晶内に非常に多くの貫通転位を含んでおり、発光素子の効率を増加させるのは困難であった。
そこで、このような問題を解決する手法の従来例として、特許文献1が知られている。この従来例では、サファイア基板上に、n型GaNバッファ層を形成した後、アレイ状に配列された多数の前記柱状結晶構造体(ナノコラム)を形成しており、そのGaNナノコラム間に透明絶縁物層を埋め込み、透明電極および電極パッドが成膜されて構成されている。特にGaNナノコラムは、n型GaNナノコラム、InGaN量子井戸、p型GaNナノコラムから構成されている。このナノコラムを用いれば、前述のバルク結晶が有する貫通転位をほとんど無くすまでに低減することができ、前記貫通転位による非発光再結合が減少して、発光効率を向上することができる。
特開2005−228936号公報
上述のように構成される化合物半導体発光素子において、前記柱状結晶構造体の柱径は、成長条件を調整することで、或る程度のばらつきの範囲に抑えることができるようになってきた。しかしながら、まだまだその制御性が充分とは言えず、前記柱径によって変化する波長を、目的とする波長に一致させるのは困難である。
本発明の目的は、柱状結晶構造体の柱径を高精度に制御することができる化合物半導体素子およびそれを用いる照明装置ならびに化合物半導体素子の製造方法を提供することである。
本発明の化合物半導体素子は、基板上にナノスケールの柱状結晶構造体を有する化合物半導体素子において、前記柱状結晶構造体の表面に、該表面が酸化されて成る径調整層を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、基板上にナノコラムやナノロッドなどと称されるナノスケールの柱状結晶構造体が形成されて成る化合物半導体素子において、その柱状結晶構造体を成長させた後に表面を酸化して酸化膜を形成する。したがって、前記酸化膜部分は半導体素子の動作に寄与せず、半導体素子としては実質的に柱状結晶構造体の外径が細くなった場合と同様の動作を行うことになり、前記酸化膜は径調整層として機能する。
これによって、従来では全く不可能であった柱状結晶構造体の形成後の外径の微調整を、容易かつ高精度に行うことができ、発光素子の場合には発光波長などの光学特性に密接に効いてくる重要なパラメータの制御が可能になり、その発光素子の特性向上や安定化にとって大きな効果を奏することができる。また、前記径調整層、すなわち酸化膜によって、柱状結晶構造体の表面保護を行うことができ、従来のように液体状の物質の物理的な埋め込みによる表面保護の場合に問題になる埋め込みの均一性は一切問題にならず、制御性、再現性に優れた表面保護を実現することができる。
また、本発明の化合物半導体素子は、化合物半導体発光素子であり、前記柱状結晶構造体は、基板上でパターニングされたカタリスト材料層に取込まれた半導体材料が、該カタリスト材料層と基板側との界面で結合・成長して成り、その配置および柱径が2次元フォトニック結晶構造に制御されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、化合物半導体発光素子である場合に、前記の柱状結晶構造体を成長させるにあたって、Ga,N,In,Alなどの化合物半導体材料や、Mg,Siなどの添加物材料に対して、それらを溶解して取込み、かつ自身とは合成物を作らないNi,Cu,Fe,Auなどのカタリスト材料層を基板上に形成し、リソグラフィ技術などでパターニングしておく。
したがって、前記化合物半導体材料や添加物材料は、カタリスト材料層が形成された部位で該カタリスト材料層に取込まれ、該カタリスト材料層と基板側との界面でそれらの元素が結合し、種結晶から前記柱状結晶構造体に成長してゆく。これに対して、カタリスト材料層が形成されていない部位で基板上に直接堆積した前記化合物半導体材料や添加物材料は、それらの元素が結合することなく(結晶化せず)、成長工程の終了後などで適宜除去することができる。
これによって、前記カタリスト材料層の基板上からの平面視における配置、すなわち配列ピッチおよび配列パターンならびに柱径が2次元フォトニック結晶構造に制御されていると、結晶欠陥の少ない柱状結晶構造体の利点を生かし、発生された光を効率的に外部に取出すことができるとともに、所望とする配光で取出す等、光学特性を設計者の意図したとおりに実現することができる。また、予め成長によって柱径を調整しておくことで、前記の酸化による径調整層での柱径の調整を少なくすることができるとともに、より高精度な調整を行うことができる。
さらにまた、本発明の照明装置は、前記の化合物半導体素子を用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、良好な特性および安定性を備える上記化合物半導体素子を用いることで、小型で低消費電力な照明装置を実現することができる。
また、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、基板上にナノスケールの柱状結晶構造体を有する化合物半導体素子の製造方法において、前記柱状結晶構造体を成長させた後、酸素雰囲気でアニールすることで、前記柱状結晶構造体の表面に熱酸化膜から成る径調整層を形成する工程を含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、前述の酸化膜から成る径調整層を形成するにあたって、酸素雰囲気でのアニールを用いる。
