JP2009202637A - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次衝突時に運転者に衝撃荷重が加わっても急激な衝撃吸収荷重の変化を低減することができる衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】第3係合部材32dが車両前後方向の前方に移動するストローク初期からストローク中期においては、エネルギ吸収部材48の第1塑性変形部48aが第3係合部材に扱かれて塑性変形していく。また、第1塑性変形部が車両前後方向の前方に引っ張られながら塑性変形していくことで、一対の第2塑性変形部48bも、一対の第1係合部材30hに扱かれて塑性変形していく。さらに第3係合部材が車両前後方向の前方の底着き位置に移動していくストローク後半では、エネルギ吸収部材48の第5塑性変形部48eが、第3係合部材と係合して塑性変形していく。
【選択図】図5

Description

本発明は、二次衝突時に運転者に加わる衝撃力を緩和する衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
衝突事故の際には、自動車が他の自動車等と衝突する一次衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイールに衝突する二次衝突が発生する。この二次衝突の際に運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の身体に重大な損傷を与える事を防止するのを目的として、衝撃吸収式ステアリングコラム装置と呼ばれる運転者保護装置が、従来から種々考えられている。
また、二次衝突の際の衝撃荷重を吸収する部材も従来から種々知られており、このうちエネルギ吸収部材は、二次衝突時に、ステアリングコラムが車両前後方向の前方にストロークすると同時に、塑性変形によって衝撃荷重を吸収するものであり、比較的簡単で、小型且つ安価な衝撃吸収式ステアリング装置を得られる部材として、従来から一般的に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第3389767号公報
ところで、ステアリングコラムがストローク限界位置までストロークした際(ステアリングコラムの底着きの際)に衝撃吸収荷重が急激に上昇してしまうおそれがある。そこで、ステアリングコラムの底着き直前に衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重となることが望ましい。
しかし、特許文献1の装置のエネルギ吸収部材は、ステアリングコラムのストローク変化に応じて衝撃荷重の吸収能力を可変とする構造としていないので、衝撃吸収荷重が急激に大きくなるおそれがある。すなわち、特許文献1の装置は、図10で示す衝撃吸収特性のように、ステアリングコラムのストローク初期位置から底着きまでの間、一定の衝撃荷重しか吸収しないので、底着きの際に衝撃吸収荷重が急激に上昇してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、二次衝突時に運転者に衝撃荷重が加わっても急激な衝撃吸収荷重の変化を低減することができる衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に向けてストロークするステアリングコラムと、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、前記ステアリングコラムに固定されている移動部材と、前記固定部材及び前記移動部材に係合した状態で配置され、前記ステアリングコラムのストロークに伴う塑性変形により二次衝突時の衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記移動部材及び前記固定部材の一方の部材は、車幅方向に離間して配置した一対の第1係合部材と、これら一対の第1係合部材の一方に対して車両前後方向の前方又は後方に配置した第2係合部材とを備え、前記移動部材及び前記固定部材の他方の部材は、前記一対の第1係合部材の間に配置した第3係合部材を備えており、前記エネルギ吸収部材は、前記第3係合部材の車両前後方向の前方又は後方を向く面に係合するように曲げ形成された第1塑性変形部と、この第1塑性変形部から車幅方向に延在して前記一対の第1係合部の車両前後方向の後方又は前方を向く面に係合するように曲げ形成された一対の第2塑性変形部と、これら一対の第2塑性変形部から車両前後方向の前方又は後方に向けて延在している一対の第3塑性変形部と、これら一対の第3塑性変形部の一方から前記第2係合部の車両前後方向の前方又は後方を向く面に係合するように曲げ形成された第4塑性変形部と、この第4塑性変形部から車幅方向に延在し、前記ステアリングコラムのストローク後半で前記第3係合部材と係合する第5塑性変形部と、を備えた有端形状の金属線であり、前記第5塑性変形部の先端が、前記固定部材又は前記移動部材に固定され、車両前後方向の前方又は後方に向けて延在している一対の第3塑性変形部の他方の先端が開放状態とされていることを特徴とする。
