JP2008027984A - 基板洗浄液 - Google Patents

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誠司 東野
Toshiaki Otani
俊明 大谷
Yasutaka Nazuka
康隆 名塚
Masaichi Kobayashi
政一 小林
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Abstract

【課題】基板洗浄液中の防食剤の効果を長期間維持させることによって、銅配線を腐食させずに多数の基板を洗浄することができる基板洗浄液を提供する。
【解決手段】フッ化物塩、防食剤、界面活性剤、および、水系溶媒を含有する基板洗浄液であって、前記防食剤をトリアゾール化合物とし、界面活性剤を、ポリエーテルポリオール、アルキルベタイン、リン酸エステル化合物、および、ポリスチリルフェニルエーテルからなる群から選ばれる一種以上とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子回路パターン製造時において、基板をエッチング、アッシングまたはケミカルメカニカルポリッシング(CMP)処理した際に発生する残渣を洗浄する際に用いる基板洗浄液に関する。特に、基板洗浄液中の防食剤の効果を長期間において維持することができる基板洗浄液に関する。
半導体ウエハ上の集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)、液晶表示板(LCD)における液晶駆動用回路等は、一般的にフォトリソグラフィー技術を用いて、基板上に微細な電子回路パターンを形成して製造されている。具体的には、酸化ケイ素等の絶縁膜、Al、AlCu、AlSiCu、Cu、Ti、TiN等の金属膜、またはスピンオングラス(SOG)や化学気相成長法(CVD)によって成膜される低誘電層間絶縁膜(いわゆるLow−k材からなる膜)が形成された基板ウエハ上に、レジストを塗布し、所望のパターンを形成したマスクを通じて露光し、現像することで、所望の部位にレジストパターンを形成させ、次いでこのレジストパターン上から上記絶縁膜、金属膜、または低誘電層間絶縁膜に対してエッチング、アッシング処理を行い、その後レジストパターンを除去して製造されている。
こうした電子回路パターンの形成において、パターン化されたレジストは、洗浄液により洗浄されて除去されるか、あるいは、アッシング処理した後に、残渣洗浄液により洗浄されて除去される。このアッシング処理は、プラズマ等のエネルギーによりレジストを灰化させて除去する方法である。こうしたアッシング処理後のレジスト除去面には、レジストアッシング残渣と呼ばれる不完全灰化物が残存することがある。このレジストアッシング残渣は、高度の重合物であったり、一部が無機化していたりするため、洗浄液により洗浄することが難しい場合があった。
また、電子回路パターンの形成において、エッチング処理によって、レジストパターンに沿って形成された電子回路パターンの側壁に、エッチングガスとレジスト、その下地の絶縁膜、金属膜、低誘電層間絶縁膜、基板等とが複雑に反応して形成される難溶性物からなる側壁堆積膜が生じる。この側壁堆積膜は異方性エッチングの効果を高める目的で意図的に生成させる場合と、意図に反して生成する場合がある。しかし、いずれにせよ、この側壁堆積膜は、洗浄液によって十分に除去することが難しいものであった。
また、上記の側壁堆積膜やレジストアッシング残渣は、エッチングとして反応性イオンエッチング(以下、「RIE」と省略する場合がある。)を行った場合、特に溶解性の低いものとなる。ここで、RIEとは、基板であるウエハに負電圧をかけ、フッ化炭素、フッ化水素、塩化水素等のハロゲン化合物ガスを含む反応性ガスにプラズマを照射し行う方法である。
一方、近年、半導体素子の高集積化とチップサイズの縮小化に伴い、配線回路の微細化および多層化が進む中、半導体素子においては、用いる金属膜の抵抗と配線容量に起因する配線遅延等が問題視されている。そして、このような問題を解決するために、配線材料として、従来用いられているアルミニウムから、より配線抵抗の少ない、例えば銅のような金属を用いる方向へと移行している。そして、銅を配線材料として用いた場合、銅表面に自然酸化膜が生じると共に、エッチングストッパー膜のエッチング処理の際には、銅由来のエッチング残渣が生じる。よって、洗浄液は、これらを除去する必要もある。
