JP2008012379A - 脱硝触媒の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱硝触媒成分を混練後直ちに成型する脱硝触媒の製造法において、触媒ペーストの保水性を高める。
【解決手段】酸化チタンあるいはその前駆体である触媒担体、触媒活性成分であるW,Mo,Vなどの可溶性塩類、及びグルコマンナンを、水と共に混練してペースト状態とした後、直ちに成型を行い、脱硝触媒とする。前記触媒担体と触媒活性成分を水と共に混練してペースト状態とし、グルコマンナンに水を加えて生成した糊状物を前記ペースト状態のものに混練したのち、成型を行うようにしてもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】酸化チタンあるいはその前駆体である触媒担体、触媒活性成分であるW,Mo,Vなどの可溶性塩類、及びグルコマンナンを、水と共に混練してペースト状態とした後、直ちに成型を行い、脱硝触媒とする。前記触媒担体と触媒活性成分を水と共に混練してペースト状態とし、グルコマンナンに水を加えて生成した糊状物を前記ペースト状態のものに混練したのち、成型を行うようにしてもよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は脱硝触媒の製造方法に係り、アンモニア接触還元用脱硝触媒として使用される強度の高い無機繊維を含有する脱硝触媒の製造法に関する。
発電所、各種工場、自動車などから排出される排煙中のNOxは、光化学スモッグや酸性雨の原因物質であり、その効果的な除去方法として、アンモニア(NH3)を還元剤とした選択的接触還元による排煙脱硝法が火力発電所を中心に幅広く用いられている。触媒には、バナジウムV、モリブデンMoあるいはタングステンWを活性成分にした酸化チタンTiO2系触媒が使用されている。
一般に、排ガス用の触媒は、ガスが拡散しやすい多孔質な方が高い性能を得ることが出来るため好ましい。触媒を多孔質化して触媒中の細孔を増加させる手段としては、触媒原料を混合して得られるペースト状物をできるだけ高水分化することや、無機繊維などを添加して焼成時の焼結による細孔の減少を防止するなどの方法を単独あるいは組み合わせることが効果的である(特許文献1参照)。
しかしながら、ペースト状物を高水分化するには限度がある。特に、担体として酸化チタンあるいはその前駆体を用い、活性成分としてはW、Mo、Vなどの可溶性塩類を用い、これらを水と共に混練して得られたペースト状物を、加熱処理を経ずにそのまま成型する場合、得られるペーストのpHは活性成分の可溶性塩類や担体中の硫酸根の溶解によって変化する。
ペーストはpHによってその粘性が大きく異なるため、組成が変わると触媒のペースト性状も変化し、組成ごとに様々なペースト状態となるが、ペーストの粘度は触媒を成型する場合に大きく影響する。例えばメタルラスなどの板状基材にペーストをローラで塗布する場合、ペーストが柔らかすぎるとローラで水が絞られて水分離を起こし、きれいな成形体が得られない。逆に綺麗に成型するためにペーストの水分を低くすると塗布時の水分離は防げるが、できあがる触媒は多孔質さに欠けて緻密なものとなり、高い活性の触媒が得られない。
これを改善するためにペーストに増粘剤を添加して保水性を持たせ、水分離を防止する方法が知られている。増粘剤としては、従来からポリビニールアルコールやポリアクリル酸アミド系の増粘剤や、カルボキシセルロースなどのセルロース系の増粘剤、アクリル酸アミドや澱粉などのクラフト重合物などが挙げられる(特許文献2、特許文献3参照)。
しかしながら上述した増粘剤は、いずれも、予め酸化チタン等の触媒担体と活性成分のW、Mo、Vなどの可溶性塩類とを混合後、一旦焼成したものを触媒原料として用いた場合には効果を発揮するが、予め焼成を行わないで、触媒成分を混練後直ちに成型する場合においては、下記理由により十分な増粘効果を発揮することができなかった。
