JP2008030334A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流路板を電鋳皮膜で形成するときに、電鋳皮膜の膜厚のバラツキが生じて、研磨などの平面処理を施さなければ、接着剤のはみ出し、接合不良などが生じ易くなる。
【解決手段】液滴を吐出する複数のノズル4が連通する複数の液室6及びこの液室6に液体を供給する液室6よりも幅の狭い流体抵抗部7を含む流路42が形成された流路板1と、この流路板1の流路42が形成される面に接合されて流路42の壁面を形成する振動板3とを備え、流路板1は、メッキ金属で形成され、振動板3と接合する面側で、複数の流路42が並ぶ流路列領域43の外側に、この流路列43に沿って金属がない複数の肉抜き部44を有し、流路42と隣り合う肉抜き部44との間の間隔C1が、液室6間の間隔A以上で、流体抵抗部7の間隔B以下である。
【選択図】図9

Description

本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び画像形成装置に関し、特に流路板が金属部材で形成される液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行うものがある。
なお、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体とは記録液、インクに限るものではなく、画像形成を行うことができる液体であれば特に限定されるものではない。また、液体吐出装置とは、液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像を形成するものに限らない。
液体吐出ヘッドとしては、例えば、数μm〜数十μmの大きさの液滴を吐出するノズル、このノズルが連通する液室、液室の壁面を形成する振動板と、振動板を介して液室内の記録液を加圧する圧電素子などの圧電アクチュエータとを備えたもの、液滴を吐出するノズル、ノズルが連通する液室と、液室内の記録液を発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて膜沸騰による相変化を利用して加圧するサーマルアクチュエータとを備えたもの、液滴を吐出するノズル、このノズルが連通する液室、液室の壁面を形成する振動板と、振動板に対向する電極との間で生じる静電力で振動板を変位させて液室内の記録液を加圧する静電アクチュエータとを備えたものなどが知られている。
ノズルを形成するノズル板としては、金属プレートをパンチプレス等で抜いたもの、ニッケルなどの金属を用いた電鋳で形成されたもの、有機高分子樹脂材料にエキシマレーザー等のレーザー加工で穿孔したものなどが挙げられる。
また、流路を形成する流路板(流路形成部材、液室形成部材、液室部材なども同義で用いる。)としては、パンチプレス等で抜いた金属プレートを接着接合し積層したもの、シリコン単結晶基板を異方性エッチングして形成したもの、SUSなどの金属プレートをエッチングで形成したもの、電鋳法で形成したものなどが挙げられる。例えば、特許文献1には電鋳法で形成することが、特許文献2にはシリコンやステンレスのエッチングで形成することが、特許文献3にはエッチングで形成することがそれぞれ記載されている。
特開2002−210986号公報 特開平05−261916号公報 特開2003−237065号公報
そして、ヘッドの組み立てに当たって、特許文献4にはシリコン又は金属プレートをエッチングして形成した流路板とノズル板や振動板を接着剤で接合することが記載されている。
特開2002−240277号公報
また、流路形成部材とノズル板、振動板と接着剤などで貼り合わせる場合に加熱接合を行うときに生じる応力を緩和するために、特許文献5には硬化時の降温速度を制御することが、特許文献6には接着時の非貼付け部を設けることが、特許文献7には液室形成部材の流路を形成した面と反対側の接合面に凹部形成して液室形成部材の両面の凹部を除く表面積を略同じにすることがそれぞれ記載されている。
特開平7−299911号公報 実公平7−11982号公報 特開2003−276192号公報
あるいは、接合を省略するものとして、特許文献8、9には電鋳法でノズル板と流路板一体形成することが、特許文献10には圧力室間の隔壁と振動板とを同一の電鋳金属部材で一体に形成することが、特許文献11にはシリコンウエハを加工してノズル板、液室隔壁および振動板を一体形成することが、それぞれ記載されている。
特許第3452258号公報 特開平6−305142号公報 特開2005−238531号公報 特開平11−170548号公報
また、流路形成部材に設けられた加圧液室の高さ部分を電鋳で作製するとき、特許文献12、13にはレジスト幅とレジスト高さのアスペクト比を規定した2層電鋳を用いた流路形成部材の例が記載されている。
特開2002−210986号公報 特許第3045180号公報
また、特許文献14にはチップ単位で区切ることでノズル板膜厚バラツキを制御することが、特許文献15には振動板において肉抜きパターンを持たせることでバラツキを制御することが、特許文献16には異種材料により形成した基板を接合するときに、線膨張係数の大きい材料の基板の接合面に肉抜き部を設けて加熱接合することがそれぞれ記載されている。
