JP6250256B1 - 触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法 - Google Patents

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Abstract

本発明のシステム(9)は、内燃機関(11)の排気経路(12)に設けられた触媒8の劣化を検出するシステムであって、触媒(8)よりも上流側の排気の温度を検出する手段(5)と、触媒(8)よりも下流側の排気の温度を検出する手段(6)とを備え、触媒(8)の上流及び下流のそれぞれにおいて、加速運転時においては、降温又は一定温度から昇温へと変わる変化点を認識し、減速運転時には昇温又は一定温度から降温へと変わる変化点を認識する認識部(10)と、上流及び下流における変化点の差(△T又は△T’)が所定時間以上となった場合に、触媒(8)が劣化したと判断する判断部(10)とを有する。

Description

本発明は内燃機関の触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法に関する。
自動車やバイク(鞍乗型車両ともいう)等のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガス中にはNOx、HC、CO等の有害成分が含まれている。従来、これらの有害成分を浄化して無害化する目的で三元触媒が用いられている。このような三元触媒として、Pt、Pd、Rh等の貴金属とアルミナ、セリア、ジルコニア又はこれらの複合酸化物とを任意に組み合わせたものが使用されている。
また排出ガス規制として、1990年頃から、米国において、排気ガス浄化用触媒(以下、単に「触媒」ともいう)の劣化等を検出し、これらの異常をOBD(On board diagnosis)が検出した場合は、インパネ上の警告灯を点灯させ運転者に知らせると共に、その故障コードを記憶して、標準規格化されたスキャンツールで読み出せるシステムを車両に取り付けることを義務付けるOBD−II規制が導入されるようになった。同様の規制は欧州や日本などにおいても導入されており、触媒の劣化を安価に汎用的に検出できるシステムが求められている。
従来、触媒劣化検出システムとしては、特許文献1及び2に示されるように、触媒の上流側と下流側にそれぞれOセンサを用いて、Oセンサの出力の変動に基づいて、触媒の劣化の有無を判定するものが一般的である。一方、特許文献3及び4には、Oセンサを用いずに、内燃機関の排気経路における触媒の上流及び下流にそれぞれ温度検出手段を設け、両者の検出温度の温度差に基づいて劣化を検出する技術が記載されている。
特開平8−303280号公報 特開2004−176615号公報 特開2014−62510号公報 US2002/197721A1
しかしながら、通常、Oセンサは白金コートされたジルコニア電解質を用いており高価であるため、特許文献1及び2の記載とは異なり、Oセンサを用いない低コストの触媒劣化検出システムが望まれていた。また特許文献3及び4には、上述した通り、Oセンサを用いずに触媒劣化を検出するシステムが記載されているものの、触媒の上流と下流との温度差を用いることが記載されているにすぎず、また、アクセルやブレーキが多用される実際の運転環境に必ずしも適したものとは言い難かった。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法を提供することにある。
本発明は、内燃機関の排気経路に設けられた触媒の劣化を検出するシステムであって、
前記触媒よりも上流側の排気の温度を検出する上流側温度検出手段と、
前記触媒よりも下流側の排気の温度を検出する下流側温度検出手段とを備え、更に、
(A)加速運転時において、前記上流側温度検出手段が検出する、降温又は一定温度から昇温へと変わる変化点(T1)と、前記下流側温度検出手段が検出する、降温又は一定温度から昇温へと変わる温度の変化点(T2)とを認識する認識部と、当該変化点の差(ΔT=T2−T1)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断する判断部とを備えるか、或いは、
(B)減速運転時において、前記上流側温度検出手段が検出する、昇温又は一定温度から降温へと変わる変化点(T1’)と、前記下流側温度検出手段が検出する、昇温又は一定温度から降温へと変わる温度の変化点(T2’)とを認識する認識部と、当該変化点の差(ΔT’=T2’−T1’)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断する判断部とを備える、触媒劣化検出システムを提供するものである。
また、本発明は、内燃機関の排気経路に設けられた触媒の劣化を検出する方法であって、
前記触媒よりも上流側の排気の温度を検出する上流側温度検出手段と、
前記触媒よりも下流側の排気の温度を検出する下流側温度検出手段とを用い、
