JP2008011681A - 車両用電力供給システム及び車載機 - Google Patents

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敬 米盛
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Abstract

【課題】車両用電力供給システム及び車載機において、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを抑制する。
【解決手段】車載機2を複数の車両1にそれぞれ搭載し、車両側コントローラ21、送信装置22及び受電装置23で構成する。路側給電装置4を道路又はその近傍に設置し、インフラ側コントローラ41、受信装置42及び送電装置43で構成する。そして、受信装置42が複数の車両1のうち2つ以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信すると、インフラ側コントローラ41が、各車両1の送信装置22からの車両情報信号vに含まれる車両情報に基づき、各車両1の給電要求の度合を判定し、送電装置43に、度合が最も高い給電要求を送ってきた車両1に向かって電磁波eを送らせる。それから、路側給電装置4からの電磁波eを受けた受電装置23が電磁波eを整流して高電圧バッテリ24へ供給する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用電力供給システム及び車載機に関するものである。
従来から、電力を車両へ供給する車両用電力供給システムが知られている。
例えば、特許文献1のものは、車両に搭載され、バッテリからの電力が供給されて車両の駆動力を発生する駆動源と、道路に埋設された路側給電装置と、車両に搭載され、車両が路側給電装置上にあるときに、路側給電装置からの電力を受けてバッテリへ供給する受電手段とを備えている。
また、特許文献2のものは、上記駆動源と、車両に搭載され、バッテリの蓄電量が所定量以下であるときに、車外に向かって給電を要求する給電要求手段と、道路に設置され、給電要求手段からの給電要求を受けたときに、その給電要求に対応する車両に向かって電力を送る路側給電装置と、車両に搭載され、路側給電装置からの電力を受けてバッテリへ供給する受電手段とを備えている。
そして、上記のものでは、バッテリは受電手段からの電力を受けて蓄電され、これにより、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを抑制している。
特開2002−152996号公報 特開2005−210843号公報
ところで、上記のものでは、路側給電装置は1台の車両に向かって電力を送ることを前提としている。このため、特許文献1のもので路側給電装置上に複数の車両がある場合や、特許文献2のもので路側給電装置が複数の車両の給電要求手段からの給電要求を受けた場合、その複数の車両のうち1台の車両に向かってしか電力を送ることができない。このような場合、路側給電装置が電力を送る車両を誤ると、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が生じるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用電力供給システム及び車載機において、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを抑制する技術を提供することにある。
第1の発明は、電力を車両へ供給する車両用電力供給システムであって、複数の車両にそれぞれ搭載され、バッテリからの電力が供給されて該車両の駆動力を発生する駆動源と、上記各車両に搭載され、上記バッテリの蓄電量が所定量以下であるときに、車外に向かって給電を要求する給電要求手段と、道路又はその近傍に設置され、上記給電要求手段からの給電要求を受けたときに、該給電要求に対応する車両に向かって電力を送る路側給電装置と、上記各車両に搭載され、上記路側給電装置からの電力を受けて上記バッテリへ供給する受電手段と、上記各車両に搭載され、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときに、該車両に関する車両情報を送信する車両情報送信手段と、上記車両情報送信手段からの車両情報を受信したときに、該車両情報に基づき上記給電要求の度合を判定する判定手段とを備え、上記路側給電装置は、上記複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けたときには、上記判定手段により判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送るように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、路側給電装置は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けると、判定手段により判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両、つまり、バッテリの蓄電が最も必要な車両に向かって電力を送るので、その車両の受電手段は、路側給電装置からの電力を受けてバッテリへ供給し、そのバッテリは受電手段からの電力を受けて蓄電される。このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを抑制することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記車両情報送信手段は、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときには、車外に向かって上記車両情報を送信するように構成され、上記路側給電装置は、上記判定手段を有していて、上記複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受け且つ該各車両の車両情報送信手段からの車両情報を受信したときには、上記判定手段により上記各車両情報に基づき上記各給電要求の度合を判定し、該判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送るように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、判定手段を路側給電装置に設けているので、車両の構成を簡単にすることができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記判定手段は、上記各車両に搭載され、上記車両情報送信手段は、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときには、上記判定手段へ上記車両情報を送信するように構成され、上記各車両に搭載され、車外に向かって上記判定手段により判定された度合の情報を送信する度合情報送信手段をさらに備え、上記路側給電装置は、上記複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受け且つ該各車両の度合情報送信手段からの度合情報を受信したときには、度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送るように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、判定手段を車両に搭載しているので、路側給電装置の構成を簡単にすることができる。
第4の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報を含み、上記判定手段は、上記バッテリの蓄電量が少ないほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、路側給電装置は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けると、バッテリの蓄電量が最も少ない車両に向かって電力を送るので、その車両のバッテリは蓄電される。このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを確実に抑制することができる。
