JP2008022827A - 植栽基材および植物生育方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】植栽する土壌の状況に拘らず、土壌改良機能を有し、安定した植物の生育をすることができる。
【解決手段】鉄鋼製造過程で発生するスラグと、バインダーとを混合して成形体とし、上記スラグが2CaO・SiO2を5重量%以上含み、上記成形体が土壌中において自然崩壊性を有する植栽容器であり、また、植物生育方法は、上記植栽容器を用いて植物を生育する方法であって、苗木または植物の種に適した土壌が満たされた植栽容器を用いて所定期間、苗木または種を育てる工程と、生育後の植栽容器を苗木または種と同時にそのまま、または破砕して該破砕片とともに、苗木または種を土壌に移植する工程とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】鉄鋼製造過程で発生するスラグと、バインダーとを混合して成形体とし、上記スラグが2CaO・SiO2を5重量%以上含み、上記成形体が土壌中において自然崩壊性を有する植栽容器であり、また、植物生育方法は、上記植栽容器を用いて植物を生育する方法であって、苗木または植物の種に適した土壌が満たされた植栽容器を用いて所定期間、苗木または種を育てる工程と、生育後の植栽容器を苗木または種と同時にそのまま、または破砕して該破砕片とともに、苗木または種を土壌に移植する工程とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は植栽基材および植物生育方法に関し、特に土壌改良機能を有する植栽基材およびこの植栽基材を用いた植物の生育方法に関する。
従来植木鉢などの植栽容器は、ポリエチレンを代表とするプラスチックスが多用されている。近年は生分解性樹脂などを利用した素材も利用されるようになっている。
しかし、これらは、いずれも環境に配慮した「土づくり」を基本としていない。プラスチックス類は土壌中では分解されず、生分解性樹脂は土壌中で分解されるが、土壌そのものの改良には寄与しない。
しかし、これらは、いずれも環境に配慮した「土づくり」を基本としていない。プラスチックス類は土壌中では分解されず、生分解性樹脂は土壌中で分解されるが、土壌そのものの改良には寄与しない。
一方、鉄鋼スラグや天然ゼオライト、ピートモスなどの土壌改良資材を土壌に撒布したり、混和したりすることによって土壌改良が従来なされてきた。
例えば、土壌の粒度分布が極端に細かい重粘質土壌、あるいは化学肥料を使った連作による酸性土壌等の土壌改良資材として、最大粒径30mm、平均粒径が2〜30mmの範囲内になるように整粒した鉄鋼スラグおよび/または石炭灰からなる土壌改良資材が知られている(特許文献1)。
また、ロックウール又はロックウール製品の製造工程で発生する副生物を、高炉スラグ、転炉スラグ、製鋼スラグまたは合金鉄スラグを焼成、塊状化した植物育成用材料が知られている(特許文献2)。
しかし、土壌の種類や地力、土壌微生物量、土壌改良資材の種類や、撒布量、混合状態等によって、土壌改良の効果にバラツキが生じる。また、土壌改良は生育される植物との関係が密接であるため、生育される植物を考慮しないと、植栽後の植物の生育に支障をきたす場合がある。
例えば、土壌の粒度分布が極端に細かい重粘質土壌、あるいは化学肥料を使った連作による酸性土壌等の土壌改良資材として、最大粒径30mm、平均粒径が2〜30mmの範囲内になるように整粒した鉄鋼スラグおよび/または石炭灰からなる土壌改良資材が知られている(特許文献1)。
また、ロックウール又はロックウール製品の製造工程で発生する副生物を、高炉スラグ、転炉スラグ、製鋼スラグまたは合金鉄スラグを焼成、塊状化した植物育成用材料が知られている(特許文献2)。
