JP2008020905A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い視野角において優れた色再現性を有し、黒表示時に斜めから観察した場合においても、カラーシフトが観察されない液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶セルLCは、3つの絵素領域を含み、前記3つの絵素領域上に、透過率に波長選択性を有するカラーフィルタが配置され、それぞれの絵素領域に設けられたカラーフィルタの最大透過率をとる主波長を小さい方から順にλ1、λ2、及びλ3(単位nm)、これらそれぞれの絵素領域における前記液晶層の厚さを順にd1、d2、及びd3(単位:nm)、波長λ(単位:nm)における液晶層の屈折率異方性をΔn(λ)とした時、下記式(1−1)又は(1−2)を満たすことを特徴とする液晶表示装置である。式(1−1):Δn(λ1)×d1 > Δn(λ2)×d2式(1−2):Δn(λ2)×d2 > Δn(λ3)×d3
【選択図】図1

Description

本発明は、広視野角特性、広い色再現性を有する液晶表示装置に関する。
液晶表示素子(液晶表示パネルとも呼ばれる)やエレクトロルミネセンス素子(用いる蛍光材料により有機系、無機系に別れる、以下、EL素子)、電界放出素子(Field Emission Device、以下、FED素子)、電気泳動素子等を用いた表示装置は、ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)のように表示画面の裏側に電子線を2次元的に走査するための空間(真空筐体)を設けることなく画像表示を行う。従って、これらの表示装置は、ブラウン管に比べて、薄く軽量であること、消費電力が低いこと等の特徴を持つ。これらの表示装置は、その外観上の特徴からフラット・パネル・ディスプレイ(Flat Panel Display)と呼ばれることがある。
液晶表示素子、EL素子、又は電界放出素子等を用いた表示装置は、ブラウン管に対する上述の利点から、ノートパソコン、パソコン用モニターなどのOA機器、携帯端末、テレビなど各種用途においてブラウン管を用いた表示装置に代わり広く普及しつつある。ブラウン管からフラット・パネル・ディスプレイへの置き換えが進んだ背景には、液晶表示素子やEL素子等の視野角特性や表示色再現性領域の拡大等の画質向上といった技術革新がある。また最近はマルチメディアやインターネットの普及により、動画表示性能の向上もある。さらには電子ペーパーや大型の公共、広告用情報ディスプレイといったCRTには実現できない分野への進出もある。
液晶表示装置は、通常、液晶セルと液晶セルに表示信号電圧を送る駆動回路、バックライト(背面光源)、入力画像信号を駆動回路に送る信号制御システムを含み、これらを合せて液晶モジュールと呼ぶ。
液晶セルは、通常、液晶分子、それを封入、挟持するための二枚の基板及び液晶分子に電圧を加えるための電極層からなり、さらにその外側に偏光板が配置される。偏光板は、通常、保護膜と偏光膜とからなり、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護膜にて積層して得られる。透過型液晶表示装置では、この偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償シートを配置することもある。また、反射型液晶表示装置では、通常、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償シート及び偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶分子の配向状態の違いで、ON−OFF表示を行い、透過型、反射型及び半透過型のいずれにも適用できる。
光の波長毎に最適な値に光学的性質が設計された光学補償シートを用いると、色変化の少ない広視野特性を有する液晶表示装置を提供することができる。これら従来の液晶表示装置では、光学補償フィルムのレターデーションの波長分散を制御することで、色変化を改善することが試みられている(特許文献1)。またカラーフィルタ各色の面内レターデーション値(Re)を色ごとに変えることにより、表示色のバランスをとることも試みられている(特許文献2)。
特開平2002−221622号公報 特開平5−196931号公報
しかし前記液晶表示装置では、全ての波長で改善することができず、また、斜め方向からの着色を改善できない。
従って、本発明は、広い視野角において優れた色再現性を有する液晶表示装置を提供することを課題とする。
また、黒表示時に斜めから観察すると、青色や赤色に着色するいわゆるカラーシフトの問題が解決されていなかった。
従って、本発明は、黒表示時に斜めから観察した場合においても、カラーシフトが観察されない、又はカラーシフトが軽減された液晶表示装置を提供することを課題とする。
すなわち、課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの外側の少なくとも一方に配置された偏光板とを有し、前記液晶セルが、少なくとも、電極を一方に有する対向配置された一対の基板と、該基板間に挟持された液晶層とを有するとともに、3つの絵素領域を含み、
前記3つの絵素領域上に、透過率に波長選択性を有するカラーフィルタが配置され、それぞれの絵素領域に設けられたカラーフィルタの最大透過率をとる主波長を小さい方から順にλ1、λ2、及びλ3(単位nm)、これらそれぞれの絵素領域における前記液晶層の厚さを順にd1、d2、及びd3(単位:nm)、波長λ(単位:nm)における液晶層の屈折率異方性をΔn(λ)とした時、下記式(1−1)又は(1−2)を満たすことを特徴とする液晶表示装置:
式(1−1):Δn(λ1)×d1 > Δn(λ2)×d2
式(1−2):Δn(λ2)×d2 > Δn(λ3)×d3
[2] さらに、下記式(2)を満たすことを特徴とする[1]の液晶表示装置:
式(2):Δn(λ1)×d1 > Δn(λ2)×d2 > Δn(λ3)×d3
[3] 前記前記3つの絵素領域のうち、少なくとも2つの絵素領域における液晶層の厚さが異なることを特徴とする[1]又は[2]の液晶表示装置。
[4] 前記3つの絵素領域上に配置されたカラーフィルタの厚さのうち、少なくとも2つの絵素領域に配置されたカラーフィルタの厚さが異なることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの液晶表示装置。
[5] 前記3つの絵素領域上に配置されたカラーフィルタの厚さ方向のレターデーション(Rth)のうち、少なくとも2つの絵素領域に配置されたカラーフィルタのRthが互いに異なることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの液晶表示装置。
[6] 前記液晶セル内に配置された少なくとも一層が、下記式(I)及び(II)を満たすことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの液晶表示装置:
(I) |Re(630)|≦10、且つ|Rth(630)|≦40
(II) |Re(400)−Re(700)|≦10、且つ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
上記式(I)及び(II)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(nm)を表し、Rth(λ)は、波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(nm)を表す。
[7] 前記カラーフィルタが、前記式(I)及び(II)を満たすことを特徴とする[6]の液晶表示装置。
[8] 電界の印加により、液晶分子の配向が基板面に垂直方向に変化し、液晶層の透過率が減少する、平行配向型ECBモードであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの液晶表示装置。
[9] ベンド配向表示モードであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの液晶表示装置。
[10] TN表示モードであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの液晶表示装置。
[11] VA表示モードであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの液晶表示装置。
本発明によれば、広い視野角において優れた色再現性を有する液晶表示装置を提供することができる。また、本発明によれば、黒表示時に斜めから観察した場合においても、カラーシフトが観察されない、又はカラーシフトが軽減された液晶表示装置を提供することができる。
発明の実施の形態
以下に本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
まず、本明細書で用いられる用語について、説明する。
(レターデーション:Re、Rth)
本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の2つの式よりRthを算出することもできる。
Figure 2008020905
注記:
上記式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本明細書において、角度について、「+」は反時計周り方向を意味し、「−」は時計周り方向を意味するものとする。また、液晶表示装置上方向を12時方向、下方向を6時方向としたときに、角度方向の絶対値0°方向とは3時方向(画面右方向)を意味することとする。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいう。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
また、各軸・方向間の角度について、「平行」、「垂直」、「45°」等という場合には、「おおよそ平行」「おおよそ垂直」「おおよそ45°」の意であり、厳密なものではない。それぞれの目的を達成する範囲内での、多少のズレは許容される。例えば「平行」とは、交差角がおおよそ0°ということであり、−10°〜10°、好ましくは−5°〜5°、より好ましくは−3°〜3°である。「垂直」とは、交差角がおおよそ90°ということであり、80°〜100°、好ましくは85°〜95°、より好ましくは87°〜93°である。「45°」とは、交差角がおおよそ45°ということであり、35°〜55°、好ましくは40°〜50°、より好ましくは42°〜48°である。
また、本明細書では、「偏光膜(偏光フィルム)」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
本発明は、少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの外側の少なくとも一方に設けられた偏光板とを有し、前記液晶セルが、少なくとも、電極を一方に有する対向配置された一対の基板と、該基板間に挟持された液晶層とを有するとともに、3つの絵素領域を含み、これらのうち少なくとも2つの絵素領域における液晶層の厚さが互いに異なる液晶表示装置に関する。
すなわち本発明は液晶セルの液晶層の厚さを、各絵素領域ごとに異ならせることによって、黒表示時の着色、いわゆるカラーシフトの問題を改善するものである。
特にそれぞれの絵素領域に設けられたカラーフィルタの最大透過率をとる主波長を小さい方から順にλ1、λ2、及びλ3(単位nm)、これらそれぞれの絵素領域における液晶層の厚さを順にd1、d2、及びd3(単位:nm)、波長λ(単位:nm)における液晶層の屈折率異方性をΔn(λ)とした時、下記式(1−1)又は(1−2)を満足するのが、上記効果の点で好ましく、下記式(2)を満足することがより好ましい。
式(1−1):Δn(λ1)×d1>Δn(λ2)×d2
式(1−2):Δn(λ2)×d2>Δn(λ3)×d3
式(2):Δn(λ1)×d1>Δn(λ2)×d2>Δn(λ3)×d3
光の波長毎に最適な値に光学的性質が設計された光学補償フィルムを用いると、色変化の少ない広視野特性を有する液晶表示装置を提供することができるが、このような理想の光学補償フィルムを作製することは工業的に難しい場合がある。本発明においては、従来の光学補償フィルムをそのまま用い、この従来の光学補償フィルムのレターデーション波長依存性に合わせて、液晶セルの液晶層の絵素領域ごとのレターデーションを設計するものである。
特に本発明の発明者らは、現行の補償フィルムの面内レターデーションは光の波長が短波長のほうが大きいことに鑑み、液晶層の各絵素ごとの液晶セルのレターデーションの間に、前記(1−1)又は(1−2)式の関係が成立する場合に好ましい効果を得ることができることを見出した。液晶セル中の液晶材料の屈折率異方性Δnを絵素領域ごとに変更する及び/又は液晶層の厚さを絵素領域ごとに変更することにより、前記(1−1)又は(1−2)式を満足する液晶表示装置を作製することができる。特に、本発明においては液晶層の厚さdを、各絵素領域ごとに変えて、調整するのが好ましい。さらに本発明では、液晶表示装置の絵素領域は3絵素(例えば、R,G,Bの3絵素)に分割されており、各絵素の液晶層の厚さはカラーフィルタの厚さを調整することで、独立に制御が可能である。
また、液晶セル内に配置される層、例えば、カラーフィルタ、配向膜、平坦化膜、絶縁膜等にレターデーション(Re及び/又はRth)をもたせ、絵素領域ごとのレターデーション、及びレターデーションの波長分散性を制御することも可能である。
以下、本発明をECBモード及びVAモードの液晶表示装置に適用した実施の形態について、図面を参照して説明する。
(ECBモード型液晶表示装置)
図1に示すECBモードの液晶表示装置は、液晶セルLC(6〜10)と、液晶セルLCを挟持して配置される一対の上側偏光PL1及び下側偏光板PL2を有する。
液晶セルLCの上側基板6のラビング方向7と、下側基板8のラビング方向9は平行に設定してあり、液晶層はツイスト構造を持たない平行配向となっている。上側基板6と下側基板8は、それぞれ、配向膜(図示せず)と電極層(図示せず)を有する。配向膜は、駆動電圧非印加時において、液晶性分子10を所定の方向に配向させる機能を有する。電極層は液晶性分子10に電圧を印加する機能を有する。電極層は通常透明なインヂウムチンオキサイド(ITO)からなる。
平行モードの液晶層の一例として、上下基板間に誘電異方性Δεが+8.5程度で、屈折率異方性Δn=0.0854(589nm、20°C)程度の液晶(例えば、メルク社製のMLC−9100)からなる液晶層が挙げられる。液晶層の厚さdは3.5μm程度に設定することができる。厚さdと屈折率異方性Δnの積Δn・dの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るために、好ましくは、0.2〜0.4μmの範囲になるように設定するのが好ましい。
