JP2008004816A - 導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 - Google Patents
導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008004816A JP2008004816A JP2006173886A JP2006173886A JP2008004816A JP 2008004816 A JP2008004816 A JP 2008004816A JP 2006173886 A JP2006173886 A JP 2006173886A JP 2006173886 A JP2006173886 A JP 2006173886A JP 2008004816 A JP2008004816 A JP 2008004816A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- base material
- conductor layer
- pattern
- metal
- layer pattern
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Abstract
【解決手段】凸部のパターン、それによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材に電気めっきまたは無電解めっきにより金属11を析出させる工程、導電性基材の凸部先端部分に析出させた金属11を放射線硬化性の接着剤層14を有する別の基板13に転写する工程及び金属11を接着剤層14を介して別の基板13に接着させる時点以後に放射線硬化性樹脂を硬化反応させる工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。転写させた金属11の最上端がその金属の近辺の接着剤層14の最上端の位置を基準にして垂直方向で3μm以下の位置にあることが好ましい。
【選択図】図20
Description
また、特許文献1には、絶縁層支持体上に凸状の導電性メッシュ層を形成した電着基板を用いる方法が記載されているが、この方法によれば、実際は、導電性メッシュの側面にも金属が電着され、このことがメッシュ状電着金属層の接着転写に対する抵抗となり、剥離ができなかったり、剥離できたとしてもメッシュパターンに折れが発生し、電磁波シールド性が低下するといった不良が起こるという問題があることを、本発明者らは確認した。
また、特許文献2において、電解めっき金属層からなる凸状パターンの表面を電気絶縁層の表面よりも高く形成した金属層転写用ベースシートを用いて凸状パターン上に形成された転写金属層を粘着シートに転写する場合、特許文献1についての上記説明と同様に、凸状パターンの側面にも転写金属層がめっきされ、このことが転写金属層の接着転写に対する抵抗となり、転写金属層を凸状パターンから剥離ができなかったり、剥離できたとしてもメッシュパターンに折れが発生し、電磁波シールド性が低下するといった不良が起こるという問題がある。さらに、凸状の導電性メッシュ層に析出した金属を転写する際に、電気絶縁層と凸状パターンの表面の高さの差が、最大でも数μm程度である場合には、転写用の接着フィルムに転写する際の圧力や、基材のたわみ等により、特許文献1についての上記説明と同様に、電着基板上の電気絶縁膜が、接着転写により剥離応力を受け、少々の繰り返し使用で導電性基材から絶縁膜が剥離してしまうという問題がある。
また、従来、金属メッシュを電磁波シールド層として有する電磁波遮蔽用部材の金属メッシュが存在する表面を保護するなどの目的で、樹脂や接着剤が塗工又は積層されることが行われるが、このとき、金属メッシュがそれが存在する表面に凸状に突起しているため、気泡が残りやすいという問題あった。
また、転写後の工程で異物の付着を防止することは重要である。
また、本発明は、導体層パターン付き基材の製造法において、異物が付着を防止しやすくすことを第2の目的とするものである。
さらに、導体層パターン付き基材の導体層パターンの上に樹脂、接着剤、フィルム、ガラス、プラスチック板等を積層したときに気泡が残存しにくい導体層パターン付き基材の製造法を提供することを第3の目的とするものである。
1. 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材に電気めっきまたは無電解めっきにより金属を析出させる工程、上記導電性基材の凸部先端部分に析出させた金属を放射線硬化性の接着剤層を有する別の基板に転写する工程及び金属を接着剤層を介して別の基板に接着させる時点以後に放射線硬化性樹脂を硬化反応させる工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
2. 接着剤層を介して転写させた金属の最上端の位置がその金属の近辺の接着剤層の最上端の位置を基準にして垂直方向で3.5μm以下の位置にある項1に記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
3. 放射線硬化性接着剤層の膜厚が、3〜50μmであることを特徴とする項1又は2のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
4. 放射線硬化性接着剤層の硬化前又は転写時の50℃におけるタック値が20〜100gfであり、且つ放射線の照射による硬化後のタック値が、10gf以下であることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
5. 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材が、凸部の上端から0.5〜5μm低い位置よりも低い位置の凹部表面に絶縁層が形成されており、凸部の導電性基材の露出部分の幅が1μm〜40μmであって、凹部に絶縁層を施した後の凸部の高さが、10μm以上であるめっき用導電性基材からなる項1〜4のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
6. 上記導電性基材の凸部の間隔が100μm〜1000μmである項1〜5のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
7. 上記導電性基材上に電気めっきまたは無電解めっきにより金属を析出させる工程において、導電性基材の凸部において金属の厚さが0.1〜50μmになるように金属を析出させる項1〜6のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
8. 導電性基材が回転体(ロール)である項1〜7のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
9. 導電性基材がフープ状である項1〜7のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
10. 上記凸部に析出させた金属を基材に転写する工程の前に、導電性基材の凸部に析出した金属パターンを黒化処理する工程を含む項1〜9のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
11. 項1〜10のいずれかに記載の製造方法を行った後、基材に転写された金属パターンを黒化処理する工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
12. 項1〜11のいずれかに記載の製造方法を行った後、さらに、導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆することを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
13. 項1〜12のいずれかに記載の方法により製造された導体層パターン付き基材。
14. 基板に接着剤層を介して金属からなる導体層パターンが接着されてなり、その金属の最上端の位置がその金属の近辺の接着剤層の最上端の位置を基準にして垂直方向で3μm以下の位置にある導体層パターン付き基材。
15. 項13又は項14に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを有する面を透明基板に貼りあわせてなる透光性電磁波遮蔽部材。
16. 項13又は項14に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆してなる透光性電磁波遮蔽部材。
また、本発明のめっき用導電性基材は、絶縁層をDLCからなる絶縁層とすることにより、特に、上記寿命をさらに長くすることができる。中間層により導電性基材と絶縁層の間の密着性を向上させることができ、これにより、めっき用導電性基材の寿命を、さらに、確実に、寿命を長くすることができる。
図1は、凸部に対する凹部の幾何学図形が形成されている導電性基材の一例を示す斜視図である。図1で例示しているのは凹部2の幾何学図形としては正方形であり、導電性基材1に凹部2の幾何学図形が正方形になるように凸部3が格子状に形成されている。
