JP2008018766A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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一成 山本
Kiyotake Shibata
清武 柴田
Hiroshi Kawamura
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Abstract

【課題】 駆動輪用および従動輪用の車輪用軸受装置において、ハブ輪の低コスト化を図る。
【解決手段】 車輪80の内周に嵌合する円筒状のパイロット部Pを、ブレーキロータ70の内径部に形成する。これによりハブ輪の形状、特にアウトボード側の形状が簡略化されるので、ハブ輪を冷間鍛造等で低コストに製作することが可能となる。アウトボード側等速自在継手30の外側継手部材31とハブ輪10はナット部材90で結合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車輪(駆動車輪、従動車輪を問わない)を支持する車輪用軸受装置に関する。
エンジンからの動力を駆動車輪に伝達するドライブシャフト1は、図9に示すように、アウトボード側(車幅方向の車体側部の側)の固定型等速自在継手J1と、インボード側(車幅方向の車体中心の側)の摺動型等速自在継手J2とを中間軸2で結合した構成を有する。アウトボード側の等速自在継手J1は、車輪軸受3で回転自在に支持されたハブ輪4に結合され、インボード側の等速自在継手J2は、ディファレンシャル5に結合される。
車輪軸受3は、ハブ輪4の外周に固定した軸受内輪3aと、車体側の懸架装置から延びるナックル部材6に固定した軸受外輪3bと、軸受内輪3aと軸受外輪3bの間に複列配置した転動体3cとを有する。通常、ハブ輪4の外周に軸受内輪3aを圧入することによって両者が固定される。軸受外輪3bとナックル部材6の固定は、軸受外輪3bのフランジ3b1をナックル部材6にボルト止めして行うのが通例である。
従来のドライブシャフト1の車両への組付けは、予めハブ輪4および車輪軸受3をナックル部材6に固定した状態で、ドライブシャフト1のアウトボード側の軸端(外側継手部材7のステム部7a)をハブ輪4の内周に挿入し、ハブ輪4から突出した軸端にナット8を螺合させることによって行われる(例えば、特許文献1参照)。ナット8の締め付けに伴い、ドライブシャフト1の全体がアウトボード側にスライドし、外側継手部材7の肩部7bが軸受内輪3aの端面に当接する。これにより、外側継手部材7とハブ輪4とが軸方向で位置決めされ、かつ車輪軸受3に所定の予圧が付与される。外側継手部材7のステム部7aの外周面とハブ輪4の内周面は、図示しないスプラインで結合され、外側継手部材7に伝達されたエンジンの駆動力は、当該スプライン、さらにはハブ輪4を介して車輪Wに伝達される。
ハブ輪4のアウトボード側の軸端にはパイロット部4aが一体に形成されている。このパイロット部4aの外周面にブレーキロータ9および車輪Wの各内周面が嵌合している。
特開2004−270855号公報
このように従来では、ハブ輪4にパイロット部4aを設けているので、ハブ輪4の形状が複雑化している。そのため、ハブ輪の製造過程では、旋削工程が不可欠である。また、パイロット部には防錆塗装を施す必要もある。これらの点がハブ輪の高コスト化を招く要因になっている。
そこで、本発明は、車輪用軸受装置におけるハブ輪の低コスト化を図ることを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、内周に複数のアウタレースを有する外方部材と、車輪取付けフランジを一体に有するハブ輪、およびハブ輪の外周に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記アウタレースと対向する複数のインナレースを有する内方部材と、対向するアウタレースとインナレースとの間に配置された複数列の転動体とを有する車輪用軸受装置において、車輪内周に嵌合するパイロット部を、ハブ輪以外の別部材に設けた。
