(実施形態1)
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態1を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、特別図柄表示装置4が設けられている。特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。例えば、特別図柄表示装置4は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、特別図柄表示装置4にて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、演出動作に用いられる各種の画像(演出画像)を表示する表示領域を形成している。この実施の形態では、画像表示装置5における表示画面が、XGAモード(1024×768ピクセル)に対応した画素総数を有している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示に対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示部などにて、特別図柄とは異なる各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄などを可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて特別図柄表示装置4による特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が含まれていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示部5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。そして、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される以前には、飾り図柄が仮停止表示されることがあり、この仮停止表示時には、表示されている飾り図柄が微少な揺れや伸縮などを行うようにすればよい。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示部が配置されてもよい。始動入賞記憶表示部では、可変表示の保留数(保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示部には、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき、特別図柄表示装置4における特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示について、始動条件が成立したときには、通常透過色表示となっている表示部位のうちの1つ(例えば透過色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を所定の不透過色表示(例えば白色表示や赤色表示、黄色表示、青色表示など)に変化させる。その後、特図ゲームや飾り図柄の可変表示を開始するための開始条件が成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、所定の不透過色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば不透明色となっていた表示部位のうち右端の表示部位)は、透明色表示に戻る。
なお、始動入賞記憶表示部とともに、あるいは始動入賞記憶表示部に代えて、保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、特別図柄表示装置4の上部に、特図保留表示器25Aが設けられている。特図保留表示器25Aは、第1始動入賞口や第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、特図保留表示器25Aは、保留記憶数の上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されていればよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイド81(図3)によって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球と、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示す始動口スイッチ22によって検出される。なお、第1始動入賞口に進入した遊技球を検出する始動口スイッチと、第2始動入賞口に進入した遊技球を検出する始動口スイッチとを、別個に設けるようにしてもよい。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、可変表示の始動条件が成立する。なお、第1始動入賞口に進入した遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞口に進入した遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図3)によって開閉駆動される大入賞口扉(開閉板)を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。このように、特別可変入賞球装置7における大入賞口は、大入賞口扉によって遊技者にとって有利な第1状態としての開放状態と、遊技者にとって不利な第2状態としての閉鎖状態とに、変化する。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、特別図柄表示装置4などと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、遊技者が所定操作(例えば押下操作)することが可能な操作ボタン40が設置されている。操作ボタン40にはスイッチが備えられ、遊技者が操作ボタン40を押下する操作を実行すると、当該操作を検出する。そして、演出制御用マイクロコンピュータの入出力ポート135に当該操作情報が伝達される。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
特別図柄表示装置4による特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図3に示す始動口スイッチ22によって検出されたことなどにより始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、通常状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率遊技状態)に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。この実施の形態では、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、確変状態が終了する。これに対して、確変状態となった後には、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、確変状態が継続するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される2ラウンド大当り図柄も、確変大当り図柄に含まれる。
画像表示装置5の表示領域では、特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示領域では、開始条件が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示部(例えば「中」の飾り図柄表示部5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすること(例えば、未だ停止表示していない飾り図柄が、リーチ状態となる以前に比べて遅い速度で変動することなど)がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「通常」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、通常状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後、もしくは、大当り種別が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、リーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」(「確変大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
可変表示結果が「大当り」となる場合であって、大当り種別が「確変」であるときには、所定の割合で通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。この場合は、一旦大当り種別が通常大当りであるかのような演出画面が表示され、大当り遊技状態におけるラウンド(例えば7ラウンド目)の実行中に、後述する大当り演出の一環として後述するように確変状態に制御される旨を報知する演出動作(大当り中昇格演出)が行われる。
確定特別図柄として大当り図柄が導出表示された後に開始される15R大当り遊技状態中には、大当り演出が実行される。本実施形態では大当り演出は、15ラウンド大当り状態の開始から終了まで実行される、遊技者に大当り遊技状態であることが遊技者に識別可能な、一部の時間帯に画像表示装置5に動画像が表示される演出である。大当り種別が「確変」である場合に、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されたときには、大当り演出の一環として大当り種別がより大きな価値が付与される遊技状態(確変状態)に制御される「確変」であることを報知する大当り中昇格演出が実行される。大当り中昇格演出は、例えば飾り図柄の変動表示が再開されたかのような画面を表示して、確変大当り組合せとなる飾り図柄を停止表示させる等、確変状態に制御されることを遊技者に識別可能な演出であれば良い。大当り中昇格演出を実行することにより、大当り種別が「通常」であることが通知された場合でもより遊技者にとって有利な確変状態に制御される場合があるため、遊技者は大当り演出中に「大当り昇格演出」が実行されることへ期待感を抱かせることが出来る。なお、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「確変」である場合に、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されたときには、大当り中昇格演出は実行されない。
本実施形態では大当り中昇格演出を含む大当り演出として、例えば図29に示すように、大当り中昇格演出の前後に動画像を表示し、大当り中昇格演出の実行中には動画像以外の画像(非動画演出画像)を表示する。大当り中昇格演出が実行される所定のラウンドに到達するタイミングは、1ラウンドが終了する所定個数の入賞球が発生するまでの期間を予測できないので、予め定めることが出来ない。このような条件の元、動画像の表示開始タイミング(大当り中昇格演出終了タイミング)において間をおかず動画像を表示するため、後述するように動画像を表示しない場合にも動画像の再生を実行し、再生した動画像が画像表示装置5に表示されないように制限する制御を行う。このような構成により、任意のタイミングから動画像の表示を開始することができるため、動画像を用いた演出と動画像を用いない演出とを任意のタイミングで切り替えが可能となり、より演出の自由度が高くなる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行って特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示を制御することや、普通図柄表示器0の点灯/消灯/発色制御を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板13を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22及びカウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22及びカウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における大入賞口扉の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3に示す例において、コマンド80XXHは、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄の可変表示パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
図3に示すコマンド90XXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば開始条件が成立した時点で可変表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれとなるかを判定した事前判定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「通常」、「確変」、「突確」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9000Hは可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前判定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドであり、コマンド9001Hは可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「通常」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドであり、コマンド9002Hは可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドであり、コマンド8C03Hは可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「突確」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドであればよい。
図3に示すコマンド9F00Hは、画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画像表示)をさせるためのデモ表示コマンドである。コマンドA0XXHは、大当り遊技状態が開始される旨の報知を指示する大当り開始コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始コマンドでは、事前判定結果が「大当り」となる場合における大当り種別に応じて、異なるEXTデータが設定されればよい。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの回数を示す大当りラウンド数通知コマンドである。大当りラウンド数通知コマンドでは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。
図3に示すコマンドB0XXHは、大当り遊技状態が終了する旨を指示する大当り終了コマンドである。大当り終了コマンドでは、例えば大当り開始コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果が「大当り」となる場合における大当り種別に応じて、異なるEXTデータが設定されればよい。あるいは、大当り終了コマンドでは、大当り種別とEXTデータとの対応関係を、大当り開始コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。コマンドC000Hは、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とする制御(確変制御)が開始されることを示す確変開始コマンドである。コマンドC001Hは、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とする制御が終了されることを示す確変終了コマンドである。コマンドD0XXHは、画像表示装置5に設けられた始動入賞記憶表示部などにて入賞表示を行うために、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる特図保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)114と、ROM(Read Only Memory)115と、RAM(Random Access Memory)116と、を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU114がROM115から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、さらにクロック回路、リセット/割込みコントローラ、乱数回路、タイマ回路(PIT)、シリアル通信回路(SCI)及び入出力ポート等を備え、必要に応じて遊技の進行を制御するためにこれらの機能を用いる。
なお、乱数回路は、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部を生成する回路である。この実施の形態では、図4に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、可変表示パターン決定用の乱数値MR3が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側で乱数値MR1〜MR3以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路では、乱数値MR1〜MR3の全部または一部を示す数値データがカウントされればよい。また、乱数値MR1〜MR3の一部を示す数値データは、CPU114が乱数回路113とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特別図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1は、「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別を「通常」、「確変」といった複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2は、「1」〜「100」の範囲の値をとる。可変表示パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「150」の範囲の値をとる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM115には、遊技制御用のユーザプログラムや、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM115には、CPU114が各種の判定や決定、設定などを行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルをそれぞれ構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM115には、CPU114が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルをそれぞれ構成するテーブルデータなども記憶されている。
