JP2008025490A - 内燃機関の触媒劣化検出装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フュエルカットによるアクティブ空燃比制御の中断の頻度を減らし、触媒劣化検出の機会をより多く確保する。
【解決手段】内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を検出する装置において、アクティブ空燃比制御の実行中にフュエルカット要求信号が発生されたときはフュエルカットを遅らせる。その遅らせた時間Δt分、アクティブ空燃比制御を継続することができ、アクティブ空燃比制御の中断の頻度を減らすことができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を検出する触媒劣化検出装置に関する。
一般に、内燃機関では排気ガスを浄化するために排気通路に触媒が配置されている。このような触媒、例えば三元触媒は、触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりも大きくなると、即ちリーンになると排気ガス中に存在する過剰酸素を吸着保持し、触媒流入排気ガスの空燃比が理論空燃比よりも小さくなると、即ちリッチになると吸着保持された酸素を放出するOストレージ機能を有する。従って、内燃機関の通常運転時、理論空燃比を中心として混合気をリッチ側又はリーン側に交互に振らせると、三元触媒のもつOストレージ機能により、混合気がリーンになったときには過剰な酸素が触媒に吸着保持されるためにNOxが還元され、混合気がリッチになったときには触媒に吸着保持された酸素が放出されるためにHCおよびCOが酸化され、これによりNOx,HCおよびCOを同時に浄化できることになる。
そこで従来より触媒上流側の排気通路に排気空燃比を検出するための空燃比センサを配置し、排気空燃比がリーンになったときには燃料供給量を増量し、排気空燃比がリッチになったときには燃料供給量を減量させることにより、空燃比を理論空燃比を中心としてリッチ側又はリーン側に交互に振らせ、それによってNOx,HCおよびCOを同時に低減するようにしている。
ところで、三元触媒が劣化すると排気ガス浄化率が低下する。三元触媒の劣化度とOストレージ機能の低下度との間には相関関係がある。よって、Oストレージ機能が低下したことを検出することで触媒が劣化したことを検出することができる。
かかる原理に基づいて触媒劣化検出を行う装置としては例えば特許文献1に開示されたものがある。この装置は、内燃機関の排気通路に直列に配置された上流触媒と下流触媒のうち下流触媒の異常を判定するものである。上流触媒と下流触媒との間の触媒間空燃比を検出する触媒間センサと、下流触媒の下流の触媒後空燃比を検出する触媒後センサとが設けられる。触媒間センサの出力のリッチからリーンへの又はその逆への切り替えに応じて上流触媒の上流の触媒前空燃比をリーンからリッチへ又はその逆へと切り替えるアクティブ空燃比制御が実行される。そしてこのアクティブ空燃比制御の実行中に触媒後センサから発せられるセンサ出力に基づいて下流触媒の異常が判定される。
特開2004−176615号公報
ところで、前述のようなアクティブ空燃比制御の実行中に、内燃機関への燃料供給を停止するフュエルカットが実行されると、排気空燃比が著しくリーンとなるためアクティブ空燃比制御は中断される。しかしながら、内燃機関の用途等によってはその運転中にフュエルカットが比較的頻繁に行われる場合があり、この場合、アクティブ空燃比制御が中断される頻度も高くなり、触媒劣化検出の機会が失われるという問題がある。
そこで、本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、その目的は、フュエルカットによるアクティブ空燃比制御の中断の頻度を減らし、触媒劣化検出の機会をより多く確保し得る内燃機関の触媒劣化検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、第1の発明は、
内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を検出する装置であって、
触媒上流側の排気空燃比を所定のリッチ空燃比と所定のリーン空燃比との一方から他方に所定のタイミングで強制的に切り替えるアクティブ空燃比制御を実行するアクティブ空燃比制御手段と、
所定のフュエルカット条件が成立したときにフュエルカット要求信号を発生する信号発生手段と、
前記信号発生手段によりフュエルカット要求信号が発生されたときフュエルカットを実行するフュエルカット実行手段と
を備え、
前記フュエルカット実行手段は、前記アクティブ空燃比制御の実行中に前記フュエルカット要求信号が発生されたとき、前記アクティブ空燃比制御が実行中でないときに前記フュエルカット要求信号が発生されたときに比べ、フュエルカットを遅れて実行する
ことを特徴とする。