図1には詳細な構造を示さないが、液晶セルLCは3つの絵素領域を含み、各絵素領域における液晶層の厚みが互いに異なっている。液晶層の厚みを絵素領域間で変化させる方法については特に制限されない。例えば、液晶セルLCの対向面に形成される各層、例えば、配向層、電極層、光学異方性層、カラーフィルタ層等のいずれか1つ又は2以上の層について、各絵素領域に応じて、その厚みを変えることで、各絵素領域における液晶層の厚みを互いに異なる厚さとすることができる。特に、カラーフィルタ層の厚みを絵素領域ごとに異なる厚さにして、液晶層の厚みを変化させるのが好ましい。より具体的には、例えば、基板(6又は8)の対向面に、R層、G層及びB層の厚さが互いに異なるRGBカラーフィルタを形成して、各絵素領域における液晶層の厚みを異ならせるのが好ましい。その他、基板として、その厚みが互いに異なる領域を複数有する基板を用いて、各絵素領域に対応する位置の液晶層を、互いに異なる厚みとしてもよい。
図1の液晶表示装置が、R層、G層及びB層からなるカラーフィルタを有する態様では、3つの絵素領域はRGB領域となり、R領域、G領域、B領域の最大透過率をとる主波長λR、λG及びλBは、小さい順にλB、λG及びλRになる。R領域、G領域及びB領域における液晶層の厚さをそれぞれdR、dG及びdBとし、且つ液晶層の波長λにおける屈折率異方性Δn(λ)とすると、下記関係式を満足しているのが好ましく、
Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dR
下記関係式を満足しているのがより好ましい。
Δn(λB)×dB > Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dR
かかる関係式を満足するため、例えば、R層の厚み(dr)、G層の厚み(dg)、及びB層の厚み(db)が、dB > dG > dRであるカラーフィルタ層を用いてもよい。もちろんdB>dGかつdG=dR、dG>dRかつdB=dG、dB>dRかつdG=dRあるいはdB=dG、であってもよい。
さらに液晶層のΔn(λB)×dB > Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dRの関係を満たせば、dB<dG、dG<dR、dR=dB=dGでもよい。
図1において、液晶セルLCの外側に配置される上側偏光板PL1は、偏光フィルム3と、偏光フィルム3の表面に配置される保護フィルム1及び5aと、光学異方性層5cを有する楕円偏光板である。同様に液晶セルLCの外側に配置される下側偏光板PL2は、偏光フィルム12と、偏光フィルム12の表面に配置される保護フィルム15及び11aと、光学異方性層11cを有する楕円偏光板である。偏光板の吸収軸4及び13は液晶セル配向方向(ラビング方向7及び9)と概略45°交差し、かつ上下偏光板吸収軸4及び13の交差角は概略90°の直交ニコルである。光学異方性層5c及び11cは、黒表示時に液晶層に残留するレターデーションを補償し、コントラストの向上に寄与する。光学異方性層5c及び11cは、例えば、液晶性化合物を含有する組成物から形成することができる。中でも、円盤状液晶性化合物を含有する組成物から形成するのが好ましい。例えば、円盤状液晶性化合物を含有する組成物を塗布液として調製し、5d及び11dの方向にラビング軸を有するラビング処理面に該塗布液を塗布し、円盤状化合物の分子をラビング軸5d及び11dに応じて配向させて、その配向状態に固定することで作製することができる。図1では、保護フィルム5a及び11aは、光学異方性層5c及び11cの支持体を兼ねている。勿論、光学異方性層とポリマーフィルム等からなる支持体とを有する光学補償シート5及び11を、偏光板とは別に配置してもよい。
下側偏光板PL2の外側に配置されたバックライト(不図示)から光が入射する場合を考える。液晶セル基板6及び8のそれぞれの透明電極(不図示)に駆動電圧を印加しない非駆動状態では、液晶層中の液晶性分子10は、基板6及び8の面に対して概略平行に配向している。偏光フィルム13によって所定の偏光状態となった光は、液晶性分子10の複屈折効果により偏光状態を変化させて、その結果、偏光膜3を通過する。この時透過光が最大となるように液晶層のΔn・dの値を上記範囲に設定する。これに対し、透明電極(不図示)に駆動電圧を印加した駆動状態では、印加した電圧の大きさに依存して液晶性分子10は基板6及び8の面に垂直に配向しようとする。しかし基板間の中央付近厚さでは基板面に対して概略垂直となるが、基板界面近傍では平行な方向に配向し、中央厚さに向かい連続的傾斜配向している。このような状態では完全な黒表示を得ることはむずかしい。また基板界面近傍の傾斜した液晶性分子の平均配向は観察する角度により変わり、視野角により透過率、明るさが変化する視野角依存性が生じる。そこで、図1の液晶表示装置では、光学異方性層5c及び11cを配置して、基板界面近傍の液晶層の残留位相差を補償し、完全な黒表示を得、正面コントラスト比を向上させている。
さらに前述の特許文献1に記載のように、連続的傾斜配向した液晶層を補償する光学フィルムを配置することで視野角特性をさらに改善してもよい。
さらに、図1の液晶表示装置は、液晶セルLCの液晶層が、上記した通り、Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dR (好ましくはΔn(λB)×dB > Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dR)を満足しているので、広い視野角において優れた色再現性を有し、特に、黒表示時に斜めから観察した場合においても、カラーシフトが軽減されている。さらに、液晶セル内に配置される層、例えば、カラーフィルタ、配向膜、平坦化膜、絶縁膜等が、下記条件(I)及び(II)を満足する光学特性を示していると、より色再現性がよく、黒表示時のカラーシフトが軽減できるので好ましい。
(I)0≦Re(630)≦10nm、且つ|Rth(630)|≦25nm
(II)|Re(400)−Re(700)|≦10nm、且つ|Rth(400)−Rth(700)|≦35nm
セル内に配置される層のReは、正面コントラスト比を低下させないためになるべく0に近いことが好ましい。また0でない場合でも、該層の面内遅相軸と偏光膜吸収軸と平行、あるいは直交させることが好ましい。セル内に配置される層のRthは、正面コントラスト比低下に影響を与えず、斜め方向の色調視野角改善に寄与する。
液晶セルLC内に配置される少なくとも一層に、上記条件を満足する光学特性を付与することで、画素毎に視野角の光学補償をより完全に行うことができ、ECBモードの液晶表示装置の斜め方向での着色現象を改善する(軽減する)ことができる。
中間調表示時には液晶性分子10が傾斜しているので、傾斜方向とその逆方向では、斜めから観察した時の液晶性分子10の複屈折の大きさが異なり、輝度や色調に差が生じる。液晶表示装置の一画素を複数の領域に分割するマルチドメインと呼ばれる構造にすると、輝度や色調の視野角特性が平均化され改善される。具体的には、画素のそれぞれを液晶性分子の初期配向状態が互いに異なる2以上(好ましくは4又は8)の領域で構成して平均化することで、視野角に依存した輝度や色調の偏りを低減することができる。また、それぞれの画素を、電圧印加状態において液晶性分子の配向方向が連続的に変化する互いに異なる2以上の領域から構成しても同様の効果が得られる。
(VAモード型液晶表示装置)
図2に示す液晶表示装置は、液晶セルLC’(26〜30)、及び液晶セルLC’を挟持して配置された上側偏光板PL1’と下側偏光板PL2’とを有する。
液晶セルLC’の上側基板26のラビング方向27と、下側基板29のラビング方向30は平行に設定してあり、液晶層はツイスト配向とはならない。上側基板26と下側基板29は、それぞれ、配向膜(図示せず)と電極層(図示せず)を有する。配向膜は、駆動電圧非印加時において、液晶性分子28を所定の方向に配向させる機能を有する。電極層は液晶性分子28に電圧を印加する機能を有する。電極層は通常透明なインヂウムチンオキサイド(ITO)からなる。
VAモードの液晶セルLC’の一例として、液晶セル用の上下基板26及び29間に誘電異方性が負で、Δn=0.0813、Δε=−4.6程度の液晶(例えばメルク社製のMLC−6608)からなる液晶層を形成したものが挙げられる。ラビング配向により、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆる基板面に対するチルト角を、約90°に調整する。液晶層の厚さdは3.5μmに設定する。ここで厚さdと屈折率異方性Δnの積Δndの大きさにより白表示時の明るさが変化する。最大の明るさを得るためには、Δndは0.2〜0.5μmの範囲に設定するのが好ましく、0.25〜0.35μmの範囲に設定するのがより好ましい。
図2には詳細な構造を示さないが、液晶セルLC’は3つの絵素領域を含み、各絵素領域における液晶層の厚みが互いに異なっている。液晶層の厚みを絵素領域間で変化させる方法については特に制限されない。例えば、液晶セルLCの対向面に形成される各層、例えば、配向層、電極層、光学異方性層、カラーフィルタ層等のいずれか1つ又は2以上の層について、各絵素領域に応じて、その厚みを変えることで、各絵素領域における液晶層の厚みを互いに異なる厚さとすることができる。特に、カラーフィルタ層の厚みを絵素領域ごとに異なる厚さにして、液晶層の厚みを変化させるのが好ましい。より具体的には、例えば、基板(26又は29)の対向面に、R層、G層及びB層の厚さが互いに異なるRGBカラーフィルタを形成して、各絵素領域における液晶層の厚みを異ならせるのが好ましい。その他、基板として、その厚みが互いに異なる領域を複数有する基板を用いて、各絵素領域に対応する位置の液晶層を、互いに異なる厚みとしてもよい。
図2の液晶表示装置が、R層、G層及びB層からなるカラーフィルタを有する態様では、3つの絵素領域はRGB領域となり、R領域、G領域、B領域の最大透過率をとる主波長λR、λG及びλBは、小さい順にλB、λG及びλRになる。R領域、G領域及びB領域における液晶層の厚さをそれぞれdR、dG及びdBとし、且つ液晶層の波長λにおける屈折率異方性Δn(λ)とすると、下記関係式を満足しているのが好ましく、
Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dR
下記関係式を満足しているのがより好ましい。
Δn(λB)×dB > Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dR
かかる関係式を満足するため、例えば、R層の厚み(dr)、G層の厚み(dg)、及びB層の厚み(db)が、dB > dG > dRであるカラーフィルタ層を用いてもよい。もちろんdB>dGかつdG=dR、dG>dRかつdB=dG、dB>dRかつdG=dRあるいはdB=dG、であってもよい。
さらに液晶層のΔn(λB)×dB > Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dRの関係を満たせば、dB<dG、dG<dR、dR=dB=dGでもよい。
液晶セルLC’の外側に配置される上側偏光板PL1’は、偏光フィルム22と、偏光フィルム22の表面に配置される保護フィルム21及び24を有する。下側偏光板PL2’は、偏光フィルム35と、偏光フィルム35の表面に配置される保護フィルム32及び37と、光学異方性層31を有する。偏光フィルム22及び35は、互いの吸収軸23及び36を概略直交にして配置されている。光学異方性層31は、黒表示時に斜め方向に生じる光漏れを軽減し、コントラストの向上に寄与する。光学異方性層31は、例えば、液晶性化合物を含有する組成物から形成することもできるし、また複屈折性のポリマーフィルムであってもよい。液晶組成物から形成する場合は、保護フィルム32は、光学異方性層31の支持体としても利用される。勿論、光学異方性層とポリマーフィルム等からなる支持体とを有する光学補償シートを、偏光板とは別に配置してもよい。偏光板の保護フィルムのうち、液晶セル側に配置される保護フィルム23及び32は、同一のポリマーフィルムであってもよいし、異なったポリマーフィルムであってもよい。また保護フィルム23及び32は、光学補償に寄与し得る光学特性を示す複屈折性ポリマーフィルムであってもよい。一方、偏光板の保護フィルムのうち、表面側に配置される保護フィルム21及び37には、通常、保護フィルムとして用いられる市販のセルレートアシレートフィルム等が利用でき、例えば、市販の“KC4UX2M”{コニカオプト(株)製40μm}、“KC5UX”{コニカオプト(株)製60μm}、“TD80UL”{富士フイルム(株)製80μm}等を用いることができる。勿論、これらに限定されない。
下側偏光板PL2’の外側に配置されたバックライト(不図示)から光が入射する場合を考える。上基板26及び下基板29の内面に配置された透明電極(不図示)に駆動電圧を印加しない非駆動状態では、液晶層中の液晶分子28は、基板面に対して略垂直に配向し、その結果、液晶層を通過する光の偏光状態はほとんど変化しない。偏光フィルム35の吸収軸36と偏光フィルム22の吸収軸23とは直交配置となっているので、偏光フィルム35を通過して所定の偏光状態となった光は、液晶性分子28の複屈折効果を受けず、偏光フィルム22によって吸収される。即ち、図2の液晶表示装置は、非駆動状態で黒表示となる。これに対し、駆動状態では、液晶分子28は基板方向に傾斜して基板面に略平行に配向し、液晶層を通過する光は、かかる配向状態にある液晶分子28の複屈折により偏光状態を変化させ、その結果、偏光膜3を通過する。即ち、図2の液晶表示装置では、駆動状態において白表示が得られる。
VAモードの特徴は、高速応答であることと、コントラストが高いことである。しかし、コントラストは正面では高いが、斜め方向には光漏れがあり低下する場合がある。黒表示時に液晶分子は基板面に垂直に配向しているので、正面から観察すると、液晶分子の複屈折はほとんどないため透過率は低く、高コントラストが得られる。しかし、斜めから観察した場合は液晶分子に複屈折が生じる。さらに上下の偏光板吸収軸の交差角が、正面では90°の直交であるが、斜めから見た場合は90°より大きくなる。この2つの要因のために斜め方向では漏れ光が生じ、コントラストが低下する。光学異方性層31のレターデーション(Re及び/又はRth)、及び複屈折性のポリマーフィルムが利用されている場合等は保護フィルム23及び32のレターデーション(Re及び/又はRth)が、前記2つの要因によって生じる斜め方向の光漏れを軽減し得る光学特性になっていると、広い視野角で高コントラストの画像を表示可能になるので好ましい。