(a)加速運転時において、前記上流側の温度検出手段が検出する、降温又は一定温度から昇温へと変わる変化点(T1)と、前記下流側温度検出手段が検出する、降温又は一定温度から昇温へと変わる温度の変化点(T2)とを認識し、当該変化点の差(ΔT=T2−T1)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断するか、或いは、
(b)減速運転時において、前記上流側温度検出手段が検出する、昇温又は一定温度から降温へと変わる変化点(T1’)と、前記下流側温度検出手段が検出する、昇温又は一定温度から降温へと変わる温度の変化点(T2’)とを認識し、当該変化点の差(ΔT’=T2’−T1’)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断する、触媒劣化検出方法を提供するものである。
図1は、内燃機関の制御システムの全体構成の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の触媒劣化検出システムを搭載した車両の加速運転時における車速の変化と、各温度検出手段の検出温度の変化とをプロットしたグラフの一例である。 図3は、本発明の触媒劣化検出システムを搭載した車両の減速運転時における車速の変化と、各温度検出手段の検出温度の変化とをプロットしたグラフの一例である。 図4は、本発明の触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法による処理の一例を示すフローチャートである。 図5(a)は実施例の評価に用いた劣化触媒のCOの排出量であり、図5(b)は当該劣化触媒のHCの排出量であり、図5(c)は当該劣化触媒のNOxの排出量である。 図6(a)及び(b)は、実施例において劣化触媒を用いた場合の変化点の差ΔTを示すグラフである。図6(a)は0km/hから32km/hに加速した場合のグラフであり、図6(b)は0km/hから50km/hに加速した場合のグラフである。 図7は、実施例における触媒劣化検出回数を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
図1には本実施形態の触媒劣化検出システム9を搭載した内燃機関の制御システム50を示す。この制御システム50としては例えば車両のエンジンの制御システムが挙げられる。図1に示す制御システム50は、エンジン11とエンジン11の排気ガスを外部に導く排気管12とを有しており、触媒8がその排気管12の途中に設置されている。排気管12の形状は限定されないが、図1に示すように、触媒8の設置箇所より上流の位置に、触媒8に向かって拡径になる部分を有するように設けられていてもよい。触媒8は、エンジン11の排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)を酸化して二酸化炭素と水に浄化する酸化触媒であり、好ましくはこれらの酸化と、NOxの窒素への還元を同時に行う三元触媒である。触媒としては、Pt、Pd、Rh等の貴金属とアルミナ、セリア、ジルコニア、又はこれらの複合酸化物を組み合わせた粉体が挙げられる。この粉体は、通常、触媒支持体上に担持されている触媒層として用いられている。この触媒支持体は、例えば、セラミックス又は金属材料からなる。また、触媒支持体の形状は、特に限定されるものではないが、一般的にはハニカム形状、板、ペレット、DPF、GPF等の形状であり、好ましくはハニカム、DPF又はGPFである。また、このような触媒支持体の材質としては、例えば、アルミナ(Al)、ムライト(3Al−2SiO)、コージェライト(2MgO−2Al−5SiO)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、炭化ケイ素(SiC)等のセラミックスや、ステンレス等の金属材料を挙げることができる。
図1に示す本実施形態の触媒劣化検出システム9は、排気経路(図1に示す例では排気管12)における触媒8の上流側の温度を検出する上流側温度検出手段5と、排気経路(図1に示す例では排気管12)における触媒8の下流側の温度を検出する下流側温度検出手段6と、上流側温度検出手段5で検出された温度の変化点T1及びT1’並びに下流側温度検出手段6で検出された温度の変化点T2及びT2’を認識し、これらの変化点に基づき触媒の劣化を判断するECU(Engine Control Unit)10とを有している。上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6としては、温度センサを用いることができる。温度センサの具体例としては、熱電対、測温抵抗体が挙げられる。図1において上流側温度検出手段5は排気管12における触媒8の上流側に設置され、下流側温度検出手段6は、排気管12における触媒8の下流側に設置されている。上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6は、排気管12をその長手方向と直交する断面としたときに、その断面の略中央部分の温度を検出可能に設置されることが望ましい。断面の略中央部分とは、前記断面における、排気管の中心から排気管内面までの距離のうち、3分の2以内、好ましくは3分の1以内の範囲であればよい。前記断面における排気管の中心とは、排気管の前記断面が円形の場合は該円の中心であり、円形以外の場合は、当該断面の内部に描ける円のうち最も大きい円の中心である。なお、以下排気管12の断面と記載する場合、特に断らない限り、排気管12の長手方向と直交する断面を指す。
