JP2008020629A - パターン形成材料、並びに、パターン形成装置及びパターン形成方法 - Google Patents

パターン形成材料、並びに、パターン形成装置及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の重合性化合物を組み合わせ、さらに感光層の感度を一定の範囲に調節することにより、感度及び解像度が高く、かつ、テント膜強度が強く、密着性に優れ、未露光膜破れの防止効果に優れるパターン形成材料、並びに、パターン形成装置、及びパターン形成方法は未だ提供する。
【解決手段】支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層がバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を少なくとも含み、前記重合性化合物が、ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)とを含有してなり、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、0.1〜50mJ/cmであることを特徴とするパターン形成材料、及び該パターン形成材料を用いたパターン形成方法等である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ドライ・フィルム・レジスト(DFR)等に好適なパターン形成材料、並びに、該パターン形成材料を備えたパターン形成装置及び前記パターン形成材料を用いたパターン形成方法に関する。
従来より、永久パターン等のパターンを形成するに際して、支持体上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより感光層を形成させたパターン形成材料が用いられている。前記パターンの形成方法としては、例えば、前記パターンが形成される銅張積層板等の基体上に、前記パターン形成材料を用いて感光層を形成し、該感光層に対して露光を行い、該露光後、前記感光層を現像してパターンを形成させ、さらにエッチングを行い、その後前記パターンを除去することにより前記基体に永久パターンを形成する方法が知られている。
前記パターンの形成においては、高い感度、高い解像度、テント膜強度、密着性などが求められる。
前記テント性を向上させるために、例えば、感光性樹脂組成物に、ビスフェノール骨格を有する光重合性不飽和化合物を含有させる技術、及び、バインダーのI/O値を調節する技術が提案されている(特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
しかし、これらの感光性樹脂組成物では、例えば、スルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板など、複数の穴部が開口された基体上に感光層を積層した場合、該感光層の露光後に、現像のため該感光層から支持体を剥離しようとすると、前記基体の穴部付近において、感光層の硬化してない未露光部分が支持体に付着して破断され、基体から剥離するといった、いわゆる未露光膜破れが発生することがあった。また密着性が十分であるかは不明であった。
一方、高い解像度及び密着性を得るために、例えば、感光性組成物に、分子内に反応性基を4つ以上有する重合性化合物を含有させる技術が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この感光性樹脂組成物では、充分な感度が得られず、また、未露光膜破れの発生を抑制できるものであるかは不明であった。
したがって、感度及び解像度が高く、かつ、テント膜強度が強く、密着性に優れ、未露光膜破れの防止効果に優れるパターン形成材料、並びに、パターン形成装置、及びパターン形成方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開2004−212805号公報 特開2004−170816号公報 特願2005−20437号公報 特開2001−318461号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、重合性化合物として、ビスフェノール骨格を有する重合性化合物と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物とを含有し、感光層の感度が、0.1〜50mJ/cmにすることにより、感度及び解像度が高く、かつ、テント膜強度が強く、密着性に優れ、未露光膜破れの防止効果に優れるパターン形成材料、並びに、パターン形成装置、及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層がバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を少なくとも含み、
前記重合性化合物が、ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)とを含有してなり、
前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、0.1〜50mJ/cmであることを特徴とするパターン形成材料。
該<1>に記載の感光性組成物においては、前記重合性化合物が、前記重合性化合物(a−1)と、前記重合性化合物(a−2)とを含有しており、前記感光層の感度が特定の範囲内であるため、感度及び解像度が高く、かつ、テント膜強度が強く、密着性に優れ、未露光膜破れの防止効果に優れたパターン形成材料を得ることができる。
<2> 光重合開始剤の含有量が、前記感光層の固形分全量に対して、5〜20質量%である前記<1>に記載のパターン形成材料である。
<3> ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)が、下記構造式(1)で表される前記<1>から<2>に記載のパターン形成材料である。
構造式(1)中、R11及びR12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及びメチル基のいずれかを表し、Aは、エチレン基(−C−)を表し、Bは、プロピレン基(−CHCH(CH)−)を表し、n11及びn12は、それぞれ1〜29のいずれかの整数を表し、n13及びn14はそれぞれ0〜29のいずれかの整数を表し、n11+n12の値は、2〜30のいずれかの整数を表し、n13+n14の値は、0〜30のいずれかの整数を表す。ただし、(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列は、ランダム配列でもよいし、ブロック配列でもよい。前記(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列がブロック配列である場合は、ビスフェノール基側の繰り返し配列は、前記(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列のいずれでもよい。
<4> 構造式(1)におけるn13+n14の値が、2〜30のいずれかの整数である前記<1>から<3>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<5> ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)の分子量が、1,000〜2,000である前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<6> 重合性化合物が、3種以上の重合性化合物を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<7> ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)及び分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)以外の重合性化合物をさらに含み、該重合性化合物が、反応性基が3以下であり、且つプロピレンオキサイド基及びエチレンオキサイド基の少なくともいずれかを有する重合性化合物(a−3)を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<8> ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)及び分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)以外の重合性化合物が、ウレタン基を有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<9> ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)の含有量が、重合性化合物全固形分量に対して、10〜95質量%である前記<1>から<8>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<10> 分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)の含有量が、重合性化合物全固形分量に対して、2〜50質量%である前記<1>から<9>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<11> バインダーの質量平均分子量が、50,000〜150,000である前記<1>から<10>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<12> バインダーのI/O値が、0.350〜0.650である前記<1>から<11>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<13> ヘテロ縮環系化合物をさらに含有する前記<1>から<12>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<14> 支持体が、合成樹脂を含み、かつ透明である前記<1>から<13>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<15> 支持体が、長尺状である前記<1>から<14>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<16> 長尺状であり、ロール状に巻かれてなる前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<17> パターン形成材料における感光層上に保護フィルムを有する前記<1>から<16>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<18> 基板のパターニング処理に用いられる前記<1>から<17>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<19> 基板が、直径4mm以上のスルーホールを有する前記<18>に記載のパターン形成材料である。
<20> 感光層の厚みが1〜100μmである前記<1>から<19>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<21> 前記<1>から<20>のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層を備えており、
光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置である。
該<21>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記光変調手段に向けて光を照射する。前記光変調手段が、前記光照射手段から受けた光を変調する。前記光変調手段により変調した光が前記感光層に対して露光させる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<22> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<21>に記載のパターン形成装置である。
該<22>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段が前記パターン信号生成手段を有することにより、前記光照射手段から照射される光が該パターン信号生成手段により生成した制御信号に応じて変調される。
<23> 光変調手段が、n個の描素部を有してなり、該n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部を、形成するパターン情報に応じて制御可能である前記<21>から<22>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
該<23>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段におけるn個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御することにより、前記光照射手段からの光が高速で変調される。
<24> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<21>から<23>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<25> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<24>に記載のパターン形成装置である。
<26> 描素部が、マイクロミラーである前記<23>から<25>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<27> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<21>から<26>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<27>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光によって行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<28> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<21>から<27>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<28>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光が前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファイバに結合可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<29> 前記<1>から<20>のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法である。
<30> 感光層を、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に積層した後、該感光層に対して露光を行う前記<29>に記載のパターン形成方法である。
<31> 露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる前記<29>から<30>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<32> 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる前記<29>から<31>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<33> 感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行われる前記<29>から<32>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<33>に記載のパターン形成方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<34> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<33>に記載のパターン形成方法である。該<34>に記載のパターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<35> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<34>に記載のパターン形成方法である。該<35>に記載のパターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<36> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを充たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を充たすように設定される前記<33>から<35>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<37> N重露光のNが、3以上の自然数である前記<33>から<36>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<37>に記載のパターン形成方法においては、N重露光のNが、3以上の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均される。
<38> 使用描素部指定手段が、
描素部により生成されて被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える前記<33>から<37>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<39> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<33>から<38>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<40>光点位置検出手段が、検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす実傾斜角度θ´を特定し、描素部選択手段が、前記実傾斜角度θ´と設定傾斜角度θとの誤差を吸収するように使用描素部を選択する前記<38>から<39>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<41> 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<40>に記載のパターン形成方法である。
<42> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を充たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<38>から<41>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<43> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を充たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<38>から<41>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<44> 描素部選択手段が、複数の描素部列により形成される被露光面上の重複露光領域を少なくとも含む領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<38>から<43>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<45> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<38>から<44>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<46> 不使用描素部が、行単位で特定される前記<45>に記載のパターン形成方法である。
<47> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<33>から<46>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<47>に記載のパターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<48> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部行を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<33>から<47>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<48>に記載のパターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<49> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに、描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<33>から<48>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<50> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<33>から<49>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<51> パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する前記<33>から<50>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<52> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<29>から<51>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<53> 現像が行われた後、エッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかを行う前記<52>に記載のパターン形成方法である。