したがって、林立する柱間にも均一に酸素が入り込み、しかも柱状結晶構造体材料に対する酸素の侵入厚みは、酸素濃度、アニール温度および時間によって容易に制御することができる。
さらにまた、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、基板上にナノスケールの柱状結晶構造体を有する化合物半導体素子の製造方法において、前記柱状結晶構造体を成長させた後、前記柱状結晶構造体を電解溶液に浸漬し、前記柱状結晶構造体に正の電極を、前記電界溶液に負の電極をそれぞれ接続することで、溶液中の電気化学反応によって前記柱状結晶構造体の表面に酸化膜から成る径調整層を形成する工程を含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、前述の酸化膜から成る径調整層を形成するにあたって、陽極酸化を用いる。
したがって、林立する柱状結晶構造体表面が一様に陽極酸化され、その酸化される厚みは、電解溶液の種類や濃度、さらに印加する電界の強度および時間によって、容易に制御することができる。
また、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、紫外線照射による光化学反応を併用した光電気化学反応を用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、多数が林立する柱状結晶構造体を酢酸などの同じ電界溶液に浸漬して、前記電気化学反応によって径調整層を形成するにあたって、紫外線照射による光化学反応も併用して、光電気化学反応によって前記径調整層を形成する。
したがって、同じ電界溶液に浸漬していても、紫外線の照射の仕方によって反応(酸化)の速度を制御することができ、前記径調整層の厚み、すなわち柱状結晶構造体の実質的な外径を照射部位によって異ならせることができる。これによって、発光素子の場合には、前記部位によって発光波長を異ならせることができ、混色による白色光なども作成することができるようになる。
さらにまた、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、前記化合物半導体素子が発光素子である場合、発光波長を測定する工程をさらに有し、その測定によって得られた波長から、所望とする波長となるように、必要に応じて前記径調整層を形成する工程を再び行い、該径調整層の厚みを調整することを特徴とする。
上記の構成によれば、前述のように作成された化合物半導体素子は、前述のような径調整層の作成工程は繰返し行うことができる。これを利用して、前記化合物半導体素子が発光素子である場合、フォトルミネッセンス法などで実際の発光波長を測定してみて、所望とする波長からずれているようであれば、前記径調整層を形成する工程を再び行い、該径調整層をより厚くする。
したがって、一層高精度な波長の微調整を行うことができる。
また、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、前記柱状結晶構造体を成長させる工程は、前記基板上に、化合物半導体材料に対するカタリスト材料層を成膜する工程と、前記カタリスト材料層を、前記柱状結晶構造体を成長させるべき配置位置で、成長させるべき柱径に対応した形状にパターニングする工程と、前記カタリスト材料層から前記化合物半導体材料を取込ませ、該カタリスト材料層内で結合させて前記基板上に結晶成長させる工程とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、前記の柱状結晶構造体を成長させるにあたって、Ga,N,In,Alなどの化合物半導体材料や、Mg,Siなどの添加物材料に対して、それらを溶解して取込み、かつ自身とは合成物を作らないNi,Cu,Fe,Auなどのカタリスト材料層を基板上に成膜し、リソグラフィ技術などでパターニングしておく。
したがって、前記化合物半導体材料や添加物材料は、カタリスト材料層が形成された部位で該カタリスト材料層に取込まれ、該カタリスト材料層と基板側との界面でそれらの元素が結合し、種結晶から前記柱状結晶構造体に成長してゆく。これに対して、カタリスト材料層が形成されていない部位で基板上に直接堆積した前記化合物半導体材料や添加物材料は、それらの元素が結合することなく(結晶化せず)、成長工程の終了後などで適宜除去することができる。
これによって、前記柱状結晶構造体の基板上からの平面視における配置、すなわち配列ピッチおよび配列パターンならびに前記柱径も高精度に制御することができ、該柱状結晶構造体の利点を生かし、発光素子の場合における発光波長や配光など、化合物半導体素子の特性を、任意に、かつ高精度に制御することができる。
本発明の化合物半導体素子は、以上のように、基板上にナノコラムやナノロッドなどと称されるナノスケールの柱状結晶構造体が形成されて成る化合物半導体素子において、その柱状結晶構造体を成長させた後に表面を酸化して、径調整層となる酸化膜を形成する。
