JP2008013489A - ベシル酸アムロジピン含有錠剤 - Google Patents
ベシル酸アムロジピン含有錠剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ベシル酸アムロジピンを長期間安定に含有することができる錠剤の提供。
【解決手段】ベシル酸アムロジピンと製剤上の添加剤を含有する錠剤であって、賦形剤としてD−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムを含有し、乳糖及び結晶セルロースを含有しない錠剤、その錠剤が酸化チタン又は酸化鉄を含有する被覆剤で被覆されて成る錠剤、さらには、錠剤の全重量に対してD−マンニトールが50〜90重量%であり、無水リン酸水素カルシウムが5〜40重量%である錠剤。
【選択図】なし
【解決手段】ベシル酸アムロジピンと製剤上の添加剤を含有する錠剤であって、賦形剤としてD−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムを含有し、乳糖及び結晶セルロースを含有しない錠剤、その錠剤が酸化チタン又は酸化鉄を含有する被覆剤で被覆されて成る錠剤、さらには、錠剤の全重量に対してD−マンニトールが50〜90重量%であり、無水リン酸水素カルシウムが5〜40重量%である錠剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、ベシル酸アムロジピン(日本医薬品一般的名称)を長期間安定に含有することができる錠剤に関する。
ベシル酸アムロジピンは、ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗剤であり、高血圧症や狭心症の改善のために使用されている有用な医薬であるが、アムロジピンは、光や空気中の湿気の影響を受け易く、長期保存をする上で安定性に問題があることが知られている。そこで、その安定化を図るため、たとえば酸化鉄を含有する被覆剤で被覆した錠剤等が提案されている。
特開2003−104888号公報
本発明の課題は、ベシル酸アムロジピンを長期間安定に含有することができる錠剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、賦形剤として一般的な乳糖及び結晶セルロースを使用すると、湿度条件下において錠剤の吸湿が起こり安定性に問題があること、D−マンニトールと無水リン酸カルシウムを使用すると所期の目的を達成する錠剤が得られることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち、本発明によれば、
[1]ベシル酸アムロジピンと製剤上の添加剤を含有する錠剤であって、賦形剤としてD−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムを含有し、乳糖及び結晶セルロースを含有しないことを特徴とする錠剤、
[2]錠剤が酸化チタン又は酸化鉄を含有する被覆剤で被覆されて成る前記[1]記載の錠剤、
[3]錠剤の全重量に対してD−マンニトールが50〜90重量%であり、無水リン酸水素カルシウムが5〜40重量%である前記[1]又は[2]に記載の錠剤を提供することができる。
[1]ベシル酸アムロジピンと製剤上の添加剤を含有する錠剤であって、賦形剤としてD−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムを含有し、乳糖及び結晶セルロースを含有しないことを特徴とする錠剤、
[2]錠剤が酸化チタン又は酸化鉄を含有する被覆剤で被覆されて成る前記[1]記載の錠剤、
[3]錠剤の全重量に対してD−マンニトールが50〜90重量%であり、無水リン酸水素カルシウムが5〜40重量%である前記[1]又は[2]に記載の錠剤を提供することができる。
本発明の錠剤によれば、安定性に問題があるベシル酸アムロジピンを長期間安定に維持することができる。
本発明において使用されるベシル酸アムロジピンの原末は、錠剤化後の適度な溶出速度を得るために、平均粒子径(光散乱法による測定値)が5μm〜100μmのものが好ましく、より好ましくは10μm〜50μmである。
本発明において使用される製剤上の添加物としては、賦形剤としてD−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムのほか、トウモロコシ澱粉、バレイショ澱粉、白糖、ショ糖、ブドウ糖等が挙げられる。
本発明において使用される結合剤としては、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン等が挙げられる。
なお、D−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムの使用量は、錠剤の全体の重量中、D−マンニトールが50〜90重量%程度、無水リン酸水素カルシウムが5〜40重量%程度がそれぞれ好ましい。
また、本発明において使用される崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化澱粉等が挙げられ、なかでもカルボキシメチルセルロースカルシウムが好ましい。
さらに、滑沢剤としてタルクやステアリン酸マグネシウム等を使用することができる。
本発明において被覆剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース等の常用基材とともに酸化チタンやタルクや三二酸化鉄や黄色三二酸化鉄を混合して用いることができる。
本発明において使用される製剤上の添加物としては、賦形剤としてD−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムのほか、トウモロコシ澱粉、バレイショ澱粉、白糖、ショ糖、ブドウ糖等が挙げられる。
本発明において使用される結合剤としては、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン等が挙げられる。
なお、D−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムの使用量は、錠剤の全体の重量中、D−マンニトールが50〜90重量%程度、無水リン酸水素カルシウムが5〜40重量%程度がそれぞれ好ましい。
また、本発明において使用される崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化澱粉等が挙げられ、なかでもカルボキシメチルセルロースカルシウムが好ましい。
さらに、滑沢剤としてタルクやステアリン酸マグネシウム等を使用することができる。
