JP2008019201A - エクソ−トリシクロデカンの製造方法 - Google Patents
エクソ−トリシクロデカンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008019201A JP2008019201A JP2006191939A JP2006191939A JP2008019201A JP 2008019201 A JP2008019201 A JP 2008019201A JP 2006191939 A JP2006191939 A JP 2006191939A JP 2006191939 A JP2006191939 A JP 2006191939A JP 2008019201 A JP2008019201 A JP 2008019201A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exo
- tcd
- tricyclo
- decane
- endo
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
【解決手段】フッ化水素および三フッ化ホウ素の存在下、エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを異性化して、エクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを得ることを特徴とする、エクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの製造方法。
【選択図】 なし
Description
このため、他の触媒によるエクソ−TCDの合成法が望まれていた。
(1)フッ化水素および三フッ化ホウ素の存在下、式(1)で表されるエンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを異性化して、式(2)で表されるエクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを得ることを特徴とする、エクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの製造方法。
(3)エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン1モルに対して三フッ化ホウ素0.01モル以上2モル以下を使用する、(1)に記載のエクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの製造方法。
(5)エクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン純度が98wt%以上であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のエクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの製造方法。
かかるDCPDは、例えば、ナフサの熱分解の際に副生するC5留分からイソプレンを抽出した残りのC5留分を二量化処理する方法により得られるDCPD含有量の比較的高い留分を、工業的に通常用いられる精留装置を用いて未反応物や副生成物を除去し、DCPD含有量を高めることにより得られる。
例えば、回分式では、電磁撹拌装置付オートクレーブに、エンド−TCD、無水HFおよびBF3を仕込み、内容物を撹拌し液温を−20℃〜100℃に保った後、氷の中に内容物を採取し油層を得てガスクロマトグラフィーで分析しエクソ−TCDの生成を確認できる。反応によりエクソ−TCD・HF−BF3錯体が生成し、該錯体は氷中に採取すると、直ちに分解し、HF−BF3は水層、エクソ−TCDは油層に分かれる。
例えば連続式では、まず始めに電磁撹拌装置付オートクレーブに、無水HFおよびBF3を仕込み、内容物を撹拌し液温を−20℃〜100℃に設定し、温度を一定に保つような状態にした後、エンド−TCDを供給する半回分式の反応を行う。さらに続けて、無水HFおよびBF3も供給開始し、反応液を氷水の中に連続的に抜き出す。反応液がオートクレーブ中に滞留する時間は、0.3〜5時間が好ましい。これよりも滞留時間が短いと反応が十分に進まない、またこれよりも長いと装置が大きくなり効率が悪い。得られた油層をガスクロマトグラフィーで分析し、エクソ−TCDの生成を確認できる。
熱分解により得られた粗生成物は蒸留することにより容易に精製することができ、高純度エクソ−TCDを得ることができる。
<エンド−TCDの合成>
温度を制御できる内容積5リットルの電磁撹拌装置付オートクレーブ(SUS316L製)に市販の高純度DCPD(丸善石油化学製、HDCP、純度99.6重量%) 1800g、n−ヘプタン 360g、Cu−Cr水添触媒(日揮化学製、N203S)90gを仕込み、水素置換後、反応温度140℃、水素圧2MPaで、水素の吸収が認められなくなるまで約10時間反応させた。反応液は濾過によりCu−Cr水添触媒を取り除き、次いで蒸留等の常法により精製し、原料であるエンド−TCD 1740gを得た。(純度95.5重量%)
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
ガスクロマトグラフィーは、島津製作所製GC−17AとキャピラリーカラムとしてAgilent Technologies製 DB−WAX(0.32mmφ×30m)を用いた。100℃で60分保持後、100℃から220℃まで5℃/min.で昇温し、6分保持した。
温度を制御できる内容積1リットルの電磁撹拌装置付オートクレーブ(SUS316L製)に、無水HF 100.0g(5.00モル)、BF3 8.8g(0.13モル)を仕込み、内容物を撹拌し液温を60℃に保ったまま、上記で得られたエンド−TCD85.0g(0.60モル)とn−ヘプタン85.0gとを混合した原料を供給し、1時間保った後、氷の中に内容物を採取し、中和処理をして得られた油層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、エクソ−TCD93.6重量%、アダマンタン1.6重量%、エンド−TCD0.8重量%、その他4.0重量%であった。
油層の全量を、理論段数20段の蒸留塔を用いて精製し、72.8gの製品を得た。エクソ−TCD純度98.8重量%であった。
BF3を81.4g(1.2モル)使用し、反応温度を30℃で行った以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、エクソ−TCD85.0重量%、アダマンタン7.0重量%、エンド−TCD1.2重量%、その他6.8重量%であった。
BF3を0.68g(0.01モル)使用し、反応時間を6時間行った以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、エクソ−TCD85.7重量%、アダマンタン0.3重量%、エンド−TCD10.0重量%、その他4.0重量%であった。
(異性化反応)
ナックドライブ式攪拌機と上部に3個の入口ノズル、底部に1個の抜き出しノズルを備え、ジャケットにより内部温度を制御できる内容積10リットルのステンレス製オートクレーブに、HF 1100g(55.0モル)、BF3 93.0g(1.4モル)を導入し、内容物を撹拌し液温を60℃に保ったまま、エンド−TCD936g(6.9モル)とn−ヘプタン936gとを混合した原料をオートクレーブ上部より約90分かけて供給し異性化反応を行った。得られたエクソ−TCD・HF−BF3錯体のHF溶液の小量をサンプリングし氷水中に採取して、中和処理をして得られた油層をガスクロマトグラフィーで分析して反応成績を求めたところ、エクソ−TCD93.2重量%、アダマンタン1.5重量%、エンド−TCD0.4重量%、その他4.9重量%であった。
