以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施例では、画像形成装置として、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能を兼ね備えた複合機に本発明を適用した場合を示すが、これに限定されるものではない。
(実施例1)
−画像形成装置の全体構成の説明−
本実施例1にかかる画像形成装置100は、図1に示すように、画像読取系(図示省略)と画像形成系と用紙搬送系と制御系とを備えている。以下、各部について説明する。
−画像読取系の説明−
本実施例1にかかる画像形成装置100の画像読取系は、画像形成装置の上部に配されるスキャナ部(図示省略)である。このスキャナ部は、透明なガラス等で成る原稿台(図示省略)上に載置された原稿の画像や図示しない原稿自動給紙部(図示省略)により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って原稿画像データを作成する部分である。
−画像形成系の説明−
本実施例1にかかる画像形成装置100の画像形成系は、図1に示すように、露光ユニット1、現像器2(2a、2b、2c、2d)、感光体ドラム(静電潜像担持体)3(3a、3b、3c、3d)、クリーナユニット4(4a、4b、4c、4d)、主帯電器5(5a、5b、5c、5d)、中間転写ベルトユニット8、定着ユニット12等を含む構成からなる。画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙P(記録シート)に対して多色(カラー)/単色(モノクロ)の画像を形成するものである。
そして、画像形成装置100は、以下に述べるように、複数色(この例では4色)に色分解された画像情報を、複数(この例では4つ)の感光体ドラム3を用いて、それぞれの感光体ドラム3と所定圧力で接触し回転する中間転写ベルト7(下記参照)に積層転写した後に、下記する給紙カセット10や手差しトレイ20から搬送される用紙P(図2(図2(a)、図2(b)),図4参照)に一括転写することによってカラー画像を用紙P上に形成する中間転写方式を用いたカラー画像形成装置として構成されている。
なお、画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。したがって、現像器2(2a、2b、2c、2d)、感光体ドラム3(3a、3b、3c、3d)、クリーナユニット4(4a、4b、4c、4d)、主帯電器5(5a、5b、5c、5d)は、各色(K、C、M、Y)に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられており、画像形成装置100には、4つの画像ステーション(画像形成部)が構成されている。なお、ここでいう添え字aの構成部材はブラックに、添え字bの構成部材はシアンに、添え字cの構成部材はマゼンタに、添え字dの構成部材はイエローにそれぞれ対応している。また、図1に示すように、4つの画像ステーションのうち、搬送路S(下記参照)に対して一番離れた位置に配された画像ステーションは、イエローに関する画像ステーションである。
感光体ドラム3は、画像形成装置100の上部に配置(装着)されている。それぞれの感光体ドラム3(3a、3b、3c、3d)の周囲には、現像器2(2a、2b、2c、2d)、クリーナユニット4(4a、4b、4c、4d)、主帯電器5(5a、5b、5c、5d)等が配置されている。
主帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものであり、この例では、接触式のローラ型の帯電器が用いられている。なお、ブラシ型の帯電器、チャージャ型の帯電器等を用いてもよい。
露光ユニット1は、主帯電器5により帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することによって、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成するものであり、この例では、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)が用いられている。なお、発光素子がアレイ状に並べられたELやLED書込みヘッド等を用いてもよい。
現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を各色(K、C、M、Y)の現像剤(トナー)により顕像化し、各色のトナー像を形成するものであり、この現像器2により感光体ドラム3上のトナー像が中間転写ベルト7に転写される(1次転写)。
クリーナユニット4は、現像・転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット8は、中間転写方式を用いて用紙P上にカラー画像を形成するものであり、中間転写ローラ6(6a、6b、6c、6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。なお、ここでいう中間転写ローラ6の添え字a,b,c,dは、上記した画像ステーションにおける添え字に対応している。
中間転写ベルト7は、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73の中間転写ベルトテンションローラ74、中間転写ローラ6、中間転写ベルト従動ローラ72等に張架されており、矢印B方向に回転駆動する。この例では、中間転写ベルト7は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。また、中間転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3および中間転写ローラ6に挟まれるようにして設けられている。この中間転写ベルト7に、それぞれの感光体ドラム3に形成されたトナー像が順次的に重ねて転写されることによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。
このような感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルトテンション機構73の中間転写ローラ取付部に回転可能に支持される中間転写ローラ6を用いて行なわれる。具体的に、中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7の裏側に接触しており、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するために、中間転写ローラ6に、高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。そして、中間転写ローラ6と感光体ドラム3とを中間転写ベルト7を介して接触させて中間転写ローラ6に高電圧の転写バイアスを印加させることで感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写が行なわれる。
中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス等)の軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。なお、この例では、ローラ状の転写電極を使用しているが、ブラシ状のものを用いてもよい。
上記のように、入力された画像情報が、それぞれの感光体ドラム3上で各色に応じて顕像化され、さらに、中間転写ベルト7上に積層転写される。そして、積層された画像情報は、中間転写ベルト7の回転によって、中間転写ベルト7と2次転写ローラ11とが圧接している2次転写部70において用紙P上に一括転写される(2次転写)。