これにより、ハブ輪の形状を簡略化することができ、ハブ輪を低コスト加工法、例えば冷間鍛造のみで形成することが可能となる。また、ハブ輪への車輪固着防止用の防錆処理も不要となる。
ハブ輪に対する内輪の軸方向の位置決めは、ナット部材の締め込み力を利用して行うことができる。この場合、ナット部材からの締め込み力を受けるハブ輪の座面は、冷間鍛造、あるいは旋削加工で形成することができる。冷間鍛造であれば、座面を低コストに形成することができ、旋削加工であれば、精度の良い座面を得ることができる。ハブ輪を冷間鍛造してから所要部位に旋削加工を施して座面を仕上げるようにすれば、高精度の座面を低コストに形成することが可能となる。
パイロット部として、プレス加工品を使用することも可能である。この場合、パイロット部は、例えばハブ輪の開口部に嵌合して用いられる。この他、ナット部材にパイロット部を形成することもできる。
パイロット部を設ける別部材としては、ブレーキロータも考えられる。通常、ブレーキロータは鋳造で製作されるので、ブレーキロータにパイロット部を形成しても、そのコストアップは最低限に抑えられる。
ハブ輪の車輪取付けフランジの外径部をブレーキロータの案内面にすることで、ブレーキロータをハブ輪に組み付ける際、その組み付け作業をスムーズに行うことができる。この場合、車輪取付けフランジの外径部の精度を確保するため、当該外径部は旋削加工で形成するのが望ましい。
本発明によれば、ハブ輪の低コスト化を図ることができ、延いては車輪用軸受装置全体の低コスト化を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の実施形態を以下に詳述する。
図1に本発明にかかる車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す。この軸受装置は、駆動車輪用のもので、ハブ輪10、軸受部20、アウトボード側等速自在継手30、およびナット部材90で構成される。
ハブ輪10は中空状で、その外周面に車輪80を取り付けるための車輪取付けフランジ11を備えている。この車輪取付けフランジ11の円周方向に複数のボルト穴12が形成され、このボルト穴12にはブレーキロータ70および車輪80を固定するためのホイールボルト14が植設される。従来と異なり、ハブ輪10のアウトボード側にはパイロット部が設けられておらず、車輪取付けフランジ11のアウトボード側端面がハブ輪10の中で最もアウトボード側に位置する。ハブ輪10のインボード側の外周面に形成された小径段部13には、内輪28が適当な締め代をもって圧入されている。内輪28の内周面と小径段部13の外周面との間には止め輪29(図6参照)を介在させることもできる。
軸受部20は、背面配列した複列アンギュラ玉軸受構造で、複列のインナレース21およびアウタレース22と、対向するインナレース21とアウタレース22との間に配置した転動体23と、アウトボード側(図面左側)の転動体列およびインボード側(図面右側)の転動体列をそれぞれ円周方向等間隔に保持する保持器24とを有する。図示例では、アウトボード側のインナレース21がハブ輪10の外周面に、インボード側のインナレース21が内輪28の外周面にそれぞれ一列ずつ形成されている。この場合、ハブ輪10および内輪28が複列のインナレースを有する内方部材25を構成する。
なお、図示は省略するが、ハブ輪10の外周面に圧入した内輪に複列のインナレース21を形成してもよい。この場合、内輪が複列のインナレース21を有する内方部材25を構成する。また、ハブ輪10の外周面に二つの内輪を圧入させ、各内輪に一列ずつインナレースを形成してもよい。この場合は、二つの内輪が複列のインナレースを有する内方部材25を構成する。
アウタレース22は、リング状一体の外方部材26の内周面に形成されている。外方部材26の外周面26aには、車体の懸架装置から延びるナックル部材6に固定するための車体取付けフランジ26cが形成されている。外方部材26の外周面26aをナックル部材6の内周面6aにアウトボード側から挿入して隙間嵌めで嵌合させ、その後、車体取付けフランジ26cを円周方向の複数箇所でナックル部材6にボルト止めすることで、外方部材26がナックル部材6に固定される。外方部材26の軸方向両端の内周面には、シール27a、27bが圧入固定されている。
