以下、本発明による遊技情報表示システムに係る一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、システムの全体構成が概略的に示されている。この図1において、互いに隣接した状態で横並び状に設置された複数台のスロットマシン1は、隣接した台間メダル貸機2からメダルを借り受けてゲームを行うように構成されている。管理装置3(特定小役判定手段、情報特定手段に相当)は、スロットマシン1に係る遊技データ(稼動データ)やメダル貸機2による貸出高などを集計管理するために設けられたもので、スロットマシン1及びメダル貸機2との間でのデータ信号の授受を、データ中継機能を備えた呼出ランプユニット4及びLAN5を通じて行う構成となっている。
図2には、スロットマシン1の正面外観が示されている。この図2において、スロットマシン1は、例えば3枚賭け専用機であり、所定のゲーム開始操作、つまり、メダル投入口6に3枚のメダルが投入された状態、若しくは、3枚賭け用のマックスベットボタン7を通じて3枚のクレジットメダルが賭けられた状態でスタートレバー8の操作が行われたときに、3列の第1、第2、第3リール9a、9b、9cより成る可変表示装置9を動作させることによりゲームを開始するものであり、第1〜第3リール9a〜9cに対応したストップボタン10a、10b、10cの操作により各リール9a〜9cの回転が停止したときに1ゲームが終了する構成となっている。尚、11はメダル受け皿、12はクレジット精算用のボタン、13はクレジット数表示部、14は払出メダル数表示部である。
そして、上記のようなゲーム終了時において、可変表示装置9で表示される停止図柄の組み合わせが所定の当たり図柄になったときには、その当たり図柄により決まる当たり役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、1入賞当たりの払出メダル数が互いに異なる複数種類の小役、リプレイ)の入賞が発生し、その当たり役の種類に応じた特典が遊技者に付与される。
具体的には、上記可変表示装置9の第1〜第3リール9a〜9cのそれぞれには、例えば、図3に示すように、合計21個ずつの複数種類の図柄が配列された状態となっている。この図3の例では、a〜gの符号を付した7種類の図柄が示されており、各図柄は、a:ビッグボーナス、b:レギュラーボーナス、c〜f:小役、g:リプレイ、の各入賞発生に関係するものである。
この場合、本実施例によるスロットマシン1は、例えば、15枚役、10枚役、8枚役、2枚役の4種類の基本的な小役が設定された機種であり、図4には、このような小役を含む当たり役の種類と対応付けた状態で、当たり図柄の組み合わせ及び各当たり役のメダル払い出し数の例が示されている。
尚、図5に示すように、可変表示装置9には、第1〜第5の入賞ラインN1〜N5が設定されており、図4に示すような当たり図柄が上記入賞ラインN1〜N5上の何れかで揃ったとき(2枚役の図柄fについては第1リール9aに対応した入賞ラインN1〜N5上に出現したとき)に、対応する入賞が発生することになる。但し、図5に示したように、2枚役の図柄fが、2本の入賞ライン上に重複して出現した場合には、ダブル入賞となり、4枚のメダルが払い出される。つまり、上記のような機種のスロットマシン1には、前記4種類の小役(15枚役、10枚役、8枚役、2枚役)以外に、4枚役の小役も設定されていることになる。
要するに、小役(15枚役、10枚役、8枚役、4枚役、2枚役)が入賞したときに、その小役に対応した枚数のメダルを払い出すという特典が付与され、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスが入賞したときに、小役の入賞確率を予め定められた期間(この期間は、ビッグボーナスの方がレギュラーボーナスより長い)だけ高めるビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームをそれぞれ実行可能になるという特典が付与されるものである。また、リプレイが入賞したときには、新たなメダルを賭けることなく次のゲームを実行できるという特典が付与される。
上記のように可変表示装置9で表示する当たり図柄は、スタートレバー8が操作されたタイミング(ゲーム開始タイミング)で行われる内部抽選の結果及びストップボタン10a、10b、10cの操作タイミングに応じて決まるものであり、スロットマシン1においては、内部抽選により当選した当たり役に対応したフラグ(ビッグボーナスフラグ、レギュラーボーナスフラグ、小役フラグ、リプレイフラグ)を成立させ、ストップボタン10a〜10cが操作されたときに、そのフラグに基づいて、所謂すべり制御(引き込み制御)を含む可変表示装置9の停止制御(各リール9a〜9cをフラグの種類に応じた当たり図柄或いは外れ図柄で停止させる制御)を行う構成となっている。
尚、上記すべり制御時には、図柄の引き込み範囲を最大4図柄としているため、フラグが成立していた場合であっても、停止対象図柄が引き込み範囲外であった場合には、所謂取りこぼしとなる。特に、このような取りこぼしが発生した場合、ビッグボーナスフラグ及びレギュラーボーナスフラグは次のゲームへ持ち越されるが、その他のフラグは消滅する。ビッグボーナスフラグ及びレギュラーボーナスフラグに対応する当たり図柄(図3中のa、b)の数は少ないので、フラグが成立したゲームで即座に当たり図柄を揃えることは困難であり、その結果としてフラグが次のゲームへ持ち越されることが多くなる。この場合、ビッグボーナスフラグ及びレギュラーボーナスフラグの何れかが持ち越されているゲームでは、小役及びリプレイの内部抽選のみ実行し、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスの内部抽選を実行しない。また、ビッグボーナスフラグ及びレギュラーボーナスフラグの何れかが持ち越されている状態で、小役フラグが成立したときには小役フラグよりもボーナスフラグを優先し、リプレイフラグが成立したときはボーナスフラグよりもリプレイフラグを優先するように構成されている。
