JP2008019791A - 内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置 - Google Patents

内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンの排気管に二次空気を供給するエアポンプを備えた二次空気供給システムにおいて、エアポンプが常に作動した状態となる常時オン異常の有無を精度良く診断できると共に、制御装置の演算負荷を低減できるようにする。
【解決手段】エアポンプの作動制御中に圧力センサで検出した二次空気配管内の圧力(エアポンプ作動中圧力)P1 と、エアポンプの作動制御停止後に圧力センサで検出した二次空気配管内の圧力(エアポンプ停止後圧力)P2 とを比較してエアポンプの異常の有無を判定する。これにより、エアポンプの性能ばらつきや二次空気配管の形状の違い等による二次空気配管内の圧力の変化の影響を受けずにエアポンプの常時オン異常の有無を精度良く判定できる。また、エアポンプ作動中やエアポンプ停止後の圧力挙動パターン等を求める必要がないため、異常診断処理を簡単化して制御装置の演算負荷を低減できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に二次空気を供給するエアポンプを備えた内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置に関するものである。
従来より、内燃機関の始動直後等に排気管のうちの排出ガス浄化用の触媒よりも上流側にエアポンプにより二次空気を供給して排出ガス中の酸素量を増加させることで、排出ガス中のHCやCOの浄化(酸化反応)を促進したり、その反応熱で触媒の暖機を促進する技術が知られている。このような二次空気供給システムでは、エアポンプへの通電のオン/オフを切り換えるリレーがオン状態で固着する故障や、エアポンプの駆動信号が常にオン状態となる制御系の故障等が発生すると、エアポンプが常に作動した状態となる“常時オン異常”が発生する。
二次空気供給システムの構成部品の異常を検出する技術としては、特許文献1(特開2004−11585号公報)に記載されているように、エアポンプと排気管との間に設けられた二次空気通路に圧力センサを設置し、エアポンプの作動制御中に二次空気通路を制御弁で開閉し、制御弁の開弁時に圧力センサで検出した二次空気通路内の圧力値と、制御弁の閉弁時に圧力センサで検出した二次空気通路内の圧力値と、両者の圧力差を、それぞれ所定の閾値と比較すると共に、エアポンプの作動制御停止後に圧力センサで検出した二次空気通路内の圧力値が0(大気圧)であるか否かを判定し、それらの比較結果及び判定結果の組み合わせに基づいて、二次空気供給システムの構成部品の異常(エアポンプのオン故障やオフ故障、制御弁の開故障や閉故障等)を検出するようにしたものがある。
また、特許文献2(特開2003−83048号公報)に記載されているように、エアポンプの作動制御中に圧力センサで検出した圧力値と圧力変動(振幅)からエアポンプ作動制御中の圧力挙動パターンを判定すると共に、エアポンプの作動制御停止中に圧力センサで検出した圧力値とその圧力変動に基づいてエアポンプ作動制御停止中の圧力挙動パターンを判定し、これらエアポンプ作動制御中の圧力挙動パターンとエアポンプ作動制御停止中の圧力挙動パターンとの組み合わせに基づいて、二次空気供給システムの構成部品の異常(エアポンプのオン故障やオフ故障、制御弁の開故障や閉故障等)を検出するようにしたものもある。
特開2004−11585号公報(第5頁〜第7頁等) 特開2003−83048号公報(第4頁〜第6頁等)
上記特許文献1の異常診断では、制御弁の開弁時と閉弁時のそれぞれの二次空気通路内の圧力値と両者の圧力差を、それぞれ所定の閾値と比較するようにしているが、二次空気通路内の圧力は、エアポンプの性能ばらつきや二次空気通路の配管形状の違い等によって変化するため、二次空気通路内の圧力を判定する閾値を適正値に設定するのが困難であり、異常の有無を精度良く判定することができない可能性がある。
また、上記特許文献2の異常診断では、エアポンプ作動制御中及びエアポンプ作動制御停止中に、それぞれ圧力センサで検出した圧力値から圧力変動を求める必要があり、更に、圧力値と圧力変動から圧力挙動パターンを判定する必要があるため、異常診断処理が複雑化して制御装置の演算負荷が増大するという欠点がある。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、エアポンプの常時オン異常の有無を精度良く判定することができると共に、制御装置の演算負荷を低減することができる内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、エアポンプから吐出した二次空気を二次空気通路を通して内燃機関の排気通路に供給する二次空気供給制御を実行する内燃機関の二次空気供給システムにおいて、二次空気通路内の圧力を検出する圧力検出手段を設け、エアポンプ異常診断手段によって、エアポンプの作動制御中に圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力(以下「エアポンプ作動中圧力」という)と、エアポンプの作動制御停止後に圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力(以下「エアポンプ停止後圧力」という)とを比較してエアポンプの異常の有無を判定するようにしたものである。
例えば、エアポンプが正常であれば、エアポンプ作動中圧力よりもエアポンプ停止後圧力の方が低くなるが、エアポンプの作動制御中にエアポンプが常に作動した状態となる常時オン異常が発生すると、エアポンプの作動制御停止後もエアポンプが作動した状態が続くため、エアポンプ停止後圧力がエアポンプ作動中圧力とほぼ等しくなるか又はエアポンプ作動中圧力よりも高くなる。従って、本発明のように、エアポンプ作動中圧力とエアポンプ停止後圧力とを比較すれば、エアポンプの常時オン異常の有無を判定することができる。
本発明のように、エアポンプ作動中圧力とエアポンプ停止後圧力とを比較すれば、エアポンプの性能ばらつきや二次空気通路の配管形状の違い等による二次空気通路内の圧力の変化の影響を受けずにエアポンプの常時オン異常の有無を精度良く判定できる利点がある。しかも、エアポンプ作動中やエアポンプ停止後の圧力変動や圧力挙動パターンを求める必要がないため、異常診断処理を簡単化することができ、制御装置の演算負荷を低減できる利点もある。
