JP2008230266A - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Yasuyuki Matsuda
靖之 松田
Sastranegara Azhari
サストラネガラ アズハリ
Takeshi Momo
雄志 百々
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Abstract

【課題】二次衝突時に運転者に衝撃荷重が加わっても運転者に与えるダメージを低減する衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】インナコラム20と、車体側部材に固定されている支持ブラケット30と、支持ブラケットに支持されて車両前後方向に移動自在とされている移動ブラケット32と、支持ブラケットと移動ブラケットとの間に装着した1本のエネルギ吸収部材48とを備えている。エネルギ吸収部材は、インナコラムのストローク後半に塑性変形するストローク後半塑性領域48cの変形抵抗が、インナコラムのストロークの初期からストローク後半までに塑性変形するストローク前半塑性領域48a,48b,48b1の変形抵抗と比べて大きくなるように形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、二次衝突時に運転者に加わる衝撃荷重を緩和する衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
衝突事故の際には、自動車が他の自動車等と衝突する一次衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイールに衝突する二次衝突が発生する。この二次衝突の際に運転者の身体に加わる衝撃荷重を緩和し、運転者の身体に重大な損傷を与えることを防止するものとして、衝撃吸収式ステアリングコラム装置が知られている。
従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置として、例えば特許文献1、特許文献2に示すように、二次衝突時に、ステアリングコラムが車両前後方向の前方にストロークすると同時に、塑性変形によって衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材を備えた装置がある。
特許第3389767号公報 特許第3612971号公報
ところで、ステアリングコラムがストローク限界位置までストロークした際(ステアリングコラムの底着きの際)に衝撃吸収荷重が急激に上昇してしまうおそれがある。そこで、ステアリングコラムの底着き直前に衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重となることが望ましい。
しかし、特許文献1の装置のエネルギ吸収部材は、ステアリングコラムのストローク変化に応じて衝撃荷重の吸収能力を可変とする構造としていないので、衝撃吸収荷重が急激に大きくなるおそれがある。すなわち、特許文献1の装置は、図28で示す衝撃吸収特性のように、ステアリングコラムのストローク初期位置から底着きまでの間、一定の衝撃荷重しか吸収しないので、底着きの際に衝撃吸収荷重が急激に上昇してしまうのである。
また、特許文献2の装置のエネルギ吸収部材は、エネルギ吸収部材を固定する部材(係止部)の形状等を変更することで、ステアリングコラムの底着の際の大きな衝撃荷重を吸収することができるが、このようにすると、前記係止部等の部材の製造コストの面で問題があるとともに、ステアリングコラムのストローク変化に応じて衝撃吸収特性を変更することが難しいという問題もある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、二次衝突時に運転者に衝撃荷重が加わっても急激な衝撃吸収荷重の変化を低減することができるとともに、製造コストの低減化を図ることができる衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、二次衝突時に車両前後方向の前方に向けてストロークするステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定された移動部材と、車体側部材に固定されて二次衝突時の衝撃荷重が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、塑性変形自在な金属部材で成形されており、二次衝突時に、前記移動部材及び前記固定部材の何れかに設けた扱き部材により扱かれることで塑性変形して衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギ吸収部材を、前記ステアリングコラムのストローク後半に塑性変形するストローク後半塑性領域の変形抵抗が、前記ステアリングコラムのストロークの初期からストローク後半までに塑性変形するストローク前半塑性領域の変形抵抗と比べて大きくなるように形成したことを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記ストローク後半塑性領域に加工硬化を施した。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記ストローク後半塑性領域及び前記ストローク前半塑性領域の一方に、前記ストローク後半塑性領域の変形抵抗が大きくなるように熱処理を施した。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記ストローク後半塑性領域を、前記ストローク前半塑性領域に比べて前記扱き部材に扱かれて塑性変形する量が増大する形状とした。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記ストローク後半塑性領域を、前記ストローク前半塑性領域に比べて前記ステアリングコラムのストローク方向に直交する断面積を大きくした。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置前記エネルギ吸収部材を金属線で形成した。
さらにまた、請求項7記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギ吸収部材を金属板で形成した。
この発明によれば、二次衝突時に運転者に衝撃荷重が加わっても、エネルギ吸収部材のステアリングコラムのストローク後半に塑性変形するストローク後半塑性領域の変形抵抗が、エネルギ吸収部材のステアリングコラムのストロークの初期からストローク後半までに塑性変形するストローク前半塑性領域の変形抵抗と比べて大きくなるようにしているので、ステアリングコラムのストローク後半の衝撃吸収荷重を緩やかに増加させていき、ステアリングコラムが底着きする(ステアリングコラムがストローク限界位置までストロークする)際に所定値以下の衝撃吸収荷重となるように大きな衝撃荷重を吸収することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車両を模式的に示した図である。
符号12で示す第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置には、その車両前後方向の後端にステアリングホイール13を装着したステアリングシャフト11が回転自在に支持されている。ステアリングシャフト11の車両前後方向の前端には、自在継手14を介して伸縮可能な中間シャフト15が連結されている。
この中間シャフト15の下端には、自在継手16を介してラック・ピニオン式のステアリングギヤ17が連結され、このステアリングギヤ17には、タイロッド18等を介して転舵輪19が連結され、ステアリングホイール13を操舵することにより転舵輪19を転舵することができる。なお、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12の車両前後方向の後方には、コンビスイッチやコラムカバー等の周辺部品Pが配置されている。
(第1実施形態)
図2から図6は、第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を示すものである。図2は、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を車幅方向から示した図である。図3は、図2のA−A線矢視図である。図4は、図2のB−B線矢視図である。図5は、本実施形態で使用されているエネルギ吸収部材を示す図である。図6は、第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12の衝撃荷重吸収特性及びモデル図を示すものである。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、車両前後方向に延在して配置したインナコラム20と、車体側部材22に固定され、インナコラム20の車体前後方向の前端部を枢軸ピン24を介して連結しているコラム連結ブラケット26と、インナコラム20の車体前後方向の後方側に軸方向に摺動自在に外嵌されているアウタコラム28と、車体側部材22に固定されている支持ブラケット30と、アウタコラム28の上方及び側部を囲みながら支持ブラケット30に支持されて車両前後方向に移動自在とされている移動ブラケット32と、円筒状のアウタコラム28の下側に膨出して形成したディスタンスブラケット34に形成したコラム側通孔36と、ディスタンスブラケット34に当接する移動ブラケット32の側板32aに形成したブラケット側通孔40と、コラム側通孔36及びブラケット側通孔40を挿通しているチルトロッド42と、操作レバー44の揺動操作によりチルトロッド42を介して移動ブラケット32をアウタコラム28に結合、或いは結合解除するロック機構46と、支持ブラケット30と移動ブラケット32との間に装着した1本のエネルギ吸収部材48とを備えている。そして、アウタコラム28内の車体前後方向の後方側に、前述したステアリングホイール13を装着したステアリングシャフト11がコラム連結ブラケット26に対して回転自在に支持されている。
前記コラム側通孔36は、ディスタンスブラケット34において長軸が車両前後方向に延在するように長孔形状として形成されている。
ブラケット側通孔40は、ディスタンスブラケット34に当接する移動ブラケット32の側板32aに、長軸が車両上下方向に延在するように長孔形状として形成されている。
次に、移動ブラケット32、支持ブラケット30及びエネルギ吸収部材48の具体的な構成について、図3から図5を参照して詳細に説明する。