図2及び図3は、図1のA−A断面を示し、図2では(a)〜(d)の4種、図3では(e)の1種を示す。凹部2及び凸部3の断面形状は適宜決定され、凸部3の側面5が、斜面((a)、(b)の場合)、曲面((c)の場合)、段階的斜面((d)の場合)等任意である。また、凹部2の底面も種々の形状がある。これらは、すべて、凸部の側面が少なくとも先端部分で傾斜角を有する。この傾斜角は、図中のαで、30°〜80°に相当することが好ましく、50°以上であることがより好ましい。
凸部3の上面4は必ずしも平面でなくてもよく、上面全体又は上面の一部が平面から変形した形状であっても良いが、この場合、できるだけなめらかに湾曲していることが好ましい。ここで、凸部の先端部分とは、凸部の最先端から0.5〜5μm低い位置までの凸部の表面を意味する。
角度αの基準面は、凸部の上面又は水平面若しくは垂直面である。元の導電性基材として(ほぼ)均一な厚さのもの使用し、この一面に凸部パターンを施した場合には、他面を基準面とすることもできる。
また、断面観察の試料を水平面又は垂直面に載置又は固定し、これを観察することもできる。水平面又は垂直面は、適当な台などを使用して設定できる。
また、凸部を有する導電性基材の上にたわまない平板をのせてこの平板の面を基準面とすることもできる。また、導電性基材が円筒である場合は、その円筒より大きな断面が真円の円筒(基準円筒)を用意し、基準円筒を横にして、基準円筒の中に導電性基材を通してこれらの円筒を重ね、基準円筒の各断面円の頂点が水平になるようにし、この円筒の頂点に接する接面を基準面とすることもできる。
具体的には、導電性基材の断面の観察は、顕微鏡の倍率を適当にして、凸部の上面が観察できるようにし、導電性基材の他面(表面)が観察できるようにし、あるいは、基準となる物体が観察できるようにして基準面を確認し、適宜写真撮影後倍率を高くして詳細な断面(場合により倍率を低くして断面)を観察し、写真撮影することにより行い、角度αに関する測定を行うことができる。基準面の確認に際しては、定規等の基準になるものを同時に写し込むとよい。
以上で説明した基準面は、厚さ、高さ及び幅の測定の基準面にすることもできる。また、別の基材の表面は多くの場合変形することがなく、基準面として採用しやすい。
これに対し、図3に(e)として示すように凸部の側面5が垂直面の場合もあり得る。
本発明おいて、凸部の先端部分の中心間隔(ラインピッチ)は、パターンが複雑な図形であったり、複数の図形の組み合わせであったりして簡単に決定できない場合は、パターンの繰り返し単位を基準としてその面積を正方形の面積に換算し、その一辺の長さであると定義する。
(1)導電性基材の凹部を形成すべき部分(導体層パターン付き基材の導体層パターンの開口部に対応する部分)に、直接レーザ光を照射し、凹部を形成し、導電層パターンに対応した凸部を形成する方法、
(2)フォトリソグラフ法又は印刷法によって、導電性基材に光硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂により幾何学図形状のパターン(レジストパターン)を形成する工程を行なった後、導電性基材をエッチングする方法、
(3)彫刻により導電性基材の凹部を形成すべき部分(導体層パターン付き基材の導体層パターンの開口部に対応する部分)を掘削する方法などがある。
導電性基材の材質が硬い場合、直接加工するには上記(1)方法(レーザ加工法)または(2)の方法(エッチング法)などを用いることが好ましいが、銅などの柔らかく加工性に優れた材料を用いる場合は、上記(3)の方法(彫刻法)により容易に加工することもでき、このとき、加工後に、クロム等の硬質のめっきを表面に施して、強度を上げることができる。
また、フォトリソグラフ法を用いる場合には、ドライフィルムレジストなどをラミネートし、マスクを装着して露光し、現像した後にレジストフィルムのエッチング工程を経ることも出来るし、液状レジストを塗布した後に溶剤を乾燥あるいは仮硬化させた後、マスクを装着して露光し、現像した後にレジストフィルムのエッチング工程を経ることも出来る。光硬化性の樹脂にマスクを介して活性エネルギー線を照射することでパターニングできればその態様は問わない。枚葉で版のサイズが大きい場合、あるいはロール・トゥ・ロール(Roll−to−Roll)で作製する場合などはドライフィルムレジストをラミネートしてマスクを介して露光する方法が生産性の観点からは好ましく、めっきドラムなどに直接加工する場合にはドライフィルムレジストを貼り合わせるあるいは液状レジストを塗布した後にマスクを介さずにレーザーなどでダイレクトに露光する方法が好ましい。
また、上記(2)の方法における導電性基材のエッチングは、エッチング液を用いて行うことができる。エッチング液としては導電性金属の材質によって様々な種類があり、それぞれの金属に対してエッチング液が市販されているのでそれらを使用することができる。例えば、導電性金属がステンレスであれば、塩化第二鉄を用いることが一般的であり、チタンであればふっ酸系のエッチング液がよく用いられる。ステンレスのエッチングに関しては、塩化第二鉄の比重が40°Be(ボーメ)〜60°Be(ボーメ)の範囲の液が好んで用いられる。比重が低いとエッチングスピードは速いが、サイドエッチングが大きくなるため、凹部が浅くなる傾向にあり、逆に比重が高いと、エッチングスピードは遅いが、サイドエッチングが少なく、凹部が深くなる傾向にある。したがって、エッチング液の比重は、45°Be(ボーメ)〜50°Be(ボーメ)であることがさらに好ましい。また、エッチング温度は、低いとエッチンスピードが低下し生産性が低下するため、40℃以上であることが好ましい。さらに、エッチング温度が60℃を超えると、エッチング液の腐食性が大きくなるため、エッチング槽をチタン製にする等設備投資が大きくなるため、60℃以下であることが好ましい。
残存するレジストは、導電性基材のエッチング後に、剥離液等を使用して剥離することができる。
めっき用導電性基材にめっきした際、めっきは等方的に成長するため、凸部露出部分の近傍の絶縁層に覆い被さるように析出する。絶縁層に覆い被さっためっきは、剥離転写する度に毎回、絶縁層に応力がかかる原因となる。従って、凹部全面に絶縁層が形成されている場合、転写時に絶縁層にかかる応力は、凸部露出部分の近傍が最も大きいので、凸部の先端部分を露出させることで、剥離の際に絶縁層にかかる応力を低下させることができ、結果的に凹部が絶縁層で被覆されているめっき用導電性基材の寿命を向上させることができる。凸部の先端部分の露出が小さすぎると、寿命向上の効果が小さく、大きすぎると側面に深くめっきが析出し、転写不良が発生することがあるので、露出している凸部の先端部分は、凸部最先端から、0.5〜5μm低い位置までであることが好ましく、0.5〜3μm低い位置までであることが更に好ましい。
図中h′は、前記した凸部の高さである。hは凹部に絶縁層を施した後の凸部の高さ(以下、「絶縁高さ」という)である。tは絶縁層の厚さを示す。凸部の高さh′は、11μm〜110μmが好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。絶縁高さhは、10〜100μmであることが好ましく、tは、h′がhより小さくなるように決定されるが、10μm以下が好ましく、特に、凸部3の側面5において、少なくとも絶縁層の端の部分では厚さが1〜10μmであることが好ましい。さらに、凸部の先端部分は、露出させる。凸部の先端部分の露出の程度は、幅dが1〜40μmであることが好ましく、凸部の最先端からの距離(高さ方向)sは、0.5〜5μmであることが好ましく、0.5〜3μmであることが更に好ましい。この距離sのために、剥離の際に絶縁層にかかる応力を低減することができる。
絶縁層は、薄膜絶縁層であることが好ましく、強度の不均一性をなくすために均一な厚さであることが好ましい。
図5は、本発明における凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の一例を示す断面図である。
図5に示すように、凸部の側面が垂直面の場合も上記の態様で凹部に絶縁層が施され、しかも、凸部の先端部分が露出しているのであれば、好ましい態様として使用できる。
絶縁高さhが低すぎると、転写の際に転写用基材が導電性基材に接触して転写用基材を傷つけたり、転写用基材の接着面が導電性基材に設けた絶縁層に接触しやすくなって絶縁層に剥離応力がかかるため、繰り返し使用した際に絶縁層が剥離することがある。
また、d10は
図6(a)では、導電性基材の凸部3として、断面が台形上のものとして模式的に図示したが、(b)に示すように凸部3の表面が凸凹であってもよい。また、絶縁層の表面は、(a)では平面の組み合わせとして模式的に図示されているが、これも(b)に示すように凹凸のある面の組み合わせであってもよい。なお、図6では、上下方向を強調して引き延ばし気味に図示してある。
また、図6中、前記第2の位置は、先端部分の側面に位置するように図示されているが、場合により、第2の位置が凸部の上面に位置していてもよい。
