本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。本実施例は、自動二輪車、原付自転車等の二輪車に用いられるエンジンの吸気装置について説明する。図1はエンジンの吸気装置を示す側面図、図2は同じく背面図、図3は図1のIII−III線矢視断面図、図4は図2のIV−IV線矢視断面図である。なお、エンジンの吸気装置については、エアクリーナ(図示しない。)が接続される側(図1において右側)を前側とし、また、インテークマニホールド(図示しない。)が接続される側(図1において左側)を後側として説明することにする。なお、エンジンの吸気装置1の上下方向は、二輪車に対する搭載上の天地方向と同じになっている。
図2に示すように、エンジンの吸気装置1は、スロットルボデー2と、そのスロットルボデー2の一側(図2において右側)に着脱可能に設けられたデバイスユニット3とにより構成されている(図1参照。)。説明の都合上、スロットルボデー2を説明し、その後でデバイスユニット3を説明する。
図3に示すように、スロットルボデー2は、その主体をなすボデー本体5を備えている。ボデー本体5は、例えば樹脂製で、前後方向(図3において紙面表裏方向)に貫通するほぼ中空円筒状のボア壁部6を有している。ボア壁部6内の中空部がボア7となっている。なお、ボア壁部6の前端部(図4において左端部)にエアクリーナ(図示しない。)が接続され、また、ボア壁部6の後端側(図4において右端側)にインテークマニホールド(図示しない。)が接続されるようになっている。したがって、エアクリーナから流れてくる吸入空気は、ボア7を通じてインテークマニホールドへ流れてゆくことになる。なお、ボア7は、本明細書でいう「吸気通路」に相当する。また、ボア壁部6の後端側には、インテークマニホールドに代えて、エンジンが直に接続される場合もある。
図3に示すように、前記ボア壁部6には、前記ボア7を径方向すなわち左右方向に横切るスロットルシャフト9が配置されている。スロットルシャフト9は、例えば金属製である。スロットルシャフト9の両端部は、ボア壁部6に一体形成された左右一対の軸受ボス部10,11内に回転可能に支持されている。スロットルシャフト9と各軸受ボス部10,11との間には、それぞれゴム製のシール材12が介装されている。各シール材12は、スロットルシャフト9と各軸受ボス部10,11との間を弾性的にシールしている。
図4に示すように、前記スロットルシャフト9上には、前記ボア7を開閉するほぼ円板状のバタフライ式のスロットルバルブ14がスクリュ15により締着されている。スロットルシャフト9と一体でスロットルバルブ14が回転することにより、ボア7内を流れる吸入空気量が制御される。なお、スロットルバルブ14は、図4に実線14で示す状態が閉状態であり、その閉状態より図4において右回り方向(図4中、矢印「O(オー)」方向参照。)へ回動されることにより開状態(図4中、二点鎖線14参照。)となる。また、開状態のスロットルバルブ14は、図4において左回り方向(図4中、矢印「S」方向参照。)へ回動されることにより閉状態(図4中、実線14参照。)となる。
図3に示すように、前記スロットルシャフト9の右端部(図3において右端部)には、スロットルレバー17がインサート成形より一体化されている。スロットルレバー17と、それに対向する軸受ボス部11との間には、コイルスプリングからなるリターンスプリング18が介装されている。リターンスプリング18は、スロットルレバー17及びスロットルシャフト9並びにスロットルバルブ14を常に閉方向へ付勢している。なお、スロットルレバー17には、図示しないスロットル操作装置につながるアクセルワイヤが接続されかつ巻装されるようになっている。
前記スロットルシャフト9は、前記スロットルバルブ14の締着に先立って、ボア壁部6の各軸受ボス10,11内にその右方から左方へ向けて挿通されている。スロットルシャフト9の挿入端部にワッシャ19及びスペーサ20が嵌合されたのち、その端部に形成された環状溝(符号省略)にスナップリング21が装着されている。ワッシャ19は、前記軸受ボス部10の開口側端部内に形成された内径を大きくする開口凹部22内に係止されている。これにより、スロットルシャフト9の抜け止めがなされている。また、スロットルシャフト9の挿入端(図3において左端部)は、軸受ボス部10の開口端面よりも突出されている。その挿入端には、断面D字状をなすセンサロータ連結部24が形成されている(図5参照。)。なお、図5はスロットルボデーのデバイスユニット取付側を示す側面図である。また、センサロータ連結部24には、後述するデバイスユニット3が備えるスロットルポジションセンサ52のセンサロータ143が連結可能となっている。
図3に示すように、前記ボア壁部6には、左側の軸受ボス部10の外周部に連続するフランジ状のユニット装着部26が一体形成されている。ユニット装着部26には、左側の軸受ボス部10の開口端面と同一平面をなしかつ前記スロットルシャフト9の軸線9Lに直交する外端面からなる装着面26aが形成されている(図2参照。)。この装着面26aに、後述するデバイスユニット3が着脱可能となっている。なお、スロットルシャフト9の軸線9Lは、スロットルバルブ14の回動軸線に相当する。
図4に示すように、前記ユニット装着部26には、バイパス入口孔28及びバイパス出口孔30が形成されている。バイパス入口孔28は、ボア壁部6及びユニット装着部26を左右方向(図4において紙面表裏方向)に貫通するストレート状の円形孔により形成されている。バイパス入口孔28のボア側の開口端は、全閉状態の前記スロットルバルブ14の上流側でかつ上部寄りの位置においてボア7の通路壁面に開口されている。また、バイパス入口孔28の反ボア側の開口端は、ユニット装着部26の装着面26aに開口されている(図5参照。)。
前記バイパス出口孔30は、図4のほか、図6及び図7に表されている。なお、図6はバイパス通路を示す平断面図、図7は図6のVII−VII線矢視断面図である。
図7に示すように、前記バイパス出口孔30は、前記ユニット装着部26の上部において縦方向に延びる縦孔部31と、その縦孔部の上端部から左方(図7において右方)へ水平状に延びる横孔部32とにより逆L字状に形成されている。図4に示すように、縦孔部31のボア側の開口端は、全閉状態の前記スロットルバルブ14の下流側においてボア7の通路壁面の上側部に開口されている。しかして、縦孔部31は、上部が前方に傾斜しかつ下部が後方へ傾斜する直線31Lに沿って延びる有底ストレート状の円形孔により形成されている(図4参照。)。
また、図7に示すように、前記横孔部32は、前記縦孔部31の上端部近くにおいてその縦孔部31の直線31Lに直交する直線32Lに沿って延びるストレート状の段付円形孔により形成されている。横孔部32は、ユニット装着部26の装着面26aに開口する大径側の孔部32aと、大径側の孔部32aと縦孔部31とを連通する小径側の孔部32bとを有している。小径側の孔部32bにおける大径側の孔部32a側の口縁部が、後述するアイドルスピードコントロールバルブ(以下、「ISCバルブ」という。)51の弁体110に対応する弁シート部33となっている。しかして、縦孔部31の上端部である孔底部は、小径側の孔部32bより上方へ延出する異物溜め部35となっている。これにより、エンジン側から縦孔部31内へ吹き返される排ガス中に含まれるデポジット等の異物を、縦孔部31の突き当たりに形成された異物溜め部35に受け止めて溜めることができ、横孔部32の上流側への逆流を防止あるいは低減することができる。
前記横孔部32における大径側の孔部32a内には、後述するデバイスブロック50の弁体嵌合部74が嵌合される。このため、横孔部32における大径側の孔部32aを、「弁体嵌合部用孔部」という。
また、図5に示すように、前記ユニット装着部26の装着面26aには、前記バイパス入口孔28とバイパス出口孔30(詳しくは、大径側の孔部32a)とを連絡するバイパス通路溝37が形成されている(図6参照。)。
図4に示すように、前記ボア7の通路壁面には、ストレート状の円形孔からなる上下一対の圧力取入口38が形成されている。両圧力取入口38は、開弁時におけるスロットルバルブ14の下流側の外周部付近に生成される吸気流れの渦流の影響を避けた位置に開口されている。この「スロットルバルブの下流側の外周部付近に生成される吸気流れの渦流の影響を避けた位置」とは、例えば、全開状態(図4中、二点鎖線14参照。)のスロットルバルブ14の下流側端部14aの下流側の周辺部が相当する。さらに、両圧力取入口38は、前記バイパス出口孔30の縦孔部31から流出する吸入空気(補助吸気)の流れの上流側でかつその吸入空気の影響を避けた位置に開口されている。さらに、両圧力取入口38は、スロットルバルブ14の下流側の外周部付近に生成される吸気流れの渦流の影響を避けた位置であって、バイパス出口孔30の縦孔部31から流出される吸入空気(補助吸気)の流れの上流側でかつその吸入空気の影響を避けた位置のうちでも、最も上流側に近い位置に開口されている。また、両圧力取入口38のうち、二輪車に対するスロットルボデー2の搭載上、天地方向に関して地側(例えば、図4において下側)に位置する圧力取入口38(符号、(A)を付記する。)は、後述する合流孔部39内に流入した異物(例えば、水)をボア7内へ排出する排出口となる。
