JP2008017955A - 骨切りワイヤおよびそれに用いるワイヤガイドチューブ - Google Patents

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佳剛 嶋田
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Abstract

【課題】切削性が向上し、用途に合わせて凹凸を容易にコントロールすることができ、種々のピッチのものを揃えやすく、切削分が飛び散りにくい骨切りワイヤを提供する。
【解決手段】断面形状が多角形の金属製の素線12をねじり加工することにより、表面に螺旋状の稜線および螺旋状の面を設け、軸方向に凹凸が繰り返される形状にした骨切りワイヤ10。外径は0.1〜1mm程度、ピッチPは0.1〜10mm程度であり、多角形には正三角形などの正多角形のほか、任意の多角形、円や多角形の周囲に突部や凹部を設けた形状も含む。いずれも回転対称とする。2〜3本の円形断面の金属素線を撚り合わせたり、多角形断面の金属素線と円形断面の金属素線とを撚り合わせて構成することもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は骨切りワイヤ、とくに医療用の骨切りワイヤおよびその骨切りワイヤに用いるワイヤガイドチューブに関する。
特開2006−20824号公報 特開2002−282263号公報 登録実用新案第3018201号公報
特許文献1の段落[0003]には、皮膚や筋肉などの軟組織を切削するワイヤメスとして、「複数のワイヤ線を密に撚り合わせた撚り線状のワイヤメス」が開示されている。
特許文献2の段落[0014]は、骨形成的椎弓切除術用の骨切りワイヤとして「ステンレススチールのフィラメントをより合わせた縒り糸状」が開示されている。ただし素線の径や本数、撚り形状などの具体的な構成は明示されていない。また、その縒り糸状の骨切りワイヤの先端に球形の先端金具をカシメ加工すること、骨切りワイヤを案内するガイドパイプも開示されている。
特許文献3の段落[0009]には、鋸刃となるワイヤとして、「編線」があげられており、さらに「表面を粗くした単線」、「撚線」があげられている。これらの具体的な構成は記載されていない。他方、径0.05mmのステンレススチール(SUS304)を7本撚り合わせ、得られたストランドをさらに7本撚り合わせて構成した、7×7タイプの外径0.55mmの骨切りワイヤが実用化されている。
従来の7×7タイプの撚り線からなる骨切りワイヤは、切削性が不充分であり、とくに頸椎弓の手術にように、硬い骨を複雑な経路に沿って切断することが困難である。さらに骨切りワイヤは、骨の種類、個所に応じて種々の柔軟性や切削性のもの、とくにピッチが異なるものを用意することが望ましいが、撚り線の製造工程から、表面の凹凸を容易にコントロールすることができない。
本発明はこれらの従来品に比して、切削性が向上した骨切りワイヤを提供することを技術課題としている。さらに本発明は、用途に合わせて凹凸を容易にコントロールすることができ、種々のピッチのものを揃えやすい骨切りワイヤを提供することを第2の技術課題としている。
また、前記従来のワイヤメスや骨切りワイヤ、あるいはダイヤモンド粉末を表面に固定した骨切りワイヤは、骨の切削粉やダイヤモンドの粉末が体内に飛散しやすいという問題がある。また、とくにダイヤモンドの場合、切削時に骨に引っ掛かるという問題もある。本発明は、骨やダイヤモンドなどの粉末が散らばりにくい骨切りワイヤを提供することを第3の技術課題としている。
さらに従来品のガイドパイプは金属製であり、硬く曲がりにくいため、挿入時に生体組織、とくに神経を傷つける可能性がある。本発明は安全に容易に挿入できるワイヤガイドチューブを提供することを第4の技術課題としている。
