JP2006091702A - 液晶表示装置および楕円偏光板 - Google Patents
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Abstract
【手段】 少なくとも一方に電極を有し、対向配置された一対の基板10及び14と、前記一対の基板の対向面がそれぞれ有する配向軸11及び13によって配向制御された液晶層12と、液晶層12を挟んで配置された一対の偏光板1〜6及び18〜23と、該液晶層と該一対の偏光板の少なくとも一方との間に、少なくとも一層の光学異方性層7及び15とを有する液晶表示装置であって、該光学異方性層7及び15の消光軸8及び16が、それぞれより近くに位置する基板10及び14の配向軸11及び13と交差するとともに、光学異方性層7及び15の面内レターデーションが30〜80nmであり、液晶層12が電界印加に応じて配向状態が変化し、そのことによって液晶層12の面内のレターデーションが変化し、且つ透過率が最小の時、前記光学異方性の面内レターデーションと前記液晶層の面内レターデーションとの差が最小となる液晶表示装置である。
【選択図】 図1
Description
[1] 少なくとも一層の光学異方性層と偏光膜とを有し、該光学異方性層の消光軸が偏光板の吸収軸と交差し、且つ前記光学異方性層の面内レターデーションが30〜80nmである楕円偏光板。
[2] 少なくとも一方に電極を有し、対向配置された一対の基板と、前記一対の基板の対向面がそれぞれ配向制御された液晶層と、該液晶層を挟んで配置された一対の偏光板とを有するノーマリーホワイトモードの液晶表示装置であって、
該偏光板が、偏光膜と、少なくとも一層の光学異方性層とを有し、該光学異方性層の消光軸が該偏光膜の吸収軸と交差するとともに、該光学異方性層の面内レターデーションが30〜80nmであり、
前記液晶層が電界印加に応じて配向状態が変化し、そのことによって該液晶層の面内のレターデーションが変化し、且つ
透過率が最小の時、前記光学異方性の面内レターデーションと前記液晶層の面内レターデーションとの差が最小となる液晶表示装置。
[3] 前記液晶層の厚さd(μm)と屈折率の異方性Δnの積が0.36μm〜0.43μmである[2]の液晶表示装置。
[4] 前記ノーマリーホワイトモードの液晶表示装置において、黒表示を0階調、白表示を255階調とし、その間の明るさを254レベルに分割した時、0階調の透過率をT(0)、31階調の透過率をT(31)及び255階調の透過率をT(255)とするとき下記式:
0.005<[T(31)−T(0)]/[T(255)−T(0)]<0.02
を満足する[2]又は[3]の液晶表示装置。
また、支持体の「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいう。更に、屈折率の測定波長は、特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。また、「黒電圧」とは、黒表示を実現する印加電圧を意味する。
Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフイルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフイルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸としてフイルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。この時、平均屈折率の仮定値および膜厚を入力することが必要である。KOBRA 21ADHはRth(λ)に加えてnx、ny、nzも算出する。平均屈折率は、セルロースアセテートでは1.48を使用するが、セルロースアセテート以外の代表的な光学用途のポリマーフイルムの値としては、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)、等の値を用いることが出来る。その他の既存のポリマー材料の平均屈折率値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)やポリマーフイルムのカタログ値を使用することができる。また、平均屈折率が不明な材料の場合は、アッベ屈折計を用いて測定することができる。
本発明は、少なくとも一方に電極を有し、対向配置された一対の基板と、前記一対の基板の対向面がそれぞれ配向制御された液晶層と、該液晶層を挟んで配置された一対の偏光板とを有するノーマリーホワイトモードの液晶表示装置であって、該偏光板が、偏光膜と、少なくとも一層の光学異方性層とを有し、該光学異方性層の消光軸が該偏光膜の吸収軸と交差するとともに、該光学異方性層の面内レターデーションが30〜80nmであり、前記液晶層が電界印加に応じて配向状態が変化し、そのことによって該液晶層の面内のレターデーションが変化し、且つ透過率が最小の時、前記光学異方性の面内レターデーションと前記液晶層の面内レターデーションとの差が最小となる液晶表示装置に関する。
本発明では、特にTNモードの液晶表示装置において、液晶セルのレターデーション(液晶層の厚さdと屈折率異方性Δnの積)と光学補償層のレターデーションの差を調整して、斜め方向階調反転を抑止して、滑らかな中間調表示画像を得ている。
吸収軸を直交させた2枚の偏光子(直交ニコル)の間に光学異方性層を挟み、偏光子の面と光学異方性層の面とが平行となるように配置した状態を考える。光学異方性層の位相差をδ、入射側の偏光子の偏光軸と光学異方性層の異常光軸とのなす角度をφとすると、入射光強度を1とした時、出射透過光強度はsin22φsin2δ/2と表される。これより、φがπ/2の整数倍の時は、位相差δに依らず透過光強度は0(ゼロ)となる。つまり、直交ニコル下で、光学異方性層を面内回転させると、90°毎に光透過率がほぼゼロとなることを意味し、この状態を消光状態といい、その時の角度を消光位という。光学異方性層の消光軸は、透過光強度が極小となる角度を測定して求める。その時の光の波長λは、可視光領域ならどの波長を用いてもよく、可視光全域の積分強度を用いてもよいが、特にλ=550nmを用いるのが好ましい。
