JP2008021713A - 集積型薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

集積型薄膜太陽電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Moを含む電極膜をレーザパターニングして製造しても電極膜同士の接触による短絡が抑制されており、低コストで製造可能な集積型薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】直列接続された2以上のユニットセルを絶縁性基板上に備える集積型薄膜太陽電池であって、前記半導体膜は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含み前記第1の電極膜に隣接する化合物半導体膜を有し、前記第1の電極膜は、モリブデンを含み、前記第1の電極膜の平坦部の厚さが0.3μm以下である集積型薄膜太陽電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、直列接続された2以上のユニットセルを絶縁性基板上に備える集積型薄膜太陽電池およびその製造方法に関し、詳しくは、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を光吸収層とする集積型薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。
薄膜で作製された太陽電池については、従来より、ガラス基板等の絶縁性基板に薄膜を積層し、薄膜を短冊状に分割して直列接続を行った、高電圧な集積型太陽電池が製造されている。このような集積型太陽電池では、基板上に第1の電極膜を積層してストライプ状の第1の分割溝により分割し、その上に半導体膜を積層して第1の分割溝に略平行に隣接した第2の分割溝により分割し、さらに第2の電極膜を積層して第2の分割溝に略平行に隣接した第3の分割溝により分割し、電極膜同士を接触させて直列接続を行っている。
従来の集積型直列接続太陽電池(例、非特許文献1〜3)の構造と製造方法について、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体薄膜(カルコパイライト構造半導体薄膜)であるCuInSe2(CIS)、Gaを固溶したCu(In,Ga)Se2(CIGS)、またはCuInS膜を光吸収層に用いた場合を例にし、図6を参照しながら説明する。図6(a)に示すように、絶縁性基板1上に第1の電極膜2となるモリブデン(Mo)等の膜をスパッタリング法によって形成した後、上記Mo等の膜をパターニングして短冊状の第1の電極膜2を形成する。次いで、図6(b)に示すように、蒸着法、スパッタリング法または化学析出法等によってp型Cu(In,Ga)Se2薄膜と、II族とVI族を含むn型化合物薄膜との積層膜からなる半導体膜3を形成する。その後、図6(c)に示すように、第1の電極膜の分割溝に隣接した位置に分割溝が形成されるように、ストライプ状に半導体膜3のパターニングを行う。その後、図6(d)に示すように、第2の電極膜4として透明導電膜、例えばZnO膜やITO膜を形成する。そして、図6(e)に示すように、パターニングによって、半導体膜の分割溝に隣接した分割溝を形成して、第2の電極膜4を短冊状に分割する。図6(e)の集積型薄膜太陽電池では、各ユニットセル5の第2の電極膜4が、隣接するユニットセル5の第1の電極膜2と接続されることによって、各ユニットセル5が直列接続されている。
第13回 ユーロピアン フォトヴォルタイック ソーラー カンファレンス(13th EUROPEAN PHOTOVOLTAIC SOLAR CONFERENCE), p.1451-1455 (1995). W.Jaegermann, T.Loher, C.Pettenkofer, "Surface Properties of Chalcopyrite Semiconductors", Crystal Research Technology, p.273 (1996). T.Wada, N.Kohara, T.Negami, M.Nishiatni, Jpan.J.Appl.Phys.Vol.35, p.L1253 (1996).
