JP2001271639A - エンジンの触媒劣化診断装置 - Google Patents

エンジンの触媒劣化診断装置

Info

Publication number
JP2001271639A
JP2001271639A JP2000089490A JP2000089490A JP2001271639A JP 2001271639 A JP2001271639 A JP 2001271639A JP 2000089490 A JP2000089490 A JP 2000089490A JP 2000089490 A JP2000089490 A JP 2000089490A JP 2001271639 A JP2001271639 A JP 2001271639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
diagnosis
deterioration
temperature sensor
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000089490A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsukazu Inoue
哲一 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000089490A priority Critical patent/JP2001271639A/ja
Publication of JP2001271639A publication Critical patent/JP2001271639A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサの経時変化の影響を抑制して正確な触
媒の劣化診断を可能とすると共に、排気ガスの影響の大
きい運転領域での診断を可能とする。 【解決手段】 触媒の劣化診断が未終了で、診断許可条
件が成立し、且つ診断中止条件が非成立のとき、リア排
気温センサの出力電圧THRCATとフロント排気温セ
ンサの出力電圧THFCATとの差を算出し(S1〜S
4)、この出力電圧差THDCATを、正常な触媒の浄
化作用による反応熱に相当する判定閾値CATNGと比
較して触媒劣化を判定する(S5)。これにより、セン
サの経時変化や応答性に影響されることなく、排気ガス
の影響が大きい運転領域でも確実且つ精密に触媒の劣化
を診断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの排気系
に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれ
排気温センサを配設し、両排気温センサの出力に基づい
て触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの排気系に介装された触
媒の劣化を診断するには、触媒コンバータの上流と下流
とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサ
を配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化
を診断する技術が広く採用されている。
【0003】このような触媒上下流の2つの空燃比をセ
ンサを用いた触媒劣化診断に関し、本出願人は、先に、
特開平10−331627号公報において、所定時間毎
に触媒上流の空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値
と触媒下流の空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値
とを各々積算し、両積算値の比を所定値と比較して触媒
の劣化を診断することで、触媒の劣化に伴う両空燃比セ
ンサの出力波形の差を簡単且つ正確に捕捉して触媒に対
する劣化診断精度を向上する技術を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空燃比
センサの出力波形から触媒の劣化を診断する従来の技術
では、空燃比センサ自体の経時変化によって応答性が変
化するため、それらの影響を考慮して診断を行う必要が
ある。従って、より高い排気ガス浄化レベルに対応して
触媒劣化診断の精度向上が要求される場合、センサの経
時変化に対する補償には限界があり、対処困難である。
【0005】また、空燃比センサによる触媒劣化診断で
は、空燃比制御で二次空気が導入される場合、空燃比セ
ンサが二次空気と反応してしまうため診断不能となる。
更に、エンジン冷態始動時等には、空燃比センサが活性
化するまでに時間を要し、直ぐには診断を開始すること
ができないといった問題があり、排気ガスの影響が大き
い運転領域での診断が困難である。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、センサの経時変化の影響を抑制して正確な触媒の劣
化診断を可能とすると共に、排気ガスの影響の大きい運
転領域での診断を可能とすることのできるエンジンの触
