JP2008023938A - 樹脂分別方法、樹脂分別装置及びウレタン樹脂リサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物から、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を分別する方法及び装置を提供する。
【解決手段】 樹脂の分別方法は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物を加熱して熱可塑性樹脂を収縮させる第一の工程と、前記熱硬化性樹脂及び前記第一の工程で収縮させた前記熱可塑性樹脂を含む混合物を比重差によって分別させる第ニの工程とを有する。これにより熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物から、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを分別できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 樹脂の分別方法は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物を加熱して熱可塑性樹脂を収縮させる第一の工程と、前記熱硬化性樹脂及び前記第一の工程で収縮させた前記熱可塑性樹脂を含む混合物を比重差によって分別させる第ニの工程とを有する。これにより熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物から、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを分別できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、樹脂分別方法、樹脂分別装置及びウレタン樹脂リサイクル方法に関する。
廃棄物処理の問題は近年ますます深刻化しており、焼却時のダイオキシン発生や埋立地の減少等が社会問題として大きく取り上げられている。これら廃棄物の主要な発生源としては、容器包装材、建材、自動車、家電等が挙げられる。特に家庭から廃棄される使用済み家電製品の量はリサイクル対象の4家電だけでも65万トン(1997年、家電製品協会調べ)にもなっている。これらは細かく粉砕され、その後風力選別や磁力選別、過電流選別などを経て金属、非鉄金属、プラスチックなどに分類し、それぞれの分野で再利用されているか、または再利用が検討されている。
例えば冷蔵庫の再資源化方法として、篩分別及び風力選別を行う方法が上げられる(特許文献1参照)。また、プラスチックを更に分別する方法としてオレフィン系樹脂とスチレン系樹脂を水比重分別する方法、熱分解及び再生樹脂化により分別する方法等が開示されている。
廃家電製品の分別ではまず、不特定多数の廃家電製品をまとめて破砕し、鉄及び非鉄金属を分別回収する。その後の樹脂類を主体とする破砕残渣をウレタン樹脂などの比重の軽いプラスチック類(軽量物)と比重の重いプラスチック類に更に風力選別する。こうして分別された物は再資源化されるのが一般的である。
このような軽量物を、さらに(1)比重分離、(2)溶剤溶解分離、等で分別する方法もある。しかし(1)の比重分離では発泡ウレタンと発泡ポリスチレンの比重差がほとんどなく両者を分別することが実質的不可能であり、また(2)の溶剤溶解分離では特定の樹脂を溶かすために添加した溶剤を分離しなくてはならないため、煩雑な分離作業を必要とする。このため、風力選別で回収される軽量物を再資源化することが極めて困難であった。
特開2001−259529公報
本発明は上記問題を鑑み、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを簡便に分別する樹脂分別方法及び装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の樹脂分別方法は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物を加熱して熱可塑性樹脂を収縮させる第一の工程と、前記熱硬化性樹脂及び前記第一の工程で収縮させた前記熱可塑性樹脂を含む混合物を比重差によって分別させる第ニの工程とを有することを特徴とする。
また、前記熱硬化性樹脂が発泡体であることが好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂が発泡体であることが好ましい。
また、熱硬化性樹脂の前記発泡体がウレタン樹脂であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂の前記発泡体がポリスチレンであることが好ましい。
また、前記熱硬化性樹脂と前記熱可塑性樹脂とを含む混合物は廃家電製品等の破砕物を含むことが好ましい。
本発明におけるウレタン樹脂リサイクル方法は、ウレタン樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物を加熱して熱可塑性樹脂を収縮させる第一の工程と、前記ウレタン樹脂と前記第一の工程で収縮させた前記熱可塑性樹脂とを比重差により分別する第二の工程と、分別された前記ウレタン樹脂を化学的に分解する工程とを有することを特徴とする。