それゆえ、前記酸化膜部分は半導体素子の動作に寄与せず、半導体素子としては実質的に柱状結晶構造体の外径が細くなった場合と同様の動作を行うことになり、前記酸化膜は径調整層として機能する。これによって、従来では全く不可能であった柱状結晶構造体の形成後の外径の微調整を、容易かつ高精度に行うことができ、発光素子の場合には発光波長などの光学特性に密接に効いてくる重要なパラメータの制御が可能になり、その発光素子の特性向上や安定化にとって大きな効果を奏することができる。また、前記径調整層、すなわち酸化膜によって、柱状結晶構造体の表面保護を行うことができ、従来のように液体状の物質の物理的な埋め込みによる表面保護の場合に問題になる埋め込みの均一性は一切問題にならず、制御性、再現性に優れた表面保護を実現することができる。
また、本発明の化合物半導体素子は、以上のように、化合物半導体発光素子である場合に、前記の柱状結晶構造体を成長させるにあたって、Ga,N,In,Alなどの化合物半導体材料や、Mg,Siなどの添加物材料に対して、それらを溶解して取込み、かつ自身とは合成物を作らないNi,Cu,Fe,Auなどのカタリスト材料層を基板上に形成し、リソグラフィ技術などでパターニングしておく。
それゆえ、前記化合物半導体材料や添加物材料は、カタリスト材料層が形成された部位で該カタリスト材料層に取込まれ、該カタリスト材料層と基板側との界面でそれらの元素が結合し、種結晶から前記柱状結晶構造体に成長してゆく。これによって、前記カタリスト材料層の基板上からの平面視における配置、すなわち配列ピッチおよび配列パターンならびに柱径が2次元フォトニック結晶構造に制御されていると、結晶欠陥の少ない柱状結晶構造体の利点を生かし、発生された光を効率的に外部に取出すことができるとともに、所望とする配光で取出す等、光学特性を設計者の意図したとおりに実現することができる。また、予め成長によって柱径を調整しておくことで、前記の酸化による径調整層での柱径の調整を少なくすることができるとともに、より高精度な調整を行うことができる。
さらにまた、本発明の照明装置は、以上のように、前記の化合物半導体素子を用いる。
それゆえ、良好な特性および安定性を備える上記化合物半導体素子を用いることで、小型で低消費電力な照明装置を実現することができる。
また、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、以上のように、前述の酸化膜から成る径調整層を形成するにあたって、酸素雰囲気でのアニールを用いる。
それゆえ、林立する柱間にも均一に酸素が入り込み、しかも柱状結晶構造体材料に対する酸素の侵入厚みは、酸素濃度、アニール温度および時間によって容易に制御することができる。
さらにまた、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、以上のように、前述の酸化膜から成る径調整層を形成するにあたって、陽極酸化を用いる。
それゆえ、林立する柱状結晶構造体表面が一様に陽極酸化され、その酸化される厚みは、電解溶液の種類や濃度、さらに印加する電界の強度および時間によって、容易に制御することができる。
また、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、以上のように、前記電気化学反応によって径調整層を形成するにあたって、紫外線照射による光化学反応も併用して、光電気化学反応によって前記径調整層を形成する。
それゆえ、同じ電界溶液に浸漬していても、紫外線の照射の仕方によって反応(酸化)の速度を制御することができ、前記径調整層の厚み、すなわち柱状結晶構造体の実質的な外径を照射部位によって異ならせることができる。これによって、発光素子の場合には、前記部位によって発光波長を異ならせることができ、混色による白色光なども作成することができるようになる。
さらにまた、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、以上のように、前述のように作成された化合物半導体素子は、前述のような径調整層の作成工程が繰返し行うことができることを利用して、前記化合物半導体素子が発光素子である場合、フォトルミネッセンス法などで実際の発光波長を測定してみて、所望とする波長からずれているようであれば、前記径調整層を形成する工程を再び行い、該径調整層をより厚くする。
それゆえ、一層高精度な波長の微調整を行うことができる。
また、本発明の化合物半導体素子の製造方法は、以上のように、前記の柱状結晶構造体を成長させるにあたって、Ga,N,In,Alなどの化合物半導体材料や、Mg,Siなどの添加物材料に対して、それらを溶解して取込み、かつ自身とは合成物を作らないNi,Cu,Fe,Auなどのカタリスト材料層を基板上に成膜し、リソグラフィ技術などでパターニングしておく。