媒劣化診断装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、エンジンの排気系に介装さ
れた触媒コンバータの上流にフロント排気温センサを配
設すると共に上記触媒コンバータの下流にリア排気温セ
ンサを配設し、両排気温センサの出力に基づいて触媒の
劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置であって、
運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断す
る診断条件判別手段と、診断条件の成立時、上記リア排
気温センサの出力と上記フロント排気温センサの出力と
の出力差を算出する排気温センサ出力差算出手段と、上
記出力差と運転状態に応じて設定した判定閾値とを比較
し、触媒の劣化を判定する触媒劣化判定手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0008】すなわち、請求項1記載の発明は、運転状
態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断
条件の成立時、触媒コンバータ下流のリア排気温センサ
の出力と、触媒コンバータ上流のフロント排気温センサ
の出力との出力差を算出し、この出力差と運転状態に応
じて設定した判定閾値とを比較することで、触媒の劣化
を判定する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図3は本発明の実施の一形
態に係わり、図1は触媒劣化診断ルーチンのフローチャ
ート、図2はエンジンの全体概略図、図3は電子制御系
の回路構成図である。
【0010】先ず、図2に基づいてエンジンの全体構成
について説明する。同図において、符号1はエンジンで
あり、本形態においては水平対向型4気筒ガソリンエン
ジンを示す。このエンジン1のシリンダブロック1aの
左右両バンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けら
れ、各シリンダヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート
2bとが形成されている。
【0011】エンジン1の吸気系としては、シリンダヘ
ッド2の各吸気ポート2aにインテークマニホルド3が
連通され、このインテークマニホルド3に、各気筒の吸
気通路が集合するエアチャンバ4を介して、アクセルペ
ダルに連動するスロットル弁5aが介装されたスロット
ルチャンバ5が連通されている。更に、スロットルチャ
ンバ5の上流側に吸気管6を介してエアクリーナ7が取
り付けられ、エアクリーナ7がエアインテークチャンバ
8に連通されている。
【0012】また、吸気管6には、スロットル弁5aを
バイパスするバイパス通路9が接続され、このバイパス
通路9に、アイドル時にその弁開度によって該バイパス
通路9を流れるバイパス空気量を調整することでアイド
ル回転数を制御するアイドル回転数制御弁(ISC弁)
10が介装されている。
【0013】また、インテークマニホルド3の各気筒の
吸気ポート2aの直上流側に、インジェクタ11が配設
され、燃料供給路12を介して燃料タンク13に連通さ
れている。燃料タンク13には、インタンク式の燃料ポ
ンプ14が設けられており、燃料ポンプ14からの燃料
が、燃料供給路12に介装された燃料フィルタ15を経
てインジェクタ11及びプレッシャレギュレータ16に
圧送され、プレッシャレギュレータ16から燃料タンク
13にリターンされてインジェクタ11への燃料圧力が
所定の圧力に調圧される。
【0014】また、シリンダヘッド2の各気筒毎に、先
端の放電電極を燃焼室に露呈する点火プラグ17が取り
付けられ、この点火プラグ17に、イグナイタ19を内
蔵するイグニッションコイル18が接続されている。
【0015】一方、エンジン1の排気系としては、シリ
ンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエキゾース
トマニホルド20の集合部に排気管21が連通され、こ
の排気管21に触媒コンバータ22が介装されてマフラ
23に連通されている。
【0016】ここで、エンジン運転状態を検出するため
のセンサ類について説明する。吸気管6のエアクリーナ
7の直下流には、ホットワイヤ或いはホットフィルム等
を用いた熱式の吸入空気量センサ24が介装され、ま
た、スロットルチャンバ5に設けられたスロットル弁5
aに、スロットル弁5aの開度を検出するためのスロッ
トル開度センサ25が連設されている。
【0017】また、エンジン1のシリンダブロック1a
にノックセンサ26が取り付けられると共に、シリンダ
ブロック1aの左右バンクを連通する冷却水通路27に
冷却水温センサ28が臨まされ、シリンダヘッド2の各
排気ポート2bに連通するエキゾーストマニホルド20
の集合部にO2 センサ29が配設されている。更に、排
気管21の触媒コンバータ22の上流に、触媒上流の排
気温度を検出する排気温度センサ(以下、「フロント排
気温センサ」と称する)38aが配設され、触媒コンバ
ータ22の下流に、触媒下流の排気温度を検出する排気
温度センサ38b(以下、「リア排気温センサ」と称す