移動ブラケット32は、図3に示すように、上板32bと、横断面コ字状となるように上板32bの幅方向両縁部から一体に形成されて互いに平行に延在している一対の側板32aとを備えている。上板32bの両側部には、一対の案内レール32cが突出して形成されており、移動ブラケット32全体が車両前後方向に移動自在となるように支持ブラケット30の一対の案内溝30cに係合している。そして、アウタコラム28に対して車両上下方向の上方に配置した上板32bの上面には、第1凸部32dが突出して形成されている。そして、図4に示すように、この第1凸部32dの車両前後方向の前方を向いているコーナー部は、所定の曲率で丸みを付けたR部32e,32fとして形成されている。
支持ブラケット30は、図3及び図4に示すように、外観が矩形状のブラケット本体30aと、このブラケット本体30aに一体形成され、コラム連結ブラケット26の連結部26aを介して固定ボルト50で車体側部材22に連結される連結部30bと、前述した移動ブラケット32の一対の案内レール32cが嵌まり込むように車両前後方向に延在して設けられている一対の案内溝30cとを備えている。
車体側部材22に固定されたブラケット本体30aには、車両上下方向に連通して開口する開口孔が形成されており、この開口孔は、車両前後方向の前方側に車幅方向長さが大きな領域で開口する第1開口孔30dと、この第1開口孔30dに連続して設けられ、第1開口孔30dより車幅方向長さが小さな領域で開口する第2開口孔30eとされている。また、第2開口孔30eの周囲には、車体側部材22に当接する当接面30fより低い段差面30gが形成されており、この段差面30g上に、前記第2開口孔30eを間に挟んで車幅方向の一方及び他方に略等距離に離間した位置に一対の第2凸部30hが形成されている。これら一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く面は、所定の曲率で車両前後方向の方向側に突出するR部30iとして形成されている。
そして、ブラケット本体30aの第2開口孔30eに、移動ブラケット32の上板32bに形成した第1凸部32dが下方から進入し、段差面30gに対して車両上下方向の上方に位置するように突出している。
エネルギ吸収部材48は、塑性変形自在な断面真円の金属線(針金)を曲げ成形することにより形成されている。
このエネルギ吸収部材48は、図5に示すように、エネルギ吸収部材48の軸方向中央部に形成した中央変形部48aと、この中央変形部48aの両端部から一体形成された一対の端部変形部48bと、これら一対の端部変形部48bの曲率縁部48b1からそれぞれ自由端に向かって直線状に延在している直線部48cとを備えている。つまり、このエネルギ吸収部材48は、中央変形部48aが凸状に湾曲して曲げ成形されており、一対の端部変形部48bが、中央変形部48aが凸状に湾曲する方向に対して同一平面内で逆方向に凸状に湾曲して曲げ成形され、直線部48cが、一対の端部変形部48bの曲率縁部48b1から前記平面内において中央変形部48aが凸状に湾曲する方向と同一方向に直線的に延在することで、M字形状に曲げ成形されている。中央変形部48aの曲率半径は、移動ブラケット32の上板32bに形成した第1凸部32dのR部32e,32fに沿うようにその曲率半径と略同一に設定されている。また、一対の端部変形部48bの曲率半径は、支持ブラケット30に形成した一対の第2凸部30hのR部30iに沿うようにその曲率半径と略同一に設定されている。
ここで、図4から図6では、エネルギ吸収部材48の一対の直線部48cを、黒で塗りつぶした部分で示し、中央変形部48a、一対の端部変形部48b及び曲率縁部48b1を白で示しているが、一対の直線部48cは、塑性変形する際の変形抵抗が、中央変形部48a、一対の端部変形部48b及び曲率縁部48b1と比較して大きくなるように設定されている。つまり、本実施形態では、黒で塗りつぶしている部分の一対の直線部48cをショットピーニングにより加工硬化を施すことで、中央変形部48a、一対の端部変形部48b及び曲率縁部48b1と比較して塑性変形する際の変形抵抗を大きくしている。
上記構成のエネルギ吸収部材48は、図4に示すように、中央変形部48aが、支持ブラケット30の第2開口孔30eから上方に突出している移動ブラケット32の第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面に掛け渡され、一対の端部変形部48bが、支持ブラケット30の一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く側面に掛け渡されることで、支持ブラケット30と移動ブラケット32との間に装着されている。
ここで、請求項のステアリングコラムがアウタコラム28に対応し、請求項の移動部材が移動ブラケット32に対応し、請求項の固定部材が支持ブラケット30に対応し、請求項の扱き部材が第1凸部32d、一対の第2凸部30hに対応し、請求項のストローク後半塑性領域が一対の直線部48cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が中央変形部48a及び一対の端部変形部48bの曲率縁部48b1までの領域に対応する。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、衝突事故の際に以下のように作用して、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
二次衝突時には、移動ブラケット32がアウタコラム28とともに車両前後方向の前方にストロークする。これに対して、車体側部材22に固定されている支持ブラケット30は車両前後方向に変位せず、そのままの位置に残る。
この際、移動ブラケット32の第1凸部32dは、図6の(A)のモデル図で示す初期位置から車両前後方向の前方にストロークする。この第1凸部32dが車両前後方向の前方にストロークすることで、(B)のモデル図で示すように、エネルギ吸収部材48の中央変形部48aが第1凸部32dに扱かれて塑性変形していき、一対の端部変形部48b及び曲率縁部48b1が第2凸部30hに扱かれて塑性変形することで、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらに移動ブラケット32がストローク後半である底着き位置に向かってストロークしていくと、図6の(C)のモデル図で示すように、加工硬化を施した一対の直線部48cが、一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形していく。
このように、加工硬化を施した一対の直線部48cが塑性変形すると、エネルギ吸収部材48の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大するので、図6の衝撃荷重吸収特性で明らかなように、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができる。
また、本実施形態ではエネルギ吸収部材48を、金属線を折り曲げることにより構成し、中央変形部48aを、移動ブラケット32の第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面に掛け渡し、一対の端部変形部48bを、支持ブラケット30の一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く側面に掛け渡すだけで、支持ブラケット30と移動ブラケット32との間に簡単に装着することができるので、組み立て作業の能率化を図ることができる。また、金属線を折り曲げることにより造られるエネルギ吸収部材48は、材料の無駄が殆ど生じないため、材料の歩留が向上する。また、エネルギ吸収部材48を加工する為に複雑な型を必要としない。したがって、製造コストの低減化を図ることができる。
なお、エネルギ吸収部材48の断面形状は真円に限らず、楕円、多角形状からなる塑性変形自在な金属線であればよい。
(第1実施形態のエネルギ吸収部材の第1変形例)
次に、図7に示すものは、図5で示したエネルギ吸収部材48と異なる第1変形例のエネルギ吸収部材である。この第1変形例のエネルギ吸収部材100は、熱処理を施した部材である。すなわち、塑性変形自在な断面真円の金属線(針金)をM字形状に曲げ成形して形成されており、軸方向中央部に凸状に湾曲して曲げ成形されている中央変形部100aと、この中央変形部100aの両端部から一体形成され、中央変形部100aが凸状に湾曲する方向に対して同一平面内で逆方向に凸状に湾曲して曲げ成形されている一対の端部変形部100bと、これら一対の端部変形部100bの曲率縁部100b1から前記平面内において中央変形部100aが凸状に湾曲する方向と同一方向にそれぞれ自由端に向かって直線状に延在している一対の直線部(黒で塗り潰した部分)100cとを備えている。
この第1変形例のエネルギ吸収部材100は、一対の直線部100cと、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1の一方に熱処理を施すことで、一対の直線部100cが塑性変形する際の変形抵抗が、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1と比較して変更されている。
具体的には、一対の直線部100cに熱処理を施す場合には、焼入れ等のバルク熱処理により一対の直線部100cの内部を、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1の内部と比較して硬くする方法や、浸炭、窒化、高周波焼入れ等のサーフェース熱処理により一対の直線部100cの表面を、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1の表面と比較して硬くする方法が考えられる。また、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1に熱処理を施す場合には、焼きなまし等のバルク熱処理により中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1の内部を一対の直線部100cの内部と比較して軟らかくする方法や、表面脱炭等のサーフェース熱処理により中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1の表面を一対の直線部100cの表面と比較して軟らかくする方法が考えられる。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が一対の直線部100cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1に対応する。
