JP2008024228A - 積層体及びその製造方法、並びにそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時の作業性が良好で、剥離抗力に優れた積層体と、該積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)からなるマトリックス中に、23℃におけるヤング率が該熱可塑性樹脂(A)よりも低い柔軟樹脂(B)を分散させた樹脂組成物(C)からなる層を少なくとも含む樹脂フィルム層(D)2と、ゴム状弾性体層(E)3とが、接着剤層(F)4を介して接合されてなる積層体1であって、前記接着剤層(F)4に、ゴム成分(G)100質量部に対し、分子中に反応部位を二つ以上有するマレイミド誘導体(H)及びポリ-p-ジニトロソベンゼンの少なくとも一種を0.1質量部以上配合した接着剤組成物(I)を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層体及びその製造方法、並びに該積層体を用いた空気入りタイヤに関し、特に製造時の作業性が良好で、剥離抗力に優れた積層体に関するものである。
従来、タイヤの内圧を保持するためにタイヤ内面に空気バリア層として配設されるインナーライナーには、ブチルゴムやハロゲン化ブチルゴム等を主原料とするゴム組成物が使用されている。しかしながら、これらブチル系ゴムを主原料とするゴム組成物は、空気バリア性が低いため、かかるゴム組成物をインナーライナーに使用した場合、インナーライナーの厚さを1mm前後とする必要があった。そのため、タイヤに占めるインナーライナーの重量が約5%となり、タイヤの重量を低減して自動車の燃費を向上させる上で障害となっている。
一方、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記することがある)は、ガスバリア性に優れることが知られている。該EVOHは、空気透過量が上記ブチル系のインナーライナー用ゴム組成物の100分の1以下であるため、100μm以下の厚さでも、タイヤの内圧保持性を大幅に向上させることができる上、タイヤの重量を低減することが可能である。
上記ブチル系ゴムより空気透過性の低い樹脂は数多く存在するが、空気透過性がブチル系のインナーライナーの10分の1程度の場合、100μmを超える厚さでないと、内圧保持性の改良効果が小さく、また、100μmを超える厚さの場合、タイヤの重量を低減する効果が小さく、また、タイヤ屈曲時の変形からインナーライナーが破断したり、インナーライナーにクラックが発生してしまい、バリア性を保持することが困難となる。
これに対し、上記EVOHを使用した場合、100μm以下の厚さでも使用可能であるため、タイヤ転動時の屈曲変形で破断し難く、また、クラックも生じ難くなる。そのため、空気入りタイヤの内圧保持性を改良するために、EVOHをタイヤのインナーライナーに用いることは有効であるといえる。例えば、特開2004−176048号公報(特許文献1)には、特定のEVOHからなるインナーライナーを備えた空気入りタイヤが開示されている。
また、特開2004−176048号公報に開示のインナーライナーは、タイヤの内圧保持性を向上させるために、エラストマーからなる補助層に接着剤層を介して貼りあわせて使用することが好ましいとされている。
特開2004−176048号公報
しかしながら、本発明者らが、熱可塑性樹脂を含む樹脂フィルム層とゴム状弾性体層を用いた積層体について検討したところ、一般に熱可塑性樹脂を含む樹脂フィルム層とゴム状弾性体層とは、密着性が低いことが分かった。このため、かかる積層体をインナーライナーとして使用した場合、熱可塑性樹脂を含む樹脂フィルム層がゴム状弾性体層から剥離し易くなる。ここで、特開2004−176048号公報に開示の技術をもってしても、依然として、熱可塑性樹脂を含む樹脂フィルム層とゴム状弾性体層との密着性は低く、積層体の剥離抗力には改善の余地がある。
そこで、本発明の目的は、製造時の作業性が良好で、剥離抗力に優れた積層体と、該積層体の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる積層体を用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、樹脂フィルム層とゴム状弾性体層とが接着剤層を介して接合されてなる積層体において、ゴム成分に対し、分子中に反応部位を二つ以上有するマレイミド誘導体及びポリ-p-ジニトロソベンゼンの少なくとも一種を配合した接着剤組成物を接着剤層に適用することで、良好な作業性を有し、剥離抗力に優れた積層体が得られること見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の積層体は、熱可塑性樹脂(A)からなるマトリクス中に、23℃におけるヤング率が該熱可塑性樹脂(A)よりも低い柔軟樹脂(B)を分散させた樹脂組成物(C)からなる層を少なくとも含む樹脂フィルム層(D)と、ゴム状弾性体層(E)とが、接着剤層(F)を介して接合されてなる積層体であって、前記接着剤層(F)に、ゴム成分(G)100質量部に対し、分子中に反応部位を二つ以上有するマレイミド誘導体(H)及びポリ-p-ジニトロソベンゼンの少なくとも一種を0.1質量部以上配合した接着剤組成物(I)を用いたことを特徴とする。ここで、本発明の積層体における樹脂フィルム層(D)は、上記樹脂組成物(C)からなる層を少なくとも含むことを要し、更に他の層を有してもよいし、上記樹脂組成物(C)からなる層のみから構成されていてもよい。また、上記樹脂組成物(C)において、熱可塑性樹脂(A)はマトリックスとして存在し、ここで、マトリックスとは連続相を意味する。
本発明の積層体においては、前記熱可塑性樹脂(A)の23℃におけるヤング率が500MPaを超え、前記柔軟樹脂(B)の23℃におけるヤング率が500MPa以下であることが好ましい。
本発明の積層体の好適例において、前記柔軟樹脂(B)は、水酸基と反応する官能基を有する。
本発明の積層体の他の好適例において、前記柔軟樹脂(B)の平均粒径は2μm以下である。
本発明の積層体の他の好適例において、前記樹脂組成物(C)中の前記柔軟樹脂(B)の含有率は10〜30質量%の範囲である。
本発明の積層体の他の好適例において、前記熱可塑性樹脂(A)は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を反応させて得られる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体である。ここで、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量は25〜50モル%であることが好ましい。また、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度は、90%以上であることが好ましい。更に、前記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体は、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、エポキシ化合物1〜50質量部を反応させて得られるのが好ましく、ここで、エポキシ化合物としては、グリシドール又はエポキシプロパンが好適に挙げられる。