また、銅を配線材料として用いた場合は、絶縁膜の溝に銅を埋め込んで配線を形成するダマシン法、あるいは配線とプラグとを一括成形するデュアルダマシン法が行われている。また、絶縁膜の溝からはみ出た銅を削りとるためにケミカルメカニカルポリッシング(CMP)が行われていた。そして、このCMPの際にも銅由来の残渣が発生するため、これを洗浄液により除去する必要があった。
以上のように、電子回路パターンの形成においては、種々の残渣が発生するため、このような多様な残渣を一液で除去することができる基板洗浄液が求められている。
また、基板洗浄液には、上記のように、多様な残渣を除去することが求められていると共に、Si系材料(Si系材料とは、絶縁膜および低誘電層間絶縁膜を形成している材料である。)、および金属配線に対して、防食性を有していることが必要である。特に、銅を配線材料として用いた場合には、アルミニウムを配線材料として用いた基板用である従来の洗浄液を、レジスト剥離工程において使用すると、配線材料である銅が腐食してしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、トリアゾール系の防食剤を添加した洗浄液がある(特許文献1)。
特開2001−83712号公報
しかし、トリアゾール系の防食剤は、銅イオンと結合する性質がある。銅配線パターンを有する基板を洗浄した基板洗浄液中には銅イオンが溶け出しており、基板洗浄液中のトリアゾール系の防食剤がこの銅イオンと結合する。トリアゾール系の防食剤が銅と結合してしまうと、銅の表面を保護するという防食剤の効果が低下してしまう。また、基板洗浄液は、同一の洗浄液によって多数の基板を処理することから、基板洗浄液中には多量の銅イオンが溶解している。このため、従来の基板洗浄液においては、トリアゾール系防食剤の防食性が大きく阻害されていた。
そこで、本発明は、基板洗浄液中の防食剤の効果を長期間維持させることによって、銅配線を腐食させずに多数の基板を洗浄することができる基板洗浄液を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を続けた結果、フッ化物塩、防食剤、を含有する基板洗浄液に、特定の界面活性剤を含有させることによって、種々の残渣に対する優れた洗浄性を確保しつつ、銅配線の防食性を長期間維持することができることを見出し、以下の本発明を完成させた。
第1の本発明は、フッ化物塩、防食剤、界面活性剤、および、水系溶媒を含有する基板洗浄液であって、前記防食剤がトリアゾール化合物であり、界面活性剤が、ポリエーテルポリオール、アルキルベタイン、リン酸エステル化合物、および、ポリスチリルフェニルエーテルからなる群から選ばれる一種以上である、基板洗浄液である。
第1の本発明の基板洗浄液は、防食剤としてトリアゾール系化合物を用いているので銅配線に対する防食性を有するが、特定の界面活性剤を含むことによりその効果が長期間維持する。
第1の本発明の基板洗浄液において、基板洗浄液全体を100質量%として、フッ化物塩の含有量は0.01〜2質量%、防食剤の含有量は0.01〜2質量%、界面活性剤の含有量は0.01〜5質量%であることが好ましい。
第1の本発明において、フッ化物塩はフッ化アンモニウムであることが好ましい。
第1の本発明の基板洗浄液は、水溶性高分子をさらに含んでいることが好ましく、その含有量は、基板洗浄液全体を100質量%として0.05〜1質量%であることが好ましい。また、水溶性高分子はポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸からなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
第1の本発明において、水系溶媒は有機溶媒を含有していることが好ましく、その含有量は水系溶媒全体の質量を100質量%として80質量%以下であることが好ましい。
第1の本発明の基板洗浄液は、銅を配線材料とする基板を洗浄するのに好適に用いられる。
第2の本発明は、第1の基板洗浄液を用いた、基板の洗浄方法である。
第3の本発明は、金属膜、絶縁膜を有する基板上にレジストパターンを形成する工程、金属膜および/または絶縁膜をエッチングする工程、レジストパターンをアッシングする工程、並びに、第1の本発明の基板洗浄液を用いて金属膜および/または絶縁膜由来のエッチング残渣およびレジスト由来のアッシング残渣を除去する工程、を有する基板の製造方法である。
