JP2008022332A - 振動膜ユニット、これを備えるシリコンマイクロホン、および振動膜ユニットの製造方法 - Google Patents

振動膜ユニット、これを備えるシリコンマイクロホン、および振動膜ユニットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特性の均一化し、感度の高い振動膜ユニットおよびこれを備えるシリコンマイクロホンを提供する。
【解決手段】シリコンマイクロホン10は、ダイアフラム21を形成する面方位(111)のシリコン層20と、シリコン層20に貼り付けられシリコン層20とは反対側の端部からシリコン層20へ至るキャビティ12を有し面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板11とを備える。面方位(111)のシリコン層20は、面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板11をエッチングしてキャビティ12を形成する際に、シリコン基板11のエッチング液に冒されにくい。そのため、シリコン層20はシリコン基板11のエッチングの際のストッパ層となる。したがって、ダイアフラム21を形成するシリコン層20の板厚は、精密に制御され、特性が均一化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動膜ユニット、これを備えるシリコンマイクロホン、および振動膜ユニットの製造方法に関する。
従来、半導体デバイスの製造プロセスを応用して製造可能な振動膜ユニットが知られている。振動膜ユニットは、例えばシリコンマイクロホンおよび圧力センサなどに適用される。振動膜ユニットは、音波や圧力変化によって振動する振動部と、振動部に対向して配置されるプレートとを備えている。そして、振動膜ユニットは、振動部およびプレートのそれぞれに可動電極および固定電極を有している。振動膜ユニットは、振動部とプレートとの間に絶縁体のスペーサが挟まれている。これにより、振動部およびプレートの対向する電極の間には、コンデンサが形成される。このような振動膜ユニットでは、音波や圧力変化によって振動部が振動すると、その振動によってコンデンサの容量が変化する。そして、振動膜ユニットは、このコンデンサの容量の変化を電気信号として出力する。
上記のような振動膜ユニットの場合、振動部およびプレートは、シリコン基板の一部を所定の厚さまでエッチングすることにより形成される。工業的に振動膜ユニットを大量に生産する場合、振動膜ユニットの特性を安定させるためには振動部およびプレートの板厚を均一に加工する必要がある。そこで、特許文献1では、単結晶のシリコン基板に高濃度のホウ素をドーピングしたドーピング部を形成している。そして、形成したドーピング部をストッパとしてエッチングすることにより、振動部およびプレートの板厚の均一化を図っている。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、ホウ素を高濃度にドーピングする必要がある。そのため、振動部およびプレートに加わる引っ張り応力が増大する。その結果、振動部の振動性の悪化を招き、感度が低下するという問題がある。
特開2002−095093公報
そこで、本発明の目的は、特性の均一化し、感度の高い振動膜ユニットおよびこれを備えるシリコンマイクロホンを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、均一な板厚の設定が容易であり、感度の高い振動膜ユニットの製造方法を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために本発明の振動膜ユニットは、面方位(111)のシリコン層と、前記シリコン層に貼り付けられ、前記シリコン層とは反対側の端部から前記シリコン層へ至る板厚方向の開口を有し、面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板と、を備える。
面方位(111)のシリコン層は、面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板とエッチング特性が異なる。そのため、面方位(111)のシリコン層と面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板とはエッチングされる個所が異なり、面方位(111)のシリコン層はエッチングのストッパ層として機能する。これにより、面方位(110)のシリコン層によってエッチングの進行が低減し、シリコン層の板厚の高精度な制御が容易である。したがって、特性を均一化させることができる。