本発明の積層体の他の好適例において、前記樹脂組成物(C)の−20℃におけるヤング率は1500MPa以下である。
本発明の積層体の他の好適例において、前記樹脂フィルム層(D)は、更に熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる層を一層以上含む。ここで、前記熱可塑性ウレタン系エラストマーは、ポリエーテル系ウレタンであることが好ましい。
本発明の積層体の他の好適例において、前記樹脂フィルム層(D)は、20℃、65%RHにおける酸素透過係数が3.0×10-12cm3/cm2・sec・cmHg以下である。
本発明の積層体の他の好適例において、前記樹脂フィルム層(D)は架橋されている。
本発明の積層体の他の好適例において、前記ゴム状弾性体層(E)は、ゴム成分としてブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムを50質量%以上含む。
本発明の積層体の他の好適例においては、前記樹脂フィルム層(D)の厚さが200μm以下で、前記ゴム状弾性体層(E)の厚さが200μm以上である。
本発明の積層体の他の好適例において、前記ゴム成分(G)は、クロロスルホン化ポリエチレンを10質量%以上含む。
本発明の積層体の他の好適例において、前記ゴム成分(G)は、ブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムを50質量%以上含む。
本発明の積層体の他の好適例において、前記マレイミド誘導体(H)は、1,4-フェニレンジマレイミドである。
本発明の積層体の他の好適例において、前記接着剤組成物(I)は、更にゴム用加硫促進剤(J)を前記ゴム成分(G)100質量部に対し、0.1質量部以上含む。ここで、前記ゴム用加硫促進剤(J)は、チウラム系及び/又は置換ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤であることが好ましい。
本発明の積層体の他の好適例において、前記接着剤組成物(I)は、更に充填剤(K)を前記ゴム成分(G)100質量部に対し、2〜50質量部含む。ここで、前記接着剤組成物(I)は、充填剤(K)として無機充填剤(L)を前記ゴム成分(G)100質量部に対し、5〜50質量部含むことが好ましい。かかる無機充填剤(L)としては、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ、スメクタイト、有機化モンモリロナイト、有機化マイカ及び有機化スメクタイトが好適に挙げられる。また、前記接着剤組成物(I)は、充填剤(K)としてカーボンブラックを含んでもよい。
本発明の積層体の他の好適例において、前記接着剤組成物(I)は、更に樹脂(M)及びポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000の低分子量重合体(N)の少なくとも一種を0.1質量部以上含む。ここで、前記樹脂(M)としては、C系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂及びロジン系樹脂が好適に挙げられ、これらの中でもフェノール系樹脂が特に好ましい。一方、前記低分子量重合体(N)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、1,000〜50,000であることが好ましい。また、前記低分子量重合体(N)としては、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
本発明の第1の積層体の製造方法は、前記接着剤組成物(I)と有機溶媒とを含む塗工液を、前記樹脂フィルム層(D)の表面に塗布及び乾燥して接着剤層(F)を形成し、次いで該接着剤層(F)の表面に前記ゴム状弾性体層(E)を貼り合わせ、加硫処理を行うことを特徴とする。
本発明の第2の積層体の製造方法は、前記接着剤組成物(I)と有機溶媒とを含む塗工液を、前記ゴム状弾性体層(E)の表面に塗布及び乾燥して接着剤層(F)を形成し、次いで該接着剤層(F)の表面に前記樹脂フィルム層(D)を貼り合わせ、加硫処理を行うことを特徴とする。
本発明の積層体の製造方法の好適例において、加硫処理温度は120℃以上である。
本発明の積層体の他の好適例において、前記有機溶媒は、ヒルデブランド(Hildebrand)溶解度パラメーター(δ値)が14〜20MPa1/2の範囲である。
本発明の空気入りタイヤは、上記積層体を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、特定の樹脂フィルム層とゴム状弾性体層とが接着剤層を介して接合されてなり、該接着剤層に、ゴム成分に対し、分子中に反応部位を二つ以上有するマレイミド誘導体及びポリ-p-ジニトロソベンゼンの少なくとも一種を配合した接着剤組成物からなる接着剤層が適用された、製造時の作業性が良好で、剥離抗力に優れた積層体と、該積層体の製造方法を提供することができる。また、該積層体を用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の積層体を、図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の積層体の一実施態様の断面図である。図示例の積層体1は、樹脂フィルム層(D)2と、ゴム状弾性体層(E)3とが、接着剤層(F)4を介して接合されてなる。ここで、本発明の積層体における樹脂フィルム層(D)2は、熱可塑性樹脂(A)からなるマトリクス中に、23℃におけるヤング率が該熱可塑性樹脂(A)よりも低い柔軟樹脂(B)を分散させた樹脂組成物(C)からなる層を少なくとも含み、また、前記接着剤層(F)に、ゴム成分(G)100質量部に対し、分子中に反応部位を二つ以上有するマレイミド誘導体(H)及びポリ-p-ジニトロソベンゼンの少なくとも一種を0.1質量部以上配合した接着剤組成物(I)を用いたことを特徴とする。本発明の積層体においては、架橋剤及び架橋助剤として特定のマレイミド誘導体(H)及び/又はポリ-p-ジニトロソベンゼンを含有する接着剤組成物(I)を接着剤層(F)に適用することで、樹脂フィルム層(D)及びゴム状弾性体層(E)に対する接着剤層(F)の粘着性(タック)が大幅に向上し、積層体を製造する上での作業性と該積層体の剥離抗力を改善することができる。なお、図1に示す積層体1は、各層2,3,4を一層のみ有するが、本発明の積層体は、各層をそれぞれ二層以上有してもよい。
また、図示例の積層体において、樹脂フィルム層(D)2は、樹脂組成物(C)からなる層を一層のみ有するが、本発明の積層体は、該樹脂組成物(C)からなる層の他、更に図2に示すように他の層、好ましくは熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる層を有してもよい。
図2は、本発明の積層体の他の実施態様の断面図である。図示例の積層体5は、樹脂フィルム層(D)6として、上記樹脂組成物(C)からなる層7と、該層7に隣接して配設された二層の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる層8とを備える。また、図1と同じ符号は同じ部材であることを示す。