また、請求項2に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に向けてストロークするステアリングコラムと、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、前記ステアリングコラムに固定されている移動部材と、前記固定部材及び前記移動部材に係合した状態で配置され、前記ステアリングコラムのストロークに伴う塑性変形により二次衝突時の衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記移動部材及び前記固定部材の一方の部材は、車幅方向に離間して配置した一対の第1係合部材と、これら一対の第1係合部材の一方に対して車両前後方向の前方又は後方に配置した第2係合部材と、前記一対の第1係合部材の他方に対して車両前後方向の前方又は後方に位置して配置した第4係合部材とを備え、前記移動部材及び前記固定部材の他方の部材は、前記一対の第1係合部材の間に配置した第3係合部材を備えており、前記エネルギ吸収部材は、前記第3係合部材の車両前後方向の前方又は後方を向く面に係合するように曲げ形成された第1塑性変形部と、この第1塑性変形部から車幅方向に延在して前記一対の第1係合部の車両前後方向の後方又は前方を向く面に係合するように曲げ形成された一対の第2塑性変形部と、これら一対の第2塑性変形部から車両前後方向の前方又は後方に向けて延在している一対の第3塑性変形部と、これら一対の第3塑性変形部の一方から前記第2係合部の車両前後方向の前方又は後方を向く面に係合するように曲げ形成された第4塑性変形部と、この第4塑性変形部から車幅方向に延在し、前記ステアリングコラムのストローク後半で前記第3係合部材に係合する第5塑性変形部と、この第5塑性変形部から前記第4係合部材の車幅方向を向く面に係合するように曲げ形成された第6塑性変形部と、この第6塑性変形部から前記第4塑性変形部と平行となるように車幅方向に延在し、前記ステアリングコラムのストローク後半で前記第6塑性変形部とともに前記第3係合部材に係合する第7塑性変形部と、を備えた有端形状の金属線であり、前記第7塑性変形部の先端が、前記固定部材又は前記移動部材に固定され、車両前後方向の前方又は後方に向けて延在している一対の第3塑性変形部の他方の先端が開放状態とされていることを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記第3係合部材の車両前後方向の前方又は後方を向く面に、前記エネルギ吸収部材の前記第1塑性変形部の一部が前記面から突出しないように入り込んで係合するガイド溝を形成した。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記第3係合部材の車両前後方向の前方又は後方を向く面に、前記エネルギ吸収部材の前記第1塑性変形部の一部が挿通されるガイド孔を形成した。
本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置によると、ストローク初期からストローク中期において、エネルギ吸収部材の第1塑性変形部及び第2塑性変形部の塑性変形が行なわれ、ストローク後半においては、少なくとも第4塑性変形部の塑性変形が加わるので、衝撃荷重を吸収する能力が増大する。このため、ストローク初期からストローク後半の底着き位置まで、従来のように一定の衝撃荷重しか吸収することなく、衝撃吸収荷重が緩やかに増加していくので、ステアリングコラムの底着きの際には、所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車両の一実施形態を模式的に示した図である。
符号12で示す衝撃吸収式ステアリングコラム装置には、その車両前後方向の後端にステアリングホイール13を装着したステアリングシャフト11が回転自在に支持されている。ステアリングシャフト11の車両前後方向の前端には、自在継手14を介して伸縮可能な中間シャフト15が連結されている。
この中間シャフト15の下端には、自在継手16を介してラック・ピニオン式のステアリングギヤ17が連結され、このステアリングギヤ17には、タイロッド18等を介して転舵輪19が連結され、ステアリングホイール13を操舵することにより転舵輪19を転舵することができる。なお、衝撃吸収式ステアリングコラム装置12の車両前後方向の後方には、コンビスイッチやコラムカバー等の周辺部品Pが配置されている。
(第1実施形態)