特許第3480617号公報 特開2004−74582号公報 特開2001−301176号公報
ところで、液体吐出ヘッドを備える画像形成装置にあっては、情報処理装置の処理能力向上による高画質化、高速化が要請されている。そこで、液体吐出ヘッドは、高速化に対応するため、ノズル数の増加、それに伴う流路(流路パターン)の高密度化が求められている。
ここで、特許文献4に記載されているように、流路形成部材(流路板)とノズル板、振動板と接着剤などで貼り合わせる場合に加熱接合を行うと、異種材料、例えばステンレス合金−シリコンやシリコン−ニッケルなどの異種金属同士、ポリイミド樹脂−シリコンなどの樹脂−金属の構成となる場合には、その線膨張係数の差違により、冷却時に残留応力が発生し、接合面の反りや剥離が発生してしまうことがある。液体吐出ヘッドにおける異種材料部材間の接合時の線膨張係数差に起因する残留応力の問題は、液体吐出ヘッドのノズル数が増加し、ヘッド長が長くなるほどより顕著になる。
そこで、応力緩和のために、特許文献5ないし7に記載されているような構成が採用されるが、上述した異種材料の線膨張係数の差は、例えば、ニッケルとシリコンとの間では約3〜4倍あり、加熱接着をする場合に、完全に残留応力をなくすことができず、反りが発生する。
一方、残留応力の問題を解決するために、熱をかけない常温接合が挙げられるが、常温で硬化するものは、一般的に可使時間が短く、また、硬化時間も24時間以上必要になるなど、長時間となって生産性が悪いといった課題がある。
また、シリコン基板を用いる場合、加圧液室からノズル孔への連通部分でシリコン基板を貫通させる必要があり、この貫通加工には、ICP(インダクタンス結合型プラズマ)エッチング装置などの高密なプラズマを発生させることができる高価なエッチング装置が必要であり、また、異方性エッチングに用いるシリコン基板は面方位(110)が加圧液室の高密度配置には適しているが、通常の単結晶シリコン基板と比較して生産量が少なく高コストであることも課題となる。
また、金属部材をエッチングして流路板を形成する場合においても、流路形成部材の流路を高密度に配置させた場合、エッチング時にサイドエッチング現象が発生し、上記流路形成部材の貫通加工において、貫通前に、サイドエッチングの影響で加圧液室が繋がってしまうなど、高密度化には限界があることが分かっている。
そのため、特許文献8ないし11に記載されているように、ノズル板、流路板、振動板の少なくとも2つを一体形成することが行われるが、ノズル板、流路板、振動板すべてを一体形成しない限り接合部分は残存するし、特許文献11に記載のようにすべてをシリコンから形成するのでは上述したようにコストが極めて高くなるなどの課題が生じる。
そこで、流路板は金属部材、特に電鋳法によって形成することが好ましいと言える。ところが、電鋳法で流路板を形成するときには、ドライフィルムレジスト(DFR)等の電気絶縁皮膜をパターン形成して電鋳を実施することになるが、レジストの遮蔽面積が大きくなるほど、その部分の電界がレジスト端部の電極部に集中し、電鋳膜厚が厚くなる傾向がある。
そして、この膜厚ばらつき(これを「偏肉」という。)は、流路形成部材とノズル板又は振動板と接合するときに大きな問題となる。つまり、偏肉量が大きいと、完全に接合するには、その偏肉量以上の接着剤厚さが必要となり、接着剤量が増えると、接着剤のはみ出し、ノズル孔の閉塞などの新たな問題も発生する。
この場合、特許文献12、13にはレジスト幅とレジスト高さのアスペクト比を規定した2層電鋳を用いることが記載されているものの、これらの特許文献では上記偏肉については何ら認識されていない。そのため、完全な接合を得るには、接着剤量を増やすなどの方法が必要となり、接着剤のはみ出しを抑えるにはスペーサーなどの別部材を配置させる、もしくは、膜厚を一定にするために研磨を行うなどの措置を講じなければならないことになる。
また、特許文献14にはチップ単位で区切ることでノズル板膜厚バラツキを制御することが記載されているものの、このようにチップ単位で区切ることは製造工程が複雑になるという課題がある。また、ノズル板はレジストパターン自体が高密度でないために上記の偏肉の問題はそれほど大きくない。
一方、振動板にあっては、駆動素子の変位を加圧液室に伝達する凸部を形成するため、パターン密度の疎密が大きくなることから、特許文献15、16に記載されているように、膜厚補正パターン(肉抜きパターン)を形成することで対応している。この膜厚補正パターンの形成により、振動板膜厚約30μmに対して、偏肉量は5μm程度に抑えることが可能となり、接着剤量の増加で接合が可能となっている。