このとき、中間転写ベルト7と2次転写ローラ11とは、2次転写部70において所定ニップで圧接されているとともに、2次転写ローラ11には、中間転写ベルト7に積層された多色トナー像を用紙Pに転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。そして、2次転写ローラ11および中間転写ベルト駆動ローラ71のうち、一方を硬質材料(例えば金属等)のローラとし、他方を軟質材料(例えば、ゴム、発泡性樹脂等)の弾性ローラとして、上記ニップを定常的に得られるようにしている。
それぞれの感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナーのうち、2次転写ローラ11によって用紙P上に転写が行われず中間転写ベルト7上に残留したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9により除去・回収されるようにしている。中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニング部材として、例えば、クリーニングブレードが備えられている。中間転写ベルト7は、クリーニングブレードと接触する位置で裏側から中間転写ベルト従動ローラ72により支持されている。
定着ユニット12は、ヒートローラ31、加圧ローラ32等を備えており、ヒートローラ31および加圧ローラ32は、用紙Pを挟んで回転するようになっている。ヒートローラ31は、温度検知器(図示省略)からの信号に基づいて所定の定着温度となるように温度制御されている。ヒートローラ31および加圧ローラ32は、用紙Pを熱圧着することで用紙Pに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接する。これにより、用紙Pに対して多色トナー像を熱定着するようにしている。このような定着ユニット12による定着後、用紙Pは、搬送ローラ(25−2、25−3)によって搬送され、フェイスダウンで(多色トナー像を下側に向けて)排紙トレイ15(下記参照)に排出される。
−用紙搬送系の説明−
本実施の形態にかかる画像形成装置100の用紙搬送系は、画像形成に使用する用紙Pを蓄積収納しておく用紙供給部と、用紙供給部に収納した用紙に画像形成系により画像を形成した用紙(印刷済みの用紙)を排出する排紙部と、用紙供給部に収納した用紙を排紙部に搬送する搬送路Sとから、構成される。
用紙供給部は、図1,2に示すように、画像形成装置100における画像形成系の下側に設けられた給紙カセット10である。なお、本実施例1では、給紙カセット10だけではなく、外部から直接用紙を供給する手差しトレイ20が設けられている。
排紙部は、図1,2に示すように、印刷済みの用紙をフェイスダウンで載置するために、画像形成装置100における画像形成系の上側に設けられた排紙トレイ15である。
また、用紙を給紙カセット10から画像形成系(2次転写部70や定着ユニット12)を経由させて排紙トレイ15に搬送する用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット10から排紙トレイ15までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ(用紙搬送ローラ)16、レジストローラ14、2次転写部70、定着ユニット12、用紙Pを搬送する搬送ローラ25等が配置されている。そして、用紙搬送路Sは、給紙カセット10の近傍に配置されている搬送ローラ25−1から、排紙トレイ15の近傍に配置されている搬送ローラ25−3までの間では、略垂直方向に用紙Pを搬送するように略垂直に形成されている。
搬送ローラ25は、用紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙カセット10の先端部に備えられ、給紙カセット10から用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。また、レジストローラ14は、用紙搬送路Sに沿って搬送されている用紙Pを一旦保持するとともに、用紙Pの先端と中間転写ベルト7上の多色トナー像の先端とを合わせるタイミングで用紙Pを2次転写部70に搬送するローラである。
用紙搬送路Sにおいて、給紙カセット10に給紙された用紙Pは、搬送ローラ25−1によってレジストローラ14まで搬送され、用紙Pの先端と中間転写ベルト7上の画像情報の先端を整合するタイミングで2次転写部70に搬送され、2次転写部70で用紙P上に画像情報が書き込まれる。その後、用紙Pは定着ユニット12で用紙P上の未定着トナーが溶融・固着され、搬送ローラ25−2、搬送ローラ(排紙ローラ)25−3によって搬送され、フェイスダウンで(多色トナー像を下側に向けて)排紙トレイ15に排出される(片面印字要求の場合)。
一方、印字要求内容が両面印字要求の場合には、上記のように片面印字が終了し、定着ユニット12を通過した用紙Pは、その後端が排紙ローラ25−3でチャックされた状態で、排紙ローラ25−3が逆回転することによって、反転搬送路S´に導かれる。反転搬送路S´では、搬送ローラ25−7、25−8によって搬送された後、再び用紙搬送路Sに導かれる。そして、レジストローラ14を経て、裏面印字が行われた後に排紙トレイ15に排出される。
画像形成装置100には、上記の給紙カセット10とともに、ユーザが少数枚の印字を行うとき、給紙カセット10の開閉動作を行わなくてもよいように手差しトレイ20が配置されている。手差しトレイ20の端部には、ピックアップローラ21が備えられており、手差しトレイ20の用紙を1枚ずつ用紙搬送路Sに導くようになっている。手差しトレイ20に積載される用紙Pは、ピックアップローラ21によって給紙され、複数の搬送ローラ(25−6、25−5、25−4)を経て、レジストローラ14まで搬送される。それ以降は、給紙カセット10から搬送される用紙Pの場合と同様にして排紙トレイ15に排出される。
次に、画像形成装置100における給紙方法について、図1,2を用いて説明する。
まず、給紙カセット10について、図1,2を用いて詳しく説明する。上記したように、給紙カセット10の先端部には、ピックアップローラ16が配置されている。ピックアップローラ16の動作により、給紙カセット10に収納されている用紙が1枚ずつ用紙搬送路Sに供給される。
給紙カセット10の先端部および後部には、用紙先端押え板(図示省略)および用紙後端押え板114が設けられており、用紙Pの先端および後端を押さえた状態で用紙Pを収納するようにしている。用紙先端押え板は、給紙カセット10の先端部に固定されているのに対し、用紙後端押え板114は、給紙カセット10の底面に形成されている溝に沿って前後にスライドするスライド板(図示省略)に取り付けられている。このスライド板により、用紙後端押え板114を、収納する用紙Pのサイズに応じた位置までスライドさせることによって、用紙Pの先端を常に所定の位置に合わせるようにしている。また、回転板118が設けられており、給紙カセット10に収納される用紙Pの先端側を上方に持ち上げるようにしている。
また、上記した用紙搬送系には、給紙カセット10に収納された用紙Pの枚数を検知する検知部41が設けられている。詳説すると、検知部41は、給紙カセット10に収納した用紙Pの枚数が0枚を除く予め設定した枚数以下であるか否かを検知するものである。ここでいう予め設定した枚数とは、用紙Pの収納枚数がニアエンド枚数(1枚〜数枚であり、本実施例1では1枚に設定)のことをいう。この例にかかる検知部41は、超音波を用いた重送センサであり、図2,4に示すように、少なくとも、超音波を送信する送信器42と、送信器42から送信した超音波を受信する受信器43と、を備える。この検知部41では、送信器42より送信して受信器43で受信した超音波の信号の減衰量に基づいて用紙の収納枚数を判定する。