アウトボード側のシール27aは、芯金をゴム等の弾性材料で被覆して内径側に複数(例えば3つ)のシールリップを形成した構成で、芯金を外方部材26の内周面に圧入することで外方部材26に固定される。シールリップは、ハブ輪10の外周面とフランジ部11のインボード側端面にそれぞれ接触している。
インボード側のシール27bは、カセットシールと呼ばれるもので、芯金の内径側に形成した複数(例えば3つ)のシールリップを断面逆L字型のスリンガに接触させた構成を有する。芯金を外方部材26の内周面に圧入し、スリンガを内輪28の外周面に圧入することで、シール27bが開口部に固定される。これらシール27a、27bによって軸受部20の両端開口部が密封され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
なお、図示例の軸受部20では、転動体23としてボールを例示しているが、車重が嵩む場合等には、転動体23として円錐ころを使用することもできる。
アウトボード側等速自在継手30は、ドライブシャフト1を構成する中間軸2(図8参照)のアウトボード側の一端に設けられ、内周面に曲線状のトラック溝が形成された外側継手部材31と、外側継手部材31のトラック溝と対向する曲線状のトラック溝が外周面に形成された内側継手部材32と、外側継手部材31のトラック溝と内側継手部材32のトラック溝との間に組み込まれたトルク伝達ボール33と、外側継手部材31と内側継手部材32との間に介在してトルク伝達ボール33を円周方向等間隔に保持するケージ34とで構成される。内側継手部材32は、その内周に挿入した中間軸2のアウトボード側の軸端とセレーションを介して結合されている。
外側継手部材31は、例えば冷間鍛造によって製作され、内側継手部材32、ケージ34およびトルク伝達ボール33を収容したマウス部31aと、マウス部31aから軸方向に一体的に延びる中実のステム部31bとを有する。
図1に示すように、ステム部31bはハブ輪10の内周に挿入され、スプライン60を介してハブ輪10とトルク伝達可能に結合される。ステム部31bの軸端には雄ねじ31b1が形成されている。この雄ねじ31b1にナット部材90を螺合させて所定トルクで締め込むことにより、外側継手部材31の肩面38が内輪28のインボード側の端面と当接し、さらに内輪28のアウトボード側の端面がハブ輪10と軸方向で当接する。これにより、複列のインナレース21の間隔が規定寸法に保持され、かつ軸受部20に所定の予圧が付与される。
ナット部材90は、ハブ輪10のアウトボード側の端部に形成されたナット収容部16に収容される。ナット部材90の座部91は、ナット部材90の締め込みにより、ナット収容部16の座面18に圧接する。図1に示す実施形態では、ナット収容部16が座面18も含めて冷間鍛造で成形される。
ブレーキロータ70は、車輪取付けフランジ11のアウトボード側端面に密着させて配置される。ブレーキロータ70には、その円周方向複数箇所にホイールボルト14を挿通するための孔71が形成され、その内径端にパイロット部Pが形成されている。パイロット部Pの外周面P1は円筒面状をなし、この外周面P1にブレーキロータ70の内周面および車輪80の内周面が嵌合している。車輪取付けフランジ11のボルト穴12に植設されたホイールボルト14の先端は、ブレーキロータ70の孔71および車輪80の孔81を貫通してアウトボード側に突出している。ホイールボルト14の先端にホイールナット(図示省略)を螺合させて締め込むことで、ハブ輪10、ブレーキロータ70、および車輪80が一体に保持される。
このように、ブレーキロータ70にパイロット部Pを形成すれば、図9に示す従来構造に比べて、ハブ輪10のアウトボード側の形状を簡略化することができる。そのため、ナット収容部16の座面18も含めて、ハブ輪10全体を冷間鍛造で成形することが可能となり、かつハブ輪10がパイロット部を持たないことから、ハブ輪10への車輪固着防止用の防錆処理も不要となる。以上から、ハブ輪10の製作コストを低廉化することができる。ブレーキロータ70は、鋳造法で製作するのが通例であるので、たとえパイロット部Pを設けることにより、ブレーキロータ70の形状が複雑化したとしても、その製作コストの上昇は最低限に抑えることができる。