第5の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記路側給電装置は、上記道路又はその近傍に複数設置され、上記車両情報は、上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報を含み、上記判定手段は、上記距離が長いほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、路側給電装置は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けると、予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離が最も長い車両、つまり、路側給電装置からの電力を受ける機会が最も少ない車両に向かって電力を送るので、その車両のバッテリは蓄電される。このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを確実に抑制することができる。
第6の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記車両情報は、上記車両の予想進行経路の勾配の情報を含み、上記判定手段は、上記勾配情報に基づき、上記バッテリの蓄電量の減少量を予測する減少量予測手段を有していて、該減少量予測手段により予測された減少量が多いほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、路側給電装置は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けると、予測された、バッテリの蓄電量の減少量が最も多い車両に向かって電力を送るので、その車両のバッテリは蓄電される。このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを確実に抑制することができる。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記減少量予測手段は、上記車両の予想進行経路に上り勾配が多いほど、上記バッテリの蓄電量の減少量が多いと予測するように構成されていることを特徴とするものである。
ところで、車両の予想進行経路に上り勾配が多いと、平坦路が多い場合と比べてバッテリが駆動源へ供給する電力が増大し、このため、バッテリの蓄電量の減少量が多くなる。
ここで、本発明によれば、減少量予測手段は、車両の予想進行経路に上り勾配が多いほど、バッテリの蓄電量の減少量が多いと予測する。つまり、減少量予測手段による予測は、上述のような上り勾配を原因とするバッテリの放電を考慮したものとなっている。したがって、減少量予測手段の予測精度を向上させることができる。
第8の発明は、上記第6又は第7の発明において、上記駆動源は、上記車両の減速時に減速エネルギーを回生電力として回収して上記バッテリへ供給する駆動用モータであり、上記減少量予測手段は、上記車両の予想進行経路に下り勾配が多いほど、上記バッテリの蓄電量の減少量が少ないと予測するように構成されていることを特徴とするものである。
ところで、車両の予想進行経路に下り勾配が多いと、車両が減速され、バッテリが駆動用モータからの回生電力を受けて蓄電され、このため、バッテリの蓄電量の減少量が少なくなる。
ここで、本発明によれば、減少量予測手段は、車両の予想進行経路に下り勾配が多いほど、バッテリの蓄電量の減少量が少ないと予測する。つまり、減少量予測手段による予測は、上述のような下り勾配を原因とするバッテリの蓄電を考慮したものとなっている。したがって、減少量予測手段の予測精度を向上させることができる。
第9の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記路側給電装置は、上記道路又はその近傍に複数設置され、上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報と上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報とを含み、上記判定手段は、上記蓄電量情報と上記距離情報とに基づき、上記車両が上記次の路側給電装置に到達した時における上記バッテリの蓄電量を予測する蓄電量予測手段を有していて、該蓄電量予測手段により予測された蓄電量が少ないほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、路側給電装置は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けると、予測された、予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置に到達した時におけるバッテリの蓄電量が最も少ない車両に向かって電力を送るので、その車両のバッテリは蓄電される。このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを確実に抑制することができる。
第10の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記路側給電装置は、上記道路又はその近傍に複数設置され、上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報と上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報と上記車両の予想進路経路の勾配の情報とを含み、上記判定手段は、上記蓄電量情報と上記距離情報と上記勾配情報とに基づき、上記車両が上記次の路側給電装置に到達した時における上記バッテリの蓄電量を予測する蓄電量予測手段を有していて、該蓄電量予測手段により予測された蓄電量が少ないほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、路側給電装置は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けると、予測された、予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置に到達した時におけるバッテリの蓄電量が最も少ない車両に向かって電力を送るので、その車両のバッテリは蓄電される。このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを確実に抑制することができる。
第11の発明は、複数の車両にそれぞれ搭載された車載機であって、バッテリからの電力が供給されて上記車両の駆動力を発生する駆動源と、上記バッテリの蓄電量が所定量以下であるときに、車外に向かって給電を要求する給電要求手段と、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときに、上記車両に関する車両情報を送信する車両情報送信手段と、道路又はその近傍に設置され且つ上記複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けたときに上記車両情報送信手段からの車両情報を受信した判定手段により上記車両情報に基づき判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送る路側給電装置からの電力を受けて上記バッテリへ供給する受電手段とを備えたことを特徴とするものである。