図1のエンジン制御システム50において、エンジンの吸気圧、エンジン回転数、スロットル開度及び、空燃比はそれぞれ、Pbセンサ1、Neセンサ2、Thセンサ3、Oセンサ4により検知され、ECU(Engine Control Unit)10により制御される。図1に示すように、これらPbセンサ1、Neセンサ2、Thセンサ3、Oセンサ4も触媒劣化検出システム9に含むことができる。
本実施形態の触媒劣化検出システム9は、図1に示す内燃機関の制御システム50の一部として、内燃機関を有する車両、航空機、船舶等の輸送手段や発電機等の装置に設けられる。触媒劣化検出システム9は、内燃機関の加速運転時又は減速運転時における、触媒8の上流及び下流における検出温度の傾きが反転した時間の間隔に基づき、触媒劣化を検出する。なおここでいう反転としては、傾きがプラスからマイナスに転じた場合、及び、マイナスからプラスに転じた場合が挙げられるほか、ゼロからプラス又はマイナスに転じた場合も含まれる。車両等の輸送手段の加速運転(例えば輸送手段の移動速度(km/h)の増加)時には、内燃機関の加速運転(例えばエンジンシャフトの回転速度(rpm)の増加)が起こる。同様に車両の減速運転(例えば輸送手段の移動速度(km/h)の減少)時には、内燃機関の減速運転(例えばエンジンシャフトの回転速度(rpm)の減少)が起こる。このため、本実施形態の触媒劣化検出システム9は、車両等の輸送手段に搭載された場合、輸送手段の加速運転時又は減速運転時における、上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6の検出温度の傾きが反転した時間の間隔に基づき、触媒劣化を検出することができる。輸送手段の加速運転とは、例えば車両であれば、加速度0.52m/sec以上の加速、又は加速前と加速後の速度差が30km/h以上の加速が好ましい。また輸送手段の減速運転とは、例えば車両であれば、減速度0.52m/sec以上の減速、又は減速前と減速後の速度差が20km/h以上の減速が好ましい。
図2に、本実施形態の触媒劣化検出システム9(及びこれを含む内燃機関の制御システム50)を搭載した輸送手段の加速運転時における、車速の変化と、上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6の検出温度の変化をプロットした例を示す。図2に示すように、輸送手段の加速運転時には、内燃機関の加速運転に伴い、排気ガスの温度が高くなるため、上流側温度検出手段5の検出温度は直ちに降温又は一定温度から昇温へと変化し、降温又は一定温度から昇温への変化点T1を与える。一方下流側温度検出手段6の検出温度は、上流側温度検出手段に比べて遅れて降温又は一定温度から昇温に変化し、変化点T2a又はT2bを与える。この遅れは、エンジン11と下流側温度検出手段6との距離のみならず、触媒8が排気ガスに接触することにより、触媒8による酸化反応が起こり、それが発熱反応であることを反映したものとなる。本発明者は、触媒劣化の程度が大きいほど下流側温度検出手段6の降温又は一定温度から昇温への変化が遅く起こること、及びこれを利用することにより触媒の劣化を検出できることを知見した。これは、触媒の劣化が進行しているほど、触媒によるHCやCOの酸化反応が遅れることによるものと考えられる。
同様に、輸送手段の減速運転時においても、内燃機関の減速運転が起こり、上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6の昇温又は一定温度からの降温が起こる。図3に、本実施形態の触媒劣化検出システム9(及びこれを含む内燃機関の制御システム50)を搭載した輸送手段の減速運転時における車両の車速の変化と、各温度検出手段の検出温度の変化とをプロットした例を示す。図3に示すように、輸送手段の減速運転時には、内燃機関の減速運転に伴い、排気ガスの温度が低くなるため、上流側温度検出手段5は、昇温又は一定温度から降温への変化点T1’を検出する。一方、下流側温度検出手段6は、上流側温度検出手段に比べて遅れて昇温又は一定温度から降温への変化点T2’a又はT2’bを検出する。この際に、触媒8の劣化の程度が大きいほど、下流側温度検出手段6の昇温又は一定温度からの降温の変化は、上流側温度検出手段5の昇温又は一定温度からの降温の変化に対して遅れる。このため、加速運転時と同様に、変化点T1’及びT2’の差△T’を利用して、触媒の劣化を検出できる。
