JP2008018715A - Icタグラベル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部からの衝撃等に対する耐性とラベル表面への印刷性に優れ、かつ被着体から剥がす際にも壊れにくいICタグラベルを提供する。
【解決手段】インレット2の送受信アンテナ30上には、送受信アンテナ30全体を覆うように第1の粘着材層20が送受信アンテナ30と、第2の粘着材層50の一部に粘着されて積層されている。第2の粘着材層50上には、ラベル表皮材10が第1の粘着材層20全体を覆うように積層されている。第2の粘着材層50はICチップ40及びその近傍で開口されているため、ICチップ40はその開口部3に格納された構造となっている。この開口部3に格納されたICチップ40は、被着体60に固定されていない。
【選択図】図1
【解決手段】インレット2の送受信アンテナ30上には、送受信アンテナ30全体を覆うように第1の粘着材層20が送受信アンテナ30と、第2の粘着材層50の一部に粘着されて積層されている。第2の粘着材層50上には、ラベル表皮材10が第1の粘着材層20全体を覆うように積層されている。第2の粘着材層50はICチップ40及びその近傍で開口されているため、ICチップ40はその開口部3に格納された構造となっている。この開口部3に格納されたICチップ40は、被着体60に固定されていない。
【選択図】図1
Description
本発明は、ICチップを搭載した非接触式固体識別システムに用いられるICタグラベル及びその製造方法に関する。
近年、ICタグを用いる非接触式個体識別システムは、物のライフサイクル全体を管理するシステムとして、製造、物流、販売、リサイクルのすべての業態で注目されている。例えば、13.56MHz帯を利用した電磁誘導方式のICタグを利用した実証実験は、アパレル、家電、航空、出版、農業等の各業界で進められており、アパレルなどの一部の業界ではすでに実用化が図られている。
また、近年では数メートルの通信距離が可能であるという特徴によってUHF波やマイクロ波を用いる電波方式のICタグが注目されており、現在、大量の商品の物流管理や製造物履歴管理、セキュリティ管理等を目的にシステムの構築が進められている。
ICタグを用いた非接触式個体識別システムで大量の商品の物流及び物品管理を実現するためには、商品の1つ1つにICタグを取り付ける必要がある。そのためには安価で信頼性に優れたICタグを大量に生産しうる技術が不可欠である。
ICタグの前段階であり、ICチップを送受信アンテナに実装した形態であるインレット(インレイとも呼ばれる)を安価に、かつ大量に生産しうる技術に関しては、本発明者らが先に出願した特許文献1、2等がある。
但し、インレットはICチップや送受信アンテナが剥き出しの状態であるため、被着体に取付けた場合には外部からの力によって簡単に壊れやすい。従って、ICタグとして使用するためにはインレットの保護材が必要となる。
ICタグの形状としては、紙、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂シート等でラミネートしたタグや、樹脂成型品などがあるが、安価という利点から使用されるのがラベルである。
しかしながら、ラベルはインレットの上から、粘着材を介して薄手の表皮材料である紙やポリエチレンテレフタレートフィルム等を被せた構成であるため、図6に示すようにICチップ実装部が突起状になりやすく、外部からの圧力や衝撃には弱いという欠点がある。
図6はインレットと被着体60との間の全面に粘着材層(第2の粘着材層50)が形成されている従来例の断面を示す。特に、図6(a)は断面図であり、図6(b)はICチップ近傍の断面の拡大図である。図6(a)に示すようにラベル表皮材10、第1の粘着材層20、送受信アンテナ30、ICチップ40及び第2の粘着材層50が被着体60上に積層されている。ICチップ40は、ベースチップ41と、ベースチップ41の回路面上に形成された外部電極42からなる。外部電極42は、送受信アンテナ30の接続部に接続している。このように、ICチップ40は外部電極42を介して送受信アンテナ30に実装してなり、送受信アンテナ30と共にインレットを構成している。インレットの送受信アンテナ30上には、第1の粘着材層20を介して薄手のラベル表皮材10が被せられている。ラベル表皮材10としては、紙やポリエチレンテレフタレートフィルム等が用いられる。
図6(a)に示す構成では、第2の粘着材層50上に、厚みを持っているICチップ40がその部分だけ突起するように接着されて配置されており、その突起部に合わせて送受信アンテナ30、第1の粘着材層20及びラベル表皮材10が積層されることになる。このため、図6(a)に示すICタグラベルはICチップ実装部が突起状になりやすく、外部からの圧力や衝撃に弱いという欠点がある。また、ラベルの表面に印刷等により情報を表示する際に、前記ICチップ実装部が形成した突起部で印刷の擦れが発生しやすい。