<54> 前記<29>から<53>のいずれかに記載のパターン形成方法により形成されることを特徴とするパターンである。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、前記感光層に含まれる重合性化合物として、ビスフェノール骨格を有する重合性化合物と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物とを含有し、感光層の感度が、0.1〜50mJ/cmにすることにより、感度及び解像度が高く、かつ、テント膜強度が強く、密着性に優れ、未露光膜破れの防止効果に優れたパターン形成材料、並びに、パターン形成装置、及びパターン形成方法を提供することができる。
(パターン形成材料)
本発明のパターン形成材料は、支持体と、該支持体上に感光層を少なくとも有し、必要に応じて、保護フィルム、適宜選択したその他の層を有していてもよい。
<感光層>
前記感光層は、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む限り、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含んでいてもよい。また、前記感光層の積層数は、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、0.1〜50mJ/cmであり、前記重合性化合物は、ビスフェノール骨格有する重合性化合物(a−1)と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量が700以上である重合性化合物(a−2)とを含有することを特徴とする。
前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーとは、いわゆる現像感度であり、例えば、前記感光層を露光したときの前記露光に用いた光のエネルギー量(露光量)と、前記露光に続く前記現像処理により生成した前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)から求めることができる。
前記硬化層の厚みは、前記露光量が増えるに従い増加していき、その後、前記露光前の前記感光層の厚みと略同一かつ略一定となる。前記現像感度は、前記硬化層の厚みが略一定となったときの最小露光量を読み取ることにより求められる値である。
ここで、前記硬化層の厚みと前記露光前の前記感光層の厚みとの差が±10%以内であるとき、前記硬化層の厚みが露光・現像により変化していないとみなす。
前記硬化層及び前記露光前の前記感光層の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、膜厚測定装置、表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400D(東京精密社製))などを用いて測定する方法が挙げられる。
−バインダー−
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記バインダーの質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50,000〜150,000であることが好ましい。前記質量平均分子量が50,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になり、テント性が不十分なることがあり、150,000を超えると、解像度、又は密着性がやや劣ることがある。
前記バインダーのI/O値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.35〜0.65であるのが好ましく、0.35〜0.60であるのがより好ましい。前記I/O値が0.35〜0.65の範囲内であると、解像度、テント性、及び現像性がより優れたパターン形成材料を提供することができる。
前記バインダーのI/O値を調整する方法としては、特に制限はなく、公知の方法から適宜選択することができるが、例えば、共重合体を構成するモノマーの種類及び、該モノマーを重合させる際の重合比(含有量)の少なくともいずれかを適宜選択する方法が挙げられる。
前記I/O値は、(無機性値)/(有機性値)とも呼ばれる各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、各官能基にパラメータを設定する官能基寄与法の一つである。前記I/O値としては、詳しくは、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細に説明されている。
前記I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表わす有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
前記無機性値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基或いは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値とは、該化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
前記有機性値とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。即ち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に、炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基礎として、各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値である。例えば、ニトロ基(−NO2)の有機性値は70である。
前記I/O値は、0に近いほど非極性(疎水性、有機性の大きな)の有機化合物であることを示し、大きいほど極性(親水性、無機性の大きな)の有機化合物であることを示す。
以下において前記I/O値の計算方法の一例を説明する。
メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(共重合体組成(モル比):2/5/3)のI/O値は、該共重合体の無機性値及び有機性値を以下の方法により計算し、次式、(前記共重合体の無機性値)/(前記共重合体の有機性値)、を計算することにより求められる。
前記共重合体の無機性値は、前記メタクリル酸の無機性値×前記メタクリル酸のモル比と、前記メタクリル酸メチルの無機性値×前記メタクリル酸メチルのモル比と、前記スチレンの無機性値×前記スチレンのモル比との合計を求めることにより計算される。
前記メタクリル酸は、カルボキシル基を1個有し、前記メタクリル酸メチルは、エステル基を1個有し、前記スチレンは、芳香環を1個有するため、
前記メタクリル酸の無機性値は、150(カルボキシル基の無機性値)×1(カルボキシル基の個数)=150、
前記メタクリル酸メチルの無機性値は、60(エステル基の無機性値)×1(エステル基の個数)=60、
前記スチレンの無機性値は、15(芳香環の無機性値)×1(芳香環の個数)=15、である。
よって、前記共重合体の無機性値は、次式、150×2(メタクリル酸のモル比)+60×5(メタクリル酸メチルのモル比)+15×3(スチレンのモル比)、を計算することにより、645であることが計算される。
前記共重合体の有機性値は、前記メタクリル酸の有機性値×前記メタクリル酸のモル比と、前記メタクリル酸メチルの有機性値×前記メタクリル酸メチルのモル比と、前記スチレンの有機性値×前記スチレンのモル比との合計を求めることにより計算される。
前記メタクリル酸は、炭素原子4個を有し、前記メタクリル酸メチルは、炭素原子5個を有し、前記スチレンは、炭素原子8個を有するため、
前記メタクリル酸の有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×4(炭素原子数)=80、
前記メタクリル酸メチルの有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×5(炭素原子数)=100、
前記スチレンの有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×8(炭素原子数)=160、である。
よって、前記共重合体の有機性値は、次式、80×2(前記メタクリル酸のモル比)+100×5(前記メタクリル酸メチルのモル比)+160×3(前記スチレンのモル比)、を計算することにより、1140であることが計算される。
よって、前記共重合体のI/O値は、645(前記共重合体の無機性値)/1140(前記共重合体の有機性値)=0.566であることが判る。
前記I/O値が0.300〜0.650であるバインダーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、共重合体を含み、該共重合体がスチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位を有するのが好ましい。また、前記スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位の他に、共重合する成分の組合せとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、少なくとも(メタ)アクリル酸及びアルキル(メタ)アクリレートを含む組合せ、(メタ)アクリル酸とアルキル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートを含む組合せ、(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む組合せなどがより好ましい。
前記アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、メチル基、エチル基が特に好ましい。
前記I/O値が0.300〜0.650である前記バインダーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/8/30/37)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/8/15/54)メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/16/35/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/39/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/45/5)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/10/45/20)、メタクリル酸/シクロヘキシルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/シクロヘキシルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/70/7)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/60/15)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/50/25)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/60/17)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/80)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/72)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/68)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/65/10)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):30/61/9)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/60/11)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/47/24)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/22/40/13)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/47/9)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/18/50/3)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/40/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/35/25)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):31/64/5)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/46/2)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/50/6)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/36/12)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/13/38/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/5/31/35)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/29/46)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/53/27)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/19/52)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):30/13/57)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/13/59)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/8/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/31/40)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/41/34)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/56/24)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/25/45)、及びメタクリル酸/メチルスチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)などが挙げられる。
これらの中でもメタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/8/30/37)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/16/35/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/39/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/45/5)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/60/15)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/80)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/72)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/68)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/65/10)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):30/61/9)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/60/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/22/40/13)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/47/9)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/18/50/3)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):31/64/5)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/46/2)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/50/6)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/36/12)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/13/38/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/29/46)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/53/27)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/19/52)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):30/13/57)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/13/59)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/8/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/31/40)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/41/34)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/25/45)、及びメタクリル酸/メチルスチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)が好ましく、
メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/16/35/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/45/5)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/68)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):30/61/9)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/60/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/47/9)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/18/50/3)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):31/64/5)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/46/2)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/50/6)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/29/46)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/53/27)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/19/52)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):30/13/57)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/13/59)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/8/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/31/40)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/41/34)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/25/45)、及びメタクリル酸/メチルスチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)が特に好ましい。