上記のような集積型薄膜太陽電池については、量産化にあたり、低コスト化が望まれている。また、図6(a)、(c)及び図6(e)の工程において、薄膜のパターニングは、レーザビームの照射によるパターニング(レーザパターニング)や、カッターナイフやニードルのようなものでのメカニカルパターニングが行われている。しかし、第1の電極膜であるMo膜をレーザパターニングした場合には、Mo膜の分割溝のエッジ部において、盛り上がりが発生し(図3(b)参照)、第2の電極膜と接触して短絡を起こすことがあるという問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、Moを含む電極膜をレーザパターニングして製造しても電極膜同士の接触による短絡が抑制されており、低コストで製造可能な集積型薄膜太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、直列接続された2以上のユニットセルを絶縁性基板上に備える集積型薄膜太陽電池であって、前記絶縁性基板上に順次積層された、第1の電極膜、pn接合を含む半導体膜、および第2の電極膜を含み、前記第1の電極膜、前記半導体膜、および前記第2の電極膜は、それぞれ、互いに略平行な第1、第2および第3の分割溝で分割されて2以上のユニットセルを構成しており、隣接する2つの前記ユニットセルは、一方のユニットセルの第2の電極膜が前記第2の分割溝を介して他方のユニットセルの前記第1の電極膜と接続されることによって、直列接続されており、前記半導体膜は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含み前記第1の電極膜に隣接する化合物半導体膜を有し、前記第1の電極膜は、モリブデンを含み、前記第1の電極膜の平坦部の厚さが0.3μm以下である集積型薄膜太陽電池である。
本発明の集積型薄膜太陽電池は、好ましくは、前記第1の電極膜の分割溝のエッジ部の高さが1.3μm以下であり、前記エッジ部の高さと第1の電極膜の平坦部の高さとの差が1μm以下であるという構成を有する。
さらに、本発明の集積型薄膜太陽電池は、前記第1の電極膜と前記化合物半導体膜との界面に、モリブデンおよびセレンで構成される化合物の層が50nm以下の膜厚で形成されていることが好ましい。また、前記第1の電極膜のシート抵抗が、0.7Ω/□以上であることが好ましい。
また本発明は、直列接続された2以上のユニットセルを絶縁性基板上に備える集積型薄膜太陽電池の製造方法であって、前記絶縁性基板上に、モリブデンを含む第1の電極膜を0.3μm以下の膜厚で形成する工程、レーザパターニングにより前記第1の電極膜に第1の分割溝を形成する工程、前記第1の電極膜上に、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含むp型化合物半導体膜を成膜し、次いでn型半導体膜を成膜して、pn接合を含む半導体膜を形成する工程、前記第1の分割溝と略平行な第2の分割溝を、前記半導体膜に形成する工程、前記半導体膜上に、第2の電極膜を形成する工程、および前記第1および第2の分割溝と略平行な第3の分割溝を、前記第2の電極膜に形成する工程を含む製造方法である。
Moを含む第1の電極膜の膜厚を0.3μm以下にしても、シート抵抗は0.7〜3Ω/□程度であり、直列抵抗による影響は小さい。そのため、第1の電極膜の膜厚を従来よりも薄くすることによって、材料コストの低減が可能になる。また、第1の電極膜の膜厚が薄いために、第1の電極膜を分割する際のレーザパターニングにおいて、レーザパワーを低くすることができる。これにより、基板への熱ダメージが低減され、分割溝のエッジ部の盛り上がりの高さが低くなるため、電極膜同士による接触による短絡が防止できる。従って、本発明によれば、低コストで量産性が良く、短絡が少なく特性が高い太陽電池を提供できる。
本発明は、直列接続された2以上のユニットセルを絶縁性基板上に備える集積型薄膜太陽電池であって、前記絶縁性基板上に順次積層された、第1の電極膜、pn接合を含む半導体膜、および第2の電極膜を含み、前記第1の電極膜、前記半導体膜、および前記第2の電極膜は、それぞれ、互いに略平行な第1、第2および第3の分割溝で分割されて2以上のユニットセルを構成しており、隣接する2つの前記ユニットセルは、一方のユニットセルの第2の電極膜が前記第2の分割溝を介して他方のユニットセルの前記第1の電極膜と接続されることによって、直列接続されており、前記半導体膜は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含み前記第1の電極膜に隣接する化合物半導体膜を有し、前記第1の電極膜は、モリブデンを含み、前記第1の電極膜の平坦部の厚さが0.3μm以下である集積型薄膜太陽電池である。