本発明における樹脂分別装置は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物を加熱する加熱装置と、加熱された前記熱可塑性樹脂と前記熱硬化性樹脂を比重差により分別する分別装置とを有することを特徴とする。
また、更に、分別された前記熱硬化性樹脂がウレタン樹脂であって、前記ウレタン樹脂を加熱により化学的に分解して液化ウレタンとする分解装置を有し、前記加熱装置は前記分解装置から排出された高温の前記液化ウレタンとの熱交換で得られる熱エネルギーを熱源とすることが好ましい。
また、更に、分別された前記熱可塑性樹脂を燃焼する燃焼装置を有し、前記加熱装置は前記燃焼で得られる熱エネルギーを熱源とすることが好ましい。
本発明によれば、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを簡便に分別する樹脂分別方法及び装置を提供できる。
廃棄物をリサイクルする方法は対象物によって処理方法が様々である。固形の廃棄物のリサイクルでは建築廃材や廃家電等の比較的大きなものを扱うことが多い。そこで固形の廃棄物のリサイクルは、まず対象となる廃棄物を細かくし(破砕工程)、次に破砕して細かくなった物(破砕物)を更に大きさや物性等の性質で分別(分別工程)する方法が一般的である。
特に分別工程は廃棄物を再資源化し易くするために細かくした破砕物を物質毎に分ける工程である。例えば、篩いの目の粗さによって選別する「篩い分け選別」、比重の違いを利用した「風力選別」又は「水比重選別」、更に金属の種類を分別するために磁力を用いた「磁力選別」又は「過電流選別」等の方法を用いる。
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等のプラスチック類の分別では上述の篩い分けや風力選別を利用した処理方法が用いられる場合が多い。
例えば廃家電製品を破砕し、鉄等の金属類の大半を取り除いた後の残渣物(シュレッダーダストという)から、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を回収する際に、風力選別を用いる場合がある。
風力選別は対象物の終末速度が異なるという性質を利用する分別方法である。物体が空気中を自由落下する場合に、その物体は空気抵抗とバランスして一定以上は速い速度にならずに落下するが、この時の落下速度を終末速度という。終末速度は形状、比重、容積、表面状態(ざらつき)、内部形状(空洞の有無)等々を要因に影響をうけるが、主には比重が大きいもの(即ち重量物)は終末速度が大きく、比重が小さいもの(即ち軽量物)は終末速度が小さくなる。
即ち対象物に風を送ると、風速よりも終末速度の大きいもの(即ち重量物)は送風方向に移動しないが、風速よりも終末速度の小さいもの(即ち軽量物)が送風方向に移動する。この特性を利用すると風力選別では重量物と軽量物に分別が可能になる。
シュレッダーダストを風力選別した場合、金属や比重の大きいエンジニアリングプラスチック等の重量物と発泡体を含むウレタン樹脂やポリスチレン等の軽量物とが分別される。風力選別の工程は対象物に送風する風力を変えて数回行ない、目的別(物性あるいは形状別)の分別を行うが、この風力選別の工程において比重差の少ないウレタン樹脂、ポリスチレン等を分けることは困難である。
本発明者らは、風力選別の工程より前にシュレッダーダストを所定の温度で加熱し、熱可塑性樹脂であるポリスチレンを熱により収縮(熱収縮)させて嵩密度を変化させることにより、風力選別においてもシュレッダーダストから熱硬化性樹脂であるウレタン樹脂を選択的に回収する方法を見出した。
以下、樹脂の分別方法について図面を用いて詳細に説明する。
<廃家電の処理システム>
熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は廃棄物として回収された物の中に混合物として存在する。熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を含む代表的な例は自動車や家電機器のシュレッダーダストである。家電機器では特に冷蔵庫、掃除機、エアコン等が挙げられる。本実施形態の一例として廃冷蔵庫のリサイクルシステムを図1に示す。特に冷蔵庫のシュレッダーダストの場合には発泡ウレタン(ウレタン樹脂の発泡体)だけでなく、発泡ポリスチレンが入っており、通常の方法ではウレタン樹脂のみの分別が困難であるため、図1に示したような処理方法が有効となる。
熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は廃棄物として回収された物の中に混合物として存在する。熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を含む代表的な例は自動車や家電機器のシュレッダーダストである。家電機器では特に冷蔵庫、掃除機、エアコン等が挙げられる。本実施形態の一例として廃冷蔵庫のリサイクルシステムを図1に示す。特に冷蔵庫のシュレッダーダストの場合には発泡ウレタン(ウレタン樹脂の発泡体)だけでなく、発泡ポリスチレンが入っており、通常の方法ではウレタン樹脂のみの分別が困難であるため、図1に示したような処理方法が有効となる。