これにより、受電手段は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けたときに車両情報送信手段からの車両情報を受信した判定手段により車両情報に基づき判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送る路側給電装置からの電力を受けてバッテリへ供給するので、その度合が最も高い給電要求に対応する車両のバッテリは、受電手段からの電力を受けて蓄電される。このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを抑制することができる。
第12の発明は、上記第11の発明において、上記車両情報送信手段は、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときには、車外に向かって上記車両情報を送信するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、車両情報送信手段は、バッテリの蓄電量が所定量以下になると、車外に向かって車両情報を送信する。つまり、判定手段を車外(例えば路側給電装置)に設けている。このため、車両の構成を簡単にすることができる。
第13の発明は、上記第11の発明において、上記判定手段をさらに備え、上記車両情報送信手段は、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときには、上記判定手段へ上記車両情報を送信するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、判定手段を車両に搭載しているので、路側給電装置の構成を簡単にすることができる。
第14の発明は、上記第11〜第13のいずれか1つの発明において、上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報を含むことを特徴とするものである。
これにより、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、バッテリの蓄電量の情報が含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定する判定手段の判定精度を向上させることができる。
第15の発明は、上記第11〜第13のいずれか1つの発明において、上記車両情報は、上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報を含むことを特徴とするものである。
これにより、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報が含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定する判定手段の判定精度を向上させることができる。
第16の発明は、上記第11〜第13のいずれか1つの発明において、上記車両情報は、上記車両の予想進行経路の勾配の情報を含むことを特徴とするものである。
これにより、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、車両の予想進行経路の勾配の情報が含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定する判定手段の判定精度を向上させることができる。
第17の発明は、上記第11〜第13のいずれか1つの発明において、上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報と上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報とを含むことを特徴とするものである。
これにより、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、バッテリの蓄電量の情報と車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報とが含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定する判定手段の判定精度を向上させることができる。
第18の発明は、上記第11〜第13のいずれか1つの発明において、上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報と上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報と上記車両の予想進路経路の勾配の情報とを含むことを特徴とするものである。
これにより、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、バッテリの蓄電量の情報と車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報と車両の予想進路経路の勾配の情報とが含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定する判定手段の判定精度を向上させることができる。
本発明によれば、路側給電装置は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けると、判定手段により判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両、つまり、バッテリの蓄電が最も必要な車両に向かって電力を送るので、その車両の受電手段は、路側給電装置からの電力を受けてバッテリへ供給し、そのバッテリは受電手段からの電力を受けて蓄電され、このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを抑制することができる。
別の発明によれば、受電手段は、複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けたときに車両情報送信手段からの車両情報を受信した判定手段により車両情報に基づき判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送る路側給電装置からの電力を受けてバッテリへ供給するので、その度合が最も高い給電要求に対応する車両のバッテリは、受電手段からの電力を受けて蓄電され、このため、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る道路の様子を示す概略図であり、図2は、車両用電力供給システムの構成図である。このシステムは、複数台の電気自動車1(以下、車両1という)にそれぞれ搭載された複数台の車載機2と、道路又はその近傍にそれぞれ互いに所定間隔を空けて設置された複数台の路側給電装置4とで構成されている。なお、図2では、1台の車両1のみ図示している。
上記各車載機2には、CPUからなる車両側コントローラ21が設けられている。この車両側コントローラ21には、路側給電装置4に給電要求信号d及び車両情報信号vを送信するための送信装置22(給電要求手段、車両情報送信手段に相当)と、路側給電装置4の送電装置43からの電磁波eを受ける受電装置23(受電手段に相当)と、高電圧バッテリ24と、この高電圧バッテリ24の電流の強さ及び電圧を検出するバッテリ電流電圧検出センサ25と、が信号の授受可能に接続されている。上記給電要求信号dは、路側給電装置4に給電を要求するための信号である。上記車両情報信号vは、車両1に関する車両情報を含む信号であって、具体的には、高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報、車両1の現在位置、進行方向及び車速の情報、受電装置23の車両1に対する配置位置の情報、並びに車両1の予想進行経路の情報を含むものである。この車両1の予想進行経路の情報には、車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報、及びその次の路側給電装置4までにある登坂路及び下り坂の長さの情報(「車両の予想進行経路の勾配の情報」に相当)が含まれている。上記次の路側給電装置4までの距離とは、車両1の現在位置からその次の路側給電装置4の位置までのその予想進行経路に沿った長さである。