本実施形態による劣化検出の例を図4のフローチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、ステップ1で、内燃機関又はこれを搭載する輸送手段等の加速運転又は減速運転が行われているか否かを判断する。この判断は例えば、エンジンシャフトの回転速度をNeセンサ2で検出し、その情報に基づいてECU10により行われる。ECU10は、CPU及びメモリ等の演算処理手段からなる。YESの場合はステップ2に進み、触媒8の温度を測定し、ECU10により触媒8の温度が所定範囲内であるか否か判断する。触媒8の温度が一定以上であると、排気ガスとの接触時に酸化反応が十分に起こり、△Tの判定を容易とすることができる。このステップ2において所定範囲として設定する触媒8の温度範囲とは、300℃以上600℃以下であることが好ましく、400℃以上500℃以下であることがより好ましい。触媒8の温度の測定は、下流側温度検出手段6により行ってもよく、或いは、触媒8中に挿入した別の温度検出手段により行ってもよい。このように、本発明における認識部と判断部は同一の制御装置であって問題ない。
なお、前記のように一定温度に触媒8が加温した状態においてステップ1で内燃機関及びこれを搭載する輸送手段等を加速運転する場面とは、例えば内燃機関が車のエンジンである場合には、一定速度で走行した状態から車速を加速する場合や、アイドリング状態又は車速の減速状態から車速を加速する場面が挙げられる。また一定温度に触媒8が加温した状態においてステップ1で内燃機関及びこれを搭載する輸送手段等を減速する場面とは、例えば内燃機関が車のエンジンである場合には、一定速度で走行した状態又は車速を昇温した状態から車速を減速する場合が挙げられる。
ステップ2の判断がYESの場合はステップ3に進み、ステップ1で加速運転と判断された場合は、ECU10が、上流側温度検出手段5の検出温度の変化点T1及び下流側温度検出手段6の検出温度の変化点T2を認識し、△T(=T2−T1)を算出する。一方、ステップ2で減速運転と判断された場合は、上流側温度検出手段5の検出温度の変化点T1’及び下流側温度検出手段6の検出温度の変化点T2’を認識し、△T’(=T2’−T1’)を算出する。
降温又は一定温度から昇温への変化の有無の認識の条件は、劣化検出が効率よく行われるものに適宜設定することができる。降温又は一定温度から昇温への変化点の認識は例えば、計測周期を0.1秒間隔とした際に、上流側温度検出手段5の直前の温度計測履歴より計測温度が0.1℃以上プラスに3回連続で移行した点を変化点T1と認識し、下流側温度検出手段6も同様に直前の温度計測履歴より、計測温度が0.1℃以上プラスに3回連続で移行した点を変化点T2と認識するようにしてなされる。また昇温又は一定温度から降温への変化点の認識も同様に、例えば計測周期を0.1秒間隔とした際に、上流側温度検出手段5の直前の温度計測履歴より、計測温度が0.1℃以下マイナスに3回連続で移行した点を変化点T1’と認識し、下流側温度検出手段6も同様に直前の温度計測履歴より、計測温度が0.1℃以下マイナスに3回連続で移行した点を変化点T2’と認識するようにしてなされる。
次いでステップ4で、ECU10が、ステップ3で算出された△T又は△T’が所定値以上であるか否かを判断し、YESの場合は、ステップ5においてECU10が、モニター7上に警報を表示させるための信号を出力する。なお、ステップ1、ステップ2、ステップ4でNOであった場合は、フローを終了し、所定時間経過後に再度同じフローを開始する。判断基準となる所定値は、システムの具体的構成に適した値を任意に設定すればよい。
図2に戻り更に本実施形態の触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法を説明する。本発明者は、上記の△Tを用いた触媒劣化検出時における劣化検出感度を高める方法を検討し、上流側温度検出手段及び下流側温度検出手段の時定数を異ならせることに到達した。時定数は、周辺環境の昇温又は降温に対する温度検出手段の応答速度の指標である。本発明者は、図2のように、上流側温度検出手段5に比べて時定数が小さい(時定数の絶対値が小さい)下流側温度検出手段6は、降温又は一定温度から昇温への変化(変化点T2b)が、上流側温度検出手段5と時定数が同じである場合の当該変化(変化点T2a)に比べて遅くなり、これにより△Tを長くできることを確認した。更に検討したところ、実際に、上流側温度検出手段5と下流側温度検出手段6との時定数を異ならせたことで、触媒劣化の検出効率を効果的に高めることができることを確認した。なお、上流側温度検出手段の時定数よりも下流側温度検出手段の時定数を小さくさせた方が、変化点の変化が大きくなり、△Tを長くさせることができる観点からより好ましい。
図3に示すように減速運転の場合も同様であり、上流側温度検出手段5に比べて時定数が小さい(時定数の絶対値が小さい)下流側温度検出手段6は、昇温又は一定温度から降温への変化(変化点T2’b)が、上流側温度検出手段5と時定数が同じである場合の当該変化(変化点T2’a)に比べて遅くなり、これにより△T’を長くできる。
本実施形態において、上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6に係る時定数は、それぞれ周辺環境の昇温時と降温時で異なり、以下の様にして測定できる。
