JP2008034328A - 車両用標識灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用標識灯において、他の車両の運転者等に対する注意喚起機能を十分に高める。
【解決手段】灯具前後方向に延びる光軸Ax上に配置された略柱状の透光部材12に対して、その後端部近傍に配置された発光ダイオード14からの光を平行光として入射させ、その周囲に配置された第1および第2リフレクタ16、18で、これを反射させる構成とする。その際、透光部材12の前端面における中心領域をその周辺領域よりも前方側に変位させ、これら中心領域および周辺領域を、上記平行光を光軸Axの径方向外方へ向かう拡散光として内面反射させる第1および第2内面反射部12b1、12b2として構成する。第1リフレクタ16は、第1および第2内面反射部12b1、12b2の間に配置し、第2リフレクタ18は、第2内面反射部18よりも後方側に配置する。これにより、第1リフレクタ16が宙に浮いて見えるようにして、立体感を効果的に演出する。
【選択図】図2

Description

本願発明は、発光ダイオードを光源とする車両用標識灯に関するものである。
近年、多くの車両用標識灯において、その光源として発光ダイオードが採用されている。その際、この発光ダイオードからの出射光を、透光部材およびリフレクタで制御するように構成された車両用標識灯も知られている。
例えば、「特許文献1」や「特許文献2」に記載された車両用標識灯は、灯具前後方向に延びる光軸上に配置された透光部材に、その後端面近傍において前方へ向けて配置された発光ダイオードからの光を入射させ、この光を透光部材の前端面で内面反射させた後、光軸に関して径方向へ向かう拡散光として透光部材から出射させ、これをリフレクタで前方へ反射させるように構成されている。
また、「特許文献3」に記載された車両用標識灯は、灯具前後方向に延びる光軸上に前後方向に延びる略柱状の透光部材が配置されており、この透光部材に入射した発光ダイオードからの光を一旦前方へ向かう平行光とした上で、この平行光を透光部材の前端面で内面反射させて、光軸に関して径方向へ向かう拡散光として透光部材から出射させた後、これをリフレクタで前方へ反射させるように構成されている。
特開2002−251907号公報 特開2004−087461号公報 特開2004−273353号公報
このように発光ダイオードからの出射光を透光部材およびリフレクタで制御する構成を採用することにより、光源光束を有効に利用することが可能となる。
しかしながら、上記従来の車両用標識灯においては、透光部材の周囲に配置されたリフレクタが単一であるので、灯具点灯時の光り方が平面的なものとなり、車両用標識灯としての注意喚起機能を十分に高めることができない、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、発光ダイオードからの出射光を透光部材およびリフレクタで制御するように構成された車両用標識灯において、他の車両の運転者等に対する注意喚起機能を十分に高めることができる車両用標識灯を提供することを目的とするものである。
本願発明は、透光部材の構成に工夫を施した上で、リフレクタを二重に配置することにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る車両用標識灯は、
灯具前後方向に延びる光軸上に配置された前後方向に延びる略柱状の透光部材と、この透光部材の後端部近傍に配置された発光ダイオードと、上記透光部材の周囲に配置されたリフレクタと、を備えてなる車両用標識灯において、
上記透光部材の後端面が、該透光部材に入射した上記発光ダイオードからの光を前方へ向かう平行光とするように構成されており、
上記透光部材の前端面における中心領域が、該前端面における周辺領域よりも前方側に変位するようにして形成されており、
上記中心領域が、該中心領域に到達した上記平行光を、上記光軸を含む平面内において上記光軸の径方向外方へ向かう拡散光として内面反射させる第1内面反射部として構成されているとともに、上記周辺領域が、該周辺領域に到達した上記平行光を、上記光軸を含む平面内において上記光軸の径方向外方へ向かう拡散光として内面反射させる第2内面反射部として構成されており、