本発明の積層体に用いる樹脂フィルム層(D)は、熱可塑性樹脂(A)からなるマトリクス中に、23℃におけるヤング率が該熱可塑性樹脂(A)よりも低い柔軟樹脂(B)を分散させた樹脂組成物(C)からなる層を少なくとも含むことを要する。ここで、熱可塑性樹脂(A)としては、23℃におけるヤング率が500MPaを超えることが好ましく、具体的には、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性ウレタン系エラストマー、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂等が挙げられ、これらの中でもエチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂が好ましい。かかるエチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂は、空気透過量が低く、ガスバリア性が非常に高い。なお、これら熱可塑性樹脂(A)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、柔軟樹脂(B)としては、23℃におけるヤング率が上記熱可塑性樹脂(A)よりも低いことを要し、500MPa以下であることが好ましく、該ヤング率が500MPa以下であると、樹脂フィルム層(D)の弾性率を低下させることができ、その結果耐屈曲性を向上させることができる。また、上記柔軟樹脂(B)は、水酸基と反応する官能基を有することが好ましい。上記柔軟樹脂(B)が水酸基と反応する官能基を有することで、熱可塑性樹脂(A)中に柔軟樹脂(B)が均一に分散するようになる。ここで、水酸基と反応する官能基としては、無水マレイン酸残基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。かかる水酸基と反応する官能基を有する柔軟樹脂(B)として、具体的には、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン等が挙げられる。更に、上記柔軟樹脂(B)は、平均粒径が2μm以下であることが好ましい。柔軟樹脂(B)の平均粒径が2μmを超えてしまうと、樹脂フィルム層(D)の耐屈曲性を十分に改善できないおそれがあり、ガスバリア性の低下、延いてはタイヤの内圧保持性の悪化をもたらすことがある。なお、樹脂組成物(C)中の柔軟樹脂(B)の平均粒径は、例えば、サンプルを凍結し、該サンプルをミクロトームにより切片にして、透過電子顕微鏡(TEM)で観察する。
その上、上記樹脂組成物(C)における柔軟樹脂(B)の含有率は、10〜30質量%の範囲であることが好ましい。柔軟樹脂(B)の含有率が10質量%未満では、耐屈曲性を向上させる効果が小さく、一方、30質量%を超えると、ガスバリア性が低下することがある。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体に、例えば、エポキシ化合物を反応させて得られる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましい。かかる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体は、通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体に比べて弾性率が低いため、屈曲時の耐破断性が高く、またクラックも発生し難い。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン含有量が25〜50モル%であることが好ましく、30〜48モル%であることが更に好ましく、35〜45モル%であることが一層好ましい。エチレン含有量が25モル%未満では、耐屈曲性、耐疲労性及び溶融成形性が悪化することがあり、一方、50モル%を超えると、ガスバリア性を十分に確保できないことがある。また、該エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ケン化度が90%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましく、99%以上であることが一層好ましい。ケン化度が90%未満では、ガスバリア性及び成形時の熱安定性が不十分となることがある。更に、該エチレン−ビニルアルコール共重合体は、メルトフローレート(MFR)が190℃、2160g荷重下で0.1〜30g/10分であることが好ましく、0.3〜25g/10分であることが更に好ましい。
本発明において、上記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の製造方法は、特に限定されないが、エチレン−ビニルアルコール共重合体とエポキシ化合物とを溶液中で反応させる製造方法が好適に挙げられる。より詳しくは、エチレン−ビニルアルコール共重合体の溶液に、酸触媒又はアルカリ触媒存在下、好ましくは酸触媒存在下、エポキシ化合物を添加し、反応させることによって変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を製造することができる。反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。また、酸触媒としては、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸及び三フッ化ホウ素等が挙げられ、アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド等が挙げられる。なお、触媒量は、エチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、0.0001〜10質量部の範囲が好ましい。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体に反応させるエポキシ化合物としては、一価のエポキシ化合物が好ましい。二価以上のエポキシ化合物は、エチレン−ビニルアルコール共重合体と架橋反応し、ゲル、ブツ等を発生して、インナーライナーの品質を低下させることがある。なお、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の製造容易性、ガスバリア性、耐屈曲性及び耐疲労性の観点から、一価のエポキシ化合物の中でも、グリシドール及びエポキシプロパンが特に好ましい。また、上記エポキシ化合物は、エチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対して1〜50質量部を反応させることが好ましく、2〜40質量部を反応させることが更に好ましく、5〜35質量部を反応させることが一層好ましい。
上記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ガスバリア性、耐屈曲性及び耐疲労性を得る観点から、メルトフローレート(MFR)が190℃、2160g荷重下で0.1〜30g/10分であることが好ましく、0.3〜25g/10分であることが更に好ましく、0.5〜20g/分であることが一層好ましい。
上記樹脂組成物(C)は、熱可塑性樹脂(A)からなるマトリックス中に、23℃におけるヤング率が該熱可塑性樹脂(A)よりも低い柔軟樹脂(B)を分散させてなる。ここで、上記樹脂組成物(C)は、−20℃におけるヤング率が1500MPa以下であることが好ましい。−20℃におけるヤング率が1500MPa以下であると、寒冷地で使用した際の耐久性を向上させることができる。