この第1の発明によれば、アクティブ空燃比制御の実行中にフュエルカット要求信号が発生されたときは、アクティブ空燃比制御が実行中でないときにフュエルカット要求信号が発生されたときに比べ、フュエルカットが遅れて実行される。このようにフュエルカットが遅延されれば、その遅延時間の間にフュエルカット要求信号がオフされる可能性があり、また、遅延時間分だけアクティブ空燃比制御を継続することができる。よって、アクティブ空燃比制御の中断の頻度を減らし、触媒劣化検出の機会をより多く確保することが可能になる。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記信号発生手段によりフュエルカット要求信号が発生されたとき、点火時期を所定速度で所定の遅角量になるまで遅角する遅角制御手段をさらに備え、
前記フュエルカット実行手段は、前記遅角制御手段による点火時期の遅角量が前記所定遅角量に達したときに前記フュエルカットを実行し、
前記遅角制御手段は、前記アクティブ空燃比制御の実行中に前記フュエルカット要求信号が発生されたとき、前記アクティブ空燃比制御が実行中でないときに前記フュエルカット要求信号が発生されたときに比べ、前記点火時期の遅角速度を遅くする
ことを特徴とする。
この第2の発明によれば、フュエルカット前に点火遅角が実行され、フュエルカットによるトルクショックを抑制することができる。そして、アクティブ空燃比制御の実行中にフュエルカット要求信号が発生されたときは点火時期の遅角速度が遅くされるので、結果的にフュエルカットが遅延され、第1の発明と同様に触媒劣化検出の機会をより多く確保できるようになる。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記アクティブ空燃比制御の実行により前記触媒の酸素吸蔵容量を算出する酸素吸蔵容量算出手段と、
前記アクティブ空燃比制御の実行中に前記フュエルカット要求信号の発生があったか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記フュエルカット要求信号の発生があったと判定されたとき、前記酸素吸蔵容量算出手段によって算出された酸素吸蔵容量の精度の良悪を判定する精度判定手段と
をさらに備えることを特徴とする。
フュエルカット遅延によってアクティブ空燃比制御が継続されたとしても、アクティブ空燃比制御の実行中にフュエルカット要求信号の発生があったときは、吸入空気量が少なくなり、酸素吸蔵容量の算出値に一定の精度を保てない虞がある。この第3の発明によれば、かような場合にも酸素吸蔵容量算出値の精度の良悪を判定するので、精度の良悪に応じて算出値を取捨選択することができ、信頼性の高い触媒劣化検出を行うことが可能になる。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記精度判定手段は、前記算出された酸素吸蔵容量を、吸入空気量に基づいて定まる所定のしきい値と比較して、前記算出された酸素吸蔵容量の精度の良悪を判定することを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記酸素吸蔵容量算出手段により算出された酸素吸蔵容量に基づいて前記触媒の劣化判定を行う触媒劣化判定手段をさらに備え、
前記触媒劣化判定手段は、前記精度判定手段により算出された酸素吸蔵容量の精度が良と判定されたとき、その算出された酸素吸蔵容量に基づいて前記触媒の劣化判定を行い、前記精度判定手段により算出された酸素吸蔵容量の精度が悪と判定されたとき、その算出された酸素吸蔵容量に基づく前記触媒の劣化判定を行わない
ことを特徴とする。
本発明によれば、フュエルカットによるアクティブ空燃比制御の中断の頻度を減らし、触媒劣化検出の機会をより多く確保することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の構成を示す概略図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は車両用多気筒エンジン(1気筒のみ図示)であり、火花点火式内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンである。
内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが気筒ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは図示しないカムシャフトによって開閉させられる。また、シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。さらにシリンダヘッドにはインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設され、燃焼室3内に直接燃料噴射するようになっている。ピストン4はいわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面には凹部4aが形成されている。そして内燃機関1では、燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、インジェクタ12からピストン4の凹部4aに向けて燃料が直接噴射される。これにより点火プラグ7の近傍に、燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)され、安定した成層燃焼が実行される。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気集合通路をなす吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式スロットルバルブ10とが組み込まれている。なお吸気ポート、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
