JP2008025411A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変動弁装置は、吸気カム15aの弁駆動力を吸気弁11に伝達すると共に吸気弁11の最大リフト量を変更可能な伝達機構Tと、付勢部材60とを備える。制御部材70により駆動されるホルダ30に揺動可能に支持されるサブカム40は、吸気カム15aに当接するローラ43と、吸気カム15aの弁駆動力を吸気弁11に出力する駆動カム部46と、付勢部材60に当接する作用部Aとを有する。作用部Aは、付勢当接点45a1,45b1が揺動中心線Lsよりもカム当接点43aの近くに位置すると共に付勢力の作用線L1が揺動中心線Lsの方向から見てローラ43と重なるように、ローラ43の近傍に設けられる。
【選択図】図3
Description
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記カム当接部は、前記揺動部材のアーム部に設けられる支持軸に設けられるローラであり、前記作用部は、前記アーム部を挟んで前記ローラとは反対側に突出する前記支持軸の円柱状の軸端部であるものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記カム当接部は、前記揺動部材のアーム部に回転可能に設けられる支持軸に設けられるローラであり、前記作用部は、前記アーム部を挟んで前記ローラとは反対側で前記アーム部から突出する突出部であり、前記突出部は前記アーム部と前記支持軸との摺動部に供給される潤滑油を溜める油溜め部を形成するものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記支持軸は、前記アーム部の装着溝に装着される止め輪により軸方向での移動が規制され、前記突出部は前記装着溝が設けられるアーム部に一体成形されているものである。
請求項2記載の事項によれば、作用部をカム当接部であるローラの近傍に容易に設けることができるうえ、軸端部はアーム部を挟んでローラとは反対側に位置するため、アーム部を揺動中心線方向でローラに近接させることができるので、アーム部を揺動中心線方向で小型化できて、揺動部材が軽量化される。
請求項3記載の事項によれば、作用部をカム当接部であるローラの近傍に容易に設けることができるうえ、突出部はアーム部を挟んでローラとは反対側に位置するため、アーム部を揺動中心線方向でローラに近接させることができるので、アーム部を揺動中心線方向で小型化できて、揺動部材が軽量化される。さらに、突出部により形成される油溜め部に溜まった潤滑油がアーム部と支持軸との摺動部に供給されるので、支持軸の潤滑性が向上する。また、支持軸をアーム部に組み付ける際に、突出部を支持軸の案内部として利用できるので、支持軸の組付性が向上する。
請求項4記載の事項によれば、止め輪の装着溝が設けられるアーム部の剛性が突出部により高められるため、ローラおよび支持軸を通じてアーム部に作用する弁駆動力によるアーム部の変形が抑制されるので、付勢部材が当接する作用部を利用することにより、アーム部からの止め輪の離脱防止効果が高められる。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された可変動弁装置(以下、「可変動弁装置」という。)は頭上カム軸型の動弁装置Vに備えられ、該動弁装置Vは、クランク軸が車幅方向に延びる横置き配置で車両に搭載される多気筒4ストローク内燃機関Eに備えられる。内燃機関Eは、配列方向に直列に配列された複数のシリンダ1a、ここでは4つのシリンダ1aが一体成形されたシリンダブロック1と、シリンダブロック1の上端部に結合されるシリンダヘッド2と、シリンダヘッド2の上端部に結合されるヘッドカバー3とから構成される機関本体を備える。
なお、この明細書において、特に断らない限り、上下方向はシリンダ1aのシリンダ軸線Lcの方向と一致するものとする。
また、シリンダ1a毎に、回転中心線Liを有すると共に後述する伝達機構Tの数に等しい1つの吸気カム15aと、回転中心線Leを有すると共に排気弁12の数に等しい数である1対の排気カム16aが、軸線方向で隣接する軸受部17間に配置される。吸気カム15aは、軸線方向で伝達機構Tの中央に配置される。