図2から図4は、本発明に係る第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を示すものである。図2は、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12を車幅方向から示した図である。図3は、図2のA−A線矢視図である。図4は、図2のB−B線矢視図である。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、車両前後方向に延在して配置したインナコラム20と、車体側部材22に固定され、インナコラム20の車体前後方向の前端部を枢軸ピン24を介して連結しているコラム連結ブラケット26と、インナコラム20の車体前後方向の後方側に軸方向に摺動自在に外嵌されているアウタコラム28と、車体側部材22に固定されている支持ブラケット30と、アウタコラム28の上方及び側部を囲みながら支持ブラケット30に支持されて車両前後方向に移動自在とされている移動ブラケット32と、円筒状のアウタコラム28の下側に膨出して形成したディスタンスブラケット34に形成したコラム側通孔36と、ディスタンスブラケット34に当接する移動ブラケット32の側板32aに形成したブラケット側通孔40と、コラム側通孔36及びブラケット側通孔40を挿通しているチルトロッド42と、操作レバー44の揺動操作によりチルトロッド42を介して移動ブラケット32をアウタコラム28に結合、或いは結合解除するロック機構46と、支持ブラケット30と移動ブラケット32との間に装着したエネルギ吸収部材48とを備えている。そして、アウタコラム28内の車体前後方向の後方側に、前述したステアリングホイール13を装着したステアリングシャフト11がアウタコラム28に対して回転自在に支持されている。
前記コラム側通孔36は、ディスタンスブラケット34において長軸が車両前後方向に延在するように長孔形状として形成されている。
ブラケット側通孔40は、ディスタンスブラケット34に当接する移動ブラケット32の側板32aに、長軸が車両上下方向に延在するように長孔形状として形成されている。
次に、移動ブラケット32、支持ブラケット30及びエネルギ吸収部材48の具体的な構成について、図3から図4を参照して詳細に説明する。
移動ブラケット32は、図3に示すように、上板32bと、横断面コ字状となるように上板32bの幅方向両縁部から一体に形成されて互いに平行に延在している一対の側板32aとを備えている。上板32bの両側部には、一対の案内レール32cが突出して形成されており、移動ブラケット32全体が車両前後方向に移動自在となるように支持ブラケット30の後述する一対の案内溝30cに係合している。
そして、図4に示すように、支持ブラケット30及び一対の案内レール32cの係合によりアウタコラム28に対して車両上下方向の上方に配置した上板32bの上面には、円筒形状の第1凸部32dが突出して形成されている。
支持ブラケット30は、図3及び図4に示すように、外観が矩形状のブラケット本体30aと、このブラケット本体30aに一体形成され、コラム連結ブラケット26の連結直線部26aを介して固定ボルト50で車体側部材22に連結される連結直線部30bと、前述した移動ブラケット32の一対の案内レール32cが嵌まり込むように車両前後方向に延在して設けられている一対の案内溝30cとを備えている。
車体側部材22に固定されたブラケット本体30aには、車両上下方向に連通して開口する開口孔が形成されており、この開口孔は、図4に示すように、車両前後方向の前方側に車幅方向に延在する第1開口孔30dと、この第1開口孔30dに連続して設けられ車両前後方向に延在する第2開口孔30eとされている。また、第2開口孔30eの周囲には、車体側部材22に当接する当接面30fより低い段差面30gが形成されている。この段差面30g上の前記第2開口孔30eを間に挟んで車幅方向の一方及び他方に略等距離に離間した位置に、円筒形状の一対の第2凸部30hが形成されている。また、一対の第2凸部30hの車幅方向の一方に対して車両前後方向の前方に位置する段差面30g上にも、円筒形状の第3凸部30iが形成されている。
そして、ブラケット本体30aの第2開口孔30eに、移動ブラケット32の上板32bに形成した第1凸部32dが下方から進入し、段差面30gに対して車両上下方向の上方に位置するように突出している。
エネルギ吸収部材48は、ピアノ線材(例えばSWRS82A)やステンレス線材(例えばSUS301)等のようにクロムやニッケルの含有量を多くした耐食性に優れた鋼製線材である。このエネルギ吸収部材48は、横断面真円形状であり、太さが均一の鋼製線材で形成されている。
このエネルギ吸収部材48は、図4に示すように、中央湾曲部48aと、この中央湾曲部48aの両端部から一体形成されている1対の第1湾曲部48bと、これら一対の第1湾曲部48bから離間する方向に互いに平行に延在している一対の第1直線部48cと、一対の第1直線部48cの一方から第2湾曲部48dを介して直交する方向に延在している第2直線部48eとを備えた有端形状として形成されている。なお、一対の第1直線部48cは平行に延在せずに、互いに所定の角度を有して一対の第1湾曲部48bから離間する方向に延在していてもよい。