一方、各気筒の排気ポートは気筒毎の枝管を介して排気集合通路をなす排気管6に接続されており、排気管6には、Oストレージ機能を有する三元触媒からなる触媒11が取り付けられている。なお排気ポート、枝管及び排気管6により排気通路が形成される。触媒11の上流側と下流側とにそれぞれ排気空燃比を検出するための触媒前センサ及び触媒後センサ17,18が設置されている。触媒前センサ17は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能で、その空燃比に比例した電流信号を出力する。他方、触媒後センサ18は所謂Oセンサからなり、理論空燃比を境に出力電圧が急変する特性を持つ。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前センサ17、触媒後センサ18のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ14、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、スロットルバルブ10の開度を検出するスロットル開度センサ19、吸気圧を検出する吸気圧センサ16、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。
特にECU20は、スロットル開度制御に際し、アクセル開度センサ15によって検出されたアクセル開度ACに基づいて目標スロットル開度THtを定め、スロットル開度センサ19によって検出されるスロットル開度THがその目標スロットル開度THtに一致するようにスロットル開度を制御する。これによってスロットル開度はアクセル開度の増減(開閉)に応じて増減(開閉)されることとなる。
また、ECU20は、所定のフュエルカット条件が成立したときに内部信号としてのフュエルカット要求信号をフラグ等の形態で発生する。このフュエルカット条件とは、1)スロットル開度センサ19によって検出されるスロットル開度THが略全閉であること、2)クランク角センサ14の出力に基づいて計算されるエンジン回転速度NEがアイドルより若干高い所定速度NE以上であること、の二条件を満たしたときである。こうしてフュエルカット要求信号が発せられると、ECU20は、後述のディレイ制御を行った後、インジェクタ12の通電を停止してフュエルカットを実行する。
触媒11は、これに流入する排気ガスの空燃比A/Fが理論空燃比(ストイキ)A/Fs(例えば14.6)のときにNOx ,HCおよびCOを同時に浄化する。そしてこれに対応して、ECU20は、内燃機関の通常運転時、触媒上流側の排気空燃比即ち触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsになるように空燃比を制御する。具体的にはECU20は、理論空燃比A/Fsに等しい目標空燃比A/Ftを設定すると共に、触媒前センサ17により検出された触媒前空燃比A/Ffrが目標空燃比A/Ftに一致するように、インジェクタ12から噴射される燃料噴射量を制御する。これにより触媒11に流入する排気ガスの空燃比は理論空燃比近傍に保たれ、触媒11において最大の浄化性能が発揮されるようになる。
ここで、触媒11についてより詳細に説明する。図2に示すように、触媒11においては、図示しない担体基材の表面上にコート材31が被覆され、このコート材31に微粒子状の触媒成分32が多数分散配置された状態で保持され、触媒11内部で露出されている。触媒成分32は主にPt,Pd等の貴金属からなり、NOx ,HCおよびCOといった排ガス成分を反応させる際の活性点となる。他方、コート材31は、排気ガスと触媒成分32との界面における反応を促進させる助触媒の役割を担うと共に、雰囲気ガスの空燃比に応じて酸素を吸収放出可能な酸素吸蔵成分を含む。酸素吸蔵成分は例えば二酸化セリウムCeOからなる。例えば、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比A/Fsよりリッチであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分に吸蔵されていた酸素が放出され、この結果、放出された酸素によりHCおよびCOといった未燃成分が酸化され、浄化される。逆に、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比A/Fsよりリーンであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分が雰囲気ガスから酸素を吸収し、この結果NOxが還元浄化される。