これに対して、流路板の厚みは振動板の厚さに比べて極めて厚いので、流路形成部材を電鋳法で形成すると、偏肉量は10μm以上となり、単に補正パターン(肉抜きパターン)を形成するだけでは、ノズル板や振動板と完全に接合することができず、両部材間のシール性の接合信頼性が十分でなく、接着剤を増やすと、接着剤のはみ出し、ノズル孔の閉塞などの新たな問題を生じるという課題が残っている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、流路板の偏肉を低減した液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズルが連通する複数の液室及びこの液室に液体を供給する液室よりも幅の狭い流体抵抗部を含む流路が形成された流路板と、この流路板の前記流路が形成される面に接合されて前記流路の壁面を形成する部材とを備え、前記流路板は、メッキ金属で形成され、前記部材と接合する面側で、前記複数の流路が並ぶ流路列領域の外側に、この流路列に沿って前記金属がない複数の肉抜き部を有し、前記流路と隣り合う肉抜き部との間の間隔が、前記液室間の間隔以上で、前記流体抵抗部の間隔以下である構成とした。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズルが連通する複数の液室を含む流路が形成された流路板と、この流路板の前記流路が形成される面に接合されて前記流路の壁面を形成する部材とを備え、前記流路板は、メッキ金属で形成され、前記部材と接合する面側で、前記複数の流路が並ぶ流路列領域の外側に、この流路列に沿って前記金属がない複数の肉抜き部を有し、前記流路と隣り合う肉抜き部との間の間隔が、前記液室間の間隔と略同じである構成とした。
ここで、隣り合う前記肉抜き部の間隔が前記流路の液室間の間隔と略同じであることが好ましい。また、前記流路板の前記流路が形成される面に接合されて前記流路の壁面を形成する部材が、振動板である構成、電気熱変換体を有する基板である構成、ノズル板である構成とできる。また、流路板と振動板又は基板を接合する場合、前記ノズルを形成する部材と流路板が一体形成されている構成とできる。
また、前記流路板はニッケル電鋳で形成されていることが好ましい。また、複数のノズルを並べた異なる色の液滴が吐出されるノズル列を複数列有している構成とすることが好ましい。
本発明に係る液体吐出装置、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えている構成とした。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、流路板は、メッキ金属で形成され、部材と接合する面側で、複数の流路が並ぶ流路列領域の外側に、この流路列に沿って金属がない複数の肉抜き部を有し、流路と隣り合う肉抜き部との間の間隔が、液室間の間隔以上で、流体抵抗部の間隔以下である構成としたので、流路列領域の周りの領域での偏肉が低減する。これにより、研磨などを行わないでもシール性を確保することができ、あるいは、研磨を行なう場合であっても研磨量などを低減することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、流路板は、メッキ金属で形成され、部材と接合する面側で、複数の流路が並ぶ流路列領域の外側に、この流路列に沿って金属がない複数の肉抜き部を有し、流路と隣り合う肉抜き部との間の間隔が、液室間の間隔と略同じである構成としたので、流路列領域の周りの領域での偏肉が低減する。これにより、研磨などを行わないでもシール性を確保することができ、あるいは、研磨を行う場合であっても研磨量などを低減することができる。
本発明に係る液体吐出装置、本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので信頼性が向上する。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの一例について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図3は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、例えば金属部材からなる流路形成部材である流路板1と、この流路板1の上面に接合したノズル形成部材である金属部材からなるノズル板2と、この流路板1の下面に接合した金属部材からなる振動板3とを有し、これらによって液滴を吐出するノズル4が連通路5を介して連通する加圧液室6、流体抵抗部7、この流体抵抗部7を介して液室6と連通する連通部8を形成し、連通部8に振動板3に形成した供給口9を介して後述するフレーム部材17に形成した共通液室10から記録液(例えばインク)を供給する。
そして、液室6の壁面を形成する振動板3の面外側(液室6と反対面側)に、各加圧液室6に対応して、振動板3に形成した図示しない連結部を介して駆動素子(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての積層型圧電素子12の上端面を接合している。また、積層型圧電素子12の下端面はベース部材13に接合している。
ここで、圧電素子12は、圧電材料層21と内部電極22a、22bとを交互に積層したものであり、内部電極22a、22bをそれぞれ端面に引き出して端面電極(外部電極)23a、23bに接続し、端面電極23a、23bに電圧を印加することで積層方向の変位を生じる。
そして、圧電素子12には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル15を接続し、このFPCケーブル15には各圧電素子12に選択的に駆動波形を印加するための図示しない駆動回路(ドライバIC)を実装する。