上述した第1変形例のエネルギ吸収部材100を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、一対の直線部100cと、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1の一方に熱処理を施すことで、一対の直線部100cが塑性変形する際の変形抵抗が、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1と比較して大きくなるように設定されているので、二次衝突時に、一対の直線部100cが塑性変形すると、エネルギ吸収部材100の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大し、図6の衝撃荷重吸収特性と同様に、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、エネルギ吸収部材100の一対の直線部100cと、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1の一方に熱処理を施すことで、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重に設定する衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
(第1実施形態のエネルギ吸収部材の第2変形例)
次に、図8に示すものは、図5で示したエネルギ吸収部材48と異なる第2変形例のエネルギ吸収部材である。
第2変形例のエネルギ吸収部材110は、塑性変形自在な断面真円の金属線(針金)で形成されており、軸方向中央部に凸状に湾曲して曲げ成形されている中央変形部110aと、この中央変形部110aの両端部から一体形成され、中央変形部110aが凸状に湾曲する方向に対して同一平面内で逆方向に凸状に湾曲して曲げ成形されている一対の端部変形部110bと、これら一対の端部変形部110bの曲率縁部110b1から前記平面内において中央変形部110aが凸状に湾曲する方向と同一方向にそれぞれ自由端に向かって曲線状に延在している一対の曲線部(黒で塗り潰した部分)110cとを備えている。
一対の曲線部110cは、一対の端部変形部100bの端部に連続する部位同士の間の間隔をL1とすると、自由端に向かうに従い互いの間隔が徐々に大きくなって自由端同士の距離が前記間隔L1より大きな値L2(L1<L2)となるように、自由端に向かうに従い互いに離間する方向に曲がって形成されている。これにより、一対の曲線部110cは、支持ブラケット30の一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形する方向に対して逆方向に曲げて形成されている。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が一対の曲線部110cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が中央変形部110a、一対の端部変形部110b及び曲率縁部110b1に対応する。
この第2変形例のエネルギ吸収部材110を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、二次衝突時に、移動ブラケット32の第1凸部32dが車両前後方向の前方にストロークすると、エネルギ吸収部材110の中央変形部110aが第1凸部32dに扱かれて塑性変形していき、一対の端部変形部100b及び曲率縁部110b1が第2凸部30hに扱かれて塑性変形していき、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらに移動ブラケット32がストローク後半である底着き位置に向かってストロークしていくと、一対の曲線部110cが、一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形していく。この際、一対の曲線部110cは、一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形する方向に対して逆方向に曲げて形成されており、支持ブラケット30によりL1≒L2となるように矯正されるときの変形抵抗が増大していき、衝撃荷重を吸収する能力が増大していく。
したがって、エネルギ吸収部材110の一対の曲線部110cを、支持ブラケット30の一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形する方向に対して逆方向に曲げて形成したことで、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重に設定する衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
(第1実施形態のエネルギ吸収部材の第3変形例)
次に、図9に示すものは、図5で示したエネルギ吸収部材48と異なる第3変形例のエネルギ吸収部材である。
第3変形例のエネルギ吸収部材120は、塑性変形自在な断面真円の金属線(針金)で形成されており、軸方向中央部に凸状に湾曲して曲げ成形されている中央変形部120aと、この中央変形部120aの両端部から一体形成され、中央変形部120aが凸状に湾曲する方向に対して同一平面内で逆方向に凸状に湾曲して曲げ成形されている一対の端部変形部120bと、これら一対の端部変形部120bの曲率縁部120b1から前記平面内において中央変形部120aが凸状に湾曲する方向と同一方向にそれぞれ自由端に向かって直線状に延在している一対の大断面直線部(黒で塗り潰した部分)120cとを備えている。
一対の大断面直線部120cは、中央変形部120a及び一対の端部変形部120bと比較して断面積が大きく設定されている。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が一対の大断面直線部120cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が中央変形部120a及び一対の端部変形部120bの曲率縁部120b1までの領域に対応する。
この第3変形例のエネルギ吸収部材120を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、二次衝突時に、移動ブラケット32の第1凸部32dが車両前後方向の前方にストロークすると、エネルギ吸収部材120の中央変形部120aが第1凸部32dに扱かれて塑性変形していき、一対の端部変形部120b及び曲率縁部120b1が第2凸部30hに扱かれて塑性変形していき、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらに移動ブラケット32がストローク後半である底着き位置に向かってストロークしていくと、一対の大断面直線部120cが、一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形していく。この際、一対の大断面直線部120cは、中央変形部120a、一対の端部変形部120b及び曲率縁部120b1に対して断面積が大きいので塑性変形する際の変形抵抗が増大し、衝撃荷重を吸収する能力が増大していく。
したがって、エネルギ吸収部材120の一対の大断面直線部120cを中央変形部120a、一対の端部変形部120b及び曲率縁部120b1と比較して断面積を大きくしたことで、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重に設定する衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
ここで、端部変形部120bの曲率縁部120b1から断面積を徐々に大きくした状態で大断面直線部120cを形成すると、移動ブラケット32のストローク後半の衝撃吸収荷重をさらに緩やかに増加させることができる。
なお、エネルギ吸収部材は、上述した第1実施形態のエネルギ吸収部材、第1変形例〜第3変形例の少なくとも2つを組み合わせた構成であってもよい。
(第1実施形態のエネルギ吸収部材の第1配置変形例)
次に、図10は、図5で示した一対の直線部48cに加工硬化を施したエネルギ吸収部材48を、中央変形部48aと移動ブラケット32の第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面との間に所定の隙間D1が設けられるように配置した場合を示すものである。
このように、エネルギ吸収部材48の中央変形部48aと第1凸部32dとの間に隙間を設けると、二次衝突時の初期に、ステアリングコラム(アウタコラム28)は中央変形部48aと第1凸部32dとが当接する時点までは殆ど抵抗なく移動(空走)するため、衝撃荷重吸収特性を適宜変更することができる。
なお、図7から図9で示したエネルギ吸収部材100,110,120も同様に、中央変形部100a,110a,120aと第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面との間に所定の隙間を設けて配置すると、二次衝突時の初期に、ステアリングコラム(アウタコラム28)が殆ど抵抗なく空走するので、衝撃荷重吸収特性を適宜変更することができる。
(第1実施形態のエネルギ吸収部材の第2配置変形例)
次に、図11は、2本のエネルギ吸収部材を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置を示すものである。
2本のエネルギ吸収部材は、一対の直線部48cに加工硬化を施したエネルギ吸収部材48と、塑性変形する際の全体の変形抵抗が同一(中央変形部130a、一対の端部変形部130b及び一対の直線部130cの変形抵抗が同一)のエネルギ吸収部材130とが使用されている。
そして、エネルギ吸収部材48は、一対の端部変形部48bが支持ブラケット30の一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く側面に掛け渡され、中央変形部48aが、移動ブラケット32の第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面に所定の隙間D2を設けて配置されている。また、全体の変形抵抗が同一のエネルギ吸収部材130は、一対の端部変形部130bが前記一対の端部変形部48bを介して一対の第2凸部30hの側面に掛け渡され、中央変形部130aが、移動ブラケット32の第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側面に掛け渡されている。
