JP2008032033A - 密封構造体 - Google Patents

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JP2008032033A JP2006202806A JP2006202806A JP2008032033A JP 2008032033 A JP2008032033 A JP 2008032033A JP 2006202806 A JP2006202806 A JP 2006202806A JP 2006202806 A JP2006202806 A JP 2006202806A JP 2008032033 A JP2008032033 A JP 2008032033A
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Atsushi Hosokawa
敦 細川
Hideo Nagaoka
秀夫 長岡
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Abstract

【課題】反圧側(清浄空間側)Kに半導体成膜時の酸化粉塵が溜まらず、かつ、凹溝への装着作業性が良好で、常に安定して清浄な姿勢を、凹溝内で保つ弾性シールを備えた密封構造体を提供する。
【解決手段】弾性シール1と、凹溝3を有する被取付部材2と、相手部材21と、から成る。弾性シール1は、中央線Lに関して左右非対称形であり、凹溝3は、反圧側Kに垂直壁面5を有し、圧力側Mに傾斜壁面6を有する。弾性シール1は、垂直壁面5に対応する反圧側ストレート部17を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体(真空)の密封に用いられる密封構造体に係り、特に、半導体製造装置や液晶製造装置のチャンバーゲート部に使用される密封構造体に関する。
従来、半導体(液晶)製造装置等に用いられる密封構造としては、図6(A)に示すOリング(シール41a)が広く使用されており、また、三叉状横断面の弾性シールと蟻溝から構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、従来から、図6(B)(C)(D)(E)の各々に示すような各種横断面形状の弾性シール41b,41c,41d,41eと蟻溝42から成る密封構造が知られている。
いずれの弾性シール41b,41c,41d,41eにせよ、平面図は図7に例示するような全体環状の形状である。また、上述のOリング(シール41a)は自由状態下で全体円形環状であるので、これを図7のような矩形に変形させたものを蟻溝42に嵌着していたので、矩形角部で引張りが生じるため、シール面に問題を生ずる場合があった。
また、図6(F)に示す弾性シール41fのような横断面形状と蟻溝42から成る密封構造も知られている(例えば、特許文献2参照)。
以上の図6(A)〜(F)のいずれの弾性シール41a〜41fも、蟻溝42は左右対称状の台形であり、左右に傾斜壁面を有する横断面形状のものであった。
特開2000−356267号公報 特開2004−316724号公報
上記特許文献1に記載の三叉状の弾性シール、及び、図6(B)(D)や図6(E)と、図6(F)(特許文献2)に示した横断面形状の弾性シール41b,41c,41d,41e,41fは、蟻溝42内で姿勢が不安定となってシール性が安定しない場合があり、溝底面に対する座り(安定性)が悪いため、蛇行して粉塵を発生する虞がある。この粉塵は、液晶や半導体の製造に於ては厳禁すべきことである。
また、図6(A)に示した弾性シール(Oリング)41aは、蟻溝42内で捩れを生じ、切断に至る虞があり、また、上記蓋体による圧接で蓋体に固着して蟻溝42から脱落する(抜け出る)という問題があり、さらに、蟻溝42の開口端縁部43,43と摩擦して摩耗粉(パーティクル)が生ずるという問題がある。また、メタルタッチを生ずることもある。