図4に示すように、前記ユニット装着部26には、両圧力取入口38の左側(図4において紙面裏側)において装着面26aに開口する断面縦長の長円形状のストレート状の合流孔部39が形成されている(図5参照。)。この合流孔部39の上端部には上側の圧力取入口38が連通され、その下端部には下側の圧力取入口38が連通されている。また、図5に示すように、ユニット装着部26の装着面26aには、前記合流孔部39の上方近くから上流側(図5において右方)へ延びる長細状の連絡溝40が形成されている。なお、両圧力取入口38、合流孔部39及び連絡溝40は、後述する圧力センサ54にかかる圧力通路187の一部を構成するものである。
図4に示すように、前記ボア壁部6及びユニット装着部26には、左右方向(図4において紙面表裏方向)に貫通するストレート状の円形孔からなる吸気温検出用孔42が設けられている。吸気温検出用孔42は、全閉状態の前記スロットルバルブ14の上流側でかつ下部寄りの位置すなわちバイパス入口孔28の下方近くにおいてボア7の通路壁面に開口されている。また、バイパス入口孔28の反ボア側の開口端は、ユニット装着部26の装着面26aに開口されている(図5参照。)。
図5に示すように、前記ユニット装着部26の外周部には、適数個(図5では上側に1個、下側に前後2個の計3個を示す。)の締結ボス部44が形成されている。締結ボス部44には、ねじ孔44aが形成されている。ねじ孔44aには、後述するデバイスユニット3のデバイスブロック50を締結するための締結用ボルト45(図2参照。)が締着可能となっている。
次に、前記スロットルボデー2に着脱可能に設けられるデバイスユニット3について説明する。なお、図11はデバイスユニットの構成部品を示す分解斜視図である。
図11に示すように、デバイスユニット3は、デバイスブロック50に対して、デバイス部品(詳しくは、エンジンに関連するデバイス部品)としてISCバルブ51、スロットルポジションセンサ52、温度センサ53、及び、圧力センサ54を配線基板55と共にモジュール化したものである。なお、デバイスユニット3については、説明の都合上、スロットルボデー2に対する取付側(図11において下側)を前側とし、後述するデバイスカバー60側(図11において上側)を後側として説明する。
しかして、デバイスブロック50には、複数のデバイス部品としてのISCバルブ51、スロットルポジションセンサ52、温度センサ53、及び、圧力センサ54が、後で説明するように、反スロットルボデー側(図11において上側、図3において左側)からスロットルバルブ14の回動軸線方向(図11において上下方向、図3において左右方向)に沿って組付けられる構成となっている。さらに、ISCバルブ51、スロットルポジションセンサ52、温度センサ53、及び、圧力センサ54は、スロットルバルブ14の回動軸線方向(図11において上下方向、図3において左右方向)に非重合状態で配置されている。すなわち、ISCバルブ51、スロットルポジションセンサ52、温度センサ53、及び、圧力センサ54は、スロットルバルブ14の回動軸線9Lに交差する方向(図3において上下方向及び紙面表裏方向)に分散的に配置されており、その回動軸線方向に重なり合わないように配置されている。なお、スロットルボデー2に対する取付側(図11において下側)は本明細書でいう「スロットルボデー側」に相当し、また、デバイスカバー60側(図11において上側)は本明細書でいう「反スロットルボデー側」に相当する。
まず、デバイスブロック50を説明する。なお、図14はデバイスブロックを示す正面図、図15は同じく背面図である。
図11に示すように、前記デバイスブロック50は、例えば、樹脂製であり、ほぼブロック状に形成されている。図14に示すように、デバイスブロック50の前側には、取付面50aが形成されている。取付面50aは、前記ユニット装着部26の装着面26a(図5参照。)に面接触状に接合可能に形成されている。また、図15に示すように、デバイスブロック50の後側には、その外周部に沿う周壁部57が形成されている。デバイスブロック50の周壁部57内に、収容凹部58が形成されている。なお、収容凹部58には、後述するISCバルブ51、スロットルポジションセンサ52、温度センサ53、圧力センサ54、配線基板55等が収容される。また、周壁部57の開口端に対するデバイスカバー60(後述する。)の樹脂溶着により、収容凹部58が閉鎖されるようになっている。
図11に示すように、前記デバイスブロック50の外周部には、前記ユニット装着部26の各締結ボス部44(図5参照。)に対応する取付ボス部62が形成されている。各取付ボス部62には、ボルト挿通孔62aが形成されている(図14及び図15参照。)。ボルト挿通孔62aは、締結用ボルト45(図2参照。)を挿通可能に形成されている。締結用ボルト45を各取付ボス部62のボルト挿通孔62aを通して各締結ボス部44のねじ孔44aに締着することにより、スロットルボデー2にデバイスブロック50が着脱可能に設けることができるようになっている(図1〜図3参照。)。
図16はスロットルポジションセンサの周辺部を示す分解断面図である。図16に示すように、前記デバイスブロック50には、前後方向(図16において上下方向)に貫通する中空円筒状のロータ嵌合孔部64が形成されている。ロータ嵌合孔部64の中央部の内周面には、環状に張り出すフランジ部65が形成されている。また、ロータ嵌合孔部64内は、後述するスロットルポジションセンサ52のセンサロータ143がその後方(図16において上方)から嵌合可能に形成されている。また、デバイスブロック50の取付面50aには、ロータ嵌合孔部64を取り囲む円筒状をなす接続筒部66が突出されている。接続筒部66は、前記ユニット装着部26の装着面26aにおける左側の軸受ボス部10の開口凹部22内に嵌合可能に形成されている(図3参照。)。
図14に示すように、前記デバイスブロック50の取付面50a上には、バイパス通路溝68が形成されている。バイパス通路溝68は、前記ユニット装着部26の装着面26aのバイパス通路溝37(図5参照。)に対応して形成されている(図6参照。)。図6に示すように、バイパス通路溝68は、ユニット装着部26の装着面26aにデバイスブロック50の取付面50aを面接触させた際に、バイパス通路溝37と協働して閉断面をなすバイパス通路70を形成するものである。バイパス通路70は、前記バイパス入口孔28及び前記バイパス出口孔30と連通することにより、スロットルバルブ14を迂回する一連の通路を形成する。なお、バイパス通路70は、本明細書でいう「補助吸気通路」、「流体通路」に相当する。また、バイパス通路70を流れる吸入空気は、本明細書でいう「補助吸気」あるいは「流体」に相当する。
図17はISCバルブ及び圧力センサの周辺部を示す分解断面図である。図17に示すように、前記デバイスブロック50には、前後方向(図17において上下方向)に貫通する中空円筒状のモータ嵌合部72が形成されている。モータ嵌合部72の前端部内には、口径を小さくする段部73が形成されている。モータ嵌合部72は、後述するISCバルブ51のステップモータ108がその後方(図17において上方)から嵌合可能に形成されている。
前記デバイスブロック50の取付面50aには、前記モータ嵌合部72を取り囲みかつその段部73と連続する円筒状をなす弁体嵌合部74が形成されている。また、弁体嵌合部74の先端部の内周面には、環状に張り出すフランジ部75が形成されている。弁体嵌合部74内には、後述するISCバルブ51の弁体110及びバルブスプリング138がその後方(図17において上方)から嵌合可能となっている。また、弁体嵌合部74は、前記ユニット装着部26のバイパス出口孔30の弁体嵌合部用孔部32a内に嵌合可能に形成されている(図6及び図7参照。)。また、弁体嵌合部74の内周面には、適数個(図17では1個を示す。)の位置決め凸部76が等間隔すなわち180°間隔で形成されている。位置決め凸部76は、弁体嵌合部74の軸方向(図17において上下方向)に延びている。