なお、液室短手方向(ノズル4の並び方向)では、図3に示すように、圧電素子12と支柱部12Aを交互に配置したバイピッチ構造とすることもできるし、あるいは、図4に示すように、支柱部12を設けないノーマルピッチ構造とすることもできる。
このヘッドでは、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室6内インクを加圧する構成とし、更に、液滴の吐出方向が液室6での記録液の流れ方向と異なるサイドシュータ方式で液滴を吐出させる構成としている。サイドシュータ方式とすることで、圧電素子12の大きさが略ヘッドの大きさとなり、圧電素子12の小型化を直接ヘッドの小型化に結びつけることができ、ヘッドの小型化を図り易い。
さらに、これらの圧電素子12、ベース部材13及びFPC15などで構成されるアクチュエータ部の外周側には、エポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材17を接合している。そして、このフレーム部材17には前述した共通液室10を形成するとともに、この共通液室10に外部から記録液を供給するための供給口19を形成し、この供給口19は更に図示しないサブタンクや記録液カートリッジなどの記録液供給源に接続される。
ここで、流路板1は、ニッケル電鋳により、連通路5となる貫通穴、加圧液室6、流体抵抗部7、連通部8などを構成する溝部をそれぞれ形成している。なお、加圧液室6はそれぞれ隔壁6aにて隔てられている。
ノズル板2は、ニッケル電鋳でノズル4となるノズル孔を形成している。このノズル板2のノズル4は例えば直径10〜35μmの孔で形成され、流路板1に接着剤接合している。そして、このノズル板2の液滴吐出側面(吐出方向の表面:吐出面、又は液室6側と反対の面)には撥水処理を施している。
振動板3は、ニッケル電鋳で形成している。この振動板3は加圧液室6に対応する部分を、変形を容易にするための薄肉部とし、中央部には圧電素子12と接合するための図示しない連結部を設けている。
圧電素子12は、積層型圧電素子部材をベース部材13の接合した後、ダイシングソーなどによって溝加工を施すことによって分割して形成したものである。前述した図3のバイピッチ構造をとるときの支柱部12Aは、溝加工によって形成される圧電素子部材であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱として機能するだけである。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば押し打ち方式で駆動する場合には、図示しない制御部から記録する画像に応じて複数の圧電素子2に20〜50Vの駆動パルス電圧を選択的に印加することによって、パルス電圧が印加された圧電素子12が変位して振動板3をノズル板2方向に変形させ、液室6の容積(体積)変化によって液室6内の液体を加圧することで、ノズル板2のノズル4から液滴が吐出される。そして、液滴の吐出に伴って液室6内の圧力が低下し、このときの液流れの慣性によって液室6内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、圧電素子12への電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板2が元の位置に戻って液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、共通液室10から液室6内に記録液が充填され、次の駆動パルスの印加に応じて液滴がノズル4から吐出される。
なお、液体吐出ヘッドは、上記の押し打ち以外にも、引き打ち方式(振動板3を引いた状態から開放して復元力で加圧する方式)、引き−押し打ち方式(振動板3を中間位置で保持しておき、この位置から引いた後、押出す方式)などの方式で駆動することもできる。
そこで、この液体吐出ヘッドの構成部材であるノズル板2、振動板3の製造工程について図5を参照して説明する。
これらのノズル板2、振動板3は、電鋳法によって、ニッケルを含む金属材料で形成している。この場合、タリウムを含むことが好ましい。タリウムの含有量は、Ni電鋳膜の1質量%を越えないこと、特に好ましくは、0.1質量%を越えないことである。タリウムは、光沢を出す上では好ましくなく、またpHを所要の範囲に維持することが難しくなることから、1質量%を越えないことが好ましい。この範囲内であれば、電鋳浴に用いる他の材料とのバランスを取りやすくなる。
ノズル板2を電鋳法(エレクトロフォーミング法)で製造するには、図5に示すように、少なくとも表面に導電性を有する部材、例えば、表面にTi膜を形成したシリコン基板などの電鋳支持基板31上に、フォトリソグラフィーを用いてドライフィルムレジスト(DRF)などの電気絶縁皮膜(例えば厚さ1μm)のパターン32を形成して、電鋳浴によって、導電性支持基板31の表面上に、Ni、Ni−Co、Ni−Mnなどの電鋳を実施して所要の膜厚(例えば30μm)の電鋳皮膜33を析出形成した後、電気絶縁皮膜のパターン32を除去し、さらに、電鋳支持基板31から電鋳皮膜(電鋳膜)33を剥離して、電鋳皮膜33をノズル板2としたものである。
また、振動板3も同様に電鋳法によって製造することができ、電鋳支持基板上に繰り返して形成した電鋳皮膜を振動板としている。