すなわち、触媒成分を混練後直ちに成型する製造法に於いては、タングステン酸アンモンやバナジン酸アンモニウム、更に硫酸根などの可溶性塩類あるいは酸類が水に溶けており、この条件下では、
・イ.ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸アミド系の増粘剤は、縮合或いはイオンと重合して脱水し、効果が得られない。
・ロ.カルボキシセルロールなどのセルロース系の増粘剤は添加量を高くしなければならないこと、昇温過程で発生するセルロースの分解ガスと触媒成分が反応して発熱して焼損の恐れがある。
・ハ.アクリル酸アミドと澱粉などのクラフト重合物は、可溶性塩類が少なく、中程度のpH下では高い保水能力があるが、塩濃度が高くなったり、pHが低かったりする領域では脱水する。さらに温度の上昇や成型時の圧力により容易に吸収していた水を放出するため、成型時にペーストと水が分離するトラブルの原因になる。
・イ.ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸アミド系の増粘剤は、縮合或いはイオンと重合して脱水し、効果が得られない。
・ロ.カルボキシセルロールなどのセルロース系の増粘剤は添加量を高くしなければならないこと、昇温過程で発生するセルロースの分解ガスと触媒成分が反応して発熱して焼損の恐れがある。
・ハ.アクリル酸アミドと澱粉などのクラフト重合物は、可溶性塩類が少なく、中程度のpH下では高い保水能力があるが、塩濃度が高くなったり、pHが低かったりする領域では脱水する。さらに温度の上昇や成型時の圧力により容易に吸収していた水を放出するため、成型時にペーストと水が分離するトラブルの原因になる。
本発明の課題は、脱硝触媒成分を混練後直ちに成型する脱硝触媒の製造法において、触媒ペーストの保水性を高めることにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、増粘剤としてグルコマンナンを使用することに想到し、本発明に至った。
上記課題は、触媒担体、触媒活性成分である可溶性塩類、及びグルコマンナンを水と共に混練してペースト状態とした後、直ちに成型を行う脱硝触媒の製造法により解決される。
前記触媒担体は酸化チタンあるいはその前駆体であり、触媒活性成分である可溶性塩類がWあるいはVのオキソ酸の塩類であることが望ましい。
また、前記ペーストは、無機繊維或いはシリカゾルなどの無機ゾル状物を含むことが望ましい。
ここでいうグルコマンナンとは、多糖類の一種で、こんにゃくを精製して得られた清粉を意味する。グルコマンナンは、水と混合しただけで粘性の高い糊状物となる。グルコマンナンの添加方法としては、特に制限はないが、予め粉末状の触媒原料を水などの液状物を混合してペースト化したものに、グルコマンナンの糊状物を添加する方法や、粉末状の触媒原料と一緒にグルコマンナンを添加し、水などの液状物と混練する方法などがある。
発明者等は、下記の検討を行った。
・検討例1〜3
約20℃の水1kgにグルコマンナン(コンニャク清粉)50gを添加して混合し、10分放置して糊状物を得た。得られた糊状物100gに、メタタングステン酸アンモニウム粉末(日本無機製)2g(検討例1)、1Nの硫酸4g(検討例2)、1Nの水酸化ナトリウム4g(検討例3)をそれぞれ添加して混練してペーストとした後、10分放置し、ペーストの状態を観察した。
約20℃の水1kgにグルコマンナン(コンニャク清粉)50gを添加して混合し、10分放置して糊状物を得た。得られた糊状物100gに、メタタングステン酸アンモニウム粉末(日本無機製)2g(検討例1)、1Nの硫酸4g(検討例2)、1Nの水酸化ナトリウム4g(検討例3)をそれぞれ添加して混練してペーストとした後、10分放置し、ペーストの状態を観察した。
・参考例1〜3
検討例1のグルコマンナンを、セルロース系の増粘剤(メチルセルロース、信越化学製、SH−30000)10gに変えた以外は検討例1〜3と同様にしてペーストを生成した後、10分放置し、ペーストの状態を観察した。