図6(b)には、ICチップ40と送受信アンテナ30からなるインレットと被着体60との間の全面に粘着材層(第2の粘着材層50)が形成されている例を示したが、この場合にはICタグラベルを被着体60から一旦剥がし再度貼り直す際に、ICチップ40と被着体60の粘着力により、送受信アンテナ30とICチップ40との接続部が破壊しやすい。
図8は、ICチップ40のベースチップ41が第2の粘着材層50によって被着体60に拘束される様子を示す図である。図6に示した第2の粘着材層50がICチップ40面にも形成されている従来の構造では、一度被着体60に貼ったICタグラベル1を剥がす際に、図8に示すように、ICチップ40のベースチップ41が第2の粘着材層50によって被着体60に拘束されるため、ベースチップ41の回路面上に形成された外部電極42と送受信アンテナ30の接続部に引張応力が働き、断線等の故障が発生しやすい。
図7はインレットと被着体60との間に粘着材層が形成されていない従来例の断面を示す。特に、図7(a)は断面図であり、図7(b)はICチップ近傍の断面の拡大図である。図7(a)に示すようにラベル表皮材10、第1の粘着材層20、送受信アンテナ30及びICチップ40が被着体60上に積層されている。ICチップ40は、前記図6の例と同様にベースチップ41と外部電極42からなる。また、インレットは、ICチップ40と送受信アンテナ30からなる。インレットの送受信アンテナ30上に、第1の粘着材層20を介して薄手のラベル表皮材10が被せられているのも図6の従来例と同様である。
図7に示す従来例、つまりインレットと被着体60との間に粘着材層(第2の粘着材層50)が形成されていない場合にも、ICチップ40の実装部が突起状になりやすいのは図6と同様であるが、ラベルを被着体から剥がす際に、前記粘着材層を用いていないため、ICチップ40が被着体60に拘束されない。このため、送受信アンテナとICチップとの接続部への損傷は小さくなる。しかし、この場合、インレットと被着体60との間に粘着材層が無いために、ICタグラベル全体が被着体60から剥がれやすくなり、耐久性の点から劣化しやすくなる。
WO2005/055130
WO2005/076202
本発明は、前記に鑑みてなされたものであり、外部からの衝撃等に対する耐性とラベル表面への印刷性に優れ、かつ被着体から剥がす際にも壊れにくいICタグラベルを提供するものである。
本発明に係るICタグラベルは、前記課題を解決するために、粘着材層により被着体に貼り付けられるICタグラベルであって、前記粘着材層上に積層される送受信アンテナと、前記送受信アンテナに電極を介して接続されるICチップとを備え、前記粘着材層が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍を除く領域にのみ形成される。
このICタグラベルは、前記粘着材層の厚さが、ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きいものであることが好ましい。また、前記ICチップは前記被着体に粘着されない。
本発明に係るICタグラベルは、前記課題を解決するために、粘着材層により被着体に貼り付けられるICタグラベルであって、前記粘着材層上に積層される送受信アンテナと、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップと、前記送受信アンテナと前記ICチップを電気的に接続する短絡板とを備え、前記ICチップは対向する一対の面に形成された外部電極の一方を前記送受信アンテナに直接接続し、前記外部電極の他方を前記短絡板を介して前記送受信アンテナに接続してなり、さらに前記粘着材層が前記短絡板部又は前記短絡板とその近傍を除く領域にのみ形成される。
このICタグラベルは、前記粘着材層の厚さが、ICチップと短絡板の厚さの合計と同等又はICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きいものであることが好ましい。
また、前記粘着材層が形成されていない領域が、ICタグラベルの中心を含むものであることが好ましい。
また、前記粘着材層と異なる他の粘着材層を前記送受信アンテナ上に、さらに前記他の粘着材層上にラベル表皮材を積層してなり、前記ラベル表皮材が、紙、合成紙、ポリエチレンテレフタートフィルム、ポリエステルフィルム又はポリプロピレンフィルムであることが好ましい。
また、前記粘着材層が、コア基材とコア基材の表裏面に形成された粘着材層の3層で形成されることが好ましい。