上記リフレクタとして、上記第1内面反射部よりも後方側でかつ上記第2内面反射部よりも前方側に配置された第1リフレクタと、上記第2内面反射部よりも後方側に配置された第2リフレクタとを備えており、
上記第1リフレクタが、上記第1内面反射部で内面反射して上記透光部材の外周面から出射した上記発光ダイオードからの光を前方へ向けて反射させるように構成されているとともに、上記第2リフレクタが、上記第2内面反射部で内面反射して上記透光部材の外周面から出射した上記発光ダイオードからの光を前方へ向けて反射させるように構成されている、ことを特徴とするものである。
上記「車両用標識灯」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、テールランプ、ストップランプ、テール&ストップランプ、ターンシグナルランプ等が採用可能である。
上記「光軸」は、灯具前後方向に延びる軸線であれば、車両前後方向に延びる軸線と一致していてもよいし一致してなくてもよい。
上記「発光ダイオード」は、透光部材の後端部近傍に配置されていれば、その具体的な配置は特に限定されるものではなく、また、その配置個数は単数であってもよいし複数であってもよい。
上記「透光部材の後端面」は、該透光部材に入射した発光ダイオードからの光を前方へ向かう平行光とするように構成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。
上記「第1内面反射部」および「第2内面反射部」は、上記平行光を、光軸を含む平面内においてその径方向外方へ向かう拡散光として内面反射させるように構成されていれば、その光軸を含む平面に沿った具体的な断面形状は特に限定されるものではない。
上記「第1リフレクタ」および「第2リフレクタ」は、第1内面反射部および第2内面反射部の各々で内面反射して透光部材の外周面から出射した発光ダイオードからの光を前方へ向けて反射させるように構成されていれば、その反射面形状や外形形状等は特に限定されるものではない。
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用標識灯において、その透光部材に入射した発光ダイオードからの光は平行光として前方へ向かうこととなるが、その際、この透光部材の中心部を進む光は、該透光部材の前端面の中心領域に到達し、この中心領域を構成する第1内面反射部により、光軸を含む平面内において光軸の径方向外方へ向かう拡散光として内面反射して透光部材の外周面から出射した後、第1リフレクタにより前方へ向けて反射し、また、透光部材の周辺部を進む光は、該透光部材の前端面において中心領域よりも後方に位置する周辺領域に到達し、この周辺領域を構成する第2内面反射部により、光軸を含む平面内において光軸の径方向外方へ向かう拡散光として内面反射して透光部材の外周面から出射した後、第2リフレクタにより前方へ向けて反射することとなる。
したがって、灯具点灯時、前後二重に配置された第1リフレクタと第2リフレクタとが、前後方向に離れた位置において光って見え、しかもその際、第1リフレクタは宙に浮いたように見えることとなる。このため、立体感を効果的に演出することができ、これにより、灯具の見映え向上を図るようにした上で、他の車両の運転者等に対して十分な注意喚起を図ることができる。
このように本願発明によれば、発光ダイオードからの出射光を透光部材およびリフレクタで制御するように構成された車両用標識灯において、他の車両の運転者等に対する注意喚起機能を十分に高めることができる。
しかも、本願発明に係る車両用標識灯においては、透光部材に入射した発光ダイオードからの光が平行光として前方へ向かうので、第1および第2内面反射部の各々が形成される位置を前後方向に移動させたとしても、その光学的な特性を略一定に維持することができる。したがって、これにより、第1および第2リフレクタの前後方向の配置についても、その設計上の自由度を持たせることができる。
また、本願発明に係る車両用標識灯においては、透光部材の前端面が、第1および第2内面反射部として構成されているので、灯具正面視において発光ダイオード14が見えないようにすることができる。