る)38bが配設されている。
【0018】また、エンジン1のクランクシャフト30
に軸着するクランクロータ31の外周に、クランク角を
検出するためのクランク角センサ32が対設され、更
に、クランクシャフト30に対して1/2回転するカム
シャフト33に連設するカムロータ34に、現在の燃焼
行程気筒、燃料噴射対象気筒や点火対象気筒を判別する
ための気筒判別センサ35が対設されている。
【0019】次に、エンジン1を制御する電子制御系の
構成について説明する。インジェクタ11、イグナイタ
19,ISC弁10等のアクチュエータ類に対する制御
量の演算や制御信号の出力、すなわち、燃料噴射制御、
点火時期制御、アイドル回転数制御等のエンジン制御
は、図3に示す電子制御装置(ECU)40によって行
われる。
【0020】ECU40は、CPU41、ROM42、
RAM43、バックアップRAM44、カウンタ・タイ
マ群45、及びI/Oインターフェイス46がバスライ
ンを介して互いに接続されるマイクロコンピュータを中
心として構成され、各部に安定化電源を供給する定電圧
回路47、I/Oインターフェイス46に接続される駆
動回路48及びA/D変換器49等の周辺回路が内蔵さ
れている。
【0021】尚、カウンタ・タイマ群45は、フリーラ
ンカウンタ、気筒判別センサ信号(気筒判別パルス)の
入力計数用カウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射用タイ
マ、点火用タイマ、定期割り込みを発生させるための定
期割り込み用タイマ、クランク角センサ信号の入力間隔
計時用タイマ、及びシステム異常監視用のウオッチドッ
グタイマ等の各種タイマを便宜上総称するものであり、
その他、各種のソフトウエアカウンタ・タイマが用いら
れる。
【0022】定電圧回路47は、2回路のリレー接点を
有する電源リレー50の第1のリレー接点を介してバッ
テリ51に接続されると共に、直接、バッテリ51に接
続されており、イグニッションスイッチ52がONされ
て電源リレー50の接点が閉になるとECU40内の各
部へ電源を供給する一方、イグニッションスイッチ52
のON,OFFに拘らず、常時、バックアップRAM4
4にバックアップ用の電源を供給する。更に、バッテリ
51には、燃料ポンプリレー53のリレー接点を介して
燃料ポンプ14が接続されている。尚、電源リレー50
の第2のリレー接点には、バッテリ51から各アクチュ
エータに電源を供給するための電源線が接続されてい
る。
【0023】I/Oインターフェイス46の入力ポート
には、イグニッションスイッチ52、ノックセンサ2
6、クランク角センサ32、気筒判別センサ35、及
び、車速を検出するための車速センサ36等が接続され
ており、更に、A/D変換器49を介して、吸入空気量
センサ24、スロットル開度センサ25、冷却水温セン
サ28、O2センサ29、フロント排気温センサ38
a、リア排気温センサ38b等が接続されると共に、バ
ッテリ電圧VBが入力されてモニタされる。
【0024】一方、I/Oインターフェイス46の出力
ポートには、燃料ポンプリレー53のリレーコイル、I
SC弁10、インジェクタ11、図示しないインストル
メントパネルに配設されて各種警報を表示する警報ラン
プ37等が駆動回路48を介して接続されると共に、イ
グナイタ19が接続されている。
【0025】また、I/Oインターフェイス46には、
外部接続用コネクタ55が接続されており、この外部接
続用コネクタ55にシリアルモニタ(携帯型故障診断装
置)60を接続することで、シリアルモニタ60によっ
てECU40における入出力データ、及び、ECU40
の自己診断機能によりバックアップRAM44にストア
された故障部位や故障内容を示すトラブルデータを読み
出して診断可能としている。更に、シリアルモニタ60
によって、トラブルデータのイニシャルセット(クリ
ア)が行えるようになっている。
【0026】尚、シリアルモニタ60によるトラブルデ
ータの診断、及びイニシャルセットについては、本出願
人による特公平7−76730号公報に詳述されてい
る。
【0027】CPU41では、ROM42に記憶されて
いる制御プログラムに従って、I/0インターフェイス
46を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの検出
信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM43に格納
される各種データ、及びバックアップRAM44に格納
されている各種学習値データ,ROM42に記憶されて
いる固定データ等に基づき、燃料噴射量、点火時期、I
SC弁10に対する駆動信号のデューティ比等を演算
し、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御
等のエンジン制御を行う。
【0028】このようなエンジン制御系において、触媒
の浄化率が高いときには触媒の反応熱によって触媒上流
の排気ガス温度より触媒下流の排気ガス温度が高くなる
という現象に着目し、ECU40は、触媒の劣化診断に
際し、運転状態に基づく診断条件の成立時、リア排気温