検知部41と給紙カセット10との配置関係は、図2に示すように、送信器42と受信器43との間に給紙カセット10が配された状態となっている。また、検知部41は、給紙カセット10において収納される用紙Pの搬送方向後端部P1を検知対象とし、検知部41は、給紙カセット10の、収納される用紙Pの搬送方向後端部P1の近傍に配された用紙後端押え板114に設けられている。具体的に、図2に示すように、送信器42は、給紙カセット10に収納された用紙Pの搬送方向後端部P1の角部に設けられた用紙後端押え板114の部位に設けられ、受信器43は、給紙カセット10に収納された用紙Pの裏面側角部に設けられた用紙後端押え板114の部位に設けられ、送信器42から送信した超音波は、給紙カセット10に収納される用紙Pに対して角度をもって入射し、用紙Pを介して受信器43に受信する。
上記した検知部41において、給紙カセット10に収納した用紙Pの枚数が1枚以下であることが検知されることで、トナーによる感光体ドラム3への顕像化を避けるために検知部41の検知に連動して画像形成系での画像書込シーケンスが変更される。本実施例では、画像形成系での画像書込み動作が、画像書込み中から画像書込み停止に変更される。この検知部41の構成は、用紙Pへの画像形成要求枚数(印字要求枚数)が複数枚であり、給紙カセット10に収納された用紙Pを画像形成系に搬送する前に、用紙Pへの画像形成を行うための画像書込みを行う本実施例1に示す画像形成装置に有用である。この画像形成装置100では、給紙カセット10から画像形成系に用紙Pが搬送されてから検知部41により給紙カセット10の用紙残量変化(残り枚数が2枚から1枚になるなど)を検知するより以前に、当該搬送された用紙Pに対する画像書込シーケンスが開始される。
−制御系の説明−
本実施例1にかかる画像形成装置100の制御系は、図3に示すように、装置全体を統合制御する制御部81等を含む構成からなる。なお、図3では、制御系の一部を示している。制御部81は、図示しない画像読取系や画像形成系や用紙搬送系などの画像形成装置100を構成する各駆動機構部をシーケンス制御により管理するとともに、検知部41の検出値に基づいて各系(各部材)へ制御信号を出力する。
次に、画像形成装置100における給紙を行うタイミングについて説明する。
画像形成装置100において、複数枚の印字要求があった場合(連続印字要求があった場合)、まず、印字前処理が行われる。この印字前処理の後、1枚目の用紙に対する印字工程および給紙工程が行われる。
印字工程は、第1色目〜第4色目の印字工程(本発明でいう画像書込)と一括転写工程とからなり、第1色目〜第4色目の印字工程の後、一括転写工程が行われる。第1色目〜第4色目の印字工程は、2次転写部70から遠くに配置されている画像ステーションにおける印字工程から順に行われ、第1色目(この例では、イエロー)の印字工程から始まり、第2色目(この例では、マゼンタ)の印字工程、第3色目(この例では、シアン)の印字工程、第4色目(この例では、ブラック)の印字工程の順に行われる。各色の印字工程は、主帯電器5により感光体ドラム3を帯電する主帯電工程と、露光ユニット1により感光体ドラム3を露光し、その表面に静電潜像を形成する像露光工程と、現像器2のトナーにより静電潜像を顕像化し、感光体ドラム3にトナー像を形成する現像工程と、トナー像を中間転写ベルト7に転写する転写工程とからなり、これら工程が、主帯電工程、像露光工程、現像工程、及び転写工程の順序で行われる。
1枚目の用紙に対する印字工程における第1色目の印字工程の主帯電工程は、印字前処理の後に行われる。第1色目〜第4色目の印字工程では、中間転写ベルト7に、各色のトナー像が順次的に重ねて転写されていき、これにより、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。一括転写工程では、2次転写部70において、中間転写ベルト7上の多色トナー像が搬送されてくる用紙Pに一括転写される。
2枚目の用紙Pに対する印字工程における第1色目の印字工程のうち主帯電工程は、1枚目の用紙Pに対する印字工程における第2色目の印字工程の途中のタイミングで開始する。これ以降の2枚目の用紙Pに対する印字工程は、1枚目の用紙に対する印字工程と同様の順序で行われる。そして、同様のタイミングで、3枚目以降の用紙Pに対する印字工程が行われる。
一方、給紙工程において、ピックアップローラ16により給紙カセット10に収納されている用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する用紙ピックアップ工程では、印字要求枚数が複数枚のとき、2枚目以降の用紙Pに対するピックアップが終了するタイミングが、次の用紙Pに対する印字工程における第1色目の印字工程の主帯電工程が開始する前となっている。次の用紙Pとは、給紙工程で対象となる用紙Pに対して次の用紙という意味である。
そして、上記したように複数枚の印字要求に対して用紙Pの給紙工程および印字工程を行うことで、複数枚の印字された用紙Pが排紙トレイ15に排出されるとともに、給紙カセット10に収納されている用紙Pは減少していく。この際、給紙カセット10では、図2,4,5に示すように、検知部41により、給紙カセット10に収納されている用紙の枚数が1枚以下であるか否かの検知が行なわれ、用紙の収納枚数が残り1枚まで減少すると、検知部41により、給紙カセット10に収納した用紙の枚数が1枚以下であることが検知され、この検知に基づいて画像形成系での画像書込み動作が画像書込み中から画像書込み停止に変更される。
なお、図5は、イエロー(Y)に関する画像書込信号と、2次転写部70における画像転写信号と、ピックアップローラ16による用紙ピックアップ信号と、検知部41による用紙残り1枚を検知した検知信号との関係を示したタイミングチャートである。この図5に示す符号Taは、イエローに関する書込み工程(第1色目の印字工程)に要する時間を示し、主帯電工程において帯電した感光体ドラム3dの露光ユニット1によるレーザの書込部位が、転写工程において中間転写ベルト7に転写する位置まで回転した感光体ドラム3dの表面部位の図4に示す移動距離Saに対応する。また、図5に示す符号Tbは、感光体ドラム3d上のイエローのトナーが中間転写ベルト7に1次転写されてから2次転写ローラ11によって用紙P上に転写されるまでに要する時間を示し、イエローに関するトナーが転写された中間転写ベルト7の転写部位が、2次転写ローラ11まで移動する図4に示す距離Sbに対応する。また、図5に示す符号Tcは、給紙カセット10におけるピックアップローラ16による用紙Pのピックアップから、このピックアップした用紙Pの転写ポイント(2次転写ローラ11)までの搬送時間を示し、用紙のピックアップローラ16から2次転写ローラ11までの図4に示す搬送路Sの距離Scに対応する。また、図5に示す符号Tgは、画像書込シーケンス開始(イエローに関する書込み工程開始)から、形成されたトナー(中間転写ベルト7に付着したトナー)が2次転写ローラ11(転写ポイント)に到達するまでの時間を示し、上記した時間Taと時間Tbとを加算した時間(Ta+Tb)に相当する。また、図5に示す符号Tfは、画像書込シーケンス開始(例えば1枚目の用紙Pに対するイエローに関する書込み工程開始)から次の画像書込シーケンス開始(例えば2枚目の用紙Pに対するイエローに関する書込み工程開始)までの時間を示す。また、図5に示す符号Teは、用紙Pが給紙カセット10から給紙開始(搬送)されてから検知部41による用紙残量変化を検知するまでの時間を示す。そして、本実施例1にかかる画像形成装置100では、検知部41における検知対象が(Tc−Te)<(Tg−Tf)の関係を満たすものとされる。