この場合、エアポンプ作動中圧力とエアポンプ停止後圧力とを比較する手法は、両者の比を算出しても良いが、請求項2のように、エアポンプ作動中圧力とエアポンプ停止後圧力との差分を算出して、この差分に基づいてエアポンプの異常の有無を判定するようにすると良い。例えば、エアポンプ作動中圧力とエアポンプ停止後圧力との差分が所定値以上の場合(つまりエアポンプ作動中圧力よりもエアポンプ停止後圧力の方が所定値以上低い場合)には、エアポンプの異常の無し(正常)と判定し、エアポンプ作動中圧力とエアポンプ停止後圧力との差分が所定値よりも小さい場合には、エアポンプの常時オン異常有りと判定するようにすれば良い。
また、請求項3のように、二次空気通路を開閉する制御弁を備えている場合は、エアポンプの作動制御中に制御弁を一時的に閉弁して二次空気通路を締め切った状態でエアポンプ作動中圧力を検出するようにしても良い。このようにすれば、エアポンプ作動中圧力を高くして、エアポンプが正常に停止した場合のエアポンプ作動中圧力とエアポンプ停止後圧力との圧力差を大きくすることができ、エアポンプの異常診断精度を向上させることができる。
この場合、二次空気供給制御中に制御弁を一時的に閉弁してエアポンプ作動中圧力を検出するようにすると、二次空気の供給時間が短くなって二次空気の供給量が不足してしまう可能性がある。
そこで、請求項4のように、エアポンプの作動制御中に制御弁を一時的に閉弁して二次空気通路を締め切った状態で検出したエアポンプ作動中圧力を学習手段により学習し、過去に学習したエアポンプ作動中圧力と、今回の二次空気供給制御の終了後に検出したエアポンプ停止後圧力とを比較してエアポンプの異常の有無を判定するようにしても良い。このようにすれば、エアポンプ作動中圧力を学習した後は、二次空気供給制御中に制御弁を一時的に閉弁してエアポンプ作動中圧力を検出する必要がなくなり、二次空気の供給量不足を招くことなく、エアポンプの異常診断を行うことができる。
また、エアポンプの作動制御開始に伴ってエアポンプが正常に作動した場合でも、エアポンプの作動制御開始直後は、二次空気通路内の圧力が十分に上昇していないため、エアポンプの異常診断の際に、エアポンプの作動制御開始直後に検出した二次空気通路内の圧力を用いると、エアポンプが正常な場合でもエアポンプの異常有りと誤診断してしまう可能性がある。
この対策として、請求項5のように、エアポンプの作動制御開始から所定時間が経過した後又は制御弁の開弁から所定時間が経過した後に、エアポンプ作動中圧力を検出するようにすると良い。このようにすれば、エアポンプの作動制御開始又はそれに伴う制御弁の開弁から所定時間(エアポンプが正常に作動した場合に二次空気通路内の圧力が十分に上昇して安定するのに必要な時間)が経過した後に検出したエアポンプ作動中圧力を用いてエアポンプの異常診断を行うことができ、エアポンプが正常な場合にエアポンプの異常有りと誤診断することを未然に防止できる。
一方、エアポンプの作動制御停止に伴ってエアポンプが正常に停止した場合でも、エアポンプの作動制御停止直後は、エアポンプの惰性回転等により二次空気通路内の圧力が十分に低下していないため、エアポンプの異常診断の際に、エアポンプの作動制御停止直後に検出した二次空気通路内の圧力を用いると、エアポンプが正常な場合でもエアポンプの異常有りと誤診断してしまう可能性がある。
この対策として、請求項6のように、エアポンプの作動制御停止から所定時間が経過した後又は制御弁の閉弁から所定時間が経過した後に、エアポンプ停止後圧力を検出するようにすると良い。このようにすれば、エアポンプの作動制御停止又はそれに伴う制御弁の閉弁から所定時間(エアポンプが正常に停止した場合に二次空気通路内の圧力が十分に低下して安定するのに必要な時間)が経過した後に検出したエアポンプ停止後圧力を用いてエアポンプの異常診断を行うことができ、エアポンプが正常な場合にエアポンプの異常有りと誤診断することを未然に防止できる。
また、エアポンプの作動制御中でもエアポンプが常に停止した状態となる常時オフ異常が発生した場合に、本発明のエアポンプの異常診断を行うと、エアポンプ作動中圧力とエアポンプ停止後圧力とがほぼ等しくなって、常時オフ異常状態のエアポンプを常時オン異常有りと誤判定してしまう可能性がある。
そこで、請求項7のように、エアポンプの作動制御開始後に圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力が上昇しない場合に、エアポンプの異常診断を禁止するようにしても良い。つまり、エアポンプの作動制御開始後に圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力が上昇しない場合には、エアポンプの常時オフ異常が発生した状態である可能性があると判断して、エアポンプの異常診断を禁止する。これにより、常時オフ異常状態のエアポンプを常時オン異常有りと誤判定することを未然に防止できる。
更に、請求項8のように、エアポンプの異常有りと判定された場合に、エアポンプの異常が解消されるまで二次空気供給制御を禁止するようにしても良い。つまり、エアポンプの異常有りと判定された場合には、エアポンプの修理や交換等が行われてエアポンプの異常が解消されるまで二次空気供給制御を禁止する。これにより、エアポンプの常時オン異常が発生した状態で二次空気供給制御を実行することを防止できる。
ところで、二次空気供給制御の停止中(エアポンプの停止中)は、二次空気通路内の圧力がほぼ大気圧となるため、二次空気供給制御の停止中に圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力を大気圧として検出することができる。しかし、エアポンプの常時オン異常が発生した場合には、二次空気供給制御の停止中でもエアポンプが作動して二次空気通路内の圧力が大気圧よりも高くなるため、圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力を大気圧として検出すると、大気圧を誤検出することになる。
この対策として、請求項9のように、エアポンプの異常有りと判定された場合に、二次空気供給制御の停止中に圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力を大気圧として検出することを禁止するようにすると良い。このようにすれば、エアポンプの常時オン異常が発生した場合に、二次空気供給制御の停止中に圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力(大気圧よりも高い圧力)を大気圧として誤検出することを未然に防止できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を4つの実施例1〜4を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてシステム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の各気筒の吸気マニホールド12の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁13が取り付けられている。一方、エンジン11の排気管14(排気通路)には、排出ガス中のCO、HC、NOx等を浄化する三元触媒等の触媒15が設けられ、この触媒15の上流側に、排出ガスの空燃比(又はリッチ/リーン)を検出する空燃比センサ16(又は酸素センサ)が設けられている。