前記デバイスブロック50の収容凹部58の底面には、中空角筒状の圧力センサ用嵌合孔部77が形成されている。さらに、圧力センサ用嵌合孔部77の底面中央部には、前後方向(図17において上下方向)に貫通する円形の圧力検出孔部78が形成されている。圧力センサ用嵌合孔部77内は、後述する圧力センサ54のセンサ本体部54aがその後方(図17において上方)から嵌合可能となっている。また、圧力検出孔部78内には、圧力センサ54の圧力検出部54bが嵌合可能となっている。
図18は温度センサの周辺部を示す分解断面図である。図18に示すように、前記デバイスブロック50には、前後方向(図18において上下方向)に貫通する温度センサ用挿入孔部80が形成されている。デバイスブロック50の取付面50aには、温度センサ用挿入孔部80の前端開口部を取り囲む中空円筒状の検出筒部81が突出されている。検出筒部81の先端部は、端板部81aによって閉鎖されている。検出筒部81は、後述する温度センサ53のサーミスタ140を温度センサ用挿入孔部80を通じて挿入可能に形成されている。また、検出筒部81は、前記ユニット装着部26の装着面26aにおける吸気温検出用孔42(図5参照。)内に嵌合可能に形成されている(図4参照。)。
図14に示すように、前記デバイスブロック50の取付面50aには、前記弁体嵌合部74の下方近くに位置する左右の連絡凹部83,84、左側の連絡凹部83と前記圧力検出孔部78とを連通する縦長状の条溝部85、右側の連絡凹部84の下側に絞り溝部86を介して連通する縦長状の中継凹部87が形成されている。左側の連絡凹部83は、前記ユニット装着部26の装着面26aにおける連絡溝40(図5参照。)の前端部(図5において右端部)に整合可能に形成されている。また、右側の連絡凹部84は、前記連絡溝40(図5参照。)の後端部(図5において左端部)に整合可能に形成されている。また、中継凹部87は、ユニット装着部26の装着面26aにおける合流孔部39(図5参照。)に整合可能に形成されている。
図14に示すように、前記デバイスブロック50の取付面50aには、ガスケット用嵌合溝90が形成されている。ガスケット用嵌合溝90は、環状をなす第1〜第5の計5つの溝部91〜95が相互に一部を共用する不規則な網目状に形成されている。第1の溝部91は、前記接続筒部66を取り囲む環状に形成されている。また、第2の溝部92は、前記バイパス通路溝68及び前記弁体嵌合部74を取り囲みかつ第1の溝部91の上側部を共用する環状に形成されている。また、第3の溝部93は、前記検出筒部81を取り囲みかつ第2の溝部91の下側部の左端部を共用する環状に形成されている。また、第4の溝部94は、前記圧力検出孔部78及び前記左側の連絡凹部83並びに前記条溝部85を取り囲みかつ第1の溝部91の右側部及び第2の溝部91の下側部の中央部を共用する環状に形成されている。また、第5の溝部95は、前記右側の連絡凹部84及び絞り溝部86並びに中継凹部87を取り囲みかつ第2の溝部91の下側部の右端部及び第4の溝部94の右側部を共用する環状に形成されている。なお、ガスケット用嵌合溝90に嵌合されるガスケット180については後で説明する。
図11に示すように、前記デバイスブロック50の左側部には、コネクタ部97が樹脂モールド成形により一体形成されている。コネクタ部97は、各デバイス部品すなわちISCバルブ51、スロットルポジションセンサ52、温度センサ53、及び、圧力センサ54に係る各コネクタ部を1つに集約したものである。なお、図12はデバイスユニットのスロットルポジションセンサの周辺部を示す断面図、図13はデバイスブロックのコネクタ部の周辺部を示す断面図である。
図13に示すように、前記コネクタ部97には、所定本数(図13では2本を示す。)のターミナル98がインサート成形により配置されている。これらのターミナル98としては、後述するISCバルブ51のステップモータ108のA相用及びB相用(後述する。)の各2本、スロットル開度出力用、吸気温出力用、吸気圧出力用、電源用、グランド(接地)用の計9本のターミナルが相当する。これらのターミナル98のコネクタ側の端末部は、相互に平行をなす状態で左方へ向けて突出されている。また、電源用、グランド用、スロットル開度出力用、吸気圧出力用の計4本の各ターミナル98の反コネクタ側の端末部98(符号、(a)を付す。)は、デバイスブロック50の背面側(図13において上方)に向けて折り曲げられている。その端末部98(a)は、図15に示すように、前記温度センサ用挿入孔部80の上方において左右2列をなすように配列されている。また、後述するステップモータ108にかかるA相用及びB相用の各2本で計4本のターミナル98の端末部(図示しない。)は、デバイスブロック50の収容凹部58の底面上に左右2本ずつ段違い状をなすように配置された上下各2つの端子板99a,99bに接続されている(図11参照。)。これらの端子板99a,99bは、前記モータ嵌合部72と圧力センサ用嵌合孔部77との間において左右方向に並んでいる(図15参照。)。また、吸気温出力用にかかるグランド用、吸気温出力用の計2本の各ターミナル98の端末部(図示しない。)は、図15に示すように、デバイスブロック50の収容凹部58の底面上に配置された上下2個の端子板100a,100bに接続されている。これらの端子板100a,100bは、前記温度センサ用挿入孔部80の上下に隣接している。
前記コネクタ部97は、電子制御ユニット(ECU)からなる制御手段102(図1参照。)に電気的につながる外部コネクタ(図示しない。)が差し込みにより接続可能に形成されている。なお、制御手段102には、各デバイス部品すなわちISCバルブ51、スロットルポジションセンサ52、温度センサ53、及び、圧力センサ54、その他のセンサ、スイッチ等(図示しない。)の各種検出手段からの出力信号が入力される。また、制御手段102は、各種検出手段からの出力信号に基づいて、ISCバルブ51のステップモータ108(後述する。)、その他の図示しない各種装置を制御する。
図15に示すように、前記デバイスブロック50の収容凹部58の底面上には、上下一対をなす円柱状の基準ピン104が突出されている。上側の基準ピン104はモータ嵌合部72の右上方に配置されているとともに、下側の基準ピン104は、収容凹部58の左下側の隅角部に配置されている。また、両基準ピン104は、図16に示すように、基部側を大径部としかつ先端側を小径部とする段付面104aを有する段付ピン状に形成されている。この小径部の先端部は、先細りをなすテーパ状に形成されている。
図15に示すように、前記デバイスブロック50の収容凹部58の底面上には、上下一対をなす円柱状の取付ピン106が突出されている。上側の取付ピン106は収容凹部58の右上側の隅角部に配置されているとともに、下側の取付ピン106はモータ嵌合部72の左下方に隣接して配置されている。また、両取付ピン106は、図16に示すように、基部側を大径部としかつ先端側を小径部とする段付面106aを有する段付ピン状に形成されている。この小径部の先端部は、先細りをなすテーパ状に形成されている。また、取付ピン106の段付面106aと基準ピン104の段付面104aとは、前記ロータ嵌合孔部64の軸線64Lに直交する一平面上に形成されている。また、前記周壁部57の内周側の空きスペースには、両段付面104a,106aと同一平面をなす支持面107が形成されている。両段付面104a,106a及び支持面107のなす同一平面は、デバイスブロック50に配線基板55(後述する。)を組付ける際の基準面DLとなる。
次に、前記デバイスブロック50の収容凹部58内に組込まれるISCバルブ51を説明する。図17に示すように、ISCバルブ51は、ステップモータ(ステッピングモータ、ステッパモータ等とも呼ばれている。)108と、そのステップモータ108により軸方向に進退移動される弁体110とを備えている。本実施例のステップモータ108には、バイポーラ型のステップモータが用いられている。なお、ステップモータ108は、本明細書でいう「アクチュエータ」に相当する。また、図19はISCバルブを示す断面図、図20はISCバルブを弁体の先端側から見た正面図である。
図19に示すように、前記ステップモータ108は、強磁性体からなる有底円筒状のモータハウジング112内に収容されたステータ113と、ステータ113内で回転するモータロータ114とを備えている。ステータ113は、樹脂製のボビン115を備えている。ボビン115は、4個のヨーク116及び4本の端子117(図20参照。)をインサート成形したものである。また、ヨーク116は、2個1組として軸方向に積層状に配置されている。ボビン115には、ヨーク116を被覆する被覆部118のほか、モータハウジング112の開口側にフランジ状に形成された端板部119、端板部119の外周面に平行状に突出する一対の端子支持部120,121(図17参照。)が一体形成されている。各端子支持部120,121には、それぞれ2本ずつの端子117の基端部が埋設されている(図11参照。)。各端子117は、各端子支持部120,121より段違い状に引き出されている。また、図20に示すように、ステップモータ108の計4本の端子117のうち、A相用の2本の端子117に符号、(S1)、(S2)を付し、B相用の2本の端子117に符号、(S3)、(S4)を付す。なお、ステータ113は、本明細書でいう「固定側部材」に相当する。