本発明において被覆剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース等の常用基材とともに酸化チタンやタルクや三二酸化鉄や黄色三二酸化鉄を混合して用いることができる。
結晶セルロース62.03g、無水リン酸水素カルシウム30.0g、ベシル酸アムロジピン(平均粒子径:約20μm)3.47g、軽質無水ケイ酸0.5g、カルボキシメチルスターチナトリウム3.0g及びステアリン酸マグネシウム1.0gを加え、均一に混合した。次いで、この混合物をロータリー式打錠機(菊水製作所製:クリンプレスコレクト19K型)で圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
結晶セルロース 62.03
無水リン酸水素カルシウム 30.0
軽質無水ケイ酸 0.5
カルボキシメチルスターチナトリウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
結晶セルロース 62.03
無水リン酸水素カルシウム 30.0
軽質無水ケイ酸 0.5
カルボキシメチルスターチナトリウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
(1)素錠
D−マンニトール322.12g、無水リン酸水素カルシウム40.0gを流動層造粒機(パウレック製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース−L8.0gを水152.0gに溶解した結合液にベシル酸アムロジピン(平均粒子径:約20μm)13.88gを懸濁して得られた造粒液を用いて造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した顆粒288.0gに、カルボキシメチルセルロースカルシウム9.0g及びステアリン酸マグネシウム3.0gを加え、均一に混合した。次いで、この混合物をロータリー式打錠機(菊水製作所製:クリンプレスコレクト19K型)で圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
D−マンニトール 80.53
無水リン酸水素カルシウム 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース−L 2.0
カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
D−マンニトール322.12g、無水リン酸水素カルシウム40.0gを流動層造粒機(パウレック製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース−L8.0gを水152.0gに溶解した結合液にベシル酸アムロジピン(平均粒子径:約20μm)13.88gを懸濁して得られた造粒液を用いて造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した顆粒288.0gに、カルボキシメチルセルロースカルシウム9.0g及びステアリン酸マグネシウム3.0gを加え、均一に混合した。次いで、この混合物をロータリー式打錠機(菊水製作所製:クリンプレスコレクト19K型)で圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
D−マンニトール 80.53
無水リン酸水素カルシウム 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース−L 2.0
カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
(2)被覆錠
ヒドロキシプロピルメチルセルロース16.5gをエタノール90gと水 90gの混合液に加え、撹拌し溶解させた。これに酸化チタン3.0gとタルク0.5gを加え、撹拌してコーティング液を調製した。
次に(1)で製造した素錠をコーティング機に投入し、先に調製したコーティング液を噴霧することにより、被覆錠とし、乾燥させて下記組成の錠剤を得た(1錠当たり104.0mg)。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
D−マンニトール 80.53
無水リン酸水素カルシウム 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース−L 2.0
カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.3
酸化チタン 0.6
タルク 0.1
ヒドロキシプロピルメチルセルロース16.5gをエタノール90gと水 90gの混合液に加え、撹拌し溶解させた。これに酸化チタン3.0gとタルク0.5gを加え、撹拌してコーティング液を調製した。
次に(1)で製造した素錠をコーティング機に投入し、先に調製したコーティング液を噴霧することにより、被覆錠とし、乾燥させて下記組成の錠剤を得た(1錠当たり104.0mg)。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
D−マンニトール 80.53
無水リン酸水素カルシウム 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース−L 2.0
カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.3
酸化チタン 0.6
タルク 0.1
比較例1
ベシル酸アムロジピン(平均粒子径:約20μm)の安定保持に関する比較実験に供するため、実施例1と同様にして下記組成の錠剤を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
結晶セルロース 62.03
乳糖 30.0
軽質無水ケイ酸 0.5
カルボキシメチルスターチナトリウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
ベシル酸アムロジピン(平均粒子径:約20μm)の安定保持に関する比較実験に供するため、実施例1と同様にして下記組成の錠剤を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
結晶セルロース 62.03
乳糖 30.0
軽質無水ケイ酸 0.5
カルボキシメチルスターチナトリウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
比較例2