次に、排気管14のうちの触媒15よりも上流側(例えば排気ポート近傍)に二次空気を供給する二次空気供給システム17の構成を説明する。二次空気供給システム17は、電気モータで駆動されるエアポンプ18から吐出する二次空気を、二次空気配管19(二次空気通路)を通して各気筒の二次空気供給ノズル20に分配して各気筒の排気マニホールド(排気通路)に導入する。二次空気配管19には、該二次空気配管19を開閉する制御弁21が設けられ、該二次空気配管19のうちの制御弁21とエアポンプ18との間には、二次空気配管19内の圧力を検出する圧力センサ22(圧力検出手段)が設けられている。
この二次空気供給システム17のエアポンプ18と制御弁21は、制御回路(以下「ECU」と表記する)23によって制御される。このECU23は、エンジン運転状態を検出する各種センサ(例えば、回転角センサ24、吸気圧センサ25、水温センサ26、吸気温センサ27等)の出力信号を読み込んでエンジン運転状態を検出して、エンジン運転状態に応じて燃料噴射量や点火時期を制御する。
このECU23は、図示しない二次空気供給制御プログラムを実行することで、図2のタイムチャートに示すように、所定の二次空気供給制御実行条件が成立したときにエアポンプ18をオン(On)してエアポンプ18の作動制御を開始すると共に制御弁21を開弁して排気管14に二次空気を供給する二次空気供給制御を開始する。その後、二次空気供給制御実行条件が不成立となったとき又は所定の実行期間が経過した時点で、エアポンプ18をオフ(Off)してエアポンプ18の作動制御を停止すると共に制御弁21を閉弁して二次空気供給制御を停止する。
更に、ECU23は、後述する図3及び図4のエアポンプ異常診断プログラムを実行することで、図2のタイムチャートに示すように、エアポンプ18の作動制御中に圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力(以下「エアポンプ作動中圧力」という)P1 と、エアポンプ18の作動制御停止後に圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力(以下「エアポンプ停止後圧力」という)P2 とを比較してエアポンプ18の異常の有無を判定する。
図2(a)に示すように、エアポンプ18が正常であれば、エアポンプ作動中圧力P1 よりもエアポンプ停止後圧力P2 の方が低くなる。一方、図2(b)に示すように、エアポンプ18の作動制御中にエアポンプ18が常に作動した状態となる常時オン異常が発生すると、エアポンプ18の作動制御停止後もエアポンプ18が作動した状態となるため、エアポンプ停止後圧力P2 がエアポンプ作動中圧力P1 とほぼ等しくなるか又はエアポンプ作動中圧力P1 よりも高くなる。従って、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 とを比較すれば、エアポンプ18の常時オン異常の有無を判定することができる。
以上説明したエアポンプ18の異常診断は、ECU23によって図3及び図4のエアポンプ異常診断プログラムに従って実行される。以下、このエアポンプ異常診断プログラムの処理内容を説明する。
図3及び図4に示すエアポンプ異常診断プログラムは、ECU23の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうエアポンプ異常診断手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、図示しない二次空気供給制御プログラムを実行する。この二次空気供給制御プログラムでは、所定の二次空気供給制御実行条件が成立したときにエアポンプ18をオンしてエアポンプ18の作動制御を開始すると共に制御弁21を開弁して二次空気供給制御を開始し、その後、二次空気供給制御実行条件が不成立となったとき又は所定の実行期間が経過したときに、エアポンプ18をオフしてエアポンプ18の作動制御を停止すると共に制御弁21を閉弁して二次空気供給制御を停止する。
この後、ステップ102に進み、二次空気供給制御の実行中であるか否かを判定し、二次空気供給制御の実行中であれば、ステップ103に進み、後述する停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値を「0」にリセットした後、ステップ104に進み、エアポンプ18の作動制御(二次空気供給制御)の開始後の経過時間を計測する開始後経過時間カウンタontimeのカウント値をカウントアップする。
この後、ステップ105に進み、圧力センサ22で二次空気配管19内の圧力Px を計測することで、エアポンプ18の作動制御の開始後の二次空気配管19内の圧力である開始後圧力Px を計測する。
そして、次のステップ106で、開始後圧力Px が所定値よりも高いか否かを判定し、開始後圧力Px が所定値よりも高ければ、エアポンプ18が作動していると判断して、ステップ107に進み、エアポンプ作動経験フラグXEXEを「1」にセットする。
この後、ステップ108に進み、二次空気配管19内の圧力が安定したか否かを判定するために、開始後経過時間カウンタontimeのカウント値が所定値を越えたか否かによってエアポンプ18の作動制御の開始から所定時間(エアポンプ18が正常に作動した場合に二次空気配管19内の圧力が十分に上昇して安定するのに必要な時間)が経過したか否かを判定する。
そして、エアポンプ18の作動制御の開始から所定時間が経過した後に、二次空気配管19内の圧力が安定したと判断して、ステップ109に進み、圧力センサ22で二次空気配管19内の圧力P1 を計測することで、エアポンプ18の作動制御中の二次空気配管19内の圧力であるエアポンプ作動中圧力P1 を計測した後、ステップ110に進み、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1を「1」にセットする。
これに対して、上記ステップ106で、開始後圧力Px が所定値以下であると判定された場合には、エアポンプ18が常に停止した状態となる常時オフ異常が発生した状態である可能性があると判断して、ステップ111に進み、エアポンプ作動経験フラグXEXEを「0」にリセットして、本プログラムを終了する。