前記バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記感光層の全固形分量に対して、10〜80質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下することがあり、90質量%を超えると、現像時間に対する安定性や、硬化膜(テント膜)の強度が低下することがある。
−重合性化合物−
前記重合性化合物は、ビスフェノール骨格有する重合性化合物(a−1)と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量が700以上である重合性化合物(a−2)とを含有し、さらに必要に応じてその他の重合性化合物を含有してなる。
前記重合性化合物としては、ビスフェノール骨格有する重合性化合物(a−1)と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量が700以上である重合性化合物(a−2)とを含有していれば特に制限はないが、例えば、3種以上併用して用いることが好ましい。前記重合性化合物を3種以上併用すると、テント性、解像性、密着性がより優れることがある。
−−ビスフェノール骨格有する重合性化合物(a−1)−−
前記ビスフェノール骨格有する重合性化合物(a−1)(以下、重合性化合物(a−1)と称する場合がある。)は、前記ビスフェノール骨格を有するものであれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
前記重合性化合物(a−1)の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1,000〜2,000であることが好ましく、1,050〜1,700であることがより好ましい。前記分子量が1,000〜2,000であると、テント性、解像性、密着性がより優れることがある。
前記重合性化合物(a−1)の具体例としては、例えば、下記構造式(1)で表される化合物が挙げられる。
構造式(1)中、R11及びR12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及びメチル基のいずれかを表し、Aは、エチレン基(−C−)を表し、Bは、プロピレン基(−CHCH(CH)−)を表し、n11及びn12は、それぞれ1〜29のいずれかの整数を表し、n13及びn14は、それぞれ0〜29のいずれかの整数を表し、n11+n12の値は、2〜30のいずれかの整数を表し、n13+n14の値は、0〜30のいずれかの整数を表す。ただし、(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列は、ランダム配列でもよいし、ブロック配列でもよい。前記(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列がブロック配列である場合は、ビスフェノール基側の繰り返し配列は、前記(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列のいずれでもよい。
前記構造式(1)におけるn13+n14の値は、2〜30のいずれかの整数であることが好ましい。前記n13+n14の値が2未満であると、テント性及び解像度がやや劣ることがあり、30を超えると、未露光膜破れがやや劣ることがある。
前記構造式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記式(1−1)で表される化合物、下記式(1−2)で表されるエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(エチレンオキサイドは平均30モル付加されているもの、製品名:BPE1300N、製造元:新中村化学工業株式会社)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(エチレンオキサイドは平均17モル付加されているもの、製品名:BPE900、製造元:新中村化学工業株式会社)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(製品名:BPE500、製造元:新中村化学工業株式会社)、下記式(1−3)で表される化合物、などが挙げられる。
前記重合性化合物(a−1)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記重合性化合物の全固形分量に対して、10〜95質量%であることが好ましい。前記含有量が、10〜95質量%の範囲外であると、解像性がやや劣ることがある。
−−分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量が700以上である重合性化合物(a−2)−−
前記分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量が700以上である重合性化合物(a−2)(以下、重合性化合物(a−2)と称する場合がある。)は、前記反応性基を分子内に4つ以上有しており、且つ分子量が700以上であれば特に制限はなく、公知のもの中から適宜選択することができる。
前記反応性基は、ラジカルにより重合反応を起こすことの出来る基である。
前記反応性基の具体例としては、エチレン性不飽和結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基など)が挙げられる。
前記反応性基の数としては、4つ以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、4〜30であることが好ましい。前記反応性基の数が4未満であると、重合度が低下することがあり、30を超えると、剥離速度が遅くなることがある。なお、前記反応性基の数の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができるが、例えば、FT-IRを用いる方法、フォトDSCを用いる方法、などが挙げられる。
前記分子量としては、700以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、700〜3,000であることが好ましい。前記分子量が700未満であると、テント性が悪化することがあり、3,000を超えると、未露光膜破れが悪化することがある。
前記重合性化合物(a−2)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多価グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、などが挙げられる。
前記多価グリシジル基含有化合物としては、特に制限はなく、公知ものの中から適宜選択することができるが、例えば、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、などが挙げられる。
また、前記重合性化合物(a−2)の具体例としては、例えば、下記構造式(2)で表される化合物が挙げられる。
前記構造式(2)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表し、Xは、炭素数2〜6の分岐を有してもよいアルキレン基を表し、nは、1〜30のいずれかの整数を表す。mは3以上の整数を表し、Yは、m価(4価〜10価)の有機基を表す。ただし、前記Xにおける前記アルキレン基は1分子中で1種単独でもよいし、2種以上(例えばエチレンとプロピレン)併用してもよい。
前記構造式(2)の具体例としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
構造式(2−1)中、Z21〜Z26は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、−CO−CR23=CH、及び−(CO−C10−O)m21−CO−CR24=CHのいずれかを表し、前記R23及びR24は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子及びメチル基のいずれかを表し、前記m21は、1〜10のいずれかの整数を表す。ただし、前記Z21〜Z26のいずれか1つは、−(CO−C10−O)m21−CO−CR24=CHを表す。
前記構造式(2−1)で表される化合物の具体例としては、例えば、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、日本化薬社製の、DPCA−120、DPDA−20、DPCA−30、DPCA−60、D−310、DPEA−12、などが挙げられる。
前記重合性化合物(a−2)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記重合性化合物の全固形分量に対して、2〜50質量%であることが好ましい。前記含有量が、2〜50質量%の範囲外であると、テント性がやや劣ることがある。
−−その他の重合性化合物−−
前記その他の重合性化合物としては、前記重合性化合物(a−1)及び前記重合性化合物(a−2)以外であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、分子内の反応性基が3つ以下であり、且つプロピレンオキサイド基及び/又はエチレンオキサイド基を有する重合性化合物(a−3)であることが好ましい。前記その他の重合性化合物として、前記重合性化合物(a−3)を用いることにより、現像時の泡立ちを低減することができる。
前記重合性化合物(a−3)の含有量としては、前記重合性化合物の全固形分量に対して、0〜40質量%が好ましい。
前記重合性化合物(a−3)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、分子内の反応性基が1つ有し、且つプロピレンオキサイド基及び/又はエチレンオキサイド基を有する重合性化合物(a−31)、分子内の反応性基が2つ有し、且つプロピレンオキサイド基及び/又はエチレンオキサイド基を有する重合性化合物(a−32)、分子内の反応性基が3つ有し、且つプロピレンオキサイド基及び/又はエチレンオキサイド基を有する重合性化合物(a−33)が挙げられる。
分子内の反応性基が1つ有し、且つプロピレンオキサイド基及び/又はエチレンオキサイド基を有する重合性化合物(a−31)としては、例えば、下記構造式(4)で表される化合物が挙げられる。
前記構造式(4)において、Rは、水素原子、及びメチル基のいずれかを表し、Xは、エチレン基及びプロピレン基のいずれかを表し、nは、1〜30のいずれかの整数を表し、Rは、1価の有機基を表す。前記nが2以上の場合、複数の(−X−O−)は互いに同一であってもよいし、異なってもよい。
前記Rとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。該Rは、更に置換基により置換されていてもよい。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、炭素数が1〜20のアルキル基が挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、などが挙げられる。
前記アルキル基は、置換基を有してもよく、分岐や環構造を有していてもよい。
前記アラルキル基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ベンジル基、フェネチル基、などが挙げられる。該アラルキル基は置換基を有していてもよい。
前記アリール基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、クロロフェニル基、シアノフェニル基、ジブロモフェニル基、トリブロモフェニル基、ビフェニリル基、ベンジルフェニル基、α−ジメチル−ベンジルフェニル基、などが挙げられる。該アリール基は置換基を有していてもよい。
前記アルキル基、アラルキル基、及びアリール基における置換基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、シアノ基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、などが挙げられる。
前記アリール基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、6〜20が好ましく、6〜14がより好ましい。該アリール基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、メトキシフェニル基、などが挙げられる。
前記アルケニル基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。該アルケニル基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、エチニル基、プロペニル基、ブチリル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基は分岐していてもよい。
前記アルコキシ基の総炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、総炭素数1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。該アルコキシ基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、2−メチルプロピルオキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
前記構造式(4)で表される化合物の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、下記構造式で表される化合物、などが挙げられる。
前記式中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表し、nは、1〜30のいずれかの整数を表し、m及びLは、それぞれ1以上の整数を表し、m+Lは、1〜30のいずれかの整数を表し、Meは、メチル基を表し、Buは、ブチル基を表す。
前記重合性化合物(a−31)における含有量は、前記重合性化合物の全固形分量に対して、0〜40質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましく、0〜25質量%が更に好ましい。
前記重合性化合物(a−32)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
前記重合性化合物(a−32)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(5)で表される化合物が挙げられる。
前記構造式(5)中、R51及びR52は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子及びメチル基を表し、X51及びX52は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基のいずれかを表し、m51及びm52は、それぞれ1〜30の整数を表し、前記Yは、2価の有機基を表す。ただし、前記X51及びX52は、1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記X51及びX52におけるエチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基は、ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい。
前記m51及びm52は、1〜30を表し、2〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記Yとしては、2価の有機基であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、炭素数2〜30のものが好ましい。
前記2価の有機基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基、などが挙げられる。これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記構造式で表されるいずれかの基、などが好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で置換されていてもよい。
前記アリーレン基の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記構造式で表される基、などが挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基は、更に置換基を有していてもよい。
前記置換基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(5)で表される化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表される化合物、などが挙げられる。
前記構造式中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表し、m及びnは、1〜60のいずれかの整数を表す。
前記アリール基を有する前記重合性化合物(a−32)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(6)で表される化合物が挙げられる。
前記構造式(6)において、R61及びR62は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及びアルキル基のいずれかを表し、X61及びX62は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基のいずれかを表し、m61及びm62は、それぞれ1〜60のいずれかの整数を表し、Tは、2価の連結基を表し、Ar61及びAr62は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアリール基を表す。前記X61及びX62は、1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記X61及びX62は、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基のいずれかが、ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい。
前記m61及びm62は、1〜60の整数であり、2〜30の整数が好ましく、4〜15の整数がより好ましい。
前記Tは、2価の連結基であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、メチレン、エチレン、MeCMe、CFCCF、CO、SO、などが挙げられる。
前記Ar61及びAr62は、置換基を有していてもよいアリール基であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、などが挙げられる。
前記置換基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、又はこれらの組合せ、などが挙げられる。
前記アリール基を有する前記重合性化合物(a−32)の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2〜20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン;フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2〜20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン等)、又はこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両方を含む化合物(例えば、国際公開第01/98832号パンフレットに記載の化合物、などが挙げられる。
また、前記重合性化合物(a−32)としては、前記具体例以外のものを用いることができる。前記具体例以外のものとしては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のM270、日本油脂株式会社製の30PDC−950B、などが挙げられる。
前記重合性化合物(a−32)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物(a−32)含有量は、重合性化合物の全固形分量に対して、60〜99質量%が好ましく、70〜99質量%がより好ましく、75〜99質量%が更に好ましい。
前記重合性化合物(a−33)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(7)で表される化合物が挙げられる。
前記構造式(7)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表し、Xは、炭素数2〜6の分岐を有してもよい、プロピレン基及びエチレン基のいずれかを表し、nは、1〜30のいずれかの整数を表し、mは、3以上の整数を表し、Yは、3価の有機基を表す。ただし、前記Xは、1種単独でもよいし、2種以上併用してもよい。
前記Yにおける3価の有機基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記式で表される構造式が挙げられる。
前記構造式(7)で表される化合物の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(7−1)〜(7−2)で示される化合物が挙げられる。