図19に示すように、前記ボビン115の外周部には、コイル線122が上下2段に巻装されている。コイル線122の端末部は各端子117(図17参照。)にそれぞれ接続されている。また、ボビン115の端板部119上には、前記モータハウジング112の開口端面を閉鎖する金属製のカバープレート123が重合されている。
また、前記モータハウジング112の底板部112aには、例えば金属製のドライベアリング125が一体的に設けられている。ドライベアリング125は、円環状に形成されており、例えば、底板部112aに形成された軸孔112bに圧入することにより、底板部112aに装着されている。なお、モータハウジング112の底板部112aは、本明細書でいう「金属部」に相当する。
また、前記ボビン115の端板部119には、例えば金属製のドライベアリング124が一体的に設けられている。ドライベアリング124は、円環状に形成されており、例えば、端板部119にインサート成形したり、端板部119に嵌合して接着したり、端板部119に圧入したりして、端板部119に装着されている。なお、ボビン115の端板部119は、本明細書でいう「樹脂部」に相当する。
また、両ドライベアリング124,125は、ステータ113に対して同一軸線上に配置されている。なお、ドライベアリング124,125は、本明細書でいう「滑り軸受」に相当する。また、説明の都合上、弁体110側(図19において下側)のドライベアリング124を「前側のドライベアリング124」といい、反弁体側(図19において上側)のドライベアリング124を「後側のドライベアリング124」という。
前記モータロータ114は、金属製の丸棒状のロータシャフト127と、ロータシャフト127の外周部に設けられた円筒状のマグネット130とを備えている。ロータシャフト127は、前記一対のドライベアリング124,125に挿通した状態で回転可能に支持されている。マグネット130は、ロータシャフト127における両ドライベアリング124,125の相互間における軸部分を取り巻くように設けられている。また、マグネット130は、前記ヨーク116の内周面に対して所定の隙間を隔ててて対応し、かつ、ヨーク116の各磁極歯に対応する数のN極、S極が交互に着磁されている。また、前記モータハウジング112外へ突出するロータシャフト127の先端部には、ねじ軸部129が形成されている。なお、ロータシャフト127は、本明細書でいう「作動部材」に相当する。また、両ドライベアリング124,125により軸支されたロータシャフト127は軸移動をきたすことから、そのロータシャフト127の軸移動を規制するために設けられている軸移動規制手段250,252については後で詳しく説明することにする。
前記弁体110は、例えば樹脂製で、中空円筒状をなす筒状部132と、その筒状部132の先端部(図19において下端部)に形成された先細りをなすテーパ面133aを有する円柱状の弁先部133と、前記筒状部132の基端部(図19において上端部)の外周部に環状に突出されたフランジ部134とを有している。また、図20に示すように、フランジ部134の外周面には、適数個(図20では4個を示す。)の位置決め溝134aが等間隔すなわち90°間隔で形成されている。
図19に示すように、前記弁体110の筒状部132内の有底孔状の凹孔254は、開口側半部(図19において上半部)を大径孔部254aとしかつ底部側半部(図19において下半部)を小径孔部254bとする段付孔状に形成されている。その大径孔部254a内には、ねじ孔を有するナット部材136が圧入(例えば、熱圧入)により一体化されている。ナット部材136(詳しくは、ねじ孔)内には、前記ロータシャフト127のねじ軸部129が螺合されている。また、筒状部132の小径孔部254bは、ロータシャフト127のねじ軸部129を遊嵌可能に形成されている。したがって、前記モータロータ114の回転(正転及び逆転)により、ねじ軸部129とナット部材136との螺合を介して、弁体110が軸方向に進退移動可能(図19において上下動可能)となっている。なお、ロータシャフト127のねじ軸部129とナット部材136とは、「ねじ機構」を構成している。
図21はISCバルブ及び温度センサを搭載したデバイスブロックのデバイスカバー取付側を示す側面図、図22はデバイスブロックに対するISCバルブの搭載状態を示す断面図である。図22に示すように、前記ISCバルブ51は、前記デバイスブロック50の収容凹部58内に搭載されている。詳しくは、前記弁体110が前記弁体嵌合部74内に嵌合されるととともに、前記ステップモータ108が前記モータ嵌合部72内に嵌合されている。このとき、弁体110のフランジ部134と弁体嵌合部74のフランジ部75との間には、コニカルスプリングからなるバルブスプリング138が介装されている。バルブスプリング138は、小径側の端部を弁体110のフランジ部134に当接させるとともに、大径側の端部を弁体嵌合部74のフランジ部75に当接させている。バルブスプリング138の小径側の端部は、弁体110のフランジ部134に環状に形成された環状凹部134b内に嵌合されている。バルブスプリング138は、弁体110とともに前記モータロータ114を後退方向(図22において上方)へ弾性的に付勢している。これにより、ロータシャフト127がカバープレート123に当接する状態に弾性的に保持されている。
また、前記弁体110のフランジ部134の位置決め溝134a(図17参照。)は、前記デバイスブロック50の弁体嵌合部74内の位置決め凸部76(図17参照。)にスライド可能に嵌合される。これにより、弁体110が軸回り方向に回り止めされる。このとき、位置決め溝134aが位置決め凸部76の倍数(本実施例では2倍)をもって形成されているので、弁体110をデバイスブロック50の弁体嵌合部74内に容易に嵌合することができる。また、弁体110の弁先部133は、デバイスブロック50の弁体嵌合部74のフランジ部75内に挿通されており、そのフランジ部75より先方(図22において下方)へ突出されている。
図22に示すように、前記モータ嵌合部72内に前記ステップモータ108が嵌合されることにより、そのステップモータ108の各端子117が、前記デバイスブロック50の収容凹部58の底面上に配置されている各端子板99a,99b上にそれぞれ載置される(図21参照。)。この状態で、各端子117が各端子板99a,99b上に抵抗溶接等により接続される。なお、ステップモータ108は、デバイスブロック50に設けられるデバイスカバー60によって抜け止めされる(図19参照。)。
次に、前記デバイスブロック50の収容凹部58内に組込まれる温度センサ53を説明する。図18に示すように、温度センサ53は、サーミスタ140を主体として構成されている。なお、図23は温度センサの搭載状態を示す断面図である。
図23に示すように、サーミスタ140は、デバイスブロック50の温度センサ用挿入孔部80を通じて検出筒部81内に挿入されている。これにともない、サーミスタ140の2本のターミナル141の端末部が、前記デバイスブロック50の収容凹部58の底面上に配置されている各端子板100a,100b上に載置される(図21参照。)。この状態で、各ターミナル141の端末部が各端子板100a,100b上に抵抗溶接等により接続されている。
次に、前記デバイスブロック50の収容凹部58内に組込まれるスロットルポジションセンサ52を説明する。図16に示すように、スロットルポジションセンサ52は、前記デバイスブロック50と配線基板55(後述する。)との間に組込まれるセンサロータ143を備えている。センサロータ143は、例えば、樹脂製で、配線基板55に面するほぼ円板状のロータ主部143aと、そのロータ主部143aのデバイスブロック50側(図16において下側)に突出するほぼ円筒状の連結筒部143bと、ロータ主部143aの配線基板55側(図16において上側)に突出する支軸部143cとを同一軸線上に備えている。連結筒部143bは、前記ロータ嵌合孔部64のフランジ部65内に遊嵌されている(図12及び図13参照。)。連結筒部143b内には板ばね144が組み込まれている。なお、板ばね144は、スロットルシャフト9のセンサロータ連結部24にセンサロータ143を連結した際に、センサロータ連結部24にセンサロータ143を径方向に弾性的に保持する。また、支軸部143cは、配線基板55に形成された支軸部挿通孔158内に遊嵌される。さらに、支軸部143cは、後述するデバイスカバー60に形成された軸受凹部170内に回転可能に軸支される。