スロットマシン1においては、周知のように、メダル払出率(出玉率とも呼ぶ)を例えば「1」〜「6」の6段階に変更するためのメダル払出率設定値(以下、単に設定値と呼ぶ)を、設定権限を有する担当者のみが操作可能な設定変更手段により設定しておく構成となっている。尚、この実施例では6段階の設定値を想定しているが、複数段階であれば何段階でも良いものである。この場合、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスの当たり確率は、設定値が大きな数字になるほど段階的に高くなる状態とされ、また、リプレイについては設定値と無関係に一定の当たり確率(例えば1/7.3)に固定されるものであるが、複数種類の小役については、設定値に応じて当たり確率が変化するものと、設定値と無関係に一定の当たり確率となるものが存在するものであり、このようなスペックは、スロットマシン1の機種毎に異なる状態となっている。
図6には、小役の当たり確率に係るスペックの例が、本実施例によるスロットマシン1に対応した機種「A」と、他の機種「B」、「C」について示されている。この図6においては、設定値「5」及び「6」を「高設定」、設定値「1」〜「4」を「低設定」としてグループ分けしており、機種「A」については、前述したように、小役として2枚役、4枚役、8枚役、10枚役、15枚役が設定されており、それらの小役のうち、2枚役、4枚役、15枚役が設定値に応じて当たり確率が変化し、他の小役(8枚役、10枚役)は設定値と無関係に一定の当たり確率となっていることが分かる。また、機種「B」については、小役として2枚役、4枚役、6枚役が設定され、それらの小役のうち、2枚役、6枚役が設定値に応じて当たり確率が変化し、他の小役(4枚役)は設定値と無関係に一定の当たり確率となっていることが分かる。さらに、機種「C」については、小役として2枚役、4枚役、7枚役、13枚役が設定され、それらの小役のうち、4枚役が設定値に応じて当たり確率が変化し、他の小役(2枚役、7枚役、13枚役)は設定値と無関係に一定の当たり確率となっていることが分かる。
ここで、上記設定値、つまり、スロットマシン1に設定されているメダル払出率(出玉率)は、そのスロットマシン1で遊技を継続するか否かの判断を行う上で極めて重要な情報であるが、当該設定値が遊技者側に知らされることはないので、遊技者側では、何らかの手段で設定値を推定することが有益になる。このような設定値の推定の根拠となる有力な情報として、上述したような設定値に応じて当たり確率が変化する小役(以下、これを特定小役と呼ぶ)の入賞回数を利用することができるものである。つまり、図6のようなスペックであった場合には、本実施例によるスロットマシン1(機種「A」)にあっては、2枚役、4枚役、15枚役が特定小役に該当し、また、機種「B」の他のスロットマシンにあっては、2枚役、6枚役が特定小役に該当し、機種「C」の他のスロットマシンにあっては、4枚役が特定小役に該当することになり、このような特定小役の単位ゲーム数当たりの入賞回数(つまり、特定小役の入賞割合)に基づいて、ある程度以上の確度で設定値を推定できるようになる。
このように、特定小役が何枚役の小役であるかは、図6に例示したように、スロットマシンの機種毎に設定されたスペックに応じて異なるものである。この機種毎のスペック情報については、一般向けに販売されているパチンコ・パチスロ情報誌などを通じて入手可能であるが、実際には、このようなスペック情報を熟知した遊技者とこれを知らない遊技者が存在するという事情がある(遊技場側従業員についても同様の事情下にある)。本実施例では、上記のような設定値推定法を実施するに当たって必要となる情報である、特定小役の種類、当該特定小役の入賞回数及びボーナス間ゲーム数を遊技者に提示するために後述のような手段を備えており、これにより、機種毎のスペック情報を知らない遊技者でも、設定値の推定を比較的容易に行い得るようにした点に1つの特徴を有するものである。
一方、スロットマシン1は、ゲームが行われるのに応じて、少なくとも以下(1)〜(4)に示すような遊技信号を出力する構成となっており、これらの遊技信号は、呼出ランプユニット4に与えられる共に、この呼出ランプユニット4及びLAN5を通じて管理装置3にも与えられる。
(1)アウト信号(スタートレバー8の操作時に、その操作に応じた開始されたゲームで使用(消化)されたメダル数またはクレジットメダル数に相当した数のパルスを出力)
(2)セーフ信号(1メダル払出毎に1パルス出力:払出メダル数信号に相当)
(3)BIG信号(ビッグボーナス期間中にレベル信号出力)
(4)REG信号(レギュラーボーナス期間中にレベル信号出力)
この場合、管理装置3は、スロットマシン1側から送信されてくる上記(1)〜(4)の各遊技信号に基づいて、各スロットマシン1についての各種遊技データの集計を行うと共に、集計したデータを所定形式の帳票データとして出力するという信号処理機能を備えている。
図7には、呼出ランプユニット4の正面外観が示されている。この図7において、呼出ランプユニット4は、複数の表示ランプ4a、例えばバックライト付きのカラー液晶パネルより成るデータ表示部4b(表示手段に相当)、呼出ボタン4c、データ表示部4bによる表示内容を切換えるためのデータ切換ボタン4d、「設定1」ボタン4e、「設定2」ボタン4f、リモコン受光部4gなどを備えた構成となっている。尚、上記リモコン受光部4gは、遊技場従業員が携帯するリモコン(図示せず)から、赤外光を搬送波として送信される種々のリモコン信号(客交替信号、打止信号など)を受信する機能を備えた周知構成のものである。