廃冷蔵庫のリサイクルシステムにおける各工程は、一次粉砕工程1、二次粉砕工程2、第1の風力選別工程3、磁力選別工程4、過電流選別工程5、第2の風力選別工程6、篩分け工程7、加熱工程8、第3の風力選別工程9、水比重選別工程10、化学分解工程11、ろ過工程12である。
各工程の詳細を以下に説明する。
(一次粉砕工程1)
廃棄された冷蔵庫から、まず、コンプレッサーと冷媒、冷蔵庫内にあるトレイなどの手分別できる物を回収する。一次粉砕工程1では、手分別後に粉砕機によって径が50mm程度の大きさになるように粗粉砕する。
廃棄された冷蔵庫から、まず、コンプレッサーと冷媒、冷蔵庫内にあるトレイなどの手分別できる物を回収する。一次粉砕工程1では、手分別後に粉砕機によって径が50mm程度の大きさになるように粗粉砕する。
(二次粉砕工程2)
一次粉砕工程1によって粗粉砕された粗粉砕物に対して攪拌と破砕と粉砕とを個別あるいは同時に行う。ウレタン樹脂等の樹脂類は鉄板部位等から剥離されて直径約10mm程度のフレーク(薄片)状に、鉄や他の金属類は直径30mm程度の大きさに破砕及び粉砕される。熱硬化性樹脂と熱可塑性樹の粒子径は10〜100mm程度にしておくことが好ましい。10mmより小さくなると、後述する第3の風力選別工程9での分別が困難になる。また、100mmより大きくなると熱の伝導が悪くなり、後述する加熱工程8における熱可塑性樹脂の収縮に時間を要するためである。
一次粉砕工程1によって粗粉砕された粗粉砕物に対して攪拌と破砕と粉砕とを個別あるいは同時に行う。ウレタン樹脂等の樹脂類は鉄板部位等から剥離されて直径約10mm程度のフレーク(薄片)状に、鉄や他の金属類は直径30mm程度の大きさに破砕及び粉砕される。熱硬化性樹脂と熱可塑性樹の粒子径は10〜100mm程度にしておくことが好ましい。10mmより小さくなると、後述する第3の風力選別工程9での分別が困難になる。また、100mmより大きくなると熱の伝導が悪くなり、後述する加熱工程8における熱可塑性樹脂の収縮に時間を要するためである。
また、冷蔵庫に使用されている発泡体にはフロン等の発泡剤を使用している場合がある。このような発泡剤を含む場合には一次粉砕工程及び攪拌・破砕・粉砕工程を密閉系で連続して行い、発泡剤を適宜回収する。
一次粉砕工程1及び二次粉砕工程2を経て廃冷蔵庫は破砕物となる。破砕物は次の第1の風力選別工程3から始まる選別工程において、物性等の違いにより金属あるいはプラスチック等の種類毎に分別される。
(第1の風力選別工程3)
二次粉砕工程2において細かくなった破砕物を風力選別によって金属等の重量物と、ウレタン樹脂やエンジニアリングプラスチックなどの樹脂(図1における樹脂)を主体とした軽量物とに分別する。第1の風力選別工程3は概して5〜10m/s程度の風力で行うのが好ましい。これにより主に金属とプラスチックを分けることが可能になる。
二次粉砕工程2において細かくなった破砕物を風力選別によって金属等の重量物と、ウレタン樹脂やエンジニアリングプラスチックなどの樹脂(図1における樹脂)を主体とした軽量物とに分別する。第1の風力選別工程3は概して5〜10m/s程度の風力で行うのが好ましい。これにより主に金属とプラスチックを分けることが可能になる。
(磁力選別工程4)
第1の風力選別工程3で選別された金属類を磁力によって鉄と鉄以外の金属とに分ける。
第1の風力選別工程3で選別された金属類を磁力によって鉄と鉄以外の金属とに分ける。
(過電流選別工程5)
磁力選別工程4で分別された鉄以外の金属を過電流選別等の非鉄選別方法により、例えば銅、アルミニウムとこれら以外の金属とに分別する。分別されなかったもの(銅、アルミニウム以外)は残渣として回収される。
磁力選別工程4で分別された鉄以外の金属を過電流選別等の非鉄選別方法により、例えば銅、アルミニウムとこれら以外の金属とに分別する。分別されなかったもの(銅、アルミニウム以外)は残渣として回収される。
(第2の風力選別工程6)
第1の風力選別工程3において分別された樹脂(図1における樹脂)を更に風力選別する。第2の風力選別工程では、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合)樹脂等の重量物(図1における重量プラスチック)と、発泡体を含むウレタン樹脂あるいはポリスチレン等の軽量物とに分別する。後述するウレタン樹脂(特に発泡ウレタン)とポリスチレンとの分別(第3の風力選別工程9)を容易にするために、ここでは、0.5〜1.2m/sの風力で分別を行うのが好ましい。
第1の風力選別工程3において分別された樹脂(図1における樹脂)を更に風力選別する。第2の風力選別工程では、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合)樹脂等の重量物(図1における重量プラスチック)と、発泡体を含むウレタン樹脂あるいはポリスチレン等の軽量物とに分別する。後述するウレタン樹脂(特に発泡ウレタン)とポリスチレンとの分別(第3の風力選別工程9)を容易にするために、ここでは、0.5〜1.2m/sの風力で分別を行うのが好ましい。
本工程で分別されたABS樹脂等の重量プラスチックは後述する水比重選別工程10で更に分別し、ウレタン樹脂等(軽量物)は次工程の篩分け工程7で篩分けを行う。
(篩分け工程7)