上記送信装置22には、GPS衛星からの電波を受信するGPS受信装置(図示せず)を有するナビゲーション装置26が信号の授受可能に接続されている。このナビゲーション装置26は、地図情報などを記憶していて、ナビゲーション信号を送信装置22へ供給する。このナビゲーション信号は、車両1の現在位置、進行方向及び車速の情報、並びに車両1の予想進行経路の情報を含む信号である。そして、送信装置22は、車両側コントローラ21からのオン信号を受けると、車外に向かって給電要求信号d及び車両情報信号vを送信する。
上記受電装置23は、路側給電装置4の送電装置43からの電磁波eを受けて、この電磁波eを整流して高電圧バッテリ24へ供給する。そして、高電圧バッテリ24は、受電装置23からの電力を受けて蓄電される。
上記高電圧バッテリ24は、駆動用モータ27(駆動源に相当)を駆動させるためのものであって、駆動用モータ27にインバータ・コンバータ28を介して接続されていて、電力を駆動用モータ27へ供給する。高電圧バッテリ24の蓄電量は、過充電や過放電を抑制するため、最大蓄電量の20〜80%の範囲内の量になるようにしている。上記駆動用モータ27は、高電圧バッテリ24からの電力が供給されて車両1の駆動力を発生する。具体的には、駆動用モータ27は、左右の車輪(駆動輪)29の駆動軸29aに接続されたディファレンシャルギア30を駆動軸30aを介して駆動する。また、駆動用モータ27は、車両1の減速(ブレーキ)時には、減速エネルギーを回生電力として回収して高電圧バッテリ24へ供給する。そして、高電圧バッテリ24は、駆動用モータ27からの回生電力を受けて蓄電される。上記インバータ・コンバータ28は、高電圧バッテリ24からの直流電力を周波数などを制御した交流電力に変換して駆動用モータ27へ供給し、駆動用モータ27からの交流電力を周波数などを制御した直流電力に変換して高電圧バッテリ24へ供給する。
上記バッテリ電流電圧検出センサ25は、高電圧バッテリ24の電流の強さ及び電圧を検出して、この検出信号を車両側コントローラ21へ供給する。そして、車両側コントローラ21は、バッテリ電流電圧検出センサ25からの検出信号を受けると、高電圧バッテリ24の現在の蓄電量を検出して、その検出された蓄電量が所定量(本実施形態では、最大蓄電量の50%に相当する量)以下であるときに、その蓄電量の情報を含むオン信号を送電装置23へ供給する。
上記各路側給電装置4は、首振り式のアンテナ装置であって、CPUからなるインフラ側コントローラ41(判定手段に相当)を有する。このインフラ側コントローラ41には、車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信する受信装置42と、指向性の強い電磁波eを送る送電装置43と、が信号の授受可能に接続されている。この受信装置42の受信範囲は、路側給電装置4周囲の所定範囲である。そして、受信装置42が上記複数台の車両1のうち1台の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信すると、これらの信号を受けてインフラ側コントローラ41が、送電装置43に、その車両1(「給電要求に対応する車両」に相当)に向かって電磁波eを送らせる。インフラ側コントローラ41は、その車両1の送信装置22からの車両情報信号vに含まれる、車両1の現在位置、進行方向及び車速の情報、受電装置23の車両1に対する配置位置の情報、並びに車両1の予想進行経路の情報に基づき、電磁波eの送り先を決定するようになっている。
また、受信装置42が上記複数台の車両1のうち2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信すると、これらの信号を受けてインフラ側コントローラ41が、各車両1の送信装置22からの車両情報信号vに含まれる、各車両1の高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報に基づき、各車両1の給電要求の度合(程度)を判定する。インフラ側コントローラ41は、その蓄電量が少ないほど、給電要求の度合が高いと判定するようになっている。そして、インフラ側コントローラ41は、送電装置43に、判定された度合が最も高い(強い)給電要求を送ってきた車両1、つまり、その蓄電量が最も少ない車両1に向かって電磁波eを送らせる。
−車両側コントローラの給電要求制御及びインフラ側コントローラの給電制御−
以下、図3及び図4のフローチャートを参照しながら、車両側コントローラ21による給電要求制御及びインフラ側コントローラ41による給電制御について説明する。以下の説明では、まず、図3のフローチャートを参照しながら、車両側コントローラ21による給電要求制御について説明し、その後、図4のフローチャートを参照しながら、インフラ側コントローラ41による給電制御について説明する。
(1)車両側コントローラの給電要求制御
ステップSA1では、高電圧バッテリ24の現在の蓄電量が所定量(本実施形態では、最大蓄電量の50%に相当する量)以下であるか否かを判定する。ステップSA1の判定結果がYESの場合はステップSA2に進み、NOの場合はステップSA3に進む。
ステップSA2では、送信装置22から車外に向かって給電要求信号d及び車両情報信号vを出力する。その後、リターンする。
ステップSA3では、送信装置22から車外に向かって給電要求信号d及び車両情報信号vを出力中であるか否かを判定する。ステップSA3の判定結果がYESの場合はステップSA4に進み、NOの場合はリターンする。
ステップSA4では、送信装置22から車外への給電要求信号d及び車両情報信号vの出力を停止する。その後、リターンする。
(2)インフラ側コントローラの給電制御
ステップSB1では、車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSB1の判定結果がYESの場合はステップSB2に進み、NOの場合はリターンする。
ステップSB2では、複数の車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSB2の判定結果がNOの場合(つまり、単数の車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けた場合)はステップSB3に進み、YESの場合はステップSB4に進む。
ステップSB3では、給電要求してきた車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
ステップSB4では、給電要求してきた複数の車両1の高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報を読み込む。ステップSB5では、高電圧バッテリ24の現在の蓄電量が最も少ない車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、路側給電装置4は、複数の車両1のうち2つ以上の車両1の送信装置22からの給電要求を受けると、インフラ側コントローラ41により判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両1、つまり、高電圧バッテリ24の蓄電が最も必要な車両1に向かって電力を送るので、その車両1の受電装置23は、路側給電装置4からの電力を受けて高電圧バッテリ24へ供給し、その高電圧バッテリ24は受電装置23からの電力を受けて蓄電される。このため、高電圧バッテリ24の蓄電量が不足して走行不能となる車両1が発生することを抑制することができる。
また、判定手段を路側給電装置4に設けているので、車両1の構成を簡単にすることができる。
また、路側給電装置4は、複数の車両1のうち2つ以上の車両1の送信装置22からの給電要求を受けると、高電圧バッテリ24の蓄電量が最も少ない車両1に向かって電力を送るので、その車両1の高電圧バッテリ24は蓄電される。このため、高電圧バッテリ24の蓄電量が不足して走行不能となる車両1が発生することを確実に抑制することができる。