本発明の骨切りワイヤの第1の態様(請求項1)は、断面形状が多角形の1本の素線をねじり加工することにより、表面に凹凸を設けたことを特徴としている。ここで「多角形」とは、正多角形のほか、任意の多角形、一部に円弧状の部分を備えた凹凸形状など、円形以外を意味する。また、「素線」は、複数本の撚り線を構成する1本の素線のほか、全体として1本だけの場合をも含む。
本発明の骨切りワイヤの第2の態様(請求項2)は、2〜3本の素線を撚り加工することにより、表面に凹凸を設けたものであることを特徴としている。ここで「撚り加工」とは、複数本の素線を撚り合わせることを意味し、捻っていない素線を撚り合わせる場合と、あらかじめ捻った素線を撚り合わせる場合の両方を含む。
本発明の骨切りワイヤの第3の態様(請求項3)は、異形断面の素線を含む複数本の素線を撚り加工することにより、表面に凹凸を設けたことを特徴としている。前記異形断面は多角形が好ましい(請求項4)。さらに全部が異形断面であったもよいが、異形断面の素線と円形断面の素線とを撚り合わせたものであってもよい(請求項5)。また、前記素線の少なくとも一部の表面粗さがRa0.1〜40μmであるものが好ましい(請求項6)。
本発明のワイヤガイドチューブ(請求項7)は、前記いずれかの骨切りワイヤをガイドするためのワイヤガイドチューブであって、先端部が手元部に比して柔軟であり、手元部の端部に骨切りワイヤの挿入口となるガイド部品が設けられていることを特徴としている。このようなワイヤガイドチューブにおいては、先端部近辺が略L字状ないしループ状に屈曲ないし湾曲しているものが好ましい(請求項8)。さらに前記ガイド部品に、先端部近辺の屈曲ないし湾曲の向きを示す目印が設けられているものが好ましい(請求項9)。また、前記手元部に細線からなる補強層が設けられているものが好ましい(請求項10)。
本発明の骨切りワイヤ・チューブセット(請求項11)は、前記いずれかの骨切りワイヤと、その骨切りワイヤをガイドする前記いずれかのワイヤガイドチューブとからなることを特徴としている。
前記ねじり加工した骨切りワイヤ(第1の態様:請求項1)は、1本の素線から構成されているので、構成が簡単で、製造も容易である。また、凹凸が軸線方向に連続しているので切削性が高い。さらに切削粉が詰まる部位がないため、使用中に切削性が低下することもない。
さらにねじり加工をする前の中間材を準備しておき、受注後に要望に応じたピッチおよびねじり角となるようにねじり加工をすることにより、要望に応じたピッチおよびねじれ角の骨切りワイヤを迅速に供給することができる。また外径が同一で、少しずつピッチやねじり角を変えた多数の骨切りワイヤを準備しておくことも容易である。
本発明の骨切りワイヤの第2の態様(請求項2)は、2〜3本の素線を撚り加工しているので、1本の素線の径が太く、強度が高い。また、ダイヤモンド粉末を用いていないので、生体内にダイヤモンド粉末が飛び散ることがない。さらに表面に大きい凹凸が形成されるので、従来品に比して切削性が向上する。さらに撚り加工をする前の状態の中間材を準備しておき、受注後に要望に応じたピッチおよびねじれ角となるように撚り加工をすることにより、要望に応じたピッチおよびねじれ角の骨切りワイヤを迅速に供給することができる。また、同一の外径で少しずつピッチやねじり角を変えた多数の骨切りワイヤを準備しておくことも容易である。
本発明の骨切りワイヤの第3の態様(請求項3)は、異形断面の素線を含んでいるので、切削性が高い。前記異形断面が多角形である場合は、エッジが鋭くなるので一層切削性が高い(請求項4)。また、異形断面の素線と円形断面の素線とを撚り合わせた骨切りワイヤは、製造が容易で、しかも切削性が高い(請求項5)。前記素線の少なくとも一部の表面粗さがRa0.1〜40μmである場合は、さらに切削性が高い(請求項6)。
本発明のワイヤガイドチューブ(請求項7)は、先端部が柔軟であるので、骨に沿わせ易く、また、骨の近傍にある神経に接触しても、神経を傷つけることがないため、手技の安全性が向上する。また、手元部が先端部より硬いため、ガイド性が高く、また骨切りワイヤを挿入した場合でも形状保持性に優れている。また、手元部の剛性が高いため、操作性にも優れている。さらに手元部にガイド部品を設けているので、骨切りワイヤの挿入が容易である。