その後、二次空気供給制御が停止されたときに、上記ステップ102で、二次空気供給制御の実行中ではないと判定されて、図4のステップ112に進み、エアポンプ18の作動制御(二次空気供給制御)の停止後の経過時間を計測する停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値をカウントアップした後、ステップ113に進み、開始後経過時間カウンタontimeのカウント値を「0」にリセットする。
この後、ステップ114に進み、エアポンプ18の作動制御停止後であるか否かを判定し、エアポンプ18の作動制御停止後であれば(つまりエアポンプ18の作動制御開始前でなければ)、ステップ115に進み、エアポンプ作動経験フラグXEXEが「1」にセットされているか否かを判定する。
このステップ115で、エアポンプ作動経験フラグXEXE=0(開始後圧力Px が所定値を越えなかった)と判定された場合には、エアポンプ18の常時オフ異常が発生している可能性があると判断して、ステップ116以降の処理を行うことなく本プログラムを終了して、エアポンプ18の異常診断を禁止する。この場合、ステップ115の処理が特許請求の範囲でいう異常診断禁止手段としての役割を果たす。
一方、ステップ115で、エアポンプ作動経験フラグXEXE=1(開始後圧力Px が所定値を越えた)と判定された場合には、エアポンプ18の常時オフ異常が発生していないと判断して、ステップ116に進み、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1が「1」にセットされているか否かを判定する。
このステップ116で、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1=0(エアポンプ作動中圧力P1 を計測していない)と判定された場合には、エアポンプ18の異常診断を行うことができないため、ステップ117以降の異常診断に関する処理を行うことなく本プログラムを終了する。
一方、ステップ116で、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1=1(エアポンプ作動中圧力P1 を計測済み)と判定された場合には、ステップ117以降の異常診断に関する処理を次のようにして実行する。
まず、ステップ117で、二次空気配管19内の圧力が安定したか否かを判定するために、停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値が所定値を越えたか否かによってエアポンプ18の作動制御の停止から所定時間(エアポンプ18が正常に停止した場合に二次空気配管19内の圧力が十分に低下して安定するのに必要な時間)が経過したか否かを判定する。
そして、エアポンプ18の作動制御の停止から所定時間が経過した後に、二次空気配管19内の圧力が安定したと判断して、ステップ118に進み、圧力センサ22で二次空気配管19内の圧力P2 を計測することで、エアポンプ18の作動制御停止後の二次空気配管19内の圧力であるエアポンプ停止後圧力P2 を計測する。
この後、ステップ119に進み、エアポンプ作動中圧力P1 を基準としてエアポンプ18の作動制御停止後の二次空気配管19内の圧力変化量を判断するために、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )を算出し、この差分(P1 −P2 )が所定値よりも小さいか否かを判定する。その結果、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )が所定値以上である(つまりエアポンプ作動中圧力P1 よりもエアポンプ停止後圧力P2 の方が所定値以上低い)と判定された場合には、ステップ120に進み、エアポンプ18の異常無し(正常)と判定して異常フラグXPUMを「0」にリセットする。
二次空気供給制御の停止中(エアポンプ18の停止中)は、二次空気配管19内の圧力がほぼ大気圧となるため、ステップ121に進み、圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力を大気圧として検出する。
これに対して、上記ステップ119で、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )が所定値よりも小さいと判定された場合には、ステップ122に進み、エアポンプ18の異常有り(常時オン異常有り)と判定して異常フラグXPUMを「1」にセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ(図示せず)を点灯したり、或は運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU23のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する。
エアポンプ18の常時オン異常が発生した場合には、二次空気供給制御の停止中でもエアポンプ18が作動して二次空気配管19内の圧力が大気圧よりも高くなるため、ステップ123に進み、圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力を大気圧として検出することを禁止する。このステップ120の処理が特許請求の範囲でいう大気圧検出禁止手段としての役割を果たす。
以上説明した本実施例1では、エアポンプ18が正常であれば、エアポンプ作動中圧力P1 よりもエアポンプ停止後圧力P2 の方が低くなるが、エアポンプ18の常時オン異常が発生すると、エアポンプ停止後圧力P2 がエアポンプ作動中圧力P1 とほぼ等しくなるか又はエアポンプ作動中圧力P1 よりも高くなることに着目して、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )に基づいてエアポンプ18の常時オン異常の有無を判定するようにしたので、エアポンプ18の常時オン異常を検出することができる。
この場合、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )を用いることで、エアポンプ18の性能ばらつきや二次空気配管19の形状の違い等による二次空気配管19内の圧力の変化の影響を受けずにエアポンプ18の常時オン異常の有無を精度良く判定することができる。しかも、エアポンプ作動中やエアポンプ停止後の圧力変動や圧力挙動パターンを求める必要がないため、異常診断処理を簡単化することができ、ECU23の演算負荷を低減することができる。