図12に示すように、前記ロータ嵌合孔部64のフランジ部65と前記センサロータ143のロータ主部143aとの間の環状をなす対向面間には、ウェーブワッシャ(ウェーブスプリング、波形ばね座金とも呼ばれている。)145が介装されている。ウェーブワッシャ145は、常に、センサロータ143をデバイスカバー60側へ付勢する。なお、ウェーブワッシャ145は、本明細書でいう「弾性部材」に相当する。
前記ロータ主部143aのデバイスカバー60側の面(図12において上面)には、配線基板55の抵抗体部150,151(後述する。)上を摺動可能な摺動子であるブラシ147が設けられている。スロットルポジションセンサ52は、センサロータ143の回転にともない、ブラシ147が配線基板55の抵抗体部150,151上を摺動することにより電気信号に変換してその信号を出力する接触式のスロットルポジションセンサ52となっている。
次に、前記デバイスブロック50の収容凹部58内に組込まれる配線基板55を説明する。なお、図24は配線基板を搭載したデバイスブロックのデバイスカバー取付側を示す側面図、図25は配線基板を示す表面図、図26は同じく裏面図である。
図24に示すように、配線基板55は、前記デバイスブロック50の収容凹部58内に嵌合可能な外形をもって形成されている(図24参照。)。図25に示すように、配線基板55の表面には、所定の配線パターン148が印刷されている。また、図26に示すように、配線基板55の裏面には、所定の配線パターン149が印刷されている。配線基板55の裏面には、前記センサロータ143のブラシ147に対応する扇形をなす内外の両抵抗体部150,151が形成されているとともに、圧力センサ54(後述する。)が実装されている。
図25及び図26に示すように、前記配線基板55には、上下一対の基準孔153が形成されている。両取付孔155は、前記デバイスブロック50の両基準ピン104に対応しており、その取付ピン106の先端側の小径部に嵌合可能に形成されている(図15及び図16参照。)。また、基準孔153は、配線基板55に配線パターン148,149を印刷する際の基準孔としても使用される。
図25及び図26に示すように、前記配線基板55には、上下一対の取付孔155が形成されている。両取付孔155は、前記デバイスブロック50の両取付ピン106に対応しており、その取付ピン106の先端側の小径部に嵌合可能に形成されている(図15及び図16参照。)。
図25に示すように、前記配線基板55には、左右2列で計4個のターミナル挿通孔157が形成されている。これらのターミナル挿通孔157は、前記デバイスブロック50の収容凹部58の底面上に突出された計4本の各ターミナル98の反コネクタ側の端末部98(a)に対応しており、その端末部98(a)に嵌合可能に形成されている(図15参照。)。
また、図25に示すように、前記配線基板55の中央部には、支軸部挿通孔158が形成されている。支軸部挿通孔158は、前記センサロータ143の支軸部143cに対応しており、その支軸部143cに遊嵌可能に形成されている(図16参照。)。
図26に示すように、前記配線基板55の裏面上には、圧力センサ54が実装されている。圧力センサ54は、その主体をなすセンサ本体部54aと、そのセンサ本体部54a上(図26において紙面表方)に突出する円柱状の圧力検出部54bとを有している。センサ本体部54aは、前記デバイスブロック50の圧力センサ用嵌合孔部77に対応しており、その嵌合孔部77に嵌合可能に形成されている。また、圧力検出部54bは、デバイスブロック50の圧力検出孔部78に対応しており、その圧力検出孔部78に嵌合可能に形成されている(図17参照。)。
また、図25に示すように、配線基板55には、前記抵抗体部150,151と計4個のターミナル挿通孔157との間を横切る長細状の隔離孔160が形成されている。
前記配線基板55は、前記デバイスブロック50の収容凹部58内に次に述べるようにして搭載されている。すなわち、配線基板55は、その裏面がデバイスブロック50の収容凹部58内の底面に面するようにして、その収容凹部58内に嵌合されている(図24参照。)。このとき、両基準孔153内にデバイスブロック50の両基準ピン104の先端側の小径部が相対的に嵌合されることにより、配線基板55が板面に平行する方向すなわちラジアル方向及び回転方向に位置決めされる(図12参照。)。また、両基準ピン104の小径部の先端部の先細りのテーパ状部分が両基準孔153をガイドすることにより、配線基板55が所定位置に速やかに位置決めすることができる。また、両基準孔153の口縁部が両基準ピン104の段付面104a(図16参照。)上に当接されることにより、配線基板55が収容凹部58の基準面DL上に支持される(図12参照。)。
前記配線基板55の外周部が前記収容凹部58の支持面107(図16参照。)上に当接されることによっても、配線基板55が収容凹部58の基準面DL上に支持される(図12参照。)。また、両取付孔155内にデバイスブロック50の両取付ピン106の先端側の小径部が相対的に嵌合され、かつ両取付孔155の口縁部が両取付ピン106の段付面106a(図16参照。)上に当接されることによっても、配線基板55が収容凹部58の基準面DL上に支持される(図12参照。)。このとき、両取付ピン106の小径部の先端部の先細りのテーパ状部分が両取付孔155をガイドすることによっても、配線基板55が所定位置に速やかに位置決めすることができる。
前記配線基板55の各ターミナル挿通孔157(図25参照。)内に、前記デバイスブロック50の収容凹部58の底面上に突出された計4本の各ターミナル98の端末部98(a)(図24参照。)が挿入される(図24参照。)。そして、配線基板55の各ターミナル挿通孔157の周りの配線パターン148,149(図25及び図26参照。)の導電部(符号省略)と各ターミナル98の端末部98(a)とがはんだ付けによって接続される。なお、はんだ付けによる結線部に符号、164を付す(図13及び図24参照。)。
また、配線基板55の支軸部挿通孔158内には、前記センサロータ143の支軸部143cが遊嵌される(図12及び図13参照。)。
図27はデバイスブロックに対する圧力センサの搭載状態を示す断面図である。図27に示すように、デバイスブロック50の収容凹部58内に対する配線基板55の搭載にともない、圧力センサ54のセンサ本体部54aが、デバイスブロック50の圧力センサ用嵌合孔部77内に嵌合されるとともに、その圧力検出部54bがデバイスブロック50の圧力検出孔部78内に嵌合される。なお、圧力センサ54のセンサ本体部54aと圧力センサ用嵌合孔部77との間には、両者間をシールするためのシール材(図示しない。)が適宜介在される。
また、図12に示すように、前記配線基板55の表面上に突出する取付ピン106の先端部を熱かしめにより押し潰することにより膨大部162を形成する。これにより、デバイスブロック50に配線基板55が抜け止めされる。
次に、前記デバイスブロック50にモジュール化されたデバイス部品を覆うデバイスカバー60について説明する。図11に示すように、デバイスカバー60は、樹脂製で、デバイスブロック50の収容凹部58の周壁部57に対応する外径形状をもつ平板状に形成されている。なお、図28はデバイスカバーを示す裏面図である。
図28に示すように、前記デバイスカバー60の裏面には、上下一対の基準凹部168が形成されている。両基準凹部168は、前記デバイスブロック50の両基準ピン104に対応しており、その取付ピン106の先端側の小径部に嵌合可能に形成されている(図16参照。)。また、デバイスカバー60の裏面の中央部には、軸受凹部170が形成されている(図28参照。)。軸受凹部170は、前記センサロータ143の支軸部143cに対応しており、その支軸部143cを軸支可能に形成されている(図16参照。)。
前記デバイスカバー60の裏面には、上下一対のかしめ部用逃がし凹部172が形成されている(図28参照。)。両逃がし凹部172は、前記デバイスブロック50の両取付ピン106に対応しており、その取付ピン106の膨大部162(図12参照。)を収容可能に形成されている(図16参照。)。また、デバイスカバー60の裏面には、ターミナル用逃がし凹部173が形成されている(図28参照。)。逃がし凹部173は、前記配線基板55と前記各ターミナル98の端末部98(a)とのはんだ付けによる結線部164に対応しており、その接続部分を収容可能に形成されている(図13参照。)。また、デバイスカバー60の裏面には、モータ用逃がし凹部174が形成されている(図13参照。)。逃がし凹部174は、前記ステップモータ108のモータハウジング112に対応しており、そのモータハウジング112の後部を収容可能に形成されている(図6及び図7参照。)。