上記した画像書込シーケンスの変更について、具体的に、図4,5に示すように、ピックアップローラ16により用紙Pのピックアップをした後に検知部41において用紙Pの残り収納枚数を1枚と検知すると、イエローに関する画像書込信号の出力を停止する。また、他の色(マゼンタ、シアン、ブラック)についても同様の動作を行う。
ところで、本実施例1とは異なり、本実施例1にかかる検知部41を用いずに、用紙無し(0枚)を検知する検知部を用いた画像形成装置の場合、以下に示すようになる。なお、ここでは、用紙Pの残り収納枚数が1枚と無し(0枚)との検知状態を比較するために、便宜上、他の構成については本実施例1と同様の構成とする。
用紙無しを検知する検知部を用いた画像形成装置の場合、図6に示すように、ピックアップローラ16により用紙Pをピックアップした後に検知部41において用紙Pの残り収納枚数を0枚と検知すると、イエローに関する画像書込信号の出力を停止する。また、他の色(マゼンタ、シアン、ブラック)についても同様の動作を行う。ところが、図6に示すように、イエローに関する画像書込信号の出力時間に対して、イエローに関する書込み工程を終えた時点から、中間転写ベルト7に付着したトナーが2次転写ローラ11によって用紙P上に転写されるまでに要する時間Tbが長い。そのため、ピックアップローラ16による用紙Pのピックアップから、このピックアップした用紙Pの転写ポイントまでの搬送時間Tcを長く設定しなければならない。すなわち、この用紙無しを検知する検知部を用いた画像形成装置の場合、本実施例1にかかる画像形成装置100とは異なり、図6に示すように、検知部における検知対象について(Tc−Te)<(Tg−Tf)の関係を満たすことができない。その結果、用紙Pのピックアップローラ16から2次転写ローラ11までの図4に示す搬送路Sの距離Scを長く設定する必要が生じ画像形成装置の小型化を図ることができない。また、この用紙無しを検知する検知部を用いた画像形成装置において、本実施例1に示す搬送路の距離Scを採用した場合、連続印字の途中で用紙が不足した状態となり、検知部において用紙Pがなくなったことを検知したときには、中間転写ベルト7上では、次の用紙Pに対する画像書込信号が出力された状態となり、この出力分に対するトナーが無駄になる。この結果、無駄なトナーの画像形成系の他の構成(現像器2や感光体ドラム3やクリーナユニット4)への付着により他の構成に負荷をかける。上記したことから、本実施例1と比較して、用紙無しを検知する検知部を用いた画像形成装置では、搬送時間を短くして搬送路Sの距離Scを短く設定することはできず、その結果、画像形成装置の小型化を図ることができない。また、搬送時間を短くして搬送路Sの距離Scを短くした場合、画像形成系での現像剤(トナー)の無駄な消費をする。
上記したように本実施例1にかかる画像形成装置100によれば、給紙カセット10に収納された用紙Pの枚数を検知する検知部41が設けられ、用紙Pへの画像形成要求枚数(印字要求枚数)が複数枚のとき、検知部41より給紙カセット10に収納した用紙Pの枚数が0枚を除く予め設定した枚数以下(本実施例では1枚)であることが検知されることで、トナーによる顕像化を避けるために検知部41の検知に連動して画像形成系での画像書込シーケンスが変更されるので、中間転写方式を用いる画像形成装置100において画像形成系でのトナーの不必要な消費(無駄な画像書込)を防止することができる。その結果、画像形成系の他の構成(現像器2や感光体ドラム3やクリーナユニット4など)の負荷を減らすことができ、画像形成装置100の寿命を向上させることができる。具体的に、印字要求枚数が複数枚のとき、給紙カセット10に収納されている用紙Pの枚数を検知して、給紙カセット10に収納されている用紙Pの枚数を超えた画像書込を防止することができる。
また、給紙カセット10から画像形成系に用紙Pが搬送されてから検知部41により給紙カセット10の用紙残量変化を検知するより以前に、当該搬送された用紙Pに対する画像書込シーケンスが開始されるので、給紙カセット10から画像形成系への用紙Pの搬送開始タイミングに対して画像書込シーケンスの開始を早めることができる。その結果、給紙カセット10から画像形成系まで搬送する用紙Pの搬送時間を短くすることができる。
また、検知部41よる用紙の検知対象が、用紙の残り枚数(ニアエンド枚数)であるので、図6に示すような用紙無しを検知する検知部と比較して、図5に示すように、任意の色に関する画像書込み工程を終えた時点から、実際に用紙Pに画像を転写(画像形成の一部)するまでの時間に対して、給紙カセット10から用紙Pを画像形成系まで搬送する搬送時間を短くすることができる。すなわち、残り枚数の用紙Pを有効に利用することができるので、給紙カセット10に収納された用紙Pを画像形成系に搬送する前に、当該用紙Pへの画像形成を行うための画像書込みを画像形成系で行う場合であっても、給紙カセット10から用紙Pを画像形成系まで搬送する搬送時間を短くすることができ、その結果、図4に示すように、給紙カセット10から用紙Pを画像形成系までの搬送距離を短くして画像形成装置100の小型化を図ることができる。
具体的に、図4〜6に示すように、検知部41を用いた本実施例1と、用紙無しを検知する検知部を用いた画像形成装置を比較して、本実施例では、検知部41より給紙カセット10に収納した用紙Pの枚数が0枚を除く予め設定した枚数以下(本実施例では1枚)であることを検知するので、イエローに関するトナーが転写された中間転写ベルト7の転写部位が、2次転写ローラ11まで移動する距離Sbを、用紙のピックアップローラ16から2次転写ローラ11までの搬送路の距離Scに対して長く設定することができるので、画像形成装置100の小型化を図ることができる。特に、本実施例1は、複数の画像ステーションを有して用紙Pに一括転写することによってカラー画像を用紙P上に形成する中間転写方式を用いた画像形成装置100の小型化を図るのに好ましい。
また、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を画像書込み中から画像書込み停止に変更することであるので、画像書込を確実に止めることができる。
また、画像書込シーケンスの変更条件である予め設定した枚数とは、用紙Pの収納枚数がニアエンド枚数(1枚〜数枚)であり、本実施例では1枚であるがこれに限定されるものではない。そして、用紙Pの収納枚数がニアエンド枚数であるので、画像書込シーケンスの変更後に既に画像書込が行われ画像形成を行う必要がある用紙Pを確保することができる。その結果、画像書込シーケンスの変更後であって画像形成系による用紙Pの画像形成を終えた時に、給紙カセット10に収納した用紙Pを全て用いることもできる。すなわち、画像形成系でのトナーの不必要な消費(無駄な画像書込)を防止することができる。
また、検知部41は、超音波を用いた重送センサを用いるので、用紙Pの残り収容枚数がニアエンド枚数(1枚〜数枚)である場合、その枚数を早く精度良く検知することができる。また、検知センサとして超音波方式のセンサを用いるので、レバーなどの接触型のアクチュエータ方式のセンサと比較して、非接触で検知を行うことができ、検知の際に検知対象物(用紙P)を損傷させるのを抑制することができる。また、レーザ方式のセンサと比較して、用紙Pの色に影響されることなく用紙Pの検知を行うことができる。