図1に示すように、車輪取付けフランジ11の外径部11aはブレーキロータ70に形成された円筒面73に嵌合させるのが望ましい。これにより、ブレーキロータ70をハブ輪10に組み付ける際、車輪取付けフランジ11の外径部11aがブレーキロータ70を案内する案内面として機能するので、ブレーキロータ70の組み付け作業性を高めることができる。
図8は、ドライブシャフトアセンブリの断面図である。このドライブシャフトアセンブリは、ドライブシャフト1、ハブ輪10、および軸受部20で構成される。ドライブシャフト1は、アウトボード側等速自在継手30(固定型等速自在継手)とインボード側等速自在継手40(摺動型等速自在継手)とを中間軸2を介して結合した構成を有する。
インボード側等速自在継手40は、例えばトリポード型等速自在継手で構成される。このインボード側等速自在継手40は、中間軸2のインボード側の一端に設けられ、内周面に直線状のトラック溝が形成された外側継手部材41と、外側継手部材41のトラック溝を転動するローラ43と、中間軸2に結合され、ローラ43を回転自在に支持する内側継手部材42とを主要な構成要素とする。インボード側等速自在継手40として、ダブルオフセット型等速自在継手を使用することもできる。
以上のドライブシャフトアセンブリにおいては、図8に示すように、アウトボード側等速自在継手30の最大外径寸法D1、およびインボード側等速自在継手40の最大外径寸法D2をナックル部材6の最小内径寸法Dnよりも小さくするのが望ましい(D1<Dn、D2<Dn)。これにより、ドライブシャフト1とハブ輪10と軸受部20とを予めアセンブリにした状態(ドライブシャフトアセンブリ)でも車両への組み付けが可能となる。すなわち、アウトボード側等速自在継手30の外側継手部材31とハブ輪10とをナット部材90を用いて結合した状態で、インボード側等速自在継手40、中間軸2、アウトボード側等速自在継手30の順に順次ナックル部材6の内周に挿入する。次いで、外方部材26の車体取付けフランジ26cをナックル部材6にボルト止めすることにより、ドライブシャフト、ハブ輪、および軸受部の車両への組み付けが同時に完了する。
従来のドライブシャフトの組付け工程(図9参照)では、車輪軸受3およびハブ輪4を組付けたナックル部材6を、予め中立位置からキングピンセンタを中心として旋回させた位置で待機させ、この状態でドライブシャフトのアウトボード側等速自在継手をハブ輪に固定し、さらにナックル部材6を中立位置に戻してからインボード側等速自在継手をディファレンシャル5に固定するという煩雑な作業を必要としている。
これに対し、上記組付け工程では、ドライブシャフト、ハブ輪、および軸受部の車両への組み付けが同時に完了するので、組付け作業現場での作業工数を減じることができ、作業性が高まる。また、ドライブシャフトアセンブリの押し込み方向が一定であるので、組み付け時の作業性も良好となる。この場合、従来工程のようにナックル部材6を旋回させる必要もないので、作業スペースも最小限で足りる。
ここで、ナックル部材6の「最小内径寸法Dn」は、ナックル部材6のうちで最も内径側に存在する部分の内径寸法を意味する。図1に示す実施形態のように、ナックル部材6の内周面6aが平滑な円筒面である場合、内周面6aの内径寸法が「最小内径寸法」となる。
また、等速自在継手30、40の「最大外径寸法D1、D2」は、図8に示すブーツ37およびブーツバンド36等の付属品も含めた等速自在継手において、最も外径側に存在する部分の外径寸法をいう。例えばアウトボード側等速自在継手30では、ブーツ最大径部37a(図6参照)の外径寸法がアウトボード側等速自在継手30の最大外径寸法D1となる。
以上の手順でドライブシャフトアセンブリを車体に組付けた後、図1に示すように、ハブ輪10にブレーキロータ70および車輪80が組付けられる。