図12及び図13に示すように、前記デバイスカバー60は、前記デバイスブロック50にその収容凹部58の開口端面を閉鎖するように被せられる。このとき、デバイスカバー60の両基準凹部168内にデバイスブロック50の両基準ピン104の先端側の小径部が相対的に嵌合されることにより、デバイスカバー60が板面に平行する方向すなわちラジアル方向及び回転方向に位置決めされる。また、デバイスカバー60の軸受凹部170内に前記センサロータ143の支軸部143cが相対的に嵌合されることにより、デバイスカバー60にセンサロータ143が回転可能に軸支される。
また、デバイスカバー60の両かしめ部用逃がし凹部172内にデバイスブロック50の前記両取付ピン106の膨大部162が収容される(図12参照。)。また、デバイスカバー60のターミナル用逃がし凹部173内に、前記配線基板55と各ターミナル98の端末部98(a)とのはんだ付けによる結線部164が収容される(図13参照。)。また、デバイスカバー60のモータ用逃がし凹部174内に前記ステップモータ108のモータハウジング112の後部が収容される(図6及び図7参照。)。そして、デバイスブロック50の周壁部57にデバイスカバー60の外周部が樹脂溶着により接合されている(図12及び図13参照。)。
図29はガスケットを装着したデバイスブロックのスロットルボデー取付側を示す側面図である。図29に示すように、前記デバイスブロック50のガスケット用嵌合溝90(図14参照。)にはガスケット180が嵌合される。なお、図30はガスケットを示す表面図である。
図30に示すように、ガスケット180は、デバイスブロック50のガスケット用嵌合溝90(図14参照。)に対応する形状をもって形成されている。ガスケット180は、環状をなす第1〜第5の計5つのシール部181〜185が相互に一部を共用する不規則な網目状に形成されている。図29に示すように、第1のシール部181は、ガスケット用嵌合溝90の前記第1の溝部91に嵌合可能に形成されている。また、第2のシール部182は、ガスケット用嵌合溝90の前記第2の溝部92に嵌合可能に形成されている。また、第3のシール部183は、ガスケット用嵌合溝90の前記第3の溝部93に嵌合可能に形成されている。また、第4のシール部184は、ガスケット用嵌合溝90の前記第4の溝部94に嵌合可能に形成されている。また、第5のシール部185は、ガスケット用嵌合溝90の前記第5の溝部95に嵌合可能に形成されている。なお、ガスケット180は、前記スロットルボデー2に対する前記デバイスブロック50の取付けに際して、そのデバイスブロック50のガスケット用嵌合溝90に嵌合される。
次に、前記デバイスユニット3を前記スロットルボデー2に取付ける手順について説明する。すなわち、図2に示すように、デバイスユニット3をスロットルボデー2のユニット装着部26に対応させる(図2中、二点鎖線3参照。)。この状態から、デバイスブロック50のデバイスブロック50の取付面50aを、スロットルボデー2のユニット装着部26の装着面26aに面接触させる。そして、ユニット装着部26の各締結ボス部44のねじ孔44a(図5参照。)と、デバイスブロック50の各取付ボス部62のボルト挿通孔62a(図29参照。)とが整合する状態で、締結用ボルト45を各ボルト挿通孔62aを通して各ねじ孔44aに締め付けることにより、スロットルボデー2にデバイスブロック50がスロットルバルブ14の回動軸線(9L(図3参照。))方向に着脱可能に取付けられる(図1〜図3参照。)。
図8はスロットルボデーのスロットルシャフトとスロットルポジションセンサとの関係を示す断面図である。図8に示すように、デバイスブロック50をユニット装着部26に面接触させるに際し、デバイスブロック50の接続筒部66が、ユニット装着部26の軸受ボス部10の開口凹部22内に嵌合される。これとともに、センサロータ143の連結筒部143b内に、スロットルシャフト9のセンサロータ連結部24が板ばね144を介して連結される。これにより、センサロータ143がスロットルシャフト9と一体的に回転可能に連結される。板ばね144は、センサロータ連結部24に対してセンサロータ143を径方向に弾性的に保持する。したがって、スロットルポジションセンサ52が、センサロータ143の回転をもってスロットルバルブ14の開度を検出することができる。
図6に示すように、前記デバイスブロック50を前記ユニット装着部26に面接触させた際には、デバイスブロック50のバイパス通路溝68が、ユニット装着部26のバイパス通路溝37に整合する。これにより、閉断面をなしかつバイパス入口孔28とバイパス出口孔30とを連通することにより、スロットルバルブ14を迂回するバイパス通路70が形成される。これにより、ボア7内を流れる吸入空気は、バイパス入口孔28からバイパス通路70を通じてバイパス出口孔30からボア7に流出する。また、バイパス出口孔30において、吸入空気(補助吸気)は、横孔部32の大径側の孔部32a、小径側の孔部32bを経て、縦孔部31からボア7の下流側の中心部に向けて流出される(図4及び図7参照。)。
また、デバイスブロック50の弁体嵌合部74が、ユニット装着部26のバイパス出口孔30における横孔部32の弁体嵌合部用孔部32a内に嵌合される(図6及び図7参照。)。これにともない、ISCバルブ51の弁体110が、横孔部32の小径側の孔部32bの弁シート部33に対して同一軸線上に整合し、弁体110の弁先部133が弁シート部33に対向する。これにより、スロットルシャフト9の軸線9Lと平行をなす方向に進退移動可能に配置される(図7参照。)。また、ISCバルブ51のステップモータ108は、エンジンのアイドル時において、制御手段102(図1参照。)により駆動制御される。なお、図9はスロットルボデーの弁シート部に対するISCバルブの開弁状態を示す断面図、図10は同じくISCバルブの閉弁状態を示す断面図である。
前記ISCバルブ51の作動を説明する。いま、図10に示すように、ISCバルブ51の弁体110により弁シート部33が閉鎖された状態すなわち閉弁状態にあるものとする。この閉弁状態おいて、制御手段102(図1参照。)からステップモータ108に開弁信号が出力されると、モータロータ114(図19参照。)が開弁方向に回転(例えば、正転)される。このため、モータロータ114のロータシャフト127の回転により、そのロータシャフト127のねじ軸部129とナット部材136との螺合を介して、弁体110が後退(図10において上動)されることにより、弁シート部33が開かれる(図9参照。)。また、ISCバルブ51の開弁状態(図9参照。)において、制御手段102(図1参照。)からステップモータ108に閉弁信号が出力されると、モータロータ114(図19参照。)が閉弁方向に回転(例えば、逆転)される。このため、モータロータ114のロータシャフト127の回転により、そのロータシャフト127のねじ軸部129とナット部材136との螺合を介して、弁体110が進出(図9において下動)されることにより、弁シート部33が閉じられる(図10参照。)。上記したように、ステップモータ108の駆動制御に基づいて、弁体110が進退移動されることにより、バイパス通路70を流れる吸入空気量が調整すなわち制御される。なお、ISCバルブ51は、本明細書でいう「流量制御弁」に相当する。また、弁シート部33を備えるスロットルボデー2とISCバルブ51とにより、補助吸気量制御装置51Aが構成されている。
また、デバイスブロック50の検出筒部81(図23参照。)が、ユニット装着部26の吸気温検出用孔42内に挿入され、かつその検出筒部81の先端部がボア7内に突出される(図4参照。)。したがって、検出筒部81の先端部が、ボア7内を流れる吸入空気に晒される。これにより、デバイスブロック50の検出筒部81内に配置された温度センサ53のサーミスタ140(図23参照。)の温度検出能をもって、ボア7内を流れる吸入空気の温度いわゆる吸気温を検出することができる。また、サーミスタ140は、デバイスブロック50の検出筒部81の先端部の温度(吸気温)を検出することにより、電気信号に変換してその信号を制御手段102(図1参照。)に出力する。
図31は圧力通路を示す説明図、図32は図31のXXXII−XXXII線矢視断面図、図33は図31のXXXIII−XXXIII線矢視断面図、図34は図31のXXXIV−XXXIV線矢視断面図である。図32〜34に示すように、前記デバイスブロック50をユニット装着部26に面接触させることにより、前記スロットルボデー2のボア7(図4参照。)と、デバイスブロック50の圧力検出孔部78(図29参照。)とを連通する一連の閉断面をなす圧力通路187が形成される。