また、検知部41には、送信器42と受信器43とが設けられ、送信器42と受信器43との間に給紙カセット10が配され、送信器42から送信した超音波は、給紙カセット10に収納される用紙Pに対して角度をもって入射し用紙Pを介して受信器43に受信するので、用紙Pへ入射した超音波が送信器42に反射するのを防止することができる。
また、検知部41は、給紙カセット10において収納される用紙Pの搬送方向後端部P1を検知対象とするので、給紙カセット10において収納されている用紙Pの搬送が行われた際に最も早く用紙Pが搬送されたこと(用紙Pの減少)を確認することができる。
また、検知部41における検知対象が、(Tc−Te)<(Tg−Tf)の関係を満たすものとされるので、給紙カセット10から用紙Pを画像形成系まで搬送する搬送時間を短くすることができる。
なお、本実施例1では、図2に示すように、検知部41が用紙後端押え板114に設けられているが、これに限定されるものではなく、給紙カセット10において収納される用紙Pの搬送方向後端部P1を検知対象とすれば、用紙後端押え板114に設けられなくてもよい。具体的に、図7および図8(図8(a)、図8(b))に示すように、検知部41は、給紙カセット10の、収納される用紙Pの搬送方向後端部P1の近傍に配された可動式検知部であってもよい。この可動式である検知部41は、給紙カセット10の用紙Pを収納する用紙収納領域117へ入出移動自在とされる。また、図7,8に示す検知部41は、断面コの字状に成形された本体筐体44からなり、給紙カセット10の用紙Pの搬送方向後端部P1の後方に配され、バネなどの弾性体45により給紙カセット10方向(図8(b)の矢印方向)へ付勢されている。また、送信器42は断面視コの字状に成形された本体筐体44の上方延出片44aに設けられ、受信器43は断面視コの字状に成形された本体筐体44の下方延出片44bに設けられ、これら送信器42と受信器43との位置関係は、側面視において垂直方向に配され、平面視において異なった位置に配されている。そのため、送信器42から送信した超音波は、給紙カセット10に収納される用紙Pに対して角度をもって入射し、用紙Pを介して受信器43に受信する。
この図7,8に示す検知部41の用紙収納領域117への入出移動のうち、検知部41の用紙収納領域117へ入る移動は、用紙Pの収納枚数が予め設定した枚数以下である場合に弾性体45の付勢により行われ、用紙Pの収納枚数が予め設定した枚数を超えると、検知部41は、用紙Pにより検知部41の移動が遮られ用紙収納領域117へ入ることができない。なお、この例でいう予め設定した枚数は例えば数十枚であり、送信器42と受信器43との超音波の送受信距離に基づいて設定されてもよい。また、図8に示す弾性体45にバネを採用しているが、これに限定されるものではなく、検知部41が給紙カセット10方向(図8(b)の矢印方向)へ付勢されれば他の形態であってもよい。
この図7,8に示す検知部41によれば、図2に示す検知部41と比較して、用紙Pと検知部41との距離を縮めて検知精度の向上を図ることができる。また、検知部41に超音波を用いた重送センサを用いた場合に好ましい。また、予め設定した枚数より多い枚数を給紙カセット10に収納する際に検知部41は用紙収納領域117に配されていないので、給紙カセット10への用紙収納の際の妨げになるのを抑制することができ、給紙カセット10に収納した用紙Pの収納枚数が予め設定した枚数より少なくなった際に検知部41が用紙収納領域117に配されるので、この状態の時のみに用紙Pと検知部41との距離を縮めて検知精度の向上を図ることができる。
また、図7,8に示す検知部41では弾性体45を用いているが、検知部41が給紙カセット10方向(図8(b)の矢印方向)に移動できれば他の形成であってもよく、具体的に図9(図9(a),図9(b))に示す形態であってもよい。
図9に示す検知部41は、図7,8に示す断面コの字状に成形された本体筐体44と、この本体筐体44に設けられたソレノイド部46と、用紙収納領域117に収納された用紙Pの上面と接触して用紙Pを検知するための検知レバー部47と、用紙と接することによって傾く検知レバー部47の角度により用紙Pの収納枚数を検知してソレノイド部46を駆動させるフォトインタラプタ部48と、を備えている。
検知レバー部47は、用紙収納領域117の上方に設けられ、所定軸を中心に回動自在とされた棒状体からなり、その一端が直接用紙収納領域117に収納された用紙Pの上面に接し、その他端が用紙収納領域117に収納された用紙Pの高さ変動によりフォトインタラプタ部48の受発光部(下記参照)の間を通過するものである。
フォトインタラプタ部48は、受発光部(図示省略)が対向して設けられてなり、これら受発光部間に挿入される検知レバーの挿入角度の変動によって用紙収納領域117に収納されている用紙Pの収納枚数を検知するものである。
図9に示すように、検知部41は、フォトインタラプタ部48の受発光部によって検知レバー部47の角度を検知することで用紙Pの収納枚数が予め設定した枚数以下であることを検知し、このフォトインタラプタ部48の検知に基づいてソレノイド部46を駆動させて本体筐体44を図9に示すように給紙カセット10方向(図9(b)の矢印方向)に移動させる。この図9に示す検知部41によれば、図7,8に示す検知部41と比較して、本体筐体44を給紙カセット10に収納した用紙Pに押接することがなく、用紙Pを傷めるのを抑制することができる。すなわち、給紙カセット10に収納した用紙Pの枚数が予め設定した枚数より少なくなった際に検知部41が用紙収納領域117に配される際に検知部41(本体筐体44)の用紙収納領域117への入出移動時に用紙Pに検知部41(本体筐体44)が接することはなく、用紙Pを傷めるのを抑制することができる。
また、本実施例1では、図2に示すように、検知部41が用紙後端押え板114に設けられているが、これに限定されるものではなく、給紙カセット10において収納される用紙Pの搬送方向後端部P1を検知対象とすれば検知部41を任意の位置に設けてもよい。具体的に、図10(図10(a),図10(b))に示す位置に検知部41を設けてもよい。この図10に示す給紙カセット10は、用紙Pの搬送方向後端部P1を規制する用紙後端押え板114と、用紙Pの幅方向を規制する一対の幅ガイド115,116とを設けている。そして、検知部41は、給紙カセット10において収納される用紙Pの一側部P2を検知対象とし、検知部41は、給紙カセット10の、収納される用紙Pの搬送方向(図10(a)に示す矢印方向)の幅ガイド115に設けられる。詳しくは、検知部41は、図10に示すように、幅ガイド115の給紙カセット10において収納される用紙Pの搬送方向後端側に設けられ、送信器42は、幅ガイド115のうち用紙Pの側面側の部位に設けられ、受信器43は幅ガイド115のうち用紙Pの裏面側の部位に設けられている。そして、送信器42から送信した超音波は、給紙カセット10に収納される用紙Pに対して角度をもって入射し、用紙Pを介して受信器43に受信する。
この図10に示す検知部41によれば、図2に示す検知部41と比較して、用紙Pについて幅方向を主基準にし搬送方向後端面側を副基準にして収納して、用紙Pの収納バラツキを抑制することができ、この収納バラツキが原因となる用紙搬送エラーを防止することができる。
また、図10に示す検知部41は、給紙カセット10において収納される用紙Pの一側部P2を検知対象としているが、これに限定されるものではなく、検知部41を幅ガイド116にも設けて用紙Pの両側部を検知対象として用紙Pの検知精度を向上させてもよい。また、上記した図4に示す検知部41や、図8に示す検知部41と併用して用紙Pの検知精度を向上させてもよい。