先端部近辺が略L字状ないしループ状に屈曲ないし湾曲しているワイヤガイドチューブ(請求項8)は、体内の奥深い位置にある骨に対し、神経などを避けながら骨切りワイヤを容易に沿わすことができる。また、前記ガイド部品に、先端部近辺の屈曲ないし湾曲の向きを示す目印が設けられている場合は、生体外からワイヤガイドチューブの屈曲ないし湾曲の向きが分かる。そのため、骨切りワイヤの挿入方向をコントロールしやすい(請求項9)。さらに手元部に細線からなる補強層が設けられているワイヤガイドチューブは、手元部のガイド性が高い(請求項10)。
本発明の骨切りワイヤ・チューブセット(請求項11)は、前述の骨切りワイヤとワイヤガイドチューブを組み合わせているので、両方の作用効果を奏することができる。
つぎに図面を参照しながら本発明の骨切りワイヤの実施の形態を説明する。図1および図2はそれぞれは本発明の骨切りワイヤの第1の態様の一実施形態を示す斜視図および側面図、図3は図2のIII-III線断面図、図4は図1の骨切りワイヤの製造法を示す概略工程図、図5a〜eはそれぞれ本発明の骨切りワイヤに用いる素線の他の実施形態を示す断面図、図6および図7はそれぞれ図1の骨切りワイヤの使用方法を示す概略側面図、図8は本発明の骨切りワイヤと共に用いるワイヤガイドチューブの一実施形態を示す側面図、図9aおよび図9bはそれぞれ図8のA-A線断面図およびB-B線断面図、図10はワイヤガイドチューブの他の実施形態を示す側面図、図11は図10のXI-XI線断面図、図12は本発明の骨切りワイヤをワイヤガイドチューブと共に使用して、骨の周囲へ骨切りワイヤを配置する方法を示す工程図、図13は本発明の骨切りワイヤの第2の態様の一実施形態を示す側面図で、図14は図13のXIV-XIV線断面図、図15a〜cはそれぞれ本発明の骨切りワイヤに用いる素線の他の実施形態を示す断面図である。
図1に示す骨切りワイヤ10は、断面略三角形11の素線(線材)12をねじり加工して表面に凹凸を形成したものである。すなわち三角形の頂点13は連続する螺旋状の稜線(凸部)14となり、三角形の辺15は螺旋状の面(凹部)16となる。素線12の材質としては、強度が高く、可撓性を有するものが用いられ、とくに硬鋼線、ピアノ線、ステンレススチールなどが好ましい。素線12の太さないし差し渡しは、0.1〜1mm程度、とくに0.3〜0.6mm程度が好ましい。この場合の三角形11の一辺の長さ(図3のL)もほぼ0.1〜1mm程度、とくに0.3〜0.6mm程度が好ましい。三角形11の頂点13には、0.01〜0.5mm程度のコーナアール(図3のR)を設ける。この実施形態では三角形11は正三角形としている。なお、素線12の表面に、軸線に対して交差する向きの多数の傷を設けてもよい。それにより切削性が一層向上する。
ねじり加工による凹凸のピッチ(図2の符号P)は、素線12の太さによって異なるが、0.1〜10mm程度、とくに1〜5mm程度が好ましい。ねじれ角(図2の符号θ:多条ネジのリード角に相当)は20〜30度程度が好ましい。
前記骨切りワイヤ10を製造するには、円形断面の金属素線を引き抜き加工して所定の断面形状の素線12とし(図4の第1工程S1)、ついで素線12の一端をねじり加工機18の固定側のクランプ19で挟持し、他端を回転側のクランプ20で挟持する(図4の第2工程S2)。このとき、素線12の真直性を保持するため、素線12に張力を加える。張力はたとえば素線12の引っ張り強度(降伏点)の3〜20%程度が好ましい。