上記構成において、第1および第2内面反射部の各々における光軸を含む平面に沿った断面形状を、光軸近傍に位置する点を焦点とするとともに光軸と平行な軸線を軸とする放物線で構成するようにすれば、第1および第2内面反射部の各々で内面反射した発光ダイオードからの光を、光軸を含む平面内において上記焦点からの発散光とすることができる。したがって、透光部材の外周面から出射する光についても、これを上記焦点近傍の点からの略発散光とすることができ、これにより第1および第2リフレクタの各々による反射光制御を精度良く行うことができる。
上記構成において、第1リフレクタの反射面における光軸を含む平面に沿った断面形状を、第1内面反射部における光軸を含む平面に沿った断面形状を構成する放物線の焦点近傍の点を焦点とするとともに光軸と平行な軸線を軸とする放物線を基準線とする曲線で構成すれば、第1リフレクタからの反射光を、光軸と平行な方向を基準にして拡散させることができ、これにより第1リフレクタの被視認性を高めることができ、また、第2リフレクタの反射面における光軸を含む平面に沿った断面形状を、第2内面反射部における光軸を含む平面に沿った断面形状を構成する放物線の焦点近傍の点を焦点とするとともに光軸と平行な軸線を軸とする放物線を基準線とする曲線で構成すれば、第2リフレクタからの反射光を、光軸と平行な方向を基準にして拡散させることができ、これにより第2リフレクタの被視認性を高めることができる。
上記構成において、発光ダイオードを、透光部材の後方近傍において前方へ向けて配置するようにした上で、透光部材の後端面を、該透光部材に入射した発光ダイオードからの光を前方へ向かう平行光とする凸レンズ面として構成すれば、発光ダイオードの配置個数が単数である場合において、簡単な構成により、発光ダイオードからの光を前方へ向かう平行光とすることができる。
上記構成において、発光ダイオードを、透光部材の後端部の外周面の周囲に、周方向に所定間隔をおいて複数個配置して、これら各発光ダイオードを光軸へ向けて配置するようにした上で、透光部材の後端面を、透光部材に入射した各発光ダイオードからの光を、前方へ向かう平行光として内面反射させる内面反射部として構成すれば、発光ダイオードの配置個数が複数である場合においても、これら各発光ダイオードからの光を前方へ向かう平行光とすることができる。そして、このような構成を採用することにより、第1および第2リフレクタを明るく光らせることができ、これにより車両用標識灯としての注意喚起機能を一層高めることができる。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用標識灯10を示す正面図であり、図2は、図1のII-II 線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用標識灯10は、テールランプであって、図示しないランプボディおよび透光カバーで構成される灯室内に収容された状態で用いられるようになっている。
なお、この車両用標識灯10はテールランプであるので、本実施形態において「前方」等の方向性を示す用語は、灯具としての「前方」等を意味しており、車両としての「前方」等とは向きが逆である。
本実施形態に係る車両用標識灯10は、灯具前後方向に延びる光軸Ax上に配置された前後方向に延びる略柱状の透光部材12と、この透光部材12の後端部近傍に配置された発光ダイオード14と、透光部材12の周囲に配置された第1および第2リフレクタ16、18と、発光ダイオード14を支持する金属製の支持プレート20とを備えてなっている。
発光ダイオード14は、赤色発光ダイオードであって、透光部材12の後方近傍において前方へ向けて配置されている。その際、この発光ダイオード14は、その発光チップ14aの発光中心を光軸Ax上に位置させるようにして配置されている。
透光部材12は、大径円柱部12Aの前端部に、この大径円柱部12Aの半分程度の直径を有する小径円柱部12Bが連結されたような構成となっている。
この透光部材12の後端面12aは、該透光部材12に入射した発光ダイオード14からの光を前方へ向かう平行光とする凸レンズ面として構成されている。
この透光部材12の前端面は、その中心領域12b1が周辺領域12b2よりも前方側に変位している。すなわち、この前端面の中心領域12b1は、小径円柱部12Bの前端面として、灯具正面視において円形状に形成されており、また、この前端面の周辺領域12b2は、大径円柱部12Aの前端面として、灯具正面視において円環状に形成されている。