上記樹脂フィルム層(D)は、熱可塑性樹脂(A)と柔軟樹脂(B)とを混練して樹脂組成物(C)を調製した後に、溶融成形、好ましくはTダイ法、インフレーション法等の押出成形により、好ましくは150〜270℃の溶融温度でフィルムやシート等に成形することができる。また、上記樹脂フィルム層(D)は、樹脂組成物(C)からなる層を含む限り、単層であっても、多層化されたものでもよい。ここで、多層化する方法としては、共押出する方法等が挙げられる。
本発明の積層体において、上記樹脂フィルム層(D)は、耐水性及びゴムに対する密着性の観点から、更に熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる層を一層以上含むことが好ましい。ここで、上記熱可塑性ウレタン系エラストマーは、ポリオールと、イソシアネート化合物と、短鎖ジオールとの反応によって得られる。ポリオール及び短鎖ジオールは、イソシアネート化合物との付加反応により、直鎖状ポリウレタンを形成する。上記ポリオールは、熱可塑性ウレタン系エラストマーにおいて柔軟な部分となり、イソシアネート化合物及び短鎖ジオールは硬い部分となる。なお、熱可塑性ウレタン系エラストマーは、原料の種類、配合量、重合条件等を変えることで、広範囲に性質を変えることができる。かかる熱可塑性ウレタン系エラストマーとしては、ポリエーテル系ウレタン等が好適に挙げられる。
また、上記樹脂フィルム層(D)は、20℃、65%RHにおける酸素透過係数が3.0×10-12cm3/cm2・sec・cmHg以下であることが好ましく、1.0×10-12cm3/cm2・sec・cmHg以下であることが更に好ましく、5.0×10-13cm3/cm2・sec・cmHg以下であることが一層好ましい。20℃、65%RHにおける酸素透過係数が3.0×10-12cm3/cm2・sec・cmHgを超えると、本発明の積層体をインナーライナーとして用いる際に、タイヤの内圧保持性を高めるために、樹脂フィルム層(D)を厚くせざるを得ず、タイヤの重量を十分に低減できなくなる。
更に、上記樹脂フィルム層(D)は、架橋されていることが好ましい。樹脂フィルム層(D)が架橋されていない場合、タイヤの加硫工程で積層体(インナーライナー)が著しく変形して不均一となり、積層体のガスバリア性、耐屈曲性、耐疲労性が悪化することがある。ここで、架橋方法としては、エネルギー線を照射する方法が好ましく、該エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、α線、γ線等の電離放射線が挙げられ、これらの中でも電子線が特に好ましい。電子線の照射は、樹脂フィルム層(D)をフィルムやシート等の成形体に加工した後に行うことが好ましい。ここで、電子線の線量は、10〜60Mradの範囲が好ましく、20〜50Mradの範囲が更に好ましい。電子線の線量が10Mrad未満では、架橋が進み難く、一方、60Mradを超えると、成形体の劣化が進み易くなる。また、上記樹脂フィルム層(D)は、接着剤層(F)との粘着性を向上させるために、酸化法や凹凸化法等によって表面処理を施してもよい。上記酸化法としては、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理等が挙げられ、凹凸化法としては、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの中でもコロナ放電処理が好ましい。
上記ゴム状弾性体層(E)は、ゴム成分としてブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムを含むことが好ましい。ここで、上記ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム及びそれらの変性ゴム等が挙げられる。また、上記ハロゲン化ブチルゴムは、市販品を利用することができ、例えば、「Enjay Butyl HT10−66」(登録商標)[エンジェイケミカル社製,塩素化ブチルゴム]、「Bromobutyl 2255」(登録商標)[JSR(株)製,臭素化ブチルゴム]、「Bromobutyl 2244」(登録商標)[JSR(株)製,臭素化ブチルゴム]を挙げることができる。また、塩素化又は臭素化した変性ゴムの例としては、「Expro50」(登録商標)[エクソン社製]が挙げられる。
上記ゴム状弾性体層(E)におけるゴム成分中のブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムの含有率は、耐空気透過性を向上させる観点から、50質量%以上であるのが好ましく、70〜100質量%であるのが更に好ましい。ここで、上記ゴム成分としては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムの他、ジエン系ゴムやエピクロロヒドリンゴム等を用いることができる。これらゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ジエン系ゴムとして、具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、シス-1,4-ポリブタジエン(BR)、シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン(1,2BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。これらジエン系ゴムは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ゴム状弾性体層(E)には、上記ゴム成分の他に、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、補強性充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、ゴム用加硫促進剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を目的に応じて適宜配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明の積層体においては、上記樹脂フィルム層(D)の厚さが200μm以下で、上記ゴム状弾性体層(E)の厚さが200μm以上であることが好ましい。ここで、樹脂フィルム層(D)の厚さは、より好ましくは下限が1μm程度であり、10〜150μmの範囲であることが更に好ましく、20〜100μmの範囲であることが一層好ましい。樹脂フィルム層(D)の厚さが200μmを超えると、本発明の積層体をインナーライナーとして用いる際に、耐屈曲性及び耐疲労性が低下し、タイヤ転動時の屈曲変形により破断・亀裂が生じ易くなる。一方、1μm未満では、ガスバリア性を十分に確保できないことがある。また、ゴム状弾性体層(E)の厚さが200μm未満では、補強効果が十分に発揮されず、樹脂フィルム層(D)に破断・亀裂が生じた際に亀裂が伸展し易くなるため、大きな破断及びクラック等の弊害を抑制することが困難となる。
また、本発明の積層体においては、上記接着剤層(F)の厚さが、5〜100μmの範囲であることが好ましい。接着剤層(F)の厚さが5μm未満では、接着不良を起こすおそれがあり、100μmを超えると、軽量化メリット及びコストメリットが小さくなる。