それゆえ、前記化合物半導体材料や添加物材料は、カタリスト材料層が形成された部位で該カタリスト材料層に取込まれ、該カタリスト材料層と基板側との界面でそれらの元素が結合し、種結晶から前記柱状結晶構造体に成長してゆく。これによって、前記柱状結晶構造体の基板上からの平面視における配置、すなわち配列ピッチおよび配列パターンならびに前記柱径も高精度に制御することができ、該柱状結晶構造体の利点を生かし、発光素子の場合における発光波長や配光など、化合物半導体素子の特性を、任意に、かつ高精度に制御することができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の一形態に係る化合物半導体発光素子である発光ダイオードの製造工程の前半を模式的に示す断面図である。本実施の形態では、ナノコラムの形成にあたっては、フォトリソグラフィが用いられるが、その形成方法は本方法に限定されるものではなく、たとえば電子ビーム露光などの方法を用いても良いことは言うまでもない。また、本実施の形態および後述する他の実施の形態では、ナノコラムの成長は、有機金属気相成長(MOCVD)によって行うことを前提としているが、ナノコラムの成長方法はこれに限定されるものではなく、分子線エピタキシー(MBE)やハイドライド気相成長(HVPE)等の装置を用いてもナノコラムが作製可能であることは公知である。以下、特に断らない限り、MOCVD装置を用いるものとする。
先ず、注目すべきは、本実施の形態では、図1(a)で示すように、シリコン(Si)から成る基板1上に、電子線蒸着によって、カタリスト材料層となるNi薄膜3が5nm蒸着されることである。次に、通常のリソグラフィ技術にArイオンエッチングなどのドライエッチング技術を用いて、図1(b)で示すように、前記Ni薄膜3を、直径100nmの柱径で、たとえば図2で示すような一片が230nmの三角形を基本単位とする2次元フォトニック結晶による回折格子パターン状のNi薄膜パターン4に形成する。
続いて、これをMOCVD装置に入れて温度900℃に設定し、GaN結晶成長の成長ガスであるGa原料のトリメチルガリウム(Ga(CH)およびN原料のアンモニア(NH)を供給すると、Ni薄膜パターン4の表面には、GaとNとが吸着する。吸着されたGaとNとは、Ni薄膜4内に取り込まれ、該Ni薄膜4内を拡散して基板1との界面に達し、ここで互いに結合して図1(c)で示すようにGaN単結晶5を形成する。一方、基板1上に直接堆積したGaとNとは、互いに結合することができず、該基板1上にはGaN単結晶5は形成されない。こうしてNi薄膜4と基板1との間にのみGaN単結晶5が成長する。
さらに15分ほどこの状態を維持することにより、約1μmほどの図1(d)で示すようなGaNの柱状結晶、すなわちGaNナノコラム6が形成される。このGaNナノコラム6の頂上には、最初に定めたコラム径で2次元フォトニック結晶パターンに配列されたNi薄膜4が存在しており、成長条件を適切に保つことで、前記GaNナノコラム6は、定められた位置において、同じ径で成長してゆく。このGaNナノコラム6の成長の際に、n型を形成するためのSi原料としてシラン(SiH)、p型を形成するためのMg原料としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)、ならびに量子井戸を形成するためのIn原料としてトリメチルインジウム(In(CH)などを供給することで、前記GaNナノコラム6は、nGaN層6a、発光層6bおよびpGaN層6cに形成することができる。
なお、基板1はシリコン(Si)に限らず、サファイア、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化シリコン(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)等が使用されてもよい。また、ナノコラム結晶も、GaNに限らず、酸化物、酸窒化物、その他の材料についても当てはまることは言うまでもない。さらに、Ga,Nの原料ガスには他のガスが使用されてもよく、ドープ材もSi,Mgなどに代えて他の材料が使用されてもよい。ただし、化合物半導体材料および添加物材料ならびに前記カタリスト材料層は、カタリスト材料層が化合物半導体材料および添加物材料を溶解して取込み、かつそれらが合成物を作らない材料に選ばれる必要がある。たとえば、カタリスト材料層としては、Ni,Cu,Fe,Auなどであり、化合物半導体材料としては、Ga,N,In,Alなどであり、添加物材料としては、Mg,Siなどである。
また、カタリスト材料層の薄膜は、材料を取込むカタリスト材料層としての機能を発揮することができる厚さ、たとえば数原子層から、取込んだ材料が拡散することができる厚さ、たとえば20nmに形成され、好ましくは1〜5nmである。
図3は、前記発光ダイオードの製造工程の後半を模式的に示す断面図である。図1で示すようにナノコラム6が形成されると、図3(a)で示すように、前記カタリスト材料層としてのNi薄膜4が除去される。その除去は、たとえばMOCVD装置に入れたまま、Clガスなどによるドライエッチングによって行うことができ、また前記MOCVD装置から取出し、黄水に浸漬するなどのウエットエッチングによって行うことができる。