図5は、ROM115に記憶される特図表示結果決定テーブル200の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル200は、特別図柄表示装置4による特別図柄を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。特図表示結果決定テーブル200は、RAM116に記録された確変フラグがオンであるかオフであるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1を、大当り決定値データやハズレ決定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。
ここで、図5に示す特図表示結果決定テーブル200の設定では、確変フラグがオンであるかオフであるかに応じて、大当り決定値データに対する特図表示結果決定用の乱数値MR1の割当てが異なっている。より具体的には、確変フラグがオフである場合に、特図表示結果決定用の乱数値MR1のうち「8001」〜「8190」の範囲の値が大当り決定値データに割り当てられる一方で、確変フラグがオンである場合には、特図表示結果決定用の乱数値MR1のうち「8001」〜「9900」の範囲の値が大当り決定値データに割り当てられる。このような設定により、確変フラグがオンであるときには、確変フラグがオフであるときに比べて高い確率で、特図表示結果決定用の乱数値MR1が大当り決定値データと合致することにより大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされることになる。そのため、確変フラグがオンである状態(確変状態)は、確変フラグがオフである状態(通常状態)よりも大当りとなる確率が高く、遊技者にとって有利な状態といえる。
図6は、ROM115に記憶される大当り種別決定テーブル201の構成例を示している。大当り種別決定テーブル201は、大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル201は、大当り種別決定用の乱数値MR2を、「通常」、「確変」の大当り種別に割り当てる決定用データなどから構成されている。また、大当り種別決定テーブル201は、RAM116に記録された大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて決定された大当り種別に対応した値(例えば、「0」又は「1」)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図7は、ROM115に記憶される可変表示パターンテーブル203の構成例を示している。可変表示パターンテーブル203は、特別図柄や飾り図柄の可変表示で使用される複数種類の可変表示パターンに関する情報を含んだテーブルデータなどから構成されている。図7に示す構成例では、特図表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、各可変表示パターンの名称や可変表示時間(秒)などが、対応付けられて記憶されている。ここで、特図表示結果は、図5に示す特図表示結果決定テーブル200を参照することにより、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データに合致する場合には「大当り」となり、ハズレ決定値データに合致する場合には「ハズレ」となる。
この実施の形態では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた可変表示パターンとして、可変表示態様が「非リーチ」となる非リーチハズレパターン(PA1−1)と、可変表示態様が「リーチ」となるリーチハズレパターン(PA2−1)とが用意されている。特図表示結果が「大当り」となる場合に応じた可変表示パターンとしては、大当り種別が「通常」である場合には、リーチ演出が実行され、大当り種別が「通常」であり、確変状態に制御されないことを報知する演出が実行されるパターン(PA3−1)が用意されている。一方、大当り種別が「確変」である場合には、リーチ演出が実行され、大当り種別が「通常」であり、確変状態に制御されないことを報知する演出が実行されるパターン(PA3−2)と、大当り種別が「確変」であり、確変状態に制御されることを報知する演出が実行されるパターン(PA3−3)と、が用意されている。なお、パターンPA3−2が選択された場合には、可変表示終了後の大当り演出中に大当り中昇格演出が実行され、大当り種別が「確変」であることが遊技者に報知される。
図8は、ROM115に記憶される可変表示パターン決定テーブル204の構成例を示している。可変表示パターン決定テーブル204は、大当りか否か、及び大当りである場合に何れの大当り種別であるかに応じて、可変表示パターン決定用の乱数値MR3を、複数種類の可変表示パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。図8の例では、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、乱数MR3が1から140であればパターンPA1−1が、141から150である場合にはパターンPA2−1が、それぞれ選択される。また、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「通常」であれば、乱数MR3の値に関わらずPA3−1が選択される。また、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「確変」である場合には、乱数MR3が1から100であればパターンPA3−2が、101から150である場合にはパターンPA3−3が、それぞれ選択される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM116は、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する。ここで各種のデータとは、例えば普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件は成立したが開始条件は成立していない特図ゲームの保留データや、遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグ、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマ値などが含まれる。また、RAM116には、CPU114が遊技の進行などを制御する処理のための複数のバッファ領域が確保されている。バッファには、送信待ちのコマンドを一時記録する送信コマンドバッファ、可変表示の大当り種別を一時記録する大当り種別バッファ、チェックサムによりエラーを検出する処理のためのメインチェックサムバッファ等が含まれる。
図2に示す演出制御基板12には、信号中継基板13を介して主基板11から送信された演出制御コマンドを受信して、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、その他の役物といった、各種の演出用電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作、所定の役物の駆動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。例えば、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、ランプ制御部123とが搭載されている。また、演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。
図9は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120や表示制御部121などの構成例を示してる。図9に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、プログラムに従って制御動作を行うCPU131と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM132と、CPU131のワークエリアを提供するRAM133と、CPU131とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路134と、入出力ポート135とを備えている。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、CPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU131がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。この実施の形態において、CPU131は、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、表示制御用のコマンド(電気信号)となる表示制御指令を出力させて伝送させる。さらに、CPU131は、入出力ポート135からランプ制御部123に対して、ランプデータを出力させて伝送させる。
演出制御基板12では、乱数回路134によって、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数の全部または一部が生成される。例えば、演出制御基板12の側では、確定飾り図柄決定用の乱数値やリーチ予告決定用の乱数値、大当り予告決定用の乱数値などが用いられる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が演出制御基板12の側で用いられてもよい。各乱数値を示す数値データは、乱数回路134にてハードウェアによる更新が可能となるようにカウントされてもよいし、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いてソフトウェアによる更新が可能となるようにカウントされてもよい。
確定飾り図柄決定用の乱数値は、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて確定飾り図柄として停止表示される飾り図柄を決定するために用いられる乱数値である。例えば、確定飾り図柄決定用の乱数値には、大当り図柄・左確定図柄決定用の乱数値や中確定図柄決定用の乱数値、右確定図柄決定用の乱数値などが含まれている。リーチ予告決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることを予告する予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値である。大当り予告決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される可能性があることを予告する予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値である。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM132には、CPU131による制御動作を決定するためのデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや、演出制御パターンテーブルなどを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として停止表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。
演出制御パターンテーブルには、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンなどに対応して選択可能となる複数種類の演出制御パターンが格納されている。具体的には、可変表示に伴う演出(リーチ演出等)を所定のスケジュールにそって実行するため、演出の進行に応じて加算される演出制御タイマが所定の値となった場合に実行する処理を記録している。また、演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態に制御されている期間における各種の演出制御に対応した複数種類の演出制御パターンや、背景画像の切替、デモ画像表示といった各種の演出制御に対応した複数種類の演出制御パターンが格納される。
図9に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられている。ここで各種のデータとは、主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグ、演出の進行を制御するために用いられる各種のタイマ値及びカウンタ値などが含まれる。また、RAM133には、CPU131が演出を制御する処理のための複数のバッファ領域が確保されている。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、ランプ制御部123へと伝送されるランプデータなどが出力される。また、入出力ポート135の入力ポートには、主基板11から伝送された演出制御コマンドとしての制御信号などが入力される。 演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けたランプデータに応じたランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯/消灯切換を行う回路を含んでいる。なお、ランプ制御部123は、演出制御基板12の外部に設置された回路などにより構成されてもよい。
図9に示す表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)141と、データメモリ142とが含まれている。VDP141は、例えば画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。
データメモリ142は、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリや磁気メモリ、光学メモリといった不揮発性の記録媒体を用いて構成され、画像表示装置5における表示画像を生成するための動画像データ、静止画像データ、音声データ等を記憶する。データメモリ142が記憶する静止画像データには、画像表示装置5において可変表示される複数種類の飾り図柄、後述する演出において表示されるキャラクタ等の画像(2次元又は3次元の画像データ)などといった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像データが含まれている。音声データは、画像表示装置5に表示された演出画面に同期して再生される音声データである。
データメモリ142が記憶する動画像データは、動画像をフレーム間予測を用いた符号化方法で符号化したものであり、例えば図10(A)又は(B)に示すようなファイルフォーマットを持つ。図10(A)は、例えばRM3(RAPIC Movie ver.3)方式のようにIフレームとPフレームの2種類のフレームデータを持つ動画像データのフォーマットである。なお、RAPICはRecurrent−ACP−Processed Image Codeの略である。この動画像ファイルは先頭に動画像のシーケンス全体のデータ構造や、動画像のファイルフォーマット等に関する情報を含むヘッダ(シーケンスヘッダ)に続いて、複数のフレームデータを含むデータ単位であるGOP(Group of Picture)が連なる構成を持つ。GOPはGOPのデータ構造を定義するGOPヘッダに続いて、GOPに含まれるフレームデータが連なる構造を持つ。GOPは、動画のフレームとなる画像全体の情報を有するIフレーム(I1)データと、前のフレームとの差分情報を有するPフレーム(P2〜P6)データと、の両方を含む。I及びPの下付数字は、再生時のフレーム番号(表示される順番)を示す。Iフレームは、フレームのデータ構造を定義するフレームヘッダと、動画の一コマ分の画像(フレーム)全体の情報を圧縮した圧縮データとを含む。Pフレームは、フレームヘッダと、前に表示されるフレームの画像(この例では直前のI又はPフレーム)との差分情報を圧縮した圧縮データとを含む。GOPから動画像を再生する際には、先頭のIフレームをデコードして画像を生成し、生成した画像にPフレームの圧縮データをデコードした差分データを生成した画像に適用する。そのため、Pnフレームから再生を開始する場合でも、I1フレーム〜Pn−1の画像を順に生成する必要があるため、再生の開始に時間がかかる。
図10(B)は、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−2方式のようにIフレームとPフレームに加え、Bフレームを持つ動画像データのフォーマットである。Bフレームはフレームヘッダと、前のフレーム、後ろのフレーム又は前後両方のフレームの何れかからの差分を圧縮した圧縮データと、を有する。図10(B)において、I及びPの下付数字は、再生時のフレーム番号(表示される順番)を示す。Iフレームは画像全部のデータを圧縮した圧縮データを持ち、デコード時にはIフレーム単独で画像(フレーム)を生成する。この例では、Pフレーム(P6及びP6)は直前のIフレーム又はPフレームからの差分データを持ち、デコード時には差分対象となるフレーム(P6に対してI3、P9に対してP6)に差分を適用して画像を生成する。Bフレームは、直前直後のIフレーム又はPフレーム(B4及びB5に対してI3とP6、B7及びB8に対してP6とP9)の双方からの差分データを持ち、両方のフレームに差分を適用して画像を生成する。なお、B1及びB2は直後のIフレームI3に対する差分データを保持しており、デコード時にはI3に差分を適用して画像を生成する。
Bフレームについては後のフレームを参照してデコードする必要があるため、記憶媒体上では表示順とは異なる順序(3→1→2→6→4→5→9→7→8)にフレームデータが並んでおり、デコード時にはこの並び順にデータが読み込まれる。即ち、n番目のフレームを再生するに当たっては、少なくともその前に並んでいるデータを読み込んで処理をする必要がある。例えば、B5を表示するためには、I3、B1,B2,B6,B4について処理をした後に表示することとなり、処理開始から実際に画像を生成して表示するまでに時間がかかる。
データメモリ142が記憶する動画像データは、図10(A)や(B)のように一部のフレームについてフレームの画像全体の情報を保持せず、前後のフレームからの差分を記録する方法(フレーム間予測を用いた方法)で符号化されている。そのため、圧縮率を高く、動画像を記憶する容量が少なくてすむ。しかしながら、上述したように所定のフレームを再生するにあたり、その前後のフレームについても処理をする必要があるため、再生開始タイミングが制限されるという問題点がある。そこで、本実施形態ではデコード(再生)を動画像の表示以前から開始し、表示タイミングが始まるまでその表示を制限する一方、その他の画像を表示する処理を行い、所定の条件が成立して表示開始する場合に、その制限を解除することにより、動画像の表示開始タイミングを自由に設定することを可能とする。