従来の集積型薄膜太陽電池では、第1の電極膜の膜厚は、0.4〜2μm程度であり、0.3μm以下という膜厚は通常採用される厚みではなかった。発電特性が低下する恐れがあるので、従来のデバイス構造および膜厚を大きく変更することが避けられてきたためであり、特に、Moを含む第1の電極膜の膜厚については、以下のように考えられていた。Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体薄膜(カルコパイライト構造半導体薄膜)を用いた薄膜太陽電池の場合には、第1の電極膜にはMo、第2の電極膜にはITOや低抵抗なZnOなどの透明電極膜が用いられている。金属電極であるMo膜のシート抵抗値は従来0.1〜0.6Ω/□程度であるところ、透明電極膜のシート抵抗値は10〜20Ω/□程度と、金属電極のMoに比べて1桁以上高い。そのため、電気抵抗の点からは、Mo膜の抵抗が多少変化しても、透明電極膜に比べて低抵抗なために影響は少ない。上記のように従来のMo膜の膜厚は0.4〜2μm程度であり、電気抵抗の点からは薄膜化は可能であるといえる。しかし、CISまたはCIGS薄膜とMo膜の界面には、通常、Moとセレン(Se)の化合物層であるMoSe2層が形成されることが太陽電池の高効率化に必要とされてきている。一般的には、CuInSe2とMoの接触は、0.8eVの高さのバリアーを有するショットキー型と報告されているが、界面に形成されるMoSe2層は、そのヘテロ接触をショットキー型からオーミック型に改善すると考えられている(非特許文献2参照)。通常このMoSe2層の膜厚は0.1μm以上である(非特許文献3参照)。MoSe2は層状化合物で高抵抗であるため、1Ω/□以下のシート抵抗を得るには、Mo膜に一定の膜厚、例えば0.4μm以上の膜厚が必要と考えられていた。
しかし本発明者らは、Moを含む前記第1の電極膜の平坦部の厚さを0.3μm以下に設計しても特性低下が発生しないことを見出した。さらに、本発明者らは、Moを含む前記第1の電極膜の平坦部の厚さを0.3μm以下に設計すれば、レーザパターニングにより第1の電極膜に分割溝を形成しても、当該分割溝のエッジ部の盛り上がりが大きくならず(エッジ部の高さが1.3μm以下、エッジ部の高さと第1の電極膜の平坦部の高さとの差が1μm以下となる)、電極間の接触の可能性を低減できる、すなわち、短絡を抑制できることを見出し、本発明完成に至った。このような第1の電極膜が薄層化は、材料コストの低減となり、集積型薄膜太陽電池の低コスト化にも貢献するものである。
以下に、本発明の太陽電池の構造と製造方法の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する。当該太陽電池では、光吸収層として、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体膜が用いられている。図1に、その構造の断面図を示す。
絶縁性基板は、従来のガラス基板だけでなく、表面に高抵抗の絶縁膜が形成された基板または表面が絶縁処理された基板であってもよい。図1に示すように、絶縁性基板10上に第1の電極膜11としてMo膜が形成され、そのMo膜はユニットセル幅に合わせて分割されている。このMo膜の膜厚は0.3μm以下(好ましくは0.1μm以上)である。また、高さ301で定義されるMo膜の分割溝11p(第1の分割溝)のエッジ部の高さ(図3参照)は、1.3μm以下が望ましい。また、高さ302で定義される当該エッジ部の高さ301とMo膜の平坦部の高さとの差(すなわち、エッジ部の盛り上がりの高さ;図3参照)は、1μm以下が望ましい。その上にp型半導体膜として、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体膜(カルコパイライト構造半導体薄膜)、例えば、CuInSe2(CIS)膜またはGaを固溶したCu(In,Ga)Se2(CIGS)膜が積層されている。さらにn型半導体膜として、例えば、CdS、ZnO、ZnMgO、Zn(O,OH)、Zn(O,OH,S)等の少なくともII族とVI族の元素を含む化合物層が薄く形成され、pn接合を含む半導体膜12が形成されている。半導体膜12の分割溝12p(第2の分割溝)は、第1の電極膜11の分割溝11pに略平行に隣接するようにストライプ状に形成されている。さらに半導体膜12の上に、第2の電極膜13が形成されており、第2の電極膜13は、半導体膜12の分割溝12pを介して、第1の電極膜11に接触している。第2の電極膜13の分割溝13p(第3の分割溝)は、分割溝11pおよび分割溝12pと略平行に分割溝12pに隣接するように形成されている(分割溝13pの深さは、第1の電極膜11に達する深さであってもよい)。このようにして、各太陽電池ユニットの第2の電極膜13は、隣接する太陽電池ユニットセル14の第1の電極膜と接続されており、これによって隣接する太陽電池ユニットが直列接続されている。第2の電極膜としてはITO膜、低抵抗のZnO膜等が望ましい。またMo膜上にCIS膜またはCIGS膜を形成する際にMo膜との界面にMoおよびSeで構成される化合物層501が形成されるが、膜厚が50nm以下(例えば、20nm〜50nm)であるために、図1および図2では省略し、図5で示している。
