JP2008032229A - 回生制御サービス提供方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回生ブレーキを利用して電車を運行させる場合に、回生失効が発生すると、ブレーキパッドの交換頻度が増大する。また、それに伴ってブレーキパッドの交換作業の頻度が増大する。
【解決手段】軌道3とき電線4とに沿って運行する電車1に電力を供給する変電所5に回生失効防止装置50を設け、回生電力を蓄積させる。その一方で、電車1に搭載されている回生失効検出器12で回生失効の発生を検出し、データ処理装置21で回生失効の発生回数に応じて、電車1ごとにブレーキパッドの摩耗量を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電車の機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量の検出方法および検出装置と、電車の回生失効防止に要する費用の算出方法および算出装置と、電車の回生失効防止サービスにおける課金方法とに関する。
電車は、き電線などを介して供給される電力で回転するモータを動力源とし、加速(力行)時にはモータで車輪を回転させ、減速時や停止時にはブレーキをかける。ブレーキは、その方式により、エア駆動のアクチュエータなどを利用する機械式のブレーキと、回生ブレーキと呼ばれるブレーキとに分類することができる。機械式のブレーキは、ブレーキパッドを車輪に接触させて、摩擦力により車輪の回転を停止させるものである。回生ブレーキは、モータを発電機(ジェネレータ)として機能させることで車輪が回転しようとする運動エネルギを電気エネルギに変換することで車輪の回転を停止させるものである。
回生ブレーキを使用した場合のメリットとしては、前記したように電車の減速に伴い発生する発電電力(回生電力)を他の力行中の電車に供給できることと、回生ブレーキを使用する分だけ機械ブレーキのブレーキパッドの摩耗を低減させることができることがあげられる。なお、回生電力を発生させたときに、力行中の電車が付近にいない場合など、余剰の回生電力が発生する場合がある。このような場合には、余剰の回生電力を、回生チョッパと呼ばれるチョッパを介して抵抗で消費したり、回生インバータと呼ばれるインバータで余剰の回生電力を交流電力に変換し、駅の高配負荷に供給したりして消費したりしている。さらに、き電線の電圧の上昇を抑制するために、発電により上昇する電圧が所定値以上になった場合には、回生ブレーキから機械式のブレーキに切り替えられるようになっており、このような状態は回生失効と呼ばれる(例えば、非特許文献1を参照。)。
回生および回生失効について、図11および図12の模式図を用いて具体的に説明する。
電車が、回生しながら減速、停止する場合は、図11のようになる。所定の速度SP0で走行している電車が時刻t1で減速を開始すると、図11(b)のように回生ブレーキEBが稼動、すなわち、車輪を回転させていたモータが発電機として稼動する。これにより回生電力が発生し、発電機の引き摺り抵抗により車輪の回転が抑制されるので、図11(a)に示すように電車の速度が減少する。回生ブレーキEBは、速度が充分に落ちるまで、図11(b)の時刻t1(速度SP0)から時刻t2(速度SP1)に至るまでの期間Aの間だけ働き、その後は回生ブレーキEBから機械ブレーキMBに切り替わって、時刻t3には速度がゼロ、すなわち電車が停車する。所定のタイミングで回生ブレーキEBから機械ブレーキMBに切り替えるのは、低速度の領域では回生ブレーキEBによる回生量が少なくなり、その分だけブレーキ力も小さくなるので、このような速度領域では機械ブレーキMBを使用した方が電車を確実に停止させることができるからである。また、低速度の領域では、ブレーキパッドを押し当て減速させても、ブレーキパッドの摩耗量が少なくて済むからである。
一方、回生失効が発生した場合には、図12のようになる。図12(a)に示すように、前記と同様に時刻t1で速度SP0から減速を開始したが、時刻t1´で回生失効が発生し、前記した切り替えの閾値である速度SP1よりも大きい速度SP2で回生ブレーキEBから機械ブレーキMBに切り替わる(図12(b)および図12(c)参照)。このため、回生制動する期間が前記期間A(図11(a)参照)よりも短い期間Cとなり、機械ブレーキMBにより制動する期間が前記期間B(図11(a)参照)よりも長い期間Dとなる。
鉄道車両と技術,No.79,p25−31.