VDP141は、図9に示すように、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、データメモリインタフェース153と、第1動画像用デコーダ154a及び第2動画像用デコーダ154bと、描画回路155と、一時記憶メモリ156と、VRAM157と、表示回路158とを備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやり取りするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156に転送する動作といった、VDP141と外部回路との間などでのデータ転送動作を制御する。例えば、転送制御回路152は、DMA(Direct Memory Access)転送を用いて、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へのデータ転送を行うためのDMA装置を備えていればよい。
データメモリインタフェース153は、データメモリ142に記憶された画像データ(動画像データ、静止画像データや音声データ)を読み出すためのアドレスバス接続端子やデータバス接続端子、チップ選択信号出力端子などを含んで構成されている。
第1動画像用デコーダ154a及び第2動画像用デコーダ154bは、データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出し、所定の伸張処理を実行することなどにより、動画像データのデコードを行う。ここで、動画像用デコーダ154は、図10に示したような動画像データをデコードする既知のデコーダ(RM3デコーダやMPEGデコーダ)であり、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、動画像データをデコードする機能を有する。第1動画像用デコーダ154a及び第2動画像用デコーダ154bは、演出制御用マイクロコンピュータ120から再生開始コマンドを伝達されると、データメモリ142に記録された動画像データのうち、コマンドで指定された動画像データの再生を開始する。再生を開始すると、図10(A)又は(B)に示したフレームデータを順にデコードしてフレーム(画像データ)を生成し、生成したフレームをVRAM157の表示用バッファ(フレームバッファ)に書き込む。書込みの先頭アドレスは、VDP141が送信する制御コマンドによって指定される。
図9に示すVDP141が備えるVRAM157は、例えば半導体メモリなどを用いて構成され、第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154bが生成した動画像の一コマとなる画像(フレーム)、あるいは描画回路155による描画処理などにより作成される画像の表示用データが展開記憶される。VRAM157には、一例として描写用バッファ157A、表示用バッファ157B、Zバッファ157Cが設定されている。
描画回路155は、画像データメモリ142に記憶された静止画像データに基づき画像表示装置5に画像を表示させるために、表示用データ(非動画像の表示画像)の作成などが行われる描画処理を実行する。例えば、描画回路155は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、画像データメモリ142から静止画像データを読み出し、後述する表示用バッファ上で拡大・回転・透過処理等の所定の画像処理を実行して画像表示装置5の画面上における所定座標に各種画像を表示させるための表示用データを作成する。一例として、描画回路155は、表示要素を仮想的に配置する仮想3次元空間となる空間座標系や、画像表示装置5の表示画面に合わせたスクリーン座標系などを有し、仮想3次元空間に配置された表示要素の座標を透視投影によりスクリーン座標とする座標変換処理や、半透明合成、隠面消去などの処理といった、ジオメトリ処理を実行することができればよい。こうして、描画回路155は、座標変換を伴う半透明合成などにより、仮想3次元空間内に複数種類の表示要素を配置した場合に所定の視点(仮想カメラ)から見える画像を画像表示装置5に表示させるための表示用データを、生成することができる。
描画用バッファ157Aには、飾り図柄や背景などの各表示要素を構成する画素それぞれの表示色であるR、G、Bの表示色データや、各画素の表示色データに対応して設定される不透明度データとしてのアルファ値データが記憶される。ここで、この実施の形態では、一例としてR、G、B、αの各値が、各画素に対応して6ビットずつの合計24ビットからなるピクセルデータPD1として、描画用バッファ157Aに格納される。例えば描画回路155は、データメモリ142から読み出した静止画像データを用いたジオメトリ処理などを実行し、画像表示装置5における表示要素の表示位置に対応して決定される描画用バッファ157Aの書込位置に表示色データやアルファ値データを書き込んで記憶させる。
表示用バッファ157Bには、画像表示装置5における演出画像の表示用データとなる各画素の表示色データが記憶される。この実施の形態では、R、G、Bの各値が、各画素に対応して8ビットずつの合計24ビットからなるピクセルデータとして、表示用バッファ157Bに格納される。表示用バッファ157Bには、画像表示装置5に定義されたピクセル数(例えば、800ピクセル×600ピクセル)に対応する数の画素データを格納するフレームバッファが1又は複数設定されている。フレームバッファに格納された表示用データは、表示回路158によって読み出される。本実施形態では図11に示すように、表示用バッファに二つのフレームバッファ(フレームバッファ1及びフレームバッファ2)が設定される。図11のフレームバッファ1及びフレームバッファ2は、交互にバックバッファ(書込対象となるバッファ)とフロントバッファ(表示対象となるバッファ)として働く。バックバッファは動画像用デコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)や描画回路155が生成した画像のピクセルデータを書き込む領域である。バックバッファに書き込まれた画像については、その時点では表示回路158はバックバッファのピクセルデータを読み込まないため、画像表示装置5には表示されない。一方、フロントバッファに書込まれた画像のピクセルデータを表示回路158が読み込み、画像表示装置5に出力するための領域である。表示の1フレームごとに(表示回路158が画像表示装置5をリフレッシュする度に)、バックバッファをフロントバッファに、フロントバッファをバックバッファとする。これを、バッファの前後を入れ替える、と表現する。例えばフレームバッファ1がバックバッファのフレームでは、動画像用デコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)や描画回路155が生成した画像のピクセルデータをフレームバッファ1に書き込んでゆく一方、フレームバッファ2のピクセルデータを表示回路158が読みこんで画像表示装置5に表示させてゆく。そして、書込み及び表示が終わると、次のフレームに移行し、フレームバッファ1及び2の前後を切り替え、フレームバッファ1をフロントバッファとしてそのピクセルデータを読み込んで画像表示装置5に表示させてゆく一方、フレームバッファ2をバックバッファとして次のフレームで表示される画像のピクセルデータを書き込んでゆく。例えば、起動時に最初に表示されるフレームを1とした場合に、奇数フレーム(1、3、5・・・番目のフレーム)を表示する際にはフレームバッファ1をバックバッファに、フレームバッファ2をフロントバッファとし、偶数フレーム(2、4、6・・・番目のフレーム)を表示する際にはフレームバッファ2をバックバッファに、フレームバッファ1をフロントバッファとすればよい。
このためには、VDP141は動画像用デコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)と表示回路158とに、フレームバッファ1及び2の前後関係を識別可能な制御シグナルを伝達すればよい。例えば、VDP141は新たなフレームの処理開始時に、駆動中の動画像用デコーダにバックバッファの先頭アドレスを、表示回路158にフロントバッファの先頭アドレスを、それぞれ伝達する。そして、フレームが更新されるたびに、両者を入れ替えたシグナルを伝達することにより、フレームバッファ1とフレームバッファ2の前後をフレーム毎に切り替えることが出来る。この手法はダブルバッファリングと呼ばれ、書込み時にピクセルデータをフラッシュすること等による画面のちらつきを防止することが出来る。
ダブルバッファリングを達成する方法として、フレームバッファ1の先頭アドレスと、フレームバッファ2の先頭アドレスとを通知する制御指令を予め動画像用デコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)に伝達しておき、書込対象識別フラグ数値によって、現在の書込開始アドレスを指定する構成も可能である。この場合、例えば値が「0」である場合はフレームバッファ1がバックバッファであることを、値が「1」である場合はフレームバッファ2がバックバッファであることをそれぞれ示す書込対象識別フラグをVRAM157に設定しておき、VDP141が1フレーム毎に書込対象識別フラグを書き換える。そして、動画像用デコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)が設定されたフレームバッファ1の先頭アドレスと、フレームバッファ2の先頭アドレスとのうち、書込対象識別フラグの値によって指定されたアドレスからピクセルデータを書き込めむように設定すればよい。
表示用バッファ領域には、図11のように、書き込んだピクセルデータが画像表示装置5に表示されない領域(ダミー領域)が設定される。演出制御用マイクロコンピュータ120は、VDP141に対して動画像用デコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)が再生(デコード)した動画像のフレームをダミー領域に書き込むことを指定することで、再生中の動画像の表示を制限することが出来る。動画像の表示制限中には、描画回路155が生成した画像がフロントバッファに書き込まれるよう制御して、非動画演出画像を画像表示装置5に表示させる。
本実施形態では、VRAM157の表示用バッファ147Bに、図11のように1つのダミー領域が設定される。再生中の動画像の表示を制限するときには、VDP141が図12(A)に示すような指令を動画像デコーダに伝達することで、再生された動画像のフレーム(1コマの画像)が奇数フレームでも偶数フレームでも絶対特定アドレス(#xYYY)に位置するダミー領域に書き込まれる。動画像の表示制限中には、描画回路155が生成した画像がフロントバッファに書き込まれる。そして、制限を解除する場合には、図12(B)に示すようにフレームバッファ1又は2の先頭(フレームバッファ1又は2の途中から書き込む場合はその途中のアドレス)を書込開始アドレスとして指定するシグナルを伝達することで、再生された動画像を画像表示装置5に表示させることが出来る。即ち、フレームデータを表示用バッファ領域のフレームバッファ1とフレームバッファ1とに交互に書込むダブルバッファリングを採用した遊技機においても、書込アドレスとして絶対特定アドレスに指定するだけでよいので、複雑な制御の要なく再生中の動画像の表示を制限することが出来る。
Zバッファ157Cには、描画用バッファ157Aに表示色データやアルファ値データが書き込まれた各画素について、奥行き値となるZ値を示すZ値データが記憶されて保持される。Zバッファ157Cに記憶されたZ値データは、描画用バッファ157Aに書き込まれる画像データが有する奥行き値(z座標)と比較される。そして、その比較結果に応じて描画用バッファ157Aに対する画像データの書込を許可/拒否することで、隠面消去などの処理が行われる。
表示回路158は、表示用バッファ157Bに設定されたフレームバッファから表示用データを読み出し、画像表示装置5の表示画面を構成する各画素の階調データを生成するとともに、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させる回路である。表示回路158は、表示用バッファ157Bから読み出した表示用データの画素数を変換して、画像表示装置5の表示画面を構成する各画素の階調データを生成するスケーラ回路を有している。このスケーラ回路には、表示用バッファ157Bから読み出された表示用データが入力され、垂直方向及び水平方向のいずれか一方あるいは双方について、所定の拡大率で拡大(または縮小)することで、ピクセルデータの画素数を変換する。例えば、スケーラ回路は、拡大後の画素値を拡大前における4点の画素値から線形補間により求めるバイリニアフィルタリングを用いて、ピクセルデータの画素数を変換することができる。スケーラ回路における垂直方向と水平方向の拡大率は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令により、個別に設定することができる。また、表示回路158は、VDP141が送信する表示設定シグナルに応じた表示領域・表示設定で表示用バッファ157Bから読み込んだピクセルデータを画像表示装置5に表示させる。
演出制御用マイクロコンピュータ120は、CPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して複数種類の表示制御指令を送信することにより、上述した動画像の再生の開始や、表示制限、表示制限を含む動画像の再生表示に係る制御を行う。この実施の形態では、記憶領域設定指令、動画像再生開始指令、動画像表示制限指令、動画像表示制限解除指令、動画像再生終了指令、などといった表示制御指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと送信される。なお、これらの表示制御指令は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドと同様に、指令の分類を示すデータと、指令の種類を示すデータとから構成されるものでもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131によって、入出力ポート135を介してVDP141が備える各種のレジスタに、各表示制御指令に対応した制御データが書き込まれるようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135と、VDP141のホストインタフェース151との間には、所定のバス幅を有するアドレスバスとデータバスが接続されている。そして、VDP141が備える各種のレジスタにはアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、入出力ポート135からアドレスバスに出力したアドレス信号によりVDP141のレジスタを指定してアクセスすることができればよい。
記憶領域設定指令は、VRAM157上に各種バッファ領域を設定するための指令である。記憶領域設定指令は、例えばVRAM157A、表示用バッファ157B及びZバッファ157の先頭アドレス及び領域の大きさ、領域のパラメータ(2次元バッファか、1次元バッファか、等)を指定する情報を含む。
画像表示初期設定指令は、画像表示装置5の画面上に動画像を表示するための初期設定を示す。例えば、動画像表示初期設定指令は、表示回路にフレームバッファ1及び2のアドレスを指定する情報を含んでいる。また、動画像の再生表示を行う際にVRAM157の表示用バッファ157Bに記憶されるVGAモードのサイズを有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。
動画像再生開始指令は、画像表示装置5の画面上にて動画像の再生を開始するための設定を示す。例えば、動画像表示開始設定指令には、再生を開始するデコーダを指定する情報(例えば第1動画像用デコーダ又は第2動画像用デコーダの何れかのID)と、再生対象となる動像画を特定するための情報(データメモリ142上の再生対象となる動画像データを記録する先頭アドレスなど)や、動画の再生パラメータ(動画像データファイルの大きさ、再生時の解像度、エンコードのバージョン、フレームレート等)を含む。また、動画像開始指令は、2つのフレームバッファの先頭アドレスと、特定された動画像のフレームをデコードして、指定されたアドレスのバッファに交互に書き込む再生処理を、動画再生終了まで(動画像ファイルの末尾まで再生を終えるか、動画再生終了指令が伝達されるまで)続ける旨の指定情報を含む。
動画像表示制限指令は、再生中の動画像について、画像表示装置5の画面上への表示を制限するための設定を示す。例えば、動画像表示制限指令には、奇数フレーム及び偶数フレームの両方で、デコードしたフレームのデータをダミー領域に書き込むように、絶対特定アドレスを先頭アドレスとして指定する情報を含む。動画像表示制限指令は、制限対象となる第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154bを指定する情報を含む。
動画像表示制限解除指令は、再生中の動画像について、画像表示装置5の画面上への表示を制限するための設定を示す。例えば、動画像表示制限指令には、奇数フレーム及び偶数フレームにおける、デコードしたフレームのデータを書き込む先頭アドレスとして、フレームバッファ1及びフレームバッファ2の先頭アドレスを指定する情報を含む。動画像表示制限解除指令は、制限解除対象となる第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154bを指定する情報を含む。
動画像再生終了指令は、動画像を再生中のデコーダ(第1動画像用デコーダ又は第2動画像用デコーダ)に、動画像の再生を終了する旨を指示する指令である。例えば、動画像表示終了指令は、再生を終了するデコーダを指定する情報が含まれる。
演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対して伝達される指令には上記の動画像の再生表示に係るもののほか、画像表示初期設定指令、投影・合成描画指令、等の表示制御部121が演出用画像を表示するために必要なその他の指令が含まれる。