また、受電装置23は、複数の車両1のうち2つ以上の車両1の送信装置22からの給電要求を受けたときに送信装置22からの車両情報を受信したインフラ側コントローラ41により車両情報に基づき判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両1に向かって電力を送る路側給電装置4からの電力を受けて高電圧バッテリ24へ供給するので、その度合が最も高い給電要求に対応する車両1の高電圧バッテリ24は、受電装置23からの電力を受けて蓄電される。このため、高電圧バッテリ24の蓄電量が不足して走行不能となる車両1が発生することを抑制することができる。
また、送信装置22は、高電圧バッテリ24の蓄電量が所定量以下になると、車外に向かって車両情報を送信する。つまり、判定手段を車外(例えば路側給電装置4)に設けている。このため、車両1の構成を簡単にすることができる。
また、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、高電圧バッテリ24の蓄電量の情報が含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定するインフラ側コントローラ41の判定精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、路側給電装置4を道路又はその近傍に複数台設置しているが、1台だけ設置しても良い。
(実施形態2)
本実施形態は、受信装置42が上記複数台の車両1のうち2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信した場合におけるインフラ側コントローラ41による給電制御が、実施形態1と異なるものである。すなわち、受信装置42が2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信すると、これらの信号を受けてインフラ側コントローラ41が、各車両1の送信装置22からの車両情報信号vに含まれる、各車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報に基づき、各車両1の給電要求の度合を判定する。インフラ側コントローラ41は、その距離が長いほど、給電要求の度合が高いと判定するようになっている。そして、インフラ側コントローラ41は、送電装置43に、度合が最も高い給電要求を送ってきた車両1、つまり、その距離が最も長い車両1に向かって電磁波eを送らせる。
−インフラ側コントローラの給電制御−
以下、図5のフローチャートを参照しながら、インフラ側コントローラ41による給電制御について説明する。なお、車両側コントローラ21による給電要求制御は実施形態1と同様であるので、その説明を省略する。
ステップSC1では、車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSC1の判定結果がYESの場合はステップSC2に進み、NOの場合はリターンする。
ステップSC2では、複数の車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSC2の判定結果がNOの場合はステップSC3に進み、YESの場合はステップSC4に進む。
ステップSC3では、給電要求してきた車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
ステップSC4では、給電要求してきた複数の車両1の予想進行経路の情報を読み込む。ステップSC5では、その予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離が最も遠い車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、路側給電装置4は、複数の車両1のうち2つ以上の車両1の送信装置22からの給電要求を受けると、予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離が最も長い車両1、つまり、路側給電装置4からの電力を受ける機会が最も少ない車両1に向かって電力を送るので、その車両1の高電圧バッテリ24は蓄電される。このため、高電圧バッテリ24の蓄電量が不足して走行不能となる車両1が発生することを確実に抑制することができる。
また、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報が含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定するインフラ側コントローラ41の判定精度を向上させることができる。
(実施形態3)
本実施形態は、受信装置42が上記複数台の車両1のうち2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信した場合におけるインフラ側コントローラ41による給電制御が、実施形態1と異なるものである。すなわち、受信装置42が2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信すると、これらの信号を受けてインフラ側コントローラ41(減少量予測手段に相当)が、各車両1の送信装置22からの車両情報信号vに含まれる、各車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までにある登坂路及び下り坂の長さの情報に基づき、各車両1がその次の路側給電装置4に到達するまでの各車両1の高電圧バッテリ24の蓄電量の減少量を予測して、その予測された各減少量に基づき、各車両1の給電要求の度合を判定する。インフラ側コントローラ41は、その減少量が多いほど、給電要求の度合が高いと判定するようになっている。また、インフラ側コントローラ41は、その次の路側給電装置4までに登坂路が多いほど(つまり、その次の路側給電装置4までにある登坂路の全長が長いほど)、その減少量が多いと予測する。さらに、インフラ側コントローラ41は、その次の路側給電装置4までに下り坂が多いほど(つまり、その次の路側給電装置4までにある下り坂の全長が長いほど)、その減少量が少ないと予測する。そして、インフラ側コントローラ41は、送電装置43に、度合が最も高い給電要求を送ってきた車両1、つまり、その予測された減少量が最も多い車両1に向かって電磁波eを送らせる。
−インフラ側コントローラの給電制御−
以下、図6のフローチャートを参照しながら、インフラ側コントローラ41による給電制御について説明する。なお、車両側コントローラ21による給電要求制御は実施形態1と同様であるので、その説明を省略する。
ステップSD1では、車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSD1の判定結果がYESの場合はステップSD2に進み、NOの場合はリターンする。
ステップSD2では、複数の車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSD2の判定結果がNOの場合はステップSD3に進み、YESの場合はステップSD4に進む。
ステップSD3では、給電要求してきた車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
ステップSD4では、給電要求してきた複数の車両1の予想進行経路の情報を読み込む。ステップSD5では、各車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までにある登坂路及び下り坂の長さの情報から、各車両1がその次の路側給電装置4に到達するまでの各車両1の高電圧バッテリ24の蓄電量の減少量を予測する。ステップSD6では、その蓄電量が最も減少すると予測される車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、路側給電装置4は、複数の車両1のうち2つ以上の車両1の送信装置22からの給電要求を受けると、予測された、高電圧バッテリ24の蓄電量の減少量が最も多い車両1に向かって電力を送るので、その車両1の高電圧バッテリ24は蓄電される。このため、高電圧バッテリ24の蓄電量が不足して走行不能となる車両1が発生することを確実に抑制することができる。