本発明に係るICタグラベルの製造方法は、前記課題を解決するために、粘着材層により被着体に貼り付けられるICタグラベルの製造方法において、送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成するインレット作成工程と、前記インレット作成工程で作成されたインレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を形成した粘着材層を前記インレットに貼り付ける粘着工程とを備える。
このICタグラベルの製造方法は、前記粘着工程が前記インレットに貼り付ける粘着材層の厚さを、ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きくすることが好ましい。
また、前記インレット作成工程は、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成することが好ましい。
また、前記粘着工程が前記インレットに貼り付ける粘着材層の厚さを、ICチップと短絡板の厚さの合計と同等又はICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きくすることが好ましい。
また、前記粘着材層と異なる他の粘着材層を前記送受信アンテナ上に、さらに前記他の粘着材層上にラベル表皮材を積層する工程を備えてなり、前記ラベル表皮材が、紙、合成紙、ポリエチレンテレフタートフィルム、ポリエステルフィルム又はポリプロピレンフィルムであることが好ましい。
また、前記粘着工程で用いる前記粘着材層が、コア基材とコア基材の表裏面に形成された粘着材層の3層で形成されることが好ましい。
特に、本発明は、ラベル表皮材、第1の粘着材層、送受信アンテナ、ICチップ及び第2の粘着材層が積層されたICタグラベルであって、前記第2の粘着材層が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍を除く領域にのみ形成されたICタグラベルに関する。
また、本発明は、ラベル表皮材、第1の粘着材層、送受信アンテナ、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップ、前記送受信アンテナと前記ICチップを電気的に接続する短絡板及び第2の粘着材層が積層されたICタグラベルであって、前記第2の粘着材層が前記短絡板部又は前記短絡板とその近傍を除く領域にのみ形成されたICタグラベルに関する。
本発明のICタグラベルによれば、次のような効果を得ることができる。すなわち、ラベル表皮材と、第1の粘着材層と、送受信アンテナと、ICチップと、第2の粘着材層とが積層されたICタグラベルにおいて、前記第2の粘着材層をICチップまたはICチップとその近傍を除く領域にのみ形成することによって、外部からの衝撃等に対する耐性とラベル表面への印刷性に優れ、かつ被着体から剥がす際にも壊れにくいICタグラベルを実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明するが、以下の形態については具体例として示すものであり、本発明はこれらに制限するものではない。
本発明のICタグラベルは、粘着材層により被着体に貼り付けられるICタグラベルであって、前記粘着材層上に積層される送受信アンテナと、前記送受信アンテナに電極を介して接続されるICチップとを備え、前記粘着材層が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍を除く領域にのみ形成される。また、本発明のICタグラベルは、前記粘着材層と異なる他の粘着材層を前記送受信アンテナ上に、さらに前記他の粘着材層上にラベル表皮材を積層してもよい。
以下では、前記他の粘着材層を第1の粘着材層と記し、前記他の粘着材層と異なる前記粘着材層を第2の粘着材層と記す。
言い換えると、本発明のICタグラベルは、ラベル表皮材と、第1の粘着材層と、送受信アンテナと、ICチップと、第2の粘着材層とが積層されたICタグラベルであって、前記第2の粘着材層がICチップ又はICチップとその近傍を除く領域にのみ形成されている。
図1は本発明の第1の実施形態のICタグラベル1を示す。図1(a)は上面から見た平面図である。ICチップ40と送受信アンテナ30が接続されたインレット2の上から粘着材(第1の粘着材層20)を介してラベル表皮材10が被せられた状態でICタグラベル1が被着体60に貼り付けられている様子を示す。
図1(b)は図1(a)に平面を示したICタグラベル1の断面図であり、図1(c)はICチップ40近傍の断面の拡大図である。図1(b)及び図1(c)に示すように、ICタグラベル1は、ラベル表皮材10、第1の粘着材層20、送受信アンテナ30、ICチップ40及び第2の粘着材層50が積層されている。詳細には、被着体60の表面に第2の粘着材層50がICチップ40とその近傍を除く領域に粘着され、さらに第2の粘着材層50上に送受信アンテナ30が粘着されて積層されている。送受信アンテナ30と被着体60との間には、空洞又は開口部3が形成され、そこに送受信アンテナ30に接続されたICチップ40が配設されることになる。送受信アンテナ30とICチップ40はインレット2を構成している。