また、図2(a)に示すように、エアポンプ18の作動制御開始に伴ってエアポンプ18が正常に作動した場合でも、エアポンプ18の作動制御開始直後は、二次空気配管19内の圧力が十分に上昇していないため、エアポンプ18の異常診断の際に、エアポンプ18の作動制御開始直後に検出した二次空気配管19内の圧力を用いると、エアポンプ18が正常な場合でもエアポンプ18の異常有りと誤診断してしまう可能性がある。一方、エアポンプ18の作動制御停止に伴ってエアポンプ18が正常に停止した場合でも、エアポンプ18の作動制御停止直後は、エアポンプ18の惰性回転等により二次空気配管19内の圧力が十分に低下していないため、エアポンプ18の異常診断の際に、エアポンプ18の作動制御停止直後に検出した二次空気配管19内の圧力を用いると、エアポンプ18が正常な場合でもエアポンプ18の異常有りと誤診断してしまう可能性がある。
これらの対策として、本実施例1では、エアポンプ18の異常診断を行う際に、エアポンプ18の作動制御開始から所定時間(エアポンプ18が正常に作動した場合に二次空気配管19内の圧力が十分に上昇して安定するのに必要な時間)が経過した後にエアポンプ作動中圧力P1 を検出すると共に、エアポンプ18の作動制御停止から所定時間(エアポンプ18が正常に停止した場合に二次空気配管19内の圧力が十分に低下して安定するのに必要な時間)が経過した後にエアポンプ停止後圧力P2 を検出し、これらのエアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )を用いてエアポンプ18の異常診断を行うようにしたので、エアポンプ18が正常な場合にエアポンプ18の異常有りと誤診断することを防止できる。
また、エアポンプ18が常に停止した状態となる常時オフ異常が発生した状態で、エアポンプ18の異常診断を行うと、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 とがほぼ等しくなって、常時オフ異常状態のエアポンプ18を常時オン異常有りと誤判定してしまう可能性がある。
その点、本実施例1では、エアポンプ18の作動制御開始後に圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力Px が所定値を越えない場合には、エアポンプ18の常時オフ異常が発生した状態である可能性があると判断して、エアポンプ18の異常診断を禁止するようにしたので、エアポンプ18の常時オフ異常が発生した状態であるにも拘らずエアポンプ18の常時オン異常有りと誤判定することを未然に防止できる。
ところで、エアポンプ18の常時オン異常が発生した場合には、二次空気供給制御の停止中でもエアポンプ18が作動して二次空気配管19内の圧力が大気圧よりも高くなるため、圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力を大気圧として検出すると、大気圧を誤検出することになる。
この対策として、本実施例1では、エアポンプ18の異常有りと判定された場合に、二次空気供給制御の停止中に圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力を大気圧として検出することを禁止するようにしたので、エアポンプ18の常時オン異常が発生した場合に、二次空気供給制御の停止中に圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力(大気圧よりも高い圧力)を大気圧として誤検出することを未然に防止できる。
次に、図5及び図6を用いて本発明の実施例2を説明する。
本実施例2では、図5及び図6に示すエアポンプ異常診断プログラムを実行することで、エアポンプ18の常時オン異常有りと判定された場合に、エアポンプ18の異常が解消されるまで二次空気供給制御を禁止して、エアポンプ18の異常診断(エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 とを比較する異常診断)を実行できないようにしている。
図5及び図6に示すエアポンプ異常診断プログラムでは、まず、ステップ201で、異常フラグXPUMが「1」にセットされているか否かによってエアポンプ18の常時オン異常有りと判定されたか否かを判定する。このステップ201で、異常フラグXPUM=1(エアポンプ18の常時オン異常有り)と判定された場合には、ステップ202以降の処理を行うことなく本プログラムを終了して、二次空気供給制御を禁止する。この場合、ステップ201の処理が特許請求の範囲でいう二次空気供給制御禁止手段としての役割を果たす。
その後、サービス工場等でエアポンプ18の修理や交換等が行われてエアポンプ18の異常が解消されて、異常フラグXPUMが「0」にリセットされた後は、ステップ202に進み、図示しない二次空気供給制御プログラムを実行することで、所定の二次空気供給制御実行条件が成立したときに二次空気供給制御を開始し、その後、二次空気供給制御実行条件が不成立となったとき又は所定の実行期間が経過したときに二次空気供給制御を停止する。
この後、ステップ203に進み、二次空気供給制御の実行中であるか否かを判定し、二次空気供給制御の実行中であると判定された場合には、停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値をリセットすると共に、開始後経過時間カウンタontimeのカウント値をカウントアップする(ステップ204、205)。
この後、開始後経過時間カウンタontimeのカウント値が所定値を越えたか否かによってエアポンプ18の作動制御の開始から所定時間が経過したか否かを判定し、エアポンプ18の作動制御の開始から所定時間が経過した後に、エアポンプ18の作動制御中の二次空気配管19内の圧力であるエアポンプ作動中圧力P1 を計測して、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1を「1」にセットする(ステップ206〜208)。
その後、二次空気供給制御が停止されたときに、上記ステップ203で、二次空気供給制御の実行中ではないと判定されて、図6のステップ209に進み、停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値をカウントアップすると共に、開始後経過時間カウンタontimeのカウント値をリセットする(ステップ209、210)。
