以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域内の所定位置には、各々が識別可能な複数種類の特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する特別図柄表示装置4が設けられている。なお、特別図柄表示装置4の設置位置は、遊技領域内の所定位置に限定されず、遊技領域外の所定位置であってもよい。
図1に示すパチンコ遊技機1における遊技領域の中央位置には、複数種類の演出画像(第1の演出画像)を含む各種画像の表示を行う第1画像表示装置5Aが設けられている。また、第1画像表示装置5Aとは別個に、複数種類の演出画像(第2の演出画像)を含む各種画像の表示を行う第2画像表示装置5Bが設けられている。なお、第1及び第2画像表示装置5A、5Bの設置位置は、遊技領域の中央位置に限定されず、例えば第1画像表示装置5Aは遊技領域の中央位置に設置される一方で、第2画像表示装置5Bは遊技領域の外部や遊技機用枠3の前面上部、前面下部、前面側方といった、パチンコ遊技機1における任意の位置に設置されていてもよい。
図1に示すパチンコ遊技機1では、第1画像表示装置5Aの下方に普通図柄表示装置20が設けられている。また、パチンコ遊技機1における遊技領域の中央下部には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6や、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7が配置されている。
特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。特別図柄表示装置4は、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。この特図ゲームは、例えば普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が入賞することにより特別図柄を可変表示するための実行条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった特別図柄を可変表示するための開始条件が成立したことに基づいて開始される。特別図柄表示装置4において可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されている。なお、特別図柄表示装置4は、特定の停止図柄が遊技者に把握されることを困難にするために、例えば「00」〜「99」を示す数字など、より多くの種類の図柄を可変表示するように構成されていてもよい。
第1及び第2画像表示装置5A、5Bは、例えばLCD等から構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。この実施の形態では、第1画像表示装置5Aにおける表示画面が、XGAモード(1024×768ピクセル)に対応した画素総数を有している。また、第2画像表示装置5Bにおける表示画面が、QVGAモード(Quarter-VGA;320×240ピクセル)に対応した画素総数を有している。第1画像表示装置5Aの表示画面では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば3つに分割された表示領域としての可変表示部にて、特別図柄とは異なる各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。第2画像表示装置5Bの表示画面では、パチンコ遊技機1における遊技に関する所定の情報などを表示することができる。ここで、パチンコ遊技機1における遊技に関する所定の情報としては、例えばパチンコ遊技機1の機種名や製造会社名、パチンコ遊技機1での大当り確率や小当り確率(スペック)、パチンコ遊技機1での遊技の手順、各種のリーチ演出が行われた場合に大当りとなる確率(リーチの信頼度)、パチンコ遊技機1での遊技中に出現するキャラクタの説明などを示す情報のうち、いずれかが含まれていればよい。
第1画像表示装置5Aには、一例として「左」、「中」、「右」の可変表示部が配置され、特別図柄表示装置4により特図ゲームが実行されることに対応して、各可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。すなわち、特別図柄表示装置4における特別図柄の可変表示が開始されるときには、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示(例えば切替表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」、「中」、「右」の各可変表示部は、第1画像表示装置5Aの表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字「一」〜「九」、英文字「A」〜「I」、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)が、飾り図柄として変動可能に表示される。また、各可変表示部で可変表示される図柄には、こうした9種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)も含まれている。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。
第1画像表示装置5Aにおいて飾り図柄の可変表示が開始されると、「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと切替表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の「9」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへと切替表示やスクロール表示を行って、図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最大の「9」である飾り図柄が表示されてもよい。
また、第1画像表示装置5Aには、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。これに対して、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアとともに、あるいは特別図柄始動記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を設けるようにしてもよい。
普通図柄表示装置20は、例えば発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート25を通過した遊技球がゲートスイッチ21(図3)によって検出されたことを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド81(図3)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと進入した遊技球は、始動口スイッチ22(図3)によって検出され、その検出に基づき特別図柄や飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件(始動条件)が成立する。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば4個)の賞球の払い出しが行われる。
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3)によって入賞領域となる大入賞口を開放及び閉鎖制御する開閉板を備えて構成される。特別可変入賞球装置7にて開閉板により開放された大入賞口内へと遊技球が進入した場合には、カウントスイッチ23(図3)によって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば「15」)の賞球の払出が行われる。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通可変入賞球装置6、特別可変入賞球装置7等)の周囲には装飾用LEDが設置されていてもよい。
普通図柄表示装置20による普通図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後、所定の当りパターンで表示が行われると、表示結果が「当り」となり(普通当り)、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置に制御(拡大開放制御)され、所定時間が経過すると垂直位置に制御(通常開放制御)される。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「3」あるいは「7」を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄である特別図柄「3」あるいは「7」となる場合には、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。大当り組合せの確定飾り図柄は、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部において予め定められた有効ライン上に、同一の飾り図柄が揃って停止表示されるものであればよい。
特別図柄表示装置4による特図ゲームで大当り図柄である特別図柄「3」あるいは「7」が停止表示されたことや、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されたことに対応して、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される。この大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1の期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とする。このように大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止めて、大入賞口に進入させる。こうして大入賞口を開放状態としてから閉鎖状態とすることで、1回のラウンドが終了する。この実施の形態における大当り遊技状態では、大入賞口の開閉サイクルとしてのラウンドを、例えば15回といった所定回数に達するまで繰り返すことができる。
特別図柄表示装置4による特図ゲームで大当り図柄として停止表示される特別図柄「3」、「7」には、通常大当り図柄「3」と、確変大当り図柄「7」とが含まれている。第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて可変表示される図柄番号が「1」〜「9」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数である「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の飾り図柄を確変大当り用の確変図柄とする一方で、図柄番号が偶数である「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄を通常大当り用の通常図柄とする。
例えば、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて確定特別図柄が通常大当り図柄「3」となる場合には、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて設定された有効ライン上に同一の通常図柄が揃って停止表示され、通常大当り組合せの確定飾り図柄となる。このように、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として通常大当り図柄「3」が停止表示されるとともに、通常大当り組合せの飾り図柄が停止表示された場合には、特定表示結果のうち特別表示結果以外の通常大当りとなる。
これに対して、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて確定特別図柄が確変大当り図柄「7」となる場合には、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて設定された有効ライン上に同一の確変図柄が揃って停止表示され、確変大当り組合せの確定飾り図柄となる。このように、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として確変大当り図柄「7」が停止表示されるとともに、確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示された場合には、特定表示結果のうち特別表示結果に含まれる確変大当りとなる。
特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が確変大当りとなった場合には、その大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、特別遊技状態の1つとして、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変遊技状態に制御される。この確変遊技状態では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態時よりも向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変遊技状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御されている。この実施の形態では、確変遊技状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が大当りとなることのうち、いずれかの条件が成立したときに、確変遊技状態が終了する。これに対して、特図ゲームの実行回数にかかわらず、可変表示結果が大当りとなるまで、確変遊技状態が継続するようにしてもよい。また、確変遊技状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が大当りとなる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変遊技状態が終了することがあるようにしてもよい。
加えて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が大当りとなることのうち、いずれかの条件が成立するまで、継続して時間短縮制御(時短制御)が行われる時間短縮状態となるようにしてもよい。時短制御が行われる時間短縮状態では、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるまでの時間である可変表示時間が、通常遊技状態よりも短くなるように制御される。また、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には確変遊技状態とともに時間短縮状態となるのに対して、通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変遊技状態とはならずに時間短縮状態となるようにしてもよい。あるいは、確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には時間短縮状態とはならずに確変遊技状態となるのに対して、通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変遊技状態とはならずに時間短縮状態となるようにしてもよい。
確変遊技状態や時間短縮状態では、普通図柄表示装置20による普通図ゲームにおける可変表示時間が通常遊技状態のときよりも短くなるとともに、各回の普通図ゲームで表示結果が当り図柄となる確率が向上する。このときにはさらに、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動時間が通常遊技状態のときよりも長くなるとともに、その傾動回数が通常遊技状態のときよりも増加する。このように、確変遊技状態や時間短縮状態では、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態となる。ここで、時間短縮状態で確変制御が行われない場合には、各回の特図ゲームや飾り図柄の可変表示において表示結果が大当りとなる確率は通常遊技状態のときと同じであるので、確変遊技状態の方が時間短縮状態よりも遊技者にとって有利である。
通常遊技状態である通常時において、第1画像表示装置5Aにて飾り図柄の可変表示結果が停止表示される有効ラインは、例えば図2(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の各可変表示部における上段のみ、中段のみ、下段のみからなる水平方向や、「左」の可変表示部における上段と「中」の可変表示部における中段と「右」の可変表示部における下段とからなる斜め方向、あるいは、「左」の可変表示部における下段と「中」の可変表示部における中段と「右」の可変表示部における上段とからなる斜め方向などに定められている。これに対して、確変遊技状態である確変中において、有効ラインは、例えば図2(B)に示すように、「左」、「中」、「右」の各可変表示部に飾り図柄が1つずつ停止表示されることにより、横方向に1本だけ定められている。このときには、「左」、「中」、「右」の各可変表示部における飾り図柄が、通常遊技状態のときに比べて大きく表示されることになる。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行って特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示を制御することや、普通図柄表示装置20の点灯/消灯/発色制御を行って普通図柄表示装置20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23からの検出信号を受信するための配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。加えて、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示装置20の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。表示制御コマンドは、主基板11の側にて、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU114(図5)により決定された表示情報を含んでいる。ここで、CPU114により決定される表示情報としては、例えば特別図柄表示装置4における表示内容として、特別図柄の可変表示時間や可変表示結果となる確定特別図柄、特別図柄の可変表示パターン、あるいは、例えば第1及び第2画像表示装置5A及び5Bにおける表示内容として、飾り図柄の可変表示時間や可変表示パターンのうち、いずれかを示す情報といった、各種の表示装置における表示動作に関する情報であればよい。図4は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4に示す例において、コマンド80XXHは、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンと、可変表示結果の種類とに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、可変表示結果が「ハズレ」となるか「通常大当り」となるか「確変大当り」となるかを、その可変表示結果が導出表示されるより前に事前決定した結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。また、可変表示結果の種類が同じであっても、可変表示パターンが異なれば、異なるEXTデータが設定される。この実施の形態では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常ハズレパターンが複数種類用意されている。なお、ハズレ組合せの確定飾り図柄は、大当り組合せといった所定の組合せの確定飾り図柄とは異なる組合せの確定飾り図柄である。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態であるときに、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、短縮ハズレパターンが複数種類用意されている。さらに、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に大当り組合せまたはハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、リーチパターンが複数種類用意されている。
ここで、リーチとは、第1画像表示装置5Aにて導出表示(停止表示あるいは仮停止表示)した飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない飾り図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない有効ライン上の可変表示部において変動表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部のうち「左」、「右」の可変表示部には大当り組合せの一部となる(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されている状態で「中」の可変表示部は未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部の全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の飾り図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音などで行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、第1画像表示装置5Aにて飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示という。
なお、可変表示開始コマンドでは、可変表示パターンに応じて異なるEXTデータが設定され、可変表示開始コマンドとは異なる演出指定コマンドにより、可変表示結果が大当りか否か、及び大当りの種類が「通常大当り」であるか「確変大当り」であるかといった、可変表示結果の種類を通知するようにしてもよい。
図4に示すコマンド9F00Hは、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおいて所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)をさせるためのデモ表示コマンドである。コマンドA000Hは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなったことに基づいて大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの回数を示す大当りラウンド数通知コマンドである。大当りラウンド数通知コマンドでは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
図4に示すコマンドB000Hは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。コマンドC000Hは、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変遊技状態とする制御が開始されることを示す確変開始コマンドである。コマンドC001Hは、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変遊技状態とする制御が終了されることを示す確変終了コマンドである。コマンドD0XXHは、第1画像表示装置5Aに設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて入賞表示を行うために、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる特図保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
図5は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路111と、リセット/割込みコントローラ112と、乱数回路113と、CPU(Central Processing Unit)114と、ROM(Read Only Memory)115と、RAM(Random Access Memory)116と、タイマ回路(PIT)117と、シリアル通信回路(SCI)118と、入出力ポート119とを備えて構成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU114がROM115から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU114がROM115から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU114がRAM116に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU114がRAM116に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU114が入出力ポート119を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU114が入出力ポート119を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
クロック回路111は、例えばCPU114といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100内の各回路に供給するクロック信号を生成する回路である。具体的な一例として、クロック回路111は、所定のクロック入力端子に入力された外部クロックを4分周して内部システムクロックCLKを生成し、生成した内部システムクロックCLKをCPU114などの遊技制御用マイクロコンピュータ100内の各回路に供給する。
リセット/割込みコントローラ112は、遊技制御用マイクロコンピュータ100内で発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラ112が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、所定のSRST端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、所定のURST端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したこと、指定エリア外走行禁止(IAT)信号が発生したこと、あるいは、インターバルリセット信号が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。
また、リセット/割込みコントローラ112が制御する割込みには、Xクラス割込み(XIRQ)、Iクラス割込み(IRQ)、ソフトウェア割込み(SWI)、イリーガルオペコードトラップ(ILGOP)といった4種類の割込みが含まれている。Xクラス割込みは、所定のXIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生する割込みである。Iクラス割込みは、ユーザプログラムにより割込み要求の受付を許可/禁止できる割込みであり、所定のIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、タイマ回路117からの割込み要求信号が発生したこと、シリアル通信回路118からの割込み要求信号が発生したことなど、予め定められた各種の割込み要因により発生する割込みである。
乱数回路113は、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部を生成する回路である。図6は、主基板11の側において用いられる乱数値を例示する説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、確変判定用の乱数値MR2、可変表示パターン決定用の乱数値MR3、リーチ判定用の乱数値MR4が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR4の全部または一部を示す数値データが、乱数回路113にてカウントされればよい。また、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データは、CPU114が乱数回路113とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特別図柄の可変表示結果を大当りとするかハズレとするかを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、大当りの発生により大当り遊技状態への制御を行うか否かの判定に用いられる。確変判定用の乱数値MR2は、特別図柄の可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされた場合に、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、通常遊技状態とするか確変遊技状態とするかを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「60」の範囲の値をとる。すなわち、確変判定用の乱数値MR2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を通常大当りとするか確変大当りとするかの決定を行うために用いられる。
可変表示パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる表示用の乱数値であり、例えば「1」〜「150」の範囲の値をとる。リーチ判定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM115には、ゲーム制御用のユーザプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM115は、CPU114が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータを記憶する。判定テーブルとしては、特図ゲームにおける確定特別図柄を大当り図柄として可変表示結果を大当りとする否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、可変表示結果を大当りとする場合に通常大当りとするか確変大当りとするかを判定するために参照される確変判定テーブル、普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かを判定するために参照される普通当り判定テーブル、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなるときに飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブルなどが含まれていればよい。ROM115に記憶される決定テーブルには、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブルなどが含まれていればよい。
ROM115に記憶される可変表示パターン決定テーブルは、例えば各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用の乱数値MR3とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて可変表示パターンの選択を可能にする決定用データなどから構成されていればよい。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してから確定特別図柄や確定飾り図柄を導出表示するまでの時間である可変表示時間を示すデータなどと、対応付けられている。
可変表示パターン決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図7(A)に示す大当り時パターン決定テーブル200Aと、図7(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル200Bと、図7(C)に示す通常時ハズレパターン決定テーブル200Cと、図7(D)に示す確変中ハズレパターン決定テーブル200Dとが、ROM115に記憶されている。
図7(A)に示す大当り時パターン決定テーブル200Aは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとする旨の決定がなされたときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類あるリーチパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図7(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル200Bは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示態様をリーチとする旨の決定がなされたことに対応して、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づき、複数種類あるリーチパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図7(C)に示す通常時ハズレパターン決定テーブル200Cは、通常遊技状態において特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示態様をリーチとしない旨の決定がなされたことに対応して、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づき、複数種類ある通常ハズレパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図7(D)に示す確変中ハズレパターン決定テーブル200Dは、確変遊技状態において特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示態様をリーチとしない旨の決定がなされたことに対応して、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づき、複数種類ある短縮ハズレパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。
この実施の形態では、リーチパターンとなる複数種類の可変表示パターンとして、ノーマル、マルチA、マルチB、マルチC、スーパーの可変表示パターンが用意されている。また、通常ハズレパターンとなる複数種類の可変表示パターンとして、通常A、通常Bの可変表示パターンが用意されている。短縮ハズレパターンとなる複数種類の可変表示パターンとしては、短縮A、短縮Bの可変表示パターンが用意されている。
ここで、図7(A)に示す大当り時パターン決定テーブル200Aと、図7(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル200Bとを比べると、各リーチパターン(リーチの種類)に対する可変表示パターン決定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。すなわち、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなるか、大当りとなるかに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、表示結果が大当りとなる確率は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に出現するリーチの種類に応じて異なるものとなる。このように、リーチの種類毎に決められる表示結果が大当りとなる確率は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度とも称される。
図8(A)は、ノーマル、マルチA、マルチB、マルチC、スーパーの各リーチパターンについて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたハズレ時と、可変表示結果を大当りとする旨の決定がなされた大当り時における、選択確率を示す説明図である。また、図8(B)は、ノーマル、マルチA、マルチB、マルチC、スーパーの各リーチパターンについて、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときと、確変遊技状態であるときにおける、リーチの信頼度を示す説明図である。なお、図8(B)に示すリーチの信頼度は、通常遊技状態における大当り確率が1/300であり、確変遊技状態における大当り確率が1/30であり、ハズレ時のリーチ出現率が1/10であるものとして算出したものである。図8(B)に示すように、この実施の形態で用いられる各リーチパターンによるリーチの信頼度は、互いに異なっている。
図9は、リーチパターンのうちノーマルの可変表示パターンにおけるリーチ演出表示を示している。ノーマルの可変表示パターンでは、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始された後、例えば図9(A)に示すような飾り図柄「7」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて同一の飾り図柄が、中段の有効ライン上に停止してリーチが成立する。こうしてリーチが成立した後には、「中」の可変表示部における飾り図柄の変動速度が減速される。そして、ハズレならば、例えば図9(B)に示すような飾り図柄「8」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて中段の有効ライン上に停止表示された飾り図柄とは異なる飾り図柄が、「中」の可変表示部にて中段の有効ライン上に停止表示される。これに対して、大当りならば、例えば図9(C)に示すような飾り図柄「7」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて中段の有効ライン上に停止表示された飾り図柄と同一の飾り図柄が、「中」の可変表示部にて中段の有効ライン上に揃って停止表示される。
図10は、リーチパターンのうちマルチAの可変表示パターンにおけるリーチ演出表示を示している。マルチAの可変表示パターンでは、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始された後、例えば図10(A)に示すような飾り図柄「7」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて同一の飾り図柄が、斜め方向の有効ラインといった所定の有効ライン上に停止してリーチが成立する。こうしてリーチが成立した後には、各可変表示部における飾り図柄を縮小して、例えば第1画像表示装置5Aの表示画面内の左上方に表示させる。そして、マルチAの可変表示パターンが第1のパターン#1である場合には、例えば図10(B)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面を2分割して、分割後の各表示領域にて互いに異なる動画像A1、A2の再生表示を行う。これに対して、マルチAの可変表示パターンが第2のパターン#2である場合には、例えば図10(C)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面全体となる表示領域にて動画像A1の再生表示を行うとともに、第2画像表示装置5Bの表示画面全体となる表示領域にて動画像A2の再生表示を行う。このように、マルチAの可変表示パターンでは、リーチ演出表示として、2つの異なる動画像A1、A2が、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面に設けられた所定の表示領域にて再生表示される。
その後、飾り図柄の可変表示結果としてハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する場合には、例えば図10(D)に示すような飾り図柄「8」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて所定の有効ライン上に揃って停止することでリーチを成立させている飾り図柄とは異なる飾り図柄を、「中」の可変表示部にてリーチが成立している有効ライン上に停止させる。これに対して、飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する場合には、例えば図10(E)に示すような飾り図柄「7」といった、リーチとなっている飾り図柄と同一の飾り図柄を、「中」の可変表示部にてリーチが成立している有効ライン上に停止させる。
図11は、リーチパターンのうちマルチBの可変表示パターンにおけるリーチ演出表示を示している。マルチBの可変表示パターンでは、例えば図11(A)に示すような飾り図柄「7」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて同一の飾り図柄が所定の有効ライン上に停止してリーチが成立する。こうしてリーチが成立した後には、各可変表示部における飾り図柄を縮小して、例えば第1画像表示装置5Aの表示画面内の左上方に表示させる。そして、マルチBの可変表示パターンが第1のパターン#1である場合には、例えば図11(B)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面を3分割して、分割後の各表示領域にて互いに異なる動画像B1〜B3の再生表示を行う。これに対して、マルチBの可変表示パターンが第2のパターン#2である場合には、例えば図11(C)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面を2分割して、分割後の各表示領域にて互いに異なる動画像B1、B2の再生表示を行うとともに、第2画像表示装置5Bの表示画面全体となる表示領域にて動画像B3の再生表示を行う。このように、マルチBの可変表示パターンでは、リーチ演出表示として、3つの異なる動画像B1〜B3が、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面に設けられた所定の表示領域にて再生表示される。
その後、飾り図柄の可変表示結果としてハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する場合には、例えば図11(D)に示すような飾り図柄「8」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて所定の有効ライン上に揃って停止することでリーチを成立させている飾り図柄とは異なる飾り図柄を、「中」の可変表示部にてリーチが成立している有効ライン上に停止させる。これに対して、飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する場合には、例えば図11(E)に示すような飾り図柄「7」といった、リーチとなっている飾り図柄と同一の飾り図柄を、「中」の可変表示部にてリーチが成立している有効ライン上に停止させる。
図12は、リーチパターンのうちマルチCの可変表示パターンにおけるリーチ演出表示を示している。マルチCの可変表示パターンでは、例えば図12(A)に示すような飾り図柄「7」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて同一の飾り図柄が所定の有効ライン上に停止してリーチが成立する。こうしてリーチが成立した後には、各可変表示部における飾り図柄を縮小して、例えば第1画像表示装置5Aの表示画面内の左上方に表示させる。そして、マルチCの可変表示パターンが第1のパターン#1である場合には、例えば図12(B)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面を4分割して、分割後の各表示領域にて互いに異なる動画像C1〜C4の再生表示を行う。これに対して、マルチCの可変表示パターンが第2のパターン#2である場合には、例えば図12(C)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面を3分割して、分割後の各表示領域にて互いに異なる動画像C1〜C3の再生表示を行うとともに、第2画像表示装置5Bの表示画面全体となる表示領域にて動画像C4の再生表示を行う。このように、マルチCの可変表示パターンでは、リーチ演出表示として、4つの異なる動画像C1〜C4が、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面に設けられた所定の表示領域にて再生表示される。
その後、飾り図柄の可変表示結果としてハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する場合には、例えば図12(D)に示すような飾り図柄「8」といった、「左」及び「右」の可変表示部にて所定の有効ライン上に揃って停止することでリーチを成立させている飾り図柄とは異なる飾り図柄を、「中」の可変表示部にてリーチが成立している有効ライン上に停止させる。これに対して、飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する場合には、例えば図12(E)に示すような飾り図柄「7」といった、リーチとなっている飾り図柄と同一の飾り図柄を、「中」の可変表示部にてリーチが成立している有効ライン上に停止させる。
この実施の形態では、図8(B)に示すように、マルチAの可変表示パターンに比べてマルチBの可変表示パターンの方がリーチの信頼度が高く、マルチBの可変表示パターンに比べてマルチCの可変表示パターンの方がリーチの信頼度が高くなるように、図7(A)に示す大当り時パターン決定テーブル200Aと図7(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル200Bにて乱数値MR3を各可変表示パターンと対応付けるテーブルデータ(決定用データ)が構成されている。これにより、再生表示される動画像の数(ストリーム数)が多い可変表示パターンのリーチ演出表示が出現した場合には、動画像の数が少ない可変表示パターンのリーチ演出表示が出現した場合に比べて、可変表示結果が大当りとなる確率が高くなっている。
マルチA〜マルチCの各可変表示パターンでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りになる場合とハズレになる場合とで、再生表示される動画像の内容を異ならせるようにしてもよい。例えば、マルチA〜マルチCの各可変表示パターンでは、動画像の再生表示として、ルーレットゲームといった所定のゲームが実行される様子を示すアニメ画像などを表示してもよい。そして、可変表示結果が大当りとなる場合には、例えば回転するルーレットに投入されたボールが「大当り」を示す箇所に入ることのように、所定の目的が達成された様子を示す画像を表示させ、可変表示結果が大当りとなることを報知すればよい。これに対して、可変表示結果がハズレとなる場合には、例えば回転するルーレットに投入されたボールが「ハズレ」を示す箇所に入ることのように、所定の目的が達成されない様子を示す画像を表示させ、可変表示結果がハズレとなることを報知すればよい。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM116には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを変動可能に保持する領域として、例えば図13に示すような遊技制御用データ保持エリア210が設けられている。図13に示す遊技制御用データ保持エリア210は、特図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
特図保留記憶部161は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が入賞して特別図柄表示装置4による特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲーム等を実行中であるなどの理由により可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部161は、始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU114により乱数回路113等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや確変判定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162は、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新される各種フラグの状態を示すデータを記憶する。例えば、遊技制御フラグ設定部162には、特別図柄プロセスフラグや大当りフラグ、確変確定フラグ、確変フラグ、デモ表示フラグ、メインバックアップフラグなどが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置4における特図ゲームの進行等を制御するために実行される特別図柄プロセス処理(図32のステップS15、図33)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、特別図柄や飾り図柄の変表示結果を大当りとする旨の決定がなされたことに対応してオン状態にセットされる一方で、その決定に基づく特図ゲームが終了したことに対応してクリアされてオフ状態となる。確変確定フラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとする場合に確変大当りとする旨の決定がなされたことに対応してオン状態にセットされる一方で、確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。
確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなることや、確変遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば「100」)に達したことに対応して、クリアされてオフ状態となる。デモ表示フラグは、主基板11から演出制御基板12に対してデモ表示コマンドの送信が行われることに対応してオン状態にセットされる。その一方で、デモ表示フラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に特図ゲームが終了したこと、または、大当り遊技状態が終了したことに対応して、クリアされてオフ状態となる。メインバックアップフラグは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ100により所定の記憶保護処理が実行されたか否かを示す。例えば、メインバックアップフラグの値として「55H」が設定されているときにはバックアップあり(オン状態)を示す一方、「55H」以外の値が設定されているときにはバックアップなし(オフ状態)を示している。
遊技制御タイマ設定部163には、例えば特別図柄プロセスタイマなどが設けられている。特別図柄プロセスタイマは、例えば特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間や、大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。例えば、特別図柄プロセスタイマは、特図ゲームの進行や大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値データを、特別図柄プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、特別図柄プロセスタイマには、特別図柄表示装置4による特図ゲームが開始されるに際して可変表示パターンに対応して決定されたタイマ初期値が設定される。
遊技制御カウンタ設定部164には、例えば特図保留記憶数カウンタや確変回数カウンタなどが設けられている。特図保留記憶数カウンタは、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞に基づく特図保留記憶部161における保留データの数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタは、特図保留記憶数に対応したカウント値データを、特図保留記憶数カウント値として記憶し、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
確変回数カウンタは、パチンコ遊技機1が確変遊技状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。確変回数カウンタには、確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態が開始されることに対応して、確変遊技状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「100」)に対応したカウント初期値データ(例えば「64H」)が、確変回数カウント値として設定される。そして、確変遊技状態にて可変表示結果がハズレとなる特図ゲームが終了するごとに、確変回数カウント値が更新(例えば1減算)される。