インレット2の送受信アンテナ30上には、送受信アンテナ30全体を覆うように第1の粘着材層20が送受信アンテナ30と、第2の粘着材層50の一部に粘着されて積層されている。第1の粘着材層20上には、ラベル表皮材10が第1の粘着材層20全体を覆うように積層されている。
前述したように、図1(c)にあって、第2の粘着材層50はICチップ40及びその近傍で開口されているため、ICチップ40はその開口部3に格納された構造となっている。この開口部3に格納されたICチップ40は、被着体60に固定されていない。
ICチップ40は、ベースチップ41と、ベースチップ41の回路面上に形成された外部電極42からなる。外部電極42は、送受信アンテナ30の接続部に接続している。このように、ICチップ40は外部電極42を介して送受信アンテナ30に実装してなり、送受信アンテナ30と共にインレット2を構成している。
第2の粘着材層50の厚みを、ICチップ40と同等か、それより大きくしてあるので、ICチップ40上に積層された送受信アンテナ30、第1の粘着材層20及びラベル表皮材10は、ICチップ40上に突起部を作らない。つまり、ICチップ40上の積層体が突起状にならない。ICチップ40が実装されている部分をICチップ実装部と記せば、ICチップ実装部は突起状にならない。このため、ICタグラベル1は外部からの圧力や衝撃を受けにくくなり、信頼性が向上する点で好ましい。
本発明のICタグラベル1を被着体60から引き剥がす際に故障を防止する効果について図2を用いて説明する。図2はベースチップ41が被着体60に拘束されることがない様子を示す図である。
前述したように、図6に示した第2の粘着材層50がICチップ40面にも形成されている従来の構造では、一度被着体60に貼ったICタグラベル1を剥がす際に、図8に示すように、ICチップ40のベースチップ41が第2の粘着材層50によって被着体60に拘束されるため、ベースチップ41の回路面上に形成された外部電極42と送受信アンテナ30の接続部に引張応力が働き、断線等の故障が発生しやすい。
一方、本発明のICタグラベル1は図2に示すように、ICチップ40のベースチップ41が被着体60に粘着されていないので、ベースチップ41が被着体60に拘束されることがない。このため、ICチップ40の外部電極42と送受信アンテナ30の接続部に引張応力が働くことがなく、図8に示したような引張応力による断線等の故障を防止する効果が得られる。
図3に本発明の第2の実施形態のICタグラベル11を示す。本形態の外観は第1の実施形態と同様であるため省略する。図3(a)は断面図であり、図3(b)はICチップ近傍D部の拡大図である。第2の実施形態に用いるICチップ43は、2個の外部電極45、46が対向する一対の面に各々1個ずつ形成されている。ICチップ43全体を送受信アンテナ30の一方の電極301側に配置し、当該一方の外部電極46を送受信アンテナ30の一方の電極301と接続する。
また、ICチップ43は被着体60上に水平な一部を載せた金属箔などからなる短絡板31の前記水平な一部面上に外部電極45を接続するように配設される。短絡板31は、前記水平部と平行な他部を有し、この平行な他部と前記水平部とを傾斜部の両端に形成している形状である。この短絡板31を用いることによって、ICチップ43の他方の外部電極45は短絡板31を介して送受信アンテナ30のもう一方の電極302に接続する。この実装構造を用いれば、前記従来例や、第1の実施形態のような、送受信アンテナ30に面積の小さな端部を接続する外部電極42を用いることがない。このため、ICチップ43と送受信アンテナ30との高精度な位置合わせが不要になるため、本形態のICタグラベル11を高い生産性で、かつ低価格で提供することができ、好適な構造である。
本形態についても、第2の粘着材層50の厚みをICチップ43と短絡板31の厚さの合計と同等か大きくしておく。このため、ICチップ43上に積層された送受信アンテナ30、第1の粘着材層20及びラベル表皮材10は、ICチップ43上に突起部を作らない。つまり、ICチップ43上の積層体が突起状にならない。このため、ICタグラベル4は外部からの圧力や衝撃を受けにくくなり、信頼性が向上する点で好ましい。
ICチップ43は、その実装構造に依らずラベルの中心近傍に配置されることが好ましい。詳しくは、ICチップ43及びその近傍は第2の粘着材50が形成されない領域となるため、ICチップ43がラベルの周辺部にある場合、その近傍のラベル端部から剥がれやすくなるためである。