検討例1のグルコマンナンを、セルロース系の増粘剤(メチルセルロース、信越化学製、SH−30000)10gに変えた以外は検討例1〜3と同様にしてペーストを生成した後、10分放置し、ペーストの状態を観察した。
・参考例4〜6
検討例1のグルコマンナンを、ポリアクリル酸アミド系高分子凝集剤(三洋化成製、サンフレッシュST500MPSA、粒径20〜50μm)に6g変更した以外は検討例1〜3と同様にしてペーストを生成した後、10分放置し、ペーストの状態を観察した。
検討例1のグルコマンナンを、ポリアクリル酸アミド系高分子凝集剤(三洋化成製、サンフレッシュST500MPSA、粒径20〜50μm)に6g変更した以外は検討例1〜3と同様にしてペーストを生成した後、10分放置し、ペーストの状態を観察した。
検討例1〜3および参考例1〜6の結果をまとめて表1に示す。グルコマンナンを水に混合して得た糊状物は、活性成分である可溶性塩類のメタタングステン酸アンモニウムの添加や、酸およびアルカリの添加によるpHの変化によっても安定な糊状態を維持している。これに対し、参考例1〜3に示したセルロース系の増粘剤は、pHが酸性〜中性の領域では変化しないが、pHがアルカリ性の場合、粘度が低下し、増粘剤としての効果が得られないことがわかる。また、ポリアミド系高分子凝集剤は、可溶性塩類の添加や、酸性〜アルカリ性へpHが変化することにより粘性が低下してサラサラになり、変化が大きく、増粘剤、保水剤としての効果がまったくなくなってしまう。この結果から、グルコマンナンを用いる方法が効果的であることが明らかである。
グルコマンナンの添加量は、触媒重量中の0.1wt%を越えて10wt%以下、好ましくは5wt%以下の範囲が好ましい。これより少ないと粘性が低く効果が得にくく、これより多いと、粘性が高すぎてペーストとの混合が困難になる。グルコマンナンを予め水と共に糊状物にして添加する場合、水以外にコロイダルシリカなどのバインダや、メタタングステン酸アンモニウム水溶液などの活性成分が含まれていても特に問題はない。
脱硝触媒原料は、担体として酸化チタンあるいはその前駆体を用い、活性成分としてはW、Mo、Vなどの可溶性塩類が使用される。Ti原料には、含水酸化チタンや酸化チタンのゾル状物の乾燥体、TiO2−SiO2の複合酸化物など、W原料には、該当する金属のMO4型イオン(M:W、Mo)を含む酸素酸あるいはヘテロポリ酸、メタあるいはパラタングステン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩、Mo原料には、該当する金属のMO4型イオン(M:W、Mo)を含むアンモニウム塩であるモリブデン酸アンモニウム、もしくは、該当する金属の酸化物である三酸化モリブデンなどである。
また、これら活性成分となる原料の他に、シリカゾルなどのバインダ等、通常脱硝触媒に添加される原料を加えることとしてもよい。
上述のような触媒担体、触媒活性成分である可溶性塩類とグルコマンナンを、水と共に混練してペースト状態とした後、直ちに、板状、ハニカム状などの形状に成型してもよいし、上述のような触媒担体、触媒活性成分である可溶性塩類を、水と共に混練してペースト状態とし、このペーストに、グルコマンナンに水を加えて糊状物としたものを混練し、板状、ハニカム状などの形状に成型してもよい。
上述したように、これまでに知られているポリビニールアルコール、ポリアクリル酸アミド系の増粘剤やアクリル酸アミドと澱粉などのクラフト重合物は、pHが強酸性もしくは強アルカリ性に傾くと増粘剤としての効果を発揮することができない。これに対し、コンニャクの清粉であるグルコマンナンは、水と水酸化カルシウムやにがりなどの塩類を添加した強アルカリ性下においても粘性の高い糊状態であり、また、塩類を添加していない中性の状態、あるいは強酸性下であっても、同様に粘性の高い糊状態を維持することができる。そのため、pHがアルカリ性〜酸性までの広い範囲に於いて、触媒ペースト中に添加しても増粘剤としての効果を十分発揮する。
