以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域内の所定位置には、各々が識別可能な複数種類の特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する特別図柄表示装置4が設けられている。なお、特別図柄表示装置4の設置位置は、遊技領域内の所定位置に限定されず、遊技領域外の所定位置であってもよい。
図1に示すパチンコ遊技機1における遊技領域の中央位置には、複数種類の演出画像を含む各種画像の表示を行う画像表示装置5と、可動部材の動作による演出を行う可動演出装置60とが設けられている。パチンコ遊技機1における遊技領域の中央下部には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6や、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7が配置されている。特別可変入賞球装置7の右側には、普通図柄表示装置20が設けられている。
特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。特別図柄表示装置4は、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、例えば「00」〜「99」を示す数字や「−−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する。この特図ゲームは、例えば普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞により特別図柄を可変表示するための実行条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄を可変表示するための開始条件が成立したことに基づいて開始される。この実施の形態では、一例として、特別図柄表示装置4が「左」及び「右」の特別図柄可変表示部を備え、各特別図柄可変表示部において、「0」〜「9」を示す数値や「−」を示す記号等から構成される特別図柄の可変表示を行うものとする。各特別図柄可変表示部において可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されている。
画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。この実施の形態では、画像表示装置5における表示画面が、XGAモード(1024×768ピクセル)に対応した画素総数を有している。画像表示装置5の表示画面では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の変動に対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する飾り図柄を、複数の表示領域にて可変表示する。例えば、画像表示装置5の表示画面には、飾り図柄の表示領域となる「上」、「中」、「下」の可変表示部が配置され、特別図柄表示装置4により特図ゲームが実行されることに対応して、各可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。すなわち、例えば始動入賞口への遊技球の入賞により可変表示の実行条件が成立した後に前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった可変表示の実行条件が成立したことに基づき、特別図柄表示装置4における特別図柄の可変表示が開始されるときには、画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示(例えば横方向のスクロール表示)を開始させ、その後、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、「上」、「中」、「下」の各可変表示部は、画像表示装置5の表示画面内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部では、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が、飾り図柄として変動可能に表示される。また、各可変表示部で可変表示される図柄には、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)も含まれている。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が開始されると、「上」、「中」、「下」の各可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に各可変表示部の右側から左側へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されてもよい。
また、画像表示装置5には、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。これに対して、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアとともに、あるいは特別図柄始動記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を設けるようにしてもよい。
普通図柄表示装置20は、例えば発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21(図5)によって検出されたことを実行条件とする普図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド81(図5)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと進入した遊技球は、始動口スイッチ22(図5)によって検出され、その検出に基づき特別図柄や飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件(始動条件)が成立する。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば4個)の賞球の払い出しが行われる。
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図5)によって入賞領域となる大入賞口を開放及び閉鎖制御する開閉板を備えて構成される。特別可変入賞球装置7にて開閉板により開放された大入賞口内へと遊技球が進入した場合には、カウントスイッチ23(図5)によって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば「15」)の賞球の払出が行われる。
普通図柄表示装置20による普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後、所定の当りパターンで表示が行われると、表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置に制御(拡大開放制御)され、所定時間が経過すると垂直位置に制御(通常開放制御)される。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「33」あるいは「77」を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−−」を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄である特別図柄「33」あるいは「77」となる場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、例えば「上」、「中」、「下」の各可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示されることで、特定表示結果としての大当りとなる。大当り組合せの確定飾り図柄は、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部において予め定められた有効ライン上に、同一の飾り図柄が揃って停止表示されるものであればよい。この実施の形態では、画像表示装置5にて飾り図柄の可変表示結果が停止表示される有効ラインとして、例えば図2に示すように、左、中、右の3本の組合せ有効ラインL1、L2、L3と、斜め対角線上の2本の組合せ有効ラインL4、L5との合計5本の組合せ有効ラインが定められている。この5本の組合せ有効ラインL1〜L5のうちのある組合せ有効ライン上で、予め定められた飾り図柄の組合せからなる特定の停止図柄態様となったときに、飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる。他方、特別図柄表示装置4による特図ゲームでの確定特別図柄がハズレ図柄である特別図柄「−−」となる場合には、各組合せ有効ラインL1〜L5上で、大当り組合せとは異なるハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される。
また、画像表示装置5の表示画面には、「上」、「中」、「下」の各可変表示部における左側にて、表示領域の外部に掛かる表示位置AR1が設けられ、この表示位置AR1にて飾り図柄の可変表示態様が所定態様となったことに基づき、可動演出装置60における可動部材の動作と連動した飾り図柄の演出表示が実行される。ここで、飾り図柄の演出表示が実行される契機となる所定態様には、表示位置AR1にて大当り組合せの飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されることや、表示位置AR1にて飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなどが含まれていればよい。
なお、仮停止状態では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示等によって遊技者に可変表示の表示結果が確定していない旨を報知する。また、リーチとは、画像表示装置5の表示画面にて導出表示(停止表示あるいは仮停止表示)した飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない飾り図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない有効ライン上の可変表示部において変動表示が行われている表示態様(例えば、表示画面に設けられた「上」、「中」、「下」の可変表示部のうち「上」、「下」の可変表示部には大当り組合せの一部となる(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されている状態で「中」の可変表示部は未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば、表示画面に設けられた「上」、「中」、「下」の可変表示部の全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の飾り図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音などで行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、画像表示装置5にて飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示という。
特別図柄表示装置4による特図ゲームで大当り図柄である特別図柄「3」あるいは「7」が停止表示されたことや、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されたことに対応して、パチンコ遊技機1における遊技状態が特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1の期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とする。このように大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止めて、大入賞口に進入させる。こうして大入賞口を開放状態としてから閉鎖状態とすることで、1回のラウンドが終了する。この実施の形態における大当り遊技状態では、大入賞口の開閉サイクルとしてのラウンドを、例えば15回といった所定回数に達するまで繰り返すことができる。
特別図柄表示装置4による特図ゲームで停止表示される大当り図柄には、通常大当り図柄と確変大当り図柄とが含まれていてもよい。例えば、大当り図柄「33」及び「77」のうち、大当り図柄「33」を通常大当り図柄とする一方で、大当り図柄「77」を確変大当り図柄としてもよい。この場合、画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部にて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数である「1」、「3」、「5」、「7」の飾り図柄を、確変大当り用の確変図柄とし、図柄番号が偶数である「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄を通常大当り用の通常図柄とする。そして、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて確定特別図柄が確変大当り図柄「77」となる場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、組合せ有効ラインL1〜L5のうちのある組合せ有効ライン上に、同一の確変図柄が揃って停止表示される確変大当り組合せの確定飾り図柄となる。他方、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて確定特別図柄が通常大当り図柄「33」となる場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、組合せ有効ラインL1〜L5のうちのある組合せ有効ライン上に、同一の通常図柄が揃って停止表示される通常大当り組合せの確定飾り図柄となる。このように、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる場合には、特別表示結果としての「確変大当り」となる場合と、特別表示結果以外の特定表示結果としての「通常大当り」となる場合とが含まれてもよい。
可変表示結果が「確変大当り」となった場合には、その可変表示結果に対応した大当り遊技状態が終了した後、特別遊技状態の1つとして、例えば継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変遊技状態(高確率遊技状態)に移行してもよい。この確変遊技状態では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態よりも高くなるように向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や確変遊技状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったときの状態)と同一に制御されている。さらに、確変遊技状態では、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるまでの時間である可変表示時間が、通常遊技状態よりも短くなるように制御される時間短縮制御(時短制御)も行われる。この確変遊技状態は、特図ゲームの実行回数にかかわらず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。これに対して、確変遊技状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が成立したときに、確変遊技状態が終了するようにしてもよい。また、確変遊技状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変遊技状態が終了することがあるようにしてもよい。
可変表示結果が「通常大当り」となった場合には、その可変表示結果に対応した大当り遊技状態が終了した後、特別遊技状態の1つとして、例えば継続して時短制御が行われる時間短縮状態に移行してもよい。なお、時間短縮状態では確変制御が行われず、各回の特図ゲームや飾り図柄の可変表示にて表示結果が「大当り」となる確率は、通常遊技状態と同一に制御される。時間短縮状態となった後には、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が大当りとなることのうち、いずれかの条件が成立したときに、時間短縮状態が終了する。なお、可変表示結果が「通常大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変遊技状態や時間短縮状態とはならずに通常遊技状態となるようにしてもよい。
図3(A)〜(C)は、可動演出装置60の構成を示す正面図であり、図4(A)〜(C)は、可動演出装置60の構成を示す背面図である。可動演出装置60は、例えばスライド板用モータ50と、手形模型51と、スライド板52と、固定枠53A、53Bと、連接ロッド54とを備えて構成される。可動演出装置60では、スライド板用モータ50を回転駆動させることにより、スライド板52を、図3(A)や図4(A)に示すような退避時の位置と、図3(B)や図4(B)に示すような進出時の位置との間で、スライド可能に移動させることができる。手形模型51は、スライド板52の移動に伴い、ガイドレール56A、56Bに沿ってスライド可能となるように構成されている。
スライド板52は、ガイドレール55A〜55Dに沿ってスライド可能となるように構成されている。スライド板52が図3(A)や図4(A)に示すような退避時の位置にあるときには、画像表示装置5の表示画面における飾り図柄の表示領域となる「上」、「中」、「下」の各可変表示部には重ならない。これに対して、スライド板52が図3(B)や図4(B)に示すような進出時の位置にあるときには、スライド板52が画像表示装置5における表示画面の前面に位置することで飾り図柄の表示領域と重なり、画像表示装置5の表示画面の少なくとも一部を遮蔽する。退避時の位置にあるスライド板52の前面には、例えば所定の装飾部材を配置することにより、手形模型51やスライド板52が視認不可能となるようにしてもよい。あるいは、例えば退避時の位置とは異なる所定位置に装飾部材を設け、スライド板52を用いた演出動作が行われないときには、手形模型51やスライド板52を装飾部材の裏面に収納させることにより、手形模型51やスライド板52が視認不可能となるようにしてもよい。いずれの場合でも、スライド板52が進出時の位置にあるときには、手形模型51やスライド板52が視認可能となればよい。このように、この実施の形態では、手形模型51やスライド板52が、画像表示装置5における表示画面の左側に配置された退避時の位置と画像表示装置5における表示画面の前面に配置された進出時の位置との間で、スライド可能に移動する。
また、スライド板52には、透光性を有する透光部52A、52Bが設けられている。例えば、透光部52A、52Bは、ツヤ消し加工が施されたガラス板や合成樹脂板、あるいは、透光性のシールを貼り付けたガラス板や合成樹脂板などを用いて、透光性を有しながら不透明な部位として形成されればよい。
固定枠53A、53Bは、例えば画像表示装置5の周囲にて、遊技盤2の裏面にネジ止めされることなどにより固着され、スライド板52が画像表示装置5における表示画面の前面に進出できるように、可動演出装置60をパチンコ遊技機1に取り付け可能とする。連接ロッド54は、スライド板用モータ50の回転軸50Aに取り付けられた円盤50Bと、手形模型51及びスライド板52とに連接され、円盤50Bの回転量に応じて、手形模型51やスライド板52の位置がスライドするように移動可能とする。例えば、連接ロッド54は、その一端54Aが回動可能に、スライド板用モータ50の取付位置の上部に軸支されている。連接ロッド54の中間部には、長手方向に延在する溝54Bが形成されている。溝54Bには、円盤50Bの偏心位置となる盤上に形成された突起50Cが、摺動可能に挿入されている。連接ロッド54の他端には、長手方向に延在する溝54Cが形成されている。溝54Cには、手形模型51の裏面に形成された突起51Aが、摺動可能に挿入されている。連接ロッド54は、スライド板用モータ50の回転動作による突起50Cの移動に応じて突起51Aを移動させることにより、手形模型51をスライドさせることができる。連接ロッド54における溝54Bと溝54Cの間には、溝54Dが形成されている。溝54Dには、スライド板52の裏面に形成された突起52Dが、摺動可能に挿入されている。連接ロッド54は、スライド板用モータ50の回転動作による突起50Cの移動に応じて突起52Dを移動させることにより、スライド板52をスライドさせることができる。ここで、溝54DはL字型に形成され、その一方が連接ロッド54の回動軌道に沿って形成されている。これにより、スライド板52が図3(A)や図4(A)に示すような退避時の位置にあるときには、スライド板用モータ50の回転量に応じて、スライド板52は退避時の位置を維持したままで、手形模型51をスライド板52とは別個にガイドレール56A、56Bに沿ってスライド可能に移動させることができる。図3(C)及び図4(C)は、図3(A)や図4(A)と同様にスライド板52が退避時の位置にあるときに、図3(A)や図4(A)に示す手形模型51の位置に比べて、さらに後退した手形模型後退時の位置に手形模型51を移動させた状態を示している。このように、画像表示装置5における飾り図柄の表示領域に重なる進出時の位置と当該表示領域には重ならない退避時の位置との間で移動可能なスライド板52とは異なる手形模型51は、スライド板52が退避時の位置と進出時の位置との間で移動する動作に伴って、スライドして移動可能であるとともに、スライド板52が退避時の位置にあるときに、スライド板52とは別個にスライドして移動することができるように構成されている。L字型に形成された溝54Dの他方は、スライド板52を退避時の位置から進出時の位置にスライドするように移動可能とするためのものである。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通可変入賞球装置6、特別可変入賞球装置7等)の周囲には装飾用LEDが設置されていてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図5に示すような主基板11や演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントや各ドットの点灯/消灯制御を行って特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示を制御することや、普通図柄表示装置20の点灯/消灯/発色制御を行って普通図柄表示装置20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
図5に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23からの検出信号を受信するための配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。加えて、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示装置20の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されていてもよい。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。図6は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を示す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図6に示す例において、コマンド80XXHは、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンと、可変表示結果の種類とに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかを、その可変表示結果が導出表示されるより前に事前決定した結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。また、可変表示結果の種類が同じであっても、可変表示パターンが異なれば、異なるEXTデータが設定される。なお、可変表示開始コマンドでは、可変表示パターンに応じて異なるEXTデータが設定され、可変表示開始コマンドとは異なる表示結果通知コマンドにより、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかといった、可変表示結果の種類を通知するようにしてもよい。
図6に示すコマンドA000Hは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの回数を示す大当りラウンド数通知コマンドである。大当りラウンド数通知コマンドでは、例えば大当り遊技状態において開始されるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。コマンドB000Hは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。コマンドC0XXHは、画像表示装置5に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて入賞表示を行うために、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる特図保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
図7は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路111と、リセット/割込みコントローラ112と、乱数回路113と、CPU(Central Processing Unit)114と、ROM(Read Only Memory)115と、RAM(Random Access Memory)116と、タイマ回路(PIT)117と、シリアル通信回路(SCI)118と、入出力ポート119とを備えて構成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU114がROM115から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU114がROM115から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU114がRAM116に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU114がRAM116に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU114が入出力ポート119を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU114が入出力ポート119を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
クロック回路111は、例えばCPU114といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100内の各回路に供給するクロック信号を生成する回路である。具体的な一例として、クロック回路111は、所定のクロック入力端子に入力された外部クロックを4分周して内部システムクロックCLKを生成し、生成した内部システムクロックCLKをCPU114などの遊技制御用マイクロコンピュータ100内の各回路に供給する。
リセット/割込みコントローラ112は、遊技制御用マイクロコンピュータ100内で発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラ112が制御するリセットには、例えばシステムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、所定のSRST端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、所定のURST端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したこと、指定エリア外走行禁止(IAT)信号が発生したこと、あるいは、インターバルリセット信号が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。
また、リセット/割込みコントローラ112が制御する割込みには、例えばXクラス割込み(XIRQ)やIクラス割込み(IRQ)、ソフトウェア割込み(SWI)、イリーガルオペコードトラップ(ILGOP)といった4種類の割込みが含まれていてもよい。Xクラス割込みは、所定のXIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生する割込みである。Iクラス割込みは、ユーザプログラムにより割込み要求の受付を許可/禁止できる割込みであり、所定のIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、タイマ回路117からの割込み要求信号が発生したこと、シリアル通信回路118からの割込み要求信号が発生したことなど、予め定められた各種の割込み要因により発生する割込みである。
乱数回路113は、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全部または一部を生成する回路である。図8は、主基板11の側において用いられる乱数値を例示する説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、可変表示パターン決定用の乱数値MR2、リーチ判定用の乱数値MR3が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR3の全部または一部を示す数値データが、乱数回路113にてカウントされればよい。また、乱数値MR1〜MR3の一部を示す数値データは、CPU114が乱数回路113とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特別図柄の可変表示結果を「ハズレ」とするか「大当り」とするかの判定などを行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、大当りの発生により大当り遊技状態への制御を行うか否かの判定に用いられる。また、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする場合に、確定特別図柄を通常大当り図柄とするか確変大当り図柄とするかの判定を行うために用いられてもよい。この場合、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態への制御を行うか否かの判定に用いられる。なお、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1とは異なる乱数値を用いて、大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態への制御を行うか否かの判定が行われるようにしてもよい。
可変表示パターン決定用の乱数値MR2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる表示用の乱数値であり、例えば「1」〜「150」の範囲の値をとる。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常ハズレパターンが複数種類用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に大当り組合せまたはハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、リーチパターンが複数種類用意されている。大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンは、大当りパターンとも称される。また、リーチとした後にハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンは、リーチハズレパターンとも称される。
リーチ判定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM115には、ゲーム制御用のユーザプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM115は、CPU114が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータを記憶する。判定テーブルとしては、特図ゲームにおける確定特別図柄を大当り図柄として可変表示結果を「大当り」とする否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、可変表示結果を「大当り」とする場合に「通常大当り」とするか「確変大当り」とするかを判定するために参照される確変判定テーブル、普図ゲームにおける表示結果を「普図当り」とするか否かを判定するために参照される普通当り判定テーブル、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」となるときに飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブルなどが含まれていればよい。ROM115に記憶される決定テーブルには、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブルなどが含まれていればよい。
ROM115に記憶される可変表示パターン決定テーブルは、例えば各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用の乱数値MR2とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用の乱数値MR2に基づいて可変表示パターンの選択を可能にする決定用データなどから構成されていればよい。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してから確定特別図柄や確定飾り図柄を導出表示するまでの時間である可変表示時間を示すデータなどと、対応付けられている。
可変表示パターン決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図9(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aと、図9(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bと、図9(C)に示す通常ハズレパターン決定テーブル200Cとが、ROM115に記憶されている。
図9(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされたときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、複数種類ある大当りパターンとしてのリーチパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図9(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「ハズレ」とする旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示態様をリーチとする旨の決定に対応して、可変表示パターン決定用の乱数値MR2に基づき、複数種類あるリーチハズレパターンとしてのリーチパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図9(C)に示す通常ハズレパターン決定テーブル200Cは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示態様をリーチとしない旨の決定に対応して、可変表示パターン決定用の乱数値MR2に基づき、複数種類ある通常ハズレパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。