前記構造式(7−1)及び(7−2)中、R71〜R73は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子及びメチル基のいずれかを表し、X71〜X73は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、炭素数2〜6の分岐を有してもよい、エチレン基及びプロピレン基のいずれかを表し、n71〜n73は、それぞれ1〜30のいずれかの整数を表し、R74は、1価の有機基を表す。前記X71〜X73は、1種単独でもよいし、2種以上併用してもよい。
前記R74における1価の有機基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、アルキル基、アリール基、などが挙げられる。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、などが挙げられる。
前記アリール基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、フェニル基、ナフチル基、などが挙げられる。
前記構造式(7−1)及び(7−2)で表される化合物の具体的としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表されるものが挙げられる。
前記構造式中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表し、n1、n2、及びn3は、それぞれ1〜30のいずれかの整数を表し、m1、m2、及びm3、並びに、L1、L2、及びL3は、それぞれ1以上の整数を表し、m1+L1、m2+L2、及びm3+L3は、それぞれ1〜30のいずれかの整数を表す。
また、前記重合性化合物(a−33)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有する化合物が好適である。
前記ウレタン基を有する前記重合性化合物(a−33)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分子中に3個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に3個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネートとトリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる多官能アルコールとの付加物(末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、前記ウレタン基を有する重合性化合物(a−2)における分子中に水酸基を有するビニルモノマーと同様のものが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有する前記重合性化合物(a−33)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。
前記ウレタン基を有する前記重合性化合物(a−33)の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、下記構造式(8)で表されるものが挙げられる。
前記構造式(8)において、Rは、それぞれ水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Xは、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基にずれかを表し、mは、1〜30のいずれかの整数を表し、nは、3を表し、Yは、2価の有機基を表し、Zは、3価の有機基を表す。前記Xは、1種単独でもよいし、2種以上併用してもよい。
前記構造式(8)中、mは、1〜30のいずれかの整数であれば特に制限はないが、例えば、2〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記構造式(8)中、Yは、2価の有機基であれば特に制限はないが、例えば、炭素原子数2〜30の2価の有機基であることが好ましい。
前記炭素原子数2〜30の2価の有機基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)、又はこれらを組み合わせた基、などが挙げられる。これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記構造式で表されるいずれかの基、などが挙げられる。
前記アリーレン基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
前記アリーレン基は、炭化水素基で置換されていてもよい。
前記アリーレン基の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記構造式で表される基、などが挙げられる。
前記アルキレン基及び前記アリーレン基を組み合わせた基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基は、更に置換基を有していてもよい。
前記置換基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(8)中、Zは3価の連結基を表し、例えば、下記構造式で表されるいずれかの基などが挙げられる。
但し、Xはアルキレンオキサイドを表す。m4は、1〜20の整数を表す。nは、3〜6の整数を表す。Aは、3価の有機基を表す。
前記Aとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、3価の脂肪族基、3価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、又はスルホニル基とを組み合わせた基が好ましく、3価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、酸素原子とを組み合わせた基がより好ましく、3価の脂肪族基、3価の脂肪族基とアルキレン基、酸素原子とを組み合わせた基が特に好ましい。
前記Aの炭素原子数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
前記3価の脂肪族基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜30の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、6〜100の整数が好ましく、6〜50の整数がより好ましく、6〜30の整数が特に好ましい。
前記3価の脂肪族基、又は芳香族基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で更に置換されていてもよい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、6〜18の整数が好ましく、6〜10の整数がより好ましい。
前記置換イミノ基の1価の炭化水素基の炭素原子数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
以下に、前記Aとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表され構造が挙げられる。
前記構造式(8)で表される化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば,下記構造式で表される化合物、などが挙げられる。

前記構造式中、n、n1、n2及びmは、1〜60のいずれかを表し、lは、1〜20のいずれかを表し、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
前記アリール基を有する前記重合性化合物(a−33)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アリール基を有する3価のアルコール化合物、アリール基を有する3価のアミン化合物、及びアリール基を有する3価のアミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する3価のアルコール化合物、3価のアミン化合物及び3価のアミノアルコール化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、1,2,4−ベンゼントリオール、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロールなどが挙げられる。
また、この他ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、トリメリット酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、トリメリット酸トリアリル、エポキシ化合物(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂等)、が挙げられる。
更に、カチオン重合性のエポキシ化合物(例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等)なども利用できる。
前記重合性化合物(a−33)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物(a−33)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記重合性化合物の全固形分量に対して、0〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜25質量%が更に好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、解像度、テント性や現像液中での耐傷性改良の効果が不十分になることがあり、40質量%を超えると、剥離性などが悪化することがある。
前記重合性化合物(a−3)以外の前記その他の重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ウレタン基を有する重合性化合物であることが好ましい。前記その他の重合性化合物として、ウレタン基を有する重合性化合物を用いることにより、更にテント性を良化することができる。
前記ウレタン基を有する重合性化合物としては、ウレタン基を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができが、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報等に記載されている化合物などが挙げられ、例えば、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート;該ジイソシアネートを更に2官能アルコールとの重付加物(この場合も両末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体;該ジイソシアネート若しくはジイソシアネート類と、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる他官能アルコールとの付加体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート体などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有するモノマーとしては、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。
また、前記ウレタン基を有する重合性化合物の具体例としては、前記構造式(5)で表される化合物、前記ウレタン基を有する前記重合性化合物(a−33)、などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有する重合性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記前記ウレタン基を有する重合性化合物の含有量としては、全固形分量に対して、例えば、0〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、50質量%を超えると、エッチング性が悪化することがある。
また、前記重合性化合物(a−3)以外の前記その他の重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のもの中から適宜選択することができるが、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
前記重合性化合物(a−3)以外の前記その他の重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、特開2005−258431号公報の明細書の段落「0274」から「0284」に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記重合性化合物の前記感光層における含有量としては、例えば、10〜80質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。前記含有量が、10質量%となると、テント膜の強度が低下することがあり、90質量%を超えると、膜粘度がやや低下しエッジフュージョンが生じることがある。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から、トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシム誘導体、ケトン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましく、例えば、特開2005−258431号公報の明細書の段落「0228」から「0309」に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量としては、前記感光層の全固形分量に対して、5〜20質量%であることが好ましく、6〜15質量%がより好ましく、6〜10質量%が特に好ましい。前記光重合開始剤の含有量が、5〜20質量%であると、前記感光層の感度を0.1〜50mJ/cmに極めて容易に調整することができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ヘテロ縮環系化合物、増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、発色剤、着色剤などが挙げられ、更に基体表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤等)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とするパターン形成材料の安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調整することができる。
−ヘテロ縮環系化合物−
前記ヘテロ縮環系化合物としては、後述する感光層への露光における露光感度や感光波長を調整する目的で、或いは、前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該現像の前後において変化させない前記光の最小エネルギー(感度)を向上させる観点から添加される。前記ヘテロ縮環系化合物を併用することにより、例えば、前記感光層の感度を0.1〜50mJ/cmに極めて容易に調整することもできる。
前記ヘテロ縮環系化合物は、後述する光照射手段としての可視光線や紫外光レーザ及び可視光レーザなどに対応した適宜のものを選択するのが好ましい。
前記ヘテロ縮環系化合物は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
尚、ヘテロ縮環系化合物は、感光層の感度の向上を図るだけでなく、光励起によりモノマーの重合を開始させるような光重合開始剤としての機能をも有している。
前記ヘテロ縮環系化合物とは、環の中にヘテロ元素を有する多環式化合物を意味し、前記環の中に、窒素原子を含むのが好ましい。
前記ヘテロ縮環系化合物としては、例えば、ヘテロ縮環系ケトン化合物、キノリン化合物、アクリジン化合物から選択される少なくとも1種を含むのが好ましい。
前記ヘテロ縮環系ケトン化合物としては、具体的には、例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン、などのアクリドン化合物;3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、また、特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号公報等に記載のクマリン化合物、などのクマリン類;などが挙げられる。
前記キノリン化合物としては、具体的には、例えば、キノリン、9−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン、9−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン、9−ジブチルアミノ−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン、8−ヒドロキシキノリン、8−メルカプトキノリン、キノリン−2−カルボン酸、などが挙げられる。
前記アクリジン化合物としては、具体的には、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン、などが挙げられる。
前記ヘテロ縮環系化合物の中でも、環の中に窒素元素を含有するものがより好ましい。前記環内に窒素元素を含有するものとしては、前記アクリジン化合物、アミノ基により置換されたクマリン化合物、アクリドン化合物、などが好適に挙げられる。この中でもアクリドン化合物が特に好ましい。
前記ヘテロ縮環系化合物としては、前記アクリドン、アミノ基により置換されたクマリン、9−フェニルアクリジン、などが更に好ましく、これらの中でも、前記アクリドンが特に好ましい。
前記光重合開始剤、前記ヘテロ縮環系化合物との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記ヘテロ縮環系化合物の含有量としては、前記パターン形成材料中の全成分に対し、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。該含有量が、0.05質量%未満であると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、保存時に前記感光層から前記ヘテロ縮環系化合物が析出することがある。
前記ヘテロ縮環系化合物に加えて、必要に応じて他の増感剤を添加してもよい。
−−増感剤−−
前記増感剤は、後述する光照射手段として可視光線や紫外光・可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、特開2005−258431号公報の明細書の段落「0313」から「0314」に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記増感剤の前記感光層における含有量としては、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.05質量%未満となると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、前記感光層から保存時に析出することがある。
−−熱重合禁止剤−−
前記熱重合禁止剤は、前記感光層における前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。
前記熱重合禁止剤としては、特に制限はなく、公知の熱重合禁止剤の中から適宜選択することができるが、例えば、特開2005−258431号公報の明細書の段落「0316」に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、前記感光層の前記重合性化合物に対して、0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満であると、保存時の安定性が低下することがあり、5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
−−可塑剤−−
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、公知の熱重合禁止剤の中から適宜選択することができるが、例えば、特開2005−258431号公報の明細書の段落「0318」に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記可塑剤の前記感光層における含有量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
−−発色剤−−
前記発色剤は、露光後の前記感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。
前記発色剤としては、特に制限はなく、公知の熱重合禁止剤の中から適宜選択することができるが、例えば、特開2005−258431号公報の明細書の段落「0320」から「0321」に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記発色剤の前記感光層における含有量としては、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、前記ハロゲン化合物の前記感光層における含有量としては、0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましい。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、例えば、赤色、緑色、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、黒色等の公知の顔料又は染料が挙げられ、具体的には、ビクトリア・ピュアブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・イエローGT(C.I.ピグメント・イエロー12)、パーマネント・イエローGR(C.I.ピグメント・イエロー17)、パーマネント・イエローHR(C.I.ピグメント・イエロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボンブラックが挙げられる。