このような酸素吸放出作用により、通常の空燃比制御の際に触媒前空燃比A/Fが理論空燃比A/Fsに対し多少ばらついたとしても、NOx、HCおよびCOといった三つの排気ガス成分を同時浄化することができる。よって通常の空燃比制御において、触媒前空燃比A/Ffを敢えて理論空燃比A/Fsを中心に微小振動させ、酸素の吸放出を繰り返させることにより排ガス浄化を行うことも可能である。
ところで、新品状態の触媒11では前述したように細かい粒子状の触媒成分32が多数均等に分散配置されており、排気ガスと触媒成分32との接触確率が高い状態に維持されている。しかしながら、触媒11が劣化してくると、一部の触媒成分32に消失が見られるほか、触媒成分32同士が排気熱で焼き固まって焼結状態になるものがある(図の破線参照)。こうなると排気ガスと触媒成分32との接触確率の低下を引き起こし、浄化率を落としめる原因となる。そしてこのほかに、触媒成分32の周囲に存在するコート材31の量、即ち酸素吸蔵成分の量が減少し、酸素吸蔵能自体が低下する。
このように、触媒11の劣化度と触媒11の持つ酸素吸蔵能の低下度とは相関関係にある。そこで本実施形態では、触媒11の酸素吸蔵能を検出することにより触媒11の劣化度を検出ないし判定することとしている。ここで、触媒11の酸素吸蔵能は、触媒11が吸蔵し得る酸素量である酸素吸蔵容量(OSC;O Strage Capacity、単位はg)の大きさによって表される。
以下、本実施形態における触媒の劣化検出について説明する。
本実施形態では、触媒11の劣化検出の際にECU20によるアクティブ空燃比制御が実行される。ここでアクティブ空燃比制御とは、触媒上流側の排気空燃比である触媒前空燃比A/Ffrを、所定のリッチ空燃比A/Frとリーン空燃比A/Flとの一方から他方に所定のタイミングで強制的に切り替える制御である。
ここで触媒11の劣化検出は、内燃機関1の定常運転時で且つ触媒11が所定の活性温度域にあるときに実行される。触媒11の温度は、直接検出してもよいが、本実施形態の場合それをエンジン運転状態に基づき所定のマップ又は関数を用いて推定するようにしている。触媒11の劣化検出はエンジンの1運転毎に1回実行され、少なくとも続けて2回、触媒11が劣化状態にあると判定されたときに警告装置が作動させられる。
図3(A),(B)にはそれぞれ、アクティブ空燃比制御実行時における触媒前センサ17及び触媒後センサ18の出力が実線で示されている。また、図3(A)には、ECU20内部で発生される目標空燃比A/Ftが破線で示されている。触媒前センサ17及び触媒後センサ18の出力はそれぞれ触媒前空燃比A/Ffr及び触媒後空燃比A/Frrを表す。
図3(A)に示されるように、目標空燃比A/Ftは、中心空燃比としての理論空燃比A/Fsを中心として、そこからリッチ側に所定の振幅(リッチ振幅Ar、Ar>0)だけ離れた空燃比(リッチ空燃比A/Fr)と、そこからリーン側に所定の振幅(リーン振幅Al、Al>0)だけ離れた空燃比(リーン空燃比A/Fl)とに強制的に、且つ交互に切り替えられる。そしてこの目標空燃比A/Ftの切り替えないし振動に追従するようにして、実際値としての触媒前空燃比A/Ffrも、目標空燃比A/Ftに対し僅かな時間遅れを伴って切り替わる。よって触媒前空燃比A/Ffrも目標空燃比A/Ftと同様にリッチ空燃比A/Frとリーン空燃比A/Flとに強制的に且つ交互に切り替えられる。このことから目標空燃比A/Ftと触媒前空燃比A/Ffrとは時間遅れがあること以外等価であることが理解されよう。
図示例においてリッチ振幅Arとリーン振幅Alとは等しい。例えば理論空燃比A/Fs=14.6、リッチ空燃比A/Fr=14.1、リーン空燃比A/Fl=15.1、リッチ振幅Ar=リーン振幅Al=0.5である。通常の空燃比制御の場合に比べ、アクティブ空燃比制御の場合は空燃比の振り幅が大きく、即ちリッチ振幅Arとリーン振幅Alとの値は大きい。
ところで、目標空燃比A/Ftが切り替えられるタイミングは、触媒後センサ18の出力がリッチからリーンに、又はリーンからリッチに切り替わるタイミングである。ここで図示されるように触媒後センサ18の出力電圧は理論空燃比A/Fsを境に急変し、触媒後空燃比A/Frrが理論空燃比A/Fsより小さいリッチ側の空燃比であるときその出力電圧がリッチ判定値VR以上となり、触媒後空燃比A/Frrが理論空燃比A/Fsより大きいリーン側の空燃比であるときその出力電圧がリーン判定値VL以下となる。ここでVR>VLであり、例えばVR=0.59(V)、VL=0.21(V)である。
図3(A),(B)に示されるように、触媒後センサ18の出力電圧がリッチ側の値からリーン側に変化してリーン判定値VLに等しくなった時(時刻t1)、目標空燃比A/Ftはリーン空燃比A/Flからリッチ空燃比A/Frに切り替えられる。その後、触媒後センサ18の出力電圧がリーン側の値からリッチ側に変化してリッチ判定値VRに等しくなった時(時刻t2)、目標空燃比A/Ftはリッチ空燃比A/Frからリーン空燃比A/Flに切り替えられる。
このような空燃比変化を行うアクティブ空燃比制御を実行しつつ、次のようにして触媒11の酸素吸蔵容量OSCが算出され、触媒11の劣化が検出ないし診断される。