この実施の形態では、通常ハズレパターンとなる複数種類の可変表示パターンとして、通常A、通常Bの可変表示パターンが用意されている。また、リーチパターンとなる複数種類の可変表示パターンとしては、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーC、スーパーDの可変表示パターンが用意されている。
ここで、図9(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aと、図9(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bとを比べると、各リーチパターン(リーチの種類)に対する可変表示パターン決定用の乱数値MR2の割当てが異なっている。すなわち、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかに応じて、選択されるリーチの種類の割合が異なるものとなる。これにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に出現するリーチの種類に応じて異なるものとなる。このように、リーチの種類毎に決められる表示結果が大当りとなる可能性(確率)は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度とも称される。
図10(A)は、ノーマル及びスーパーA〜スーパーDの各リーチパターンについて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたハズレ時と、可変表示結果を大当りとする旨の決定がなされた大当り時における、選択確率を示す説明図である。また、図10(B)は、リーチの信頼度を示す説明図である。なお、図10(B)に示すリーチの信頼度は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに、大当り確率が1/300であり、ハズレ時のリーチ出現率が1/10であるものとして算出した。図10(B)に示すように、この実施の形態で用いられる各リーチパターンによるリーチの信頼度は、互いに異なっている。
ノーマルの可変表示パターンでは、画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始された後、例えば「上」及び「下」の可変表示部にて同一の飾り図柄が、組合せ有効ラインL1〜L5のいずれかに揃うように停止してリーチが成立する。その後、「中」の可変表示部における飾り図柄の変動速度が減速され、可変表示結果が「ハズレ」ならば、「上」及び「下」の可変表示部にてリーチを構成している飾り図柄とは異なる飾り図柄が、「中」の可変表示部にてリーチとなっている組合せ有効ライン上に停止表示される。これに対して、可変表示結果が「大当り」ならば、「上」及び「下」の可変表示部にてリーチを構成している飾り図柄と同一の飾り図柄が、「中」の可変表示部にてリーチとなっている組合せ有効ライン上に揃うように停止表示される。
図9(D)は、スーパーA〜スーパーDといった、スーパーリーチとなる可変表示パターンにおける演出内容を示す説明図である。図9(D)に示すように、スーパーAの可変表示パターンでは、演出動作として「スライド板進出」、「動画像表示」、「透光予告」が行われ、スーパーBの可変表示パターンでは、演出動作として「スライド板進出」、「拡大表示」、「透光予告」が行われ、スーパーCの可変表示パターンでは、演出動作として「動画像表示」が行われ、スーパーDの可変表示パターンでは、演出動作として「拡大表示」が行われる。
ここで、「スライド板進出」は、例えば図2に示すような画像表示装置5の表示画面における表示領域の外部に掛かる表示位置AR1にて、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことや、大当り組合せの飾り図柄が仮停止表示されたことのように、飾り図柄の一部が表示領域の枠外にありながら所定態様となったことに基づき、可動演出装置60が備えるスライド板52を退避時の位置と進出時の位置との間で移動させる動作と連動して飾り図柄を示す演出画像による所定の表示演出を行い、所定態様となった飾り図柄を、例えば組合せ有効ラインL1〜L5のうちいずれかの組合せ有効ライン上といった、画像表示装置5の表示画面における「上」、「中」、「下」の各可変表示部の内にあり外部には掛からない所定位置に、移動させる演出動作である。
「動画像表示」は、例えば飾り図柄の可変表示態様が組合せ有効ラインL1〜L5のうちいずれかの組合せ有効ライン上や表示位置AR1にてリーチとなったことに基づき、画像表示装置5の表示画面を複数の表示領域に分割して、分割後の各表示領域にて互いに異なる動画像の再生表示を行う演出動作である。この実施の形態では、「動画像表示」の種別に対応した複数種類の動画像表示パターンとして、マルチA、マルチB、マルチCの動画像表示パターンが、予め用意されている。マルチAの動画像表示パターンでは、例えば図11(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面を2分割した各表示領域にて、互いに異なる2種類の動画像A1、A2の再生表示が行われる。マルチBの動画像表示パターンでは、例えば図11(B)に示すように、画像表示装置5の表示画面を3分割した各表示領域にて、互いに異なる3種類の動画像B1〜B3の再生表示が行われる。マルチCの動画像表示パターンでは、例えば図11(C)に示すように、画像表示装置5の表示画面を4分割した各表示領域にて、互いに異なる4種類の動画像C1〜C4の再生表示が行われる。
「透光予告」は、前述した「スライド板進出」の演出動作でスライド板52が画像表示装置5における表示画面の前面に進出する移動動作に伴って、スライド板52に形成された透光部52A、52Bに対応する画像表示装置5の表示位置にて、所定のキャラクタを示す演出画像などの表示を行うことにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となることを予告する演出動作である。この実施の形態では、「透光予告」の種別に対応した複数種類の予告パターンとして、透光予告A−1〜A−4の予告パターンが、予め用意されている。図12は、透光予告A−1〜A−4の各予告パターンにおける演出内容の一例を示す説明図である。
透光予告A−1の予告パターンでは、スライド板52の移動動作に伴って、透光部52Aに対応する画像表示装置5の表示位置にキャラクタC01を示す演出画像が表示される。透光予告A−2の予告パターンでは、スライド板52の移動動作に伴って、透光部52Bに対応する画像表示装置5の表示位置にキャラクタC02を示す演出画像が表示される。
図13(A)〜(C)は、透光予告A−3の予告パターンにおける演出動作の一例を示している。図12に示すように、透光予告A−3の予告パターンでは、スライド板52の移動動作に伴って、透光部52Aに対応する画像表示装置5の表示位置にはキャラクタC01を示す演出画像が表示される一方で、透光部52Bに対応する画像表示装置5の表示位置にはキャラクタC02を示す演出画像が表示される。すなわち、画像表示装置5の表示画面上では、例えば図13(A)〜(C)に示すように、スライド板52が進出する動作に伴って、キャラクタC01を表示する位置の前面に透光部52Aが来るようにキャラクタC01を示す演出画像のスクロール表示が行われるとともに、キャラクタC02を表示する位置の前面に透光部52Bが来るようにキャラクタC02を示す演出画像のスクロール表示が行われる。また、透光予告A−3の予告パターンでは、例えば図13(C)に示すように、スライド板52が進出時の位置に来たときでも、画像表示装置5の表示画面にキャラクタC01やキャラクタC02を示す演出画像が表示されたままとなる(フラッシュなし)。
図13(D)〜(F)は、透光予告A−4の予告パターンにおける演出動作の一例を示している。図12に示すように、透光予告A−4の予告パターンでは、透光予告A−3の予告パターンと同様に、スライド板52の移動動作に伴って、透光部52AにはキャラクタC01を示す演出画像が表示される一方で、透光部52BにはキャラクタC02を示す演出画像が表示される。すなわち、画像表示装置5の表示画面上では、例えば図13(D)及び(E)に示すように、スライド板52が進出する動作に伴って、キャラクタC01を表示する位置の前面に透光部52Aが来るようにキャラクタC01を示す演出画像のスクロール表示が行われるとともに、キャラクタC02を表示する位置の前面に透光部52Bが来るようにキャラクタC02を示す演出画像のスクロール表示が行われる。他方、透光予告A−4の予告パターンでは、透光予告A−3の予告パターンとは異なり、例えば図13(F)に示すように、スライド板52が進出時の位置に来たときに、キャラクタC01やキャラクタC02を示す演出画像の表示を終了させ、透光部52A、52Bに対応する表示位置をフラッシュさせるような演出画像が表示される(フラッシュあり)。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM116には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを変動可能に保持する領域として、例えば図14に示すような遊技制御用データ保持エリア210が設けられている。図14に示す遊技制御用データ保持エリア210は、特図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
特図保留記憶部161は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が入賞して特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲーム等を実行中であるなどの理由により可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部161は、始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU114により乱数回路113等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するためにセットあるいはクリアされる複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部162は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御フラグ設定部162には、例えば特別図柄プロセスフラグや大当りフラグ、メインバックアップフラグなどが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置4における特図ゲームの進行等を制御するために実行される特別図柄プロセス処理(図26のステップS15、図27)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとする旨の決定がなされたことに対応してオン状態にセットされる一方で、その決定に基づく特図ゲームが終了したことに対応してクリアされてオフ状態となる。メインバックアップフラグは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ100により所定の記憶保護処理が実行されたか否かを示す。例えば、メインバックアップフラグの値として「55H」が設定されているときにはバックアップあり(オン状態)を示す一方、「55H」以外の値が設定されているときにはバックアップなし(オフ状態)を示している。
遊技制御タイマ設定部163には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部163は、各タイマにおけるタイマ値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御タイマ設定部163には、例えば遊技制御プロセスタイマなどが設けられている。遊技制御プロセスタイマは、例えば特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間や、大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。例えば、遊技制御プロセスタイマは、特図ゲームの進行や大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値データを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、遊技制御プロセスタイマには、特別図柄表示装置4による特図ゲームが開始されるときに、可変表示パターンに対応して決定されたタイマ初期値が設定される。
遊技制御カウンタ設定部164には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部164は、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御カウンタ設定部164には、例えばラウンド数カウンタや特図保留記憶数カウンタなどが設けられている。ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数をカウントするためのものである。特図保留記憶数カウンタは、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞に基づく特図保留記憶部161における保留データの数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタは、特図保留記憶数に対応したカウント値データを、特図保留記憶数カウント値として記憶し、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
遊技制御バッファ設定部165には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路117は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(CH0〜CH3)内蔵して構成され、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。例えば、タイマ回路117では、チャネルごとに予め設定したカウント値から所定周期でのカウントダウンを開始し、カウント値が「00」となったチャネルがあるときには、そのチャネルに対応した割込みフラグをオン状態にセットする。このとき、割込み許可状態であれば、タイマ回路117がCPU114に対する割込み要求を発生する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路118は、例えば全二重、非同期、標準NRZ(Non Return to Zero)フォーマットにより、払出制御基板などといった所定のサブ側の制御基板との間で送受信される通信データを取扱う回路である。入出力ポート119は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図5に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板13を介して主基板11から送信された演出制御コマンドを受信して、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、スライド板用モータ50といった、各種の演出用電気部品を用いた演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作、可動演出装置60における手形模型51やスライド板52の移動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123と、モータ駆動回路124とが搭載されている。
図15は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120や表示制御部121などの構成例を示す図である。図15には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及びスライド板用モータ50も示されている。
図15に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU131と、ROM132と、RAM133と、乱数回路134と、入出力ポート135とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、CPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU131がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この実施の形態において、CPU131は、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、表示制御用のコマンドとなる表示制御指令を出力させて伝送させる。また、CPU131は、入出力ポート135から音制御部122に対して、音声データを出力させて伝送させる。さらに、CPU131は、入出力ポート135からランプ制御部123に対して、ランプデータを出力させて伝送させる。また、CPU131は、入出力ポート135からモータ駆動回路124に対して、モータ駆動制御データを出力させて伝送させる。
演出制御基板12では、乱数回路134によって、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数の全部または一部が生成される。例えば、演出制御基板12の側では、確定飾り図柄決定用の乱数値や予告決定用の乱数値などが用いられる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が演出制御基板12の側で用いられてもよい。各乱数値を示す数値データは、乱数回路134にてハードウェアによる更新が可能となるようにカウントされてもよいし、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いてソフトウェアによる更新が可能となるようにカウントされてもよい。
確定飾り図柄決定用の乱数値は、画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部にて確定飾り図柄として導出表示される飾り図柄を決定するために用いられる乱数値である。例えば、確定飾り図柄決定用の乱数値には、大当り図柄・上確定図柄決定用の乱数値や中確定図柄決定用の乱数値、下確定図柄決定用の乱数値などが含まれている。予告決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示中に、可変表示態様がリーチとなることを予告する予告演出や可変表示結果が「大当り」となることを予告する予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様に対応した予告パターンを決定するために用いられる乱数値である。
図15に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM132には、CPU131による制御動作を決定するためのデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや、予告決定テーブル、記憶領域設定テーブル、事前転送設定テーブル、演出制御パターンテーブルなどを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。予告決定テーブルは、予告決定用の乱数値に基づき、予告演出を実行するか否かの決定や、実行する場合における予告演出の態様に対応した予告パターンの決定などを行うために用いられるテーブルである。
記憶領域設定テーブルは、VDP141内の一時記憶メモリ156(図15)における記憶領域を、複数の領域に設定するよう指令するために用いられるテーブルである。記憶領域設定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図16(A)に示すような記憶領域設定テーブル220が用いられる。図16(A)に示す記憶領域設定テーブル220は、後述する一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156B(図20)の先頭アドレスSTADDを示すテーブルデータと、可変アドレスエリア156Bの終了アドレスENADDを示すテーブルデータとを含んで構成されている。記憶領域設定テーブル220から読み出すテーブルデータは、例えばRAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた領域設定カウンタの値である領域設定カウント値によって決定される。
パチンコ遊技機1では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となる可変表示の実行回数に比べて、表示結果が「ハズレ」となる可変表示の実行回数の方が十分に多くなるように、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる確率(大当り確率)が定められている。例えば、大当り確率が1/300である場合には、平均的にみて、表示結果が「ハズレ」となる可変表示が299回実行されるうちに、表示結果が「大当り」となる可変表示が1回実行されるという割合になるように設計されている。したがって、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合に高い確率で実行される予告演出にて出現する演出画像は、低い確率で実行される予告演出にて出現する演出画像に比べて、高い頻度で表示されることになる。
ROM132に記憶された事前転送設定テーブルは、例えば飾り図柄の画像や予告演出にて画像表示装置5に表示させる画像といった、各種の演出画像を示す画像データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データを、その演出画像が画像表示装置5の表示画面上に表示されることに先立ち、事前に表示制御部121が備える画像データメモリ142(図15)からVDP141内の一時記憶メモリ156(図15)へと転送するよう指令するために用いられるテーブルである。ここで、演出画像は、画像表示装置5の表示画面にて表示可能な所定部位(表示画面の全体または一部)の画像のことであり、また、画像データは、画像表示装置5の表示画面において所定部位(表示画面の全体または一部)の画像を表示するために用意されたデータのことである。
事前転送設定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図17(A)に示すような事前転送設定テーブル230が用いられる。図17(A)に示す事前転送設定テーブル230は、3N+1個(Nは任意の自然数)のテーブルデータから構成されている。事前転送設定テーブル230から読み出すテーブルデータは、例えばRAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた事前転送カウンタの値である事前転送カウント値によって決定される。
事前転送設定テーブル230には、事前に画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へと転送すべき画像データを特定するためのテーブルデータとして、処理数、読出アドレス#1〜#N、書込アドレス#1〜#N、転送データ量#1〜#Nなどを示すデータが格納されている。ここで、画像表示装置5の表示画面上に表示する各演出画像を示す画像データの使用頻度は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかといった遊技状態の種類に対応する表示設定や、複数種類の演出モードのそれぞれに対応する表示設定などによって、差異が生じる。
例えば、通常遊技状態に対応した表示設定では、確変遊技状態のときに比べて飾り図柄を小さく表示するために、飾り図柄を表示するための画像データとして、VGAモード(640×480ピクセル)の画素数に対応して構成された画像データが使用されるようにしてもよい。これに対して、確変遊技状態に対応した表示設定では、通常遊技状態のときに比べて飾り図柄を大きく表示するために、飾り図柄を表示するための画像データとして、SVGAモード(800×600ピクセル)の画素数に対応して構成された画像データが使用されるようにしてもよい。ここで、SVGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する際には、画像表示装置5に表示する演出画像の拡大率が、VGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する際に比べて小さい拡大率となるように設定される。したがって、SVGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用すれば、VGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する場合に比べて、きめの細かい演出画像を表示することができ、大きな演出画像を表示する場合でも画質の粗さが目立たないようにすることができる。このような設定において、パチンコ遊技機1が通常遊技状態であるにもかかわらず、SVGAモードに対応した飾り図柄を示す画像データを一時記憶メモリ156に記憶させても、この画像データを使用する機会がなく、一時記憶メモリ156に記憶させた画像データの使用効率が低下する。
そこで、この実施の形態では、図17(B)に示すように、初期設定用と表示設定変更用のそれぞれに対応した事前転送設定テーブル230A、230Bを予め用意して、表示設定に対応して表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データが事前に画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へと転送されるようにする。また、こうして事前に画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へと転送される画像データ量は、各表示設定に対応して表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像の種類に応じて、異なるものになる。こうした状況の下で一時記憶メモリ156における記憶領域の使用効率を向上させるために、図16(B)に示すように、初期設定用と表示設定変更用のそれぞれに対応した記憶領域設定テーブル220A、220Bを予め用意して、表示設定に対応して一時記憶メモリ156に転送される画像データ量に合わせて、一時記憶メモリ156における複数の記憶領域の設定も変更できるようにする。
演出制御パターンテーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図18(A)に示すような演出制御パターンテーブル240が用いられる。この演出制御パターンテーブル240には、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンに対応して選択可能となる複数種類の演出制御パターンが格納されている。図18(B)は、図18(A)に示す通常A−01及び通常A−02や通常B−01〜通常B−04といった通常演出制御パターン、ノーマルN−01、ノーマルN−02、…といったノーマル演出制御パターン、スーパーD−01、スーパーD−02、…といったスーパーD演出制御パターンの構成例を示している。図18(C)は、図18(A)に示すスーパーA−01、スーパーA−02、…といったスーパーA演出制御パターンの構成例を示している。図18(D)は、図18(A)に示すスーパーB−01、スーパーB−02、…といったスーパーB演出制御パターンの構成例を示している。図18(E)は、図18(A)に示すスーパーC−01、スーパーC−02、…といったスーパーC演出制御パターンの構成例を示している。
図18(B)〜(E)に示す各演出制御パターンは、演出制御プロセスタイマ初期値を示すデータや、画像要素表示制御パターン、音声制御パターン、ランプ制御パターンを構成するデータを含んでいる。また、図18(C)と図18(D)に示す演出制御パターンは、モータ制御パターンを構成するデータも含んでいる。図18(C)と図18(E)に示す演出制御パターンは、動画像表示制御パターンを構成するデータも含んでいる。演出制御プロセスタイマ初期値は、各演出制御パターンに対応した演出動作の開始に対応して、例えばRAM133の演出制御タイマ設定部に設けた演出制御プロセスタイマに設定されるタイマ初期値である。
画像要素表示制御パターンは、スプライト画像データを用いて生成した演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させるための制御パターンであり、例えば図19(A)に示すように、画像要素表示用タイマ判定値TA−01、TA−02、…、画像要素表示制御データDA−01、DA−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマの値である演出制御プロセスタイマ値が画像要素表示用タイマ判定値TA−01、TA−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられた画像要素表示制御データDA−01、DA−02、…のいずれかが読み出され、例えば表示制御部121のVDP141に対して表示制御指令を送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
音声制御パターンは、スピーカ8L、8Rから演出用音声を出力させるための制御パターンであり、例えば図19(B)に示すように、音声制御用タイマ判定値TB−01、TB−02、…、音声制御データDB−01、DB−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマ値が音声制御用タイマ判定値TB−01、TB−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられた音声制御データDB−01、DB−02、…のいずれかが読み出され、例えば音制御部122に対して音声データを送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
ランプ制御パターンは、遊技効果ランプ9を点灯、消灯、点滅などさせるための制御パターンであり、例えば、図19(C)に示すように、ランプ制御用タイマ判定値TC−01、TC−02、…、ランプ制御データDC−01、DC−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマ値がランプ制御用タイマ判定値TC−01、TC−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられたランプ制御データDC−01、DC−02、…のいずれかが読み出され、例えばランプ制御部123に対してランプデータを送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
動画像表示制御パターンは、動画像データを用いて生成した動画像を画像表示装置5の表示画面に再生表示させるための制御パターンであり、例えば図19(D)に示すように、動画像表示用タイマ判定値TD−01、TD−02、…、動画像表示制御データDD−01、DD−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマ値が動画像表示用タイマ判定値TD−01、TD−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられた動画像表示制御データDD−01、DD−02、…のいずれかが読み出され、例えば表示制御部121のVDP141に対して表示制御指令を送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
モータ制御パターンは、スライド板用モータ50を駆動して可動演出装置60に設けられた手形模型51やスライド板52を移動させるための制御パターンであり、例えば図19(E)に示すように、モータ制御用タイマ判定値TE−01、TE−02、…、モータ制御データDE−01、DE−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマ値がモータ制御用タイマ判定値TE−01、TE−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられたモータ制御データDE−01、DE−02、…のいずれかが読み出され、例えばモータ駆動回路124に対して駆動制御データを送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
図15に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM133には、演出制御フラグ設定部、演出制御タイマ設定部、演出制御カウンタ設定部、演出制御バッファ設定部などとして、各種のデータを保持する領域が設けられていればよい。
演出制御フラグ設定部は、例えば画像表示装置5の表示状態などといった演出動作状態、あるいは主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。演出制御タイマ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。演出制御カウンタ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM133とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。演出制御バッファ設定部は、演出制御基板12にて受信した演出制御コマンドに含まれるデータや、CPU131での処理過程で生成されたデータといった、演出制御に用いられる各種のデータを一時的に記憶可能な複数種類のバッファを提供する。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、音制御部122へと伝送される音声データ、ランプ制御部123へと伝送されるランプデータ、モータ駆動回路124へと伝送される駆動制御データなどが出力される。また、入出力ポート135の入力ポートには、VDP141からのイベント割込み信号などが入力される。
図15に示す表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)141と、画像データメモリ142とが含まれている。VDP141は、例えば画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。画像データメモリ142は、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリや磁気メモリ、光学メモリといった不揮発性の記録媒体を用いて構成され、画像表示装置5に演出画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する。例えば、画像データメモリ142が記憶する画像データには、画像表示装置5において可変表示される複数種類の飾り図柄などといった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像データが含まれている。
VDP141は、図15に示すように、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、画像データメモリインタフェース153と、動画像用デコーダ154と、描画回路155と、一時記憶メモリ156と、フレームバッファメモリ157と、表示回路158とを備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやり取りするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156に転送する動作といった、VDP141と外部回路との間などでのデータ転送動作を制御する。例えば、転送制御回路152は、DMA(Direct Memory Access)転送を用いて、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へのデータ転送を行うためのDMA装置を備えていればよい。
画像データメモリインタフェース153は、画像データメモリ142に記憶された画像データを読み出すためのアドレスバス接続端子やデータバス接続端子、チップ選択信号出力端子などを含んで構成されている。動画像用デコーダ154は、例えば動き補償予測符号化によりデータ圧縮された状態で画像データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出し、所定の伸張処理を実行することなどにより、動画像データのデコードを行う。ここで、動画像用デコーダ154は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、動画像データを1フレームずつデコードすることができる。