そして、この透光部材12の前端面における中心領域12b1は、大径円柱部12Aの中心部および小径円柱部12Bを透過して該中心領域12b1に到達した上記平行光を、光軸Axを含む平面内において光軸Axの径方向外方へ向かう拡散光として内面反射させる第1内面反射部として構成されている。また、この透光部材12の前端面における周辺領域12b2は、大径円柱部12Aの周辺部を透過して該周辺領域12b2に到達した上記平行光を、光軸Axを含む平面内において光軸Axの径方向外方へ向かう拡散光として内面反射させる第2内面反射部として構成されている。これを実現するため、これら中心領域12b1および周辺領域12b2には、アルミニウム蒸着等の鏡面処理が施されている。
図3は、図2のIII 部詳細図である。
同図に示すように、透光部材12の第1内面反射部12b1(すなわち前端面の中心領域)は、その光軸Axを含む平面に沿った断面形状が、光軸Axの近傍に位置する点Aを焦点とするとともに光軸Axと平行な軸線Ax1を軸とする放物線P1で構成されている。そして、この放物線P1を光軸Axを中心に回転させた曲面として、第1内面反射部12b1が構成されている。そしてこれにより、この第1内面反射部12b1においては、該第1内面反射部12b1に到達した上記平行光を、光軸Axを含む平面内において点Aからの発散光として拡散反射させるようになっている。この拡散反射光は、透光部材12の小径円柱部12Bの外周面において屈折して出射するが、その際、この出射光は、光軸Axを含む平面内において点Aよりも多少出射面寄りに変位した点Bからの略発散光となる。本実施形態においては、この点Bが光軸Ax上に位置するよう、光軸Axに対する軸線Ax1の側方変位量が設定されている。
一方、透光部材12の第2内面反射部12b2(すなわち前端面の周辺領域)は、その光軸Axを含む平面に沿った断面形状が、光軸Axの近傍に位置する点Cを焦点とするとともに光軸Axと平行な軸線Ax2を軸とする放物線P2で構成されている。そして、この放物線P2を光軸Axを中心に回転させた曲面として、第2内面反射部12b2が構成されている。そしてこれにより、この第2内面反射部12b2においては、該第2内面反射部12b2に到達した上記平行光を、光軸Axを含む平面内において点Cからの発散光として拡散反射させるようになっている。この拡散反射光は、透光部材12の大径円柱部12Aの外周面において屈折して出射するが、その際、この出射光は、光軸Axを含む平面内において点Cよりも多少出射面寄りに変位した点Dからの略発散光となる。本実施形態においては、この点Dが光軸Ax上に位置するよう、光軸Axに対する軸線Ax2の側方変位量が設定されている。
第1リフレクタ16は、透光部材12の第1内面反射部12b1よりも後方側でかつその第2内面反射部12b2よりも前方側に配置されており、第1内面反射部12b1で内面反射して小径円柱部12Bの外周面から出射した発光ダイオード14からの光を前方へ向けて反射させるようになっている。
その際、この第1リフレクタ16は、その反射面16aが、上記点Bを焦点とするとともに光軸Axを軸とする放物線P3を光軸Axを中心に回転させた回転放物面を基準面として形成されている。すなわち、この第1リフレクタ16の反射面16aは、光軸Axを含む平面に沿った断面形状が、放物線P3を基準線とする波形の曲線で構成されている。また、この第1リフレクタ16の反射面16aは、光軸Axに関して周方向の断面形状も波形の曲線で構成されている。そしてこれにより、この第1リフレクタ16は、その反射面16aにおいて、発光ダイオード14からの光を、前方へ向けて光軸Axに関して径方向両側に略均等に拡散反射させるとともに周接線方向にも略均等に拡散反射させるようになっている。
この第1リフレクタ16は、灯具正面視において比較的小径の円形状の外形形状を有している。具体的には、この第1リフレクタ16は、その前端縁が、上記点A、Bを通り光軸Axと直交する平面と略同じ位置まで延びるように形成されている。
なお、この第1リフレクタ16は、その反射面16aの後頂部に形成された筒状開口部16bにおいて、透光部材12の小径円柱部12Bに固定支持されている。
