JP2008024164A - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

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サストラネガラ アズハリ
Takashi Yoshimura
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Abstract

【課題】錆にくいエネルギ吸収部材とすることで、衝撃エネルギの吸収特性の変化を防止することができる衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に変位するステアリングコラム28と、このステアリングコラム28に固定されている移動部材(第1凸部)32dと、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材(第2凸部)30hと、移動部材32d及び固定部材30hに係合して衝突事故に伴う塑性変形により衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材48とを備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置である。エネルギ吸収部材48は、クロムやニッケルの含有量を多くした耐食性に優れた金属材料であって、塑性変形自在な金属線を曲げ成形して形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、二次衝突時に運転者に加わる衝撃力を緩和する衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
衝突事故の際には、自動車が他の自動車等と衝突する一次衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイールに衝突する二次衝突が発生する。この二次衝突の際に運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の身体に重大な損傷を与える事を防止するのを目的として、衝撃吸収式ステアリングコラム装置と呼ばれる運転者保護装置が、従来から種々考えられている。 また、二次衝突の際の衝撃エネルギを吸収する部材も、従来から種々知られており、このうちエネルギ吸収部材は、二次衝突の際に塑性変形により衝撃エネルギを吸収するものであり、比較的簡単で、小型且つ安価な衝撃吸収式ステアリング装置を得られる部材として、従来から一般的に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第3389767号公報
しかしながら、特許文献1のエネルギ吸収部材は、錆の発生により衝撃エネルギの吸収特性が変化してしまうおそれがある。
また、エネルギ吸収部材は、塑性変形するために他の部品と接触する部分の摩擦が増大すると、スティックスリップが発生して衝撃エネルギの吸収特性が変化してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、錆にくいエネルギ吸収部材とすることで、或いは、他の部品との接触部分の摩擦を減少させてスティックスリップが発生しないようにすることで、衝撃エネルギの吸収特性の変化を防止する衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に変位するステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定されている移動部材と、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、塑性変形自在な金属部材で成形されており、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合して衝突事故に伴う塑性変形により衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、防錆処理を施した前記エネルギ吸収部材を用いることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置である。
また、請求項2に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に変位するステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定されている移動部材と、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、塑性変形自在な金属部材で成形されており、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合して衝突事故に伴う塑性変形により衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合する前記エネルギ吸収部材の係合位置に摩擦低減処理を施すことを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置である。
また、請求項3に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に変位するステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定されている移動部材と、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、塑性変形自在な金属部材で成形されており、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合して衝突事故に伴う塑性変形により衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、防錆処理を施した前記エネルギ吸収部材を用いるとともに、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合する前記エネルギ吸収部材の係合位置に摩擦低減処理を施すことを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置である。