さらに、図2の液晶表示装置は、液晶セルLC’の液晶層が、上記した通り、Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dR (好ましくはΔn(λB)×dB > Δn(λG)×dG > Δn(λR)×dR)を満足しているので、広い視野角において優れた色再現性を有し、特に、黒表示時に斜めから観察した場合においても、カラーシフトが軽減されている。さらに、液晶セル内に配置される機能層、例えば、カラーフィルタ層、配向膜、平坦化膜、絶縁膜等が、下記条件(I)及び(II)を満足する光学特性を示していると、より色再現性がよく、黒表示時のカラーシフトが軽減できるので好ましい。
(I)0≦Re(630)≦10nm、且つ|Rth(630)|≦25nm
(II)|Re(400)−Re(700)|≦10nm、且つ|Rth(400)−Rth(700)|≦35nm
液晶セル内に配置される機能層のReは、正面コントラスト比を低下させないためになるべく0に近いことが好ましい。また0でない場合でも、該機能層の面内遅相軸と偏光膜吸収軸と平行、あるいは直交させることが好ましい。液晶セル内に配置される機能層のRthは、正面コントラスト比低下に影響を与えず、斜め方向の色調視野角改善に寄与する。
液晶セルLC’内の機能層に、上記条件を満足する光学特性を付与することで、画素毎に視野角の光学補償をより完全に行うことができ、VAモードの液晶表示装置の斜め方向での着色現象を改善する(軽減する)ことができる。
また白表示時には液晶分子は、基板面に略平行に配向しているが、完全に平行でない場合は、白表示時においても、液晶分子の複屈折の大きさには異方性があり、輝度や色調に差が生じる。白表示時の液晶分子の複屈折の大きさには異方性を軽減するためには、液晶表示装置の一画素を複数の領域に分割するマルチドメインと呼ばれる構造にする。即ち、RGBの絵素領域のそれぞれをさらに、複数のドメインに分割した構造とするのが好ましい。また、図2中には示していないが、液晶表示装置では画像表示をするために各絵素にTFTが配置され、印加電圧の調整や駆動方法によってこれら視野角特性を改善することも可能である。
またVAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル材の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加してもよい。
なお、図2では、光学異方性層31と保護フィルム32とを別の部材として示したが、一枚のポリマーフィルムが、光学異方性層31と保護フィルム32との積層体として要求される光学特性を満足していれば、光学異方性層31及び保護フィルム32に代えて、一枚のポリマーフィルムを配置してもよい。
保護フィルム23、光学異方性層31、及び保護フィルム32のそれぞれとして、並びに光学異方性層31と保護フィルム32との積層体の代わりとして、使用可能な複屈折性のポリマーフィルムの一例として、波長632.8nmの光で測定したReが0〜400nmであり、且つ波長632.8nmの光で測定したRthが0〜400nmのポリマーフィルムが挙げられる。また、保護フィルム23、光学異方性層31、及び保護フィルム32のそれぞれとして、並びに光学異方性層31と保護フィルム32との積層体の代わりとして、2枚の複屈折性ポリマーフィルムを使用する場合、例えば、1枚は、Rthが10〜200nmのポリマーフィルムを使用するのが好ましく、1枚の複屈折性ポリマーフィルムを使用する場合、そのポリマーフィルムのRthは、0〜400nmであることが好ましい。
図2の液晶表示装置では、保護フィルム23として、及び光学異方性層31と保護フィルム32との積層体の代わりとして、Re及びRthが概略同一のポリマーフィルムをそれぞれ配置してもよい。
また、保護フィルム23として、市販の偏光板保護フィルムを配置し、及び光学異方性層31と保護フィルム32との積層体の代わりとして、Rthが0〜400nmの複屈折性ポリマーフィルムを配置してもよい。また、上記ポリマーフィルムを入れ替えてもよい。
また、保護フィルム23として、Reが概略0nmのポリマーフィルムを配置し、及び光学異方性層31と保護フィルム32との積層体の代わりとして、Rthが0〜400nmの複屈折性ポリマーフィルムを配置してもよい。また上記ポリマーフィルムを入れ替えてもよい。
複屈折性ポリマーフィルムの面内遅相軸角度の平均値は3°以下であることが好ましく、2°以下であることがさらに好ましく、1°以下であることがよりさらに好ましい。遅相軸角度の平均値の方向を遅相軸の平均方向と定義する。また、遅相軸角度の標準偏差は1.5°以下であることが好ましく、0.8°以下であることがさら好ましく、0.4°以下であることがよりさらに好ましい。なお、ポリマーフィルム面内相軸角度とは、ポリマーフィルムの延伸方向を基準線(0°)とし、遅相軸と基準線のなす角度をいうものとする。幅方向に延伸して作製した複屈折性ポリマーフィルムの基準線は幅方向となり、長手方向に延伸して作製した複屈折性ポリマーフィルムの基準線は長手方向になる。
また、使用する複屈折性ポリマーフィルムは、光透過率が80%以上であることが好ましく、60×10-122/N以下の光弾性係数を有することが好ましい。
なお、液晶表示装置内に配置された複屈折性ポリマーフィルムを通過した光は、偏光状態が変化するが、通過した光の波長により、即ち、R光、G光及びB光は、変換後の偏光状態に差がある。この偏光状態の差を軽減するために、用いられる複屈折性ポリマーフィルムのRe及びRthの波長依存性は、下記式(11)〜(16)を満足するのがより好ましい。
式(11) Rth(450)/Rth(550)≧1
式(12) Rth(630)/Rth(550)≦1
式(13) 0.6≦Re(450)/Re(550)≦1.0
式(14) 1.0≦Re(630)/Re(550)≦1.25
式(15) 0.6≦Rth(450)/Rth(550)≦1.0
式(16) 1.0≦Rth(630)/Rth(550)≦1.25
また、液晶層の外側であれば、液晶セルLC’の内側に、上記複屈折性ポリマーフィルムを配置してもよい。
また、ECBモード及びVAモードの液晶表示装置は、図1及び図2にそれぞれ示す構成の液晶表示装置に限定されるものではなく、勿論、他の部材を含んでいてもよい。例えば、図1及び図2中省略したが、通常、下側偏光板PL2及びPL2’のさらに外側には、バックライトが配置される。バックライトの発光効率を高めるために、バックライトと下側偏光板PL2及びPL2’との間に、プリズム状やレンズ状の集光型輝度向上シートを配置してもよいし、また、偏光板の吸収による光ロスを改善する偏光反射型の輝度向上シート(フィルム)を同様に配置してもよい。また、バックライトの光源を均一化させるための拡散シート(フィルム)を配置してもよく、逆に光源に面内分布をもたせるための反射、拡散パターンを印刷などで形成したシート(フィルム)を配置してもよい。
また、本発明の液晶表示装置は、透過型、反射型及び半透過型のいずれの態様であってもよい。
透過型の態様では、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置する。
反射型の態様では、偏光板は観察側に1枚配置したのみでよく、液晶セル背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を設置する。もちろん上記光源を用いたフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。
半透過型の態様では、表示装置の一画素の中に反射部と透過部が形成されていて、透過モード及び反射のモードの両立がはかられている。
また、上記では、ECBモードとVAモードの態様について説明したが、本発明の液晶表示装置はこのモードの液晶表示装置に限定されるものではない。液晶セルは電界により液晶の配向状態を変化させることで表示を行うが、電界無印加状態の配向状態の違いにより表示モードとして分類することができる。液晶分子が基板に垂直な初期配向をとるVA(Vertically Aligned)モード、基板に平行な初期配向をとる平行配向型ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、片側が垂直配向でもう一方が平行配向であるHAN(Hybrid Aligned Nematic)モード、基板近傍で液晶分子は平行配向しているが、基板の間の中間層では垂直配向をしているOCB(Optically Compensatory Bend)モード、あるいはベンドモード、基板に平行配向しているが上下基板間で配向方向がことなり、ねじれ構造を有するTN(Twisted Nematic)モード、さらに通常のTNモードのねじれ角が0〜100度の範囲であるのに対し、180〜270°ねじれたSTN(Super Twisted Nematic)モード、270°〜のねじれ構造を有するコレステリック液晶モードがある。
また基板に平行配向し、かつ基板面に平行ないわゆる横電界により液晶配向が基板面内で変化するIPS(In−Plane Switching)モード、基板面に垂直な電界でIPSモードと同じに面内の配向方向の変化で表示を切り替えるFLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モードのような表示モードが提案されている。本発明の液晶表示装置は、上記いずれのモードであってもよい。
それぞれの表示モードの特徴は、VAモードはON−OFFの白黒応答速度が速く、ラビングプロセスによる配向処理が不要な簡略構造である。IPS、FLCの各モードは視野角が広い。OCBモードは応答速度が全ての階調表示で早い。FLCやコレステリック液晶モードではメモリー性を付与することも可能であり、低消費電力化に有効である。TNモードは透過率が高く、かつ製造プロセスが簡略である。
本発明の液晶表示装置は、ECBモード、TNモード、VAモード、IPSモード、ベンドモード、OCBモードの態様であるのが好ましく、ECBモード及びVAモードの態様であるのがより好ましい。
さらに上記した通り、いずれの表示モードの液晶表示装置においても、一画素を複数の領域に分割するマルチドメインと呼ばれる構造にすると上下左右の視野角特性が平均化され、表示品質が向上するので好ましい。
液晶表示装置は、駆動方法により、TFT(Thin Film Transistor)やMIM(Metal Insulator Metal)のような3端子又は2端子反導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置と、時分割駆動と呼ばれるSTN型に代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様があり、本発明はいずれにおいても有効である。
以下、本発明の液晶表示装置に用いられる種々の部材について詳細に説明する。
[カラーフィルタ]
本発明の液晶表示装置の液晶セルの一対の基板の一方の対向面に、カラーフィルタを配置するのが好ましい。カラーフィルタについては特に制限されないが、例えば、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各層を含むカラーフィルタを配置するのが好ましい。
前述のように本発明の液晶表示装置では、前記液晶セルが、3つの絵素領域を含み、これらのうち少なくとも2つの絵素領域における液晶層の厚さが異なる。この構成を達成する好ましい手段の一つは、前記3つの絵素領域上に配置されたカラーフィルタの厚さのうち、少なくとも2つの絵素領域に配置されたカラーフィルタの厚さを異なるものとすることである。
これによって前記3つの絵素領域上に配置されたカラーフィルタのRthのうち、少なくとも2つの絵素領域に配置されたカラーフィルタのRthを異なるものとすることができ、本発明の課題をより効果的に達成することができる。
カラーフィルタは、例えば、以下の方法で作製することができる。先ず、透明基板上に赤色、緑色、青色等の、目的に合せた着色画素を形成する。透明基板上に赤色、緑色、青色等の着色画素を形成する方法としては、前述した染色法、印刷法、又は着色感光性樹脂液をスピンコーター等で塗布後、フォトリソ工程でパターニングする着色レジスト法、ラミネート法、インクジェット法等が適宜利用できる。例えば、塗布工程を含む形成方法では、塗布量を調整することで、厚さの異なるRGB層を有するカラーフィルタを形成できる。また、ラミネート法を利用する場合は、厚さが異なる転写材料を用いることで、厚さの異なるRGB層からなるカラーフィルタを形成できる。
黒色感光性樹脂を用いてブラックマトリクスを形成する場合は、上記着色画素を形成した後にするのが好ましい。最初にブラックマトリクスを形成すると、光学濃度の高い黒色感光性樹脂では、樹脂表面しか硬化しないため、次いで行われる現像処理、特に着色画素を形成するため繰り返し行う現像処理により未硬化の樹脂が溶け出し(サイドエッチと称する)、極端な場合には形成されたマトリクスが剥がれてしまうこともあるからである。
これに対し、ブラックマトリクスを最後に形成すれば、ブラックマトリクスの周囲は着色画素で囲まれていて、断面からは現像液が浸透しにくいため、サイドエッチが起こりにくく、光学濃度の高いブラックマトリクスを形成できるという大きな利点がある。
更に、着色画素形成用の着色層の形成をラミネート法で行う場合は、先にブラックマトリクスを形成すると、着色画素が形成されるべき場所がブラックマトリクスでほぼ格子状に閉じられているため、ラミネート時に気泡を巻き込み易いという問題があるが、後にブラックマトリックスを形成すれば、かかる問題は生じないので好ましい。
黒色感光性樹脂の感光波長域に対する着色画素の光透過率が2%を超える場合は、予め着色画素の中に光吸収剤等を加え、その透過率を2%以下にすることが好ましい。この際使用する光吸収剤としては公知の種々の化合物を用いることができる。例えば、ベンゾフェノン誘導体(ミヒラーズケトン等)、メロシアニン系化合物、金属酸化物、ベンゾトリアゾール系化合物、クマリン系化合物等を挙げることができる。その中でも、光吸収性が良好で、かつ200℃以上の熱処理の後でも25%以上の光吸収性能を保持するものが好ましく、具体的には酸化チタン、酸化亜鉛、ベンゾトリアゾール系化合物、クマリン系化合物が挙げられる。これらの中では、クマリン系化合物が耐熱性、光吸収性の両観点から特に好ましい。尚、上述の200℃以上の熱処理は、各画素を形成後、一層硬化させるために行われるものである。
次に、画素パターンを覆って透明基板全面に黒色感光性樹脂層を設けるが、これも黒色感光性樹脂液をスピンコーターやロールコーターで塗布する方法、また、予め黒色感光性樹脂液を仮支持体上に塗布することにより画像形成材料を作成し、画素パターン上にこの黒色感光性樹脂層を転写する方法等が利用できる。