また、カラーフィルタの作製に好適な前記着色剤として、例えば、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・バイオレット23、特開2002−162752号公報の(0138)〜(0141)に記載のもの等が挙げられる。前記着色剤の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。また、カラーフィルタを作製する場合は、前記平均粒子径として、0.5μm以下が好ましい。
前記着色剤の含有量としては、0.01〜0.1質量%が好ましい。
−−染料−−
前記感光層には、取り扱い性の向上のために感光層を着色し、又は保存安定性を付与する目的に、染料を用いることができる。
前記染料としては、特に制限はなく、公知の熱重合禁止剤の中から適宜選択することができるが、例えば、特開2005−258431号公報の明細書の段落「0323」から「0324」に記載されている化合物、などが挙げられる。また、これらの染料以外に、保土ヶ谷化学製のVPB−NAPS、などが挙げられる。
前記染料の前記感光層における含有量としては、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。
−−密着促進剤−−
各層間の密着性、又はパターン形成材料と基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記密着促進剤としては、特に制限はなく、公知の熱重合禁止剤の中から適宜選択することができるが、例えば、特開2005−258431号公報の明細書の段落「0326」に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記密着促進剤の前記感光層における含有量としては、0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
前記感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ又はジアゾ化合物、光還元性色素、有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプロベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。
前記レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組合せからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類が挙げられる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンが挙げられる。
−−界面活性剤−−
本発明の前記パターン形成材料を製造する際に発生する面状ムラを改善させるために、公知の界面活性剤を併用することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。
前記界面活性剤の具体例としては、例えば、メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
前記界面活性剤の前記感光層における含有量としては、0.001〜10質量%が好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましく、4〜30μmが特に好ましい。
<支持体及び保護フィルム>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、8〜50μmが特に好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20000mの長さのものが挙げられる。
前記パターン形成材料は、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、上述のような接着力の関係を充たすことができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記パターン形成材料は、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状のパターン形成材料の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状のパターン形成材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いる事が好ましい。
前記保護フィルムは、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、バリア層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層等の層が挙げられる。前記パターン形成材料は、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよく、また、同種の層を2層以上有していてもよい。
[パターン形成材料の製造方法]
前記パターン形成材料は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光層、及びその他の層に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、塗布液を調製する。
前記塗布液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
次に、前記支持体上に前記塗布液を塗布し、乾燥させて各層を形成し、パターン形成材料を製造することができる。例えば、前記感光層の成分を溶解、乳化、又は分散させた感光性樹脂組成物溶液を支持体上に塗布し、乾燥させて、感光層を形成し、その上に保護フィルムを形成することによりパターン形成材料を製造することができる。
前記塗布液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ナイフコート法、等の各種の塗布方法が挙げられる。
本発明のパターン形成材料は、前記感光層における重合性化合物として、前記重合性化合物(a−1)と、前記重合性化合物(a−2)とを含有し、前記感光層の感度を、0.1〜50mJ/cmにすることにより、感度及び解像度が高く、かつ、テント膜強度が強く、密着性に優れ、未露光膜破れの防止効果に優れるため、各種パターンの形成用、配線パターン等の永久パターンの形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどのパターン形成用、などに好適に用いることができるが、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。また、本発明のパターン形成方法及びパターン形成装置に好適に用いることができる。
(感光性積層体)
前記感光性積層体は、前記基体上に、本発明のパターン形成材料における感光層を少なくとも有し、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。
<基体>
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明のパターン形成材料の少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
〔感光性積層体の製造方法〕
前記感光性積層体の製造方法として、第1の態様として、前記感光性組成物を前記基体の表面に塗布し乾燥する方法が挙げられ、第2の態様として、本発明のパターン形成材料における少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記感光性積層体の製造方法は、前記基体の表面に本発明のパターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する。なお、前記パターン形成材料が前記保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基体に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度及び加圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)などが好適に挙げられる。
(パターン形成装置及びパターン形成方法)
本発明のパターン形成装置は、前記感光性積層体を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有する。
本発明のパターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、適宜選択した現像工程等のその他の工程を含む。
なお、本発明の前記パターン形成装置は、本発明の前記パターン形成方法の説明を通じて明らかにする。
[露光工程]
前記露光工程は、本発明のパターン形成材料における前記感光層に対し、露光を行う工程である。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光を照射する光照射手段、形成するパターン情報に基づいて該光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段などが挙げられる。
前記デジタル露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行うことが好ましく、例えば、前記感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行う方法が好ましい。
本発明において「N重露光」とは、前記感光層の被露光面上の露光領域の略すべての領域において、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線が、前記被露光面上に照射されたN本の光点列(画素列)と交わるような設定による露光を指す。ここで、「光点列(画素列)」とは、前記描素部により生成された描素単位としての光点(画素)の並びうち、前記露光ヘッドの走査方向となす角度がより小さい方向の並びを指すものとする。なお、前記描素部の配置は、必ずしも矩形格子状でなくてもよく、たとえば平行四辺形状の配置等であってもよい。 ここで、露光領域の「略すべての領域」と述べたのは、各描素部の両側縁部では、描素部列を傾斜させたことにより、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が減るため、かかる場合に複数の露光ヘッドをつなぎ合わせるように使用したとしても、該露光ヘッドの取付角度や配置等の誤差により、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数がわずかに増減することがあるため、また、各使用描素部の描素部列間のつなぎの、解像度分以下のごくわずかな部分では、取付角度や描素部配置等の誤差により、走査方向と直交する方向に沿った描素部のピッチが他の部分の描素部のピッチと厳密に一致せず、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が±1の範囲で増減することがあるためである。なお、以下の説明では、Nが2以上の自然数であるN重露光を総称して「多重露光」という。さらに、以下の説明では、本発明のパターン形成装置(露光装置)又は露光方法を、描画装置又は描画方法として実施した形態について、「N重露光」及び「多重露光」に対応する用語として、「N重描画」及び「多重描画」という用語を用いるものとする。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
<パターン形成装置>
本発明のパターン形成方法に係るパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記パターン形成装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置とされており、図1に示すように、前記パターン形成材料における少なくとも前記感光層が積層されてなるシート状の感光性積層体12(以下、「感光材料12」、「感光層12」ということがある)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、このパターン形成装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には感光材料12の先端及び後端を検知する複数(たとえば2個)のセンサ26が設けられている。スキャナ24及びセンサ26はゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ24及びセンサ26は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図1に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を規定する。
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されている。各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
スリット28の位置は、前記露光ヘッド30の中心と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。また、スリット28の位置としては、隣接する露光済み領域34間の重複部分の中心位置と略一致させてもよい。この場合、各スリット28の大きさは、露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさとする。
ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、それぞれ、後述する使用描素部指定処理において、描素単位としての光点を検出する光点位置検出手段としての単一セル型の光検出器(図示せず)が組み込まれている。また、各光検出器は、後述する使用描素部指定処理において、前記描素部の選択を行う描素部選択手段としての演算装置(図示せず)に接続されている。
露光時における前記パターン形成装置の動作形態はとしては、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
<<露光ヘッド>>
各露光ヘッド30は、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている。このため、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。図2及び図3Bに示す例では、2行5列の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッドが、スキャナ24に備えられている。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
また、図3A及び図3Bに示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
露光ヘッド30の各々は、図4及び図5に示すように、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた描素部制御手段としてのコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36上の使用領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
図4に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系40、このレンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図4では、レンズ系40を概略的に示してある。
上記レンズ系40は、図5に詳しく示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成されている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の被露光面上に結像するレンズ系50が配置されている。レンズ系50は、DMD36と感光層12の被露光面とが共役な関係となるように配置された、2枚のレンズ52及び54からなる。
本実施形態では、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光は、実質的に5倍に拡大された後、DMD36上の各マイクロミラーからの光線が上記のレンズ系50によって約5μmに絞られるように設定されている。
‐光変調手段‐
前記光変調手段としては、n個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された前記描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD36は図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。本実施形態では、1024列×768行のマイクロミラー58が配されてなるDMD36を使用するが、このうちDMD36に接続されたコントローラにより駆動可能すなわち使用可能なマイクロミラー58は、1024列×256行のみであるとする。DMD36のデータ処理速度には限界があり、使用するマイクロミラー数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、このように一部のマイクロミラーのみを使用することにより1ライン当りの変調速度が速くなる。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD36のSRAMセル(メモリセル)56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(たとえば±10度)のいずれかに傾く。図7Aは、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7Bは、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。このように、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
図6には、DMD36の一部を拡大し、各マイクロミラー58が+α度又はα度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された上記のコントローラによって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
‐光照射手段‐
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始系化合物や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源38は、図8に示すように、複数(たとえば14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有する光ファイバ64が結合されている。図9に詳しく示すように、光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図9に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
このような光ファイバは、例えば、図25に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ62のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ64を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ64の入射端面が、マルチモード光ファイバ62の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ64のコア64aの径は、マルチモード光ファイバ62のコア62aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ62の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ64を、マルチモード光ファイバ62の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ62は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ64は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバのクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ64のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール60は、図26に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック110上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズL1、L2、L3、L4、L5、L6及びL7と、1つの集光レンズ200と、1本のマルチモード光ファイバ62と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図27及び図28に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ400内に収納されている。パッケージ400は、その開口を閉じるように作製されたパッケージ蓋410を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ400の開口をパッケージ蓋410で閉じることにより、パッケージ400とパッケージ蓋410とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ400の底面にはベース板420が固定されており、このベース板420の上面には、前記ヒートブロック110と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダー450と、マルチモード光ファイバ62の入射端部を保持するファイバホルダー460とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ62の出射端部は、パッケージ400の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック110の側面にはコリメータレンズホルダー440が取り付けられており、コリメータレンズL1〜L7が保持されている。パッケージ400の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線470がパッケージ外に引き出されている。