次に、図6(C)の弾性シール41cは蟻溝42内へ逆組付けを行ってしまう虞がある。また、(図6(A)と同様に)ゴムの摩耗粉(パーティクル)を発生する。
次に、図6(D)の弾性シール41dは蟻溝42内へ逆組付けを行う虞があり、また、ゴムの摩耗粉(パーティクル)を生じるという問題がある。
図6(C)と(D)と(F)に於て、特に、矢印Kは清浄空間側(内径側)───反圧側───であって、液晶や半導体が収納されて加工される清浄度が要求される側を示しており、その清浄空間側(内径側)Kの開口端縁部43に対して、弾性シール41c,41d,41fは摩耗粉(パーティクル)を発生する形状であった。
そして、図6(F)に示した弾性シール41fは、図6(G)に示すように、矢印45方向に撚りつつ蟻溝42内へスムーズかつ迅速に装入することが難しいという問題があった。
本発明に係る密封構造体は、上述の従来の弾性シールの問題点を解決して、清浄空間側(内径側)に弾性シールと蟻溝開口端縁部との摩耗粉(パーティクル)の発生を無くし、かつ、蟻溝内へ装入し易く、かつ、一旦装着後は蟻溝から不意に脱落することのない弾性シール(密封構造)を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、開口部と、平坦面に垂直の反圧側の垂直壁面と、上記開口部側へ近づくにつれて上記垂直壁面に接近する圧力側の傾斜壁面と、底壁面とを、有する凹溝を備えた被取付部材と、該凹溝内へ装着される弾性シールと、該弾性シールが上記凹溝から突出している突出部を押圧する相手部材と、を具備する密封構造体であって、上記弾性シールは、未圧縮装着状態に於て、上記底壁面に対応する底面ストレート部、及び、上記垂直壁面に対応する反圧側ストレート部と、上記傾斜壁面に当接する突隆肩部を、備えている。
また、上記弾性シールは、未圧縮装着状態に於て、上記底壁面に対応する底面ストレート部、及び、上記垂直壁面に対応する反圧側ストレート部と、上記傾斜壁面に当接する突隆肩部と、押圧の際に接近する上記相手部材と平行な頂面ストレート部を有する突出部を、備え、上記突隆肩部から上記突出部に渡って、上記開口部の開口端縁部との間に間隙部を形成したものである。
また、上記弾性シールの上記突出部は台形山型であり、かつ、該台形山型の一斜辺は延伸して上記突隆肩部に至り、他斜辺は延伸して上記反圧側ストレート部に至る横断面形状を備えている。
また、上記弾性シールの突隆肩部は、未圧縮装着状態に於て、傾斜壁面に直接当接する小アール部と、該小アール部に連続状の垂直ストレート部と、を具備し、該垂直ストレート部と上記底面ストレート部とをアール部又は勾配部にて連結した横断面形状である。
また、圧縮受圧状態に於て、凹溝の底壁面と垂直壁面の隅部に空隙が無い状態として弾性シールが該隅部内面に圧接するように構成した。
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
弾性シールを凹溝内へ装入し易い。しかも、一旦装入されれば、弾性シールが凹溝内から抜け出る(脱落する)ことを防止可能である。即ち、弾性シールの装入後の圧縮受圧状態下で、反圧側ストレート部を凹溝の垂直壁面に圧着し、かつ、底面ストレート部が凹溝の底壁面に圧着し、相手部材の遊離に伴って弾性シールが凹溝から抜け出る(脱落する)ことを、有効に防止できる。かつ、弾性シールは凹溝内にて常に安定姿勢を維持する。
さらに、弾性シールの凹溝への装入が容易でありながら、撚れが生じ難い。特に、清浄空間側(反圧側)にゴム摩耗粉がほとんど発生せず、半導体や液晶の製造装置に好適である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