次に、フォトマスクを介して黒色感光性樹脂層側から露光し、着色画素が存在しない遮光部(ブラックマトリックス)の黒色感光性樹脂層を硬化させる。着色画素は、露光機のアライメント誤差や基板の熱膨張の影響を受けて多少の位置ずれがあり、画素自体の太りや細りがあって、設計寸法通りの間隔や大きさで配置されてはいないのが普通である。特に大サイズの基板ではこの傾向が強くなる。したがって、設計画素間隔通りのフォトマスクで露光した場合、ブラックマトリックスが画素と重なる部分や、逆に画素との間に隙間ができる部分が発生する。重なった部分は突起になり、隙間ができた部分は光漏れになるので何れも好ましくない。
カラーフィルタが、下記条件を満たしていると、より色再現性が改善され、黒表示時のカラーシフトを軽減できるので好ましい。
(I)0≦Re(630)≦10nm、且つ|Rth(630)|≦25nm
(II)|Re(400)−Re(700)|≦10nm、且つ|Rth(400)−Rth(700)|≦35nm
カラーフィルタのReは、正面コントラスト比を低下させないためになるべく0に近いことが好ましい。また0でない場合でも、カラーフィルムの面内遅相軸と偏光膜吸収軸と平行、あるいは直交させることが好ましい。カラーフィルタのRthは、正面コントラスト比低下に影響を与えず、斜め方向の色調視野角改善に寄与する。カラーフィルタに上記条件のRthを付与することで、画素毎に視野角の光学補償をより完全に行うことができ、各表示モードの液晶表示装置の斜め方向での着色現象を改善する(軽減する)ことができる。
なお、上記した通り、液晶セル内に配置するカラーフィルタ以外の機能層、例えば、セル基板(好ましくはTFT基板)の内面に形成する平坦化膜、配向膜、及び絶縁膜等に、上記(I)及び(II)を満足する光学特性を付与しても、勿論、同様な効果が得られる。
カラーフィルタのレターデーションは、例えば、カラーフィルタを転写材料を用いて作製する場合は、転写材料の構成層である感光層や着色層にレターデーション上昇剤や低下剤を添加することにより調整することができる。
インクジェット法を用いて作製する場合は、特開平8−227012号公報や特開2007−108498号公報に記載の通り、バインダー及び着色剤を含有するインクジェット用インク中に、レターデーション上昇剤や低下剤を添加することにより調整することができる。
レターデーション上昇剤の代表例としては、下記式で表される化合物及びこれに類似する化合物が挙げられる。
Figure 2008020905
上記レターデーション上昇剤に代えて、又はそれとともに、棒状又は円盤状化合物をレターデーション上昇剤として用いることもできる。前記棒状又は円盤状化合物としては、少なくとも2つの芳香族環を有する化合物を用いることができる。
円盤状化合物は、Rthレターデーション発現性において棒状化合物よりも優れているため、特に大きなRthレターデーションを必要とする場合には好ましく使用される。2種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
棒状又は円盤状化合物からなる前記レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
レターデーション上昇剤として使用可能な棒状化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
レターデーション上昇剤として、溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて、最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を用いるのが好ましく、かかる性質の棒状化合物を2種類以上併用してもよい。
棒状化合物は、文献記載の方法により合成できる。
文献としては、“Mol.Cryst.Liq.Cryst.”,53巻、p229(1979年)、同89巻、p93(1982年)、同145巻、p111(1987年)、同170巻、p43(1989年)、“J.Am.Chem.Soc.”,113巻、p1349(1991年)、同118巻、p5346(1996年)、同92巻、p1582ページ(1970年)、“J.Org.Chem.”,40巻、p420(1975年)、“Tetrahedron”,48巻16号、p3437(1992年)を挙げることができる。
レターデーション低下剤としては、下記一般式(13)で表される化合物が好ましい。また、レターデーション低下剤としては、芳香族基のような平面性の官能基を複数持ち、それらの官能基が同一平面ではなく、非平面に存在する分子構造の化合物が好ましい。
Figure 2008020905
上記一般式(13)中、R11はアルキル基又はアリール基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。また、R11、R12及びR13の炭素原子数の総和が10以上であることが特に好ましい。R11、R12及びR13は置換基を有していてもよく、置換基としてはフッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基及びスルホンアミド基が好ましく、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基及びスルホンアミド基が特に好ましい。また、アルキル基は直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく、炭素原子数1〜25のものが好ましく、6〜25のものがより好ましく、6〜20のもの(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、t−アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ビシクロオクチル基、ノニル基、アダマンチル基、デシル基、t−オクチル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、ジデシル基)が特に好ましい。アリール基としては炭素原子数が6〜30のものが好ましく、6〜24のもの(例えば、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、ビナフチル基、トリフェニルフェニル基)が特に好ましい。
以下に、上記一般式(13)で表されるレターデーション低下剤の例、及び本発明に使用可能な他のレターデーション低下剤の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
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[液晶セルΔnd]
液晶セルのセルギャップと液晶層の屈折率異方性Δnの積Δndの大きさにより、液晶表示装置の明るさや、コントラスト、表示色の色調が変化する。そのため表示モード毎に最適なΔndの大きさに調整している。ECBモードではΔn・dを0.15〜0.35μmとする。Δn・dの最適値は0.2〜0.3μmが最適値となる。これらの範囲では白表示輝度が高く、黒表示輝度が小さいことから、明るくコントラストの高い表示装置が得られる。なお、これらの最適値は透過モードの値であり、反射モードでは液晶セル内の光路が2倍になることから、最適Δndの値は上記の1/2程度の値になる。その他の表示モード、IPS、VAモードではΔn・dを0.15〜5μm、TNモードでは0.2〜0.5μm、OCBモードでは0.4〜1.2μmに設定すると良好な表示特性が得られる。
[バックライト]
液晶表示装置は液晶セルを通過する光のON、OFF遮断で表示を行うが、透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置することがで、明るく鮮やかな表示装置となる。
バックライトには、携帯端末やノートパソコンに使用される表示装置に使われるサイドエッジ型バックライトと、テレビなどの表示装置に使われる直下型バックライトがある。サイドエッジ型は導光板の端部に蛍光灯が1本あるいは2本配置された形状で、バックライトの装置厚さを小さくできる長所がある。一方直下型バックライトでは、必要輝度に応じて蛍光灯の数を増やすことが可能であり、高輝度を得やすい。
さらにバックライトの発光効率を高めるために、プリズム状やレンズ状の集光型輝度向上シート(フィルム)を積層したり、偏光板の吸収による光ロスを改善する偏光反射型の輝度向上シート(フィルム)をバックライトと液晶セルの間に積層したりしてもよい。また、バックライトの光源を均一化させるための拡散シート(フィルム)を積層してもよく、逆に光源に面内分布をもたせるための反射、拡散パターンを印刷などで形成したシート(フィルム)を積層してもよい。
[フィールドシーケンシャル]
液晶表示装置によるフルカラー表示の方式には、空間混合方式と時間差混合方式があり、後者はフィールドシーケンシャル方式と呼ばれている。
空間混合方式は赤(R)、緑(G)、青(B)の波長領域の光を重ねる加法混色を基本原理とし、LCDにおいて、R・G・Bにそれぞれ光る画素を近接して配置するとともに、各画素の輝度を変えることにより、これらの色を任意に混色して、任意の色光を得るものである。また、空間混合方式によるLCDにおいては、一般的にカラーフィルタが用いられている。しかしカラーフィルタは光の吸収で色表示を行うため透過率が低く、消費電力の点ではフィールドシーケンシャルバックライトのほうが優れる。
フィールドシーケンシャル方式とは、「時分割」による混色を利用したカラー表示方式である。すなわち、二色以上の光を継続的に切り替えて発光させ、かつ、その切り替えの速さを人間の目の時間的分解能を越えた速さとした場合に、人間が上述の二色以上の色を混色して認識することを応用した方式である。
フィールドシーケンシャル方式のフルカラーLCDにおいては、動画表示におけるフィールド毎に、それぞれ、バックライトをR・G・B三つの発光色のうち一つの発光色で発光可能とするとともに、フィールド毎に継続的にR・G・Bの発光色を切り替えて(時分割して)発光させ、その切り替えの速さを充分に速くすることにより任意の色光を得るようになっている。
[アプリケーション]
本発明の液晶表示装置には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。画像直視型にはノートパソコン、パソコン用モニターなどのOA機器、テレビなどのマルチメディア用ディスプレイ、携帯電話や携帯端末の小型表示装置がある。さらにはアミューズメント機器の表示装置や会議用の縦置きや床置きの大型表示装置がある。
画像投影型はスクリーンに直接投影するフロントプロジェクター型とスクリーンの背面から投影するリヤプロジェクター型がある。またLED光源等を用いた携帯型のプロジェクターにも有効である。
光変調型は、3次元ディスプレイや高臨場感型ディスプレイとよばれる表示装置に有効である。例えば液晶セルを2枚用いた3次元ディスプレイや複数のリヤプロジェクターからなる円筒型3次元ディスプレイに有効である。
[光学補償シート]
本発明の液晶表示装置は、光学補償シートを有していてもよい。光学補償シートは、画像着色の解消や視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学補償シートとしては、延伸複屈折ポリマーフィルムが従来から使用されていた。延伸複屈折フィルムからなる光学補償シートに代えて、透明支持体上に低分子あるいは高分子液晶性化合物から形成された光学異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。液晶性化合物には多様な配向形態があるため、液晶性化合物を用いることで、従来の延伸複屈折ポリマーフィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。さらに偏光板の保護膜としても機能する。プラスチック基板において光学補償シートを兼ねることも可能である。
光学補償シートの光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には上記のような表示モードの違いに応じて決定する。液晶性化合物を用いると、液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有する光学補償シートを製造することができる。様々な表示モードに対応した棒状、回転楕円体状や円盤状の液晶性化合物を用いた光学補償シートが、既に種々提案されている。例えば、TNモード液晶セル用光学補償シートは、電圧印加により液晶分子がねじれ構造が解消しつつ基板面に傾斜した配向状態の光学補償を行い、黒表示時の斜め方向の光漏れ防止によるコントラストの視角特性を向上させる。VAモードやIPSモード用光学補償シートは、偏光板の視野角依存性を補償して全方位で黒表示の輝度を低くしコントラストの視角特性を向上させる。
さらに光学補償シートの光学的性質は、光の波長毎に最適な値に設計することで、色変化の少ない広視野特性を有する液晶表示装置を提供する。特にマルチギャップやマルチドメインと組合せると有効である。
また視野角を拡大するのではなく、特定方向のみから表示が観察できるような狭視野角化も可能である。
光学補償シートの一例として、液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層と、該光学異方性層を支持する支持体とを有する光学補償シートが挙げられる。以下、この態様の光学補償シートについて、詳細に説明する。
《光学異方性層》
光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物を補償するように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶化合物の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2、P411〜414に記載されている。光学異方性層は、液晶性化合物を含有する組成物を表面、例えば、所定のラビング軸等に沿ってラビング処理された表面に配置して、該ラビング軸に応じて、液晶性化合物の分子を配向させ、その配向状態に固定して形成することができる。
光学異方性層の形成に用いる液晶性化合物の例には、棒状液晶性化合物及び円盤状液晶性化合物のいずれも含まれる。棒状液晶性化合物及び円盤状液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。光学異方性層の作製に棒状液晶性化合物を用いた場合は、棒状液晶性分子を、その長軸を支持体面へ投影した軸の平均方向が、配向軸に対して平行になるように配向させ、その状態に固定して形成するのが好ましい。また、光学異方性層の作製に円盤状液晶性化合物を用いた場合は、円盤状液晶性分子を、その短軸を支持体面へ投影した軸の平均方向が配向軸に対して平行になるように配向させて、その状態に固定して形成するのが好ましい。また、棒状液晶性分子及び円盤状液晶性分子の基板面とのなす角度によって定義される配向状態は、水平(ホモジニアス)配向、垂直配向、均一傾斜配向のいずれであってもよいが、基板面とのなす角(傾斜角)が深さ方向に変化する、後述のハイブリッド配向が好ましい。