しかし、土壌の種類や地力、土壌微生物量、土壌改良資材の種類や、撒布量、混合状態等によって、土壌改良の効果にバラツキが生じる。また、土壌改良は生育される植物との関係が密接であるため、生育される植物を考慮しないと、植栽後の植物の生育に支障をきたす場合がある。
土壌改良機能を有する植栽容器としては、好気高温菌の発酵処理により製造した熟成コンポストを加熱圧縮加工することにより、作物固有の栽培期間に対応した硬度と強度を持つ循環型有機質固形化栽培容器が開示されている(特許文献3)。
しかし、作物固有の栽培期間が経過すると、土壌改良資材の土壌改良効果が持続しないという問題がある。
特開平11−61119号公報
特開平6−217637号公報
特開2002−142567号公報
しかし、作物固有の栽培期間が経過すると、土壌改良資材の土壌改良効果が持続しないという問題がある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、環境に配慮した「土づくり」を基本として、植栽する土壌の状況に拘らず、土壌改良機能を有し、安定して植物を生育させることができる植栽基材およびこの植栽基材を用いた植物の生育方法の提供を目的とする。
本発明の植栽基材は、鉄鋼製造過程で発生するスラグと、バインダーとを混合して成形体としてなり、上記スラグが2CaO・SiO2を5重量%以上含み、上記成形体が土壌中において自然崩壊性を有することを特徴とする。
また、鉄鋼製造過程で発生するスラグが転炉スラグおよび高炉スラグから選ばれた少なくとも1つのスラグであり、また、上記バインダーが高炉セメントであり、植栽基材全体に対して、高炉セメントの配合量が1〜15重量%であることを特徴とする。
また、上記成形体が植栽容器であることを特徴とする。
本発明の植物生育方法は、上記植栽容器を用いて植物を生育する方法であって、苗木または植物の種に適した土壌が満たされた植栽容器を用いて所定期間、苗木または種を育てる工程と、生育後の植栽容器を苗木または種と同時にそのまま、または破砕して該破砕片とともに、苗木または種を土壌に移植する工程とを有することを特徴とする。
また、鉄鋼製造過程で発生するスラグが転炉スラグおよび高炉スラグから選ばれた少なくとも1つのスラグであり、また、上記バインダーが高炉セメントであり、植栽基材全体に対して、高炉セメントの配合量が1〜15重量%であることを特徴とする。
また、上記成形体が植栽容器であることを特徴とする。
本発明の植物生育方法は、上記植栽容器を用いて植物を生育する方法であって、苗木または植物の種に適した土壌が満たされた植栽容器を用いて所定期間、苗木または種を育てる工程と、生育後の植栽容器を苗木または種と同時にそのまま、または破砕して該破砕片とともに、苗木または種を土壌に移植する工程とを有することを特徴とする。
本発明の植栽基材は、鉄鋼製造過程で発生するスラグ、特に2CaO・SiO2を5重量%以上含む転炉スラグおよび/または高炉スラグを用いることにより、例えばスラグから土壌改良に寄与する微量成分が持続的に溶出することができるので、植栽する土壌の状況に拘らず、土壌改良機能を維持することができる。その結果、安定した植物の生育が可能となる。また、バインダーとして高炉セメントを1〜15重量%配合するので、土壌中において自然崩壊しやすくなる。
本発明の植物生育方法は、植栽容器そのものが土壌改良機能を維持する植栽基材を用いるので、環境に配慮した「土づくり」を行ないながら植物を生育させることができる。
本発明の植物生育方法は、植栽容器そのものが土壌改良機能を維持する植栽基材を用いるので、環境に配慮した「土づくり」を行ないながら植物を生育させることができる。
本発明で使用できる鉄鋼製造過程で発生するスラグとしては、高炉スラグ、転炉スラグ、酸化スラグ、還元スラグを含む製鋼電気炉スラグ、合金鉄スラグ、電気炉スラグ等が挙げられる。