このような回生ブレーキを利用して減速する電車において、機械ブレーキは、電車の速度が充分に減速した後に稼動することを前提として設計されているため、回生失効が発生すると、ブレーキパッドの摩耗が激しくなる。このため、回生失効が発生すると、ブレーキパッドの交換頻度が増大するという課題と、これに伴う交換作業の負担が増大するという課題が生じる。
なお、回生失効の発生を防止して、ブレーキパッドの摩耗量を減少させる従来の手段として前記した回生チョッパや、回生インバータは、高額の専用設備となるので、このような専用設備を電鉄会社が導入するには多額の初期投資が必要であるという課題も有する。
したがって、本発明は、前記の課題を解決して、電車のブレーキパッドの交換頻度を減少させたり、交換作業を効率化させて、電鉄会社の鉄道運営を効率良く行わせることを目的とする。
前記の課題を解決する手段として、回生失効の発生回数に着目して摩擦要素であるブレーキパッドの摩耗量を検出することがあげられる。ここにおいて、電車に搭載されている発電機のインバータの出力電圧などを測定すれば、電車ごとに回生失効の発生回数を検出することができるので、ブレーキパッドの摩耗具合を電車ごとに調べることができる。このような処理を、コンピュータを利用して自動的に行うようにすると、ブレーキパッドの交換頻度が増大したとしても効率良く、ブレーキパッドの交換タイミングを決定することが可能になる。摩擦要素を交換した時点からの回生失効の発生回数と、経過時間との関係をグラフ表示させると交換時期の決定がさらに容易になる。ちなみに、前回、摩擦要素を交換した時点からの回生失効の回数は、回生失効時に摩擦要素を摩耗させて停車した回数の総和になるので、回生失効しない場合に比べて増加するブレーキパッドの摩耗量がわかる。
このような情報を得るためには、電車に搭載され所定の装置を搭載する必要がある。このような装置としては、回生失効の発生を検出した結果と、回生失効が発生した電車とを特定する情報とを含む回生失効データを作成する手段と、回生失効データを送信する無線通信手段とを備える装置があげられる。
また、回生失効の発生回数を低減させるために、回生電力の吸収・放電が可能な吸収手段を設置する場合には、吸収手段の設置により電鉄会社が享受するメリットの大きさに応じた対価を、吸収手段を設置し、使用するための費用として、一定期間ごとに吸収手段の提供元に支払うようにしても良い。このようにすると、電鉄会社の負担を低減できる。メリットの大きさの目安としては、ブレーキパッドの摩耗量の減少分や、吸収手段の電力量を一定期間ごとに集計し、減少分の大きさに応じた金額や、その金額に電力量の大きさに応じた金額を加算した料金を対価とすることにした。
本発明によれば、回生失効の発生回数に着目して摩擦要素であるブレーキパッドの摩耗量を電車ごとに検出することで、ブレーキパッドの交換作業を効率良く行うことができる。また、吸収手段が蓄積した回生電力量を電車の運行に利用する際に、ブレーキパッドの摩耗量の減少分や、使用電力量の減少分から算出する実績に応じた費用を吸収手段の貸与元に支払うようにすると、少ない投資で回生失効の発生を抑制することが可能になる。
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、最初に、本実施形態において電車を運行するために用いられる鉄道運営システムについて、図1および図2を用いて説明する。
減速時に回生制動により電気エネルギを発生させることができる電車1(1a,1b,1c,1d)は、発動機および発電機として機能することができるモータ11の駆動により車輪を回転させて、電鉄会社2が敷設した軌道3およびき電線4に沿って、図示しない駅に人や貨物を輸送する輸送手段である。モータ11への電力の供給は、変電所5(5a,5b,5c)から供給される直流電力が用いられる。ちなみに、変電所5は、軌道3およびき電線4のそれぞれの始点から終点までの間に少なくとも1つ設けられており、電力会社などの送電系統6a,6b,6cから送電されてくる交流電力を直流電力に変換する役割を担っている。なお、図2に示すように、この変電所5は、変圧器301と整流ダイオード302とを備えており、回生インバータにより回生電力を送電系統6a,6b,6cに還元することはできない。
ここで、電車1は、減速、停止をするための手段として、機械ブレーキMBと、モータ11を発電機として利用することにより実現される手段である回生ブレーキEBとを備えている。機械ブレーキMBとは、車輪を回転させるエネルギを摩擦熱に変換することで電車1を減速、停止させる手段で、エアシリンダで摩擦要素であるブレーキパッドを車輪に押し付ける装置があげられる。回生ブレーキEBは、前記したようにモータ11を発電機として利用したもので、車輪が回転する運動エネルギを電気エネルギに変換することで電車1を減速、停止させる手段である。なお、モータ11、機械ブレーキMBの制御は、電車1に搭載されたコンピュータを含む運転制御装置(不図示)により制御される。
また、各電車1には、回生失効検出器12(12a,12b,12c,12d)が搭載されており、回生失効の発生回数を電車1ごとに検出し、計数できるようになっている。回生失効検出器12は、CPU(Central Processing Unit)や、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの電気電子回路を有すると共に、回生失効の発生回数としてカウントした値を、無線モデムなどの無線通信手段から、無線通信技術を利用して、電鉄会社2の指令室のデータ処理装置21に送信できるようになっている。