図9に示すVDP141に搭載された音制御部122は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からの制御コマンドに応じて、データメモリ142に記憶された音声データにデジタル/アナログ変換を施すなどして音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる回路を含んでいる。音声データには、動画像データの音声データが含まれる。動画像データの音声データは、動画像の再生(あるいは表示)と同期して再生され、動画像と一体となって演出効果を発揮する。動画像の音声データは、動画像の表示が制限された場合でも出力(放音)が続けられる場合がある。演出の途上で動画像が表示されなくなる場合に合わせて楽曲などの音声が途絶えると、音声を楽しんでいた遊技者に強い違和感を与えるが、音声データの再生を続けることで違和感のない演出を提供するためである。なお、動画像の音声データは、動画像データの一部として保存されていても良い。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU114によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU114は、割込禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、電源基板などに搭載されたクリアスイッチが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM116をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチが押圧操作されていない場合には、RAM116のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、チェックサムを算出した結果とメインチェックサムバッファの内容とが一致した場合などに、主基板11の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにタイマ回路からの割込み要求信号がCPU114へ送出され、CPU114は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定処理や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU114は、タイマ回路からの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図13のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図13に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU114は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介して各スイッチ21〜23などから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR3の一部をソフトウェアにより更新するためのメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU114は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU114は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU114は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信させる(ステップS17)。
ステップS17にて実行されるコマンド制御処理では、例えばCPU114がRAM116のバッファ領域に、有効な演出制御コマンドを送信するための設定データが保存されているか否かを判定することなどにより、送信コマンドの有無を判定する。一例として、バッファ領域から読み出したデータがヌルデータ「00H」や所定の終了コードに対応するデータである場合には、有効な演出制御コマンドを送信するための設定データではないと判定する。これに対して、例えば読み出したデータの先頭ビット(ビット7)が「1」である場合など、演出制御コマンドにおけるMODEデータとして設定可能なデータである場合には、有効な演出制御コマンドを送信するための設定データであると判定する。こうして送信コマンドがないと判定された場合には、そのままコマンド制御処理を終了する。他方、送信コマンドがある場合には、送信コマンドバッファにおけるバッファ領域の記憶データを読み出すことにより、指定されたコマンドテーブルに格納された設定データを読み出す。そして、読み出した設定データを演出制御コマンド用出力ポートにセットして、信号中継基板13を介して演出制御基板12に送信する。
その後、送信コマンドポインタの値を1加算して更新し、更新後の送信コマンドポインタが指定するバッファ領域の記憶データを読み出すことにより、指定されたコマンドテーブルに格納された次の設定データを読み出す。このときには、読み出された設定データに基づき、各種の拡張データを参照するようにしてもよい。拡張データを参照する場合には、RAM116に設けられた所定のバッファなどから、拡張データを演出制御コマンドにおけるEXTデータとして読み出せばよい。拡張データを参照しない場合には、コマンドテーブルから読み出された設定データを演出制御コマンドにおけるEXTデータとする。こうして取得した演出制御コマンドのEXTデータは、演出制御コマンド用出力ポートにセットされる。その後、MODEデータを送信する場合と同様にして、演出制御INT信号を一定時間が経過するまで出力してから、その出力を停止するための処理を実行する。そして、送信コマンドポインタの値を1加算して更新してから、コマンド制御処理を終了する。こうしてコマンド制御処理を実行した後に、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図14は、特別図柄プロセス処理として、図13に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU114は、まず、例えば始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれかに入賞して始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS102)。始動入賞処理を実行した後には、RAM116に記憶された特図保留記憶数カウンタのカウント値である特図保留記憶数カウント値に対応する保留記憶数通知コマンドテーブルの先頭アドレスを、遊技制御バッファ設定部165に設けられた送信コマンドバッファにセットすることなどにより、保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS103)。こうしたステップS103での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図13に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドが送信されることになる。ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS101;No)、ステップS102、S103の処理をスキップする。
ステップS102にて実行される始動入賞処理では、まず、特図保留記憶部161に記憶されている保留データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の入賞による始動検出は無効で始動条件は不成立として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えば乱数回路の乱数値レジスタにおける格納値などを、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データとして読み出す。同様にして、あるいは、RAM116に設けられたランダムカウンタなどから、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを読み出す。こうして特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を読み出したことに続いて、その乱数値MR1、MR2を示す数値データを、RAM116に設けられた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に保留記録としてセットする。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、特図保留記憶部における特図保留記憶数を1加算して更新する。
ステップS103の処理を実行した後や、ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、RAM116に記録された特別図柄プロセスフラグの値に応じて、CPU114が図14に示すようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、特図保留記憶部に格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどに基づき、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS111の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示パターン設定処理は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定する処理や、可変表示パターン等に対応した可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。
ステップS112の特別図柄可変表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理では、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行って特別図柄を変動させるための制御が行われる。また、特別図柄可変表示処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示の残存時間を、RAM116に記録された特別図柄プロセスタイマの値である特別図柄プロセスタイマ値によって計測する処理、特図ゲームにおける可変表示時間が経過したことに対応して確定特別図柄を停止表示させる処理などを含んでいる。ステップS113の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームが終了したことに対応して、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大入賞口開放回数最大値の設定に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口開放回数最大値が15ラウンド大当り状態に対応した「15」に設定されたことに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定する。そして、大入賞口を開放状態とするときには、ソレノイド駆動信号をソレノイド回路102からソレノイド82に対して供給させる処理などが実行されればよい。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、大当り遊技状態にて実行されるラウンドごとに大入賞口を開放状態とする残存時間を、特別図柄プロセスタイマ値を更新することなどによって計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、ソレノイド回路102からソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理は、大入賞口を開放状態とすることによるラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値(例えば「2」あるいは「15」)に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理は、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により大当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などを含んでいる。
図15は、図14のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す特別図柄通常処理において、CPU114は、まず、例えばRAM116に記録されている特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS201)。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS201;No)、特図保留記憶部161から保留番号「1」に対応して記憶されている特図表示結果決定用の乱数値MR1を示すデータと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示すデータとを読み出す(ステップS202)。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、特図保留記憶数を更新する(ステップS203)。さらに、ステップS203の処理では、特図保留記憶部において保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データとしての乱数値MR1、MR2を示すデータを、1エントリずつ上位にシフトする。
ステップS203の処理に続いて、図5に示す特図表示結果決定テーブル200を参照することにより、確変フラグがオンであるか否かに応じて、ステップS203にて読み出した乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データと合致するか否かを判定する(ステップS204)。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。そして、乱数値MR1が大当り決定値データと合致した場合には(ステップS204;Yes)、RAM116に記録された大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS205)。このときには、ステップS203にて読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づき、図6に示す大当り種別決定テーブル201を参照することにより、大当り種別を、「通常」、「確変」という複数種類のうち、いずれかの大当り種別に決定する(ステップS206)。ステップS206の処理では、大当り種別決定テーブル201における設定用データに基づき、決定された大当り種別を示す大当り種別バッファ値が「0」又は「1」のいずれかに設定される。例えば、大当り種別が「通常」に決定された場合には大当り種別バッファ値が「0」に設定され、大当り種別が「確変」に決定された場合には大当り種別バッファ値が「1」に設定される。
ステップS206の処理を実行した後には、ステップS206にて大当り種別が「通常」に決定されて可変表示態様が「通常大当り」となるか否かを判定する(ステップS207)。このとき、可変表示態様が「通常大当り」とはならない旨の判定がなされた場合には(ステップS207;No)、ステップS206にて大当り種別が「確変」に決定されて可変表示態様が「確変大当り」となることに対応して、遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS208)。そして、大当り種別に応じた確変大当り図柄である特別図柄を、始動条件の成立に基づき今回実行される特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄に決定する(ステップS209)。例えばステップS206にて決定された大当り種別が、「確変」であることに対応して「7」の数字を示す確変大当り図柄としての15ラウンド大当り図柄を確定特別図柄に決定する。これに対して、ステップS207にて可変表示態様が「通常大当り」となる旨の判定がなされた場合には(ステップS207;Yes)、通常大当り図柄である「3」の数字を示す15ラウンド大当り図柄を、確定特別図柄に決定する(ステップS210)。
ステップS209、S210の処理のいずれかを実行した後には、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS211)。このときには、例えばステップS206にて設定された大当り種別バッファ値などに基づき、大当り種別に対応した大入賞口開放回数最大値が設定されればよい。ここでは、大入賞口開放回数最大値を15ラウンド大当り状態に対応した「15」に設定する。大当り種別バッファ値は、ステップS206にて決定された大当り種別が「通常」である場合に「0」に設定され、ステップS206にて決定された大当り種別が「確変」である場合に「1」に設定される。
ステップS204にて乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データと合致しない場合には(ステップS204;No)、可変表示結果を「ハズレ」として大当り遊技状態には制御しない旨の決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する(ステップS212)。ステップS211、S212の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である“1”に更新した後(ステップS213)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS201;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられたデモ表示フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS214)。このとき、デモ表示フラグがオンであれば(ステップS214;Yes)、特別図柄通常処理を終了する。これに対して、ステップS214にてデモ表示フラグがオフである場合には(ステップS214;No)、デモ表示コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(S215)。こうしたステップS215での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対してデモ表示コマンドが送信されることになる。ステップS215の処理を実行した後には、デモ表示フラグをオン状態にセットしてから(ステップS216)、特別図柄通常処理を終了する。
図16は、図14のステップS111にて実行される可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す可変表示パターン設定処理において、CPU114は、まず、可変表示パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、乱数回路、あるいは、RAM116に設けられたランダムカウンタなどから、読み出すことにより取得する(ステップS228)。そして、ステップS228にて取得した乱数値MR3に基づき、図8のパターン決定テーブル204を参照することにより、大当りか否か、及び大当り種別に応じて、乱数値MR3などに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS229)。その後、ステップS229にて決定された可変表示パターン等に対応する可変表示時間を決定する(ステップS230)。ステップS230の処理では、決定された可変表示時間に対応したタイマ初期値を、特別図柄プロセスタイマに設定してもよい。