これらのスラグの中でも、鉄鋼製造過程で安定して発生する高炉スラグまたは転炉スラグであって、2CaO・SiO2を含有する可溶性ケイ酸を含むスラグが好ましい。特にスラグ全体に対して2CaO・SiO2を5重量%以上含む高炉スラグまたは転炉スラグが好ましい。高炉スラグと転炉スラグとは単独でも混合物としても使用できる。
これらのスラグの中でも、鉄鋼製造過程で安定して発生する高炉スラグまたは転炉スラグであって、2CaO・SiO2を含有する可溶性ケイ酸を含むスラグが好ましい。特にスラグ全体に対して2CaO・SiO2を5重量%以上含む高炉スラグまたは転炉スラグが好ましい。高炉スラグと転炉スラグとは単独でも混合物としても使用できる。
高炉スラグは、製鉄所の高炉で溶融された鉄鉱石の鉄以外の成分が副原料の石灰石やコークス中の灰分と一緒になり分離回収されたものであり、ケイ酸やカルシウムが多く含まれている。
高炉スラグ成分例としては、可溶性石灰35〜45重量%、酸化鉄0.4〜2.4重量%、可溶性ケイ酸30〜40重量%(2CaO・SiO28〜10重量%)、く溶性マグネシウム2〜6重量%、く溶性マンガン0.3〜1.7重量%、く溶性ホウ素約0.01重量%以下が挙げられる。
高炉スラグ成分例としては、可溶性石灰35〜45重量%、酸化鉄0.4〜2.4重量%、可溶性ケイ酸30〜40重量%(2CaO・SiO28〜10重量%)、く溶性マグネシウム2〜6重量%、く溶性マンガン0.3〜1.7重量%、く溶性ホウ素約0.01重量%以下が挙げられる。
転炉スラグは、高炉で製造された銑鉄から不純物を取り除き、さらに生石灰やケイ石などの副原料を加えて加工性の高い鋼にする過程で発生したものであり、ケイ酸やカルシウム以外にマグネシウム、リン酸、鉄、マンガン、ホウ素などの微量要素を含有している。 転炉スラグ成分例としては、可溶性石灰35〜45重量%、酸化鉄10〜30重量%、可溶性ケイ酸10〜40重量%(2CaO・SiO28〜30重量%)、く溶性マグネシウム2〜5重量%、く溶性マンガン3〜5重量%、く溶性リン酸1〜3重量%、く溶性ホウ素約0.01〜0.1重量%が挙げられる。
本発明においては、スラグ全体に対して、2CaO・SiO2含量が5重量%以上の転炉スラグが好ましい。これは2CaO・SiO2がケイ酸(SiO2)を溶出しやすく、またリン酸を高濃度含むことによる。転炉スラグは植栽容器として用いられるときに、容器に満たされる土壌や肥料とともに、スラグに含まれる成分が苗木または種を育てる成分として徐々に溶出する。その際、2CaO・SiO2含量が高く、その他微量成分が多く含まれれば、それだけ有効成分の溶出が高くなり、移植後は移植された土壌の改良に寄与する。
バインダーは成型副資材であり、鉄鋼スラグに配合して成型体とするために使用される。このバインダーは、自立した植栽容器を形成できるとともに、土壌中に埋設しても土壌に悪影響を与えないものであれば使用できる。バインダーとしては高炉セメント、リグニンスルフォン酸カルシウム、糖蜜、コーンスターチ、PVA(ポリビニルアルコール)、ベントナイト、貝殻粉、消石灰、フライアッシュ、石膏等が挙げられる。その中でも肥料効果の高い高炉セメントが特に好ましい。これらの混合割合により崩壊性が制御できる。