すなわち、デバイスブロック50の中継凹部87がユニット装着部26の合流孔部39に整合される(図32参照。)。また、デバイスブロック50の絞り溝部86の開放端面がユニット装着部26の装着面26aにより閉鎖される(図32参照。)。また、デバイスブロック50の右側の連絡凹部84がユニット装着部26の連絡溝40の一端部(後端部)に整合される(図32及び図33参照。)。また、ユニット装着部26の連絡溝40の中央部の開放端面がデバイスブロック50の取付面50aにより閉鎖される(図33参照。)。また、デバイスブロック50の左側の連絡凹部83がユニット装着部26の連絡溝40の他端部(前端部)に整合される(図33及び図34参照。)。また、ユニット装着部26の条溝部85及び圧力検出孔部78の開放端面がデバイスブロック50の取付面50aにより閉鎖される(図34参照。)。これにより、両圧力取入口38、合流孔部39、中継凹部87、絞り溝部86、右側の連絡凹部84、連絡溝40、左側の連絡凹部83、条溝部85、圧力検出孔部78による一連の閉断面をなすラビリンス構造の圧力通路187が形成される(図31参照。)。このため、ボア7内の吸気圧(負圧)が圧力通路187を通じて圧力センサ54の圧力検出部54bに作用することにより、ボア7内の吸気圧を圧力センサ54によって検出することができる。また、圧力センサ54は、圧力検出孔部78を通じて圧力検出部54bに作用する圧力すなわちスロットルバルブ14の下流側におけるボア7内の吸気圧(負圧)を検出することによりその検出信号を制御手段102(図1参照。)に出力する。
また、デバイスブロック50をスロットルボデー2に面接触させるに際し、デバイスブロック50のガスケット用嵌合溝90に装着されたガスケット180(図29参照。)は、デバイスブロック50の取付面50aとユニット装着部26の装着面26aとの間における機械的な連結部分及び連通部分を弾性的にシールする(図3参照。)。しかして、図31に示すように、ガスケット180の第4のシール部184と第5のシール部185との共用部(符号、180aを付す。)は、第2のシール部182と第4のシール部184との共用部(符号、180bを付す。)、及び、第2のシール部182と第5のシール部185との共用部(符号、180cを付す。)に対してT字状に連続している。このため、共用部180aが共用部180b及び共用部180cと連続されない場合と比べて、デバイスブロック50に対するガスケット180の据わりを良くすることができる。その共用部180aは、図33に示すように、ユニット装着部26の装着面26aの連絡溝40の開口端面上を横切るものの、その連絡溝40を二分するものでない。
しかして、前記デバイスブロック50には、前記デバイスカバー60が全周に亘ってレーザー溶着により接合されている。なお、前記デバイスブロック50は、レーザ光の吸収率の高い吸収性樹脂材で形成されている。デバイスブロック50の樹脂材には、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)に、ガラス繊維を約30重量%混合しかつカーボンブラック、染料や顔料等の所定の着色材を混入したものを使用することができる。また、前記デバイスカバー60は、レーザ光の透過率の高い透過性樹脂材で形成されている。デバイスカバー60の樹脂材には、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)に、ガラス繊維を約30重量%混合したものを使用することができる。
次に、前記ISCバルブ51(図19参照。)において、両ドライベアリング124,125により軸支されたロータシャフト127の軸移動を規制するための軸移動規制手段250,252について詳しく説明する。なお、図35はISCバルブの開状態を示す断面図、図36は同じく閉状態を示す断面図、図37はアクチュエータの開作動側の軸移動規制部を示す断面図、図38は閉作動側の軸移動規制部を示す断面図である。
図35に示すように、一方(図35において下側)の軸移動規制手段250は、ステップモータ108の開作動時におけるロータシャフト127の軸方向前方(図35において下方)への軸移動を規制するものであるので、開作動側軸移動規制手段250という。また、他方(図35において上側)の軸移動規制手段252は、ステップモータ108の開作動時におけるロータシャフト127の軸方向後方(図35において上方)への軸移動を規制するものであるので、開作動側軸移動規制手段252という。
まず、開作動側の軸移動規制手段250を説明する。図35に示すように、開作動側の軸移動規制手段250は、ステップモータ108の開作動時において、弁体110の最大全開位置を規定するとともに、ステップモータ108のステータ113に対するロータシャフト127の弁体110側(図35において下側)への進出移動を規制するものである。その軸移動規制手段250は、ロータシャフト127の軸方向の一端部すなわち前端部(図35において下端部)と、弁体110に設けられかつロータシャフト127の前端部を受入れる凹孔254内の底面部(符号、254cを付す。)とにより構成されている(図37参照。)。
図37に示すように、前記ロータシャフト127の前端面(図37において下端面)には、凸型球面状のバルブストッパ部256が突出されている。バルブストッパ部256は、前記弁体110の凹孔254内の底面部254cに点接触状に当接可能となっている。詳しくは、ステップモータ108の開作動により弁体110が閉状態(図36参照。)から開いていくと、最終的に、図35に示すように、弁体110がモータハウジング112の底板部112aに当接する以前において、モータロータ114のロータシャフト127のバルブストッパ部256が弁体110の凹孔254内の底面部254cに点接触状に当接する(図37参照。)ように構成している。これにより、ステップモータ108のステータ113に対するロータシャフト127の進出移動(図35において下方への移動)が規制される。また、弁体110のそれ以上の開動作が規制されることにより、弁体110の最大全開位置が規定される(図35参照。)。なお、弁体110は、ステップモータ108の開作動時におけるロータシャフト127の軸移動方向の端部に当接する部材に相当する。
次に、閉動側の軸移動規制手段252を説明する。図36に示すように、閉作動側の軸移動規制手段252は、ステップモータ108の閉作動時において、ステップモータ108のステータ113に対するロータシャフト127の反弁体側への後退移動(図36において上方への移動)を規制するものである。その軸移動規制手段252は、ロータシャフト127の軸方向の他端部すなわち後端部(図36において上端部)と、前記ステータ113に設けられかつロータシャフト127の後端部に対向するカバープレート123とにより構成されている(図38参照。)。
図38に示すように、前記ロータシャフト127の後端面(図38において上端面)は、凸型球面状のバルブストッパ部257として形成されている。バルブストッパ部257は、前記カバープレート123に点接触状に当接可能となっている。しかして、前に述べたように、モータロータ114は、前記バルブスプリング138の弾性力により弁体110とともに後退方向(図36において上方)へ付勢されている。このため、ロータシャフト127のバルブストッパ部257は、バルブスプリング138の弾性力をもって、常にカバープレート123に点接触状に当接する状態に保持されている。また、ステップモータ108の閉作動により弁体110が開状態(図35参照。)から閉じていくと、最終的に、弁体110がスロットルボデー2のユニット装着部26の弁シート部33に当接することで、バイパス通路70が閉鎖されるとともに、弁体110のそれ以上の閉動作が規制されることにより、弁体110の最大全閉位置が規定される(図36参照。)。このとき、ロータシャフト127が後退方向(図36において上方)への反力を受けるが、バルブストッパ部257がカバープレート123に点接触状に当接しているため、ステップモータ108のステータ113に対するロータシャフト127の反弁体側への後退移動(図36において上方への移動)が規制される。なお、カバープレート123は、ステップモータ108の閉作動時におけるロータシャフト127の軸移動方向の端部に当接する部材に相当する。