一方、第2リフレクタ18は、図2に示すように、第2内面反射部12b2よりも後方側に配置されており、この第2内面反射部12b2で内面反射して大径円柱部12Aの外周面から出射した発光ダイオード14からの光を前方へ向けて反射させるようになっている、
その際、この第2リフレクタ18は、その反射面18aが、上記点Dを焦点とするとともに光軸Axを軸とする放物線P4を光軸Axを中心に回転させた回転放物面を基準面として形成されている。すなわち、この第2リフレクタ18の反射面18aは、光軸Axを含む平面に沿った断面形状が、放物線P4を基準線とする波形の曲線で構成されている。この放物線P4の焦点距離は、上記放物線P3の焦点距離の2倍程度の値に設定されている。また、この第2リフレクタ18の反射面18aは、光軸Axに関して周方向の断面形状も波形の曲線で構成されている。そしてこれにより、この第2リフレクタ18は、その反射面18aにおいて、発光ダイオード14からの光を、前方へ向けて光軸Axに関して径方向両側に略均等に拡散反射させるとともに周接線方向にも略均等に拡散反射させるようになっている。
この第2リフレクタ18は、灯具正面視において比較的大径の円形状の外形形状を有している。具体的には、この第2リフレクタ18は、その前端縁が、上記点C、Dを通り光軸Axと直交する平面と略同じ位置まで延びるように形成されており、第1リフレクタ16の約2倍の直径を有している。
ところで、透光部材12の第2内面反射部12b2で内面反射して、その大径円柱部12Aの外周面から出射した発光ダイオード14からの光は、光軸Axに対して比較的大きな角度を持った方向へ進むので、第2リフレクタ18の反射面18aにおける外周寄りの領域に入射することとなる。このため、第2リフレクタ18の反射面18aで反射した発光ダイオード14からの光は、第1リフレクタ16によってほとんど遮蔽されることなく、前方へ進むこととなる。
なお、この第2リフレクタ18は、その反射面18aの後頂部に形成された筒状開口部18bにおいて、透光部材12の大径円柱部12Aを固定支持している。そして、この第2リフレクタ18の筒状開口部18bの後端部には、発光ダイオード14を支持する支持プレート20が位置決め固定されている。
図4は、本実施形態に係る車両用標識灯10を、その発光ダイオード14を点灯させた状態で示す正面図である。
同図に示すように、第1および第2リフレクタ16、18の反射面16a、18aにおいて二重丸で示す部分E、Fが、明るく光って見える光輝部である。これら光輝部E、Fは、灯具正面視において、光軸Axを中心にして径方向および周方向に所定間隔をおいて形成される。これは、第1および第2リフレクタ16、18の反射面16a、18aの各々における光軸Axを含む平面に沿った断面形状が、上記放物線P3、P4を基準線とする波形の曲線で構成されるとともに、その周方向の断面形状も波形の曲線で構成されており、これにより、発光ダイオード14からの光を、前方へ向けて光軸Axに関して径方向両側に略均等に拡散反射させるとともに周接線方向にも略均等に拡散反射させるようになっていることによるものである。
その際、第1リフレクタ16の反射面16aに生成される光輝部Eは、比較的小さいものとなり、第2リフレクタ18の反射面18aに生成される光輝部Fは、比較的大きいものとなる。また、光輝部Eは、光軸Axから離れるに従ってその大きさが急激に大きくなるのに対し、光輝部Fは、その大きさの変化が緩やかなものとなっている。このように第1リフレクタ16の反射面16aと第2リフレクタ18の反射面18aとで、その光り方が大きく異なったものとなるのは、放物線P4の焦点距離が放物線P3の焦点距離よりもかなり大きい値(具体的には2倍程度の値)に設定されていることによるものである。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用標識灯10において、透光部材12に入射した発光ダイオード14からの光は平行光として前方へ向かうこととなるが、その際、この透光部材12の中心部を進む光は、該透光部材12の前端面の中心領域に到達し、この中心領域を構成する第1内面反射部12b1により、光軸Axを含む平面内において光軸Axの径方向外方へ向かう拡散光として内面反射して透光部材12の外周面から出射した後、第1リフレクタ16により前方へ向けて反射し、また、透光部材12の周辺部を進む光は、該透光部材12の前端面において中心領域よりも後方に位置する周辺領域に到達し、この周辺領域を構成する第2内面反射部12b2により、光軸Axを含む平面内において光軸Axの径方向外方へ向かう拡散光として内面反射して透光部材12の外周面から出射した後、第2リフレクタにより前方へ向けて反射することとなる。