ところで、車両1の予想進行経路に上り勾配が多いと、平坦路が多い場合と比べて高電圧バッテリ24が駆動用モータ27へ供給する電力が増大し、このため、高電圧バッテリ24の蓄電量の減少量が多くなる。
ここで、本実施形態によれば、インフラ側コントローラ41は、車両1の予想進行経路に上り勾配が多いほど、高電圧バッテリ24の蓄電量の減少量が多いと予測する。つまり、インフラ側コントローラ41による予測は、上述のような上り勾配を原因とする高電圧バッテリ24の放電を考慮したものとなっている。したがって、インフラ側コントローラ41の予測精度を向上させることができる。
ところで、車両1の予想進行経路に下り勾配が多いと、車両1が減速され、高電圧バッテリ24が駆動用モータ27からの回生電力を受けて蓄電され、このため、高電圧バッテリ24の蓄電量の減少量が少なくなる。
ここで、本実施形態によれば、インフラ側コントローラ41は、車両1の予想進行経路に下り勾配が多いほど、高電圧バッテリ24の蓄電量の減少量が少ないと予測する。つまり、インフラ側コントローラ41による予測は、上述のような下り勾配を原因とする高電圧バッテリ24の蓄電を考慮したものとなっている。したがって、インフラ側コントローラ41の予測精度を向上させることができる。
また、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、車両1の予想進行経路の勾配の情報が含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定するインフラ側コントローラ41の判定精度を向上させることができる。
(実施形態4)
本実施形態は、受信装置42が上記複数台の車両1のうち2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信した場合におけるインフラ側コントローラ41による給電制御が、実施形態1と異なるものである。すなわち、受信装置42が2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信すると、これらの信号を受けてインフラ側コントローラ41(蓄電量予測手段に相当)が、各車両1の送信装置22からの車両情報信号vに含まれる、各車両1の高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報及び各車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報に基づき、各車両1がその次の路側給電装置4に到達した時における各車両1の高電圧バッテリ24の蓄電量を予測して、その予測された各蓄電量に基づき、各車両1の給電要求の度合を判定する。インフラ側コントローラ41は、その蓄電量が少ないほど、給電要求の度合が高いと判定するようになっている。そして、インフラ側コントローラ41は、送電装置43に、度合が最も高い給電要求を送ってきた車両1、つまり、その予測された蓄電量が最も少ない車両1に向かって電磁波eを送らせる。
−インフラ側コントローラの給電制御−
以下、図7のフローチャートを参照しながら、インフラ側コントローラ41による給電制御について説明する。なお、車両側コントローラ21による給電要求制御は実施形態1と同様であるので、その説明を省略する。
ステップSE1では、車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSE1の判定結果がYESの場合はステップSE2に進み、NOの場合はリターンする。
ステップSE2では、複数の車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSE2の判定結果がNOの場合はステップSE3に進み、YESの場合はステップSE4に進む。
ステップSE3では、給電要求してきた車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
ステップSE4では、給電要求してきた複数の車両1の、高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報及び予想進行経路の情報を読み込む。ステップSE5では、各車両1の高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報及び各車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報から、各車両1がその次の路側給電装置4に到達する時における各車両1の高電圧バッテリ24の蓄電量を予測する。ステップSE6では、その蓄電量が最も少なくなると予測される車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、路側給電装置4は、複数の車両1のうち2つ以上の車両1の送信装置22からの給電要求を受けると、予測された、予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4に到達した時における高電圧バッテリ24の蓄電量が最も少ない車両1に向かって電力を送るので、その車両1の高電圧バッテリ24は蓄電される。このため、高電圧バッテリ24の蓄電量が不足して走行不能となる車両1が発生することを確実に抑制することができる。
また、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、高電圧バッテリ24の蓄電量の情報と車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報とが含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定するインフラ側コントローラ41の判定精度を向上させることができる。
(実施形態5)
本実施形態は、受信装置42が上記複数台の車両1のうち2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信した場合におけるインフラ側コントローラ41による給電制御が、実施形態1と異なるものである。すなわち、受信装置42が2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信すると、これらの信号を受けてインフラ側コントローラ41(蓄電量予測手段に相当)が、各車両1の送信装置22からの車両情報信号vに含まれる、各車両1の高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報、各車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報、及びその次の路側給電装置4までにある登坂路及び下り坂の長さの情報に基づき、各車両1がその次の路側給電装置4に到達した時における各車両1の高電圧バッテリ24の蓄電量を予測して、その予測された各蓄電量に基づき、各車両1の給電要求の度合を判定する。インフラ側コントローラ41は、その蓄電量が少ないほど、給電要求の度合が高いと判定するようになっている。そして、インフラ側コントローラ41は、送電装置43に、度合が最も高い給電要求を送ってきた車両1、つまり、その予測された蓄電量が最も少ない車両1に向かって電磁波eを送らせる。
−インフラ側コントローラの給電制御−
以下、図8のフローチャートを参照しながら、インフラ側コントローラ41による給電制御について説明する。なお、車両側コントローラ21による給電要求制御は実施形態1と同様であるので、その説明を省略する。
ステップSF1では、車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSF1の判定結果がYESの場合はステップSF2に進み、NOの場合はリターンする。