第2の風力選別工程6で得られた軽量物にはウレタン樹脂あるいはポリスチレン等の粗大物を主体として、砂や金属粉などの微粉末成分が除去しきれずに混入物として存在する。そこで本工程において前述の混入物を除去する。即ち、第2の風力選別工程6で得られた軽量物を篩いにかけて発泡体を含むウレタン樹脂等の粗大物と、砂や金属等の微粉末成分とに分別する。
第2の風力選別工程6で得られた軽量物にはウレタン樹脂あるいはポリスチレン等の粗大物を主体として、砂や金属粉などの微粉末成分が除去しきれずに混入物として存在する。そこで本工程において前述の混入物を除去する。即ち、第2の風力選別工程6で得られた軽量物を篩いにかけて発泡体を含むウレタン樹脂等の粗大物と、砂や金属等の微粉末成分とに分別する。
粗大物の大きさにもよるが、篩の目は0.5〜10mm程度の大きさを用いると金属等の微粉末と粗大物とを分別することができる。
(加熱工程8)
篩分け工程7で篩に残った粗大物を加熱する。
篩分け工程7で篩に残った粗大物を加熱する。
篩分け工程7で得られた発泡体を含有する粗大物には、熱硬化性樹脂(主にウレタン樹脂)と熱可塑性樹脂(主に発泡ポリスチレン樹脂)が混在する。
加熱工程では発泡体を含有する粗大物全体を加熱する。本工程により熱可塑性樹脂の嵩密度が小さくなる(収縮する)。粗大物を加熱するための装置はどのようなものでも良いが、次工程の第3の風力選別工程9に用いる選別用の装置への搬送中に行うことが好ましい。このためコンベア等の移送装置と組合せが可能な装置が好ましい。
また、加熱工程8では発泡剤を含んでいるウレタン樹脂も加熱されるため発泡剤が揮発する。このため加熱工程8は密閉系で行うことが好ましい。これによりウレタン樹脂に含まれる発泡剤を回収することができる。
加熱温度は150℃〜300℃が好ましい。150℃より低いと熱可塑性樹脂を十分に収縮させるために長時間を要する。また300℃より高いと熱硬化性樹脂であるウレタン樹脂も収縮してしまう虞があり、その結果分別精度が低下する。特に、発泡ポリスチレンを分別する場合は180℃〜250℃が良い。180℃よりより低い温度であると発泡ポリスチレンの収縮に時間がかかり、250℃より高い温度であるとポリスチレン以外の樹脂または装置に付着しやすくなり分別を困難にするからである。
ここで、加熱工程8で加熱対象となる熱硬化性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂の具体例をあげる。熱硬化性樹脂としては、発泡ウレタン、発泡ウレア樹脂、発泡イソシアヌレート樹脂などが代表として挙げられる。熱可塑性樹脂としては、発泡ポリスチレン樹脂、発泡ポリエチレン、などが代表として挙げられる。また、ポリエチレンシートなどの熱可塑性樹脂のシートが含まれていても良い。
例えばシート状の物は薄いという形状のために比重に関係なく舞い上がってしまい、風力選別において軽量物として選別される場合が多い。従って、発泡ウレタン等の熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂のシートとを分別することは難しい。加熱工程8では熱可塑性樹脂は収縮するため、熱可塑性樹脂のシートも熱硬化性樹脂との分別が可能になる。
また、熱可塑性樹脂のシート及び発泡体は収縮時に一部溶融する場合がある。各工程では、分別できずに混入する砂などの微粉末が混在するが、加熱と同時に行われるコンベア等での搬送中に、溶融した熱可塑性樹脂のシートあるいは発泡体にこのような微粉末が取り込まれて造粒される。このため、前述の篩分け工程7を経ない場合、あるいは微粉末等が完全に除去されていない場合でも、加熱工程8を経ることによって除去が可能になる場合がある。
(第3の風力選別工程9)
加熱工程8で加熱された樹脂類(篩分け工程7で篩に残った粗大物)を含む樹脂混合物を更に風力選別し、熱により収縮した熱可塑性樹脂(重量物)と収縮しなかった熱硬化性樹脂(軽量物)とに分別する。主には発泡ポリスチレン樹脂(重量物)と発泡ウレタン(軽量物)とに分別する。
加熱工程8で加熱された樹脂類(篩分け工程7で篩に残った粗大物)を含む樹脂混合物を更に風力選別し、熱により収縮した熱可塑性樹脂(重量物)と収縮しなかった熱硬化性樹脂(軽量物)とに分別する。主には発泡ポリスチレン樹脂(重量物)と発泡ウレタン(軽量物)とに分別する。
風力は第2の風力選別工程6と同等の0.5〜1.2m/sの風力で分別を行うのが好ましい。加熱工程8により熱可塑性樹脂が収縮して嵩密度が変化し、第2の風力選別工程6で分別できなかった熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを同等の風力で分別することが可能になる。また、ウレタン樹脂以外の熱可塑性樹脂を除去できるため、後述する化学分解工程11におけるウレタン樹脂のケミカルリサイクルが容易になる。
(水比重選別工程10)
第2の風力選別工程6及び第3の風力選別工程9で得られた重量プラスチック及び熱可塑性樹脂を水比重選別により分別する。具体的には第2の風力選別工程6で重量物として分別されたABS樹脂等の樹脂と、第3の風力選別工程9で分別された加熱により収縮した熱可塑性樹脂である。
第2の風力選別工程6及び第3の風力選別工程9で得られた重量プラスチック及び熱可塑性樹脂を水比重選別により分別する。具体的には第2の風力選別工程6で重量物として分別されたABS樹脂等の樹脂と、第3の風力選別工程9で分別された加熱により収縮した熱可塑性樹脂である。