ステップS230の処理に続いて、例えばステップS229にて決定された可変表示パターンなどに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して各種コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS231)。例えば、CPU114は、ステップS231の処理において、予め用意された複数種類の可変表示開始コマンドテーブルのうち、可変表示パターンなどに対応したコマンドテーブルを構成するテーブルデータのROM115における先頭アドレスを、RAM114に設定されている送信コマンドバッファにセットする。また、ステップS231の処理では、予め用意された複数種類の表示結果通知コマンドテーブルのうち、確定特別図柄などに対応したコマンドテーブルを構成するテーブルデータのROM115における先頭アドレスを、送信コマンドバッファにセットする。あるいは、可変表示開始コマンドテーブルには、可変表示開始コマンドを送信するための制御データの他に、表示結果通知コマンドを送信するための制御データが含まれていてもよい。この場合には、ステップS231の処理において、可変表示開始コマンドテーブルの先頭アドレスが送信コマンドバッファにセットされればよい。こうしてステップS231での設定が行われた後には、特別図柄プロセス処理が終了してから図13に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して、可変表示開始コマンド、表示結果通知コマンドが順次に送信されることになる。なお、このとき送信される演出制御コマンドの送信順序は、任意に設定されたものであればよい。
ステップS231での設定に続いて、例えばCPU114が特別図柄表示装置4における各セグメントや各ドットの点灯/消灯動作を開始させるなどといった、特別図柄表示装置4において特別図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS232)。このときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS233)、可変表示パターン設定処理を終了する。
図17は、図14のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す特別図柄停止処理において、CPU114は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS241)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS241;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS242)。一例として、CPU114は、ステップS242の処理において、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、特別図柄プロセスタイマに設定する。
ステップS242の処理に続いて、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS243)。例えば、CPU111は、ステップS243の処理において、ROM115に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドバッファにセットする。ステップS243での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図13に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して大当り開始コマンドが送信される。
ステップS243の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS244)。続いて、確変フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS245)、オンである場合には(ステップS245;Yes)、確変フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS246)、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた確変回数カウンタをクリアして、その値を「0」に初期化する(ステップS247)。このときには、確変終了確認フラグをオン状態にセットしておく(ステップS248)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS252)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS241にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS241;No)、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS253)。このとき、確変フラグがオンであれば(ステップS253;Yes)、確変回数カウント値を1減算して更新する(ステップS254)。そして、ステップS254での更新後における確変回数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS255)。
ステップS255にて確変回数カウント値が「0」であると判定された場合には(ステップS255;Yes)、例えばROM115に記憶された確変終了コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS256)。こうしたステップS256での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図13に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変終了コマンドが送信される。ステップS256の処理を実行した後には、確変フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS257)。
ステップS253にて確変フラグがオフである場合や(ステップS253;No)、ステップS255にて確変回数カウント値が「0」以外の値である場合(ステップS255;No)、あるいはステップS257の処理を実行した後には、デモ表示フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS262)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS263)、特別図柄停止処理を終了する。
図18は、図14のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り終了処理において、CPU114は、まず、所定の大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS271)。ここで、大当り終了時演出待ち時間は、図14のステップS116にて実行される大入賞口開放後処理にて、特別図柄プロセスフラグの値を“7”に更新するときに特別図柄プロセスタイマに設定されたタイマ初期値に基づいて計測されればよい。例えば、CPU114は、ステップS271の処理にて特別図柄プロセスタイマにおけるタイマ値を1減算するなどして更新し、更新後のタイマ値を所定の待ち時間経過判定値データ(例えば「0」を示すデータ)と比較することなどにより、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS271にて大当り終了時演出待ち時間が経過していない場合には(ステップS271;No)、そのまま大当り終了処理を終了させる。
ステップS271にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS271;Yes)、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS272)。このとき、確変確定フラグがオンであれば(ステップS272;Yes)、確変フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS273)、確変確定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS274)。また、確変回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定する(ステップS275)。そして、例えばROM115に記憶された確変開始コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS276)。こうしたステップS276での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図13に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変開始コマンドが送信される。ステップS276の処理を実行した後には、確変終了確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS277)。
ステップS272にて確変確定フラグがオフである場合には(ステップS272;No)、確変終了確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS280)。このとき、確変終了確認フラグがオンであれば(ステップS280;Yes)、例えばROM115に記憶された確変終了コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS281)。こうしたステップS281での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図13に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変終了コマンドが送信される。
ステップS277にて確変終了確認フラグがオンである場合や(ステップS277;Yes)、ステップS281の処理を実行した後には、確変終了確認フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS282)。ステップS277にて確変終了確認フラグがオフである場合や(ステップS277;No)、ステップS280にて確変終了確認フラグがオフである場合(ステップS280;No)、あるいはステップS272の処理を実行した後には、デモ表示フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS283)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS284)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動して、図19のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図19に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、記憶領域設定指令処理を実行することにより、VDP141が備えるVRAM1571上に描写用バッファ、表示用バッファ、Zバッファ領域を設定する(ステップS401A)。ステップS401Aでは記憶領域を設定するためのデータとして予めROM132に記憶されている、描写用バッファ157A,表示用バッファ157B,Zバッファ157Cの先頭アドレス及び領域の大きさ、領域のパラメータ(2次元バッファか、1次元バッファか、等)を読み出す。また、表示用バッファ157Bを図11のように設定するために、フレームバッファ1、フレームバッファ2,ダミー領域1の先頭アドレス及び領域の大きさ、パラメータを読み出す。そして、読み出した設定データに基づき、記憶領域設定指令を作成して、VDP141に対して送信する。VDP141は、記憶領域設定指令に応答して、一旦VRAM157の記憶内容を初期化し、指定されたアドレスに、指定された大きさ・パラメータのバッファ領域を確保する。
記憶領域設定指令処理の後、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる演出用乱数のうち、ランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM1 演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されてRAM133に設定された演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
図21は、ステップS405におけるコマンド解析処理にて実行される処理内容の一例を示す説明図である。ステップS405のコマンド解析処理では、まず、受信コマンドバッファをチェックして主基板11から送信された演出制御コマンドの受信があるか否かの判定が行われる。そして、受信コマンドありと判定したときには、そのコマンドを受信コマンドバッファから読み出す。これに続いて、読み出された受信コマンドに対応する各種の処理が実行される例えば、受信コマンドが可変表示開始コマンドであるときには(受信コマンド;可変表示開始)、受信コマンドの下位バイトを可変表示指定データとして、RAM133に設定された演出制御バッファ設定部に設けられた可変表示開始バッファに記憶させるなどしてセーブする。このときには、演出制御フラグ設定部に設けられた可変表示開始フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが表示結果通知コマンドであるときには(受信コマンド;表示結果通知)、受信コマンドの下位バイトを表示結果指定データとして、RAM133に演出制御バッファ設定部に設けられた表示結果バッファに記憶させるなどしてセーブする。受信コマンドがデモ表示コマンドである場合には(受信コマンド;デモ表示)、演出制御フラグ設定部に設けられたデモ表示設定フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り開始コマンドであるときには(受信コマンド;大当り開始)、RAM133に設定された大当り開始フラグをオン状態にセットする。
また、受信コマンドが大当りラウンド数通知コマンドであるときには(受信コマンド;大当りラウンド数通知)、例えば受信コマンドの下位バイトをラウンド数指定データとして、RAM133に設定されたラウンド数バッファに記憶させるなどしてセーブする。このときには、ラウンド数通知済みフラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り終了コマンドであるときには(受信コマンド;大当り終了)、RAM133に設定された大当り終了フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが確変開始コマンドであるときには(受信コマンド;確変開始)、RAM133に設定された確変開始フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが確変終了コマンドであるときには(受信コマンド;確変終了)、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変終了フラグをオン状態にセットする。
受信コマンドが保留記憶数通知コマンドであるときには(受信コマンド;保留記憶数通知)、所定の保留記憶数表示設定処理を実行する。この保留記憶数表示設定処理では、例えば保留記憶数通知コマンドによって通知された特図保留記憶数を特定し、特定された特図保留記憶数に対応した設定や制御を行うことにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示部にて特図保留記憶数の表示が行われる。受信コマンドがその他のコマンドであるときには(受信コマンド;その他のコマンド)、例えば演出制御フラグ設定部191にて受信した演出制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをオン状態にセットするなど、受信コマンドに対応した処理が実行される。
図19のステップS405にて以上のようなコマンド解析処理を実行した後には、飾り図柄プロセス処理を実行する(ステップS406)。この飾り図柄プロセス処理では、画像表示装置5の表示画面にて行われる飾り図柄の可変表示の進行状況に応じて、画像表示装置5の表示出力、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作などにより、各種の演出動作を実行するための設定が行われる。その後、処理はステップS55に戻る。
図21は、図19のステップS406にて実行される飾り図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す飾り図柄プロセス処理では、例えばRAM133に設定された演出制御プロセスフラグの値に応じて、CPU131が以下のようなステップS170〜S175の各処理を選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS171の飾り図柄可変表示設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、例えば画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた画像表示装置5における演出画像の表示動作といった、各種の演出動作を行うために、例えばROM132に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや可変表示結果の種類などに対応するものを選択する処理を含んでいる。