本実施形態においては、回生失効の発生回数をゼロにする、もしくは減少させるための手段として、図1の変電所5aに回生電力を吸収できる吸収手段として機能する回生失効防止装置50が設けられている。この回生失効防止装置50は、そのような装置を開発・生産する設備メーカや、設備メーカから買い取った回生失効防止装置50を電鉄会社2に貸与することで収益をあげる会社など(以下、貸与元9とする)から電鉄会社2に貸与されるものであり、電鉄会社2の所有する設備ではない。
図2に詳細に示すように回生失効防止装置50は、変電所5aと並列になるように軌道3およびき電線4に接続されており、蓄電池502と、蓄電池502の充放電を制御する制御系とを主な要素とする。
蓄電池502は、リチウムイオン電池、鉛蓄電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタ、フライホイールなどの電力蓄積装置を用いることができる。
制御系は、軌道−き電線間に発生する回生電力をその電圧を下げてから蓄電池502に充電させたり、蓄電池502から放電される電力を電圧を上げてから軌道−き電線間に供給したりする制御を行う。具体的には、直流電圧を上げたり、下げたりする双方向チョッパ501と、双方向チョッパ501よりも軌道−き電線側に設けられ、軌道−き電線間の電圧を検出する電圧検出器503と、双方向チョッパ501よりも蓄電池502側に設けられ、蓄電池502の電圧を検出する電圧検出器504と、電圧検出器503,504および双方向チョッパ501からの情報を受け取って充放電の制御を行う制御部505とからなる。
制御部505は、減算器506と、PI(Proportional Integral)制御器507と、変換器電流指令値制限器508とを有する。減算器506は、双方向チョッパ501の出力電圧の指令するデータである指令値VSS_REFから、電圧検出器503で検出する軌道−送電線間の電圧を減じ、その差分をPI制御器507に出力する。PI制御器507は、比例動作に積分動作を加えた制御を行って、前記差分がゼロ、つまり回生失効防止装置50から出力される電圧が指令値VSS_REFに等しくなるように目標値を定めて、この目標値を変換器電流指令値制限器508に出力する。そして、変換器電流指令値制限器508は、目標値に従って双方向チョッパ501の出力電流を制御する。また、変換器電流指令値制限器508は、電圧検出器504で検出する電圧から蓄電池502の充電状態を推定し、蓄電池502が放電下限値以下または過充電にならないように、検出した電圧に応じて双方向チョッパ501の出力電流に制限を加える。
電鉄会社2は、指令室などの管理・統合施設に、コンピュータに所定のプログラムを実行させて所定の処理を行わせるデータ処理装置21を有する。データ処理装置21は、CPUなどを有する処理部22と、記憶装置23と、外部とのデータの授受を制御する通信制御装置24とを有する。なお、このデータ処理装置21も、ブレーキパッドの摩耗量を検出するための処理を行うので、摩耗量の検出装置であるといえる。
記憶装置23は、従前の回生失効発生データと、ブレーキパッドを前回交換してから、その後に発生した回生失効の回数の累積数を電車ごとに取得したデータとを少なくとも記憶している。従前の回生失効発生データとは、回生失効防止装置50の配設前に、その路線で回生失効が発生する回数をあらかじめ採取した実際の値、もしくは所定の期間内の発生率からなるデータであり、例えば、30日間などの所定期間の間に発生した回生失効の総数や、日ごとの発生件数、あるいは、これらを所定期間や日にちで除算した発生率などからなる。また、ブレーキパッドを交換した際には、図示しないリセット手段により回生失効の発生回数の累積数がリセットされる。
処理部22は、各種データを通信網8などを介して取得したり、出力したりするための制御や、回生失効の発生回数の集計や、ブレーキパッドの摩耗量の算出、不図示のディスプレイの表示制御など、データ処理装置21全体の制御を行うもので、ブレーキパッドの摩耗量の検出という観点からは、交換予測処理手段として機能する。
交換予測処理手段は、ブレーキパッドを交換してからの回生失効回数の累積数を電車1ごとに取り込んで、回生失効回数の累積数からブレーキパッドの摩耗量についての計算を行い、ブレーキパッドの交換を必要とする摩耗量に達した場合には、その交換の必要性を通知する情報を出力する。また、交換を要する摩耗量には満たない場合であっても、回生失効の頻度からブレーキパッドの交換時期を線形予測して、その予測結果の情報を出力する。以下において、前記交換の必要性を通知する情報と、前記予測結果の情報とのいずれか一方を出力することを、交換予告とする。
ブレーキパッドの摩耗量についての計算とは、回生失効回数の累積数に所定の係数を乗じるものであり、回生失効の多さに比例して、摩耗量が増大することになる。また、差分を算出する場合には、記憶装置23に記憶されている回生失効防止装置50を設置する前の標準的な回生失効の発生回数から求めた摩耗量から、電車1から送信されてくる回生失効の発生回数から算出する摩耗量を減算することにより行う。なお、回生失効防止装置50を設置する前の期間が特許請求の範囲に記載の第一の期間に相当し、回生失効防止装置50を設置後の期間が第二の期間に相当する。