また、導電性基材にめっきを施すと、めっきが等方的に成長するため、導電性基材の凸部側面も露出しているとそこにもめっきが析出するが、転写の際に、転写用基材の接着面をめっきに接触させた後転写用基材を剥離すると、めっき層には、斜め方向の応力がかかった場合には、凸部の角度が80°を超えると、剥離(転写)の際に抵抗が大きくなりすぎて、転写不良が発生することがありうる。このことから、凸部の角度は30°〜80°の範囲であることが好ましく、50°〜80°であることがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂として、硬化剤を利用するものが使用できる。このようなものとしては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、不飽和炭化水素基等の官能基を有する樹脂とエポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、チオール基等の官能基を有する硬化剤あるいは金属塩化物、イソシアネート、酸無水物、金属酸化物、過酸化物等の硬化剤との組み合わせで用いられるものがある。なお、硬化反応速度を増加する目的で、汎用の触媒等の添加剤を使用することもできる。具体的には、硬化性アクリル樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物等が例示される。絶縁層の形成方法としては、例えば、刷毛塗りや、スプレー塗装、さらには、ディッピングした後にスキージやブレード等で樹脂を掻き取った後に乾燥させるなどの方法が挙げられる。
電着塗料は、それ自体既知のカチオン型及びアニオン型のいずれでも使用でき、ここでは、使用できる電着塗料の一例を示す。
カチオン型電着塗料には、塩基性アミノ基をもつ樹脂のペーストを作製し、これを酸で中和、水溶化(水分散化)してなる陰極析出型の熱硬化性電着塗料が包含される。カチオン型電着塗料は前記導電性基材(被塗物)を陰極にして塗装される。
塩基性アミノ基をもつ樹脂は、例えば、ビスフエノール型エポキシ樹脂、エポキシ基(またはグリシジル基)含有アクリル樹脂、アルキレングリコールのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリブタジエンならびにノボラツクフエノール樹脂のエポキシ化物などのエポキシ基含有樹脂のエポキシ基(オキシラン環)にアミン化合物を付加したもの、塩基性アミノ基をもつ不飽和化合物(例えば、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、N−ビニルピラゾール、N−ジエチルアミノエチルアクリレートなど)を重合させたもの、第3級アミノ基含有グリコール(例えば、N−メチルジエタノールアミン)をグリコールの一成分とするグリコール成分とポリイソシアネート化合物との反応物、さらに、酸無水物とジアミン化合物との反応でイミノアミンが生成することによって、樹脂へアミノ基を導入したものなどがある。ここで、上記したアミン化合物としては、塩基性アミン化合物であって、脂肪族、脂環式もしくは芳香脂肪族系の第1級もしくは第2級アミン、アルカノールアミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン化合物が挙げられる。
また、カチオン電着塗料には、架橋剤を配合することができる。架橋剤としては、ブロツク化したポリイソシアネート化合物がよく知られているが、塗膜を加熱(約140℃以上)するとブロツク剤が解離して、イソシアネート基が再生し、上記の如きカチオン性樹脂中の水酸基などのイソシアネート基と反応性の基に対し架橋反応し硬化する。
さらに、カチオン型電着塗料には、顔料(着色顔料、体質顔料、防錆顔料など。顔料の配合量は樹脂固形分100重量部あたり40重量部以下が好ましい)、親水性溶剤、水、添加剤などを必要に応じて配合することができる。
カチオン型電着塗料は、その固形分濃度を約5〜40重量%となるように脱イオン水などで希釈し、pHを5.5〜8.0の範囲内に調整することが好ましい。このようにして調製されたカチオン型電着塗料を用いてのカチオン電着塗料は、通常、浴温15〜35℃、負荷電圧100〜400Vの条件で被塗物を陰極として行うことができる。塗膜の焼付硬化温度は一般に100〜200℃の範囲が適している。
カルボキシル基を持つ樹脂としては、乾性油(あまに油、脱水ひまし油、桐油など)に無水マレイン酸を付加したマレイン化油樹脂、ポリブタジエン(1,2−型、1,4−型など)に無水マレイン酸を付加したマレイン化ポリブタジエン、エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸エステルに無水マレイン酸を付加した樹脂、高分子量多価アルコール(分子量約1000以上で、エポキシ樹脂の部分エステルおよびスチレン−アリルアルコール共重合体なども含まれる)に多塩基酸(無水トリメリツト酸、マレイン化脂肪酸、マレイン化油など)を付加して得られる樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(脂肪酸変性したものも含む)、カルボキシル基含有アクリル樹脂、グリシジル基もしくは水酸基を含有する重合性不飽和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物を用いて形成された重合体もしくは共重合体に無水マレイン酸などを付加せしめた樹脂などがあげられ、カルボキシル基の含有量が、一般に、酸価で約30〜200の範囲のものが適している。
上記DLC薄膜をプラズマCVD法で形成するために、原料となる炭素源として炭化水素系のガスが好んで用いられる。例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン系ガス類、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン系ガス類、ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類、アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン系ガス類、ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の芳香属炭化水素系ガス類、シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン系ガス類、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケン系ガス類、メタノール、エタノール等のアルコール系ガス類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系ガス類、メタナール、エタナール等のアルデヒド系ガス類等が挙げられる。上記ガスは単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。また、元素として炭素と水素を含有する原料ガスとして上記した炭素源と水素ガスとの混合物、上記した炭素源と一酸化炭素ガス、二酸化ガス等の炭素と酸素のみからなる化合物のガスとの混合物、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の炭素と酸素のみから構成される化合物のガスと水素ガスとの混合物、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の炭素と酸素のみからなる化合物のガスと酸素ガスまたは水蒸気との混合物等が挙げられる。更に、これらの原料ガスには希ガスが含まれていてもよい。希ガスは、周期律表第0属の元素からなるガスであり、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等が挙げられる。これらの希ガスは単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
上記SiまたはSiCの薄膜は、例えば、ステンレス鋼などの金属との密着性に優れる上、その上に積層する絶縁性のDLC薄膜との界面においてSiCを形成して、当該DLC薄膜の密着性を向上させる効果を有している。
中間層は、前記したようなドライコーティング法により形成させることができる。
中間層の厚みは、1μm以下であることが好ましく、生産性を考慮すると0.5μm以下であることが更に好ましい。1μm以上コーティングするには、コーティング時間が長くなると共に、コーティング膜の内部応力が大きくなるため適さない。
図7〜図9は、めっき用導電性基材の作製方法を示す工程の一例を断面図で示したものである。これらにおいて、図2(c)で示す断面形状を有する導電性基材を用いて例示する。
まず、導電性基材1の両面に光硬化性樹脂層7を形成する(図7(a))。フォトリソグラフ法を用いて導電性基材1の一方の表面の光硬化性樹脂層7をパターン化する(図7(b))。パターン化された光硬化性樹脂層7をエッチングレジストとして導電性基材をエッチングすることにより、図に示すエッチングされた導電性基材が得られる(図7(c))。このとき、凸部2の側面5の傾斜角を調整することができる(少なくとも凸部の先端部分において)。傾斜角の調整は、エッチング液である塩化第二鉄溶液の比重とエッチング温度を最適化することなどにより行うことができる。次いで、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性の水溶液に浸漬して、エッチングレジストを剥離する(図7(d))。