ステップS172の飾り図柄可変表示中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU131は、既に選択された演出制御パターンの設定に基づき、RAM133に設定された演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、例えば表示制御部121のVDP141に表示制御指令を伝送することや、ランプ制御部123にランプデータを伝送することといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。そして、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した終了コードを読み出したことなどに基づき、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応する所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。この後、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS173の大当り開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この大当り開始待ち処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU131は、例えば画像表示装置5における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた動画像や動画像以外の非動画演出画像を表示させたり、大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における演出(大当り演出)を実行するための演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板11から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理は、例えば画像表示装置5に所定の演出画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図22は、図21のステップS171にて実行される飾り図柄可変表示設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示設定処理において、CPU131は、まず、例えば表示結果バッファにセーブされている表示結果指定データを読み取ることなどにより、主基板11から伝送された表示結果通知コマンドに示された表示結果の種類が「大当り」に含まれるか否かを判定する(ステップS321)。このとき、表示結果の種類が「大当り」であれば(ステップS321;Yes)、例えば通常大当り組合せや確変大当り組合せといった、予め定められた複数種類の大当り組合せの飾り図柄のうちから、確定飾り図柄となる飾り図柄の組合せを決定する(ステップS322)。一例として、CPU131は、表示結果指定データから特定される大当り種別が「確変」である場合に、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の確変図柄のうちで確定飾り図柄とするものを決定する。他の一例として、大当り種別が「通常」である場合には、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる通常大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の通常図柄のうちで確定飾り図柄とするものを決定する。
ステップS321にて表示結果の種類が「大当り」ではない場合には(ステップS321;No)、例えば可変表示開始バッファにセーブされている可変表示指定データを読み取ることなどにより、主基板11から伝送された可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンがリーチハズレパターンであるか否かを判定する(ステップS323)。このとき、可変表示パターンがリーチハズレパターンであれば(ステップS323;Yes)、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS324)。一例として、CPU131は、乱数回路134等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「左」の飾り図柄表示部5Lにて停止表示される左確定飾り図柄を決定する。また、左確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「右」の飾り図柄表示部5Rにて停止表示される右確定飾り図柄に決定する。さらに、乱数回路134等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「中」の飾り図柄表示部5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチハズレ組合せとなるようにすればよい。
ステップS323にて可変表示パターンがリーチハズレパターンではない場合には(ステップS323;No)、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS325)。一例として、CPU131は、乱数回路134等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄を決定する。また、乱数回路134等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、中確定飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路134等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、右確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を右確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとはならずに通常ハズレ組合せとなるようにすればよい。また、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が突確チャンス目と同一にならないように、飾り図柄決定テーブルにおけるテーブルデータが構成されていればよい。
ステップS322、S324、S325の処理のいずれかを実行した後には、決定された確定飾り図柄を示すデータを演出制御バッファ設定部194に設けられた停止図柄バッファに記憶させることなどにより、確定飾り図柄をセーブする(ステップS326)。続いて、演出制御パターンテーブル211に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンに対応した演出制御パターンを選択し、飾り図柄の可変表示中における演出動作を制御するための演出制御パターンとしてセットする(ステップS327)。
ステップS327の処理を実行した後には、例えばステップS327の処理で設定された演出制御パターンの先頭アドレスから演出制御プロセスタイマ初期値を読み出して、RAM133に設定された演出制御プロセスタイマにセットすることなどにより、タイマ初期値の設定を行う(ステップS331)。
その後、例えば演出制御パターンの表示制御パターンに含まれる表示制御データに対応した表示制御指令を表示制御部121のVDP141に対して送信することなどにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS332)。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS333)、飾り図柄可変表示設定処理を終了する。
図23は、図21のステップS172にて実行される飾り図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU131は、まず、演出制御プロセスタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS341)。このときには、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される各種のタイマ判定値と比較することなどにより、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS342)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS342;No)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS342にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS342;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種制御データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードのいずれか)を読み出す(ステップS343)。ここで、ステップS342の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の制御データを、ステップS343の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS343にて読み出された制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS344)。このとき、終了コードであると判定されれば(ステップS344;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、大当り開始コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS345)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS346)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS344にて終了コードではないと判定された場合には(ステップS344;No)、ステップS343にて読み出された制御データに応じた指令や設定を行うための演出制御指令処理を実行してから(ステップS347)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
図24は、図21のステップS173にて実行される大当り開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。この大当り開始待ち処理において、CPU131は、まず、大当り開始コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。例えば、ステップS361の処理では、演出制御プロセスタイマ値を1減算するなどして更新し、更新後の値が「0」となったか否かを判定することにより、大当り開始コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。このとき更新される演出制御プロセスタイマにおけるタイマ初期値は、図23に示すステップS345の処理で設定されるものであればよい。大当り開始コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS361;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS362)、大当り開始待ち処理を終了する。
ステップS361にて大当り開始コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS361;No)、演出制御フラグ設定部191に設けられた大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS363)。このとき、大当り開始フラグがオフであれば(ステップS363;No)、未だ大当り開始コマンドを受信していないと判断して、大当り開始待ち処理を終了する。これに対して、大当り開始フラグがオンである場合には(ステップS363;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後、大当り種別に応じた大当り中演出の演出制御パターンを選択する(ステップS364)。ここで、演出制御パターンは、大当り中演出で使用するデータの種別・データメモリ142において使用するデータファイルが格納されているアドレス、演出のタイムテーブル、大当り演出実行のための制御指令の情報、等を含む。ステップS364では、直前に実行された特別図柄の可変表示の変動パターンが図7のPA3−2であった場合に、図27に示すような大当り中昇格演出を含む大当り演出の演出制御パターンを選択する。
次いで、ステップS364で選択した演出制御パターンにおいて、動画像データを表示再生するか否か決定する(ステップS365)。動画像データを再生する場合(ステップS365;YES)、演出制御用マイクロコンピュータ120が表示制御部121のVDP141に動画像再生開始指令を送信するこことで、演出制御パターンが指定する動画像の再生を開始する(ステップS366)。ここでは、奇数フレームでは図11に示すフレームバッファ1に、偶数フレームではフレームバッファ2にデコードしたフレームのピクセルデータを書き込むよう指定する。その結果、VDP141から、奇数番目のフレームであるか、偶数番目のフレームであるか、に応じて、図12(B)に示した書込設定でそのフレームにおけるフロントバッファにピクセルデータが書き込まれる。
そして、演出のタイムテーブルを参照し、大当り演出の開始時に動画像を表示するか否かを決定する(ステップS367)。演出開始時に動画像を表示しない場合(ステップS367;No)、動画像表示制限指令を伝達して、動画像の表示を制限する(ステップS368)。動画像表示制限指令により、奇数番目のフレームであるか、偶数番目のフレームであるかに関わらず、ピクセルデータは図12(A)に示したようにダミー領域1の先頭アドレス(絶対特定アドレス#xYYY)から書き込まれる。そのため、所定の条件が成立して表示制限が解除されるまでは、再生された動画像は表示回路158に読み込まれず、画像表示装置5に表示されることは無い。ステップS368では、動画像表示制限中に非動画演出画像を表示するため、描画回路155が生成した画像をバックバッファに書き込む制御指令をVDP141に伝達する。一方、演出開始時に動画像を表示する場合(ステップS367;Yes)、ステップS367をスキップする。その結果、再生された動画像のフレームのピクセルデータがバックバッファに書き込まれ、次のフレームに画像表示装置5に表示される。
次に、ステップS364で選択した演出制御パターンにおいて、動画像に対応した音声データを再生するか否かを決定する(ステップS369)。動画像に対応した音声データがある場合、音声データを再生すると決定して(ステップS369;Yes)、VDP141は音制御部159にその音声データの再生開始を指示するシグナルを伝達して、音声データの再生を開始する(ステップS370)。一方、動画像に対応した音声データがない場合、ステップS370をスキップする。
ステップS369で音声データを再生しないと決定するか、ステップS370の処理が終わると、次にステップS364で選択した演出制御パターンにおいて、動画像及び音声データの再生以外の演出を実行するか否かを決定する(ステップS371)。動画像及び音声データの再生以外の演出とは、例えばデータメモリ142に記録された静止画像データ及び音声データを用いて、演出制御パターンに定義された画像処理を実行することで実現される、非動画演出画像(動画像データに基づかない画像)による演出である。このような演出には、例えば飾り図柄を用いた大当り演習中昇格演出や、非確変大当り遊技状態が開始されることを所定のキャラクター及びメッセージを表示して放置する非確変大当り開始報知演出(図27参照)等が挙げられる。演出制御パターンに定義された演出内容が、その他の演出を含むものである場合(ステップS372;Yes)、必要な静止画像データや音声データをデータメモリ142から読み出して、VRAM157の描写用バッファ157Aの所定アドレスに一時保存する。この所定アドレスに一時保存されたデータを用いて、演出のタイムラインに沿った所定のタイミングで、描画回路155及び音制御部159がその他の演出を実行することとなる。
ステップS371でその他の演出が無いと決定するか、ステップS372の処理が終わると、CPU131は、演出制御プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS373)、大当り開始待ち処理を終了する。
図25は、表示制御部121のVDP141が備える第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154bにより実行される動画像データ再生処理の一例を示すフローチャートである。動画像用デコーダ154(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)は、VDP141が演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像再生開始指令を受信したことに応答して、図25に示すような動画像データ再生処理の実行を開始する。この動画像データ再生処理において、動画像再生開始指令により指定された動画像用デコーダ154は、まず、データメモリ142に記憶されている演出表示に使用する動画像データから、1フレーム分のデータ(Iフレーム、Pフレーム又はBフレーム)を読み出す(ステップS801)。なお、フレームデータは、図10で示したように、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。
なお、フレーム内符号化やフレーム間符号化などにより圧縮された画像データから構成される動画像データを読み出す際には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして動画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された動画像データを、そのままVDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば動画像用デコーダ154がステップS801の処理において、ホストインタフェース151などの外部インタフェースを介して、転送された動画像データを受け取るようにすればよい。
ステップS801にてフレームデータを読み出した後、動画像用デコーダ154は、その読出したフレームデータの圧縮データをデコードし(ステップS802)、デコード後のピクチャデータをVRAM157上に確保された一時記憶領域に一旦記憶させる。具体的には、読み出したフレームデータがIフレームである場合には、圧縮データをデコードしてフレームの画像を生成する。一方、Pフレーム又はBフレームである場合には、一時記憶領域に記憶されたデコード済みの他のフレーム(例えば、図12(A)のP2フレームであればI1フレーム)の画像にデコードした差分を適用し、フレームの画像を生成する。デコードが終わりフレームの画像を生成すると生成した画像のピクチャデータを、フレーム番号順に指定された書込先頭アドレスから一画面分だけ表示用バッファ157Bに書き込む。ここで、動画像表示制限指令が伝達されていた場合にはダミー領域の先頭アドレスである絶対特定アドレスが書込先頭アドレスである。この場合、有効なバックバッファにデータが書き込まれないので、動画像は画像表示装置5には表示されない。動画像の表示が制限されているときには、演出制御用マイクロコンピュータ120からの制御指令に基づき、バックバッファには描画回路155が生成した非動演出画像のピクセルデータが書き込まれる。
一方、動画像表示制限指令が伝達されていないか、伝達された後にさらに動画像表示制限解除指令が伝達されてい場合には、そのフレームにおけるバックバッファの先頭アドレス(図12(B)参照)が書込先頭アドレスとなる。そして、生成した動画像のフレームのピクセルデータを書込先頭アドレスから順に、一画面分ピクセルデータを表示用バッファ157Bに書き込む。このように、動画表示制限指令に基づいて表示が制限されるか否かに関わらず、表示すべき動画像のフレームは生成されているので、書込みアドレスをバックバッファの先頭アドレスに指定するだけで、遅滞無く動画像の表示を開始することが出来る。