電動モータMは、機関回転速度や機関負荷などの内燃機関Eの運転状態を検出する運転状態検出手段からの検出信号が入力される電子制御ユニットにより制御されて、運転状態に応じて設定された回転方向および回転数でホルダ30を駆動する。
また、制御用付勢部材72は、連結壁34に当接する押圧部73aを有するロッド状の押圧部材73と、収容部2bに収容されると共に収容部2bと押圧部73aとの間に配置されて押圧部材73を囲む弾発部材である圧縮コイルバネからなるバネ74とにより構成される。収容部2bは保持部2aに連結されているので、収容部2bの剛性が高められ、制御用付勢部材72を安定して保持する。
なお、カム当接点43a、後述する付勢当接点45a1,45b1,48a、作用点34a,37aは、点のほかに線状または面状である当接点または作用点を含むものとし、その作用線L1,L2,L3は、当接点または作用点が線状または面状である場合、当接点または作用点に含まれる任意の点を通る直線であるとする。
図5を参照すると、各アーム部41a,41bの貫通孔41cに挿入されて各アーム部41a,41bに対して摺動可能に、かつ回転可能に嵌合する支持軸45は、一方のアーム部41aの貫通孔41cの周壁に設けられた円環状の装着溝41dと、支持軸45の外周に設けられた環状の装着溝45dとに跨って装着される止め輪47により軸方向(軸線方向でもある。)での移動が規制される。
作用線L1の方向B1でのその全体が作用線L1と重なる位置にある付勢部材60は、作用線方向B1で、駆動カム部46および支点部42と重なる位置に配置され、さらにはロッカアーム50の各アーム部51、弁押圧部54およびローラ53と重なる位置に配置される。
1対の支点部52は、軸線方向で後述するローラ37を挟んで配置される。駆動カム部46のカム面にころがり接触するローラ53は、両アーム部51に挿入されて設けられる支持軸55に多数のニードルからなる軸受56を介して回転可能に支持される。直交方向でローラ53と両支点部52との間に設けられて両アーム部51を連結する連結壁51cおよび弁押圧部54の両収容部58を連結する連結壁51d(図4(B)参照)により、ロッカアーム50の剛性が高められる。
間隙調整部材57は、吸気弁11に指向して開口する収容孔58aに収容されるいずれも円筒状のインナ57aおよびアウタ57bと、チェック弁57cと、インナ57aおよびアウタ57b間に配置されるバネ57dとを備える。収容部58はインナ57aと協働してロッカアーム50に設けられた油路85に連通する油室57eを形成し、インナ57aと弁ステム11aに当接するアウタ57bとの間に、チェック弁57cおよびバネ57dが収容される油室57fが形成される。両油室57e,57fは、インナ57aに設けられてチェック弁57cにより開閉される油孔57gを通じて連通可能である。そして、油室57f内の潤滑油の油圧によりアウタ57bが押されて弁ステム11aに当接して、バルブクリアランスが零となるように自動的に調整される。
給油路84には、オイルポンプから吐出されてシリンダヘッド2に導かれた潤滑油が、下軸受部17aに設けられた油路81から、一方のホルダ支点部32aおよび一方のアーム部31aに設けられてホルダ支点部32aにおいて油路81に連通する油路82および、ロッカ軸36に設けられて各支点部52において給油路84に連通する油路83を経て供給される。また、ロッカ軸36には、ローラ37とロッカ軸36の摺動部に油路83の潤滑油を供給する油路86が設けられる。
油路85は油室57eの最上部に連通しており、その噴口85aは、油室57e内の溜まった空気を放出するエア抜き孔を兼ねる。そして、噴口85aには、油室57e内に所定値以上の油圧を確保すると共に潤滑油を噴流の形態で付勢部材60に噴射するためのオリフィス87が圧入されている。
押圧部73aは、揺動中心線Lrの近傍で隆起部34bに当接する。より具体的には、距離d2は、距離d3のほぼ2倍または2倍以下に設定され、距離d2は距離d1のほぼ1/4以下である。
さらに、図1に示されるように、制御カム71aと制御用付勢部材72とローラ37とは、シリンダ軸線Lcおよび吸気カム15aの回転中心線Liに平行な1つの平面Pdと交差する位置に配置される。