マスク層が形成されている箇所では、絶縁層がエッチングされないため、導電性基材1の凸部3の先端部分に形成された絶縁層8の上のマスク層10を除去する(図8(g))。
マスク層10のこの部分的な除去は凸部3の露出させる先端部分の幅を勘案して除去される。凸部に平面的な又はほぼ平面的な上面がある場合、露出する絶縁層の幅が、上面の幅よりも広くなるようにすることが好ましい(図8(g))。これにより、次の絶縁層8の部分的な除去において、凸部3の上面付近の側面部の絶縁層の除去が行いやすくなる。特に、研磨によるマスク層10の除去を行うと図8(g)に示すようになる。
特に、酸素ガスでプラズマエッチングを行った場合などには、導電性基材がストッパー層となる。凸部に平面的な又はほぼ平面的な上面がある場合、凸部3の上面の幅を超えた部分の絶縁層を露出させておけば(図8(g))、絶縁層のドライエッチングによる除去が、凸部の側面部にまで及び、その結果、凸部の側面まで露出させることができる((図9(h))。側面部の絶縁層の除去の制御は、ドライエッチングの時間、出力によって行うことができる。
次いで、凹部3の絶縁層8上に形成されているマスク層9は、薬液浸漬等により除去される。このようにして本発明に係るめっき用導電性基材の一例を作製することができる(図9(i))。
さらに、DLCからなる絶縁層と導電性基材の間に中間層を設けた場合、中間層が例えば有機材料である場合には、上記の酸素プラズマで、DLCからなる絶縁層の除去に引き続いて中間層の除去が行え、図9(h)に示すのと同様の構造のめっき用導電性基材とすることができる。中間層が炭素を主成分とする材料でない場合には、酸素プラズマによる中間層のエッチングが困難となるが、この場合には、絶縁層及び中間層の材料に合わせて、ガスを変更するかもしくは、中間層の厚みが0.5μm以下程度であれば、弱い力で機械研磨することにより凸部の先端部分の露出幅を太らせることなく、凸部の先端部分に形成された中間層を除去することが可能である。
DLC薄膜をドライエッチングした際に、中間層が酸素プラズマでエッチングされない場合には、ガスを変更して中間層をドライエッチングするか、もしくは、機械研磨で除去することができる。中間層は薄い皮膜であるため、ラインを太らせること無く、軽い研磨で除去することができる。なお、中間層が導電性である場合には、通電して析出させためっきが中間層から容易に剥離させることができるなら、必ずしも中間層を除去する必要はなく、凸部の露出部分において、それ自体を導電性基材の一部とすることができる。
無機系のマスク層としては、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、金(Au)、チタン(Ti)等の金属が、特に酸素プラズマに対する耐性が強く好ましく用いられる。これらの膜は、スパッタ法、真空蒸着法、イオンビーム蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、電着法、無電解めっき法などの薄膜形成方法により形成される。これらの材料の中では、酸素プラズマに対する耐性が高く、廉価であり、蒸着が容易で、酸性物質に対しても塩基性物質に対しても可溶であることから、アルミニウム(Al)が好んで用いられる。アルミニウムは導電性であるため、ドライエッチング後に残しておくと導電性基材の全面にめっきが析出するので、除去する必要がある。アルミニウムのエッチング剤としては、塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム等、また酸性物質としては硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸及びその塩等であるが、絶縁層の耐性を考慮して、適宜選択する。
また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、N−エチル−エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のポリアルキレンポリアミン類;2−エチル−ヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリアリルアミン、ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン;ベンジルアミン、ジフェニルアミン等の芳香族アミン類;ピペラジン、N−メチル−ピペラジン、メチル−ピペ−メチル−ピペラジン、メチル−ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン等の環状アミン類等の水溶性アミンも好ましく用いられる。
この後、凸部上面に絶縁層がないことを除けば、図8の(f)以降と同様にして目的の図9の(i)に示すようなめっき用導電性基材を作製することができる。
領域Bにおいて、凸部のパターンによって描かれる幾何学図形状は、前記説明したものが使用できるが、改めて例示すると、
(1)メッシュ状幾何学的模様
(2)所定間隔で規則的に配列された方形状幾何学的模様
(3)所定間隔で規則的に配列された平行四辺形模様
(4)円模様又は楕円模様
(5)三角形模様
(6)五角形以上の多角形模様
(7)星形模様
等がある。
また、領域Bにおける凸部の形成、絶縁層の形成等は、前記した領域Aと同様に、また、同時に行うことができる。さらに、凸部の露出部分の高さ、露出部分が先端方向に進むにつれて幅が広がっておらず、全体として下部よりも上部で幅が小さくなるようにされること、d10/h10の関係等も領域Aと同様にされることが好ましい。
電気めっきについてさらに説明する。例えば、電気銅めっきであれば、めっき用の電解浴には硫酸銅浴、ほうふっ化銅浴、ピロリン酸銅浴、または、シアン化銅浴などを用いることができる。このときに、めっき浴中に有機物等による応力緩和剤(光沢剤としての効果も有する)を添加すれば、より電着応力のばらつきを低下させることができることが知られている。また、電気ニッケルめっきであれば、ワット浴、スルファミン酸浴などを使用することができる。これらの浴にニッケル箔の柔軟性を調整するため、必要に応じてサッカリン、パラトルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタリントリスルホン酸ナトリウムのような添加剤、及びその調合剤である市販の添加剤を添加してもよい。さらに、電気金めっきの場合は、シアン化金カリウムを用いた合金めっきや、クエン酸アンモニウム浴やクエン酸カリウム浴を用いた純金めっきなどが用いられる。合金めっきの場合は、金−銅、金−銀、金−コバルトの2元合金や、金−銅−銀の3元合金が用いられる。他の金属に関しても同様に公知の方法を用いることができる。電気めっき法としては、例えば、非特許文献1第87〜504頁を参照することができる。
次に、無電解めっきについてさらに説明する。無電解めっき法としては、銅めっき、ニッケルめっき、代表的であるが、その他、すずめっき、金めっき、銀めっき、コバルトめっき、鉄めっき、クロムめっき等が挙げられる。工業的に利用されている無電解めっきのプロセスでは、還元剤をめっき液に添加し、その酸化反応によって生ずる電子を金属の析出反応に利用するのであり、めっき液は、金属塩、錯化剤、還元剤、pH調整剤、pH緩衝材、安定剤等から成り立っている。無電解銅めっきの場合は、金属塩として硫酸銅、還元剤としてホルマリン、錯化剤としてロッセル塩やエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が好んで用いられる。また、pHは主として水酸化ナトリウムによって調整されるが、水酸化カリウムや水酸化リチウムなども使用でき、緩衝剤としては、炭酸塩やリン酸塩が用いられ、安定化剤としては、1価の銅と優先的に錯形成するシアン化物、チオ尿素、ビピリジル、O−フェナントロリン、ネオクプロイン等が用いられる。また、無電解ニッケルめっきの場合は、金属塩として硫酸ニッケル、還元剤には、次亜りん酸ナトリウムやヒドラジン、水素化ホウ素化合物等が好んで用いられる。次亜りん酸ナトリウムを用いた場合には、めっき皮膜中にりんが含有され、耐食性や耐摩耗性が優れている。また、緩衝剤としては、モノカルボン酸またはそのアルカリ金属塩を使用する場合が多い。錯化剤は、めっき液中でニッケルイオンと安定な可溶性錯体を形成するものが使用され、酢酸、乳酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸、グリシン、アラニン、EDTA等が用いられ、安定化剤としては、硫黄化合物や鉛イオンが添加される。無電解めっき法については上記、「現場技術者のための実用めっき」、日本プレーティング協会編(1986年槇書店発行)の第505〜545頁を参照することができる。
さらに、還元剤の還元作用を得るためには、金属表面の触媒活性化が必要になることがある。素地が鉄、鋼、ニッケルなどの金属の場合には、それらの金属が触媒活性を持つため、無電解めっき液に浸漬するだけで析出するが、銅、銀あるいはそれらの合金、ステンレスが素地となる場合には、触媒活性化を付与するために、塩化パラジウムの塩酸酸性溶液中に被めっき物を浸漬し、イオン置換によって、表面にパラジウムを析出させる方法が用いられる。