Ni薄膜4を除去した後は、MOCVD装置において成長条件を変えることで、前記ナノコラム6の径を広げながら、p型GaNコンタクト層7が成長される。このような成長方法は、たとえば非特許文献(菊池、野村、岸野「窒化物半導体ナノコラム結晶を用いた新しい機能性デバイス材料の開発」(応用物理学会2004年秋季大会予稿集第1分冊4P−W−1))に示されている。その後、図3(b)で示すように、p型GaNコンタクト層7とオーミックコンタクトすることができる半透明のNi(2nm)/Au(3nm)が蒸着などで積層されてp型電極8とされる。また、前記基板1の表面には、たとえばTi/Alを蒸着して、n型電極9が形成される。
このようにして作成される発光ダイオードにおいて、また注目すべきは、本実施の形態では、前記図3(a)で示すようにp型GaNコンタクト層7が形成された後、図3(b)で示すように電極8,9が形成される前に、フォトルミネッセンス法によって、前記発光層6bの発光波長が測定され、その測定結果から、所望とする波長が得られていない時には、前記ナノコラム6の熱酸化が行われることである。すなわち、作成された発光ダイオードをランプアニール炉に入れ、酸素雰囲気中で温度900℃で加熱することで、前記酸素はナノコラム6の間隙にも容易に入ることができ、ナノコラム6の表面に吸着して、アニールによる熱エネルギーを得て、表面に酸化膜(Ga)を形成する。その後、炉を室温に下げて取出す。
図4および図5は、その結果を模式的に示す断面図であり、図4はナノコラム6の軸直角断面を示し、図5はナノコラム6の軸線方向断面を示す。図4(a)および図5(a)を加熱無しとすると、図4(b)および図5(b)は、たとえば10分加熱した後の状態を示し、図4(c)および図5(c)は、たとえば30分加熱した後の状態を示す。加熱によって、ナノコラム6の表面に、熱酸化膜から成る径調整層10が形成され、その厚さは、時間が長くなる程、厚くなる。また、温度や酸素濃度を変化するようにしてもよく、それらを組合わせて変化するようにしてもよい。
こうして、径調整層10によって、実質的に発光に寄与するGaNナノコラム6の柱径は小さくなる。またこの径調整層10は、ナノコラム6の表面全体を覆っており、表面保護膜としての役割も果たすことができ、たとえばSOG(Spin on Glass)や液状のSiO等を充填する必要もない。一旦、この径調整層10を形成した後、再び発光波長を測定してみて、波長のずれが所定幅以上ある場合には、上記熱酸化を再び行えばよい。
以上のように、本実施の形態の発光ダイオードでは、基板1上にナノコラム6を有する発光ダイオードにおいて、前記ナノコラム6は、基板1上でリソグラフィ技術などで高精度にパターニングされたカタリスト材料層であるNi薄膜4に取込まれた半導体材料が、該カタリスト材料層と基板1側との界面で結合・成長して成るので、その基板1上からの平面視における配置、すなわち配列ピッチおよび配列パターンならびに柱径を高精度に制御することができる。そして、そのナノコラム6の配置を2次元フォトニック結晶構造に制御しておくことで、結晶欠陥の少ないナノコラム6の利点を生かし、発生された光を効率的に外部に取出すことができるとともに、所望とする配光で取出す等、光学特性を設計者の意図したとおりに実現することができる。
すなわち、ナノコラム6の配置を、前記2次元フォトニック結晶による回折格子パターン状に配置することによって、該2次元フォトニック結晶による回折効果を用いることができ、ランダムに配置したGaNナノコラムLEDに比べて上方への光取出し効率を向上させることができる。すなわち、ランダムに配置したGaNナノコラムLEDにおいては、GaNと空気との界面において屈折率差があるために(GaN:2.5、空気:1)、GaNと空気とのあらゆる界面において、界面に対する垂線から測って約23°の三角錐の領域にしか光は取り出せない。さらにGaNナノコラムの円柱側面からも光は出て行き、この光は近傍のGaNナノコラムLEDに吸収されて大部分は熱に変わってしまう。つまりランダム配列のGaNナノコラムLEDの場合、側面方向に出る光はほとんど熱に変換されて光として取り出せないことになる。
これに対して、前述のように2次元フォトニック結晶による回折格子パターン上に配置したGaNナノコラムLEDの場合、これら配置された個々のGaNナノコラムLEDはあたかも結晶中の原子のように振る舞い、光の干渉を引き起こす。その結果、GaNナノコラムLEDの側面から発光する光のモードは抑制され、その代わり上方に発光する光のモードが強められ、上方に取り出せる光の量は多くなる。こうして、ナノコラム結晶と、空気や樹脂などとの誘電率の違いから発生する全反射による光取出し効率を向上させることが可能になり、ナノコラム結晶から空気や樹脂などへ光が取り出せる領域の中に、ナノコラム結晶から発光する光の大半を入れることができ、光取出し効率を大きく向上することができる。
前記2次元フォトニック結晶による回折格子パターンとして、本実施の形態では三角形を基本単位としたが、これは単なる一例に過ぎず、このパターン形状に限定されないことは言うまでもない。しかしながら、上述のように、規則性を持った幾何学的配列に所定の直径を持つナノコラムLEDを配置することが取り出し効率などの光学特性の制御にとって重要であることは充分に示されている。