《棒状液晶性化合物》
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性分子を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性分子は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、ラジカル重合性不飽基或はカチオン重合性基が好ましく、具体的には、例えば特開2002−62427号公報明細書中の段落番号[0064]〜[0086]記載の重合性基、重合性液晶化合物が挙げられる。
《円盤状液晶性化合物》
円盤状(ディスコティック)液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett、A、78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.、1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
円盤状液晶性化合物としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子又は分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶性化合物を利用して形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる円盤状性分子が液晶性を示す必要はなく、例えば、低分子の円盤状液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合又は架橋し、高分子量化し液晶性を失っていてもよい。円盤状液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
円盤状液晶性分子を重合により固定するためには、円盤状液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基は、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことができる。例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0151]〜「0168」記載の化合物等が挙げられる。
ハイブリッド配向では、円盤状液晶性分子の円盤面と支持体の面との角度が、光学異方性層の深さ方向でかつ支持体の面からの距離の増加と共に増加又は減少している。角度は、距離の増加と共に増加することが好ましい。さらに、角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加及び減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度は、角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加又は減少していればよい。さらに、角度は連続的に変化することが好ましい。
支持体側の円盤状液晶性分子の長軸の平均方向は、一般に円盤状液晶性分子あるいは配向膜の材料を選択することにより、又はラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の円盤状液晶性分子の円盤面方向は、一般に円盤状液晶性分子あるいは円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
《光学異方性層中の他の添加物》
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することができる。液晶性分子と相溶性を有し、液晶性分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、円盤状液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物が挙げられる。
円盤状液晶性分子とともに使用するポリマーは、円盤状液晶性分子に傾斜角の変化を与えられることが好ましい。
ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性分子の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。円盤状液晶性分子のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
《光学異方性層の形成》
光学異方性層は、液晶性化合物、及び必要に応じて重合性開始剤や任意の添加剤を含む組成物を、配向膜の上に配置し、形成することができる。組成物は、塗布液として調製してもよい。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N、N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
《液晶性分子の配向状態の固定》
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組合せ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
なお、保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
《支持体》
光学補償シートの支持体は、透明であるのが好ましく、少なくとも一枚のポリマーフィルムからなるのが好ましい。複数のポリマーフィルムで透明支持体を構成してもよい。支持体の光学異方性は、具体的には、波長632.8nmの光で測定したReレターデーション値が10〜70nmであり、かつ波長632.8nmの光で測定したRthレターデーション値を50〜400nmであるのが好ましい。なお、液晶表示装置にこのような光学異方性層のポリマーを二枚使用する場合は、一枚のフィルムのRthレターデーション値は、50〜200nmであることが好ましい。液晶表示装置に一枚の複屈折性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は、70〜400nmであることが好ましい。
ポリマーフィルムの遅相軸角度の平均値は3°以下であることが好ましく、2°以下であることがさらに好ましく、1°以下であることが最も好ましい。遅相軸角度の平均値の方向を遅相軸の平均方向と定義する。また、遅相軸角度の標準偏差は1.5°以下であることが好ましく、0.8°以下であることがさら好ましく、0.4°以下であることが最も好ましい。ポリマーフィルム面内における遅相軸の角度は、ポリマーフィルムの延伸方向を基準線(0°)とし、遅相軸と基準線のなす角度で定義する。ロール形態のフィルムを幅方向に延伸する時は幅方向を基準線とし、長手方向に延伸する時は長手方向を基準線とする。
ポリマーフィルムは、光透過率が80%以上であることが好ましい。ポリマーフィルムは、60×10-122/N以下の光弾性係数を有することが好ましい。
光学補償シートを使用した透過型液晶表示装置において、通電後時間が経過すると画面周辺部に「額縁状の表示ムラ」が発生することがある。このムラは、画面周辺部の透過率の上昇によるものであり、特に黒表示時において顕著となる。透過型液晶表示装置では、バックライトから発熱しており、しかも液晶セル面内で温度分布が生じる。この温度分布により光学補償シートの光学特性(レターデーション値、遅相軸の角度)が変化することが「額縁状の表示ムラ」の発生原因である。光学補償シートの光学特性の変化は、温度上昇による光学補償シートの膨張又は収縮が液晶セル又は偏光板との粘着により抑制されるために、光学補償シートに弾性変形が生じることに起因する。
透過型液晶表示装置に生じる「額縁状の表示ムラ」を抑制するために、光学補償シートの透明支持体に熱伝導率が高いポリマーフィルムを使用することが好ましい。熱伝導率が高いポリマーの例には、セルロースアセテート(熱伝導率(以下同様):0.22W/(m・K))のようなセルロース系ポリマー、ポリカーボネート(0.19W/(m・K))のようなポリエステル系ポリマー及びノルボルネン系ポリマー(0.20W/(m・K))のような環状オレフィンポリマーが含まれる。
市販のポリマー、例えば、市販のノルボルネン系ポリマー(アートン、JSR(株)製;ゼオノア、日本ゼオン(株)製、ゼオネックス;日本ゼオン(株)製)を用いてもよい。ポリカーボネート系コポリマーについては、特開平10−176046号及び特開2001−253960号の各公報に記載がある。
光学補償シートの支持体として用いるポリマーフィルムは、セルロース系ポリマーのフィルムが好ましく、セルロースエステルのフィルムがより好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルのフィルムがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)又は4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
セルロースアセテート(セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)が特に好ましい。酢化度が59.0〜61.5%であるセルローストリアセテートが最も好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定及び計算に従う。
ポリマーの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、ポリマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMm/Mn(Mmは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMm/Mnの値は、1.00〜1.70であることが好ましく、1.30〜1.65であることがさらに好ましく、1.40〜1.60であることが最も好ましい。
ポリマーフィルムのレターデーションを調整するため、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することができる。
ポリマーフィルムとしてセルロースアセテートフィルムを用いる場合、芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
レターデーション上昇剤の分子量は、300〜800であることが好ましい。
レターデーション上昇剤については、特開2000−111914号、同2000−275434号、同2001−166144号の各公報及び国際公開第00/02619号パンフレットに記載されている。
ソルベントキャスト法によりポリマーフィルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマーを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。有機溶媒は、炭素原子数が2〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が2〜12のエステル及び炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性ヒドロキシル基のような他の官能基を有していてもよい。
エーテルの例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトールが含まれる。ケトンの例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが含まれる。エステルの例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートが含まれる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1又は2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
一般的な方法でポリマー溶液(ドープ)を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温又は高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法及び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。ポリマーの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整する。ポリマーの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温(0〜40℃)でポリマーと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧及び加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、ポリマーと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
ポリマー溶液(ドープ)の調製は、冷却溶解法に従い実施してもよい。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で有機溶媒中にポリマーを撹拌しながら徐々に添加される。複数の溶媒を用いる場合は、その添加順は特に限定されない。例えば、主溶媒中にポリマーを添加した後に、他の溶媒(例えばアルコールなどのゲル化溶媒など)を添加してもよいし、逆にゲル化溶媒を予めポリマーに湿らせた後の主溶媒を加えてもよく、不均一溶解の防止に有効である。ポリマーの量は、この混合物中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。
ポリマーの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物は−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却される。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、ポリマーと有機溶媒の混合物は固化する。冷却速度は、特に限定されないがバッチ式での冷却の場合は、冷却に伴いポリマー溶液の粘度が上がり、冷却効率が劣るために所定の冷却温度に達するために効率よい溶解釜とすることが必要である。
冷却溶解法においては、ポリマー溶液を膨潤させた後、所定の冷却温度にした冷却装置内を短時間で移送してもよい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。さらに、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温すると、有機溶媒中にポリマーが流動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧及び減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアセテート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