図1の液晶表示装置は、上側基板10及び下側基板14と、これらに挟持され、液晶分子12から形成される液晶層とからなる液晶セルを有する。基板10及び14の液晶分子12に接触する表面(対向面)は、所望により配向膜(不図示)が形成されている。対向面は、ラビング処理等により配向軸(ラビング方向)11及び13を有し、電圧無印加状態もしくは低印加状態における液晶分子12の配向が制御されている。また、基板10及び14の対向面には、液晶分子12からなる液晶層に電圧を印加可能な透明電極(不図示)が形成されている。
なお、光学異方性層を2以上有する場合は、光学異方性層の面内レターデーションとは、複数の光学異方性層の合成レターデーションをいうものとする。
本発明では、液晶セルの光学補償のために、配向状態に固定された化合物を含有する光学異方性層を用いる。本発明では、該光学異方性層を、支持体上に形成して、光学補償シートとして液晶表示装置中に組み込んでもよいし、該光学補償シートと直線偏光膜とを一体化した楕円偏光板として液晶表示装置中に組み込んでもよい。上記のように角度設定された光学補償シートおよび偏光板の作製方法は、特に限定されないが、光学補償シート又は偏光板作製時に、ロール搬送方向に対して配向制御方向や延伸方向などを調整する方法;及び光学補償シート及び偏光板をロール・トゥ・ロールにて作製後、打抜き時に設定角度で打抜く方法が挙げられる。
本発明に使用可能な光学補償シートの例は、光学的に透明な支持体と、該支持体上に、光学異方性層とを有する。この光学補償シートを液晶表示装置に用いることで、他の諸特性を低下させることなく、液晶セルを光学的に補償することができる。
《支持体》
本発明の透明支持体の材料としては、透明である限りどのような材料でも使用することができる。光透過率が80%以上を有する材料が好ましい。このような材料としては、市販品から入手することができ、例えばゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)製)及びフジタック(富士写真フイルム(株)製)などを使用することができる。さらに、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポリエーテルスルホン等の大きい固有複屈折率を有する素材も、溶液流延、溶融押し出し等の条件、さらには縦、横方向に延伸状検討を適宜設定することにより使用することができる。偏光膜の保護フイルムとして用いる場合、その透湿性等からセルロースアセテートフイルムを用いることが最も好ましく、汎用されている。
[透明支持体のレターデーション]
透明支持体のレターデーションは上記した方法で算出する。平均屈折率は、セルロースアセテートでは1.48を使用するが、セルロースアセテート以外の代表的な光学用途のポリマーフイルムの値としては、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)、等の値を用いることが出来る。その他の既存のポリマー材料の平均屈折率値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)やポリマーフイルムのカタログ値を使用することが出来る。また、平均屈折率が不明な材料の場合は、アッベ屈折計を用いて測定することができる。
液晶表示装置に一枚の光学的異方性セルロースアセテートフイルムを使用する場合、フイルムのRthレターデーション値は、−300〜400nmであることが好ましい。
本発明では、酢化度が59.0〜61.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがさらに好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
又セルロースアセテート以外のセルロース系ポリマーとして、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステル、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートステアレート、セルロースアセテートベンゾエート等を単独や、セルロースアセテートとの併用で使用する事ができる。
ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
上記のような二層以上の複数のセルロースアシレート溶液を共流延する方法としては、例えば、支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させる方法(例えば、特開平11−198285号公報記載の方法)、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延する方法(特開平6−134933号公報記載の方法)、高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出す方法(特開昭56−162617号公報記載の方法)等が挙げられる。本発明ではこれらに限定されるものではない。これらのソルベントキャスト方法の製造工程については、前記の公技番号2001−1745の22頁〜30頁に詳細に記載され、溶解、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。 本発明のフイルム(支持体)の厚さは、15〜120μmであることが好ましく、更には30〜80μmが好ましい。
ポリマーフイルムは、表面処理を施すことが好ましい。表面処理には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理及び紫外線照射処理が含まれる。これらについては、詳細が前記の公技番号2001−1745の30頁〜32頁に詳細に記載されている。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフイルムの表面処理としては極めて有効である。
本発明では、光学異方性層中の化合物は配向制御され、その状態に固定されている。前記化合物の配向を制御する方法としては、光学異方性層と前記ポリマーフイルム(支持体)との間に形成された配向膜のラビング方向が挙げられる。但し、本発明において配向方向はラビング方向に限定されるものではなく、ラビング方向と同様に化合物を配向制御し得るものであれば、いかなるものであってもよい。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