ベシル酸アムロジピン(平均粒子径:約20μm)の安定保持に関する比較実験に供するため、実施例2と同様にして下記組成の被覆錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
結晶セルロース 80.53
無水リン酸水素カルシウム 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース−L 2.0
カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.3
酸化チタン 0.6
タルク 0.1
ベシル酸アムロジピン(平均粒子径:約20μm)の安定保持に関する比較実験に供するため、実施例2と同様にして下記組成の被覆錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
ベシル酸アムロジピン 3.47
結晶セルロース 80.53
無水リン酸水素カルシウム 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース−L 2.0
カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.3
酸化チタン 0.6
タルク 0.1
試験例1(苛酷試験での錠剤中のベシル酸アムロジピン残存率)
(1)試験方法
実施例1、2及び比較例1、2で得た錠剤について各20錠をとり、それぞれ開放した硝子瓶に収容し、恒温槽に入れ、温度60℃、相対湿度75%の条件下に保存した。保存開始から7及び14日経過後、各錠剤中のベシル酸アムロジピンの残存量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。その測定結果から、それぞれ残存百分率(%)を算出し、下記の結果を得た。
保存開始時(%) 7日経過後(%) 14日経過後(%)
実施例1 99.92 98.57 −
比較例1 99.84 91.81 −
実施例2 99.96 − 99.30
比較例2 99.87 − 97.15
(2)以上の結果から、本発明に係る実施例1の錠剤は、比較例1の錠剤と比べ、また、実施例2の錠剤は、比較例2の錠剤と比べてベシル酸アムロジピンを極めて効果的に安定に保持し得ることが判った。
(1)試験方法
実施例1、2及び比較例1、2で得た錠剤について各20錠をとり、それぞれ開放した硝子瓶に収容し、恒温槽に入れ、温度60℃、相対湿度75%の条件下に保存した。保存開始から7及び14日経過後、各錠剤中のベシル酸アムロジピンの残存量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。その測定結果から、それぞれ残存百分率(%)を算出し、下記の結果を得た。
保存開始時(%) 7日経過後(%) 14日経過後(%)
実施例1 99.92 98.57 −
比較例1 99.84 91.81 −
実施例2 99.96 − 99.30
比較例2 99.87 − 97.15
(2)以上の結果から、本発明に係る実施例1の錠剤は、比較例1の錠剤と比べ、また、実施例2の錠剤は、比較例2の錠剤と比べてベシル酸アムロジピンを極めて効果的に安定に保持し得ることが判った。
本発明によれば、高血圧症や狭心症の改善のために使用されている有用な医薬であるが、安定性に問題があるベシル酸アムロジピンを、長期間安定に保持した安全な錠剤を医療現場に提供することができる。
Claims (3)
- ベシル酸アムロジピンと製剤上の添加剤を含有する錠剤であって、賦形剤としてD−マンニトールと無水リン酸水素カルシウムを含有し、乳糖及び結晶セルロースを含有しないことを特徴とする錠剤
- 錠剤が酸化チタン又は酸化鉄を含有する被覆剤で被覆されて成る請求項1に記載の錠剤。
- 錠剤の全重量に対してD−マンニトールが50〜90重量%であり、無水リン酸水素カルシウムが5〜40重量%である請求項1又は請求項2に記載の錠剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006186217A JP2008013489A (ja) | 2006-07-06 | 2006-07-06 | ベシル酸アムロジピン含有錠剤 |
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JP2006186217A JP2008013489A (ja) | 2006-07-06 | 2006-07-06 | ベシル酸アムロジピン含有錠剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006186217A Pending JP2008013489A (ja) | 2006-07-06 | 2006-07-06 | ベシル酸アムロジピン含有錠剤 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008013489A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008062435A3 (en) * | 2006-08-15 | 2008-07-31 | Alkem Lab Ltd | Stabilised dosage forms of amlodipine besylate |
WO2009157564A1 (ja) * | 2008-06-26 | 2009-12-30 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | セルロース組成物 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003503477A (ja) * | 1999-07-05 | 2003-01-28 | リチュテル・ゲデオン・ヴェジェーセティ・ジャール・エルテー | アムロジピンベンゼンスルホン酸塩の製造方法 |
JP2003104888A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Taiyo Yakuhin Kogyo Kk | ジヒドロピリジン誘導体の錠剤 |
WO2005058825A1 (en) * | 2003-12-16 | 2005-06-30 | Sk Chemicals, Co., Ltd. | Amlodipine gentisate and a method of its preparation |
-
2006
- 2006-07-06 JP JP2006186217A patent/JP2008013489A/ja active Pending
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