図1〜図4に本発明に係る密封構造の実施の一形態を示し、この密封構造は、凹溝3を備えた被取付部材2と、この凹溝3内へ装着されるゴム製等の弾性シール1と、平坦面20を有して蟻溝3内の弾性シール1を押圧する相手部材21とから成る。
弾性シール1は、全体が略矩形状(図7参照)や、競技トラック状(長円形状)や楕円形や円形等の環状である。
この密封構造体は、例えば、半導体製造装置や(大型)液晶製造装置のチャンバー入口のゲート部の(主として真空の)密封用として好適である。この場合、上記被取付部材2はバルブシート(又はゲート)が想到し、他方、これに接近離間自在に対応する平坦面20を有する相手部材21は、ゲート(又はバルブシート)が相当する。
上記凹溝3は、開口部4と、平坦面2aに垂直の反圧側(清浄空間側)Kの垂直壁面5と、開口部4側へ近づくにつれて垂直壁面5に接近するように傾いた圧力側(大気側)Mの傾斜壁面6と、平坦な底壁面7とを、有している。底壁面7は平坦面2aと平行である。
従来の凹溝は、図6(A)〜(G)に示す如く、左右対称形───台形状───であったのに対して、本発明の凹溝3は、左右中央線Lに関して非対称である。従って、このような凹溝3を、本発明に於て、非対称蟻溝(又は、片蟻溝)と呼ぶ場合がある。
なお、図1に於て、左側が大気側(圧力側)Mであって、右側は真空圧となる清浄空間側であり、反圧側Kと呼ぶ。反圧側(清浄空間)Kとは、半導体や液晶等が収納されて各種加工が施されているチャンバー空間室の存在する側であり、特に、清浄な(微粉塵の無い)ことが要求される空間が相当する。
そして、非対称蟻溝(片蟻溝)3の横断面形状に於て、底壁面7と垂直壁面5との隅部28aは中径のアール状(弯曲状)に形成されており、また、底壁面7と傾斜壁面6との隅部28bは大径のアール状(弯曲状)に形成されている。このように非対称蟻溝(片蟻溝)の凹溝3は、やや丸味のある非対称台形状として、平坦面2aに凹設され、奥側が拡大している。
この弾性シール1の横断面形状は、凹溝3内へ装着されかつ相手部材21の平坦面20が押圧(接触)しない未圧縮装着状態───図1と図2参照───に於て、凹溝3の左右中央線Lに関して非対称形であって、例えば、凹溝3から突出している突出部9は中央線Lに関して非対称形であって、反圧側(清浄空間側)Kに僅かに偏っている。相手部材21の平坦面20は直接にこの突出部9の頂面ストレート部10を押圧する。そして、弾性シール1は、凹溝3の底壁面7に対応する底面ストレート部11を有し、頂面ストレート部10と底面ストレート部11は相互に平行であり、前者の幅寸法は後者の幅寸法よりも、十分小さい。また、弾性シール1は、凹溝3の垂直壁面5に対応する反圧側ストレート部17、及び、傾斜壁面6に当接する突隆肩部12を有する。
この突隆肩部12から突出部9に渡って、開口部4の大気側(圧力側)Mの開口端縁部4b(角部)との間に、間隙部Gが形成される。具体的には、頂面ストレート部10に至る所定傾斜角度θの勾配部14を備え、この傾斜角度θは凹溝3の傾斜壁面6の傾斜角度と略同一乃至僅かに大に設定されて、勾配部14と傾斜壁面6は略平行として、略同一幅の間隙部Gが形成されている。
突隆肩部12は、傾斜壁面6に近接乃至軽く当接する、底壁面7からの高さ寸法H12は、凹溝3の深さ寸法H3 の60%〜95%に設定する。即ち、0.60×H3 ≦H12≦0.95×H3 とする。特に、傾斜壁面6と、開口端縁部4bのアール部(アール面取り部)との交点よりも下方位置に於て、突隆肩部12が当接するように、上記高さ寸法H12の上限値を設定するのが望ましい。