このような電鋳法で用いる電鋳浴としては、スルファミン酸浴が一般的に用いられ、結晶の微細化、電鋳膜の光沢化、応力低減を目的とし、光沢剤(1,3,6-トリナフタリンスルホン酸ナトリウム、サッカリン)、アノード溶解剤(塩化Ni、臭化Ni)、pH緩衝剤が添加される。通常、電鋳浴温を50℃前後とし、電流密度は1A/dm〜10A/dmで行われることが好ましい。
アノード溶解剤は、アノード電極に使われる、例えばNiペレットの酸化膜などを除去する役割を果たしている。電鋳は一般的にpH4〜6で行われるのが好ましいため、ホウ酸、ギ酸などが用いられている。
例えば、スルファミン酸Niが200〜400g/L、塩化Niが0〜10g/L、ホウ酸が30g/LからなるNi電解液が挙げられる。そこに、1,3,6-トリナフタリンスルホン酸ナトリウム、若しくはサッカリンが、Ni電鋳膜の硫黄含有量が0.1質量%以下になるように添加される。このとき、硫黄脆性を抑えるためには、硫黄含有量は、限りなくゼロに近づけることが好ましく、硫黄含有量が0.01質量%以下になることが好ましい。
なお、ここでは、上述したようにNi電鋳浴にタリウムを加えているが、硫酸コバルトもしくは、スルファミン酸マンガンの形でコバルト、マンガンを加えることで、ノズル板2、振動板3がニッケル及びコバルト、あるいはニッケル及びマンガンを含む金属材料で形成される構成とすることもできる。
この場合のコバルトあるいはマンガンの添加量も、Ni電鋳膜の1質量%を越えないようにすることが好ましく、特に好ましくは、Ni電鋳膜の0.1質量%を越えないことである。
適当量のコバルト、マンガンは、熱処理時の硫黄の脆化を抑制すると考えられ、硫黄−マンガン化合物、硫黄−コバルト化合物が形成されると考えられるが、マンガンやコバルトをNi電鋳膜へ析出させるためには、非常に高い電流密度が必要であり、靱性の低下、熱処理による熱収縮量の増加等の不具合が発生してしまうことがある。また、硫黄に対してマンガン、コバルトの添加量が少ない場合、脆化を抑制することができなくなる。
これらのコバルト、マンガンと比べて、前述したタリウムの標準電極電位は、Niの持つ標準電極電位と比較的近いことから、効率的に析出させることが可能であり、低い電流密度でも使用することができる。
次に、流路板とノズル板を一体の部材(流路/ノズル板部材という。)で形成する例について図6を参照して説明する。
まず、図6(a)に示すように、前述した図5で説明したと同様に、少なくとも表面に導電性を有する部材、例えば、表面にTi膜を形成したシリコン基板などの電鋳支持基板31上に、フォトリソグラフィーを用いてドライフィルムレジスト(DRF)などの電気絶縁皮膜(例えば厚さ1μm)のパターン32を形成して、電鋳浴によって、導電性支持基板31の表面上に、Ni、Ni−Co、Ni−Mnなどの電鋳を実施して所要の膜厚(例えば30μm)の電鋳皮膜33を析出形成する。
次いで、フォトリソグラフィー工法を用いて再度ドライフィルムレジスト(DFR)などの電気絶縁皮膜(例えば厚さ75μm程度)のパターン34を形成し、再度、その表面上にNiなどの電鋳を施して所要の膜厚(例えば65μm)の電鋳皮膜35を析出形成する。その後、電気絶縁皮膜32、34を除去し、さらに、電鋳支持基板31から一体となった電鋳皮膜(電鋳膜)33、35を剥離して、同図(b)に示すように、電鋳皮膜33、35からなるノズル板2及び流路板1が一体形成された流路/ノズル板部材41を得る。
また、上記と流路/ノズル板部材41と同様にして、図7に示すように、流路板1と振動板3を一体に形成した部材(流路/振動板部材51という。)で形成することもできる。
次に、流路板1(又は流路/ノズル板部材41)の振動板との接合面側のパターンについて図8及び図9を参照して説明する。なお、図8は流路板の振動板接合面側のパターンを説明する説明図、図9は同じく流路列領域の拡大説明図である。
流路板1(又は流路/ノズル板部材41)は、前述したように少なくともNiを含む電鋳によるメッキ金属膜で形成し、振動板3と接合する面側に、液室6、流体抵抗部7及び連通部8を含む複数の流路42をノズル4の並び方向に沿って形成している。このようにノズル4の並び方向に沿って並んでいる複数の流路42全体を流路列43と称する。
そして、この複数の流路42が並ぶ流路列43の領域の外側に、各流路42に対応して析出金属がない部分(肉抜き部)44を形成している。なお、その他の領域にも金属がない部分を形成(肉抜き部)45、46などを形成している。
この肉抜き部44は、前述したように、電鋳で流路板1(又は流路/ノズル板部材41)を形成するとき、流路42に対応する部分はフォトリソグラフィーを用いてドライフィルムレジスト(DRF)などの電気絶縁皮膜のパターンを形成するが、このとき、同時に肉抜き部44となる部分にも電気絶縁皮膜のパターンを形成して電鋳皮膜が析出しないようにすることで形成することができる。
ここで、流路42と隣り合う肉抜き部44との間の間隔C1及び隣り合う肉抜き部44間の間隔C2は、流路42を構成する液室6間の間隔A以上で、流体抵抗部7の間隔B以下(A≦C1≦B、A≦C2≦B)としている。
このように位置関係で肉抜き部44を形成することにより、電鋳でメッキ膜を形成するときの偏肉を低減することができる。