図3を参照して、時刻t1より前では目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flとされ、触媒11にはリーンガスが流入されている。このとき触媒11では酸素を吸収し続けているが、一杯に酸素を吸収した時点でそれ以上酸素を吸収できなくなり、リーンガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frrがリーン側に変化し、触媒後センサ18の出力電圧がリーン判定値VLに達した時点(t1)で、目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられ、或いは反転される。このように目標空燃比A/Ftは触媒後センサ18の出力をトリガにして反転される。
そして今度は触媒11にリッチガスが流入されることとなる。このとき触媒11では、それまで吸蔵されていた酸素が放出され続ける。よって触媒11の下流側にはほぼ理論空燃比A/Fsの排気ガスが流出し、触媒後空燃比A/Frrがリッチにならないことから、触媒後センサ18の出力は反転しない。触媒11から酸素が放出され続けるとやがて触媒11からは全ての吸蔵酸素が放出され尽くし、その時点でそれ以上酸素を放出できなくなり、リッチガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frrがリッチ側に変化し、触媒後センサ18の出力電圧がリッチ判定値VRに達した時点(t2)で、目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられる。
酸素吸蔵容量OSCが大きいほど、酸素を吸収或いは放出し続けることのできる時間が長くなる。つまり、触媒が劣化していない場合は目標空燃比A/Ftの反転周期(例えばt1からt2までの時間)が長くなり、触媒の劣化が進むほど目標空燃比A/Ftの反転周期は短くなる。
そこで、このことを利用して酸素吸蔵容量OSCが以下のようにして算出される。図4に示すように、時刻t1で目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられた直後、僅かに遅れて実際値としての触媒前空燃比A/Ffrがリッチ空燃比A/Frに切り替わる。そして触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsに達した時点t11から、次に目標空燃比A/Ftが反転する時点t2まで、次式(1)により微小時間毎の酸素吸蔵容量dCが算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dCが時刻t11から時刻t2まで積分される。こうしてこの酸素放出サイクルにおける酸素吸蔵容量OSC1即ち放出酸素量が算出される。
Figure 2008025490
ここで、Qは燃料噴射量であり、空燃比差ΔA/Fに燃料噴射量Qを乗じると過剰分の空気量を算出できる。Kは空気に含まれる酸素割合(約0.23)である。
基本的には、この1回で算出された酸素吸蔵容量OSC1を用い、これを所定のしきい値(触媒劣化判定しきい値)と比較し、酸素吸蔵容量OSC1がしきい値を超えていれば正常、酸素吸蔵容量OSC1がしきい値以下ならば劣化、というように触媒の劣化を判定できる。しかしながら、本実施形態では精度を向上させるため、リーン側でも同様に酸素吸蔵容量(この場合酸素吸収量)を算出し、必要に応じてリッチ側とリーン側とで複数回算出を繰り返し、その平均値をしきい値と比較して最終的な劣化判定を行っている。
具体的には、図4に示すように、時刻t2で目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられた後、前式(1)により微小時間毎の酸素吸蔵容量dCが算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dCが、触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsに達した時点t21から、次に目標空燃比A/Ftがリッチ側に反転する時点t3まで積分される。こうしてこの酸素吸収サイクルにおける酸素吸蔵容量OSC2即ち吸収酸素量が算出される。前回サイクルの酸素吸蔵容量OSC1と今回サイクルの酸素吸蔵容量OSC2とはほぼ等しい値となるはずである。こうして複数の酸素吸蔵容量OSC1,OSC2,・・・OSCn(例えばnは5以上)が繰り返し算出され、その平均値OCSavが所定のしきい値OSCsと比較される。そして、平均値OCSavがしきい値OSCsを超えていれば触媒11は正常、平均値OCSavがしきい値OSCs以下ならば触媒11は劣化と判定される。
なお、車両の走行距離等、触媒劣化の進行に相関するパラメータに応じて酸素吸蔵容量OSCの算出回数nを変化させてもよい。例えば走行距離が比較的少なく明らかに劣化が相当程度進んでいないと想定できる場合はnを少ない値とし、走行距離が比較的多く劣化が相当程度進んでいる可能性のある場合はnを多い値とする。
ここで、酸素吸蔵容量OSCと触媒温度との関係を図5に示す。見られるように、酸素吸蔵容量OSCは触媒温度が高くなるにつれ大きくなる傾向にある。酸素吸蔵容量OSCは新品の触媒で最大であり、触媒の劣化が進むにつれ減少してくる。そして、酸素吸蔵容量OSCがしきい値OSCs以下になった場合、触媒11は劣化と判定される。