調製したポリマー溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりポリマーフィルムを製造する。またドープに、前記のレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。
ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40%、より好ましくは15〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延及び乾燥方法については、米国特許第2336310号、同第2367603号、同第492078号、同第2492977号、同第2492978号、同第2607704号、同第2739069号、同第2739070号、英国特許第640731号、同第736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。ドープは、表面温度が40℃以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラム又はバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラム又はバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
複数のポリマー溶液を流延してもよい。
複数のポリマー溶液を流延する場合、支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からポリマーを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製することができる(特開昭61−158414号、特開平1−122419号、同11−198285号の各公報記載)。また、2つの流延口からポリマー溶液を流延することによってもフィルムを製造できる(特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、同61−947245号、同61−104813号、同61−158413号、特開平6−134933号の各公報記載)。さらに、高粘度ポリマー溶液の流れを低粘度のポリマー溶液で包み込み、その高・低粘度のポリマー溶液を同時に押出すポリマーフィルム流延方法(特開昭56−162617号公報記載)も採用できる。
二個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成型したフィルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行うことでより、フィルムを作製する方法(特公昭44−20235号公報記載)も実施できる。複数のポリマー溶液ポリマー溶液は、同一の溶液でもよい。複数のポリマー層に異なる機能を持たせるためには、その機能に応じたポリマー溶液を、それぞれの流延口から押出せばよい。
ポリマー溶液は、他の機能層(例、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層)の塗布液と同時に流延することもできる。
従来の単層液では、必要なフィルム厚さにするためには高濃度で高粘度のポリマー溶液を押出すことが必要である。その場合、ポリマー溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良であったりして問題となることが多かった。この解決として、複数のポリマー溶液を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時に支持体上に押出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルムが作製できる。さらに、濃厚なポリマー溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、さらに、フィルムの生産スピードを高めることができる。
ポリマーフィルムには、機械的物性を改良するため、又は乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステル又はカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)及びトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)及びジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)及びO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEP及びDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、ポリマーの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることが最も好ましい。
ポリマーフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びトリベンジルアミン(TBA)である。
作製したポリマーフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%であることが好ましい。延伸後のポリマーフィルムの厚さは、20〜200μmであることが好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましい。延伸処理の条件を調整することにより、光学補償シートの遅相軸の角度の標準偏差を小さくすることができる。延伸処理は、テンターを用いて実施できる。ソルベントキャスト法により作製したフィルムに、テンターを用いて横延伸を実施する際に、延伸後のフィルムの状態を制御することにより、フィルム遅相軸角度の標準偏差を小さくすることができる。具体的には、テンターを用いてレターデーション値を調整する延伸処理を行い、そして延伸直後のポリマーフィルムを最大延伸倍率から最大延伸倍率の1/2の延伸倍率の間の延伸倍率で、フィルムのガラス転移温度近傍で保持することで、遅相軸角度の標準偏差を小さくすることができる。この保持の際のフィルムの温度をガラス転移温度よりも低い温度で行うと、標準偏差が大きくなってしまう。
また、ロール間にて縦延伸を行う際に、ロール間距離を広くすることによっても、遅相軸の標準偏差を小さくできる。
ポリマーフィルムを、光学補償シートの透明支持体としての機能に加えて、偏光膜の透明保護膜としても機能させる場合、ポリマーフィルムを表面処理することが好ましい。
表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理又は紫外線照射処理を実施する。酸処理又はアルカリ処理を実施することが好ましく、アルカリ処理を実施することがさらに好ましい。ポリマーがセルロースアセテートである場合、酸処理又はアルカリ処理は、セルロースアセテートに対するケン化処理として実施される。
《配向膜》
前記光学異方性層の形成には、配向膜を利用してもよい。配向膜は、光学異方性層中の液晶性化合物の分子を配向制御する。配向膜の表面は、ラビング処理されているのが好ましい。液晶性化合物を含有する塗布液をラビング処理面に塗布し、乾燥すると、液晶性分子はラビング処理面のラビング軸に応じて配向する。
但し、液晶性化合物の分子を配向させた後に、その配向状態を固定して光学異方性層を形成してしまえば、その後、配向膜は必須のものではない。即ち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを支持体や、偏光フィルム上に転写してもよい。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような方法で設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマー層の表面をラビング処理することにより形成することが好ましい。配向膜に使用するポリマーは、原則として、液晶性分子を配向させる機能のある分子構造を有する。本発明では、液晶性分子を配向させる機能に加えて、架橋性官能基(例、二重結合)を有する側鎖を主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する架橋性官能基を側鎖に導入することが好ましい。配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができし、これらの組合せを複数使用することができる。ポリマーの例には、例えば特開平8−338913号公報明細書中段落番号[0022]記載のメタクリレート系共重合体、スチレン系共重合体、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリカーボネート等が含まれる。シランカップリング剤をポリマーとして用いることができる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。重合度が異なるポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを2種類併用することが特に好ましい。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜5000であることが好ましい。
液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖は、一般に疎水性基を官能基として有する。具体的な官能基の種類は、液晶性分子の種類及び必要とする配向状態に応じて決定する。例えば、変性ポリビニルアルコールの変性基としては、共重合変性、連鎖移動変性又はブロック重合変性により導入できる。変性基の例には、親水性基(カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、チオール基等)、炭素数10〜100個の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チオエーテル基、重合性基(不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基等)、アルコキシシリル基(トリアルコキシ、ジアルコキシ、モノアルコキシ)等が挙げられる。これらの変性ポリビニルアルコール化合物の具体例として、例えば特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0022]〜[0145]、同2002−62426号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0022]に記載のもの等が挙げられる。
架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなく、配向膜ポリマーと配向膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、光学補償シートの強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜ポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させることもできる。架橋剤としては、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール及びジアルデヒド澱粉が含まれる。二種類以上の架橋剤を併用してもよい。具体的には、例えば特開2002−62426号公報明細書中の段落番号[0023]〜[024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このように調節することで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、レチキュレーション発生のない充分な耐久性が得られる。が発生することがある。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー、架橋剤を含む透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行ってよい。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の層表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜の形成時に離用する塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥は、20℃〜110℃で行うことができる。充分な架橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、特に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行うことができるが、好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5〜5.5で、特に5が好ましい。
配向膜は、支持体上又は支持体上に形成された下塗層上に設けてもよい。配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、表面をラビング処理することにより得ることができる。
前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
次に、配向膜を機能させて、配向膜の上に光学異方性層形成用の組成物(塗布液)を配置し、液晶性化合物の分子を配向させる。その後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、あるいは、架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させてもよい。配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
《楕円偏光板》
本発明の液晶表示装置には、前記光学異方性層を直線偏光膜(偏光膜フィルム)と一体化させた楕円偏光板を用いることができる。前記楕円偏光板は、前記光学補償シートと直線偏光膜(以下、単に「偏光膜」、「偏光フィルム」という場合は「直線偏光膜」をいうものとする)とを積層することによって作製することができる。光学補償シートは、直線偏光膜の保護膜を兼ねていてもよい。