また、シリコン層をエッチングのストッパ層とすることにより、例えばイオンのドーピングなどによるシリコン層の応力の変化が低減される。そのため、シリコン層への過大な応力の作用が低減される。したがって、感度を高めることができる。
(2)本発明のシリコンマイクロホンは、請求項1記載の振動膜ユニットを備えるシリコンマイクロホンであって、ダイアフラムと、前記ダイアフラムと所定の距離を形成して対向するプレートとを備え、前記ダイアフラムまたは前記プレートの少なくともいずれか一方は、前記シリコン層で形成されている。
ダイアフラムまたはプレートの少なくとも一方は、面方位(111)のシリコン層から形成されている。そのため、ダイアフラムまたはプレートは、いずれも板厚が精密に制御される。したがって、特性を均一化することができるとともに、感度を高めることができる。
(3)上記目的を達成するために本発明の振動膜ユニットの製造方法は、面方位(111)のシリコン層と面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板とを貼り付ける段階と、前記シリコン層が貼り付けられた前記シリコン基板の前記シリコン層とは反対側から、前記シリコン基板を前記シリコン層に至るまでアルカリ溶液でエッチングし、前記シリコン基板に開口を形成する段階と、を含む。
面方位(111)のシリコン層は、面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板とエッチング特性が異なる。そのため、例えばアルカリ溶液などのように、面方位(111)のシリコン層を冒しにくいエッチング液を用いてシリコン層とは反対側からシリコン基板をエッチングすると、面方位(111)のシリコン層はエッチングのストッパ層として機能する。これにより、面方位(111)のシリコン層によってエッチングの進行が低減し、シリコン層の板厚の高精度な制御が容易である。したがって、シリコン層の板厚を容易に均一に設定することができる。
例えば、面方位(111)のシリコンウェーハを研磨して所定の厚さに設定したシリコン層をシリコン基板に貼り付け、シリコン基板をエッチングすることにより、シリコン層の厚さは所定の厚さとなる。また、例えばシリコン層とシリコン基板とを貼り付けた後、シリコン層を研磨して所定の厚さに設定し、シリコン基板をエッチングすることにより、シリコン層の厚さは所定の厚さとなる。このように、シリコン層の厚さは、容易に均一に設定することができる。
また、シリコン層をエッチングのストッパ層とすることにより、例えばイオンのドーピングなどによるシリコン層の応力の変化が低減される。そのため、シリコン層への過大な応力の作用が低減される。したがって、感度を高めることができる。
(4)本発明の振動膜ユニットの製造方法は、前記シリコン基板に貼り付けられた前記シリコン層に、イオンをドーピングして前記シリコン層の応力を制御する段階を含む。
シリコン層は、例えば線膨張係数などの物性がシリコン基板と異なる。そのため、温度の変化によって、シリコン基板に貼り付けられたシリコン層には引っ張りまたは圧縮の応力が加わる。一方、シリコン層の物性は、ドーピングするイオンの量によって変化する。そこで、シリコン基板に貼り付けられたシリコン層に、イオンをドーピングすることによって、シリコン層の応力は制御することができる。すなわち、シリコン層にドーピングするイオンの量を制御することにより、シリコン層とシリコン基板との物性を近似させることができる。その結果、シリコン層に加わる応力は低減される。したがって、感度を高めることができる。
(5)本発明の振動膜ユニットの製造方法は、前記シリコン層の応力を制御するときドーピングされるイオンの量は、前記シリコン基板に貼り付けられた前記シリコン層に引っ張り応力が加わる値に設定されている。
上記のように、シリコン層にドーピングするイオンの量によって、シリコン層に加わる応力は制御することができる。例えばシリコンマイクロホンまたは圧力センサなどに振動膜ユニットを適用する場合、シリコン層で形成されるダイアフラムまたはプレートに適度な引っ張り応力が加わることにより、感度が向上することがある。そこで、本発明の振動膜ユニットの製造方法では、ドーピングするイオンの量を、シリコン層に適度な引っ張り応力が加わる値に設定する。したがって、感度を高精度の制御することができるとともに、容易に感度を向上することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態において実質的に同一の構成要素には同一の符号を付している。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による振動膜ユニットを適用したシリコンマイクロホンを図1に示す。図1に示すシリコンマイクは、半導体製造プロセスを適用して製造される。