描画回路155は、一時記憶メモリ156に記憶された画像データに基づき画像表示装置5に演出画像を表示させるために、表示用データの作成などが行われる描画処理を実行する。例えば、描画回路155は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、一時記憶メモリ156の読出アドレスから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157の書込アドレスに書き込んで記憶させることにより、画像表示装置5の表示画面上における所定座標に所定の演出画像を表示させるための表示用データを作成する。
一時記憶メモリ156は、例えばVRAM(Video RAM)などを用いて構成され、画像データメモリ142から読み出された画像データを一時記憶する。図20は、一時記憶メモリ156におけるアドレスマップの一例を示す図である。図20に示すように、一時記憶メモリ156には、固定アドレスエリア156Aと、可変アドレスエリア156Bとを設けることができる。
固定アドレスエリア156Aは、画像表示装置5の表示画面上に表示される飾り図柄やキャラクタ画像、背景画像などといった、複数種類の演出画像のうちで、表示頻度が高くなるように設定された演出画像に対応する画像データとして、事前転送設定テーブル230に登録された画像データを一時記憶する領域である。例えば、表示設定が初期設定であるときに可変表示される飾り図柄に対応するVGAモードの画像データは、この表示設定にて毎回の可変表示が実行される期間において、少なくとも1回は画像表示装置5の表示画面上で可変表示を行うのために使用される。これに対して、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となることを予告する予告演出にて表示されるキャラクタC01、C02などに対応する画像データは、可変表示の開始時に、例えば透光予告A−1〜A−4といった、所定の予告パターンでの予告演出を実行する旨の決定がなされたときに限り、その可変表示が実行されている所定期間内にて画像表示装置5の表示画面に表示するために使用される。すなわち、飾り図柄を示す演出画像は、予告演出用の演出画像に比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されている。また、例えば予告演出用の演出画像のなかでも、可変表示結果が「ハズレ」となる可能性が高い予告演出で用いられる演出画像の方が、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高い予告演出で用いられる演出画像に比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されることになる。
可変アドレスエリア156Bは、固定アドレスエリア156Aに画像データが記憶される演出画像に比べて画像表示装置5における表示頻度が低い演出画像に対応する画像データとして、事前転送設定テーブル230には登録されていない画像データを一時記憶する領域である。また、可変アドレスエリア156Bは、例えば動画像用デコーダ154によってデコードされた動画像データといった、固定アドレスエリア156Aには記憶されない各種のデータを一時記憶することができる。可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDと終了アドレスENADDは、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令によってVDP141に通知されて設定される。
図15に示すVDP141が備えるフレームバッファメモリ157は、例えば一時記憶メモリ156とは物理的に分離された別個のVRAMなどを用いて構成され、描画回路155による描画処理などにより作成される演出画像の表示用データが展開記憶される。フレームバッファメモリ157に展開記憶される表示用データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)等に基づいて描画回路155が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。例えば、フレームバッファメモリ157には、画像表示装置5の表示画面に演出画像を表示させるための表示用データが、描画回路155によって書き込まれて記憶される。そして、フレームバッファメモリ157に記憶された表示用データは、表示回路158によって読み出される。フレームバッファメモリ157には、画像表示装置5の表示画面に表示される演出画像の表示用データを記憶する実表示領域と、画像表示装置5の表示画面には表示されない演出画像の表示用データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。この場合、実表示領域に記憶された表示用データは表示回路158によって読み出される一方で、仮想表示領域に記憶された表示用データは表示回路158によって読み出されないようにすればよい。
表示回路158は、フレームバッファメモリ157から表示用データを読み出し、画像表示装置5の表示画面を構成する各画素の階調データを生成するとともに、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させる回路である。表示回路158は、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データの画素数を変換して、画像表示装置5の表示画面を構成する各画素の階調データを生成するスケーラ回路を有している。このスケーラ回路には、フレームバッファメモリ157から読み出された表示用データが入力され、垂直方向及び水平方向のいずれか一方あるいは双方について、所定の拡大率で拡大(または縮小)することで、ピクセルデータの画素数を変換する。例えば、スケーラ回路は、拡大後の画素値を拡大前における4点の画素値から線形補間により求めるバイリニアフィルタリングを用いて、ピクセルデータの画素数を変換することができる。スケーラ回路における垂直方向と水平方向の拡大率は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令により、個別に設定することができる。
また、VDP141には、画像データメモリ142から読み出されて一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aあるいは可変アドレスエリア156Bに一時記憶された画像データを特定可能に管理するテーブルとして、例えば図21に示すようなインデックステーブル250が設けられている。図21に示すインデックステーブル250は、例えば「開始アドレス」、「水平サイズ」、「読出完了フラグ」などを示すデータが、「インデックス番号」を示すデータと対応付けられたテーブルデータにより構成されている。ここで、「開始アドレス」は、画像データメモリ142に記憶されている画像データの先頭アドレスを示す。また、「水平サイズ」は、画像データが示す演出画像の水平方向における大きさを示す。「読出完了フラグ」は、画像データメモリ142から読み出された画像データの一時記憶メモリ156に対する転送が完了した場合に「オン」を示し、転送が完了していない場合や可変アドレスエリア156Bから読み出されてフレームバッファメモリ157への書き込みが完了した場合には「オフ」を示す。
図22は、演出制御用マイクロコンピュータ120にてCPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信する複数種類の表示制御指令の具体例を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、記憶領域設定指令、事前転送指令、自動転送指令、固定アドレス指定転送指令、マルチビュー設定指令、マルチビュー終了指令、動画像表示設定指令、動画像デコード指令、拡大表示設定指令などといった表示制御指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと送信される。なお、これらの表示制御指令は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドと同様に、指令の分類を示すデータと、指令の種類を示すデータとから構成されるものでもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131によって、入出力ポート135を介してVDP141が備える各種のレジスタに、各表示制御指令に対応した制御データが書き込まれるようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135と、VDP141のホストインタフェース151との間には、所定のバス幅を有するアドレスバスとデータバスが接続されている。そして、VDP141が備える各種のレジスタにはアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、入出力ポート135からアドレスバスに出力したアドレス信号によりVDP141のレジスタを指定してアクセスすることができればよい。
記憶領域設定指令は、一時記憶メモリ156における記憶領域の設定を示す。例えば、記憶領域設定指令は、可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADD、可変アドレスエリア156Bの最終アドレスENADDなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
事前転送指令は、画像データメモリ142に記憶されている画像データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データについて、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送して展開記憶させることを示す。例えば、事前転送指令は、画像データメモリ142における画像データの読出位置や、固定アドレスエリア156Aにて展開記憶させた後の画像サイズなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、画像データメモリ142における画像データの読出位置は、画像データメモリ142における読出アドレスであってもよいし、読出対象となる画像データに対応する演出画像に付された特定情報(例えば画像データに対応するキャラクタ画像のキャラクタ番号)などといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
自動転送指令は、画像データメモリ142に記憶されている画像データのうちで、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと転送されていない画像データについて、VDP141における自動的な転送設定に基づき、フレームバッファメモリ157に書き込ませて、当該画像データが示す演出画像を画像表示装置5の表示画面上に表示することを示す。例えば、自動転送指令は、画像データメモリ142における画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、画像データメモリ142から読み出して転送される画像データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置は、フレームバッファメモリ157における1次元の書込アドレスであってもよいし、例えば画像表示装置5の表示画面上における演出画像の配置(例えば演出画像における左上部の表示座標)に対応した2次元アドレスなどといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
固定アドレス指定転送指令は、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと事前に転送された画像データについて、フレームバッファメモリ157に書き込ませて、当該画像データに対応した演出画像を画像表示装置5の表示画面上に表示できるようにする。例えば、固定アドレス指定転送指令は、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、固定アドレスエリア156Aから読み出して転送される画像データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置は、一時記憶メモリ156における読出アドレスであってもよいし、例えば図21に示すインデックステーブル250にて画像データと対応付けられるインデックス番号などといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
マルチビュー設定指令は、画像表示装置5の表示画面において複数の動画像を再生表示するための表示領域の設定を示す。例えば、マルチビュー設定指令は、動画像の再生表示を行う際にフレームバッファメモリ157に記憶されるVGAモードのサイズを有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。また、マルチビュー設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、動画像の再生表示に対応する第2のバス幅として予め定められた32ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、マルチビュー設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図23)のうち読出対象となるチップを動画像用のメモリチップ142−3とするために、チップセレクトの設定をCS#1とすることを示すデータを含んでいる。
マルチビュー終了指令は、複数の動画像を再生表示する設定の終了を示す。例えば、マルチビュー終了指令は、スプライト画像の表示を行う際にフレームバッファメモリ157に記憶される表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率を、表示設定に対応したものとするデータを含んでいる。また、マルチビュー終了指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、スプライト画像の表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、マルチビュー終了指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図23)のうち読出対象となるチップをスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2とするために、チップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
動画像表示設定指令は、画像表示装置5の表示画面に設けられた複数の表示領域のそれぞれにて再生表示される個別の動画像に関する設定を示す。例えば、動画像表示設定指令は、インデックステーブル250にて個別の動画像に対して付与されるインデックス番号や画像サイズ(水平サイズなど)といった、個別の動画像に対応したインデックステーブル250の設定を示すデータを含んでいる。また、動画像表示設定指令は、画像データメモリ142における動画像データの読出位置、一時記憶メモリ156における動画像データの書込位置などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
動画像デコード指令は、動画像用デコーダ154により1フレーム分の動画像データをデコードすることを示す。例えば、動画像デコード指令は、インデックステーブル250にて個別の動画像に対して付与されたインデックス番号などといった、デコードの対象となる動画像の識別情報を示すデータを含んでいる。また、動画像デコード指令は、デコードの実行を指示するためのデータを含んでいる。
拡大表示設定指令は、画像表示装置5の表示画面上において所定の演出画像を拡大して表示するための設定を示す。例えば、拡大表示設定指令は、演出画像の拡大表示を行う際にフレームバッファメモリ157に記憶されるSVGAモードのサイズを有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。また、拡大表示設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、拡大表示設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図23)のうち読出対象となるチップをスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2とするために、チップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
図15に示す表示制御部121が備える画像データメモリ142は、例えば図23に示すような複数(図23に示す例では3個)のメモリチップ142−1〜142−3を含んで構成される。図23に示す例では、メモリチップ142−1とメモリチップ142−2に、スプライト画像を表示するために用いられるスプライト画像データが記憶されている。メモリチップ142−1とメモリチップ142−2に記憶されたスプライト画像データは、第1のバス幅として予め定められた64ビットを単位として読み出される。メモリチップ142−1とメモリチップ142−2の記憶データは、VDP141から出力されるチップセレクト信号CS#0がオン状態であるときに読出可能となる。チップセレクト信号CS#0は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される表示制御指令によりチップセレクトの設定をCS#0としたことに対応して、オン状態となる。そして、チップセレクト信号CS#0がオン状態であるときには、メモリチップ142−1からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#0〜#31を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送され、メモリチップ142−2からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#32〜#63を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送される。
図23に示すメモリチップ142−3には、動画像を再生表示するために用いられる動画像データが記憶されている。メモリチップ142−3に記憶された動画像データは、第2のバス幅として予め定められた32ビットを単位として読み出される。メモリチップ142−3の記憶データは、VDP141から出力されるチップセレクト信号CS#1がオン状態であるときに読出可能となる。チップセレクト信号CS#1は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される表示制御指令によりチップセレクトの設定をCS#1としたことに対応して、オン状態となる。そして、チップセレクト信号CS#1がオン状態であるときには、メモリチップ142−3からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#0〜#31を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送される。このときには、データバス#32〜#63は使用されない。
図24は、画像データメモリ142におけるアドレスマップの一例を示す説明図である。図24に示すように、画像データメモリ142には、スプライト画像データエリア142Aと、動画像データエリア142Bとが設けられている。
スプライト画像データエリア142Aは、画像表示装置5の表示画面上にスプライト画像(静止画像)を表示するために使用されるスプライト画像データを記憶する。この実施の形態では、画像データメモリ142におけるアドレスSPSTAからアドレスSPENDまでの領域が、スプライト画像データエリア142Aに設定され、図23に示すスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2を割り当てている。例えば、スプライト画像データエリア142Aでは、64ビット単位でアドレスが付与されており、上位32ビットのデータがメモリチップ142−1に記憶される一方で、下位32ビットのデータがメモリチップ142−2に記憶される。スプライト画像データエリア142Aには、例えば図25(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードの画素数に比べて少ない画素数に対応した画像データとして、SVGA用のスプライト画像データSP01−01〜SP01−XXや、VGA用のスプライト画像データSP02−01〜SP02−XXが記憶されている。
動画像データエリア142Bは、画像表示装置5の表示画面上にて動画像の再生表示を行うために使用される動画像データを記憶する。この実施の形態では、画像データメモリ142におけるアドレスMBSTAからアドレスMBENDまでの領域が、動画像データエリア142Bに設定され、図23に示す動画像用のメモリチップ142−3を割り当てている。例えば、動画像データエリア142Bでは、32ビット単位でアドレスが付与されており、全てのデータがメモリチップ142−3に記憶される。動画像データエリア142Bには、例えば図25(B)に示すように、画像表示装置5の表示画面上にて動画像の再生表示用に設定される表示領域の個数や、動画像の種類などに対応して予め用意された複数種類の動画像データMB01−01〜MB01−XXが記憶されている。
図5に示す演出制御基板12に搭載された音制御部122は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けた音声データにデジタル/アナログ変換を施すなどして音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる回路である。演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けたランプデータに応じたランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯/消灯切換を行う回路である。演出制御基板12に搭載されたモータ駆動回路124は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けた駆動制御データに応じた励磁信号を生成し、スライド板用モータ50に供給することによって手形模型51やスライド板52をスライドさせるための回路である。なお、音制御部122やランプ制御部123、モータ駆動回路124は、演出制御基板12の外部に設置された回路であってもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU114によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。この遊技制御メイン処理を開始すると、例えばCPU114が割込み禁止に設定した後に割込みモードの設定を行い、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより割込みアドレスが生成されるマスク可能割込みの割込みモードが設定される。この設定により、マスク可能な割込みが発生したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100が自動的に割込み禁止状態になるとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされることになればよい。
続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定などといったスタックポインタに関わる設定や、遊技制御用マイクロコンピュータ100における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)が行われる。その後、例えば電源基板などから伝送される電源断信号がオフ状態となっていることなどに対応して、RAM116をアクセス可能に設定する。また、CPU114は、RAM116の記憶内容を初期化するためのクリア信号がオンとなっているか否かを判定する。このクリア信号は、例えば電源基板を介して所定のクリアスイッチから主基板11へと伝送される信号であればよい。また、クリア信号がオンであるか否かをチェックした後には、遊技の進行を制御する遊技制御処理の開始タイミングを、ソフトウェアの実行により所定時間が経過するまで遅延させるようにしてもよい。加えて、CPU114は、クリア信号の状態を1回だけ確認するようにしてもよいが、クリア信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリア信号の状態をもう1回確認する。このとき、クリア信号がオフ状態であれば、クリア信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリア信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリア信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリア信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
こうした確認の結果として、クリア信号がオフであるときには、RAM116のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する。例えばRAM116の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムと遊技制御バッファ設定部165に設けられたメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、メインチェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。このメインチェックサムバッファは、バックアップ電源によってバックアップされるRAM116のバックアップ領域に含まれており、電力供給が停止した場合でも、所定期間はメインチェックサムバッファの内容が保存されることになる。算出されたチェックサムとメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとの比較結果が不一致であれば、RAM116の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
データチェックの結果が正常であるときには、遊技制御フラグ設定部162に設けられたメインバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する。メインバックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、遊技制御フラグ設定部162に設定される。そして、このメインバックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、メインバックアップフラグの状態は保存されることになる。例えばメインバックアップフラグの値として「55H」が遊技制御フラグ設定部162に設定されていれば、バックアップあり(オン状態)であると判断される。これに対して、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)であると判断される。なお、メインバックアップフラグがオンとなっているか否かの判定を、データチェック結果の判定よりも先に行い、メインバックアップフラグがオンであるときにRAM116のデータチェック結果が正常であるか否かを判定するようにしてもよい。
メインバックアップフラグがオンであるときには、メインバックアップフラグをクリアしてオフ状態とした後、CPU114が、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行う。具体的な一例として、ROM115に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次に、RAM116内の作業領域に設定する。ここで、RAM116の作業領域はバックアップ電源によってバックアップされており、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていてもよい。このときには、例えば遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、演出制御基板12に対して確変遊技状態であることを通知する演出制御コマンド(一例として、確変開始コマンドと同一のコマンド)を送信するなどして、電力供給の停止時に確変遊技状態であったことを、主基板11の側から演出制御基板12の側に対して通知するようにしてもよい。
また、クリア信号がオンであるときや、データチェックの結果が正常ではないとき、あるいはメインバックアップフラグがオフであるときには、RAM116の初期化を行う。このときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定も行う。
復旧時における設定と初期化時における設定のうちいずれか一方の設定を行った後には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路117のレジスタ設定などを行うことにより、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにタイマ割込みが発生するように遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部設定を行う。この後、CPU114がROM115から読み出した所定の乱数初期設定データ(KRSS)に基づいて、乱数回路113などによる乱数生成動作の初期設定を行うための乱数初期設定処理を実行する。その後、シリアル通信回路118によるシリアル通信動作の初期設定を行うシリアル通信初期設定処理や、割込み要求に基づいて実行される各種の割込み処理の優先順位などを設定するための割込み初期設定処理などが実行されればよい。そして、CPU114は割込み許可状態に設定して、各種割込みの発生を待機する。
割込み許可状態に設定した後に割込みが発生しない場合や、割込み要因に対応する割込み処理が実行された後には、電源断信号がオン状態となったか否か(出力されたか否か)の判定を行い、オフであれば、そのまま各種割込みの発生を待機する。また、電源断信号がオン状態となったときには、メイン側電源断処理を実行した後、所定のループ処理を実行して、電力供給の停止による遊技制御用マイクロコンピュータ100の動作停止まで待機する。
図26は、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて遊技の進行を制御するためのタイマ割込みが発生するごとにCPU114によって実行される遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU114は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介して各スイッチ21〜23などから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR3の一部をソフトウェアにより更新するためのメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU114は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU114は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示装置20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU114は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信させる(ステップS17)。こうしてコマンド制御処理を実行した後に、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理として、図26に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU114は、まず、例えば始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が始動入賞口に入賞して始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS102)。始動入賞処理を実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である特図保留記憶数カウント値に対応する保留記憶数通知コマンドテーブルの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM116に設けられた送信コマンドポインタにセットすることなどにより、保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS103)。こうしたステップS103での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図26に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドが送信されることになる。ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS101;No)、ステップS102、S103の処理をスキップする。
ステップS102にて実行される始動入賞処理では、まず、特図保留記憶部161に記憶されている特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えば乱数回路113の乱数値レジスタにおける格納値などを、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データとして読み出す。例えばCPU114は、乱数回路113に伝送される出力制御信号をオン状態に設定した後、乱数回路113から伝送される乱数値出力信号を取り込むことにより、乱数回路113が備える乱数値レジスタから読み出された数値データを乱数値MR1として取得すればよい。こうして特図表示結果判定用の乱数値MR1を読み出したことに続いて、その乱数値MR1を、特図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、特図保留記憶部161における特図保留記憶数を1加算して更新する。
ステップS103の処理を実行した後や、ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、CPU114が図27に示すようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、特図保留記憶部161に格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどに基づき、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS111の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示パターン設定処理は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定する処理や、可変表示パターンに対応した可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。