昇温時の時定数については、各温度検出手段を、検出温度25℃の状態から、450℃の排気ガスが流速5L/secで流れる断面積21.06cm、長さ245mmのステンレス製の排気管の長手方向の中央部分に、排気管断面の中央の温度を検知するように設置した時の該温度検出手段の温度変化を0.1秒ごとに405℃までプロットしてグラフを得る。このグラフを一次関数に回帰させ、得られた一次関数直線における傾き(単位:℃/sec)を、昇温時の時定数とする。
一方、降温時の時定数については、各温度検出手段を、検出温度450℃の排気ガスが流速5L/secで流れる断面積21.06cm、長さ245mmのステンレス製の排気管の長手方向の中央部分に設置した状態から、25℃の大気中で風速が16.7m/secの大気中に設置した時の該温度検出手段の温度変化を0.1秒ごとに30℃までプロットしてグラフを得る。このグラフを一次関数に回帰させ、得られた一次関数直線における傾き(単位:℃/sec)を、降温時の時定数とする。また時定数の測定に用いる排気ガスとしては、実施例で時定数の測定に用いたものを用いる。
昇温時における上流側温度検出手段5の時定数(以下「時定数tα−r」ともいう)と、昇温時における下流側温度検出手段6の時定数(以下「時定数tβ−r」ともいう)の比tβ−r/tα−rは、一定以上であることにより、劣化検出感度をより一層高めることができ、一定以下であることにより、上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6両方における変化点の抽出容易性を確保しやすくなる。これらの点から、tβ−r/tα−rは0.15以上0.85以下であることが好ましく、0.25以上0.80以下がより好ましく、0.25以上0.50以下がさらに好ましい。また、昇温時における上流側温度検出手段5の時定数tα−rは20.0℃/sec以上であることが好ましく、27.0℃/sec以上がより好ましい。昇温時における下流側温度検出手段6の時定数tβ−rは5.0℃/sec以上11.5℃/sec以下であることが好ましく、7.0℃/sec以上7.5℃/sec以下がより好ましい。
降温時における上流側温度検出手段5の時定数(以下「時定数tα−l」ともいう)と、降温時における下流側温度検出手段6の時定数(以下「時定数tβ−l」ともいう)の比tβ−l/tα−lは、一定以上であることにより、劣化検出感度をより一層高めることができ、一定以下であることにより、上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6両方における変化点の抽出容易性を確保しやすくなる。これらの点から、tβ−l/tα−lは0.05以上0.70以下であることが好ましく、0.25以上0.65以下であることがより好ましく、0.25以上0.45以下がさらに好ましい。降温時における上流側温度検出手段5の時定数tα−lは−16.0℃/sec以下であることが好ましく、−26.0℃/sec以下であることがより好ましい。降温時における下流側温度検出手段6の時定数tβ−lは−9.0℃/sec以上−2.0℃/sec以下であることが好ましく、−7.7℃/sec以上−7.2℃/sec以下であることがより好ましい。
更に検出頻度を高くする観点から、昇温時及び降温時の時定数の絶対値が何れも2.0〜25.0の範囲内にあることが好ましく、5.0〜20.0の範囲内にあることがより好ましく、特に5.5〜8.5の範囲内にあることが、△Tの検出頻度を最も高くさせる観点から好ましい。
上流側温度検出手段5と下流側温度検出手段6とで時定数を異ならせる方法としては、例えば上流側温度検出手段5と下流側温度検出手段6としてシース熱電対を用い、これらのシース熱電対の素材を異ならせる方法、シース径を異ならせる方法や当該シース熱電対の外周に当該シース熱電対の熱伝導率とは異なる熱伝導率を有する障壁材を取り付ける方法等が挙げられる。この方法であると、上流側温度検出手段5と下流側温度検出手段6について、異なる時定数の検出手段を容易に得られるため、劣化検出感度が高く低コストで汎用性が高い触媒劣化検出システムを容易に得ることができる。
シース熱電対としては、種類の異なる二本の素線を先端で互いに接続し、2つの接続部間に温度差が生じたとき閉回路に熱起電力が発生し、回路に電流が流れるゼーペック効果を利用して温度を測定するものが知られている。測温側の接続部を測温接点という。シース熱電対は、保護管であるシース内に熱電対素線を納め、絶縁物で充填密封して一体化したものである。
シース熱電対は、JIS規格熱電対であってもよく、JIS規格外の熱電対であってもよいが、内燃機関の200℃〜800℃程度の排気温度に対応可能なものが好ましく、例えばクロメルーアルメル(K)熱電対、白金―白金/ロジウム(R)熱電対、ナイクロシル―ナイシル(N)熱電対等が好ましく挙げられる。またシースの材質としては、金属が好ましく、例えば、ステンレス(SUS316、SUS310S、SUS347)、クロム・ニッケル合金(NCF600)等が挙げられる。無機絶縁物の材質としては、酸化マグネシウム(MgO)等が挙げられる。シース熱電対の長さは限定されないが、例えば0.15m以上0.5m以下のものが一般的である。上流側及び下流側の温度検出手段としてシース熱電対を用いる場合、これらの種類や材質等は同じであってもよく、異なっていてもよい。