本発明の基板洗浄液は、種々の残渣に対する優れた洗浄性を発揮することができる。また、界面活性剤を含有することによって、銅配線の防食性を長期間維持することができる。
以下、本発明の基板洗浄液について、より詳しく説明する。
<基板洗浄液>
本発明の基板洗浄液は、フッ化物塩、防食剤、界面活性剤、および、水系溶媒を含有している。また、本発明の基板洗浄液は、必要に応じて、さらに、水溶性高分子、pH調整剤等を含んでいてもよい。
(フッ化物塩)
フッ化物塩としては、フッ化アンモニウム塩、あるいはメチルアミンフッ化水素塩、エチルアミンフッ化水素塩、プロピルアミンフッ化水素塩、メチルエタノールアミンフッ化水素塩、ジメチルエタノールアミンフッ化水素塩等のアルキルアミンフッ化水素塩等が好ましく用いられる。上記のような化合物は、1種単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、これらフッ化物塩の中でも洗浄効果が高いという理由から、フッ化アンモニウム塩を用いることが好ましい。なお、前記フッ化アンモニウム塩は、そのカチオン種であるアンモニウムイオンの窒素原子に結合する4個の水素原子のうちの一部または全部が置換されていてもよく、アンモニウム塩を構成する置換基としては、特に制限されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3の低級アルキル基またはフェニル基等のアリール基等が好ましく挙げられる。
本発明において好ましく用いられるフッ化アンモニウム塩としては、フッ化アンモニウム;フッ化モノメチルアンモニウム、フッ化モノエチルアンモニウム、フッ化モノフェニルアンモニウム等のフッ化第1級アンモニウム塩;フッ化ジメチルアンモニウム、フッ化ジエチルアンモニウム、フッ化ジフェニルアンモニウム等のフッ化第2級アンモニウム塩;フッ化トリメチルアンモニウム、フッ化トリエチルアンモニウム、フッ化トリフェニルアンモニウム等のフッ化第3級アンモニウム塩;フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラプロピルアンモニウム、フッ化トリメチルエチルアンモニウム、フッ化トリエチルメチルアンモニウム、フッ化ジメチルジエチルアンモニウム、フッ化ジメチルジプロピルアンモニウム、フッ化テトラフェニルアンモニウム、フッ化トリメチルフェニルアンモニウム等のフッ化第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも洗浄効果が特に優れるという理由から、フッ化アンモニウム{(NH}を用いることがもっとも好ましい。
上記のフッ化物塩の含有量は、基板洗浄液全体の質量を100質量%として、0.01〜2質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。フッ化物塩の含有量が少なすぎると、酸化銅の除去性能が低下すると共に、Si系材料由来の残渣の除去性能が低下する。一方、フッ化物塩の含有量が高すぎると、防食性能が損なわれるおそれがある。
(防食剤)
本発明においては、銅配線の防食性を付与するために、防食剤としてトリアゾール化合物を使用する。トリアゾール化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1−(2’,3’−ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾールアミン塩、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールアミン塩などのトリルトリアゾールアミン塩、等を挙げることができる。
トリアゾール化合物からなる防食剤の含有量は、基板洗浄液全体の質量を基準(100質量%)として、0.01〜2質量%であることが好ましく、0.02〜1質量%であることがより好ましい。防食剤の含有量が少なすぎると、基板材料の防食効果が不十分となる場合がある。また、防食剤の含有量が多すぎると、基板材料の防食効果が飽和してしまう。
(界面活性剤)
本発明では界面活性剤として、ポリエーテルポリオール、アルキルベタイン、リン酸エステル化合物、および、ポリスチリルフェニルエーテルからなる群から選ばれる一種以上を使用する必要がある。
トリアゾール系化合物からなる防食剤を含有する基板洗浄液を用いて、基板を多数洗浄した場合、基板洗浄液中の銅イオン濃度が高くなり、これにより、トリアゾール系の防食剤と銅イオンとが錯体を形成し、トリアゾール系の防食剤の防食能が低下してしまう。本発明においては、上記特定の界面活性剤を添加することにより、トリアゾール系防食剤と銅イオンとの錯形成を阻害して、トリアゾール系防食剤の防食能の低下を防いでいる。