次に、化合物からなる光学異方性層の好ましい態様について詳細を記述する。光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物を補償するように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶化合物の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2、P411〜414に記載されている。光学異方性層は、ラビング方向等によって配向制御され、その配向状態に固定された化合物を含有する。
棒状分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状分子には、金属錯体も含まれる。また、棒状分子を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状分子として用いることができる。言い換えると、棒状分子は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状分子については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状分子の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
円盤状(ディスコティック)分子には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett、A、78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.、1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
上記の分子と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することができる。上記の分子と相溶性を有し、分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。
ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。分子の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。円盤状化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
光学異方性層は、分子および必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。
配向させた分子を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明では、前記光学異方性層を直線偏光膜と一体化させた楕円偏光板を用いることができる。楕円偏光板は、液晶表示装置にそのまま組み込める様に、液晶セルを構成している一対の基板と略同一な形状に成型されているのが好ましい(例えば、液晶セルが矩形状ならば、楕円偏光板も同一な矩形状に成型されているのが好ましい)。
架橋剤については、米国再発行特許23297号明細書に記載がある。また、ホウ素化合物(例、ホウ酸、硼砂)も、架橋剤として用いることができる。
偏光膜は、歩留まりの観点から、バインダーを偏光膜の長手方向(MD方向)に対して、10〜80度傾斜して延伸するか(延伸法)、もしくはラビングした(ラビング法)後に、ヨウ素、二色性染料で染色することが好ましい。傾斜角度が、LCDを構成する液晶セルの両側に貼り合わされる2枚の偏光板の吸収軸と液晶セルの縦または横方向のなす角度と等しくなるように、延伸することが好ましい。通常の傾斜角度は45゜である。しかし、最近は、透過型、反射型および半透過型LCDにおいて必ずしも45゜でない装置が開発されており、延伸方向はLCDの設計にあわせて任意に調整できることが好ましい。
以上のように、偏光膜のMD方向に対して10〜80度斜め延伸されたバインダーフイルムが製造される。
ポリマーフイルムは、その最表面が防汚性及び耐擦傷性を有する反射防止膜を設けてなることも好ましい。反射防止膜は、従来公知のいずれのものも用いることが出来る。
[実施例1]
図1に示す構成の液晶表示装置を作製した。即ち、観察方向(上)から上側偏光板、上側光学補償シート、液晶セル(上基板、液晶層、下基板)、下側光学補償シート、下側偏光板を積層し、さらに下側偏光板の下側には冷陰極蛍光灯を用いたバックライト(不図示)を配置した。
<液晶セルの作製>
液晶セルは、セルギャップ(d)4μmとし、正の誘電率異方層を持つ液晶材料を基板間に滴下注入で封入し、液晶層12のΔndを0.4μmとした(Δnは液晶材料の屈折率異方性)。また、液晶セル液晶層の上側(観察者側)ラビング方向は45°、下側(バックライト側)ラビング方向は−45°で、ねじれ角は90°とした。この様にしてTNモードの液晶セルを作製した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液組成
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
このセルロースアセテートフイルム上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、形成した膜に、セルロースアセテートフイルムの面内遅相軸(流延方向と平行方向)に平行な方向に配向するようにラビング処理を実施した(即ち、ラビング方向はセルロースアセテートフイルムの遅相軸と平行であった)。
配向膜塗布液組成
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
配向膜上に、下記の円盤状化合物91.0g、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)9.0g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)2.0g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.5g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)3.0g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0g、フルオロ脂肪族基含有共重合体(メガファックF780 大日本インキ(株)製)の1.3gを、207gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、#3.6のワイヤーバーで6.2ml/m2塗布した。これを130℃の恒温ゾーンで2分間加熱し、円盤状化合物を配向させた。次に、60℃の雰囲気下で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
