JP2008007951A - 建設機械における配管支持構造 - Google Patents

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清孝 小中
Katsuharu Kenmori
克治 権守
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小林  実
Yutaka Yanagi
裕 柳
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Abstract

【課題】油圧配管が案内部材に干渉して摩耗することを防止する建設機械における配管支持構造を、大型化の防止を図りつつ提供する。
【解決手段】フロントアタッチメント4に装備されるアームシリンダ13、バケットシリンダ14への圧油の給排流路となる油圧配管15は、コントロールバルブ8から保持部16に保持される少し手前までの部分が可撓性を有する配管で形成されていてバルブ室7の引き出し孔7bから引き出されるうえ、該引き出される油圧配管15は、バルブ室7に設けた支軸17dに揺動自在に軸支される案内部材17に貫通支持されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械における配管支持構造の技術分野に属するものである。
一般に、建設機械として例示される油圧ショベルには、機体本体にブーム、アーム、バケット等からなるフロントアタッチメントが起伏揺動自在に設けられており、そして該フロントアタッチメントは、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータへの圧油供給に基づいて必要なアタッチメント作業を行うように構成されている。ところでこのようなものにおいて、フロントアタッチメント用油圧アクチュエータへ圧油供給をするための油圧配管は、フロントアタッチメントの起伏揺動に対応できるように構成する必要があり、そこで前記油圧配管を、フロントアタッチメントの左右方向一側方の揺動支軸近傍位置において機体本体から突出させ、フロントアタッチメントが起伏揺動したとき油圧配管がフロントアタッチメントに添う状態で可撓変形するようにしている。そしてこの場合に、油圧配管がばらばらに可撓変形すると他部材に干渉したりして好ましくなく、そこで従来、機体本体にリング状の案内部材を固設し、該案内部材に油圧配管を遊嵌させることで配管がばらばらに可撓変形しないように配慮したものがある。ところが前記従来のものでは案内部材が固定方式であるため、フロントアタッチメントが起伏したとき、配管が大きく曲がることになって配管に対する負担が大きく、これを避けるためには配管を長くせざるを得ず、そうすると今度は起伏した際に大きな弧を描いた状態で撓むことになって他部材に干渉してしまうという問題がある。そこで配管の移動可能領域をもつ状態の案内部材を揺動自在に設けることで、配管を長くしないでもフロントアタッチメントの起伏揺動に対応した無理のない配管の可撓変形ができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−38740号公報
しかるに前記特許文献1のものは、案内部材の揺動支軸や揺動範囲を規制するための支軸(ボルト頭)が、配管が案内部材内で移動可能な領域と対向する位置にあるため、該配管は、前記起伏揺動に追随して案内部材内でばらばらに可撓変形して移動し、この結果、配管が前記支軸に干渉することを回避しきれないものがある。これを回避するには、揺動支軸を配管対向部位から遠いところに配すればよいが、このようにした場合、案内部材が大型化してしまうという問題があり、これらに本発明が解決せんとする問題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、機体本体に前後方向起伏揺動自在に設けられるフロントアタッチメントと、該フロントアタッチメントを作動させるための油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータに圧油供給をする油圧配管とを備えて構成される建設機械において、前記油圧配管のうち、フロントアタッチメントの左右方向側方位置でかつフロントアタッチメントの揺動支軸近傍位置において機体本体から突出する油圧配管を囲繞する状態でするための案内部材を設けるにあたり、該案内部材には、案内部材の左右両側に至るようにして筒体を設け、機体本体側から突出した支軸を前記筒体に回動自在に貫通支持して案内部材を揺動自在に軸支すると共に、支軸の筒体から貫通した部位で案内部材の支軸からの抜け止めをするようにしたことを特徴とする建設機械における配管支持構造である。
請求項2の発明は、案内部材には、案内する配管を位置決め状に貫通するグロメットが設けられていることを特徴とする建設機械における配管支持構造である。
請求項1の発明とすることにより、支軸を案内部材の機体本体外方側から抜け止めして取り付けており、支軸の突出端を配管の移動可能な領域の外に位置させることになるため、支軸と配管が干渉することを回避することがきる。この結果、従来のように支軸突出端と配管との接触を避けるために、案内部材を大型化する必要が無いものとすることができる。
請求項2の発明とすることにより、複数の配管を案内部材で案内する場合に各配管をグロメットで支持することができるため、配管同士が接触して損傷することを防止することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図面において、1は油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3の前部に前後方向起伏揺動自在に装着されるフロントアタッチメント4、運転席を囲繞形成するキャブ5と、エンジン室を囲繞形成するボンネット6とを備えて構成されている。7はコントロールバルブ8を収容するバルブ室であって、該バルブ室7は、フロントアタッチメント4を挟んでキャブ5とは左右方向逆側に設けられている。