次に、電鉄会社2が回生失効防止装置50を貸与により使用して、回生失効の発生回数を低減させ、これによりブレーキパッドの摩耗量を低減させる場合の全体の流れを図3のフローチャートを主に参照して説明する。
回生失効防止装置50を貸与する貸与元9は、最初に、特定の電鉄会社2の路線についてのマーケティングを行う(ステップS1)。この際に取得すべき情報としては、調査対象となる路線の回生失効発生件数、回生失効の発生場所、その路線に走行する車両数、その路線の変電所の数などがあげられる。
貸与元9は、マーケティングにより得られた情報を考慮して、回生失効防止装置50を貸与して行うサービスの提供案をまとめ、電鉄会社2に提案する(ステップS2)。
提案を受けた電鉄会社2が、その導入の検討を開始したら、貸与元9が路線の現地調査を行い、回生失効防止装置50の配置スペースの有無や、採算性の検討などの確認を行う(ステップS3)。採算性の検討は、回生失効を防止することで変化するブレーキパッドの交換費用に基づいて行われる。
採算性の検討を行った後に、貸与元9は、変電所5から電車1に供給される電流や、き電線電圧の推移などの情報、つまり現状のフィールドデータを一定期間収集する(ステップS4)。この期間は、標準的な、かつ精度の良いデータを得るために設けられた期間で、標準的には90日間とするが、90日よりも短い期間であったり、さらに長い期間であっても良い。
さらに、貸与元9は、フィールドデータを分析して、最終的な採算性の検討をし、電鉄会社2に契約条件の提示を行う(ステップS5)。電鉄会社2は提示された種々の情報を検討し、サービスの提供を受けるメリットがあるか否かを、採算性も含めて検討する。電鉄会社2が導入を決定したら、貸与元9との間でサービスの提供に関する契約を締結する(ステップS6)。契約条件としては、サービスの内容、サービスの提供に対して貸与元9が受け取る対価の内容および算出のための係数など、請求および支払い方法、契約期間などがあげられる。対価の額には、回生失効防止装置50の設置にかかる費用を含ませることが可能である。ここにおいて、電鉄会社2は、貸与元9から見て、回生失効防止装置50の貸与を受ける貸与先となる。また、貸与元9と、貸与先である電鉄会社2とは、本実施形態により実現されるサービスの授受の契約についての契約者となる。
この後は、締結した契約に基づいて、実際に回生失効防止装置50が設置され(ステップS7)、一定期間ごとに回生失効データが収集され(ステップS8)、回生失効データに基づいて実際に電鉄会社2が享受したメリットが計算され、これに応じた料金が支払われる(ステップS9)。
前記ステップS8の処理、つまり、月ごと、四半期ごと、半年ごと、あるいは一年ごとなどの所定期間を単位として繰り返される処理について、電鉄会社2側で行われる処理を中心に図1、図4のフローチャートを用いて、さらに詳細に説明する。
例えば、電車1bが駅などに停車しようとする場合には、最初に回生ブレーキEBが作動し、回生電力が発生する。この回生電力は、その周囲にいる電車1aや、電車1c、電車1dなどが力行しているときには、そのような電車1において消費される。回生電力を消費する電車1がいない場合には、回生失効防止装置50に蓄積される。このときに、回生失効防止装置50は、前記したように所定の上限値以上の電力量は蓄積できないので、電力が上限値まで蓄積されていた場合には、消費も蓄電もされないことになる。したがって、モータ11を駆動するインバータのコンデンサ電圧が上昇する。
この状態が継続してコンデンサ電圧の値が前もって定められた閾値以上に上昇すると、電車1の制御装置の過電圧継電器(不図示)が作動する(ステップS11)。このときに、その電車1は、回生ブレーキEBから機械ブレーキMBに制動手法を切り替え、減速を継続する。そして、回生失効検出器12のリレー回路が働き、カウンタに回生失効の発生を記録する(ステップS12)。記録とは、前もって記録されている発生回数を1つ増やした値をあらたな発生回数として記録することをいう。
回生失効検出器12は、カウンタに記録されている回生失効の発生回数と、その電車1を特定する情報とを含む回生失効データを作成する。電鉄会社2の指令室のデータ処理装置21は、無線通信技術などを利用して、回生失効データを一定期間ごとに取得する(ステップS13)。なお、回生失効データを一定期間ごとに送信する代わりに、回生失効の発生を記録するごとに回生失効データを送信しても良い。
データ処理装置21の制御部22は、回生失効データの内容を交換予測処理手段において処理し(ステップS14)、その電車1のブレーキパッドの交換時期を予測する(ステップS15)。予測結果は、ブレーキパッドの交換予告として電鉄会社2のメンテナンス部門に通知される(ステップS16)。ブレーキパッドの交換予告とは、交換時期についての情報と、該当する電車1とを特定する情報を含み、あと何回、回生失効が発生したらブレーキパッドを交換すべきであるとか、あと何日の運行でブレーキパッドを交換すべきであるとか、ブレーキパッドの交換時期の推定値を知らせたり、ブレーキパッドが摩耗して交換が必要であることを通知したりするものである。