また、水に対して数wt%の極少量でも糊のごとく粘稠な状態となり、極少量で効果を発揮することができるため、カルボキシセルロールなどのセルロース系の増粘剤の場合に生じる、昇温時の発熱による焼損の恐れがない。
グルコマンナンを触媒ペーストに添加すると、高水分のペーストであっても、ペースト全体を適度な粘性を保った糊状態に維持できる。このため、塗布時に水分離を生じることがなく、多孔質の触媒を得ることができ、高い性能の触媒が得られる。
また、ダイラタンシィーな性質を有する原料を使用したペーストは、無機繊維などの骨材を添加しようとするとペーストから水が絞られる現象が生じ、無機繊維が混ざりにくく、流動性の高いペーストが得られないため、塗布時に水が絞られ水分離を生じやすいが、このような性質のペーストでも、グルコマンナンを添加するとペーストの流動性が改善され、塗布時に圧力が掛かっても圧縮されることが無くなり、水分離を防止できる。
本発明によれば、触媒原料として可溶性塩類を含有する触媒ペーストを混練後直ちに成型する場合でも、ペーストの保水性を維持でき、高水分の状態で成型できるようになる。このため、触媒の細孔容積が増加され、高い性能の触媒を得ることができる。また、無機繊維の混合が悪いペーストにおいて、これを混合しやすくする効果があり、無機繊維による強度向上効果を十分に発揮した触媒を得ることができる。
次に、本発明の実施例として、板状触媒を製造する例を示す。
・実施例1
約20℃の水5kgにグルコマンナン(コンニャク清粉)150gを添加して混合し、糊状物を得た。これとは別に、ニーダに、酸化チタン原料(ミレニアム製、製品名DT58、WO3 10wt%、SiO2 10wt%、TiO2 80wt%)20kg、メタタングステン酸アンモニウム3.3kg(WO3として93%含有)、シリカゾル(日産化学製、OSゾル)9.27kg、メタバナジン酸アンモニウム150gと水を入れ、ペースト状態になるまで混練した。得られたペーストのpHをpH試験紙で測定すると強酸性(<1)であった。得られたペースト状物に上記糊状物1.4kgを添加してさらに混練し、水分31%のペーストを得た。得られたペーストに、シリカアルミナ系セラミック繊維(東芝ファイバーフレックス)3.76kgを添加して混練し、水分29%の成型用ペーストを得た。
約20℃の水5kgにグルコマンナン(コンニャク清粉)150gを添加して混合し、糊状物を得た。これとは別に、ニーダに、酸化チタン原料(ミレニアム製、製品名DT58、WO3 10wt%、SiO2 10wt%、TiO2 80wt%)20kg、メタタングステン酸アンモニウム3.3kg(WO3として93%含有)、シリカゾル(日産化学製、OSゾル)9.27kg、メタバナジン酸アンモニウム150gと水を入れ、ペースト状態になるまで混練した。得られたペーストのpHをpH試験紙で測定すると強酸性(<1)であった。得られたペースト状物に上記糊状物1.4kgを添加してさらに混練し、水分31%のペーストを得た。得られたペーストに、シリカアルミナ系セラミック繊維(東芝ファイバーフレックス)3.76kgを添加して混練し、水分29%の成型用ペーストを得た。
得られたペーストを厚さ0.2mmのSUS430製鋼板をメタルラス加工した基材の上に置き、これを二枚のポリエチレンシートに挟んで一対の加圧ローラを通して、メタルラス基材の網目間及び表面に塗布した。これを風乾後、500℃で2時間焼成して板状触媒を得た。
・実施例2
水5kgにグルコマンナン(コンニャク清粉)150gを添加して混合し、糊状物を得た。これとは別に、ニーダに、酸化チタン原料(ミレニアム製、製品名DT58、WO3 10wt%、SiO2 10wt%、TiO2 80wt%)20kg、メタタングステン酸アンモニウム3.3kg(WO3として93%含有)、シリカゾル(日産化学製、OSゾル)9.27kg、メタバナジン酸アンモニウム150gとを入れて混練しペースト化した。さらに炭酸アンモニウムをペーストのpHがほぼ中性になるまで添加した以外は、実施例1と同様にして板状触媒を得た。成型用ペースト中の水分は31%であった。