一般に水比重選別は比重液として水を使用し、水との比重差を利用した分別方法である。即ち水の比重より大きい物は沈み、水の比重より小さい物は浮かぶために分別が可能となる。主にはスチレン系樹脂(芳香族炭化水素系の樹脂)と、オレフィン系樹脂(二重結合を持った脂肪族炭化水素系の樹脂)とを、水の比重より大きいか否かで分ける。ここでは、比重が1.05程度のスチレン系樹脂は重量物として、比重が0.91程度のオレフィン系樹脂は軽量物として回収される。また、残渣として銅線類等の非鉄金属が混入する場合には、非鉄金属はスチレン系樹脂と供に重量物として回収される。回収したオレフィン系樹脂は再ペレット化してリサイクルすることができ、スチレン系樹脂は燃料資源としてサーマルリサイクル、もしくは熱分解してモノマー回収することが可能である。
(化学分解工程11)
第3の風力選別工程9により回収されたウレタン樹脂を化学分解する。ウレタン樹脂は後述する分解剤と供に溶融混練されて液化し(液化ウレタン)、化学分解によって油分と発泡ウレタンに含まれる発泡剤とが新たに発生する。
第3の風力選別工程9により回収されたウレタン樹脂を化学分解する。ウレタン樹脂は後述する分解剤と供に溶融混練されて液化し(液化ウレタン)、化学分解によって油分と発泡ウレタンに含まれる発泡剤とが新たに発生する。
ウレタン樹脂を分解する分解剤としては、アミン類やポリオール類を使用するとよい。ウレタン樹脂の化学分解については後述する。化学分解によって発生した油分と、ウレタン中に閉じ込められていた発泡剤は化学分解工程11において回収され各々処理される。
(ろ過工程12)
液化ウレタンをろ過し、残存する不純物を除去する。
液化ウレタンをろ過し、残存する不純物を除去する。
化学分解工程11によって化学分解された液化ウレタン中には、最終的に分別できなかった一部の熱可塑性樹脂、砂あるいは金属の微粉末等の不純物が少量含まれている可能性がある。後述する再生樹脂の製造においては、不純物の少ない液化ウレタンを用いることがより好ましく、このため、ろ過を行うことが好ましい。
液化ウレタンは再生剤が添加され再生樹脂が製造される。再生剤としては、エポキシ樹脂、イソシアネート、ジカルボン酸などが挙げられる。再生樹脂の製造方法及び再生剤に関しては後述する。
<樹脂分別装置>
次に、加熱工程8及び第3の風力選別工程9における具体的な分別装置についての一例を図2に示す。
次に、加熱工程8及び第3の風力選別工程9における具体的な分別装置についての一例を図2に示す。
図2は熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物(シュレッダーダスト)を加熱し、その後比重差を利用して分別させる装置である。比重差を利用する分別装置としては、風力選別装置、水、油等の溶媒(比重液)を用いた選別装置が挙げられる。特に風力選別装置は送風機等を加えることによって分別操作を容易に行うことが可能である。本実施形態においては風力選別装置を用いた場合について示す。
熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含むシュレッダーダストを加熱する装置は、シュレッダーダストを移送する移送装置101と、移送装置に内装された加熱装置102と、加熱装置102の熱源であるボイラー105と、ボイラー105の熱を伝達するための熱移送装置(熱媒体)106と、熱可塑性樹脂を回収する熱可塑性樹脂回収容器107及び、熱硬化性樹脂を回収する熱硬化性回収容器108とからなる。
シュレッダーダストは移送装置101によって風力選別工程へと移送させる。移送されるシュレッダーダスト中の熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂は移送装置101に内装された加熱装置102によって加熱される。加熱装置102はボイラー105の廃熱を熱媒体106によって供給することによって熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を加熱する装置である。
シュレッダーダストを加熱装置102によって加熱すると熱可塑性樹脂が収縮する。一方熱硬化性樹脂は収縮しないため比重差によって分別することが可能である。
比重差によって樹脂を分別させる装置は送風機104及びボイラー105からなる。加熱されたシュレッダーダストには送風機104により風力0.5〜1.2m/s程度が送られる。比重の重い熱可塑性樹脂はそのまま落下し(図中下向き矢印)、比重の軽い熱硬化性樹脂は送風機の方向にそって飛ばされる(図中右向き矢印)。これにより、可塑性樹脂は熱可塑性樹脂回収容器107に分別され、熱硬化性樹脂は熱硬化性樹脂回収容器108に分別される。熱可塑性樹脂の一部は移送装置101に付着する場合があるので、スクレーパー103等を設け移送装置101から掻きだすようにするとより好ましい。掻きだされた熱可塑性樹脂も送風機の風をうけるが、同様に比重が重いため落下して、熱硬化性樹脂回収容器107に回収される。
移送装置101は加熱装置102と組み合わせて用いても良い。例えば熱風の噴射や熱板上を移動させるなどの方法で行うのが良い。熱風の噴射の場合、発泡体が舞い上がって分別を困難にしてしまう虞があるため、熱板上を移動させることにより熱を加えるのが特に良い。耐熱性がある板状のものを風力選別装置が下端になるように傾斜をつけて設ければ、板上にシュレッダーダストを投入して転がすことができる。前述のようにシュレッダーダストを転がすと、熱可塑性樹脂の一部が溶解した際に微粉末を取り込み易くなり熱硬化性樹脂との分別が更によくなる。