図8には、呼出ランプユニット4の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより概略的に示されている。この図1において、制御回路15(設定操作受付手段に相当)は、CPU16、制御プログラムを記憶したROM17及びワーキングエリア用のRAM18(記憶手段に相当)などと共にマイクロコンピュータを構成するもので、この制御回路15は、対応するスロットマシン1からの遊技信号(アウト信号、セーフ信号、ゲーム信号、BIG信号、REG信号)を送受信部19により受信すると共に、管理装置3との間での信号の送受信を当該送受信部19により行うようになっている。また、制御回路15は、データ表示部4bでの表示動作を制御すると共に、複数の表示ランプ4aの点灯及び点滅制御を行う構成となっている。さらに、制御回路15には、上記のようなスロットマシン1及び管理装置3からの出力信号、呼出ボタン4c、データ切換ボタン4d、「設定1」ボタン4e、「設定2」ボタン4fを含む操作スイッチ群20からの操作信号、リモコン受光部4が受信したリモコン信号が入力される構成となっている。
図9には、データ表示部4bでのデータ表示例が示されている。この図9において、データ表示部4bには、「B.B数」、「R.B数」、「ゲーム数」、「累計ゲーム数」の各文字が表示されると共に、これらの文字とそれぞれ対応した位置に設定された数値表示エリアN1〜N4に、以下(a)〜(d)のような数値がデジタル表示される。尚、「B.B」の表記はビッグボーナスを意味し、「R.B」の表記はレギュラーボーナスを意味する。
(a)数値表示エリアN1:当日におけるビッグボーナス発生回数の累計値、
(b)数値表示エリアN2:当日におけるレギュラーボーナス発生回数の累計値、
(c)数値表示エリアN3:前回のボーナス(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)の終了時点から現在時点までのゲーム数、つまり、ボーナス間ゲーム数(但し、ボーナスが未発生の時点では、当日の営業開始時点から現在時点までのゲーム数:尚、このボーナス間ゲーム数は、ボーナス発生中はカウントされず、そのボーナス終了時にリセットされる)、
(d)数値表示エリアN4:当日におけるボーナス間の累計ゲーム数。
また、データ表示部4bには、前述した設定値推定法を実施するに当たって必要となる情報である、特定小役の種類、当該特定小役の入賞回数、特定小役種類が後述のような操作により設定されてからのボーナス間ゲーム数(つまり、特定小役の入賞発生に関与したゲーム数)を表示するための情報表示エリアE(図中二点鎖線で囲ったエリア)が設定される。具体的には、この情報表示エリアEには、2種類の特定小役についての入賞数及びゲーム数を遊技情報として表示できるようになっている。
即ち、情報表示エリアEには、2種類の特定小役がそれぞれ何枚役であるかを表示するための特定小役種類表示部F及びGが設定されると共に、それら表示部F及びGに対応された入賞数表示部Fa及びGa、ゲーム数表示部Fb及びGbが表示され、さらに、入賞数表示部Fa及びGaと対応した位置に「入賞数」の文字が表示され、ゲーム数表示部Fb及びGbと対応した位置に「ゲーム数」の文字が表示される。
尚、以下の説明では、必要に応じて、特定小役種類表示部Fに表示された特定小役及び数値(図9の例では「2」)を、それぞれ第1特定小役及び第1設定数と呼び、特定小役種類表示部Gに表示された特定小役及び数値(図9の例では「4」)を、それぞれ第2特定小役及び第2設定数と呼ぶことにする。
この場合、特定小役種類表示部F及びGに特定小役を設定するための特定小役設定操作は、呼出ランプユニット4に備えられた「設定1」ボタン4e、「設定2」ボタン4fを使用して行うものであり、その特定小役設定操作は、以下<1>〜<5>のような手順で行われることになる。
<1>「設定1」ボタン4eを例えば2秒以上連続的に押下すると、特定小役種類表示部Fの数値(第1設定数)が点滅される。
<2>この点滅状態から、「設定2」ボタン4fを押下すると、特定小役種類表示部Fの数値が、初期値(=1)から最大値(例えば15)までインクリメントされる動作がサイクリックに行われる。具体的には、特定小役種類表示部Fの数値は、「1」→「2」→……→「15」→「1」というように変化することになる。
<3>このような「設定2」ボタン4fの操作により特定小役種類表示部Fに任意の数値を表示させた数値設定状態から、「設定1」ボタン4eを押下すると、特定小役種類表示部Gの数値(第2設定数)が点滅される。
<4>この点滅状態から、「設定2」ボタン4fを押下すると、特定小役種類表示部Gの数値が、前記特定小役種類表示部Fの場合と同様に、初期値から最大値までインクリメントされる動作がサイクリックに行われる。
<5>このような「設定2」ボタン4fの操作により特定小役種類表示部Gに任意の数値を表示させた数値設定状態から、「設定1」ボタン4eを押下すると、特定小役種類表示部F及びGの表示内容(図2の例では、2枚役、4枚役)が特定小役(第1特定小役、第2特定小役)として設定される。
要するに、各呼出ランプユニット4においては、最大で2種類の特定小役を設定できるものであり、当該呼出ランプユニット4内のRAM18には、このように設定された特定小役種類を、特定小役毎の入賞数及びゲーム数を示すデータと共に記憶するための特定小役情報記憶エリアが設定されている。尚、この特定小役情報記憶エリアには、後述するデフォルト特定小役の種類を示す設定情報をデフォルト設定情報として記憶することも可能となっているが、そのようなデフォルト設定情報の記憶は、その記憶操作を行う遊技場従業員が、対応するスロットマシン1のスペック情報を熟知していないと正確に行うことが不可能であるため、実際には、初期状態においてデフォルト設定情報は記憶されていない。