また、請求項4記載の発明は、請求項1又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギ吸収部材を、耐食性に優れた金属材料で成形したことを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項1又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギ吸収部材を、鉄を主成分とした錆やすい金属部材の全周を防錆膜で被覆してなる部材としたことを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項1又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギ吸収部材を、鉄を主成分とした錆やすい金属部材の全周に防錆油、或いは防錆グリースを塗布してなる部材としたことを特徴とする。
さらに、請求項7記載の発明は、請求項2又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記摩擦低減処理として、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合する前記エネルギ吸収部材の前記係合位置に潤滑剤を塗布したことを特徴とする
さらにまた、請求項8記載の発明は、請求項2又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記摩擦低減処置として、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合する前記エネルギ吸収部材の前記係合位置にコーティング処理を施したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、防錆処理を施した前記エネルギ吸収部材を用いているので、長期間使用しても錆にくいエネルギ吸収部材は、衝撃エネルギの吸収特性が変化しない。
また、請求項1記載の発明によれば、少なくとも移動部材及び固定部材の一方に係合するエネルギ吸収部材の係合位置に摩擦低減処理を施しているので、エネルギ吸収部材が塑性変形する際に、少なくとも移動部材及び固定部材の一方に係合する位置の摩擦が減少してスティックスリップが発生しにくくなる。したがって、摩擦によるエネルギ吸収部材の衝撃エネルギ吸収特性の変化を防止することができる。
また、請求項3記載の発明によると、エネルギ吸収部材は、長期間使用しても錆にくく、塑性変形する際にも、少なくとも移動部材及び固定部材の一方に係合する位置の摩擦が減少してスティックスリップが発生しにくくなるので、衝撃エネルギ吸収特性の変化を防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車両の一実施形態を模式的に示した図である。
符号12で示す衝撃吸収式ステアリングコラム装置には、その車両前後方向の後端にステアリングホイール13を装着したステアリングシャフト11が回転自在に支持されている。ステアリングシャフト11の車両前後方向の前端には、自在継手14を介して伸縮可能な中間シャフト15が連結されている。
この中間シャフト15の下端には、自在継手16を介してラック・ピニオン式のステアリングギヤ17が連結され、このステアリングギヤ17には、タイロッド18等を介して操舵輪19が連結され、ステアリングホイール13を操舵することにより転舵輪19を転舵することができる。なお、衝撃吸収式ステアリングコラム装置12の車両前後方向の後方には、コンビスイッチやコラムカバー等の周辺部品Pが配置されている。
(第1実施形態)
図2から図5は、本発明に係る第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を示すものである。図2は、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を車幅方向から示した図である。図3は、図2のA−A線矢視図である。図4は、図2のB−B線矢視図である。図5は、本実施形態で使用されているエネルギ吸収部材を示す図である。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、車両前後方向に延在して配置したインナコラム20と、車体側部材22に固定され、インナコラム20の車体前後方向の前端部を枢軸ピン24を介して連結しているコラム連結ブラケット26と、インナコラム20の車体前後方向の後方側に軸方向に摺動自在に外嵌されているアウタコラム28と、車体側部材22に固定されている支持ブラケット30と、アウタコラム28の上方及び側部を囲みながら支持ブラケット30に支持されて車両前後方向に移動自在とされている移動ブラケット32と、円筒状のアウタコラム28の下側に膨出して形成したディスタンスブラケット34に形成したコラム側通孔36と、ディスタンスブラケット34に当接する移動ブラケット32の側板32aに形成したブラケット側通孔40と、コラム側通孔36及びブラケット側通孔40を挿通しているチルトロッド42と、操作レバー44の揺動操作によりチルトロッド42を介して移動ブラケット32をアウタコラム28に結合、或いは結合解除するロック機構46と、支持ブラケット30と移動ブラケット32との間に装着したエネルギ吸収部材48とを備えている。そして、アウタコラム26内の車体前後方向の後方側に、前述したステアリングホイール13を装着したステアリングシャフト11がコラム連結部材26に対して回転自在に支持されている。
前記コラム側通孔36は、ディスタンスブラケット34において長軸が車両前後方向に延在するように長孔形状として形成されている。
ブラケット側通孔40は、ディスタンスブラケット34に当接する移動ブラケット32の側板32aに、長軸が車両上下方向に延在するように長孔形状として形成されている。
次に、移動ブラケット32、支持ブラケット30及びエネルギ吸収部材48の具体的な構成について、図3から図5を参照して詳細に説明する。