したがって、灯具点灯時、前後二重に配置された第1リフレクタ16と第2リフレクタ18とが、前後方向に離れた位置において光って見え、しかもその際、第1リフレクタ16は宙に浮いたように見えることとなる。このため、立体感を効果的に演出することができ、これにより、灯具の見映え向上を図るようにした上で、他の車両の運転者等に対して十分な注意喚起を図ることができる。
このように本実施形態によれば、発光ダイオード14からの出射光を透光部材12およびリフレクタ16、18で制御するように構成された車両用標識灯10において、他の車両の運転者等に対する注意喚起機能を十分に高めることができる。
しかも、本実施形態に係る車両用標識灯10においては、透光部材12に入射した発光ダイオード14からの光が平行光として前方へ向かうので、第1および第2内面反射部12b1、12b2の各々が形成される位置を前後方向に移動させたとしても、その光学的な特性を略一定に維持することができる。したがって、これにより、第1および第2リフレクタ16、18の前後方向の配置についても、その設計上の自由度を持たせることができる。
また、本実施形態に係る車両用標識灯10においては、透光部材12の前端面が、第1および第2内面反射部12b1、12b2として構成されているので、灯具正面視において発光ダイオード14が見えないようにすることができる。
特に本実施形態においては、第1および第2内面反射部12b1、12b2の各々における光軸Axを含む平面に沿った断面形状が、光軸Axの近傍に位置する点A、Cを焦点とするとともに光軸Axと平行な軸線Ax1、Ax2を軸とする放物線P1、P2で構成されているので、第1および第2内面反射部12b1、12b2の各々で内面反射した発光ダイオード14からの光を、光軸Axを含む平面内において上記焦点A、Cからの発散光とすることができる。したがって、透光部材12の外周面から出射する光についても、これを上記焦点A、C近傍の点B、Dからの略発散光とすることができ、これにより第1および第2リフレクタ16、18の各々による反射光制御を精度良く行うことができる。
しかもその際、上記点B、Dがいずれも光軸Ax上に位置するよう、光軸Axに対する軸線Ax1、Ax2の側方変位量がそれぞれ設定されているので、第1内面反射部12b1、12b2で内面反射して透光部材12の外周面から出射する光を、いずれも光軸Ax上の点からの略発散光とすることができ、これにより第1および第2リフレクタ16、18の光学設計を容易に行うことが可能となる。
また、このように上記点B、Dを光軸Ax上に位置させることにより、軸線Ax1、Ax2を、光軸Axに関して、透光部材12の外周面における内面反射光の出射面から離れる方向に変位させることができ、これにより透光部材12の大径円柱部12Aおよび小径円柱部12Bの外径を小さくすることができる。
さらに本実施形態においては、第1リフレクタ16の反射面16aにおける光軸Axを含む平面に沿った断面形状が、上記点Bを焦点とするとともに光軸Axを軸とする放物線P3を基準線とする曲線で構成されているので、第1リフレクタ16からの反射光を、光軸Axと平行な方向を基準にして拡散させることができ、これにより第1リフレクタ16の被視認性を高めることができる。また本実施形態においては、第2リフレクタ18の反射面18における光軸Axを含む平面に沿った断面形状が、上記点Dを焦点とするとともに光軸Axを軸とする放物線P4を基準線とする曲線で構成されているので、第2リフレクタ18からの反射光を、光軸Axと平行な方向を基準にして拡散させることができ、これにより第2リフレクタ18の被視認性を高めることができる。