なお、ICチップ40又は43の動作周波数については特に制限するものではないが、2.45GHz帯や850MHz〜960MHz帯を用いる場合、図1(a)に示したようにICチップ40を中央部に配置しやすいダイポール型アンテナを利用することができ、第2の粘着材層50を形成しない領域をラベル中心近傍に配置する上で好適である。
本発明のICタグラベル1及び11に用いるラベル表皮材10は、ICチップ及び送受信アンテナを保護又はその表面に所定の内容の表示、印刷の機能を持てば特に制限するものではないが、低価格性、汎用性等の点から紙、合成紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等が好適である。
また、第1の粘着材20についてもICタグラベル1又は11として使用可能な粘着性を有する粘着材であれば、特に制限するものではない。第2の粘着材50については、ICチップ又はICチップと短絡板の厚さの合計と同等程度にして高い信頼性を得るために、粘着材をコア材とその両面に形成された3層構造の粘着材層を用いてもよい。
本発明を実施するための最良の形態を図1及び図3を用いて説明したように、第2の粘着材層50をICチップまたはICチップとその近傍を除く領域にのみ形成することにより、外部からの衝撃などに対する耐性とラベル表面への印刷性に優れ、かつ被着体から剥がす際にも壊れにくいICタグラベル1及び11を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。
<実施例1>
実施例1を、図4を用いて説明する。この実施例1は、本発明のICタグラベルの製造方法に基づいて製造したICタグラベルの具体例である。本発明のICタグラベル製造方法では、インレット作成工程により送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成し、粘着工程により前記インレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を形成した粘着材層を前記インレットに貼り付け、また前記粘着材層と異なる他の粘着材層を前記送受信アンテナ上に、さらに前記他の粘着材層上にラベル表皮材を積層する工程によりICタグラベルを製造する。
実施例1を、図4を用いて説明する。この実施例1は、本発明のICタグラベルの製造方法に基づいて製造したICタグラベルの具体例である。本発明のICタグラベル製造方法では、インレット作成工程により送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成し、粘着工程により前記インレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を形成した粘着材層を前記インレットに貼り付け、また前記粘着材層と異なる他の粘着材層を前記送受信アンテナ上に、さらに前記他の粘着材層上にラベル表皮材を積層する工程によりICタグラベルを製造する。
まず、図4(a)に示す、厚さ150μmのICチップ(ミューチップ、(株)日立製作所製)400を、厚さ10μmのアルミニウム箔をエッチング加工した送受信アンテナ300に実装したインレットを準備した。送受信アンテナ300には励振スリット310が形成され、ICチップ400と送受信アンテナ300とのインピーダンス整合を図っている。
図4(b)は、図4(a)のE−E’に沿った断面図である。ICチップ400の2つの外部電極は励振スリットを跨いで右側と左側に各々接続されている。送受信アンテナ300は厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートからなるキャリヤフィルム320に支持されている。
ICチップ400と送受信アンテナ300は異方導電フィルム600(AC−2052P−45、日立化成工業(株)製)を用いて電気的に接続されている。また、同時に、ICチップ400と送受信アンテナ300との空隙を封止し、電気的絶縁性と強度を確保している。
次に、図4(c)に示すような離型紙510と厚さ200μmの不織布基材入り粘着材500とセパレータ520で構成された3層テープを準備し、ICチップ400より一回り大きいサイズでセパレータ520と粘着材500のみ(粘着材除去部)を刃型によってハーフカットした後、この粘着材除去部を離型紙510から剥離除去した。
次に、図4(d)に示すように、離型紙510のセパレータ520を剥がしながら、インレットのICチップ400と離型紙510の前述の粘着材除去部の位置を合わせ、さらにその上から粘着材層200が予め形成されたラベル表皮紙100を貼り合わせた。
次に、図4(e)に示すように、離型紙510のみ切断されないように所定の大きさの刃型によってハーフカットした後、不要な部分ラベル表皮紙及び粘着材を離型紙から除去してICタグラベルを得た。上記のICタグラベルは表面が突起することなく、また一旦アクリル板に貼り、剥がした後も通信が可能であった。