上記バインダーの配合割合を変えることで、それぞれの用途にあった植物基材の崩壊性を制御できる。スラグとして転炉スラグを、バインダーとして高炉セメントを例にとれば、例えば、野菜用(キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、カリフラワー、チンゲンサイ、ホウレンソウ、ネギ、レタス、トマト、ナス、キュウリ、メロン、スイカ、カボチャ、イチゴ、ピーマン、トウガラシ、ネギ等)には、鉄鋼スラグとバインダーとの配合比率が、重量比で95:5〜99:1の範囲、好ましくは96:4〜98:2の範囲である。花用(パンジー、ビオラ、マリーゴールド、インパチェンス、コリウス、サルビア、ニチニチソウ、ベゴニア、ハボタン、バーベナ、ゼラニウム、ペチュニア等)には、鉄鋼スラグとバインダーとの配合比率が、重量比で90:10〜95:5の範囲、好ましくは93:7〜94:6の範囲である。植木用(サツキ、ツツジ、ツバキ、サザンカ、コニファー、モミジ、ハナミズキ、マツ等)には、鉄鋼スラグとバインダーとの配合比率が、重量比で85:15〜90:10の範囲、好ましくは87:13〜88:12の範囲である。
本植栽容器において、バインダーの含有率が1重量%未満となると成型しにくくなり、15重量%以上になると崩壊性が著しく劣化する。
本植栽容器において、バインダーの含有率が1重量%未満となると成型しにくくなり、15重量%以上になると崩壊性が著しく劣化する。
鉄鋼スラグとバインダーとを混合して成型する方法としては、混合物に水を加えて成型した後乾燥する方法、該乾燥後さらに焼成する方法、混合物を型に入れて圧縮成型する方法を挙げることができる。
これらの中で崩壊性を制御するには容易であることから、より成型精度の高い混合物を型に入れて圧縮成型する方法が好ましい。
これらの中で崩壊性を制御するには容易であることから、より成型精度の高い混合物を型に入れて圧縮成型する方法が好ましい。
成型体の形状としては、植栽容器、棒状体、板状体、球状体とすることができる。植栽容器は苗木などの植木鉢として使用することができ、容器ごと目的とする土壌に移植できるので好ましい成型体である。また、棒状体や板状体とすることで花壇などの囲いに用いることができ、球状体は土壌改良剤として使用するのに好適な使用形態である。
植栽容器としての植木鉢を図1に示す。図1は植木鉢の斜視図である。
植木鉢1は、その下部に複数の連通孔2が形成されている。連通孔2は植木鉢の側面に形成されている連通孔2aであっても、植木鉢の底面に形成されている連通孔2bであってもよい。
また、側面連通孔2aについては、底面からの距離が崩壊性と生育性に関わっており、底面からの距離は、植栽容器の高さhとした場合、h/2以下、好ましくはh/10〜h/3程度の範囲内が好ましい。
植木鉢1は、その下部に複数の連通孔2が形成されている。連通孔2は植木鉢の側面に形成されている連通孔2aであっても、植木鉢の底面に形成されている連通孔2bであってもよい。
また、側面連通孔2aについては、底面からの距離が崩壊性と生育性に関わっており、底面からの距離は、植栽容器の高さhとした場合、h/2以下、好ましくはh/10〜h/3程度の範囲内が好ましい。
上記連通孔2を設けるのは、崩壊性を考慮することと土壌との接触面積を考えての理由である。そこで、まず連通孔2bの底面連結孔占有面積算出法を次ぎに示す。図2は植木鉢の底面を表す図である。
図2において、底面半径をrcmとした場合、底面積はr2π。連通孔数を最大5個とすると、連通孔5つの面積は、r/3×r/3×π×5=5/9πr2。ゆえに連通孔最大占有率は(5/9πr2)/(r2π)×100=約55%。従って連結孔占有面積は55%以下、強度を考慮すると好ましくは20〜30%となる。
図2において、底面半径をrcmとした場合、底面積はr2π。連通孔数を最大5個とすると、連通孔5つの面積は、r/3×r/3×π×5=5/9πr2。ゆえに連通孔最大占有率は(5/9πr2)/(r2π)×100=約55%。従って連結孔占有面積は55%以下、強度を考慮すると好ましくは20〜30%となる。
上記植栽容器を用いる植物生育方法について説明する。
植栽容器の中に苗木または植物の種に適した土壌を満たす。この土壌には生育される苗木等に応じて肥料が適量配合されている。この植栽容器の中で所定期間、苗木または種を生育する。生育する期間は苗木または植物の種に応じて定められる。