センサ38bの出力電圧とフロント排気温センサ38a
の出力電圧との差を算出することで、触媒反応熱を検出
する。そして、この出力電圧の差を、正常な浄化作用に
おける反応熱に相当する判定閾値と比較して触媒の劣化
を判定する。
【0029】これにより、O2センサ等の空燃比センサ
を用いて触媒の劣化を診断する場合に比較し、センサ自
体の経時変化による応答性の影響を抑制しつつ、エンジ
ン始動時の空燃比センサが活性化するまでの運転領域や
二次空気が導入される運転領域等の排気ガスの影響が大
きい運転領域においても確実且つ精密な触媒劣化診断を
可能とする。
【0030】すなわち、ECU40により、本発明に係
る診断条件判別手段、排気温センサ出力差算出手段、及
び触媒劣化判定手段の各機能が実現され、具体的には、
図1のルーチンによって各手段の機能を実現する。
【0031】以下、ECU40による本発明に係る触媒
劣化診断処理について、図1に示すフローチャートに従
って説明する。
【0032】図1は、イグニッションスイッチ52がO
NされてECU40に電源が投入され、システムがイニ
シャライズ(バックアップRAM44に格納されている
各種学習値等のデータ及びトラブルデータを除く、各フ
ラグ、各カウンタ類の初期化)された後、所定時間毎に
実行される触媒劣化診断ルーチンであり、本実施の形態
においては、エンジンを始動してからイグニッションス
イッチ52のOFFによりエンジンを停止するまでの
間、すなわち1運転サイクルにおいて触媒に対する劣化
診断結果が1回得られた時点で、この運転サイクルでの
触媒劣化診断は終了する。そして、例えば、2運転サイ
クル連続して触媒の劣化と診断されたとき、触媒の劣化
と確定する。
【0033】この触媒劣化診断ルーチンにおいては、先
ず、ステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFcatend
を参照し、触媒劣化診断が終了しているか否かを判断す
る。そして、Fcatend=1であり、既に本運転サイクル
において触媒の劣化診断結果が得られているときは、そ
のままルーチンを抜け、一方、Fcatend=0で、本運転
サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していない
ときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、
運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断す
る。
【0034】詳細には、ステップS2で各センサ類の出
力値から診断許可条件が成立しているか否かを判断す
る。この診断許可条件としては、フロント排気温センサ
38a,リア排気温センサ38bを含む診断条件を判断
するための運転状態を検出する各センサ類の出力値が正
常であり、且つエンジン始動後の時間Tが設定時間以上
経過してエンジンの冷却水温TWが設定水温以上にある
エンジン安定状態にあり、更に、エンジン回転数NE、
エンジン負荷を表し基本燃料噴射量を定める基本燃料噴
射パルス幅Tp(=K×Q/NE;Kはインジェクタ特
性補正定数、Qは吸入空気量)等が予め設定された範囲
内にあるとき、すなわち、運転状態が予め設定された診
断領域にあるとき、診断許可条件成立と判断する。
【0035】すなわち、エンジン運転状態を検出するセ
ンサが異常のときには、診断条件を判断できず、このと
き触媒の劣化診断を行うと誤診断を招き、また、エンジ
ン運転状態が診断領域外の高負荷高回転領域にあるとき
には、排気ガス温度が高温となり、触媒の反応熱を正確
に検出することができないため、触媒の劣化を診断する
ことができない。
【0036】従って、フロント排気温センサ38a,リ
ア排気温センサ38bを含むエンジン運転状態を検出す
る各センサ類の出力値が正常で、且つエンジン安定状態
で高負荷高回転領域を除く診断領域にあるときに、触媒
劣化診断許可条件の成立と判断する。
【0037】そして、診断許可条件の成立時には、ステ
ップS3へ進み、診断中止条件を判断する。この診断中
止条件としては、触媒劣化診断開始時からの基本燃料噴
射パルス幅Tpの変化量、或いはスロットル開度の変化
量が予め定められた設定値を越えた場合、すなわちエン
ジン過渡運転時や、触媒劣化診断中に失火を検出した場
合に、診断中止条件成立とする。
【0038】すなわち、加減速等のエンジン過渡運転時
には、空燃比がリッチシフト或いはリーンシフトしてお
り、触媒の反応熱を安定して検出することができないた
め、フロント排気温センサ38a,リア排気温センサ3
8bの出力電圧に基づいて触媒の劣化を診断することが
できない。また、失火時には、オーバリーンによって触
媒の反応熱が異常値を示し、このときにも、触媒の劣化
診断を行うと誤診断を生じる。従って、基本燃料噴射パ
ルス幅Tpの変化量やスロットル開度変化量が設定値を
越えたエンジン過渡運転時、或いは失火時には、触媒の
劣化診断を中止する。
【0039】そして、ステップS2において診断許可条
件の非成立時、或いはステップS3で診断中止条件が成
立するときには、診断を中止すべくルーチンを抜け、一