<実施例2>
実施例2を、図5を用いて説明する。この実施例2も、本発明のICタグラベルの製造方法に基づいて製造したICタグラベルの具体例である。特に、インレット作成工程は、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成するのが特徴的である。
実施例2を、図5を用いて説明する。この実施例2も、本発明のICタグラベルの製造方法に基づいて製造したICタグラベルの具体例である。特に、インレット作成工程は、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成するのが特徴的である。
まず、図5(a)に示すような、2つの外部電極が対向する各々の面に形成された厚さ150μmのICチップ((株)日立製作所製、ミューチップ)410を、厚さ10μmのアルミニウム箔をエッチング加工した送受信アンテナ300に実装したインレットを準備した。送受信アンテナ300には励振スリット310が形成し、ICチップ410と送受信アンテナ300とのインピーダンスを図っている。
図5(b)は、図5(a)のF−F’に沿った断面図である。ICチップ410は励振スリット310の右側に配置されており、ICチップ410の下面に形成された外部電極を介して送受信アンテナ300に接続されている。ICチップ410の上面に形成された外部電極は厚さ10μmのアルミニウム箔からなる短絡板330によって励振スリット310の左側の送受信アンテナに接続されている。
ICチップ410と送受信アンテナ300及び短絡板330、送受信アンテナ300と短絡板330との接続は異方導電フィルム600を用いて電気的に接続すると同時に、送受信アンテナ300と短絡板330との空隙を封止し、電気的絶縁性と強度を確保している。
また、送受信アンテナ300及び短絡板330は各々厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートからなるキャリヤフィルム320及び340に支持されている。
次に、実施例1と同様の方法で離型紙とインレットとラベル表皮紙を貼り合わせ、離型紙のみ切断されないように所定の大きさの刃型によってハーフカットした後、不要な部分ラベル表皮紙及び粘着材を離型紙から除去して、図5(c)に示すICタグラベルを得た。
上記のICタグラベルは表面がほとんど突起することなく、また、一旦アクリル板に貼り、剥がした後も通信が可能であった。
10 ラベル表皮材
20 第1の粘着材層
30 送受信アンテナ
31 短絡板
40、43 ICチップ
41、44 ベースチップ
42、45、46 外部電極
50 第2の粘着材層
60 被着体
100 ラベル表皮紙
200 粘着材層
300 送受信アンテナ
310 励振スリット
320 キャリヤフィルム
330 短絡板
340 キャリヤフィルム
400、410 ICチップ
500 粘着材層
510 離型紙
520 セパレータ
600 異方導電フィルム
20 第1の粘着材層
30 送受信アンテナ
31 短絡板
40、43 ICチップ
41、44 ベースチップ
42、45、46 外部電極
50 第2の粘着材層
60 被着体
100 ラベル表皮紙
200 粘着材層
300 送受信アンテナ
310 励振スリット
320 キャリヤフィルム
330 短絡板
340 キャリヤフィルム
400、410 ICチップ
500 粘着材層
510 離型紙
520 セパレータ
600 異方導電フィルム
Claims (14)
- 粘着材層により被着体に貼り付けられるICタグラベルであって、
前記粘着材層上に積層される送受信アンテナと、
前記送受信アンテナに電極を介して接続されるICチップとを備え、
前記粘着材層が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍を除く領域にのみ形成されることを特徴とするICタグラベル。 - 前記粘着材層の厚さが、ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きいものであることを特徴とする請求項1記載のICタグラベル。
- 前記ICチップは前記被着体に粘着されないことを特徴とする請求項1記載のICタグラベル。
- 粘着材層により被着体に貼り付けられるICタグラベルであって、
前記粘着材層上に積層される送受信アンテナと、
対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップと、
前記送受信アンテナと前記ICチップを電気的に接続する短絡板とを備え、
前記ICチップは対向する一対の面に形成された外部電極の一方を前記送受信アンテナに直接接続し、前記外部電極の他方を前記短絡板を介して前記送受信アンテナに接続してなり、
