JP2008012491A - 好気消化槽及びこの好気消化槽を備えた汚水浄化槽 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、固液分離部と、この固液分離部にて分離する固形物又は汚泥を好気消化する好気消化部と、この好気消化部に気泡供給する散気装置とを備え、上記好気消化部が、上記散気装置より吐出される気泡により発生する水流を遮蔽する遮蔽板を有する好気消化槽である。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に開示されたものは、原水流入部から嫌気濾床槽に流入した後に、汚泥消化槽、担体流動槽、接触ばっ気槽の順に移送され、沈殿槽、消毒槽を経た後に、放流口から槽外へと放流される。即ち、原水は、汚泥消化槽にて汚泥の減量化を行われるので、水処理装置全体として大きさをコンパクトにすることができる。
(1)固液分離部と、この固液分離部にて分離する固形物又は汚泥を好気消化する好気消化部と、この好気消化部に気泡供給する散気装置とを備え、上記好気消化部が、上記散気装置より吐出される気泡により発生する水流を遮蔽する遮蔽板を有する好気消化槽。
(2)項(1)において、好気消化部が、遮蔽板により水流を遮蔽された空間に、濾床を有する好気消化槽。
(3)項(1)又は(2)において、固液分離部と好気消化部とが、互いを連通させる連通部を有し、固液分離部が、その底部に堆積した固形物又は汚泥を、好気消化部へと移送する移送手段を有する好気消化槽。
(4)項(1)乃至(3)の何れかにおいて、好気消化部が、遮蔽板により水流を遮蔽された空間に、攪拌装置を有する好気消化槽。
(5)項(4)において、攪拌装置が、間欠的に気泡攪拌運転され、この気泡攪拌運転中に散気装置を停止する好気消化槽。
(6)項(1)乃至(5)の何れかに記載の好気消化槽を備えた汚水浄化槽
遮蔽板により水流が遮蔽された空間に濾床を設置した場合は、汚泥が濾床に捕捉され高濃度に濃縮されるため、嫌気消化率が向上する。
固液分離部と好気消化部との連通部、及び、好気消化部への移送手段を設けた場合は、上記空間に、固液分離部にて分離された固形物又は高濃度の汚泥が移送され、貯留される確率が高まるため、さらに嫌気消化率が向上する。
攪拌装置を設けた場合は、上記空間内の嫌気消化された汚泥と、好気消化部内を旋回している汚泥が、撹拌によりその一部または全部が入れ換わるため、さらに効率よく消化が進行する。しかし、常時撹拌した場合は、上記空間に酸素が持ち込まれるため、嫌気消化が出来ない。そこで間欠的に撹拌することで、嫌気消化を妨げないようにする。撹拌中に散気装置を停止させることで、好気消化部内を旋回流が停止するため、上記空間内の沈降汚泥が、固液分離部移流することを防止できる。更に、気泡撹拌とすることで、散気装置の動力源と共通化が図れるため、特別な動力源を必要とせず、施工の簡略化やコストダウンが可能になる。
濾床を有する場合は、板状、網様板状、網様円筒状を規則充填した濾材等、捕捉性の弱い濾材を好適に用いる。捕捉性が弱いため、濾床上部に汚泥が溜まりにくく、汚泥がスカム化して次槽に流出することを防止できる。
固液分離部では処理が進むにつれ、固液分離作用により上部が上澄水、下部が汚泥に分離される。
濾床を設ける場合は、散気装置の上方に設けることで、濾床内を好気状態に保つことができる。濾床には微生物が着床し生物膜となり、汚泥中の有機物を分解し消化する。処理が進むにつれ生物膜は肥厚し、一部の生物膜は嫌気状態となり、嫌気消化も同時に進行する。濾床は流動床にすることもできるが、清掃時に濾床内の消化汚泥を引抜き易いように固定床としたほうがよい。
遮断板によって水流の影響を受けない空間が形成され、この空間には、好気消化部内で消化された汚泥が沈降し貯留され嫌気消化される。
望ましくは、固液分離部の底部をホッパー構造とし、集泥効率を向上させるとともに、連通部から好気消化部への固形物または汚泥をスムーズに移流させるよう、固液分離部と好気消化部との間に仕切板を設け、この仕切板の下部を固液分離部側に曲げて傾斜面を形成させることが好ましい。
更に望ましくは、散気装置を、固液分離部と好気消化部との連通部近傍の水流が、固液分離機能によって固液分離部底部に集まった固形物または汚泥を引き出す方向に流れるような位置に設置される。具体的には、連通部と同等の深さまたは更に下方に設置することで水流が増し、固液分離部の汚泥界面(上澄水と汚泥の境界面)の上昇を抑制し、汚泥が後段に流出することを防止できる。