遊技制御バッファ設定部165には、例えば表示結果判定用バッファやメインチェックサムバッファなどが設けられている。表示結果判定用バッファには、特図ゲームの開始条件が成立したときに、特図保留記憶部161から読み出された乱数値MR1や乱数値MR2を示すデータが、表示結果判定用バッファ値としてセットされる。この表示結果判定用バッファ値により、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとするかハズレとするかの判定や、大当りとする場合に確変大当りとするか通常大当りとするかの判定などを可能にする。メインチェックサムバッファは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときにRAM116の特定領域における記憶データを用いて算出されたチェックサムを保存するためのものである。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路117は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(CH0〜CH3)内蔵して構成され、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。例えば、タイマ回路117では、チャネルごとに予め設定したカウント値から所定周期でのカウントダウンを開始し、カウント値が「00」となったチャネルがあるときには、そのチャネルに対応した割込みフラグをオン状態にセットする。このとき、割込み許可状態であれば、タイマ回路117がCPU114に対する割込み要求を発生する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路118は、例えば全二重、非同期、標準NRZ(Non Return to Zero)フォーマットにより、払出制御基板などといった所定のサブ側の制御基板との間で送受信される通信データを取扱う回路である。入出力ポート119は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図3に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板13を介して主基板11から送信された演出制御コマンドを受信して、第1及び第2画像表示装置5A、5Bやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、その他の役物といった、各種の演出用電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作、所定の役物の駆動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。演出制御基板12には、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bに映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。
図14は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120と表示制御部121の構成例を示す図である。図14には、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの他に、第2画像表示装置5Bを駆動して表示画面上に画像を表示させるLCD駆動回路125も示されている。LCD駆動回路125は、演出制御基板12に搭載されたものでもよいし、演出制御基板12の外部に設置されたものでもよい。
図14に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU131と、ROM132と、RAM133と、乱数回路134と、入出力ポート135とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、CPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU131がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この実施の形態において、CPU131は、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、表示制御用のコマンドとなる表示制御指令を出力させて伝送させる。また、CPU131は、入出力ポート135から音制御部122に対して、音声データを出力させて伝送させる。さらに、CPU131は、入出力ポート135からランプ制御部123に対して、ランプデータを出力させて伝送させる。
加えて、CPU131は、入出力ポート135を介して表示制御部121のVDP141が備える一時記憶メモリ156にアクセスすることができる。そして、一時記憶メモリ156から読み出した表示用データをRAM133に一時記憶させた後、入出力ポート135からLCD駆動回路125に供給して、LCD駆動回路125により第2画像表示装置5Bの表示画面上に画像を表示させる。
演出制御基板12では、乱数回路134によって、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部が生成される。例えば、演出制御基板12の側では、確定飾り図柄決定用の乱数値やリーチ予告決定用の乱数値、大当り予告決定用の乱数値などが用いられる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が演出制御基板12の側で用いられてもよい。各乱数値を示す数値データは、乱数回路134にてハードウェアによる更新が可能となるようにカウントされてもよいし、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いてソフトウェアによる更新が可能となるようにカウントされてもよい。
確定飾り図柄決定用の乱数値は、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて確定飾り図柄として導出表示される飾り図柄を決定するために用いられる乱数値である。例えば、確定飾り図柄決定用の乱数値には、大当り図柄・左確定図柄決定用の乱数値や中確定図柄決定用の乱数値、右確定図柄決定用の乱数値などが含まれている。
リーチ予告決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることを予告する予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値である。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」及び「右」の可変表示部にて飾り図柄の変動が停止するまでの期間内で予め定められたリーチ予告期間にて飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる可能性があることを予告するリーチ予告パターンとして、リーチ予告#1〜#3の演出パターンが用意されているものとする。リーチ予告#1〜#3のリーチ予告パターンのうちいずれかが選択された場合には、例えば飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」及び「右」の可変表示部にて飾り図柄の変動が停止されるまでの期間などといった、所定のリーチ予告期間において、所定の表示動作が行われることなどにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる可能性があることを予告する予告演出表示が実行される。
具体的な一例として、リーチ予告#1〜#3のリーチ予告パターンのいずれかが選択されたことに対応して、第2画像表示装置5Bでは、図15(A)〜(C)に示すような表示動作が行われる。図15(A)に示すリーチ予告#1の表示動作では、第2画像表示装置5Bの表示画面全体を暗転させてから、表示画面をフラッシュさせる。図15(B)に示すリーチ予告#2の表示動作では、第2画像表示装置5Bの表示画面に、リーチとなることを予告する文字情報を表示させる。図15(C)に示すリーチ予告#3の表示動作では、第2画像表示装置5Bの表示画面に、所定のキャラクタ画像を表示させる。ここで、第2画像表示装置5Bの表示画面に表示されるキャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、あるいは、その他の任意の図形を示すものであればよい。なお、リーチ予告となる予告演出表示は、第2画像表示装置5Bでの表示動作により行われるものに限定されず、第1画像表示装置5Aでの表示動作により行われるものであってもよい。
大当り予告決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示結果が大当り組合せの確定飾り図柄となることを予告する予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値である。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでの期間内で予め定められた大当り予告期間にて飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される可能性があることを予告する大当り予告パターンとして、大当り予告#1〜#3の演出パターンが用意されているものとする。大当り予告#1〜#3の大当り予告パターンのうちいずれかが選択された場合には、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなってから確定飾り図柄が導出表示されるまでの期間などといった、所定の大当り予告期間において、所定の表示動作が行われることにより、飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される可能性があることを予告する予告演出表示が実行される。
具体的な一例として、大当り予告#1〜#3の大当り予告パターンのいずれかが選択されたことに対応して、第2画像表示装置5Bでは、図16(A)〜(C)に示すような表示動作が行われる。図16(A)に示す大当り予告#1の表示動作では、第2画像表示装置5Bの表示画面全体に所定の模様を示す演出画像を表示させる。図16(B)に示す大当り予告#2の表示動作では、第2画像表示装置5Bの表示画面に、第1画像表示装置5Aで行われている飾り図柄の可変表示におけるリーチの信頼度を報知する文字情報を表示させる。このような大当り予告#2の表示動作を行わせることにより、リーチの信頼度というパチンコ遊技機1における遊技に関する情報を遊技者に提供することができる。図16(C)に示す大当り予告#3の表示動作では、第2画像表示装置5Bの表示画面に、所定のキャラクタ画像を表示させる。ここで、大当り予告#3の表示動作にて表示されるキャラクタ画像は、リーチ予告#3の表示動作にて表示されるキャラクタ画像とは異なる演出画像であればよい。なお、大当り予告となる予告演出表示は、第2画像表示装置5Bでの表示動作により行われるものに限定されず、第1画像表示装置5Aでの表示動作により行われるものであってもよい。
図14に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM132には、CPU131による制御動作を決定するためのデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや、予告決定テーブル、事前転送設定テーブル、演出制御パターンテーブルなどを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。予告決定テーブルは、リーチ予告決定用の乱数値や大当り予告決定用の乱数値といった予告決定用の乱数値に基づき、リーチ予告や大当り予告といった予告演出を実行するか否かや、実行する場合における予告演出の態様を示す予告パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、飾り図柄の可変表示が開始されるときに、例えばCPU131がROM132に記憶された予告決定テーブルを参照して、リーチ予告や大当り予告を実行するか否かの決定や、実行すると決定した場合における予告パターンの決定を行う。一例として、CPU131は、乱数回路134などから抽出したリーチ予告決定用の乱数値に基づき、ROM132に記憶されたリーチ予告決定テーブルを参照することにより、リーチ予告を実行するか否かの決定や、実行すると決定した場合におけるリーチ予告パターンの決定を行う。また、CPU131は、乱数回路134などから抽出した大当り予告決定用の乱数値に基づき、ROM132に記憶された大当り予告決定テーブルを参照することにより、大当り予告を実行するか否かの決定や、実行すると決定した場合における大当り予告パターンの決定を行う。
このときには、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるか否かに対応して、異なるリーチ予告決定テーブルを参照する。そして、リーチとなる場合に参照されるリーチ予告決定テーブルと、リーチとはならない場合に参照されるリーチ予告決定テーブルとでは、リーチ予告を実行するか否かの決定結果や、実行する場合の各リーチ予告パターンに対するリーチ予告決定用の乱数値の割当てが異なっている。これにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるか否かに対応して、リーチ予告を実行することに決定される確率や、実行する場合における各リーチ予告パターンの選択確率を、異ならせることができる。例えば、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる場合には、リーチとはならない場合に比べて高い確率でリーチ予告を実行することに決定されるように、リーチ予告決定テーブルにおけるテーブルデータ(決定用データ)が構成されている。また、各リーチ予告パターンの選択確率に基づき、各リーチ予告パターンによる予告演出が行われた場合に可変表示態様がリーチとなる期待度(すなわち、そのリーチ予告が出現した場合にリーチとなる確率)であるリーチ予告の信頼度を定めることができる。例えば、各リーチ予告パターンによるリーチ予告の信頼度は、((リーチとなる場合における当該リーチ予告パターンの選択確率)×(リーチ出現率))/((リーチとはならない場合における当該リーチ予告パターンの選択確率)×(1−リーチ出現率)+(リーチとなる場合における当該リーチ予告パターンの選択確率)×(リーチ出現率))として求めることができる。
パチンコ遊技機1では、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる可変表示の実行回数に比べて、リーチとはならない可変表示の実行回数の方が多くなるように、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる確率(リーチ出現率)が定められている。例えば、リーチ出現率が1/10である場合には、平均的にみて、リーチとならない可変表示が9回実行されるうちに、リーチとなる可変表示が1回実行されるという割合になるように設計されている。したがって、リーチとはならない場合に高い確率で実行されるリーチ予告にて出現する演出画像は、低い確率で実行されるリーチ予告にて出現する演出画像に比べて、高い頻度で表示されることになる。
加えて、CPU131は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなるか否かに対応して、異なる大当り予告決定テーブルを参照する。そして、大当りとなる場合に参照される大当り予告決定テーブルと、大当りとはならない場合に参照される大当り予告決定テーブルとでは、大当り予告を実行するか否かの決定結果や、実行する場合の各大当り予告パターンに対する大当り予告決定用の乱数値の割当てが異なっている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなるか否かに対応して、大当り予告を実行することに決定される確率や、実行する場合における各大当り予告パターンの選択確率を、異ならせることができる。例えば、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる場合には、大当りとはならない場合に比べて高い確率で大当り予告を実行することに決定されるように、大当り予告決定テーブルにおけるテーブルデータ(決定用データ)が構成されている。また、各大当り予告パターンの選択確率に基づき、各大当り予告パターンによる予告演出が行われた場合に可変表示結果が大当りとなる期待度(すなわち、その大当り予告が出現した場合に大当りとなる確率)である大当り予告の信頼度を定めることができる。例えば、各大当り予告パターンによる大当り予告の信頼度は((大当りとなる場合における当該大当り予告パターンの選択確率)×(大当り確率))/((ハズレとなる場合における当該大当り予告パターンの選択確率)×(ハズレ確率)+(大当りとなる場合における当該大当り予告パターンの選択確率)×(大当り確率))として求めることができる。
パチンコ遊技機1では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる可変表示の実行回数に比べて、表示結果がハズレとなる可変表示の実行回数の方が十分に多くなるように、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる確率(大当り確率)が定められている。例えば、大当り確率が1/300である場合には、平均的にみて、表示結果がハズレとなる可変表示が299回実行されるうちに、表示結果が大当りとなる可変表示が1回実行されるという割合になるように設計されている。したがって、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に高い確率で実行される大当り予告にて出現する演出画像は、低い確率で実行される大当り予告にて出現する演出画像に比べて、高い頻度で表示されることになる。
ROM132に記憶された事前転送設定テーブルは、例えば飾り図柄の画像や予告演出にて第2画像表示装置5Bに表示させる画像といった、各種の演出画像を示す画像データのうちで、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データを、その演出画像が第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示されることに先立ち、事前に表示制御部121が備える画像データメモリ142(図14)からVDP141内の一時記憶メモリ156(図14)へと転送するよう指令するために用いられるテーブルである。ここで、演出画像は、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面にて表示可能な所定部位(表示画面の全体または一部)の画像のことであり、また、画像データは、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面において所定部位(表示画面の全体または一部)の画像を表示するために用意されたデータのことである。
事前転送設定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図17(A)に示すような事前転送設定テーブル220が用いられる。図17(A)に示す事前転送設定テーブル220は、3N+1個(Nは任意の自然数)のテーブルデータから構成されている。事前転送設定テーブル220から読み出すテーブルデータは、事前転送カウンタにおけるカウント値である事前転送カウント値によって決定される。
事前転送設定テーブル220には、事前に画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へと転送すべき画像データを特定するためのテーブルデータとして、処理数、読出アドレス#1〜#N、書込アドレス#1〜#N、転送データ量#1〜#Nなどを示すデータが格納されている。ここで、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示する各演出画像を示す画像データの使用頻度は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかによって差異が生じる。例えば、通常遊技状態であるときには、図2(A)に例示したように確変遊技状態のときに比べて飾り図柄を小さく表示するために、飾り図柄を表示するための画像データとして、VGAモード(640×480ピクセル)の画素数に対応して構成された画像データが使用される。これに対して、確変遊技状態であるときには、図2(B)に例示したように通常遊技状態のときに比べて飾り図柄を大きく表示するために、飾り図柄を表示するための画像データとして、SVGAモード(800×600ピクセル)の画素数に対応して構成された画像データが使用される。ここで、SVGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する際には、第1画像表示装置5Aに表示する演出画像の拡大率が、VGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する際に比べて小さい拡大率となるように設定される。したがって、SVGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用すれば、VGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する場合に比べて、きめの細かい演出画像を表示することができ、大きな演出画像を表示する場合でも画質の粗さが目立たないようにすることができる。
このような設定において、パチンコ遊技機1が通常遊技状態であるにもかかわらず、SVGAモードに対応した飾り図柄を示す画像データを一時記憶メモリ156に記憶させても、この画像データを使用する機会がなく、一時記憶メモリ156の使用効率が低下する。そこで、この実施の形態では、図17(B)に示すように、通常遊技状態と確変遊技状態のそれぞれに対応した事前転送設定テーブル220A、220Bを予め用意して、パチンコ遊技機1における遊技状態に対応して表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データが事前に画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へと転送されるようにする。
演出制御パターンテーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図18に示すような演出制御パターンテーブル230Aが用いられる。この演出制御パターンテーブル230Aには、表示制御部121のVDP141に対して送信する表示制御指令を示すデータや、音制御部122に対して出力する音声データ、ランプ制御部123に対して出力するランプデータといった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。演出制御パターンテーブル230Aに格納される複数種類の演出制御パターンはそれぞれ、例えば図19に示すように、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#n(nは任意の自然数)、表示制御データ#1〜#n、音声制御データ#1〜#n、ランプ制御データ#1〜#nといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、表示制御部121のVDP141や音制御部122、ランプ制御部123のそれぞれに対して送信する制御指令といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が設定されている。図18に示す演出制御パターンテーブル230Aには、主基板11からの可変表示開始コマンドに示される可変表示パターンなどに対応して、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄を導出表示するまでにおける演出制御に用いられる複数種類の演出制御パターンが格納されている。
演出制御パターンテーブルの他の一例として、この実施の形態では、図20に示すような演出制御パターンテーブル230Bも用いられる。この演出制御パターンテーブル230Bにも、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。図20に示す演出制御パターンテーブル230Bには、例えばデモ画面表示や大当り遊技状態の各ラウンドにおける演出表示、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出表示といった、飾り図柄の可変表示中以外の期間における演出制御に用いられる複数種類の演出制御パターンが格納されている。
例えば、演出制御パターンテーブル230Bに格納されたデモ表示用演出制御パターンは、デモ画面表示の実行中における演出制御に用いられる演出制御パターンである。このデモ画面表示では、主基板11から送信されたデモ表示コマンドの受信タイミングからの経過時間に対応して、例えば図21(A)〜(C)に示すようなデモ画面#1〜#3が、第2画像表示装置5Bの表示画面全体に順次に表示されればよい。ここで、図21(A)に示すデモ画面#1は、第2画像表示装置5Bの表示画面上にパチンコ遊技機1の機種名を示す文字情報を表示させたものである。図21(B)に示すデモ画面#2は、第2画像表示装置5Bの表示画面上にパチンコ遊技機1における大当り確率といった遊技に関する文字情報を表示させたものである。図21(C)に示すデモ画面#3は、第2画像表示装置5Bの表示画面上にパチンコ遊技機1のモチーフに対応するキャラクタ画像を表示させたものである。このようなデモ画面#1〜#3を第2画像表示装置5Bに表示させることにより、パチンコ遊技機1における遊技に関する情報を遊技者に提供することができる。
図14に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM133には、演出制御フラグ設定部、演出制御タイマ設定部、演出制御カウンタ設定部、演出制御バッファ設定部などとして、各種のデータを保持する領域が設けられていればよい。
演出制御フラグ設定部は、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示状態などといった演出動作状態、あるいは主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。演出制御タイマ設定部は、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bでの表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。演出制御カウンタ設定部は、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bでの表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM133とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。演出制御バッファ設定部は、演出制御基板12にて受信した演出制御コマンドに含まれるデータや、CPU131での処理過程で生成されたデータといった、演出制御に用いられる各種のデータを一時的に記憶可能な複数種類のバッファを提供する。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、音制御部122へと伝送される音声データ、ランプ制御部123へと伝送されるランプデータ、LCD駆動回路125へと伝送される表示用データなどが出力される。また、入出力ポート135の入力ポートには、VDP141の一時記憶メモリ156から読み出された表示用データなどが入力される。
図14に示す表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)141と、画像データメモリ142とが含まれている。VDP141は、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。画像データメモリ142は、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリや磁気メモリ、光学メモリといった不揮発性の記録媒体を用いて構成され、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bに演出画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する。例えば、画像データメモリ142が記憶する画像データには、第1画像表示装置5Aにおいて可変表示される複数種類の飾り図柄などといった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像データが含まれている。
VDP141は、図14に示すように、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、画像データメモリインタフェース153と、動画像用デコーダ154と、描画回路155と、一時記憶メモリ156と、フレームバッファメモリ157と、表示回路158とを備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやり取りするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156に転送する動作や、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データを一時記憶メモリ156に転送する動作といった、VDP141と外部回路との間やVDP141の内部でのデータ転送動作を制御する。例えば、転送制御回路152は、DMA(Direct Memory Access)転送を用いて、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へのデータ転送や、一時記憶メモリ156から演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133へのデータ転送を行うためのDMA装置を備えていればよい。
画像データメモリインタフェース153は、画像データメモリ142に記憶された画像データを読み出すためのアドレスバス接続端子やデータバス接続端子、チップ選択信号出力端子などを含んで構成されている。動画像用デコーダ154は、例えば動き補償予測符号化によりデータ圧縮された状態で画像データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出し、所定の伸張処理を実行することなどにより、動画像データのデコードを行う。ここで、動画像用デコーダ154は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、動画像データを1フレームずつデコードすることができる。
描画回路155は、一時記憶メモリ156に記憶された画像データに基づき第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bに演出画像を表示させるための表示用データを作成するための描画処理を実行する。例えば、描画回路155は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、一時記憶メモリ156の読出アドレスから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157の書込アドレスに書き込んで記憶させることにより、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上における所定座標に所定の演出画像を表示させるための表示用データを作成する。
一時記憶メモリ156は、例えばVRAM(Video RAM)などを用いて構成され、画像データメモリ142から読み出された画像データを一時記憶する。この実施の形態では、一時記憶メモリ156の記憶データを、演出制御用マイクロコンピュータ120から直接に読み出すことができるように構成されている。図22は、一時記憶メモリ156におけるアドレスマップの一例を示す図である。図22に示すように、一時記憶メモリ156には、固定アドレスエリア156Aと、可変アドレスエリア156Bとが設けられている。
固定アドレスエリア156Aは、第1画像表示装置5Aの表示画面上に表示される飾り図柄やキャラクタ画像、背景画像、第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示される文字画像やキャラクタ画像などといった、複数種類の演出画像のうちで、表示頻度が高くなるように設定された演出画像に対応する画像データとして、事前転送設定テーブル220に登録された画像データを一時記憶する領域である。例えば、通常遊技状態にて可変表示される飾り図柄を示すVGAモードに対応した画像データは、通常遊技状態で毎回の可変表示が実行される期間において、少なくとも1回は第1画像表示装置5Aにて可変表示するために使用される。これに対して、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなることを予告する大当り予告にて表示されるキャラクタ画像に対応した画像データは、可変表示の開始時に対応する大当り予告パターンでの予告演出を実行する旨の決定がなされたときに限り、その可変表示が実行されている所定期間内にて第2画像表示装置5Bなどに表示するために使用される。すなわち、飾り図柄となる演出画像は、大当り予告用の演出画像に比べて、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示頻度が高くなるように設定されている。また、予告演出用の文字画像やキャラクタ画像などといった演出画像うちでも、リーチ予告の信頼度や大当り予告の信頼度の低い予告演出で用いられる演出画像の方が、これらの信頼度が高い予告演出で用いられる演出画像に比べて、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示頻度が高くなるように設定されていることになる。
可変アドレスエリア156Bは、固定アドレスエリア156Aに画像データが記憶される演出画像に比べて第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示頻度が低い演出画像に対応する画像データとして、事前転送設定テーブル220には登録されていない画像データを一時記憶する領域である。また、可変アドレスエリア156Bは、例えば動画像用デコーダ154によってデコードされた動画像データといった、固定アドレスエリア156Aには記憶されない各種のデータを一時記憶することができる。可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDと最終アドレスENADDは、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令によってVDP141に通知されて設定される。
図14に示すVDP141が備えるフレームバッファメモリ157は、例えば一時記憶メモリ156とは物理的に分離された別個のVRAMなどを用いて構成され、描画回路155による描画処理などにより作成される演出画像の表示用データが展開記憶される。フレームバッファメモリ157に展開記憶される表示用データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)等に基づいて描画回路155が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。この実施の形態では、フレームバッファメモリ157の記憶データを、演出制御用マイクロコンピュータ120から直接に読み出すことができないように構成されている。フレームバッファメモリ157には、第1画像表示装置5Aにて表示する演出画像の表示用データと、第2画像表示装置5Bにて表示する演出画像の表示用データとが、描画回路155によって書き込まれて記憶される。そして、第1画像表示装置5Aにて表示する演出画像の表示用データは、表示回路158によって読み出される。他方、第2画像表示装置5Bにて表示する演出画像の表示用データは、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに転送して一時記憶させた後、演出制御用マイクロコンピュータ120により読み出されてRAM133へと伝送される。
図23は、フレームバッファメモリ157におけるアドレスマップの一例を示す図である。図23に示すように、フレームバッファメモリ157には、第1表示用データエリア157Aと、第2表示用データエリア157Bとが設けられている。第1表示用データエリア157Aは、第1画像表示装置5Aにて表示する演出画像の表示用データを記憶する領域である。第2表示用データエリア157Bは、第2画像表示装置5Bにて表示する演出画像の表示用データを記憶する領域である。フレームバッファメモリ157では、例えば先頭アドレス0000000HからアドレスVGENDまでの領域が、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときのように、VGAモードに対応した画像データに基づきVGAモードのサイズ(640×480ピクセル)を有する表示用データが作成される際に、第1表示用データエリア157Aとして使用される。また、フレームバッファメモリ157における先頭アドレス0000000HからアドレスSVENDまでの領域は、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態であるときのように、SVGAモードに対応した画像データに基づきSVGAモードのサイズ(800×600)を有する表示用データが作成される際に、第1表示用データエリア157Aとして使用される。フレームバッファメモリ157におけるアドレスSESTAからアドレスSEENDまでの領域は、第2表示用データエリア157Bとして使用される。
表示回路158は、フレームバッファメモリ157における第1表示用データエリア157Aから表示用データを読み出し、第1画像表示装置5Aの表示画面を構成する各画素の階調データを生成するとともに、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して第1画像表示装置5Aに出力することなどにより、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させる回路である。表示回路158は、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データの画素数を変換して、第1画像表示装置5Aの表示画面を構成する各画素の階調データを生成するスケーラ回路を有している。このスケーラ回路には、フレームバッファメモリ157から読み出された表示用データが入力され、垂直方向及び水平方向のいずれか一方あるいは双方について、所定の拡大率で拡大(または縮小)することで、ピクセルデータの画素数を変換する。例えば、スケーラ回路は、拡大後の画素値を拡大前における4点の画素値から線形補間により求めるバイリニアフィルタリングを用いて、ピクセルデータの画素数を変換することができる。スケーラ回路における垂直方向と水平方向の拡大率は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令により、個別に設定することができる。
また、VDP141には、画像データメモリ142から読み出されて一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aあるいは可変アドレスエリア156Bに一時記憶された画像データを特定可能に管理するテーブルとして、例えば図24に示すようなインデックステーブル250が設けられている。図24に示すインデックステーブル250は、例えば「開始アドレス」、「水平サイズ」、「読出完了フラグ」などを示すデータが、「インデックス番号」を示すデータと対応付けられたテーブルデータにより構成されている。ここで、「開始アドレス」は、画像データメモリ142に記憶されている画像データの先頭アドレスを示す。また、「水平サイズ」は、画像データが示す演出画像の水平方向における大きさを示す。「読出完了フラグ」は、画像データメモリ142から読み出された画像データの一時記憶メモリ156に対する転送が完了した場合に「オン」を示し、転送が完了していない場合や可変アドレスエリア156Bから読み出されてフレームバッファメモリ157への書き込みが完了した場合には「オフ」を示す。
図25は、演出制御用マイクロコンピュータ120にてCPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信する複数種類の表示制御指令の具体例を示す説明図である。図25に示すように、この実施の形態では、記憶領域設定指令、事前転送指令、自動転送指令、固定アドレス指定転送指令、表示用データ転送指令、確変開始用表示設定指令、確変終了用表示設定指令、マルチビュー設定指令、動画像表示設定指令、動画像デコード指令、拡大表示設定指令などといった表示制御指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと送信される。なお、これらの表示制御指令は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドと同様に、指令の分類を示すデータと、指令の種類を示すデータとから構成されるものでもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131によって、入出力ポート135を介してVDP141が備える各種のレジスタに、各表示制御指令に対応した制御データが書き込まれるようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135と、VDP141のホストインタフェース151との間には、所定のバス幅を有するアドレスバスとデータバスが接続されている。そして、VDP141が備える各種のレジスタにはアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、入出力ポート135からアドレスバスに出力したアドレス信号によりVDP141のレジスタを指定してアクセスすることができればよい。
記憶領域設定指令は、一時記憶メモリ156における記憶領域の設定を示す。例えば、記憶領域設定指令は、可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADD、可変アドレスエリア156Bの最終アドレスENADDなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
事前転送指令は、画像データメモリ142に記憶されている画像データのうちで、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データについて、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送して展開記憶させることを示す。例えば、事前転送指令は、画像データメモリ142における画像データの読出位置や、固定アドレスエリア156Aにて展開記憶させた後の画像サイズなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、画像データメモリ142における画像データの読出位置は、画像データメモリ142における読出アドレスであってもよいし、読出対象となる画像データに対応する演出画像に付された特定情報(例えば画像データに対応するキャラクタ画像のキャラクタ番号)などといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
自動転送指令は、画像データメモリ142に記憶されている画像データのうちで、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと転送されていない画像データについて、VDP141における自動的な転送設定に基づき、フレームバッファメモリ157に書き込ませて、当該画像データが示す演出画像を第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示することを示す。例えば、自動転送指令は、画像データメモリ142における画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、画像データメモリ142から読み出して転送される画像データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置は、フレームバッファメモリ157における1次元の書込アドレスであってもよいし、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上における演出画像の配置(例えば演出画像における左上部の表示座標)に対応した2次元アドレスなどといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
固定アドレス指定転送指令は、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと事前に転送された画像データについて、フレームバッファメモリ157に書き込ませて、当該画像データに対応した演出画像を第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示できるようにする。例えば、固定アドレス指定転送指令は、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、固定アドレスエリア156Aから読み出して転送される画像データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置は、一時記憶メモリ156における読出アドレスであってもよいし、例えば図24に示すインデックステーブル250にて画像データと対応付けられるインデックス番号などといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
表示用データ転送指令は、フレームバッファメモリ157に記憶された表示用データについて、一時記憶メモリ156に転送して書き込ませることを示す。例えば、表示用データ転送指令は、フレームバッファメモリ157における表示用データの読出位置、一時記憶メモリ156における表示用データの書込位置、フレームバッファメモリ157から読み出して転送される表示用データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、表示用データ転送指令により指定される一時記憶メモリ156における表示用データの書込位置は、例えば一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに含まれる任意の書込アドレスであればよい。あるいは、表示用データ転送指令では一時記憶メモリ156における表示用データの書込位置を指定せずに、VDP141の側で、例えばインデックステーブル250を参照することにより一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにて有効な画像データや表示用データが記憶されている領域以外の空き領域を特定して、その特定された空き領域に表示用データを書き込んで記憶させるようにしてもよい。この場合には、可変アドレスエリア156Bにおける表示用データの書込位置を、インデックステーブル250の設定などにより演出制御用マイクロコンピュータ120の側からでも特定できるようにすればよい。
確変開始用表示設定指令は、パチンコ遊技機1において確変遊技状態への制御が開始される場合に対応した表示動作の設定を示す。例えば、確変開始用表示設定指令は、確変遊技状態であるときにフレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに記憶されるSVGAモードのサイズを有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。また、確変開始用表示設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、確変開始用表示設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図31)のうち読出対象となるチップを選択するためのチップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
確変終了用表示設定指令は、パチンコ遊技機1において確変遊技状態への制御が終了する場合に対応した表示動作の設定を示す。例えば、確変終了用表示設定指令は、通常遊技状態であるときにフレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに記憶されるVGAモードのサイズを有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。また、確変終了用表示設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、確変終了用表示設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図31)のうち読出対象となるチップを選択するためのチップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
マルチビュー設定指令は、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面において複数の動画像を再生表示するための表示領域の設定を示す。例えば、マルチビュー設定指令は、動画像の再生表示を行う際にフレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに記憶されるVGAモードのサイズを有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。また、マルチビュー設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第2のバス幅として予め定められた32ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、マルチビュー設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図31)のうち読出対象となるチップを選択するためのチップセレクトの設定をCS#1とすることを示すデータを含んでいる。
動画像表示設定指令は、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面において再生表示される個別の動画像に関する設定を示す。例えば、動画像表示設定指令は、インデックステーブル250にて個別の動画像に対して付与されるインデックス番号や画像サイズ(水平サイズなど)といった、個別の動画像に対応したインデックステーブル250の設定を示すデータを含んでいる。また、動画像表示設定指令は、画像データメモリ142における動画像データの読出位置、一時記憶メモリ156における動画像データの書込位置などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
動画像デコード指令は、動画像用デコーダ154により1フレーム分の動画像データをデコードすることを示す。例えば、動画像デコード指令は、インデックステーブル250にて個別の動画像に対して付与されたインデックス番号などといった、デコードの対象となる動画像の識別情報を示すデータを含んでいる。また、動画像デコード指令は、デコードの実行を指示するためのデータを含んでいる。
拡大表示設定指令は、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上において所定の演出画像を拡大して表示するための設定を示す。例えば、拡大表示設定指令は、演出画像の拡大表示を行う際にフレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに記憶されるSVGAモードのサイズを有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。また、拡大表示設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、拡大表示設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図31)のうち読出対象となるチップを選択するためのチップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
図26は、図14に示す表示制御部121の画像データメモリ142におけるアドレスマップの一例を示す説明図である。図26に示すように、画像データメモリ142には、メインスプライト画像データエリア142Aと、サブスプライト画像データエリア142Bと、メイン動画像データエリア142Cと、サブ動画像データエリア142Dとが設けられている。メインスプライト画像データエリア142Aは、第1画像表示装置5Aの表示画面上にスプライト画像(静止画像)を表示するために使用されるスプライト画像データを記憶する。サブスプライト画像データエリア142Bは、第2画像表示装置5Bの表示画面上にスプライト画像を表示するために使用されるスプライト画像データを記憶する。メイン動画像データエリア142Cは、第1画像表示装置5Aの表示画面上に動画像を再生表示するために使用される動画像データを記憶する。サブ動画像データエリア142Dは、第2画像表示装置5Bの表示画面上に動画像を再生表示するために使用される動画像データを記憶する。なお、第1画像表示装置5Aの表示画面上に画像を表示するために使用する画像データと、第2画像表示装置5Bの表示画面上に画像を表示するために使用する画像データは、互いに共通のものを含んでいてもよく、メインスプライト画像データエリア142Aとサブスプライト画像データエリア142B、あるいは、メイン動画像データエリア142Cとサブ動画像データエリア142Bは、分離されずに一体として配置されていてもよい。