その後、生育した苗木または種を植栽容器のまま目的とする土壌に移植する。または、移植するときに植栽容器を破砕して該破砕片とともに目的とする土壌に移植する。植栽容器は土壌改良材として作用する。
植栽容器の中に苗木または植物の種に適した土壌を満たす。この土壌には生育される苗木等に応じて肥料が適量配合されている。この植栽容器の中で所定期間、苗木または種を生育する。生育する期間は苗木または植物の種に応じて定められる。
その後、生育した苗木または種を植栽容器のまま目的とする土壌に移植する。または、移植するときに植栽容器を破砕して該破砕片とともに目的とする土壌に移植する。植栽容器は土壌改良材として作用する。
実施例1、比較例1
植栽基材として、転炉スラグが植物の生育に及ぼす影響を調べた。
実験圃場において、転炉スラグ(平均粒子径5mm以下が90重量%以上、2CaO・SiO2が5重量%、高炉セメント1重量%含有)を畑に10アールあたり2トン投入し、キャベツ(春岬)を秋(9月)に定植した。土壌pHは転炉スラグ投入前が6.8、投入後13日後はpH7.6、1ケ月後はpH7.4、6ケ月後はpH7.2と推移した。定植してから3ケ月と12日経過後に玉伸びを調査した。結果を図3に示す。図3(a)は実施例1の結果であり、図3(b)は転炉スラグを投入しなかった慣行栽培区の例(比較例1)である。
図3に示すように、キャベツの玉伸びは慣行栽培区の11.0cmに対し、14.0cmと生育が進んだ。定植してから6ケ月後の収穫終了時点での収穫量は慣行栽培区に比べてやや多く、秀品率もやや高かった。
植栽基材として、転炉スラグが植物の生育に及ぼす影響を調べた。
実験圃場において、転炉スラグ(平均粒子径5mm以下が90重量%以上、2CaO・SiO2が5重量%、高炉セメント1重量%含有)を畑に10アールあたり2トン投入し、キャベツ(春岬)を秋(9月)に定植した。土壌pHは転炉スラグ投入前が6.8、投入後13日後はpH7.6、1ケ月後はpH7.4、6ケ月後はpH7.2と推移した。定植してから3ケ月と12日経過後に玉伸びを調査した。結果を図3に示す。図3(a)は実施例1の結果であり、図3(b)は転炉スラグを投入しなかった慣行栽培区の例(比較例1)である。
図3に示すように、キャベツの玉伸びは慣行栽培区の11.0cmに対し、14.0cmと生育が進んだ。定植してから6ケ月後の収穫終了時点での収穫量は慣行栽培区に比べてやや多く、秀品率もやや高かった。
実施例2〜実施例4、および比較例2
野菜用として転炉スラグ(平均粒子径5mm以下が90重量%以上、2CaO・SiO2が20重量%)と高炉セメントとの配合重量比率を96:4(実施例2)、花用として同転炉スラグと同高炉セメントとの配合重量比率を93:7(実施例3)、植木用として同転炉スラグと同高炉セメントとの配合重量比率を87:13(実施例4)として圧縮成形して植栽容器としての植木鉢(直径15cm、高さ18cm、底面に直径1cmの連通孔を5個設けた)を作製した。また、対照に花用としてポリエチレン製ビニールポット(比較例2)を準備した。
各実施例毎に10個の植木鉢を準備して、それぞれに植栽して、かん水毎日一回、25℃条件下で静置し、所定期間経過後に10kg/cm3の力を植木鉢側面から加えて破壊するかどうかを試験した。破壊しないで残存する植木鉢の割合を残存率として算出した。結果を図4に示す。
野菜用として転炉スラグ(平均粒子径5mm以下が90重量%以上、2CaO・SiO2が20重量%)と高炉セメントとの配合重量比率を96:4(実施例2)、花用として同転炉スラグと同高炉セメントとの配合重量比率を93:7(実施例3)、植木用として同転炉スラグと同高炉セメントとの配合重量比率を87:13(実施例4)として圧縮成形して植栽容器としての植木鉢(直径15cm、高さ18cm、底面に直径1cmの連通孔を5個設けた)を作製した。また、対照に花用としてポリエチレン製ビニールポット(比較例2)を準備した。