ステップSF2では、複数の車両1からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信装置42で受けたか否かを判定する。ステップSF2の判定結果がNOの場合はステップSF3に進み、YESの場合はステップSF4に進む。
ステップSF3では、給電要求してきた車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
ステップSF4では、給電要求してきた複数の車両1の、高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報及び予想進行経路の情報を読み込む。ステップSF5では、各車両1の高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報、各車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報、及びその次の路側給電装置4までにある登坂路及び下り坂の長さの情報から、各車両1がその次の路側給電装置4に到達する時における各車両1の高電圧バッテリ24の蓄電量を予測する。ステップSF6では、その蓄電量が最も少なくなると予測される車両1に向かって電磁波eを送電装置43から送る。その後、リターンする。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、路側給電装置4は、複数の車両1のうち2つ以上の車両1の送信装置22からの給電要求を受けると、予測された、予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4に到達した時における高電圧バッテリ24の蓄電量が最も少ない車両1に向かって電力を送るので、その車両1の高電圧バッテリ24は蓄電される。このため、高電圧バッテリ24の蓄電量が不足して走行不能となる車両1が発生することを確実に抑制することができる。
また、車両情報には、給電要求の度合と関連性の高い、高電圧バッテリ24の蓄電量の情報と車両1の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置4までの距離の情報と車両1の予想進路経路の勾配の情報とが含まれているので、車両情報に基づき給電要求の度合を判定するインフラ側コントローラ41の判定精度を向上させることができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、車両用電力供給システムを電気自動車1に適用しているが、ハイブリッド電気自動車に適用しても良い。
また、上記各実施形態では、路側給電装置4は首振り式のアンテナ装置であるが、これ以外の装置であっても良い。
また、上記各実施形態では、送信装置22は、車両側コントローラ21からのオン信号を受けると、車外に向かって給電要求信号d及び各種情報を含む車両情報信号vを送信するが、給電要求信号d及び必要な情報(例えば、実施形態1では、高電圧バッテリ24の現在の蓄電量の情報、車両1の現在位置、進行方向及び車速の情報、並びに受電装置23の車両1に対する配置位置の情報)だけ含む車両情報信号vを送信しても良い。
また、上記各実施形態では、受信装置42が上記複数台の車両1のうち2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d及び車両情報信号vを受信すると、これらの信号を受けてインフラ側コントローラ41が、各車両1の送信装置22からの車両情報信号vに含まれる車両情報に基づき、各車両1の給電要求の度合を判定するが、高電圧バッテリ24の現在の蓄電量が所定量以下になると、各車両1に搭載された車両情報送信手段が車両側コントローラ21(判定手段に相当)へ車両情報信号vを送信し、この信号を受けて車両側コントローラ21が、車両情報信号vに含まれる車両情報に基づき、自車両1の給電要求の度合を判定し、送信装置22(度合情報送信手段に相当)が、車外に向かって給電要求信号d、車両情報信号v及び自車両1の給電要求の度合の情報を含む度合情報信号を送信しても良い。そして、受信装置42が2台以上の車両1の送信装置22からの給電要求信号d、車両情報信号v及び度合情報信号を受信すると、これらの信号を受けてインフラ側コントローラ41が、送電装置43に、度合が最も高い給電要求を送ってきた車両1に向かって電磁波eを送らせる。以上により、判定手段を車両1に搭載しているので、路側給電装置4の構成を簡単にすることができる。
また、上記各実施形態では、駆動源は駆動用モータ27であるが、これ以外の駆動源であっても良い。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用電力供給システム及び車載機は、バッテリの蓄電量が不足して走行不能となる車両が発生することを抑制する用途等に適用できる。
本発明の実施形態に係る道路の様子を示す概略図である。 車両用電力供給システムの構成図である。 車両側コントローラによる給電要求制御のフローチャートである。 インフラ側コントローラによる給電制御のフローチャートである。 インフラ側コントローラによる給電制御のフローチャートである。 インフラ側コントローラによる給電制御のフローチャートである。 インフラ側コントローラによる給電制御のフローチャートである。 インフラ側コントローラによる給電制御のフローチャートである。
符号の説明
1 電気自動車(車両)
2 車載機
4 路側給電装置
21 車両側コントローラ(判定手段、減少量予測手段、蓄電量予測手段)
22 送信装置(給電要求手段、車両情報送信手段、度合情報送信手段)
23 受電装置(受電手段)
24 高電圧バッテリ
27 駆動用モータ(駆動源)
41 インフラ側コントローラ(判定手段、減少量予測手段、蓄電量予測手段)
42 受信装置
43 送電装置

Claims (18)

  1. 電力を車両へ供給する車両用電力供給システムであって、
    複数の車両にそれぞれ搭載され、バッテリからの電力が供給されて該車両の駆動力を発生する駆動源と、
    上記各車両に搭載され、上記バッテリの蓄電量が所定量以下であるときに、車外に向かって給電を要求する給電要求手段と、
    道路又はその近傍に設置され、上記給電要求手段からの給電要求を受けたときに、該給電要求に対応する車両に向かって電力を送る路側給電装置と、
    上記各車両に搭載され、上記路側給電装置からの電力を受けて上記バッテリへ供給する受電手段と、
    上記各車両に搭載され、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときに、該車両に関する車両情報を送信する車両情報送信手段と、
    上記車両情報送信手段からの車両情報を受信したときに、該車両情報に基づき上記給電要求の度合を判定する判定手段とを備え、
    上記路側給電装置は、上記複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けたときには、上記判定手段により判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送るように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  2. 請求項1記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記車両情報送信手段は、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときには、車外に向かって上記車両情報を送信するように構成され、