界面活性剤であっても、前記4種以外の界面活性剤を使用した場合には、このような効果を得ることができず、防食効果を長期に渡り維持することが困難である。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、以下の式(1)の化合物を用いることができる。
Figure 2008027984
(式(1)において、R、R、Rは、
Figure 2008027984
あるいは
Figure 2008027984
であり、n、m、pは、3〜100の整数であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)。防食効果の維持という点で、R、R、およびRのうちの少なくとも一は、異なる基であるのが好ましい。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(オキシエチレンユニットを25、オキシプロピレンユニットを25有するもの)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(オキシエチレンユニットを35、オキシプロピレンユニットを35有するもの)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(オキシエチレンユニットを50、オキシプロピレンユニットを50有するもの)を挙げることができる。
また、ポリスチリルフェニルエーテルとしては、例えば、以下の式(2)の化合物を用いることができる。
Figure 2008027984
(式(2)において、mは、1〜3の整数であり、nは、3〜100の整数である。)
このようなポリスチリルフェニルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル(オキシエチレンユニットを15有するもの)、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル(オキシエチレンユニットを31有するもの)、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル(オキシエチレンユニットを12有するもの)、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル(オキシエチレンユニットを15有するもの)等を挙げることができる。
アルキルベタインとしては、例えば、以下の式(3)の化合物を用いることができる。
Figure 2008027984
(式(3)において、R、R、Rは、炭素数1〜20の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基である。)
このようなアルキルベタインの具体例としては、N−ラウリルジメチルベタイン、N−セチルジメチルベタイン等を挙げることができる。
リン酸エステル化合物としては、例えば、以下の式(4)の化合物を用いることができる。
Figure 2008027984
(式(4)において、R、Rは、炭素数1〜20の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基、あるいは、水素原子である。)。このようなリン酸エステル化合物の具体例としては、オクチルフォスフェート、ラウリルフォスフェート、セチルフォスフェート、ステアリルフォスフェート等を挙げることができる。
これらの中でもアルキルベタインおよびリン酸エステル化合物が、防食効果の維持という点で最も好ましい。
(水系溶媒)
また、本発明の基板洗浄液は、残渣を溶解したり分散させたりして被洗浄物である基板から除去するために水系溶媒を必須成分として含有する。本発明において、水系溶媒とは、有機溶媒を含有していてもよい水のことをいい、水系溶媒中における有機溶剤の含有量は、水系溶媒全体の質量を基準(100質量%)として、80質量%以下、好ましくは70質量%以下である。有機溶剤の含有量が多すぎると、銅由来のエッチング残渣、および自然酸化膜である酸化銅を除去することが困難となる。
水系溶媒の水としては洗浄時における汚染を防止するため、超純水を用いることが特に好ましい。なお、超純水は、半導体製造に通常用いられる超純水を意味し、Naイオン、Kイオン等の金属カチオンの総計含有量が5ppb以下であり、かつハロゲンイオンの総含有量が5ppb以下である水を意味する。