移動ブラケット32は、図3に示すように、上板32bと、横断面コ字状となるように上板32bの幅方向両縁部から一体に形成されて互いに平行に延在している一対の側板32aとを備えている。上板32bの両側部には、一対の案内レール32cが突出して形成されており、移動ブラケット32全体が車両前後方向に移動自在となるように支持ブラケット30の後述する一対の案内レール32cに係合している。そして、支持ブラケット30及び一対の案内レール32cの係合によりアウタコラム28に対して車両上下方向の上方に配置した上板32bの上面には、第1凸部32dが突出して形成されている。そして、図4に示すように、この第1凸部32dの車両前後方向の前方を向いているコーナー部は、所定の曲率で丸みを付けたR部32e,32fとして形成されている。
支持ブラケット30は、図3及び図4に示すように、外観が矩形状のブラケット本体30aと、このブラケット本体30aに一体形成され、コラム連結ブラケット26の連結部26aを介して固定ボルト50で車体側部材22に連結される連結部30bと、前述した移動ブラケット32の一対の案内レール32cが嵌まり込むように車両前後方向に延在して設けられている一対の案内溝30cとを備えている。
車体側部材22に固定されたブラケット本体30aには、車両上下方向に連通して開口する開口孔が形成されており、この開口孔は、車両前後方向の前方側に車幅方向長さが大きな領域で開口する第1開口孔30dと、この第1開口孔30dに連続して設けられ、第1開口孔30dより車幅方向長さが小さな領域で開口する第2開口孔30eとされている。また、第2開口孔30eの周囲には、車体側部材22に当接する当接面30fより低い段差面30gが形成されており、この段差面30g上に、前記第2開口孔30eを間に挟んで車幅方向の一方及び他方に略等距離に離間した位置に一対の第2凸部30hが形成されている。これら一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く面は、所定の曲率で車両前後方向の方向側に突出するR部30iとして形成されている。
そして、ブラケット本体30aの第2開口孔30eに、移動ブラケット32の上板32bに形成した第1凸部32dが下方から進入し、段差面30gに対して車両上下方向の上方に位置するように突出している。
エネルギ吸収部材48は、ピアノ線材(例えばSWRS82A)やステンレス線材(例えばSUS301)等のようにクロムやニッケルの含有量を多くした耐食性に優れた金属材料であって、塑性変形自在な金属線(針金)を曲げ成形することにより形成されている。
このエネルギ吸収部材48は、図5に示すように、エネルギ吸収部材48の軸方向中央部に形成した中央変形部48aと、この中央変形部48aの両端部から一体形成された1対の端部変形部48bと、これら一対の端部変形部48bからそれぞれ自由端に向かって直線状に延在している直線部48cとを備えている。つまり、このエネルギ吸収部材48は、中央変形部48aが凸状に湾曲して曲げ成形されており、一対の端部変形部48bが、中央変形部48aが凸状に湾曲する方向に対して同一平面内で逆方向に凸状に湾曲して曲げ成形され、直線部48bが、前記平面内において中央変形部48aが凸状に湾曲する方向と同一方向に直線的に延在することで、M字形状に曲げ成形されている。ここで、中央変形部48aの曲率半径は、移動ブラケット32の上板32bに形成した第1凸部32dのR部32e,32fに沿うようにその曲率半径と略同一に設定されている。また、一対の端部変形部48bの曲率半径は、支持ブラケット30に形成した一対の第2凸部30hのR部30iに沿うようにその曲率半径と略同一に設定されている。
上記構成のエネルギ吸収部材48は、図4に示すように、中央変形部48aが、支持ブラケット30の第2開口孔30eから上方に突出している移動ブラケット32の第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面に掛け渡され、一対の端部変形部48bが、支持ブラケット30の一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く側面に掛け渡されることで、支持ブラケット30と移動ブラケット32との間に装着されている。
そして、互いに接触する中央変形部48aと第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面との間、互い接触する一対の端部変形部48bと一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く側面との間には、接触面同士の摩擦を低減するグリースが塗布されている。
ここで、請求項のステアリングコラムがアウタコラム28に対応し、請求項の移動部材が移動ブラケット32の第1凸部32dに対応し、請求項の固定部材が支持ブラケット30の第2凸部30hに対応する。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、衝突事故の際に以下のように作用して、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。二次衝突時には、移動ブラケット32がアウタコラム28とともに車両前後方向の前方に変位する。これに対して、車体側部材22に固定されている支持ブラケット30は車両前後方向に変位せず、そのままの位置に残る。
これにより、移動ブラケット32の第1凸部32dが車両前後方向の前方に変位するので、エネルギ吸収部材48の中央変形部48aが第1凸部32dのR部32e,32fに扱かれて塑性変形していく。また、中央変形部48aが車両前後方向の前方に引っ張られながら塑性変形していくことで、一対の端部変形部48bも、一対の第2凸部30hのR部32e,32fに扱かれて塑性変形していく。このように、エネルギ吸収部材48の中央変形部48a、一対の端部変形部48bが塑性変形していくことで、二次衝突時の衝撃エネルギが吸収されていき、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和して運転者の保護を図ることができる。
また、本実施形態のエネルギ吸収部材48は、耐食性に優れた金属材料により形成されているので、長期間使用しても錆にくい。したがって、エネルギ吸収部材48は防錆対策がなされているので、長期にわたって衝撃エネルギの吸収特性が変化しない衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を提供することができる。