さて、本実施形態においては、前述のようなアクティブ空燃比制御の実行中に、内燃機関への燃料供給を停止するフュエルカットが実行されると、排気空燃比が著しくリーンとなるためアクティブ空燃比制御は中断される。しかしながら、内燃機関の用途によってはその運転中にフュエルカットが比較的頻繁に行われる場合があり、この場合、アクティブ空燃比制御が中断される頻度も高くなり、触媒劣化検出の機会が減少するという問題がある。
例えば、内燃機関が車両に搭載された場合、無段変速機を備えたCVT車両や手動変速機を備えたMT車両では、トルクコンバータを備えたAT車両より頻繁にフュエルカットが行われる。例えば車両がアクティブ空燃比制御が行われ得るような定速走行状態で運転されている場合を想定すると、CVT車両の場合、AT車両に比べて機関回転速度が低く保たれて運転(ハイギヤーの運転)されるため、AT車両より減速感が少なく、ドライバが減速感を得るためアクセルを全閉に戻す頻度が高い。また、MT車両の場合、AT車両に比べて車重が軽い等の理由で走行負荷が少ないため、アクセルの踏み込みが浅く、アクセルを全閉に戻す頻度が高い。かような理由により、CVT車両やMT車両ではAT車両よりアクセルが全閉に戻される頻度が高く、従ってスロットル開度が全閉になる頻度が高く、フュエルカットの頻度が高くなる。このようにCVT車両やMT車両の場合、AT車両に比べ、一時的に或いは継続的にフュエルカットされる頻度が高く、アクティブ空燃比制御が中断される頻度が高い。
そこで、フュエルカットによるアクティブ空燃比制御の中断の頻度を減らし、触媒劣化検出の機会をより多く確保するため、本実施形態ではECU20により以下のような実行することとしている。
図6には本実施形態の制御における各値の変化が示される。(A)はフュエルカット要求信号の発生状態を示し、未発生がオフ、発生がオンである。(B)はフュエルカットの実行状態を示し、非実行がオフ、実行がオンである。(B)において実線はアクティブ空燃比制御実行中でない場合、破線はアクティブ空燃比制御実行中である場合を示す。
(B)に示されるように、アクティブ空燃比制御実行中にフュエルカット要求信号が発生されたとき(破線)は、アクティブ空燃比制御実行中でないときにフュエルカット要求信号が発生されたとき(実線)に比べ、フュエルカットが遅れて実行ないし開始される。このようにフュエルカットを遅延(ディレイ)させれば、その遅延時間Δtの間にアクセルが踏まれ、フュエルカット要求信号がオフする可能性があり、こうなればフュエルカットによるアクティブ空燃比制御の中断を回避できる。また、アクセルが踏まれずフュエルカット要求信号がオフしなかったとしても、遅延時間Δt分だけアクティブ空燃比制御を継続することができる。よって、アクティブ空燃比制御の中断の頻度を減らし、触媒劣化検出の機会をより多く確保することが可能になる。
このようなフュエルカットディレイは、ECU20に内蔵のタイマを用いて実施することも可能であるが、本実施形態では次のような手法が採られている。
即ち、本実施形態ではフュエルカット要求信号オンからフュエルカット実行までの間に、トルクショック抑制のための点火時期遅角制御が実行される。図5(C)は点火時期の変化を示し、実線がアクティブ空燃比制御実行中でない場合、破線がアクティブ空燃比制御実行中である場合である。
アクティブ空燃比制御実行中でない場合(実線)、フュエルカット要求信号がオンされた時(t0)から、点火時期が所定速度で所定の遅角量ΔIGになるまで遅角される。そして遅角量がその所定遅角量ΔIGに達した時(t1)、フュエルカットが実行される。
一方、アクティブ空燃比制御実行中である場合(破線)は、点火時期が所定遅角量ΔIGまで遅角されるときの遅角速度が遅くされる。よって遅角量が所定遅角量ΔIGに達するまでの時間が長くなり(t1→t1’、t1’−t1=Δt)、結果的にフュエルカットはディレイされる。
なお、いずれの場合においても、遅角量が所定遅角量ΔIGに達した後は、より速い速度で点火時期が進角され、遅角量がゼロに戻される。もっともこのときはフュエルカット中なので、実際の点火は行われず、あくまで点火時期の目標値が元の値に戻されるだけである。このときの進角速度は、アクティブ空燃比制御実行中のときの進角速度をアクティブ空燃比制御実行中でないときの進角速度と異ならせてもよく、例えば前者を後者より遅くしてもよい。
図7にはかかる点火時期遅角制御のフローチャートを示す。この制御はECU20により微小時間毎に繰り返し実行される。まずステップS101において、フュエルカット要求信号が発生(オン)しているか否かが判断され、発生していないと判断された場合、本フローが終了され、発生していると判断された場合、ステップS102に進む。
ステップS102においては、アクティブ空燃比制御実行中か否かが判断される。実行中でないと判断された場合、ステップS103において遅角速度が所定の基準値に設定され、実行中であると判断された場合、ステップS104において遅角速度が基準値より低速の所定値に設定される。ステップS103、S104の後はステップS105に進み、ステップS103、S104で設定された遅角速度で点火時期の遅角が実行される。