このように、2本のエネルギ吸収部材48,130を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、二次衝突時に、第1凸部32dが車両前後方向の前方にストロークすると、先ず、全体の変形抵抗が同一のエネルギ吸収部材130の中央変形部130aが第1凸部32d及び一対の端部変形部130bと曲率縁部130b1が第2凸部30hに扱かれて塑性変形していき、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
さらに第1凸部32dが車両前後方向の前方にストロークすると、一対の直線部48cに加工硬化を施したエネルギ吸収部材48の中央変形部48aも第1凸部32d及び一対の端部変形部130bと曲率縁部130b1も第2凸部30hに扱かれて塑性変形していき、前述したエネルギ吸収部材130の衝撃荷重より高い値の一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、第1凸部32dがストローク後半である底着き位置に向かってストロークしていくと、エネルギ吸収部材130の一対の直線部130cとともに、加工硬化を施した一対の直線部48cが一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形していくので、エネルギ吸収部材48の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大していく。
図12は、ステアリングコラム(アウタコラム28)のストローク量と衝撃吸収荷重との関係を示したグラフであり、エネルギ吸収部材130の中央変形部130a及び曲率縁部130b1の塑性変形による第1段階の衝撃吸収荷重の発生(図12のE1の部分)、エネルギ吸収部材48の中央変形部48a及び曲率縁部48b1の塑性変形が加わることによる第2段階の衝撃吸収荷重の発生(図12のE2の部分)、さらに、加工硬化を施したエネルギ吸収部材48の一対の直線部48cの塑性変形による緩やに増大する衝撃吸収荷重(図12のE3の部分)の衝撃吸収性能を得ることができる。
なお、一対の直線部48cに加工硬化を施したエネルギ吸収部材48に代えて、例えば図7で示したように、一対の直線部100cと、中央変形部100a、一対の端部変形部100b及び曲率縁部100b1の一方に熱処理を施したエネルギ吸収部材100を使用しても、同様の効果を奏することができる。
また、図11では、2本目のエネルギ吸収部材を1本目のエネルギ吸収部材の側面に配置しているが、2本のエネルギ吸収部材を重ねて配置しても同様の効果を奏することができる。
(第2実施形態)
次に、図13から図17は、本発明に係る第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を示すものである。
図13は、第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を自動車のステアリング装置に適用して車幅方向から示した図である。図14は、図13のC−C線矢視図である。図15は、本実施形態のチルト機構を示した図である。図16は、図15のD−D線矢視図である。図17は、本実施形態のエネルギ吸収部材の形状を示す図である。
図13のステアリングコラム装置201は、円筒形状のステアリングコラム202と、このステアリングコラム202の内部を貫通するステアリングシャフト203と、このステアリングシャフト203の車両前後方向の後端に取り付けられて運転者から操舵力が作用されるステアリングホイール204と、ステアリングシャフト203の下端にユニバーサルジョイント205aを介して連結され、他端がユニバーサルジョイント205bを介してラック・ピニオン式のステアリングギヤ(図示せず)に連結されている中間シャフト206とを備えている。なお、ステアリングギヤには、タイロッド等を介して転舵輪(不図示)が連結されており、ステアリングホイール204を操舵することで転舵輪を転舵することができる。
ステアリングコラム202は、ステアリングシャフト203を軸受(図示せず)を介して回動自在に保持するインナコラム207と、インナコラム207が摺動自在に内嵌するアウタコラム208とで構成されている。そして、アウタコラム208は、ロアブラケット209及びチルト機構210を介して車体側部材211に支持されている。
図14は、図13のC−C線矢視を示す図であり、ロアブラケット209は、アウタコラム208の上部に車両前後方向に延在して固定されたボックス形状の部材であり、車両前後方向に延在する一対の側板209aに、長軸方向が車両前後方向に延在するように長孔209bが形成されている。また、車体側部材211には連結ブラケット212が固定されており、この連結ブラケット212に装着した係合ボルト213がロアブラケット209の長孔209bに挿通されることで、ロアブラケット209と連結ブラケット212とが連結されている。
そして、二次衝突時にステアリングホイール204から車両前後方向の前方に向けて強い力が加わると、ステアリングコラム202のアウタコラム208が車両前後方向の前方にストロークする。その際、アウタコラム208に固定されたロアブラケット209も車両前後方向の前方にストロークすると、車体側部材211に固定されている連結ブラケット212の係合ボルト213が、長孔209bの長軸方向にスライド移動することで、アウタコラム208の車両前後方向の前方のストロークをガイドする。
チルト機構210は、図15に示すように、車体側部材211に固定された支持ブラケット230と、アウタコラム208に固定されて支持ブラケット230に対して昇降自在に、係合ボルト213を揺動中心として揺動自在に結合されている昇降ブラケット232と、支持ブラケット230及び昇降ブラケット232の間に装着したエネルギ吸収部材248とを備えているとともに、図16に示すように、支持ブラケット230に対する昇降ブラケット232の結合・解除動作を行なうチルト操作部233とを備えている。
支持ブラケット230は、図16に示すように、互いに車幅方向に離間しながら車体側部材211に固定され、車両上下方向の下方に延在している一対の支持板部234と、長軸が略車両上下方向に延在するように一対の支持板部234に形成されている長孔235とを備えている。
昇降ブラケット232は、図15及び図16に示すように、互いに車幅方向に平行に離間してアウタコラム208の下側に固定されており、支持ブラケット230の一対の支持板部234がそれぞれ当接する一対の当接板部236と、これら一対の当接板部236に車両前後方向の後方で開口しながら形成されている切り欠き237と、一対の当接板部236の下端同士に一体化されている底板部238から切り欠き237に対して車両前後方向の前方側で立ち上がっている係止板部239と、係止板部239の上部で車幅方向の一方及び他方に延在して設けられている吸収部材係合部240とを備えている。
また、チルト操作部233は、図16に示すように、昇降ブラケット232の切り欠き237及び支持ブラケット230の長孔235に挿通した頭部を有する円柱形状のチルトボルト242と、チルトボルト242の車幅方向の他方側の端部に螺合されているチルトナット244と、回転操作によりチルトナット244をチルトボルト242に締め付け、或いは緩めるチルトナット244と一体的に結合した操作レバー245とを備えている。そして、操作レバー245の反時計回りの回転によりチルトナット244を緩めると、チルトボルト242を支持ブラケット230の長孔235に沿って車両上下方向にスライドさせてステアリングコラム202の車両上下方向の位置を変更することができ、操作レバー245の時計回りの回転によりチルトナット244をチルトボルト242に締め付けることで、昇降ブラケット232が支持ブラケット230に結合されてステアリングコラム202の車両上下方向の位置が固定されるようになっている。
一方、支持ブラケット230と昇降ブラケット232との間に装着されているエネルギ吸収部材248は、断面形状が真円、楕円、多角形状からなる塑性変形自在な金属線(針金)の曲げ成形により形成されている。
このエネルギ吸収部材248は、図15及び図17に示すように、直線状の1本の金属線を折り曲げてコ字状に形成した基部248aと、この基部248aに対して平行に直線状に延在している一対の直線部248dと、基部248aと一対の直線部248dとの間で半円弧形状に形成されている一対の折り返し変形部248bと、一対の直線部248dから自由端まで直線に延在している符号248cで示した黒で塗りつぶした部分を備えている。この黒で塗りつぶした部分248cは、一対の直線部248d、基部248a及び一対の折り返し変形部248bと比較して、塑性変形する際の変形抵抗が変更されている。
本実施形態では、符号248cの黒で塗りつぶした部分を、ショットピーニングにより加工硬化を施すことで塑性変形する際の変形抵抗を大きくした部分とし、変形抵抗増大部248cと称する。
上記構成のエネルギ吸収部材248は、図15で示すように、基部248aが昇降ブラケット232の係止板部239に掛け渡され、一対の折り返し変形部248bがチルトボルト242の車両前後方向の後方側の外周に掛け渡され、昇降ブラケット232の吸収部材係合部240と基部248aとの間にある一対の直線部248dが吸収部材係合部240に接触した状態で装着されている。ここで、エネルギ吸収部材248の一対の直線部248dの自由端は車両前後方向の前方を向いている。なお、図15では、基部248aは、係止板部239の車両前後方向の前方を向く面に当接して車幅方向に延在し、係止板部239の車幅方向の両端部から車両前後方向の後方に向けて折れ曲がって掛け渡されているが、係止板部239に車幅方向に離間して2つの貫通孔を形成し、基部248aの車両前後方向の後方に向けて折れ曲がった部位を、前記2つの貫通孔に通過させて掛け渡してもよい。また、基部248aと昇降ブラケット232の係止板部239とを溶接などで固着してもよい。
ここで、請求項のステアリングコラムがアウタコラム208に対応し、請求項の移動部材が昇降ブラケット232に対応し、請求項の固定部材が係止板部239に対応し、請求項の扱き部材がチルトボルト242に対応し、請求項のストローク後半塑性領域が一対の変形抵抗増大部248cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、基部248a,一対の折り返し変形部248b及び一対の直線部248dに対応する。