また、シュレッダーダストを移送するベルト面を加熱したコンベアやロータリーキルン等も有用である。
図3には加熱と移送を同時に行う加熱移送装置201としてロータリーキルンを用いる例を示す。ロータリーキルンを用いた場合、装置の回転によってシュレッダーダスト等が攪拌されるため効率よく加熱することができる。また前述した通り、発泡ウレタン等の発泡体を加熱する場合には発泡剤が揮発するため、発泡剤の回収を同時に行うことができる。加熱後のシュレッダーダストは図2の場合と同様に送風機204によって風力0.5〜1.2m/s程度が送られ、比重の重い熱可塑性樹脂はそのまま落下して熱可塑性樹脂の回収容器207へ(図中下向き矢印)、比重の軽い熱硬化性樹脂は送風機の方向にそって飛ばされて熱硬化性樹脂の回収容器208へ(図中右向き矢印)移動することによって分別される。
シュレッダーダストの加熱は発泡体を含有する熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂が加熱できる方法であれば他の装置を用いてもよいが、液体や蒸気などを使用しない方法で行うことが好ましい。液体や蒸気を使用すると熱可塑性樹脂は収縮することができるが、熱硬化性樹脂にも液体が付着してしまい、その嵩密度を上げてしまう。このため、収縮した熱可塑性樹脂との比重差が生じない場合があり分別が困難になってしまう。付着した液体を蒸発させた後、次工程の風力選別工程を行えば分別することが可能であるが、工程が増え、時間的あるいはコスト的に増大が予想されることから、液体や蒸気を使用しない加熱方法が好ましい。
また加熱装置102の熱源としては一般の電熱ヒーターなどを用いてもよいが、リサイクルシステム内で使用される熱源との共有や、廃棄物の焼却(燃焼)により発生する熱エネルギーを熱交換する等して用いるのが良い。
例えば、図1における化学分解工程11で使用する分解のための熱源を加熱装置102の熱源と共有してもよい。後述するように分解時にはウレタン樹脂を加熱するため、加熱されたウレタン樹脂が保持する熱量をオイル等の熱媒体によって供給することができる。また、水比重選別工程10等で回収されたスチレン系樹脂等は燃料資源として活用できるため、これらを燃焼させて熱源としても良い。
加熱装置の温度は熱可塑性樹脂が収縮する温度であれば特に制限されないが、前述したように150℃〜300℃が好ましい。特に、発泡ポリスチレンを分別する場合は180℃〜250℃が良い。熱を効率よく伝える機構を備える場合には180℃以下でも収縮に時間を要せずに対応できる。例えば、加熱する際にロール等を用いて発泡ポリスチレンを熱源に押し当てるなどをすれば180℃以下でも場合も用いることができる。
また、移送装置等に付着した樹脂を取る機構(スクレーパー103等)が備わっている場合には250℃以上でも使用することが可能である。発泡剤に可燃物が含有している場合には発泡剤の発火点よりも低い温度で行うことが好ましい。一般に発泡ウレタンの発泡剤に使用されているシクロペンタンの発火点は380℃であるため、通常前述の温度以下で加熱を行う。さらには、加熱装置は防爆構造にすることが望ましい。
<ウレタン樹脂のリサイクル方法>
次に化学分解工程11、ろ過工程12及び分解後のウレタン樹脂の再生について具体的に説明する。
次に化学分解工程11、ろ過工程12及び分解後のウレタン樹脂の再生について具体的に説明する。
本実施形態において分別されたウレタン樹脂は、ウレタン以外の樹脂を実質的に含まず純度が高いため、ケミカルリサイクルするのに有用である。ウレタン樹脂の分解方法には、分解剤を用いた化学的分解法、加水分解法、熱分解法等があり、どの分解方法を利用しても良い。分解処理速度、あるいは分解後のウレタン樹脂品質の面で優れていることから、化学的分解方法でリサイクルすることが好ましい。
化学的分解法では、分別されたウレタン樹脂を分解するために分解剤を用いる。分解剤としては、例えば、アミン化合物、ポリオール化合物およびこれらのアルカリ金属アルコラート等が挙げられ、使用形態としては、例えば、アミン化合物単独、ポリオール化合物またはポリオールの金属アルコラート単独、アミン化合物とポリオール化合物またはポリオールの金属アルコラートとの混合、などが挙げられる。本発明は、アミン化合物またはポリオール化合物を用いる分解方法による樹脂分解物の適用に好適であり、中でも、アミン化合物を用いて分解する(アミン化合物単独またはアミン化合物とポリオール化合物の混合物を用いる)場合に適している。用いられるアミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロパンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルアミノエタノール、アミノブタノール、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソブチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾールがあげられる。また、ポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