また、エネルギ吸収部材48の中央変形部48aと第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面との間にグリースが塗布され、一対の端部変形部48bと一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く側面との間にもグリースが塗布されていることから、エネルギ吸収部材48の中央変形部48a及び一対の端部変形部48bが扱かれる際に摩擦が減少してスティックスリップが発生しにくくなり、摩擦によるエネルギ吸収部材48の衝撃エネルギ吸収特性の変化を防止することができる。
なお、中央変形部48aと第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面との間、一対の端部変形部48bと一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く側面との間にグリースを塗布せず、替わりに、その位置にコーティング処理を施して中央変形部48a及び一対の端部変形部48bが扱かれる際に摩擦が減少するようにしても、同様に、エネルギ吸収部材48による衝撃エネルギ吸収特性の変化を防止することができる。
ここで、図6は、上述したエネルギ吸収部材48に対して異なる実施形態のエネルギ吸収部材56の断面図を示すものである。本実施形態のエネルギ吸収部材56は、鉄を主成分とした錆やすい金属線57が、保護膜、メッキ等の防錆膜58で被覆されたものである。
本実施形態のエネルギ吸収部材56は、金属線57が防錆膜58で被覆されて錆が発生しにくいので、長期にわたって衝撃エネルギの吸収特性が変化しない衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を提供することができる。
さらに、図7は、上述したエネルギ吸収部材48,56に対して異なる実施形態のエネルギ吸収部材59の断面図を示すものである。本実施形態のエネルギ吸収部材59は、鉄を主成分とした金属線57の全周に防錆油60が塗布されている。
本実施形態のエネルギ吸収部材59も、金属線57が防錆油60で被覆されて錆が発生しにくいので、長期にわたって衝撃エネルギの吸収特性が変化しない衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を提供することができる。
なお、エネルギ吸収部材59で使用した防錆油60に替えて、金属線57の全周に防錆グリースを塗布しても、同様の効果を奏することができる。ここで、防錆油、防錆グリースとしては、JISK2246 NP−19に記載のものが、長期にわたって防錆効果が持続するので好適である。
また、図5から図7で示したエネルギ吸収部材48,56,59は、断面真円の金属線としたが、断面が楕円、矩形、多角形の金属線であってもよい。
さらに、エネルギ吸収部材は、図5から図7に示した金属線に限ることはなく、二次衝突時に、塑性変形する部位(例えばエネルギ吸収部材48の中央変形部48a、一対の端部変形部48bに類似した形状)が存在するものであれば、金属板であってもよい。
(第2実施形態)
次に、図8及び図9は、本発明に係る第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を示すものである。図8は、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を車両上下方向の上方から示した図である。図9は、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を車幅方向から示した図である。なお、図2から図5で示した第1実施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、アウタコラム28の車両前後方向の後方側の外周に固定されている移動ブラケット62と、この移動ブラケット62の車幅方向に離間して設けた1対の取付板部64と、これら一対の取付板部64の車両前後方向の後端に装着されている一対の係止駒66と、これら一対の係止駒66を車体側部材22に固定するボルト(図示せず)と、互いに車幅方向に離間しながら車両前後方向に延在して配置され、車両前後方向の後端が前記ボルトにより係止駒66を介して車体側部材22に固定されているとともに、車両前後方向の前方側に、車両上下方向の下方に向けて山形に突出した屈曲部68を形成している一対のエネルギ吸収部材70と、一対の取付板部64の車両前後方向の前方側にそれぞれ形成した透孔72と、透孔72に対して車両前後方向の前方位置に形成した前側ガイド板部74と、透孔72に対して車両前後方向の後方位置に形成した後側ガイド板部76と、車両上下方向の上方に向けて山形に突出しながら透孔72に対して車両前後方向に横切るように取付板部64に固定した抑え板部78と、透孔72に対して車両前後方向に横切るように取付け板部64に固定した受板部80と、エネルギ吸収部材70の屈曲部68が下側に通過するように配置しながら、抑え板部78及び受板部80の間で支持されているしごきピン82とを備えている。
移動ブラケット62に形成した一対の取付板部64車両前後方向の後端には、その位置で開口する切り欠き84が形成されている。そして、各切り欠き84の内側部分に、係止駒66が装着されている。
係止駒66は、アルミニウム合金等を材料として形成されており、通常はこの係止駒66に形成した小孔86と各取付板部64に形成され、この小孔86と整合する別の小孔とに掛け渡す様に充填された合成樹脂88により、各切り欠き84内に保持されている。ただし、二次衝突に伴う強い衝撃力が作用した場合には、合成樹脂88が剪断することで支持力を喪失し、各切り欠き84から車両前後方向の後方側に抜け出す。
また、エネルギ吸収部材70は、オーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS305)等のようにクロムやニッケルの含有量を多くした耐食性に優れた金属材料を曲げ成形することにより屈曲部68を形成した長尺な板状部材であって、車両前後方向の後端に形成した円孔90にボルトの下端部を挿通して車体側部材22に支持されている。