次に、本実施形態のステアリングコラム装置201の動作について説明する。
車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイール204に二次衝突すると、ステアリングコラム202にはステアリングシャフト203を介して大きな衝撃荷重が加わる。
大きな衝撃荷重が加わったステアリングコラム202は、車両前後方向の前方にストロークして全長が縮まっていき、アウタコラム208は、車体側部材211に固定された連結ブラケット212にロアブラケット209がガイドされながら車両前後方向の前方にストロークし、昇降ブラケット232も、切り欠き247がチルトボルト242から離間していきながら車両前後方向の前方にストロークしていく。これに対して、車体側部材211に固定されている支持ブラケット230は、車両前後方向にストロークせず、そのままの位置に残る。
チルトボルト242は、支持ブラケット230とともに車両前後方向にストロークしないので、昇降ブラケット232の係止板部239に基部248aが掛け渡され、チルトボルト242の外周に折り返し変形部248bが掛け渡されているエネルギ吸収部材248は、基部248a側が車両前後方向の前方に引っ張られていく。
エネルギ吸収部材248の基部248a側が車両前後方向の前方に引っ張られると、基部248a、折り返し変形部248b及び一対の直線部248dがチルトボルト242に扱かれて塑性変形していき、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらにステアリングコラム202(アウタコラム208)がストローク後半である底着き位置に向かってストロークしていくと、加工硬化を施した変形抵抗増大部248cがチルトボルト242に扱かれて塑性変形していく。
このように、加工硬化を施した変形抵抗増大部248cが塑性変形すると、エネルギ吸収部材248の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大するので、ステアリングコラム202(アウタコラム208)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラム202(アウタコラム208)の底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、ステアリングコラム202(アウタコラム208)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができる。
また、本実施形態ではエネルギ吸収部材248を、金属線を折り曲げることにより構成し、昇降ブラケット232の係止板部239に基部248aを掛け渡し、チルトボルト242の外周に折り返し変形部248bを掛け渡すだけで、昇降ブラケット232とチルトボルト242との間に簡単に装着することができるので、組み立て作業の能率化を図ることができる。また、金属線を折り曲げることにより造られるエネルギ吸収部材248は、材料の無駄が殆ど生じないため、材料の歩留が向上する。また、エネルギ吸収部材248を加工する為に複雑な型を必要としない。したがって、製造コストの低減化を図ることができる。
なお、本実施形態では、基部248aを昇降ブラケット232の係止板部239に掛け渡し、一対の折り返し変形部248bを、チルトボルト242の車両前後方向の後方側の外周に掛け渡し、一対の直線部248d及び変形抵抗増大部248cが車両前後方向の前方に延在するようにエネルギ吸収部材248を装着したが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、例えば、基部248aをチルトボルト242に固定し、係止板部239側に曲面形状の凸部を設け、この凸部に一対の折り返し変形部248bを車両前後方向の前方側で掛け渡し、直線部248dが車両前後方向の後方に延在するようにエネルギ吸収部材248を装着すると、上述した第2実施形態と同様の効果を奏することができる。また、チルトボルト242は、横断面が真円の部材に限らず、横断面が六角形などの多角形状や、楕円形状であってもよい。
(第2実施形態のエネルギ吸収部材の第1変形例)
次に、図18に示すものは、図17で示したエネルギ吸収部材248と異なる第1変形例のエネルギ吸収部材である。この第1変形例のエネルギ吸収部材260は、熱処理を施した部材である。すなわち、直線状の1本の金属線を折り曲げてコ字状に形成した基部260aと、この基部260aに対して平行に直線状に延在している一対の直線部260dと、基部260aと一対の直線部260dとの間で半円弧形状に形成されている一対の折り返し変形部260bと、一対の直線部260dから自由端まで直線に延在している符号260cで示した黒で塗りつぶした部分を備えている。そして、一対の黒で塗りつぶしている部分260cと、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bとの一方に熱処理を施すことで、黒で塗りつぶした部分260cが塑性変形する際の変形抵抗が、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bと比較して変更されている。なお、一対の黒で塗りつぶした部分260cを一対の変形抵抗増大部260cと称する。
具体的には、一対の変形抵抗増大部260cに熱処理を施す場合には、焼入れ等のバルク熱処理により一対の変形抵抗増大部260cの内部を、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bの内部と比較して硬くする方法や、浸炭、窒化、高周波焼入れ等のサーフェース熱処理により一対の変形抵抗増大部260cの表面を、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bの表面と比較して硬くする方法が考えられる。また、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bに熱処理を施す場合には、焼きなまし等のバルク熱処理により一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bの内部を一対の変形抵抗増大部260cの内部と比較して軟らかくする方法や、表面脱炭等のサーフェース熱処理により一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bの表面を一対の変形抵抗増大部260cの表面と比較して軟らかくする方法が考えられる。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が一対の変形抵抗増大部260cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bに対応する。
上述した第1変形例のエネルギ吸収部材260を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置201は、一対の変形抵抗増大部260cと、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bとの一方に熱処理を施すことで、一対の変形抵抗増大部260cが塑性変形する際の変形抵抗が、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bと比較して大きくなるように設定されているので、二次衝突時に、一対の変形抵抗増大部260cが塑性変形すると、エネルギ吸収部材260の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大し、ステアリングコラム202(アウタコラム208)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラム202(アウタコラム208)の底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、エネルギ吸収部材260の一対の変形抵抗増大部260cと、一対の直線部260d、基部260a及び一対の折り返し変形部260bとの一方に熱処理を施すことで、ステアリングコラム202(アウタコラム208)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重に設定する衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
(第2実施形態のエネルギ吸収部材の第2変形例)
次に、図19に示すものは、図17で示したエネルギ吸収部材248と異なる第2変形例のエネルギ吸収部材である。
第2変形例のエネルギ吸収部材270は、直線状の1本の金属線を折り曲げてコ字状に形成した基部270aと、この基部270aに離間して延在している一対の直線部270dと、基部270aと一対の直線部270dとの間で半円弧形状に形成されている一対の折り返し変形部270bと、一対の直線部260dから自由端まで延在している黒で塗りつぶした一対の曲率部270cとを備えている。ここで、一対の曲率部270cは、基部270aに対して離間する方向に曲がって形成されている。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が一対の曲率部270cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、一対の直線部270d、基部270a及び一対の折り返し変形部270bに対応する。
この第2変形例のエネルギ吸収部材270を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置201は、二次衝突時に、エネルギ吸収部材270の基部270a側が車両前後方向の前方に引っ張られると、一対の直線部270d、基部270a及び一対の折り返し変形部270bがチルトボルト242に扱かれて塑性変形していき、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらにステアリングコラム202(アウタコラム208)がストローク後半である底着き位置に向かってストロークしていくと、一対の曲率部270cが吸収部材係合部240に矯正されて塑性変形するときの変形抵抗が増大していくことで、ステアリングコラム202(アウタコラム208)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重に設定する衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