シリコンマイクロホン10は、シリコン基板11、シリコン層20および導電層部30を備えている。シリコン基板11は、面方位(100)または面方位(110)のシリコン単結晶によって形成されている。シリコン基板11は、開口部としてのキャビティ12を有している。キャビティ12は、シリコン基板11の板厚方向においてシリコン基板11のシリコン層20とは反対側の端面13からシリコン層20まで形成されている。キャビティ12は、端面13からシリコン層20側へ行くにしたがって断面積が小さくなる錘状に形成されている。
シリコン層20は、シリコン基板11と異なり面方位(111)のシリコン単結晶からなる。面方位(111)のシリコン層20は、シリコン基板11に貼り付けられている。シリコン層20は、シリコン基板11の端面13とは反対側の端面14に貼り付けられている。シリコン基板11のキャビティ12の外周側は、シリコン層20を支持する支持部15を形成している。これにより、シリコン層20のうちキャビティ12を覆う部分すなわち支持部15に固定されていない部分は、音波すなわち圧力変化によって振動する振動部としてのダイアフラム21を形成する。
シリコン層20のシリコン基板11とは反対側には、絶縁層部40が積層されている。絶縁層部40は、例えば二酸化ケイ素などで形成される酸化物の層である。絶縁層部40は、内周側に開口部41を有している。絶縁層部40のうち開口部41の外周側は、導電層部30を支持する支持部42を形成している。
導電層部30は、絶縁層部40のシリコン層20とは反対側に積層されている。導電層部30は、例えばリンが不純物としてドーピングされたポリシリコンなどで形成される導電性の層である。導電層部30の外周側は、絶縁層部40が形成する支持部42に支持されている。これにより、導電層部30のうち開口部41に露出する部分すなわち支持部42に固定されていない部分は、ダイアフラム21に対向するプレート31を形成する。プレート31は、複数の通孔32を有している。通孔32は、プレート31を形成する導電層部30を板厚方向に貫いている。導電層部30とシリコン層20との間は、絶縁体である絶縁層部40によって電気的に絶縁されている。
ダイアフラム21およびシリコン基板11は、バイアス電源51に接続している。具体的には、バイアス電源51は、リード52を経由してダイアフラム21を形成するシリコン層20に接続している。リード52は、シリコン層20に設置された電極53に接続している。シリコン基板11およびシリコン層20は、いずれも導電性である。そのため、ダイアフラム21とシリコン基板11とは、実質的に同一の電位となる。一方、プレート31は、オペアンプ54の入力端子に接続している。具体的には、オペアンプ54は、リード55を経由してプレート31を形成する導電層部30に接続している。リード55は、導電層部30に設置された電極56に接続している。オペアンプ54は、入力インピーダンスが高く設定されている。
音波にともなう圧力の変化がプレート31の通孔32を経由してダイアフラム21に伝搬すると、ダイアフラム21は圧力の変化にともなって振動する。ダイアフラム21の振動によって、ダイアフラム21とプレート31との間の距離は変化する。ダイアフラム21とプレート31との間に挟まれる空間は、絶縁体である空気で満たされている。そのため、ダイアフラム21とプレート31との間の距離が変化することによって、ダイアフラム21とプレート31との間の静電容量が変化する。
プレート31は、入力インピーダンスの高いオペアンプ54に接続している。そのため、ダイアフラム21およびプレート31の静電容量が変化しても、プレート31に存在する電荷のオペアンプ54への移動量はわずかである。その結果、ダイアフラム21およびプレート31に存在する電荷の変化は、ほとんど無いとみなすことができる。これにより、ダイアフラム21とプレート31との間の静電容量の変化は、プレート31の電位の変化として検出される。したがって、シリコンマイクロホン10は、静電容量の変化にともなうプレート31の電位のわずかな変化を電気信号として出力する。すなわち、シリコンマイクロホン10は、ダイアフラム21に加わる音圧の変化または圧力の変化を静電容量の変化に変換するとともに、変換した静電容量の変化を電圧の変化へ変換することにより、音圧または圧力の変化に相関する電気信号を出力する。
次に、上記第1実施形態によるシリコンマイクロホン10の製造方法について図2および図3に基づいて説明する。