一方、取付板部64に形成した透孔72の車両前後方向の前方に形成した前側ガイド板部74は、断面が四分の一円弧状で、その先端縁が車両上下方向の下方に向けて突出している。透孔72の車両前後方向の後方に形成した後側ガイド板部76は、断面が略倒立U字形で、その先端縁が車両上下方向の下方に向けて突出している。
抑え板部78は下面を円弧状凹面としており、受板部80は上面を円弧状凹面としている。そして、これら抑え板部78の下面と受板部80の上面との間で、しごきピン82の両端部を支持している。従って、各しごきピン82は、それぞれ透孔72の車両前後方向の中央部を幅方向に亙って横切る状態で支持されている。この状態で各しごきピン82の下面は、取付板部78の上面よりも車両上下方向の下方に位置する。
そして、本実施形態では、二次衝突時に互いに接触するエネルギ吸収部材の70の屈曲部68と、前側ガイド板部74、後側ガイド板部76及びしごきピン82との間に、接触面同士の摩擦を低減するグリースが塗布されている。
ここで、請求項のステアリングコラムがアウタコラム28に対応し、請求項の移動部材が前側ガイド板部74、後側ガイド板部76及びしごきピン82に対応し、請求項の固定部材が、エネルギ吸収部材の70を車体側部材22に固定しているボルトに対応する。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、衝突事故の際に以下のように作用して、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
二次衝突時には移動ブラケット62が、アウタコラム28とともに車両前後方向の前方に変位する。これに対して、係止駒66を車体側部材22に固定しているボルトは、そのままの位置に残る。
これにより、その車両前後方向の後端をボルトで固定されているエネルギ吸収部材70も車両前後方向の前方に変位することなく、そのままの位置で支持される。
エネルギ吸収部材70がそのままの位置で支持された状態で、移動ブラケット62が車両前後方向の前方に変位するので、エネルギ吸収部材70の屈曲部68は、前側ガイド板部74及び後側ガイド板部76としごきピン82の下面との間で扱かれながら車両前後方向の前方に変位する。この際、このエネルギ吸収部材70は、その長さ方向(車両前後方向)に亙って連続的に塑性変形する。このように、エネルギ吸収部材70の屈曲部68が塑性変形していくことで、二次衝突時の衝撃エネルギが吸収されていき、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和して運転者の保護を図ることができる。
また、本実施形態のエネルギ吸収部材70は、耐食性に優れた金属材料により形成されているので、長期間使用しても錆にくい。したがって、長期にわたって衝撃エネルギの吸収特性が変化しない衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を提供することができる。
また、二次衝突時に互いに接触するエネルギ吸収部材の70の屈曲部68と、前側ガイド板部74、後側ガイド板部76及びしごきピン82との間に、接触面同士の摩擦を低減するグリースが塗布されていることから、エネルギ吸収部材70の屈曲部68が扱かれる際に摩擦が減少してスティックスリップが発生しにくくなり、摩擦によるエネルギ吸収部材70の衝撃エネルギ吸収特性の変化を防止することができる。
なお、互いに接触するエネルギ吸収部材の70の屈曲部68と、前側ガイド板部74、後側ガイド板部76及びしごきピン82との間にグリースを塗布せず、替わりに、その位置にコーティング処理を施して屈曲部68が摩擦が減少するようにしても、同様に、エネルギ吸収部材48による衝撃エネルギ吸収特性の変化を防止することができる。
次に、図10は、上述したエネルギ吸収部材70に対して異なる実施形態のエネルギ吸収部材92の断面を示すものである。本実施形態のエネルギ吸収部材92は、鉄を主成分とした錆やすい金属板94が、保護膜、メッキ等の防錆膜96で被覆されたものである。
本実施形態のエネルギ吸収部材92は、金属板94が防錆膜96で被覆されているので錆が発生しにくく、長期にわたって衝撃エネルギの吸収特性が変化しない衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を提供することができる。
さらに、図11は、上述したエネルギ吸収部材70,92に対して異なる実施形態のエネルギ吸収部材98の断面を示すものである。本実施形態のエネルギ吸収部材98は、鉄を主成分とした金属板94の全周に防錆油100が塗布されている。
本実施形態のエネルギ吸収部材98も、金属板94が防錆油100で被覆されているので錆が発生しにくいので、長期にわたって衝撃エネルギの吸収特性が変化しない衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を提供することができる。
なお、エネルギ吸収部材98で使用した防錆油100に替えて、金属板94の全周に防錆グリースを塗布しても、同様の効果を奏することができる。ここで、防錆油、防錆グリースとしては、第1実施形態と同様に、JISK2246 NP−19に記載のものが、長期にわたって防錆効果が持続するので好適である。
本発明に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置を搭載した自動車の操舵機構部の概略図である。 本発明に係る第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を車幅方向から示した図である。 図2のA−A線矢視図である。 図2のB−B線矢視図である。 本発明に係る第1実施形態で使用されているエネルギ吸収部材の形状を示す図である。 本発明に係る第1実施形態で使用されているエネルギ吸収部材に対して異なる形状のエネルギ吸収部材を示す横断面図である。 図6で示したエネルギ吸収部材に対してさらに異なる形状のエネルギ吸収部材を示す横断面図である。 本発明に係る第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を車両上下方向の上方から示した図である。 本発明に係る第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を車幅方向から示した図である。 本発明に係る第2実施形態で使用されているエネルギ吸収部材に対して異なる形状のエネルギ吸収部材を示す横断面図である。 図10で示したエネルギ吸収部材に対してさらに異なる形状のエネルギ吸収部材を示す横断面図である。