シース径とは、シースの、その長手方向における測温接点部分における断面(シース長手方向に直交する断面)が円形である場合、その測温接点部分の外径(外側の直径)をいう。また、該断面が円形以外の形状である場合、該断面におけるシースの外形の内側に存在する部分(シースの肉厚部分を含む)の面積を円換算した径をいう。なお、シースの肉厚は特に限定されないが、シース径に応じて設定され、シース径が異なる2種のシース熱電対では、シース径が大きい熱電対の方がシースの肉厚も大きくなる場合が多い。
シース熱電対のシース径を異ならせる場合は、上流側温度検出手段5として用いるシース熱電対のシース径よりも、下流側温度検出手段6として用いるシース熱電対のシース径を大きくすることが、触媒劣化の検出感度を効果的に高める点から好ましい。具体的には、上流側温度検出手段5として用いるシース熱電対のシース径をφ1とし、下流側温度検出手段6として用いるシース熱電対のシース径をφ2としたときに、φ1とφ2との比φ2/φ1が1より大きいことが好ましく、4.5以下であることが好ましく、2.0以上4.0以下であることが検出感度を特に高める観点からより好ましい。
シース熱電対のシース径については、上記の好ましい時定数を有するものであれば特に限定はしないものの、例えばシース径φ1が1.6mm以上であると、腐食などの耐久性を防止できる点から好ましく、2.3mm以下であると、△Tを大きくしやすいため、劣化検出感度を高めやすい点から好ましい。一方、シース径φ2が2.3mm以上であると、△Tを大きくしやすいため、劣化検出感度を高めやすい点や腐食などの耐久性の点から好ましく、シース径φ2が4.8mm以下であると、T2を検知しやすいため、劣化検出感度を高めやすい点から好ましい。
エンジン11の排気経路(排気管12)において、触媒8の入口側端部8aと上流側温度検出手段5の温度検出位置との距離L1(図1参照)と、触媒8の出口側端部8bと下流側温度検出手段6の温度検出位置との距離L2(図1参照)との比率L2/L1は、0.18以上であることが、△T(又は△T’)を一定以上とすることができ劣化検出感度を高めやすい点やレイアウトの自由度の点から好ましく、5.00以下であることが、T2(又はT2’)を検知しやすい点やレイアウトの自由度の点から好ましい。この点から、L2/L1は0.18以上5.00以下であることが好ましく、0.5以上3.0以下であることがより好ましい。入口側とは、排気経路12の排気の入口側を意味し、出口側とは、排気経路12における排気の出口側を意味する。
内燃機関の種類や触媒の種類(用いる貴金属の配置・比率、触媒材料、触媒の長さ・直径等)にもよるが、L1は好ましくは20mm以上400mm以下であり、より好ましくは20mm以上110mm以下であることが排気熱によるT1(T1’)の正確な検知や触媒劣化検出感度を高める点から好ましい。またL2は好ましくは20mm以上100mm以下、より好ましくは20mm以上70mm以下であることが、触媒劣化検出感度を高める点や、T2(T2’)の正確な検知の点等から好ましい。
内燃機関としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ハイブリッドエンジンのほか、天然ガス、エタノール、ジメチルエーテル等を燃料として用いるエンジン等を用いることができる。中でもガソリンエンジンであることが、排気ガスの熱量が大きいことから、△T(又は△T’)に基づく劣化検出の判断が容易であるため好ましい。
以上の本実施形態の触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法は、低コスト、汎用性や劣化検出感度を生かして、自動車やバイク(鞍乗型車両)等のエンジンから排出される排気ガスを浄化するための排気ガス浄化用触媒の劣化を検出するために好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔参考例1〜6:時定数の測定〕
下記表1に記載のシース径を有するシース熱電対(いずれもニッカトー社製)を用いた。450℃の排気ガスが流速5L/secで流れる断面積21.06cmのステンレス(SUS304)製の排気管(長さ245mm)の長手方向の中心に、25℃のシース熱電対を、排気管の断面中央の温度を検出するように挿入し、405℃まで、熱電対の検出温度を0.1秒ごとにプロットした。また、25℃の大気中で風速16.7m/secの環境下に、450℃のシース熱電対を設置し、30℃まで、熱電対の検出温度を0.1秒ごとにプロットした。
上記の各参考例において得られた時間−温度のグラフを、計算ソフト(Excel ver.2010)により一次関数に回帰させた。この一次関数の傾きを、時定数として表1に示す。排気ガスとしては、体積基準において以下の組成のものを用いた。CO100ppm、CO15.0%、THC 50ppm、O 0.01%以下、NO50ppm、Nbalance
〔参考例7:劣化触媒の調製〕