この実施の形態では、画像データメモリ142におけるアドレスMASTAからアドレスMAENDまでの領域が、メインスプライト画像データエリア142Aに設定されている。画像データメモリ142におけるアドレスSASTAからアドレスSAENDまでの領域は、サブスプライト画像データエリア142Bに設定されている。画像データメモリ142におけるアドレスMBSTAからアドレスMBENDまでの領域は、メイン動画像データエリア142Cに設定されている。画像データメモリ142におけるアドレスSBSTAからアドレスSBENDまでの領域は、サブ動画像データエリア142Dに設定されている。
メイン動画像データエリア142Cやサブ動画像データエリア142Dに記憶される動画像データは、動き補償予測符号化によりデータ圧縮されており、所定のストリーム構成を有している。メイン動画像データエリア142Cやサブ動画像データエリア142Dには、複数種類の動画像データがそれぞれ、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に設けられた表示領域にて再生表示される個別の動画像による1単位の遊技演出の種類ごとに1つの動画像ファイルに格納された状態で記憶されている。各動画像ファイルは、ファイルヘッダと、少なくとも1つのフレームヘッダ及びフレームごとの圧縮データとを含む。例えば、1フレーム分の圧縮データは、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのいずれかに分類され、フレームヘッダには、いずれのピクチャの種類を識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報などが含まれている。Iピクチャは、フレーム内符号化によって符号化されているピクチャである。Pピクチャは、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行うピクチャである。Bピクチャは、過去及び未来の両方のフレームを用いて双方向の動き補償予測を行うピクチャである。また、動き補償予測符号化は行わずに、1フレーム分の圧縮データがすべてIピクチャとなるようにして、フレーム内圧縮(空間圧縮)のみが行われた動画像データを用いるようにしてもよい。
メインスプライト画像データエリア142Aには、例えば図27に示すように、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データ#01−01〜#01−XXや、VGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データ#02−01〜#02−XXが記憶されている。
サブスプライト画像データエリア142Bには、例えば図28に示すように、図21(A)〜(C)に示すデモ画面#1〜#3を含むデモ画面#1〜#Xに対応した演出表示用の画像データ#11−01〜#11−XXが記憶されている。また、サブスプライト画像データエリア142Bには、図15(A)〜(C)に示すリーチ予告#1〜#3を含むリーチ予告#1〜#Xに対応した演出表示用の画像データ#12−01〜#12−XXが記憶されている。加えて、サブスプライト画像データエリア142Bには、図16(A)〜(C)に示す大当り予告#1〜#3を含む大当り予告#1〜#Xに対応した演出表示用の画像データ#13−01〜#13−XXが記憶されている。
メイン動画像データエリア142Cには、例えば図29に示すように、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上にて動画像の再生表示用に設定される表示領域の個数や、動画像の種類、リーチ演出表示として動画像の再生表示を行うマルチA〜マルチCの可変表示パターンが第1のパターン#1であるか第2のパターン#2であるかなどに対応して予め複数種類用意された、動画像表示用の画像データ#21−01〜#21−XXが記憶されている。ここで、メイン動画像データエリア142Cに記憶される動画像表示用の画像データ#21−01〜#21−XXはいずれも、VGAモードの画素数に対応して構成されたものであればよい。あるいは、画像データ#21−01〜#21−XXのうち全部または一部が、SVGAモードの画素数に対応して構成されていてもよい。また、画像データ#21−01〜#21−XXのうち、実写画像等の高精細な動画像を再生表示するための画像データはSVGAモードの画素数に対応して構成される一方で、実写画像等以外の低精細な動画像を再生表示するための画像データはVGAモードの画素数に対応して構成されていてもよい。ここで、例えばVGAモードとSVGAモードのうちのSVGAモードといった、画素数の多い動画像データを用いて動画像の再生表示を行う場合には、画素数の少ない動画像データを用いて動画像の再生表示を行う場合に比べて、再生表示される動画像の画質を向上させることができ、動画像の再生表示による演出効果を高めることができる。
サブ動画像データエリア142Dには、例えば図30に示すように、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上にて動画像の再生表示用に設定される表示領域の個数や、動画像の種類、リーチ演出表示として動画像の再生表示を行うマルチA〜マルチCの可変表示パターンが第2のパターンであることなどに対応して予め複数種類用意された、動画像表示用の画像データ#31−01〜#31−XXが記憶されている。
また、画像データメモリ142は、例えば図31に示すような複数(図31の例では3個)のメモリチップ142−1〜142−3を含んで構成されている。図31に示す例では、メモリチップ142−1とメモリチップ142−2にスプライト画像表示用の画像データが記憶されている。すなわち、メインスプライト画像データエリア142Aと、サブスプライト画像データエリア142Bは、メモリチップ142−1とメモリチップ142−2が有する記憶領域に配置されている。メモリチップ142−1とメモリチップ142−2に記憶されたスプライト画像表示用の画像データは、第1のバス幅として予め定められた64ビットを単位として読み出される。例えば、メインスプライト画像データエリア142Aとサブスプライト画像データエリア142Bでは、64ビット単位でアドレスが付与されており、上位32ビットのデータがメモリチップ142−1に記憶される一方で、下位32ビットのデータがメモリチップ142−2に記憶される。メモリチップ142−1とメモリチップ142−2の記憶データは、VDP141から出力されるチップセレクト信号CS#0がオン状態であるときに読出可能となる。チップセレクト信号CS#0は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される表示制御指令によりチップセレクトの設定をCS#0としたことに対応して、オン状態となる。そして、チップセレクト信号CS#0がオン状態であるときには、メモリチップ142−1からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#0〜#31を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送され、メモリチップ142−2からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#32〜#63を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送される。
図31に示すメモリチップ142−3には、動画像表示用の画像データが記憶されている。すなわち、メイン動画像データエリア142Cと、サブ動画像データエリア142Dは、メモリチップ142−3が有する記憶領域に配置されている。メモリチップ142−3に記憶された動画像表示用の画像データは、第2のバス幅として予め定められた32ビットを単位として読み出される。例えば、メイン動画像データエリア142Cとサブ動画像データエリア142Dでは、32ビット単位でアドレスが付与されて、全てのデータがメモリチップ142−3に記憶される。メモリチップ142−3の記憶データは、VDP141から出力されるチップセレクト信号CS#1がオン状態であるときに読出可能となる。チップセレクト信号CS#1は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される表示制御指令によりチップセレクトの設定をCS#1としたことに対応して、オン状態となる。そして、チップセレクト信号CS#1がオン状態であるときには、メモリチップ142−3からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#0〜#31を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送される。このときには、データバス#32〜#63は使用されない。
図3に示す演出制御基板12に搭載された音制御部122は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けた音声データにデジタル/アナログ変換を施すなどして音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる回路である。演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けたランプデータに応じたランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯/消灯切換を行う回路である。なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12の外部に設置された回路であってもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU114によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。この遊技制御メイン処理を開始すると、例えばCPU114が割込み禁止に設定した後に割込みモードの設定を行い、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより割込みアドレスが生成されるマスク可能割込みの割込みモードが設定される。この設定により、マスク可能な割込みが発生したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100が自動的に割込み禁止状態になるとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされることになればよい。
続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定などといったスタックポインタに関わる設定や、遊技制御用マイクロコンピュータ100における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)が行われる。その後、例えば電源基板などから伝送される電源断信号がオフ状態となっていることなどに対応して、RAM116をアクセス可能に設定する。また、CPU114は、RAM116の記憶内容を初期化するためのクリア信号がオンとなっているか否かを判定する。このクリア信号は、例えば電源基板を介して所定のクリアスイッチから主基板11へと伝送される信号であればよい。また、クリア信号がオンであるか否かをチェックした後には、遊技の進行を制御する遊技制御処理の開始タイミングを、ソフトウェアの実行により所定時間が経過するまで遅延させるようにしてもよい。加えて、CPU114は、クリア信号の状態を1回だけ確認するようにしてもよいが、クリア信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリア信号の状態をもう1回確認する。このとき、クリア信号がオフ状態であれば、クリア信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリア信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリア信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリア信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
こうした確認の結果として、クリア信号がオフであるときには、RAM116のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する。例えばRAM116の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムと遊技制御バッファ設定部165に設けられたメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、メインチェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。このメインチェックサムバッファは、バックアップ電源によってバックアップされるRAM116のバックアップ領域に含まれており、電力供給が停止した場合でも、所定期間はメインチェックサムバッファの内容が保存されることになる。算出されたチェックサムとメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとの比較結果が不一致であれば、RAM116の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
データチェックの結果が正常であるときには、遊技制御フラグ設定部162に設けられたメインバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する。メインバックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、遊技制御フラグ設定部162に設定される。そして、このメインバックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、メインバックアップフラグの状態は保存されることになる。例えばメインバックアップフラグの値として「55H」が遊技制御フラグ設定部162に設定されていれば、バックアップあり(オン状態)であると判断される。これに対して、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)であると判断される。なお、メインバックアップフラグがオンとなっているか否かの判定を、データチェック結果の判定よりも先に行い、メインバックアップフラグがオンであるときにRAM116のデータチェック結果が正常であるか否かを判定するようにしてもよい。
メインバックアップフラグがオンであるときには、メインバックアップフラグをクリアしてオフ状態とした後、CPU114が、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行う。具体的な一例として、ROM115に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次に、RAM116内の作業領域に設定する。ここで、RAM116の作業領域はバックアップ電源によってバックアップされており、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていてもよい。このときには、例えば遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、演出制御基板12に対して確変遊技状態であることを通知する演出制御コマンド(一例として、確変開始コマンドと同一のコマンド)を送信するなどして、電力供給の停止時に確変遊技状態であったことを、主基板11の側から演出制御基板12の側に対して通知するようにしてもよい。
また、クリア信号がオンであるときや、データチェックの結果が正常ではないとき、あるいはメインバックアップフラグがオフであるときには、RAM116の初期化を行う。このときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定も行う。
復旧時における設定と初期化時における設定のうちいずれか一方の設定を行った後には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路117のレジスタ設定などを行うことにより、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにタイマ割込みが発生するように遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部設定を行う。この後、CPU114がROM115から読み出した所定の乱数初期設定データ(KRSS)に基づいて、乱数回路113などによる乱数生成動作の初期設定を行うための乱数初期設定処理を実行する。その後、シリアル通信回路118によるシリアル通信動作の初期設定を行うシリアル通信初期設定処理や、割込み要求に基づいて実行される各種の割込み処理の優先順位などを設定するための割込み初期設定処理などが実行されればよい。そして、CPU114は割込み許可状態に設定して、各種割込みの発生を待機する。
割込み許可状態に設定した後に割込みが発生しない場合や、割込み要因に対応する割込み処理が実行された後には、電源断信号がオン状態となったか否か(出力されたか否か)の判定を行い、オフであれば、そのまま各種割込みの発生を待機する。また、電源断信号がオン状態となったときには、メイン側電源断処理を実行した後、所定のループ処理を実行して、電力供給の停止による遊技制御用マイクロコンピュータ100の動作停止まで待機する。
図32は、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて遊技の進行を制御するためのタイマ割込みが発生するごとにCPU114によって実行される遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU114は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介して各スイッチ21〜23などから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4の一部をソフトウェアにより更新するためのメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU114は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU114は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示装置20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU114は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信させる(ステップS17)。こうしてコマンド制御処理を実行した後に、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図33は、特別図柄プロセス処理として、図32に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU114は、まず、例えば始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が始動入賞口に入賞して始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS102)。始動入賞処理を実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である特図保留記憶数カウント値に対応する保留記憶数通知コマンドテーブルの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM116に設けられた送信コマンドポインタにセットすることなどにより、保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS103)。こうしたステップS103での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図32に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドが送信されることになる。ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS101;No)、ステップS102、S103の処理をスキップする。
ステップS102にて実行される始動入賞処理では、まず、特図保留記憶部161に記憶されている特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えば乱数回路113の乱数値レジスタにおける格納値などを、特図表示結果判定用の乱数値MR1として読み出す。例えばCPU114は、乱数回路113に伝送される出力制御信号をオン状態に設定した後、乱数回路113から伝送される乱数値出力信号を取り込むことにより、乱数回路113が備える乱数値レジスタから読み出された数値データを乱数値MR1として取得すればよい。同様にして、確変判定用の乱数値MR2を示す数値データを読み出す。こうして特図表示結果判定用の乱数値MR1や確変判定用の乱数値MR2を読み出したことに続いて、その乱数値MR1、MR2を、特図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、特図保留記憶部161における特図保留記憶数を1加算して更新する。
ステップS103の処理を実行した後や、ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、CPU114が図33に示すようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、特図保留記憶部161に格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどに基づいて特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS111の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示パターン設定処理は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定する処理や、可変表示パターンに対応した可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。
ステップS112の特別図柄可変表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理では、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行って特別図柄を変動させるための制御が行われる。また、特別図柄可変表示処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示の残り時間を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた特別図柄プロセスタイマにおけるタイマ値である特別図柄プロセスタイマ値によって計測する処理、特図ゲームにおける可変表示時間が経過したことに対応して確定特別図柄を停止表示させる処理などを含んでいる。ステップS113の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームが終了したことに対応して、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う処理や、確変回数カウンタにおけるカウント値である確変回数カウント値を更新する処理などを含んでいる。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理は、大当り遊技状態におけるラウンドとして特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態にする場合に、大入賞口を開放状態とする開放時間の設定を行う処理や、大入賞口を開放状態とするより前に所定の待ち時間が経過するまで待機する処理、その待ち時間が経過した後に大入賞口を開放状態とするための駆動信号をソレノイド回路102によってソレノイド82に対して供給させるための処理などを含んでいる。ステップS115の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、大当り遊技状態にて実行されるラウンドごとに大入賞口を開放状態とする残り時間を、特別図柄プロセスタイマ値によって計測する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態とするためにソレノイド回路102からソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などを含んでいる。 ステップS116の大入賞口開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理は、大入賞口を開放状態とすることによるラウンドの実行回数が所定の開放回数最大値(例えば「15」)に達したか否かを判定する処理や、開放回数最大値に達した場合に大当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理は、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により大当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などを含んでいる。
図34は、図33のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す特別図柄通常処理において、CPU114は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部164に保持された特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップ201)。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS201;No)、特図保留記憶部161から保留番号「1」に対応して記憶されている特図表示結果判定用の乱数値MR1を示すデータと、確変判定用の乱数値MR2を示すデータとを読み出す(ステップS202)。このとき読み出されたデータは、例えば遊技制御バッファ設定部165に設けられた表示結果判定用バッファなどにセットされればよい。
ステップS202の処理を実行した際には、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、特図保留記憶数を更新する(ステップS203)。さらに、ステップS203の処理では、特図保留記憶部161において保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2を示すデータを、1エントリずつ上位にシフトする。
ステップS203の処理に続いて、例えば表示結果判定用バッファから読み出した乱数値MR1を示すデータが所定の大当り判定値データと合致するか否かを判定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとするか否かの判定を行う(ステップS204)。ここで、大当り判定値データは、遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変フラグがオンであるかオフであるかに対応して、乱数値MR1のうち予め定められた範囲の値を示すデータであればよい。具体的な一例として、確変フラグがオフである場合には、乱数値MR1のうち「2001」〜「2218」の範囲の値が、大当り判定値データと合致する。他方、確変フラグがオンである場合には、乱数値MR1のうち「2001」〜「3308」の範囲の値が、大当り判定値データと合致する。なお、大当り判定値データは、ROM115に予め記憶された大当り判定テーブルのテーブルデータによって定められてもよい。
ステップS204にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致した場合には(ステップS204;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS205)。続いて、例えば表示結果判定用バッファから読み出した乱数値MR2を示すデータが所定の確変判定値データと合致するか否かを判定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとする場合に、通常大当りと確変大当りのうちいずれとするかの判定を行う(ステップS206)。
ステップS206にて乱数値MR2が確変判定値データと合致した場合には(ステップS206;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS207)。このときには、確変大当り図柄「7」を確定特別図柄に決定する(ステップS208)。他方、ステップS206にて乱数値MR2が確変判定値データと合致しない場合には(ステップS206;No)、通常大当り図柄「3」を確定特別図柄に決定する(ステップS209)。また、ステップS204にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS204;No)、ハズレ図柄「−」を確定特別図柄に決定する(ステップS210)。ステップS208、S209、S210の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である“1”に設定してから(ステップS211)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS201;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられたデモ表示フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS212)。このとき、デモ表示フラグがオンであれば(ステップS212;Yes)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS212にてデモ表示フラグがオフである場合には(ステップS212;No)、例えばデモ表示コマンドテーブルの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM116に設けられた送信コマンドポインタにセットすることなどにより、デモ表示コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS213)。こうしたステップS213での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図32に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対してデモ表示コマンドが送信されることになる。その後、デモ表示フラグをオン状態にセットしてから(ステップS214)、特別図柄通常処理を終了する。
図35は、図33のステップS111にて実行される可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す可変表示パターン設定処理において、CPU114は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS221;Yes)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図7(A)に示す大当り時パターン決定テーブル200Aを設定する(ステップS222)。具体的な一例として、CPU114は、ステップS222の処理において、ROM115に記憶された大当り時パターン決定テーブル200Aの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM116に設けられたテーブルポインタにセットする。
ステップS221にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS221;No)、例えば乱数回路113といったハードウェアにより、あるいはCPU114が実行するソフトウェアにより更新される、リーチ判定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(ステップS223)。そして、ステップS223にて抽出した乱数値MR4が所定のリーチ判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS224)。ここで、リーチ判定値データは、ROM115などに予め記憶されたリーチ判定テーブルを構成するテーブルデータによって定められればよい。具体的な一例として、乱数値MR4のうち「210」〜「239」の範囲の値が、リーチ判定値データと合致する。
ステップS224にて乱数値MR4がリーチ判定値データと合致した場合には(ステップS224;Yes)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図7(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル200Bを設定する(ステップS225)。具体的な一例として、CPU114は、ステップS225の処理において、ROM115に記憶されたリーチハズレ時パターン決定テーブル200Bの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットする。
ステップS224にて乱数値MR4がリーチ判定値データと合致しない場合には(ステップS224;No)、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS226)。このとき、確変フラグがオフであれば(ステップS226;No)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図7(C)に示す通常時ハズレパターン決定テーブル200Cを設定する(ステップS227)。このときには、例えばROM115に記憶された通常時ハズレパターン決定テーブル200Cの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットすればよい。
ステップS226にて確変フラグがオンである場合には(ステップS226;Yes)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図7(D)に示す確変中ハズレパターン決定テーブル200Dを設定する(ステップS228)。このときには、例えばROM115に記憶された確変中ハズレパターン決定テーブル200Dの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットすればよい。
ステップS222、S225、S227、S228の処理のいずれかを実行した後には、例えば乱数回路113といったハードウェアにより、あるいはCPU114が実行するソフトウェアにより更新される、可変表示パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS229)。そして、ステップS229にて抽出した乱数値MR3に基づき、ステップS222、S225、S227、S228の処理のいずれかにて設定したパターン決定テーブル200A〜200Dのいずれかを参照することにより、乱数値MR3に対応した可変表示パターンを決定する(ステップS230)。
こうして可変表示パターンを決定した後には、その可変表示パターン等に対応する可変表示時間を決定する(ステップS231)。このときには、可変表示パターンのみならず、例えば特図保留記憶数カウント値を読み出すことにより特定される特図保留記憶数や、確定特別図柄(例えば通常大当り図柄「3」であるか確変大当り図柄「7」であるか)などにも対応して、可変表示時間を決定するようにしてもよい。また、ステップS231の処理では、決定された可変表示時間に対応したタイマ初期値を、特別図柄プロセスタイマに設定してもよい。
その後、演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS232)。具体的な一例として、CPU114は、ステップS232の処理において、ROM115に記憶された複数種類の可変表示開始コマンドテーブルのうち、確定特別図柄や可変表示パターン、可変表示時間などに対応したコマンドテーブルの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。ここで、ステップS232の処理では、確定特別図柄が通常大当り図柄「3」であるか確変大当り図柄「7」であるかに応じて可変表示開始コマンドのEXTデータなどが異なるものとなるように、コマンドテーブルの選択を行うようにすればよい。あるいは、ステップS222の処理において、確定特別図柄が通常大当り図柄「3」であるか確変大当り図柄「7」であるかに応じて異なる可変表示パターンを選択できるようにして、ステップS232の処理では、ステップS222にて選択された可変表示パターンに対応したコマンドテーブルを設定するようにしてもよい。すなわち、ステップS232の処理では、特別図柄の可変表示結果が通常大当りであるか確変大当りであるかに応じて異なる可変表示開始コマンドを送信するための設定を行うようにする。こうしたステップS232での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図32に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信されることになる。このときには、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定も行われる(ステップS233)。例えば、ステップS232にて設定された可変表示開始コマンドテーブルには、可変表示開始コマンドを演出制御基板12に対して送信するための制御データの他に、保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための制御データも含まれていればよい。そして、特別図柄プロセス処理が終了してから図32に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して、可変表示開始コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されればよい。
ステップS233の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS234)、可変表示パターン設定処理を終了する。
図36は、図33のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す特別図柄停止処理において、CPU114は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS241)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS241;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS242)。例えば、CPU114は、ステップS242の処理において、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、特別図柄プロセスタイマに設定する。
ステップS242の処理に続いて、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS243)。例えば、CPU114は、ステップS243の処理において、ROM115に記憶された大当り開始コマンドテーブルの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしたステップS243での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図32に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して大当り開始コマンドが送信される。ステップS243の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS244)。
ステップS244の処理に続いて、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS245)。このとき、確変フラグがオンであれば(ステップS245;Yes)、確変フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS246)、確変回数カウンタをクリアして、確変回数カウンタにおけるカウント値である確変回数カウント値を、初期設定値である「0」に設定する(ステップS247)。このときには、遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変終了確認フラグをオン状態にセットしておく(ステップS248)。
ステップS245にて確変フラグがオフである場合や(ステップS245;No)、ステップS248の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS249)、特別図柄停止処理を終了する。
また、ステップS241にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS241;No)、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS250)。このとき、確変フラグがオンであれば(ステップS250;Yes)、確変回数カウント値を1減算して更新する(ステップS251)。そして、ステップS251での更新後における確変回数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS252)。
ステップS252にて確変回数カウント値が「0」であると判定された場合には(ステップS252;Yes)、例えばROM115に記憶された確変終了コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS253)。こうしたステップS253での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図32に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変終了コマンドが送信される。ステップS253の処理を実行した後には、確変フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS254)。
ステップS250にて確変フラグがオフである場合や(ステップS250;No)、ステップS252にて確変回数カウント値が「0」以外の値である場合(ステップS252;No)、あるいはステップS254の処理を実行した後には、デモ表示フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS255)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS256)、特別図柄停止処理を終了する。
図37は、図33のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す大当り終了処理において、CPU114は、まず、所定の大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS261)。ここで、大当り終了時演出待ち時間は、図33のステップS116にて実行される大入賞口開放後処理にて、特別図柄プロセスフラグの値を“7”に更新するときに特別図柄プロセスタイマに設定されたタイマ初期値に基づいて計測されればよい。例えば、CPU114は、ステップS261の処理にて特別図柄プロセスタイマにおけるタイマ値を1減算するなどして更新し、更新後のタイマ値を所定の待ち時間経過判定値データ(例えば「0」を示すデータ)と比較することなどにより、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS261にて大当り終了時演出待ち時間が経過していない場合には(ステップS261;No)、そのまま大当り終了処理を終了させる。
ステップS261にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS261;Yes)、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS262)。このとき、確変確定フラグがオンであれば(ステップS262;Yes)、確変フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS263)、確変確定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS264)。また、確変回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定する(ステップS265)。そして、例えばROM115に記憶された確変開始コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS266)。こうしたステップS266での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図32に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変開始コマンドが送信される。ステップS266の処理を実行した後には、確変終了確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS267)。
ステップS262にて確変確定フラグがオフである場合には(ステップS262;No)、確変終了確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。このとき、確変終了確認フラグがオンであれば(ステップS268;Yes)、例えばROM115に記憶された確変終了コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS269)。こうしたステップS268での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図32に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変終了コマンドが送信される。
ステップS267にて確変終了確認フラグがオンである場合や(ステップS267;Yes)、ステップS269の処理を実行した後には、確変終了確認フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS270)。ステップS267にて確変終了確認フラグがオフである場合や(ステップS267;No)、ステップS268にて確変終了確認フラグがオフである場合(ステップS268;No)、あるいはステップS270の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS271)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図38のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図38に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS51)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。続いて、CPU131は、記憶領域設定指令処理を実行することにより、VDP141が備える一時記憶メモリ156における記憶領域を、図22に示すような固定アドレスエリア156Aと可変アドレスエリア156Bとに設定するための指令を行う(ステップS52)。
図39は、図38のステップS52にて実行される記憶領域設定指令処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定指令処理において、CPU131は、図22に示すような可変アドレスエリア156Bとなる記憶領域を設定するためのデータとして、STADDの設定データと、ENADDの設定データとを、ROM132から読み出す(ステップS131、S132)。そして、ステップS131、S132にて読み出した設定データに基づき、記憶領域設定指令を作成して、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップS133)。例えば、CPU131は、ステップS133の処理において、入出力ポート135に含まれる出力ポートのうち表示制御部121のVDP141に対する表示制御指令送信用の出力ポートに、記憶領域設定指令に対応した制御データをセットする。これにより、CPU131は、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して記憶領域設定指令を送信させる。演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135から送信された記憶領域設定指令は、VDP141のホストインタフェース151にて取り込まれる。
以上のような記憶領域設定指令処理を実行した後には、事前転送指令処理を実行することにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aとなる記憶領域に、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像に対応した画像データを一時記憶させるための指令を行う(図38のステップS53)。
図40は、図38のステップS53などにて実行される事前転送指令処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送指令処理において、CPU131は、まず、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた確変開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS141)。このとき、確変開始フラグがオフであれば(ステップS141;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であることに対応して、図17(B)に示す通常遊技状態用の事前転送設定テーブル220Aをセットする(ステップS142)。具体的な一例として、CPU131は、ステップS142の処理において、ROM132に記憶された事前転送設定テーブル220Aの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM133に設けられた事前転送ポインタにセットする。
ステップS141にて確変開始フラグがオンである場合には(ステップS141;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態であることに対応して、図17(B)に示す確変遊技状態用の事前転送設定テーブル220Bをセットする(ステップS143)。具体的な一例として、CPU131は、ステップS143の処理において、ROM132に記憶された事前転送設定テーブル220Bの先頭アドレスを、事前転送ポインタにセットする。ステップS143の処理を実行した後には、確変開始フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS144)。
なお、図38に示すステップS53にて事前転送指令処理を実行する際には、ステップS141の処理において、主基板11から所定の演出制御コマンド(一例として、確変開始コマンドと同一のコマンド)を受信したか否かを判定するなどして、電力供給の停止時に確変遊技状態であった旨が通知されたか否かを判定してもよい。そして、確変遊技状態であった旨が通知された場合には、ステップS143の処理に進んで確変遊技状態用の事前転送設定テーブル220Bをセットする一方で、確変遊技状態であった旨の通知がない場合には、ステップS142の処理に進んで通常遊技状態用の事前転送設定テーブル220Aをセットすればよい。
ステップS142、S144の処理のいずれかを実行した後には、RAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値である事前転送カウント値を「0」に初期化する(ステップS145)。そして、事前転送設定テーブル220(事前転送設定テーブル220A、220Bのうち事前転送ポインタに先頭アドレスがセットされたもの。以下同様。)から、事前転送カウント値が「0」であることに対応したテーブルデータを読み出すことにより、処理数の設定を行う(ステップS146)。
この後、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS147)。そして、ステップS147にて更新した事前転送カウント値に対応した事前転送設定テーブル220のテーブルデータを読み出すことにより、画像データメモリ142における画像データの読出位置を示す読出アドレスを特定する(ステップS148)。また、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS149)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル220のテーブルデータを読み出すことにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aとなる記憶領域にて画像データを一時記憶させる書込位置を示す書込アドレスを特定する(ステップS150)。