さらにまた、ナノコラム6の前記柱径を調整することで、波長変換のための蛍光体を用いることなく、所望とする波長の光を発生させることができる。しかも、同一の基板1上に、多色発光のGaNナノコラムLEDを実現することができ、それらの組合わせによって多種多様な発色が可能となると同時に、白色発光も可能になり、さらに同じ白色でもさまざまな色合いを出すことができる。たとえば、R,G,Bの3色を発生するようにすると、白色光に合成することができ、Y,Bの2色を発生するようにすると、疑似白色光に合成することができる。なお、ナノコラム6の柱径だけでなく、材料によっても発光色が異なるので、材料に適応して、各波長での発光強度に対応した割合で、各ナノコラム6の柱径を設定し、その柱径となるように前記Ni薄膜4をパターニングすればよい。こうして、白色光に適応した発光ダイオードを実現することができ、前述のように光取出し効率および配光性に優れる点と併せて、該発光ダイオードは照明装置に極めて好適である。また、柱径の調整による良好な特性および安定性を備える上記発光ダイオードを用いることで、小型で低消費電力な照明装置を実現することができる。
また、径調整層10によってもナノコラム6の柱径を調整することで、従来では全く不可能であったナノコラム6の形成後の外径の微調整を、容易に行うことができ、かつ発光波長を測定してみて必要なだけ繰返すことで高精度に行うことができ、発光波長などの光学特性に密接に効いてくる重要なパラメータの制御が可能になり、発光ダイオードの特性向上や安定化にとって大きな効果を奏することができる。また、前記径調整層10、すなわち酸化膜によってナノコラム6の表面保護を行うことができ、しかもこの酸化膜は酸素雰囲気でのアニールによって作成されるので、林立するナノコラム6間にも均一に酸素が入り込み、従来のように液体状の物質の物理的な埋め込みによる表面保護の場合に問題になる埋め込みの均一性は一切問題にならない。さらに、ナノコラム6に対する酸素の侵入厚みは、上述のように酸素濃度、アニール温度および時間によって容易に制御することができ、制御性、再現性に優れた表面保護を実現することができる。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の他の形態に係る化合物半導体発光素子である発光ダイオードの製造工程の前半を模式的に示す断面図である。後半は、前記図3の工程を同様に採用することができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記のようにシリコンから成る基板1の温度を700℃に保持し、AlとNラジカルの分子線源よりAlとNラジカルを約5分間該基板1に照射することによって、図6(a)で示すように、種結晶膜となる窒化アルミニウム(AlN)薄膜13が10nm結晶成長されることである。続いて、通常のリソグラフィ技術にエッチング技術を用いて、図6(b)で示すように、前記AlN薄膜13を、直径100nmの柱径で、かつコラム中心間距離が230nmで、たとえば前記図2で示すような2次元フォトニック結晶パターンを有するAlN結晶薄膜パターン14に形成する。
このAlN結晶薄膜パターン14の形成後、温度を800℃に昇温し、この温度を保持しながら、GaおよびNラジカルの分子線源よりGaおよびNラジカルをNリッチの条件で基板1に照射することによって、このAlN結晶薄膜パターン14が、直接、結晶成長用の種結晶になり、その上にGaとNとが吸着し、図6(c)で示すように、そのまま種結晶状でGaN単結晶15が成長する。一方、基板1上に吸着したGaおよびNラジカルは、該基板1の表面に長くとどまることができず、表面から離脱し、基板1上にはGaN単結晶15は形成されない。こうしてAlN結晶薄膜パターン14上にのみGaN単結晶15が成長する。
このGaN単結晶15が種結晶となって、この上にGaN単結晶が次々と成長してゆき、さらに60分ほどこの状態を維持することによって、約1μmほどのGaNナノコラム16が形成される。このGaNナノコラム16は、最初に定めた柱径および2次元フォトニック結晶パターンを有するAlN結晶薄膜パターン14上にのみ形成され、前述の通り、このAlN結晶薄膜パターン14の直上以外にGaNナノコラム16が形成されないことから、形成されたGaNナノコラム16もAlN結晶薄膜パターン14と同じ直径およびパターンを有することになる。
以上のように、本実施の形態の発光ダイオードでは、基板1上にナノコラム16を有する発光ダイオードにおいて、前記ナノコラム16は、基板1上でリソグラフィ技術などによって高精度にパターニングされたAlN結晶薄膜パターン14上でしか成長しないので、その基板1上からの平面視における配置、すなわち配列ピッチおよび配列パターンならびに柱径を高精度に制御することができる。そして、そのナノコラム16の配置を2次元フォトニック結晶構造に制御しておくことで、結晶欠陥の少ないナノコラム16の利点を生かし、発生された光を効率的に外部に取出すことができるとともに、所望とする配光で取出す等、光学特性を設計者の意図したとおりに実現することができる。
さらにまた、前記Ni薄膜4のような金属薄膜を用いないので、金属汚染の心配がなく、また金属薄膜の堆積・除去の工程がなく、よりコスト的に安価である。
[実施の形態3]