直線偏光膜は、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素又は二色性色素からなる偏光膜が好ましい。直線偏光膜におけるヨウ素及び二色性色素は、バインダー中で配向することで偏向性能を発現する。ヨウ素及び二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。現在、市販の偏光子は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素をバインダー中に浸透させることで作製されるのが一般的である。
市販の偏光膜は、ポリマー表面から4μm程度(両側合せて8μm程度)にヨウ素もしくは二色性色素が分布しており、十分な偏光性能を得るためには、少なくとも10μmの厚みが必要である。浸透度は、ヨウ素もしくは二色性色素の溶液濃度、同浴槽の温度、同浸漬時間により制御することができる。上記のように、バインダー厚みの下限は、10μmであることが好ましい。厚みの上限は、液晶表示装置の光漏れの観点からは、薄ければ薄い程よい。現在市販の偏光板(約30μm)以下であることが好ましく、25μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。20μm以下であると、光漏れ現象は、17インチの液晶表示装置で観察されなくなる。
偏光膜のバインダーは架橋していてもよい。架橋しているバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーを用いることができる。官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入して得られるバインダーを、光、熱あるいはpH変化により、バインダー間で反応させて偏光膜を形成することができる。また、架橋剤によりポリマーに架橋構造を導入してもよい。架橋は一般に、ポリマー又はポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上に塗布したのち、加熱を行うことにより実施される。最終商品の段階で耐久性が確保できればよいため、架橋させる処理は、最終の偏光板を得るまでのいずれの段階で行ってもよい。
偏光膜のバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。ポリマーの例としては、前記の配向膜で記載のポリマーと同様のものが挙げられる。ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。変性ポリビニルアルコールについては、特開平8−338913号、同9−152509号及び同9−316127号の各公報に記載がある。ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールは、二種以上を併用してもよい。
バインダーの架橋剤の添加量は、バインダーに対して、0.1〜20質量%が好ましい。偏光素子の配向性、偏光膜の耐湿熱性が良好となる。
配向膜は、架橋反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程度含んでいる。但し、残存する架橋剤の量は、配向膜中に1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このようにすることで、偏光膜を液晶表示装置に組み込み、長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、偏光度の低下を生じない。
架橋剤については、米国再発行特許23297号明細書に記載がある。また、ホウ素化合物(例、ホウ酸、硼砂)も、架橋剤として用いることができる。
二色性色素としては、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素あるいはアントラキノン系色素が用いられる。二色性色素は、水溶性であることが好ましい。二色性色素は、親水性置換基(例、スルホ、アミノ、ヒドロキシル)を有することが好ましい。
二色性色素の例としては、例えば、前記の公技番号2001−1745号の58頁に記載の化合物が挙げられる。
液晶表示装置のコントラスト比を高めるためには、偏光板の透過率は高い方が好ましく、偏光度も高い方が好ましい。偏光板の透過率は、波長550nmの光において、30〜50%の範囲にあることが好ましく、35〜50%の範囲にあることがさらに好ましく、40〜50%の範囲にあることが最も好ましい。偏光度は、波長550nmの光において、90〜100%の範囲にあることが好ましく、95〜100%の範囲にあることがさらに好ましく、99〜100%の範囲にあることが最も好ましい。
《楕円偏光板の製造》
延伸法の場合、延伸倍率は2.5〜30.0倍が好ましく、3.0〜10.0倍がさらに好ましい。延伸は、空気中でのドライ延伸で実施できる。また、水に浸漬した状態でのウェット延伸を実施してもよい。ドライ延伸の延伸倍率は、2.5〜5.0倍が好ましく、ウェット延伸の延伸倍率は、3.0〜10.0倍が好ましい。延伸工程は、斜め延伸を含め数回に分けて行ってもよい。数回に分けることによって、高倍率延伸でもより均一に延伸することができる。斜め延伸前に、横あるいは縦に若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度)を行ってもよい。延伸は、二軸延伸におけるテンター延伸を左右異なる工程で行うことによって実施できる。上記二軸延伸は、通常のフィルム製膜において行われている延伸方法と同様である。二軸延伸では、左右異なる速度によって延伸されるため、延伸前のバインダーフィルムの厚みが左右で異なるようにする必要がある。流延製膜では、ダイにテーパーを付けることにより、バインダー溶液の流量に左右の差をつけることができる。
ラビング法では、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されているラビング処理方法を応用することができる。すなわち、膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維を用いて一定方向に擦ることにより配向を得る。一般には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布を用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。ロール自身の真円度、円筒度、振れ(偏芯)がいずれも30μm以下であるラビングロールを用いて実施することが好ましい。ラビングロールへのフィルムのラップ角度は、0.1〜90゜が好ましい。ただし、特開平8−160430号公報に記載されているように、360゜以上巻き付けることで、安定なラビング処理を得ることもできる。
長尺フィルムをラビング処理する場合は、フィルムを搬送装置により一定張力の状態で1〜100m/minの速度で搬送することが好ましい。ラビングロールは、任意のラビング角度設定のためフィルム進行方向に対し水平方向に回転自在とされることが好ましい。0〜60゜の範囲で適切なラビング角度を選択することが好ましい。
直線偏光膜の光学異方性層と反対側の表面には、ポリマーフィルムを配置する(光学異方性層/偏光膜/ポリマーフィルムの配置とする)ことが好ましい。
ポリマーフィルムは、その最表面が防汚性及び耐擦傷性を有する反射防止膜を設けてなることも好ましい。反射防止膜は、従来公知のいずれのものも用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(セルロースアセテート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
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セルロースアセテート溶液組成
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酢化度60.9%のセルロースアセテート 100.0質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.0質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.0質量部
下記の染料 0.0006質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
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Figure 2008020905
(マット剤分散液の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を分散し、マット剤分散液を調製した。
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マット剤分散液組成
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平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL・R972、日本アエロジル
(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 11.4質量部
セルロースアセテート溶液 10.3質量部
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(レターデーション上昇剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加温しながら攪拌して、各成分を溶解し、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
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レターデーション上昇剤溶液組成
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下記のレターデーション上昇剤 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.3質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアセテート溶液 12.8質量部
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Figure 2008020905
(セルロースアセテートフィルムの作製)
セルロースアセテート溶液94.75質量部、マット剤分散液1.30質量部、レターデーション上昇剤溶液3.95質量部をそれぞれ濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。レターデーション上昇剤のセルロースアセテートに対する質量比は4.8%であった。残留溶剤量が30質量%のフィルムをバンドから剥離した。140℃の温度で、フィルムをテンターを用いて28%の延伸倍率で横延伸し、延伸後に延伸倍率を25%に緩め140℃で20秒間保持した。この時最大拡幅点での残留溶剤量は14質量%であった。その後、クリップを外して130℃で45分間乾燥させセルロースアセテートフィルムを製造した。製造されたセルロースアセテートフィルムの残留溶剤量は0.2質量%であり、膜厚は88μmであった。
(光学特性の測定)
作製したセルロースアセテートフィルムについて、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用い、波長632.8nmの光でReレターデーション値を測定した。また面内の遅相軸をあおり軸として40°及び−40°あおってレターデーション値Re(40°)及びRe(−40°)を測定した。膜厚及び遅相軸方向の屈折率nxをパラメータとし、これらの測定値Re(632.8nm)、Re(40°)、Re(−40°)にフィッティングするように進相軸方向の屈折率ny及び厚み方向の屈折率nzを計算で求め、Rthレターデーション値を決定した。さらに、波長400nmと波長550nmの光で、Reレターデーション値を測定し、α2=Re(400nm)/Re(550nm)を計算した。
(セルロースアセテートフィルムのケン化処理)
作製したセルロースアセテートフィルムの一方の面に、1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2塗布し、25℃で5秒間放置した後、流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロースアセテートフィルムの一方の表面のみをケン化した。
(配向膜の形成)
ケン化処理したセルロースアセテートフィルム(透明支持体)の一方の面に、下記の組成の塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースアセテートフィルム(透明支持体)の延伸方向(遅相軸とほぼ一致)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
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配向膜塗布液組成
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下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 2質量部
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Figure 2008020905
(光学異方性層の形成)
下記の組成のディスコティック化合物を含む塗布液を上記作製した配向膜上に#3.2のワイヤーバーで連続的に塗布した。塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック化合物の配向熟成のために、100℃の温風で30秒、さらに130℃の温風で60秒間加熱した。続いて、UV照射により液晶化合物の配向を固定化し光学異方性層を形成した。続いて、光学異方性層が形成された面の反対側のセルロースアセテートフィルム表面を連続的にケン化処理し、光学補償シートを作製した。
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光学異方性層塗布液組成
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下記のディスコティック化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.34質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.11質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.03質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 20.23質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