上記接着剤組成物(I)に用いるゴム成分(G)としては、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ジエン系ゴム等が挙げられ、これらの中でもクロロスルホン化ポリエチレン、並びにブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムが好ましい。上記クロロスルホン化ポリエチレンは、塩素と亜硫酸ガスを用いてポリエチレンを塩素化及びクロロスルホン化することによって得られる飽和主鎖構造を有する合成ゴムであり、耐候性、耐オゾン性、耐熱性等に優れ、ガスバリア性も高い。また、上記クロロスルホン化ポリエチレンとしては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「ハイパロン」[デュポン社製]等が挙げられる。更に、上記ゴム成分(G)におけるクロロスルホン化ポリエチレンの含有率は、剥離抗力を向上させる観点から、10質量%以上が好ましい。一方、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムは、上記ゴム状弾性体層(E)において説明したとおりであり、また、上記ゴム成分(G)におけるブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムの含有率は、50質量%以上が好ましい。なお、上記ゴム成分(G)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記接着剤組成物(I)は、加熱処理後の剥離抗力を改良するために、架橋剤及び架橋助剤として、分子中に反応部位を二つ以上有するマレイミド誘導体(H)及び/又はポリ-p-ジニトロソベンゼンを含み、該マレイミド誘導体(H)としては、1,4-フェニレンジマレイミド、1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン等が挙げられ、これらの中でも1,4-フェニレンジマレイミドが好ましい。これら架橋剤及び架橋助剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。上記接着剤組成物(I)におけるマレイミド誘導体(H)及び/又はポリ-p-ジニトロソベンゼンの配合量は、上記ゴム成分(F)100質量部に対し、0.1質量部以上である。マレイミド誘導体(H)及び/又はポリ-p-ジニトロソベンゼンの配合量が0.1質量部未満では、加硫処理後の剥離抗力を十分に改良することができない。
上記接着剤組成物(I)は、更にゴム用加硫促進剤(J)、充填剤(K)、樹脂(M)、低分子量重合体(N)等を含有することが好ましい。また、上記接着剤組成物(I)には、上記成分の他に、例えば、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を目的に応じて適宜配合してもよい。
上記ゴム用加硫促進剤(J)としては、チウラム系加硫促進剤、置換ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、チオ尿素系加硫促進剤、キサンテート系加硫促進剤等が挙げられ、これらの中でもチウラム系加硫促進剤、置換ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤が好ましい。これらゴム用加硫促進剤(J)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。また、上記ゴム用加硫促進剤(J)の配合量は、ゴム成分(G)100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3〜3質量部の範囲が更に好ましい。
上記ゴム用加硫促進剤(J)として好適なチウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、活性化テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド等が挙げられる。
一方、上記ゴム用加硫促進剤(J)として好適な置換ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン等が挙げられる。
上記充填剤(K)としては、無機充填剤(L)、カーボンブラック等が好適に挙げられる。ここで、無機充填剤(L)としては、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ、スメクタイト、有機化モンモリロナイト、有機化マイカ、有機化スメクタイト等が好ましい。一方、カーボンブラックとしては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましい。これら充填剤(K)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。また、上記充填剤(K)の配合量は、ゴム成分(G)100質量部に対し、2〜50質量部であることが好ましく、5〜35質量部であることが更に好ましい。
上記樹脂(M)は、接着剤組成物(I)の粘着性を向上させ、樹脂フィルム層(D)とゴム状弾性体層(E)との貼り付け作業性を向上させる作用を有し、該樹脂(M)としては、C系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂、ロジン系樹脂等が好ましく、これらの中でもフェノール系樹脂が特に好ましい。上記フェノール系樹脂は、例えば、触媒の存在においてp-t-ブチルフェノールとアセチレンとの縮合、又はアルキルフェノールとホルムアルデヒドの縮合によって得られる。また、上記テルペン系樹脂としては、β-ピネン樹脂及びα-ピネン樹脂等のテルペン系樹脂が挙げられ、かかるテルペン系樹脂に対し水素添加を行うことで水添テルペン系樹脂が得られる。更に、上記変性テルペン系樹脂は、フリーデルクラフト型触媒の存在においてテルペンとフェノールとの反応により、或いはホルムアルデヒドとの縮合によって得ることができる。また、ロジン系樹脂としては、例えば、天然ロジン、又は該天然ロジンを水素添加、不均化、二量化、エステル化、ライム化等で変性したロジン誘導体を挙げることができる。これら樹脂(M)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記低分子量重合体(N)は、接着剤組成物(I)の粘着性を向上させ、樹脂フィルム層(D)とゴム状弾性体層(E)との貼り付け作業性を向上させる作用を有し、ポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜100,000であるのが好ましく、1,000〜50,000であるのが更に好ましい。該低分子量重合体(N)としては、スチレン−ブタジエン共重合体であることが好ましい。ここで、スチレン−ブタジエン共重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒中で、重合開始剤として有機リチウム化合物をランダマイザーとしてエーテル又は第3級アミンの存在下で用い、50〜90℃の温度でブタジエンとスチレンとを共重合させることでスチレン−ブタジエン共重合体を製造することができる。