なお、図28においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズL7にのみ番号を付している。
図29は、前記コリメータレンズL1〜L7の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズL1〜L7の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズL1〜L7は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図29の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズL1〜L7に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズL1〜L7の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズL1〜L7の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ200は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズL1〜L7の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ200は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ200も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図30に示すように、ヒートブロック110上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図31Aに示す、複数(例えば、5個)の発光点111aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ111は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ111に撓みが発生し易くなるため、発光点111aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ111や、図31Bに示すように、ヒートブロック110上に、複数のマルチキャビティレーザ111が各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図32に示すように、複数(例えば、3個)の発光点111aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ111を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ111と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ111は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aを、上記マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ200として、マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ111からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ62への結合効率を上げることができる。
また、図33に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ111を用い、ヒートブロック110上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ111が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ111は、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ111に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図34A及び図34Bに示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ111が、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ111のレーザ光出射側には、各チップの発光点111aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ62と、このマルチモード光ファイバ62の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ200と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ200によって集光されて、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ62の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
<<使用描素部指定手段>>
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
(1)単一露光ヘッド内における使用描素部の指定方法
本実施形態(1)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
露光ヘッド30の走査方向に対する描素部(マイクロミラー58)の列方向の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも、若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、上記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図10は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差、及びパターン歪みの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面及び説明においては、各描素部(マイクロミラー)により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点について、第m行目の光点をr(m)、第n列目の光点をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。
図10の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の被露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。
なお、図10では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図10の例では、設定傾斜角度θを上記の角度θidealよりも若干大きい角度を採用した結果として、また露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度と上記の設定傾斜角度θとが誤差を有する結果として、被露光面上のいずれの領域においても濃度むらが生じている。具体的には、奇数列のマイクロミラーによる露光パターン及び偶数列のマイクロミラーによる露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となり、描画が冗長となる領域が生じ、濃度むらが生じている。
さらに、図10の例では、被露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、被露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、及びDMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差等が挙げられる。
図10の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
上記したような、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域における濃度むらを軽減するために、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド30ごとに実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された前記演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図11及び12を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
−実傾斜角度θ´の特定−
図11は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
図12は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における右方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,512)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における左方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を光点P(256,512)の位置として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,512)の被露光面上における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、P(1,512)の位置を示す座標も決定し、それぞれの座標を結ぶ直線と、露光ヘッド30の走査方向とがなす傾斜角度を導出し、これを実傾斜角度θ´として特定する。
‐使用描素部の選択‐
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を充たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
図13は、上記のようにして実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーが生成した光点のみを用いて行った露光において、図10に示した被露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。
この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図13に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
一方、図13の左方の領域(図中のc(1)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーのみによる露光では、偶数列による露光パターン及び奇数列による露光パターンのそれぞれにおいて、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
また、図13の右方の領域(図中のc(1024)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光線列の傾斜角度が、中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
本実施形態(1)では、上述のとおり、第512列目の光線列の実傾斜角度θ´が測定され、該実傾斜角度θ´を用い、前記式(4)により導出されたTに基づいて使用するマイクロミラー58を選択したが、前記実傾斜角度θ´の特定方法としては、複数の描素部の列方向(光点列)と、前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度をそれぞれ測定し、それらの平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかを実傾斜角度θ´として特定し、前記式4等によって実際の露光時に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
さらに、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
一方、前記実傾斜角度θ´の特定は、同一の描素部の列(光点列)中の少なくとも2つの光点の位置に基づく方法に限定されない。例えば、同一描素部列c(n)中の1つ又は複数の光点の位置と、該c(n)近傍の列中の1つ又は複数の光点の位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。さらに、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(1)の使用描素部の指定方法によれば、各露光ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(2)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<1>
本実施形態(2)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部マイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealを採用するものとする。
この角度θidealは、上記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、パターン形成装置10は、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
図14は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれの影響により、被露光面上のパターンに生じる濃度むらの例を示した説明図である。各露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれは、露光ヘッド間の相対位置の微調整が困難であるために生じ得るものである。
図14の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した図である。図14の下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示したものである。
なお、図14では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図14の例では、上記したX軸方向に関する露光ヘッド3012と3021との間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な部分が生じてしまっている。
上記したような、複数の前記露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域に現れる濃度むらを軽減するために、本実施形態(2)では、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021からの光点群のうち、被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を構成する光点のいくつかについて、その位置(座標)を検出する。該位置(座標)に基づいて、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−位置(座標)の検出−
図15は、図14と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、すなわち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
図16は、一例として露光エリア3221の光点P(256,1024)の位置を検出する際の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における右方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,1024)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における左方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を、光点P(256,1024)として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,1024)の被露光面における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。
−不使用描素部の特定−
図14の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、上記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図14において、露光エリア3221の光点P(256,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図17において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
次に、N重露光の数Nに対して、露光エリア3212の光点P(256,N)の位置が検出される。本実施形態(2)では、N=2であるので、光点P(256,2)の位置が検出される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、上記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
さらに、露光エリア3212の光点P(256,N−1)すなわち光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
その結果、たとえば、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点に対応するマイクロミラーが、実際の露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。これらのマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に使用されない。
このように、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定し、該使用しないマイクロミラーを除いたものを、実際の露光時に使用するマイクロミラーとして選択することにより、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができ、図17の下段に示すように、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光を実現することができる。
なお、上記の例においては、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点の特定に際し、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標との比較を行わずに、ただちに、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
さらに、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(2)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(3)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<2>
本実施形態(3)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに、各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部(マイクロミラー58)を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて上記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図18は、上記のように各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度が初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の取付角度誤差、並びに、各露光ヘッド3012と3021間の相対取付角度誤差及び相対位置のずれの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
図18の例では、図14の例と同様の、X軸方向に関する露光ヘッド3012と3021の相対位置のずれの結果として、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、露光エリア3212と3221の被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な領域74が生じ、これが濃度むらを引き起こしている。