図2は、車輪用軸受装置の第2の実施形態を示すものであり、ナット収容部16の座面18を旋削加工で仕上げた点が図1に示す第1の実施形態と異なる。すなわち、ナット収容部16を冷間鍛造で成形した後(鍛造面を符号19で示す)、その表面に旋削加工を施して座面18を所定の表面精度に仕上げたものである。このように、座面18を旋削加工で仕上げることにより、座面18の加工精度が高まるので、軸受部20の予圧管理をより高精度に行うことが可能となる。ナット収容部16を冷間鍛造で成形した後、座面16を旋削加工で仕上げれば、ナット収容部16全体を旋削加工で形成する場合に比べ、高精度の座面16がより一層低コストに得られる。
パイロット部Pはブレーキロータ70以外の別部材に形成することもできる。図3に示す第3の実施形態、および図4に示す第4の実施形態は、何れもパイロット部Pを金属板のプレス加工でハブ輪10と別部材として成形したもので、図3は断面逆L字型に形成したパイロット部Pを示し、図4はカップ状に形成したパイロット部Pを示している。何れの構成でもパイロット部Pは、ハブ輪10のアウトボード側の開口部に圧入等の手段で固定され、車輪取付けフランジ11のアウトボード側端面よりもアウトボード側に突出した円筒面P1を具備している。各円筒面P1にブレーキロータ70の内周面、および車輪80の内周面が嵌合される。
図5に車輪用軸受装置の第5の実施形態を示す。この実施形態は、パイロット部Pをナット部材90に形成したものである。ここでのナット部材90は、フランジ状のパイロット部Pを一体形成した構成を有する。ナット部材90の座部91は図1に示すナット部材90の座部91に比べて厚肉に形成されており、これによりパイロット部Pは車輪取付けフランジ11のアウトボード側端面よりもアウトボード側に配置される。このパイロット部Pの円筒状の外周面P1にブレーキロータ70の内周面および車輪80の内周面が嵌合されている。
図6に車輪用軸受装置の第6の実施形態を示す。上記第1〜第5の実施形態では、外方部材26に車体取付けフランジ26cを設け、このフランジ26cをナックル部材6にボルト止めしているが、この第6の実施形態では、外方部材26の外周面26aが車体側のナックル部材6の内周面6aに嵌合組込みされる。
ここでいう嵌合組込みは、外方部材26をナックル部材6に嵌合することにより両者の組込みが完了することを意味する。この組込みは、例えば外方部材26の円筒面状の外周面26aをナックル部材6の円筒状内周面6aにアウトボード側から圧入することにより行うことができる。
必要に応じて、ナックル部材6の内周面6aのインボード側端部には、外方部材26の端面と軸方向で係合する凸部6bが設けられる。凸部6bを設けた場合、図6に示すように、アウトボード側から圧入した外方部材26のインボード側端面が凸部6bに当接すると同時に、ナックル部材6の内周面6aに形成した止め輪溝6cと外方部材26の外周面26aに形成した止め輪溝26bとが対向し、外方部材26の止め輪溝26bに収容した止め輪53が弾性的に拡径してナックル部材6および外方部材26の双方と軸方向で係合する。このようにナックル部材6の内周面に凸部6bを設けた場合、凸部6bの内径寸法がナックル部材の「最小内径寸法Dn」となる。外方部材26の圧入だけでも十分な固定力が得られる場合は、ナックル部材6の凸部6bを省略することができ、あるいは止め輪53を省略することができる。
図6に示すように、止め輪53をインボード側の転動体23とアウトボード側の転動体23の軸方向中心線Oよりもアウトボード側に配設した場合、外方部材26の圧入時における止め輪53のナックル部材内周面6aに対する摺動距離を短縮できるので、止め輪53の引きずりによるナックル部材内周面6aの損傷回避を図ることができる。
このように外方部材26の外周面26aに圧入面を設け、この外方部材26をナックル部材6の内周に圧入固定することにより、フランジ付き外方部材26をナックル部材6の複数箇所にボルト止めする場合(図1〜図5参照)に比べ、ボルトの締結作業を省略でき、その分だけ部品点数や作業工数を減じて低コスト化を図ることができる。