試験用触媒8として、三元触媒(三井金属鉱業社製)を、30時間、65時間又は100時間、エンジンベンチに配置して触媒温度を900℃以上にして劣化させる処理を施したものをそれぞれ用意した。劣化処理の時間(以下、劣化耐久時間ともいう)が異なるこれらの各劣化触媒を、車両のガソリンエンジン下流の排気管における触媒設置箇所に取り付けた状態で試験走行させ、排気管の排気口から排出されたCO、HC、NOxのそれぞれの排出量(g/km)を測定した。COの測定には堀場製作所社製AIA−720を用い、HCの測定には堀場製作所社製FIA−720を用い、NOxの測定には堀場製作所社製CLA−720Aを用いた。触媒の劣化耐久時間に対するCO、HC、NOxのそれぞれの排出量を図5に示す。
〔実施例1〕
ガソリンエンジンを搭載した鞍乗型車両に、本実施形態の触媒劣化検出システム9を含むエンジン制御システム50を触媒の劣化検出用として設置した。劣化耐久時間が異なる前記の各劣化触媒(参考例7において排気ガス量測定後のもの)をこのシステム50に触媒8として搭載した。上流側温度検出手段5及び下流側温度検出手段6として参考例1で用いた、シース径1.6mmのシース熱電対を用いた。上流側温度検出手段5を、その温度検出位置が、排気管における、触媒8の入口側端部8aから20mm上流側に離間した位置となるように設置した。また、下流側温度検出手段6を、その温度検出位置が、触媒8の出口側端部8bから60mm下流側に離間した位置となるように設置した。
〔実施例2〜6〕
下流側温度検出手段6として、シース径が直径2.3mm、3.2mm、4.8mm、6.4mm又は8.0mmであるもの(参考例2〜6で用いたもの)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、劣化耐久時間が異なる3種の劣化触媒を用いたシステムを用意した。各実施例と下流側温度検出手段6のシース径との対応は図6(a)及び(b)に記載の通りである。
〔評価1−1〕
各実施例の触媒劣化検出システムについて、これを搭載した鞍乗型車両を60km/hで15分間走行させた後、20秒かけて0km/hまで減速させてアイドリング状態で1分間停止し、次いで12秒かけて0km/hから32km/hまで、又は、26秒かけて0km/hから50km/hまで加速した。この加速時における降温から昇温へと変わる変化点T1と降温から昇温へと変わる変化点T2とを抽出し、変化点の差(ΔT=T2−T1)を測定した。各劣化触媒の劣化耐久時間に対して、変化点の差ΔTをプロットしたグラフを図6に示す。
図6の記載から明らかなように、各実施例においては、劣化耐久時間が大きくなるにつれて、△Tが大きくなっている。このように、本発明のシステムは、劣化の進行に応じた△Tを検出でき、触媒の劣化検出に有用であることが判る。更に図6の記載から、下流側温度検出手段におけるシース径(時定数)が上流側温度検出手段と同じ場合よりも、上流側温度検出手段に比して、下流側温度検出手段の時定数の絶対値を小さく(シース径を大きく)した場合の方が、劣化耐久時間が長くて検出が容易であり、またCO、HC、NOx排出量に示される劣化の程度が△Tに反映されやすいことが判る。
〔評価1−2〕
劣化耐久時間が30、65又は100時間である前記の各劣化触媒を用い、前記評価1−1と同様の加速試験をそれぞれ12回繰り返した(0km/hから32km/hまでの加速を6回、0km/hから50km/hまでの加速を6回)。計12回の試験のうち、初期の暖気部分に相当する加速試験の初回(0km/hから32km/hまでの加速の1回目、0km/hから50km/hまでの加速の1回目)に関しては立ち上がり段階で検知性能が安定しにくいため、これらを除いた計10回における、触媒劣化程度に対応する△Tの検知回数を求めた。得られたグラフを図7に示す。触媒劣化程度に対応する△Tが確認できたか否かの判断は、具体的には、加速運転に入った直後の上流温度データ及び下流温度データより、それぞれ昇温に変化した変化点以降の秒数(試験時の累積時間)を記録し、その時間差として△Tを求め、この時間差△Tが劣化耐久時間に応じて長くなることを確認して行った。
図7の記載から、特に、シース径が直径3.2mm〜6.4mmのものが、触媒劣化程度に応じた△Tの検出頻度が最も高いことが判る。
なお、上記評価1−2について、初期の暖気部分に相当する加速試験の初回(0km/hから32km/hまでの加速の1回目、0km/hから50km/hまでの加速の1回目)を含めて同様に△Tに応じた検知回数を求めると、実施例1が6回、実施例2が6回、実施例3が6回、実施例4が10回、実施例5が6回、実施例6が5回となった。従って検知性能が安定しにくい初回を含めたとしても、本発明のシステムにより△Tの検出が十分可能であることも示された。
〔評価1−3〕
図6に示すように、上記評価1−1において、実施例1は触媒8の入口側端部8aと下流側温度検出手段6の温度検出位置との距離L2が60mmの場合には、△Tが0という結果になった。しかしながら実施例1について、触媒8の出口側端部8bと下流側温度検出手段6の温度検出位置との距離L2を20mmに変更して前記の評価1−1と同様の評価を行ったところ、劣化耐久時間に対する△Tは以下表2の結果となった。このように本発明の触媒劣化検出システムは、下流側温度検出手段におけるシース径(時定数)が上流側温度検出手段と同じ場合であっても、L2を調整すれば十分に触媒の劣化を検出可能である。