水5kgにグルコマンナン(コンニャク清粉)150gを添加して混合し、糊状物を得た。これとは別に、ニーダに、酸化チタン原料(ミレニアム製、製品名DT58、WO3 10wt%、SiO2 10wt%、TiO2 80wt%)20kg、メタタングステン酸アンモニウム3.3kg(WO3として93%含有)、シリカゾル(日産化学製、OSゾル)9.27kg、メタバナジン酸アンモニウム150gとを入れて混練しペースト化した。さらに炭酸アンモニウムをペーストのpHがほぼ中性になるまで添加した以外は、実施例1と同様にして板状触媒を得た。成型用ペースト中の水分は31%であった。
・実施例3
実施例2の炭酸アンモニウムをpHがアルカリ性(>8)になるまで添加した以外は実施例2と同様にして板状触媒を得た。成型用ペースト中の水分は33%であった。
実施例2の炭酸アンモニウムをpHがアルカリ性(>8)になるまで添加した以外は実施例2と同様にして板状触媒を得た。成型用ペースト中の水分は33%であった。
・比較例1
実施例2のグルコマンナンの糊状物を添加しない以外は実施例1と同様に混練した。しかし、シリカアルミナ系セラミック繊維(東芝ファイバーフレックス)を添加した後、70分間混練しても無機繊維がペーストと混ざりにくく、無機繊維のみが固まりになって良好なペーストが得られなかった(最終混練時間110分、ペースト水分33%)。また、無機繊維を添加してからニーダに負荷が掛かりはじめ、ペーストが発熱する現象が確認された。得られた触媒ペーストを実施例4と同様に成形しようとしたが、ラス基材の網目間および表面でペーストから水が分離した。成型後の触媒表面には、ペーストの水分離により生じた縞状の跡が多数見られ、触媒表面が全体的にささくれだっていた。
実施例2のグルコマンナンの糊状物を添加しない以外は実施例1と同様に混練した。しかし、シリカアルミナ系セラミック繊維(東芝ファイバーフレックス)を添加した後、70分間混練しても無機繊維がペーストと混ざりにくく、無機繊維のみが固まりになって良好なペーストが得られなかった(最終混練時間110分、ペースト水分33%)。また、無機繊維を添加してからニーダに負荷が掛かりはじめ、ペーストが発熱する現象が確認された。得られた触媒ペーストを実施例4と同様に成形しようとしたが、ラス基材の網目間および表面でペーストから水が分離した。成型後の触媒表面には、ペーストの水分離により生じた縞状の跡が多数見られ、触媒表面が全体的にささくれだっていた。
・比較例2
ポリビニールアルコール(クラレ製、クラレポバール117)100gを熱水1kg中で攪拌して完全に溶解させ、糊状物を得た。
ポリビニールアルコール(クラレ製、クラレポバール117)100gを熱水1kg中で攪拌して完全に溶解させ、糊状物を得た。
これとは別に、ニーダに、酸化チタン原料(ミレニアム製、製品名DT58、WO3 10wt%、SiO2 10wt%、TiO2 80wt%)20kg、メタタングステン酸アンモニウム3.3kg(WO3として93%含有)、シリカゾル(日産化学製、OSゾル)9.27kg、メタバナジン酸アンモニウム150gと水を入れ、ペースト状態になるまで混練した。得られたペーストのpHをpH試験紙で測定すると強酸性(<1)であった。得られたペースト状物に上記糊状物0.58kgを添加してさらに混練したところ、水分33%でペースト状となった。得られたペーストに、シリカアルミナ系セラミック繊維(東芝ファイバーフレックス)3.76kgを添加して混練したが、無機繊維がペーストと混ざりにくく無機繊維のみが固まりになって良好なペーストが得られなかった(最終混練時間110分、ペースト水分31%)。
得られたペーストを実施例1と同様に成型しようとしたが、ラス基材の網目間および表面でペーストから水が分離し、成型後の触媒表面には、ペーストの水分離により生じた縞状の跡が多数見られ、成形体の表面が全体的にささくれだっていた。