(第2実施形態のエネルギ吸収部材の第3変形例)
次に、図20に示すものは、図17で示したエネルギ吸収部材248と異なる第3変形例のエネルギ吸収部材である。
第3変形例のエネルギ吸収部材280は、直線状の1本の金属線を折り曲げてコ字状に形成した基部280aと、この基部280aに対して平行に延在している一対の直線部280dと、基部280aと一対の直線部280dとの間で半円弧形状に形成されている一対の折り返し変形部280bと、一対の直線部280dから自由端まで延在している黒で塗りつぶした部分280cとを備えている。ここで、符号280cの部分は、一対の直線部280d、基部280a及び一対の折り返し変形部280bより断面積を大きくした大断面直線部280cとして形成されている。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が一対の大断面直線部280cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、一対の直線部280d、基部280a及び一対の折り返し変形部280bに対応する。
この第3変形例のエネルギ吸収部材280を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置201は、二次衝突時に、エネルギ吸収部材280の基部280a側が車両前後方向の前方に引っ張られると、一対の直線部280d、基部280a及び一対の折り返し変形部280bがチルトボルト242に扱かれて塑性変形していき、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらにステアリングコラム202(アウタコラム208)がストローク後半である底着き位置に向かってストロークしていくと、一対の大断面直線部280cがチルトボルト242に扱かれて塑性変形していく。
この際、一対の大断面直線部280cは、一対の直線部280d、基部280a及び一対の折り返し変形部280bに対して断面積が大きいので塑性変形する際の変形抵抗が増大し、衝撃荷重を吸収する能力が増大していく。
したがって、エネルギ吸収部材280の一対の大断面直線部280cを、一対の直線部280d、基部280a及び一対の折り返し変形部280bと比較して断面積を大きくしたことで、ステアリングコラム202(アウタコラム208)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重に設定する衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
ここで、直線部280dから断面積を徐々に大きくした状態で大断面直線部280cを形成すると、ステアリングコラム202のストローク後半の衝撃吸収荷重をさらに緩やかに増加させることができる。
なお、エネルギ吸収部材は、上述した第2実施形態のエネルギ吸収部材、第1変形例〜第3変形例の少なくとも2つを組み合わせた構成であってもよい。
(第3実施形態)
次に、図21から図23は、本発明に係る第3実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を示すものである。なお、図1及び図2で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図21は、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置301を車両上下方向の上方から示した図である。図22は、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置301を車幅方向から示した図である。図23は、本実施形態のエネルギ吸収部材の形状を示す図である。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置301は、アウタコラム28の車両前後方向の後方側の外周に固定されている移動ブラケット362と、この移動ブラケット362の車幅方向に離間して設けた一対の取付板部364と、これら一対の取付板部364の車両前後方向の後端に装着されている一対の係止駒366と、これら一対の係止駒366を車体側部材(図示せず)に固定するボルト(図示せず)と、互いに車幅方向に離間しながら車両前後方向に延在して配置され、車両前後方向の後端が前記ボルトにより係止駒366を介して車体側部材(図示せず)に固定されているとともに、車両前後方向の前方側に、車両上下方向の下方に向けて山形に突出した部位を形成している一対のエネルギ吸収部材370と、一対の取付板部364の車両前後方向の前方側にそれぞれ形成した透孔372と、透孔372に対して車両前後方向の前方位置に形成した前側ガイド板部374と、透孔372に対して車両前後方向の後方位置に形成した後側ガイド板部376と、車両上下方向の上方に向けて山形に突出しながら透孔372に対して車両前後方向に横切るように取付板部364に固定した抑え板部378と、透孔372に対して車両前後方向に横切るように取付板部364に固定した受板部380と、エネルギ吸収部材370の一部が下側に通過するように配置しながら、抑え板部378及び受板部380の間で支持されているしごきピン382とを備えている。
ここで、図22の符号383で示す部材は、エネルギ吸収部材370が衝撃荷重を吸収する際の上下移動を規制して衝撃吸収荷重の変動を抑制する規制部材であり、図示しない車体側部材に固定されている。
移動ブラケット362に形成した一対の取付板部364の車両前後方向の後端には、その位置で開口する切り欠き384が形成されている。そして、各切り欠き384の内側部分に、係止駒366が装着されている。
係止駒366は、アルミニウム合金等を材料として形成されており、通常はこの係止駒366に形成した小孔386と各取付板部364に形成され、この小孔386と整合する別の小孔とに掛け渡す様に充填された合成樹脂388により、各切り欠き384内に保持されている。ただし、二次衝突に伴う強い衝撃力が作用した場合には、合成樹脂388が剪断することで支持力を喪失し、各切り欠き384から車両前後方向の後方側に抜け出す。
また、エネルギ吸収部材370は、図23に示すように、板厚が均一の長尺な金属板を曲げ成形することにより屈曲部370aを形成した部材であって、長手方向を車両前後方向に向け、車両前後方向の後端側に形成した円孔390にボルトの下端部を挿通して車体側部材に支持されている。
すなわち、エネルギ吸収部材370は、屈曲部370aを間に位置して円孔390を形成した第1板状部370bと第2板状部370dとが形成されており、屈曲部370aから離間する方向に第2板状部370dから延在している黒で塗りつぶした部分370cを設けており、前記部分370cを、ショットピーニングにより加工硬化を施すことで塑性変形する際の変形抵抗を大きくした変形抵抗増大部370cとしている。
一方、取付板部364に形成した透孔372の車両前後方向の前方に形成した前側ガイド板部374は、断面が四分の一円弧状で、その先端縁が車両上下方向の下方に向けて突出している。透孔372の車両前後方向の後方に形成した後側ガイド板部376は、断面が略倒立U字形で、その先端縁が車両上下方向の下方に向けて突出している。
抑え板部378は下面を円弧状凹面としており、受板部380は上面を円弧状凹面としている。そして、これら抑え板部378の下面と受板部380の上面との間で、しごきピン382の両端部を支持している。従って、各しごきピン382は、それぞれ透孔372の車両前後方向の中央部を幅方向に亙って横切る状態で支持されている。この状態で各しごきピン382の下面は、受板部380の上面よりも車両上下方向の上方に位置する。
ここで、請求項のステアリングコラムがアウタコラム28に対応し、請求項の移動部材が前側ガイド板部374及び後側ガイド板部376に対応し、請求項の固定部材がエネルギ吸収部材370を車体側部材に固定しているボルトに対応し、請求項の扱き部材がしごきピン382に対応し、請求項のストローク後半塑性領域が変形抵抗増大部370cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、屈曲部370a及び第2板状部370dに対応する。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置301は、衝突事故の際に以下のように作用して、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
二次衝突時には移動ブラケット362が、アウタコラム28とともに車両前後方向の前方に変位する。これに対して、係止駒366を車体側部材22に固定しているボルトは、そのままの位置に残る。
これにより、その車両前後方向の後端をボルトで固定されているエネルギ吸収部材370も車両前後方向の前方に変位することなく、そのままの位置で支持される。
エネルギ吸収部材370がそのままの位置で支持された状態で、移動ブラケット362が車両前後方向の前方にストロークするので、屈曲部370a及び第2板状部370dは、車体側部材に固定されている規制部材383によりあばれ(上下移動)が規制されながら、前側ガイド板部374及び後側ガイド板部376としごきピン382の下面との間で扱かれながら車両前後方向の前方に変位する。このように、エネルギ吸収部材370の屈曲部370a及び第2板状部370dが塑性変形していくことで、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらに移動ブラケット362がストローク後半である底着き位置まで車両前後方向の前方にストロークしていくと、加工硬化を施した変形抵抗増大部370cが、車体側部材に固定されている規制部材383によってあばれ(上下移動)が規制されながら、前側ガイド板部374及び後側ガイド板部376としごきピン382の下面との間で扱かれて塑性変形していく。
このように、加工硬化を施した変形抵抗増大部370cが塑性変形すると、エネルギ吸収部材370の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大するので、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラムの底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、ステアリングコラムの底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができる。