そして回転側のクランプ20を素線12の中心軸回りに回転させて、所定のねじり加工を行う(図4の第3工程S3および第4工程S4)。ねじり加工は通常は室温で行う冷間加工である。ただし400〜600℃程度に加熱して行ってもよい。それにより図1のように素線12の断面形状の突出部が螺旋状に連続する形態が得られる。この場合、ねじり加工の程度によって凹凸のピッチPやねじれ角θを広い範囲でコントロールすることができ、用途に合わせて幅委広い選択が可能である。
そしてこのようなねじり加工を行った後、必要に応じて、図2に示すように先端部21をレーザー加工ないしプレス加工で球状に加工する。それにより、先端部21が丸い骨切りワイヤ10が得られる。このように先端部21を丸くすることにより、骨の周囲の神経を傷つけにくくなる。球の径は骨切りワイヤ10の径とほぼ同程度とする。ただしそれより大きくても構わない。ついで洗浄、熱処理、などの後処理が行われる。熱処理として、切削性を向上させるために焼き入れを施す。ただし柔軟性を重視する場合は、焼き入れを施さない。
素線12の断面形状としては、ねじり加工をしたときに、凹凸のピッチPがほぼ均一になるように、回転対称の形状が好ましい。そのような断面形状として、図3の正三角形11のほか、図5aに示す正方形24、図5bに示す正六角形25、図5cに示す扁平な六角形27、図5dに示す正六角形の各辺から三角形を突出させた星形28、図5eに示す円形の周縁から三角形を突出させたヒトデ形29など、種々の多角形ないし異形(円でない形状)の断面形状を選択できる。ここにいう多角形とは、図5c、図5dのように凹凸を備えた多角形や、図5eのように一部の辺が円弧の場合も含む。これらの種々の断面形状の素線12を図4に示すねじり加工を施すことにより、骨切りワイヤ10を製造することができる。
上記の骨切りワイヤ10は、たとえば図6に示すように、骨30の周囲に掛け回し、プーリ31、32で操作しやすい方向に方向転換して、両端を交互に引き操作する。それにより骨30に骨切りワイヤ10の凹凸が交互に当たり、鋸で引くようにして骨30に次第に食い込んでいく。それにより、骨30に所定の深さの切り込みを設けたり、切断したりすることができる。
前記骨切りワイヤ10は、たとえば図7に示す複数の頸骨33が連続した頸椎34の切断などに用いることができる。すなわち、複数の頸骨33の棘突起を切断し、椎弓の片側の根元を切断し、他方の根元に切り込みを入れてヒンジを形成し、椎弓を拡げて神経への圧迫を軽減する椎弓形成術に使用することができる。また、椎弓の両側の根元を切断して椎弓を除去する椎弓切除術にも使用される。
つぎに図8〜11を参照して前述の骨切りワイヤ10、20、24などを骨の近辺までガイドするワイヤガイドチューブの実施形態を説明する。図8に示すワイヤガイドチューブ35は、柔軟な先端部(ソフトチップ)36と、可撓性を有する手元部(本体)37と、その手元部37の端部に設けたガイド部品38とからなる。
先端部36は図9aに示すように、軟質の合成樹脂によって構成される柔軟な筒状の部材である。先端部を柔軟にするのは、生体内に挿入するときに生体を傷つけないようにするためである。合成樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂、およびそれらのエラストマーが用いられる。とくにポリアミドエラストマーが柔軟性および強度が高いため好ましい。二重ないしそれ以上の多層構造にして、内面側にフッ素系樹脂などをの摺動抵抗が低い材料を用い、外面側にポリアミド(PA)などの柔軟性が高い材料を用いるようにしてもよい。先端部36の長さL1は、通常は0.5〜5mmであり、1mm程度が好ましい。
手元部37は図9bに示すように、内層チューブ39と、その周囲に設けた編組層40と、その編組層40を被覆する被覆層41とからなる。被覆層41は編組層40の隙間に充填されている。内層チューブ39はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロ(エチレン、プロピレン)・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの摺動抵抗が低く、耐摩耗性が高いフッ素系樹脂が好ましい。内層チューブ39の内面には骨切りワイヤの編組層が摺接するからである。手元部37は先端部に比べると剛性が高いが、ある程度可撓性を備えており、弾力性を有する。生体内に挿入するとき、骨の周囲で進行方向を変える場合があるためである。