図7は、本発明の実施のさらに他の形態に係る化合物半導体発光素子である発光ダイオードの製造工程の後半を模式的に示す図である。前半は、前記図1や図6の工程を同様に採用することができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記のように基板1上にナノコラム6,16が形成された後、該ナノコラム6,16および基板1が電解溶液21に浸漬され、該ナノコラム6,16に正の電極22を、前記電界溶液21に負の電極23をそれぞれ接続することによる電解溶液21中の電気化学反応とともに、紫外線ランプ24からの紫外線照射による光化学反応も併用して、光電気化学反応によって前記径調整層10を形成することである。
詳しくは、ビーカー25に前記電解溶液21として酢酸溶液を満たし、その中に透明マスク層としてSiO層を形成したナノコラム6,16および基板1を入れ、基板1に正の電極22を接続する一方、負の電極23を前記酢酸溶液中に浸漬し、電圧を印加しつつ、UV−LEDやUV−LDのような紫外線ランプ24からの紫外線ビームスポットを走査して照射すると、GaNナノコラム6,16の表面は光電気化学反応によって陽極酸化され、酸化膜が成長する。この酸化膜の厚みは、酢酸溶液の濃度、電極の電圧、紫外線の強度、および電圧印加時間や紫外線照射時間によって制御することができる。
たとえば、前記電解溶液21としては、CHCOONHで希釈したCHCOOH溶液を用い、この場合、pHは6.2で、OHイオンとHイオンとによって導電性を有する。しかしながら、エッチングレート、エッチングされた表面粗さなどの詳細は、実際に用いる溶液に依存することになる。また、前記正の電極22としては、GaN上にTiを蒸着したものを用いることができる。なお、金属はTiに限らず、GaNとオーミックコンタクトをとれるものでGaNの酸化中に化学反応を起こさないものであればよい。さらにまた、前記負の電極23としては、Ptを用いることができ、他の金属も使用可能であるけれど、より高い仕事関数が必要になり、前記Ptが特に好適である。また、紫外線ランプ24としては、水銀ランプ(波長254nm)を用いることができ、光強度は10mW/cmである。この紫外線ランプ24には、GaNのバンドギャップより短い波長の光を発生するランプを用いればよく、波長325nmのHeCdレーザが特に好ましい。
以上のような条件で径調整層10を形成した場合、プロセス時間は、たとえば30〜60分である。しかしながら、形成すべき径調整層10(Ga)の膜厚と、膜表面の粗さとによって異なり、レートが小さいほど膜表面はスムーズになる。したがって、膜表面が荒れてもよいならば、酸化レートを大きくし、プロセス時間を短縮することができる。
以上のようにして、ナノコラム6,16全体を電解溶液21に浸漬するので、林立するナノコラム6,16の表面が一様に陽極酸化され、その酸化される厚みは、電解溶液21の種類や濃度、さらに印加する電界の強度および時間によって、容易に制御することができる。また、前記電界溶液21に浸漬して、前記電気化学反応によって径調整層10を形成するにあたって、紫外線照射による光化学反応も併用して、光電気化学反応によって前記径調整層10を形成することで、同じ電界溶液21に浸漬していても、紫外線の照射の仕方によって反応(酸化)の速度を制御することができ、前記径調整層10の厚み、すなわちナノコラム6,16の実質的な外径を照射部位によって異ならせることができる。これによって、前記Ni薄膜4やAlN結晶薄膜パターン14のリソグラフィによって調整された波長を、さらに微細に調整することができる。
前記電解溶液21に浸漬し、電圧を印加することによる電気化学反応および紫外線照射による光化学反応は、上述のように併用されるだけでなく、いずれか一方のみが用いられてもよい。また、前述のようにアニールによって一様に保護用の酸化膜を形成した後、紫外線照射による光化学反応によって波長を細かく調整するなど、酸化膜を形成する3つの手法が適宜組合わせて用いられてもよい。
[実施の形態4]
図8は、本発明の実施の他の形態に係る化合物半導体素子の製造工程を模式的に示す断面図である。本実施の形態では、前述の図1で示す実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、該化合物半導体素子は発光素子ではなく、ナノコラム6’には発光層6bが形成されていない。このような化合物半導体素子は、非特許文献("GaN-based anion selective sensor:Probing the origin of the induced electrochemical potential",Nikos A Chaniotakls, Appl. Phys. Lett. 86, 164103(2005))や非特許文献("GaN resistive hydrogen gas sensors ",Feng Yun, Appl. Phys. Lett. 87, 073507(2005))などで示されるように、センサなどに使用することができる。