その際、第2内面反射部12b2で内面反射して大径円柱部12Aの外周面から出射した発光ダイオード14からの光は、光軸Axに対して比較的大きな角度を持った方向へ進み、第2リフレクタ18の反射面18aにおける外周寄りの領域に入射するので、第2リフレクタ18の反射面18aで反射した発光ダイオード14からの光が、第1リフレクタ16によってほとんど遮蔽されることなく、前方へ進むようにすることができる。そしてこれにより灯具効率を高めることができる。
また本実施形態においては、発光ダイオード14が、透光部材12の後方近傍において前方へ向けて配置されており、そして、透光部材12の後端面12aが、該透光部材12に入射した発光ダイオード14からの光を前方へ向かう平行光とする凸レンズ面として構成されているので、本実施形態のように発光ダイオード14の配置個数が単数である場合においては、簡単な構成により、発光ダイオード14からの光を前方へ向かう平行光とすることができる。
なお、上記実施形態においては、車両用標識灯10がテールランプであるものとして説明したが、これ以外の種類の灯具である場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
図5は、本変形例に係る車両用標識灯110を示す、図2と同様の図である。
同図に示すように、本変形例に係る車両用標識灯110は、その基本的な構成は、上記実施形態に係る車両用標識灯10と同様であるが、発光ダイオード14の個数および配置ならびに透光部材12の後端部の形状が上記実施形態の場合と異なっており、これに伴い第2リフレクタ18の後頂部の構成も上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例においては、発光ダイオード14が、透光部材12の大径円柱部12Aにおける後端部の外周面の周囲に、周方向に90°間隔をおいて4個配置されている。これら各発光ダイオード14は、光軸Axへ向けて配置された状態で、支持プレート20を介してホルダ22に支持されている。そして、このホルダ22は、第2リフレクタ18の後頂部近傍部位に形成された環状リブ18cに固定支持されている。
また、本変形例の透光部材12は、その大径円柱部12Aにおける後端部の外周面に、径方向外方へ円柱状に突出する突起部12cが周方向に90°間隔をおいて4箇所に形成されている。これら各突起部12cは、各発光ダイオード14と正対しており、その先端面12dは、該突起部12cに入射した各発光ダイオード14からの光を、光軸Axへ向かう平行光とする凸レンズ面として構成されている。
そして、この透光部材12の大径円柱部12Aにおける後端面12eは、頂角90°の四角錐状に形成されており、各突起部12cに入射して光軸Axへ向かう各発光ダイオード14からの光を前方へ向かう平行光として内面反射させる内面反射部として構成されている。その際、この四角錐状の後端面12eにおける内面反射は全反射により行われるので、鏡面処理は施されていない。
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
しかも本変形例においては、発光ダイオード14が、透光部材12の後端部の外周面の周囲に、周方向に90°間隔をおいて4個配置されるとともに、これら各発光ダイオード14が光軸Axへ向けて配置されており、また、透光部材12の後端面12eは、該透光部材12に入射した各発光ダイオード14からの光を、前方へ向かう平行光として内面反射させる内面反射部として構成されているので、発光ダイオード14の配置個数が複数である場合においても、これら各発光ダイオード14からの光を前方へ向かう平行光とすることができる。そして、このような構成を採用することにより、第1および第2リフレクタ16、18を明るく光らせることができ、これにより車両用標識灯としての注意喚起機能を一層高めることができる。
なお、上記変形例においては、発光ダイオード14が、透光部材12の後端部の外周面の周囲に、周方向に90°間隔をおいて4個配置されているものとして説明したが、発光ダイオード14の配置個数をこれ以外の値に設定することももちろん可能である。
本願発明の一実施形態に係る車両用標識灯を示す正面図 図1のII-II 線断面図 図2のIII 部詳細図 上記車両用標識灯を、その発光ダイオードを点灯させた状態で示す正面図 上記実施形態の変形例に係る車両用標識灯を示す、図2と同様の図