また、本実施例1では、検知部41において、給紙カセット10に収納した用紙Pの枚数が1枚であることが検知されることで、この検知に連動して画像形成系での画像書込み動作が、画像書込み中から画像書込み停止に変更されるが、これに限定されるものではなく、トナーによる顕像化を避けてトナーが無駄に消費されることを防止するように画像形成系での画像書込シーケンスが変更されれば他の形態であってもよい。例えば、画像書込シーケンスの変更は、現像器2(現像ローラ)に印加される電圧(現像バイアスに関する電圧)を、トナーを吸着する電位(トナー帯電極性が(−)であれば、逆極性(+)の電位を印加)にしてもよい。または、現像器2(現像ローラ)と感光体ドラム3と位置関係を、現像ローラと感光体ドラム3とが接する状態から、物理的に感光体ドラム3の電位がトナーに影響しない距離まで現像ローラと感光体ドラム3とを離間させた状態としてもよい。
また、上記した検知部41では、送信器42と受信器43と上下方向に配して用紙Pの面を検知対象としているが、これに限定されるものではなく、用紙の厚みを検知対象としてもよい。この場合、検知部41として、光センサを用いてもよい。
また、本実施例1では、図1に示すように、用紙供給部として、給紙カセット10が1つ設けられた画像形成装置100に適用する例について説明したが、複数の給紙カセットが設けられた場合(下記の実施例2参照)にも適用することができる。
また、本実施例1では、検知部41において、給紙カセット10に収納した用紙Pの枚数が1枚であることが検知されることで、この検知に連動して直ぐに画像形成系での画像書込み動作が、画像書込み中から画像書込み停止に変更されるが、これに限定されるものではなく、検知に連動して画像形成系での画像書込み動作が、画像書込み中から画像書込み停止に変更されれば、ある設定時間後に画像書込み中から画像書込み停止へ変更してもよい(下記の実施例3参照)。
(実施例2)
次に、本実施例2にかかる画像形成装置を図面を用いて説明する。なお、本実施例2にかかる画像形成装置は、上記した実施例1に対して、用紙供給部の構成が異なる。そこで、本実施例2では、上記した実施例1と異なる構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。そのため、同一構成による作用効果及び変形例は、上記した実施例1と同様の作用効果及び変形例を有する。
本実施例2にかかる用紙供給部は、図11,12に示すように、3個の給紙カセット10a,10b,10cから構成される。ユーザは、これら給紙カセット10a,10b,10cに供給されたいずれの用紙Pを用いるかを用途にあわせて選択できる。なお、これら給紙カセット10a,10b,10cは、夫々上記した実施例1の給紙カセット10と同様の構成からなる。そのため、これら給紙カセット10a,10b,10cの説明を省略する。
本実施例2にかかる給紙カセット10a,10b,10cは、給紙カセット10a,10b,10cから画像形成系(具体的に2次転写部70)に搬送される用紙Pの搬送時間および搬送路Sの搬送距離(Sc1,Sc2,Sc3)がそれぞれ個別に設定されている。これら搬送路Sの距離Sc1,Sc2,Sc3は、Sc1<Sc2<Sc3の関係からなる。
そして、図5を参照して、給紙カセット10a,10b,10cのうち、符号(Tc−Te)<(Tg−Tf)の関係を満たす給紙カセットを検知対象とする検知部に、超音波を用いた重送センサが用いられる。本実施例2では、給紙カセット10a,10bを検知対象とする検知部41a,41bに超音波を用いた重送センサが用いられ、給紙カセット10cを検知対象とする検知部51cに光学センサやレバーなどの接触型のアクチュエータセンサが用いられている。
給紙カセット10aを検知対象とする検知部41aは、給紙カセット10aに収納した用紙Pの枚数がニアエンド枚数(本実施例では2枚)以下であるか否かを検知するものである。
また、給紙カセット10bを検知対象とする検知部41bは、給紙カセット10bに収納した用紙Pの枚数がニアエンド枚数(本実施例では1枚)以下であるか否かを検知するものである。
上記した検知部41a、41bでは、それぞれ送信器42より送信して受信器43で受信した超音波の信号の減衰量に基づいて重送を判定する。なお、図13に、用紙無しを検知した場合の超音波の信号の減衰量と、用紙1枚を検知した場合の超音波の信号の減衰量と、用紙2枚を検知した場合の超音波の信号の減衰量と、を示す。
上記したように、本実施例2によれば、実施例1にかかる画像形成装置の作用効果を有するだけでなく、給紙カセット10a,10b,10cを用いた場合であっても、検知部41a,41b,51cによりすべての給紙カセット10a,10b,10cに対応させた最適な用紙検知を行うことができる。
(実施例3)
次に、本実施例3にかかる画像形成装置を図面を用いて説明する。なお、本実施例3にかかる画像形成装置は、上記した実施例1に対して、画像書込シーケンスの変更のタイミングが異なる。特に、本実施例3では、同一給紙カセット10に収納された用紙Pに対する多色(カラー)/単色(モノクロ)の画像形成の切替に関する構成である。そこで、本実施例3では、上記した実施例1と異なる構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。そのため、同一構成による作用効果及び変形例は、上記した実施例1と同様の作用効果及び変形例を有する。また、上記した実施例2についても用紙供給部の構成が異なるだけであり他の構成は同じ構成である。そのため、同一構成による作用効果及び変形例は、上記した実施例2と同様の作用効果及び変形例を有する。
本実施例3は、図14〜16に示すように、給紙カセット10に収納されている用紙Pに対して、印刷モードを多色(カラー)/単色(モノクロ)のいずれかの印刷モードに選択して画像形成を行うものであり、画像形成系に設けた複数の画像形成部(色K,C,M,Yに対応する符号a,b,c,d)が設けられ、指定された印刷モード(カラー印刷モード/モノクロ印刷モード)に応じて使用する画像形成部が選択され、画像書込シーケンスの変更は印刷モードに応じて行なわれる。具体的に、本実施例3では、印刷モードがカラー印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を画像書込み中から画像書込み停止に変更することであり、印刷モードがモノクロ印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を、検知部41により検知された0枚を除く予め設定した枚数分の画像書込みを行なってから、画像書込み停止に変更することである。すなわち、本実施例3では、カラー印刷モードの場合、画像形成系での画像書込み動作が画像書込み中から直ぐに画像書込み停止に変更され、モノクロ印刷モードの場合、画像形成系での画像書込み動作が、ある設定時間後に画像書込み中から画像書込み停止へ変更される。