この後、エアポンプ18の作動制御停止後である(エアポンプ18の作動制御開始前ではない)と判定され、且つ、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1=1(エアポンプ作動中圧力P1 を計測済み)と判定されれば、停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値が所定値を越えたか否かによってエアポンプ18の作動制御の停止から所定時間が経過したか否かを判定し、エアポンプ18の作動制御の停止から所定時間が経過した後に、エアポンプ18の作動制御停止後の二次空気配管19内の圧力であるエアポンプ停止後圧力P2 を計測する(ステップ211〜214)。
この後、ステップ215で、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )が所定値よりも小さいか否かを判定する。その結果、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )が所定値以上である(つまりエアポンプ作動中圧力P1 よりもエアポンプ停止後圧力P2 の方が所定値以上低い)と判定された場合には、エアポンプ18の異常無し(正常)と判定して異常フラグXPUMを「0」にリセットした後、圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力を大気圧として検出する(ステップ216、217)。
これに対して、上記ステップ215で、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差が所定値よりも小さいと判定された場合には、エアポンプ18の異常有り(常時オン異常有り)と判定して異常フラグXPUMを「1」にセットした後、圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力を大気圧として検出することを禁止する(ステップ218、219)。
以上説明した本実施例2では、エアポンプ18の常時オン異常有りと判定された場合に、エアポンプ18の修理や交換等が行われてエアポンプ18の異常が解消されるまで二次空気供給制御を禁止するようにしたので、エアポンプ18の常時オン異常が発生した状態で二次空気供給制御を実行することを防止できると共に、二次空気供給制御を禁止することで、エアポンプ18の異常診断(エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 とを比較する異常診断)を実行できないようにすることができる。
尚、上記各実施例1,2では、エアポンプ18の作動制御開始から所定時間が経過した後にエアポンプ作動中圧力P1 を検出し、エアポンプ18の作動制御停止から所定時間が経過した後にエアポンプ停止後圧力P2 を検出するようにしたが、エアポンプ18の作動制御開始に伴って制御弁21を開弁してから所定時間が経過した後にエアポンプ作動中圧力P1 を検出したり、エアポンプ18の作動制御停止に伴って制御弁21を閉弁してから所定時間が経過した後にエアポンプ停止後圧力P2 を検出するようにしても良い。
次に、図7乃至図10を用いて本発明の実施例3を説明する。
本実施例3では、図9及び図10に示すエアポンプ異常診断プログラムを実行することで、図7及び図8のタイムチャートに示すように、エアポンプ18の作動制御中に制御弁21を一時的に閉弁して二次空気配管19を締め切った状態でエアポンプ作動中圧力P1 を検出するようにしている。これにより、エアポンプ作動中圧力P1 を高くして、エアポンプ18が正常に停止した場合のエアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との圧力差を大きくするようにしている。
図9及び図10に示すエアポンプ異常診断プログラムでは、まず、ステップ301で、図示しない二次空気供給制御プログラムを実行することで、所定の二次空気供給制御実行条件が成立したときに二次空気供給制御を開始し、二次空気供給制御実行条件が不成立となったとき又は所定の実行期間が経過したときに二次空気供給制御を停止する。
この後、ステップ302に進み、二次空気供給制御の実行中であるか否かを判定し、二次空気供給制御の実行中であれば、ステップ303に進み、停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値をリセットする。
この後、ステップ304に進み、エアポンプ18の作動制御中に制御弁21を閉弁して二次空気配管19を密閉する締め切りを実施したか否かを、締め切り実施フラグXCLOSEが「1」にセットされているか否かによって判定する。
締め切り実施フラグXCLOSE=0(締め切りを未実施である)と判定された場合には、ステップ305に進み、エアポンプ18の作動制御中に制御弁21を閉弁して二次空気配管19を締め切った後、ステップ306に進み、エアポンプ18の作動制御中の二次空気配管19内の圧力であるエアポンプ作動中圧力P1 を二次空気配管19を締め切った状態で計測する。
尚、エアポンプ18の作動制御中に制御弁21を閉弁して二次空気配管19を締め切る時期は、エアポンプ18の作動制御期間の最終時期(図7参照)であっても良いし、エアポンプ18の作動制御期間の初期(図8参照)であっても良い。或は、エアポンプ18の作動制御開始から所定時間が経過した後に二次空気配管19を一時的に締め切るようにしても良い。
この後、ステップ307に進み、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1を「1」にセットした後、ステップ308に進み、締め切り実施フラグXCLOSEを「1」にセットする。
その後、二次空気供給制御が停止されたときに、上記ステップ302で、二次空気供給制御の実行中ではないと判定されて、図10のステップ309に進み、停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値をカウントアップする。
この後、エアポンプ18の作動制御停止後である(エアポンプ18の作動制御開始前ではない)と判定され、且つ、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1=1(エアポンプ作動中圧力P1 を計測済み)と判定されれば、停止後経過時間カウンタofftimeのカウント値が所定値を越えたか否かによってエアポンプ18の作動制御の停止から所定時間が経過したか否かを判定し、エアポンプ18の作動制御の停止から所定時間が経過した後に、エアポンプ18の作動制御停止後の二次空気配管19内の圧力であるエアポンプ停止後圧力P2 を計測する(ステップ310〜313)。