また、反圧側Kに於て、反圧側ストレート部17の上端から突出部9に渡って、上方(開口方向)に拡大する倒立三角形状間隙部G′が形成される。具体的には、頂面ストレート部10に至る所定傾斜角度θ′の勾配部13を備え、この傾斜角度θ′は、圧力側Mの勾配部14の傾斜角度θと略等しい。言い換えれば、突出部9は、左右斜辺(脚)が等しい長さの等脚台形状である場合を例示する。頂面ストレート部10は、(図1のように)押圧の際に接近する相手部材21の平坦面20と平行状である。
このように、弾性シール1の突出部9は台形山型であり、しかも、上述の内容及び図1〜図3からも明らかなように、この台形山型の一斜辺14Aは延伸して、前記勾配部14を構成しつつ突隆肩部12に至り、台形山型の他斜辺13Aは延伸して前記勾配部13を構成しつつ反圧側ストレート部17に至る横断面形状を備えている。つまり、この弾性シール1の上半部位は、突出部9と相似形であって、突出部9よりも大きく台形山型(等脚台形状)であり、凹溝3の左右中央線Lよりも反圧側Kへ移動した位置に配設されていると言える。
次に、図3は本発明に係る弾性シール1の横断面形状をさらに詳しく説明するための図であって、上述の図1と図2と合わせて説明すれば、この弾性シール1は、頂面ストレート部10の反圧側Kの端部と、勾配部13の上端との角部は小さな半径R15の頂角部15に形成され、勾配部13と反圧側ストレート部17は、小さな半径R16のアール部16を介して、連結されている。また、反圧側ストレート部17(の下端)と、底面ストレート部11とは、比較的大きな半径R18のアール部18を介して連結される。
他方、頂面ストレート部10の圧力側Mの端部と、勾配部14の上端との角部は、小さな半径R19の頂角部19に形成されている。勾配部14の下端と、突隆肩部12の上辺部とは、半径R22の弯曲凹部22を介して、連結される。
そして、突隆肩部12は、(図1に示す)未圧縮装着状態に於て、傾斜壁面6に直接当接する小アール部12Aと、この小アール部12Aに連続状の垂直ストレート部12Bと、小アール部12Aと前記弯曲凹部22とを結ぶ緩勾配状乃至水平状の小ストレート部12Cとをもって、構成される。小ストレート部12Cの傾斜角度は約0°〜15°に設定するのが好ましい。その理由は、弾性シール1の凹溝3からの抜け防止作用(脱落防止作用)が大きくできるからである。小アール部12Aの半径R12を十分に小さくする理由も同様である。
また、上記垂直ストレート部12Bと底面ストレート部11とは、大きな半径R24のアール部24を介して連結する。なお、図3では、小さな半径R25,R26の小アール部25,26と大きなアール部24を介して、垂直ストレート部12Bの下端を、底面ストレート部11に連結している場合を例示する。
なお、いずれの場合にあっても、半径R24を無限大としても自由である。そのときは、アール部24が、勾配部(直線状部)となる(図示省略)。
図1と図2に示すように、本圧縮装着状態では、非対称蟻溝(凹溝)3の隅部28aと、弾性シール1のアール部18の間に、小さな空隙30が形成されているが、図5に示すように、圧縮受圧状態では、片蟻溝(凹溝)3の底壁面7と垂直壁面5の隅部28aに空隙が無い状態として、弾性シール1のアール部18は隅部28a内面に圧接するように、弾性シール1の形状寸法と非対称蟻溝(片蟻溝)3の形状・寸法を設定する。
図2と図3に於て、破線にて示した水平方向の直線Lh は、この弾性シール1の高さ寸法の半分の位置であって、上下中間高さを示す直線である。即ち、弾性シール1の上半部31と下半部32を区分する中間高さ表示直線Lh といえる。本発明の弾性シール1を、従来の図6に示した弾性シール41aや41eや41fに比較すれば、本発明のものは、下半部32の断面積割合が、上半部31よりも、十分大きく、どっしりと安定していることが判る。