また、データ処理装置21の処理部22は、ステップS5で得られる予測結果に加えて、回生失効防止装置50を設置する以前のブレーキパッドの交換周期のデータを記憶装置23から取得して(ステップS17)、ブレーキパッドの交換周期が従来に比べて短くなったのか、長くなったのか、といった比較処理を行う(ステップS18)。比較処理の結果は、貸与元9の端末装置10に送信され、端末装置10の算出手段において回生失効防止装置50の導入により回避された回生失効により摩耗を防げたブレーキパッドの量が、契約により定められた係数を乗じて、金額に変換される。この金額は、回生失効防止装置50を導入したことにより生じたメリットの対価として端末装置10からデータ処理装置21に送信されるので、電鉄会社2はその対価を支払う(ステップS19)。
このように本実施形態によれば、回生失効防止装置50を利用することにより、回生失効の発生頻度を減少させることが可能になる。回生失効時の機械ブレーキMBの使用頻度を減少させることができるので、その分だけブレーキパッドの摩耗量を減少させることができ、ブレーキパッドの交換にかかる費用を低下させることが可能になる。また、回生失効の発生回数を低減させることにより派生する効果としては、駅で電車1を自動停止させる際に、正確に停車させることが可能になり、ホームドアを有する駅で、乗客の乗り降りがスムーズに行われることがあげられる。
回生失効防止装置50によっても回生失効が発生した場合には、その電車が回生失効の発生を記録できるようにしたので、回生失効の発生数から次にブレーキパッドを交換する時期を予測することが可能になる。これにより、摩耗量の点検作業の簡略化が見込まれる。
さらに、回生失効防止装置50は、電鉄会社2が設備として購入する代わりに、貸与することが可能であり、この場合に電鉄会社2は初期投資を行わないか、極めて低額の投資で前記したようなメリットを享受することができる。ここで、電鉄会社2が一定期間ごとに貸与元9に対して支払う費用は、当初の契約締結時の対価ではなく、実績、つまり電車1の運行状況から算出される実際のメリットを料金とすることができるので、電鉄会社2は実績に見合った合理的な費用を貸与元9に支払うだけで、前記したメリットを享受することができる。
一方、回生失効防止装置50を貸与する貸与元9は、回生失効を防止、もしくは、その発生を抑制することに対する報酬や、ブレーキパッドの交換予告を行うことで電鉄会社2のメンテナンス作業を支援することに対する報酬を、回生失効防止装置50の貸与に対する対価として、継続して受け取ることができる。また、このような対価の回収方法を貸与元9が採用することで、回生失効防止装置50の導入を促進させることができる。
なお、前記した対価を受け取る具体的な方法としては、回生失効を防止、もしくは、その発生を抑制することに対する報酬として変動費を請求すること、ブレーキパッドの交換予告が行えるようにすることに対する報酬として固定費を請求することがあげられる。前記変動費は、貸与元9がブレーキパッドの交換費用の低下分に、所定の係数である配分比率を乗じて算出した料金(メリット料金)を算出し、電鉄会社2のデータ処理装置21に、電子メールなどで通知すると良い。配分比率の値は、前もって電鉄会社2と、貸与元9との間の契約により定められる値であり、一定値、もしくは回生失効の低下分により変動する値である。前記固定費の場合も、電子メールで通知することが可能である。電鉄会社2は、対価を請求する電子メールを貸与元9から受け取ったら、その額を直接的に、もしくは金融機関を介して、貸与元9に支払う。また、電子メールを用いる代わりに紙媒体に印刷した請求書を送付することも可能である。
また、ブレーキパッドの摩耗量の検出だけを行い、回生失効の回数の低減化は行わないときには、回生失効防止装置50を設けずに、電車1に搭載する回生失効検出器12と、電鉄会社2の指令室などに設置されるデータ処理装置21とでシステムが構築されることになる。この場合のデータ処理装置21は、ブレーキパッドの摩耗量の算出に必要な構成を少なくとも有する処理装置になる。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態について説明する。なお、前記の実施形態と重複する説明は省略する。
図5に示す鉄道運営システムは、減速時に回生ブレーキEBを利用しつつ電車1を運行させ、力行する電車1で消費しきれない回生電力を回生失効防止装置50で吸収することで回生失効を極力防止し、機械ブレーキMBの消耗品の交換頻度の低減を図ることは前記の実施形態と同様であるが、本実施形態では回生失効防止装置50の導入により削減できる電力使用量の実測値をモニターして利用することを特徴とする。
電力使用量のモニターは、変電所5と電力会社の送電系統6との間に介装された電力検出器55,56,57により行う。電力検出器55,56,57としては、例えばコイルや抵抗を有する電流力計型計器などの電力計と、検出した電力量のデータを通信網を介して送信するための通信制御装置とを備える装置があげられる。
また、電鉄会社2のデータ処理装置21は、電力検出器55,56,57から送信されてくる電力量のデータを処理するための電力量処理部25を備え、記憶装置23には、その路線において標準的な受電電力値が記憶されている。ここで、受電電力とは、電車1の運行のための電力会社などから受け取る電力をいう。
次に、本実施形態において、月ごと、四半期ごと、半年ごと、あるいは一年ごとなどの所定期間を単位として繰り返される処理について図6のフローチャートを用いて説明する。なお、契約締結のための前準備を含む全体の流れは、前記の実施形態で図3を参照しながら説明したものと同じであり、図6のフローチャートは、図3のステップS8の処理に相当するものである。