そして、このエネルギ吸収部材48は、中央湾曲部48aが、第2開口孔30eから上方に突出している移動ブラケット32の第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面に掛け渡され、一対の第1湾曲部48bが、支持ブラケット30の一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く曲面に掛け渡され、第2湾曲部48dが、第3凸部30iの車両前後方向の前方を向く曲面に掛け渡され、第2直線部48eが車幅方向に延在している。そして、第2直線部48eの先端が、先端固定部材49を介してブラケット本体30aに固定されているとともに、一対の第1直線部48cの他方は車両前後方向の前方に延在し、その先端が開放状態となっている。
次に、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12の動作について、図4から図6を参照して説明する。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、衝突事故の際に以下のように作用して、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。二次衝突時には、移動ブラケット32がアウタコラム28とともに車両前後方向の前方に変位する。これに対して、車体側部材22に固定されている支持ブラケット30は車両前後方向に変位せず、そのままの位置に残る。
この際、移動ブラケット32の第1凸部32dが車両前後方向の前方に移動するストローク初期からストローク中期においては、エネルギ吸収部材48の中央湾曲部48aが第1凸部32dに扱かれて塑性変形していく。また、中央湾曲部48aが車両前後方向の前方に引っ張られながら塑性変形していくことで、一対の第1湾曲部48bも、一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形していく(図6の初期位置からストロークS1までの範囲)。ここで、中央湾曲部48a及び一対の第1湾曲部48bの塑性変形とともに、先端が開放状態で車両前後方向の前方に延在している一対の第1直線部48cの他方の長さが短くなっていく。
そして、さらに第1凸部32dが車両前後方向の前方の底着き位置に移動していくストローク後半では、図5に示すように、エネルギ吸収部材48の第2直線部48eが、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面に掛け渡した中央湾曲部48aに当接し、第1凸部32dの変位とともに扱かれて塑性変形していく(図6のストロークS1から底着き位置までの範囲)。
このように、ストローク初期からストローク中期において中央湾曲部48aの扱き塑性変形及び一対の第1湾曲部48bによる扱き塑性変形が行なわれ、さらに、ストローク後半において第2直線部48eの扱き塑性変形が加わった分だけ衝撃荷重を吸収する能力が増大するので、ストローク初期からストローク後半の底着き位置まで、従来のように一定の衝撃荷重しか吸収することなく、衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、図6に示すように、アウタコラム28の底着きの際には、所定値以下の衝撃吸収荷重が発生する。
したがって、アウタコラム28の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができるので、二次衝突時に、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる急激な衝撃荷重を緩和して運転者の保護を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、図7及び図8は、第1実施形態の変形例を示すものである。なお、第1実施形態で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図7は、移動ブラケット32の上板32bに形成した円筒形状の第1凸部32dの第1変形例を示すものであり、図7(a)に示すように、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面には、エネルギ吸収部材48の中央湾曲部48aの一部が入り込むガイド溝51が形成されている。そして、図7(b)に示すように、ガイド溝51に入り込んだ中央湾曲部48aの一部は、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向いている曲面より前方側に突出しない。
このように、中央湾曲部48aの一部が、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向いている曲面より前方側に突出せずに掛け渡されていることから、第1凸部32dが車両前後方向の前方の底着き位置に移動していくストローク後半において、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面に当接するエネルギ吸収部材48の第2直線部48eは、中央湾曲部48aと殆ど接触せずに第1凸部32dに扱き塑性変形していき、中央湾曲部48aとの接触面積の増大によって塑性変形量が減少しないので、衝撃吸収性能の低下を防止することができる。