また、外方部材26をナックル部材6に圧入することで、圧入後の外方部材26には、ラジアル方向の縮径力が作用し、この縮径力によって軸受隙間が縮小する。従って、ナット部材90の締め込みによる予備予圧量を加味して圧入代を適切に設定すれば、圧入後に適正量の負隙間(例えば0〜100μm、好ましくは0〜30μm)を得ることが可能となる。なお、0よりも大きい正隙間であると、軸受剛性が不充分となって耐久性が低下し、負隙間量が100μmを上回ると、逆に予圧が過大となって異常発熱の原因となる点が問題となる。外方部材26の圧入に際し、各アウタレース22の外径側で圧入代を均一に設定しておけば、軸受部20に付与される予圧量を安定化させることができる。
以上の各実施形態では、車輪用軸受装置として、アウトボード側等速自在継手30を有する駆動車輪用のものを例示しているが、これ以外にも等速自在継手を具備しない従動車輪用の軸受装置にも本発明を適用することが可能である。
車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す断面図である。 車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す断面図である。 車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す断面図である。 車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す断面図である。 車輪用軸受装置の第5の実施形態を示す断面図である。 車輪用軸受装置の第6の実施形態を示す断面図である。 第6の実施形態の車輪用軸受装置を用いたドライブシャフトの断面図である。 第1の実施形態の車輪用軸受装置を用いたドライブシャフトの断面図である。 車両の懸架装置周りの概略構造を示す断面図である。
符号の説明
1 ドライブシャフト
2 中間軸
6 ナックル部材
10 ハブ輪
11 車輪取付けフランジ
11a 外径部
14 ホイールボルト
16 ナット収容部
18 座面
20 軸受部
21 インナレース
22 アウタレース
23 転動体
24 保持器
25 内方部材
26 外方部材
26a 外周面
27a シール
27b シール
28 内輪
30 アウトボード側等速自在継手
31 外側継手部材
31a マウス部
31b ステム部
32 内側継手部材
33 トルク伝達ボール
34 ケージ
36 ブーツバンド
37 ブーツ
38 肩面
40 インボード側等速自在継手
70 ブレーキロータ
80 車輪
90 ナット部材
91 座部
P パイロット部
Dn ナックル部材の最小内径寸法
D1 アウトボード側等速自在継手の最大外径寸法
D2 インボード側等速自在継手の最大外径寸法
本発明では、上記目的を達成するために、内周に複数のアウタレースを有し、ナックル部材に固定される外方部材と、車輪取付けフランジを一体に有するハブ輪、およびハブ輪の外周に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記アウタレースと対向する複数のインナレースを有する内方部材と、対向するアウタレースとインナレースとの間に配置された複数列の転動体と、ハブ輪とトルク伝達可能に結合された外側継手部材を含む等速自在継手とを有する車輪用軸受装置において、車輪内周に嵌合するパイロット部をブレーキロータに形成すると共に、ハブ輪の車輪取付けフランジの外径部をブレーキロータの案内面にし、かつ等速自在継手の最大外径寸法を、ナックル部材の最小内径寸法よりも小さくした
本発明では、上記目的を達成するために、内周に複数のアウタレースを有し、ナックル部材に固定される外方部材と、車輪取付けフランジを一体に有するハブ輪、およびハブ輪の外周に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記アウタレースと対向する複数のインナレースを有する内方部材と、対向するアウタレースとインナレースとの間に配置された複数列の転動体と、ハブ輪とトルク伝達可能に結合された外側継手部材を含む等速自在継手とを有する車輪用軸受装置において、車輪内周に嵌合するパイロット部をブレーキロータに形成すると共に、ハブ輪の車輪取付けフランジの外径部をブレーキロータの案内面にし、かつ等速自在継手の最大外径寸法を、ナックル部材の最小内径寸法よりも小さくし、外側継手部材に螺合したナット部材の締め込みでハブ輪に対する内輪の軸方向の位置決めを行うと共に、ナット部材からの締め込み力を受けるハブ輪の座面を冷間鍛造で形成し、車輪取付けフランジの内径側で、かつ該フランジの軸方向全域にわたり、前記座面を有するナット収容部を設けた。