図10(a)の一覧図には、同一機種の複数台(遊技台番号が「1」から「8」の8台)のスロットマシン1に対応した呼出ランプユニット4について、前記特定小役情報記憶エリアに記憶された特定小役種類の例(各遊技台番号に対応した特定小役種類のうち、左側が第1設定数、右側が第2設定数)が、特定小役種類を設定した時点からの当該特定小役毎の入賞数及びボーナス間ゲーム数を示すデータと共に示されている。つまり、この図10(a)において、例えば、2番台に対応した呼出ランプユニット4においては、1500ゲーム前に第1特定小役が15枚役に設定され、その後に900ゲームが実施されたとき(600ゲーム前)に第2特定小役が2枚役に設定された状態が示されており、その間に、第1特定小役が6回入賞し、第2特定小役が2回入賞したことが示されている。尚、図10(a)中においては、特定小役種類が記憶(設定)されていない状態、並びに前記デフォルト設定情報が記憶されていない状態が、「−」により示されている。また、対応するスロットマシン1のスペックにない特定小役(この例では6枚役)が誤って設定されている状態(8番台に対応したデータ参照)も示されている。
一方、管理装置3においては、後でも説明するように、各呼出ランプユニット4の特定小役情報記憶エリアに記憶されている特定小役種類を示す第1設定数及び第2設定数、並びに入賞数データを収集し、それらに基づいてスロットマシン1に係る特定小役設定状況集計データを算出する機能を備えている。図11には、このような特定小役設定状況集計データの例が示されている。
即ち、図11は、同一スペックの複数台のスロットマシン1により構成されるグループ単位、例えば、前記図10(a)の一覧図に挙げた8台の呼出ランプユニット4に対応したスロットマシン1群に係る特定小役設定状況集計データの例を示すものであり、このデータは、当該8台の呼出ランプユニット4に設定された特定小役種類(2枚役、4枚役、6枚役、8枚役、15枚役)と対応付けた状態で、その特定小役種類が第1特定小役(特定小役種類表示部Fに表示された特定小役)として設定された呼出ランプユニット4の台数、当該特定小役種類が第2特定小役(特定小役種類表示部Gに表示された特定小役)として設定された呼出ランプユニット4の台数、各特定小役種類の合計設定数(対応する小役が設定された呼出ランプユニット4の台数に相当)、入賞数の合計、を記録した形態となっている。
管理装置3は、上記のような特定小役設定状況集計データにおいて、特定小役種類のうち入賞数が「0」のもの(つまり、所定数のゲームが実行された状態で入賞が発生しなかった小役)を削除特定小役(図10の例では、誤って設定された状態の6枚役が該当)とする。また、管理装置3は、特定小役設定状況集計データに基づいて、合計設定数が上位2つを占める特定小役種類(図11の例では、2枚役、4枚役)に対応した小役を、当該グループに属するスロットマシン1に係るデフォルト特定小役とし、当該デフォルト特定小役の種類を示す設定情報をデフォルト設定情報として決定(特定)する。この場合、デフォルト特定小役とされた2つの特定小役種類を示すデフォルト設定情報のうち、第1特定小役台数が多いものを第1特定小役のデフォルト設定情報、当該第1特定小役台数が少ないものを第2特定小役のデフォルト設定情報とする。尚、合計設定数の上位2つを特定できない場合(例えば上位3つ以上が同数であった場合、或いは第2位及び第3位が同数であった場合など)には、デフォルト設定情報の決定を保留する。但し、このように合計設定数が同数であった場合には、予め定めた統一的な優先順位(例えば、払出メダル数が少ない特定小役を優先する順位)を定めておき、この優先順位に従って設定する構成としても良い。
そして、管理装置3は、上記のように決定したデフォルト設定情報及び削除特定小役を示す情報(この情報は存在しない場合もある)を含んだ設定集計情報を、呼出ランプユニット4へ送信(出力)する構成となっている。
この設定集計情報を受信した呼出ランプユニット4内の制御回路15は、特定小役情報記憶エリアに記憶されている特定小役種類、つまり、設定されている特定小役種類(特定小役種類表示部F及びGに表示された特定小役種類)が、当該設定集計情報中の削除特定小役と合致していた場合には、その特定小役種類を、非記憶状態つまり設定解除状態とするものである。
この場合、図10(a)の例では、8番台に対応した第1特定小役の特定小役種類が削除特定小役に対応した6枚役であるため、これが設定解除状態とされるものであり、このような設定解除が行われた後には、図10(a)の一覧図は図10(b)のように変化することになる。
また、制御回路15は、前記設定集計情報に含まれるデフォルト設定情報により示されるデフォルト特定小役を特定小役情報記憶エリアに記憶(設定)すると共に、未設定の特定小役種類(上記のような設定解除が行われたものを含む)がある場合に、その特定小役種類として、上記デフォルト設定情報に対応したデフォルト特定小役種類を設定するものであり、このような設定が行われた後には、図10(b)の一覧図は図10(c)のように変化することになる。尚、この場合において、全ての特定小役種類を、設定集計情報に含まれるデフォルト設定情報に対応してものに変更しても良いが、遊技者による設定状態を尊重するために、未設定の特定小役種類のみデフォルト設定情報に対応したデフォルト特定小役種類に変更する構成としている。