ステップS112の特別図柄可変表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理では、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行って特別図柄を変動させるための制御が行われる。また、特別図柄可変表示処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示の残り時間を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた特別図柄プロセスタイマにおけるタイマ値である特別図柄プロセスタイマ値によって計測する処理、特図ゲームにおける可変表示時間が経過したことに対応して確定特別図柄を停止表示させる処理などを含んでいる。ステップS113の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームが終了したことに対応して、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理は、大当り遊技状態におけるラウンドとして特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態にする場合に、大入賞口を開放状態とする開放時間の設定を行う処理や、大入賞口を開放状態とするより前に所定の待ち時間が経過するまで待機する処理、その待ち時間が経過した後に大入賞口を開放状態とするための駆動信号をソレノイド回路102によってソレノイド82に対して供給させるための処理などを含んでいる。ステップS115の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、大当り遊技状態にて実行されるラウンドごとに大入賞口を開放状態とする残り時間を、特別図柄プロセスタイマ値によって計測する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態とするためにソレノイド回路102からソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などを含んでいる。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理は、大入賞口を開放状態とすることによるラウンドの実行回数が所定の開放回数最大値(例えば「15」)に達したか否かを判定する処理や、開放回数最大値に達した場合に大当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理は、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により大当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などを含んでいる。
図28は、図27のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す特別図柄通常処理において、CPU114は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部164に保持された特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップ201)。このとき、特図保留記憶数が「0」であれば(ステップS201;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS201;No)、特図保留記憶部161から保留番号「1」に対応して記憶されている特図表示結果判定用の乱数値MR1を示すデータを読み出す(ステップS202)。このとき読み出されたデータは、例えば遊技制御バッファ設定部165に設けられた表示結果判定用バッファなどにセットされればよい。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、特図保留記憶数を更新する(ステップS203)。さらに、ステップS203の処理では、特図保留記憶部161において保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1を示すデータを、1エントリずつ上位にシフトする。
ステップS203の処理に続いて、例えば表示結果判定用バッファから読み出した乱数値MR1を示すデータが所定の大当り判定値データと合致するか否かを判定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定を行う(ステップS204)。ここで、大当り判定値データは、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態や時間短縮状態であるか確変遊技状態であるかなどに対応して、乱数値MR1のうち予め定められた範囲の値を示すデータであればよい。パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態や時間短縮状態であるか確変遊技状態であるかは、例えば遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変フラグなどにより示されるようにすればよい。具体的な一例として、確変フラグがオフである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態や時間短縮状態であることに対応して、乱数値MR1のうち「2001」〜「2218」の範囲の値が、大当り判定値データと合致すればよい。他方、確変フラグがオンである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態であることに対応して、乱数値MR1のうち「2001」〜「3308」の範囲の値が、大当り判定値データと合致すればよい。なお、大当り判定値データは、ROM115に予め記憶された大当り判定テーブルのテーブルデータによって定められてもよい。
ステップS204にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致した場合には(ステップS204;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS205)。続いて、大当り図柄「33」及び「77」のいずれかを確定特別図柄に決定する(ステップS206)。このときには、例えば乱数値MR1あるいは乱数値MR1とは異なる確変判定用の乱数値に基づき、可変表示結果を「通常大当り」とするか「確変大当り」とするかの判定が行われてもよい。この場合、可変表示結果を「通常大当り」とする決定に対応して、確変フラグをクリアしてオフ状態とし、通常大当り図柄「33」を確定特別図柄に決定すればよい。他方、可変表示結果を「確変大当り」とする決定に対応して、確変フラグをオン状態にセットし、確変大当り図柄「77」を確定特別図柄に決定すればよい。なお、可変表示結果を「確変大当り」とする決定がなされた場合には、確変フラグとは異なる確変確定フラグをオン状態にセットしてもよい。
ステップS204にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS204;No)、ハズレ図柄「−−」を確定特別図柄に決定する(ステップS207)。ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である“1”に設定してから(ステップS208)、特別図柄通常処理を終了する。
図29は、図27のステップS111にて実行される可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す可変表示パターン設定処理において、CPU114は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS221;Yes)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図9(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aを設定する(ステップS222)。具体的な一例として、CPU114は、ステップS222の処理において、ROM115に記憶された大当りパターン決定テーブル200Aの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM116に設けられたテーブルポインタにセットする。
ステップS221にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS221;No)、例えば乱数回路113といったハードウェアにより、あるいはCPU114が実行するソフトウェアにより更新される、リーチ判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS223)。そして、ステップS223にて抽出した乱数値MR3が所定のリーチ判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS224)。ここで、リーチ判定値データは、ROM115などに予め記憶されたリーチ判定テーブルを構成するテーブルデータによって定められればよい。具体的な一例として、乱数値MR3のうち「210」〜「239」の範囲の値が、リーチ判定値データと合致する。
ステップS224にて乱数値MR3がリーチ判定値データと合致した場合には(ステップS224;Yes)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図9(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bを設定する(ステップS225)。具体的な一例として、CPU114は、ステップS225の処理において、ROM115に記憶されたリーチハズレパターン決定テーブル200Bの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットする。
ステップS224にて乱数値MR3がリーチ判定値データと合致しない場合には(ステップS224;No)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図9(C)に示す通常ハズレパターン決定テーブル200Cを設定する(ステップS226)。具体的な一例として、CPU114は、ステップS226の処理において、ROM115に記憶された通常ハズレパターン決定テーブル200Cの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットする。
ステップS222、S225、S226の処理のいずれかを実行した後には、例えば乱数回路113といったハードウェアにより、あるいはCPU114が実行するソフトウェアにより更新される、可変表示パターン決定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する(ステップS227)。そして、ステップS227にて抽出した乱数値MR2に基づき、ステップS222、S225、S226の処理のいずれかにて設定したパターン決定テーブル200A〜200Cのいずれかを参照することにより、乱数値MR2に対応した可変表示パターンを決定する(ステップS228)。
こうして可変表示パターンを決定した後には、その可変表示パターン等に対応する可変表示時間を決定する(ステップS229)。このときには、可変表示パターンのみならず、例えば特図保留記憶数カウント値を読み出すことにより特定される特図保留記憶数や、確定特別図柄(例えば通常大当り図柄「33」であるか確変大当り図柄「77」であるか)などにも対応して、可変表示時間を決定するようにしてもよい。また、ステップS229の処理では、決定された可変表示時間に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定してもよい。
その後、演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS230)。具体的な一例として、CPU114は、ステップS230の処理において、ROM115に記憶された複数種類の可変表示開始コマンドテーブルのうち、確定特別図柄や可変表示パターン、可変表示時間などに対応したコマンドテーブルの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。ここで、ステップS230の処理では、確定特別図柄が通常大当り図柄「33」であるか確変大当り図柄「77」であるかに応じて可変表示開始コマンドのEXTデータなどが異なるものとなるように、コマンドテーブルの選択を行うようにすればよい。あるいは、ステップS222の処理において、確定特別図柄が通常大当り図柄「33」であるか確変大当り図柄「77」であるかに応じて異なる可変表示パターンを選択できるようにして、ステップS230の処理では、ステップS222にて選択された可変表示パターンに対応したコマンドテーブルを設定するようにしてもよい。すなわち、ステップS230の処理では、特別図柄の可変表示結果が通常大当りであるか確変大当りであるかに応じて異なる可変表示開始コマンドを送信するための設定を行うようにする。こうしたステップS230での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図26に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信されることになる。このときには、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定も行われる(ステップS231)。例えば、ステップS230にて設定された可変表示開始コマンドテーブルには、可変表示開始コマンドを演出制御基板12に対して送信するための制御データの他に、保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための制御データも含まれていればよい。そして、特別図柄プロセス処理が終了してから図26に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して、可変表示開始コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されればよい。
ステップS231の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS232)、可変表示パターン設定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図30のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図30に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS51)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、さらには演出制御基板12に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。続いて、CPU131は、記憶領域設定指令処理を実行することにより、VDP141が備える一時記憶メモリ156における記憶領域を、図20に示すような固定アドレスエリア156Aと可変アドレスエリア156Bとに設定するための指令を行う(ステップS52)。
図31は、図30のステップS52などにて実行される記憶領域設定指令処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定指令処理において、CPU131は、まず、パチンコ遊技機1における表示設定に応じて、図16(B)に示す記憶領域設定テーブル220A、220Bのいずれかをセットする(ステップS131)。例えば、図30に示すステップS51にて初期化処理が実行された後にステップS52にて記憶領域設定指令処理が実行されるときには、初期設定用の記憶領域設定テーブル220Aがセットされる。このとき、CPU131は、ROM132に記憶された記憶領域設定テーブル220Aの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM133に設けられた記憶領域設定ポインタにセットすればよい。
ステップS131の処理を実行した後には、例えばRAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた領域設定カウンタをクリアして、そのカウント値である領域設定カウント値を「0」に初期化する(ステップS132)。そして、記憶領域設定テーブル220(記憶領域設定テーブル220A、220Bのうち記憶領域設定ポインタに先頭アドレスがセットされたもの。以下同様。)から、領域設定カウント値が「0」であることに対応したテーブルデータを読み出すことにより、図20に示すような可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDの設定を特定する(ステップS133)。また、CPU131は、領域設定カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS134)、更新後のカウント値に対応した記憶領域設定テーブル220のテーブルデータを読み出すことにより、可変アドレスエリア156Bの終了アドレスENADDの設定を特定する(ステップS135)。
こうして特定された可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADD及び終了アドレスENADDの設定に基づき、CPU131は記憶領域設定指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS136)。例えば、CPU131は、ステップS136の処理において、入出力ポート135に含まれる出力ポートのうち表示制御部121のVDP141に対する表示制御指令送信用の出力ポートに、記憶領域設定指令に対応した制御データをセットする。演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135から送信された記憶領域設定指令は、VDP141のホストインタフェース151にて取り込まれる。
以上のような記憶領域設定指令処理を実行した後には、事前転送指令処理を実行することにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aとなる記憶領域に、画像表示装置5における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像に対応した画像データを一時記憶させるための指令を行う(図30のステップS53)。
図32は、図30のステップS53などにて実行される事前転送指令処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送指令処理において、CPU131は、まず、パチンコ遊技機1における表示設定に応じて、図17(B)に示す事前転送設定テーブル230A、230Bのいずれかをセットする(ステップS141)。例えば、図30に示すステップS51にて初期化処理が実行された後にステップS53にて事前転送指令処理が実行されるときには、初期設定用の事前転送設定テーブル230Aがセットされる。このとき、CPU131は、ROM132に記憶された事前転送設定テーブル230Aの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM133に設けられた事前転送ポインタにセットすればよい。
ステップS141の処理を実行した後には、例えばRAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値である事前転送カウント値を「0」に初期化する(ステップS142)。そして、事前転送設定テーブル230(事前転送設定テーブル230A、230Bのうち事前転送ポインタに先頭アドレスがセットされたもの。以下同様。)から、事前転送カウント値が「0」であることに対応したテーブルデータを読み出すことにより、処理数の設定を行う(ステップS143)。
この後、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS144)。そして、ステップS144にて更新した事前転送カウント値に対応した事前転送設定テーブル230のテーブルデータを読み出すことにより、画像データメモリ142における画像データの読出位置を示す読出アドレスを特定する(ステップS145)。また、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS146)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル230のテーブルデータを読み出すことにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aとなる記憶領域にて画像データを一時記憶させる書込位置を示す書込アドレスを特定する(ステップS147)。
さらに、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS148)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル230のテーブルデータを読み出すことにより、転送データ量を特定する(ステップS149)。こうして特定された読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、CPU131は事前転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS150)。ここで、図17(B)に示す事前転送設定テーブル230A、230Bには、パチンコ遊技機1における表示設定に応じて演出画像を異なる表示態様で表示するための複数種類の画像データに対応したテーブルデータが含まれている。そのため、ステップS150の処理を繰り返し実行することにより、演出画像を表示するための画像データに対応した事前転送指令を、VDP141に対して順次に送信することができる。この事前転送指令に対応して、表示制御部121では、画像データメモリ142から演出画像を異なる表示態様で表示するための複数種類の画像データが順次に読み出され、VDP141が備える一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに書き込まれて一時記憶されることになる。ステップS150の処理を実行したときには、処理数を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS151)。
続いて、ステップS151にて更新した処理数が、所定の終了判定値(例えば「0」)に達したか否かを判定する(ステップS152)。このとき、処理数が終了判定値に達していなければ(ステップS152;No)、ステップS144の処理に戻る。これに対して、処理数が終了判定値に達すれば(ステップS152;Yes)、事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化してから(ステップS153)、事前転送指令処理を終了する。このときには事前転送ポインタもクリアして、そのポインタ値を初期化してもよい。
以上のように、図30のステップS53にて事前転送指令処理を実行した後には、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込みフラグを監視して、そのフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップS54)。タイマ割込みフラグは、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120に設けられたCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過する毎にオン状態にセットされる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU131は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS54にてタイマ割込みが発生せずにタイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップS54;No)、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行して待機する。他方、タイマ割込みの発生によりタイマ割込みフラグがオンとなった場合には(ステップS54;Yes)、そのフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS55)、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップS56)。
図33は、図30のステップS56におけるコマンド解析処理にて実行される処理内容の一例を示す説明図である。ステップS56のコマンド解析処理では、まず、受信コマンドバッファをチェックして主基板11から送信された演出制御コマンドの受信があるか否かの判定が行われる。そして、受信コマンドありと判定したときには、そのコマンドを受信コマンドバッファから読み出す。これに続いて、読み出された受信コマンドに対応する各種の処理が実行される。
例えば、受信コマンドが可変表示開始コマンドであるときには(受信コマンド;可変表示開始)、受信コマンドの下位バイトを、RAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた可変表示開始バッファに記憶させるなどしてセーブする。このときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた可変表示開始フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り開始コマンドであるときには(受信コマンド;大当り開始)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする。
また、受信コマンドが大当りラウンド数通知コマンドであるときには(受信コマンド;大当りラウンド数通知)、例えば受信コマンドの下位バイトをRAM133に設けられたラウンド数バッファに記憶させることなどにより、ラウンド数をセーブする。このときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたラウンド数通知済みフラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り終了コマンドであるときには(受信コマンド;大当り終了)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた大当り終了フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが保留記憶数通知コマンドであるときには(受信コマンド;保留記憶数通知)、所定の保留記憶数表示設定処理を実行する。この保留記憶数表示設定処理では、例えば保留記憶数通知コマンドによって通知された特図保留記憶数を特定し、特定された特図保留記憶数に対応した設定や制御を行うことにより、画像表示装置5が備える特別図柄始動記憶表示エリアにて特図保留記憶数の表示が行われる。受信コマンドがその他のコマンドであるときには(受信コマンド;その他のコマンド)、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部にて受信した演出制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをオン状態にセットするなど、受信コマンドに対応した処理が実行される。
以上のように、図30のステップS56にてコマンド解析処理を実行した後には、飾り図柄プロセス処理を実行する(ステップS57)。この飾り図柄プロセス処理では、画像表示装置5の表示画面にて行われる飾り図柄の可変表示の進行状況に応じて、画像表示装置5の表示出力、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作、可動演出装置60におけるスライド板52等の移動動作などにより各種の演出動作を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップS58)、演出制御基板12の側にて乱数回路134等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。ステップS58にて演出側乱数値更新処理を実行した後には、ステップS54に戻る。
図34は、図30のステップS57にて実行される飾り図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す飾り図柄プロセス処理では、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた飾り図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の各処理が実行される。
ステップS170の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の飾り図柄可変表示設定処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、例えば画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた画像表示装置5における演出画像の表示動作といった、各種の演出動作を行うために、例えば図18(A)に示す演出制御パターンテーブル240に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや表示結果の種類などに対応するものを選択する処理を含んでいる。
ステップS172の飾り図柄可変表示中処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この処理において、CPU131は、既に選択された演出制御パターンの設定に基づき、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、例えば表示制御部121のVDP141に表示制御指令を伝送することや、音制御部122に音声データを伝送すること、ランプ制御部123にランプデータを伝送すること、モータ駆動回路124に駆動制御データを伝送することといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。そして、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した終了コードを読み出したことなどに基づき、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応する所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。この後、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS173の大当り開始待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、CPU131は、例えば画像表示装置5における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板11から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理は、例えば画像表示装置5に所定の演出画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図35は、図34のステップS170にて実行される可変表示開始コマンド受信待ち処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示開始コマンド受信待ち処理において、CPU131は、まず、表示設定を変更するための条件として予め定められた表示設定変更条件が成立したか否かの判定を行う(ステップS301)。ここで、表示設定変更条件としては、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態に移行したことや、パチンコ遊技機1における演出モードが変更されたことなどが、予め定められていればよい。ステップS301にて表示設定変更条件が成立した場合には(ステップS301;Yes)、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して拡大表示設定指令を伝送させる(ステップS302)。
ステップS301にて表示設定変更条件が成立していない場合には(ステップS301;No)、表示設定を初期化するための条件として予め定められた表示設定初期化条件が成立したか否かの判定を行う(ステップS303)。ここで、表示設定初期化条件としては、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態へと移行したことや、パチンコ遊技機1における演出モードが初期化されたことなどが、予め定められていればよい。
ステップS302の処理を実行した後や、ステップS303にて表示設定初期化条件が成立した場合には(ステップS303;Yes)、図30に示すステップS52と同様の記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS304)。ここで、ステップS301にて表示設定変更条件が成立したことに対応してステップS304にて記憶領域設定指令処理を実行する場合には、図31に示すステップS131の処理にて、図16(B)に示す表示設定変更用の記憶領域設定テーブル220Bがセットされればよい。他方、ステップS303にて表示設定初期化条件が成立したことに対応してステップS304にて記憶領域設定指令処理を実行する場合には、図31に示すステップS131の処理にて、図16(B)に示す初期設定用の記憶領域設定テーブル220Aがセットされればよい。
ステップS304にて記憶領域設定指令処理を実行した後には、図30に示すステップS53と同様の事前転送指令処理を実行する(ステップS305)。ここで、ステップS301にて表示設定変更条件が成立したことに対応してステップS305にて事前転送指令処理を実行する場合には、図32に示すステップS141の処理にて、図17(B)に示す表示設定変更用の事前転送設定テーブル230Bがセットされればよい。他方、ステップS303にて表示設定初期化条件が成立したことに対応してステップS305にて事前転送指令処理を実行する場合には、図32に示すステップS141の処理にて、図17(B)に示す初期設定用の事前転送設定テーブル230Aがセットされればよい。
ステップS303にて表示設定初期化条件が成立していない場合や(ステップS303;No)、ステップS305にて事前転送指令処理を実行した後には、可変表示開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS306)。このとき、可変表示開始フラグがオフであれば(ステップS306;No)、例えば表示制御部121のVDP141に対してデモ画面の表示を指示するために予め用意された表示制御指令を送信することなどといった、デモ画面表示用の設定を行い、画像表示装置5の表示画面上にデモンストレーション画像を表示可能としてから(ステップS307)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS306にて可変表示開始フラグがオンである場合には(ステップS306;Yes)、例えば表示制御部121のVDP141に対してデモ画面の表示終了を指示するために予め用意された表示制御指令を送信することなどといった、デモ画面の表示を終了するための設定を行う(ステップS308)。続いて、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS309)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
図36は、図34のステップS171にて実行される飾り図柄可変表示設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示設定処理において、CPU131は、まず、例えば可変表示開始バッファ値を読み出すことなどにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果は「大当り」となるか否かの判定を行う(ステップS321)。
ステップS321にて可変表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS321;No)、その表示結果はリーチハズレであるか否かの判定を行う(ステップS322)。このとき、表示結果がリーチハズレであると判定されれば(ステップS322;Yes)、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS323)。例えば、CPU131は、ステップS323の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、大当り図柄・左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶されている上確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「上」の可変表示部に導出表示される上確定飾り図柄を決定する。また、上確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「下」の可変表示部に導出表示される下確定飾り図柄に決定する。さらに、例えば乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶されている中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「中」の可変表示部に導出表示される中確定飾り図柄を決定する。このとき、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチハズレ組合せとなるようにすればよい。