次に、図8は、第1凸部32dの第2変形例を示すものであり、図8(a)に示すように、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く側には、エネルギ吸収部材48の中央湾曲部48aの一部が挿通するガイド孔52が形成されている。そして、図8(b)に示すように、ガイド溝51に挿通された中央湾曲部48aの一部は、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面に当接するエネルギ吸収部材48の第2直線部48eに接触しない。
このように、中央湾曲部48aの一部が、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向いている側に挿入された状態で掛け渡されていることから、第1凸部32dが車両前後方向の前方の底着き位置に移動していくストローク後半において、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面に当接するエネルギ吸収部材48の第2直線部48eは、中央湾曲部48aに接触せずに第1凸部32dに扱き塑性変形していき、中央湾曲部48aとの接触による塑性変形量が減少しないので、衝撃吸収性能の低下を防止することができる。
(第3実施形態)
次に、図9に示すものは、第1実施形態で使用したエネルギ吸収部材と異なる形状の第2実施形態のエネルギ吸収部材を使用した衝撃吸収式ステアリングコラム装置の要部を示す図である。
本実施形態のブラケット本体30aには、第1実施形態と比べて小さな領域の第1開口孔30dが車幅方向に延在して形成されており、この第1開口孔30dに連続して第2開口孔30eが形成されている。そして、第2開口孔30eの周囲の段差面30gには、一対の第2凸部30h及び第3凸部30iと、第3凸部30iに対して車幅方向の逆側の位置であり、且つ車両前後方向の前方に位置する第4凸部30jとが形成されている。
また、本実施形態のエネルギ吸収部材48は、中央湾曲部48aと、この中央湾曲部48aの両端部から一体形成されている1対の第1湾曲部48bと、これら一対の第1湾曲部48bから離間する方向に互いに平行に延在している一対の第1直線部48cと、一対の第1直線部48cの一方から第2湾曲部48dを介して直交する方向に延在している第2直線部48eと、この第2直線部48eから第3湾曲部48fを介して第2直線部48eと平行に延在している第3直線部48gとを備えた有端形状として形成されている。なお、一対の第1直線部48cは平行に延在せずに、互いに所定の角度を有して一対の第1湾曲部48bから離間する方向に延在していてもよい。
そして、このエネルギ吸収部材48は、中央湾曲部48aが、第2開口孔30eから上方に突出している移動ブラケット32の第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面に掛け渡され、一対の第1湾曲部48bが、支持ブラケット30の一対の第2凸部30hの車両前後方向の後方を向く曲面に掛け渡され、第2湾曲部48dが第3凸部30iの車両前後方向の前方を向く曲面に掛け渡され、第2直線部48eが車幅方向の他方側に延在し、第3湾曲部48fが第3凸部30iの車幅方向の他方側に掛け渡され、第3直線部48gが車幅方向の一方側に延在している。そして、第3直線部48gの先端が、先端固定部材53を介してブラケット本体30aに固定されているとともに、一対の第1直線部48cの他方は車両前後方向の前方に延在し、その先端が開放状態となっている。
次に、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12の動作について説明する。
本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置12は、二次衝突時に、移動ブラケット32の第1凸部32dが車両前後方向の前方に移動するストローク初期からストローク中期においては、エネルギ吸収部材48の中央湾曲部48aが第1凸部32dに扱かれて塑性変形し、一対の第1湾曲部48bも、一対の第2凸部30hに扱かれて塑性変形していく。
そして、ストローク後半では、第1凸部32dの車両前後方向の前方移動により、エネルギ吸収部材48の第2直線部48eが、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面に掛け渡した中央湾曲部48aに当接し、第1凸部32dの変位とともに扱かれて塑性変形していく。
そして、さらに第1凸部32dが車両前後方向の前方の底着き位置近くまで移動すると、第1凸部32dの車両前後方向の前方を向く曲面に、第3直線部48gが当接して扱かれて塑性変形していく。
このように、本実施形態は、第1実施形態と比較してストローク後半において第3直線部48gの扱き塑性変形が加わるので、第1実施形態よりさらに衝撃荷重を吸収する能力が増大する。