回生電力を他の電車1で消費したり、回生失効防止装置50に蓄積できないときに、電車1の制御装置の過電圧継電器が作動すると(ステップS21)、回生失効検出器12が働き、回生失効が発生したことを記録する(ステップS22)。
回生失効検出器12は、回生失効の発生回数と、その電車1を特定する情報とを含む回生失効データを作成し、この回生失効データを電鉄会社2の指令室のデータ処理装置21が一定期間ごとに取得する(ステップS23)。そして、取得した回生失効データから、その電車1のブレーキパッドの摩耗量を算出し、ブレーキパッドの交換時期を予測する(ステップS24)。その予測結果は、ブレーキパッドの交換予告として電鉄会社2のメンテナンス部門にフィードバックされる(ステップS25)。
一方、データ処理装置21は、ステップS24で得られる予測結果に加えて、従来のブレーキパッドの交換周期のデータを取得して(ステップS26)、ブレーキパッドの交換周期が従来に比べて短くなったのか、長くなったのか、といった比較処理を行う(ステップS27)。
また、データ処理装置21は、通信網8を介して、その路線の全ての変電所5a,5b,5cの電力使用量を各電力検出器55,56,57から取得する(ステップS28)。その取得した電力使用量の総和を求め、その路線において標準的な受電電力量から電力使用量の総和を減じて、回生失効防止装置50の導入による電力使用量の変化分を算出する(ステップS29)。なお、標準的な受電電力量は、あらかじめ記憶装置23に記憶してある値を用いる。
ステップS27の比較処理の結果と、ステップS29で算出される電力使用量の変化分とを、貸与の対価(メリット料金)を算出させるために貸与元9の端末装置10に送信する(ステップS30)。
なお、端末装置10は、算出手段によりメリット料金を算出し、その算出結果を電子メールなどを用いて電鉄会社2に通知する。この通知を受けた電鉄会社2は、相当する金額を貸与元9に支払う。ここでのメリット料金は、比較処理の結果としてブレーキパッドの交換周期が長くなったら、その分だけ大きな金額になり、電力使用量の減少分が大きかったら、その分だけ大きな金額になる。
本実施形態によれば、電鉄会社2は、貸与された設備を利用して回生失効の発生回数を低減させることが可能になる。また、ブレーキパッドの交換時期についての示唆を得ることができる。一方、設備を貸与する貸与元9は、貸与に対する対価として、前記の第一実施形態の対価に加えて、回生電力を有効利用することで節約できる電力量についての対価を受け取ることが可能になる。節約できる電力量についての対価とは、回生電力を回生失効防止装置50に蓄積させ、一旦蓄積した電力を必要に応じて電車1に供給することで、電力会社からの送電のみによって電車1を運行させる場合に比べて節約できる電力量に相当する金額に、契約で定めた配分比率を乗じて算出する金額である。
なお、電鉄会社2の指令室において行われる処理を、効率良く行わせるためのユーザインターフェイスとしては、以下に説明するものがあげられる。
データ処理装置21を立ち上げると、制御部22の処理により、回生失効防止サービスのメニュー画面71がディスプレイ(不図示)に表示される。メニュー画面71は、詳細な処理の項目が、選択可能なボタンとして配列されている。具体的には、電車1を車両番号で特定して種々の情報を確認する処理を選択するボタン72と、線路を特定して回生の効率を調べたり、データを登録・追加する処理を選択するボタン73と、電力量の推移など、変電所5から取り込んだデータをグラフ化したトレンドグラフを表示させるボタン74と、変電所5のデータを検索したり、そのデータを登録・追加する処理を選択するボタン75と、ブレーキパッドの交換頻度の低減や、電力会社から供給を受ける電力量の削減といった、メリットの結果や、その推移を個別に、または総合して表示させる処理を選択するボタン76と、各種の設定を行うボタン77とがあげられる。
図8に示す車両番号データ画面81は、前記のメニュー画面71において、車両番号のボタン72を選択したときに行われる処理に対応して表示される画面である。車両番号データ画面81は、特定の車両番号を有する電車1について、現状の回生失効回数の累積数を表示する表示欄82と、運転時間を表示する表示欄83とを有している。また、各表示欄に表示された情報に基づいてブレーキパッドの寿命を予測するグラフ(予測寿命グラフ)を表示させるためのボタン84も備えている。なお、電車1を特定するための車両番号の入力は、この画面よりも前に表示される入力画面(不図示)を用いて行うが、この車両番号データ画面81に車両番号の入力欄を設けても良い。
図9に示す変電所データ画面91は、前記のメニュー画面において、変電所5のボタン75を選択したときに行われる処理に対応して表示される画面である。変電所データ画面91は、特定の変電所5について、その総蓄電容量の表示欄92と、総放電容量の表示欄93と、平均の回生電力量の表示欄94と、現状の蓄電容量の表示欄95と、トレンドグラフを表示させるためのボタン96とを有している。なお、変電所5に前もって割り当てられた番号など、変電所5を特定する情報の入力は、この画面よりも前に表示される入力画面(不図示)を用いて行うが、この変電所データ画面91に入力欄を設けても良い。