編組層40は、金属素線42を編組した層である。金属素線42としては、前述の骨切りワイヤの編組層の金属素線と同一のものを採用することができる。なお、強度が高い合成樹脂からなる樹脂素線を採用してもよい。被覆層41は編組層40が生体組織に直接接触しないように保護するものであり、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PUR)などの合成樹脂が採用される。手元部37の長さは切断しようとする骨の位置、深さによって定めるが、通常は100〜300mm程度であり、200mm程度が好ましい。
このようなワイヤガイドチューブ35は、たとえば長尺状に形成した手元部37を適切な長さに切断し、その一端に先端部36を射出成形し、同時に、あるいは別個に他端にガイド部品38を射出成形することにより製造することができる。なお、3個の部品でそれぞれ別個に製造し、接合して一体にしてもよい。
上記のように構成されるワイヤガイドチューブ35は、中心の空洞43に骨切りワイヤを収容した状態で、またはワイヤガイドチューブ35のみで生体内に挿入することにより、骨切りワイヤの先端部が切断しようとする骨の近辺に来るようにする。その後はワイヤガイドチューブ35を生体から抜き取り、骨切りワイヤを骨の周囲に掛け回し、図5あるいは図6に示すように、骨切りワイヤを交互に引いて骨を切断したり、骨に切れ目を入れたりする。
図10に示すワイヤガイドチューブ44は、先端から20〜150mm程度の位置でL字状に屈曲した形態を備えている。屈曲部45は手元部37にあり、骨切りワイヤを通しやすくするため、いくらか丸くしている。ループ状に湾曲させてもよい(図12参照)。さらに図11に示すように、このワイヤガイドチューブ44のガイド部品38には、屈曲方向に向けて突起46が設けられている。それによりワイヤガイドチューブ44を生体内に挿入したとき、外部から屈曲方向が分かる。屈曲方向が分かる目印となるものであれば、突起46に代えてマークを付したり、凹部を形成してもよい。
つぎに図12を参照して身体の内部にある骨30の周囲に前述の骨切りワイヤ10、20、24を掛け回す方法を説明する。始めに先端近辺で屈曲ないし湾曲したワイヤガイドチューブ47と、その内部に挿入するスタイレット(芯金)48とを準備する。そしてワイヤガイドチューブ47にスタイレット48を挿入すると、ワイヤガイドチューブ47の湾曲部49が真っ直ぐに延ばされる(図12の第1工程S1)。この状態でワイヤガイドチューブ47の先端を骨30の側面まで挿入する。
そしてスタイレット48を徐々に抜き取りながら、ワイヤガイドチューブ47を挿入していく。それによりワイヤガイドチューブ47の湾曲部49が次第にもとの湾曲形状に戻りながら、骨30の周囲に沿って進行する。したがってワイヤガイドチューブ47を、その先端近辺が骨30の周囲に半円状に巻くように配置することができる(第2工程S2)。
ついでワイヤガイドチューブ47をその状態のまま残して、スタイレット48をカテーテル47から抜き取る。ついでワイヤガイドチューブ47に前述の骨切りワイヤ10などを挿入する(第3工程S3)。骨切りワイヤ10は湾曲したワイヤガイドチューブ47にガイドされながら骨30を回り込んで進行する。そして骨切りワイヤ10の先端はワイヤガイドチューブ47の先端から突出させてもよい。
ついで骨切りワイヤ10をその状態に残して、ワイヤガイドチューブ47のみを抜き取ると、骨30の周囲に骨切りワイヤ10が掛け回された状態で残る(第4工程S4)。その後は図6などの方法で骨切りワイヤ10の両端を交互に引いて骨30に切り込みを入れたり、切断したりすることができる。