この後において、遊技者の交替が後述のように検出されたとき(図10においては、数ゲームの遊技が行われた後に交替があったことを想定しているが、このような遊技を経ずに客交替が検出される場合もある)には、制御回路15は、以下のような客交替時データ設定制御を行う。即ち、例えば、1番台、2番台、6番台で遊技者の交替が検出された場合、1番台は、特定小役種類に相当した第1特定小役及び第2特定小役が双方ともデフォルト設定情報と同一であるため、その設定状態及びデータ(入賞数、ゲーム数)を継続する。また、2番台は、第2特定小役(この例では2枚役)のみがデフォルト設定情報と一致するため、その第2特定小役に対応した設定状態及びデータについては、そのまま継続するが、デフォルト設定情報と一致しない第1特定小役(この例では15枚役)に係るデータを初期化し、デフォルト設定情報のうち該当する特定小役(この例では4枚役)を新たなデフォルト特定小役種類として設定する。尚、2番台では、この設定時に、2枚役が第1特定小役、4枚役が第2特定小役となるように調整される。さらに、6番台は、第1特定小役及び第2特定小役が双方ともデフォルト設定情報と一致しないため、それら各特定小役に係るデータを初期化し、デフォルト設定情報により示される特定小役(2枚役、4枚役)を新たなデフォルト特定小役種類として設定する。これに応じて、図10(c)の一覧図は図10(d)のように変化することになる。
さて、図14〜図17には、呼出ランプユニット4内の制御回路15による制御内容のうち、データ表示部4bに係るデータ表示処理についての制御内容が示されており、以下、これについて関連した作用と共に説明する。
図14に示すように、制御回路15は、アウト・セーフ信号入力処理ルーチンR1、設定値更新処理ルーチンR2、設定情報送信処理ルーチンR3、客交替処理ルーチンR4から成るデータ表示用プログラムを反復実行する構成となっている。
図15には、アウト・セーフ信号入力処理ルーチンR1の内容が示されている。このルーチンR1では、対応するスロットマシン1からのセーフ信号の入力の有無を判断し(ステップA1)、セーフ信号が入力されたときには、セーフ数を加算するステップA2、タイマ時間が例えば4秒程度に設定されたゲームタイマをスタートさせるステップA3を順次実行した後に、1ゲーム分相当のアウト信号が入力されたか否かを判断する(ステップA4)。尚、ステップA2での加算結果として得られるセーフ数は、小役の発生に伴うメダルの払出数を示すことになり、従って、ゲームに応じて発生した小役の種類を、当該セーフ数に基づいて判定できることになる。
上記アウト信号の入力の有無を判断するためのステップA4は、前記ステップA1で「NO」と判断した場合にも実行されるものであり、アウト信号の非入力状態では、ゲームタイマがタイムアップしたか否かを判断し(ステップA5)、タイムアップ前の状態であったときには、そのままリターンする。
1ゲーム分相当のアウト信号が入力されたとき(ステップA4:YES)、つまりスロットマシン1においてゲームが行われたときには、ゲーム数を「1」だけ加算する(ステップA6)。尚、特定小役が設定されている場合、ステップA6では、そのゲーム数も加算する。
上記ステップA6の実行後には、セーフ数が「0」であるか否かを判断する(ステップA7)。このステップA7は、前記アウト信号の非入力状態でゲームタイマがタイムアップしたとき(ステップA5:YES)にも実行されるものであり、セーフ数が「0」であった場合(最初のゲームであった場合、または、前回のゲーム結果がハズレであった場合)にはそのままリターンする。これに対して、セーフ数が「0」以外であった場合には、そのセーフ数に基づいて発生した小役の種類を特定し(ステップA8)、その特定結果に基づいて、発生した小役が遊技者により設定された特定小役(データ表示部4bの特定小役種類表示部F及びGに表示された特定小役:図9の例では2枚役及び4枚役)であるか否かを判断する(ステップA9)。
発生した小役が特定小役であった場合には、データ表示部4bの入賞数表示部Fa及びGaに表示中の特定小役の入賞数、並びに当該データ表示部4bのゲーム数表示部Fb及びGbに表示中のゲーム数のうち、発生した特定小役に対応した入賞数及びゲーム数をインクリメントする(ステップA10)。この後には、セーフ数を「0」に初期化するステップA10を実行した後にリターンする。また、特定小役でなかった場合には、ステップA9をジャンプした後に、ステップA11を実行してリターンする。
尚、上記アウト・セーフ信号入力処理ルーチンR1は、状態信号(ボーナス信号など)が出力されていないボーナス間の集計処理であるが、ボーナスが発生中の期間に同等の集計処理を行う構成としても良いものである。
図16には、設定値更新処理ルーチンR2の内容が示されている。このルーチンR2では、遊技者による特定小役設定操作(前述した<1>〜<5>参照)の有無を判断し(ステップB1)、その特定小役設定操作があったときには、前記特定小役情報記憶エリアの記憶内容(特には、特定小役種類に係る設定内容)、並びにデータ表示部4bの表示内容(特には、特定小役種類表示部F及びGに表示された第1設定数及び第2設定数)を、特定小役設定操作に応じた内容に更新し(ステップB2)、この後に管理装置3から前述した設定集計情報を受信したか否かを判断する(ステップB3)。また、特定小役設定操作がない状態(ステップB1:NO)では、ステップB2をジャンプして上記ステップB3を実行する。
設定集計情報を受信していない状態(ステップB3:NO)では、そのままリターンするが、受信した場合には、その設定集計情報中に前記削除特定小役が含まれるか否かを判断する(ステップB4)。設定集計情報に削除特定小役が含まれていた場合には、特定小役情報記憶エリアに記憶されている特定小役種類が当該削除特定小役と同じであった場合のみ、その特定小役種類を非記憶状態(設定解除状態)とするステップB5を実行した後に、ステップB6へ移行する。また、設定集計情報に削除特定小役が含まれていなかった場合には、ステップB5をジャンプしてステップB6へ移行する。