延伸したポリビニルアルコールフイルムに、ヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した光学補償シートを支持体面で偏光膜の片側に貼り付けた。また、厚さ80μmのセルローストリアセテートフイルム(TD−80U、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。偏光膜の吸収軸と光学補償シートの支持体の遅相軸(流延方向と平行方向)とは平行になるように配置した。このようにして偏光板を作製した。
同様に、TN液晶セルの表示面側にも、光学異方性層を、塗布面が液晶セル側にくるように、粘着剤を介して貼り付けた。その時、光学異方性層の消光軸が、基板の配向軸に対して−2.3°の角度になるようにした。光学異方性層の支持体側のラビング方向は、基板の配向軸に対して0°の角度になるようにした。また、偏光板を、光学異方性層の上に、粘着剤を介して貼り付けた。その時、偏光板の吸収軸を、基板の配向軸に対して0°となるようにした。
即ち、表示面側の偏光膜の吸収軸と光学異方性層の消光軸との交差角度は2.3°であった。
液晶層の厚さを3.6μmとし、Δndを0.36μmとした以外は、実施例1と同一の構成の液晶表示装置を作製した。なお、実施例1と同様、本実施例の液晶表示装置では、光学異方性層の面内レターデーションReと液晶層のΔndとの差が、黒表示時に最も小さかった。
実施例の比較対象として、TN液晶セルの液晶層の厚さを3μmとし、Δndを0.3μmとして、他の構成は同一にして液晶表示装置を作製した。なお、実施例1と同様、本実施例の液晶表示装置では、光学異方性層の面内レターデーションReと液晶層のΔndとの差が、黒表示時に最も小さかった。
このように作製した液晶表示装置に60Hzの矩形波電圧を印加した。白表示1.0V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモードとした。測定機として(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用い、輝度の比(白表示/黒表示)であるコントラスト比を測定した。また、得られたデータから下方向階調反転角を算出した。
実施例1〜3で作製した液晶表示装置について、正面CRと下方向階調反転角とを表1に示した。
図1に示した構成の液晶表示装置について光学シミュレーションを実施し、効果の確認を行った。光学計算には、シンテック社製のLCD Master Ver6.08を用いた。液晶セルや電極、基板、偏光板等は、液晶ディスプレイ用に従来から用いられているものがそのまま使用できる。液晶材料にはLCD Masterに付属のZLI-4792を用いた。液晶セルの配向はプレチルト角3°で90°ツイスト配向とし、基板のセルギャップを4.67ミクロンから5.71ミクロンまで変化させ、正の誘電率異方性を有する液晶材料で液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)を350nm〜440nmとした。偏光膜にはLCD Masterに付属のG1220DUを用いた。液晶に印加する電圧は白表示時における電圧を1.8V、黒表示時における電圧を5.6Vとした。また上側光学補償層の面内レターデーションは48〜74nm(下側も同じ)とした。このときの[T(31)−T(0)]/[T(255)−T(0)]の値を表2に示す。
2 上側偏光板外側保護膜遅相軸
3 上側偏光板偏光膜
4 上側偏光板偏光膜吸収軸
5 上側偏光板液晶セル側保護膜(支持体)
6 上側偏光板液晶セル側保護膜(支持体)遅相軸
7 上側光学異方性層
8 上側光学異方性層の消光軸
9 上側光学異方性層の支持体側の配向用ラビング方向
10 液晶セル上側基板
11 上側基板液晶配向用ラビング方向
12 液晶分子(液晶層)
13 下側基板液晶配向用ラビング方向
14 液晶セル下側基板
15 下側光学異方性層
16 下側光学異方性層の消光軸
17 下側光学異方性層の支持体側の配向用ラビング方向
18 下側偏光板液晶セル側保護膜(支持体)
19 下側偏光板液晶セル側保護膜(支持体)遅相軸
20 下側偏光板偏光膜
21 下側偏光板偏光膜の吸収軸
22 下側偏光板外側保護膜
23 下側偏光板外側保護膜遅相軸
Claims (4)
- 少なくとも一層の光学異方性層と偏光膜とを有し、該光学異方性層の消光軸が偏光板の吸収軸と交差するとともに、前記光学異方性層の面内レターデーションが30〜80nmである楕円偏光板。
- 少なくとも一方に電極を有し、対向配置された一対の基板と、前記一対の基板の対向面がそれぞれ配向制御された液晶層と、該液晶層を挟んで配置された一対の偏光板とを有するノーマリーホワイトモードの液晶表示装置であって、
該偏光板が、偏光膜と、少なくとも一層の光学異方性層とを有し、該光学異方性層の消光軸が該偏光膜の吸収軸と交差するとともに、該光学異方性層の面内レターデーションが30〜80nmであり、
前記液晶層が電界印加に応じて配向状態が変化し、そのことによって該液晶層の面内のレターデーションが変化し、且つ
透過率が最小の時、前記光学異方性の面内レターデーションと前記液晶層の面内レターデーションとの差が最小となる液晶表示装置。 - 前記液晶層の厚さd(μm)と屈折率の異方性Δnの積が0.36μm〜0.43μmである請求項2に記載の液晶表示装置。
- 黒表示を0階調、白表示を255階調とし、その間の明るさを254レベルに分割した時、0階調の透過率をT(0)、31階調の透過率をT(31)及び255階調の透過率をT(255)とするとき下記式:
0.005<[T(31)−T(0)]/[T(255)−T(0)]<0.02
を満足する請求項2又は3に記載の液晶表示装置。
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