つまり、上述したように電鋳法で流路板を形成するときには、ドライフィルムレジスト(DFR)等の電気絶縁皮膜をパターン形成して電鋳を実施することになるが、レジストの遮蔽面積の違いによって析出されるメッキ皮膜の厚さにばらつき(偏肉)が生じる。例えば、図10(b)に示すように、レジスト34による遮蔽面積が相対的に小さい(非遮蔽面積D2)ときには電界集中が相対的に少なく、電鋳皮膜の膜厚が相対的に薄くなる(膜厚T2)。これに対して、同図(a)に示すように、レジスト51の遮蔽面積が相対的に大きい(非遮蔽面積D1、D1<D2)ほど、その部分の電界がレジスト端部の電極部に集中するために、電鋳皮膜の膜厚が相対的に厚くなる(膜厚T1、T1>T2)。
そこで、流路42の外周側に流路列42に沿って肉抜き部44を形成するとき、上述したように、流路42と隣り合う肉抜き部44との間の間隔C1及び隣り合う肉抜き部44間の間隔C2は、流路42を構成する液室6間の間隔A以上で、流体抵抗部7の間隔B以下(A≦C1≦B、A≦C2≦B)とすることにより、電鋳皮膜形成時における電界の集中を、流路42間及び流路42と肉抜き部44間でほぼ同じにすることができて、電鋳皮膜の膜厚をほぼ同じにすることができるようになる。この場合、流路42と隣り合う肉抜き部44との間の間隔C1を流体抵抗部7の間隔Bより広くすると、液室6間の間隔部と流体抵抗部7間の間隔部との間で生じる偏肉量(電鋳皮膜の膜厚のバラツキ)を越えてしまうことになるので、流路42と隣り合う肉抜き部44との間の間隔C1は流体抵抗部7の間隔B以下とする。
実験によると、目的とする電鋳皮膜の厚みを56μmとして電鋳を行ったとき、本実施形態による肉抜き部44を形成した場合には、偏肉量(電鋳皮膜の膜厚のバラツキ)は2.1μm内に抑えることができた。これに対して、流路42と隣り合う肉抜き部44との間の間隔C1を液室6間の間隔Aより狭くしたときには、偏肉量(電鋳皮膜の膜厚のバラツキ)は18μmになった。
そして、この場合、接着剤を用いて流路板と振動板を接合したところ、流路板の接合面を研磨して平面化する処理を行わないでも、接合不良を生じることなく接合できることを確認した。
ここで、肉抜き部44のパターンの幅Fは流路42(液室6)のパターンの幅Eと略同じにすることが好ましい。このようにパターン幅を略同じにすることで、偏肉量をより低減することができる。また、流路42のパターンの密度と流路42以外(肉抜き部44〜46など)のパターンの密度とを略同じすることが好ましい。このようにパターンの密度を略同じにすることで、偏肉量をより低減することができる。
このように、流路板は、メッキ金属で形成され、振動板と接合する面側で、複数の流路が並ぶ流路列領域の外側に金属がない複数の肉抜き部を有し、流路と隣り合う肉抜き部との間の間隔が、液室間の間隔以上で、流体抵抗部の間隔以下である構成とすることで、流路板の流路列領域の周辺領域における偏肉が低減する。これにより、流路板の研磨などを行わないでも平面性を確保することができて、シール性を確保できる。あるいは、流路遺体の研磨が必要であっても、相対的に研磨量などが低減することになる。その結果、製造工程の簡略化、あるいは、工程時間の短縮を図ることができて、低コスト化を図れる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は図9と同様な同ヘッドの流路板の振動板接合面側の流路列領域のパターンの拡大説明図である。
この液体吐出ヘッドでは、連通部8と液室6との間に、液室6よりも幅の狭い流体抵抗部ではなく、液室6と略同じ幅の流体抵抗部7Aを有している。この流体抵抗部7Aは、流路の高さを低くすることによって、あるいは、流路の長さを長くすることによって、流体抵抗として機能させている。
この場合、流路42と隣り合う肉抜き部44との間の間隔C1は流路42を構成する液室6間の間隔Aとほぼ同じにしている。また、隣り合う肉抜き部44間の間隔C2も液室6間の間隔Aとほぼ同じにしている。
このように、流路に流体抵抗部を有しない場合には、流路42と隣り合う肉抜き部44との間の間隔C1は流路42を構成する液室6間の間隔Aとほぼ同じにすることで、電鋳でメッキ膜を形成するときの偏肉を低減することができ、また、隣り合う肉抜き部44間の間隔C2も液室6間の間隔Aとほぼ同じにすることで、一層偏肉を低減することができる。
なお、上記実施形態では、流路板の流路が形成される面に接合されて流路の壁面を形成する部材が振動板である例について説明したが、流路板の流路が形成される面に接合されて流路の壁面を形成する部材をノズル板とするヘッドについても同様に実施することができる。
また、流路板の流路が形成される面に接合されて流路の壁面を形成する部材は、サーマル型ヘッドのように、電気熱変換体を有する基板とすることもできる。例えば、図12に示すように、発熱抵抗体などの電気熱変換体91を有する基板92に、流路93を形成した流路板94を積層し、この流路板94上にノズル95を形成したノズル板96を積層して構成される。