また、内周に複数のアウタレースを有し、ナックル部材に固定される外方部材と、車輪取付けフランジを一体に有するハブ輪、およびハブ輪の外周に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記アウタレースと対向する複数のインナレースを有する内方部材と、対向するアウタレースとインナレースとの間に配置された複数列の転動体と、ハブ輪とトルク伝達可能に結合された外側継手部材を含む等速自在継手とを有する車輪用軸受装置において、車輪内周に嵌合するパイロット部をブレーキロータに形成すると共に、ハブ輪の車輪取付けフランジの外径部をブレーキロータの案内面にし、かつ等速自在継手の最大外径寸法を、ナックル部材の最小内径寸法よりも小さくし、外側継手部材に螺合したナット部材の締め込みでハブ輪に対する内輪の軸方向の位置決めを行うと共に、ナット部材からの締め込み力を受けるハブ輪の座面を旋削加工で形成し、車輪取付けフランジの内径側で、かつ該フランジの軸方向全域にわたり、前記座面を有するナット収容部を設けた。
これにより、ハブ輪の形状を簡略化することができ、ハブ輪を低コスト加工法、例えば冷間鍛造で形成することが可能となる。また、ハブ輪への車輪固着防止用の防錆処理も不要となる。
ナット部材からの締め込み力を受けるハブ輪の座面は、冷間鍛造、あるいは旋削加工で形成される。冷間鍛造であれば、座面を低コストに形成することができ、旋削加工であれば、精度の良い座面を得ることができる。ハブ輪を冷間鍛造してから所要部位に旋削加工を施して座面を仕上げるようにすれば、高精度の座面を低コストに形成することが可能となる。
通常、ブレーキロータは鋳造で製作されるので、ブレーキロータにパイロット部を形成しても、そのコストアップは最低限に抑えられる。
ブレーキロータ70は、車輪取付けフランジ11のアウトボード側端面に密着させて配置される。ブレーキロータ70には、その円周方向複数箇所にホイールボルト14を挿通するための孔71が形成され、その内径端にパイロット部Pが形成されている。パイロット部Pの外周面P1は円筒面状をなし、この外周面P1に車輪80の内周面が嵌合している。車輪取付けフランジ11のボルト穴12に植設されたホイールボルト14の先端は、ブレーキロータ70の孔71および車輪80の孔81を貫通してアウトボード側に突出している。ホイールボルト14の先端にホイールナット(図示省略)を螺合させて締め込むことで、ハブ輪10、ブレーキロータ70、および車輪80が一体に保持される。

Claims (8)

  1. 内周に複数のアウタレースを有する外方部材と、車輪取付けフランジを一体に有するハブ輪、およびハブ輪の外周に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記アウタレースと対向する複数のインナレースを有する内方部材と、対向するアウタレースとインナレースとの間に配置された複数列の転動体とを有する車輪用軸受装置において、
    車輪内周に嵌合するパイロット部を、ハブ輪以外の別部材に設けたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. ハブ輪の座面を冷間鍛造で形成した請求項1記載の車輪用軸受装置。
  3. ハブ輪の座面を旋削加工で形成した請求項1記載の車輪用軸受装置。
  4. パイロット部をプレス加工で形成した請求項1〜3何れか記載の車輪用軸受装置。
  5. パイロット部をナット部材に形成した請求項1〜3何れか記載の車輪用軸受装置。
  6. パイロット部をブレーキロータに形成した請求項1〜3何れか記載の車輪用軸受装置。
  7. ハブ輪の車輪取付けフランジ外径部をブレーキロータの案内面にした請求項6記載の車輪用軸受装置。
  8. ハブ輪の車輪取付けフランジ外径部を旋削加工で形成した請求項7記載の車輪用軸受装置。
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