本発明で利用できる無電解めっきは、例えば、前記した上面を有する凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の凸部に、必要に応じてパラジウム触媒を付着させたあと、温度60〜90℃程度とした無電解銅めっき液に浸漬して、銅めっきを施す方法がある。
無電解めっきでは、基材は必ずしも導電性である必要はない。しかし、前記したように基材の凹部に絶縁層を電着により形成する場合には、基材は導電性である必要があり、また、無電解めっきの準備として、基材上にに析出した金属を容易に剥離するための処理として、基材の無電解めっきされるべき箇所を、陽極酸化処理するような場合は、基材は導電性である必要がある。
特に、導電性基材の材質がNiである場合、無電解めっきするには、上面を有する凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材を陽極酸化した後、無電解銅めっき液に浸漬して、銅を析出させる方法がある。
前記しためっき用導電性基材の凸部の露出部分にめっきにより形成される金属層の厚さ(めっき厚さ)は、十分な導電性を示す(このとき電磁波シールド性が十分に発現する)ためには、0.5μm以上であることが好ましく、導体層にピンホールが形成される(このとき、電磁波シールド性が低下する)可能性を小さくするためには、3μm以上の厚さであることがさらに好ましい。また、めっき厚さが大きすぎると、形成された金属層は幅方向にも広がるため、転写したラインの幅が広くなり、導体層付きパターン基材の開口率が低下し、透明性、非視認性が低下する。したがって、透明性、非視認性を確保するためには、形成された金属の厚みを20μm以下とすることが好ましく、さらに、めっきの時間を短縮し、生産効率をあげるためには、めっきの厚みは10μm以下であることがさらに好ましい。
めっき又は導体層パターンの厚さは、めっきにより作製される導体層パターンの幅の中央ではかる。
プラスチックとしては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリウレタン樹脂、フタル酸ジアリル樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。プラスチックの中では、透明性に優れるポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が好適に用いられる。別の基材の厚みは、0.5mm〜5mmがディスプレイの保護や強度、取扱い性から好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚さは特に制限はないが、1mm以下のものが好ましく、厚すぎると可視光透過率が低下しやすくなる傾向がある。また、薄く成りすぎると取扱い性が悪くなることを勘案すると、上記プラスチックフィルムの厚さは5〜500μmがより好ましく、50〜200μmとすることがさらに好ましい。
これらのプラスチックフィルム等の基材は、ディスプレイの前面からの電磁波の漏洩を防ぐための電磁波シールドフィルムとして使用するためには、透明であるもの(すなわち、透明基材)が好ましい。
光重合開始剤とは、放射線の吸収により活性化し、重合を開始させるものであって、放射線の吸収によりラジカルを発生するものが好ましい。
ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート(オキシエチレン基の数が2〜14である)、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(オキシプロピレン基の数が2〜14である)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニルトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等のグリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、
上記としては、例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート等のβ位にOH基を有するアクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体とイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等等のウレタンモノマーなどが挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
等が挙げられる。
一般式(b)
一般式(c)
これらのモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)光重合性化合物として、分子内に少なくとも2つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(2官能以上のモノマー)が100%であってもよいが、2官能以上のモノマーと分子内に1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(1官能以上のモノマー)の配合割合が、2官能以上のモノマー67〜98重量%、1官能のモノマー33〜2重量%とすることが好ましく、2官能以上のモノマー78〜92重量%、1官能のモノマー22〜8重量%とすることがより好ましい。
また、接着剤層に転写された導体層パターンの最上部の位置が接着剤層に対して3μmより上には突出していないことが好ましく、導体層パターンは接着剤層に埋没していてもよい。
このとき、突出高さの測定は、前記した基準面を基準にして、導体層パターンの最上端の位置とその導体層パターンの近辺の接着剤層の最上端の位置の垂直方向の差としてもとめることができる。接着剤層の最上端を基点として求め、値がプラスの時は、導体層パターンが突出しており、マイナスのとき、埋没しているという。この突出の高さは、+3以下であることが好ましい。転写に際し、めっき用導電性基材の凸部上の導体層パターンは接着剤層に圧接することになるが、本発明の接着剤は、流動性を有しているので、導体層パターンが接着剤層に少なくともいくらかは埋まるようになるため、その周りの接着剤層が盛り上がるのが普通である。この場合、上記の導体層パターンの近辺の接着剤層の最上端は、断面写真により、容易に確認することができる。接着剤層が盛り上がらないときは、接着剤層の表面を最上端とする。
これにより、導体層パターンの上を樹脂被覆したときに、気泡の巻き込みが少なくなり、透明性の点で好ましいものとなる。
また、接着強度を考慮すると、接着剤層に転写した導体層パターンにおいて、導体層パターンの高さの50%以上が接着剤層中に埋没していることが好ましい。導体層パターンの高さとは、基準面を基準にして導体層パターンの最上端と最下端の垂直方向の差をいう。
なお、本発明で用いる導体層パターンの断面形状は、特に制限はなく、矩形型、湾曲型、台形型等広い範囲の形状で、接着剤層への転写に対応することができる。
また、導体層パターンを接着剤層へ転写させた後の放射線の照射後において、接着剤層の表面におけるタック値は、10gf以下であることが好ましい。導体層パターンを接着剤層へ転写させた後の放射線の照射後において、接着剤層の表面におけるタック値が10gf以上の場合であると接着剤層表面へ異物付着があり、生産性が低下する傾向がある。
上記放射線硬化性接着剤層は、接着性についての上記の特性を満足する限り、部分的に硬化反応が転写工程前に進行していても良い。
なお、放射線とは、α線、β線、γ線、紫外線、電子線等をいう。
上記のタック値は、JIS Z 0237に準拠して測定する。測定装置としては、タックテスタ(TAC−II、(株)レスカ製)を使用することができ、測定条件をプローブ:径5.1mm/SUS304製、加重:100gf、接触時間:1秒、引き剥がし速度:600mm/min、温度:室温とすることができる。実施例では、この装置と条件で測定した。
特に、絶縁層と接着剤層が接触する機会を低減させる観点からはことから15μm以下好ましい。
まず、図11(a)は、本発明におけるめっき用導電性基材の一例を示す断面図である。凸部3のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部2を有する導電性基材1の凸部3を有する面の凹部2に絶縁層8を凸部3の側面3′を含む先端部分4′が露出するように形成されている。
次に、凸部3の先端部分4′(すなわち、凸部3の露出部分)が露出している導電性基材1にめっきを施して、凸部3の先端部分4′に金属11を析出させる。図11(b)は、この状態の断面図を示す。
次いで、接着フィルム12(別の基材としてのフィルム13に接着剤層14を塗布したフィルム)を、導電性基材1の金属11が析出している面に貼り合わせる。図11(c)はこの状態の断面図を示す。接着フィルム12の接着剤層14を、金属11が析出している面に貼り合わせる際には、粘着剤の特性に応じて、必要なら加熱される。
そして、接着フィルム12を剥離することにより、金属11が粘着層14に貼り付いて導電性基材1から剥離して、すなわち、フィルム13に接着剤14を介して転写される(すなわち、接着フィルム12に転写される)。得られた転写物は、接着剤層に放射線を照射して硬化反応させ、導体層パターン付き基材15とされる。この状態の断面図を図11(d)に示す。