上記した本実施例3にかかる画像形成装置100の画像形成について、図14〜16を用いて説明する。なお、図14は、カラー印刷モード/モノクロ印刷モードの画像形成に関するフローチャートであり、図15は、カラー印刷モードの画像形成に関するタイミングチャートであり、図16はモノクロ印刷モードの画像形成に関するタイミングチャートである。そのため、図15は、図5と異なりイエロー(Y)に関する信号だけでなく、他のマゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)に関する信号のタイミングチャートである。具体的に、図15に示すカラー印刷モードのタイミングチャートは、Y画像書込信号と、M画像書込信号と、C画像書込信号と、K画像書込信号と、2次転写部70における画像転写信号と、ピックアップローラ16による用紙ピックアップ信号と、検知部41による用紙残り1枚を検知した検知信号との関係を示したものである。また、図16に示すモノクロ印刷モードのタイミングチャートは、K画像書込信号と、2次転写部70における画像転写信号と、ピックアップローラ16による用紙ピックアップ信号と、検知部41による用紙残り1枚を検知した検知信号との関係を示したタイミングチャートである。また、図15,16では、参考として、画像書込シーケンスの変更を行なわずに画像書込信号を停止しなかった場合の画像書込中の各画像書込信号を点線で示す。なお、図15,16で示す符号は、図5に示す符号と同一の内容であり、ここでの説明は省略する。
本実施例3にかかる画像形成装置100では、複数枚の印字要求に対して用紙Pの給紙工程および印字工程を行うことで、複数枚の印字された用紙Pが排紙トレイ15に排出されるとともに、給紙カセット10に収納されている用紙Pは減少していく。この際、給紙カセット10では、図14に示すように、検知部41により給紙カセット10に収納されている用紙Pの残り枚数が検出される(ステップS31)。そして、検知部41により、給紙カセット10に収納されている用紙Pの枚数が1枚であるか否かの検知が行なわれる(ステップS32)。
ステップS32において給紙カセット10に収納されている用紙Pの残り枚数が2枚以上であると検知した場合(ステップS32においてNo)、画像書込動作を継続する。
ステップS32において給紙カセット10に収納されている用紙Pの残り枚数が1枚であると検知した場合(ステップS32においてYes)、印刷ページの印刷モード(カラー印刷モード/モノクロ印刷モード)の判定が行なわれる(ステップS33)。
ステップS33において印刷モードの判定が行なわれ、印刷モードがモノクロ印刷モードである場合(ステップS34においてモノクロ)、図14,16に示すように、現在画像形成を行っている用紙Pの次の用紙P(残り1枚の用紙P)への画像書込を行ない用紙収納領域117に収納され次々にピックアップローラ16によりピックアップされる予定の次々の用紙P(実際は収納されていない用紙P)への画像書込を停止するように、画像書込動作が画像書込中から画像書込停止に変更され(ステップS35)、画像書込を停止する。なお、図16に示すように、次の用紙P(残り1枚の用紙P)に対して画像書込は行なわれる。また、ステップS35でいう次々の用紙Pとは、残り枚数が1枚であり実際には収納されていない用紙Pのことをいう。
ステップS34において印刷モードの判定が行なわれ、印刷モードがカラー印刷モードである場合(ステップS34においてカラー)、図14,15に示すように、現在画像書込を行なっている用紙P(残り1枚の用紙P)の次の用紙P(実際は収納されていない用紙P)への画像書込を停止するように、画像書込動作が画像書込中から画像書込停止に変更され(ステップS36)、画像書込を停止する。
なお、上記した図14に示す画像形成装置100の画像形成に関するフローチャートは、上記した実施例1に示すように給紙カセット10単体に対してピックアップローラ16によるピックアップ1回実行ごとに行なわれる。そのため、上記した実施例2に示すような複数の給紙カセット10a〜10cを備えた場合、図14に示すフローチャートは、複数の給紙カセット10a〜10cそれぞれに対してピックアップローラ16によるピックアップ1回実行ごとに行なわれる。
上記したように、画像形成系には複数の画像形成部(符号a,b,c,d)が設けられ、指定された印刷モードに応じて使用する画像形成部が選択され、画像書込シーケンスの変更は、印刷モードに応じて行なわれる。具体的に、印刷モードは、カラー印刷モードとモノクロ印刷モードとからなり、印刷モードがカラー印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を画像書込み中から画像書込み停止に変更することであり、印刷モードがモノクロ印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を、検知部41により検知された収納残り1枚分の画像書込みを行なってから、画像書込み停止に変更することであるので、上記した実施例1,2の本実施例3に関連する作用効果だけでなく、ユーザが任意に設定した印刷モードに基づいて最適な画像形成部を選択決定して無駄な画像書込を無くした最適な画像書込シーケンスを実行することができる。そのため、中間転写方式を用いる画像形成装置において画像形成系での現像剤(トナー)の不必要な消費(無駄な画像書込)を防止することができる。
なお、本実施例3では、印刷モードをカラー印刷モード/モノクロ印刷モードとしているが、これに限定されるものではなく、印刷モードがn色印刷モードと、n色より多色のm色印刷モードとからなり、印刷モードがm色印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を画像書込み中から画像書込み停止に変更することであり、印刷モードがn色印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を、検知部41により検知された0枚を除く予め設定した枚数分(例えば、1枚〜数枚分)の画像書込みを行なってから、画像書込み停止に変更することであればよい。
(実施例4)
次に、本実施例4にかかる画像形成装置を図面を用いて説明する。なお、本実施例4にかかる画像形成装置は、上記した実施例3の変形例であり、上記した実施例3に対して印刷モードの設定が異なる。そのため、この異なる構成以外の構成において本実施例3と同様の作用効果及び変形例を有する。そこで、本実施例4では、上記した実施例3と異なる構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。
この実施例4にかかる中間転写方式は、上記した実施例と同様に、複数の画像形成部(色K,C,M,Yに対応する符号a,b,c,d)それぞれにおいて画像書込を行ない複数の画像形成部(符号a,b,c,d)から予め設定した順で積層転写してから用紙に一括転写する方式である。
そして、複数の画像形成部(符号a,b,c,d)のうち、未転写の画像形成部も含めて予め設定した積層順番以降の順番で積層する画像形成部を用いた後印刷モードと、未転写の画像形成部も含めて予め設定した積層順番より前の順番で積層する画像形成部を用いた前印刷モードとからなる。本実施例では、予め設定する積層順番を、C(シアン)を積層する画像形成部(図1に示す3番目に積層する画像形成部(符号b))とする。ここでいう未転写とは、当該用紙Pへの画像形成において用いない色の画像形成部による転写を行なわないことを意味する。なお、本実施例では、転写を行うか否かに関係なく、1番目に積層する画像形成部をYの画像形成部(符号d)とし、2番目に積層する画像形成部をMの画像形成部(符号c)とし、3番目に積層する画像形成部をCの画像形成部(符号b)とし、4番目に積層する画像形成部をKの画像形成部(符号a)とする。
すなわち、本実施例にかかる印刷モードは、Y(イエロー)とM(マゼンダ)の少なくともどちらかを含む前印刷モードと、Y(イエロー)とM(マゼンダ)とのどちらも用いずにC(シアン)とK(ブラック)との少なくともいずれかを含む後印刷モードとからなる。なお、前印刷モードにおいて、ユーザの任意の印刷設定によりY(イエロー)とK(ブラック)とだけを用いてもよいことは言うまでもない。