ステップS803の処理に続いて、読出ポインタ値を次のフレームデータの先頭アドレスで更新する(ステップS804)。ここで、バックバッファの先頭アドレスを切り替える処理も行うようにすればよい。こうして1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了すると、動画像用デコーダ154は、ホストインタフェース151から演出制御用マイクロコンピュータ120に対してイベント割込み信号を出力させる(ステップS805)。これにより、1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了したことが、VDP141から演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131へと通知されることになる。動画像用デコーダ154(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)は、ステップS801からステップS805までの処理を、動画像再生終了設定指令が伝達されるか、指定された動画像データが最後まで再生されるか、いずれかが実現するまで動画像データ再生処理を繰り返す。
図26は、図21のステップS174にて実行される大当り制御中演出処理の一例を示すフローチャートである。この大当り制御中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS601)。このとき、当り終了指定コマンドの受信があれば(ステップS601;Yes)、大当り遊技状態に対応して行われる大当り中演出を終了するための設定を行い(ステップS602)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した“5”に更新してから(ステップS603)、大当り制御中演出処理を終了する。一例として、第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154bの何れかが動画像の再生を行っている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120は動画像生成終了指令をVDP141に伝達して、動画像の再生を終了させる。またステップS602の処理ではこれに加え、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を終了させる制御が行われるようにすればよい。
ステップS601にて当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS601;No)、第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154bが動画像を再生中であるか否かを判定する(ステップS604)。このとき、動画像を再生中で無ければ(ステップS604;No)、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数であるラウンド数に応じて、所定の演出(その他の大当り演出)を実行するように制御すればよい(ステップS605)。一例として、ステップS605の処理では、図24のステップS364で選択された演出制御パターンが定めたとおりに表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、所定の大当り演出動作を実行する制御が行われるようにすればよい。
一方、動画像が再生中であれば(ステップS604;Yes)、次に再生中の動画像のフレームデータがバックバッファに記録され、画像表示装置5に表示されているか否か判定する(ステップS606)。再生中の動画像の表示が制限されておらず、表示されている場合は(ステップS606;Yes)、次に実行中の演出のタイムテーブルと、演出開始からの経過時間を比較し、現在時刻が演出のタイムテーブル上動画像の表示制限を開始して、その他の演出画像(非動画演出)を開始すべきタイミングであるか否か判定する(ステップS607)。ステップS607では、所定の時刻が経過したことに変えて、所定の大当りラウンドが経過したことをもって、動画像の表示制限を開始すべきタイミングであると決定しても良い。判定の結果、動画像の表示制限を開始すべきタイミングである場合には(ステップS607;Yes)、演出制御用マイクロコンピュータ120が動画像表示制限指令をVDP141に送信する(ステップS608)。続けて、図24のステップS364で選択された演出制御パターンが定めたとおりに表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、設定された動画像以外の画像を表示するその他の演出(非動画演出)を実行する(ステップS609)。このようにして、動画像の表示を制限して非動画演出の画像を画像表示装置5に表示させることが出来る。
なお、このとき動画像の表示を制限したとしても、動画像と同期して再生されている音声データの再生(及び放音)を音制御部159に継続させる、としてもよい。大当り演出として、動画像と同期して音声(例えば、動画像に対応する楽曲など)を遊技者に聞かせる演出の実行中に動画像の表示が制限された場合に音声が途切れてしまうと、音声を楽しんでいた遊技者に違和感を与える怖れがある。そこで、動画像の表示を制限したとしても音声の再生出力を継続する構成によって、演出中に表示される動画像の表示を制限する制御を実行した場合でも、音声を継続して提供できる。即ち、違和感の少ない遊技者の満足度の高い演出が実行できる。
一方、動画像の表示制限を開始すべきタイミングでない場合は(ステップS607;No)、ステップS608及びステップS609をスキップして、動画像の表示を継続する。その後、大当り制御中演出処理を終了する。
ステップS606にて、動画像が再生中であるが表示中ではないと判定されると(ステップS606;No)、次に実行中の演出のタイムテーブルと、演出開始からの経過時間を比較し、現在時刻が演出のタイムテーブル上非動画演出を中止して動画像の表示を開始(又は再開)すべきタイミングであるか否か判定する(ステップS610)。ステップS610では、所定の時刻が経過したことに変えて、所定の大当りラウンドが経過したことをもって、動画像の表示を開始すべきタイミングであると決定しても良い。判定の結果、動画像の表示を開始すべきタイミングでない場合には(ステップS610;No)、現在実行中の非動画演出を継続して実行する処理を行う(ステップS611)。一方、動画像の表示を開始すべきタイミングである場合には(ステップS610;Yes)、演出制御用マイクロコンピュータ120が描画回路155に描画処理を停止させる指令と、動画像表示制限解除指令をVDP141に送信して、動画像の表示を開始(又は再開)する(ステップS612)。ステップS611又はS612が終わると、大当り制御中演出処理は終了する。
このようにして実行される動画像の再生表示を含む大当り演出の例を、図27を参照して説明する。図27は、大当り種別が「確変」であったにも関わらず、非確変大当り組合せの飾り図柄が導出表示された場合に実行される、大当り中昇格演出を含む大当り演出の例である。この大当り演出では、大当り遊技状態が開始され、大当り演出が開始されると同時に(あるいはこれに先立って)動画像Aの再生が開始される。しかし、開始直後は非動画演出として非確変大当り遊技状態であることを報知する演出(非確変大当り開始報知演出)が実行される。この期間は、図24のステップS368で送信された動画像表示制限指令により、再生中の動画像の表示が制限される一方、描画回路155が生成した非動画の演出画像が画像表示装置5に表示される。そして、所定時間が経過する、所定ラウンド(例えば1ラウンド)の大当り遊技が終了する、といった所定の条件が成立したことに基づき、図26のステップS612にて動画像表示制限解除指令がVDP141に送信され、表示期間1において再生中の動画像が画像表示装置5に表示される。
その後、所定時間が経過するか、所定ラウンド(例えば7ラウンド)の大当り遊技が終了して、大当り中昇格演出が実行されるべきタイミングに至ると、図26のステップS608で送信された動画像表示制限指令により、再生中の動画像の表示が制限される一方、描画回路155が生成した非動画の演出画像(大当り中昇格演出の画像)が画像表示装置5に表示される。大当り中昇格演出が終了するタイミングに至ると、図26のステップS612にて動画像表示制限解除指令がVDP141に伝達されて、動画像の表示が再開される(表示期間2)。その後、大当り遊技状態が終了するまで、大当り演出として再生中の動画像が継続して画像表示装置5に表示される。
以上説明したとおり、本実施形態の遊技機は、演出制御用マイクロコンピュータ120が動画像用デコーダに動画像の表示に先立って動画の再生を開始させる。このとき、所定の条件が成立するまでは当該動画像の表示を制限する一方、動画像以外の画像を表示する制御を行う。図10(A)又は(B)のような符号化方式で符号化された動画像データを用いると、動画の再生指示から実際に表示されるまで時間がかかる。そのため、図27のように大当り演出として動画像Aの表示開始タイミングを演出実行中に設定すると、動画像の表示が遅れてしまい、演出の満足度が低下するという問題があった。しかし、本実施形態では上記構成により所定の条件が成立する(動画像を表示する望ましい)タイミングに至るまでは動画像を用いない画像を表示し、所定条件が成立すれば遅滞なく動画像を表示することができる。その結果、多様な演出を実行できる、遊技の興趣が高い遊技機を提供できる。
また、所定の条件が成立して動画像を表示すべきタイミングとなるまでは、絶対特定アドレスを書込先頭アドレスとして指定することで、動画像の表示を制限する。このような構成によれば、フレームデータを書込む領域をフレームバッファ領域外の特定アドレスを指定するだけでよいので、複雑な制御の要なく再生中の動画像の表示を制限することが出来る。
さらに、フレームバッファ1及び2を用いるダブルバッファリングにより動画像を再生するに当たって、何れのフレームバッファがバックバッファである場合でも、絶対特定アドレスを書込先頭アドレスとして指定する。このように、ダブルバッファリングにより動画像を表示する場合であっても、書込み領域として絶対特定アドレスに指定するだけでよいので、複雑な制御の要なく再生中の動画像の表示を制限することが出来る。
また、動画像の表示制限を実行するにあたって、動画像と同期して再生中の音声データの再生・放音は続行する。音声データを遊技者に聞かせる演出の実行中に音声が途切れてしまうと、音声を楽しんでいた遊技者に違和感を与える怖れがあるが、このような構成によれば、演出中に表示される動画像の表示を制限する制御を実行した場合でも、音声を継続して提供できるため、遊技者に与える違和感が少ない。
また、図27の大当り演出においては、動画像Aを表示する期間として、表示期間1及び表示期間2が設定され、その間に非動画像の演出である大当り中昇格演出が実行される。本実施形態では、このような場合でも大当り演出期間を通して一つの動画像データを再生する。即ち、表示期間1及び表示期間2に対応するシーン1及びシーン2を含む動画像Aのデータファイルは一つである。本実施形態では、このように一つの動画像データを再生し、非表示期間中は動画像表示制限指令により動画像の表示を制限しつつ非動画演出を実行する。そして、表示期間においては動画像表示制限解除指令により動画像を表示するため、非表示期間を挟んだ複数の表示期間において動画像を表示する演出を、一つの動画像ファイルで実現することが出来るため、動画像ファイルの数が少なくてすむ。そのため、少ない数の動画データで多様な演出を実行できるため、処理負担を軽減することが出来る。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2のパチンコ遊技機1は、図29に示すように、大当り演出として、複数の動画像(動画像1及び動画像2)を同時に再生する一方、表示する動画像をいずれか一方とする。そして、ユーザの切り替え操作(操作ボタン40を押下す操作)に基づいて表示する画像を切り替える。
このような大当り演出を実行するために、本実施形態のパチンコ遊技機1は、大当り演出開始処理(図24)のステップS366にて、第1動画像用デコーダ154aに動画像1の、第2動画像用デコーダ154bに動画像2の、再生を開始させる指令(動画像再生開始指令)を伝達する。そして、何れか一方のデコーダ(例えば、第1動画像用デコーダ154a)に再生した動画像を表示させる一方、もう一方(例えば、第2動画像用デコーダ154b)に動画像表示制限指令を伝達してその再生する動画像の表示を制限する。この制御により、2つの動画像用デコーダを用いて動画像を同時に再生しながら、選択された一つの動画像のみを画像表示装置5に表示することが出来る。
さらに、本実施形態では、飾り図柄プロセス処理(図21)のステップS174にて、図28に示す大当り中演出処理を実行する。その他の処理については実施形態1の遊技機1と同様である。
図28の大当り制御中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS601)。このとき、当り終了指定コマンドの受信があれば(ステップS601;Yes)、大当り遊技状態に対応して行われる大当り中演出を終了するための設定を行い(ステップS602)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した“5”に更新してから(ステップS603)、大当り制御中演出処理を終了する。一例として、演出制御用マイクロコンピュータ120は動画像生成終了指令をVDP141に伝達して、第1動画像用デコーダ154a及び第2動画像用デコーダ154bによる動画像の再生を終了させる。
ステップS601にて大当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS601;No)、第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154bが動画像を再生中であるか否かを判定する(ステップS604)。このとき、動画像を再生中で無ければ(ステップS604;No)、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数であるラウンド数に応じて、所定の演出(その他の大当り演出)を実行するように制御すればよい(ステップS605)。一例として、ステップS605の処理では、図24のステップS364で選択された演出制御パターンが定めたとおりに表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、所定の大当り演出動作を実行する制御が行われるようにすればよい。
一方、動画像が再生中であれば(ステップS604;Yes)、次にユーザの切り替え操作を検出したか否か判定する(ステップS650)。一例として、操作ボタン40が押されると、演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135に操作ボタン40を押下する操作情報が伝達されていた場合に、切り替え操作を検出したと決定すれば良い。切り替え操作を検出した場合に(ステップS650;Yes)、表示動画像を入れ替える処理を実行する(ステップS651)。ステップS651では、第1動画像再生用デコーダ154aと第2動画像再生用デコーダ154bとのうち、現在表示されている動画像を再生している動画像再生用デコーダに動画像表示制限指令を伝達し、現在表示を制限されているもう一方に動画像表示制限解除指令を伝達すればよい。 一方、切り替え操作を検出しない場合は(ステップS650;No)、ステップS651をスキップし、現在の表示状態を維持する。ステップS650でNoと判定されるか、ステップS561の処理が終わると、大当り制御中演出処理は終了する。
このような処理により、複数種類の動画像を平行して再生し、表示切替条件が成立したタイミングで表示する動画像を切り替える演出を行うことが出来る。そのため、動画像を用いたより多様な演出を実行することが出来る。また、操作ボタン40を押下す操作に基づいて動画像を表示する制御と、表示を制限する制御と、を切り替えることができる。
本実施形態で実行される大当り演出の例を、図29を参照して説明する。この大当り演出では、大当り遊技状態が開始され、大当り演出が開始されると同時に(あるいはこれに先立って)第1動画像用デコーダ154aが動画像1の再生を、第2動画像用デコーダ154bが動画像2の再生を開始する。動画像1は、例えば歌手のコンサートの模様を遠望した動画である。一方、動画像2は例えば同じコンサートの同じ時間における歌手の姿をアップで写す動画である。演出開始から最初の切り替え操作を検出するまでは、第2動画像用デコーダ154bを指定した動画像表示制限指令により、動画像2の表示が制限される一方、動画像1が画像表示装置5に表示される。
動画像1が表示されているときに、切り替え操作(図29の切り替え操作1又は切り替え操作3)が検出されると、図28のステップS651にて第1動画像用デコーダ154aを指定した動画像表示制限指令と、第2動画像用デコーダ154bを指定した動画像表示制限解除指令とがVDP141に送信され、以後動画像2が表示される一方、動画像1の表示は制限される。動画像2が表示されているときに、切り替え操作(図29の切り替え操作2)が検出されると、図28のステップS651にて第2動画像用デコーダ154bを指定した動画像表示制限指令と、第1動画像用デコーダ154aを指定した動画像表示制限解除指令とがVDP141に送信され、以後動画像1が表示される一方、動画像2の表示は制限される。
上記説明したとおり、実施形態2に係るパチンコ遊技機1は、図27の表示期間1及び2の開始、図29の切り返え操作検出時等を契機に開始される動画像の表示に先立って動画像A及びBの再生を開始する。このとき、操作ボタンが押下される等の所定の条件が成立するまでは一方の動画像の表示を制限する。このような構成により、複数種類の動画像を複数のデコーダを用いて平行して再生し、表示切替条件が成立したタイミングで表示する動画像を切り替える演出を行うことが出来る。そのため、動画像を用いたより多様な演出を実行することが出来る。
また、操作ボタンが押下される操作を検出した場合に、動画像の表示制限及び表示制限解除を実行する。このような構成によれば、遊技者の操作に基づいて動画像を表示する制御と、表示を制限する制御と、を切り替えることができる。そのため、遊技者の趣向に合致した満足度が高い演出を実行できる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更及び応用が可能である。
(変形例)
例えば、上記実施形態1及び2では、表示用バッファ157B内に図11のような領域を設定し、図12に示すような設定でピクセルデータを書き込むような指定指令をVDPに伝達することにより、動画像の表示制限(及び制限解除)を実行した。動画像の表示制限及び制限解除を実現する方法はこれに限らず、例えば以下のような方法でも良い。