・比較例3
比較例2のポリビニールアルコールの糊状物の添加量を1.4kgに変えた以外は比較例8と同様にして触媒ペーストを調製した。無機繊維の混ざりは良好で、ラス基材への塗布性も良かった。しかし、風乾後、500℃で2時間焼成したところ、焼成中に白煙が生じ、焼成後の触媒が変色していた。
比較例2のポリビニールアルコールの糊状物の添加量を1.4kgに変えた以外は比較例8と同様にして触媒ペーストを調製した。無機繊維の混ざりは良好で、ラス基材への塗布性も良かった。しかし、風乾後、500℃で2時間焼成したところ、焼成中に白煙が生じ、焼成後の触媒が変色していた。
・試験例1
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた触媒を100mm×20mmの短冊状に切り出し、流通式反応器により表2の条件で脱硝性能を測定した。さらに、板状触媒から触媒を剥がして得られた結果10〜20メッシュに整粒し、細孔容積を測定した。結果を併せて表3に示す。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた触媒を100mm×20mmの短冊状に切り出し、流通式反応器により表2の条件で脱硝性能を測定した。さらに、板状触媒から触媒を剥がして得られた結果10〜20メッシュに整粒し、細孔容積を測定した。結果を併せて表3に示す。
本発明の触媒(実施例1〜3)は、グルコマンナンを添加していない比較例1よりも細孔容積が大きく、高い性能が得られている。また、グルコマンナンを添加していない比較例1の触媒は、触媒の付着状態が悪く均一に担持できておらず基材が一部表面に現れているため、性能が低下したと考えられる。また、ポリビニールアルコールを添加した比較例2、3の触媒のうち、比較例2では、ポリビニールアルコールの添加量が少なすぎてペーストの塗布性改善効果が得られず、比較例3のように添加量を多くすると塗布性は良好になるが、焼成時に燃焼して触媒が焼損し、高い性能が得られなかった。
以下、本発明の実施の形態に係る脱硝触媒の製造手順について説明する。
図1に示す実施の形態1では、触媒担体、触媒活性成分、グルコマンナン及び水が混練されてペーストが生成され、ペースト状態から直ちに、脱硝触媒が成型される。
図2に示す実施の形態2が前記実施の形態1と異なるのは、触媒担体、触媒活性成分、及び水が混練されてペーストが生成され、グルコマンナンと水が混合されて生成された糊状物が前記ペーストに混練される点である。本実施の形態では、実施の形態1に比べ、グルコマンナンの糊状物が確実に形成される。
図3に示す実施の形態3が前記実施の形態2と異なるのは、触媒担体、触媒活性成分、及び水に加え、シリカゾルがバインダとして同時に混練される点である。
図4に示す実施の形態4が前記実施の形態3と異なるのは、糊状物と混練して得られたペーストに、骨材として無機繊維が添加混練される点である。
Claims (4)
- 触媒担体、触媒活性成分である可溶性塩類、及びグルコマンナンを、水と共に混練してペースト状態とした後、成型を行う脱硝触媒の製造法。
- 請求項1記載の脱硝触媒の製造法において、触媒担体、触媒活性成分である可溶性塩類、及びグルコマンナンを、水と共に混練するに際し、まず、触媒担体と触媒活性成分である可溶性塩類を水と共に混練してペースト状態とし、グルコマンナンに水を加えて生成した糊状物を前記ペーストに混練したのち、成型を行うことを特徴とする脱硝触媒の製造法。
- 請求項1又は2に記載の脱硝触媒の製造法において、前記触媒担体が酸化チタンあるいはその前駆体であり、前記可溶性塩類がWあるいはVのオキソ酸の塩類であることを特徴とする脱硝触媒の製造法。
- 請求項1〜3のうちのいずれかに記載の脱硝触媒の製造法において、前記ペーストが無機繊維或いはシリカゾルなどの無機ゾル状物を含むことを特徴とする脱硝触媒の製造法。
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