各実施例毎に10個の植木鉢を準備して、それぞれに植栽して、かん水毎日一回、25℃条件下で静置し、所定期間経過後に10kg/cm3の力を植木鉢側面から加えて破壊するかどうかを試験した。破壊しないで残存する植木鉢の割合を残存率として算出した。結果を図4に示す。
実施例5
植栽容器を破砕して植物と共に土壌に混和した場合の生育に及ぼす影響を調べた。
鉄鋼プロセスで発生する転炉スラグ(平均粒子径5mm以下が90重量%以上、2CaO・SiO2が20重量%)に高炉セメントをスラグ:セメントが87:13の重量割合で配合して、混合物を型に入れて圧縮成形する方法で植栽容器としての植木鉢(直径15cm、高さ18cm、底面に直径1cmの連通孔を5個設けた)を成型した。この植木鉢に、あらかじめ肥料として化成肥料を重量で5%調合した土を満たし、サツキの苗木を植えた。発芽後、畑に植え替えを実施するときに、植木鉢を砕き、破片ごと移植した。移植60日後の生育状況を調査した結果、良好な生育を示した。
植栽容器を破砕して植物と共に土壌に混和した場合の生育に及ぼす影響を調べた。
鉄鋼プロセスで発生する転炉スラグ(平均粒子径5mm以下が90重量%以上、2CaO・SiO2が20重量%)に高炉セメントをスラグ:セメントが87:13の重量割合で配合して、混合物を型に入れて圧縮成形する方法で植栽容器としての植木鉢(直径15cm、高さ18cm、底面に直径1cmの連通孔を5個設けた)を成型した。この植木鉢に、あらかじめ肥料として化成肥料を重量で5%調合した土を満たし、サツキの苗木を植えた。発芽後、畑に植え替えを実施するときに、植木鉢を砕き、破片ごと移植した。移植60日後の生育状況を調査した結果、良好な生育を示した。
本発明の植栽基材は、植栽する土壌の状況に拘らず、土壌改良機能を維持しながら安定した植物の生育が可能となるので、広範囲の植栽分野に応用できる。
また、本発明の植物生育方法は、上記植栽基材を用いるので、環境に配慮した「土づくり」を行ないながら植物を生育させることができる。
また、本発明の植物生育方法は、上記植栽基材を用いるので、環境に配慮した「土づくり」を行ないながら植物を生育させることができる。
1 植木鉢
2 連通孔
2 連通孔
Claims (5)
- 鉄鋼製造過程で発生するスラグと、バインダーとを混合して成形体とした植栽基材であって、
前記スラグが2CaO・SiO2を5重量%以上含み、前記成形体が土壌中において自然崩壊性を有することを特徴とする植栽基材。 - 前記スラグが転炉スラグおよび高炉スラグから選ばれた少なくとも1つのスラグであることを特徴とする請求項1記載の植栽基材。
- 前記バインダーが高炉セメントであり、植栽基材全体に対して、前記高炉セメントの配合量が1〜15重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の植栽基材。
- 前記成形体が植栽容器であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の植栽基材。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の植栽基材を用いて植物を生育する方法であって、
苗木または植物の種に適した土壌が満たされた植栽容器を用いて所定期間、前記苗木または種を育てる工程と、
前記植栽容器をそのまま、または破砕して該破砕片とともに、土壌に移植する工程とを有することを特徴とする植物生育方法。
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