さらに、図18の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を充たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
本実施形態(3)では、まず、各露光ヘッド3012と3021の取付角度誤差及び相対取付角度のずれの影響による濃度むらを軽減するための使用画素選択処理を行う。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−実傾斜角度θ´の特定−
実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
−不使用描素部の特定−
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を充たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光量過多となる面積が最小になり、かつ露光量不足となる面積が生じないようになすことができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、図14から17を用いて説明した本実施形態(3)と同様の処理がなされ、図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(3)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれ、並びに、各露光ヘッドの取付角度誤差、及び露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
以上、パターン形成装置10による使用描素部指定方法ついて詳細に説明したが、上記実施形態(1)〜(3)は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
また、上記の実施形態(1)〜(3)では、被露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、たとえば2次元検出器等を用いてもよい。
さらに、上記の実施形態(1)〜(3)では、スリット28と光検出器の組による被露光面上の光点の位置検出結果から実傾斜角度θ´を求め、その実傾斜角度θ´に基づいて使用するマイクロミラーを選択したが、実傾斜角度θ´の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーを選択する形態としてもよい。さらには、たとえばすべての使用可能なマイクロミラーを用いた参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像度や濃度のむらの確認等により、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
なお、被露光面上に生じ得るパターン歪みには、上記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。
一例としては、図20Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図20Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で被露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で被露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と被露光面間の光学要素(たとえば1枚レンズである図5のレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、被露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
上記の実施形態(1)〜(3)によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、上記の角度歪みの残留要素と同様、多重露光による埋め合わせの効果で均すことができ、解像度や濃度のむらを、各露光ヘッドの露光領域全体にわたって軽減することができる。
<<参照露光>>
上記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
図21は、単一露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図21Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図21Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図22は、複数の露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図22に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図22に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図23は、単一露光ヘッドを用い、全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図23Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図23Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図24は、複数の露光ヘッドを用い、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)について、それぞれ全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図24に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図24に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
以上の実施形態(1)〜(3)及び変更例においては、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限定されず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像度を確保し、解像度のばらつき及び濃度むらが軽減された露光を実現することができる。
また、上記の実施形態及び変更例に係るパターン形成装置(露光装置)には、さらに、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを被露光面上に形成することができる。
[現像工程]
前記現像工程は、前記露光工程により前記パターン形成材料における感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、パターンを形成する工程である。
前記現像工程は、例えば、現像手段により好適に実施することができる。
前記現像手段としては、現像液を用いて現像することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記現像液を噴霧する手段、前記現像液を塗布する手段、前記現像液に浸漬させる手段などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記現像手段は、前記現像液を交換する現像液交換手段、前記現像液を供給する現像液供給手段などを有していてもよい。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ性液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
[エッチング工程]
前記エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができる。
前記エッチング処理に用いられるエッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
前記エッチング工程によりエッチング処理した後に前記パターンを剥離片として除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
前記永久パターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配線パターンなどが好適に挙げられる。
〔レジスト剥離工程〕
前記レジスト剥離工程としては、前記パターンを剥離処理した後、剥離片として除去する工程である限り、特に制限はなく、公知のレジスト剥離処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができる。
本発明のパターン形成材料における感光層は、前記レジスト剥離工程において生じる剥離片が極めて微細であり、剥離不良などを防止でき、該剥離片による装置の汚染を防止できる。
前記レジスト剥離処理に用いられる剥離液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等の無機アルカリ水溶液や、1〜20質量%アミン系有機アルカリ水溶液などが挙げられ、これらの中でも、1〜10質量%の無機アルカリ水溶液が好ましい。
前記レジスト剥離工程により生じる剥離片としては、該剥離片における最大の辺の長さが5cm以下であることが好ましい。前記剥離片の最大の辺の長さが、5cmを超えると、剥離不良を生じたり、装置の搬送系に支障をきたして搬送不良の原因となることがある。
〔プリント配線板の製造方法〕
本発明のパターン形成方法は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造に好適に使用することができる。以下、本発明のパターン形成方法を利用したプリント配線板の製造方法の一例について説明する。
−プリント配線板の製造方法−
スルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造方法としては、(1)前記基体としてホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、前記パターン形成材料を、その感光層が前記基体側となる位置関係にて積層して積層体を形成し、(2)前記積層体の前記基体とは反対の側から、所望の領域に光照射を行い感光層を硬化させ、(3)前記積層体から前記パターン形成材料における支持体、クッション層及びバリア層を除去し、(4)前記積層体における感光層を現像して、該積層体中の未硬化部分を除去することによりパターンを形成することができる。
その後、プリント配線板を得るには、前記形成したパターンを用いて、前記プリント配線板形成用基板をエッチング処理又はメッキ処理する方法(例えば、公知のサブトラクティブ法又はアディティブ法(例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法))により処理すればよい。これらの中でも、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成するためには、前記サブトラクティブ法が好ましい。前記処理後プリント配線板形成用基板に残存する硬化樹脂は剥離させ、また、前記セミアディティブ法の場合は、剥離後さらに銅薄膜部をエッチングすることにより、所望のプリント配線板を製造することができる。また、多層プリント配線板も、前記プリント配線板の製造法と同様に製造が可能である。
次に、前記パターン形成材料を用いたスルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、更に説明する。
まずスルーホールを有し、表面が金属メッキ層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する。前記プリント配線板形成用基板としては、例えば、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅メッキ層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅メッキ層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、前記パターン形成材料上に保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離して、前記パターン形成材料における感光層が前記プリント配線板形成用基板の表面に接するようにして加圧ローラを用いて圧着する(積層工程)。これにより、前記プリント配線板形成用基板と前記積層体とをこの順に有する積層体が得られる。
前記パターン形成材料の積層温度としては、特に制限はなく、例えば、室温(15〜30℃)、又は加熱下(30〜180℃)が挙げられ、これらの中でも、加温下(60〜140℃)が好ましい。
前記圧着ロールのロール圧としては、特に制限はなく、例えば、0.1〜1MPaが好ましい。
前記圧着の速度としては、特に制限はなく、1〜3m/分が好ましい。
また、前記プリント配線板形成用基板を予備加熱しておいてもよく、また、減圧下で積層してもよい。
前記積層体の形成は、前記プリント配線板形成用基板上に前記パターン形成材料を積層することが好ましい。
次に、前記積層体の基体とは反対側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。該露光を行った後、前記積層体から前記支持体を剥離する(剥離工程)。
次に、前記プリント配線板形成用基板上の感光層の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層とスルーホールの金属層保護用硬化層のパターンを形成し、前記プリント配線板形成用基板の表面に金属層を露出させる(現像工程)。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理をおこなってもよい。現像は上記のようなウエット現像法であってもよく、ドライ現像法であってもよい。
次いで、前記プリント配線板形成用基板の表面に露出した金属層をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。スルーホールの開口部は、硬化樹脂組成物(テント膜)で覆われているので、エッチング液がスルーホール内に入り込んでスルーホール内の金属メッキを腐食することなく、スルーホールの金属メッキは所定の形状で残ることになる。これにより、前記プリント配線板形成用基板に配線パターンが形成される。
前記エッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
次に、強アルカリ水溶液などにて前記硬化層を剥離片として、前記プリント配線板形成用基板から除去する(レジスト剥離工程)。前記レジスト剥離工程において剥離片が生じるが、本発明のパターン形成材料における感光層により形成されたパターンの剥離片は極めて微小であるため、剥離不良がなく、該剥離片による装置の汚染を防止できる。
前記強アルカリ水溶液における塩基成分としては、特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記強アルカリ水溶液のpHとしては、例えば、約12〜14が好ましく、約13〜14がより好ましい。
前記強アルカリ水溶液としては、特に制限はなく、例えば、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
また、プリント配線板は、多層構成のプリント配線板であってもよい。
なお、前記パターン形成材料は上記のエッチングプロセスのみでなく、メッキプロセスに使用してもよい。前記メッキ法としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイフローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
本発明のパターン形成方法は、本発明のパターン形成材料を用いているので、高精細なパターンを効率よく形成することができる。また、本発明の前記パターン形成方法は、本発明の前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等のパターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。本発明のパターン形成装置は、本発明の前記パターン形成材料を備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等のパターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜16)
前記支持体として厚み20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記の表1に記載されている組成からなる感光性樹脂組成物溶液を塗布し乾燥させて、厚み30μmの感光層を形成し、前記パターン形成材料を製造した。なお、表1中の数値の単位は、質量部を示している
前記光重合開始剤として用いられているBIMD(黒鉄化学製)は、下記式で表される化合物である。
前記重合性化合物(a−1)として用いられているBPE−1300N(新中村化学株社製、分子量:1684)は、下記式で表される化合物である。
前記重合性化合物(a−1)として用いられている前記式(1−1)で表される化合物は、下記式で表される化合物である。
前記重合性化合物(a−1)として用いられているBPE−500(新中村化学株社製、分子量:804)は、下記式で表される化合物である。
前記重合性化合物(a−1)として用いられている前記式(1−3)で表される化合物(分子量:2124)は、下記式で表される化合物である。
前記ウレタン基を有する重合性化合物として用いられているGX8702C(第一工業製薬株式会社製)は、下記式で表される化合物である。
前記重合性化合物(a−3)として用いられているM270(東亞合成株式会社製)は、下記式で表される化合物である。
前記重合性化合物(a−3)として用いられている30PDC−950B(日本油脂株式会社製)は、下記式で表される化合物である。
前記重合性化合物(a−2)として用いられているDPEA−12、DPCA−20、DPCA−120、DPHA(日本化薬株式会社製)は、それぞれ下記式で表される化合物である。
前記パターン形成材料の感光層の上に、前記保護フィルムとして厚み20μmのポリエチレンフィルムを積層した。次に、前記基体として、表面を研磨、水洗、乾燥した銅張積層板(直径1、2、3、4、5及び6mmの穴部が各30ずつ、合計180穴開口したもの、銅厚み12μm)の表面に、前記パターン形成材料の保護フィルムを剥がしながら、該パターン形成材料の感光層が前記銅張積層板に接するようにしてラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された積層体を作製した。
圧着条件は、圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力0.3MPa、ラミネート速度1m/分とした。
<未露光膜破れの評価>
次に、得られた積層体を、室温(25℃、50%RH)にて5日間保管した。この保管後の積層体から、支持体を剥離して、前記穴部分の感光層が剥離して破れた個数をカウントし、未露光膜破れの評価を行った。前記直径1〜6mmの各穴部において、30穴が全く破れなかった穴部のうちの最大のものの直径を、未露光膜破れの値とした。実施例1では、1〜6mmの穴全てに破れがなかった。
また、前記支持体を剥離した積層体を用いて、以下のようにして、感度、現像度、密着性、テント性、剥離時間、及び解像度の評価を行った。結果を表4に示す。
<現像性>
前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とした。この最短現像時間が短い程、現像性に優れる。
次に、前記永久パターンが形成された積層体の全面に対して、160℃で30分間、加熱処理を施し、永久パターンの表面を硬化し、膜強度を高めた。該永久パターンを目視で観察したところ、永久パターンの表面に気泡は認められなかった。
また、前記永久パターン形成済みのプリント配線基板に対して、常法に従い金メッキを行った後、水溶性フラックス処理を行った。次いで、260℃に設定された半田槽に5秒間にわたって、3回浸漬し、フラックスを水洗で除去した。
<解像度>
(1)感度の測定
前記積層体におけるパターン形成材料の感光層に対し、銅張積層板とは反対側から、前記光照射手段としての405nmのレーザ光源を有するパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で100mJ/cmまでの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、銅張積層板上の感光層の全面に、炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記現像性の評価で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚みとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化領域の厚みが15μmとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
<<パターン形成装置>>
前記光照射手段として図8〜9及び図25〜29に示した合波レーザ光源と、前記光変調手段として図6に概略図を示した主走査方向にマイクロミラー58が1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD36と、図5A及び図5Bに示した光を前記感光性フィルムに結像する光学系とを有する露光ヘッド30を備えたパターン形成装置10を用いた。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、使用可能な1024列×256行のマイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用した。この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