(錯体熱分解)
内径76cm、長さ176cmの蒸留塔にテフロン(登録商標)製ラシヒリングを充填し、上記で得られたエクソ−TCD・HF−BF3錯体のHF溶液の分解を行った。蒸留塔の中段に供給するエクソ−TCD・HF−BF3錯体のHF溶液の供給流量は310g/Hとし、分解助剤としてn−ヘプタンを蒸留塔の下段に400g/H供給した。塔内圧力は0.2MPa、塔底温度155℃、塔底液抜液量700g/Hであった。塔頂部より触媒であるHFとBF3を回収し、塔底部よりエクソ−TCDを大量のn−ヘプタンと共に抜出した。塔底部の無機フッ素分/エクソ−TCDは50ppm、錯体分解率は99.9%であった。また得られた塔底液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、エクソ−TCD93.2重量%、アダマンタン1.6重量%、エンド−TCD0.2重量%、その他5.0重量%であった。
(蒸留精製)
得られた塔底液を2質量%NaOH水溶液で中和水洗後、理論段数20段の精留塔を用いて精留を行ったところ、主留部分として純度99.2重量%のエクソ−TCD 802gが得られた。
Claims (5)
- エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン1モルに対してフッ化水素2モル以上30モル以下を使用する、請求項1に記載のエクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの製造方法。
- エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン1モルに対して三フッ化ホウ素0.01モル以上2モル以下を使用する、請求項1に記載のエクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの製造方法。
- 反応温度が−20℃から100℃の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のエクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの製造方法。
- エクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン純度が98重量%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のエクソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006191939A JP2008019201A (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | エクソ−トリシクロデカンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006191939A JP2008019201A (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | エクソ−トリシクロデカンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008019201A true JP2008019201A (ja) | 2008-01-31 |
Family
ID=39075448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006191939A Pending JP2008019201A (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | エクソ−トリシクロデカンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008019201A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009139319A1 (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | アダマンタンの製造方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2937211A (en) * | 1958-10-17 | 1960-05-17 | Du Pont | Chemical process |
JPS5035151A (ja) * | 1973-08-01 | 1975-04-03 | ||
US4086284A (en) * | 1976-09-03 | 1978-04-25 | Suntech, Inc. | Isomerization of endo-tetrahydrodicyclopentadiene to a missile fuel diluent |
JPS60209536A (ja) * | 1984-04-04 | 1985-10-22 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造法 |
JP2001151705A (ja) * | 1999-11-24 | 2001-06-05 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | アダマンタンの製造方法 |
JP2002255866A (ja) * | 2001-03-05 | 2002-09-11 | Nippon Zeon Co Ltd | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法 |
JP2002302460A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-18 | Nippon Zeon Co Ltd | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法および異性化反応用触媒 |
JP2003128593A (ja) * | 2001-10-18 | 2003-05-08 | Nippon Zeon Co Ltd | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法 |
-
2006
- 2006-07-12 JP JP2006191939A patent/JP2008019201A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2937211A (en) * | 1958-10-17 | 1960-05-17 | Du Pont | Chemical process |
JPS5035151A (ja) * | 1973-08-01 | 1975-04-03 | ||
US4086284A (en) * | 1976-09-03 | 1978-04-25 | Suntech, Inc. | Isomerization of endo-tetrahydrodicyclopentadiene to a missile fuel diluent |
JPS60209536A (ja) * | 1984-04-04 | 1985-10-22 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造法 |