前記フロントアタッチメント4は、ブーム9、アーム10、バケット11等から構成されると共に、ブームシリンダ12、アームシリンダ13、バケットシリンダ14等の各種の油圧アクチュエータを備えている。そして、これら各種油圧アクチュエータは、コントロールバルブ8からの圧油供給制御に基づいて伸縮作動し、これによりフロントアタッチメント4が作動する等の基本的構成は従来通りである。
15はアームシリンダ13、バケットシリンダ14への圧油供給流路となる複数の油圧配管(本発明の油圧配管に相当する)であって、該油圧配管15は、前記コントロールバルブ8に接続されたものが、ブーム9の揺動支軸9a近傍位置において後述するようにバルブ室7の上面から引き出され、そしてブーム9のバルブ室7側面に設けた保持部16に保持されており、これによってブーム9の該側面に沿う状態で配設されている。因みに油圧配管15は、コントロールバルブ8に接続された基端から前記保持部16に保持される少し手前までは可撓性を有したもので構成されていて屈曲(湾曲)できるようになっている。
前記バルブ室7の上面板7aには、ブーム9側に位置して油圧配管15を引き出すための引き出し孔7bが開設されているが、該引き出し孔7bに本発明が実施された案内部材17が設けられている。前記案内部材17は、矩形状の枠体17aと、該枠体17aに囲繞組込みされたグロメット17bとを備えて構成されている。
前記枠体17aの前後方向略中央位置には、左右両側板面間に至るようにして中空状の筒体17cが設けられており、該筒体17cには、引き出し孔7bの下側近傍位置を左右方向に横断する状態でバルブ室7の側面板7cから突設した支軸17dがベアリング17eを介して回動自在に軸支されている。因みに、支軸17dの筒体17cから突出した貫通部位にはカラー17fが組込まれ、その先端側にナット17gが螺装されていることで抜け止めされている。さらに枠体17aには、筒体17cの前後に間隙を存する状態で補強材17hが設けられている。
一方、グロメット17bは、ゴム等の弾性体からなり、枠体17aの内周面に対応する形状になっていると共に、下半部には筒体17cと補強材17hとに外嵌する切り欠き17l、17mが形成されており、これによってグロメット17bは枠体17aに対して上側から組み込みができるようになっている。しかもグロメット17bは、左右に分割(本実施の形態では4分割できるようになっている)形成され、その分割面に油圧配管15を貫通支持するための貫通孔17iが複数形成されている。尚、枠体17aの上縁には、前記組込まれたグロメット17bが外れてしまうことを防止するための外れ防止部17kが形成されている。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、フロントアタッチメント4に装備されるアームシリンダ13、バケットシリンダ14への圧油の給排流路となる油圧配管15は、コントロールバルブ8から保持部16に保持される少し手前までの部分が可撓性を有する配管で形成されていてバルブ室7の引き出し孔7bから引き出されているが、該引き出される油圧配管15は、バルブ室7に設けた支軸17dに揺動自在に軸支される案内部材17に貫通支持されている結果、ブーム9が起立姿勢から倒伏姿勢になって油圧配管15が前方に倒れ込んだ状態になろうとすると、案内部材17はこれに追随して前低後高状に揺動することになる。このため油圧配管15は、負担の少ない大きな湾曲でよくなると共に、案内部材17から保持部16までの長さを短いものにできる。
しかも各油圧配管15は、グロメット17bに形成の貫通孔17iによってそれぞれ貫通支持されているため、油圧配管15同士あるいは油圧配管15と案内部材17とが擦れ合って早期に損傷してしまうことを防止できるうえ、フロントアタッチメント4の起伏作動に連動した案内部材17の揺動変位を促進することができる。
油圧ショベルの側面図である。 油圧ショベルの要部斜視図である。 ブーム上げ姿勢における配管状態を示す要部拡大側面図である。 ブーム下げ姿勢における配管状態を示す要部拡大側面図である。 (A)は案内部材の機体取り付け状態を示す要部側面図、(B)は案内部材の正面縦断面図である。 (A)はグロメットと枠体の外れ防止部とを除いた案内部材の機体取り付け状態を示す要部平面図、(B)は案内部材の機体取り付け状態を示す要部平面図である。
符号の説明
1 油圧ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 フロントアタッチメント
7 バルブ室
9 ブーム
9a 揺動支軸
15 油圧配管
17 案内部材
17a 枠体
17b グロメット
17c 筒体
17d 支軸
17i 貫通孔

Claims (2)

  1. 機体本体に前後方向起伏揺動自在に設けられるフロントアタッチメントと、
    該フロントアタッチメントを作動させるための油圧アクチュエータと、
    該油圧アクチュエータに圧油供給をする油圧配管とを備えて構成される建設機械において、
    前記油圧配管のうち、フロントアタッチメントの左右方向側方位置でかつフロントアタッチメントの揺動支軸近傍位置において機体本体から突出する油圧配管を囲繞する状態で案内するための案内部材を設けるにあたり、
    該案内部材には、案内部材の左右両側に至るようにして筒体を設け、
    機体本体側から突出した支軸を前記筒体に回動自在に貫通支持して案内部材を揺動自在に軸支すると共に、
    支軸の筒体から貫通した部位で案内部材の支軸からの抜け止めをするようにしたことを特徴とする建設機械における配管支持構造。
  2. 案内部材には、案内する配管を位置決め状に貫通するグロメットが設けられていることを特徴とする建設機械における配管支持構造。
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