また、連結壁34には上下方向または作用線L3の方向B3で押圧部73aに指向する貫通孔からなる油路88が形成され、連結壁34の上面に付着した潤滑油が油路88を通って押圧部73aと隆起部34bとの摺動部である作用点34aに供給されて、作用点34a、およびバネ74と収容部2bとの摺動部が潤滑される。
例えば内燃機関Eが高速回転領域または高負荷領域で運転されるとき、ホルダ30が図3に示される最大リフト位置を占める。このとき、制御カム71aは、その回転範囲においてカム山の高さが最大となる位置でローラ37に当接する。そして、回転する吸気カム15aにより駆動されて時計方向に回転するサブカム40は、駆動カム部46の駆動面46aによりロッカアーム50を時計方向に回転させて、吸気弁11は、吸気カム15aがそのカム山の頂点でローラ43に当接するとき、伝達機構Tにより変更され得る最大リフト量の変更範囲において、最大値となる最大リフト量で開弁する。図3には、このときの吸気カム15a、サブカム40、ロッカアーム50、付勢部材60および吸気弁11が二点鎖線で示され、ローラ43が吸気カム15aのベース円に当接し、かつローラ53が非駆動面46bに当接していて、吸気弁11が閉弁状態にあるときの吸気カム15a、サブカム40、ロッカアーム50および付勢部材60が実線で示されている。
サブカム40の作用部Aである各軸端部45a,45bは、付勢当接点45a1,45b1が揺動中心線Lsよりもローラ43の近くに位置すると共に付勢力の作用線L1が側面視でローラ43と重なるように、サブカム40の近傍に設けられることにより、ローラ43と付勢当接点45a1,45b1との距離を短くすることができるので、サブカム40が小型・軽量化され、しかもローラ43と付勢当接点45a1,45b1との間でのサブカム40の変形が抑制される結果、吸気カム15aに対するサブカム40の追随性が向上して、吸気弁11の開閉制御の精度が向上する。
図8,図9を参照して、サブカム40の作用部Aの変形例を説明する。
この変形例において、作用部Aは、軸線方向で各アーム部41a,41bを挟んでローラ43とは反対側で各アーム部41a,41bから軸線方向に突出する1対の突出部48から構成される。各アーム部41a,41bに一体成形される突出部48は、アーム部41a,41bと支持軸45との摺動部Sに供給される潤滑油を溜める油溜め部49となる凹部48bを形成する部分円筒状の部分である。突出部48の円柱面からなる外周面48cの付勢当接点48aにおいて、付勢部材60の押圧部61aが当接する。鉛直方向で上方に開放する凹部48bの円柱面からなる内周面48dの径は、支持軸45の外径よりも小さくないように設定され、この実施形態では支持軸45の外径よりも僅かに大きい。ここで、突出部48は支持軸45と同軸であり、外周面48cおよび内周面48dは、支持軸45の中心軸線に一致する中心軸線を有する。そして、油溜め部49には、動弁室13内で飛散している潤滑油が落下して内周面48dで受け止められて貯留し、溜まった潤滑油の一部が、摺動部Sに供給され、さらに止め輪47が装着される装着溝41dが設けられているアーム部41aにおいては、止め輪47とアーム部41aおよび支持軸45との摺動部にも供給される。また、突出部48は支持軸45がアーム部41a,41bに挿入されるときに、貫通孔41cに支持軸45を案内する案内部として機能する。
それゆえ、この変形例によれば、カム当接部はアーム部41a,41bに回転可能に設けられる支持軸45に設けられるローラ43であり、作用部Aは各アーム部41a,41bを挟んでローラ43とは反対側でアーム部41a,41bから突出する突出部48であり、突出部48はアーム部41a,41bと支持軸45との摺動部Sに供給される潤滑油を溜める油溜め部49を形成することにより、作用部Aをローラ43の近傍に容易に設けることができるうえ、突出部48はアーム部41a,41bを挟んでローラ43とは反対側に位置するため、アーム部41a,41bを軸線方向でローラ43に近接させることができるので、アーム部41a,41bを軸線方向で小型化できて、サブカム40が軽量化される。さらに、突出部48により形成される油溜め部49に溜まった潤滑油が摺動部Sに供給されるので、支持軸45の潤滑性が向上する。また、支持軸45をアーム部41a,41bに組み付ける際に、突出部48を支持軸45の案内部として利用できるので、支持軸45の組付性が向上する。