符号の説明
11…ステアリングシャフト、12…衝撃吸収式ステアリングコラム装置、13…ステアリングホイール、20…インナコラム、22…車体側部材、30…支持ブラケット、30a…ブラケット本体、30b…連結部、30c…案内溝、30d…第1開口孔、30e…第2開口孔、30f…当接面、30g…段差面、30h…第2凸部、30i…R部、32…移動ブラケット、32a…側板、32b…上板、32c…案内レール、32d…第1凸部、32e…R部、32f…R部、48…エネルギ吸収部材、48a…中央変形部、48b…端部変形部、48c…直線部、56…エネルギ吸収部材、57…鉄を主成分とした金属線、58…防錆膜、59…エネルギ吸収部材、60…防錆油、62…移動ブラケット、64…取付板部、66…係止駒、68…屈曲部、70…エネルギ吸収部材、72…透孔、74…前側ガイド板部、76…後側ガイド板部、78…抑え板部、80…受板部、82…しごきピン、84…切り欠き、86…小孔、88…合成樹脂、90…円孔、92…エネルギ吸収部材、94…鉄を主成分とした金属板、96…防錆膜、98…エネルギ吸収部材、100…防錆油

Claims (8)

  1. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に変位するステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定されている移動部材と、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、塑性変形自在な金属部材で成形されており、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合して衝突事故に伴う塑性変形により衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、
    防錆処理を施した前記エネルギ吸収部材を用いることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  2. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に変位するステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定されている移動部材と、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、塑性変形自在な金属部材で成形されており、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合して衝突事故に伴う塑性変形により衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、
    少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合する前記エネルギ吸収部材の係合位置に摩擦低減処理を施すことを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  3. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に変位するステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定されている移動部材と、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、塑性変形自在な金属部材で成形されており、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合して衝突事故に伴う塑性変形により衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、
    防錆処理を施した前記エネルギ吸収部材を用いるとともに、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合する前記エネルギ吸収部材の係合位置に摩擦低減処理を施すことを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  4. 前記エネルギ吸収部材を、耐食性に優れた金属材料で成形したことを特徴とする請求項1又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  5. 前記エネルギ吸収部材を、鉄を主成分とした錆やすい金属部材の全周を防錆膜で被覆してなる部材としたことを特徴とする請求項1又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  6. 前記エネルギ吸収部材を、鉄を主成分とした錆やすい金属部材の全周に防錆油、或いは防錆グリースを塗布してなる部材としたことを特徴とする請求項1又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  7. 前記摩擦低減処理として、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合する前記エネルギ吸収部材の前記係合位置に潤滑剤を塗布したことを特徴とする請求項2又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  8. 前記摩擦低減処置として、少なくとも前記移動部材及び前記固定部材の一方に係合する前記エネルギ吸収部材の前記係合位置にコーティング処理を施したことを特徴とする請求項2又は3記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
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