さらに、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS151)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル220のテーブルデータを読み出すことにより、転送データ量を特定する(ステップS152)。こうして特定された読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、CPU131は事前転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS153)。ここで、図17(B)に示す事前転送設定テーブル220A、220Bには、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかに応じて演出画像を異なる表示態様で表示するための複数種類の画像データに対応したテーブルデータが含まれている。そのため、ステップS153の処理を繰り返し実行することにより、演出画像を表示するための画像データに対応した事前転送指令を、VDP141に対して順次に送信することができる。この事前転送指令に対応して、表示制御部121では、画像データメモリ142から演出画像を異なる表示態様で表示するための複数種類の画像データが順次に読み出され、VDP141が備える一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに書き込まれて一時記憶されることになる。ステップS153の処理を実行したときには、処理数を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS154)。
続いて、ステップS154にて更新した処理数が、所定の終了判定値(例えば「0」)に達したか否かを判定する(ステップS155)。このとき、処理数が終了判定値に達していなければ(ステップS155;No)、ステップS147の処理に戻る。これに対して、処理数が終了判定値に達すれば(ステップS155;Yes)、事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS156)。このときには事前転送ポインタもクリアして、そのポインタ値を初期化してもよい。その後、RAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた可変表示回数カウンタを初期化して、そのカウント値である可変表示回数カウント値を「0」に初期化してから(ステップS157)、事前転送指令処理を終了する。
以上のように、図38のステップS53にて事前転送指令処理を実行した後には、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込みフラグを監視して、そのフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップS54)。そして、タイマ割込みが発生せずにタイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップS54;No)、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行して待機する。他方、タイマ割込みの発生によりタイマ割込みフラグがオンとなった場合には(ステップS54;Yes)、そのフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS55)、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップS56)。
図41は、図38のステップS56におけるコマンド解析処理にて実行される処理内容の一例を示す説明図である。ステップS56のコマンド解析処理では、まず、受信コマンドバッファをチェックして主基板11から送信された演出制御コマンドの受信があるか否かの判定が行われる。そして、受信コマンドありと判定したときには、そのコマンドを受信コマンドバッファから読み出す。これに続いて、読み出された受信コマンドに対応する各種の処理が実行される。
例えば、受信コマンドが可変表示開始コマンドであるときには、受信コマンドの下位バイトを、RAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた可変表示開始バッファに記憶させるなどしてセーブする。このときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた可変表示開始フラグをオン状態にセットする。受信コマンドがデモ表示コマンドであるときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたデモ表示設定フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り開始コマンドであるときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする。
コマンド解析処理において、受信コマンドが大当りラウンド数通知コマンドであるときには、例えば受信コマンドの下位バイトをRAM133に設けられたラウンド数バッファに記憶させることなどにより、ラウンド数をセーブする。このときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたラウンド数通知済みフラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り終了コマンドであるときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた大当り終了フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが確変開始コマンドであるときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた確変開始フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが確変終了コマンドであるときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた確変終了フラグをオン状態にセットする。
コマンド解析処理において、受信コマンドが保留記憶数通知コマンドであるときには、所定の保留記憶数表示設定処理を実行する。この保留記憶数表示設定処理では、例えば保留記憶数通知コマンドによって通知された特図保留記憶数を特定し、特定された特図保留記憶数に対応した設定により、第1画像表示装置5Aが備える特別図柄始動記憶表示エリアにて特図保留記憶数の表示が行われる。受信コマンドがその他のコマンドであるときには、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部にて受信した演出制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをオン状態にセットするなど、受信コマンドに対応した処理が実行される。
以上のように、図38のステップS56にてコマンド解析処理を実行した後には、飾り図柄プロセス処理を実行する(ステップS57)。この飾り図柄プロセス処理では、第1画像表示装置5Aの表示画面にて行われる飾り図柄の可変表示の進行状況に応じて、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示出力、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作などにより各種の演出動作を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップS58)、演出制御基板12の側にて乱数回路134等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。ステップS58にて演出側乱数値更新処理を実行した後には、ステップS54に戻る。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止状態に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生した割込みに対応して、CPU131は、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた演出側受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出側受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
図42は、図38のステップS57にて実行される飾り図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す飾り図柄プロセス処理では、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた飾り図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の各処理が実行される。
ステップS170の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の飾り図柄可変表示設定処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を含めた第1画像表示装置5Aにおける演出画像の表示動作や、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでの期間において各種の演出画像を第2画像表示装置5Bに表示させる表示動作といった、各種の演出動作を行うために、例えば図18に示すような演出制御パターンテーブル230Aに格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや表示結果の種類などに対応するものを選択する処理を含んでいる。
ステップS172の飾り図柄可変表示中処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この処理において、CPU131は、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、図19に示すような演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどの演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば表示制御部121のVDP141に表示制御指令を送信することや、VDP141から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部122に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部123にランプ制御指令を送信することといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した終了コードが読み出されると、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応する所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。この後、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS173の大当り開始待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、CPU131は、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板11から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理は、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bに所定の演出画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図43は、図42のステップS170にて実行される可変表示開始コマンド受信待ち処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示開始コマンド受信待ち処理において、CPU131は、まず、確変開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、確変開始フラグがオンであれば(ステップS501;Yes)、確変遊技状態への制御が開始される場合に対応した確変開始用の表示設定を行う(ステップS502)。例えば、確変遊技状態では、図2(B)に示すように、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部に飾り図柄が1つずつ停止表示されることにより、有効ラインが横方向に1本だけ定められ、各可変表示部における飾り図柄が通常遊技状態のときに比べて大きく表示される。そこで、CPU131は、ステップS502の処理において、図25に示すような確変開始用表示設定指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる。この確変開始用表示設定指令により、VDP141では表示回路158のスケーラ回路における拡大率の調整が行われ、SVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率を設定する。
ステップS501にて確変開始フラグがオフである場合には(ステップS501;No)、確変終了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS503)。このとき、確変終了フラグがオンであれば(ステップS503;Yes)、確変終了フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS504)。そして、確変遊技状態が終了して通常遊技状態への制御が開始される場合に対応した確変終了用の表示設定を行う(ステップS505)。例えば、通常遊技状態では、図2(A)に示すように、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部に飾り図柄が3つずつ停止表示されることが可能となり、有効ラインが5本定められ、各可変表示部における飾り図柄が確変遊技状態のときに比べて小さく表示される。そこで、CPU131は、ステップS505の処理において、図25に示すような確変終了用表示設定指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる。この確変終了用表示設定指令により、VDP141では表示回路158のスケーラ回路における拡大率の調整が行われ、VGAモードのサイズ(640×480ピクセル)を有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率を設定する。
ステップS502、S505の処理のいずれかを実行した後には、図38のステップS53と同様にして、事前転送指令処理を実行する(ステップS506)。ステップS506にて事前転送指令処理を実行した後や、ステップS503にて確変終了フラグがオフである場合には(ステップS503;No)、可変表示開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS507)。
ステップS507にて可変表示開始フラグがオフである場合には(ステップS507;No)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたデモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS508)。なお、デモ表示中フラグは、後述するステップS512の処理が実行されたときにオン状態にセットされる一方で、ステップS521の処理が実行されたときにクリアされてオフ状態となる。ステップS508にて、デモ表示中フラグがオフであれば(ステップS508;No)、デモ表示設定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS509)。このとき、デモ表示設定フラグがオフであれば(ステップS509;No)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS509にてデモ表示設定フラグがオンである場合には(ステップS509;Yes)、例えば図20に示す演出制御パターンテーブル230Bに格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、デモ表示用演出制御パターンを選択し、デモ画面表示中における演出動作を制御するための演出制御パターンとして設定する(ステップS510)。具体的な一例として、CPU131は、ステップS510の処理において、ROM132に記憶されたデモ表示用演出制御パターンの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM133に設けられた演出制御パターンポインタにセットする。このときには、デモ表示設定フラグをクリアしてオフ状態とする一方で(ステップS511)、デモ表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS512)。その後、例えばステップS510にて設定したデモ表示用演出制御パターンの先頭アドレスなどから、演出制御プロセスタイマ設定値を読み出して演出制御プロセスタイマにおけるタイマ初期値の設定を行う(ステップS513)。
ステップS508にてデモ表示中フラグがオンである場合には(ステップS508;Yes)、演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値である演出制御プロセスタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS514)。このときには、更新後の演出制御プロセスタイマ値をデモ表示用演出制御パターンにて示させる演出制御プロセスタイマ判定値と比較することにより、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS515)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS515;No)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS515にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS515;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けてデモ表示用演出制御パターンに格納された表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった各種制御データを読み出す(ステップS516)。このときには、ステップS516にて読み出した制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS517)。そして、読み出された制御データが終了コードである場合には(ステップS517;Yes)、ステップS513の処理に進み、デモ表示用演出制御パターンに格納された演出制御プロセスタイマ設定値に基づいて、演出制御プロセスタイマにおけるタイマ初期値を再び設定すればよい。他方、ステップS517にて終了コードではない場合には(ステップS517;No)、ステップS516にて読み出された制御データに応じた指令や処理を行ってから(ステップS518)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS507にて可変表示開始フラグがオンである場合には(ステップS507;Yes)、デモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS519)。このとき、デモ表示中フラグがオンであれば(ステップS519;Yes)、例えば第1画像表示装置5Aと第2画像表示装置5Bの各表示画面における表示を一旦消去させるといった、デモ画面の表示を終了させるための設定を行う(ステップS520)。また、ステップS509にてデモ表示設定フラグがオンであることに対応してデモ画面の表示を開始する際に、例えば第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて停止表示されている飾り図柄を示すデータといった、デモ画面の表示を開始する以前の表示画像を特定可能な情報を、RAM133に設けられたデモ表示前情報バッファに記憶しておき、ステップS520の処理では、デモ表示前情報バッファに記憶された情報に基づいて、デモ画面の表示を開始する以前の画像を表示させてから、飾り図柄の可変表示を開始させるようにするとよい。ステップS520の処理に続いて、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS521)。ステップS521の処理を実行した後や、ステップS519にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS519;No)、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS522)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
図44は、図42のステップS171にて実行される飾り図柄可変表示設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示設定処理において、CPU131は、まず、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部から可変表示開始バッファ値を読み出すことなどにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果は大当りとなるか否かの判定を行う(ステップS531)。
ステップS531にて表示結果が大当りではないと判定された場合には(ステップS531;No)、その表示結果はリーチハズレであるか否かの判定を行う(ステップS532)。このとき、表示結果はリーチハズレであると判定されれば(ステップS532;Yes)、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS533)。例えば、CPU131は、ステップS533の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、大当り図柄・左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶されている左確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち第1画像表示装置5Aにおける「左」の可変表示部に導出表示される左確定飾り図柄を決定する。また、左確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を、確定飾り図柄のうち第1画像表示装置5Aにおける「右」の可変表示部に導出表示される右確定飾り図柄に決定する。さらに、例えば乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶されている中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち第1画像表示装置5Aにおける「中」の可変表示部に導出表示される中確定飾り図柄を決定する。このとき、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチハズレ組合せとなるようにすればよい。
ステップS532にて表示結果がリーチハズレではないと判定された場合には(ステップS532;No)、通常ハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS534)。例えば、CPU131は、ステップS534の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、大当り図柄・左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された左確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄を決定する。また、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、中確定飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された右確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、右確定飾り図柄を決定する。このとき、例えば右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を右確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとはならずに通常ハズレ組合せとなるようにすればよい。
ステップS531にて表示結果が大当りであると判定された場合には(ステップS531;Yes)、その表示結果は確変大当りであるか否かの判定を行う(ステップS535)。このとき、表示結果は確変大当りであると判定されれば(ステップS535;Yes)、確変大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS536)。例えば、CPU131は、ステップS536の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、大当り図柄・左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された確変図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の確変図柄のうち確定飾り図柄とするものを決定する。
ステップS535にて表示結果が確変大当りではないと判定された場合には(ステップS535;No)、通常大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS537)。例えば、CPU131は、ステップS537の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、大当り図柄・左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された通常図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の通常図柄のうち確定飾り図柄とするものを決定する。
ステップS533、S534、S536、S537の処理のいずれかにて確定飾り図柄を決定した後には、各処理で決定した確定図柄を示すデータをRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた確定飾り図柄バッファに記憶させることなどにより、確定飾り図柄をセーブする(ステップS538)。
ステップS538の処理に続いて、リーチ予告を実行するか否かの決定を行う(ステップS539)。例えば、CPU131は、ステップS539の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、リーチ予告決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶されたリーチ予告決定テーブルを参照することなどにより、リーチ予告を実行するか否かを決定する。このときには、リーチ予告を実行する場合におけるリーチ予告パターンの決定も行うようにすればよい。例えば、リーチ予告決定テーブルでは、リーチ予告決定用の乱数値が複数種類のリーチ予告パターンと、リーチ予告を実行しない旨の決定結果とに、それぞれ割り当てられており、抽出された乱数値に対応して、リーチ予告実行の有無と、リーチ予告を実行する場合におけるリーチ予告パターンとを決定できるように、テーブルデータ(決定用データ)が構成されていればよい。ここで、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かに応じて、異なるリーチ予告決定テーブルを参照してもよい。そして、リーチとする場合に参照するリーチ予告決定テーブルと、リーチとしない場合に参照するリーチ予告決定テーブルとでは、リーチ予告決定用の乱数値の割当てを異ならせることにより、各リーチ予告パターンによる予告演出が出現した場合に飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる確率を、リーチ予告実行の有無や各リーチ予告パターンに応じて異ならせるようにしてもよい。
ステップS539の処理に続いて、大当り予告を実行するか否かの決定を行う(ステップS540)。例えば、CPU131は、ステップS540の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、大当り予告決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された大当り予告決定テーブルを参照することなどにより、大当り予告を実行するか否かを決定する。このときには、大当り予告を実行する場合における大当り予告パターンの決定も行うようにすればよい。例えば、大当り予告決定テーブルでは、大当り予告決定用の乱数値が複数種類の大当り予告パターンと、大当り予告を実行しない旨の決定結果とに、それぞれ割り当てられており、抽出された乱数値に対応して、大当り予告実行の有無と、大当り予告を実行する場合における大当り予告パターンとを決定できるように、テーブルデータ(決定用データ)が構成されていればよい。ここで、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとするか否かに応じて、異なる大当り予告決定テーブルを参照してもよい。そして、大当りとする場合に参照する大当り予告決定テーブルと、大当りとしない場合に参照する大当り予告決定テーブルとでは、大当り予告決定用の乱数値の割当てを異ならせることにより、各大当り予告パターンによる予告演出が出現した場合に可変表示結果が大当りとなる確率を、大当り予告実行の有無や各大当り予告パターンに応じて異ならせるようにしてもよい。
ステップS540の処理を実行した後には、可変表示開始コマンドにより主基板11から通知された可変表示パターンや、確定飾り図柄、リーチ予告パターン、大当り予告パターンなどの決定結果に対応する演出制御パターンを設定する(ステップS541)。例えば、CPU131は、ステップS541の処理において、図18に示す演出制御パターンテーブル230Aに格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターン等に対応したものを選択し、選択した演出制御パターンのROM132におけるアドレスを、演出制御パターンポインタにセットする。また、例えばステップS541にて設定した演出制御パターンの先頭アドレスなどから、演出制御プロセスタイマ設定値を読み出して演出制御プロセスタイマにおけるタイマ初期値の設定を行う(ステップS542)。
ステップS542での設定に続いて、例えば演出制御パターンに含まれる表示制御データに対応した表示制御指令を入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させることなどにより、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS543)。その後、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS544)、飾り図柄可変表示設定処理を終了する。
図45は、図42のステップS172にて実行される飾り図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU131は、まず、演出制御プロセスタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS551)。
このときには、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンポインタに先頭アドレスがセットされた演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較することなどにより、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS552)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS552;No)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS552にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS552;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった各種制御データを読み出す(ステップS553)。このときには、ステップS553にて読み出した制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS554)。ステップS554にて終了コードではないと判定された場合には(ステップS554;No)、ステップS553にて読み出された制御データに応じた指令や処理を行ってから(ステップS555)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS554にて終了コードであると判定された場合には(ステップS554;Yes)、可変表示回数カウント値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS556)。そして、更新後の可変表示回数カウント値が所定の事前転送実行判定値(例えば「100」など)と合致するか否かを判定する(ステップS557)。このとき、事前転送実行判定値と合致すれば(ステップS557;Yes)、事前転送指令処理を実行する(ステップS558)。他方、ステップS557にて事前転送実行判定値と合致しない場合には(ステップS557;No)、ステップS558の処理をスキップする。
この後、CPU131は、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、大当り開始コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS559)。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS560)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
図43に示すステップS518や、図45に示すステップS555の処理内では、例えば演出制御パターンから読み出された表示制御データなどに従って第1画像表示装置5Aなどにおけるスプライト画像の表示を更新するための処理として、CPU131により図46のフローチャートに示すような画像更新指令処理が実行される。この画像更新指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、表示を更新する対象となる画像部位を特定する(ステップS571)。続いて、ステップS571にて特定した画像部位に対応する画像データの読出位置が、VDP141の一時記憶メモリ156に設けられた固定アドレスエリア156Aであるか、画像データメモリ142であるかの判定を行う(ステップS572)。すなわち、ステップS571にて特定した画像部位は、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに画像データを事前に転送する対象となる演出画像であるか否かの判定を行う。例えば、ステップS572では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかに応じて事前転送設定テーブル220A、220Bのいずれかに、ステップS571にて特定された画像部位の演出画像に対応した画像データを転送するためのテーブルデータが含まれているか否かを判定すればよい。
ステップS572にて画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定された場合には(ステップS572;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS573)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像部位の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ157における画像データの書込アドレスを特定する(ステップS574)。さらに、更新対象となる画像部位の演出画像に対応した画像データの転送データ量を特定する(ステップS575)。その後、ステップS573〜S575にて特定した固定アドレスエリア156Aにおける読出アドレス、フレームバッファメモリ157における書込アドレス、転送データ量に基づいて、固定アドレス指定転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS576)。
ステップS572にて画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aではないと判定された場合には(ステップS572;No)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS577)。また、演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ157における画像データの書込アドレスを特定する(ステップS578)。さらに、更新対象となる画像部位の演出画像に対応した画像データの転送データ量を特定する(ステップS579)。その後、ステップS577〜S579にて特定した画像データメモリ142における読出アドレス、フレームバッファメモリ157における書込アドレス、転送データ量に基づいて、自動転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS580)。
この後、全ての更新対象となる画像部位についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS581)。そして、指令が完了していなければ(ステップS581;No)、ステップS571の処理に戻る。これに対して、全ての更新対象となる画像部位について指令が完了すれば(ステップS581;Yes)、画像更新指令処理を終了する。
図47は、表示制御部121のVDP141が備える転送制御回路152により実行される転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した表示制御指令があるか否かを判定する(ステップS601)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信指令がなければ(ステップS601;No)、ステップS601の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS601にて受信指令がある場合には(ステップS601;Yes)、その受信指令が記憶領域設定指令であるか否かを判定する(ステップS602)。そして、記憶領域設定指令であれば(ステップS602;Yes)、所定の記憶領域設定処理を実行する一方(ステップS603)、記憶領域設定指令ではなければ(ステップS602;No)、受信指令が事前転送指令であるか否かを判定する(ステップS604)。
ステップS604にて受信指令が事前転送指令である場合には(ステップS604;Yes)、所定の事前転送処理を実行する(ステップS605)。これに対して、受信指令が事前転送指令ではない場合には(ステップS604;No)、受信指令が自動転送指令であるか否かを判定する(ステップS606)。このとき、受信指令が自動転送指令であれば(ステップS606;Yes)、所定の自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。これに対して、受信指令が自動転送指令ではない場合には(ステップS606;No)、受信指令が表示用データ転送指令であるか否かを判定する(ステップS608)。
ステップS608にて受信指令が表示用データ転送指令である場合には(ステップS608;Yes)、所定の表示用データ転送処理を実行する(ステップS609)。ステップS608にて受信指令が表示用データ転送指令ではない場合や(ステップS608;No)、ステップS603、S605、S607、S609の処理のいずれかを実行した後には、ステップS601の処理に戻る。
図48は、図47のステップS603にて実行される記憶領域設定処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定処理において、転送制御回路152は、まず、一時記憶メモリ156をクリアして、その記憶内容を初期化する(ステップS611)。続いて、記憶領域設定指令に含まれるデータから、可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスとなるアドレスSTADDを特定する(ステップS612)。そして、このとき特定されたアドレスSTADDを、VDP141に内蔵された所定のレジスタにセットして格納する(ステップS613)。また、転送制御回路152は、記憶領域設定指令に含まれるデータから、可変アドレスエリア156Bの最終アドレスとなるアドレスENADDを特定する(ステップS614)。そして、このとき特定されたアドレスENADDを、VDP141に内蔵された所定のレジスタにセットして格納してから(ステップS615)、記憶領域設定処理を終了する。
図49は、図47のステップS605にて実行される事前転送処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送処理において、転送制御回路152は、まず、事前転送指令に含まれるデータから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS621)。続いて、事前転送指令に含まれるデータから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS622)。また、事前転送指令に含まれるデータから、転送すべき画像データのデータ量を特定する(ステップS623)。そして、ステップS621〜S623にて特定した画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを固定アドレスエリア156Aに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS624)。例えば、転送制御回路152は、ステップS624の処理において、所定のDMA(Direct Memory Access)装置に、画像データメモリ142の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する画像データのデータ量をセットして、DMA転送による画像データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS625)、完了していなければ(ステップS625;No)、ステップS625の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS625にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS625;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル250に画像データの転送完了を登録してから(ステップS626)、事前転送処理を終了する。ステップS626の処理において、転送制御回路152は、固定アドレスエリア156Aへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル250に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。
図50は、図47のステップS607にて実行される自動転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、自動転送指令に含まれるデータから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS631)。続いて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS632)。例えば、転送制御回路152は、ステップS632の処理において、インデックステーブル250を参照することにより可変アドレスエリア156Bのうち「転送完了フラグ」が「オン」となって有効な画像データ等が記憶されている領域以外の空き領域を特定する。こうして特定された空き領域のうちから、今回転送すべき画像データを記憶させる領域を決定し、その先頭アドレスを書込アドレスとして特定すればよい。
また、転送制御回路152は、自動転送指令に含まれるデータから、転送すべき画像データのデータ量を特定する(ステップS633)。そして、ステップS631〜S633にて特定した画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを可変アドレスエリア156Bに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS634)。例えば、転送制御回路152は、ステップS634の処理において、所定のDMA装置に、画像データメモリ142の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する画像データのデータ量をセットして、DMA転送による画像データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS635)、完了していなければ(ステップS635;No)、ステップS635の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS635にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS635;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル250に画像データの転送完了を登録してから(ステップS636)、自動転送制御処理を終了する。また、この自動転送制御処理にて画像データを転送する場合には、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの転送先アドレス(書込アドレス)を描画回路155に通知して、描画回路155による画像データの読出を可能にしてもよい。
図51は、図47のステップS609にて実行される表示用データ転送処理の一例を示すフローチャートである。この表示用データ転送処理において、転送制御回路152は、まず、表示用データ転送指令に含まれるデータから、フレームバッファメモリ157における表示用データの読出アドレスを特定する(ステップS641)。続いて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける表示用データの書込アドレスを特定する(ステップS642)。例えば、転送制御回路152は、ステップS642の処理において、インデックステーブル250を参照することにより可変アドレスエリア156Bのうち「転送完了フラグ」が「オン」となって有効な画像データ等が記憶されている領域以外の空き領域を特定する。こうして特定された空き領域のうちから、今回転送すべき表示用データを記憶させる領域を決定し、その先頭アドレスを書込アドレスとして特定すればよい。
また、転送制御回路152は、表示用データ転送指令に含まれるデータから、転送すべき表示用データのデータ量を特定する(ステップS643)。そして、ステップS641〜S643にて特定した表示用データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データを可変アドレスエリア156Bに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS644)。例えば、転送制御回路152は、ステップS644の処理において、所定のDMA装置に、フレームバッファメモリ157の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する表示用データのデータ量をセットして、DMA装置による表示用データの転送開始を指示する。
ステップS644の処理において、転送制御回路152は、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データを、一時記憶メモリ156にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして記憶させるようにしてもよい。あるいは、転送制御回路152は、第2画像表示装置5Bの表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして展開するようにしてもよい。ここで、一時記憶メモリ156にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして表示用データを記憶させれば、演出画像の水平サイズや垂直サイズに拘束されることなく、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bなどにて連続するアドレスに表示用データを書き込むことができるので、一時記憶メモリ156の使用効率を高めることができる。他方、第2画像表示装置5Bの表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして表示用データを記憶させれば、一時記憶メモリ156から読み出した表示用データの読出位置と表示画面上における表示座標とを1対1に対応させることができ、例えば一時記憶メモリ156の記憶アドレスから第2画像表示装置5Bの表示画面上における演出画像の表示座標への変換に要する処理負担を軽減することができる。ここで、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに記憶させる表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、LCD駆動回路125といった、第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。
この後、転送制御回路152は、表示用データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS645)、完了していなければ(ステップS645;No)、ステップS645の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS645にて表示用データの転送が完了したと判定されれば(ステップS645;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル250に表示用データの転送完了を登録してから(ステップS646)、表示用データ転送処理を終了する。
図52は、表示制御部121のVDP141が備える描画回路155により実行される描画処理の一例を示すフローチャートである。この描画処理において、描画回路155は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した表示制御指令があるか否かを判定する(ステップS701)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信指令がなければ(ステップS701;No)、ステップS701の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS701にて受信指令がある場合には(ステップS701;Yes)、その受信指令が固定アドレス指定転送指令であるか否かを判定する(ステップS702)。そして、固定アドレス指定転送指令であれば(ステップS702;Yes)、所定の固定アドレス指定描画処理を実行する一方(ステップS703)、固定アドレス指定転送指令ではなければ(ステップS702;No)、受信指令が自動転送指令であるか否かを判定する(ステップS704)。
ステップS704にて受信指令が自動転送指令である場合には(ステップS704;Yes)、所定の自動転送描画処理を実行する(ステップS705)。ステップS704にて受信指令が自動転送指令ではない場合や(ステップS704;No)、ステップS703、S705の処理のいずれかを実行した後には、ステップS701の処理に戻る。
図53は、図52のステップS703にて実行される固定アドレス指定描画処理の一例を示すフローチャートである。この固定アドレス指定描画処理において、描画回路155は、まず、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS711)。続いて、ステップS711にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル250を参照し、読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS712)。