このような分解剤をウレタン樹脂と混合して必要に応じて100℃〜300℃程度の範囲の温度に加熱することにより液化ウレタンが得られる。100℃より温度が低いと分解時間長くなり、また300℃より温度が高いと、ウレタン樹脂そのものの熱分解が始まってしまう虞がある。さらには150℃〜280℃程度の温度に加熱することが好ましい。
ウレタン樹脂の分解装置は特に制限されるものではないが、例えば押出機のような加熱と混錬と圧縮が同時にできる装置を用いると処理を連続的に効率良く行うことができるので好ましい。
このようにして得られた液化ウレタンに再生剤を添加して再生樹脂を得ることができる。液化ウレタンから樹脂を再生するための再生剤として用いるエポキシ樹脂及びイソシアネート化合物は公知のものから必要に応じて選択することができる。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、特に限定されるものではない。その具体的例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物などが挙げられる。これらのエポキシ化合物は、単独でまたは2種以上混合して使用することもできる。また、イソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば良く、特に限定されるものではない。その具体的例としては、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート,1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ピリジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;ジメチレントリフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等の多官能イソシアネート化合物;グリセリンやトリメチロールプロパン等のポリオール類と上記ジイソシアネート化合物との付加反応物、等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
次に、発泡ポリスチレンとウレタン樹脂との混合物を風力選別した場合の分別可否に関して行った実験結果を以下に示す。
(実施例1)
試験対象は冷蔵庫廃材のシュレッダーダスト中の発泡ポリスチレンと発泡ウレタンである。試験にはシュレッダーダスト中から10〜15mmの発泡ポリスチレン及び発泡ウレタンをそれぞれ10個ずつ取り出して用いた。
試験対象は冷蔵庫廃材のシュレッダーダスト中の発泡ポリスチレンと発泡ウレタンである。試験にはシュレッダーダスト中から10〜15mmの発泡ポリスチレン及び発泡ウレタンをそれぞれ10個ずつ取り出して用いた。
試験では、発泡ポリスチレン及び発泡ウレタンの混合物を150℃の熱板上に同時に載せ、ポリスチレンの収縮状態及び収縮までの時間、ウレタン樹脂の状態を確認した。即ち、ポリスチレンを収縮させた後、熱硬化性プラスチック一般試験方法(JIS K 6911)に従い、収縮させたポリスチレン及び発泡ウレタンの見かけ密度(g/ml)を測定し、嵩比重(g/ml)を算出した。
また、加熱後に風力1m/sで風力選別を行い分別の可否を検証した。分別の可否は発泡ウレタンとポリスチレンとの色の違いから目視で行った。即ち、発泡ウレタンは茶色、ポリスチレンが白色であることから、風力選別後の軽量物として分別された発泡ウレタン(茶色)に白色物(ポリスチレン)が混入しているか否かを目視で判断した。結果を表1に示す。
(実施例2−8)
加熱する温度を変えた他は実施例1と同様の試験を行った。加熱温度及び結果を表1に列記する。
実施例のどの場合においても、加熱後の発泡ウレタンが収縮するといった状態の変化はなく、発泡ポリスチレンの収縮時間も10秒程度から3分程と短時間で行うことが可能であった。また、例えば実施例4では約20秒でポリスチレンが縮むことが確認でき、発泡ポリスチレンの嵩密度は約1/4程度に変化していた。これらを風力選別したところ、発泡ウレタン(茶色)と発泡ポリスチレン(白色)に分離できた。
加熱する温度を変えた他は実施例1と同様の試験を行った。加熱温度及び結果を表1に列記する。
なお、260℃以上の場合においてはポリスチレンの一部が熱板に付着したため、スクレーパーでポリスチレンを剥離した後に風力選別を行った。
表1から明らかなように、150〜300℃で加熱することにより、発泡ウレタンとポリスチレンを分別することが可能である。
(実施例9)
試験対象は発泡ウレタン50%、発泡ポリスチレン20%、ABS樹脂(非発泡)20%及び砂や埃等の微粉末10%を含む冷蔵庫シュレッダーダストである。シュレッダーダストは予め20mm以下に粉砕されているものを用いた。
試験対象は発泡ウレタン50%、発泡ポリスチレン20%、ABS樹脂(非発泡)20%及び砂や埃等の微粉末10%を含む冷蔵庫シュレッダーダストである。シュレッダーダストは予め20mm以下に粉砕されているものを用いた。
試験では、冷蔵庫シュレッダーダストをコンベア上で3分間加熱しながら移動させた。加熱は200℃でおこなった。