上記のように、先端近辺がループ状に湾曲しているワイヤガイドチューブ47と、進直なスタイレット48とを組み合わせ、スタイレット48をワイヤガイドチューブ47に挿入したり抜いたりすることにより、ワイヤガイドチューブ47の先端部の形状を遠隔操作で直線状からループ状に、あるいはループ状から直線状に変形させることができる。したがってワイヤガイドチューブ47を骨の周囲に沿って挿入していくことができ、骨の周囲の神経を傷つけない。
つぎに図13〜15を参照して本発明の骨切りワイヤの第2の態様の実施形態を説明する。図13に示す骨切りワイヤ50は、図14に示す断面円形の2本の素線51、51に撚り加工を施したものである。そのため、この骨切りワイヤ50は、2本の素線51、素線51の外側部分(図14の上端および下端)が螺旋状に連続する2条の突条52となる。また、2本の素線51、51が接している凹部(図14の符号53)が螺旋状に連続する凹溝54となる。撚り加工は従来公知の撚り線機で行うことができる。ただし図4のねじり加工機18で行うこともできる。
骨切りワイヤ50を構成する素線51の材料、凹凸のピッチPおよびねじれ角θは図1の骨切りワイヤ10の素線12の場合と同様である。またこの骨切りワイヤ50も図1の骨切りワイヤ10と同様に、図6や図7の方法で骨を切るために使用することができる。素線51は3本としてもよく、その場合は図1の骨切りワイヤ10と似た形状となる。
図14の骨切りワイヤ50にように、断面円形の素線51を撚り加工したものは、撚り加工が容易である半面、切削効率が低い。切削効率を向上させるため、たとえば図15aに示すように矩形、とくに正方形の断面形状の素線55、55を用いることもできる。また、図5b〜eに示す断面形状の素線を2本束ねて撚り加工するようにしてもよい。さらに図15bに示すように、断面円形の素線51と、異形断面の素線56を組み合わせて撚り加工することもできる。なお、図15bでは異形断面の素線56として断面三角形の素線を用いているが、矩形、多角形など、他の断面形状を採用することもできる。
さらに図15cに示すように、断面円形の中心素線57と、その周囲に配置した複数本の異形断面の周囲素線58とを撚り合わせて骨切りワイヤとすることもできる。この場合の周囲素線58は、配列がくずれにくいように6本としているが、3〜20本など、本数に制限はない。また、周囲素線58は断面六角形としているが、他の断面形状でもよい。また、すべての素線に多角形ないし異形断面の素線を用いることもできる。
なお、いずれの骨切りワイヤも、あらかじめ各素線を芯金などの周囲に巻き付けると共に、所定のピッチでねじり加工を施して型付けをしておき、その後、複数本の素線、たとえば2本の素線を撚り合わせるのが好ましい。それにより、ほどけにくい撚り線とすることができる。
つぎに実施例および比較例を挙げて本発明の骨切りワイヤの効果を説明する。
[実施例1]高さ0.52mm(一辺(図1の符号L)約0.6mm)の断面正三角形のSWRH−62Bのナマシ鉄線を、外径約0.7mmとなるように撚り加工して実施例1の骨切りワイヤを製造した。
[比較例1]外径0.05mmのSUS304製の断面円形の素線7本を撚り合わせたものをさらに7本撚り合わせ、7×7構造の骨切りワイヤを比較例1として製造した。骨切りワイヤの外径は0.64mmであった。
[切削度合い測定]
図16に示すように、厚さ9.5mmの石膏ボード60に、一端に97gの錘61を取り付けた切削有効部200mmの実施例1および比較例1の骨切りワイヤを掛けて、他端を矢印J方向に引っ張り、ついで引く力を緩めることにより、錘61を上下に往復操作し、これを10回繰り返したときの石膏ボード60の切り込み深さを測定した。なお、矢印J方向に引っ張るときのみ切削し、戻り時は切削していなかった。
[測定結果]表1に切削度合いの測定結果を示す。
Figure 2008017955
上記の実験より、実施例1の骨切りワイヤは比較例1より切削深さが深いことが分かる。