さらに前記粘着材層が前記短絡板部又は前記短絡板とその近傍を除く領域にのみ形成されることを特徴とするICタグラベル。 - 前記粘着材層の厚さが、ICチップと短絡板の厚さの合計と同等又はICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きいものであることを特徴とする請求項4記載のICタグラベル。
- 前記粘着材層が形成されていない領域が、ICタグラベルの中心を含むものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のICタグラベル。
- 前記粘着材層と異なる他の粘着材層を前記送受信アンテナ上に、さらに前記他の粘着材層上にラベル表皮材を積層してなり、前記ラベル表皮材が、紙、合成紙、ポリエチレンテレフタートフィルム、ポリエステルフィルム又はポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のICタグラベル。
- 前記粘着材層が、コア基材とコア基材の表裏面に形成された粘着材層の3層で形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のICタグラベル。
- 粘着材層により被着体に貼り付けられるICタグラベルの製造方法において、
送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成するインレット作成工程と、
前記インレット作成工程で作成されたインレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を形成した粘着材層を前記インレットに貼り付ける粘着工程と
を備えることを特徴とするICタグラベルの製造方法。 - 前記粘着工程が前記インレットに貼り付ける粘着材層の厚さを、ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きくすることを特徴とする請求項9記載のICタグラベルの製造方法。
- 前記インレット作成工程は、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成することを特徴とする請求項9記載のICタグラベルの製造方法。
- 前記粘着工程が前記インレットに貼り付ける粘着材層の厚さを、ICチップと短絡板の厚さの合計と同等又はICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きくすることを特徴とする請求項11記載のICタグラベルの製造方法。
- 前記粘着材層と異なる他の粘着材層を前記送受信アンテナ上に、さらに前記他の粘着材層上にラベル表皮材を積層する工程を備えてなり、前記ラベル表皮材が、紙、合成紙、ポリエチレンテレフタートフィルム、ポリエステルフィルム又はポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のICタグラベルの製造方法。
- 前記粘着工程で用いる前記粘着材層が、コア基材とコア基材の表裏面に形成された粘着材層の3層で形成されることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のICタグラベルの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2007157507A JP2008018715A (ja) | 2006-06-14 | 2007-06-14 | Icタグラベル及びその製造方法 |
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JP2006164562 | 2006-06-14 | ||
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JP2008018715A true JP2008018715A (ja) | 2008-01-31 |
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JP (1) | JP2008018715A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014059694A (ja) * | 2012-09-18 | 2014-04-03 | Toppan Forms Co Ltd | Rfidラベル及びその製造方法 |
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2007
- 2007-06-14 JP JP2007157507A patent/JP2008018715A/ja active Pending
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