有機溶剤としては、水溶性でありかつ極性の高いものが用いられる。このような有機溶剤としては、ジメチスルホキシド等のスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類;ジオキサン等のエーテル類;イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。なお、上記有機溶剤を用いる際は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の基板洗浄液中の水系溶媒の含有量は特に限定されないが、本発明の基板洗浄液全体の質量を基準(100質量%)として、89〜99.97質量%である。
(水溶性高分子)
本発明の基板洗浄液は、水溶性高分子をさらに含んでいてもよい。水溶性高分子とは、親水基が分子中に統計的に均一に分布して存在する合成または天然の高分子物質である。具体的には合成高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが挙げられ、天然に存在するものにはポリリン酸、アミロース、多糖類、ゼラチン等が挙げられる。これらの水溶性高分子のうちで好ましいのは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸である。
これらの水溶性高分子の分子量は、3,000以上、好ましくは10,000以上のものである。分子量が3,000よりも小さい場合には、防食の効果が弱くなる傾向がある。また、分子量があまりに大きい場合には、一般に水に対する溶解度が小さくなったり、または溶液の粘度が増し、防食ムラを生じたりする可能性があるので、500,000以下のものがよい。特に好適には10,000〜100,000の範囲である。
また、本発明における水溶性高分子は、分子中に存在する親水基によって、下地を構成する金属あるいはSiO等の絶縁膜、低誘電層間絶縁膜と電気的に、あるいは配位結合等の親和力によって吸着して、その表面に保護被膜を形成し、防食の効果を発揮するものと考えられる。このため、水溶性高分子は、該下地金属表面に単分子層を形成するにたる量以上用いるのが好ましい。しかしながらあまりに多量に用いた場合には、溶液の粘度が増し、かえって残渣が十分に除去されないことがある。そこで、水溶性高分子の洗浄液中での濃度は、0.05〜1質量%、好ましくは、0.1〜0.5質量%の範囲で用いるのが好ましい。
(その他の成分)
本発明の基板洗浄液は、その他の成分として、pH調整剤を含んでいてもよい。また、pH調整剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
<基板洗浄液の調製方法>
本発明の基板洗浄液の調製方法は特に限定されず、例えば所定量の各成分を混合することにより調製することができる。このとき、温度および撹拌条件等特に制限はない。ただし、本発明の基板洗浄液は、洗浄による基板の汚染を極力少なくするため、該洗浄液中に含まれる各種金属イオンの含有量およびパーティクルの含有量は極力少ないことが好ましい。例えば各種金属イオン含有量は、それぞれ50ppb以下、より好ましくは10ppb以下、パーティクルについても好ましくは0.5μm以下の粒子が1ml中に50個以内となるように、さらに好ましくは0.3μm以下の粒子が1ml中に50個以内となるように管理することが望ましい。したがって、本発明の基板洗浄液を調製するに際しては、金属イオンおよびパーティクルが混入しないような条件下で行われることが好ましい。また、調製後においては、パーティクルを除去する目的でフィルターを通過させる等の処理を行うことが好ましい。
<基板洗浄液の使用方法>
本発明の基板洗浄液は、電子回路パターン、特に銅配線パターンを有する基板を製造する際に、レジスト残渣を除去するための洗浄液として用いることができる。本発明の基板洗浄液によって除去されるレジストは特に限定されず、電子回路パターンの製造に用いられるg線用、i線用、KrFエキシマ光線用、ArFエキシマ光線用、Fエキシマ光線用、X線用、電子線用のレジスト等のノボラック系樹脂、ポリヒドロキシスチレン系樹脂またはポリメタクリル酸系樹脂等からなる公知のレジストに対して用いることができる。