この後、ステップ314で、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )が所定値よりも小さいか否かを判定する。その結果、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差が所定値以上である(つまりエアポンプ作動中圧力P1 よりもエアポンプ停止後圧力P2 の方が所定値以上低い)と判定された場合には、エアポンプ18の異常無し(正常)と判定して異常フラグXPUMを「0」にリセットした後、圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力を大気圧として検出する(ステップ315、316)。
これに対して、上記ステップ314で、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差が所定値よりも小さいと判定された場合には、エアポンプ18の異常有り(常時オン異常有り)と判定して異常フラグXPUMを「1」にセットした後、圧力センサ22で検出した二次空気配管19内の圧力を大気圧として検出することを禁止する(ステップ317、318)。
以上説明した本実施例3では、エアポンプ18の作動制御中に制御弁21を一時的に閉弁して二次空気配管19を締め切った状態でエアポンプ作動中圧力P1 を検出するようにしたので、エアポンプ作動中圧力P1 を高くして、エアポンプ18が正常に停止した場合のエアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との圧力差(P1 −P2 )を大きくすることができ、エアポンプ18の異常診断精度を向上させることができる。
ところで、二次空気供給制御中(エアポンプ18の作動制御中)に制御弁21を一時的に閉弁して二次空気配管19を締め切った状態でエアポンプ作動中圧力P1 を検出するようにすると、二次空気の供給時間が短くなって二次空気の供給量が不足してしまう可能性がある。
そこで、図11及び図12に示す本発明の実施例4では、ECU23の電源オン後で二次空気供給制御の開始前に、制御弁21を閉弁して二次空気配管19を締め切った状態でエアポンプ作動中圧力P1 を検出し、その検出値をECU23のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する締め切り学習を実行し、過去に学習したエアポンプ作動中圧力P1 (記憶値)と、今回の二次空気供給制御の終了後に検出したエアポンプ停止後圧力P2 とを比較してエアポンプ18の異常の有無を判定するようにしている。
図12に示すエアポンプ異常診断プログラムでは、まず、ステップ401で、締め切り学習を実施したか否かを、締め切り学習実施フラグXLARNが「1」にセットされているか否かによって判定する。
このステップ401で、締め切り学習実施フラグXLARN=0(締め切り学習を未実施である)と判定された場合には、ステップ402に進み、制御弁21を閉弁して二次空気配管19を締め切った状態でエアポンプ18をオンしてエアポンプ18の作動制御を実行する。
この後、ステップ403に進み、エアポンプ18の作動制御中の二次空気配管19内の圧力であるエアポンプ作動中圧力P1 を二次空気配管19を締め切った状態で計測した後、ステップ404に進み、エアポンプ作動中圧力計測フラグXP1を「1」にセットする。
そして、次のステップ405で、計測したエアポンプ作動中圧力P1 をバッテリ電圧、大気圧、外気温等に応じて補正し、補正後のエアポンプ作動中圧力P1 をECU23のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する。この後、ステップ406に進み、エアポンプ18をオフしてエアポンプ18の作動制御を停止した後、ステップ407に進み、締め切り学習実施フラグXLARNを「1」にセットする。
この後、ステップ408に進み、図示しない二次空気供給制御プログラムを実行することで、所定の二次空気供給制御実行条件が成立したときに二次空気供給制御を開始し、その後、二次空気供給制御実行条件が不成立となったとき又は所定の実行期間が経過したときに二次空気供給制御を停止する。
この後、ステップ409に進み、二次空気供給制御の実行中であるか否かを判定し、二次空気供給制御の実行中であれば、そのまま本プログラムを終了する。
その後、二次空気供給制御が停止されて、上記ステップ409で二次空気供給制御の実行中ではないと判定されたときに、前記実施例3で説明した図10のステップ309〜318と同じ処理を実行する。これにより、エアポンプ18の作動制御の停止から所定時間が経過した後に、エアポンプ18の作動制御停止後の二次空気配管19内の圧力であるエアポンプ停止後圧力P2 を計測し、過去に学習したエアポンプ作動中圧力P1 と、今回の二次空気供給制御の終了後に検出したエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )が所定値よりも小さいか否かによって、エアポンプ18の異常の有無を判定する。
尚、二次空気配管19を締め切った状態でエアポンプ作動中圧力P1 を学習する締め切り学習は、二次空気供給制御の開始前に毎回実行するようにしても良いが、所定期間(例えば、所定走行回数、所定積算走行距離、所定時間等)を越える毎の二次空気供給制御の開始前又は二次空気供給制御中に締め切り学習を実行するようにしても良い。
以上説明した本実施例4では、過去に学習したエアポンプ作動中圧力P1 と、今回の二次空気供給制御の終了後に検出したエアポンプ停止後圧力P2 とを比較してエアポンプ18の異常の有無を判定するようにしたので、エアポンプ作動中圧力P1 を学習した後は、二次空気供給制御中に制御弁21を一時的に閉弁してエアポンプ作動中圧力P1 を検出する必要がなくなり、二次空気の供給量不足を招くことなく、エアポンプ18の異常診断を行うことができる。
尚、上記各実施例3,4では、エアポンプ18の作動制御停止から所定時間が経過した後にエアポンプ停止後圧力P2 を検出するようにしたが、エアポンプ18の作動制御停止に伴って制御弁21を閉弁してから所定時間が経過した後にエアポンプ停止後圧力P2 を検出するようにしても良い。
また、上記各実施例1〜4では、エアポンプ18の異常診断の際に、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 とを比較する手段として、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との差分(P1 −P2 )を用いるようにしたが、これに代えて、例えばエアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 との比(P1 /P2 又はP2 /P1 )を用いるようにしても良く、要は、エアポンプ作動中圧力P1 とエアポンプ停止後圧力P2 とを比較する適宜の手法を用いてエアポンプ18の異常診断を行うようにすれば良い。