次に、製造方法の1例について、図2と図3を参照して説明する。まず絶縁性基板10上に第1の電極膜11としてMo膜をスパッタリング法によって形成する。このときの膜厚は、従来0.4〜2.0μmであったものを、0.3μm以下(好ましくは0.1μm以上)とする。その後、連続発振するレーザビームを照射してMo膜の一部を除去して溝11pを形成することにより、第1の電極膜11を短冊状に分割する。この時の分割溝11pのエッジ部11eの高さ301は、1.3μm以下で、かつエッジ部11eの高さとMo膜の平坦部の高さとの差302が1μm以下になることが望ましい。従来のMo膜の膜厚(0.4〜2μm)では、分割溝11pのエッジ部11eの高さは、1.3μmを超える(図2(a)、図3(a)参照)。
その後、第1の電極膜11を覆うように、p型半導体膜として、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体膜(カルコパイライト構造半導体薄膜)、例えばCuInSe2(CIS)膜あるいはGaを固溶したCu(In,Ga)Se2(CIGS)膜を、蒸着法またはスパッタリング法により成膜する。蒸着法の場合、まず第1段階でIn、GaおよびSeを蒸着する。さらに第2段階でCu、GaおよびSeを蒸着し、結晶成長を促進する。さらに最終段階でIn、GaおよびSeを蒸着して形成する。CIS膜またはCIGS膜の形成の際に、Mo膜との界面に、MoとSeで構成される化合物層501が形成される(図5参照)。さらにn型半導体膜として、例えば、CdS、ZnO、ZnMgO、Zn(O,OH)、Zn(O,OH,S)等の少なくともII族とVI族の元素を含む化合物層を、化学析出法もしくはスパッタリング法で成膜することにより、pn接合を含む半導体膜12とする(図2(b))。
その後、図2(b)に示すように、半導体膜12をストライプ状にパターニングして、第1の電極膜11の分割溝11pに略平行に隣接した分割溝12pを形成する。半導体膜12上に第2の電極膜13を形成後、第2の電極膜13の一部をメカニカルパターニングまたはレーザパターニングによって、ストライプ状に除去して分割溝13pを形成する。分割溝13pは、分割溝12pに略平行に隣接するように形成される。なお、このとき第2の電極膜13の一部とともに、半導体膜12の一部もストライプ状に除去してもよい。図2(c)に示すように、直列接続された2以上の太陽電池ユニットセル14が基板上に集積され、集積型薄膜太陽電池が形成される。各太陽電池ユニットの第2の電極膜13は、隣接する太陽電池ユニットセル14の第1の電極膜11と接続されており、これによって隣接する太陽電池ユニットが直列接続されている。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
実施例1では、本発明の太陽電池の構造と製造方法についての一例として、第1の電極膜としてMo膜を用い、膜厚を変化させて集積型太陽電池(モジュール)を作製した場合について説明する。
Mo膜の膜厚を0.1、0.2、0.3、0.4μmと変化させた場合のモジュールを各2枚作製し、太陽電池特性を比較した結果について説明する。絶縁性基板として青板ガラス基板を用いて、DCスパッタリングによってMo膜の膜厚が0.1、0.2、0.3、0.4μmのサンプルを作製した。この時、パワーは1kW、スパッタ圧力(Ar圧力)は8mTorr(1.066Pa)に設定し、成膜レートを一定にして成膜時間を変化させてそれぞれの膜厚に調整した。その後の形成プロセスは上述した通りである。半導体膜12は、p型として膜厚約1.7μmのCIGS膜を、n型として膜厚80nmのCdS膜を形成し、さらに高抵抗の50〜100nm厚のZnO膜を積層して作成した。次いで第2の電極膜として400nm厚のITO膜を形成して、集積型太陽電池(モジュール)とした。開口面積は91.14cm2であり、モジュールのピッチ幅は3mmとした。Mo膜の膜厚以外の形成条件やデバイス構造は実施形態1で記述した通りである。結果を表1に示す。
Figure 2008021713