本実施例4は、図17〜19に示すように、給紙カセット10に収納されている用紙Pに対して、印刷モードを前印刷モード/後印刷モードのいずれかに選択して画像形成を行うものであり、画像形成系に設けた複数の画像形成部(符号a,b,c,d)が設けられ、指定された印刷モード(前印刷モード/後印刷モード)に応じて使用する画像形成部が選択され、画像書込シーケンスの変更は印刷モードに応じて行なわれる。すなわち、印刷モードが前印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を画像書込み中から画像書込み停止に変更することであり、印刷モードが後印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を、検知部41により検知された0枚を除く予め設定した枚数(本実施例では1枚)分の画像書込みを行なってから、画像書込み停止に変更することである。すなわち、本実施例4では、前印刷モードの場合、画像形成系での画像書込み動作が画像書込み中から直ぐに画像書込み停止に変更され、後印刷モードの場合、画像形成系での画像書込み動作が、ある設定時間後に画像書込み中から画像書込み停止へ変更される。
上記した本実施例4にかかる画像形成装置100の画像形成について、図17〜19を用いて説明する。なお、図17は、前印刷モード/後印刷モードの画像形成に関するフローチャートであり、図18は、前印刷モードの画像形成に関するタイミングチャートであり、図19は後印刷モードの画像形成に関するタイミングチャートである。そのため、図18は、図5と異なりイエロー(Y)に関する信号だけでなく、他のマゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)に関する信号のタイミングチャートである。具体的に、図18に示す前印刷モードのタイミングチャートは、Y画像書込信号と、M画像書込信号と、C画像書込信号と、K画像書込信号と、2次転写部70における画像転写信号と、ピックアップローラ16による用紙ピックアップ信号と、検知部41による用紙残り1枚を検知した検知信号との関係を示したものである。また、図19に示す後印刷モードのタイミングチャートは、C画像書込信号と、K画像書込信号と、2次転写部70における画像転写信号と、ピックアップローラ16による用紙ピックアップ信号と、検知部41による用紙残り1枚を検知した検知信号との関係を示したタイミングチャートである。また、図18,19では、参考として、画像書込シーケンスの変更を行なわずに画像書込信号を停止しなかった場合の画像書込中の各画像書込信号を点線で示す。なお、図18,19で示す符号は、図5に示す符号と同一の内容であり、ここでの説明は省略する。
本実施例4にかかる画像形成装置100では、複数枚の印字要求に対して用紙Pの給紙工程および印字工程を行うことで、複数枚の印字された用紙Pが排紙トレイ15に排出されるとともに、給紙カセット10に収納されている用紙Pは減少していく。この際、給紙カセット10では、図17に示すように、検知部41により給紙カセット10に収納されている用紙Pの残り枚数が検出される(ステップS41)。そして、検知部41により、給紙カセット10に収納されている用紙Pの枚数が1枚であるか否かの検知が行なわれる(ステップS42)。
ステップS42において給紙カセット10に収納されている用紙Pの残り枚数が2枚以上であると検知した場合(ステップS42においてNo)、画像書込動作を継続する。
ステップS42において給紙カセット10に収納されている用紙Pの残り枚数が1枚であると検知した場合(ステップS42においてYes)、印刷ページの印刷モード(前印刷モード/後印刷モード)の判定が行なわれる(ステップS43)。
ステップS43において印刷モードの判定が行なわれ、印刷モードが後印刷モードである場合(ステップS44でNo)、図17,19に示すように、現在画像形成を行っている用紙Pの次の用紙P(残り1枚の用紙P)への画像書込を行ない用紙収納領域117に収納され次々にピックアップローラ16によりピックアップされる予定の次々の用紙P(実際は収納されていない用紙P)への画像書込を停止するように、画像書込動作が画像書込中から画像書込停止に変更され(ステップS45)、画像書込を停止する。なお、図19に示すように、次の用紙P(残り1枚の用紙P)に対して画像書込は行なわれる。また、ステップS45でいう次々の用紙Pとは、残り枚数が1枚であり実際には収納されていない用紙Pのことをいう。
ステップS44において印刷モードの判定が行なわれ、印刷モードが後印刷モードである場合(ステップS44でYes)、図17,18に示すように、現在画像書込を行なっている用紙P(残り1枚の用紙P)の次の用紙P(実際は収納されていない用紙P)への画像書込を停止するように、画像書込動作が画像書込中から画像書込停止に変更され(ステップS46)、画像書込を停止する。
なお、上記した図17に示す画像形成装置100の画像形成に関するフローチャートは、上記した実施例1に示すように給紙カセット10単体に対してピックアップローラ16によるピックアップ1回実行ごとに行なわれる。そのため、上記した実施例2に示すような複数の給紙カセット10a〜10cを備えた場合、図14に示すフローチャートは、複数の給紙カセット10a〜10cそれぞれに対してピックアップローラ16によるピックアップ1回実行ごとに行なわれる。
上記したように、画像形成系には複数の画像形成部(符号a,b,c,d)が設けられ、指定された印刷モードに応じて使用する画像形成部が選択され、画像書込シーケンスの変更は、印刷モードに応じて行なわれる。具体的に、印刷モードは、複数の画像形成部のうち、未転写の画像形成部も含めて予め設定した積層順番(3番目に積層するC(シアン))以降の順番で積層する画像形成部を用いた後印刷モードと、未転写の画像形成部も含めて予め設定した積層順番(3番目に積層するC(シアン))より前の順番で積層する画像形成部を用いた前印刷モードとからなり、印刷モードが前印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を画像書込み中から画像書込み停止に変更することであり、印刷モードが後印刷モードである場合、画像書込シーケンスの変更は、画像形成系での画像書込み動作を、前記検知部により検知された収納残り1枚分の画像書込みを行なってから、画像書込み停止に変更することであるので、上記した実施例1〜3の本実施例4に関連する作用効果だけでなく、ユーザが任意に設定した印刷モードに基づいて最適な画像形成部を選択決定して最適な画像書込シーケンスを実行することができる。そのため、中間転写方式を用いる画像形成装置において画像形成系での現像剤(トナー)の不必要な消費(無駄な画像書込)を防止することができる。
なお、本実施例4では、4色(K,C,M,Y)を用い、前印刷モードの対象をY,Mの少なくともどちらか含むものとし、後印刷モードの対象をC,Kとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、5色を用いて、前印刷モードの対象を最初に転写される3色を少なくとも含むものとし、後印刷モードの対象を最後に転写される2色としてもよい。
なお、本発明は、その主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
また、この出願は、2006年7月7日に出願された特願2006−188139号に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。