図2(A1)に示すように、面方位(111)の単結晶シリコンからなるシリコン層81は、面方位(100)または面方位(110)の単結晶シリコンからなるシリコン基板82に貼り付けられる。シリコン層81は、例えば直接接合によりシリコン基板82に貼り付けられる。シリコン基板82に貼り付けられたシリコン層81は、研削あるいはCMP(化学的機械研磨)によって所望の厚さに設定される。なお、シリコン層81は、研削あるいはCMPにより所望の厚さに設定した後、シリコン基板82に貼り付けてもよい。
また、シリコン層81は、シリコン基板82に貼り付けた後、イオンのドーピングを実施してもよい。シリコン層81にイオンをドーピングすることにより、シリコン層81の物性が変化する。面方位(111)の単結晶シリコンからなるシリコン層81は、面方位(100)または面方位(110)の単結晶シリコンからなるシリコン基板82と例えば線膨張係数などの物性が異なる。そのため、シリコン基板82に貼り付けられたシリコン層81には、温度の変化などによって応力が生じる。そこで、シリコン層81にイオンをドーピングすることにより、シリコン層81の物性を変更し、シリコン層81に生じる応力を制御することができる。例えば、(111)面方位のシリコン層81にホウ素(B)を1017から1018(個/cm3)程度ドーピングし、応力を制御する。なお、ホウ素(B)に限らず他のイオン種をドーピングしてもよく、複数のイオン種をドーピングしてもよい。
一方、ダイアフラム21を形成するシリコン層81にわずかな引っ張り応力が加わることにより、シリコンマイクロホン10の感度は向上する。そのため、例えばシリコン層81にドーピングするイオンの量を、シリコン層81にわずかな引っ張り応力が生じるように設定することにより、シリコンマイクロホン10の感度が高められる。このように、シリコン層81へドーピングするイオンの量を制御することにより、シリコンマイクロホン10の感度を高めることができる。
シリコン基板82へのシリコン層81の貼り付け、シリコン層81の研磨およびイオンのドーピングが終了すると、図2(A2)に示すようにシリコン層81のシリコン基板82とは反対側に絶縁層部83が積層される。絶縁層部83は、例えば二酸化ケイ素などの絶縁体によって形成される。
絶縁層部83が形成されると、図2(A3)に示すように導電層部84が形成される。導電層部84は、まず絶縁層部83のシリコン層81とは反対側の端面にポリシリコンを堆積することにより形成される。堆積されたポリシリコンからなる導電層部84は、レジストによって所定のパターンがマスキングされる。レジストによってマスキングされた導電層部84を例えば反応性イオンエッチング(RIE)などでパターニングすることにより、導電層部84は選択的に除去される。その結果、導電層部84による所定のパターンが形成される。そして、レジストを除去することにより、導電層部84の形成は終了する。
導電層部84が形成されると、図2(A4)に示すように絶縁層部83の一部が除去される。絶縁層部83は、レジストによってマスキングされた後、例えばRIEによってパターニングすることにより、選択的に除去される。
また、シリコン基板82のシリコン層81とは反対側の端面85には、マスク86が形成される。マスク86は、例えば二酸化ケイ素によって形成される。マスク86は、まずシリコン基板82の端面85の全面に二酸化ケイ素からなる薄膜を形成する。そして、二酸化ケイ素からなる薄膜をレジストによってマスキングした後、例えばバッファードフッ酸などによってパターニングすることにより、二酸化ケイ素からなる薄膜は選択的に除去される。その結果、二酸化ケイ素の薄膜からなる所定の形状のマスク86が形成される。マスク86を形成すると、二酸化ケイ素からなる薄膜をマスキングするレジストは除去される。
絶縁層部83の除去およびマスク86の形成が終了すると、図3(A5)に示すように電極87が形成される。電極87は、例えばアルミニウムなどの導電性の金属によって形成される。電極87は、まず導電層部84およびシリコン層81にレジストによって所定の形状のマスクを形成した後、アルミニウムなどの金属をスパッタリングすることにより形成される。スパッタリングによる電極87の形成が終了すると、マスクは除去される。
電極87が形成されると、図3(A6)に示すように端面85側からシリコン基板82の異方性エッチングを行う。シリコン基板82の異方性エッチングは、異方性のあるKOH(水酸化カリウム)水溶液またはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液などのアルカリ性のエッチング液によって行う。これにより、マスク86から露出する面方位(100)または面方位(110)の単結晶シリコンからなるシリコン基板82は、選択的にエッチングされる。そのため、シリコン基板82には、キャビティ12となる開口88が形成される。