得られた共重合体は、重合開始剤の量を調節することで重量平均分子量を制御することができ、また、共重合体の共役ジエン化合物部分のミクロ構造は、ランダマイザーを用いて制御することができる。本発明の積層体において、上記低分子量重合体(N)は、一種単独で用いてもよく、上記樹脂(M)と組み合わせて用いてもよい。なお、上記樹脂(M)及び/又は低分子量重合体(N)の配合量は、ゴム成分(G)100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法としては、例えば、接着剤組成物(I)を有機溶媒に分散又は溶解した塗工液を、樹脂フィルム層(D)の表面に塗布及び乾燥して接着剤層(F)を形成し、次に、該接着剤層(F)の表面にゴム状弾性体層(E)を貼り合わせ、加硫処理を行うことにより本発明の積層体を製造することができる。また、本発明の積層体の製造方法は、上記塗工液をゴム状弾性体層(E)の表面に塗布及び乾燥して接着剤層(F)を形成し、該接着剤層(F)の表面に樹脂フィルム層(D)を貼り合わせて加硫処理を行ってもよい。なお、上記加硫処理温度は、120℃以上が好ましく、125〜200℃の範囲が更に好ましく、130〜180℃の範囲が一層好ましい。また、上記加硫処理時間は、10〜120分の範囲が好ましい。
上記接着剤組成物(I)と有機溶媒との混合方法は、常法により行い、かかる方法で調製した塗工液中の接着剤組成物(I)の濃度は、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が更に好ましい。ここで、有機溶媒としては、トルエン、キシレン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、メチルエチルケトン等が挙げられる。これら有機溶媒は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、上記有機溶媒において、ヒルデブランド(Hildebrand)溶解度パラメーター(δ値)は、14〜20MPa1/2の範囲であることが好ましい。ここで、ヒルデブランド溶解度パラメーター(δ値)が、上記特定範囲内にあると、有機溶媒とゴム成分(G)との親和性が高くなる。
本発明の空気入りタイヤは、例えばインナーライナーとして、上述した積層体を適用し、常法により製造することができる。上記積層体を用いた空気入りタイヤは、樹脂フィルム層(D)及びゴム状弾性体層(E)に対する接着剤層(F)の粘着性が高いので、作業性よく作製することができる上、インナーライナーとして用いた際の剥離抗力が高い。
本発明の空気入りタイヤは、例えば上述した積層体をインナーライナーとして備えることを特徴とする。以下に、図を参照しながら本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。図3は、本発明の空気入りタイヤの一実施態様の部分断面図である。図3に示すタイヤは、一対のビード部9及び一対のサイドウォール部10と、両サイドウォール部10に連なるトレッド部11とを有し、上記一対のビード部9間にトロイド状に延在して、これら各部9,10,11を補強するカーカス12と、該カーカス12のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された2枚のベルト層からなるベルト13と、上記ビード部9内に夫々埋設したリング状のビードコア14のタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラー15を備え、更に、該カーカス12の内側のタイヤ内面にはインナーライナー16が配置されている。
図示例のタイヤにおいて、カーカス12は、上記ビード部9内に夫々埋設した一対のビードコア14間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア14の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカス12のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。
また、図示例のタイヤにおいて、ベルト13は、2枚のベルト層からなるが、本発明の空気入りタイヤにおいては、ベルト13を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。ここで、ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層は、該ベルト層を構成するコードが互いに赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト13を構成する。更に、図示例のタイヤは、ビードフィラー15を備えるが、本発明の空気入りタイヤは、ビードフィラー15を有していなくてもよいし、他の構造のビードフィラーを備えることもできる。
なお、図示例のタイヤにおいて、インナーライナー16には、図1,2に示す構造の積層体を用いることが好ましく、図1,2におけるゴム状弾性体層3が、カーカス12の内側のタイヤ内面に接合されている。
本発明の空気入りタイヤは、インナーライナー16に上述した積層体を適用し、常法により製造することができる。なお、本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(熱可塑性樹脂(A)の合成例)
加圧反応槽に、エチレン含量44モル%、ケン化度99.9%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(190℃、2160g荷重下でのMFR:5.5g/10分)2質量部及びN-メチル-2-ピロリドン8質量部を仕込み、120℃で2時間加熱撹拌して、エチレン−ビニルアルコール共重合体を完全に溶解させた。これにエポキシ化合物としてエポキシプロパン0.4質量部を添加後、160℃で4時間加熱した。加熱終了後、蒸留水100質量部に析出させ、多量の蒸留水で充分にN-メチル-2-ピロリドン及び未反応のエポキシプロパンを洗浄し、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。更に、得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を粉砕機で粒子径2mm程度に細かくした後、再度多量の蒸留水で十分に洗浄した。洗浄後の粒子を8時間室温で真空乾燥した後、二軸押出機を用いて200℃で溶融し、ペレット化した。得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体は、23℃におけるヤング率が1300MPaであった。ここで、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の23℃におけるヤング率は下記の方法で測定した。
(1)23℃におけるヤング率の測定
得られたペレットを用い、東洋精機社製二軸押出機によって、下記押出条件で製膜し、厚さ20μmの単層フィルムを作製した。次に該フィルムを用いて、幅15mmの短冊状の試験片を作製し、23℃、50%RHの条件下で恒温室内に1週間放置した後、株式会社島津製作所製オートグラフ[AG−A500型]を用いて、チャック間隔50mm、引張速度50mm/分の条件で、23℃、50%RHにおけるS−Sカーブ(応力−歪み曲線)を測定し、S−Sカーブの初期傾きからヤング率を求めた。