本発明の骨切りワイヤの第1の態様の一実施形態を示す斜視図である。 その骨切りワイヤの側面図である。 図2のIII-III線断面図である。 図1の骨切りワイヤの製造法を示す概略工程図である。 図5a〜eはそれぞれ本発明の骨切りワイヤに用いる素線の他の実施形態を示す断面図である。 図1の骨切りワイヤの使用方法を示す概略側面図である。 図1の骨切りワイヤの使用方法を示す概略側面図である。 本発明のワイヤガイドチューブの一実施形態を示す側面図である。 図9aおよび図9bはそれぞれ図8のA-A線断面図およびB-B線断面図である。 本発明のワイヤガイドチューブの他の実施形態を示す側面図である。 図10のXI-XI線断面図である。 本発明の骨切りワイヤ・チューブセットを使用して、骨の周囲へ骨切りワイヤを配置する方法を示す工程図である。 本発明の骨切りワイヤの第2の態様の一実施形態を示す側面図である。 図13のXIV-XIV線断面図である。 図15a〜cはそれぞれ本発明の骨切りワイヤに用いる素線の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の骨切りワイヤの切削性を測定する装置の概略側面図である。
符号の説明
10 骨切りワイヤ
11 三角形
12 素線
13 頂点
14 稜線
15 辺
16 面
R コーナアール
P ピッチ
θ ねじれ角
18 ねじり加工機
19 固定側のクランプ
20 回転側のクランプ
21 先端部
24 正方形
25 正六角形
27 扁平な六角形
28 星形
29 ヒトデ形
30 骨
31、32 プーリ
33 頸骨
34 頸椎
35 ワイヤガイドチューブ
36 先端部(ソフトチップ)
37 手元部
38 ガイド部品
39 内層チューブ
40 編組層
41 被覆層
42 金属素線
43 空洞
44 ワイヤガイドチューブ
45 屈曲部
46 突起
47 ワイヤガイドチューブ
48 スタイレット
49 湾曲部
50 骨切りワイヤ
51 素線
52 突条
53 凹部
54 凹溝
55 断面正方形の素線
56 異形断面の素線
57 中心素線
58 周囲素線
60 石膏ボード
61 錘

Claims (11)

  1. 異形断面の1本の素線をねじり加工することにより、表面に凹凸を設けた骨切りワイヤ。
  2. 2〜3本の素線を撚り加工することにより、表面に凹凸を設けた骨切りワイヤ。
  3. 異形断面の素線を含む複数本の素線を撚り加工することにより、表面に凹凸を設けた骨切りワイヤ。
  4. 前記異形断面が多角形である請求項1または3記載の骨切りワイヤ。
  5. 異形断面の素線と円形断面の素線とを撚り合わせた請求項2または3記載の骨切りワイヤ。
  6. 前記素線の少なくとも一部の表面粗さがRa0.1〜40μmである請求項1〜5のいずれかに記載の骨切りワイヤ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の骨切りワイヤをガイドするためのワイヤガイドチューブであって、
    先端部が手元部に比して柔軟であり、手元部の端部に骨切りワイヤの挿入口となるガイド部品が設けられているワイヤガイドチューブ。
  8. 先端部近辺が略L字状ないしループ状に屈曲ないし湾曲している請求項7記載のワイヤガイドチューブ。
  9. 前記ガイド部品に、先端部近辺の屈曲ないし湾曲の向きを示す目印が設けられている請求項7記載のワイヤガイドチューブ。
  10. 前記手元部に細線からなる補強層が設けられている請求項7記載のワイヤガイドチューブ。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の骨切りワイヤと、その骨切りワイヤをガイドする請求項7〜10のいずれかに記載のワイヤガイドチューブとからなる骨切りワイヤ・チューブセット。
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