表1には、太陽電池の性能を示すエネルギー変換効率Eff(%)、発電する電流を示す短絡電流Isc(mA)、開放端電圧Voc(V)、曲線因子FFを示した。さらに測定した電流−電圧特性から、太陽電池の等価回路モデル(図4参照)(引用文献:浜川・桑野共著「太陽エネルギー工学」P.26−28 1994培風館)の式(1)にフィッティングさせて、並列抵抗(シャント抵抗)Rsh、および直列抵抗Rsを算出して比較した。
Figure 2008021713
表1から明らかなように、Mo膜の膜厚が0.3μm以下でもエネルギー変換効率についてほとんど変化がない。また、膜厚0.3μm以下のサンプルでは、2つとも12%以上の効率が得られている。これに対し、Mo膜の膜厚が0.4μmの場合は一つのサンプルは効率10%と低い値となっている。この原因は、Rshの低下である。これはMo膜の膜厚が大きいため、分割溝11p形成の際のレーザパターニングで分割溝のエッジ部11eの盛り上がりの一部が半導体膜12の膜厚以上に形成されて、第2の電極膜であるITO透明電極とMo膜とがピンホール的に接触して短絡したために並列抵抗(シャント抵抗)Rshが低下し、効率が低くなったと思われる。膜厚0.4μmの場合は、分割溝のエッジ部11eの盛り上がりのため、第2の電極膜であるITO透明電極とMo膜の短絡が生じる確率が増加すると考えられる。Mo膜の膜厚の違いによる分割溝のエッジ部11eの盛り上がりについてはレーザパターニングの加工条件との関係を実施例2で詳述する。さらに直列抵抗Rsについては膜厚が厚くなるほど、低下する傾向にある。しかし、他のパラメータが変化せず、直列抵抗Rsが0.5Ω・cm2程度低くなっても12%以上の変換効率が得られている。さらに、従来は、MoSe2が100nm(0.1μm)程度形成されるために、Mo膜厚は0.4μm以上必要と言われてきたが、この結果から、膜厚0.1μmでもMo膜とCIGS膜はオーミック型の接触がおこなわれていると思われる。そのため、高抵抗なMoSe2膜が、従来言われてきた膜厚と異なり、50nm以下の範囲の膜厚で形成され、残りのMoが電気伝導に寄与していると思われる。MoSe2層は高抵抗な膜であるために、必要以上に形成されると高抵抗化の原因となるところ、Mo膜の膜厚を従来の膜厚より低下させることによって、必要以上のMoSe2層501の形成が防止されている。さらに膜厚を0.3μm以下にした場合は、青板ガラスに含まれるアルカリ成分、特にナトリウム(Na)の一部がMo膜を通して、CIGS膜の結晶成長を促進し、キャリア濃度(アクセプタ濃度)を増加させる傾向にある。このこともMo膜厚が0.3μm以下で変換効率が高かった要因と考えられる。この結果より、第1の電極膜の膜厚は0.3μm以下とすべきであり、さらに分割溝のエッジ部11eの高さと第1の電極膜の平坦部の高さとの差302は、1μm以下が望ましい。
実施例2
実施例2では、本発明の太陽電池の構造と製造方法についての一例として、第1の電極膜としてのMo膜の膜厚を変化させ、レーザパターニングによって分割溝11pを形成した場合について説明する。
Mo膜厚を0.1、0.2、0.3、0.4、0.8μmと変化させた時、分割溝11pのエッジ部11eの高さとMo膜の平坦部の高さとの差302がどのように変化したかを実験した結果を示す。レーザパターニングのパワーは、分割溝11pを形成するために変化させた。絶縁性基板として青板ガラス基板を用い、DCスパッタリングによってMo膜の膜厚が0.1、0.2、0.3、0.4、0.8μmのサンプルを作製した。さらにNd:YAGレーザ{第2高調波(波長532nm)}を、繰り返し周波数2kHz、加工速度30mm/secの条件で照射してMo膜を加工した。表2の各数値は、μm単位で測定した5箇所の分割溝のエッジ部11eの高さとMo膜の平坦部の高さとの差302の平均値を示したものである。
Figure 2008021713
表2の結果では、Mo膜の膜厚が0.1μmの時に分割に必要なパワーは60mWであり、0.4μmの時は80mWである。表2中、×は分割して絶縁が得られない場合(加工不十分)を表している。Mo膜厚が0.3μm以下の場合は、レーザのパワーがどの条件でも、分割溝のエッジ部11eの高さとMo膜の平坦部の高さとの差302が低く、図1のように、Mo膜が第2の電極膜である透明電極に接触する可能性は低い。反対にMo膜の膜厚が従来通りの0.4μm以上であれば、図3(b)のようにMo膜が透明電極に接触して短絡を起こし、Rshが低下して、太陽電池モジュールの性能が低下する可能性がある。つまり、膜厚が大きくなると、分割溝のエッジ部11eの高さとMo膜の平坦部の高さとの差302が大きくなるために、短絡しやすくなる。