接着剤層に放射線を照射して硬化反応させる時期は、接着フィルム12を、導電性基材1の金属11が析出している面に貼り合わせるときと同時又はそれ以降である。
なお、以上の説明で、別の基材は、フィルム以外のものであってもよい。
また、前記の図11(b)の状態で、導電性基材1の凸部3の先端部分4′に析出した金属11(めっき層)に黒化処理を施してから、その後の転写工程を行って得られる導体層パターン付き基材の断面図を図13に模式的に示す。図13において、別の基材13に接着層14を介して、黒色層17を有する金属11からなる導体層パターンが貼り合わされているが、黒色層17は、導体層パターンの転写面側と側面に形成されている。
以上の黒化処理された導体層パターンを有する導体層パターン付き基材を電磁波遮蔽部材としてディスプレイの前面において利用するときは、一般に、黒色層を設けた方の面がディスプレイの視聴者側に向くようにして用いられる。
なお、上記の二つの黒化処理を両方行い、どちらの側から見ても黒色層が見えるようにすることもできる。
上記の黒化処理の方法の一つは、金属パターンに黒色層を形成する方法であるが、このためには、金属層にめっきや酸化処理、印刷などの様々な方法を用いることができる。
なお、図12及び図13については、導体層パターンの接着剤層への埋没は省略している。
図15に導体層パターン付き基材が保護樹脂で覆われた電磁波遮蔽部材の断面図を示す。基材(別の基材)13に積層されている接着剤層14上に金属18からなる導体層パターンが貼り付けられており、これらは、透明な保護樹脂20によって被覆されている。
図17は、さらに、別の態様の電磁波遮蔽体の断面図を示す。図17において、基材(別の基材)13に接着剤層14を介して金属18からなる導体層パターンが接着されており、その上を透明樹脂からなる接着剤又は接着剤23により被覆され、さらにその上に保護フィルム24が積層されている。基材13のもう一方の面には接着剤層21を介してガラス板等の他の基材22が貼着されている。この電磁波遮蔽部材では、基材(別の基材)13に接着剤層14を介して接着されている導体層パターンを有する導体層パターン付き基材の導体層パターンが存在する面を、透明樹脂23によりコーティングし、さらに保護フィルム24を積層し、ついで、得られた積層物の基材13のもう一方の面(何も積層されていない面)に接着剤を塗布して接着剤層21を形成し、これを他の基材22に押しつけて接着することにより作製することができる。上記透明な保護樹脂20及び上記の透明樹脂23としては、前記熱可塑性樹脂、前記熱硬化性樹脂のほかに放射線硬化型硬化樹脂を用いることもできる。放射線硬化型硬化樹脂を用いることは、それが瞬時に又は短時間に硬化することから、生産性が高くなるので好ましい。放射線硬化型硬化樹脂としては、前記した放射線硬化性接着剤と同様の組成の樹脂組成物を用いることができる。
保護樹脂又は透明樹脂の厚さ(金属部分を除く)は、3〜100μmであることが好ましく、導体層が被覆されるように厚さが選択される。
フープ状の導電性基材に関しては、帯状の導電性基材の表面に凸部を形成した後、端部をつなぎ合わせるなどして作製できる。導電性基材の表面を形成する物質としては上述のようにステンレス鋼、クロムめっきされた鋳鉄、クロムめっきされた鋼、チタン、チタンをライニングした材料などのめっき付着性が比較的小さい材料を用いることが好ましい。フープ状の導電性基材を用いた場合には、黒化処理、防錆処理、転写等の工程を、1つの連続した工程で処理可能となるため導電性パターン付き基材の生産性が高く、また、導電性パターン付き基材を連続的に作製して巻物として製品とすることができる。フープ状の導電性基材の厚さは適宜決定すればよいが、100〜1000μmであることが好ましい。
図20は、金属11からなる導体層パターンが接着剤層14を介して別の基材13に転写された状態を示す一部断面図(模式図)である。導体層パターンが上になるように図示されている。図20において、高さuが導体層の高さであり、vが接着剤層から導体層のの突出高さである。この場合、導体層の最上端が接着剤層の最上端より高いので、vはプラスの値である。vは導体層の最上端とその導体層の近辺の接着剤層の最上端との垂直方向の差であり、接着剤層は多くの場合、導体層の近辺で盛り上がっている。ここでは、基準面を別の基材の面としている。
レジストフィルム(フォテックH−Y920、20μm厚、日立化成工業株式会社製)を10cm角のステンレス(SUS304、仕上げ3/4H、厚さ100μm、日新製鋼(株)製)板の両面に貼り合わせた。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、光透過部のライン幅が40μm、ラインピッチが300μm、バイアス角度が45°(正四角形のなかに、ラインが正四角形の辺に対して45度の角度になるように配されている)で、格子状に形成したネガフィルムを、レジストフィルムを貼り合わせたステンレス板の一方の面上に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、ネガフィルムを載置したステンレス板の上下から、紫外線を120mJ/cm2照射した。次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、SUS板の上にライン幅40μm、ラインピッチ300μm、バイアス角度45°のレジストマスクを形成した。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面露光されているため、現像されず、全面にレジスト膜が形成されている。
次いで、40℃に加温した塩化第二鉄水溶液(45°Be‘、鶴見曹達株式会社製)を用いて、SUS板をエッチングした。エッチングは、SUS板のライン幅が約7μmになるまで行い、上面を有する凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材上にレジストマスクが残っているめっき用導電性基材(中間品)を作製した。レジストマスクの上から顕微鏡で観察したところ、ラインの幅(凸部上面の幅)は5〜8μmであった。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面にレジスト膜が形成されているため、エッチングされなかった。
次いで、水洗後100℃10分間乾燥した後、2%水酸化ナトリウム水溶液でレジストマスクを剥離した。
次いで、上記の導電性基材(中間品)を陰極にして、陽極をステンレス(SUS304)板として、カチオン型電着塗料(Insuleed3020、日本ペイント(株)製)中で、15V10秒の条件で、格子模様状にエッチングされたステンレス板に電着塗装した。次いで、窒素気流下、230℃で40分間電着塗膜を焼付けした。炉内の酸素濃度は1%であった。電着塗料の塗膜厚は、2.5μmであった。このようにして得られた凹部が絶縁膜で覆われためっき用導電性基材は、その断面が図10(c)に示すように凹部に選択的に絶縁膜が形成されたものであった。
次いで、上記で得られためっき用導電性基材の凹凸のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として電解銅めっきを行った。電解銅めっき浴(硫酸銅(5水塩)230g/L、硫酸55g/L、キューブライト#1AHH(荏原ユージライト株式会社、添加剤)4ml/Lの水溶液、25℃)中に、上記めっき用導電性基材を陰極として、また、含燐銅を陽極としてに浸した。両極に電圧をかけて、電流密度を5A/dm2として、めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した金属の厚さがほぼ4μmになるまでめっきした。
接着剤として下記する紫外線硬化性樹脂組成物1を用いた。厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−7300、東洋紡績株式会社製)に、この紫外線硬化性樹脂組成物を厚さ15μmに塗布して転写用接着フィルムを作製した。次いで、表面タック値を測定した結果、30gfであった。
<紫外線硬化樹脂組成物1の組成>
ポリマ(メチルメタクリレート50重量%、メタクリル酸25重量%及びスチレン25重量%の共重合物、重量平均分子量51200、分散度1.96):55重量部
モノマ FA321M(日立化成工業株式会社製、EO変性ジメタクリレート):16重量部
UA1137(新中村化学工業株式会社製、ウレタンジメタクリレート):10重量部
UA21(新中村化学工業株式会社製、トリスイソシアヌレート):5重量部
FA−023M(新中村化学工業株式会社製、EO/PO変性ジメタクリレート):5重量部
TMPT21(日立化成工業株式会社製、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート):4重量部
M114(共栄社化学株式会社製、ノニルフェニルEO変性アクリレート):5重量部
光重合開始剤 イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン):3重量部