加熱後風力1m/sで風力選別を行い、発泡ウレタンとポリスチレンとの分別状況とウレタン樹脂の純度を確認した。発泡ウレタンと発泡ポリスチレン以外との分別は実施例1における風力選別の可否判断の場合と同様に、色による違いから目視で行った。ウレタン樹脂の純度とは、試験に使用したシュレッダーダストを風力選別し、風力選別によって軽量物として回収された物に対する発泡ウレタンの量である。回収後のウレタン樹脂は化学分解されて液体状になる(液化ウレタンになる)ため、残渣としての砂や微粉末分をろ過した後の量を回収された発泡ウレタン量とし、ウレタン樹脂の純度を算出した。結果を表2に示す。
(実施例10)
加熱手段としてロータリーキルンを用いた他は実施例9と同様の試験を行った。結果を表2に列記する。
加熱手段としてロータリーキルンを用いた他は実施例9と同様の試験を行った。結果を表2に列記する。
(比較例1)
加熱を行わずに風力選別を行った他は実施例9と同様の試験を行った。結果を表2に併記する。
実施例9、10では加熱後、軽量物としてウレタン発泡体と一部の埃、重量物として収縮したポリスチレン、ABS樹脂が回収された。表2から分かるとおり、ウレタン樹脂の純度は約95%、また実施例10でも97%と、純度の高い発泡ウレタンを回収できた。実施例9において、加熱による収縮中の発泡ポリスチレンを確認したところ、発泡ポリスチレンの周りに微粉末を吸着していることが確認できた。これにより埃等の微分末も回収できるため、ウレタン樹脂の純度が高まっていると推測される。
加熱を行わずに風力選別を行った他は実施例9と同様の試験を行った。結果を表2に併記する。
一方、比較例1では、軽量物として発泡ウレタン、発泡ポリスチレン、砂、埃が同時に回収された、また重量物としてABS樹脂が回収された。表2から分かる通り、ウレタン樹脂の純度は約61%であり、純度の高いウレタン樹脂を回収することはできなかった。またほぼすべての発泡ポリスチレンが、発泡ウレタン中に異物として混入した。
1・・・一次粉砕工程、2・・・二次粉砕工程、3、6、9・・・風力選別工程、4・・・磁力選別工程、5・・・過電流選別工程、7・・・篩分け工程、8・・・加熱工程、10・・・比重選別工程、11・・・化学的分解工程、12・・・ろ過、
101・・・移送装置、102・・・加熱装置、103・・・スクレーパー、104、204・・・送風機、105、205・・・ボイラー、106・・・熱媒体、107、207・・・熱可塑性樹脂回収容器、108、208・・・熱硬化性樹脂回収容器、201・・・加熱移送装置
101・・・移送装置、102・・・加熱装置、103・・・スクレーパー、104、204・・・送風機、105、205・・・ボイラー、106・・・熱媒体、107、207・・・熱可塑性樹脂回収容器、108、208・・・熱硬化性樹脂回収容器、201・・・加熱移送装置
Claims (10)
- 熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物を加熱して熱可塑性樹脂を収縮させる第一の工程と、
前記熱硬化性樹脂及び前記第一の工程で収縮させた前記熱可塑性樹脂を含む混合物を比重差によって分別させる第ニの工程と
を有することを特徴とする樹脂分別方法。 - 前記熱硬化性樹脂が発泡体であることを特徴とする請求項1記載の樹脂分別方法。
- 前記熱可塑性樹脂が発泡体であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂分別方法。
- 熱硬化性樹脂の前記発泡体がウレタン樹脂であることを特徴とする請求項2記載の樹脂分別方法。
- 熱可塑性樹脂の前記発泡体がポリスチレンであることを特徴とする請求項3記載の樹脂分別方法。
- 前記熱硬化性樹脂と前記熱可塑性樹脂とを含む混合物は廃家電製品等の破砕物を含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂分別方法。
- ウレタン樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物を加熱して熱可塑性樹脂を収縮させる第一の工程と、
前記ウレタン樹脂と前記第一の工程で収縮させた前記熱可塑性樹脂とを比重差により分別する第二の工程と、
分別された前記ウレタン樹脂を化学的に分解する工程と
を有することを特徴とするウレタン樹脂リサイクル方法。 - 熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合物を加熱する加熱装置と、
加熱された前記熱可塑性樹脂と前記熱硬化性樹脂とを比重差により分別する分別装置と
を有することを特徴とする樹脂分別装置。 - 更に、分別された前記熱硬化性樹脂がウレタン樹脂であって、
前記ウレタン樹脂を加熱により化学的に分解して液化ウレタンとする分解装置を有し、
前記加熱装置は前記分解装置から排出された高温の前記液化ウレタンとの熱交換で得られる熱エネルギーを熱源とすることを特徴とする請求項8記載の樹脂分別装置。 - 更に、分別された前記熱可塑性樹脂を燃焼する燃焼装置を有し、
前記加熱装置は前記燃焼で得られる熱エネルギーを熱源とすることを特徴とする請求項8記載の樹脂分別装置。
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2006
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