上記ステップB6では、管理装置3から受信した設定集計情報に含まれるデフォルト設定情報を特定小役情報記憶エリアに記憶(設定)するものであり、この後には、未設定の特定小役種類が2つであるか、或いは1つであるかを判断する(ステップB7、B8)。
未設定の特定小役種類が2つであった場合(ステップB7:YES)、つまり、第1特定小役及び第2特定小役が双方とも未設定の場合には、それらの第1特定小役及び第2特定小役として、上記デフォルト設定情報に対応した2種類のデフォルト特定小役種類を設定し(ステップB9)、この後にリターンする。
また、未設定の特定小役種類が1つであった場合(ステップB8:YES)、つまり第1特定小役及び第2特定小役の一方が未設定であった場合には、設定済みの特定小役種類がデフォルト設定情報に含まれる2つの特定小役種類の一方と一致するか否かを判断し(ステップB10)、一致する場合には、未設定の特定小役種類として、上記デフォルト設定情報に含まれる他方の特定小役種類を設定するステップB11を実行した後にリターンする。
これに対して、設定済みの特定小役種類がデフォルト設定情報に含まれる2つのデフォルト特定小役種類の一方と一致しない場合(ステップB10:NO)には、未設定の特定小役種類として、デフォルト設定情報に含まれる2つの特定小役種類のうち優先度が高い(即ち、第1特定小役として設定されている)特定小役種類を設定するステップB12を実行した後にリターンする。
図17には、設定情報送信処理ルーチンR3の内容が示されている。このルーチンR3では、管理装置3からの設定情報収集信号を受信したか否かを判断し(ステップC1)、非受信状態ではそのままリターンする。これに対して、設定情報収集信号を受信した場合には、特定小役情報記憶エリアに設定されている特定小役種類を抽出するステップC2、抽出した特定小役種類に係る入賞数(特定小役種類を設定した時点からの入賞数)を抽出するステップC3を順次実行する。この後には、ステップC2及びC3で抽出した情報(特定小役種類及び入賞数)を設定情報とするステップC4、その設定情報を管理装置3へ送信するステップC5を順次実行した後にリターンする。
前記客交替処理ルーチンR4については具体的に図示しないが、スロットマシン1での遊技者の交替が検出されたとき(例えば、遊技場従業員が携帯する図示しないリモコンからリモコン受光部4gを通じて客交替信号が入力されたとき)に、前述したような客交替時データ設定制御(図10(c)の一覧図を図10(d)のように変更する制御)を実行した後にリターンする。尚、客交替時データ設定制御は、翌営業日における遊技場開店時にも行われることになる。
図18には、管理装置3での制御内容のうち、呼出ランプユニット4との間のデータ授受に関連した部分の制御内容が示されており、以下これについて説明する。
即ち、管理装置3は、予め設定された所定条件(例えば、所定時刻になった場合、スロットマシン1の機種毎の平均アウトが所定値となった場合、遊技場従業員による情報収集開始操作があった場合など)が成立したか否かを判断し(ステップE1)、その所定条件が成立していない状態では、他の制御処理を実行するためにリターンする。
上記所定条件が成立した場合には、遊技場内の全部の呼出ランプユニット4に向けて前記設定情報収集信号を送信するステップE2を実行する。尚、この設定情報収集信号を受信した呼出ランプユニット4では、前述したように、制御回路15が、特定小役情報記憶エリアに設定されている特定小役種類を抽出すると共に、その特定小役種類に係る入賞数(特定小役種類を設定した時点からの入賞数)を抽出し、それらの特定小役種類及び入賞数を含む設定情報を管理装置3へ送信する制御を行うものである。
管理装置3においては、ステップE2の実行後には、全部の呼出ランプユニット4から前記設定情報を受信するまで待機する(ステップE3)。尚、管理装置3にあっては、このような待機状態が予め設定された上限時間以上継続したときには、これをエラー発生と認識して所定のエラー対策を実行することになる。
全部の呼出ランプユニット4から設定情報を受信したときには、その設定情報中の特定小役種類及び入賞数を集計することにより特定小役設定状況集計データ(図11参照)を算出する(ステップE4)。
次いで、上記特定小役設定状況集計データ中の特定小役種類のうち、入賞数が「0」のものを前記削除特定小役として設定する(ステップE5)。また、特定小役設定状況集計データに基づいて、合計設定数が上位2つを占める特定小役種類を前記デフォルト設定情報として決定する(ステップE6)。
この後には、デフォルト設定情報として抽出された2つの特定小役種類のうち、第1特定小役台数が多いものを第1特定小役のデフォルト設定情報、当該第1特定小役台数が少ないものを第2特定小役のデフォルト設定情報とする優先順位決定処理を行い(ステップE7)、そのデフォルト設定情報及び削除特定小役を示す情報(この情報は存在しない場合もある)を含んだ設定集計情報を作成する(ステップE8)。次いで、このように作成した設定集計情報を呼出ランプユニット4へ送信するステップE9を実行した後にリターンする。
一方、管理装置3は、各スロットマシン1の設定値を遊技台番号と対応付けて管理する構成となっており、スロットマシン1からの遊技信号(アウト信号、セーフ信号、ゲーム信号など)に基づいて、図12及び図13に示すようなデータを集計する構成となっている。尚、遊技台番号と設定値との対応付けは、当該設定値を遊技台番号毎に別途に入力すること、或いは、各スロットマシン1から設定値を示す遊技信号を管理装置3へ送信すること、などにより行うことができる。