ところで、上記のようなフュエルカット遅延制御によってアクティブ空燃比制御が継続されたとしても、その結果得られる酸素吸蔵容量OSCの値が比較的悪い精度を有する場合がある。即ち、フュエルカット要求信号が発生しているということは、スロットル開度が略全閉とされていることを意味するが、こうなると吸入空気量が少なく、空燃比が安定しない場合がある。そのため、その空燃比を用いて酸素吸蔵容量OSCを算出しても、その酸素吸蔵容量OSCの値が一定の精度を保てない場合がある。
そこで本実施形態では、アクティブ空燃比制御の実行中にフュエルカット要求信号の発生があったか否かを判定し、そのフュエルカット要求信号の発生があったと判定されたとき、算出された酸素吸蔵容量OSCの精度の良悪を判定するようにしている。
図8には、ECU20によって実行される精度判定処理のフローチャートが示される。まず最初のステップS201においては、触媒劣化検出実行中か否かが判定される。実行中でないと判定された場合、本フローが終了され、実行中であると判定された場合、ステップS202に進む。
ステップS202では、図4に示したような積分演算による酸素吸蔵容量OSCの算出が終了したか否かが判定される。ここで前述したように、本実施形態では複数サイクルの酸素吸蔵容量OSC1,OSC2,・・・OSCnが算出され、その平均値OCSavがしきい値OSCsと比較されて最終的な触媒劣化判定が行われる。一方、このステップS202でいう酸素吸蔵容量OSCの算出終了とは、1サイクルの酸素吸蔵容量(OSC1,OSC2,・・・OSCnのうちのいずれか)の算出終了を意味しても、複数サイクルの平均値OCSavの算出終了を意味してもよい。本実施形態では前者即ち1サイクルの酸素吸蔵容量の算出終了を意味することとする。
酸素吸蔵容量OSCの算出が終了していないと判定された場合、本フローは終了される。他方、酸素吸蔵容量OSCの算出が終了していると判定された場合、ステップS203が実行され、その算出対象となるサイクル中にフュエルカット要求信号の発生があったか否かが判定される。図4を参照して、例えば時刻t1から時刻t2までの間の1サイクルの酸素吸蔵容量OSC1が算出された場合、その時刻t1から時刻t2までの間にフュエルカット要求信号の発生があったか否かが判定される。
フュエルカット要求信号の発生がなかったと判定された場合、本フローは終了される。他方、フュエルカット要求信号の発生があったと判定された場合、ステップS204において、その算出された酸素吸蔵容量OSCの精度判定が実行される。
この精度判定は、算出された酸素吸蔵容量OSCを、吸入空気量GAに基づいて定まる所定のしきい値(精度判定しきい値)OSCssと比較することにより行われる。図9には、実機試験に基づいて予め定められECU20に記憶された吸入空気量GAと精度判定しきい値OSCssとの関係が示される。この関係はマップ或いは関数の形態で記憶されることができる。図にハッチングで示されるように、精度判定しきい値OSCssは、一点鎖線で示す値を中心値として所定の幅を持つ値である。そして精度判定しきい値OSCssは、吸入空気量GAが大ほど大きな値となるように設定されている。一方、ここで問題となるのは吸入空気量GAが略最小の領域である。
ステップS204においては、エアフローメータ5によって検出される吸入空気量GAに対応した精度判定しきい値OSCssが図9の関係から取得され、算出された酸素吸蔵容量OSCがその精度判定しきい値OSCssと比較される。そして、図中黒塗りの星印で示されているように、算出された酸素吸蔵容量OSCが精度判定しきい値OSCssの範囲外にあるときは、精度が悪いと判定される。他方、白塗りの星印で示されているように、算出された酸素吸蔵容量OSCが精度判定しきい値OSCssの範囲内にあるときは、精度が良いと判定される。
こうして、ステップS204における精度判定の結果、精度が悪いと判定されたときはステップS206において算出された酸素吸蔵容量OSCの値が不採用とされ、その算出結果は無効となる。他方、精度が良いと判定されたときはステップS205において算出された酸素吸蔵容量OSCの値が採用され、その算出結果は有効となる。以上で本フローが終了され、不採用の場合は、算出された酸素吸蔵容量OSCの値に基づく触媒の劣化判定が行われない。また採用の場合は、算出された酸素吸蔵容量OSCの値に基づく触媒の劣化判定が行われる。
このように、酸素吸蔵容量の算出値に対し精度判定が実行されるので、アクティブ空燃比制御実行中にアクセルが略全閉とされ、吸入空気量が著しく低下しても、その状況下で得られた酸素吸蔵容量算出値に対し取捨選択を行うことができる。そして、精度の良い値のみを採用して信頼性のある劣化検出を行え、言い換えれば精度の悪い値を採用することによる信頼性悪化を確実に防止することが可能になる。