ここで、シリコン層81は、面方位(111)の単結晶シリコンで形成されている。そのため、シリコン基板82と面方位の異なるシリコン層81は、シリコン基板82をエッチングするエッチング液に冒されない。したがって、エッチング液によるシリコン基板82のエッチングは、シリコン層81へ到達することにより終了する。すなわち、シリコン層81はエッチングのストッパ層となり、シリコン基板82に形成されるキャビティ12となる開口88はシリコン層81に形成されない。その結果、過剰なエッチングが防止され、ダイアフラム21を形成するシリコン層81の板厚は高精度に確保される。
シリコン基板82のエッチングが終了すると、レジストによって電極87を覆うマスク89が形成される。なお、マスク89を形成した後、シリコン基板82をエッチングしてもよい。
マスク89が形成されると、図3(A7)に示すように二酸化ケイ素からなる絶縁層部83の一部およびマスク86がエッチングにより除去される。マスク86が形成された図3(A6)に示す結果物は、例えばバッファードフッ酸に浸漬することよって、二酸化ケイ素からなる絶縁層部83の一部およびマスク86が選択的に除去される。絶縁層部83の一部およびマスク86のエッチングが完了すると、レジストからなるマスク89が除去される。
以上の工程の後、ダイシングおよびパッケージングなどの工程を経てシリコンマイクロホン10が完成する。
第1実施形態によるシリコンマイクロホン10では、シリコン層20を面方位(111)のシリコン単結晶で形成している。そのため、面方位(100)または面方位(110)のシリコン単結晶からなるシリコン基板11をエッチングしてキャビティ12を形成する場合、シリコン層20はエッチングのストッパ層となる。そのため、シリコン基板11のエッチングは、シリコン層20で停止する。これにより、ダイアフラム21を形成するシリコン層20の板厚は高精度に確保される。したがって、シリコンマイクロホン10の個体間でダイアフラム21となるシリコン層20の板厚を均一化することができ、感度特性を安定化し、感度を高めることができる。
また、第1実施形態では、シリコン層20にドーピングするイオンの量を制御することにより、シリコン層20に生じる応力は制御される。これにより、ダイアフラム21に生じる応力を制御することができ、感度を高めることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による振動膜ユニットを適用したシリコンマイクロホンを図4に示す。第2実施形態によるシリコンマイクロホン210は、ダイアフラムとプレートとの位置関係が第1実施形態と異なる。
シリコンマイクロホン210は、シリコン基板211を備えている。シリコン基板211は、第1実施形態と同様に面方位(100)または面方位(110)のシリコン単結晶によって形成されている。シリコン基板211は、開口部としてのキャビティ212を有している。シリコン基板211は、キャビティ212の外周側に支持部215を有している。
シリコン基板211には、シリコン層220が貼り付けられている。シリコン層220は、面方位(111)のシリコン単結晶によって形成されている。シリコン層220は、プレート231を形成している。シリコン層220は、シリコン基板211の端面213とは反対側の端部に貼り付けられている。プレート231は、複数の通孔232を有している。通孔232は、プレート231を形成するシリコン層220を板厚方向に貫いている。シリコン層220のうちキャビティ212に露出している部分すなわち支持部215に固定されていない部分は、プレート231となる。
シリコン層220のシリコン基板211とは反対側には、絶縁層部240が積層されている。絶縁層部240は、例えば二酸化ケイ素などで形成される酸化物の層である。絶縁層部240は、内周側に開口部241を有している。
絶縁層部240のシリコン層220とは反対側には、導電層部230が積層されている。導電層部230は、例えばリンが不純物としてドーピングされたポリシリコンなどで形成される導電性の層である。導電層部230の外周側は、絶縁層部240が形成する支持部242に支持されている。これにより、導電層部230のうち開口部241に露出する部分すなわち支持部242に固定されていない部分は、プレート231に対向するダイアフラム221を形成する。導電層部230とシリコン層220との間は、絶縁体である絶縁層部240によって電気的に絶縁されている。
以上のように、第2実施形態では、シリコン基板211側からプレート231およびダイアフラム221の順で配置されている。すなわち、シリコン層220はプレート231を形成し、導電層部230はダイアフラム221を形成している。