(1)動画像用デコーダには、フレームバッファの先頭アドレスに加えて、先頭アドレスから書き込みを開始する相対アドレスを指定できるものがある。このような動画像用デコーダは、例えばフレームバッファの先頭アドレスを#x0000、相対アドレスとして#x0010を指定することで、ピクチャデータの書込みは#x0000+#x0010=#x0010から開始される。このような動画像用デコーダにおいては、図30(A)のようにフレームバッファ1及び2から相対的に同じ距離にダミー領域を二つ定義すれば、相対アドレスを指定する制御指令を動画像用デコーダに伝達することで動画像の表示制限及び表示制限解除を行うことが出来る。図30(A)の例では、フレームバッファ1の先頭アドレス(#xBBB)から相対特定アドレス(#xXXX)だけ上流にダミー領域1を、フレームバッファ2の先頭アドレス(#xAAA)から相対特定アドレス(#xXXX)だけ上流にダミー領域2を、それぞれ定義する。ダミー領域の大きさはフレームバッファと同じである。そして、表示制限時には相対アドレスとして相対特定アドレス(−#xXXX)を指定して、相対特定アドレスだけ上流からピクセルデータを書き込むように指定する(図31(A)参照)。その結果、表示制限時には奇数フレーム(フレームバッファ1が書き込み対象のバックバッファであるとき)にはダミー領域1に、偶数フレーム(フレームバッファ2が書き込み対象のバックバッファであるとき)にはダミー領域2に、それぞれピクセルデータが書き込まれるので、動画像のフレームは画像表示装置5には表示されない。表示制限を解除する場合は、図31(B)のように、相対アドレスを0(あるいは、デコードした画像のピクセルデータがフレームバッファ内におさまるようなアドレス)に指定すればよい。このような構成によれば、ダブルバッファリングにより動画像を表示する構成において、フレームデータを書込む領域としてフレームバッファ領域外の相対特定アドレスを指定するだけでよいので、複雑な制御の要なく再生中の動画像の表示を制限することが出来る。
(2)また、動画像のフレームデータをダミー領域に書込む変わりに、動画像用デコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)がデコードした動画像を表示する範囲を0とすることで、動画像の表示制限を実現しても良い。
(2−1)動画像を表示する範囲を指定する方法として、図31(C)及び(D)に示したように、書込アドレス指定シグナルにおいて動画像用デコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)がデコードした動画像のフレームをバックバッファに書き込む範囲を指定する方法が考えられる。この場合、動画像表示制限指令として、図31(C)に示したように、書込み範囲を0とする指令を伝達することで、動画像を表示する範囲を0とすることが出来る。一方、動画像表示制限解除指令として、図31(D)に示したように、書込み範囲を動画像の解像度(例えば800×600ピクセル)に指定する指令を伝達すれば良い。この場合、VRAM上の表示用バッファ157Bにはダミー領域を設定する必要は無く、図30(B)のように必要なフレームバッファ(フレームバッファ1及び2)を定義する。
(2−2)動画像を表示する範囲を0とするために、(2−1)のようにフレームバッファに書き込む領域の範囲を0とするほかに、表示回路158がフレームバッファに書き込まれたピクセルデータを表示する範囲を0とする方法が考えられる。この場合、少なくとも動画像の表示制限を実行している間は、デコードした動画像のフレームを書き込むフレームバッファ(例えば図30(C)のフレームバッファ1)のほかに、非動画の画像を表示するため描画回路155が生成した画像データを書き込むフレームバッファ(例えば図30(C)のフレームバッファ2)が設定されている必要がある。その上で、動画像表示制限指令として、表示回路158に図31(E)のように、フレームバッファ2の先頭(#xBBB)から表示するピクセル数(800×600)だけデータを読み出す一方、フレームバッファ1の先頭アドレスからはデータを読み出さない(読み出し範囲0)旨のコマンドを送信すればよい。また、動画像表示制限解除指令としては、フレームバッファ1の先頭(#xAAA)から表示するピクセル数(800×600)だけデータを読み出す一方、フレームバッファ2の先頭アドレスからはデータを読み出さない表示設定を表示回路158に指定する制御指令を伝達すればよい。
(2−3)VDP141には、表示回路158を複数備えるものがある。この場合は、以下のようにして動画像を表示する範囲を0とすることができる。即ち、まず複数の表示回路を、動画像を表示するための表示回路(動画像用表示回路)と、非動画演出画像を表示するための表示回路(その他の表示回路)として設定する。その上で、フレームバッファを図30(C)のように設定した上で動画像用表示回路はフレームバッファ1から、その他の表示回路はフレームバッファ2から、それぞれピクセルデータを読み込むように設定する。そして、動画像の表示制限中には動画像用表示回路が表示するサイズを0とする一方、画像表示装置5にはその他の表示回路によって非動画演出画像が表示されるように制御する(図31(G)参照)。また、表示制限を解除する場合は所定の範囲で動画像用表示回路が画像表示装置5に動画像を表示するように制御すれば良い(図31(H)参照)。
上記(2−1)〜(2−3)の構成によれば、表示制限時に動画像を表示する範囲を0とする制御指令を伝達し、制限を解除する場合には0でない所定の領域に表示する指定指令を伝達するだけで、複雑な制御の要なく再生中の動画像の表示を制限することが出来る。
なお、上記説明ではVRAM157上にフレームバッファ2を二つ設定する場合について説明したが、フレームバッファを1つだけ含む構成でも本発明は実現可能である。例えば、図31(D)に示すように、VRAM157に一つのフレームバッファ1のみを設定し、一つの表示回路158が常にフレームバッファ1からピクセルデータを読み出して画像表示装置5に表示する構成について説明する。このときには、動画像表示制限指令として、再生中のデコーダ(第1動画像用デコーダ154a又は第2動画像用デコーダ154b)に対して、図31(I)に示すようにフレームバッファへの書込み範囲を0として指定した上で、描画回路155が生成した画像のピクセルデータをフレームバッファ1に書き込ませる制御を実行すれば良い。一方、動画像表示制限解除指令としては、図31(J)のように、再生中のデコーダが0でない所定の範囲でピクセルデータを書き込むように指定すればよい。
また、再生中の動画像の表示制限を実行し、所定の条件が成立した場合に動画像の表示制限を解除する演出の例として、大当り演出を例にとって説明してきた。しかし、このような演出は動画像を所定のタイミングで表示開始する任意の演出であれば、リーチ演出等の任意の演出に適用できる。
また、上記実施形態1及び2では、動画像再生開始指令によりVDP141が動像画の再生進行に合わせて自動的にフレームのデコードするとした。これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータがフレーム毎に動画像デコード指令をVDP141に送信することにより動画像を再生しても良い。この場合、動画像デコーダ指令はデコード対象となるフレームデータの画像データメモリ(あるいは一時記憶領域)上のアドレスと、デコードしたフレームのピクセルデータを書き込むアドレス、書込み範囲等を指示する情報を含む。この構成においては、例えば動画像表示制限中にはダミー領域を書込アドレスとした動画像デコーダ指令を送信し、動画像表示制限を解除した場合にはバックバッファを書込アドレスとした動画像デコーダ指令をVDP141に送信することで、上記のような所定の条件が成立したタイミングで遅滞無く動画の表示を開始する制御が可能となる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行う機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、この発明は、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について説明する。
図32は、この発明を適用したスロットマシンの一例となるスロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口するする筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールRL、RC、RRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。また、スロットマシン500の前面扉には、表示機能を有する画像表示装置510が設けられている。
リールRL、RC、RRの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールRL、RC、RRの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置501にて各々上中下三段に表示されている。各リールRL、RC、RRは、各々対応して設けられたリールモータ651L、651C、651R(図33)によって回転させることで、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールRL、RC、RRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として、視認可能に導出表示されるようになっている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、メダルを投入可能なメダル投入口502、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ503、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ504、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ508が設けられている。メダル投入口502に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。
操作テーブル520の手前側には、スロットマシン500にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー505、リールRL、RC、RRの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ506L、506C、506Rが設けられている。操作テーブル520の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口507が設けられている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の上部には、スロットマシン500での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えていればよい。遊技情報表示部の左右には、効果音を発する2つのスピーカ511L、511Rが設けられている。その他、画像表示装置510の上部には、遊技効果ランプ512が設けられており、操作テーブル520の前面左右には、それぞれ遊技効果ランプ513、514が設けられている。
スロットマシン500においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口502から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ503またはMAXBETスイッチ504を操作する。こうして賭数が設定されると、賭数に応じた複数の入賞ラインのいずれかが有効となり、スタートレバー505の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートレバー505が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ505A(図33)により検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リールRL、RC、RRが回転し、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ506L、506C、506Rが操作されると、対応するリールRL、RC、RRの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリールRL、RC、RRの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リールRL、RC、RRの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン500では、スタートレバー505が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン500における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
スロットマシン500には、例えば図33に示すような主基板600、演出制御基板620、リールユニット650などが搭載されている。その他にも、スロットマシン500には、主基板600に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。主基板600には、遊技制御用マイクロコンピュータ610が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ610は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。
リールユニット650は、リールモータ651L、651C、651R、リールランプ652、リールセンサ653などを備えて構成される。リールモータ651L、651C、651Rは、各リールRL、RC、RRを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リールRL、RC、RRの内部に設けられ、各リールRL、RC、RRに描かれた図柄のうち、可変表示装置501にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ653は、各リールRL、RC、RRの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板620には、演出制御用マイクロコンピュータ630や、表示制御部631、音制御部632、ランプ制御部633などが搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ630は、上記実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ120と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAM、リセット/割込みコントローラなどを備えて構成されている。表示制御部631は、画像表示装置510における表示動作の制御を行うものであり、上記実施の形態における表示制御部121と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行するVDPと、画像表示装置510の画面上に画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する画像データメモリとを備えて構成されている。
表示制御部631が備えるVDPには、上記実施の形態と同様に、ホストインタフェース、データメモリインタフェース、(第1及び第2)動画像用デコーダ、描画回路、VRAM(描画用バッファ、表示用バッファ、Zバッファを含む)、表示回路などが設けられている。表示用バッファには、必要に応じてフレームバッファ1、フレームバッファ2、ダミー領域等が設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ630では、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置510やスピーカ511L、511R、遊技効果ランプ512〜514などによる演出動作を制御するための指令や処理が、CPUによって実行される。表示制御部631では、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理が、VDPによって実行される。
画像表示装置510の画面上には、例えば上記実施の形態における画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rと同様にして、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRが設けられ、可変表示装置501における図柄の可変表示に対応して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄が可変表示される。
例えば、ストップスイッチ506Lが操作されたことによりリールRLの回転を停止させ、続いて、ストップスイッチ506Cが操作されることによりリールRCの回転を停止させることに対応して、画像表示装置510では、「左」の可変表示部DLに飾り図柄を停止表示させ、続いて、「中」の可変表示部DCに飾り図柄を停止表示させる。このとき、可変表示装置501では、リールRLの停止により導出表示された図柄と、リールRCの停止により導出表示された図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。また、画像表示装置510では、「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄と、「中」の可変表示部DCに停止表示された飾り図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。
表示制御部631が備えるデータメモリには、図9のデータメモリ142と同様にフレーム間予測を用いた符号化方法で符号化された動画像データと、動画像以外の演出画像を生成するための静止画像データと、音声データと、を記憶する。演出制御用マイクロコンピュータ630は、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンで指定された動画像の表示開始タイミング前に動画像用デコーダに動画像の再生開始を指示する。そして、所定の条件が成立して動画像を表示すべきタイミングになるまで、実施形態1及び2で説明したように、動画像表示制限指令によりデコードしたフレームのピクセルデータをダミー領域に書き込む制御を行う。そして、動画像を表示すべきタイミングになれば、図26のステップS608と同様に動画像表示制限解除指令をVDPに送信して、動画像を表示する制御を行えばよい。その他、変形例に示した方法により動画像の表示制限及び表示制限解除を実行することも可能である。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明の遊技機は、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能なスロットマシンに限らず、例えばパチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンなどにも適用することができる。