具体的には、全断面積に占める上半部31の割合を、30%〜40%に設定し、下半部32は、アール部18,24, 25, 26を除いて略長方形であり、特に、底面ストレート部11及び反圧側ストレート部17が、(相互に直角をなす)底壁面7及び垂直壁面5に安定して接触している。
逆に、上半部31は凹溝3の開口部4の幅寸法W4 に対し、未圧縮装着状態に於て、平坦面2aと同一平面にて切断したときの上半部31の幅寸法W31は、50%〜70%と十分に小さい。従って、左右に夫々、十分に大きな間隙部G,G′が未圧縮装着状態にて形成され(図1と図2参照)、相手部材21を押圧してゆけば、突出部9等は弾性的に圧縮変形して間隙部G,G′は減少するが、無くならずに残る。言い換えれば、圧縮装着状態に於て、突出部9等の弾性的圧縮変形は、十分に大きい上記間隙部G,G′に収まる。なお、図5(A)は圧力側から圧力P0 が作用した状態───圧縮受圧状態───を示し、前述の間隙部G,G′が減少しているといえども残留しており、特に、圧力側Mの間隙部Gは確実に残っていることが判る。
そして、反圧側Kの開口端縁部4aに対して、弾性シール1の勾配部13は、(強く)接触せず、従って、パーティクル(ゴムの摩耗粉)が発生することを防止できる。
底面ストレート部11を十分大きく形成し、かつ、凹溝3の垂直壁面5に対して反圧側ストレート部17が押圧され、弾性シール1は常に安定姿勢を保ちつつ、安定した密封性能を発揮し、かつ、捩れを生じない利点もある。さらに言えば、底面ストレート部11・反圧側ストレート部17は、夫々、凹溝3の底壁面7・垂直壁面5に、比較的大きい面圧(接触面圧)Pにて、図5(A)のように接触することで、(いわば故意に)固着を発生させて、相手部材21が分離する際(上蓋開放時)に、弾性シール1が凹溝3から脱落する(引き抜けて出る)ことを、防いでいる。かつ、断面形状がストレート部11, 17を有する異形であるので、捩れが発生せず、しかも、図4に示す如く、弾性シール1の凹溝3への装着が極めて容易となる。
図4に於て、装着方法等につき、さらに説明すると、弾性シール1を図示のように傾斜状として、突隆肩部12から開口部4の一方の開口端縁部4b側から差込み、弯曲凹部22を開口端縁部4bに対応(接触)させつつ、矢印N方向に回転させつつ、弯曲凹部22を中心として押込むが、その際、凹溝3は垂直壁面5を有していて開口部4の幅寸法W4 (図1参照)も大きく、スムーズに開口端縁部4aを乗り越えつつ、凹溝3内へ装着できる。これを従来例を示す図6(G)と比較すれば、この図6(G)の弾性シール41fでは装着が困難であることが明らかである。
次に、図5(A)に戻って追加説明すると、この図は圧縮受圧状態を示し、その状態での接触面圧力Pを示す(有限要素法による)FEM解析図である。また、図5(B)はOリング41aについての同じ圧縮受圧状態に於ける接触面圧を示すFEM解析図である。
この図5(A)と(B)とを比較すれば判るように、Oリング41aでは上下面での接触面圧分布が略同じとなると共に、相手部材21との接触面圧P分布が丸山型となり、中央にピーク圧を生じ、相手部材21に固着し易くて、相手部材21を開放する際に、相手部材と共に、蟻溝42から脱落する虞がある。また、左右両開口端縁部43, 43と摩擦しつつOリング41aは圧縮するので、ゴム摩耗粉(パーティクル)を発生し易く、清浄空間側Kに悪影響を与える。
これに対し、本発明では、図5(A)のように相手部材21との接触面圧P分布が比較的なだらかな高原型となり、上下面幅に差が付いている(上面幅より下面幅が大きい)ため、相手部材21に固着しにくくなる。さらに言えば、図5(A)の場合はなだらかな接触面圧力P分布であるので、図5(B)の丸い山型の場合よりも、その積分値(耐荷重値)が大きく、高荷重に耐えることが可能であって、相手部材21と被取付部材2とが相互に接触すること───いわゆるメタルタッチ───を防止できる。