であり、s=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度を採用した。
まず、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正するため、被露光面の露光パターンの状態を調べた。結果を図18に示した。図18においては、ステージ14を静止させた状態で感光層12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した。また、下段部分に、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示した。なお、図18では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示したが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図18に示したとおり、露光ヘッド3012と3021の間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多な領域が生じていることが判る。
前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定した。
実傾斜角度θ´を用いて、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を充たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出した。露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255がそれぞれ導出された。その結果、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定された。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、同様にして図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加された。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しないように制御した。
これにより、露光エリア3212と3221のうち、複数の前記露光ヘッドで形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
(2)解像度の測定
前記現像性の評価と同じ方法及び条件で前記積層体を作製し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅5μm〜20μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行い、ライン幅20μm〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行った。この際の露光量は、前記(1)で測定した前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記現像性で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<密着性の測定>
前記現像性の評価と同じ方法及び条件で前記積層体を作製し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/5でライン幅5μm〜20μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行い、ライン幅20μm〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行った。この際の露光量は、前記で測定した前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記現像性で求めた最短現像時間の6倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインに剥がれ、削れ、浮き等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを密着性とした。該密着性は数値が小さいほど良好である。またこの密着性の差が小さいほど現像時間の変化に対するパターン線幅、プロファイルなどの変化が少なく良好である。
<テント性>
前記積層体における銅張積層板を、直径6mmのスルーホールを200個有する銅張積層板に代えた以外は前記積層体と同様にしてテント性評価用の積層体を作製し、室温(23℃、相対湿度55%)の条件下で10分間放置した。次に、前記作製した積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、該積層体における感光層の全面に露光を行った。この際の露光量は、前記解像度の評価における前記(2)で測定した前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。前記銅張積層板上の前記感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記現像性で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーした。この様にして得られた前記銅張積層板におけるスルーホール開口部上に形成された硬化層(テント膜)の剥がれや破れ等の欠陥の有無を顕微鏡で観察し、欠陥の発生率をカウントした。
(比較例1〜3)
感光性樹脂組成物溶液を、下記の表2に記載されている組成からなるものに変更した以外は、実施例1と同様の方法により、パターン形成材料を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。
(比較例4)
感光性樹脂組成物溶液を、下記の感光性樹脂組成物の組成からなるものに変更した以外は、実施例1と同様の方法により、パターン形成材料を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。
<感光性樹脂組成物の組成>
・化合物a(A−1)・・・・・・・・・・・・・・・・15質量部
・NKエステルAPG−400・・・・・・・・・・・・20質量部
・熱可塑性重合体B−1・・・・・・・・・・・・・・・58質量部
・ベンゾフェノン・・・・・・・・・・・・・・・・・6.8質量部
・ミヒラーズケトン・・・・・・・・・・・・・・・・0.2質量部
・メチレンブルー・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1質量部
前記熱可塑性重合体B−1の含有量は、固形分含有量が示されている。
前記化合物a(A−1)の合成方法について示す。
まず、攪拌機、Dean−Stark水分離器、空気吹き込み管及び温度計を備えた3Lの3つ口フラスコにトルエン950g、P−メトキシフェノール0.4g、アクリル酸200g、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド25モル反応物1220g、及びP−トルエンスルホン酸一水塩94gを入れた。次に、空気を少量ずつ吹き込みながらフラスコ内の圧力を300Torrとし、攪拌しながら油浴の温度を110℃に上げると還流が始まり、共沸された水がDean−Stark水分離器に溜めた。その後、新たな水の留出がなくなるまでそのままの状態で13時間反応させた。その後、フラスコ内温度を室温まで低下させ、反応混合物にヘキサン4700gを加え、10wt%水酸化ナトリウム水溶液、続いて水で洗浄した後、低沸点成分を蒸留して除去し、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド25モル反応物のアクリレート(化合物a(A−1))を得た。収率は86%であった。
前記熱可塑性重合体B−1の合成方法について示す。
まず、メタクリル酸50g、スチレン20g、メチルアクリレート50g、メチルメタクリレート80g(溶剤)、メチルエチルケトン100g、イソプロピルアルコール220g(重合開始剤)、及びアゾビスイソブチロニトリル2gを、窒素導入口、攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1000mlの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でメタクリル酸、スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、及びメチルエチルケトンを全量、並びに、イソプロピルアルコール140g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.4gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げ、その温度で2時間重合させた。次いで、アゾビスイソブチロニトリルの残量を1時間置きに5回に分けて添加した後、フラスコ内温を溶剤の沸点まで上昇させて、その温度でさらに2時間重合させた。その後、フラスコ内温度が50℃以下になってから、イソプロピルアルコールの残量を添加して重合反応物をフラスコより取り出し、熱可塑性重合体B−1の溶液を得た。なお熱可塑性重合体B−1における単量体混合物の重合率は99.5%以上であり、熱可塑性重合体溶液中の固形分量は38.7重量%であった。また、チオシアン酸ナトリウムの0.1mol/Lジメチルホルムアミド溶液を溶媒として25℃で測定した熱可塑性重合体B−1の[η]は0.43であった。
(比較例5)
感光性樹脂組成物溶液を、下記の表3に記載されている組成からなるものに変更した以外は、実施例1と同様の方法により、パターン形成材料を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。
表4の結果より、重合性化合物として、ビスフェノール骨格を有する重合性化合物と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物とを含有し、感光層の感度が、0.1〜50mJ/cmである本発明のパターン形成材料である実施例1〜16は、感度、解像度、密着性、及びテント性に優れ、未露光膜破れの防止効果があることがわかった。また、実施例5〜6及び14では、テント性、解像度、及び感度により優れたパターンを形成可能であることが確認された。
本発明のパターン形成材料は、感度が高く、良好なレジストパターン形状が得られ、かつ、テント膜強度が強く、高精細で高アスペクト比のパターンを形成可能であるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成装置及びパターン形成方法は、本発明のパターン形成材料を備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
図1は、パターン形成装置の一例の外観を示す斜視図である。 図2は、パターン形成装置のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。 図3Aは、感光層の被露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。 図3Bは、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図である。 図4は、露光ヘッドの概略構成の一例を示す斜視図である。 図5Aは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図である。 図5Bは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す側面図である。 図6は、図1のパターン形成装置のDMDの一例を示す部分拡大図である。 図7Aは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図7Bは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図8は、ファイバアレイ光源の構成の一例を示す斜視図である。 図9は、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列の一例を示す正面図である。 図10は、露光ヘッドの取付角度誤差及びパターン歪みがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図11は、1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図12は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図13は、選択されたマイクロミラーのみが露光に使用された結果、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図14は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図15は、隣接する2つの露光ヘッドによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図16は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図17は、図14の例において選択された使用画素のみが実動され、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図18は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれ及び取付角度誤差がある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図19は、図18の例において選択された使用描素部のみを用いた露光を示す説明図である。 図20Aは、倍率歪みの例を示した説明図である。 図20Bは、ビーム径歪みの例を示した説明図である。 図21Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図21Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図22は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図23Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図23Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図24は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図25は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図26は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図27は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図28は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図29は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図30は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図31Aは、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例である。 図31Bは、図31Aに示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図32は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図33は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Aは、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Bは、図34Aの光軸に沿った断面図の一例である。
符号の説明
B1〜B7 レーザビーム
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 パターン形成装置
12 感光層(感光材料)
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ
28 スリット
30 露光ヘッド
32 露光エリア
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ

Claims (17)

  1. 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層がバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を少なくとも含み、
    前記重合性化合物が、ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)と、分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)とを含有してなり、
    前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、0.1〜50mJ/cmであることを特徴とするパターン形成材料。
  2. 光重合開始剤の含有量が、前記感光層の固形分全量に対して、5〜20質量%である請求項1に記載のパターン形成材料。
  3. ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)が、下記構造式(1)で表される請求項1から2のいずれかに記載のパターン形成材料。
    構造式(1)中、R11及びR12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及びメチル基のいずれかを表し、Aは、エチレン基(−C−)を表し、Bは、プロピレン基(−CHCH(CH)−)を表し、n11及びn12は、それぞれ1〜29のいずれかの整数を表し、n13及びn14は、それぞれ0〜29のいずれかの整数を表し、n11+n12の値は、2〜30のいずれかの整数を表し、n13+n14の値は、0〜30のいずれかの整数を表す。ただし、(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列は、ランダム配列でもよいし、ブロック配列でもよい。前記(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列がブロック配列である場合は、ビスフェノール基側の繰り返し配列は、前記(A−O)及び(B−O)で表される繰り返し配列のいずれでもよい。
  4. 構造式(1)におけるn13+n14の値が、2〜30のいずれかの整数である請求項1から3のいずれかに記載のパターン形成材料。
  5. ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)の分子量が、1,000〜2,000である請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成材料。
  6. 重合性化合物が、3種以上の重合性化合物を含有する請求項1から5のいずれかに記載のパターン形成材料。
  7. ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)及び分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)以外の重合性化合物をさらに含み、該重合性化合物が、反応性基が3つ以下であり、且つプロピレンオキサイド基及びエチレンオキサイド基の少なくともいずれかを有する重合性化合物(a−3)を含む請求項1から6のいずれかに記載のパターン形成材料。
  8. ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)及び分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)以外の重合性化合物が、ウレタン基を有する請求項1から7のいずれかに記載のパターン形成材料。
  9. ビスフェノール骨格を有する重合性化合物(a−1)の含有量が、重合性化合物全固形分量に対して、10〜95質量%である請求項1から8のいずれかに記載のパターン形成材料。
  10. 分子内に反応性基を4つ以上有し、且つ分子量700以上の重合性化合物(a−2)の含有量が、重合性化合物全固形分量に対して、2〜50質量%である請求項1から8のいずれかに記載のパターン形成材料。
  11. バインダーの質量平均分子量が、50,000〜150,000である請求項1から10のいずれかに記載のパターン形成材料。
  12. バインダーのI/O値が、0.350〜0.650である請求項1から11のいずれかに記載のパターン形成材料。
  13. 感光層が、ヘテロ縮環系化合物をさらに含有する請求項1から12のいずれかに記載のパターン形成材料。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層を備えており、
    光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置。
  15. 請求項1から13のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法。
  16. 露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる請求項15に記載のパターン形成方法。
  17. 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる請求項15から16のいずれかに記載のパターン形成方法。

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