したがって、本実施形態も、アウタコラム28の底着き直前まで衝撃吸収荷重が緩やかに増加していき、底着きの際には所定値以下の衝撃吸収荷重にすることができるので、二次衝突時に、ステアリングホイール13にぶつかった運転者の身体に加わる急激な衝撃荷重を緩和して運転者の保護を図ることができる。
なお、本実施形態の第1凸部32dに図7及び図8で示した形状を採用し、エネルギ吸収部材48の中央湾曲部48aと第2直線部48eとの接触部分を少なくすると、塑性変形量が減少しないので衝撃吸収性能の低下を防止することができる。
また、上述した各実施形態では、第1凸部32dを移動ブラケット32に固定して二次衝撃時に車両前後方向の前方に変位し、一対の第2凸部30h及び一対の第3凸部30i(第3実施形態では第4凸部30j)を支持ブラケット30に固定して二次衝突発生時に車両前後方向に移動しない構造としたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、第1凸部32dを支持ブラケット30に固定して二次衝突発生時に車両前後方向に移動しない構造とし、一対の第2凸部30h及び一対の第3凸部30i(第3実施形態では第4凸部30jを移動ブラケット32に固定して二次衝撃時に車両前後方向の前方に変位する構造とし、これらにエネルギ吸収部材48を係合して配置しても、同様の効果を奏することができる。
また、上記各実施形態では、移動ブラケット32の第1凸部32d及び支持ブラケット30の一対の第2凸部30h、第3凸部30i(第3実施形態では第4凸部30j)を円筒形状に形成したが、多角形断面や非円形断面であってもよい。
また、エネルギ吸収部材48の第1凸部32d、一対の第2凸部30h及び第3凸部30i(第3実施形態では第4凸部30j)に接触する部位に、コーティング処理を施したり、或いはグリースを塗布し、第1凸部32d、一対の第2凸部30h及び第3凸部30i(第3実施形態では第4凸部30j)との接触の際に摩擦が減少するようにすると、エネルギ吸収部材48の衝撃荷重吸収特性の変化を防止することができる。
さらに、エネルギ吸収部材48の横断面形状を真円形状としたが、他の横断面形状であってもよい。
本発明に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置を搭載した自動車の操舵機構部の概略図である。 本発明に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置を車幅方向から示した図である。 図2のA−A線矢視図である。 図2のB−B線矢視図である。 ステアリングコラムのストローク後半における第1実施形態のエネルギ吸収部材の塑性変形状態を示す図である。 第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の衝撃吸収特性を示すグラフである。 衝撃吸収式ステアリングコラム装置を構成する第3係合部材の第1変形例を示した図である。 衝撃吸収式ステアリングコラム装置を構成する第3係合部材の第2変形例を示した図である。 第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の要部を示す図である。 従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の衝撃吸収特性を示すグラフである。
符号の説明
11…ステアリングシャフト、12…衝撃吸収式ステアリングコラム装置、13…ステアリングホイール、14…自在継手、15…中間シャフト、16…自在継手、17…ステアリングギヤ、18…タイロッド、19…転舵輪、20…インナコラム、22…車体側部材、24…枢軸ピン、26…コラム連結ブラケット、26a…連結直線部、28…アウタコラム(ステアリングコラム)、30…支持ブラケット、30a…ブラケット本体、30b…連結直線部、30c…案内溝、30d…第1開口孔、30e…第2開口孔、30f…当接面、30g…段差面、30h…第2凸部(第1係合部材)、30i…第3凸部(第2係合部材)、30j…第4凸部(第3係合部材)、32…移動ブラケット、32a…側板、32b…上板、32c…案内レール、32d…第1凸部(第3係合部材)、34…ディスタンスブラケット、36…コラム側通孔、40…ブラケット側通孔、42…チルトロッド、44…操作レバー、46…ロック機構、48…エネルギ吸収部材、48a…中央湾曲部(第1塑性変形部)、48b…第1湾曲部(第2塑性変形部)、48c…第1直線部(第3塑性変形部)、48d…第2湾曲部(第4塑性変形部)、48e…第2直線部(第5塑性変形部)、48f…第3湾曲部(第6塑性変形部)、48g…第3直線部(第7塑性変形部)、49…先端固定部材、50…固定ボルト、51…ガイド溝、52…ガイド孔、53…先端固定部材、P…周辺部品

Claims (4)