さらに、図5(A)のように垂直壁面5に対して低い面圧Pにて上下全体に接触するので、反圧側Kの開口端縁部4aの近傍にて、パーティクル(ゴム摩耗粉)を発生しにくい利点もある。また、突隆肩部12は大きい面圧Pにて接触しており、かつ、凹溝3の傾斜壁面6が対応するので、図5から図1の状態に変化する際(相手部材21の開く際)、弾性シール1が抜け出る(脱落する)ことを有効に防止できる。
このように、図1と図5の相互変換作動の際に、下半部32は大きな断面積で、かつ、ストレート部11, 17を有して、凹溝3内にて常に安定した姿勢を維持している。
なお、本発明は上述の実施の形態に限らず設計変更自由であって、例えば、アール部18の半径R18を無限大として、反圧側ストレート部17と底面ストレート部11とを、勾配線(直線)にて結ぶことも可能であり、また、頂面ストレート部10を十分大きな半径とした上方凸状大弯曲部とするも自由である(図示省略)。
本発明は上述のように、開口部4と、平坦面2aに垂直の反圧側Kの垂直壁面5と、上記開口部4側へ近づくにつれて上記垂直壁面5に接近する圧力側Mの傾斜壁面6と、底壁面7とを、有する凹溝3を備えた被取付部材2と、該凹溝3内へ装着される弾性シール1と、該弾性シール1が上記凹溝3から突出している突出部9を押圧する相手部材21と、を具備する密封構造体であって、上記弾性シール1は、未圧縮装着状態に於て、上記底壁面7に対応する底面ストレート部11、及び、上記垂直壁面5に対応する反圧側ストレート部17と、上記傾斜壁面6に当接する突隆肩部12を、備えているので、直交する2つのストレート部11, 17が、直交する底壁面7・垂直壁面5に、夫々接触(当接)して、常に安定姿勢を保ち、優れたシール性(密封性)を安定して発揮でき、かつ、高荷重にも耐えて、メタルタッチを防ぐ。さらに、凹溝3の底壁面7・垂直壁面5に対して、弾性シール1のストレート部11, 17が対応して、図5(A)に示す如く、凹溝3内で故意に固着を発生させ、凹溝3から弾性シール1がゲート蓋(相手部材21)と共に抜け出る(脱落する)ことを有効に防止できる。
また、上記弾性シール1は、未圧縮装着状態に於て、上記底壁面7に対応する底面ストレート部11、及び、上記垂直壁面5に対応する反圧側ストレート部17と、上記傾斜壁面6に当接する突隆肩部12と、押圧の際に接近する上記相手部材21と平行な頂面ストレート部10を有する突出部9を、備え、上記突隆肩部12から上記突出部9に渡って、上記開口部4の開口端縁部4bとの間に間隙部Gを形成した構成であるので、圧力側(大気側)Mでは適度の圧縮弾性変形が確保できる。また、大気側Mではゴミが溜まっても半導体製造チャンバーへの影響がなく、問題が生じない。
また、上記弾性シール1の上記突出部9は台形山型であり、かつ、該台形山型の一斜辺14Aは延伸して上記突隆肩部12に至り、他斜辺13Aは延伸して上記反圧側ストレート部17に至る横断面形状を備えている構成であるので、弾発的に相手部材21に接触して優れた密封性(シール性)を発揮できる。
また、上記弾性シール1の突隆肩部12は、未圧縮装着状態に於て、傾斜壁面6に直接当接する小アール部12Aと、該小アール部12Aに連続状の垂直ストレート部12Bと、を具備し、該垂直ストレート部12Bと上記底面ストレート部11とをアール部24又は勾配部にて連結した横断面形状であるので、突隆肩部12の小アール部12Aは傾斜壁面6に強く直接的に当接して、弾性シール1の凹溝3からの抜け出し(脱落)を防ぎ得る。
また、圧縮受圧状態に於て、凹溝3の底壁面7と垂直壁面5の隅部28aに空隙が無い状態として弾性シール1が該隅部28a内面に圧接するように構成したので、圧力P0 が作用した圧縮受圧状態での安定姿勢が維持できる。