上記転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
次いで、導体層パターンを転写させた接着フィルムに、その導体層パターンの上からカバーフィルム(OPP)(E−200C、王子製紙株式会社製)を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、カバーフィルムを貼り合わせた導体層パターンを転写させた接着フィルムの透明基板側から露光機(オーク株式会社製 HMW−6N)にて紫外線を350mJ/cm2照射して接着剤層を硬化した。次いで、カバーフィルムを剥離して、硬化後の接着剤層の表面タック値を測定した結果、4gfであった。
これにより、ライン幅11〜18μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ(中央部)3〜5μm、導体層の高さ4〜7、導体層の突出高さ0.6〜1.0の格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。
上記で得られた導体層パターン付き基材の導体層パターンが存在する面のカバーフィルムを除去し、次いで、紫外線硬化型樹脂ヒタロイド7983AA3(日立化成工業(株)製)を塗工速度10m/minでコーティングし、その上にカバーフィルム(OPP)(E−200C、王子製紙株式会社製)を積層した。次いで、紫外線ランプを用いて1J/cm2の紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させて、保護膜を有する導体層パターン付き基材を得た。カバーフィルムを剥離して、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、また導体層パターン付き基材のヘイズ値は2.5であった。
次いで、上記のめっき用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして500回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁膜の剥離箇所も観測されなかった。
実施例1で作製したのと同じ転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
これにより、ライン幅13〜18μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ(中央部)10〜13μm、導体層の高さ12〜14、導体層の突出高さ2.8〜3.2の格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。
さらに、実施例1と同様にして、保護膜の形成を行った。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.8であった。
接着剤として下記する紫外線硬化性樹脂組成物2を用いた。厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−7300、東洋紡績株式会社製)に、この紫外線硬化性樹脂組成物2を厚さ15μmになるように塗布して転写用接着フィルムを作製した。次いで、表面タック値を測定した結果、35gfであった。
<紫外線硬化樹脂組成物2の組成>
ポリマ(メチルメタクリレート50重量%、メタクリル酸25重量%及びスチレン25重量%の共重合物、重量平均分子量51200、分散度1.96):55重量部
モノマ FA321M(日立化成工業株式会社製、EO変性ジメタクリレート):16重量部
UA1137(新中村化学工業株式会社製、ウレタンジメタクリレート):10重量部
UA21(新中村化学工業株式会社製、トリスイソシアヌレート):5重量部
FA−023M(新中村化学工業株式会社製、EO/PO変性ジメタクリレート):5重量部
TMPT21(日立化成工業株式会社製、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート):4重量部
M114(共栄社化学株式会社製、ノニルフェニルEO変性アクリレート):5重量部
光重合開始剤 イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン):3重量部
上記転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
これにより、ライン幅15〜19μm、ラインピッチ300±2μm、導体厚さ(中央部)3〜6μm、導体層の高さ5〜7μm、導体層の突出高さ1.0〜1.3の格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。
実施例1で作製したのと同じ転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
これにより、ライン幅11〜18μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ(中央部)1〜2μm、導体層の高さ3〜4、導体層パターン最上端の突出量−1.6〜−3.3μmの格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。
さらに、実施例1と同様にして、保護膜の形成を行った。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.1であった。
実施例1と同様にして、絶縁膜を有する導電性基材の作製し、さらに、実施例1と同様にしてめっき用導電性基材の凸部の上面に析出した金属の厚さが10μmになるまでめっきした。
実施例1で作製したのと同じ転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。これにより、ライン幅16〜19μm、ラインピッチ300μm、導体厚さ10μm、導体層パターンは接着剤層に3.0μm埋設され、接着剤層表面より7.0μm突出しているされているされている格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
レジストフィルム(フォテックH−Y920、20μm厚、680mm幅、日立化成工業株式会社製)を700×1100mmのステンレス板(SUS304、仕上げ3/4H、厚さ100μm、日新製鋼(株)製)の両面に貼り合わせた(図7(a)に対応する)。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、光透過部のライン幅が40μm、ラインピッチが300μm、バイアス角度が45°(正四角形のなかに、ラインが正四角形の辺に対して45度の角度になるように配されている)で、パターンサイズが基板サイズと同一である、格子状に形成したネガフィルムを、ステンレス板のレジストフィルムを貼り合わせた方の面上に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、ネガフィルムを載置したステンレス板の上下から、紫外線を120mJ/cm2照射した。さらに、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、SUS板の上にライン幅40μm、ラインピッチ300μm、バイアス角度45°のレジストマスクを形成した。さらに、レジストが形成されたSUS板を150℃30分間加熱処理し、レジストとSUS板の密着性を向上させた。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面露光されているため、現像されず、全面にレジスト膜が形成されている(図7(b)に対応する)。
次いで、800mm幅のロータリー式エッチングマシン(株式会社石井表記製)に、塩化第二鉄水溶液(47°Be’、ラサ工業株式会社製)1.5tを加えた。エッチング液の液温は40℃で、3kg/cm2のスプレー厚で、300秒間SUS板をエッチングした。上面を有する凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材上にレジストマスクが残っているめっき用導電性基材を作製した。凸部上面の幅は5〜8μmであり、凸部上面の間隔(ピッチ)は300±2μm、凸部の高さは35〜38μmであった。
なお、凸部パターンが形成された面の反対面は、全面にレジスト膜が形成されているため、エッチングされなかった(図7(c)に対応する)。次いで、めっき用導電性基材を、液温30℃で5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬すると、凸部パターンが形成された面及びその反対面に形成されたレジスト膜が除去された(図7(d)に対応する)。