JP2001151705A (ja) * | 1999-11-24 | 2001-06-05 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | アダマンタンの製造方法 |
JP2002255866A (ja) * | 2001-03-05 | 2002-09-11 | Nippon Zeon Co Ltd | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法 |
JP2002302460A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-18 | Nippon Zeon Co Ltd | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法および異性化反応用触媒 |
JP2003128593A (ja) * | 2001-10-18 | 2003-05-08 | Nippon Zeon Co Ltd | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6012001010; Journal of Organic Chemistry Vol.51, No.26, 1986, p.5410-5413 * |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009139319A1 (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | アダマンタンの製造方法 |
KR20110021766A (ko) * | 2008-05-14 | 2011-03-04 | 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 | 아다만탄의 제조방법 |
CN102026942A (zh) * | 2008-05-14 | 2011-04-20 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 金刚烷的制造方法 |
US8188326B2 (en) | 2008-05-14 | 2012-05-29 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Process for producing adamantane |
RU2494084C2 (ru) * | 2008-05-14 | 2013-09-27 | Мицубиси Гэс Кемикал Компани, Инк. | Способ получения адамантана |
CN102026942B (zh) * | 2008-05-14 | 2014-05-28 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 金刚烷的制造方法 |
JP5531953B2 (ja) * | 2008-05-14 | 2014-06-25 | 三菱瓦斯化学株式会社 | アダマンタンの製造方法 |
KR101588067B1 (ko) * | 2008-05-14 | 2016-01-22 | 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 | 아다만탄의 제조방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007504206A (ja) | 分枝鎖炭化水素の製造方法 | |
EP1586554B1 (en) | Purification of 1,3-bis(aminomethyl)cyclohexane by distillation | |
WO2010109650A1 (ja) | 3-メチル-シクロペンタデセノン類の製造方法、r/s-ムスコンの製造方法および光学活性ムスコンの製造方法 | |
CN110536880B (zh) | 茚满甲醛的制造方法 | |
KR101639487B1 (ko) | 공정 단순화를 위한 트랜스-1,4-사이클로헥산디메탄올 제조장치 | |
KR101588067B1 (ko) | 아다만탄의 제조방법 | |
KR101659171B1 (ko) | 트랜스-1,4-사이클로헥산디메탄올의 직접 제조방법 | |
JP2008019201A (ja) | エクソ−トリシクロデカンの製造方法 | |
JP7184039B2 (ja) | ジシアノシクロヘキサンの製造方法 | |
US3960964A (en) | Hydrocarbon upgrading process | |
JP2018076282A (ja) | トランス‐シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2‐ヒドロキシアルキル)の製造方法 | |
JP6003755B2 (ja) | ラクタムの精製方法 | |
JP2002255866A (ja) | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法 | |
WO2011027755A1 (ja) | ヒドリンダンの製造方法及び溶剤 | |
JP2009051758A (ja) | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法 | |
JP2000063299A (ja) | インデンの製造法 | |
JP2003128593A (ja) | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法 | |
US3966828A (en) | Secondary alcohol process | |
JPS62904B2 (ja) | ||
US3956090A (en) | Hydrocarbon upgrading process in paraffin oxime production | |
US3949012A (en) | Hydrocarbon upgrading process | |
JPH0395136A (ja) | メチルイソブチルケトンの製造法 | |
JP4725137B2 (ja) | エキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸の製造方法 | |
WO2018078961A1 (ja) | トランス‐シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2‐ヒドロキシアルキル)の製造方法およびシクロヘキサンジカルボン酸ビス(2‐ヒドロキシアルキル) | |
JP2002302460A (ja) | エキソ−テトラヒドロジシクロペンタジエンの製造方法および異性化反応用触媒 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20090623 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120117 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Effective date: 20120124 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20120319 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121211 |