ステップS322にて表示結果がリーチハズレではないと判定された場合には(ステップS322;No)、通常ハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS324)。例えば、CPU131は、ステップS324の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、大当り図柄・上確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された上確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、上確定飾り図柄を決定する。また、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、中確定飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、下確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された下確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、下確定飾り図柄を決定する。このとき、例えば下確定飾り図柄の図柄番号が上確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を下確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとはならずに通常ハズレ組合せとなるようにすればよい。
ステップS321にて可変表示結果が「大当り」であると判定された場合には(ステップS321;Yes)、大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS325)。例えば、CPU131は、ステップS325の処理において、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、大当り図柄・上確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の飾り図柄のうち確定飾り図柄とするものを決定する。なお、ステップS325の処理では、可変表示結果が「通常大当り」であるか「確変大当り」であるかに応じて、異なる確定飾り図柄を決定できるようにしてもよい。例えば、可変表示結果が「通常大当り」である場合には、通常大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の通常図柄のうちで確定飾り図柄とするものを決定すればよい。これに対して、可変表示結果が「確変大当り」である場合には、確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の確変図柄のうちで確定飾り図柄とするものを決定すればよい。
ステップS323、S324、S325の処理のいずれかにて確定飾り図柄を決定した後には、各処理で決定した確定図柄を示すデータをRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた確定飾り図柄バッファに記憶させることなどにより、確定飾り図柄をセーブする(ステップS326)。ステップS326の処理に続いて、各種の予告演出を実行するか否かの決定や、実行する場合における予告演出の種類の決定などを行う(ステップS327)。例えば、ステップS327の処理では、乱数回路134といったハードウェアにより、あるいはCPU131が実行するソフトウェアにより更新される、予告決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された予告決定テーブルを参照することなどにより、各種の予告演出を実行するか否かを決定すればよい。このとき、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかや、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるか否かに応じて、異なる予告決定テーブルを参照してもよい。これにより、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかや、リーチとなるか否かに応じて、複数種類の予告演出のそれぞれが実行される割合を異ならせることができる。例えば、可変表示結果が「大当り」となる場合に参照する予告決定テーブルと、「ハズレ」となる場合に参照する予告決定テーブルとでは、各予告パターンに対する予告決定用の乱数値の割当てを異ならせることにより、各予告パターンによる予告演出が出現した場合に飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となる確率を、予告実行の有無や各予告パターンに応じて異ならせることができる。
ステップS327の処理を実行した後には、可変表示開始コマンドにより通知された可変表示パターンや、確定飾り図柄、予告パターンなどの決定結果に対応する演出制御パターンを設定する(ステップS328)。例えば、CPU131は、ステップS328の処理において、図18(A)に示す演出制御パターンテーブル240に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターン等に対応したものを選択し、選択した演出制御パターンのROM132におけるアドレスを、演出制御パターンポインタにセットする。また、このとき設定した演出制御パターンの先頭アドレスなどから、演出制御プロセスタイマ初期値を読み出して演出制御プロセスタイマにセットすることにより、タイマ初期値の設定を行う(ステップS329)。
ステップS329での設定に続いて、例えば演出制御パターンの画像要素表示制御パターンに含まれる画像要素表示制御データに対応した表示制御指令を入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS330)。その後、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS331)、飾り図柄可変表示設定処理を終了する。
図37は、図34のステップS172にて実行される飾り図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU131は、まず、演出制御プロセスタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS341)。このときには、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンポインタに先頭アドレスがセットされた演出制御パターンにて示される各種のタイマ判定値と比較することなどにより、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS342)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS342;No)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS342にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS342;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種制御データ(画像要素表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、動画像表示制御データ、モータ制御データ、終了コードのいずれか)を読み出す(ステップS343)。このとき、ステップS342の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の制御データを読み出すようにすればよい。そして、ステップS343にて読み出された制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS344)。ステップS344にて終了コードではないと判定された場合には(ステップS344;No)、ステップS343にて読み出された制御データに応じた指令や設定を行うための演出制御指令処理を実行してから(ステップS345)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS344にて終了コードであると判定された場合には(ステップS344;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、大当り開始コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS346)。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS347)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
図38は、図37のステップS345にて実行される演出制御指令処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、CPU131は、まず、図37に示すステップS343の処理で読み出した制御データの種類を、画像要素表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、動画像表示制御データ、モータ制御データのうちから特定する(ステップS401)。そして、ステップS401の処理で特定された制御データの種類は音声制御データであるか否かの判定を行う(ステップS402)。
ステップS402にて音声制御データであると判定された場合には(ステップS402;Yes)、読み出した音声制御データに従って作成した音声データを、入出力ポート135から音制御部122に対して伝送させる(ステップS403)。ステップS402にて音声制御データではないと判定された場合や(ステップS402;No)、ステップS403の処理を実行した後には、ステップS401の処理で特定された制御データの種類はランプ制御データであるか否かの判定を行う(ステップS404)。
ステップS404にてランプ制御データであると判定された場合には(ステップS404;Yes)、読み出したランプ制御データに従って作成したランプデータを、入出力ポート135からランプ制御部123に対して伝送させる(ステップS405)。ステップS404にてランプ制御データではないと判定された場合や(ステップS404;No)、ステップS405の処理を実行した後には、ステップS401の処理で特定された制御データの種類はモータ制御データであるか否かの判定を行う(ステップS406)。
ステップS406にてモータ制御データであると判定された場合には(ステップS406;Yes)、読み出したモータ制御データに従って作成した駆動制御データを、入出力ポート135からモータ駆動回路124に対して伝送させる(ステップS407)。ステップS406にてモータ制御データではないと判定された場合や(ステップS406;No)、ステップS407の処理を実行した後には、ステップS401の処理で特定された制御データの種類は画像要素表示制御データであるか否かの判定を行う(ステップS408)。
ステップS408にて画像要素表示制御データであると判定された場合には(ステップS408;Yes)、読み出した画像要素表示制御データから拡大表示の指示があるか否かを判定する(ステップS409)。このとき、拡大表示の指示があれば(ステップS409;Yes)、画像要素表示制御データに従って作成した拡大表示設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS410)。ステップS409にて拡大表示の指示がない場合や(ステップS409;No)、ステップS410の処理を実行した後には、スプライト画像データを用いて生成した演出画像の表示に関する指令や設定を行うための画像要素更新指令処理を実行する(ステップS411)。
ステップS411にて画像要素更新指令処理を実行した後には、ステップS401の処理で特定された制御データの種類は動画像表示制御データであるか否かの判定を行う(ステップS412)。このとき、動画像表示制御データであると判定された場合には(ステップS412;Yes)、動画像データを用いて生成した動画像の再生表示に関する指令や設定を行うための動画像表示指令処理を実行してから(ステップS413)、演出制御指令処理を終了する。これに対して、ステップS412にて動画像表示制御データではないと判定された場合には(ステップS412;No)、ステップS413の動画像表示指令処理を実行せずに、演出制御指令処理を終了する。
図39は、図38のステップS411にて実行される画像要素更新指令処理の一例を示すフローチャートである。この画像要素更新指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンの画像要素表示制御パターンから読み出した画像要素表示制御データなどから、表示を更新する対象となる画像要素の部位を特定する(ステップS421)。続いて、ステップS421の処理で特定した画像要素の部位に対応する画像データの読出位置が、VDP141の一時記憶メモリ156に設けられた固定アドレスエリア156Aであるか、画像データメモリ142であるかの判定を行う(ステップS422)。すなわち、ステップS421にて特定した画像要素の部位は、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに画像データを事前に転送する対象となる画像要素であるか否かの判定を行う。例えば、ステップ422の処理では、パチンコ遊技機1における表示設定に応じて選択される事前転送設定テーブル230A、230Bのいずれかに、ステップS421の処理で特定された画像要素に対応したスプライト画像データを転送するためのテーブルデータが含まれているか否かを判定すればよい。あるいは、ステップS422の処理では、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに一時記憶された画像データを管理するインデックステーブル250を参照して、ステップS421の処理で特定された画像要素に対応したスプライト画像データが固定アドレスエリア156Aに一時記憶されているか否かを判定してもよい。
ステップS422にて画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定された場合には(ステップS422;Yes)、例えば演出制御パターンの画像要素表示制御パターンから読み出した画像要素表示制御データや、固定アドレスエリア156Aに一時記憶された画像データを管理するインデックステーブル250などから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS423)。また、例えば画像要素表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ157における画像データの書込アドレスを特定する(ステップS424)。さらに、更新対象となる画像要素に対応した画像データの転送データ量を特定する(ステップS425)。その後、ステップS423〜S425の処理で特定した読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づいて、固定アドレス指定転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS426)。
ステップS422にて画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aではないと判定された場合には(ステップS422;No)、例えば演出制御パターンの画像要素表示制御パターンから読み出した画像要素表示制御データなどから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS427)。また、例えば画像要素表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ157における画像データの書込アドレスを特定する(ステップS428)。さらに、更新対象となる画像要素に対応した画像データの転送データ量を特定する(ステップS429)。その後、ステップS427〜S429の処理で特定した読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づいて、自動転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS430)。
この後、全ての更新対象となる画像部位についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS431)。そして、指令が完了していなければ(ステップS431;No)、ステップS421の処理に戻る。これに対して、全ての更新対象となる画像部位について指令が完了すれば(ステップS431;Yes)、画像要素更新指令処理を終了する。
図40は、図38のステップS413にて実行される動画像表示指令処理の一例を示すフローチャートである。この動画像表示指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンの動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データを参照することなどにより、画像表示装置5の表示画面を複数の表示領域に分割するマルチビューを開始するか否かを判定する(ステップS441)。このとき、マルチビューの開始であると判定された場合には(ステップS441;Yes)、例えば動画像表示制御データに従って作成したマルチビュー設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS442)。ステップS441にてマルチビューの開始ではないと判定された場合や(ステップS441;No)、ステップS442の処理を実行した後には、例えば動画像表示制御データを参照することなどにより、マルチビューを終了するか否かを判定する(ステップS443)。
ステップS443にてマルチビューの終了であると判定された場合には(ステップS443;Yes)、例えば動画像表示制御データに従って作成したマルチビュー終了指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS444)。これに対して、ステップS443にてマルチビューの終了ではないと判定された場合には(ステップS443;No)、例えば動画像表示制御データを参照することなどにより、動画像の再生表示を開始するか否かの判定を行う(ステップS445)。
ステップS445にて動画像の再生表示を開始すると判定された場合には(ステップS445;Yes)、例えば動画像表示制御データに従って作成した動画像表示設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS446)。続いて、例えば動画像表示制御データを参照することなどにより、再生表示する全ての動画像について指令が完了したか否かを判定する(ステップS447)。このとき、指令が完了していなければ(ステップS447;No)、ステップS446の処理に戻る。
ステップS445にて動画像の再生表示を開始するものではないと判定された場合や(ステップS445;No)、ステップS447にて指令が完了したと判定された場合には(ステップS447;Yes)、例えば動画像表示制御データを参照することや、表示制御部121のVDP141から伝送されるイベント割込み信号がオン状態となったか否かを判定することなどにより、動画像データのデコードタイミングとなったか否かを判定する(ステップS448)。このとき、動画像データのデコードタイミングであると判定された場合には(ステップS448;Yes)、例えば動画像表示制御データに従った動画像デコード指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させてから(ステップS449)、動画像表示指令処理を終了する。これに対して、ステップS448にて動画像データのデコードタイミングではないと判定された場合には(ステップS448;No)、ステップS449の処理を実行せずに、動画像表示指令処理を終了する。
図41は、表示制御部121のVDP141が備える転送制御回路152により実行される転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されて受信した表示制御指令があるか否かを判定する(ステップS601)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信指令がなければ(ステップS601;No)、ステップS601の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS601にて受信指令がある場合には(ステップS601;Yes)、その受信指令が記憶領域設定指令であるか否かを判定する(ステップS602)。そして、記憶領域設定指令であれば(ステップS602;Yes)、所定の記憶領域設定処理を実行する一方(ステップS603)、記憶領域設定指令ではなければ(ステップS602;No)、受信指令が事前転送指令であるか否かを判定する(ステップS604)。
ステップS604にて受信指令が事前転送指令である場合には(ステップS604;Yes)、所定の事前転送処理を実行する(ステップS605)。これに対して、受信指令が事前転送指令ではない場合には(ステップS604;No)、受信指令が自動転送指令であるか否かを判定する(ステップS606)。このとき、受信指令が自動転送指令であれば(ステップS606;Yes)、所定の自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。ステップS606にて受信指令が自動転送指令ではない場合や(ステップS606;No)、ステップS603、S605、S607の処理のいずれかを実行した後には、ステップS601の処理に戻る。
図42は、図41のステップS603にて実行される記憶領域設定処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定処理において、転送制御回路152は、まず、一時記憶メモリ156をクリアして、その記憶内容を初期化する(ステップS611)。続いて、記憶領域設定指令に含まれるデータから、可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDを特定する(ステップS612)。そして、このとき特定されたアドレスSTADDを、VDP141に内蔵された所定のレジスタにセットして格納する(ステップS613)。また、転送制御回路152は、記憶領域設定指令に含まれるデータから、可変アドレスエリア156Bの終了アドレスENADDを特定する(ステップS614)。そして、このとき特定されたアドレスENADDを、VDP141に内蔵された所定のレジスタにセットして格納してから(ステップS615)、記憶領域設定処理を終了する。
図43は、図41のステップS605にて実行される事前転送処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送処理において、転送制御回路152は、まず、事前転送指令に含まれるデータから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS621)。続いて、事前転送指令に含まれるデータから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS622)。また、事前転送指令に含まれるデータから、転送すべき画像データのデータ量を特定する(ステップS623)。そして、ステップS621〜S623の処理で特定した画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを固定アドレスエリア156Aに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS624)。例えば、転送制御回路152は、ステップS624の処理において、所定のDMA(Direct Memory Access)装置に、画像データメモリ142の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する画像データのデータ量をセットして、DMA転送による画像データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS625)、完了していなければ(ステップS625;No)、ステップS625の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS625にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS625;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル250に画像データの転送完了を登録してから(ステップS626)、事前転送処理を終了する。ステップS626の処理において、転送制御回路152は、固定アドレスエリア156Aへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル250に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。
図44は、図41のステップS607にて実行される自動転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、自動転送指令に含まれるデータから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS631)。続いて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS632)。例えば、転送制御回路152は、ステップS632の処理において、インデックステーブル250を参照することにより可変アドレスエリア156Bのうち「転送完了フラグ」が「オン」となって有効な画像データ等が記憶されている領域以外の空き領域を特定する。こうして特定された空き領域のうちから、今回転送すべき画像データを記憶させる領域を決定し、その先頭アドレスを書込アドレスとして特定すればよい。
また、転送制御回路152は、自動転送指令に含まれるデータから、転送すべき画像データのデータ量を特定する(ステップS633)。そして、ステップS631〜S633の処理で特定した画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを可変アドレスエリア156Bに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS634)。例えば、転送制御回路152は、ステップS634の処理において、所定のDMA装置に、画像データメモリ142の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する画像データのデータ量をセットして、DMA転送による画像データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS635)、完了していなければ(ステップS635;No)、ステップS635の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS635にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS635;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル250に画像データの転送完了を登録してから(ステップS636)、自動転送制御処理を終了する。また、この自動転送制御処理にて画像データを転送する場合には、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの転送先アドレス(書込アドレス)を描画回路155に通知して、描画回路155による画像データの読出を可能にしてもよい。
図45は、表示制御部121のVDP141が備える描画回路155により実行される描画処理の一例を示すフローチャートである。この描画処理において、描画回路155は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されて受信した表示制御指令があるか否かを判定する(ステップS701)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信指令がなければ(ステップS701;No)、ステップS701の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS701にて受信指令がある場合には(ステップS701;Yes)、その受信指令が固定アドレス指定転送指令であるか否かを判定する(ステップS702)。そして、固定アドレス指定転送指令であれば(ステップS702;Yes)、所定の固定アドレス指定描画処理を実行する一方(ステップS703)、固定アドレス指定転送指令ではなければ(ステップS702;No)、受信指令が自動転送指令であるか否かを判定する(ステップS704)。
ステップS704にて受信指令が自動転送指令である場合には(ステップS704;Yes)、所定の自動転送描画処理を実行する(ステップS705)。ステップS704にて受信指令が自動転送指令ではない場合や(ステップS704;No)、ステップS703、S705の処理のいずれかを実行した後には、ステップS701の処理に戻る。
図46は、図45のステップS703にて実行される固定アドレス指定描画処理の一例を示すフローチャートである。この固定アドレス指定描画処理において、描画回路155は、まず、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS711)。続いて、ステップS711にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル250を参照し、読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS712)。
ステップS712にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS712;Yes)、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータから、フレームバッファメモリ157における表示用データの書込アドレスを特定する(ステップS713)。この後、描画回路155は、ステップS711にて特定した読出アドレスからの画像データの読出動作と、ステップS713にて特定した書込アドレスへの表示用データの書込動作とを行い、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させる(ステップS714)。このとき、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データがピクセルデータである場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをそのまま表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。他方、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが、ポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータである場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出したベクトルデータに基づいてピクセルデータを作成し、そのピクセルデータを表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。また、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが、例えば離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)やアダマール変換といった、所定の圧縮符号化が施されている場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データに所定の復号化処理を施すことにより得られるピクセルデータを、表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。なお、表示用データを作成するために使用される画像データが3次元表示用の画像データやポリゴンなどのベクトルデータである場合には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された画像データに基づく所定の演算処理の実行結果として得られたデータを、VDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば描画回路155がCPUから転送されたデータに基づいて表示用データを作成し、フレームバッファメモリ157に展開記憶させるようにすればよい。
また、描画回路155は、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させるときに、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして展開するようにしてもよい。あるいは、描画回路155は、画像表示装置5の表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして展開するようにしてもよい。ここで、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして表示用データを展開すれば、演出画像の水平サイズや垂直サイズに拘束されることなく、フレームバッファメモリ157にて連続するアドレスに表示用データを書き込むことができるので、フレームバッファメモリ157の使用効率を高めることができる。他方、画像表示装置5の表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして表示用データを展開すれば、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データの読出位置と表示画面上における表示座標とを1対1に対応させることができ、例えばフレームバッファメモリ157の記憶アドレスから画像表示装置5の表示画面上における演出画像の表示座標への変換に要する処理負担を軽減することができる。ここで、フレームバッファメモリ157に展開記憶する表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、例えば表示回路158に含まれる液晶ドライバといった、画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。
加えて、ステップS714の処理では、これからフレームバッファメモリ157に書き込もうとする表示用データ(書込側データ)と、各画素に対応して既にフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データ(記憶側データ)との間で優先度の比較を行い、書込側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込む一方で、記憶側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込まないようにする。具体的な一例として、フレームバッファメモリ157には、各画素のピクセルデータを記憶するエリアとは別に、各画素の記憶側データに付された優先度に対応したZ値を記憶するエリアが設けられている。また、描画回路155が一時記憶メモリ156から読み出す画像データにも、各画素の優先度に対応したZ値を示すデータが含まれている。そして、描画回路155は、各画素の書込側データと記憶側データでZ値の比較演算を実行することで、書込側データと記憶側データのうちどちらの優先度が高いかを判定すればよい。例えば、所定のキャラクタ画像に対応する画像データでは、各画素における優先度が、背景画像に対応する画像データに比べて高くなるように予め設定しておく。これにより、背景画像の前面にキャラクタ画像を出現させるように、フレームバッファメモリ157への表示用データの書き込みを行うことができる。