図10に示す予測寿命グラフ画面101は、ブレーキパッドの交換までの寿命を予測したグラフを示すグラフ領域102と、グラフについての詳細な情報を表示するグラフ詳細情報領域103とを有する。この図において、グラフ領域102には、時間(横軸)の経過に従って加算される回生失効の発生回数(縦軸)の実データが実線L1で示されており、実データから外挿した予想線が破線L2で示されている。この図からは、現状の失効回数の推移と、ブレーキパッドの交換を予告すべき時期に相当する回生失効の発生回数として前もって登録されている発生回数に到達する時期の予測値とがわかる。一方、グラフ詳細情報領域103には、グラフ領域102に2点破線で示す垂直線L3と実データを示す実線L1もしくは破線L2との交点に相当する回生失効回数の値と、運転時間の値とが、それぞれ現状回生失効回数の表示欄104と、運転時間の表示欄105に表示されるようになっている。グラフ領域102の垂直線L3はマウスやキーボードを操作することにより横軸に沿って移動させることが可能である。
本発明は、前記の各実施形態に限定されずに、広く応用することができる。
例えば、回生失効検出器12は、通信手段と別体の構成であっても良く、データを回生失効検出器12に着脱可能な磁気記録媒体などに記録し、電車1から回収した磁気記録媒体を図示しない通信制御装置から送信するようにしたり、磁気記録媒体を直接にデータ処理装置21に読み込ませても良い。
回生失効防止装置50は、図1において変電所5aと異なる構成要素として図示されているが、変電所5aに含まれる構成要素であっても良い。すべての変電所5a,5b,5cのそれぞれに1つずつ回生失効防止装置50を設置することも可能である。この場合は回生失効の発生回数を大幅に減少させることができるし、電力会社から供給を受ける電力量を大幅に低減させることができる。また、回生失効防止装置50は、貸与するものとして説明したが、一定期間使用した後に、所有権が電鉄会社2に移転するようにしても良い。
メリット料金、つまり貸与先からみた費用、貸与元9からみた対価は、貸与先側のデータ処理装置21で算出して、その算出結果を貸与元9に通知するようにしても良い。この場合にデータ処理装置21は、ブレーキパッドの摩耗量や、節約される電力量などから、回生失効防止装置50の設置に対する費用を算出する算出手段を備えることになる。また、回生失効の発生率の低下分に比例して費用を算出するようにしても良い。この場合はデータ処理装置21において、回生失効防止装置50の導入前の標準的な回生失効の発生回数から、回生失効防止装置50の導入後の回生失効の発生回数の実測値を減じ、さらに回生失効防止装置50の導入前の標準的な回生失効の発生回数で除算した値を用いる。
メリット料金の指標は、ブレーキパッドの摩耗量の増減とする代わりに、減少分を回生失効防止装置50の導入前の値で割って得られる摩耗量の減少率であっても良い。同様に、電力使用量の増減率であっても良く、回生失効の発生率でも良い。
図7から図10を用いて説明した画面71,81,91,101は、第一実施形態におけるデータ処理装置21においても適用することができる。ただし、第一実施形態では電力量のデータは取得しないので、電力量の情報に関する表示は行われないものとする。
本発明の実施形態における回生失効防止サービスを実現するための鉄道運営システムの概略構成図である。 回生失効防止装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態における全体の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 一定期間ごとに行われるブレーキマッドの摩擦量の検出処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における回生失効防止サービスを実現するための鉄道運営システムの概略構成図である。 一定期間ごとに行われるブレーキマッドの摩擦量の検出処理を示すフローチャートである。 回生失効防止サービスにおけるメニュー画面を示す図である。 回生失効防止サービスにおける車両番号データ画面を示す図である。 回生失効防止サービスにおける変電所データ画面を示す図である。 回生失効防止サービスにおける予測寿命グラフ画面を示す図である。 回生制動を説明する模式図で、(a)電車の速度、(b)回生ブレーキの作動状態、(c)機械ブレーキの作動状態を示す図である。 回生失効を説明する模式図で、(a)電車の速度、(b)回生ブレーキの作動状態、(c)機械ブレーキの作動状態を示す図である。
符号の説明
1 電車
2 電鉄会社
5 変電所
11 モータ
12 回生失効検出器(検出装置)
21 データ処理装置(検出装置)
24 通信制御装置
50 回生失効防止装置
55,56,57 電力検出器
101 予測寿命グラフ画面
MB 機械ブレーキ
EB 回生ブレーキ

Claims (12)

  1. 摩擦要素を備える機械ブレーキと、発電機が運動エネルギを電気エネルギに変換して減速を行う回生ブレーキとを備える電車において前記回生ブレーキの使用時に発生する回生失効の回数をインバータ出力電圧上昇により計数した結果を前記電車ごとに取得し、その摩擦要素を交換した時点からの前記回生失効の回数を算出し、前記回生失効の回数の累積数に比例する値をその摩擦要素の摩耗量として算出することを特徴とする電車の機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量の検出方法。
  2. 電気エネルギを吸収するために設けられた吸収手段が前記回生ブレーキにより発生する電力を吸収することで前記回生失効の発生回数を減少させた際に、前記回生失効の発生回数の減少に伴う前記摩擦要素の摩耗量の減少分を算出することを特徴とする請求項1に記載の電車の機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量の検出方法。