方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つ、ステ
ップS3で診断中止条件が非成立でエンジン定常運転状
態のときには、ステップS4へ進む。
【0040】ステップS4では、リア排気温センサ38
bの出力電圧THRCATからフロント排気温センサ3
8aの出力電圧THFCATを減算して出力電圧差TH
DCATとして算出し(THDCAT←THRCAT−
THFCAT)、ステップS5で、出力電圧差THDC
ATを触媒劣化を判定するための判定閾値CATNGと
比較する。
【0041】触媒劣化を判定するための判定閾値CAT
NGは、触媒の反応熱による触媒上下流の排気ガス温度
差が運転状態によって変化することを考慮し、冷却水温
TW、エンジン始動後時間T、エンジン回転数NE、基本
燃料噴射パルス幅Tp等のエンジン運転状態を表すパラ
メータを用いて設定されるものであり、これらのパラメ
ータの全て或いは何れかを用い、予めシミュレーション
或いは実験等により各パラメータによるエンジン運転領
域毎に触媒が劣化したと見做し得る触媒上下流の排気ガ
ス温度差を求めて関数式化或いはマップ化し、この関数
式或いはマップを用いて設定される。
【0042】そして、ステップS5において、THDC
AT≧CATNGの場合には、触媒で正常な浄化作用が
行われて運転状態に応じた反応熱が発生しており、触媒
は劣化しておらず正常状態(触媒劣化なし)と判断して
ルーチンを抜け、THDCAT<CATNGの場合、運
転状態に応じた反応熱が発生せず、触媒で正常な浄化作
用が行われずに触媒が劣化した(触媒劣化あり)と判断
し、ステップS6へ進む。
【0043】ステップS6では、診断条件成立下におい
てTHDCAT<CATNG(触媒劣化あり)の条件が
成立する回数をカウントするためのカウント値TMCA
TNGをカウントアップし(TMCATNG←TMCA
TNG+1)、ステップS7で、カウント値TMCAT
NGを触媒劣化と確定し得る時間値を表す所定値と比較
する。
【0044】その結果、ステップS7において、TMC
ATNG≦所定値の場合、すなわち触媒劣化ありと判定
される条件(THDCAT<CATNG)が成立する回
数が触媒劣化と確定し得る回数に達しない間は、ステッ
プS8で触媒は劣化しておらず正常状態であると診断
し、例えば、トラブルデータとしてバックアップRAM
44にストアされる第1回目,第2回目の触媒劣化判定
における触媒劣化を示すフラグをクリアする等の処理を
行い、ルーチンを抜ける。尚、次回以降のルーチン実行
時に診断条件が非成立になった場合には、カウント値T
MCATNGはクリアされる。
【0045】一方、ステップS7において、TMCAT
NG>所定値の場合、すなわち、診断条件成立下におい
て触媒劣化ありと判定される条件(THDCAT<CA
TNG)が触媒劣化と確定し得る回数以上になった場合
には、ステップS9で触媒が劣化したと診断して異常発
生時の処理を実施し、触媒劣化診断終了フラグFcatend
をセットしてルーチンを抜ける。
【0046】この触媒劣化診断終了フラグFcatendのセ
ットにより、次回以降のルーチン実行時には、Fcatend
=1によりステップS1からそのままルーチンを抜け、
1運転サイクルにおいて触媒に対する劣化診断結果が1
回得られた時点で、触媒に対する劣化診断が終了され
る。
【0047】そして、例えば、触媒劣化と判定した初回
のときには、第1回目の触媒劣化判定を示すフラグをセ
ットし、既に触媒の劣化と判断されているときには、2
回目の触媒劣化を示すフラグをセットすることで触媒の
劣化と診断結果を確定し、警報ランプ37を点灯或いは
点滅させる等の警告処理を行う。
【0048】その結果、触媒の劣化時には、警報ランプ
37の点灯或いは点滅により運転者は容易に触媒の劣化
を知ることができる。また、ディーラ等のサービス工場
でのトラブルシューティングの際に、外部接続用コネク
タ55にシリアルモニタ60を接続することで、シリア
ルモニタ60によってECU40における第1回目の触
媒劣化を示すフラグ,第2回目の触媒劣化を示すフラグ
によるトラブルデータを読み出して、触媒の劣化を的確
に判断することができる。
【0049】以上のように、触媒劣化診断条件の成立時
に、触媒下流側のリア排気温センサ38bと触媒上流側
のフロント排気温センサ38aとの出力電圧差THDC
ATから触媒の反応熱を検出すると共に、正常な触媒の
浄化作用による反応熱に相当する判定閾値CATNGを
運転状態に応じて設定し、出力電圧差THDCATと判
定閾値CATNGとを比較して触媒の劣化を判定するの
で、O2センサ等の空燃比センサを用いて触媒の劣化判
定をする場合に比較し、センサの経時変化の影響や応答
性に左右されず、排気ガスの影響が大きい運転領域でも
確実且つ精密に触媒の劣化を診断することができる。
【0050】尚、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の変更が可能であり、例えば、本実施の形態において
は、リア排気温センサの出力電圧THRCATからフロ
ント排気温センサの出力電圧THFCATを減算して出
力電圧差THDCATを算出しているが、フロント排気
温センサの出力電圧THFCATとリア排気温センサの