  1. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に向けてストロークするステアリングコラムと、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、前記ステアリングコラムに固定されている移動部材と、前記固定部材及び前記移動部材に係合した状態で配置され、前記ステアリングコラムのストロークに伴う塑性変形により二次衝突時の衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、
    前記移動部材及び前記固定部材の一方の部材は、車幅方向に離間して配置した一対の第1係合部材と、これら一対の第1係合部材の一方に対して車両前後方向の前方又は後方に配置した第2係合部材とを備え、
    前記移動部材及び前記固定部材の他方の部材は、前記一対の第1係合部材の間に配置した第3係合部材を備えており、
    前記エネルギ吸収部材は、前記第3係合部材の車両前後方向の前方又は後方を向く面に係合するように曲げ形成された第1塑性変形部と、この第1塑性変形部から車幅方向に延在して前記一対の第1係合部の車両前後方向の後方又は前方を向く面に係合するように曲げ形成された一対の第2塑性変形部と、これら一対の第2塑性変形部から車両前後方向の前方又は後方に向けて延在している一対の第3塑性変形部と、これら一対の第3塑性変形部の一方から前記第2係合部の車両前後方向の前方又は後方を向く面に係合するように曲げ形成された第4塑性変形部と、この第4塑性変形部から車幅方向に延在し、前記ステアリングコラムのストローク後半で前記第3係合部材と係合する第5塑性変形部と、を備えた有端形状の金属線であり、前記第5塑性変形部の先端が、前記固定部材又は前記移動部材に固定され、車両前後方向の前方又は後方に向けて延在している一対の第3塑性変形部の他方の先端が開放状態とされていることを特徴とすることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  2. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持し、衝突事故の衝撃により車両前後方向の前方に向けてストロークするステアリングコラムと、車体側部材に固定されて衝突事故の衝撃が入力しても車両前後方向に変位しない固定部材と、前記ステアリングコラムに固定されている移動部材と、前記固定部材及び前記移動部材に係合した状態で配置され、前記ステアリングコラムのストロークに伴う塑性変形により二次衝突時の衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、
    前記移動部材及び前記固定部材の一方の部材は、車幅方向に離間して配置した一対の第1係合部材と、これら一対の第1係合部材の一方に対して車両前後方向の前方又は後方に配置した第2係合部材と、前記一対の第1係合部材の他方に対して車両前後方向の前方又は後方に位置して配置した第4係合部材とを備え、
    前記移動部材及び前記固定部材の他方の部材は、前記一対の第1係合部材の間に配置した第3係合部材を備えており、
    前記エネルギ吸収部材は、前記第3係合部材の車両前後方向の前方又は後方を向く面に係合するように曲げ形成された第1塑性変形部と、この第1塑性変形部から車幅方向に延在して前記一対の第1係合部の車両前後方向の後方又は前方を向く面に係合するように曲げ形成された一対の第2塑性変形部と、これら一対の第2塑性変形部から車両前後方向の前方又は後方に向けて延在している一対の第3塑性変形部と、これら一対の第3塑性変形部の一方から前記第2係合部の車両前後方向の前方又は後方を向く面に係合するように曲げ形成された第4塑性変形部と、この第4塑性変形部から車幅方向に延在し、前記ステアリングコラムのストローク後半で前記第3係合部材に係合する第5塑性変形部と、この第5塑性変形部から前記第4係合部材の車幅方向を向く面に係合するように曲げ形成された第6塑性変形部と、この第6塑性変形部から前記第4塑性変形部と平行となるように車幅方向に延在し、前記ステアリングコラムのストローク後半で前記第6塑性変形部とともに前記第3係合部材に係合する第7塑性変形部と、を備えた有端形状の金属線であり、前記第7塑性変形部の先端が、前記固定部材又は前記移動部材に固定され、車両前後方向の前方又は後方に向けて延在している一対の第3塑性変形部の他方の先端が開放状態とされていることを特徴とすることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  3. 前記第3係合部材の車両前後方向の前方又は後方を向く面に、前記エネルギ吸収部材の前記第1塑性変形部の一部が前記面から突出しないように入り込んで係合するガイド溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  4. 前記第3係合部材の車両前後方向の前方又は後方を向く面に、前記エネルギ吸収部材の前記第1塑性変形部の一部が挿通されるガイド孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
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