ステップS712にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS712;Yes)、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータから、フレームバッファメモリ157における表示用データの書込アドレスを特定する(ステップS713)。この後、描画回路155は、ステップS711にて特定した読出アドレスからの画像データの読出動作と、ステップS713にて特定した書込アドレスへの表示用データの書込動作とを行い、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させる(ステップS714)。このとき、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データがピクセルデータである場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをそのまま表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。他方、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが、ポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータである場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出したベクトルデータに基づいてピクセルデータを作成し、そのピクセルデータを表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。また、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが、例えば離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)やアダマール変換といった、所定の圧縮符号化が施されている場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データに所定の復号化処理を施すことにより得られるピクセルデータを、表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。なお、表示用データを作成するために使用される画像データが3次元表示用の画像データやポリゴンなどのベクトルデータである場合には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された画像データに基づく所定の演算処理の実行結果として得られたデータを、VDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば描画回路155がCPUから転送されたデータに基づいて表示用データを作成し、フレームバッファメモリ157に展開記憶させるようにすればよい。
また、描画回路155は、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させるときに、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして展開するようにしてもよい。あるいは、描画回路155は、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして展開するようにしてもよい。ここで、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして表示用データを展開すれば、演出画像の水平サイズや垂直サイズに拘束されることなく、フレームバッファメモリ157にて連続するアドレスに表示用データを書き込むことができるので、フレームバッファメモリ157の使用効率を高めることができる。他方、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして表示用データを展開すれば、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データの読出位置と表示画面上における表示座標とを1対1に対応させることができ、例えばフレームバッファメモリ157の記憶アドレスから第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上における演出画像の表示座標への変換に要する処理負担を軽減することができる。ここで、フレームバッファメモリ157に設けられた第1表示用データエリア157Aに展開記憶する表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、表示回路158に含まれる液晶ドライバといった、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。また、フレームバッファメモリ157に設けられた第2表示用データエリア157Bに展開記憶する表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、LCD駆動回路125といった、第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。
加えて、ステップS714の処理では、これからフレームバッファメモリ157に書き込もうとする表示用データ(書込側データ)と、各画素に対応して既にフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データ(記憶側データ)との間で優先度の比較を行い、書込側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込む一方で、記憶側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込まないようにする。具体的な一例として、フレームバッファメモリ157には、各画素のピクセルデータを記憶するエリアとは別に、各画素の記憶側データに付された優先度に対応したZ値を記憶するエリアが設けられている。また、描画回路155が一時記憶メモリ156から読み出す画像データにも、各画素の優先度に対応したZ値を示すデータが含まれている。そして、描画回路155は、各画素の書込側データと記憶側データでZ値の比較演算を実行することで、書込側データと記憶側データのうちどちらの優先度が高いかを判定すればよい。例えば、所定のキャラクタ画像に対応する画像データでは、各画素における優先度が、背景画像に対応する画像データに比べて高くなるように予め設定しておく。これにより、背景画像の前面にキャラクタ画像を出現させるように、フレームバッファメモリ157への表示用データの書き込みを行うことができる。
ステップS714の処理を実行した後には、フレームバッファメモリ157に表示用データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS715)、完了していなければ(ステップS715;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS716)、ステップS714の処理に戻る。他方、ステップS715にて描画が完了すれば(ステップS715;Yes)、固定アドレス指定描画処理を終了する。
ステップS712にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS712;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS717)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS717;No)、ステップS712に戻って待機する。これに対して、ステップS717にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS717;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を送信することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS718)、固定アドレス指定描画処理を終了する。描画回路155がステップS718の処理を実行することにより送信されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。このときには、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させてエラーの発生を報知することにより、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示動作に異常が発生して正しく表示できない場合でも、エラーの発生を適切に報知することができる。あるいは、例えばCPU131がROM132に記憶されている所定のエラー表示用画像データを読み出し、入出力ポート135からLCD駆動回路125に供給させることで、第2画像表示装置5Bにおける画像表示によりエラーの発生を報知するようにしてもよい。
図54は、図52のステップS705にて実行される自動転送描画処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送描画処理において、描画回路155は、まず、例えば転送制御回路152からの通知などに基づいて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS731)。続いて、ステップS731にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル250を参照し、読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS732)。
ステップS732にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS732;Yes)、自動転送指令に含まれるデータから、フレームバッファメモリ157における表示用データの書込アドレスを特定する(ステップS733)。この後、描画回路155は、ステップS731にて特定した読出アドレスからの画像データの読出動作と、ステップS733にて特定した書込アドレスへの画像データの書込動作とを行う(ステップS734)。このとき、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データがピクセルデータである場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをそのまま表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。他方、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが、ポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータである場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出したベクトルデータに基づいてピクセルデータを作成し、そのピクセルデータを表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。また、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが、例えば離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)やアダマール変換といった、所定の圧縮符号化が施されている場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データに所定の復号化処理を施すことにより得られるピクセルデータを、表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。なお、表示用データを作成するために使用される画像データが3次元表示用の画像データやポリゴンなどのベクトルデータである場合には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された画像データに基づく所定の演算処理の実行結果として得られたデータを、VDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば描画回路155がCPUから転送されたデータに基づいて表示用データを作成し、フレームバッファメモリ157に展開記憶させるようにすればよい。
また、描画回路155は、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させるときに、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして展開するようにしてもよい。あるいは、描画回路155は、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして展開するようにしてもよい。ここで、フレームバッファメモリ157に設けられた第1表示用データエリア157Aに展開記憶する表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、表示回路158に含まれる液晶ドライバといった、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。また、フレームバッファメモリ157に設けられた第2表示用データエリア157Bに展開記憶する表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、LCD駆動回路125といった、第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。加えて、ステップS734の処理では、これからフレームバッファメモリ157に書き込もうとする表示用データ(書込側データ)と、各画素に対応して既にフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データ(記憶側データ)との間で優先度の比較を行い、書込側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込む一方で、記憶側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込まないようにすればよい。
ステップS734の処理を実行した後には、フレームバッファメモリ157に表示用データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS735)、完了していなければ(ステップS735;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS736)、ステップS734の処理に戻る。他方、ステップS735にて描画が完了すれば(ステップS735;Yes)、描画に用いた画像データと対応付けてインデックステーブル250に登録された「転送完了フラグ」をクリアして「オフ」とした後(ステップS737)、自動転送描画処理を終了する。
ステップS732にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS732;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS738)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS738;No)、ステップS732に戻って待機する。これに対して、ステップS738にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS738;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を送信することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS739)、自動転送描画処理を終了する。描画回路155がステップS739の処理を実行することにより送信されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、ステップS718の処理により送信されたエラー情報を受け取った場合と同様に、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。あるいは、例えばCPU131がROM132に記憶されている所定のエラー表示用画像データを読み出し、入出力ポート135からLCD駆動回路125に供給させることで、第2画像表示装置5Bにおける画像表示によりエラーの発生を報知するようにしてもよい。
図55は、表示制御部121のVDP141が備える動画像用デコーダ154により実行される動画像デコード処理の一例を示すフローチャートである。動画像用デコーダ154は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの動画像デコード指令を受信したことに応答して、図55に示すような動画像デコード処理の実行を開始する。この動画像デコード処理において、動画像用デコーダ154は、まず、画像データメモリ142に記憶されている演出表示に使用する動画像データから、1フレーム分のピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS751)。なお、動画像用デコーダ154が画像データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出す際には、例えば事前に演出制御用マイクロコンピュータ120から送信されたマルチビュー設定指令といった、動画像表示用の設定指令に応答して、画像データメモリ142から動画像データを読み出すデータバスのバス幅が、32ビット幅といった、転送制御回路152が画像データメモリ142からスプライト画像データを読み出すときとは異なるバス幅に設定されている。また、ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番とデコードされる順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配されているIピクチャ又はPピクチャをデコードしたあとにデコードされる。ステップS751の処理において、動画像用デコーダ154は、例えば事前に演出制御用マイクロコンピュータ120から送信された動画像表示設定指令といった、個別の動画像を表示するための設定指令に応答して、画像データメモリ142における動画像データの読出位置(例えば読出アドレス)を指定する読出ポインタの値(読出ポインタ値)や、フレームバッファメモリ157にてデコード後の表示用データを書き込む書込位置(例えば書込アドレス)を指定する書込ポインタの値(書込ポインタ値)、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにて個別の動画像に対応したデコード後の画像データを一時記憶するピクチャバッファ位置(例えば記憶アドレス)を指定するピクチャバッファポインタの値(ピクチャバッファポインタ値)の設定を行うようにすればよい。
なお、圧縮符号化が施された圧縮データからなる動画像データを読み出す際には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして動画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された動画像データを、そのままVDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば動画像用デコーダ154がステップS751の処理において、ホストインタフェース151などの外部インタフェースを介して、転送された動画像データを受け取るようにすればよい。
ステップS751にてピクチャデータを読み出した後、動画像用デコーダ154は、その読出データをデコードし(ステップS752)、デコード後のピクチャデータを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにてピクチャバッファポインタ値に対応したピクチャバッファに一旦記憶させた後、書込ポインタ値に対応するフレームバッファメモリ157の書込アドレスに書き込んで記憶させることにより、動画像を第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面内における所定位置に表示可能とする(ステップS753)。なお、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに一旦記憶されたピクチャデータを読み出してフレームバッファメモリ157に書き込む処理は、描画回路155が実行するようにしてもよい。
ステップS753の処理に続いて、読出ポインタ値の更新を行う(ステップS754)。ここで、1つの動画像を再生表示するために一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに設けられた複数のピクチャバッファを用いる場合には、ステップS754の処理においてピクチャバッファポインタ値の更新も行うようにすればよい。こうして1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了すると、動画像用デコーダ154は、ホストインタフェース151から演出制御用マイクロコンピュータ120に対してイベント割込み信号を出力させる(ステップS755)。これにより、1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了したことが、VDP141から演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131へと通知されることになる。そして、例えばイベント割込み信号の出力期間を計測するためのタイマをスタートさせて、そのタイマ値が所定の信号出力期間判定値に達したか否かを判定することなどにより、信号出力期間が終了したか否かを判定する(ステップS756)。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120からイベント割込み信号を受け付けたことに対する応答信号を受信したか否かの判定を行うことにより、信号出力期間が終了したか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS756にて信号出力期間が終了しない場合には(ステップS756;No)、ステップS756の処理を繰り返し実行して待機する。これに対して、信号出力期間が終了した場合には(ステップS756;Yes)、イベント割込み信号の出力を停止してから(ステップS757)、動画像デコード処理を終了する。
VDP141では、フレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに記憶された表示用データが、例えば第1画像表示装置5Aにおける表示画像のリフレッシュタイミングに対応して、表示回路158により読み出される。動画像用デコーダ154や描画回路155は、表示回路158による表示用データの読み出しが開始されるまでに、1フレーム分の演出画像を更新できるように、フレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに対する表示用データの書込動作を完了させればよい。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1の電源が投入され、所定の電源基板から電源電圧の供給が開始されると、演出制御基板12では、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が初期化処理を実行した後(図38のステップS51)、記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS52)。この記憶領域設定指令処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して記憶領域設定指令を送信させる(図39のステップS133)。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、記憶領域設定指令を受信したことに応答して(図47のステップS602;Yes)、記憶領域設定処理を実行する(ステップS603)。この記憶領域設定処理では、記憶領域設定指令により通知されたアドレスSTADDとアドレスENADDをVDP141の内部レジスタに格納することなどによって(図48のステップS613、S615)、一時記憶メモリ156における記憶領域に、固定アドレスエリア156Aと可変アドレスエリア156Bとが配置されることになる。
図56は、演出制御基板12に搭載された表示制御部121における画像データ処理動作の一例を示す説明図である。演出制御用マイクロコンピュータ120の起動に対応して、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が事前転送指令処理を実行する(図38のステップS53)。そして、事前転送指令処理では、例えば図17(B)に示す事前転送設定テーブル220A、220Bのうちから、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変遊技状態とする制御が開始されるか否かに対応したものをセットする(図40のステップS141〜S144)。続いて、処理数及び事前転送カウント値に応じて読み出したテーブルデータから特定された画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、事前転送指令を作成してVDP141に送信する(ステップS147〜S153)。これにより、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、各画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度が所要の画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送することの指令が行われる。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送指令を受信したことに応答して(図47のステップS604;Yes)、事前転送処理を実行する(ステップS605)。この事前転送処理では、事前転送指令により通知された画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量などに基づいて、画像データメモリ142から画像データを読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送する(図49のステップS621〜S625)。これにより、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、各画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度が所要の画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送することができる。
その後、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと入賞したことに応じて、特別図柄表示装置4による特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立する。こうした実行条件の成立に基づき、例えば第1画像表示装置5Aでは、「左」、「中」、「右」の各可変表示部において飾り図柄の可変表示が開始される。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が図18に示す演出制御パターンテーブル230Aに格納された複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンや、リーチ予告及び大当り予告を実行するか否かの決定結果等に対応した演出制御パターンを設定する(図44のステップS541)。その後、定期的に演出制御プロセスタイマ値を更新し(図45のステップS551)、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき(ステップS553)、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示の更新タイミングであれば(ステップS554;No)、表示制御データに応じた指令や処理が行われる(ステップS555)。
また、特別図柄表示装置4による特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立せずに、主基板11から演出制御基板12に対してデモ表示コマンドが送信された場合には(図34のステップS213など)、例えばCPU131が図20に示す演出制御パターンテーブル230Bに格納された複数種類の演出制御パターンのうちから、デモ表示コマンドに対応したデモ表示用演出制御パターンを設定する(図43のステップS510)。その後、定期的に演出制御プロセスタイマ値を更新し(ステップS514)、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応してデモ表示用演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき(ステップS516)、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける表示の更新タイミングであれば(ステップS517;No)、表示制御データに応じた指令や処理が行われる(ステップS518)。
例えば、演出制御パターンから読み出された表示制御データなどに従って、スプライト画像の表示を更新するための処理として、CPU131が図46のフローチャートに示すような画像更新指令処理を実行することができる。この画像更新指令処理では、更新対象となる演出画像に対応した画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであるか否かを判定する(図46のステップS572)。
一例として、更新対象となる演出画像が飾り図柄を示すものである場合には、その演出画像は固定アドレスエリア156Aに画像データを事前に転送する対象となるものであり、対応する画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定される。こうした読出位置が固定アドレスエリア156Aである旨の判定結果に基づき(ステップS572;Yes)、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、転送する画像データのデータ量などを特定し、固定アドレス指定転送指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS573〜S576)。
VDP141では、例えば描画回路155が、固定アドレス指定転送指令を受信したことに応答して(図52のステップS702;Yes)、固定アドレス指定描画処理を実行する(ステップS703)。この固定アドレス指定描画処理では、インデックステーブル250において固定アドレスエリア156Aからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」である場合に(図53のステップS712;Yes)、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータなどから特定される画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量などに基づき、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる(ステップS713〜S716)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131により、更新対象となる演出画像に対応した画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aではないと判定された場合には(図46のステップS572;No)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって、画像データメモリ142における画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、転送する画像データのデータ量などを特定し、自動転送指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS577〜S580)。
VDP141では、まず、転送制御回路152が、自動転送指令を受信したことに応答して(図47のステップS606;Yes)、自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。この自動転送制御処理では、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスが、自動転送指令に含まれるデータなどから特定される(図50のステップS631)。その一方で、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスは、例えばインデックステーブル250を参照することなどにより特定された空き領域のうちから画像データを記憶させるために選択された領域の先頭アドレスとして、転送制御回路152により自動的に特定される(ステップS632)。そして、自動転送指令により通知された転送する画像データのデータ量などに基づき(ステップS633)、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込んで記憶させる(ステップS634、S635)。
続いて、VDP141では、例えば描画回路155が、自動転送指令を受信したことに応答して(図52のステップS704;Yes)、自動転送描画処理を実行する(ステップS705)。この自動転送描画処理では、インデックステーブル250において可変アドレスエリア156Bからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」である場合に(図54のステップS732;Yes)、例えば転送制御回路152から通知された可変アドレスエリア156Bにおける画像データの読出アドレスや、自動転送指令に含まれるデータなどから特定された画像データの書込アドレス、転送する画像データのデータ量などに基づき、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる(ステップS733〜S736)。
転送制御回路152は、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aまたは可変アドレスエリア156Bに書き込むことによる画像データの転送が完了したときに、VDP141に設けられたインデックステーブル250の更新を行う。
例えば、事前転送指令に応じて画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへのデータ転送が完了した場合には(図49のステップS625;Yes)、固定アドレスエリア156Aへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル250に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル250に画像データの転送完了を登録する(ステップS626)。
また、例えば、自動転送指令に応じて画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bへのデータ転送が完了した場合には(図50のステップS635;Yes)、可変アドレスエリア156Bへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル250に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」が「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル250に画像データの転送完了を登録する(ステップS636)。
こうしたインデックステーブル250の登録内容に基づいて、描画回路155は一時記憶メモリ156から画像データを読み出して表示用データの作成を実行できるか否かの判定を行う。
例えば、描画回路155は、固定アドレス指定転送指令を受信したことに応答して、固定アドレスエリア156Aからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル250において「オン」となっているか否かを判定する(図53のステップS712)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS712;Yes)、描画回路155が固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させることなどにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS713〜S716)。これに対して、「読出完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS712;No)、描画回路155が固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで待機する(ステップS717;No)。この待機中には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データを用いた表示用データの作成が実行されない。
また、例えば、描画回路155は、自動転送指令を受信したことに応答して、可変アドレスエリア156Bからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル250において「オン」となっているか否かを判定する(図54のステップS732)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS732;Yes)、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させることなどにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS733〜S737)。これに対して、「転送完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS732;No)、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで待機する(ステップS738;No)。この待機中には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データを用いた表示用データの作成が実行されない。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに従って、CPU131が表示用データ転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信することができる。VDP141では、例えば転送制御回路152が、表示用データ転送指令を受信したことに応答して(図47のステップS608;Yes)、表示用データ転送処理を実行する(ステップS609)。この表示用データ転送処理では、フレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bにおける表示用データの読出アドレスが、表示用データ転送指令に含まれるデータなどから特定される(図51のステップS641)。その一方で、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける表示用データの書込アドレスは、例えばインデックステーブル250を参照することなどにより特定された空き領域のうちから表示用データを記憶させるために選択された領域の先頭アドレスとして、転送制御回路152により自動的に特定される(ステップS642)。そして、表示用データ転送指令により通知された転送する画像データのデータ量などに基づき(ステップS643)、フレームバッファメモリ157から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込んで記憶させる(ステップS644、S645)。こうして一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに記憶された表示用データは、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120からの読み出しが可能となり、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133に転送される。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、図43のステップS510にてデモ表示用演出制御パターンを設定した後、ステップS516にてデモ表示用演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき、ステップS518にて各種の指令や処理を行う。図57は、ステップS510にて設定されるデモ表示用演出制御パターンの具体的な一例を示す説明図である。
図57に示すようなデモ表示用演出制御パターンに基づいて、CPU131は入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して各種の表示制御指令を送信させ、VDP141では演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データの処理が実行される。図58は、図57に示すようなデモ表示用演出制御パターンに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131や表示制御部121のVDP141により実行されるデモ画面表示のための処理を示すフローチャートである。図59は、第2画像表示装置5Bにてデモ画面表示を行うために、演出制御用マイクロコンピュータ120や表示制御部121にて実行される画像データ処理動作の一例を示す説明図である。
図58のフローチャートに示す処理では、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値に基づき、デモ画面に対応する表示用データの展開タイミングとなったか否かを判定する(ステップST11)。このステップST11の処理は、例えばCPU131が図43に示すステップS515の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図57に示すデモ表示用演出制御パターンにてデモ画面#1展開判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#A1とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、デモ画面表示用データの展開タイミングではないと判定された場合には(ステップST11;No)、ステップST11の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図57に示すデモ表示用演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#A1と合致した場合には、デモ画面表示用データの展開タイミングであると判定される。こうしてデモ画面表示用データの展開タイミングに達すると(ステップST11;Yes)、例えばCPU131が図57に示すデモ表示用演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#A1と対応付けられた表示制御データ#A1を読み出し、図21(A)に示すようなデモ画面#1の表示に用いる画像データを展開するための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#A1に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、自動転送指令や固定アドレス指定転送指令といった、デモ画面#1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込ませるための表示制御指令を送信する。例えばデモ画面#1を表示するために使用する画像データが事前転送処理によって一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに記憶されている場合には、表示制御データ#A1に対応して固定アドレス指定転送指令を送信すればよい。
VDP141では、固定アドレス指定転送指令を受信した場合に、描画回路155が固定アドレス指定転送指令に含まれるデータなどから特定した画像データを一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出し、フレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに書き込むことで、デモ画面#1の表示用データをフレームバッファメモリ157に展開して記憶させる(ステップST12)。このステップST12の処理は、例えば描画回路155が図52のステップS703にて図53のフローチャートに示すような固定アドレス指定描画処理を実行することや、転送制御回路152が図47のステップS607にて図50のフローチャートに示すような自動転送制御処理を実行するとともに描画回路155が図52のステップS705にて図54のフローチャートに示すような自動転送描画処理を実行することに対応する。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値に基づき、表示用データをフレームバッファメモリ157から一時記憶メモリ156へと転送する転送タイミングとなったか否かを判定する(ステップST13)。このステップST13の処理は、例えばCPU131が図43に示すステップS515の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図57に示すデモ表示用演出制御パターンにてデモ画面#1転送判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#A2とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、表示用データの転送タイミングではないと判定された場合には(ステップST13;No)、ステップST13の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図57に示すデモ表示用演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#A2と合致した場合には、表示用データの転送タイミングであると判定される。こうして表示用データの転送タイミングに達すると(ステップST13;Yes)、例えばCPU131が図57に示すデモ表示用演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#A2と対応付けられた表示制御データ#A2を読み出し、VDP141にてフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに展開記憶された表示用データを一時記憶メモリ156に転送させるための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#A2に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、表示用データ転送指令を送信する。
VDP141では、転送制御回路152が表示用データ転送指令に含まれるデータなどから特定した表示用データをフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bから読み出し、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込むことで、デモ画面#1の表示用データをフレームバッファメモリ157から一時記憶メモリ156へと転送する(ステップST14)。このステップST14の処理は、例えば転送制御回路152が図47に示すステップS609にて図51のフローチャートに示すような表示用データ転送処理を実行することに対応する。
続いて、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、表示用データをVDP141の一時記憶メモリ156から読み出して取得する読出タイミングとなったか否かを判定する(ステップST15)。このステップST15の処理は、例えばCPU131が図43に示すステップS515の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図57に示すデモ表示用演出制御パターンにてデモ画面#1データ取得判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#A3とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、表示用データの読出タイミングではないと判定された場合には(ステップST15;No)、ステップST15の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図57に示すデモ表示用演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#A3と合致した場合には、表示用データの読出タイミングであると判定される。こうして表示用データの読出タイミングに達すると(ステップST15;Yes)、例えばCPU131が入出力ポート135からVDP141の一時記憶メモリ156にアクセスして、デモ画面#1の表示用データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133に転送して記憶させる(ステップST16)。このステップST16の処理は、例えばCPU131が図43に示すステップS518にて、図57に示すデモ表示用演出制御パターンから読み出した表示制御データ#A3に対応した処理を実行することなどに対応する。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、RAM133に記憶された表示用データをLCD駆動回路125に供給してデモ画面を表示させるデモ画面表示タイミングとなったか否かを判定する(ステップST17)。このステップST17の処理は、例えばCPU131が図43に示すステップS515の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図57に示すデモ表示用演出制御パターンにてデモ画面#1表示判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#A4とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、デモ画面表示タイミングではないと判定された場合には(ステップST17;No)、ステップST17の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図57に示すデモ表示用演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#A4と合致した場合には、デモ画面表示タイミングであると判定される。こうしてデモ画面表示タイミングに達すると(ステップST17;Yes)、例えばCPU131がRAM133からデモ画面#1の表示用データを読み出し、LCD駆動回路125に供給する(ステップST18)。LCD駆動回路125は、演出制御用マイクロコンピュータ120から供給された表示用データに基づいて第2画像表示装置5Bを駆動し、その表示画面上にデモ画面#1を表示させる(ステップST19)。
このようにして、図21(A)に示すデモ画面#1を、第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させることができる。そして、デモ画面#1を第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させる場合と同様にして、デモ表示用演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が各種の指令や処理を行うとともに、表示制御部121のVDP141が演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行することにより、図21(B)に示すデモ画面#2や、図21(C)に示すデモ画面#3を、第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させることもできる。このときには、デモ表示用演出制御パターンにおける演出制御プロセスタイマ判定値の設定に従って、予め決まった順序でデモ画面#1〜#3を、第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させればよい。あるいは、デモ画面#1〜#3のそれぞれを表示させるためのデモ表示用演出制御パターンを複数種類用意しておき、いずれかのデモ表示用演出制御パターンに従ったデモ画面表示が終了するごとに、例えば乱数回路113等により更新される所定の乱数値を抽出し、ROM115に予め記憶されたデモ画面決定テーブルを参照することにより、複数種類のデモ表示用演出制御パターンのうちいずれかを選択して、選択されたデモ表示用演出制御パターンに従ったデモ画面表示を行うことにより、デモ画面#1〜#3のいずれかを、第2画像表示装置5Bの表示画面上にてランダムに表示させるようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、図44のステップS541にて、可変表示開始コマンドにより主基板11から通知された可変表示パターンや、確定飾り図柄、リーチ予告パターン、大当り予告パターンなどの決定結果に対応する演出制御パターンを設定する。その後、図45のステップS553にて演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき、ステップS555にて各種の指令や処理を行う。