    上記路側給電装置は、上記判定手段を有していて、上記複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受け且つ該各車両の車両情報送信手段からの車両情報を受信したときには、上記判定手段により上記各車両情報に基づき上記各給電要求の度合を判定し、該判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送るように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  3. 請求項1記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記判定手段は、上記各車両に搭載され、
    上記車両情報送信手段は、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときには、上記判定手段へ上記車両情報を送信するように構成され、
    上記各車両に搭載され、車外に向かって上記判定手段により判定された度合の情報を送信する度合情報送信手段をさらに備え、
    上記路側給電装置は、上記複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受け且つ該各車両の度合情報送信手段からの度合情報を受信したときには、度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送るように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報を含み、
    上記判定手段は、上記バッテリの蓄電量が少ないほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記路側給電装置は、上記道路又はその近傍に複数設置され、
    上記車両情報は、上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報を含み、
    上記判定手段は、上記距離が長いほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  6. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記車両情報は、上記車両の予想進行経路の勾配の情報を含み、
    上記判定手段は、上記勾配情報に基づき、上記バッテリの蓄電量の減少量を予測する減少量予測手段を有していて、該減少量予測手段により予測された減少量が多いほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  7. 請求項6記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記減少量予測手段は、上記車両の予想進行経路に上り勾配が多いほど、上記バッテリの蓄電量の減少量が多いと予測するように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  8. 請求項6又は7記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記駆動源は、上記車両の減速時に減速エネルギーを回生電力として回収して上記バッテリへ供給する駆動用モータであり、
    上記減少量予測手段は、上記車両の予想進行経路に下り勾配が多いほど、上記バッテリの蓄電量の減少量が少ないと予測するように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  9. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記路側給電装置は、上記道路又はその近傍に複数設置され、
    上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報と上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報とを含み、
    上記判定手段は、上記蓄電量情報と上記距離情報とに基づき、上記車両が上記次の路側給電装置に到達した時における上記バッテリの蓄電量を予測する蓄電量予測手段を有していて、該蓄電量予測手段により予測された蓄電量が少ないほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  10. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電力供給システムにおいて、
    上記路側給電装置は、上記道路又はその近傍に複数設置され、
    上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報と上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報と上記車両の予想進路経路の勾配の情報とを含み、
    上記判定手段は、上記蓄電量情報と上記距離情報と上記勾配情報とに基づき、上記車両が上記次の路側給電装置に到達した時における上記バッテリの蓄電量を予測する蓄電量予測手段を有していて、該蓄電量予測手段により予測された蓄電量が少ないほど、上記給電要求の度合が高いと判定するように構成されていることを特徴とする車両用電力供給システム。
  11. 複数の車両にそれぞれ搭載された車載機であって、
    バッテリからの電力が供給されて上記車両の駆動力を発生する駆動源と、
    上記バッテリの蓄電量が所定量以下であるときに、車外に向かって給電を要求する給電要求手段と、
    上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときに、上記車両に関する車両情報を送信する車両情報送信手段と、
    道路又はその近傍に設置され且つ上記複数の車両のうち2つ以上の車両の給電要求手段からの給電要求を受けたときに上記車両情報送信手段からの車両情報を受信した判定手段により上記車両情報に基づき判定された度合が最も高い給電要求に対応する車両に向かって電力を送る路側給電装置からの電力を受けて上記バッテリへ供給する受電手段とを備えたことを特徴とする車載機。
  12. 請求項11記載の車載機において、
    上記車両情報送信手段は、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときには、車外に向かって上記車両情報を送信するように構成されていることを特徴とする車載機。
  13. 請求項11記載の車載機において、
    上記判定手段をさらに備え、
    上記車両情報送信手段は、上記バッテリの蓄電量が上記所定量以下であるときには、上記判定手段へ上記車両情報を送信するように構成されていることを特徴とする車載機。
  14. 請求項11〜13のいずれか1つに記載の車載機において、
    上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報を含むことを特徴とする車載機。
  15. 請求項11〜13のいずれか1つに記載の車載機において、
    上記車両情報は、上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報を含むことを特徴とする車載機。
  16. 請求項11〜13のいずれか1つに記載の車載機において、
    上記車両情報は、上記車両の予想進行経路の勾配の情報を含むことを特徴とする車載機。
  17. 請求項11〜13のいずれか1つに記載の車載機において、
    上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報と上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報とを含むことを特徴とする車載機。
  18. 請求項11〜13のいずれか1つに記載の車載機において、
    上記車両情報は、上記バッテリの蓄電量の情報と上記車両の予想進行経路又はその近傍に設置された次の路側給電装置までの距離の情報と上記車両の予想進路経路の勾配の情報とを含むことを特徴とする車載機。
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