出力電圧THRCATとの差の絶対値|THFCAT−
THRCAT|を出力電圧差THDCATとしてもよ
い。また、フロント排気温センサの出力電圧THFCA
Tからリア排気温センサの出力電圧THRCATを減算
して出力電圧差THDCATとしてもよく、この場合
は、ステップS5における不等号の向きが逆になる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、運転状態に基づいて診断条件が成立するか
否かを判断し、診断条件の成立時、触媒コンバータ下流
のリア排気温センサの出力と触媒コンバータ上流のフロ
ント排気温センサの出力との出力差を算出することで触
媒の反応熱を検出し、両センサの出力差と運転状態に応
じて設定した判定閾値とを比較して触媒の劣化を判定す
るので、空燃比センサを用いて触媒の劣化判定をする場
合のように、センサの経時変化や応答性に影響されるこ
となく、排気ガスの影響が大きい運転領域でも確実且つ
精密に触媒の劣化を診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図2】エンジンの全体概略図
【図3】電子制御系の回路構成図
【符号の説明】
1…エンジン 22…触媒コンバータ 38a…フロント排気温センサ 38b…リア排気温センサ 40…電子制御装置(診断条件判別手段、排気温センサ
出力差算出手段、触媒劣化判定手段) THDCAT…出力電圧差(リア排気温センサの出力と
フロント排気温センサの出力との出力差) CATNG…判定閾値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 360 B01D 53/36 ZABZ Fターム(参考) 3G084 CA05 DA27 EA07 EA11 EB08 EB22 EC01 FA00 FA10 FA13 FA20 FA24 FA27 FA33 FA36 FA38 3G091 AA02 AA17 AA28 AA29 AB01 BA27 BA32 BA33 CB02 CB05 CB07 DA01 DA02 DA08 DB06 DB07 DB10 DC02 DC05 EA01 EA05 EA07 EA12 EA16 EA17 EA26 EA30 EA31 EA34 EA39 FA17 FA18 FA19 HA03 HA36 HA37 HA42 HA47 4D048 AA13 AA18 AB01 DA02 DA06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気系に介装された触媒コン
    バータの上流にフロント排気温センサを配設すると共に
    上記触媒コンバータの下流にリア排気温センサを配設
    し、両排気温センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断
    するエンジンの触媒劣化診断装置であって、 運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断す
    る診断条件判別手段と、 診断条件の成立時、上記リア排気温センサの出力と上記
    フロント排気温センサの出力との出力差を算出する排気
    温センサ出力差算出手段と、 上記出力差と運転状態に応じて設定した判定閾値とを比
    較し、触媒の劣化を判定する触媒劣化判定手段とを備え
    たことを特徴とするエンジンの触媒劣化診断装置。
JP2000089490A 2000-03-28 2000-03-28 エンジンの触媒劣化診断装置 Pending JP2001271639A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000089490A JP2001271639A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 エンジンの触媒劣化診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000089490A JP2001271639A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 エンジンの触媒劣化診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001271639A true JP2001271639A (ja) 2001-10-05

Family

ID=18605243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000089490A Pending JP2001271639A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 エンジンの触媒劣化診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001271639A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006002736A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Toyota Motor Corp パティキュレートフィルタ異常判定方法