この図12の構成では流路93は基板92及びノズル板96を接合する両側の面に開口しているので、流路板94の両側の面に本発明を適用することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドから液滴を吐出させる本発明に係る液体吐出装置を含む本発明に係る画像形成装置の一例について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図14は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ103には、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の記録液の液滴(インク滴)を吐出する複数のノズル列を有する1つの液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド107を、各色のノズル列の並び方向を主走査方向に沿う方向とし、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。つまり、記録ヘッド107は、図15に示すように、1つのノズル面107aに、複数のノズル107nを並べた、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各液滴を吐出する複数のノズル列NY、NC、NM、NKが形成されている。なお、ここでは、1つの色について2つのノズル列を千鳥状に配置した例で説明しているが、1つの色について1つのノズル列を配置する構成とすることもできる。
キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108を搭載している。このサブタンク108にはインク供給チューブ109を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した被記録媒体(用紙)112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)113及び給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された加圧コロ125A及び先端加圧コロ125Bとを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129を配置している。
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット155が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット155は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
さらに、図14に示すように、キャリッジ103の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド107のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構156を配置している。この維持回復機156は、記録ヘッド107のノズル面170aを一括してキャピングするためのキャップ部材157と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード158と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け159などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しないACバイアス供給部から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ103を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112を両面給紙ユニット155内に送り込み、用紙112を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル121上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ154に排紙する
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ103は維持回復機構156側に移動されて、キャップ部材157で記録ヘッド107のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ部材157で記録ヘッド107をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド107のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード158でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド107の安定した吐出性能を維持する。