〔評価2〕
上述した実施例3の触媒劣化検出システムに関し、評価1−1〜1−3とは逆に、減速試験での△T検知評価を行なった。即ち、劣化耐久時間が30、65又は100時間である前記の各劣化触媒を用い、減速試験をそれぞれ5回繰り返した(70km/hから50km/hまでの減速を5回)。このうち、減速の初回及び2回目に関しては、初期の暖気部分に相当するため、これを除いた計3回の試験において触媒劣化程度に対応する△Tの確認有無を評価した。結果として、3回のいずれにおいても△Tを検知することができた。
本発明によれば、Oセンサを使用することなく簡便に触媒の劣化を検出でき、汎用性が高く、低コストの触媒劣化検出システム及び触媒劣化検出方法が提供される。
1 Pbセンサ
2 Neセンサ
3 Thセンサ
4 Oセンサ
5 上流側温度検出手段
6 下流側温度検出手段
7 モニター
8 触媒
8a 入口側端部
8b 出口側端部
9 触媒劣化検出システム
10 Engine Control Unit(ECU)
11 エンジン
12 排気管
50 エンジン制御システム


Claims (7)

  1. 内燃機関の排気経路に設けられた触媒の劣化を検出するシステムであって、
    前記触媒よりも上流側の排気の温度を検出する上流側温度検出手段と、
    前記触媒よりも下流側の排気の温度を検出する下流側温度検出手段とを備え、更に、
    (A)加速運転時において、前記上流側温度検出手段が検出する、降温又は一定温度から昇温へと変わる変化点(T1)と、前記下流側温度検出手段が検出する、降温又は一定温度から昇温へと変わる温度の変化点(T2)とを認識する認識部と、当該変化点の差(ΔT=T2−T1)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断する判断部とを備えるか、或いは、
    (B)減速運転時において、前記上流側温度検出手段が検出する、昇温又は一定温度から降温へと変わる変化点(T1’)と、前記下流側温度検出手段が検出する、昇温又は一定温度から降温へと変わる温度の変化点(T2’)とを認識する認識部と、当該変化点の差(ΔT’=T2’−T1’)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断する判断部とを備える、触媒劣化検出システム。
  2. 加速運転時において、前記上流側温度検出手段が検出する、降温から昇温へと変わる変化点(T1)と、前記下流側温度検出手段が検出する、降温から昇温へと変わる温度の変化点(T2)とを認識する認識部と、当該変化点の差(ΔT=T2−T1)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断する判断部とを備える、請求項1に記載の触媒劣化検出システム。
  3. 前記上流側温度検出手段と前記下流側温度検出手段とは、時定数が異なる、請求項1又は2に記載の触媒劣化検出システム。
  4. 前記上流側温度検出手段と前記下流側温度検出手段とはいずれもシース熱電対からなり、前記上流側温度検出手段として用いるシース熱電対のシース径と、前記下流側温度検出手段として用いるシース熱電対のシース径とが異なる、請求項1〜3の何れか一項に記載の触媒劣化検出システム。
  5. 前記触媒入口側端部から前記上流側温度検出手段の温度検出位置までの距離L1と、前記触媒出口側端部から前記下流側温度検出手段の温度検出位置までの距離L2との比(L2/L1)は、0.18以上5.00以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の触媒劣化検出システム。
  6. 内燃機関がガソリンエンジンである、請求項1〜5の何れか1項に記載の触媒劣化検出システム。
  7. 内燃機関の排気経路に設けられた触媒の劣化を検出する方法であって、
    前記触媒よりも上流側の排気の温度を検出する上流側温度検出手段と、
    前記触媒よりも下流側の排気の温度を検出する下流側温度検出手段とを用い、
    (a)加速運転時において、前記上流側の温度検出手段が検出する、降温又は一定温度から昇温へと変わる変化点(T1)と、前記下流側温度検出手段が検出する、降温又は一定温度から昇温へと変わる温度の変化点(T2)とを認識し、当該変化点の差(ΔT=T2−T1)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断するか、或いは、
    (b)減速運転時において、前記上流側温度検出手段が検出する、昇温又は一定温度から降温へと変わる変化点(T1’)と、前記下流側温度検出手段が検出する、昇温又は一定温度から降温へと変わる温度の変化点(T2’)とを認識し、当該変化点の差(ΔT’=T2’−T1’)が所定時間以上となった場合に、触媒が劣化したと判断する、触媒劣化検出方法。
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