本発明の実施の一形態を示す未圧縮装着状態の断面図である。 形状と寸法関係を説明する簡略図である。 断面形状説明図である。 装着作業の説明図である。 本発明とOリングとを比較した圧縮受圧状態の比較説明図である。 従来例の説明用要部断面図である。 全体の平面図である。
符号の説明
1 弾性シール
2 被取付部材
3 凹溝
4 開口部
4b 開口端縁部
5 垂直壁面
6 傾斜壁面
7 底壁面
9 突出部
10 頂面ストレート部
11 底面ストレート部
12 突隆肩部
12A 小アール部
12B 垂直ストレート部
13 勾配部
13A 他斜辺
14 勾配部
14A 一斜辺
17 反圧側ストレート部
18 アール部
21 相手部材
24 アール部
G 間隙部
K 反圧側(清浄空間側)
M 圧力側(大気側)

Claims (5)

  1. 開口部(4)と、平坦面(2a)に垂直の反圧側(K)の垂直壁面(5)と、上記開口部(4)側へ近づくにつれて上記垂直壁面(5)に接近する圧力側(M)の傾斜壁面(6)と、底壁面(7)とを、有する凹溝(3)を備えた被取付部材(2)と、
    該凹溝(3)内へ装着される弾性シール(1)と、
    該弾性シール(1)が上記凹溝(3)から突出している突出部(9)を押圧する相手部材(21)と、
    を具備する密封構造体であって、
    上記弾性シール(1)は、未圧縮装着状態に於て、上記底壁面(7)に対応する底面ストレート部(11)、及び、上記垂直壁面(5)に対応する反圧側ストレート部(17)と、上記傾斜壁面(6)に当接する突隆肩部(12)を、備えていることを特徴とする密封構造体。
  2. 開口部(4)と、平坦面(2a)に垂直の反圧側(K)の垂直壁面(5)と、上記開口部(4)側へ近づくにつれて上記垂直壁面(5)に接近する圧力側(M)の傾斜壁面(6)と、底壁面(7)とを、有する凹溝(3)を備えた被取付部材(2)と、
    該凹溝(3)内へ装着される弾性シール(1)と、
    該弾性シール(1)が上記凹溝(3)から突出している突出部(9)を押圧する相手部材(21)と、
    を具備する密封構造体であって、
    上記弾性シール(1)は、未圧縮装着状態に於て、上記底壁面(7)に対応する底面ストレート部(11)、及び、上記垂直壁面(5)に対応する反圧側ストレート部(17)と、上記傾斜壁面(6)に当接する突隆肩部(12)と、押圧の際に接近する上記相手部材(21)と平行な頂面ストレート部(10)を有する突出部(9)を、備え、
    上記突隆肩部(12)から上記突出部(9)に渡って、上記開口部(4)の開口端縁部(4b)との間に間隙部(G)を形成したことを特徴とする密封構造体。
  3. 上記弾性シール(1)の上記突出部(9)は台形山型であり、かつ、該台形山型の一斜辺(14A)は延伸して上記突隆肩部(12)に至り、他斜辺(13A)は延伸して上記反圧側ストレート部(17)に至る横断面形状を備えている請求項2記載の密封構造体。
  4. 上記弾性シール(1)の突隆肩部(12)は、未圧縮装着状態に於て、傾斜壁面(6)に直接当接する小アール部(12A)と、該小アール部(12A)に連続状の垂直ストレート部(12B)と、を具備し、該垂直ストレート部(12B)と上記底面ストレート部(11)とをアール部(24)又は勾配部にて連結した横断面形状である請求項1,2又は3記載の密封構造体。
  5. 圧縮受圧状態に於て、凹溝(3)の底壁面(7)と垂直壁面(5)の隅部(28a)に空隙が無い状態として弾性シール(1)が該隅部(28a)内面に圧接するように構成した請求項1,2,3又は4記載の密封構造体。
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