なお、上述の実施形態においては、ECU20及びインジェクタ12が本発明にいうアクティブ空燃比制御手段を構成し、ECU20が本発明にいう信号発生手段、フュエルカット実行手段、遅角制御手段、酸素吸蔵容量算出手段、判定手段、精度判定手段、触媒劣化判定手段を構成する。また、触媒前センサ17が、触媒上流側の排気空燃比を検出する触媒前空燃比検出手段を構成し、触媒後センサ18が、触媒下流側の排気空燃比を検出する触媒後空燃比検出手段を構成する。触媒後センサ18として、触媒前センサ17と同様の空燃比センサを用いることも可能である。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば上述の内燃機関は直噴式であったが、吸気ポート(吸気通路)噴射式或いは両噴射方式を兼ね備えるデュアル噴射式の内燃機関にも本発明は適用可能である。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本実施形態の構成を示す概略図である。 触媒の構成を示す概略断面図である。 アクティブ空燃比制御を説明するためのタイムチャートである。 図3と同様のタイムチャートであり、酸素吸蔵容量の算出方法を説明するための図である。 酸素吸蔵容量と触媒温度との関係を示すグラフであり、触媒劣化判定方法を説明するための図である。 本実施形態の制御における各値の変化を示すタイムチャートである。 点火時期遅角制御のフローチャートである。 精度判定処理のフローチャートである。 吸入空気量と精度判定しきい値との関係を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関
3 燃焼室
5 エアフローメータ
6 排気管
7 点火プラグ
10 スロットルバルブ
11 触媒
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 アクセル開度センサ
17 触媒前センサ
18 触媒後センサ
19 スロットル開度センサ
20 電子制御ユニット(ECU)
A/Ffr 触媒前空燃比
A/Fr リッチ空燃比
A/Fl リーン空燃比
OSC 触媒の酸素吸蔵容量
OSCs 酸素吸蔵容量の劣化判定しきい値
OSCss 酸素吸蔵容量の精度判定しきい値
GA 吸入空気量
ΔIG 所定遅角量
Δt 遅延時間

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を検出する装置であって、
    触媒上流側の排気空燃比を所定のリッチ空燃比と所定のリーン空燃比との一方から他方に所定のタイミングで強制的に切り替えるアクティブ空燃比制御を実行するアクティブ空燃比制御手段と、
    所定のフュエルカット条件が成立したときにフュエルカット要求信号を発生する信号発生手段と、
    前記信号発生手段によりフュエルカット要求信号が発生されたときフュエルカットを実行するフュエルカット実行手段と
    を備え、
    前記フュエルカット実行手段は、前記アクティブ空燃比制御の実行中に前記フュエルカット要求信号が発生されたとき、前記アクティブ空燃比制御が実行中でないときに前記フュエルカット要求信号が発生されたときに比べ、フュエルカットを遅れて実行する
    ことを特徴とする内燃機関の触媒劣化検出装置。
  2. 前記信号発生手段によりフュエルカット要求信号が発生されたとき、点火時期を所定速度で所定の遅角量になるまで遅角する遅角制御手段をさらに備え、
    前記フュエルカット実行手段は、前記遅角制御手段による点火時期の遅角量が前記所定遅角量に達したときに前記フュエルカットを実行し、
    前記遅角制御手段は、前記アクティブ空燃比制御の実行中に前記フュエルカット要求信号が発生されたとき、前記アクティブ空燃比制御が実行中でないときに前記フュエルカット要求信号が発生されたときに比べ、前記点火時期の遅角速度を遅くする
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
  3. 前記アクティブ空燃比制御の実行により前記触媒の酸素吸蔵容量を算出する酸素吸蔵容量算出手段と、
    前記アクティブ空燃比制御の実行中に前記フュエルカット要求信号の発生があったか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記フュエルカット要求信号の発生があったと判定されたとき、前記酸素吸蔵容量算出手段によって算出された酸素吸蔵容量の精度の良悪を判定する精度判定手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
  4. 前記精度判定手段は、前記算出された酸素吸蔵容量を、吸入空気量に基づいて定まる所定のしきい値と比較して、前記算出された酸素吸蔵容量の精度の良悪を判定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
  5. 前記酸素吸蔵容量算出手段により算出された酸素吸蔵容量に基づいて前記触媒の劣化判定を行う触媒劣化判定手段をさらに備え、
    前記触媒劣化判定手段は、前記精度判定手段により算出された酸素吸蔵容量の精度が良と判定されたとき、その算出された酸素吸蔵容量に基づいて前記触媒の劣化判定を行い、前記精度判定手段により算出された酸素吸蔵容量の精度が悪と判定されたとき、その算出された酸素吸蔵容量に基づく前記触媒の劣化判定を行わない
    ことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
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