ステップS714の処理を実行した後には、フレームバッファメモリ157に表示用データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS715)、完了していなければ(ステップS715;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS716)、ステップS714の処理に戻る。他方、ステップS715にて描画が完了すれば(ステップS715;Yes)、固定アドレス指定描画処理を終了する。
ステップS712にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS712;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS717)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS717;No)、ステップS712に戻って待機する。これに対して、ステップS717にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS717;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を伝送することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS718)、固定アドレス指定描画処理を終了する。描画回路155がステップS718の処理を実行することにより伝送されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。このときには、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させてエラーの発生を報知することにより、画像表示装置5における表示動作に異常が発生して正しく表示できない場合でも、エラーの発生を適切に報知することができる。
図47は、図45のステップS705にて実行される自動転送描画処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送描画処理において、描画回路155は、まず、例えば転送制御回路152からの通知などに基づいて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS731)。続いて、ステップS731にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル250を参照し、読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS732)。
ステップS732にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS732;Yes)、自動転送指令に含まれるデータから、フレームバッファメモリ157における表示用データの書込アドレスを特定する(ステップS733)。この後、描画回路155は、ステップS731にて特定した読出アドレスからの画像データの読出動作と、ステップS733にて特定した書込アドレスへの画像データの書込動作とを行う(ステップS734)。このとき、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データがピクセルデータである場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをそのまま表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。他方、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが、ポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータである場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出したベクトルデータに基づいてピクセルデータを作成し、そのピクセルデータを表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。また、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが、例えば離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)やアダマール変換といった、所定の圧縮符号化が施されている場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データに所定の復号化処理を施すことにより得られるピクセルデータを、表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。なお、表示用データを作成するために使用される画像データが3次元表示用の画像データやポリゴンなどのベクトルデータである場合には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された画像データに基づく所定の演算処理の実行結果として得られたデータを、VDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば描画回路155がCPUから転送されたデータに基づいて表示用データを作成し、フレームバッファメモリ157に展開記憶させるようにすればよい。
また、描画回路155は、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させるときに、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして展開するようにしてもよい。あるいは、描画回路155は、画像表示装置5の表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして展開するようにしてもよい。ここで、フレームバッファメモリ157に展開記憶する表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、表示回路158に含まれる液晶ドライバといった、画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。加えて、ステップS734の処理では、これからフレームバッファメモリ157に書き込もうとする表示用データ(書込側データ)と、各画素に対応して既にフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データ(記憶側データ)との間で優先度の比較を行い、書込側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込む一方で、記憶側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込まないようにすればよい。
ステップS734の処理を実行した後には、フレームバッファメモリ157に表示用データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS735)、完了していなければ(ステップS735;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS736)、ステップS734の処理に戻る。他方、ステップS735にて描画が完了すれば(ステップS735;Yes)、描画に用いた画像データと対応付けてインデックステーブル250に登録された「転送完了フラグ」をクリアして「オフ」とした後(ステップS737)、自動転送描画処理を終了する。
ステップS732にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS732;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS738)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS738;No)、ステップS732に戻って待機する。これに対して、ステップS738にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS738;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を伝送することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS739)、自動転送描画処理を終了する。描画回路155がステップS739の処理を実行することにより伝送されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、ステップS718の処理により伝送されたエラー情報を受け取った場合と同様に、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。
図48は、表示制御部121のVDP141が備える動画像用デコーダ154により実行される動画像デコード処理の一例を示すフローチャートである。動画像用デコーダ154は、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像デコード指令を受信したことに応答して、図48に示すような動画像デコード処理の実行を開始する。この動画像デコード処理において、動画像用デコーダ154は、まず、画像データメモリ142に記憶されている演出表示に使用する動画像データから、1フレーム分のピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS751)。なお、動画像用デコーダ154が画像データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出す際には、例えば事前に演出制御用マイクロコンピュータ120から送信されたマルチビュー設定指令といった、動画像表示用の設定指令に応答して、画像データメモリ142から動画像データを読み出すデータバスのバス幅が、32ビット幅といった、転送制御回路152が画像データメモリ142からスプライト画像データを読み出すときとは異なるバス幅に設定されている。また、ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番とデコードされる順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配置されているIピクチャ又はPピクチャをデコードしたあとにデコードされる。ステップS751の処理において、動画像用デコーダ154は、例えば事前に演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像表示設定指令といった、個別の動画像を表示するための設定指令に応答して、画像データメモリ142における動画像データの読出位置(例えば読出アドレス)を指定する読出ポインタの値(読出ポインタ値)や、フレームバッファメモリ157にてデコード後の表示用データを書き込む書込位置(例えば書込アドレス)を指定する書込ポインタの値(書込ポインタ値)、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにて個別の動画像に対応したデコード後の画像データを一時記憶するピクチャバッファ位置(例えば記憶アドレス)を指定するピクチャバッファポインタの値(ピクチャバッファポインタ値)の設定を行うようにすればよい。
なお、圧縮符号化が施された圧縮データからなる動画像データを読み出す際には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして動画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された動画像データを、そのままVDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば動画像用デコーダ154がステップS751の処理において、ホストインタフェース151などの外部インタフェースを介して、転送された動画像データを受け取るようにすればよい。
ステップS751にてピクチャデータを読み出した後、動画像用デコーダ154は、その読出データをデコードし(ステップS752)、デコード後のピクチャデータを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにてピクチャバッファポインタ値に対応したピクチャバッファに一旦記憶させた後、書込ポインタ値に対応するフレームバッファメモリ157の書込アドレスに書き込んで記憶させることにより、動画像を画像表示装置5の表示画面内における所定位置に表示可能とする(ステップS753)。なお、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに一旦記憶されたピクチャデータを読み出してフレームバッファメモリ157に書き込む処理は、描画回路155が実行するようにしてもよい。
ステップS753の処理に続いて、読出ポインタ値の更新を行う(ステップS754)。ここで、1つの動画像を再生表示するために一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに設けられた複数のピクチャバッファを用いる場合には、ステップS754の処理においてピクチャバッファポインタ値の更新も行うようにすればよい。こうして1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了すると、動画像用デコーダ154は、ホストインタフェース151から演出制御用マイクロコンピュータ120に対してイベント割込み信号を出力させる(ステップS755)。これにより、1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了したことが、VDP141から演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131へと通知されることになる。そして、例えばイベント割込み信号の出力期間を計測するためのタイマをスタートさせて、そのタイマ値が所定の信号出力期間判定値に達したか否かを判定することなどにより、信号出力期間が終了したか否かを判定する(ステップS756)。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120からイベント割込み信号を受け付けたことに対する応答信号を受信したか否かの判定を行うことにより、信号出力期間が終了したか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS756にて信号出力期間が終了しない場合には(ステップS756;No)、ステップS756の処理を繰り返し実行して待機する。これに対して、信号出力期間が終了した場合には(ステップS756;Yes)、イベント割込み信号の出力を停止してから(ステップS757)、動画像デコード処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1の電源が投入され、所定の電源基板から電源電圧の供給が開始されると、演出制御基板12では、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が初期化処理を実行した後(図30のステップS51)、記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS52)。この記憶領域設定指令処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して記憶領域設定指令を伝送させる(図31のステップS136)。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、記憶領域設定指令を受信したことに応答して(図41のステップS602;Yes)、記憶領域設定処理を実行する(ステップS603)。この記憶領域設定処理では、記憶領域設定指令により通知された可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDと終了アドレスENADDをVDP141の内部レジスタに格納することなどによって(図42のステップS613、S615)、一時記憶メモリ156における複数の記憶領域として、固定アドレスエリア156Aと可変アドレスエリア156Bとが設定されることになる。
図49は、演出制御基板12に搭載された表示制御部121における画像データ処理動作の一例を示す説明図である。演出制御用マイクロコンピュータ120の起動に対応して、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が事前転送指令処理を実行する(図30のステップS53)。そして、事前転送指令処理では、例えば図17(B)に示す事前転送設定テーブル230A、230Bのうちから、パチンコ遊技機1における表示設定に対応したものをセットする(図32のステップS141)。続いて、処理数及び事前転送カウント値に応じて読み出したテーブルデータから特定された画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、事前転送指令を作成してVDP141に送信する(ステップS144〜S150)。これにより、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、各画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度が所要の画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送することの指令が行われる。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送指令を受信したことに応答して(図41のステップS604;Yes)、事前転送処理を実行する(ステップS605)。この事前転送処理では、事前転送指令により通知された画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量などに基づいて、画像データメモリ142から画像データを読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送する(図43のステップS621〜S625)。これにより、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、各画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度が所要の画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送することができる。
その後、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと入賞したことに応じて、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立する。こうした実行条件の成立に基づき、例えば画像表示装置5では「上」、「中」、「下」の各可変表示部において飾り図柄の可変表示が開始される。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が図18(A)に示す演出制御パターンテーブル240に格納された複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンや、予告演出を実行するか否かの決定結果等に対応した演出制御パターンを設定する(図36のステップS328)。その後、定期的に演出制御プロセスタイマ値を更新し(図37のステップS341)、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した制御データが終了コードではない場合に(ステップS344;No)、演出制御指令処理を実行することで(ステップS345)、各種の演出動作を制御するための指令や設定が行われる。
例えば、演出制御パターンに含まれる画像要素表示制御パターンから読み出された画像要素表示制御データなどに従って、画像要素となるスプライト画像の表示を更新するための処理として、CPU131が図38に示すステップS411にて画像要素更新指令処理を実行する。この画像要素更新指令処理では、更新対象となる画像要素に対応した画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであるか否かを判定する(図39のステップS422)。
一例として、更新対象となる画像要素が飾り図柄を示すものである場合には、その画像要素としての演出画像は固定アドレスエリア156Aに画像データを事前に転送する対象となるものであり、対応する画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定される。こうした読出位置が固定アドレスエリア156Aである旨の判定結果に基づき(ステップS422;Yes)、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した画像要素表示制御データなどにより、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、転送する画像データのデータ量などを特定し、固定アドレス指定転送指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS423〜S426)。
VDP141では、例えば描画回路155が、固定アドレス指定転送指令を受信したことに応答して(図45のステップS702;Yes)、固定アドレス指定描画処理を実行する(ステップS703)。この固定アドレス指定描画処理では、インデックステーブル250において固定アドレスエリア156Aからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」である場合に(図46のステップS712;Yes)、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータなどから特定される画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量などに基づき、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる(ステップS713〜S716)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131により、更新対象となる画像要素に対応した画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aではないと判定された場合には(図39のステップS422;No)、例えば演出制御パターンから読み出した画像要素表示制御データなどにより、画像データメモリ142における画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、転送する画像データのデータ量などを特定し、自動転送指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS427〜S430)。
VDP141では、まず、転送制御回路152が、自動転送指令を受信したことに応答して(図41のステップS606;Yes)、自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。この自動転送制御処理では、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスが、自動転送指令に含まれるデータなどから特定される(図44のステップS631)。その一方で、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスは、例えばインデックステーブル250を参照することなどにより特定された空き領域のうちから画像データを記憶させるために選択された領域の先頭アドレスとして、転送制御回路152により自動的に特定される(ステップS632)。そして、自動転送指令により通知された転送する画像データのデータ量などに基づき(ステップS633)、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込んで記憶させる(ステップS634、S635)。
続いて、VDP141では、例えば描画回路155が、自動転送指令を受信したことに応答して(図45のステップS704;Yes)、自動転送描画処理を実行する(ステップS705)。この自動転送描画処理では、インデックステーブル250において可変アドレスエリア156Bからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」である場合に(図47のステップS732;Yes)、例えば転送制御回路152から通知された可変アドレスエリア156Bにおける画像データの読出アドレスや、自動転送指令に含まれるデータなどから特定された画像データの書込アドレス、転送する画像データのデータ量などに基づき、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる(ステップS733〜S737)。
転送制御回路152は、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aまたは可変アドレスエリア156Bに書き込むことによる画像データの転送が完了したときに、VDP141に設けられたインデックステーブル250の更新を行う。
例えば、事前転送指令に応じて画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへのデータ転送が完了した場合には(図43のステップS625;Yes)、固定アドレスエリア156Aへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル250に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル250に画像データの転送完了を登録する(ステップS626)。また、例えば、自動転送指令に応じて画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bへのデータ転送が完了した場合には(図44のステップS635;Yes)、可変アドレスエリア156Bへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル250に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」が「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル250に画像データの転送完了を登録する(ステップS636)。こうしたインデックステーブル250の登録内容に基づいて、描画回路155は一時記憶メモリ156から画像データを読み出して表示用データの作成を実行できるか否かの判定を行う。
例えば、描画回路155は、固定アドレス指定転送指令を受信したことに応答して、固定アドレスエリア156Aからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル250において「オン」となっているか否かを判定する(図46のステップS712)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS712;Yes)、描画回路155が固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させることなどにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS713〜S716)。これに対して、「読出完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS712;No)、描画回路155が固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで待機する(ステップS717;No)。この待機中には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データを用いた表示用データの作成が実行されない。
また、例えば、描画回路155は、自動転送指令を受信したことに応答して、可変アドレスエリア156Bからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル250において「オン」となっているか否かを判定する(図47のステップS732)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS732;Yes)、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させることなどにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS733〜S737)。これに対して、「転送完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS732;No)、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで待機する(ステップS738;No)。この待機中には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データを用いた表示用データの作成が実行されない。
図9(D)に示すように、スーパーAの可変表示パターンでは、演出動作として「スライド板進出」、「動画像表示」、「透光予告」が行われる。演出制御用マイクロコンピュータ120では、主基板11から伝送されて受信した可変表示開始コマンドにてスーパーAの可変表示パターンが示されていることなどに対応して、CPU131が図36に示すステップS328の処理にて、図18(A)に示す演出制御パターンテーブル240に格納されたスーパーA−01、スーパーA−02、…といったスーパーA演出制御パターンのいずれかを設定する。図50は、こうして設定されたスーパーA演出制御パターンに基づき、マルチAの動画像表示パターンで動画像の再生表示を行うとともに、透光予告A−3の予告パターンにより予告演出を行う場合における処理内容の一例を示すフローチャートである。
図50のフローチャートに示す処理では、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどにより、画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示を開始させる(ステップST11)。このステップST11の処理は、例えばCPU131が図36に示すステップS330の処理にて飾り図柄の可変表示を開始するための設定を行い、その設定に応じてVDP141が画像データの処理を実行することなどに対応する。
その後、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131が図38に示すステップS403、S405の処理を実行したり、ステップS411にて画像要素更新指令処理を実行したりする。また、表示制御部121のVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されて受信した表示制御指令に基づいて、転送制御回路152が図41に示すステップS607にて自動転送制御処理を実行することや、描画回路155が図45に示すステップS703にて固定アドレス指定描画処理やステップS705にて自動転送描画処理を実行することなどにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるより前の期間における飾り図柄の可変表示に応じた演出動作が行われる(図50のステップST12)。
そして、例えば「上」と「下」の可変表示部で同一の飾り図柄を示す画像データから作成される表示用データの一部を、フレームバッファメモリ157にて図2に示す表示位置AR1に対応するアドレスに書き込んで記憶させることなどにより、「上」と「下」の可変表示部で画像表示装置5における表示画面の外部に掛かる表示位置AR1にて、飾り図柄の一部が画像表示装置5の表示画面上における「上」と「下」の可変表示部の枠外にありながらリーチとなる。こうして飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことに対応して、リーチ演出を開始する(ステップST13)。あるいは、表示位置AR1で飾り図柄の可変表示態様がリーチとなっただけではリーチ演出は開始されず、表示位置AR1で大当り組合せの飾り図柄が仮停止表示されたことに対応して、リーチ演出を開始してもよい。この場合、例えば「上」、「中」、「下」の各可変表示部で同一の飾り図柄を示す画像データから作成される表示用データの一部を、フレームバッファメモリ157にて図2に示す表示位置AR1に対応するアドレスに書き込んで記憶させることなどにより、「上」、「中」、「下」の各可変表示部で画像表示装置5における表示画面の外部に掛かる表示位置AR1にて、飾り図柄の一部が画像表示装置5の表示画面上における「上」、「中」、「下」の各可変表示部の枠外にありながら大当り組合せを構成して仮停止表示される。こうしてリーチ演出を開始するとき、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御パターンにて設定された各種のタイマ判定値のうち演出制御プロセスタイマ値と合致したものに対応付けられた制御データを読み出し(図37のステップS343)、読み出された制御データに従って作成した表示制御指令を表示制御部121のVDP141に対して伝送させることや(図39のステップS426、S430)、音声データを音制御部122に対して伝送させること(図38のステップS403)、ランプデータをランプ制御部123に対して伝送させることにより(図38のステップS405)、画像表示装置5の表示画面上にリーチの成立を報知するリーチ報知用画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rからリーチの成立を報知するリーチ報知用音声を出力させたり、遊技効果ランプ9をリーチの成立に対応した点灯パターンで点灯させたりといった、リーチの成立を報知するための演出動作が行われるようにすればよい。
続いて、CPU131は、画像表示装置5の表示画面を複数の表示領域に分割して動画像の再生表示を行うマルチビューを開始するための指令や設定を行う(図50のステップST14)。例えば、CPU131は、演出制御パターンに含まれる動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データを参照することによりマルチビューの開始であると判定したことに対応して(図40のステップS441;Yes)、その動画像表示制御データに従って作成したマルチビュー設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS442)。表示制御部121のVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されたマルチビュー設定指令を受信したことに応じて、例えば表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率を、動画像の再生表示を行う際にフレームバッファメモリ157に記憶されるVGAモードのサイズを有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を可能にする倍率に設定する。また、VDP141と画像データメモリ142との間を接続するデータバスのバス幅を、動画像の再生表示に対応する第2のバス幅として予め定められた32ビットに設定する。加えて、チップセレクトの設定をCS#1として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、動画像用のメモリチップ142−3から動画像データを読み出すことができるように設定する。