図12の集計データは、前述した機種「A」に係る8台のスロットマシン1について、その遊技台番号「1」〜「8」と対応付けた状態で、デフォルト設定情報に対応した第1特定小役(この例では2枚役)及び第2特定小役(この例では4枚役)に係る入賞数、ボーナス間ゲーム数、当たり確率、設定値(「高設定」及び「低設定」の分類)を集計すると共に、「高設定」及び「低設定」の各グループについて上記第1特定小役及び第2特定小役に係る入賞数の合計、ボーナス間ゲーム数の合計、当たり確率の平均値を集計した形態となっている。
また、図13の集計データは、前記第1特定小役及び第2特定小役について、前述した機種「A」、「B」、「C」毎の1入賞当たりの払出メダル数、「高設定」の当たり確率、「低設定」の当たり確率を集計した形態となっている。
このような集計データをモニタ出力或いはプリント出力して管理することにより、デフォルト設定情報に対応した第1特定小役及び第2特定小役が正しく設定されているか否かを、遊技場担当者側で確認可能となる。また、このような集計データを遊技者にフィードバックすることにより、遊技者側で、当該集計データにより示される過去の遊技情報と、呼出ランプユニット4のデータ表示部4bに表示中の現時点での遊技情報とを比較できるようにし、以て、遊技者が「設定1」ボタン4e、「設定2」ボタン4fを使用して特定小役設定操作を行う際に、その特定小役種類の推定の一助とすることができるようになる。
要するに、上記した本実施例の構成によれば、以下に述べるような作用・効果を奏するものである。
即ち、スロットマシン1での遊技者は、「設定1」ボタン4e、「設定2」ボタン4fを使用して特定小役設定操作(入力設定操作)を行うことにより、呼出ランプユニット4に設けられたデータ表示部4bの特定小役種類表示部F及びGに特定小役(当たり確率がスロットマシン1に設定されている設定値に応じて変化する小役)に対応すると考えられる小役種類情報を設定(記憶)することができる。この場合、遊技者側では、スロットマシン1に実際に設定されている複数種類の小役のうち、どれが特定小役であるかを正確に認識している必要はなく、自身の推理・推測により適宜な小役を特定小役として決定して特定小役設定操作を行えば良いものである。勿論、スロットマシンの機種毎のスペック情報を、パチンコ・パチスロ情報誌などを通じて熟知している遊技者にあっては、特定小役の種類を正確に把握し、その特定小役に対応した小役種類情報を特定小役種類表示部F及びGに設定することになる。
このように特定小役種類表示部F及びGに設定された小役種類情報に対応した小役については、データ表示部4b中の情報表示エリアEに対して、小役種類情報の設定時点からの入賞数及び当該小役の入賞発生に関与したボーナス間ゲーム数が遊技情報として表示されるようになる。従って、遊技者側では、データ表示部4bに表示された入賞数及びボーナス間ゲーム数の割合により示される特定小役の当たり確率の大小を根拠として、スロットマシン1に設定されている設定値を推測可能になる。つまり、遊技対象のスロットマシン1の選択時或いはスロットマシン1での遊技中に、当該スロットマシン1の設定値が高設定か否かを推測する場合に、そのスペックを把握していなくとも、図13の集計データを基準データとして、現在時点のデータ表示部4bでの表示データを比較することにより、スロットマシン1が高設定か否かを推測可能となる。これにより、当該推測行為そのものをゲームの一環として楽しむことができるものであり、以てゲームに対する興趣向上を図り得るようになる。但し、このような推測は、データ表示部4bの特定小役種類表示部F及びGに設定された小役種類情報が適切であった場合のみ有効になるものであるが、適切な小役種類情報の設定を行わなかった遊技者、つまり、特定小役の推理・推定が間違っていた遊技者であっても、その推理・推定行為そのものをゲームの一環として楽しむことができるようになる。
一方、管理装置3は、同一スペックの複数台のスロットマシン1により構成されるグループ単位で、データ表示部4bの特定小役種類表示部F及びGに設定されている小役種類情報の数(RAM18の特定小役情報記憶エリアに記憶された特定小役種類の数)の合計を当該小役種類情報毎に集計し、その集計結果が上位となった小役種類情報に対応した小役を、当該グループに属するスロットマシン1に係るデフォルト特定小役として特定するようになる。また、管理装置3は、その後に、所定条件が成立したとき(所定時刻になった場合、スロットマシン1の機種毎の平均アウトが所定値となった場合、遊技場従業員による情報収集開始操作があった場合など)には、上記のように特定したデフォルト特定小役の種類を示すデフォルト設定情報を含んだ設定集計情報を、呼出ランプユニット4へ送信(出力)するようになる。
そして、呼出ランプユニット4にあっては、上記のような設定集計情報を受信したときには、その設定集計情報に含まれるデフォルト設定情報をRAM18の特定小役情報記憶エリアに記憶(設定)すると共に、未設定の特定小役種類がある場合に、その特定小役種類として、上記デフォルト設定情報に対応したデフォルト特定小役種類を設定するようになる。
この場合、遊技者側の推理・推測により決定された特定小役の種類は、複数の種類に分散すると考えられるが、スロットマシン1の機種毎のスペック情報を熟知した遊技者により決定された特定小役の種類は、スロットマシン1に実際に設定されている特定小役に集中することになるから、結果的に、上記のように管理装置3により特定される特定小役の種類は、比較的正確な状態に収束するものである。従って、前記設定集計情報に含まれるデフォルト設定情報により示されるデフォルト特定小役の種類、つまり、特定小役種類表示部F及びGに設定された小役種類情報は、スロットマシン1に実際に設定されている特定小役に対応したものとなり、結果的に、そのような小役種類情報の設定作業を遊技場従業員が行う必要がなくなるものである。これにより、スロットマシン1の設定値を推測するときの根拠となる遊技情報(入賞数及びボーナス間ゲーム数)を表示する機能を、遊技場従業員の負担増を招くことなく実現できるようになる。