上記したISCバルブ51(図35参照。)によると、ステップモータ108のロータシャフト127により弁体110が作動されることでバイパス通路70が開閉される。そして、ステップモータ108の開作動時におけるロータシャフト127の前方(図35において下方)への軸移動が、そのロータシャフト127の前端部のバルブストッパ部256と弁体110との当接によって規制される(図37参照。)。このため、ステップモータ108の開作動時におけるロータシャフト127の軸移動に起因するステップモータ108の作動不良を防止あるいは低減することができる。
また、ステップモータ108の開作動時におけるロータシャフト127のバルブストッパ部256と弁体110との当接により、ISCバルブ51の全開位置でステップモータ108のイニシャライズを行なうことができる。このことは、例えば、エンジンの始動にバッテリを使わない二輪車(バッテリレス車と呼ばれる。)におけるISCバルブ51の制御に対応することができる。すなわち、バッテリレス車では、通常、エンジンを停止したときにバッテリでISCバルブ51の全閉位置でステップモータ108のイニシャライズを行なわなければならないのに対し、本実施例のISCバルブ51によると、エンジンを始動しながらISCバルブ51の全開位置でステップモータ108のイニシャライズを行なうことができるため、バッテリレス車におけるISCバルブ51の制御に対応することができる。
また、ステップモータ108の閉作動時におけるロータシャフト127の後方(図36において上方)への軸移動が、そのロータシャフト127の後端部のバルブストッパ部257とカバープレート123との当接によって規制される(図38参照。)。このため、ステップモータ108の閉作動時におけるロータシャフト127の軸移動に起因するステップモータ108の作動不良を防止あるいは低減することができる。
また、ステップモータ108の閉作動時におけるロータシャフト127のバルブストッパ部257とカバープレート123との当接により、ISCバルブ51の全開位置でステップモータ108のイニシャライズを行なうことができる。
また、ステップモータ108のイニシャライズを、ISCバルブ51の全開位置と全閉位置との両方の位置で行なうことができる。このため、一機種のステップモータ108で、いずれの位置でのイニシャライズに対応することができる。
また、ステップモータ108の開作動時におけるロータシャフト127の前方(図35において下方)への軸移動を、そのロータシャフト127の前端部のバルブストッパ部256と弁体110との点接触状の当接によって規制することができる(図37参照。)。このため、ロータシャフト127と弁体110との間の摺動抵抗を低減することができる。ちなみに、ロータシャフト127の前端部のバルブストッパ部256と、弁体110の凹孔254内の底面部254cとによるロック状態を解除するために必要なロック解除トルクT1は、全開側へロータシャフト127を軸移動させるトルクをF、両者間の摩擦係数をμ1、両者間の当接しあう半径をr1とすると、半径r1はバルブストッパ部256と弁体110の凹孔254内の底面部254cとの点接触状の当接であるため、r1≒0(ゼロ)となるため、
T1=Fμ1×r1=0
となる。したがって、ロック解除トルクT1が小さくて済むため、全開位置からスムーズに閉作動することができる。なお、弁体110の凹孔254内の底面部254cに凸型球面状のバルブストッパ部を設け、そのバルブストッパ部にロータシャフト127の前端面を点接触状に当接させてもよい。
また、ステップモータ108の閉作動時におけるロータシャフト127の後方(図36において上方)への軸移動を、そのロータシャフト127の後端部のバルブストッパ部257とカバープレート123との点接触状の当接によって規制することができる(図38参照。)。このため、ロータシャフト127とカバープレート123との間の摺動抵抗を低減することができる。このときのロック解除トルクも、前記開作動時のロック解除トルクT1と同様に小さくて済むため、全閉位置からスムーズに開作動することができる。なお、カバープレート123に凸型球面状のバルブストッパ部を設け、そのバルブストッパ部にロータシャフト127の後端面を点接触状に当接させてもよい。
また、ステップモータ108のステータ113に対して、ロータシャフト127が一対のドライベアリング124,125により回転可能に支持されている(図35参照。)。したがって、ロータシャフト127を支持する軸受として、転がり軸受に比べて安価なドライベアリング124,125を用いることにより、ISCバルブ51の低コスト化を図ることができる。
また、滑り軸受がドライベアリング124,125であるので、給油の必要がない。
また、ステップモータ108の金属部すなわちモータハウジング112の底板部112aにドライベアリング125を精度良く配置することができる。
また、ステップモータ108の樹脂部すなわちボビン115の端板部119にドライベアリング124を容易に配置することができる。
また、前記したエンジンの補助吸気量制御装置51A(図35参照。)によると、ステップモータ108の開作動時及び閉作動時におけるロータシャフト127の軸移動に起因するステップモータ108の作動不良を防止あるいは低減することのできるISCバルブ51により、バイパス通路70を流れる補助吸気量を制御することができる。
また、前記したエンジンの吸気装置1(図7参照。)によると、補助吸気量制御装置51Aをデバイスブロック50にモジュール化してなるデバイスユニット3を、スロットルボデー2に着脱可能又は着脱不能に設けることができる。
また、スロットルボデー2とデバイスユニット3との協働によりバイパス通路70を容易に形成することができる(図6参照。)。
また、スロットルボデー2に対してデバイスブロック50が締結用ボルト45(図1及び図2参照。)により着脱可能に締結されているので、必要に応じて締結用ボルト45を取り外すことにより、スロットルボデー2からデバイスブロック50を分離させることができる。このため、スロットルボデー2及びデバイスブロック50のメンテナンスを容易に行うことができる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明のデバイスユニット3及びエンジンの吸気装置1は、二輪車に採用されているエンジン以外のエンジンにも適用することが可能である。また、デバイスユニット3は、スロットルボデー2以外の空気通路形成部材に設置することができる。また、スロットルボデー2にデバイスブロック50を着脱可能に設けたが、スロットルボデー2にデバイスブロック50を着脱不能に設けることもできる。また、デバイスユニット3は、デバイスブロック50に少なくとも1つのデバイス部品がモジュール化されたものであればよい。また、デバイスブロック50に対するデバイスカバー60の樹脂溶着は、レーザー溶着に限らず、熱板を使用した溶着いわゆる熱板溶着、振動による溶着いわゆる振動溶着、抵抗線を使用する溶着いわゆる抵抗線溶着に代えることができる。また、デバイスブロック50に対するデバイスカバー60の樹脂溶着に代えて、接着剤による接着、ねじ止め、クリップ止め、スナップフィット結合等に代えることができる。また、接触式のスロットルポジションセンサ52に代え、非接触式のスロットルポジションセンサを採用することもできる。また、ISCバルブ51のアクチュエータとしては、前記実施例のステップモータ108に代えて、DCモータ、ブラシレスモータ、電磁ソレノイド等を採用することができる。また、デバイスブロック50とセンサロータ143との間に設けたウェーブワッシャ145は、皿ばね、コイルスプリング、ゴム状弾性材等に代えることができる。また、圧力取入口38は、2個に限らず、1個あるいは3個以上とすることができる。
また、開作動時の軸移動規制手段250と閉作動時の軸移動規制手段252のいずれか一方の軸移動規制手段は省略することが可能である。また、前記実施例では、一対の軸受にドライベアリング124,125を用いたが、その少なくとも一方の軸受には、流体潤滑タイプの滑り軸受、境界潤滑タイプの滑り軸受、涸渇潤滑タイプの滑り軸受を用いたり、あるいは、ボールベアリング、ニードルベアリング等の転がり軸受を用いたりすることができる。また、ドライベアリング124は、ステップモータ108の樹脂部(ボビン115の端板部119)に代えて、金属部に設けることができる。また、ドライベアリング125は、ステップモータ108の金属部(モータハウジング112の底板部112a)に代えて、樹脂部に設けることができる。また、前記実施例では、弁体110とロータシャフト127とを点接触状に当接させたが、弁体110とロータシャフト127とを面接触させることもできる。また、前記実施例では、カバープレート123とロータシャフト127とを点接触状に当接させたが、そのカバープレート123とロータシャフト127とを面接触させることもできる。また、両ドライベアリング124,125には、金属製に代えて、樹脂製のものを用いることができる。