なお、非特許文献( G. Kipshidze, B. Yavich, A. Chandolu, J. Yun, V, Kuryatkov, I. Ahmad, D. Aurongzeb, M. Holtz, and H. Temkin Appl. phys. Lett. 86, 033104 (2005) )には、パルス低圧MOCVDを用いて、制御性および再現性の良いGaNナノワイヤを作製したことが記載されている。詳しくは、自己組織化によってパターン形成したNiカタリスト(2−5nm厚)アイランドを(0001)面サファイア基板上にEB蒸着によって堆積し、これを用いて、GaNナノワイヤを形成している。作製したGaNナノワイヤは六角形の直径100nmの断面を有し、基板に垂直に立ち、長さもよく制御されている。このGaNナノワイヤは構造的にも光学的にも優れた特性を持っていることが各種の評価によって明らかになった。
しかしながら、Niは自己組織化によってパターン形成されており、GaNナノワイヤの成長位置および径はランダムになってしまい、本実施の形態のようにリソグラフィによって2次元フォトニック結晶による回折格子パターンに高精度に形成した場合とでは、前記光取出し効率や光学特性は大きく劣ることになる。また、この従来技術からは、ナノコラム6,6’,16の表面に径調整層10を形成することなど、想到し得ない。
本発明の実施の一形態に係る化合物半導体発光素子である発光ダイオードの製造工程の前半を模式的に示す断面図である。 2次元フォトニック結晶による回折格子パターンの一例を示す平面図である。 前記発光ダイオードの製造工程の後半を模式的に示す断面図である。 ナノコラムを熱酸化して、その表面に径調整層を形成した状態を模式的に示す軸直角断面図である。 ナノコラムを熱酸化して、その表面に径調整層を形成した状態を模式的に示す軸線方向断面図である。 本発明の実施の他の形態に係る化合物半導体発光素子である発光ダイオードの製造工程の前半を模式的に示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態に係る化合物半導体発光素子である発光ダイオードの製造工程の後半を模式的に示す図である。 本発明の実施の他の形態に係る化合物半導体素子の製造工程を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 基板
3 Ni薄膜
4 Ni薄膜パターン
5,15 GaN単結晶
6,6’,16 ナノコラム
7 p型GaNコンタクト層
8 p型電極
9 n型電極
10 径調整層
13 窒化アルミニウム薄膜
14 AlN結晶薄膜パターン
21 電解溶液
22 正の電極
23 負の電極
24 紫外線ランプ
25 ビーカー

Claims (8)

  1. 基板上にナノスケールの柱状結晶構造体を有する化合物半導体素子において、
    前記柱状結晶構造体の表面に、該表面が酸化されて成る径調整層を有することを特徴とする化合物半導体素子。
  2. 化合物半導体発光素子であり、前記柱状結晶構造体は、基板上でパターニングされたカタリスト材料層に取込まれた半導体材料が、該カタリスト材料層と基板側との界面で結合・成長して成り、その配置および柱径が2次元フォトニック結晶構造に制御されていることを特徴とする請求項1記載の化合物半導体素子。
  3. 前記請求項1または2記載の化合物半導体素子を用いることを特徴とする照明装置。
  4. 基板上にナノスケールの柱状結晶構造体を有する化合物半導体素子の製造方法において、
    前記柱状結晶構造体を成長させた後、酸素雰囲気でアニールすることで、前記柱状結晶構造体の表面に熱酸化膜から成る径調整層を形成する工程を含むことを特徴とする化合物半導体素子の製造方法。
  5. 基板上にナノスケールの柱状結晶構造体を有する化合物半導体素子の製造方法において、
    前記柱状結晶構造体を成長させた後、前記柱状結晶構造体を電解溶液に浸漬し、前記柱状結晶構造体に正の電極を、前記電界溶液に負の電極をそれぞれ接続することで、溶液中の電気化学反応によって前記柱状結晶構造体の表面に酸化膜から成る径調整層を形成する工程を含むことを特徴とする化合物半導体素子の製造方法。
  6. 紫外線照射による光化学反応を併用した光電気化学反応を用いることを特徴とする請求項5記載の化合物半導体素子の製造方法。
  7. 前記化合物半導体素子が発光素子である場合、発光波長を測定する工程をさらに有し、
    その測定によって得られた波長から、所望とする波長となるように、必要に応じて前記径調整層を形成する工程を再び行い、該径調整層の厚みを調整することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の化合物半導体素子の製造方法。
  8. 前記柱状結晶構造体を成長させる工程は、
    前記基板上に、化合物半導体材料に対するカタリスト材料層を成膜する工程と、
    前記カタリスト材料層を、前記柱状結晶構造体を成長させるべき配置位置で、成長させるべき柱径に対応した形状にパターニングする工程と、
    前記カタリスト材料層から前記化合物半導体材料を取込ませ、該カタリスト材料層内で結合させて前記基板上に結晶成長させる工程とを含むことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の化合物半導体素子の製造方法。
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