スクリュー:20mmφ、フルフライト
シリンダー、ダイ温度設定:C1/C2/C3/ダイ=200/200/200/200(℃)
なお、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量及びケン化度は、重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とした1H-NMR測定[日本電子社製「JNM−GX−500型」を使用]で得られたスペクトルから算出した値である。また、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のメルトフローレート(MFR)は、メルトインデクサーL244[宝工業株式会社製]の内径9.55mm、長さ162mmのシリンダーにサンプルを充填し、190℃で溶融した後、重さ2160g、直径9.48mmのプランジャーを使用して均等に荷重をかけ、シリンダーの中央に設けた径2.1mmのオリフィスより単位時間あたりに押出される樹脂量(g/10分)から求めた。但し、エチレン−ビニルアルコール共重合体の融点が190℃付近あるいは190℃を超える場合は、2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿して算出した値をメルトフローレート(MFR)とした。
(柔軟樹脂(B)の合成例)
無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を公知の方法により合成し、ペレット化した。得られた無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は、23℃におけるヤング率が3MPa、スチレン含量が20%、無水マレイン酸量が0.3meq/gであった。なお、該ヤング率は熱可塑性樹脂(A)と同様の方法で測定した。
(フィルム1の作製)
合成例で得られた熱可塑性樹脂(A)及び柔軟樹脂(B)を二軸押出機で混練し、樹脂組成物(C)を調製した。ここで、樹脂組成物(C)中の柔軟樹脂(B)の含有率は20質量%である。また、樹脂組成物(C)中の柔軟樹脂(B)の平均粒径は、得られた樹脂組成物(C)の試料を凍結した後、該試料をミクロトームにより切片にして、透過電子顕微鏡で測定すると、1.2μmであった。更に、設定温度を−20℃に変更する以外は、上記熱可塑性樹脂(A)のヤング率の測定方法と同様にして、樹脂組成物(C)の−20℃におけるヤング率を測定すると、750MPaであった。次に、得られた樹脂組成物(C)と、熱可塑性ポリウレタン(TPU)[(株)クラレ製クラミロン3190]とを使用し、2種3層共押出装置を用いて、下記共押出成形条件で3層フィルム1(TPU層/樹脂組成物(C)層/TPU層,厚さ:20μm/20μm/20μm)を作製した。
各樹脂の押出温度:C1/C2/C3/ダイ=170/170/200/200℃
各樹脂の押出機仕様:
熱可塑性ポリウレタン:25mmφ押出機P25−18AC[大阪精機工作株式会社製]
樹脂組成物(C):20mmφ押出機ラボ機ME型CO−EXT[株式会社東洋精機製]
Tダイ仕様:500mm幅2種3層用[株式会社プラスチック工学研究所製]
冷却ロールの温度:50℃
引き取り速度:4m/分
上記のようにして得られたフィルム1の酸素透過係数を下記の方法で測定すると、9.1×10-13cm3/cm2・sec・cmHgであった。
(2)フィルム1の酸素透過係数の測定
上記フィルム1を、20℃、65%RHで5日間調湿した。得られた調湿済みのフィルムを2枚使用して、モダンコントロール社製MOCON OX−TRAN2/20型を用い、20℃、65%RHの条件下でJIS K7126(等圧法)に準拠して、酸素透過係数を測定し、その平均値を求めた。
(ゴム状弾性体層(E)の作製)
臭素化ブチルゴム[JSR(株)製,Bromobutyl 2244]100質量部に対して、GPFカーボンブラック[旭カーボン(株)製,#55]60質量部、SUNPAR2280[日本サン石油(株)製]7質量部、ステアリン酸[旭電化工業(株)製]1質量部、ノクセラーDM[大内新興化学工業(株)製]1.3質量部、酸化亜鉛[白水化学工業(株)製]3質量部及び硫黄[鶴見化学(株)製]0.5質量部を配合してゴム組成物を調製し、該ゴム組成物を用いて厚さ500μmの未加硫のゴム状弾性体層(E)を作製した。
(実施例1〜16)
表1、表2に示す配合処方の接着剤組成物(I)を常法により調製した後、得られた接着剤組成物(I)をトルエン(δ値:18.2MPa1/2)1000質量部に添加し、分散又は溶解して、塗工液を調製した。次に、日新ハイボルテージ株式会社製電子線照射装置「生産用キュアトロンEBC200-100」を使用して、加速電圧200kV、照射エネルギー30Mradの条件で3層フィルム1に電子線照射して架橋処理を施した。得られた架橋フィルムの片面に上記塗工液を塗布した後、乾燥して接着剤層(F)を形成し、該接着剤層(F)の表面に上記ゴム状弾性体層(E)を貼り合わせた後、160℃で15分間加硫処理を行い、図2に示す構造の積層体を作製した。
(比較例1)
接着剤層(F)としてメタロックR−46[(株)東洋化学研究所製]を用いる以外は、上記実施例と同様にして、図2に示す構造の積層体を作製した。
次に、上記のようにして作製した積層体の粘着性、剥離抗力を下記の方法で測定した。結果を表1、表2に示す。
(3)粘着性(タック)
JIS Z0237に準拠して、プローブタック試験を行い、粘着性を測定し、比較例1の積層体の粘着性を100として指数表示した。指数値が高い程、作業性に優れることを示す。
(4)剥離抗力
JIS K6854に準拠して、T型剥離試験を行い、剥離抗力を測定し、比較例1の剥離抗力を100として指数表示した。指数値が高い程、剥離抗力が大きいことを示す。
Figure 2008024228
Figure 2008024228
*1 JSR(株)製,Bromobutyl 2244.
*2 JSR(株)製,Butyl 268.
*3 日本ゼオン(株)製,Nipol IR2200.
*4 デュポン・ダウ エラストマー社製,ハイパロン.
*5 東海カーボン(株)製,シーストNB.
*6 (株)トクヤマ製,トクシールUSG−B.
*7 神島化学工業(株)製,スターマグU.
*8 住友ベークライト(株)製,PR−SC−400.
*9 新日本理化(株)製,ステアリン酸50S.
*10 ハクスイテック(株)製,酸化亜鉛2種 粉末品.
*11 大内新興化学工業(株)製,バルノックDNB.
*12 大内新興化学工業(株)製,バルノックPM.
*13 大内新興化学工業(株)製,ノクセラーZTC,ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛.
*14 大内新興化学工業(株)製,ノクセラーTOT−N,テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド.
*15 三新化学工業(株)製,サンセラーTBZTD,テトラベンジルチウラムジスルフィド.
*16 大内新興化学工業(株)製,ノクセラーDM,ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド.
*17 大内新興化学工業(株)製,ノクセラーD,1,3-ジフェニルグアニジン.
*18 鶴見化学(株)製,金華印微粉硫黄.