図50に示すステップST14の処理を実行した後には、画像表示装置5の表示画面上に配置された複数の表示領域にて個別に動画像の再生表示を開始するための指令や設定が行われる(ステップST15)。例えば、CPU131は、演出制御パターンに含まれる動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データを参照することにより動画像の再生表示を開始すると判定したことに対応して(図40のステップS445;Yes)、その動画像表示制御データに従って作成した動画像表示設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS446)。表示制御部121のVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像表示設定指令を受信したことに対応して、例えば各表示領域にて再生表示される動画像に個別のインデックス番号を付与するとともに、各動画像の水平サイズなどを示す情報を、インデックステーブル250に記憶させる。また、VDP141では、動画像表示設定指令に含まれるデータなどから、画像データメモリ142における動画像データの読出位置や、一時記憶メモリ156における動画像データの書込位置などを特定する。
その後、CPU131は、演出制御プロセスタイマ値に基づき、リーチ演出における各種の演出動作を制御するための指令や設定を行う。例えば、CPU131は、動画像A1の更新タイミングとなったか否かを判定し(図50のステップST16)、更新タイミングとなった場合には(ステップST16;Yes)、動画像A1の再生表示に用いる動画像データMB01−01をデコードするための指令や設定を行う(ステップST17)。なお、ステップST16の処理は、例えばCPU131が図40に示すステップS448の処理にて、演出制御パターンに含まれる動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データを参照することなどにより、動画像A1に対応する動画像データのデコードタイミングとなったか否かを判定することなどに対応する。ステップST17の処理では、例えば動画像表示制御データに従って作成した動画像デコード指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる。表示制御部121のVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像デコード指令を受信したことに対応して、例えば動画像用デコーダ154が動画像A1に対応する動画像データMB01−01のうち、1フレーム分のピクチャデータを画像データメモリ142から読み出し(図48のステップS751)、読み出されたピクチャデータのデコードを行った後(ステップS752)、デコードされたピクチャデータをフレームバッファメモリ157の書込アドレスに書き込んで記憶させる(ステップS753)。
図50に示すステップST16にて動画像A1の更新タイミングではないと判定された場合や(ステップST16;No)、ステップST17の処理を実行した後には、動画像B1の更新タイミングとなったか否かを判定し(ステップST18)、更新タイミングとなった場合には(ステップST18;Yes)、動画像A2の再生表示に用いる動画像データMB01−02をデコードするための指令や設定を行う(ステップST19)。ステップST18にて動画像A2の更新タイミングではないと判定された場合や(ステップST18;No)、ステップST19の処理を実行した後には、スライド板用モータ50の制御タイミングとなったか否かを判定する(ステップST20)。ステップST20の処理は、例えばCPU131が図38に示すステップS406の処理にて、演出制御パターンから読み出した制御データがモータ制御パターンを構成するモータ制御データであるか否かを判定することなどに対応する。ステップST20にてモータの制御タイミングであると判定された場合には(ステップST20;Yes)、スライド板用モータ50の駆動制御を行うための指令や設定を行う(ステップST21)。例えば、ステップST21の処理では、モータ制御データに従って作成した駆動制御データを、入出力ポート135からモータ駆動回路124に対して伝送させる(図38のステップS407)。モータ駆動回路124では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された駆動制御データに応じた励磁信号を作成し、スライド板用モータ50に供給する。これにより、スライド板用モータ50の駆動が行われ、可動演出装置60に設けられた手形模型51やスライド板52が退避時の位置と進出時の位置との間でスライドして移動する。
図50に示すステップST20の処理にてモータの制御タイミングではないと判定された場合や(ステップST20;No)、ステップST21の処理を実行した後には、演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した各種の制御データに基づき、各種の演出動作を制御するための指令や設定が行われる(ステップST22)。ステップST22の処理に続いて、動画像によるリーチ演出の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップST23)。なお、ステップST23の処理は、例えばCPU131が図40に示すステップS443の処理にて、演出制御パターンに含まれる動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データを参照することなどにより、マルチビューを終了するか否かを判定することなどに対応する。
ステップST23にてリーチ演出の終了タイミングではないと判定された場合には(ステップST23;No)、ステップST16の処理に戻る。これにより、所定の動画像A1更新タイミングに達したことに対応して動画像A1の表示を更新させることができるとともに、所定の動画像A2更新タイミングに達したことに対応して動画像A2の表示を更新させることができる。ここで、画像表示装置5における表示画像のリフレッシュタイミングが、図51(A)に示すような等間隔のタイミングT01〜T20であるものとする。この場合、例えば演出制御パターンに含まれる動画像表示制御パターンにて、動画像A1の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、タイミングT01、T03、…、T19のリフレッシュタイミングにて動画像A1の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。また、動画像A2の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、タイミングT02、T04、…、T20のリフレッシュタイミングにて動画像A2の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。これにより、画像表示装置5における画像フレーム周期の経過に対応して、画像データメモリ142から読み出される複数種類の動画像データごとに作成される複数種類の表示用データを所定の順番でフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させることができる。なお、画像フレーム周期は、一定間隔で到来する複数のリフレッシュタイミングのうち、所定のリフレッシュタイミングにて表示装置の表示画面上に1フレーム分の画像を表示させてから、次のリフレッシュタイミングにて1フレーム分の画像を表示させるまでの時間長(隣接するリフレッシュタイミングの時間間隔)である。
図51(B)に示すように、マルチAの動画像表示パターンで再生表示される動画像A1と動画像A2に対応して、動画像A1の表示用データと、動画像A2の表示用データとを、画像表示装置5の画像フレーム周期が経過したことに対応して、交互にフレームバッファメモリ157に書き込む。このとき、例えば動画像A1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第1書込周期とし、動画像A2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第2書込周期とすれば、第1書込周期と第2書込周期はいずれも、画像表示装置5における画像フレーム周期の2倍となる同一時間長を有している。そして、画像フレーム周期の経過に対応して第1書込周期が経過したときには、動画像A1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。その後、第1書込周期が経過した次の画像フレーム周期にて経過する第2書込周期が経過したときには、動画像A2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。そして、図51(A)に示すリフレッシュタイミングT01では動画像A1の表示が更新され、リフレッシュタイミングT02では動画像A2の表示が更新されるといったように、画像表示装置5における画像フレーム周期に比べて2倍の周期で、動画像A1と動画像A2の表示がそれぞれ更新されることになる。この場合、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データは、画像表示装置5における画像フレーム周期に比べて2倍の周期で更新されることに対応したフレーム数を有するものであればよい。例えば、画像表示装置5の画像フレーム周期が1/60秒である場合に、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データは、1/30秒の周期で更新されることに対応したフレーム数を有していればよい。そのため、動画像A1と動画像A2のそれぞれに対応した動画像データにおけるコマ数は、画像表示装置5の画像フレーム周期と同一の周期で更新されることに対応した動画像データにおけるコマ数の1/2であればよい。
また、マルチBの動画像表示パターンに対応して設けられた演出制御パターンでは、動画像表示制御パターンにて動画像B1の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、図51(A)に示すようなタイミングT01〜T20のうち、タイミングT01、T04、…、T19のリフレッシュタイミングにて動画像B1の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。この動画像表示制御パターンでは、動画像B2の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、タイミングT02、T05、…、T20のリフレッシュタイミングにて動画像B2の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。さらに、動画像B3の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、タイミングT03、T06、…、T18のリフレッシュタイミングにて動画像B3の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。これにより、動画像B1の表示用データと、動画像B2の表示用データと、動画像B3の表示用データとを、画像表示装置5の画像フレーム周期が経過したことに対応して、例えば図51(C)に示すような順番でフレームバッファメモリ157に書き込む。
このとき、例えば動画像B1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第1書込周期とし、動画像B2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第2書込周期とすれば、第1書込周期と第2書込周期はいずれも、画像表示装置5における画像フレーム周期の3倍となる同一時間長を有している。そして、画像フレーム周期の経過に対応して第1書込周期が経過したときには、動画像B1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。その後、第1書込周期が経過した次のフレーム周期にて経過する第2書込周期が経過したときには、動画像B2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。これにより、図51(A)に示すリフレッシュタイミングT01では動画像B1の表示が更新され、リフレッシュタイミングT02では動画像B2の表示が更新され、リフレッシュタイミングT03では動画像B3の表示が更新されるといったように、画像表示装置5における画像フレーム周期に比べて3倍の周期で、各動画像B1〜B3の表示が更新されることになる。この場合、各動画像B1〜B3に対応した動画像データは、画像表示装置5における画像フレーム周期に比べて3倍の周期で更新されることに対応したフレーム数を有するものであればよい。例えば、画像表示装置5の画像フレーム周期が1/60秒である場合に、各動画像B1〜B3に対応した動画像データは、1/20秒の周期で更新されることに対応したフレーム数を有していればよい。そのため、各動画像B1〜B3に対応した動画像データにおけるコマ数は、画像表示装置5の画像フレーム周期と同一の周期で更新されることに対応した動画像データにおけるコマ数の1/3であればよい。
マルチCの動画像表示パターンに対応して設けられた演出制御パターンでは、動画像表示制御パターンにて動画像C1の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、図51(A)に示すようなタイミングT01〜T20のうち、タイミングT01、T05、…、T17のリフレッシュタイミングにて動画像C1の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。この動画像表示制御パターンでは、動画像C2の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、タイミングT02、T06、…、T18のリフレッシュタイミングにて動画像C2の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定するとともに、動画像C3の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、タイミングT03、T07、…、T19のリフレッシュタイミングにて動画像C3の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。さらに、動画像C4の展開タイミングに対応するタイマ判定値を、タイミングT04、T08、…、T20のリフレッシュタイミングにて動画像C4の更新が可能となる演出制御プロセスタイマ値に設定する。これにより、動画像C1の表示用データと、動画像C2の表示用データと、動画像C3の表示用データと、動画像C4の表示用データとを、画像表示装置5の画像フレーム周期が経過したことに対応して、例えば図51(D)に示すような順番でフレームバッファメモリ157に書き込む。
このとき、例えば動画像C1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第1書込周期とし、動画像C2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期を第2書込周期とすれば、第1書込周期と第2書込周期はいずれも、画像表示装置5における画像フレーム周期の4倍となる同一時間長を有している。そして、画像フレーム周期の経過に対応して第1書込周期が経過したときには、動画像C1の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。その後、第1書込周期が経過した次のフレーム周期にて経過する第2書込周期が経過したときには、動画像C2の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。これにより、図51(A)に示すリフレッシュタイミングT01では動画像C1の表示が更新され、リフレッシュタイミングT02では動画像C2の表示が更新され、リフレッシュタイミングT03では動画像C3の表示が更新され、リフレッシュタイミングT04では動画像C4の表示が更新されるといったように、画像表示装置5における画像フレーム周期に比べて4倍の周期で、各動画像C1〜C4の表示が更新されることになる。この場合、各動画像C1〜C4に対応した動画像データは、画像表示装置5における画像フレーム周期に比べて4倍の周期で更新されることに対応したフレーム数を有するものであればよい。例えば、画像表示装置5の画像フレーム周期が1/60秒である場合に、各動画像C1〜C4に対応した動画像データは、1/15秒の周期で更新されることに対応したフレーム数を有していればよい。そのため、各動画像C1〜C4に対応した動画像データにおけるコマ数は、画像表示装置5の画像フレーム周期と同一の周期で更新されることに対応した動画像データにおけるコマ数の1/4であればよい。
このように、マルチA〜マルチCの動画像表示パターンでは、例えば画像表示装置5の表示画面上にて再生表示される動画像の総数(ストリーム数)に対応して、複数種類の動画像データに対応して作成される複数種類の表示用データのうち第1動画像データ(例えばマルチA、マルチB、マルチCのそれぞれにおける動画像A1、動画像B1、動画像C1の動画像データなど)に対応した表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期である第1書込周期と、第2動画像データ(例えばマルチA、マルチB、マルチCのそれぞれにおける動画像A2、動画像B2、動画像C2の動画像データなど)に対応した表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込む周期である第2書込周期とが、いずれも画像表示装置5における画像フレーム周期の整数倍となる同一時間長を有することになる。
図50に示すステップST23にてリーチ演出の終了タイミングであると判定された場合には(ステップST23;Yes)、マルチビューを終了するための指令や設定を行う(ステップST24)。例えば、CPU131は、演出制御パターンに含まれる動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データに従って作成したマルチビュー終了指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(図40のステップS444)。表示制御部121のVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されたマルチビュー終了指令を受信したことに応じて、例えば表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率を、パチンコ遊技機1における表示設定に対応したスプライト画像の表示を行う際にフレームバッファメモリ157に記憶させる表示用データのサイズから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を可能にする倍率に設定する。また、VDP141と画像データメモリ142との間を接続するデータバスのバス幅を、スプライト画像の表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定する。加えて、チップセレクトの設定をCS#0として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、スプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2からスプライト画像データを読み出すことができるように設定する。
図50に示すステップST24の処理を実行した後には、可変表示期間が経過したことに対応して、画像表示装置5の表示画面上にて確定飾り図柄を導出表示させる(ステップST25)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御パターンに含まれる画像要素表示制御パターンから読み出した画像要素表示制御データに従った固定アドレス指定転送指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(図39のステップS426)。表示制御部121のVDP141では、例えば描画回路155が演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された固定アドレス指定転送指令に示された画像データを一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出して、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させることなどにより(図43のステップS621〜S625)、確定飾り図柄を示す演出画像を画像表示装置5の表示画面上における所定の表示位置(表示座標)に停止表示させる。
以上のようなステップST11〜ST24の処理による演出動作の一例として、飾り図柄の可変表示態様が大当り組合せを構成して仮停止表示された後、飾り図柄の可変表示結果が確定表示されるまでの所定期間にて、図52(A)〜(D)に示すような演出動作が行われる。この演出動作例では、図52(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面における「上」、「中」、「下」の各可変表示部では、それらの外部に掛かる表示位置AR1にて、大当り組合せを構成する「7」の英数字を示す同一の飾り図柄が仮停止表示されて、飾り図柄の一部が「上」、「中」、「下」の各可変表示部の枠外にありながら所定態様となる。このとき、図39に示すステップS426やステップS430の処理で一部が表示領域の枠外となる飾り図柄を示す画像要素に対応する固定アドレス指定転送指令や自動転送指令では、表示領域の枠外となる飾り図柄の部分については、フレームバッファメモリ157における書込アドレスの指定を行わず、表示用データがフレームバッファメモリ157に書き込まれないようにしてもよい。あるいは、表示領域の枠外となる飾り図柄の部分については、フレームバッファメモリ157における無効な書込アドレスや、画像表示装置5の表示画面に含まれない仮想表示領域の書込アドレスが指定されるようにしてもよい。例えばフレームバッファメモリ157の仮想表示領域に記憶された表示用データは、表示回路158によって読み出されないことから、その表示用データに対応する演出画像の表示が行われない。また、図39に示すステップS430の処理で一部が表示領域の枠外となる飾り図柄の部分については、画像データメモリ142における読出アドレスの指定を行わず、画像データが画像データメモリ142から読み出されないようにしてもよい。このような飾り図柄の可変表示態様に基づき、図50に示すステップST21の処理における指令や設定に対応して、「スライド板進出」の演出動作が開始される。
このとき、図50に示すステップST22の処理における指令や設定に対応して、画像表示装置5の表示画面上では、例えば図52(B)や図52(C)に示すように、手形模型51やスライド板52の移動動作に連動して、「7」の英数字を示す飾り図柄が表示画面の中央に向けて押し出されるような演出画像が表示される。また、例えば図52(C)に示すように、スライド板52に設けられた透光部52Aに対応する画像表示装置5の表示位置では、キャラクタC01を示す演出画像が表示される。その一方で、スライド板52に設けられた透光部52Bに対応する画像表示装置5の表示位置では、キャラクタC02を示す演出画像が表示される。こうして、透光予告A−3の予告パターンに応じた予告演出が行われる。加えて、図50に示すステップST17やステップST19の処理における指令や設定に対応して、画像表示装置5の表示画面上にて2つに分割された表示領域では、動画像A1と動画像A2の再生表示が行われる。
その後、図50に示すステップST21の処理における指令や設定に対応して、スライド板用モータ50の駆動力により手形模型51やスライド板52を退避時の位置に戻す移動動作が行われる。また、図50に示すステップST23の処理にてリーチ演出の終了タイミングであると判定されたことに基づくステップST24の処理における指令や設定に対応して、動画像A1と動画像A2の再生表示を終了させる。こうして、例えば図52(D)に示すように、大当り組合せといった所定態様となっていた飾り図柄を画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部の外部に掛からない表示位置に移動させてから、飾り図柄の可変表示結果を導出表示する。
図9(D)に示すように、スーパーBの可変表示パターンでは、演出動作として「スライド板進出」、「拡大表示」、「透光予告」が行われる。演出制御用マイクロコンピュータ120では、主基板11から伝送されて受信した可変表示開始コマンドにてスーパーBの可変表示パターンが示されていることなどに対応して、CPU131が図36に示すステップS328の処理にて、図18(A)に示す演出制御パターンテーブル240に格納されたスーパーB−01、スーパーB−02、…といったスーパーB演出制御パターンのいずれかを設定する。図53は、こうして設定されたスーパーB演出制御パターンに基づき、透光予告A−4の予告パターンにより予告演出を行う場合における処理内容の一例を示すフローチャートである。
図53のフローチャートに示す処理では、まず、図50に示すステップST11の処理と同様にして、画像表示装置5における「上」、「中」、「下」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示を開始させ(ステップST31)、図50に示すステップST12の処理と同様にして、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるより前の期間における飾り図柄の可変表示に応じた演出動作が行われる(ステップST32)。その後、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことに対応して、図50に示すステップST13の処理と同様に、リーチ演出を開始する(ステップST33)。
続いて、CPU131は、画像表示装置5の表示画面上において所定の飾り図柄を示す演出画像を拡大して表示するための指令や設定を行う(ステップST34)。例えば、CPU131は、演出制御パターンに含まれる画像要素表示制御パターンから読み出した画像要素表示制御データを参照することにより拡大表示があると判定したことに対応して(図38のステップS409;Yes)、その画像要素表示制御データに従って作成した拡大表示設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS410)。表示制御部121のVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された拡大表示設定指令を受信したことに応じて、例えば表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率を、演出画像の拡大表示を行う際にフレームバッファメモリ157に記憶されるSVGAモードのサイズを有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を可能にする倍率に設定する。また、VDP141と画像データメモリ142との間を接続するデータバスのバス幅を、スプライト画像の拡大表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定する。加えて、チップセレクトの設定をCS#0として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、スプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2からスプライト画像データを読み出すことができるように設定する。
図53に示すステップST34の処理を実行した後には、図50に示すステップST20の処理と同様にして、スライド板用モータ50の制御タイミングとなったか否かを判定する(ステップST35)。そして、モータの制御タイミングであると判定された場合には(ステップST35;Yes)、図50に示すステップS21の処理と同様に、スライド板用モータ50の駆動制御を行うための指令や設定を行う(ステップST36)。ステップST35の処理にてモータの制御タイミングではないと判定された場合や(ステップST35;No)、ステップST36の処理を実行した後には、図50に示すステップST22の処理と同様にして、各種の演出動作を制御するための指令や設定を行う(ステップST37)。なお、ステップST37の処理では、拡大表示される画像要素を示す画像データの読み出しを指示するためにCPU131が図39に示すステップS430の処理で伝送させる自動転送指令などにて、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aに記憶されたSVGA用のスプライト画像データSP01−01〜SP01−XXのいずれかを指定することで、演出画像を拡大表示する際に使用する画像データの画素数に関する設定を、拡大表示が行われないときとは異なる設定に変更するようにすればよい。
ステップST37の処理に続いて、拡大表示によるリーチ演出の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップST38)。なお、ステップST38の処理は、例えばCPU131が図38に示すステップS409の処理にて、演出制御パターンに含まれる画像要素表示制御パターンから読み出した画像要素表示制御データを参照することなどにより、拡大表示がないと判定することなどに対応する。
ステップST38にてリーチ演出の終了タイミングではないと判定された場合には(ステップST38;No)、ステップST35の処理に戻る。これに対して、リーチ演出の終了タイミングであると判定された場合には(ステップST38;Yes)、拡大表示を終了するための指令や設定を行う(ステップST39)。例えば、CPU131は、図38に示すステップS409の処理にて拡大表示がないと判定したことに対応して、演出制御パターンに含まれる画像要素表示制御パターンから読み出した画像要素表示制御データに基づき、マルチビュー終了指令と同様の表示制御指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させればよい。表示制御部121のVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された表示制御指令を受信したことに応じて、例えば表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率を、パチンコ遊技機1における表示設定に対応したスプライト画像の表示を行う際にフレームバッファメモリ157に記憶させる表示用データのサイズから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を可能にする倍率に設定すればよい。図53に示すステップST39の処理を実行した後には、可変表示期間が経過したことに対応して、図50に示すステップS25の処理と同様に、画像表示装置5の表示画面上にて確定飾り図柄を導出表示させる(ステップST40)。
以上のようなステップST31〜ST40の処理による演出動作の一例として、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなった後に、飾り図柄の可変表示結果が確定表示されるまでの所定期間にて、図54(A)〜(E)に示すような演出動作が行われる。この演出動作例では、図54(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面における「上」と「下」の可変表示部では、それらの外部に掛かる表示位置AR1にて、「7」の英数字を示す同一の飾り図柄が仮停止表示されてリーチが成立することで、飾り図柄の一部が「上」と「下」の可変表示部の枠外にありながら所定態様となる。このような飾り図柄の可変表示態様に基づき、図53に示すステップST36の処理における指令や設定に対応して、「スライド板進出」の演出動作が開始される。
このとき、図53に示すステップST34やステップST37の処理における指令や設定に対応して、画像表示装置5の表示画面上では、例えば図54(B)〜(D)に示すように、「中」の可変表示部にて可変表示される飾り図柄の拡大表示が行われる。すなわち、図54(B)に示すように、「6」の英数字を示す飾り図柄が「中」の可変表示部で停止することを示す演出画像を表示した後、図54(C)に示すように、スライド板52が進出時の位置に向けてスライドする移動動作に連動して「6」の英数字を示す飾り図柄が破裂する様子を示す演出画像を表示する。そして、図54(D)に示すように、「7」の英数字を示す飾り図柄が「中」の可変表示部に出現する様子を示す演出画像を表示する。
また、スライド板52の移動動作と連動して、スライド板52に設けられた透光部52Aに対応する画像表示装置5の表示位置では、キャラクタC01を示す演出画像が表示される一方で、スライド板52に設けられた透光部52Bに対応する画像表示装置5の表示位置では、キャラクタC02を示す演出画像が表示される。その後、スライド板52が進出時の位置に来たときには、例えば図54(C)に示すように、透光部52A、52Bに対応する表示位置をフラッシュさせるような演出画像を表示するといった、透光予告A−4の予告パターンに応じた予告演出が行われる。
その後、図53に示すステップST36の処理における指令や設定に対応して、スライド板用モータ50の駆動力により手形模型51やスライド板52を退避時の位置に戻す移動動作が行われる。また、図53に示すステップST38の処理にてリーチ演出の終了タイミングであると判定されたことに基づくステップST39の処理における指令や設定に対応して、飾り図柄の拡大表示を終了させる。こうして、例えば図54(E)に示すように、リーチといった所定態様となっていた飾り図柄を画像表示装置5における「上」と「下」の可変表示部の外部に掛からない表示位置に移動させてから、飾り図柄の可変表示結果を導出表示する。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、例えば図50に示すステップST21の処理や図53に示すステップST36の処理における指令や設定により、可動演出装置60に設けられたスライド板52を、図3(A)や図4(A)に示すような退避時の位置と図3(B)や図4(B)に示すような進出時の位置との間で移動させる「スライド板進出」の演出動作を行う。そして、例えば図50に示すステップST22の処理や図53に示すステップST37の処理における指令や設定により、スライド板52の移動動作と連動する飾り図柄の演出表示を行う。そして、例えば大当り組合せやリーチといった所定態様となった飾り図柄を画像表示装置5における表示領域の外部に掛からない表示位置に移動させてから、飾り図柄の可変表示結果を導出表示する。これにより、可動演出装置60に設けられた手形模型51やスライド板52の動作により飾り図柄の可変表示における演出効果を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、例えば図50に示すステップST22の処理や図53に示すステップST37の処理における指令や設定では、スライド板52に設けられた透光部52A、52Bに対応する画像表示装置5の表示位置に、キャラクタC01やキャラクタC02を示す演出画像を表示することで、透光性を有する透光部52A、52Bの移動に対応する演出画像が、画像表示装置5において透光部52A、52Bと重なる位置に表示される。これにより、画像表示装置5に表示する演出画像により可動演出装置60に設けられたスライド板52を用いた演出動作における演出態様を変化させて演出効果を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