図60は、ステップS541にて設定される演出制御パターンの一例として、通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンの具体的な構成例を示す説明図である。図60に示すような通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンに基づいて、CPU131は入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して各種の表示制御指令を送信させ、VDP141では演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データの処理が実行される。図61は、図60に示すような通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131や表示制御部121のVDP141により実行されるリーチ予告#3表示のための処理を示すフローチャートである。なお、例えば通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンといった、ステップS541にて設定される演出制御パターンに基づく演出制御では、図61のフローチャートに示すような予告演出を実行するための処理と並行して、第1画像表示装置5Aにて飾り図柄の可変表示を実行するための処理なども行われている。
図61のフローチャートに示す処理では、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値に基づき、リーチ予告#3に対応する表示用データの展開タイミングとなったか否かを判定する(ステップST31)。このステップST31の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンにてリーチ予告#3展開判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#B1とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、表示用データの展開タイミングではないと判定された場合には(ステップST31;No)、ステップST31の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図61に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#B1と合致した場合には、リーチ予告#3に対応する表示用データの展開タイミングであると判定される。こうして表示用データの展開タイミングに達すると(ステップST31;Yes)、例えばCPU131が図61に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#B1と対応付けられた表示制御データ#B1を読み出し、図15(C)に示すようなリーチ予告#3に対応するキャラクタ画像の表示に用いる画像データを展開するための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#B1に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、自動転送指令や固定アドレス指定転送指令といった、リーチ予告#3に対応する表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込ませるための表示制御指令を送信する。例えばリーチ予告#3に対応するキャラクタ画像を表示するために使用する画像データが事前転送処理では一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送されていない場合には、表示制御データ#B1に対応して自動転送指令を送信すればよい。
VDP141では、自動転送指令を受信した場合に、転送制御回路152が自動転送指令に含まれるデータなどから特定した画像データを画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに転送した後に、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出してフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに書き込むことで、リーチ予告の表示用データをフレームバッファメモリ157に展開して記憶させる(ステップST32)。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値に基づき、表示用データをフレームバッファメモリ157から一時記憶メモリ156へと転送する転送タイミングとなったか否かを判定する(ステップST33)。このステップST33の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンにてリーチ予告#3転送判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#B2とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、表示用データの転送タイミングではないと判定された場合には(ステップST33;No)、ステップST33の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#B2と合致した場合には、表示用データの転送タイミングであると判定される。こうして表示用データの転送タイミングに達すると(ステップST33;Yes)、例えばCPU131が図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#B2と対応付けられた表示制御データ#B2を読み出し、VDP141にてフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに展開記憶された表示用データを一時記憶メモリ156に転送させるための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#B2に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、表示用データ転送指令を送信する。
VDP141では、転送制御回路152が表示用データ転送指令に含まれるデータなどから特定した表示用データをフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bから読み出し、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込むことで、リーチ予告#3に対応する表示用データをフレームバッファメモリ157から一時記憶メモリ156へと転送する(ステップST34)。このステップST34の処理は、例えば転送制御回路152が図47に示すステップS609にて図51のフローチャートに示すような表示用データ転送処理を実行することに対応する。
続いて、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、表示用データをVDP141の一時記憶メモリ156から読み出して取得する読出タイミングとなったか否かを判定する(ステップST35)。このステップST35の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンにてリーチ予告#3データ取得判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#B3とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、表示用データの読出タイミングではないと判定された場合には(ステップST35;No)、ステップST35の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#B3と合致した場合には、表示用データの読出タイミングであると判定される。こうして表示用データの読出タイミングに達すると(ステップST35;Yes)、例えばCPU131が入出力ポート135からVDP141の一時記憶メモリ156にアクセスして、リーチ予告#3の表示用データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133に転送して記憶させる(ステップST36)。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、RAM133に記憶された表示用データをLCD駆動回路125に供給してリーチ予告#3に対応する演出画像を表示させるリーチ予告表示タイミングとなったか否かを判定する(ステップST37)。このステップST37の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンにてリーチ予告#3表示判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#B4とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、リーチ予告表示タイミングではないと判定された場合には(ステップST37;No)、ステップST37の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#B4と合致した場合には、リーチ予告表示タイミングであると判定される。こうしてリーチ予告表示タイミングに達すると(ステップST37;Yes)、例えばCPU131がRAM133からリーチ予告#3の演出画像に対応する表示用データを読み出し、LCD駆動回路125に供給する(ステップST38)。LCD駆動回路125は、演出制御用マイクロコンピュータ120から供給された表示用データに基づいて第2画像表示装置5Bを駆動し、その表示画面上にリーチ予告#3の演出画像を表示させる(ステップST39)。
ステップST39の処理を実行した後には、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値と図60に示す通常B4(リーチ予告#3)演出制御パターンで指定された所定の演出制御プロセスタイマ判定値とが合致するか否かを判定することなどにより、リーチ予告の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップST40)。このとき、リーチ予告の終了タイミングではないと判定されれば(ステップST40;No)、ステップST31の処理に戻る。これにより、所定の演出画像更新タイミングに達したことに対応して、第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示されるリーチ予告#3の演出画像を更新させることができる。ステップST40にてリーチ予告の終了タイミングであると判定された場合には、図61のフローチャートに示すリーチ予告#3表示のための処理を終了する。
このようにして、図15(C)に示すリーチ予告#3の演出画像を、第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させることができる。また、例えば通常B2(リーチ予告#1)演出制御パターンや通常B3(リーチ予告#2)演出制御パターンなどから読み出した表示制御データに基づき、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が各種の指令や処理を行うとともに、表示制御部121のVDP141が演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行することにより、図15(A)に示すリーチ予告#1の演出画像や、図15(B)に示すリーチ予告#2の演出画像を、第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させることもできる。
図62は、図44のステップS541にて設定される演出制御パターンの他の一例として、マルチA大当り(リーチ予告なし,パターン#1)演出制御パターンの具体的な構成例を示す説明図である。このマルチA大当り(リーチ予告なし,パターン#1)演出制御パターンは、主基板11からの可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンがマルチAの可変表示パターンであること、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとする旨の決定結果、リーチ予告を実行しない旨の決定結果などに対応して、図44のステップS541にて設定可能となる。図62に示すような演出制御パターンに基づいて、CPU131は入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して各種の表示制御指令を送信させ、VDP141では演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データの処理が実行される。図63は、図62に示すような演出制御パターンに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131や表示制御部121のVDP141により実行されるマルチAパターン#1のための処理を示すフローチャートである。
図63のフローチャートに示す処理では、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して所定の表示制御指令を送信することなどにより、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示を開始させる(ステップST51)。このステップST51の処理は、例えばCPU131が図44に示すステップS543の処理にて飾り図柄の可変表示を開始するための設定を行い、その設定に応じてVDP141が画像データの処理を実行することなどに対応する。
その後、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことに対応して、リーチ演出を開始する(ステップST52)。このステップST52の処理は、例えばCPU131によって図45のステップS552にて演出制御プロセスタイマ値と図62に示す演出制御パターンにてリーチ演出開始判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#C1とが合致する旨の判定がなされたときに、演出制御プロセスタイマ判定値#C1と対応付けられた表示制御データ#C1を読み出して、読出データに対応した指令や処理を実行することや、その指令に応じてVDP141が画像データの処理を実行することなどが対応する。これにより、第1画像表示装置5Aの表示画面上には、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことを報知するリーチ報知用画像が表示されるとともに、リーチが成立した有効ラインであるリーチラインを示す演出画像が表示される。
続いて、CPU131は、第1画像表示装置5Aの表示画面を複数の表示領域に分割したマルチビューを開始するための指令や処理を実行する(ステップST53)。また、CPU131は、第1画像表示装置5Aの表示画面上に配置された複数の表示領域にて個別に動画像の再生表示を開始するための指令や処理を実行する(ステップST54)。こうしたステップST53の処理やステップST54の処理は、例えばCPU131によって図45のステップS552にて演出制御プロセスタイマ値と図62に示す演出制御パターンにてマルチビュー設定判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#C2とが合致する旨の判定がなされたときに、演出制御プロセスタイマ判定値#C2と対応付けられた表示制御データ#C2を読み出して、読出データに対応した指令や処理を実行することなどが対応する。このときには、表示制御データ#C2に基づき、演出制御用マイクロコンピュータ120から表示制御部121のVDP141に対して、マルチビュー設定指令や動画像表示設定指令が送信される。VDP141では、マルチビュー設定指令に応答して、表示回路158が有するスケーラ回路における拡大率を調整し、VGAモードのサイズ(640×480ピクセル)を有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率を設定する。また、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第2のバス幅となる32ビットに設定するとともに、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち動画像データを記憶するメモリチップ142−3を読出対象として選択するように、チップセレクトの設定をCS#1とする。加えて、VDP141では、動画像表示設定指令に応答して、第1画像表示装置5Aの表示画面上に動画像を再生表示するための表示領域を2個配置するように、インデックステーブル250の設定や、フレームバッファメモリ157における書込位置の設定などが行われる。
その後、CPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、動画像A1の更新タイミングとなったか否かを判定する(ステップST55)。ここで、動画像A1は、マルチAの可変表示パターンが第1のパターン#1である場合に、例えば図10(B)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面上に配置された表示領域にて再生表示される。このステップST55の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図62に示す演出制御パターンにて動画像A1展開判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#C3とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、動画像A1の更新タイミングではないと判定された場合には(ステップST55;No)、ステップST55の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図62に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#C3と合致した場合には、動画像A1の更新タイミングであると判定される。こうして動画像A1の更新タイミングに達すると(ステップST55;Yes)、例えばCPU131が図62に示す演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#C3と対応付けられた表示制御データ#C3を読み出し、動画像A1の再生表示に用いる動画像データをデコードするための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#C3に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、動画像デコード指令を送信する。
VDP141では、動画像用デコーダ154が動画像デコード指令に含まれるデータなどから特定した動画像データを1フレーム分だけデコードして、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおいてインデックステーブル250で指定された領域に書き込んで記憶させる(ステップST56)。このときには、例えば描画回路155により可変アドレスエリア156Bからデコード後の動画像データを読み出して、フレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに書き込むようにすればよい。こうしたステップST56の処理は、例えば動画像A1に対応する動画像データのデコードを示す動画像デコード指令に応答して、動画像用デコーダ154が図55に示すステップS751〜S753の処理を実行することなどに対応する。
続いて、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、動画像A2の更新タイミングとなったか否かを判定する(ステップST57)。ここで、動画像A2は、マルチAの可変表示パターンが第1のパターン#1である場合に、例えば図10(B)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面上に配置された表示領域にて再生表示される。このステップST57の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図62に示す演出制御パターンにて動画像A2展開判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#C4とが合致するか否かを判定することなどに対応する。このとき、動画像A2の更新タイミングではないと判定された場合には(ステップST57;No)、ステップST57の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図62に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#C4と合致した場合には、動画像A2の更新タイミングであると判定される。こうして動画像A2の更新タイミングに達すると(ステップST57;Yes)、例えばCPU131が図62に示す演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#C4と対応付けられた表示制御データ#C4を読み出し、動画像A2の再生表示に用いる動画像データをデコードするための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#C4に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、動画像デコード指令を送信する。
VDP141では、動画像用デコーダ154が動画像デコード指令に含まれるデータなどから特定した動画像データを1フレーム分だけデコードして、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおいてインデックステーブル250で指定された領域に書き込んで記憶させる(ステップST58)。このときには、例えば描画回路155により可変アドレスエリア156Bからデコード後の動画像データを読み出して、フレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに書き込むようにすればよい。こうしたステップST58の処理は、例えば動画像A2に対応する動画像データのデコードを示す動画像デコード指令に応答して、動画像用デコーダ154が図55に示すステップS751〜S753の処理を実行することなどに対応する。
ステップST58の処理を実行した後には、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値と図62に示す演出制御パターンで指定された所定の演出制御プロセスタイマ判定値とが合致するか否かを判定することなどにより、動画像の再生表示を終了する動画像表示終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップST59)。このとき、動画像表示終了タイミングではないと判定されれば(ステップST59;No)、ステップST55の処理に戻る。これにより、所定の動画像A1更新タイミングに達したことに対応して動画像A1の表示を更新させることができるとともに、所定の動画像A2更新タイミングに達したことに対応して動画像A2の表示を更新させることができる。
ここで、第1画像表示装置5Aにおける表示画像のリフレッシュタイミングが、図64(A)に示すような等間隔のタイミングT01〜T20であるものとする。この場合、例えば図62に示す演出制御パターンにて、動画像A1展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT01、T03、・・・、T19のリフレッシュタイミングにて動画像A1の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。また、動画像A2展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT02、T04、・・・、T20のリフレッシュタイミングにて動画像A2の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。これにより、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期の経過に対応して、画像データメモリ142から読み出される複数種類の動画像データごとに作成される複数種類の表示用データを所定の順番でフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させることができる。なお、画像フレーム周期は、一定間隔で到来する複数のリフレッシュタイミングのうち、所定のリフレッシュタイミングにて表示装置の表示画面上に1フレーム分の画像を表示させてから、次のリフレッシュタイミングにて1フレーム分の画像を表示させるまでの時間長(隣接するリフレッシュタイミングの時間間隔)である。
例えば図64(B)に示すように、動画像A1の表示用データと、動画像A2の表示用データとを、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期が経過したことに対応して、交互にフレームバッファメモリ157に書き込む。このとき、例えば動画像A1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第1書込周期とし、動画像A2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第2書込周期とすれば、第1書込周期と第2書込周期はいずれも、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期の2倍となる同一時間長を有している。そして、画像フレーム周期の経過に対応して第1書込周期が経過したときには、動画像A1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。その後、第1書込周期が経過した次の画像フレーム周期にて経過する第2書込周期が経過したときには、動画像A2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。そして、図64(A)に示すリフレッシュタイミングT01では動画像A1の表示が更新され、リフレッシュタイミングT02では動画像A2の表示が更新されるといったように、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期に比べて2倍の周期で、動画像A1と動画像A2の表示がそれぞれ更新されることになる。
この場合、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データは、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期に比べて2倍の周期で更新されることに対応したフレーム数を有するものであればよい。例えば、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期が1/60秒である場合に、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データは、1/30秒の周期で更新されることに対応したフレーム数を有していればよい。そのため、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データにおけるコマ数は、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期と同一の周期で更新されることに対応した動画像データにおけるコマ数の1/2であればよい。
図63に示すステップST59にて動画像表示終了タイミングである場合には(ステップST59;Yes)、例えばCPU131が演出制御パターンから読み出した所定の表示制御パターンに対応する指令や処理を行うとともに、VDP141が演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った設定を行うことなどにより、マルチビューによる動画像の再生表示を終了させる(ステップST60)。その後、可変表示時間が経過したことに対応して、第1画像表示装置5Aの表示画面上にて確定飾り図柄を導出表示させる(ステップST61)。
このようにして、例えば図10(B)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面を2つに分割した表示領域にて、動画像A1と動画像A2といった複数種類の動画像を個別に再生表示することができる。また、マルチBの可変表示パターンが第1のパターン#1である場合に対応して設けられた演出制御パターンでは、動画像B1展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、図64(A)に示すようなタイミングT01〜T20のうち、タイミングT01、T04、・・・、T19のリフレッシュタイミングにて動画像B1の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。この演出制御パターンでは、動画像B2展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT02、T05、・・・、T20のリフレッシュタイミングにて動画像B2の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。さらに、動画像B3展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT03、T06、・・・、T18のリフレッシュタイミングにて動画像B3の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。これにより、動画像B1の表示用データと、動画像B2の表示用データと、動画像B3の表示用データとを、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期が経過したことに対応して、例えば図64(C)に示すような順番でフレームバッファメモリ157に書き込む。
このとき、動画像B1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第1書込周期とし、動画像B2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第2書込周期とすれば、第1書込周期と第2書込周期はいずれも、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期の3倍となる同一時間長を有している。そして、画像フレーム周期の経過に対応して第1書込周期が経過したときには、動画像B1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。その後、第1書込周期が経過した次のフレーム周期にて経過する第2書込周期が経過したときには、動画像B2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。これにより、図64(A)に示すリフレッシュタイミングT01では動画像B1の表示が更新され、リフレッシュタイミングT02では動画像B2の表示が更新され、リフレッシュタイミングT03では動画像B3の表示が更新されるといったように、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期に比べて3倍の周期で、各動画像B1〜B3の表示が更新されることになる。
この場合、各動画像B1〜B3に対応した動画像データは、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期に比べて3倍の周期で更新されることに対応したフレーム数を有するものであればよい。例えば、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期が1/60秒である場合に、各動画像B1〜B3に対応した動画像データは、1/20秒の周期で更新されることに対応したフレーム数を有していればよい。そのため、各動画像B1〜B3に対応した動画像データにおけるコマ数は、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期と同一の周期で更新されることに対応した動画像データにおけるコマ数の1/3であればよい。
マルチC可変表示パターンが第1のパターン#1である場合に対応して設けられた演出制御パターンでは、動画像C1展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、図64(A)に示すようなタイミングT01〜T20のうち、タイミングT01、T05、・・・、T17のリフレッシュタイミングにて動画像C1の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。この演出制御パターンでは、動画像C2展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT02、T06、・・・、T18のリフレッシュタイミングにて動画像C2の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定するとともに、動画像C3展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT03、T07、・・・、T19のリフレッシュタイミングにて動画像C3の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。さらに、動画像C4展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT04、T08、・・・、T20のリフレッシュタイミングにて動画像C4の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。これにより、動画像C1の表示用データと、動画像C2の表示用データと、動画像C3の表示用データと、動画像C4の表示用データとを、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期が経過したことに対応して、例えば図64(D)に示すような順番でフレームバッファメモリ157に書き込む。
このとき、動画像C1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第1書込周期とし、動画像C2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第2書込周期とすれば、第1書込周期と第2書込周期はいずれも、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期の4倍となる同一時間長を有している。そして、画像フレーム周期の経過に対応して第1書込周期が経過したときには、動画像C1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。その後、第1書込周期が経過した次のフレーム周期にて経過する第2書込周期が経過したときには、動画像C2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。これにより、図64(A)に示すリフレッシュタイミングT01では動画像C1の表示が更新され、リフレッシュタイミングT02では動画像C2の表示が更新され、リフレッシュタイミングT03では動画像C3の表示が更新され、リフレッシュタイミングT04では動画像C4の表示が更新されるといったように、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期に比べて4倍の周期で、各動画像C1〜C4の表示が更新されることになる。
この場合、各動画像C1〜C4に対応した動画像データは、第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期に比べて4倍の周期で更新されることに対応したフレーム数を有するものであればよい。例えば、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期が1/60秒である場合に、各動画像C1〜C4に対応した動画像データは、1/15秒の周期で更新されることに対応したフレーム数を有していればよい。そのため、各動画像C1〜C4に対応した動画像データにおけるコマ数は、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期と同一の周期で更新されることに対応した動画像データにおけるコマ数の1/4であればよい。
このように、マルチA〜マルチCの可変表示パターンが第1のパターン#1である場合には、例えば第1画像表示装置5Aの表示画面上にて再生表示される動画像の総数(ストリーム数)に対応して、複数種類の動画像データに対応して作成される複数種類の表示用データのうち第1動画像データ(例えばマルチA、マルチB、マルチCのそれぞれにおける動画像A1、動画像B1、動画像C1の動画像データなど)に対応した表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期である第1書込周期と、第2動画像データ(例えばマルチA、マルチB、マルチCのそれぞれにおける動画像A2、動画像B2、動画像C2の動画像データなど)に対応した表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期である第2書込周期とが、いずれも第1画像表示装置5Aにおける画像フレーム周期の整数倍となる同一時間長を有することになる。
図65は、図44のステップS541にて設定される演出制御パターンの他の一例として、マルチA大当り(リーチ予告なし,パターン#2)演出制御パターンの具体的な構成例を示す説明図である。このマルチA大当り(リーチ予告なし,パターン#2)演出制御パターンも、図62に示したマルチA大当り(リーチ予告なし,パターン#1)演出制御パターンと同様に、主基板11からの可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンがマルチAの可変表示パターンであること、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとする旨の決定結果、リーチ予告を実行しない旨の決定結果などに対応して、図44のステップS541にて設定可能となる。一例として、ステップS541では、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、演出制御パターン決定用の乱数値に基づき、ROM132などに予め記憶された演出制御パターン決定テーブルを参照するなどして、図62に示す演出制御パターンと図65に示す演出制御パターンのうちいずれを設定するかを決定すればよい。
図65に示すような演出制御パターンに基づいて、CPU131は入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して各種の表示制御指令を送信させ、VDP141では演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データの処理が実行される。図66は、図65に示すような演出制御パターンに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131や表示制御部121のVDP141により実行されるマルチAパターン#2のための処理を示すフローチャートである。
図66のフローチャートに示す処理では、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して所定の表示制御指令を送信することなどにより、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示を開始させる(ステップST71)。このステップST71の処理は、例えばCPU131が図44に示すステップS543の処理にて飾り図柄の可変表示を開始するための設定を行い、その設定に応じてVDP141が画像データの処理を実行することなどに対応する。
その後、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことに対応して、リーチ演出を開始する(ステップST72)。このステップST72の処理は、例えばCPU131によって図45のステップS552にて演出制御プロセスタイマ値と図65に示す演出制御パターンにてリーチ演出開始判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D1とが合致する旨の判定がなされたときに、演出制御プロセスタイマ判定値#D1と対応付けられた表示制御データ#D1を読み出して、読出データに対応した指令や処理を実行することや、その指令に応じてVDP141が画像データの処理を実行することなどが対応する。これにより、第1画像表示装置5Aの表示画面上には、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことを報知するリーチ報知用画像が表示されるとともに、リーチが成立した有効ラインであるリーチラインを示す演出画像が表示される。
続いて、CPU131は、第1画像表示装置5Aと第2画像表示装置5Bの表示画面にて互いに異なる複数種類の動画像を再生表示するマルチビューを開始するための指令や処理を実行する(ステップST73)。また、CPU131は、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に配置された複数の表示領域にて個別に動画像の再生表示を開始するための指令や処理を実行する(ステップST74)。こうしたステップST73の処理やステップST74の処理は、例えばCPU131によって図45のステップS552にて演出制御プロセスタイマ値と図65に示す演出制御パターンにてマルチビュー設定判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D2とが合致する旨の判定がなされたときに、演出制御プロセスタイマ判定値#D2と対応付けられた表示制御データ#D2を読み出して、読出データに対応した指令や処理を実行することなどが対応する。このときには、表示制御データ#D2に基づき、演出制御用マイクロコンピュータ120から表示制御部121のVDP141に対して、マルチビュー設定指令や動画像表示設定指令が送信される。VDP141では、マルチビュー設定指令に応答して、表示回路158が有するスケーラ回路における拡大率を調整し、VGAモードのサイズ(640×480ピクセル)を有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率を設定する。また、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第2のバス幅となる32ビットに設定するとともに、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち動画像データを記憶するメモリチップ142−3を読出対象として選択するように、チップセレクトの設定をCS#1とする。加えて、VDP141では、動画像表示設定指令に応答して、第1画像表示装置5Aの表示画面上と第2画像表示装置5Bの表示画面上に動画像を再生表示するための表示領域を1個ずつの合計2個配置するように、インデックステーブル250の設定や、フレームバッファメモリ157における書込位置の設定などが行われる。
その後、CPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、動画像A1の更新タイミングとなったか否かを判定する(ステップST75)。ここで、動画像A1は、マルチAの可変表示パターンが第2のパターン#2である場合に、例えば図10(C)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面上に配置された表示領域にて再生表示される。このステップST75の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図65に示す演出制御パターンにて動画像A1展開判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D3とが合致するか否かを判定することなどに対応する。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図65に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D3と合致した場合には、動画像A1の更新タイミングであると判定される。こうして動画像A1の更新タイミングに達すると(ステップST75;Yes)、例えばCPU131が図65に示す演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#D3と対応付けられた表示制御データ#D3を読み出し、動画像A1の再生表示に用いる動画像データをデコードするための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#D3に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、動画像デコード指令を送信する。
VDP141では、動画像用デコーダ154が動画像デコード指令に含まれるデータなどから特定した動画像データを1フレーム分だけデコードして、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおいてインデックステーブル250で指定された領域に書き込んで記憶させる(ステップST76)。このときには、例えば描画回路155により可変アドレスエリア156Bからデコード後の動画像データを読み出して、フレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに書き込むようにすればよい。こうしたステップST76の処理は、例えば動画像A1に対応する動画像データのデコードを示す動画像デコード指令に応答して、動画像用デコーダ154が図55に示すステップS751〜S753の処理を実行することなどに対応する。
ステップST75にて動画像A1の更新タイミングではないと判定された場合や(ステップST75;No)、ステップST76の処理を実行した後、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、動画像A2の更新タイミングとなったか否かを判定する(ステップST77)。ここで、動画像A2は、マルチAの可変表示パターンが第2のパターン#2である場合に、例えば図10(C)に示すように、第2画像表示装置5Bの表示画面上に配置された表示領域にて再生表示される。このステップST77の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図65に示す演出制御パターンにて動画像A2展開判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D4とが合致するか否かを判定することなどに対応する。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図65に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D4と合致した場合には、動画像A2の更新タイミングであると判定される。こうして動画像A2の更新タイミングに達すると(ステップST77;Yes)、例えばCPU131が図65に示す演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#D4と対応付けられた表示制御データ#D4を読み出し、動画像A2の再生表示に用いる動画像データをデコードするための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#D4に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、動画像デコード指令を送信する。
VDP141では、動画像用デコーダ154が動画像デコード指令に含まれるデータなどから特定した動画像データを1フレーム分だけデコードして、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおいてインデックステーブル250で指定された領域に書き込んで記憶させる(ステップST78)。このときには、例えば描画回路155により可変アドレスエリア156Bからデコード後の動画像データを読み出して、フレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに書き込むようにすればよい。こうしたステップST78の処理は、例えば動画像A2に対応する動画像データのデコードを示す動画像デコード指令に応答して、動画像用デコーダ154が図55に示すステップS751〜S753の処理を実行することなどに対応する。
ステップST77にて動画像A2の更新タイミングではないと判定された場合や(ステップST77;No)、ステップST78の処理を実行した後、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値に基づき、動画像A2の表示用データをフレームバッファメモリ157から一時記憶メモリ156へと転送する転送タイミングとなったか否かを判定する(ステップST79)。このステップST79の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図65に示す演出制御パターンにて動画像A2転送判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D5とが合致するか否かを判定することなどに対応する。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図65に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D5と合致した場合には、表示用データの転送タイミングであると判定される。こうして表示用データの転送タイミングに達すると(ステップST79;Yes)、例えばCPU131が図65に示す演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#D5と対応付けられた表示制御データ#D5を読み出し、VDP141にてフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに展開記憶された表示用データを一時記憶メモリ156に転送させるための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#D5に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、表示用データ転送指令を送信する。
VDP141では、転送制御回路152が表示用データ転送指令に含まれるデータなどから特定した表示用データをフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bから読み出し、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込むことで、動画像A2の表示用データをフレームバッファメモリ157から一時記憶メモリ156へと転送する(ステップST80)。このステップST80の処理は、例えば転送制御回路152が図47に示すステップS609にて図51のフローチャートに示すような表示用データ転送処理を実行することに対応する。
ステップST79にて表示用データの転送タイミングではない場合や(ステップST79;No)、ステップST80の処理を実行した後、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、表示用データをVDP141の一時記憶メモリ156から読み出して取得する読出タイミングとなったか否かを判定する(ステップST81)。このステップST81の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図65に示す演出制御パターンにて動画像A2データ取得判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D6とが合致するか否かを判定することなどに対応する。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図65に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D6と合致した場合には、表示用データの読出タイミングであると判定される。こうして表示用データの読出タイミングに達すると(ステップST81;Yes)、例えばCPU131が入出力ポート135からVDP141の一時記憶メモリ156にアクセスして、動画像A2の表示用データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133に転送して記憶させる(ステップST82)。
ステップST81にて表示用データの読出タイミングではない場合や(ステップST81;No)、ステップST82の処理を実行した後、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、RAM133に記憶された表示用データをLCD駆動回路125に供給して動画像A2の表示を更新する表示更新タイミングとなったか否かを判定する(ステップST83)。このステップST83の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図65に示す演出制御パターンにて動画像A2表示更新判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D7とが合致するか否かを判定することなどに対応する。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図65に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#D7と合致した場合には、表示更新タイミングであると判定される。こうして表示更新タイミングに達すると(ステップST83;Yes)、例えばCPU131がRAM133から動画像A2に対応する表示用データを読み出し、LCD駆動回路125に供給する(ステップST84)。LCD駆動回路125は、演出制御用マイクロコンピュータ120から供給された表示用データに基づいて第2画像表示装置5Bを駆動し、その表示画面上に動画像A2を表示させる(ステップST85)。