本発明の洗浄液は、通常、基板ウエハ上に形成されたレジストパターンにエッチング、アッシング処理した後に残存するレジスト残渣を除去する目的で用いられる。レジストのアッシング処理としては、酸素ラジカルを発生させてレジストを灰化させる公知の方法が制限なく適用できる。例えば、バッチ式でも枚葉処理式でもよく、さらにオゾンアッシング方式、UVオゾンアッシング方式等が制限なく適用できる。エッチング処理としては、ウエットエッチングおよびドライエッチングのどちらでも構わないが、通常はドライエッチッグした後の残渣を除去する際に用いられる。ドライエッチングとしてはプラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング等があるが制限なく適用できる。
また、洗浄対象となる基板ウエハは、特に制限されるものではなく、表面にSiO、SiN、SiON、SiC等の絶縁膜、SOGやCVDによって成膜される低誘電層間絶縁膜材料、Cu、W、Ti、TiN、Ta、TaN等の配線が形成されたシリコンウエハ、ガラス等、一般的に用いられている基板が制限なく用いることができる。本発明の洗浄液を用いることによるメリット、すなわち高い防食効果を長期間維持できるという観点から、本発明の洗浄液は銅配線パターンを有する基板に対して特に好ましく用いられる。
なお、上記の銅配線パターンを有する基板は、銅配線パターンが表面に形成された基板だけでなく、表面に銅配線パターンが露出していない基板、例えば銅配線パターンの上部にストッパー膜等が残存する基板も含まれる。
銅配線パターンを形成するCuダマシンプロセスにおいては、銅配線パターンの上部にストッパー膜を残したままダマシン構造を形成し、最後にストッパー膜をエッチングすることが多い。そのため、一般的に、ダマシン構造を形成する際に用いられる洗浄液と、ストッパー膜をエッチングした後に用いられる洗浄液は、同じ洗浄液を用いる。また、ストッパー膜が残存する基板を処理する際に用いられる洗浄液も、信頼性のため銅配線を腐食しない洗浄液が望まれている。したがって、本発明の洗浄液は、銅配線パターンが表面に露出していない基板に対しても好ましく用いられる。
本発明の基板洗浄液を用いた洗浄方法は、従来の洗浄液を用いた洗浄方法と特に変わる点はなく、例えば被洗浄物を洗浄液に浸漬したり、その処理表面(レジストまたは残渣が付着している面)に洗浄液をスプレーしたりすることにより行うことができる。その際、洗浄液の温度は特に制限されるものではないが、通常は10〜50℃、好ましくは20〜40℃の範囲である。また洗浄時間は、用いる装置、洗浄温度、残渣の種類または量等によって大きく変化するが、通常2.0秒〜30分程度、好ましくは40秒〜20分である。
一般に洗浄液は加温して用いた方が残渣に対する除去能力は向上するが、一方で、下地の腐食も大きくなるため、許容できる洗浄時間は短くなる傾向がある。したがって、被洗浄物の種類に応じて、洗浄性、防食性、操作性を勘案して好適な温度を適宜設定すればよい。なお、使用後の洗浄液はポンプ等で循環し、必要によりフィルタレーションして、可能な限り繰り返し用いてもよく、また、有効成分のみを再生して用いてもよい。
以下に実施例等を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等により何ら制限されるものではない。
<基板洗浄液の調製>
実施例1〜12および比較例1〜11
表1(実施例1〜12)および表2(比較例1〜11)に示すような組成で、基板洗浄液を調整した。
<基板洗浄液の評価>
シリコンウエハ上に銅、エッチングストッパー膜(珪素酸窒化膜)、Low−k膜(Black Diamond:APPLIED MATERIALS製)を成膜し、その上に市販のポジ型レジスト組成物を塗布、乾燥してレジスト膜を形成した。このレジスト層にマスクを介してパターンを露光し、現像後、これをマスクとしてLow−k膜をエッチングして除去した後、レジストパターンにOプラズマアッシング処理を行った。最後に、エッチングストッパー膜をエッチングした。
次に、液温23℃に保持した実施例1〜12および比較例1〜11の基板洗浄液中に、上記のウエハを2分浸漬した後、超純粋で洗浄し、乾燥した。処理後のウエハのFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)観察により、残存するエッチング残さの有無からSi系材料の残さ除去性を確認し、また、Si系材料の腐食の様子およびエッチングにより現れたVia底部の銅の腐食の様子を確認した。これら判断基準は以下の通りである。得られた結果を表1に示す。