(第3実施形態のエネルギ吸収部材の第1変形例)
次に、図24に示すものは、図23で示したエネルギ吸収部材370と異なる第1変形例のエネルギ吸収部材である。この第1変形例のエネルギ吸収部材400は、熱処理を施した部材である。
すなわち、エネルギ吸収部材400は、屈曲部400aを間に位置して円孔404を形成した第1板状部400bと第2板状部400dとが形成されており、屈曲部400aから離間する方向に第2板状部400dから延在している黒で塗りつぶした部分400cを設けており、この部分400cを、屈曲部400a及び第2板状部400dと比較して、塑性変形する際の変形抵抗が大きくなるように設定している。
具体的には、変形抵抗増大部400cに熱処理を施す場合には、焼入れ等のバルク熱処理により変形抵抗増大部400cの内部を、屈曲部400a及び第2板状部400dの内部と比較して硬くする方法や、浸炭、窒化、高周波焼入れ等のサーフェース熱処理により変形抵抗増大部400cの表面を屈曲部400a及び第2板状部400dの表面と比較して硬くする方法が考えられる。また、屈曲部400a及び第2板状部400dに熱処理を施す場合には、焼きなまし等のバルク熱処理により屈曲部400a及び第2板状部400dの内部を変形抵抗増大部400cの内部と比較して軟らかくする方法や、表面脱炭等のサーフェース熱処理により屈曲部400a及び第2板状部400dの表面を変形抵抗増大部400cの表面と比較して軟らかくする方法が考えられる。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が変形抵抗増大部400cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、屈曲部400a及び第2板状部400dに対応する。
上述した第1変形例のエネルギ吸収部材400を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置201は、一対の変形抵抗増大部400cと、屈曲部400a及び第2板状部400dとの一方に熱処理を施すことで、車体側部材に固定されている規制部材383によってあばれ(上下移動)が規制されながら一対の変形抵抗増大部400cが塑性変形する際の変形抵抗が、屈曲部400a及び第2板状部400dと比較して大きくなるように設定されているので、二次衝突時に、一対の変形抵抗増大部400cが塑性変形すると、エネルギ吸収部材400の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大し、ステアリングコラム(アウタコラム208)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラム(アウタコラム208)の底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、変形抵抗増大部400cと、屈曲部400a及び第2板状部400dとの一方に熱処理を施すことで、ステアリングコラム(アウタコラム208)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重に設定する衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
(第3実施形態のエネルギ吸収部材の第2変形例)
次に、図25に示すものは、図23で示したエネルギ吸収部材370と異なる第2変形例のエネルギ吸収部材である。
第2変形例のエネルギ吸収部材410は、屈曲部410aを間に位置して円孔414を形成した第1板状部410bと第2板状部410dとが形成されており、屈曲部410aから離間する方向に第2板状部410dから延在している黒で塗りつぶした部分410cを設けており、この部分410cは、自由端に向かうに従い屈曲部410aから離間する方向に曲がっている変形抵抗増大部410cとされている。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が変形抵抗増大部410cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、屈曲部410a及び第2板状部410dに対応する。
この第2変形例のエネルギ吸収部材410を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置301は、二次衝突時に、移動ブラケット362が車両前後方向の前方にストロークすると、エネルギ吸収部材410の屈曲部410a及び第2板状部410dが、車体側部材に固定されている規制部材383によってあばれ(上下移動)が規制されながら、前側ガイド板部374及び後側ガイド板部376としごきピン382の下面との間で扱かれながら車両前後方向の前方に変位する。このように、エネルギ吸収部材410の屈曲部410a及び第2板状部410dが塑性変形していくことで、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらに移動ブラケット362がストローク後半である底着き位置まで車両前後方向の前方にストロークしていくと、自由端に向かうに従い曲がって形成されている変形抵抗増大部410cが、車体側部材に固定されている規制部材383によってあばれ(上下移動)を規制する、と同時に規制部材383により変形抵抗増大部410cが矯正されて塑性変形するときの変形抵抗が増大していく。
これにより、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラムの底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、ステアリングコラムの底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができる。
(第3実施形態のエネルギ吸収部材の第3変形例)
次に、図26に示すものは、図23で示したエネルギ吸収部材370と異なる第3変形例のエネルギ吸収部材である。
第3変形例のエネルギ吸収部材420は、屈曲部420aを間に位置して円孔424を形成した第1板状部420bと第2板状部420dとが形成されており、屈曲部420aから離間する方向に第2板状部420dから延在している黒で塗りつぶした部分420cを設けており、この部分420cは、屈曲部420a及び第2板状部420dと比較して肉厚を増大させた厚肉部420cとされている。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が厚肉部420cに対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、屈曲部420a及び第2板状部420dに対応する。
この第3変形例のエネルギ吸収部材420を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置301は、二次衝突時に、移動ブラケット362が車両前後方向の前方にストロークすると、エネルギ吸収部材420の屈曲部420a及び第2板状部420dが、車体側部材に固定されている規制部材383によってあばれ(上下移動)が規制されながら、前側ガイド板部374及び後側ガイド板部376としごきピン382の下面との間で扱かれて車両前後方向の前方に変位する。このように、エネルギ吸収部材420の屈曲部420a及び第2板状部420dが塑性変形していくことで、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらに移動ブラケット362がストローク後半である底着き位置まで車両前後方向の前方にストロークしていくと、肉厚を増大させた厚肉部420cが、車体側部材に固定されている規制部材383によってあばれ(上下移動)が規制されながら前側ガイド板部374及び後側ガイド板部376としごきピン382の下面との間で扱かれて塑性変形していく。
このように、肉厚を増大させた厚肉部420cが塑性変形すると、エネルギ吸収部材420の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大するので、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラムの底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができる。
ここで、第2板状部420dから断面積を徐々に大きくした状態で厚肉部420cを形成すると、ステアリングコラムのストローク後半の衝撃吸収荷重をさらに緩やかに増加させることができる。
なお、エネルギ吸収部材は、上述した第3実施形態のエネルギ吸収部材、第1変形例〜第3変形例の少なくとも2つを組み合わせた構成であってもよい。
(第3実施形態のエネルギ吸収部材の第4変形例)
さらに、図27に示すものは、図23で示したエネルギ吸収部材370と異なる第3変形例のエネルギ吸収部材である。
第4変形例のエネルギ吸収部材430は、板厚が均一の長尺な金属板を曲げ成形することにより屈曲部430aを形成した部材であって、屈曲部430aを間に位置して円孔434を形成した第1板状部430bと第2板状部430dとが形成されており、第2板状部430dの端部側に、第2板状部430dと板厚が同一で、端部に向かうに従いエネルギ吸収部材430の板幅を徐々に増大させる変形抵抗増大部430cが一体に固定されている。
ここで、請求項のストローク後半塑性領域が、変形抵抗増大部430cを固定した第2板状部430dの端部側に対応し、請求項のストローク前半塑性領域が、屈曲部430a及び変形抵抗増大部430cを固定していない第2板状部430dに対応する。
この第4変形例のエネルギ吸収部材430を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置301は、二次衝突時に、移動ブラケット362が車両前後方向の前方にストロークすると、エネルギ吸収部材420の屈曲部430a及び変形抵抗増大部430cを固定していない第2板状部430dが、車体側部材に固定されている規制部材383によってあばれ(上下移動)が規制されながら、前側ガイド板部374及び後側ガイド板部376としごきピン382の下面との間で扱かれながら車両前後方向の前方に変位する。このように、エネルギ吸収部材430の屈曲部430a及び変形抵抗増大部430cを固定していない第2板状部430dが塑性変形していくことで、一定の衝撃荷重が吸収されていく。