ステップST83にて表示更新タイミングではない場合や(ステップST83;No)、ステップST85の処理を実行した後には、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値と図65に示す演出制御パターンで指定された所定の演出制御プロセスタイマ判定値とが合致するか否かを判定することなどにより、動画像の再生表示を終了する動画像表示終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップST86)。このとき、動画像表示終了タイミングではないと判定されれば(ステップST86;No)、ステップST75の処理に戻る。これにより、所定の動画像A1更新タイミングに達したことに対応して第1画像表示装置5Aの表示画面上にて第1の演出画像として表示される動画像A1の表示を更新させることができるとともに、所定の動画像A2更新タイミングに達したことに対応して第2画像表示装置5Bの表示画面上にて第2の演出画像として表示される動画像A2の表示を更新させることができる。
ここで、第1画像表示装置5Aと第2画像表示装置5Bにおける表示画像のリフレッシュタイミングが、いずれも図64(A)に示すようなタイミングT01〜T20であるものとする。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131及び表示制御部121のVDP141における処理速度に十分な余裕があれば、例えば図65に示す演出制御パターンにて、動画像A1展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT01、T03、・・・、T19のリフレッシュタイミングにて動画像A1の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。また、動画像A2展開判定値となる演出制御プロセスタイマ判定値を、タイミングT02、T04、・・・、T20のリフレッシュタイミングにて動画像A2の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。これにより、第1画像表示装置5Aと第2画像表示装置5Bにおける画像フレーム周期の経過に対応して、画像データメモリ142から読み出される複数種類の動画像データごとに作成される複数種類の表示用データを、所定の順番でフレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aと第2表示用データエリア157Bに書き込んで記憶させることができる。例えば図64(B)に示すように、動画像A1の表示用データと、動画像A2の表示用データとを、第1画像表示装置5Aの画像フレーム周期が経過したことに対応して、交互にフレームバッファメモリ157に書き込む。
このとき、例えば動画像A1の表示用データをフレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに書き込む周期を第1書込周期とし、動画像A2の表示用データをフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに書き込む周期を第2書込周期とすれば、第1書込周期と第2書込周期はいずれも、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける画像フレーム周期の2倍となる同一時間長を有している。そして、画像フレーム周期の経過に対応して第1書込周期が経過したときには、動画像A1の表示用データをフレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに書き込んで記憶させる。その後、第1書込周期が経過した次の画像フレーム周期にて経過する第2書込周期が経過したときには、動画像A2の表示用データをフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに書き込んで記憶させる。より一般的に、マルチA〜マルチCの可変表示パターンが第2のパターン#2である場合には、例えば第1画像表示装置5Aと第2画像表示装置5Bの表示画面上にて再生表示される動画像の総数(ストリーム数)に対応して、複数種類の動画像データに対応して作成される複数種類の表示用データのうち第1動画像データ(例えばマルチA、マルチB、マルチCのそれぞれにおける動画像A1、動画像B1、動画像C1の動画像データなど)に対応した表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期である第1書込周期と、第2動画像データ(例えばマルチA、マルチB、マルチCのそれぞれにおける動画像A2、動画像B2、動画像C2の動画像データなど)に対応した表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期である第2書込周期とが、いずれも第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける画像フレーム周期の整数倍となる同一時間長を有することになる。なお、ここでは、第1画像表示装置5Aと第2画像表示装置5Bとにおいて、画像フレーム周期が同一時間長となることが前提となる。
こうして動画像A1の表示用データがフレームバッファメモリ157の第1表示用データエリア157Aに書き込まれることで第1画像表示装置5Aの表示画面上に動画像A1を表示させることが可能になる。他方、動画像A2の表示用データがフレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに書き込まれることで第2画像表示装置5Bの表示画面上に動画像A2を表示させることが可能になる。ここで、第2表示用データエリア157Bに書き込まれた表示用データは、ステップST80にて一時記憶メモリ156へと転送され、ステップST82にて演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133へと転送された後、ステップST84にてCPU131によりRAM133から読み出されてLCD駆動回路125へと供給されることで、ステップST85にて第2画像表示装置5Bの表示画面上に動画像A2を表示させるために使用される。このようにして動画像データの処理を行うことにより、図64(A)に示すリフレッシュタイミングT01では動画像A1の表示が更新され、リフレッシュタイミングT02では動画像A2の表示が更新されるといったように、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける画像フレーム周期に比べて2倍の周期で、動画像A1と動画像A2の表示がそれぞれ更新されることになる。
この場合、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データは、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける画像フレーム周期に比べて2倍の周期で更新されることに対応したフレーム数を有するものであればよい。例えば、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの画像フレーム周期が1/60秒である場合に、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データは、1/30秒の周期で更新されることに対応したフレーム数を有していればよい。そのため、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データにおけるコマ数は、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの画像フレーム周期と同一の周期で更新されることに対応した動画像データにおけるコマ数の1/2であればよい。
図66に示すステップST86にて動画像表示終了タイミングである場合には(ステップST86;Yes)、例えばCPU131が演出制御パターンから読み出した所定の表示制御パターンに対応する指令や処理を行うとともに、VDP141が演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った設定を行うことなどにより、マルチビューによる動画像の再生表示を終了させる(ステップST87)。その後、可変表示時間が経過したことに対応して、第1画像表示装置5Aの表示画面上にて確定飾り図柄を導出表示させる(ステップST88)。このようにして、例えば図10(C)に示すように、第1画像表示装置5Aと第2画像表示装置5Bの表示画面に1つずつ配置された表示領域にて、動画像A1と動画像A2といった、複数種類の動画像を個別に再生表示することができる。
図67は、図44のステップS541にて設定される演出制御パターンの他の一例として、スーパー大当り(リーチ予告なし,大当り予告なし)演出制御パターンの具体的な構成例を示す説明図である。このスーパー大当り(リーチ予告なし,大当り予告なし)演出制御パターンは、主基板11からの可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンがスーパーの可変表示パターンであること、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとする旨の決定結果、リーチ予告を実行しない旨の決定結果、大当り予告を実行しない旨の決定結果などに対応して、図44のステップS541にて設定可能となる。
図67に示すような演出制御パターンに基づいて、CPU131は入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して各種の表示制御指令を送信させ、VDP141では演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データの処理が実行される。図68は、図67に示すような演出制御パターンに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131や表示制御部121のVDP141により実行される部分拡大表示のための処理を示すフローチャートである。
図68のフローチャートに示す処理では、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値に基づき、部分拡大表示の開始タイミングとなったか否かを判定する(ステップST101)。このステップST101の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図67に示す演出制御パターンにて部分拡大表示開始判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#E1とが合致するか否かを判定することなどに対応する。ここで、部分拡大表示開始判定値は、例えばスーパーの可変表示パターンに対応して飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に所定のリーチ演出表示を開始するタイミングといったように、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出表示される以前に、部分拡大表示を開始するための所定条件が成立するタイミングに対応する演出制御プロセスタイマ値を示すものであればよい。このとき、部分拡大表示の開始タイミングではないと判定された場合には(ステップST101;No)、ステップST101の処理を繰り返して待機することになる。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図67に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#E1と合致した場合には、部分拡大表示の開始タイミングであると判定される。こうして部分拡大表示の開始タイミングに達すると(ステップST101;Yes)、例えばCPU131が図67に示す演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#E1と対応付けられた表示制御データ#E1を読み出し、演出画像の一部を拡大して第1画像表示装置5Aの表示画面上に表示させる部分拡大表示を開始するための指令や処理を行う(ステップST102)。このとき、CPU131は、表示制御データ#E1に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、拡大表示設定指令などを送信する。
VDP141では、拡大表示設定指令を受信した場合に、表示回路158が有するスケーラ回路における拡大率を調整し、SVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データから、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率を設定する。また、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅となる64ビットに設定するとともに、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうちスプライト画像データを記憶するメモリチップ142−1、142−2を読出対象として選択するように、チップセレクトの設定をCS#0とする。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値に基づき、部分拡大を行うための表示用データをフレームバッファメモリ157に展開する部分拡大表示用データ展開タイミングとなったか否かを判定する(ステップST103)。このステップST103の処理は、例えばCPU131が図45に示すステップS552の処理にて、演出制御プロセスタイマ値と図67に示す演出制御パターンにて拡大画像展開判定値として指定された演出制御プロセスタイマ判定値#E2とが合致するか否かを判定することなどに対応する。
例えば演出制御プロセスタイマ値が図67に示す演出制御パターンで指定された演出制御プロセスタイマ判定値#E2と合致した場合には、部分拡大を行うための表示用データの展開タイミングであると判定される。こうして表示用データの展開タイミングに達すると(ステップST103;Yes)、例えばCPU131が図67に示す演出制御パターンにて演出制御プロセスタイマ判定値#E2と対応付けられた表示制御データ#E2を読み出し、部分拡大表示に用いる画像データを展開するための指令や処理を行う。このとき、CPU131は、表示制御データ#E2に基づき、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、自動転送指令や固定アドレス指定転送指令といった、部分拡大表示のための表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込ませるための表示制御指令を送信する。例えば部分拡大表示を行うための演出画像に対応する画像データが事前転送処理では一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送されていない場合には、表示制御データ#E2に従って自動転送指令を送信すればよい。
VDP141では、自動転送指令を受信した場合に、転送制御回路152が自動転送指令に含まれるデータなどから特定した画像データを画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに転送した後に、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出してフレームバッファメモリ157に書き込むことで、部分拡大表示を行うための表示用データをフレームバッファメモリ157に展開して記憶させる(ステップST104)。このとき画像データメモリ142から読み出される画像データは、例えばメインスプライト画像データエリア142に記憶されたスプライト画像データのうち、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データ#01−01〜#01−XXのいずれかであればよい。こうしてフレームバッファメモリ157に展開記憶された表示用データは、例えば第1画像表示装置5Aにおける表示画像のリフレッシュタイミングに対応して表示回路158により読み出され、SVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データから、XGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへと変換される。このピクセルデータを階調データとして第1画像表示装置5Aに出力することなどにより、第1画像表示装置5Aの表示画面上に部分拡大された演出画像を表示させることができる。
ステップST104の処理を実行した後には、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、演出制御プロセスタイマ値と図67に示す演出制御パターンで指定された所定の演出制御プロセスタイマ判定値とが合致するか否かを判定することなどにより、部分拡大表示を終了する部分拡大表示終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップST105)。ステップST103にて表示用データの展開タイミングではないと判定された場合や(ステップST103;No)、ステップST105にて部分拡大表示終了タイミングではないと判定された場合には(ステップST105;No)、ステップST103の処理に戻る。これにより、所定の部分拡大画像更新タイミングに達したことに対応して、第1画像表示装置5Aの表示画面上などに部分拡大されて表示される演出画像を更新させることができる。ステップST105にて部分拡大表示終了タイミングであると判定された場合には(ステップST105;Yes)、例えばCPU131が演出制御パターンから読み出した所定の表示制御パターンに対応する指令や処理を行うとともに、VDP141が演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った設定を行うことなどといった、部分拡大された演出画像の表示を終了させるための設定を行う(ステップST106)。
このようにして、例えば第1画像表示装置5Aの表示画面上にて、所定の演出画像における一部分を拡大して表示することができる。このときには、SVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データから、XGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへと変換するように、表示回路158が有するスケーラ回路における拡大率の設定を行うとともに、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅となる64ビットに設定する。こうした設定により、VGAモードに対応した画像データを使用する場合に比べて、きめの細かい演出画像を表示することができ、演出画像を部分拡大して表示する場合でも画質の粗さが目立たないようにすることができる。また、例えば所定のキャラクタ画像の一部をクローズアップして表示させるといったいように、所定の演出画像に対応する画像データの一部分を使用して、演出画像の一部分を拡大して表示するときには、演出画像の全体を表示するときに比べて、演出画像の拡大率が大きくなる。そこで、このように画像データの一部分を使用して演出画像の一部分を拡大して表示するときには、演出画像の拡大率が大きくなるとの判断に基づき、ステップST102の処理において、例えばSVGAモードとVGAモードのうちのSVGAモードのように、画素数の多い画像データに対応した演出画像を第1画像表示装置5Aなどに表示させる旨の決定を行う。そして、この決定結果に対応して、例えば拡大表示設定指令を入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信する。この場合、VDP141では、画素数の多いSVGAモードに対応した画像データを画像データメモリ142から読み出し、第1画像表示装置5Aに演出画像を表示させるために使用する。なお、画像データの一部分を使用して演出画像の一部分を拡大して表示する場合には、例えば描画回路155が、表示対象となる演出画像の一部分に対応して、画像データの一部分だけを用いて表示用データを作成し、フレームバッファメモリ157に展開記憶させるようにしてもよい。その後、表示回路158がフレームバッファメモリ157から読み出した表示用データを設定された拡大率で拡大することで、演出画像の一部分を拡大表示することができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、転送制御回路152が図47に示すステップS609にて図51のフローチャートに示すような表示用データ転送処理を実行することにより、フレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bに記憶された表示用データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに転送する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、例えば図58に示すステップST16の処理や、図61に示すステップST36の処理、図66に示すステップST82の処理などにて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに記憶された表示用データを読み出してRAM133に一旦記憶させる。その後、例えば図58に示すステップST18の処理や、図61に示すステップST38の処理、図66に示すステップST84の処理などにて、RAM133に記憶された表示用データをLCD駆動回路125に供給する。これにより、LCD駆動回路125は、例えば図58に示すステップST19の処理や、図61に示すステップST39の処理、図66に示すステップST85の処理などにて、第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像を表示させる。これにより、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための表示用データを作成するVDP141にて、第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像を表示させるための表示用データが作成され、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131によって第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像を表示させることができるので、第2画像表示装置5Bに演出画像を表示させるために専用のVDPやマイクロコンピュータを設ける必要がなくなり、製造コストの増大を防止することができる。
第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示される演出画像としては、例えば図21(A)〜(C)に示すようなデモ画面#1〜#3が用意されている。また、例えば図16(B)に示すようなリーチの信頼度を報知する文字情報からなる大当り予告#2の演出画像も用意されている。このようにして、パチンコ遊技機1における遊技に関する所定の情報を報知する演出画像を第2画像表示装置5Bに表示させることにより、パチンコ遊技機1での遊技に慣れていない遊技者に各種の情報を提供して、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1画像表示装置5Aでは、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が行われる一方で、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでのうち所定期間において、例えば図15(A)〜(B)に示すリーチ予告#1〜#3の演出画像や、図16(A)〜(C)に示す大当り予告#1〜#3の演出画像を、第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させる。こうしたリーチ予告#1〜#3の演出画像のように飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることを予告する予告演出画像や、大当り予告#1〜#3の演出画像のように飾り図柄の可変表示結果が大当り組合せの確定飾り図柄となることを予告する予告演出画像といった、飾り図柄の可変表示態様が所定の表示態様となることを予告する演出画像を第2画像表示装置5Bに表示させることにより、飾り図柄の可変表示態様が所定の表示態様となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131や表示制御部121のVDP141は、例えば図63のフローチャートに示す処理や図66のフローチャートに示す処理を実行することにより、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける画像フレーム周期の経過に対応して、画像データメモリ142から読み出される動画像データごとに作成される複数種類の表示用データを所定の順番でフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させ、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に設けられた複数の表示領域ごとに異なる複数種類の動画像を表示させることができる。これにより、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bにおける画像フレーム周期が経過するごとに、複数種類の動画像データごとに作成される複数種類の表示用データをすべてフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる場合に比べて、動画像の表示に要する処理負担を軽減することができ、動画像を表示する演出の欠落を防止することができる。また、複数種類の動画像を表示させるための動画像データは、表示用データが作成されるタイミングに対応したコマ数を有するものを用意すればよいので、データ容量を低減することができる。
例えば図63のフローチャートに示す処理や図66のフローチャートに示す処理によれば、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことに対応して、複数種類の動画像を再生表示するリーチ演出表示が開始されることになる。このように、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に対応して所定の表示条件が成立することにより、複数種類の動画像を再生表示させることで、動画像の再生表示による演出効果を高め、遊技の興趣を向上させることができる。また、所定の表示条件を、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことのように、特別図柄や飾り図柄の可変表示が所定の表示態様となったことに対応させることで、可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御されることといった、パチンコ遊技機1における遊技内容に対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
図66のフローチャートに示す処理によれば、ステップST80の処理において、動画像A2の表示用データを、フレームバッファメモリ157の第2表示用データエリア157Bから一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに転送する。そして、ステップST82の処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに記憶された表示用データを読み出してRAM133に一旦記憶させる。その後、ステップST84の処理において、RAM133に記憶された表示用データをLCD駆動回路125に供給する。これにより、LCD駆動回路125は、ステップST85の処理において、第2画像表示装置5Bの表示画面上に動画像A2を表示させる。このように、第1画像表示装置5Aの表示画面上に動画像を表示させるための表示用データを作成するVDP141にて、第2画像表示装置5Bの表示画面上に動画像を表示させるための表示用データが作成され、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131によって第2画像表示装置5Bの表示画面上に動画像を表示させることができるので、第2画像表示装置5Bに動画像を表示させるために専用のVDPやマイクロコンピュータを設ける必要がなくなり、製造コストの増大を防止することができる。
画像データメモリ142のメインスプライト画像データエリア142Aには、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードの画素数に比べて少ない画素数に対応した画像データとして、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データ#01−01〜#01−XXや、VGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データ#02−01〜#02−XXが記憶されている。そして、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態となった場合のように、遊技の進行状況に対応して所定の画像切替条件が成立したときには、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が図43に示すステップS502の処理を実行して入出力ポート135から確変開始用表示設定指令を表示制御部121のVDP141に対して送信させ、VDP141にて確変開始用表示設定指令に対応した設定を行うことなどにより、表示回路158のスケーラ回路における拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を変更させる。これにより、第1画像表示装置5Aの表示画面における画素総数と同じ画素数の画像データを画像データメモリ142に記憶させて演出画像の表示に使用する場合に比べてデータ容量が減少することから、画像データメモリ142における記憶容量を低減することができる。また、例えばVDP141の描画回路155がフレームバッファメモリ157に書き込む表示用データのデータ容量も、例えばXGAモードに対応した表示用データに比べればSVGAモードやVGAモードに対応した表示用データの方が小さくなることから、表示用データを作成する処理負担の増大を防止することができる。そして、例えば確変遊技状態となることといった、所定の画像切替条件が成立したことにより拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を変更させることで、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて適切な拡大率と画像データによる演出画像の表示が可能になり、画像表示による演出効果を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
例えば図43に示すステップS502やステップS505の処理においては、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して確変開始用表示設定指令や確変終了用表示設定指令を送信させ、VDP141にて確変開始用表示設定指令や確変終了用表示設定指令に対応した設定を行う。このときには、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅が、第1のバス幅となる64ビットに設定される。これに対して、図63に示すステップST53の処理や図66に示すステップST73の処理においては、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対してマルチビュー設定指令を送信させ、VDP141にてマルチビュー設定に対応した設定を行う。このときには、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅が、第2のバス幅となる32ビットに設定される。
このように、スプライト画像データを使用して第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像を表示させる場合には、画像データメモリ142からスプライト画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅として予め定められた64ビットとする。その一方で、動画像データを使用して第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に演出画像として動画像を再生表示させる場合には、画像データメモリ142から動画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅より狭い(ビット数が少ない)第2のバス幅として予め定められた32ビットとする。ここで、例えばスプライト画像データを使用して表示用データを作成する際には、動画像データのようなデコード処理が不要であることなどの理由により、動画像データに比べてVDP141での処理速度(表示用データの作成速度)が高速になる。こうした高速な処理が可能となるスプライト画像データを画像データメモリ142から読み出す場合には、動画像データのようにVDP141での処理負担が増大して比較的に低速な処理となる画像データを読み出す場合に比べて、広い(ビット数の多い)データバス幅で画像データメモリ142からの読み出しを行えるようにすることで、VDP141における処理効率を向上させることができる。
また、画像データを読み出す際のバス幅を変更可能とすることにより、以下のように、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。すなわち、バス幅の変更ができない場合には、そのバス幅に対応したメモリチップを用意しなければならなくなり、例えば画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、増大させる記憶容量に見合ったメモリチップを用意することが困難になり、例えば特注品となることなどにより、製造コストが過剰に増大することがある。これに対して、バス幅を変更可能とすれば、変更可能ないずれかのバス幅に対応したメモリチップを用意すればよいので、例えば画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、増大させる記憶容量に見合ったメモリチップを用意しやすくなり、製造コストの増大を抑制することができる。このように、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を複数種類のバス幅のうちいずれかに設定できるようにすることで、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際に用意すべきメモリチップの柔軟性を高めて、製造コストの増大を抑制することができる。
さらに、例えば図31に示すような画像データメモリ142に設けられたメモリチップ142−1〜142−3が、いずれも同一の記憶容量(例えば1ギガビット)を有しているものとする。この場合、画像データメモリ142に接続されたデータバスを常に最大のバス幅(例えば64ビット)に設定する場合には、例えばチップセレクト信号CS#0がオン状態となることによりメモリチップ142−1とメモリチップ142−2から画像データが読み出されるといったように、2個のメモリチップから画像データが読み出されることになる。したがって、画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、例えば各メモリチップ142−1〜142−3と同一の記憶容量を有するメモリチップを、2個ずつ増設していかなければならなくなる。そのため、画像データメモリ142に記憶させる画像データのデータ容量が画像データメモリ142における記憶容量を僅かに超えただけでも、少なくとも2個のメモリチップを増設する必要があり、記憶容量を変更する際の柔軟性に欠ける。ここで、メモリチップ142−1、142−2に代えて、データバスが最大のバス幅(例えば64ビット)を有し、メモリチップ142−3の記憶容量に比べて大きな記憶容量(例えばメモリチップ142−3に比べて2倍の記憶容量)を有する1つのメモリチップを用いた場合にも、画像データのデータ容量が僅かに超過した場合に、大きな記憶容量を有するメモリチップを増設する必要があり、記憶容量を変更する際の柔軟性に欠ける。
これに対して、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、最大のバス幅よりも少ないバス幅(例えば32ビット)にも設定可能とする場合には、例えばチップセレクト信号CS#1がオン状態となることによりメモリチップ142−3のみから画像データが読み出されるといったように、1個のメモリチップから画像データを読み出すことができればよい。したがって、画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、例えば各メモリチップ142−1〜142−3と同一の記憶容量を有するメモリチップを、1個ずつ増設していくことができる。このように、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を複数種類のバス幅のうちいずれかに設定できるようにすることで、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。
加えて、データバスが最大のバス幅よりも少ないバス幅(例えば32ビット)を有するメモリチップ142−3に動画像データを記憶させ、その少ないバス幅で動画像データを読み出すようにすれば、例えばメモリチップ142−1、142−2の双方に動画像データを記憶させて最大のバス幅で読み出す場合に比べて、記憶容量を柔軟に変更することができるので、画像データメモリ142の使用効率を向上させることができる。
例えば図68に示すステップST102の処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が入出力ポート135から拡大表示設定指令を表示制御部121のVDP141に対して送信させ、VDP141にて拡大表示設定指令に対応した設定を行うことなどにより、表示回路158が有するスケーラ回路における拡大率を、SVGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行うための拡大率に設定する。また、例えば図68に示すステップST104の処理などでは、画像データメモリ142のメインスプライト画像データエリア142に記憶されたスプライト画像データのうち、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データ#01−01〜#01−XXのいずれかが読み出されて、表示用データを作成するために使用される。このように、部分拡大した演出画像の表示を行う際には、例えばVGAモードに比べて画素数が多いSVGAモードに対応した画像データのように、画素数の多い画像データを画像データメモリ142から読み出して演出画像を表示させる。これにより、演出画像を拡大する際に画質が低下することを防止して、画像表示による演出効果を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、第2画像表示装置5Bの表示画面上に、デモ画面、あるいはリーチ予告や大当り予告における演出画像を表示させることにより、パチンコ遊技機1における遊技に関する情報や、所定の表示動作による予告演出を行うことができるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、飾り図柄の可変表示が行われる第1画像表示装置5Aとは異なる第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させる演出画像により、様々な演出動作を行うことができるものであればよい。
例えば、図69に示すパチンコ遊技機1には、遊技領域の中央位置などに可変入賞装置50が配置され、第1画像表示装置5Aが可変入賞装置50の上方に設置される一方で、第2画像表示装置5Bが可変入賞装置50の内部背面に設置されている。図70は、可変入賞装置50を拡大して示している。また、図71は、図69に示すパチンコ遊技機1に搭載された主基板11や演出制御基板12などの接続構成例を示している。
図70に示すように、可変入賞装置50には、例えば左右一対の開閉部材(ハネ)30a、30bが回動可能に軸止されている。開閉部材30a、30bは、リンク機構を介して図71に示すソレノイド83a、83bに連結され、大入賞口31a、31bを開閉する。大入賞口31a、31bのいずれかに遊技球が進入すると、その遊技球が左入賞球スイッチ42aあるいは右入賞球スイッチ42bにより検出され、所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。したがって、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bが開放された開放状態は、遊技者にとって有利な第1の状態となるのに対して、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bが閉鎖された閉鎖状態は、遊技者にとって不利な第2の状態となる。このように、可変入賞装置50では、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開放状態としてから閉鎖状態とする状態変化動作が行われる。
図70に示す可変入賞装置50において、大入賞口31a、31bの下方には転動板37a、37bが設けられている。転動板37a、37bは、例えば入賞空間の中心部に向かって下降した傾斜を有し、遊技球が転動板37a、37b上を入賞空間の中心部に向けて転動可能となっている。転動板37a、37bの間には、上下に移動可能な振分け部材32が設けられている。振分け部材32は、リンク機構を介して所定のモータやソレノイドに連結され、このモータやソレノイドを駆動することにより、上方に退避して遊技球を貯留(収容)しない退避状態と、下方に移動して転動板37a、37bを転動してきた一部(例えば、9個)の遊技球を受け止めて貯留(収容)する貯留可能状態とで切り換えることができる。ここで、振分け部材32が退避状態で維持されるときには、転動板37a、37bを転動してきた遊技球が振分け部材32によって貯留されることなく通常誘導路としての下部入賞空間の側部34a、34bを落下する。これに対して、振分け部材32が貯留可能状態となった後に上方に移動して退避状態に変化したときには、振分け部材32によって貯留されていた遊技球が振分け部材32から解放されて特定誘導路としての所定の玉通路を通過し、玉排出口33a、33bから下部入賞空間に送り込まれる。なお、振り分け部材32は、貯留可能状態を一定期間が経過するまで維持した後に、退避状態となるものであればよい。あるいは、例えば回転動作のような常に一定の動きを行うことにより、転動板37a、37bを転動してきた遊技球を、玉排出口33a、33bに繋がる特定誘導路と下部入賞空間の側部34a、34bのうちいずれかに振り分けるものであってもよい。玉排出口33a、33bの直下となる位置には、V入賞口35が設けられており、玉排出口33a、33bから排出された遊技球は、下部入賞空間の側部34a、34bを落下する遊技球に比べて高い割合で、V入賞口35に誘導される。V入賞口35に進入した遊技球は、V入賞スイッチ41によって検出される。また、下部入賞空間には、V入賞口35とは異なる通常領域36が設けられており、V入賞口35に進入しなかった遊技球は、通常領域36を経由して可変入賞装置50から排出される。V入賞口35に進入した後に可変入賞装置50から排出される遊技球や、V入賞口35には進入せずに通常領域36を経由して排出される遊技球は、図71に示す排出球スイッチ43によって検出される。
こうした可変入賞装置50を備えたパチンコ遊技機1において、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと入賞したことに応じて、特別図柄表示装置4による特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立する。実行条件の成立に基づき、例えば第1画像表示装置5Aでは、「左」、「中」、「右」の各可変表示部において飾り図柄の可変表示が開始される。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「小当り」として予め定められた所定の表示結果となった場合には、開閉部材30a、30bが所定回数(例えば1回または2回)にわたり所定期間(例えば1秒間)に達するまで大入賞口31a、31bを第1の状態である開放状態とした後に、第2の状態である閉鎖状態とする小当り遊技状態に制御される。このとき開放状態となった大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に進入してV入賞スイッチ41によって検出された場合には、大当り遊技状態に制御されることになる。この大当り遊技状態では、上記実施の形態と同様に、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1の期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態とする。
図72は、図71に示す主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU114が、図32に示すステップS15にて実行する特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図72に示す処理では、まず、図33に示したステップS101〜S103と同様にして、始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となったか否かのチェック結果に基づき、始動入賞処理や保留記憶数通知コマンドの送信設定などが行われればよい。
その後、図72に示す処理では、特別図柄プロセスフラグの値が“1”であることに対応して、特別図柄通常処理として図73のフローチャートに示すような処理が実行される。図73に示す特別図柄通常処理では、ステップS204にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致しない場合に(ステップS204;No)、その乱数値MR1を示すデータが所定の小当り判定値データと合致するか否かを判定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとするか否かの判定を行う(ステップS215)。ここで、小当り判定値データは、乱数値MR1のうち予め定められた範囲の値を示すデータであればよい。具体的な一例として、乱数値MR1のうち「10001」〜「31845」の範囲の値が、小当り判定値データと合致するように設定されていればよい。なお、小当り判定値データは、遊技制御用マイクロコンピュータ100のROM115に予め記憶された小当り判定テーブルのテーブルデータによって定められていてもよい。
ステップS215にて乱数値MR1が小当り判定値データと合致した場合には(ステップS215;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS216)。このときには、小当り図柄として予め定められた特別図柄(例えば「5」を示す特別図柄)を、確定特別図柄に決定する(ステップS217)。他方、ステップS215にて乱数値MR1が小当り判定値データと合致しない場合には(ステップS215;No)、図34に示した処理と同様であるステップS210の処理に進む。また、ステップS217の処理を実行した後には、図34に示した処理と同様であるステップS211の処理に進む。
図69に示すパチンコ遊技機1では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が小当りとなる場合に対応した可変表示パターンが予め用意されている。そして、図72に示す処理にて特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される可変表示パターン設定処理では、小当りフラグがオンであることに対応して、小当り用の可変表示パターンが決定される。そして、その決定結果に対応した可変表示開始コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信されることにより、特別図柄表示装置4における特別図柄の可変表示に対応して、小当り用の可変表示パターンに従った第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示が行われる。ここで、小当り用の可変表示パターンに対応する飾り図柄の可変表示では、小当り組合せとして予め定められた所定の確定飾り図柄(例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部に図柄番号が「1」、「3」、「5」の飾り図柄を停止表示させる確定飾り図柄の組合せ)を導出表示すればよい。なお、小当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示は行わず、例えば第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上に所定の演出画像を表示させることなどにより、小当りとなることを報知するようにしてもよい。このとき、特別図柄表示装置4には、小当り図柄として予め定められた特別図柄(例えば図柄番号が「1」の特別図柄)が表示されればよい。
図72に示す処理にて特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される特別図柄停止処理では、大当りフラグがオフであると判定された場合に(例えば図36に示すステップS241における「No」の判定結果に対応)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する。このとき、小当りフラグがオンであれば、小当り開始時演出待ち時間を設定し、演出制御基板12に対して小当り開始コマンドとして予め定められた演出制御コマンドを送信するための設定を行う。そして、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新してから、図36に示すステップS250と同様の処理に進む。また、小当りフラグがオフである場合には、そのまま図36に示すステップS250と同様の処理に進む。
図72に示すステップS118の小当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理は、小当り遊技状態において可変入賞装置50が備える大入賞口31a、31bを開閉部材30a、30bにより開放状態とする前に、大入賞口31a、31bを開放状態とする開放時間の設定を行う処理や、大入賞口31a、31bを開放状態とするための駆動信号をソレノイド回路102によってソレノイド83a、83bに対して供給させるための処理などを含んでいる。ステップS119の小当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理は、小当り遊技状態にて可変入賞装置50が備える大入賞口31a、31bを開放状態とする残り時間を、特別図柄プロセスタイマ値によって計測する処理や、大入賞口31a、31bを開放状態から閉鎖状態とするためにソレノイド回路102からソレノイド83a、83bに対する駆動信号の供給を停止させる処理などを含んでいる。ステップS120の小当り開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。
図74は、図72のステップS120にて実行される小当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。この小当り開放後処理において、CPU114は、まず、例えば左右の入賞球スイッチ42a、42bからの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、可変入賞装置50が備える大入賞口31a、31bのいずれかに遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS301)。遊技球が大入賞口31a、31bのいずれかに入賞して左右の入賞球スイッチ42a、42bのいずれかからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS301;Yes)、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた大入賞口入賞カウンタの値である大入賞口入賞カウント値を、1加算するなどして更新する(ステップS302)。このときには、大入賞口31a、31bのいずれかに遊技球が入賞したことに対応して、所定個数(例えば10個)の遊技球を払い出すための動作設定も行われる(ステップS303)。