符号の説明
10、110 車両用標識灯
12 透光部材
12A 大径円柱部
12B 小径円柱部
12a、12e 後端面
12b1 第1内面反射部を構成する前端面の中心領域
12b2 第2内面反射部を構成する前端面の周辺領域
12c 突起部
12d 先端面
14 発光ダイオード
14a 発光チップ
16 第1リフレクタ
16a、18a 反射面
16b、18b 筒状開口部
18 第2リフレクタ
18c 環状リブ
20 支持プレート
22 ホルダ
A、B、C、D 点
Ax 光軸
Ax1、Ax2 軸線
E、F 光輝部
P1、P2、P3、P4 放物線

Claims (5)

  1. 灯具前後方向に延びる光軸上に配置された前後方向に延びる略柱状の透光部材と、この透光部材の後端部近傍に配置された発光ダイオードと、上記透光部材の周囲に配置されたリフレクタと、を備えてなる車両用標識灯において、
    上記透光部材の後端面が、該透光部材に入射した上記発光ダイオードからの光を前方へ向かう平行光とするように構成されており、
    上記透光部材の前端面における中心領域が、該前端面における周辺領域よりも前方側に変位するようにして形成されており、
    上記中心領域が、該中心領域に到達した上記平行光を、上記光軸を含む平面内において上記光軸の径方向外方へ向かう拡散光として内面反射させる第1内面反射部として構成されているとともに、上記周辺領域が、該周辺領域に到達した上記平行光を、上記光軸を含む平面内において上記光軸の径方向外方へ向かう拡散光として内面反射させる第2内面反射部として構成されており、
    上記リフレクタとして、上記第1内面反射部よりも後方側でかつ上記第2内面反射部よりも前方側に配置された第1リフレクタと、上記第2内面反射部よりも後方側に配置された第2リフレクタとを備えており、
    上記第1リフレクタが、上記第1内面反射部で内面反射して上記透光部材の外周面から出射した上記発光ダイオードからの光を前方へ向けて反射させるように構成されているとともに、上記第2リフレクタが、上記第2内面反射部で内面反射して上記透光部材の外周面から出射した上記発光ダイオードからの光を前方へ向けて反射させるように構成されている、ことを特徴とする車両用標識灯。
  2. 上記第1および第2内面反射部の各々における上記光軸を含む平面に沿った断面形状が、上記光軸近傍に位置する点を焦点とするとともに上記光軸と平行な軸線を軸とする放物線で構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用標識灯。
  3. 上記第1リフレクタの反射面における上記光軸を含む平面に沿った断面形状が、上記第1内面反射部における上記光軸を含む上記平面に沿った断面形状を構成する放物線の焦点近傍の点を焦点とするとともに上記光軸と平行な軸線を軸とする放物線を基準線とする曲線で構成されており、
    上記第2リフレクタの反射面における上記光軸を含む平面に沿った断面形状が、上記第2内面反射部における上記光軸を含む上記平面に沿った断面形状を構成する放物線の焦点近傍の点を焦点とするとともに上記光軸と平行な軸線を軸とする放物線を基準線とする曲線で構成されている、ことを特徴とする請求項2記載の車両用標識灯。
  4. 上記発光ダイオードが、上記透光部材の後方近傍において前方へ向けて配置されており、
    上記透光部材の後端面が、該透光部材に入射した上記発光ダイオードからの光を前方へ向かう平行光とする凸レンズ面として構成されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用標識灯。
  5. 上記発光ダイオードが、上記透光部材の後端部の外周面の周囲に、周方向に所定間隔をおいて複数個配置されるとともに、これら各発光ダイオードが上記光軸へ向けて配置されており、
    上記透光部材の後端面が、上記透光部材に入射した上記各発光ダイオードからの光を、前方へ向かう平行光として内面反射させる内面反射部として構成されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用標識灯。
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