次に、上記第2実施形態によるシリコンマイクロホン210の製造方法について図5に基づいて説明する。
図5(B1)に示すように、面方位(111)の単結晶シリコンからなるシリコン層281は、面方位(100)または面方位(110)の単結晶シリコンからなるシリコン基板282に貼り付けられる。シリコン層281は、例えば直接接合によりシリコン基板282に貼り付けられる。シリコン基板282に貼り付けられたシリコン層281は、研削あるいはCMPによって所望の厚さに設定される。なお、シリコン層281は、研削あるいはCMPにより所望の厚さに設定した後、シリコン基板282に貼り付けてもよい。また、シリコン層281は、シリコン基板282に貼り付けた後、イオンのドーピングを実施してもよい。
シリコン基板282へのシリコン層281の貼り付け、シリコン層281の研磨およびイオンのドーピングが終了すると、図5(B2)に示すようにシリコン層281のシリコン基板282とは反対側に絶縁層部283が積層される。絶縁層部283は、例えば二酸化ケイ素などの絶縁体によって形成される。
このとき、絶縁層部283の形成に先立ってシリコン層281に通孔232となる開口291を形成するために、シリコン層281はエッチングされる。シリコン層281のエッチングは、シリコン層281のシリコン基板282とは反対側の面にレジストからなるマスクを形成した後、例えばRIEなどでパターニングすることにより、シリコン層281は選択的に除去される。その結果、シリコン層281には、通孔232となる開口291が形成される。そして、レジストを除去することにより、シリコン層281の開口291の形成は終了する。
シリコン層281のエッチングが終了すると、シリコン基板282およびシリコン層281を覆う絶縁層部283が形成される。
絶縁層部283が形成されると、図5(B3)に示すように導電層部284を形成し、導電層部284および絶縁層部283の一部をパターニングする。具体的には、まず絶縁層部283のシリコン層281とは反対側にポリシリコンを堆積することにより、導電層部284が形成される。導電層部284が形成されると、導電層部284の絶縁層部283とは反対側はレジストによってマスクされる。そして、マスクから露出する導電層部284および絶縁層部283を例えばRIEによって選択的に除去することにより、導電層部284および絶縁層部283はパターニングされる。
導電層部284の形成、ならびに導電層部284および絶縁層部283の一部のパターニングが終了すると、図5(B4)に示すようにシリコン基板282のシリコン層281とは反対側の端面285には、マスク286が形成される。マスク286は、例えば二酸化ケイ素によって形成される。マスク286は、まずシリコン基板282の端面285の全面に二酸化ケイ素からなる薄膜を形成する。そして、二酸化ケイ素からなる薄膜をレジストによってマスキングした後、例えばバッファードフッ酸などによってパターニングすることにより、二酸化ケイ素からなる薄膜は選択的に除去される。その結果、二酸化ケイ素の薄膜からなる所定の形状のマスク286が形成される。マスク286を形成すると、二酸化ケイ素からなる薄膜をマスキングするレジストは除去される。
マスク286が形成されると、図6(B5)に示すように電極287が形成される。電極287は、例えばアルミニウムなどの導電性の金属によって形成される。電極287は、まず導電層部284およびシリコン層281にレジストによって所定の形状のマスクを形成した後、アルミニウムなどの金属をスパッタリングすることにより形成される。スパッタリングによる電極287の形成が終了すると、レジストは除去される。
電極287が形成されると、図6(B6)に示すように端面285側からシリコン基板282の異方性エッチングを行う。
シリコン基板282の異方性エッチングは、異方性のあるKOH(水酸化カリウム)水溶液またはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液などのアルカリ性のエッチング液によって行う。これにより、マスク286から露出する面方位(100)または面方位(110)の単結晶シリコンからなるシリコン基板282は、選択的にエッチングされる。そのため、シリコン基板282には、キャビティ212となる開口288が形成される。
シリコン層281は、面方位(111)の単結晶シリコンで形成されている。そのため、シリコン基板282と面方位の異なるシリコン層281は、シリコン基板282をエッチングするエッチング液に冒されない。したがって、エッチング液によるシリコン基板282のエッチングは、シリコン層281へ到達することにより終了する。すなわち、シリコン層281は、エッチングのストッパ層となる。その結果、プレート231を形成するシリコン層281の板厚は高精度に確保される。