ステップS301にて左右の入賞球スイッチ42a、42bからの検出信号がいずれもオフ状態である場合や(ステップS301;No)、ステップS303の処理を実行した後には、排出球スイッチ43からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、可変入賞装置50から遊技球が排出されたか否かを判定する(ステップS304)。遊技球が可変入賞装置50から排出されて排出球スイッチ43からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS304;Yes)、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた排出球カウンタの値である排出球カウント値を、1加算するなどして更新する(ステップS305)。
ステップS304にて排出球スイッチ43からの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS304;No)、ステップS305の処理を実行した後には、排出待機中であるか否かの判定を行う(ステップS306)。ここで、後述するステップS311の処理が実行された後に特別図柄プロセスフラグの値が更新されずに、例えば次回のタイマ割込みが発生したことに対応して再びステップS306の処理が実行された場合などには、排出待機中であるとの判定がなされる。他方、特別図柄プロセスフラグの値が更新された後、ステップS311の処理が実行される以前にステップS306の処理が実行された場合には、排出待機中ではないとの判定がなされる。
ステップS306にて排出待機中ではない場合には(ステップS306;No)、入賞球検出待機中であるか否かの判定を行う(ステップS307)。ここで、後述するステップS308の処理が実行された後に特別図柄プロセスフラグの値が更新されずに、例えば次回のタイマ割込みが発生したことに対応して再びステップS307の処理が実行された場合などには、入賞球検出待機中であるとの判定がなされる。他方、特別図柄プロセスフラグの値が更新された後、ステップS308の処理が実行される以前にステップS307の処理が実行された場合には、入賞球検出待機中ではないとの判定がなされる。
ステップS307にて入賞球検出待機中ではない場合には(ステップS307;No)、例えば特別図柄プロセスタイマに所定のタイマ初期値を設定することなどといった、入賞球検出待ち時間の設定を行う(ステップS308)。ステップS308の処理を実行した後には、小当り開放後処理を終了する。ステップS307にて入賞球検出待機中である場合には(ステップS309;Yes)、例えば特別図柄プロセスタイマ値を更新した後に所定の判定値と合致するか否かを判定することなどにより、入賞球検出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS309)。このとき、入賞球検出待ち時間が経過していなければ(ステップS309;No)、小当り開放後処理を終了する。
ステップS309にて入賞球検出待ち時間が経過している場合には(ステップS309;Yes)、大入賞口入賞カウント値が「1」以上の値となっているか否かを判定する(ステップS310)。このとき、大入賞口入賞カウント値が「1」以上の値であれば(ステップS310;Yes)、可変入賞装置50内に進入した遊技球があるとの判断に基づき、例えば特別図柄プロセスタイマに所定のタイマ初期値を設定することなどといった、排出待ち時間の設定を行う(ステップS311)。これに対して、ステップS310にて大入賞口入賞カウント値が「0」であることから「1」未満の値であると判定された場合には(ステップS310;No)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS312)、小当り開放後処理を終了する。ステップS312の処理を実行するときには、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとよい。
ステップS306にて排出待機中である場合には(ステップS306;Yes)、大入賞口入賞カウント値が排出球カウント値と一致するか否かを判定する(ステップS313)。このとき、両者のカウント値が一致すれば(ステップS313;Yes)、可変入賞装置50の内部に進入した遊技球がすべて排出されたとの判断に基づき、例えばV入賞スイッチ41による遊技球の検出結果に基づき、V入賞口35への遊技球の入賞が検出されたか否かを判定する(ステップS314)。
ステップS314にてV入賞口35への遊技球の入賞が検出されていない場合には(ステップS314;No)、ステップS312の処理に進む。これに対して、ステップS314にて遊技球の入賞が検出されている場合には(ステップS314;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定し(ステップS315)、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS316)。このときには、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとよい。そして、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS317)。このとき、確変フラグがオンであれば(ステップS317;Yes)、確変フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS318)、確変回数カウンタをクリアして、確変回数カウント値を初期設定値である「0」に設定する(ステップS319)。ステップS319の処理を実行したときには、確変終了確認フラグをオン状態にセットしておく(ステップS320)。
ステップS317にて確変フラグがオフである場合や(ステップS317;No)、ステップS320の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS321)、小当り開放後処理を終了する。
ステップS313にて大入賞口カウント値が排出球カウント値と一致しない場合には(ステップS313;No)、排出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS322)。このとき、排出待ち時間が経過していなければ(ステップS322;No)、小当り開放後処理を終了する。また、ステップS322にて排出待ち時間が経過した場合には(ステップS322;Yes)、所定のエラー処理を実行してから(ステップS323)、小当り開放後処理を終了する。
このような可変入賞装置50を備えたパチンコ遊技機1において、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドとして、例えば小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始コマンドと、大入賞口31a、31bのいずれかに入賞した遊技球の検出があったことを示す大入賞球検出コマンドと、V入賞口35に入賞した遊技球の検出があったことを示すV入賞検出コマンドとを、予め用意しておく。小当り開始コマンドは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が小当りとして予め定められた表示結果となったときに、例えば図72に示すステップS113の特別図柄停止処理にて小当りフラグがオンであることに対応して、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。大入賞球検出コマンドは、大入賞口31a、31bのいずれかに入賞した遊技球が検出されたときに、例えば図74に示すステップS301にて左右の入賞球スイッチ42a、42bのいずれかからの検出信号がオン状態となったことに対応して、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。V入賞球検出コマンドは、V入賞口35に入賞した遊技球が検出されたことに対応して、例えば図74に示すステップS314にてV入賞口35への遊技球の入賞が検出された旨の判定がなされたときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。
また、演出制御基板12の側では、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM132に記憶される演出制御パターンテーブル230Bなどに、役物演出として予め定められた演出表示といった、小当り遊技状態における演出制御に用いられる複数種類の演出制御パターンを格納しておく。具体的な一例として、演出制御パターンテーブル230Bには、小当り開始コマンド、大入賞球検出コマンド、V入賞検出コマンドの各コマンドを受信した場合に対応して選択される3種類の小当り演出制御パターン#1〜#3を格納しておく。
そして、主基板11からの小当り開始コマンドを受信した場合には、小当り演出制御パターン#1をセットする。この小当り演出制御パターン#1には、例えば図57に示したデモ表示用演出制御パターンによりデモ画面#1を表示させるための表示制御データと同様にして、図75(A)に示す役物演出#1に対応した演出画像を第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させるための表示制御データが含まれている。
また、主基板11からの大入賞球検出コマンドを受信した場合には、小当り演出制御パターン#2をセットする。この小当り演出制御パターン#2には、例えば図57に示したデモ表示用演出制御パターンによりデモ画面#1を表示させるための表示制御データと同様にして、図75(B)に示す役物演出#2に対応した演出画像を第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させるための表示制御データが含まれている。
さらに、主基板11からのV入賞検出コマンドを受信した場合には、小当り演出制御パターン#3をセットする。この小当り演出制御パターン#3には、例えば図57に示したデモ表示用演出制御パターンによりデモ画面#1を表示させるための表示制御データと同様にして、図75(C)に示す役物演出#3に対応した演出画像を第2画像表示装置5Bの表示画面上に表示させるための表示制御データが含まれている。
このような小当り演出制御パターン#1〜#3を用いることにより、第2画像表示装置5Bの表示画面上に、例えば可変入賞装置50の大入賞口31a、31bが開放状態となることといった状態変化動作の実行に関する演出画像や、大入賞口31a、31bに遊技球が入賞したこと、あるいはV入賞口35に遊技球が入賞したことといった、状態変化動作に基づく遊技に関する演出画像を、表示させることができる。このように、様々な遊技態様に応じて、第2画像表示装置5Bに様々な演出画像を表示させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、演出制御基板12が表示制御部121や音制御部122、ランプ制御部123を備えて、演出制御基板12の制御下にて、第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9等の点灯/消灯動作などを制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板12とは別個にマイクロコンピュータが搭載された表示制御基板を設け、その表示制御基板に表示制御部121が搭載されるようにしてもよい。この場合、表示制御基板では、演出制御用マイクロコンピュータ120とは別個に搭載されたマイクロコンピュータにて、演出制御基板12からの制御信号を受け、その制御信号に対応して各種の制御を行うようにすればよい。また、例えば演出制御基板12とは別個にマイクロコンピュータが搭載された音ランプ制御基板を設け、その音ランプ制御基板に音制御部122やランプ制御部123が搭載されるようにしてもよい。この場合、音ランプ制御基板では、演出制御用マイクロコンピュータ120とは別個に搭載されたマイクロコンピュータにて、演出制御基板12からの制御信号を受け、その制御信号に対応して各種の制御を行うようにすればよい。あるいは、音制御部122やランプ制御部123が搭載されてスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9等の点灯/消灯動作などを制御可能とする音ランプ制御基板から、表示制御部121が搭載されて第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける表示動作などを制御可能とする表示制御基板に対して制御信号を送信し、表示制御基板に搭載されたマイクロコンピュータにて、音ランプ制御基板からの制御信号を受け、その制御信号に対応して各種の制御を行うようにしてもよい。この場合、音ランプ制御基板に搭載されたマイクロコンピュータでは、主基板11からの制御コマンドを受信したことに基づいて、例えば所定のCPUがスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9等の点灯/消灯動作などを制御するための処理を実行し、主基板11からの制御コマンドに基づいて表示制御基板に制御信号を送信すればよい。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかに対応して、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率の設定や、VGAモードに対応した画像データを使用するかSVGAモードに対応した画像データを使用するかの設定を切り替えるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を変更させることができるものであればよい。
例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、SVGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるような拡大率に設定する。そして、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、SVGAモードに対応した画像データを使用する。これに対して、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態や時間短縮状態といった特別遊技状態であるときには、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、VGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるような拡大率に設定する。そして、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、VGAモードに対応した画像データを使用する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態は、確変遊技状態や時間短縮状態といった特別遊技状態に制御されている期間に比べて、通常遊技状態に制御されている期間の方が長くなり、通常遊技状態にて特別図柄や飾り図柄の可変表示が数多く実行されるのが通常である。そこで、パチンコ遊技機1が通常遊技状態であるときには、SVGAモードに対応した画像データを使用して第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させることで、画素数の多い画像データを使用して表示頻度が高い演出画像を表示させることができ、高画質の画像が表示される割合を高めて画像表示による演出効果を向上させることができる。
あるいは、例えば、飾り図柄の可変表示態様が通常ハズレやノーマルリーチとなる場合には、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、SVGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるような拡大率に設定する。そして、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、SVGAモードに対応した画像データを使用する。これに対して、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチとなる場合や、信頼度の高いリーチ予告が行われる場合、信頼度の高い大当り予告が行われる場合などには、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、VGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるような拡大率に設定する。そして、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、VGAモードに対応した画像データを使用する。ここで、パチンコ遊技機1では、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチとなる場合や、信頼度の高いリーチ予告が行われる場合、信頼度の高い大当り予告が行われる場合などに比べて、通常ハズレやノーマルリーチとなる場合の方が多くなるのが通常である。そこで、通常ハズレやリーチハズレとなる場合には、SVGAモードに対応した画像データを使用して第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させることで、画素数の多い画像データを使用して表示頻度が高い演出画像を表示させることができ、高画質の画像が表示される割合を高めて画像表示による演出効果を向上させることができる。
また、例えば図76(A)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面における表示領域の一部を遮蔽可能な可動部材60を設け、遊技の進行状況に対応して所定の遮蔽切替条件が成立することにより、表示領域の一部を遮蔽するか否かを切り替えるようにしてもよい。例えば、図76(A)に示すように表示領域の一部を遮蔽した状態では、第1画像表示装置5Aの表示画面上にて遊技者が視認可能な表示領域が、VGAモードのサイズを有するものとする。
この場合、演出制御用マイクロコンピュータ120では、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンや可変表示結果の種類、リーチ予告及び大当り予告を実行するか否かの決定結果等に対応して、CPU131が演出制御パターンテーブル230Aから設定した演出制御パターンに基づき、所定の遮蔽切替条件が成立したことに対応して、可動部材60を退避させて表示領域の全体を視認できるようにする。例えば、可動部材60は、所定のリンク機構を介してソレノイドに連結され、そのソレノイドを演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が入出力ポート135から出力させた駆動制御信号に対応して可動部材60を退避させる。より具体的な一例として、可変表示開始コマンドにスーパーの可変表示パターンが示された場合に設定される演出制御パターンでは、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったタイミングに対応した演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けて、可動部材60を退避させることを示す演出制御データが含まれている。CPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づいて演出制御パターンから読み出した演出制御データにより、可動部材60により表示領域の一部を遮蔽するか否かを切り替える旨の決定を行う。そして、例えば図76(B)に示すように可変表示態様がリーチとなったタイミングでは、表示領域の一部を遮蔽しないように切り替える旨の決定を行い、演出制御データに従った駆動制御信号を入出力ポート135から出力させることにより、可動部材60を退避させる。
ここで、図76(A)に示すように可動部材60が進出して表示領域の一部が遮蔽されている期間では、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、VGAモードのサイズを有する表示用データをそのままピクセルデータとして用いるような拡大率(例えば「1」)に設定する。そして、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、VGAモードに対応した画像データを使用する。これに対して、図76(B)に示すように可動部材60が退避して表示領域の全体を視認できる期間では、例えばCPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して拡大表示設定指令を送信することなどにより、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、SVGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるような拡大率に設定する。そして、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、SVGAモードに対応した画像データを使用する。これにより、例えば図76(C)に示すように、第1画像表示装置5Aの表示画面における表示領域の全体に演出画像を表示させることができる。このようにして、可動部材60により表示領域の一部を遮蔽するか否かを切り替える旨の決定結果に対応して、拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を切り替えるようにしてもよい。
また、可動部材60により表示領域の一部を遮蔽するか否かの切り替えに対応して、拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を変更させるものに限定されず、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄が導出表示される以前に、拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を変更させるようにしてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示態様がリーチとなるタイミング以前の期間においては、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、VGAモードに対応した画像データを使用する。そして、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、VGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行うための拡大率に設定する。その後、飾り図柄の可変表示がリーチとなったタイミングにて、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、SVGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行うための拡大率に変更する。そして、リーチが成立した以後の期間においては、第1画像表示装置5Aの表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、SVGAモードに対応した画像データを使用する。このように、飾り図柄の可変表示が行われているときに演出画像を切り替えるとともに拡大率を変更することで、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて適切な拡大率と画像データによる演出画像の表示が可能となり、画像表示による演出効果を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、VDP141がスプライト画像データを画像データメモリ142から読み出す場合には、その画像データのサイズ(画素数)に関係なく、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅である64ビットに設定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、画像データメモリ142から読み出すスプライト画像データのサイズ(画素数)に応じて、データバスのバス幅を切り替えるようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態であるときにSVGAモードに対応した画像データを使用する場合には、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅である64ビットに設定する。これに対して、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときにVGAモードに対応した画像データを使用する場合には、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、第2のバス幅である32ビットに設定する。ここで、VGAモードのサイズを有する1フレーム分の表示用データを作成する場合には、SVGAモードのサイズを有する1フレーム分の表示用データを作成する場合に比べて、使用される画像データのデータ量が少なく、画像データメモリ142から転送される画像データのデータ量も少ない。そのため、VGAモードのようにSVGAモードに比べて少ない画素数を有する表示用データを作成する際には、画像データメモリ142から画像データを読み出すときのバス幅を、多くの画素数を有する表示用データを作成する際に比べて狭く(少ないビット数)なるように設定しても、VDP141にて画像データを問題なく処理することができる。そこで、少ない画素数を有する表示用データを作成する際には、多くの画素数を有する表示用データを作成する場合に比べてバス幅を狭くすることで、最適な構成と処理速度で画像データを処理することができる。また、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。
上記実施の形態では、確変遊技状態となった後に、可変表示結果が大当りとなることなく所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変遊技状態が終了するものとし、主基板11から演出制御基板12に対して確変開始コマンドや確変終了コマンドを送信することで、確変遊技状態の開始や終了を通知するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、確変遊技状態となった後には、特図ゲームの実行回数にかかわらず、次に可変表示結果が大当りとなるまでは、継続して確変遊技状態に制御されるようにして、確変開始コマンドや確変終了コマンドの送信は行わないようにしてもよい。この場合、主基板11から演出制御基板12に対しては、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了したことを示す通常大当り終了コマンドと、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了したことを示す確変大当り終了コマンドを送信できるようにする。通常大当り終了コマンドは、例えば図37のステップS262にて確変確定フラグがオフであると判定されたことに対応して、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、確変大当り終了コマンドは、例えば図37のステップS262にて確変確定フラグがオンであると判定されたことに対応して、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。この場合には、大当り遊技状態が終了するときに、主基板11から演出制御基板12に対して通常大当り終了コマンドと確変大当り終了コマンドのうちいずれかが送信される。そして、特図ゲームの終了時には、上記実施の形態のように確変終了コマンドが送信されることがないので、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドの個数を削減することができ、主基板11の側にて演出制御コマンドを送信するための処理負担を軽減することができる。
上記実施の形態では、図45に示すステップS551にて更新した演出制御プロセスタイマ値に対応してステップS553にて読み出された制御データに応じた指令や処理を、ステップS555にて行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばステップS555では、表示制御部121のVDP141から伝送される各種の信号に対応した指令や処理が行われるようにしてもよい。一例として、ステップS555では、VDP141からのVブランク割込み信号を受信したことに対応して、次回のフレームにて表示する演出画像に対応した画像データを読み出すための指令(例えば自動転送指令や固定アドレス指定転送指令など)を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信してもよい。また、ステップS555では、VDP141からのイベント割込み信号を受信したことに対応して、次回のフレームにて再生表示する動画像のデコードを指示する動画像デコード指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信してもよい。このようにVDP141から伝送される信号に対応した指令を行う場合、ステップS555の処理では、まず、例えばステップS553にて読み出された制御データに応じてVDP141に送信すべき表示制御指令を特定し、特定された表示制御指令を送信可能にセットしておく。その後、VDP141からVブランク割込み信号やイベント割込み信号といった所定の信号を受信するまで待機する。このとき、VDP141からの受信信号がなく所定の信号待ち時間が経過した場合には、所定のエラー処理を実行する。これに対して、信号待ち時間が経過する以前に受信信号があった場合には、先にセットしておいた表示制御指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信すればよい。
上記実施の形態では、図40のステップS141にて確変開始フラグがオフである場合にはステップS142にて通常遊技状態用の事前転送設定テーブル220Aをセットする一方で、確変開始フラグがオンである場合にはステップS143にて確変遊技状態用の事前転送設定テーブル220Bをセットした後に、ステップS147〜S153の処理を実行することにより作成した事前転送コマンドをVDP141に対して送信する。VDP141では、事前転送コマンドを受信するごとに、転送制御回路152が画像データメモリ142から画像データを読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに書き込む。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかに応じて異なる表示態様で演出図柄を表示するための複数種類の画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに一時記憶させる。ここで、一時記憶メモリ156における記憶データの読出速度は、画像データメモリ142における記憶データの読出速度に比べて速いものとなっている。そのため、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じた演出画像を表示させる際に、画像データメモリ142から演出画像を表示するための画像データを読み出さずに、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出すことで、演出画像を表示させるための処理を迅速に行うことができる。
ここで、演出画像の表示態様を変更するタイミングは、上記実施の形態のようにパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態や確変遊技状態に移行したタイミングに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに対応して予め定められた変更条件が成立したタイミングであればよい。例えば、第1画像表示装置5Aや第2画像表示装置5Bの表示画面上にてデモ画面表示を行っているときに、パチンコ遊技機1にて遊技者等が操作可能に設けられた操作スイッチからの操作スイッチ信号がオン状態となった場合には、演出画像の表示態様を変更する変更条件が成立したとして、表示態様の変更後における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像に対応した画像データにつき、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへの転送が指令されるようにしてもよい。これに応じて、VDP141では転送制御回路152が、画像データメモリ142から画像データを読み出して固定アドレスエリア156Aに転送すればよい。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行う機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、この発明は、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について説明する。
図77は、この発明を適用したスロットマシンの一例となるスロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口するする筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。
スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールDL、DC、DRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。また、スロットマシン500の前面扉には、表示機能を有する第1画像表示装置510Aと、第2画像表示装置510Bとが設けられている。第1画像表示装置510Aには、例えば1つの透明な透視窓が設けられており、例えばリールDL、DC、DRに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が、この透視窓から見えるように配置されている。
リールDL、DC、DRの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールDL、DC、DRの外周部に描かれた図柄は、第1画像表示装置510Aの透視窓を通して各々上中下三段に表示されている。
各リールDL、DC、DRは、各々対応して設けられたリールモータ651L、651C、651R(図78)によって回転させることで、各リールDL、DC、DRの図柄が第1画像表示装置510Aの透視窓を通して連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールDL、DC、DRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として、第1画像表示装置510Aの透視窓を通して視認可能に導出表示されるようになっている。
スロットマシン500の前面扉における第1画像表示装置510Aの下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、メダルを投入可能なメダル投入口502、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ503、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ504、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ508が設けられている。メダル投入口502に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。
操作テーブル520の手前側には、スロットマシン500にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー505、リールDL、DC、DRの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ506L、506C、506Rが設けられている。操作テーブル520の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口507が設けられている。
スロットマシン500の前面扉における第1画像表示装置510Aの上部には、第2画像表示装置510Bや、スロットマシン500での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えている。遊技情報表示部の左右には、効果音を発する2つのスピーカ511L、511Rが設けられている。その他、画像表示装置510の上部には、遊技効果ランプ512が設けられており、操作テーブル520の前面左右には、それぞれ遊技効果ランプ513、514が設けられている。
スロットマシン500においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口502から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ503またはMAXBETスイッチ504を操作する。こうして賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートレバー505の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となり、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートレバー505が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ505A(図78)により検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リールDL、DC、DRが回転し、各リールDL、DC、DRの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ506L、506C、506Rが操作されると、対応するリールDL、DC、DRの回転が停止し、画像表示装置510の透視窓を通して表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリールDL、DC、DRの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リールDL、DC、DRの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン500では、スタートレバー505が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン500における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
スロットマシン500には、例えば図78に示すような主基板600、演出制御基板620、リールユニット650などが搭載されている。その他にも、スロットマシン500には、主基板600に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。主基板600には、遊技制御用マイクロコンピュータ610が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ610は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。
リールユニット650は、リールモータ651L、651C、651R、リールランプ652、リールセンサ653などを備えて構成される。リールモータ651L、651C、651Rは、各リールDL、DC、DRを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リールDL、DC、DRの内部に設けられ、各リールDL、DC、DRに描かれた図柄のうち、可変表示装置501にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ653は、各リールDL、DC、DRの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板620には、演出制御用マイクロコンピュータ630や、表示制御部631、音制御部632、ランプ制御部633などが搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ630は、上記実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ120と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAM、リセット/割込みコントローラなどを備えて構成されている。表示制御部631は、第1画像表示装置510Aや第2画像表示装置510Bにおける表示動作の制御を行うものであり、上記実施の形態における表示制御部121と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行するVDPと、第1画像表示装置510Aや第2画像表示装置510Bの表示画面上に演出画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する画像データメモリとを備えて構成されている。
表示制御部631が備えるVDPには、上記実施の形態と同様に、ホストインタフェース、転送制御回路、画像データメモリインタフェース、動画像用デコーダ、描画回路、一時記憶メモリ、フレームバッファメモリ、表示回路などが設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ630では、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置510やスピーカ511L、511R、遊技効果ランプ512〜514などによる演出動作を制御するための指令や処理が、CPUによって実行される。表示制御部631では、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理が、VDPによって実行される。
表示制御部631のVDPが備える転送制御回路は、上記実施の形態における図47に示すステップS609にて図51のフローチャートに示すような表示用データ転送処理を実行する場合と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示用データ転送指令に応答して、フレームバッファメモリの第2表示用データエリアに記憶された表示用データを一時記憶メモリの可変アドレスエリアに転送する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、例えば上記実施の形態における図58に示すステップST16の処理や、図61に示すステップST36の処理、図66に示すステップST82の処理などと同様に、表示制御部631のVDPが備える一時記憶メモリに設けられた可変アドレスエリアから、表示用データを読み出して演出制御用マイクロコンピュータ630のRAMに一旦記憶させる。その後、例えば上記実施の形態における図58に示すステップST18の処理や、図61に示すステップST38の処理、図66に示すステップST84の処理などと同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630のRAMに記憶された表示用データを第2画像表示装置510Bに対応して設けられたLCD駆動回路に供給する。これにより、LCD駆動回路は、例えば上記実施の形態における図58に示すステップST19の処理や、図61に示すステップST39の処理、図66に示すステップST85の処理などと同様に、第2画像表示装置510Bの表示画面上に演出画像を表示させる。また、表示制御部631のVDPでは、例えば描画回路がフレームバッファメモリの第1表示用データエリアに表示用データを書き込むことなどにより、第1画像表示装置510Aの表示画面上に演出画像を表示させるための表示用データを作成する。こうして、第1画像表示装置510Aの表示画面上に演出画像を表示させるための表示用データを作成するVDPにて、第2画像表示装置510Bの表示画面上に演出画像を表示させるための表示用データが作成され、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUによって第2画像表示装置510Bの表示画面上に演出画像を表示させることができる。これにより、第2画像表示装置510Bに演出画像を表示させるために専用のVDPやマイクロコンピュータを設ける必要がなくなり、製造コストの増大を防止することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUや表示制御部631のVDPは、例えば上記実施の形態における図63に示すステップST55〜ST59の処理や図66に示すステップST75〜ST86の処理と同様の処理を実行することにより、第1画像表示装置510Aや第2画像表示装置510Bにおける画像フレーム周期の経過に対応して、表示制御部631の画像データメモリから読み出される動画像データごとに作成される複数種類の表示用データを所定の順番で表示制御部631のVDPが備えるフレームバッファメモリに書き込んで記憶させ、第1画像表示装置510Aや第2画像表示装置510Bの表示画面上に設けられた複数の表示領域ごとに異なる複数種類の動画像を表示させることができる。これにより、第1画像表示装置510Aや第2画像表示装置510Bにおける画像フレーム周期が経過するごとに、複数種類の動画像データごとに作成される複数種類の表示用データをすべて表示制御部631のVDPが備えるフレームバッファメモリに書き込んで記憶させる場合に比べて、動画像の表示に要する処理負担を軽減することができ、動画像を表示する演出の欠落を防止することができる。また、複数種類の動画像を表示させるための動画像データは、表示用データが作成されるタイミングに対応したコマ数を有するものを用意すればよいので、データ容量を低減することができる。
また、上記実施の形態における図66に示すステップST80の処理と同様にして、例えば動画像A2の表示用データを、表示制御部631のVDPが備えるフレームバッファメモリに設けられた第2表示用データエリアから、表示制御部631のVDPが備える一時記憶メモリに設けられた可変アドレスエリアに転送する。そして、上記実施の形態における図66に示すステップST82の処理と同様にして、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、表示制御部631のVDPが備える一時記憶メモリに設けられた可変アドレスエリアに記憶された表示用データを読み出して、演出制御用マイクロコンピュータ630のRAMに一旦記憶させる。その後、上記実施の形態における図66に示すステップST84の処理と同様にして、演出制御用マイクロコンピュータ630のRAMに記憶された表示用データを第2画像表示装置510Bに対応して設けられたLCD駆動回路に供給する。これにより、LCD駆動回路は、上記実施の形態における図66に示すステップST85の処理と同様にして、第2画像表示装置510Bの表示画面上に動画像A2を表示させる。
また、表示制御部631のVDPでは、例えば描画回路が画像データメモリから読み出された動画像データに基づいて作成した表示用データを、フレームバッファメモリの第1表示用データエリアに書き込むことなどにより、第1画像表示装置510Aの表示画面上に動画像を表示させるための表示用データを作成する。こうして、第1画像表示装置510Aの表示画面上に動画像を表示させるための表示用データを作成するVDPにて、第2画像表示装置510Bの表示画面上に動画像を表示させるための表示用データが作成され、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUによって第2画像表示装置510Bの表示画面上に動画像を表示させることができる。これにより、第2画像表示装置510Bに動画像を表示させるために専用のVDPやマイクロコンピュータを設ける必要がなくなり、製造コストの増大を防止することができる。
表示制御部631の画像データメモリに設けられたメインスプライト画像データエリアには、上記実施の形態における画像データメモリ142のメインスプライト画像データエリア142Aと同様に、第1画像表示装置510Aの表示画面における画素総数に対応したXGAモードの画素数に比べて少ない画素数に対応した画像データとして、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データや、VGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データが記憶されている。そして、例えばスロットマシン500における遊技状態が特別遊技状態となった場合や、内部抽選での抽選結果がビッグボーナスやレギュラーボーナスといった特別役となったことに対応して所定のフラグがオン状態に設定された場合のように、遊技の進行状況に対応して所定の画像切替条件が成立したときには、例えば演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが、上記実施の形態における図43に示すステップS502の処理と同様にして、入出力ポートから所定の表示制御指令を表示制御部631のVDPに対して送信させ、VDPにて表示制御指令に対応した設定を行うことなどにより、表示回路のスケーラ回路における拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を変更させる。これにより、第1画像表示装置510Aの表示画面における画素総数と同じ画素数の画像データを画像データメモリに記憶させて演出画像の表示に使用する場合に比べてデータ容量が減少することから、画像データメモリにおける記憶容量を低減することができる。また、例えばVDPの描画回路がフレームバッファメモリに書き込む表示用データのデータ容量も小さくなることから、表示用データを作成する処理負担の増大を防止することができる。そして、例えば特別遊技状態となることといった、所定の画像切替条件が成立したことにより拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を変更させることで、スロットマシン500における遊技状態に応じて適切な拡大率と画像データによる演出画像の表示が可能になり、画像表示による演出効果を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、例えば上記実施の形態における図43に示すステップS502やステップS505の処理と同様にして、入出力ポートから表示制御部631のVDPに対して所定の表示制御指令を送信させ、VDPにて表示制御指令に対応した設定を行う。このときには、表示制御部631の画像データメモリに接続されたデータバスのバス幅が、第1のバス幅となる64ビットに設定される。これに対して、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図63に示すステップST53の処理や図66に示すステップST73の処理と同様の処理を実行することにより、入出力ポートから表示制御部631のVDPに対して所定の表示制御指令を送信させ、VDPにて表示制御指令に対応した設定を行う。このときには、表示制御部631の画像データメモリに接続されたデータバスのバス幅が、第2のバス幅となる32ビットに設定される。
このように、スプライト画像データを使用して第1画像表示装置510Aや第2画像表示装置510Bの表示画面上に演出画像を表示させる場合には、表示制御部631の画像データメモリからスプライト画像データを読み出す際のバス幅を第1のバス幅とする。その一方で、動画像データを使用して第1画像表示装置510Aや第2画像表示装置510Bの表示画面上に演出画像として動画像を再生表示させる場合には、表示制御部631の画像データメモリから動画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅より狭い(ビット数が少ない)第2のバス幅とする。これにより、表示制御部631のVDPにおける処理効率を向上させるとともに、表示制御部631の画像データメモリの記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、例えば上記実施の形態における図68に示すステップST102の処理と同様にして、入出力ポートから表示制御部631のVDPに対して所定の表示制御指令を送信させ、VDPにて表示制御指令に対応した設定を行うことなどにより、表示回路が有するスケーラ回路における拡大率を、SVGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行うための拡大率に設定する。また、例えば上記実施の形態における図68に示すステップST104の処理などと同様にして、表示制御部631の画像データメモリに設けられたメインスプライト画像データエリアで記憶されたスプライト画像データのうち、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データのいずれかが読み出されて、表示用データを作成するために使用される。このように、部分拡大した演出画像の表示を行う際には、例えばVGAモードに比べて画素数が多いSVGAモードに対応した画像データのように、画素数の多い画像データを表示制御部631の画像データメモリから読み出して演出画像を表示させる。これにより、演出画像を拡大する際に画質が低下することを防止して、画像表示による演出効果を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明の遊技機は、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能なスロットマシンに限らず、例えばパチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンなどにも適用することができる。
パチンコ遊技機1やスロットマシン500の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。