撹拌装置は、通常運転せず停止している。空間部分では、遮断板によって水流が遮断されているため汚泥が沈降し、やがて溶存酸素の持ち込みがないため、嫌気化し嫌気消化される。そこで、不定期または定期的な撹拌装置の間欠運転により、この空間部の沈降汚泥を撹拌して、その一部または全部を好気汚泥と入れ換えすることにより、好気消化部内の汚泥は消化率が向上する。
初めに、汚水は、流入口2を通って好気消化槽1内部の固液分離部10に流れ込む。流れ込んだ汚水は、固液分離部10にて沈殿分離作用により、汚水中の固形物が分離される。分離された固形物は、下部に設置された連通部11から好気消化部20へと送られる。
遮断板22によって形成される空間部23では、水流が無いため酸素が供給されず、嫌気状態になる。好気消化部20内で好気消化された汚泥の一部は、この空間部23で貯留され、嫌気消化される。嫌気消化された後、ガスと共に空間部23から浮上した汚泥は、旋回流により好気消化された汚泥と混合し再び好気消化される。このように好気〜嫌気〜好気が繰り返され、消化率が向上し汚泥量の削減を図ることができる。
空間部23は、濾床24を有し、濾床24には清掃時の洗浄の容易さを考慮して単位容積あたりの充填個数の少ない網様円筒状の濾材が充填されている。また、濾床24には、前記清掃時に、濾床24の下方に溜まった汚泥が引抜きし易いように清掃孔(図示略)を設けてある。
好気消化部20内で旋回している汚泥は、その一部が遮断板22によって旋回が遮断され、空間部23に滞留する。空間部23には、濾床24が設けてあり、汚泥はこの濾床24に捕捉されることで、嫌気消化・濃縮が促進される。濾床24で嫌気消化された汚泥は、濾床24下方に沈降し貯留され、また、ガスと共に空間部23から浮上した汚泥は、旋回流により好気消化された汚泥と混合し再び好気消化される。
固液分離部10に流れ込んだ汚水は、沈殿分離作用により、汚水中の固形物が分離される。分離された固形物は、固液分離部10の下部のホッパー構造によって集められ、下部に設置された連通部11から好気消化部20へ移送される。
好気消化部20には、散気装置21が、連通部11下方近傍に、散気装置21より発生した気泡が固液分離部10に入らないように(散気装置21を仕切板13の下端位置よりも好気消化部20側に)、設置されている。固液分離部10のホッパー部に集められた固形物は、この気泡により発生した水流によって、連通部11を通じて引き出され、好気消化部20にて好気消化される。処理が進行すると、好気消化部20内の汚泥濃度が上昇し、連通部11を通じて、固液分離部10の汚泥界面が上昇してくるが、吸込口が連通部近傍、吐出口が好気消化部20上部となる移送ポンプ14を設置することで、連通部11近傍の汚泥を好気消化部20に移送するため、汚泥界面の上昇を抑制できる。
撹拌装置25は、遮断板22によって水流が遮断された空間部23の下部に設置される。撹拌装置25は、散気装置21に空気を送り込むブロワ(図示略)と、開閉弁を介して連結配管されており、運転時には、空気散気により沈降汚泥が気泡撹拌される。嫌気化した沈降汚泥は、撹拌時にその一部または全部が好気消化部20内を回遊している好気汚泥と入れ換わる。入れ換わる事で、好気消化部20の消化率が向上する。
攪拌装置25の運転時には、撹拌装置25から空気が散気され、沈降汚泥が気泡の上昇流とともに舞い上がり、その一部または全部が好気消化部20内を回遊している好気汚泥と入れ換わる。この時、好気消化部20の散気装置21からの気泡散気は停止しており、沈降していた汚泥が、固液分離部10に移流することを防止する。尚、図4は、撹拌装置が運転している状態を示している。
Claims (6)
- 固液分離部と、この固液分離部にて分離する固形物又は汚泥を好気消化する好気消化部と、この好気消化部に気泡供給する散気装置とを備え、上記好気消化部が、上記散気装置より吐出される気泡により発生する水流を遮蔽する遮蔽板を有する好気消化槽。
- 請求項1において、好気消化部が、遮蔽板により水流を遮蔽された空間に、濾床を有する好気消化槽。
- 請求項1又は2において、固液分離部と好気消化部とが、互いを連通させる連通部を有し、固液分離部が、その底部に堆積した固形物又は汚泥を、好気消化部へと移送する移送手段を有する好気消化槽。
- 請求項1乃至3の何れかにおいて、好気消化部が、遮蔽板により水流を遮蔽された空間に、攪拌装置を有する好気消化槽。
- 請求項4において、攪拌装置が、間欠的に気泡攪拌運転され、この気泡攪拌運転中に散気装置を停止する好気消化槽。
- 請求項1乃至5の何れかに記載の好気消化槽を備えた汚水浄化槽。
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