なお、Cu腐食の様子については、実施例1〜12および比較例1〜11の基板洗浄液(表中、この洗浄液を「銅イオン添加無し」という。)を用いると共に、この基板洗浄液に、銅を銅イオン濃度が250ppm、および、500ppmになるように溶解させたもの(表中、この洗浄液を「銅イオン添加有り」という。)を用いて評価を行った。
(Si系材料の残さ除去性)
○:完全に除去できた。
×:完全に除去することはできなかった。
(Si系材料の腐食の様子)
○:腐食がなかった。
×:腐食があった。
(Cu腐食の様子)
◎:銅イオンを250ppm、500ppm添加、ともに腐食がなかった。
○:銅イオンを250ppm添加において腐食がなかったが、500ppm添加において少しの腐食があった。
△:銅イオンを250ppm添加において少しの腐食があった。
×:多くの腐食があった。
Figure 2008027984
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表1および表2中、有機溶剤として示した「DMAc」はジメチルアセトアミドであり、「NMP」はN−メチルピロリドンであり、「DMSO」はジメチルスルホキシドである。また、防食剤として示した「SEETEC TA−268」はシプロ化成社製の4−メチル−1H−ベンゾトリアゾールアミン塩と5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールアミン塩の混合物である。また、界面活性剤として示した「パイオニン−P1525」、「パイオニン−P2280」はポリエーテルポリオール化合物系界面活性剤であり、「パイオニン−D6131」はポリスチリルフェニルエーテル化合物系界面活性剤であり、「パイオニン−A−70−F」はリン酸エステル化合物系界面活性剤であり、「パイオニン C−157−K」はアルキルベタイン化合物系界面活性剤であり、すべて竹本油脂社製の界面活性剤である。また、「テクスノール R2」は日本乳化剤社製のアルキルベタイン化合物系の界面活性剤である。
以上、現時点において、最も、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う基板洗浄液、この基板洗浄液を用いた基板の洗浄方法、および、基板の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。

Claims (8)

  1. フッ化物塩、防食剤、界面活性剤、および、水系溶媒を含有する基板洗浄液であって、
    前記防食剤がトリアゾール化合物であり、
    前記界面活性剤が、ポリエーテルポリオール、アルキルベタイン、リン酸エステル化合物、および、ポリスチリルフェニルエーテルからなる群から選ばれる一種以上である、基板洗浄液。
  2. 前記基板洗浄液全体を100質量%として、前記フッ化物塩の含有量が0.01〜2質量%、前記防食剤の含有量が0.01〜2質量%、前記界面活性剤の含有量が0.01〜5質量%である、請求項1に記載の基板洗浄液。
  3. 水溶性高分子をさらに含み、その含有量が、基板洗浄液全体を100質量%として、0.05〜1質量%である、請求項1または2に記載の基板洗浄液。
  4. 前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸からなる群から選ばれる一種以上である、請求項3に記載の基板洗浄液。
  5. 水系溶媒が有機溶媒を含有しており、その含有量が、水系溶媒全体の質量を100質量%として、80質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の基板洗浄液。
  6. 銅を配線材料とする基板を洗浄するのに用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の基板洗浄液。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の基板洗浄液を用いた、基板の洗浄方法。
  8. 金属膜、絶縁膜を有する基板上にレジストパターンを形成する工程、金属膜および/または絶縁膜をエッチングする工程、前記レジストパターンをアッシングする工程、並びに、請求項1〜6のいずれかに記載の基板洗浄液を用いて金属膜および/または絶縁膜由来のエッチング残渣およびレジスト由来のアッシング残渣を除去する工程、を有する基板の製造方法。
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