また、管理装置3にあっては、特定小役種類表示部F及びGに表示された特定小役のうち、所定数のゲームが実行された状態で入賞が発生しなかった小役を削除特定小役とすると共に、このような削除特定小役が存在した場合には、呼出ランプユニット4へ送信する前記設定集計情報中に、当該削除特定小役を示す情報も含ませる構成となっている。そして、この設定集計情報を受信した呼出ランプユニット4は、RAM18の特定小役情報記憶エリアに記憶されている特定小役種類(特定小役種類表示部F及びGに表示された特定小役種類)が、当該設定集計情報中の削除特定小役と合致していた場合には、その特定小役種類を、非記憶状態つまり設定解除状態とする構成となっている。つまり、所定数のゲームが実行された状態で入賞が発生しなかった小役に対応した小役種類情報については、管理装置3においてデフォルト設定情報の決定のために行われる小役種類情報の合計の集計対象から除外されることになる。この結果、遊技者が、「設定1」ボタン4e、「設定2」ボタン4fを使用した特定小役設定操作により小役種類情報を設定した場合において、その遊技者の推理・推定に基づいて誤って決定された特定小役に対応した小役種類情報については、デフォルト設定情報の決定に供される小役種類情報の合計の集計対象から除外されるから、管理装置3において特定される特定小役の種類がより正確になる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えば以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
管理装置3による機能のうち、デフォルト設定情報の算出に係る情報特定手段としての機能を呼出ランプユニット4内の制御回路15に移植することにより、当該呼出ランプユニット4を本発明でいう遊技情報表示装置とする構成も可能である。また、スロットマシン1間に設置される台毎表示端末(例えば、プレジャービジョン(登録商標))を本発明でいう遊技情報表示装置とする構成も可能である。
呼出ランプユニット4内の制御回路15は、管理装置3から設定集計情報を受信したときに、その設定集計情報に含まれるデフォルト設定情報をRAM18の特定小役情報記憶エリアに記憶するのではなく、そのデフォルト設定情報により示される特定小役の種類を遊技者に向けて報知する動作を行う構成であっても良い。尚、この場合、特定小役の種類の報知を受けた遊技者は、データ表示部4bの特定小役種類表示部F及びGに対して、当該特定小役の種類を示す小役種類情報を、「設定1」ボタン4e、「設定2」ボタン4fによる特定小役設定操作により設定することになる。
データ表示部4b中の情報表示エリアEに対して、小役種類情報の設定時点からの入賞数及びボーナス間ゲーム数を遊技情報として表示する構成としたが、当日の営業日における通算の入賞数及びボーナス間ゲーム数を遊技情報として表示しても良く、また、所定のタイミング(所定時刻になったとき、或いは予め設定した条件が成立したとき)からの入賞数及びボーナス間ゲーム数を遊技情報として表示する構成としても良い。
管理装置3は、特定小役設定状況集計データ(図6参照)に基づいたデフォルト設定情報の設定時には、特定小役種類のうち入賞数が「0」の小役を削除設定小役として除外する構成としたが、ゲーム数が所定値に満たない特定小役種類に対応した小役を除外するなど、他の除外条件を設定しても良い。また、デフォルト設定情報の設定対象となる呼出ランプユニット4の台数が所定値未満である場合(例えば、8台中の5台未満であった場合)や、合計設定数が所定値未満の場合(例えば、図6中の合計設定数が「3」未満の場合)は、デフォルト設定情報の設定を保留する構成としても良い。
上記実施例では、特定小役に係る入賞数などを集計するようにしたが、全ての小役についての入賞数などを集計及び表示するようにしても良い。この場合、特定小役に係る表示については特定小役であることを示して表示すれば、遊技客に特定小役を把握させることが可能になる。また、所定数(例えば「4」)までの小役種類を入力順に記憶しておき、特定小役及びデフォルト設定情報に対応した小役の順で優先して記憶するようにしても良い。このような場合に、特定小役として設定されていない小役についても入賞数などを記憶しているため、特定小役を設定した際に、その設定前の遊技情報も出力することが可能となる。
特定小役種類として第1特定小役及び第2特定小役の2種類を設定できる構成としたが、3種類以上の特定小役種類を設定しても良いものである。
スロットマシン1の例として3枚賭け専用機を挙げたが、専用機でなくても良いことは勿論である。このようにスロットマシン1が3枚賭け専用機でなかった場合には、小役の当たり確率がベット数により異なる機種があるので、ゲームごとのアウト数(投入枚数)に応じて3枚賭けであるか否かを判断し、3枚賭け以外のゲームを集計対象から除外する構成とすれば良い。
また、所謂ストック機など、ボーナスフラグを持ち越しているゲームであってもボーナスのための内部抽選を行うスロットマシンを対象とすることもできる。この場合には、遊技者が設定可能な小役種類情報は、例えば、特定小役入賞後の特定ゲームを消化する間にカウントダウンされるゲーム数を含むことになる。
1はスロットマシン、3は管理装置(特定小役判定手段、情報特定手段)、4は呼出ランプユニット、4bはデータ表示部(表示手段)、5はLAN、9は可変表示装置、9a〜9cは第1〜第3リール、15は制御回路(設定操作受付手段)、18はRAM(記憶手段)を示す。