JP2008542614A (ja) * 2005-05-31 2008-11-27 ルノー・エス・アー・エス 内燃エンジンの排出ラインにおける排出ガス処理システムの存在を検出するための方法とデバイス
JP6250256B1 (ja) * 2016-08-04 2017-12-20 三井金属鉱業株式会社 触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法
WO2018025729A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 三井金属鉱業株式会社 触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006002736A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Toyota Motor Corp パティキュレートフィルタ異常判定方法
US8074442B2 (en) 2004-06-21 2011-12-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of determining abnormality in particulate filter
JP2008542614A (ja) * 2005-05-31 2008-11-27 ルノー・エス・アー・エス 内燃エンジンの排出ラインにおける排出ガス処理システムの存在を検出するための方法とデバイス
JP6250256B1 (ja) * 2016-08-04 2017-12-20 三井金属鉱業株式会社 触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法
WO2018025729A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 三井金属鉱業株式会社 触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法
US10450934B2 (en) 2016-08-04 2019-10-22 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Catalyst deterioration detecting system and catalyst deterioration detecting method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4618220B2 (ja) ガスセンサの組み付け状態検出方法及びガスセンサの組み付け状態検出装置
JP4831015B2 (ja) 内燃機関の異常診断装置
US4962740A (en) Fuel controller for internal combustion engine
JP2007262945A (ja) 排出ガスセンサの異常診断装置
US5299550A (en) Detecting device and method of an abnormality in an air-fuel ratio control system
JP4453836B2 (ja) エンジンの触媒劣化診断装置及びその方法および排気ガス浄化用の触媒装置
JP2007085176A (ja) 気筒別燃料噴射弁故障診断
JP3560263B2 (ja) エンジンの触媒下流酸素センサの劣化診断装置
JP2010174872A (ja) 内燃機関の二次空気供給システムの異常診断装置
JP2000328930A (ja) エンジンの触媒劣化診断装置
US5337556A (en) Detecting device and method for engine catalyst deterioration
JP2006057523A (ja) エンジン制御システムの異常診断装置
JP2001271639A (ja) エンジンの触媒劣化診断装置
JP3859789B2 (ja) エンジンの失火診断装置
JP3855720B2 (ja) 内燃機関の触媒早期暖機制御システムの異常診断装置
JPH07103055A (ja) エンジンの定常運転判別方法
JP2001073861A (ja) 排気温度センサの診断装置
JP2001271696A (ja) エンジンの触媒劣化診断装置
JP3483968B2 (ja) エンジン制御用センサの異常検出方法
JPH09251027A (ja) 車速センサ系の故障診断装置
JP4223083B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4037485B2 (ja) エンジンの触媒劣化診断装置
JP3544228B2 (ja) 筒内圧センサの自己診断装置と内燃機関における筒内圧に基づく制御のフェールセーフ装置
JPH09303191A (ja) 内燃機関用吸気温センサの異常診断装置
JPH09125946A (ja) エンジンの二次空気供給系の故障診断装置