可動演出装置60では、手形模型51やスライド板52が、例えば図3(B)や図4(B)に示すような進出時の位置といった視認可能な位置と、例えば図3(A)や図4(A)に示すような退避時の位置といった視認不可能な位置との間で、スライドして往来可能となるように構成されている。このように、手形模型51やスライド板52が視認不可能な位置に移動できれば、例えば「スライド板進出」といった手形模型51やスライド板52を用いた演出動作が行われないときに、手形模型51やスライド板52が他の演出動作(例えば画像表示装置5における演出画像の表示動作)の妨げとなることを防止できる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131や表示制御部121のVDP141は、例えば図50に示すステップST16〜ST19の処理を、ステップST23の処理にてリーチ演出の終了タイミングであると判定されるまで繰り返し実行することにより、画像表示装置5における画像フレーム周期の経過に対応して、画像データメモリ142から読み出される動画像データごとに作成される複数種類の表示用データを所定の順番でフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させ、画像表示装置5の表示画面上に設けられた複数の表示領域ごとに異なる複数種類の動画像を表示させることができる。これにより、画像表示装置5における画像フレーム周期が経過するごとに、複数種類の動画像データごとに作成される複数種類の表示用データをすべてフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる場合に比べて、動画像の表示に要する処理負担を軽減することができ、動画像を表示する演出の欠落を防止することができる。また、複数種類の動画像を表示させるための動画像データは、表示用データが作成されるタイミングに対応したコマ数を有するものを用意すればよいので、データ容量を低減することができる。
画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aには、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードの画素数に比べて少ない画素数に対応した画像データとして、SVGA用のスプライト画像データSP01−01〜SP01−XXや、VGA用のスプライト画像データSP02−01〜SP02−XXが記憶されている。そして、例えば図53に示すステップST33の処理にてリーチ演出を開始したことに対応してステップST34の処理で拡大表示の設定を行う場合のように、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことなどの予め定められた画像切替条件が成立したときには、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が図38に示すステップS410の処理で表示制御部121のVDP141に対して拡大表示設定指令を伝送させることなどにより、表示回路158のスケーラ回路における拡大率の設定を変更させる。また、ステップS410の処理を実行した後には、例えば図39に示すステップS430の処理で伝送させる自動転送指令での設定などに基づき、画像データメモリ142から読み出す画像データを、スプライト画像データエリア142Aに記憶されたVGA用のスプライト画像データSP02−01〜SP02−XXから、SVGA用のスプライト画像データSP01−01〜SP01−XXに変更する。
また、図35に示すステップS301の処理で表示設定変更条件が成立したと判定されたときにも、ステップS302の処理で表示制御部121のVDP141に対して拡大表示設定指令を伝送させることなどにより、表示回路158のスケーラ回路における拡大率の設定を変更させる。そして、ステップS301の処理で表示設定変更条件が成立したことに対応してステップS305にて事前転送指令処理を実行する場合には、図32に示すステップS141の処理にて、図17(B)に示す表示設定変更用の事前転送設定テーブル230Bをセットすることで、SVGA用のスプライト画像データSP01−01〜SP01−XXのうちから、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送するものを指定する。これに対して、図30に示すステップS53にて事前転送指令処理を実行する場合や、図35に示すステップS303の処理で表示設定初期化条件が成立したことに対応してステップS305にて事前転送指令処理を実行する場合には、図32に示すステップS141の処理にて、図17(B)に示す初期設定用の事前転送設定テーブル230Aをセットすることで、VGA用のスプライト画像データSP02−01〜SP02−XXのうちから、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送するものを指定する。
このように、画像表示装置5の表示画面における画素総数より少ない画素数の画像データを使用することで、画像表示装置5の表示画面における画素総数と同じ画素数の画像データを画像データメモリ142に記憶させて演出画像の表示に使用する場合に比べてデータ容量が減少することから、画像データメモリ142における記憶容量を低減することができる。また、例えばVDP141の描画回路155がフレームバッファメモリ157に書き込む表示用データのデータ容量も、例えばXGAモードに対応した表示用データに比べればSVGAモードやVGAモードに対応した表示用データの方が小さくなることから、表示用データを作成する処理負担の増大を防止することができる。そして、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることや、表示設定変更条件が成立したことといった、所定の画像切替条件が成立したことにより拡大率の設定や画像データの画素数に関する設定などを変更させることで、拡大表示が行われるか否かの設定に応じて適切な拡大率と画像データによる演出画像の表示が可能になり、画像表示による演出効果を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
図50に示すステップST14の処理における指令や設定では、例えばCPU131が図40に示すステップS442の処理にてマルチビュー設定指令を伝送させることで、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅が、第2のバス幅として予め定められた32ビットに変更される。これに伴い、チップセレクトの設定をCS#1として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、動画像用のメモリチップ142−3から動画像データを読み出すように設定される。これに対して、図50に示すステップST24の処理における指令や設定では、例えばCPU131が図40に示すステップS444の処理にてマルチビュー終了指令を伝送させることで、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅が、第1のバス幅として予め定められた64ビットに変更される。これに伴い、チップセレクトの設定をCS#0として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、スプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2からスプライト画像データを読み出すように設定される。
このように、スプライト画像データを使用して画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させる場合には、画像データメモリ142からスプライト画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅として予め定められた64ビットとする。その一方で、動画像データを使用して画像表示装置5の表示画面上に演出画像として動画像を再生表示させる場合には、画像データメモリ142から動画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅より狭い(ビット数が少ない)第2のバス幅として予め定められた32ビットとする。ここで、例えばスプライト画像データを使用して表示用データを作成する際には、動画像データのようなデコード処理が不要であることなどの理由により、動画像データに比べてVDP141での処理速度(表示用データの作成速度)が高速になる。こうした高速な処理が可能となるスプライト画像データを画像データメモリ142から読み出す場合には、動画像データのようにVDP141での処理負担が増大して比較的に低速な処理となる画像データを読み出す場合に比べて、広い(ビット数の多い)データバス幅で画像データメモリ142からの読み出しを行えるようにすることで、VDP141における処理効率を向上させることができる。
また、画像データを読み出す際のバス幅を変更可能とすることにより、以下のように、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。すなわち、バス幅の変更ができない場合には、そのバス幅に対応したメモリチップを用意しなければならなくなり、例えば画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、増大させる記憶容量に見合ったメモリチップを用意することが困難になり、例えば特注品となることなどにより、製造コストが過剰に増大することがある。これに対して、バス幅を変更可能とすれば、変更可能ないずれかのバス幅に対応したメモリチップを用意すればよいので、例えば画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、増大させる記憶容量に見合ったメモリチップを用意しやすくなり、製造コストの増大を抑制することができる。このように、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を複数種類のバス幅のうちいずれかに設定できるようにすることで、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際に用意すべきメモリチップの柔軟性を高めて、製造コストの増大を抑制することができる。 さらに、例えば図23に示すような画像データメモリ142に設けられたメモリチップ142−1〜142−3が、いずれも同一の記憶容量(例えば1ギガビット)を有しているものとする。この場合、画像データメモリ142に接続されたデータバスを常に最大のバス幅(例えば64ビット)に設定する場合には、例えばチップセレクト信号CS#0がオン状態となることによりメモリチップ142−1とメモリチップ142−2から画像データが読み出されるといったように、2個のメモリチップから画像データが読み出されることになる。したがって、画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、例えば各メモリチップ142−1〜142−3と同一の記憶容量を有するメモリチップを、2個ずつ増設していかなければならなくなる。そのため、画像データメモリ142に記憶させる画像データのデータ容量が画像データメモリ142における記憶容量を僅かに超えただけでも、少なくとも2個のメモリチップを増設する必要があり、記憶容量を変更する際の柔軟性に欠ける。ここで、メモリチップ142−1、142−2に代えて、データバスが最大のバス幅(例えば64ビット)を有し、メモリチップ142−3の記憶容量に比べて大きな記憶容量(例えばメモリチップ142−3に比べて2倍の記憶容量)を有する1つのメモリチップを用いた場合にも、画像データのデータ容量が僅かに超過した場合に、大きな記憶容量を有するメモリチップを増設する必要があり、記憶容量を変更する際の柔軟性に欠ける。
これに対して、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、最大のバス幅よりも少ないバス幅(例えば32ビット)にも設定可能とする場合には、例えばチップセレクト信号CS#1がオン状態となることによりメモリチップ142−3のみから画像データが読み出されるといったように、1個のメモリチップから画像データを読み出すことができればよい。したがって、画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、例えば各メモリチップ142−1〜142−3と同一の記憶容量を有するメモリチップを、1個ずつ増設していくことができる。このように、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を複数種類のバス幅のうちいずれかに設定できるようにすることで、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。
加えて、データバスが最大のバス幅よりも少ないバス幅(例えば32ビット)を有するメモリチップ142−3に動画像データを記憶させ、その少ないバス幅で動画像データを読み出すようにすれば、例えばメモリチップ142−1、142−2の双方に動画像データを記憶させて最大のバス幅で読み出す場合に比べて、記憶容量を柔軟に変更することができるので、画像データメモリ142の使用効率を向上させることができる。
また、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうちで、対応する演出画像の表示頻度が所要の画像データに対応した演出画像の表示頻度に比べて高くなるように設定された画像データについては、例えば事前転送設定テーブル230に読出アドレス、書込アドレス、データ量を示すテーブルデータが格納され、CPU131が図30に示すステップS53や図35に示すステップS305にて事前転送指令処理を実行することで、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと転送するよう指令される。この指令に応じて、表示制御部121のVDP141では、転送制御回路152が図41に示すステップS605の事前転送処理を実行することにより、画像データメモリ142から画像データを読み出して固定アドレスエリア156Aに転送する。そして、CPU131が図39に示すステップS426の処理にて固定アドレス指定転送指令を伝送させたときには、VDP141の描画回路155が図45に示すステップS703の固定アドレス指定描画処理を実行することにより、固定アドレスエリア156Aにおける読出アドレスから読み出した画像データに基づきフレームバッファメモリ157における書込アドレスに表示用データを書き込んで記憶させる。これにより、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データについては、一時記憶メモリ156に事前に記憶されているデータを容易に再利用することができ、画像データメモリ142から毎回読み出す必要がなくなるので、演出表示における制御負担を軽減することができる。
これに対して、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうちで、対応する演出画像の表示頻度が低くなるように設定された画像データについては、CPU131が図39に示すステップS430の処理にて自動転送指令を伝送させたときに、VDP141の転送制御回路152が図41に示すステップS607の自動転送制御処理を実行することにより、画像データメモリ142から画像データを読み出して可変アドレスエリア156Bに転送する。続いて、VDP141の描画回路155が図45に示すステップS705の自動転送描画処理を実行することにより、可変アドレスエリア156Bにおける読出アドレスから読み出した画像データに基づきフレームバッファメモリ157における書込アドレスに表示用データを書き込んで記憶させる。これにより、画像表示装置5における表示頻度が低くなるように設定された画像データについては、画像データメモリ142における読出アドレスと、フレームバッファメモリ157における書込アドレスを指定することで、可変アドレスエリア156Bにおける記憶アドレスを指定しなくても表示用データの作成に利用することができ、アドレス管理が容易になるとともに、プログラム設計の負担を軽減することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、手形模型51やスライド板52は、画像表示装置5における表示画面の右側に配置された退避時の位置と画像表示装置5における表示画面の前面に配置された進出時の位置との間で、スライド可能に移動してもよい。あるいは、手形模型51やスライド板52は、画像表示装置5における表示画面の左右両側に配置された退避時の位置と画像表示装置5における表示画面の前面に配置された進出時の位置との間で、スライド可能に移動してもよい。さらに、手形模型51やスライド板52は、画像表示装置5における表示画面の上側と下側のいずれか一方もしくは両側に設けられた退避時の位置と画像表示装置5における表示画面の前面に配置された進出時の位置との間で、スライド可能に移動してもよい。
上記実施の形態では、「スライド板進出」の演出動作として、画像表示装置5の表示画面における「上」、「中」、「下」の可変表示部で外部に掛かる表示位置AR1にて、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことや、大当り組合せの飾り図柄が仮停止表示されたことに基づき、可動演出装置60が備えるスライド板52を退避時の位置と進出時の位置との間で移動させる動作と連動して飾り図柄を示す演出画像による所定の演出表示を行い、リーチや大当り組合せを構成する飾り図柄を画像表示装置5の表示画面における「上」、「中」、「下」の可変表示部で外部に掛からない表示位置に移動させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、一例として、画像表示装置5の表示画面における「中」と「下」の可変表示部で図2に示す外部には掛からない所定位置(例えば組合せ有効ラインL2上の位置)に同一の飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)を仮停止表示する一方で、「上」の可変表示部では外部に掛かる表示位置AR1にて、外部には掛からない所定位置(例えば組合せ有効ラインL2上の位置)で停止すれば大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されたことに基づき、スライド板52を退避時の位置と進出時の位置との間で移動させる動作と連動して「上」の可変表示部で表示位置AR1に仮停止表示された飾り図柄を示す演出画像による所定の演出表示を行うことで、「上」、「中」、「下」の可変表示部のうち「上」の可変表示部で仮停止表示された一部の飾り図柄のみを画像表示装置5の表示画面における「上」の可変表示部で外部には掛からない表示位置(例えば組合せ有効ラインL2上の位置)に移動させるようにしてもよい。他の一例として、画像表示装置5の表示画面における「中」と「下」の可変表示部で図2に示す外部には掛からない所定位置(例えば組合せ有効ラインL2上の位置)に異なる飾り図柄(例えば「中」の可変表示部には「6」の英数字を示す飾り図柄、「下」の可変表示部には「7」の英数字を示す飾り図柄)を仮停止表示する一方で、「上」の可変表示部では外部に掛かる表示位置AR1にて、外部には掛からない所定位置(例えば組合せ有効ラインL2上の位置)で停止すればリーチを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されたことに基づき、スライド板52を退避時の位置と進出時の位置との間で移動させる動作と連動して「上」の可変表示部で表示位置AR1に仮停止表示された飾り図柄を示す演出画像による所定の演出表示を行うことで、「上」、「中」、「下」の可変表示部のうち「上」の可変表示部で仮停止表示された一部の飾り図柄のみを画像表示装置5の表示画面における「上」の可変表示部で外部には掛からない表示位置(例えば組合せ有効ラインL2上の位置)に移動させ、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるようにしてもよい。この後、例えば「中」の可変表示部で仮停止表示されていた飾り図柄を再び変動させる再変動表示を行うことにより、飾り図柄の可変表示が終了していないことを認識可能に報知してから、各種のリーチ演出表示が行われるようにすればよい。
「スライド板進出」の演出動作とは異なる「手形模型揺動」の演出動作として、例えば画像表示装置5の表示画面における表示領域の外部に掛かる表示位置AR1にて、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことや、大当り組合せの飾り図柄が仮停止表示されたことのように、飾り図柄の一部が表示領域の枠外にありながら所定態様となったことに基づき、可動演出装置60が備えるスライド板52は図3(A)や図4(A)に示すような退避時の位置に維持する一方で、可動演出装置60が備えるスライド板52とは異なる手形模型51を、図3(A)や図4(A)に示すような退避時の位置と図3(C)や図4(C)に示すような手形模型後退時の位置との間で移動させ、この手形模型51の移動動作と連動して、飾り図柄を示す演出画像による所定の表示演出を行い、所定態様となった飾り図柄を画像表示装置5の表示画面における表示領域内の所定位置に移動させる演出動作を行ってから、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示するようにしてもよい。
上記実施の形態では、画像表示装置5の表示画面における表示領域の外部に掛かる表示位置AR1にて、飾り図柄の一部が画像表示装置5の表示画面における表示領域の枠外(非表示領域)にありながら所定態様となったことに基づき、「スライド板進出」の演出動作が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、画像表示装置5の表示画面内で予め定めた第1の表示領域の外部に掛かり表示画面内には含まれる第2の表示領域にて、飾り図柄の一部が第1の表示領域の外にありながら所定態様となったことに基づき、「スライド板進出」の演出動作が行われるようにしてもよい。一例として、図2に示す組合せ有効ラインL2上に停止表示される飾り図柄の全部を含めることができる「上」、「中」、「下」の各可変表示部における表示領域を、第1の表示領域として予め定めておく。そして、図2に示す組合せ有効ラインL1上にて、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったときや、大当り組合せの飾り図柄が仮停止表示されたときには、その組合せ有効ラインL1上で表示された飾り図柄の一部が、第1の表示領域に含まれることがある。そこで、このような組合せ有効ラインL1上に表示される飾り図柄の全部が含まれる「上」、「中」、「下」の各可変表示部における表示領域を第2の表示領域とすれば、組合せ有効ラインL1上にて飾り図柄が所定態様となったときには、第1の表示領域の外部に掛かる表示画面内に含まれる第2の表示領域にて、飾り図柄の一部が第1の表示領域の外にありながら所定態様となる。このように、組合せ有効ラインL1上にて飾り図柄が所定態様となったことに基づいて「スライド板進出」の演出動作を行い、所定態様となった飾り図柄を、組合せ有効ラインL2上といった、第1の表示領域で外部に掛からない所定位置に移動させてから、飾り図柄の可変表示結果を導出表示するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図35に示すステップS301の処理で表示設定変更条件が成立したことに対応してステップS305にて事前転送指令処理を実行する場合には、図32に示すステップS141の処理にて、図17(B)に示す表示設定変更用の事前転送設定テーブル230Bをセットすることで、SVGA用のスプライト画像データSP01−01〜SP01−XXのうちから、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送するものを指定する。他方、図30に示すステップS53にて事前転送指令処理を実行する場合や、図35に示すステップS303の処理で表示設定初期化条件が成立したことに対応してステップS305にて事前転送指令処理を実行する場合には、図32に示すステップS141の処理にて、図17(B)に示す初期設定用の事前転送設定テーブル230Aをセットすることで、VGA用のスプライト画像データSP02−01〜SP02−XXのうちから、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送するものを指定する。
しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば所定の表示設定変更条件が成立したときには、VGA用のスプライト画像データSP02−01〜SP02−XXのうちから、固定アドレスエリア156Aに転送するものを指定する一方で、演出制御基板12への電源供給が開始されるときや、表示設定初期化条件が成立したときには、SVGA用のスプライト画像データSP01−01〜SP01−XXのうちから、固定アドレスエリア156Aに転送するものを指定してもよい。そして、表示設定変更条件としては、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態に移行したことが予め定められ、表示設定初期化条件としては、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態へと移行したことが予め定められていればよい。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態は、確変遊技状態などの特別遊技状態に制御されている期間に比べて、通常遊技状態に制御されている期間の方が長くなり、通常遊技状態にて特別図柄や飾り図柄の可変表示が数多く実行されるのが通常である。そこで、パチンコ遊技機1が通常遊技状態であるときには、SVGA用のスプライト画像データを使用して画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させることで、画素数の多い画像データを使用して表示頻度が高い演出画像を表示させることができ、高画質の画像が表示される割合を高めて画像表示による演出効果を向上させることができる。
あるいは、例えば、飾り図柄の可変表示態様が通常ハズレやノーマルリーチとなる場合には、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、SVGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるような拡大率に設定する。そして、画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、SVGAモードに対応した画像データを使用する。これに対して、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチとなる場合などには、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、VGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるような拡大率に設定する。そして、画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、VGAモードに対応した画像データを使用する。ここで、パチンコ遊技機1では、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチとなる場合などに比べて、通常ハズレやノーマルリーチとなる場合の方が多くなるのが通常である。そこで、通常ハズレやリーチハズレとなる場合には、SVGAモードに対応した画像データを使用して画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させることで、画素数の多い画像データを使用して表示頻度が高い演出画像を表示させることができ、高画質の画像が表示される割合を高めて画像表示による演出効果を向上させることができる。
例えば図3(B)や図4(B)に示すようにスライド板52が進出時の位置に来て画像表示装置5における表示領域の少なくとも一部が遮蔽されるときには、画像表示装置5の表示画面上にて遮蔽されていない表示領域が、VGAモードのサイズを有するようにしてもよい。この場合、スライド板52が進出時の位置に来て表示領域の少なくとも一部が遮蔽される期間では、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、VGAモードのサイズを有する表示用データをそのままピクセルデータとして用いるような拡大率(例えば「1」)に設定する。そして、画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、VGAモードに対応した画像データを使用する。これに対して、例えば図3(A)や図4(A)に示すようにスライド板52が退避時の位置にあり画像表示装置5における表示領域の全体を視認できる期間では、例えばCPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して拡大表示設定指令を送信することなどにより、表示回路158が備えるスケーラ回路における拡大率を、SVGAモードのサイズを有する表示用データから、XGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるような拡大率に設定する。そして、画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させるための画像データとして、SVGAモードに対応した画像データを使用する。このようにして、スライド板52により表示領域の一部を遮蔽する動作の切替えに対応して、拡大率の設定や使用する画像データの画素数に関する設定を切り替えるようにしてもよい。
上記実施の形態では、VDP141がスプライト画像データを画像データメモリ142から読み出す場合には、その画像データのサイズ(画素数)に関係なく、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅である64ビットに設定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、画像データメモリ142から読み出すスプライト画像データのサイズ(画素数)に応じて、データバスのバス幅を切り替えるようにしてもよい。例えば、SVGA用のスプライト画像データSP01−01〜SP01−XXを使用する場合には、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅である64ビットに設定する。これに対して、VGA用のスプライト画像データSP02−01〜SP02−XXを使用する場合には、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、第2のバス幅である32ビットに設定する。ここで、VGAモードのサイズを有する1フレーム分の表示用データを作成する場合には、SVGAモードのサイズを有する1フレーム分の表示用データを作成する場合に比べて、使用される画像データのデータ量が少なく、画像データメモリ142から転送される画像データのデータ量も少ない。そのため、VGAモードのようにSVGAモードに比べて少ない画素数を有する表示用データを作成する際には、画像データメモリ142から画像データを読み出すときのバス幅を、多くの画素数を有する表示用データを作成する際に比べて狭く(少ないビット数)なるように設定しても、VDP141にて画像データを問題なく処理することができる。そこで、少ない画素数を有する表示用データを作成する際には、多くの画素数を有する表示用データを作成する場合に比べてバス幅を狭くすることで、最適な構成と処理速度で画像データを処理することができる。また、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。
上記実施の形態では、図37に示すステップS341の処理で更新した演出制御プロセスタイマ値に対応してステップS343の処理で読み出された制御データに応じた指令や設定を、ステップS345の演出制御指令処理にて実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばステップS345の演出制御指令処理では、表示制御部121のVDP141から伝送される各種の信号に対応した指令や処理が行われるようにしてもよい。一例として、VDP141からのVブランク割込み信号を受信したことに対応して、次回のフレームにて表示する演出画像に対応した画像データを読み出すための指令(例えば自動転送指令や固定アドレス指定転送指令など)を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信してもよい。また、VDP141からのイベント割込み信号を受信したことに対応して、次回のフレームにて再生表示する動画像のデコードを指示する動画像デコード指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信してもよい。このようにVDP141から伝送される信号に対応した指令を行う場合、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、例えば図39のステップS426、S430、あるいは、図40のステップS449にて、表示制御部121のVDP141に対して伝送するものとして特定された表示制御指令を、送信可能にセットしておく。その後、VDP141からVブランク割込み信号やイベント割込み信号といった所定の信号を受信するまで待機する。このとき、VDP141からの受信信号がなく所定の信号待ち時間が経過した場合には、所定のエラー処理を実行する。これに対して、信号待ち時間が経過する以前に受信信号があった場合には、先にセットしておいた表示制御指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させればよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12が表示制御部121や音制御部122、ランプ制御部123、モータ駆動回路124を備えて、演出制御基板12の制御下にて、画像表示装置5における表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9等の点灯/消灯動作、可動演出装置60における手形模型51やスライド板52の移動動作などを制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板12とは別個にマイクロコンピュータが搭載された表示制御基板を設け、その表示制御基板に表示制御部121が搭載されるようにしてもよい。この場合、表示制御基板では、演出制御用マイクロコンピュータ120とは別個に搭載されたマイクロコンピュータにて、演出制御基板12からの制御信号を受け、その制御信号に対応して図19(A)に示す画像要素表示制御パターンや図19(D)に示す動画像表示制御パターンを参照することなどにより、各種の制御を行うようにすればよい。また、例えば演出制御基板12とは別個にマイクロコンピュータが搭載された音ランプ制御基板を設け、その音ランプ制御基板に音制御部122やランプ制御部123が搭載されるようにしてもよい。この場合、音ランプ制御基板では、演出制御用マイクロコンピュータ120とは別個に搭載されたマイクロコンピュータにて、演出制御基板12からの制御信号を受け、その制御信号に対応して図19(B)に示す音声制御パターンや図19(C)に示すランプ制御パターンを参照することなどにより、各種の制御を行うようにすればよい。さらに、例えば演出制御基板12とは別個にマイクロコンピュータが搭載された可動演出制御基板を設け、その可動演出制御基板にモータ駆動回路124が搭載されるようにしてもよい。この場合、可動演出制御基板では、演出制御用マイクロコンピュータ120とは別個に搭載されたマイクロコンピュータにて、演出制御基板12からの制御信号を受け、その制御信号に対応して図19(E)に示すモータ制御パターンを参照することなどにより、各種の制御を行うようにすればよい。あるいは、音制御部122やランプ制御部123が搭載されてスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9等の点灯/消灯動作などを制御可能とする音ランプ制御基板から、表示制御部121が搭載されて画像表示装置5における表示動作などを制御可能とする表示制御基板に対して制御信号を送信し、表示制御基板に搭載されたマイクロコンピュータにて、音ランプ制御基板からの制御信号を受け、その制御信号に対応して各種の制御を行うようにしてもよい。この場合、音ランプ制御基板に搭載されたマイクロコンピュータでは、主基板11からの制御コマンドを受信したことに基づいて、例えば所定のCPUがスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9等の点灯/消灯動作などを制御するための処理を実行し、主基板11からの制御コマンドに基づいて表示制御基板に制御信号を送信すればよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作や可動演出装置60における手形模型51やスライド板52の移動動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。