シリコン基板282のエッチングが終了すると、レジストによって電極287および導電層部284を覆うマスク289が形成される。
マスク289が形成されると、図6(B7)に示すように二酸化ケイ素からなる絶縁層部283の一部およびマスク286がエッチングされる。マスク286が形成された図6(B6)に示す結果物は、例えばバッファードフッ酸に浸漬することによって、二酸化ケイ素からなる絶縁層部283の一部およびマスク286が選択的に除去される。絶縁層部283の一部およびマスク286のエッチングが完了すると、レジストからなるマスク289が除去される。
以上の工程の後、ダイシングおよびパッケージングなどの工程を経てシリコンマイクロホン210が完成する。
第2実施形態のシリコンマイクロホン210では、第1実施形態同様にシリコン層220がエッチングのストッパ層となる。そのため、シリコン基板211のエッチングは、シリコン層220で停止する。これにより、プレート231を形成するシリコン層220の板厚は高精度に確保される。したがって、プレート231となるシリコン層220の板厚を均一化することができ、感度特性を安定化し、感度を高めることができる。
また、第2実施形態では、シリコン層220にドーピングするイオンの量を制御することにより、シリコン層220に生じる応力は制御される。これにより、プレート231に生じる応力を制御することができ、感度を高めることができる。
(その他の実施形態)
以上説明した複数の実施形態では、本発明の振動膜ユニットをシリコンマイクロホン10、210に適用する例について説明した。しかし、本発明は、シリコンマイクロホン10、210に限らず、例えば圧力センサなどのように圧力の変化を電気信号に変換する振動膜ユニットに適用することができる。
本発明の第1実施形態によるシリコンマイクロホンを示す概略図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線における断面図。 本発明の第1実施形態によるシリコンマイクロホンの製造工程の概略を示す断面図。 本発明の第1実施形態によるシリコンマイクロホンの製造工程の概略を示す断面図。 本発明の第2実施形態によるシリコンマイクロホンを示す概略図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線における断面図。 本発明の第2実施形態によるシリコンマイクロホンの製造工程の概略を示す断面図。 本発明の第2実施形態によるシリコンマイクロホンの製造工程の概略を示す断面図。
符号の説明
10、210:シリコンマイクロホン(振動膜ユニット)、11、211:シリコン基板、12、212:キャビティ(開口)、20、220:シリコン層、21、221:ダイアフラム、31、231:プレート、81、281:シリコン層、82、282:シリコン基板、88、288:開口

Claims (5)

  1. 面方位(111)のシリコン層と、
    前記シリコン層に貼り付けられ、前記シリコン層とは反対側の端部から前記シリコン層へ至る板厚方向の開口を有し、面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板と、
    を備える振動膜ユニット。
  2. 請求項1記載の振動膜ユニットを備えるシリコンマイクロホンであって、
    ダイアフラムと、
    前記ダイアフラムと所定の距離を形成して対向するプレートとを備え、
    前記ダイアフラムまたは前記プレートの少なくともいずれか一方は、前記シリコン層で形成されているシリコンマイクロホン。
  3. 面方位(111)のシリコン層と面方位(100)または面方位(110)のシリコン基板とを貼り付ける段階と、
    前記シリコン層が貼り付けられた前記シリコン基板の前記シリコン層とは反対側から、前記シリコン基板を前記シリコン層に至るまでアルカリ溶液でエッチングし、前記シリコン基板に開口を形成する段階と、
    を含む振動膜ユニットの製造方法。
  4. 前記シリコン基板に貼り付けられた前記シリコン層に、イオンをドーピングして前記シリコン層の応力を制御する段階を含む請求項3記載の振動膜ユニットの製造方法。
  5. 前記シリコン層の応力を制御するときドーピングされるイオンの量は、前記シリコン基板に貼り付けられた前記シリコン層に引っ張り応力が加わる値に設定されている請求項4記載の振動膜ユニットの製造方法。



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