  3. 請求項2に記載の電車の機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量の検出方法を用いて算出された前記摩耗量の減少分を一定期間ごとに算出し、これに所定の比率を乗じた値を求めて、前記吸収手段を設置するための費用を算出することを特徴とする電車の回生失効防止に要する費用の算出方法。
  4. 前記吸収手段は吸収した電力を放電して前記電車に供給可能に構成されており、前記吸収手段が放電した電力量を取得し、これに所定の比率を乗じた値を求めて、前記吸収手段を設置するための費用を算出することを特徴とする請求項3に記載の電車の回生失効防止に要する費用の算出方法。
  5. 摩擦要素を備える機械ブレーキと、発電機が運動エネルギを電気エネルギに変換して減速を行う回生ブレーキとを備える電車において、前記回生ブレーキの使用時に発生する回生失効をインバータ出力電圧上昇により計数した結果である発生回数と、前記電車を特定する情報とを前記電車ごとに取得し、その摩擦要素を交換した時点からの前記回生失効の発生回数と、経過時間との関係を前記摩擦要素の検出結果としてグラフ表示させることを特徴とする電車の機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量の検出方法。
  6. 摩擦要素を備える機械ブレーキと、発電機が運動エネルギを電気エネルギに変換して減速を行う回生ブレーキとを備える電車に搭載された前記摩擦要素の摩耗量の検出装置であって、前記回生ブレーキの使用時に発生する回生失効の回数を前記電車ごとに集計して前記摩擦要素の摩耗量を算出するために、前記回生失効の発生を電圧上昇により計数した結果である発生回数と、前記電車を特定する情報とを含む回生失効データを作成する手段と、前記回生失効データを送信する無線通信手段とを備えることを特徴とする電車の摩擦要素の摩耗量の検出装置。
  7. 摩擦要素を備える機械ブレーキと、発電機が運動エネルギを電気エネルギに変換して減速を行う回生ブレーキとを備える電車において前記回生ブレーキの使用時に発生する前記回生失効を電圧上昇により計数した結果である発生回数と、前記電車を特定する情報とを通信網を介して前記電車ごとに取得する通信手段と、前記回生失効の発生回数を前記電車ごとに集計して、前記摩擦要素を交換した時点からの前記回生失効の発生回数を算出し、これに所定の係数を乗じて前記摩擦要素の摩耗量を算出する手段とを備えることを特徴とする電車の機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量の検出装置。
  8. 前記電気エネルギを吸収するために設けられた吸収手段が前記回生ブレーキにより発生する電力を吸収することで前記回生失効の発生回数を減少させた際に、前記回生失効の発生回数の減少に伴う前記摩擦要素の摩耗量の減少分を、前記吸収手段を設けない場合の摩耗量からの減少分として算出する手段を、さらに備えることを特徴とする請求項7に記載の電車の機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量の検出装置。
  9. 回生制動により電気エネルギを発生させる電車が路線を運行する際に、第一の期間に発生した回生失効の発生回数を記憶する手段と、前記路線について発生した前記電気エネルギを吸収手段に吸収させた第二の期間に発生した回生失効の発生回数を通信網を介して前記電車ごとに取得する通信手段と、前記第一の期間の回生失効の発生回数と前記第二の期間の回生失効の発生回数との差分から前記電車の機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量の減少分を算出する手段と、算出された摩耗量の減少分に所定の比率を乗じて、前記吸収手段を設置するための費用を算出する手段を備えて構成されることを特徴とする電車の回生失効防止に要する費用の算出装置。
  10. 前記吸収手段が吸収した電力を放電して前記電車に供給することが可能な場合に、放電により節約される電力量を取得し、取得した前記電力量に所定の比率を乗じて算出した額を求め、前記摩耗量の減少分に所定の比率を乗じた額に加えて、前記吸収手段を設置するための費用を算出するように構成したことを特徴とする請求項9に記載の電車の回生失効防止に要する費用の算出装置。
  11. 電車の減速時に発生する回生電力を吸収する吸収手段により、回生失効を防止させ、前記回生失効を防止した回数に対して課金を行う回生失効防止サービスにおける課金方法であって、
    前記課金の額は、前記電車ごとに算出される機械ブレーキの摩擦要素の摩耗量を通信網を介して取得し、この摩耗量に所定の係数を乗じることで算出することとし、前記摩耗量は前記電車ごとの回生失効の発生回数を、その摩擦要素を交換した時点からの累積の回数から算出したものであることを特徴とする電車の回生失効防止サービスにおける課金方法。
  12. 前記課金を算出するにあたり、前記吸収手段が放電した電力量を通信網を介して取得し、この電力量に所定の係数を乗じた額を、前記課金の額に加算することを特徴とする請求項11に記載の電車の回生失効防止サービスにおける課金方法。
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