また、支持軸45は、アーム部41a,41bの装着溝41dに装着される止め輪47により軸方向での移動が規制され、突出部48は止め輪47の装着溝41dが設けられるアーム部41aに一体成形されていることにより、装着溝41dが設けられるアーム部41aの剛性が突出部48により高められるため、ローラ43および支持軸45を通じてアーム部41aに作用する弁駆動力によるアーム部41aの変形が抑制されるので、付勢部材60が当接する突出部48を利用することにより、アーム部41aからの止め輪47の離脱防止効果が高められる。
カム当接部は、ローラ43ではなく、スリッパなど、摺動面を有する部分または部材により構成されてもよい。従動当接部は、ローラ53ではなく、スリッパなど、摺動面を有する部分または部材により構成されてもよい。ローラ43は支持軸45と一体成形されてもよい。
吸気側動弁装置の代わりに排気側動弁装置が可変動弁装置により構成されてもよく、また吸気側動弁装置および排気側動弁装置が可変動弁装置により構成されてもよい。また、動弁装置は、吸気カムおよび排気カムが設けられる1つのカム軸を備えるものであってもよい。シリンダ毎の吸気弁または排気弁は、1つ、または3つ以上の複数であってもよい。
制御部材70は、リンク機構や歯車機構を備えるものであってもよく、さらに制御用付勢部材72を備えないものであってもよい。
内燃機関は、前記実施形態では車両に使用されるものであったが、鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置に使用されるものであってもよい。内燃機関は、4気筒以外の多気筒内燃機関、または単気筒内燃機関であってもよい。
E…内燃機関、V…動弁装置、T…伝達機構。
Claims (4)
- 内燃機関の機関弁を駆動するための動弁カムと、前記動弁カムの弁駆動力を前記機関弁に伝達すると共に制御部材により駆動されて前記機関弁の最大リフト量を変更可能な伝達機構と、前記伝達機構を前記動弁カムに当接させる付勢力を発生する付勢部材とを備える内燃機関の可変動弁装置であって、前記伝達機構は、前記制御部材により駆動されるホルダと、前記ホルダに揺動可能に支持される揺動部材とを備え、前記揺動部材は、前記動弁カムにカム当接点で当接するカム当接部と、前記動弁カムから前記カム当接部に入力された前記弁駆動力を前記機関弁に出力する出力部と、前記付勢部材に付勢当接点で当接する作用部とを有する内燃機関の可変動弁装置において、
前記作用部は、前記付勢当接点が前記揺動部材の揺動中心線よりも前記カム当接点の近くに位置すると共に前記付勢力の作用線が前記揺動中心線の方向から見て前記カム当接部と重なるように、前記カム当接部の近傍に設けられることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記カム当接部は、前記揺動部材のアーム部に設けられる支持軸に設けられるローラであり、前記作用部は、前記アーム部を挟んで前記ローラとは反対側に突出する前記支持軸の円柱状の軸端部であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記カム当接部は、前記揺動部材のアーム部に回転可能に設けられる支持軸に設けられるローラであり、前記作用部は、前記アーム部を挟んで前記ローラとは反対側で前記アーム部から突出する突出部であり、前記突出部は前記アーム部と前記支持軸との摺動部に供給される潤滑油を溜める油溜め部を形成することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記支持軸は、前記アーム部の装着溝に装着される止め輪により軸方向での移動が規制され、前記突出部は前記装着溝が設けられるアーム部に一体成形されていることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置。
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