このようにこの画像形成装置においては、本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備えるので、高品質の画像を形成することができる。そして、この画像形成装置における前述した記録ヘッドのように1つの液体吐出ヘッドに複数のノズルを並べて異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列を配置するような場合には、特に、流路板の偏肉が低減することによって、研磨を行わないでもシール性を確保でき、あるいは、研磨を行う場合であっても研磨量などを低減できることで、より低コスト化、製造工程の簡素化を図れる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態を示す分解斜視図である。 同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。 同ヘッドの液室短手方向に沿うバイピッチ構造の断面説明図である。 同ヘッドの液室短手方向に沿うノーマルピッチ構造の断面説明図である。 同ヘッドのノズル板の製造法の説明に供する断面説明図である。 ノズル板と流路板を一体形形成した部材の製造法の説明に供する断面説明図である。 振動板と流路板を一体形形成した部材の一例を示す断面説明図である。 流路板の要部平面説明図である。 同流路板の流路列領域部分の拡大平面説明図である。 電鋳皮膜の偏肉の発生の説明に供する説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態における流路板の流路列領域部分の拡大平面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの他の例の説明に供する要部断面説明図である。 本発明に係る液体吐出装置を含む本発明に係る画像形成装置の機構部の一例を示す側面説明図である。 同じく要部平面説明図である。 同画像形成装置の記録ヘッドのノズル列配置の一例を説明する説明図である。
符号の説明
1…流路板
2…ノズル板
3…振動板
4…ノズル
6…液室
7…流体抵抗部
8…連通部
12…圧電素子
13…ベース部材
17…フレーム部材
41…流路/ノズル板部材
42…流路
43…流路列
44…肉抜き部
51…流路/振動板部材
103…キャリッジ
107…記録ヘッド

Claims (11)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルが連通する複数の液室及びこの液室に液体を供給する液室よりも幅の狭い流体抵抗部を含む流路が形成された流路板と、この流路板の前記流路が形成される面に接合されて前記流路の壁面を形成する部材とを備え、
    前記流路板は、メッキ金属で形成され、前記部材と接合する面側で、前記複数の流路が並ぶ流路列領域の外側に、この流路列に沿って前記金属がない複数の肉抜き部を有し、前記流路と隣り合う肉抜き部との間の間隔が、前記液室間の間隔以上で、前記流体抵抗部の間隔以下である
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 液滴を吐出する複数のノズルが連通する複数の液室を含む流路が形成された流路板と、この流路板の前記流路が形成される面に接合されて前記流路の壁面を形成する部材とを備え、
    前記流路板は、メッキ金属で形成され、前記部材と接合する面側で、前記複数の流路が並ぶ流路列領域の外側に、この流路列に沿って前記金属がない複数の肉抜き部を有し、前記流路と隣り合う肉抜き部との間の間隔が、前記液室間の間隔と略同じである
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、隣り合う前記肉抜き部の間隔が前記流路の液室間の間隔と略同じであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流路板の前記流路が形成される面に接合されて前記流路の壁面を形成する部材が振動板であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記前記流路板の前記流路が形成される面に接合されて前記流路の壁面を形成する部材が電気熱変換体を有する基板であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流路板の前記流路が形成される面に接合されて前記流路の壁面を形成する部材がノズル板であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 請求項4又は5に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルを形成する部材と流路板が一体形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流路板はニッケル電鋳で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、複数のノズルを並べた異なる色の液滴が吐出されるノズル列を複数列有していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置において、前記請求項1ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  11. 記録液の液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備えて媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
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