表1、表2から明らかのように、実施例の積層体は、比較例1の積層体に比べて、粘着性が高く、積層体を製造する上で良好な作業性を有することが分かる。また、実施例の積層体は、比較例1の積層体に比べて、剥離抗力が優れていることが分かる。
本発明の積層体の一実施態様の断面図である。 本発明の積層体の他の実施態様の断面図である。 本発明の空気入りタイヤの一実施態様の部分断面図である。
符号の説明
1 積層体
2 樹脂フィルム層(D)
3 ゴム状弾性体層(E)
4 接着剤層(F)
5 積層体
6 樹脂フィルム層(D)
7 樹脂組成物(C)からなる層
8 熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる層
9 ビード部
10 サイドウォール部
11 トレッド部
12 カーカス
13 ベルト
14 ビードコア
15 ビードフィラー
16 インナーライナー

Claims (36)

  1. 熱可塑性樹脂(A)からなるマトリクス中に、23℃におけるヤング率が該熱可塑性樹脂(A)よりも低い柔軟樹脂(B)を分散させた樹脂組成物(C)からなる層を少なくとも含む樹脂フィルム層(D)と、ゴム状弾性体層(E)とが、接着剤層(F)を介して接合されてなる積層体であって、
    前記接着剤層(F)に、ゴム成分(G)100質量部に対し、分子中に反応部位を二つ以上有するマレイミド誘導体(H)及びポリ-p-ジニトロソベンゼンの少なくとも一種を0.1質量部以上配合した接着剤組成物(I)を用いたことを特徴とする積層体。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)の23℃におけるヤング率が500MPaを超え、前記柔軟樹脂(B)の23℃におけるヤング率が500MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記柔軟樹脂(B)が、水酸基と反応する官能基を有することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  4. 前記柔軟樹脂(B)の平均粒径が2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  5. 前記樹脂組成物(C)における前記柔軟樹脂(B)の含有率が10〜30質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  6. 前記熱可塑性樹脂(A)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体を反応させて得られる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  7. 前記エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量が25〜50モル%であることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
  8. 前記エチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度が90%以上であることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
  9. 前記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体が、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、エポキシ化合物1〜50質量部を反応させて得られることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
  10. 前記エポキシ化合物がグリシドール又はエポキシプロパンであることを特徴とする請求項9に記載の積層体。
  11. 前記樹脂組成物(C)の−20℃におけるヤング率が1500MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  12. 前記樹脂フィルム層(D)が、更に熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる層を一層以上含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  13. 前記熱可塑性ウレタン系エラストマーが、ポリエーテル系ウレタンであることを特徴とする請求項12に記載の積層体。
  14. 前記樹脂フィルム層(D)は、20℃、65%RHにおける酸素透過係数が3.0×10-12cm3/cm2・sec・cmHg以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  15. 前記樹脂フィルム層(D)が架橋されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  16. 前記ゴム状弾性体層(E)が、ゴム成分としてブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムを50質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  17. 前記樹脂フィルム層(D)の厚さが200μm以下で、前記ゴム状弾性体層(E)の厚さが200μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  18. 前記ゴム成分(G)が、クロロスルホン化ポリエチレンを10質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  19. 前記ゴム成分(G)が、ブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムを50質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  20. 前記マレイミド誘導体(H)が、1,4-フェニレンジマレイミドであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  21. 前記接着剤組成物(I)が、更にゴム用加硫促進剤(J)を前記ゴム成分(G)100質量部に対し、0.1質量部以上含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  22. 前記ゴム用加硫促進剤(J)が、チウラム系及び/又は置換ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤であることを特徴とする請求項21に記載の積層体。
  23. 前記接着剤組成物(I)が、更に充填剤(K)を前記ゴム成分(G)100質量部に対し、2〜50質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  24. 前記接着剤組成物(I)が、充填剤(K)として無機充填剤(L)を前記ゴム成分(G)100質量部に対し、5〜50質量部含むことを特徴とする請求項23に記載の積層体。
  25. 前記無機充填剤(L)が、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ、スメクタイト、有機化モンモリロナイト、有機化マイカ及び有機化スメクタイトからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項24に記載の積層体。
  26. 前記接着剤組成物(I)が、充填剤(K)としてカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項23に記載の積層体。
  27. 前記接着剤組成物(I)が、更に樹脂(M)及びポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000の低分子量重合体(N)の少なくとも一種を0.1質量部以上含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  28. 前記低分子量重合体(N)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、1,000〜50,000であることを特徴とする請求項27に記載の積層体。
  29. 前記樹脂(M)が、C系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂及びロジン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項27に記載の積層体。
  30. 前記樹脂(M)が、フェノール系樹脂であることを特徴とする請求項29に記載の積層体。
  31. 前記低分子量重合体(N)が、スチレン−ブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項27に記載の積層体。
  32. 前記接着剤組成物(I)と有機溶媒とを含む塗工液を、前記樹脂フィルム層(D)の表面に塗布及び乾燥して接着剤層(F)を形成し、次いで該接着剤層(F)の表面に前記ゴム状弾性体層(E)を貼り合わせ、加硫処理を行うことを特徴とする請求項1〜31のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  33. 前記接着剤組成物(I)と有機溶媒とを含む塗工液を、前記ゴム状弾性体層(E)の表面に塗布及び乾燥して接着剤層(F)を形成し、次いで該接着剤層(F)の表面に前記樹脂フィルム層(D)を貼り合わせ、加硫処理を行うことを特徴とする請求項1〜31のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  34. 前記加硫処理の温度が120℃以上であることを特徴とする請求項32又は33に記載の積層体の製造方法。
  35. 前記有機溶媒は、ヒルデブランド溶解度パラメーター(δ値)が14〜20MPa1/2の範囲であることを特徴とする請求項32又は33に記載の積層体。
  36. 請求項1〜31のいずれかに記載の積層体を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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