レーザパターニングの際の加工パワーとMo膜のシート抵抗は反比例の関係にある。一般に、シート抵抗が低い場合は熱伝導性が高い。そのため、材料を加工するための必要なレーザビームのエネルギーは、熱伝導性の高い材料の場合には、加工点でのエネルギー密度が低下する傾向にあるために高くなる。表2に示したMo膜のシート抵抗はMo膜の膜厚が0.1μmのときは2.4Ω/□、0.2μmのときは1.2Ω/□、0.3μmのときは0.78Ω/□、0.4μmのときは0.58Ω/□、0.8μmのときは0.26Ω/□である。Mo膜の膜厚が厚くなるとシート抵抗が低下するために、分割溝11pを形成するための必要な加工パワー(レーザパワー)は大きくなる。表2からもその傾向がはっきりしている。(なお、上記において、シート抵抗は、四端子測定法を用いて測定した。)
表2の結果より、第1の電極膜の膜厚は0.3μm以下とすべきであり、分割溝のエッジ部11eの高さと第1の電極膜の平坦部の高さとの差302は、1μm以下が望ましい。さらに、第1の電極膜のシート抵抗が0.7Ω/□以上であることが望ましく、0.7〜3Ω/□であることがより望ましい。
本発明によれば、材料コストが低減され、電極膜同士の短絡が防止された、特性の良い太陽電池を提供できる。
本発明の太陽電池の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池と従来の太陽電池の課題を示す断面図である。 本発明の太陽電池の特性評価に用いた等価回路図である。 本発明の太陽電池において形成される、MoとSeの化合物層を示した断面図である。 従来の太陽電池の製造方法についての一例を示す断面図である。
符号の説明
1 絶縁性基板
2 第1の電極膜
3 半導体膜
4 第2の電極膜
10 絶縁性基板
11 第1の電極膜
11e 第1の電極膜の分割溝のエッジ部
11p 第1の電極膜の分割溝(第1の分割溝)
12 半導体膜
12p 半導体膜の分割溝(第2の分割溝)
13 第2の電極膜
13p 第2の電極膜の分割溝(第3の分割溝)
14 太陽電池ユニットセル
301 第1の分割溝のエッジ部の高さ
302 第1の分割溝のエッジ部の高さと第1の電極膜の平坦部の高さとの差
501 MoおよびSeで構成される化合物層

Claims (5)

  1. 直列接続された2以上のユニットセルを絶縁性基板上に備える集積型薄膜太陽電池であって、
    前記絶縁性基板上に順次積層された、第1の電極膜、pn接合を含む半導体膜、および第2の電極膜を含み、
    前記第1の電極膜、前記半導体膜、および前記第2の電極膜は、それぞれ、互いに略平行な第1、第2および第3の分割溝で分割されて2以上のユニットセルを構成しており、
    隣接する2つの前記ユニットセルは、一方のユニットセルの第2の電極膜が前記第2の分割溝を介して他方のユニットセルの前記第1の電極膜と接続されることによって、直列接続されており、
    前記半導体膜は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含み前記第1の電極膜に隣接する化合物半導体膜を有し、
    前記第1の電極膜は、モリブデンを含み、
    前記第1の電極膜の平坦部の厚さが0.3μm以下である集積型薄膜太陽電池。
  2. 前記第1の電極膜の分割溝のエッジ部の高さが1.3μm以下であり、前記エッジ部の高さと第1の電極膜の平坦部の高さとの差が1μm以下である請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池。
  3. 前記第1の電極膜と前記化合物半導体膜との界面に、モリブデンおよびセレンで構成される化合物の層が50nm以下の膜厚で形成されている請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池。
  4. 前記第1の電極膜のシート抵抗が、0.7Ω/□以上である請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池。
  5. 直列接続された2以上のユニットセルを絶縁性基板上に備える集積型薄膜太陽電池の製造方法であって、
    前記絶縁性基板上に、モリブデンを含む第1の電極膜を0.3μm以下の膜厚で形成する工程、
    レーザパターニングにより前記第1の電極膜に第1の分割溝を形成する工程、
    前記第1の電極膜上に、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含むp型化合物半導体膜を成膜し、次いでn型半導体膜を成膜して、pn接合を含む半導体膜を形成する工程、
    前記第1の分割溝と略平行な第2の分割溝を、前記半導体膜に形成する工程、
    前記半導体膜上に、第2の電極膜を形成する工程、および
    前記第1および第2の分割溝と略平行な第3の分割溝を、前記第2の電極膜に形成する工程を含む製造方法。
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