メチルエチルケトン 107質量部
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Figure 2008020905
Figure 2008020905
Figure 2008020905
透明支持体をガラス板に変更した以外は、上記と同様に光学異方性層を形成した。エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用い、波長632.8nmの光で、光学異方性層のReレターデーション値を測定した。また面内の遅相軸をあおり軸として40°及び−40°あおってレターデーションRe(40)及びRe(−40)を測った。
さらに、波長400nmにおいてReレターデーション値を測定した。結果はRe(λ:632.8nm)=38nm、Re(40)/Re=1.76、及びRe(−40)/Re=0.46、Re(400)/Re(550)=1.06であった。
50%となる極角(法線からの傾きの角度)の範囲を白輝度視野角を測定した。結果は120°であった。なお、本明細書において、正面の白輝度に対して50%となる極角(法線からの傾きの角度)の範囲を白輝度視野角といい、本発明によれば、白輝度視野角が全方位角で極角50°以上である視野角を実現することができる。
(楕円偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。
次に、作製した光学補償シートの透明支持体側を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の片側に貼り付けた。透明支持体の遅相軸と偏光膜の透過軸とが平行になるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80U、富士写真フィルム(株)製)を透明支持体と同様にケン化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側(光学補償シートを貼り付けなかった側)に貼り付けた。
このようにして、楕円偏光板を作製した。
(ECB配向液晶セルの作製)
ITO電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。ラビング方向は、画面内の45°方向とした。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせて貼り合わせた、セルギャップを3.5μmに設定した。上下基板間に誘電異方性Δεが正で、屈折率異方性、Δn=0.0939(450nm、20°C)、0.0854(589nm、20°C)、0.0853(633nm、20°C)、Δε=+8.5程度の液晶(例えば、メルク社製のMLC−9100)を使用した。ここで厚さdと屈折率異方性Δnの積Δn・dの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るために、好ましくは、0.2〜0.4μmの範囲になるように設定する。偏光板吸収軸は液晶セル配向方向(ラビング方向)と概略45°交差し、かつ上下偏光板吸収軸の交差角は概略90°の直交ニコルである。
(カラーフィルタの作製)
一方の透明ガラス基板に特開平10−221518号公報に記載の方法で富士フイム(株)製のトランサーカラフィルタを形成し、同基材を粘着剤でITO付き透明電極基板と上側偏光板の間に固定し、積層した。この時、トランサーカラフィルタの表面凸凹は0.2μm以下であった。
このとき、青、緑、赤のカラーフィルタの厚みを変えることによって青及び緑色の画素の液晶層の厚さを3.5μm,及び赤色の画素の液晶層の厚さを3.4μmとした。緑及び赤の各画素の液晶層のレターデーションは、Δn(λ2)×d2=0.300μm,Δn(λ3)×d3=0.29μm(但し、λ2=589nm、λ3=633nm)であった。即ち、上記式(1−2)を満足していた。また各色のカラーフィルタのレターデーションを変え、青(450nm)のRthを8nm、緑(550nm)のRthを1nm、赤(650nm)のRthを5nmとした。
(液晶表示装置の光学性能)
作製した液晶表示装置をRGB3色のLED光源からなるフィールドシーケンシャルバックライト上に配置し、液晶セルに白表示電圧2V、黒表示電圧5Vを印加して輝度計(トプコン社製SR−3)を用いて、パネル正面のコントラスト比(白表示透過率と黒表示透過率の比)と、極角60°で方位角0〜360°を5°間隔で黒表示の透過率を測定し、最大透過率を表1に示す。
同表の結果より、青、緑、赤の表示において漏れ光が少なく、斜め方向からの観察で着色が少なかった。
[実施例2]
実施例1において、青、緑、赤のカラーフィルタの厚みをさらに変え各色のレターデーションを変えた。青色の画素の液晶層の厚さを3.3μm、緑色が3.5μm、赤色が3.4μmとした。各画素の液晶層のレターデーションは、Δn(λ1)×d1=0.310μm、Δn(λ2)×d2=0.30μm及びΔn(λ3)×d3=0.290μm(但し、λ1=450nm,λ2=589nm,λ3=633nm)であった。即ち、上記式(2)を満足していた。また各色のカラーフィルタのレターデーションは青(450nm)のRthは12nm、緑(550nm)のRthは5nm、赤(650nm)のRthは15nmであった。他の構成は実施例1と同一とした。またこのカラーフィルタのRe(630)は0.5nm、Re(400)は0.2nmであり、Rth(630)は15nm、Rth(400)は12nmであるので、上記式(I)を満足し、且つ、Re(400)−Re(700)は0.3nmであり、且つRth(400)−Rth(700)は−3nmであったので、上記式(II)を満足していた。
[比較例1]
実施例1において、カラーフィルタを積層しないで測定を行い、結果を表1に示す。
Figure 2008020905
実施例1及び2の液晶表示装置は、黒表示時の青、緑及び赤の各色での斜め方向透過率が減少していて、着色が改善されていた。一方、比較例1の液晶表示装置は、青及び赤の透過率が大きく、特に赤の透過率が大きく、赤色に着色していた。
[実施例3]
(VA液晶セルの作製)
電極、カラーフィルタ付ガラス基板を30×40mmに切断、家庭用中性洗剤を50ccの水で希釈した溶液に30秒間浸し、自然乾燥させた。また、別に洗浄したガラス基板を30×40mmに切断、液晶材料用配向膜(「JALS−2021−R1」、JSR社製)を基板に塗布、ラビング処理をした。この2枚の基板をラビング面が内側になるように組み立てた。液晶セルは、基板間のセルギャップを3.6μmとし、負の誘電率異方性を有する液晶材料(「MLC6608」、メルク社製)を基板間に滴下注入して封入し、基板間に液晶層を垂直配向するように形成して作製した。
(カラーフィルタの作製)
上記電極、カラーフィルタ付ガラス基板は特開平10−221518号公報の実施例に記載の方法で富士フイルム(株)製のトランサーカラフィルタを形成したものを使用した。使用したトランサーカラフィルタの表面凸凹は0.2ミクロン以下であった。1絵素の大きさは0.30×0.10mmとし、RGBで1画素とした。
青色の画素の液晶層の厚さを3.3μm、緑色が3.5μm、赤色が3.8μmとした。各画素の液晶層のレターデーションはそれぞれ、Δn(λ1)×d1=0.31μm、Δn(λ2)×d2=0.30μm及びΔn(λ3)×d3=0.295μm(但し、λ1=450nm、λ2=589nm、λ3=633nm)であった。即ち、上記式(2)を満足していた。また、このカラーフィルタのRe(630)は0.1nm,Re(400)は0.5nmであり、Rth(630)は7nm,Rth(400)は12nmであるので、上記式(I)を満足し、且つ、Re(400)−Re(700)は-0.4nmであり、且つRth(400)−Rth(700)は5nmであったので、上記式(II)を満足していた。
なお、Rthの値は、下記のレターデーション上昇剤を添加したり、その添加量を調整することで、及び所望により、上記一般式(13)で表されるレターデーション低下剤を添加することにより行なった。
Figure 2008020905
(液晶表示装置の光学性能)
作製した液晶表示装置をRGB3色のLED光源からなるバックライト上に配置し、液晶セルに白表示電圧6V、黒表示電圧1.5Vを印加して輝度計(トプコン社製SR−3)を用いて、パネル正面のコントラスト比(白表示透過率と黒表示透過率の比)と、極角60°で方位角0〜360°を5°間隔で黒表示の透過率を測定し、最大透過率を表2に示す。
同表の結果より、青、緑、赤の表示において漏れ光が少なく、斜め方向からの観察で着色が少なかった。
[比較例2]
実施例3において液晶層の厚さを青緑赤の絵素で一定、3.5μmにし、その他の構成は実施例3と同じにした。最大透過率を表2に示す。
Figure 2008020905
実施例3の液晶表示装置は、黒表示時において、青、緑及び赤の各色での斜め方向透過率が減少していて、着色が改善されていた。一方、比較例2の液晶表示装置は、青と赤の絵素の透過率が高く、黒表示が紫色に着色して観察された。
本発明の液晶表示装置の一例の概略図である。 本発明の液晶表示装置の一例の概略図である。
符号の説明
1 上側偏光板外側保護フィルム
2 上側偏光板外側保護フィルム遅相軸
3 上側偏光板偏光フィルム
4 上側偏光板偏光フィルム吸収軸
5 上側光学補償シート
5a 上側偏光板保護フィルム
5b 上側偏光板保護フィルム遅相軸
5c 上側光学異方性層
5d 上側光学異方性層遅相軸
6 液晶セル上側基板
7 上側基板液晶配向用ラビング方向
8 下側基板液晶配向用ラビング方向
9 液晶セル下側基板
10 液晶層(液晶性分子)
11 下側光学補償シート
11a 下側偏光板保護フィルム
11b 下側偏光板保護フィルム遅相軸
11c 下側光学異方性層
11d 下側光学異方性層遅相軸
12 下側偏光板偏光フィルム
13 下側偏光板偏光フィルム吸収軸
14 下側偏光板外側保護フィルム
15 下側偏光板外側保護フィルム遅相軸
LC ECBモード液晶セル
PL1 上側偏光板
PL2 下側偏光板
21 上側偏光板外側保護フィルム
22 上側偏光板偏光フィルム
23 上側偏光板偏光フィルム吸収軸
24 上側偏光板保護フィルム
25 上側偏光板保護フィルム遅相軸
26 液晶セル上側基板
27 液晶セル上側基板ラビング方向
28 液晶層(液晶性分子)
29 液晶セル下側基板
30 液晶セル下側基板ラビング方向
31 下側光学異方性層
32 下側光学異方性層遅相軸
33 下側偏光板保護フィルム
34 下側偏光板保護フィルム遅相軸
35 下側偏光板偏光フィルム
36 下側偏光板吸収軸
37 下側偏光板外側保護フィルム
LC’ VAモード液晶セル
PL1’ 上側偏光板
PL2’ 下側偏光板

Claims (11)

  1. 少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの外側の少なくとも一方に配置された偏光板とを有し、前記液晶セルが、少なくとも、電極を一方に有する対向配置された一対の基板と、該基板間に挟持された液晶層とを有するとともに、3つの絵素領域を含み、
    前記3つの絵素領域上に、透過率に波長選択性を有するカラーフィルタが配置され、それぞれの絵素領域に設けられたカラーフィルタの最大透過率をとる主波長を小さい方から順にλ1、λ2、及びλ3(単位nm)、これらそれぞれの絵素領域における前記液晶層の厚さを順にd1、d2、及びd3(単位:nm)、波長λ(単位:nm)における液晶層の屈折率異方性をΔn(λ)とした時、下記式(1−1)又は(1−2)を満たすことを特徴とする液晶表示装置:
    式(1−1):Δn(λ1)×d1 > Δn(λ2)×d2
    式(1−2):Δn(λ2)×d2 > Δn(λ3)×d3
  2. さらに、下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置:
    式(2):Δn(λ1)×d1 > Δn(λ2)×d2 > Δn(λ3)×d3
  3. 前記前記3つの絵素領域のうち、少なくとも2つの絵素領域における液晶層の厚さが異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記3つの絵素領域上に配置されたカラーフィルタの厚さのうち、少なくとも2つの絵素領域に配置されたカラーフィルタの厚さが異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記3つの絵素領域上に配置されたカラーフィルタの厚さ方向のレターデーション(Rth)のうち、少なくとも2つの絵素領域に配置されたカラーフィルタのRthが互いに異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記液晶セル内に配置された少なくとも一層が、下記式(I)及び(II)を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置:
    (I) |Re(630)|≦10、且つ|Rth(630)|≦40
    (II) |Re(400)−Re(700)|≦10、且つ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
    上記式(I)及び(II)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(nm)を表し、Rth(λ)は、波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(nm)を表す。
  7. 前記カラーフィルタが、前記式(I)及び(II)を満たすことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 電界の印加により、液晶分子の配向が基板面に垂直方向に変化し、液晶層の透過率が減少する、平行配向型ECBモードであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  9. ベンド配向表示モードであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. TN表示モードであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  11. VA表示モードであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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