そして、さらに移動ブラケット362がストローク後半である底着き位置まで車両前後方向の前方にストロークしていくと、変形抵抗増大部430cを固定した第2板状部430dの端部側が、車体側部材に固定されている規制部材383によってあばれ(上下移動)が規制されながら、前側ガイド板部374及び後側ガイド板部376としごきピン382の下面との間で扱かれて塑性変形していく。
このように、エネルギ吸収部材430の変形抵抗増大部430cを固定した第2板状部430dの端部側が塑性変形すると、エネルギ吸収部材430の変形抵抗が増大して衝撃荷重を吸収する能力が増大するので、ステアリングコラム(アウタコラム28)の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくとともに、ステアリングコラムの底着きの際には、所定値以下の衝撃荷重吸収特性を得ることができる。
したがって、ステアリングコラムの底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができる。
なお、本実施形態の変形抵抗増大部430cは、長手方向の他端側に向かうに従いエネルギ吸収部材430の板幅を徐々に増大させる形状として固定されているが、長手方向の他端側に向かって一定の幅で固定されていてもよい。
また、第3実施形態において、第2変形例のエネルギ吸収部材410(図25参照)以外は、あばれを規制する規制部材383が車体側部材に配置されていてもよいし、配置されていなくてもよい。
本発明に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置を搭載した自動車の操舵機構部の概略図である。 本発明に係る第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を車幅方向から示した図である。 図2のA−A線矢視図である。 図2のB−B線矢視図である。 第1実施形態のエネルギ吸収部材を示す図である。 第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置のストロークと衝撃荷重の関係を示す特性図である。 第1実施形態のエネルギ吸収部材の第1変形例を示す図である。 第1実施形態のエネルギ吸収部材の第2変形例を示す図である。 第1実施形態のエネルギ吸収部材の第3変形例を示す図である。 第1実施形態のエネルギ吸収部材の第1配置変形例を示す図である。 第1実施形態のエネルギ吸収部材の第2配置変形例を示す図である。 第1実施形態のエネルギ吸収部材の第2配置変形例によるエネルギ吸収部材のストロークと衝撃吸収荷重の関係を示す特性図である。 本発明に係る第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を車幅方向から示した図である。 図13のC−C線矢視断面図である。 本発明に係る第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の要部を示す図である。 図15のD−D線矢視図である。 第2実施形態のエネルギ吸収部材を示す図である。 第2実施形態のエネルギ吸収部材の第1変形例を示す図である。 第2実施形態のエネルギ吸収部材の第2変形例を示す図である。 第2実施形態のエネルギ吸収部材の第3変形例を示す図である。 本発明に係る第3実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を平面視で示す図である。 本発明に係る第3実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を車幅方向から示した図である。 第3実施形態のエネルギ吸収部材を示す図である。 第3実施形態のエネルギ吸収部材の第1変形例を示す図である。 第3実施形態のエネルギ吸収部材の第2変形例を示す図である。 第3実施形態のエネルギ吸収部材の第3変形例を示す図である。 第3実施形態のエネルギ吸収部材の第4変形例を示す図である。 従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置のストロークと衝撃荷重の関係を示す特性図である。
符号の説明
11…ステアリングシャフト、12…衝撃吸収式ステアリングコラム装置、13…ステアリングホイール、14…自在継手、15…中間シャフト、16…自在継手、17…ステアリングギヤ、18…タイロッド、19…転舵輪、20…インナコラム、22…車体側部材、24…枢軸ピン、26…コラム連結ブラケット、26a…連結部、28…アウタコラム、30…支持ブラケット、30a…ブラケット本体、30b…連結部、30c…案内溝、30d…開口孔、30e…開口孔、30f…当接面、30g…段差面、30h…第2凸部、30i…R部、32…移動ブラケット、32a…側板、32b…上板、32c…案内レール、32d…第1凸部、32e,32f…R部、34…ディスタンスブラケット、36…コラム側通孔、40…ブラケット側通孔、42…チルトロッド、44…操作レバー、46…ロック機構、48…エネルギ吸収部材、48a…中央変形部、48b…端部変形部、48b1…曲率縁部、48c…直線部、50…固定ボルト、100…エネルギ吸収部材、100a…中央変形部、100b…端部変形部、100b1…曲率縁部、100c…直線部、110…エネルギ吸収部材、110a…中央変形部、110b…端部変形部、110b1…曲率縁部、110c…曲線部、120…エネルギ吸収部材、120a…中央変形部、120b…端部変形部、120b1…曲率縁部、120c…大断面直線部、130…エネルギ吸収部材、130a…中央変形部、130b…端部変形部、130c…直線部、201…衝撃吸収式ステアリングコラム装置、202…ステアリングコラム、203…ステアリングシャフト、204…ステアリングホイール、205a…ユニバーサルジョイント、205b…ユニバーサルジョイント、206…中間シャフト、207…インナコラム、208…アウタコラム、209…ロアブラケット、209a…側板、209b…長孔、210…チルト機構、211…車体側部材、212…連結ブラケット、213…係合ボルト、230…支持ブラケット、232…昇降ブラケット、233…チルト操作部、234…支持板部、235…長孔、236…当接板部、238…底板部、239…係止板部、240…吸収部材係合部、242…チルトボルト、244…チルトナット、245…操作レバー、248…エネルギ吸収部材、248a…基部、248b…変形部、248c…変形抵抗増大部、248d…直線部、260…エネルギ吸収部材、260a…基部、260b…変形部、260c…変形抵抗増大部、260d…直線部、270…エネルギ吸収部材、270a…基部、270b…変形部、270c…曲率部、270d…直線部、280…エネルギ吸収部材、280a…基部、280b…変形部、280c…大断面直線部、280d…直線部、301…衝撃吸収式ステアリングコラム装置、362…移動ブラケット、364…取付板部、366…係止駒、370…エネルギ吸収部材、370a…屈曲部、370b…第1板状部、370c…変形抵抗増大部、370d…第2板状部、372…透孔、374…前側ガイド板部、376…後側ガイド板部、378…抑え板部、380…受板部、382…ピン、383…規制部材、386…小孔、388…合成樹脂、390…円孔、400…エネルギ吸収部材、400a…屈曲部、400b…第1板状部、400c…変形抵抗増大部、400d…第2板状部、404…円孔、410…エネルギ吸収部材、410a…屈曲部、410b…第1板状部、410c…変形抵抗増大部、410d…第2板状部、414…円孔、420…エネルギ吸収部材、420a…屈曲部、420b…第1板状部、420c…厚肉部、420d…第2板状部、424…円孔、430…エネルギ吸収部材、430a…屈曲部、430b…第1板状部、430c…変形抵抗増大部、430d…第2板状部、434…円孔、P…周辺部品

Claims (7)

  1. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、二次衝突時に車両前後方向の前方に向けてストロークするステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定された移動部材と、車体側部材に固定されて二次衝突時の衝撃荷重が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、塑性変形自在な金属部材で成形されており、二次衝突時に、前記移動部材及び前記固定部材の何れかに設けた扱き部材により扱かれることで塑性変形して衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、
    前記エネルギ吸収部材を、前記ステアリングコラムのストローク後半に塑性変形するストローク後半塑性領域の変形抵抗が、前記ステアリングコラムのストロークの初期からストローク後半までに塑性変形するストローク前半塑性領域の変形抵抗と比べて大きくなるように形成したことを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  2. 前記ストローク後半塑性領域に加工硬化を施したことを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  3. 前記ストローク後半塑性領域及び前記ストローク前半塑性領域の一方に、前記ストローク後半塑性領域の変形抵抗が大きくなるように熱処理を施したことを特徴とする請求項1又は2記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  4. 前記ストローク後半塑性領域を、前記ストローク前半塑性領域に比べて前記扱き部材に扱かれて塑性変形する量が増大する形状としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  5. 前記ストローク後半塑性領域を、前記ストローク前半塑性領域に比べて前記ステアリングコラムのストローク方向に直交する断面積を大きくしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  6. 前記エネルギ吸収部材を、金属線で形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  7. 前記エネルギ吸収部材を、金属板で形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
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