また、上記各実施例1〜4では、二次空気配管19内の圧力を圧力センサ22で検出するようにしたが、二次空気配管19内の圧力の情報として二次空気配管19内の二次空気の流量を検出するようにしても良い。
また、上記各実施例1〜4では、電動モータで駆動されるエアポンプ18を備えた二次空気供給システム17に本発明を適用したが、エンジン11の動力等で電磁クラッチを介して駆動されるエアポンプを備えた二次空気供給システムに本発明を適用するようにしても良い。
本発明の実施例1におけるシステム全体の概略構成図である。 実施例1におけるエアポンプ正常時とエアポンプ異常時の二次空気配管内の圧力の挙動を示すタイムチャートである。 実施例1におけるエアポンプ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 実施例1におけるエアポンプ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その2)である。 実施例2におけるエアポンプ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 実施例2におけるエアポンプ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その2)である。 実施例3におけるエアポンプ正常時とエアポンプ異常時の二次空気配管内の圧力の挙動を示すタイムチャート(その1)である。 実施例3におけるエアポンプ正常時とエアポンプ異常時の二次空気配管内の圧力の挙動を示すタイムチャート(その2)である。 実施例3におけるエアポンプ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 実施例3におけるエアポンプ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その2)である。 実施例4におけるエアポンプ正常時とエアポンプ異常時の二次空気配管内の圧力の挙動を示すタイムチャートである。 実施例4におけるエアポンプ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気マニホールド、13…燃料噴射弁、14…排気管(排気通路)、15…触媒、17…二次空気供給システム、18…エアポンプ、19…二次空気配管(二次空気通路)、20…二次空気供給ノズル、21…制御弁、22…圧力センサ(圧力検出手段)、23…ECU(エアポンプ異常診断手段,異常診断禁止手段,二次空気供給制御禁止手段,大気圧検出禁止手段)

Claims (9)

  1. エアポンプから吐出した二次空気を二次空気通路を通して内燃機関の排気通路に供給する二次空気供給制御を実行する内燃機関の二次空気供給システムにおいて、
    前記二次空気通路内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記エアポンプの作動制御中に前記圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力(以下「エアポンプ作動中圧力」という)と、前記エアポンプの作動制御停止後に前記圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力(以下「エアポンプ停止後圧力」という)とを比較して前記エアポンプの異常の有無を判定するエアポンプ異常診断手段と
    を備えていることを特徴とする内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
  2. 前記エアポンプ異常診断手段は、前記エアポンプ作動中圧力と前記エアポンプ停止後圧力との差分に基づいて前記エアポンプの異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
  3. 前記二次空気通路を開閉する制御弁を備え、
    前記エアポンプ異常診断手段は、前記エアポンプの作動制御中に前記制御弁を一時的に閉弁して前記二次空気通路を締め切った状態で前記エアポンプ作動中圧力を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
  4. 前記エアポンプ異常診断手段は、前記エアポンプの作動制御中に前記制御弁を一時的に閉弁して前記二次空気通路を締め切った状態で検出した前記エアポンプ作動中圧力を学習する学習手段を備え、過去に前記学習手段で学習したエアポンプ作動中圧力と、今回の二次空気供給制御の終了後に検出したエアポンプ停止後圧力とを比較して前記エアポンプの異常の有無を判定することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
  5. 前記エアポンプ異常診断手段は、前記エアポンプの作動制御開始から所定時間が経過した後又は前記二次空気通路を開閉する制御弁の開弁から所定時間が経過した後に前記エアポンプ作動中圧力を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
  6. 前記エアポンプ異常診断手段は、前記エアポンプの作動制御停止から所定時間が経過した後又は前記二次空気通路を開閉する制御弁の閉弁から所定時間が経過した後に前記エアポンプ停止後圧力を検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
  7. 前記エアポンプの作動制御開始後に前記圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力が上昇しない場合に、前記エアポンプの異常診断を禁止する異常診断禁止手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
  8. 前記エアポンプ異常診断手段により前記エアポンプの異常有りと判定された場合に、前記エアポンプの異常が解消されるまで前記二次空気供給制御を禁止する二次空気供給制御禁止手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
  9. 前記エアポンプ異常診断手段により前記エアポンプの異常有りと判定された場合に、前記二次空気供給制御の停止中に前記圧力検出手段で検出した二次空気通路内の圧力を大気圧として検出することを禁止する大気圧検出禁止手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置。
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