RFプラズマCVD装置(HTC1500、Hauzer Techno Coating BV製)によりDLC膜を形成した。RFプラズマCVD装置は上部電極、基板を乗せる下部電極及びガス導入口を備えた真空チャンバー、プラズマを発生するためのRF電源、スイッチ/マッチングボックス、マッチングボックス、真空ポンプなどから構成される。真空チャンバーは真空ポンプにより10−3torrの真空度に減圧される。最初にArガスによるプラズマを励起し基板のクリーニングを行なった後、クロムをターゲット材料として、上記で作製した凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の両面にスパッタリングした結果、約1μmのクロム層が形成された。なお、裏面は、めっきをする際の導通をとるために、スパッタリングする前に、4辺の外周10mmに、マスキングテープを貼り合わせた。次いで、アセチレンガスを15sccmの流量で導入し、RF出力500Wで膜厚が2.5〜3.5μmとなるように、中間層であるクロム層の上に、凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の両面にDLC層を形成した(図8(e)に対応する。)最後に、裏面に貼り合わせたマスキングテープを剥離して、SUS面を露出させた。
全面に絶縁層が形成されているめっき用導電性基材において、凸部パターンが形成された面に、シリコン系のレジストDLR−501(NTTアドバンテステクノロジ(株)製)をダイコータ(タツモ株式会社製)で膜厚が1〜3μmとなるように塗布した。次いで、90℃に加熱したホットプレート上で、90秒間加熱乾燥した。絶縁層のTOP部におけるシリコン系レジストの厚みは1μmであった(図8(f)に対応する)。さらに、#4000の研磨紙で、全面を手作業で軽く研磨し、凸部の上面にある絶縁層の上にあるシリコンレジスト層を除去した(図8(g)に対応する)。
次いで、プラズマCVD装置(HTC1500、Hauzer Techno Coating BV製)を用いて、凸部の上面にある絶縁層を酸素プラズマを用いてドライエッチングした(図9(h)に対応する)。
ガス組成は、酸素16sccm、アルゴン2sccmの混合ガスを用い、ガス圧は4Paとした。さらに、RFの出力300Wで40分間ドライエッチングした。次いで、50℃に加温したジプロピレングリコールモノメチルエーテル:モノイソプロパノールアミン=75:25の溶液に上記めっき用導電性基材を3分間浸漬し、絶縁皮膜上に形成されているシリコン系レジストを剥離した。以上により、凸部先端部分のステンレスが露出し、その露出幅5.9〜10.0μm、絶縁高さ32〜36.5μmであった。絶縁層は、凸部の上端から高さ方向で1.5〜2.5μmまで除去されていた。すなわち、凸部の露出している部分の高さは、1.5〜2.5μmであった。また、エッチング後のめっき用導電性基材の凸部の上面の幅5〜8μmと変わらなかった。以上のようにして、転写用のめっき用導電性基材を得た(図9(i)に対応する)。
このめっき用導電性基材の凸部の露出部分は、先端方向に進むにつれて幅が広がっておらず、全体として凸部の下部よりも上部で幅が小さくなっていることを断面の電子顕微鏡写真で確かめた。また、凸部の側面の絶縁層の端(第1の位置)とそれより高い位置(第2の位置)までの高さの差に対する第1の位置と第2の位置での幅方向の差(減少幅)との関係は、図6で示すところでは、高さh10に対する幅d10の関係、は、すなわち、d10/h10は、0.306〜0.404(68〜73°に相当)であった。
上記で作製しためっき用導電性基材を下記のピロリン酸銅電解液に浸漬してから、55秒間は、電流密度15A/dm2でめっきを行いめっき用導電性基材の凸部の露出部分に銅を析出させた。ついで、次いで電流密度30A/dm2として5秒間をめっきし、先に析出した銅の表面を黒化処理した。その結果、凸部の露出部分に析出する金属の凸部上面の上では厚みは3〜5μmであった。その凸部の露出部に表面が黒化処理された銅めっき(導体パターン)を有する導電性基材は引続き水洗し、乾燥した。
(電解液の組成等)
ピロリン酸銅 100g/L
ピロリン酸カリウム 200g/L
アンモニア水(30%) 5mL/L
pH 8〜9
電流密度 20A/dm2
浴温 30℃
陽極 銅板
回転スピード 0.55m/min
実施例1と同様の転写用接着フィルムを使用し、実施例1と同様の方法により転写を行い、また、実施例と同様にして接着剤層の硬化を行った。
このようにして、ライン幅11〜15μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ(中央部)3〜5μm、導体層の高さ6〜8、導体層の突出高さ0.5〜0.8の格子状金属パターンが接着フィルム上に転写された導体層パターン付き基材を得た。
実施例1と同様にして保護膜を上記導体層パターン付き基材の導体層パターンが存在する面に形成した。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.3であった。
上記のめっき転写用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして5000回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁膜の剥離箇所も観測されなかった。
700×1100mmのステンレス(SUS316L、仕上げ3/4H、厚さ100μm、日新製鋼(株)製)に400メッシュのポリエステル製スクリーン版にライン幅が40μm、ラインピッチが225μm、バイアス角度が45°で、格子状のパターンを形成した版を用い、アルカリ除去型エッチングレジストインク(226Black、Nazdar Company製)を塗布した後、スキージで余分なレジストインクを50mm/minの速度でかき取った。パターンの形成は、SUS基板の中央に650×1050mmの範囲に、幾何学図形のみを形成した。また、もう一方の面には、上記レジストインクを全体に塗布した。乾燥炉を用いて120℃で5分乾燥させ、SUS板の一方の面上に、SUS基板の中央に650×1050mmの範囲で、ライン幅40μm、ラインピッチ225μm、バイアス角度45°のレジストマスクを形成し、他方の面全体にレジスト膜を形成した(図7(b)に対応する)。
次いで、800mm幅のロータリー式エッチングマシン(株式会社石井表記製)に、塩化第二鉄水溶液(47°Be’、ラサ工業株式会社製)1.5tを加えた。エッチング液の液温は50℃で、3kg/cm2のスプレー厚で、180秒間SUS板をエッチングした。
エッチング後の実際の凸部上面の幅は18〜23μmであり、凸部上面の間隔(ピッチ)は、225±2μm、凸部の高さは12〜17μmであった。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面にレジスト膜が形成されているため、エッチングされなかった(図7(c)に対応する)。さらに、パターンの外周から4辺それぞれで、50mmの範囲で全面がエッチングされていた。次いで、めっき用導電性基材を、液温30℃で5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬すると、凸部パターンが形成された面及びその反対面に形成されたレジスト膜が除去された(図7(d)に対応する)。
次いで、上記の導電性基材の凸部パターンがある面と反対の面に保護用の粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り合わせて、カチオン電着塗料(パワーニックス110F、日本ペイント株式会社製)を、株式会社秀榮産業で電着塗装した結果、SUSのパターン形成面に5〜7μmの厚さで絶縁層が形成された。水洗後180℃30分の条件で電着塗膜を焼付けて絶縁層を形成した。このようにして、凸部パターン面全面に絶縁膜が施された導電性基材を得た(図8(e)に対応する)。
全面に絶縁層が形成されているめっき用導電性基材において、凸部パターンが形成された面に、シリコン系のレジストDLR−501(NTTアドバンテステクノロジ(株)製)をダイコータ(タツモ株式会社製)で膜厚が1〜3μmとなるように塗布した。次いで、90℃に加熱したホットプレート上で、90秒間加熱乾燥した。絶縁層のTOP部におけるシリコン系レジストの厚みは1μmであった(図8(f)に対応する)。さらに、#4000の研磨紙で、全面を手作業で軽く研磨し、凸部の上面にある絶縁層の上にあるシリコンレジスト層を除去した(図8(g)に対応する)。
次いで、プラズマCVD装置(HTC1500、Hauzer Techno Coating BV製)を用いて、凸部の上面にある絶縁層を酸素プラズマを用いてドライエッチングした(図9(h)に対応する)。
ガス組成は、酸素16sccm、アルゴン2sccmの混合ガスを用い、ガス圧は4Paとした。さらに、RFの出力300Wで10分間ドライエッチングした。次いで、50℃に加温したジプロピレングリコールモノメチルエーテル:モノイソプロパノールアミン=75:25の溶液に上記めっき用導電性基材を3分間浸漬し、絶縁皮膜上に形成されているシリコン系レジストを剥離した。
以上により、凸部先端部分のステンレスが露出し、その露出幅は、29.9〜35.0μm、絶縁高さ8.5〜14.1μmであった。絶縁層は、凸部の上端から高さ方向で0.5〜1.5μmまで除去されていた。すなわち、凸部の露出している部分の高さは、0.5〜1.5μmであった。また、エッチング後のめっき用導電性基材の凸部の上面の幅29〜32μmは変わらなかった。
以上のようにして、保護用の粘着フィルムが付着している、転写用のめっき用導電性基材を得た(図9(i)に対応する)。
このめっき用導電性基材の凸部の露出部分は、先端方向に進むにつれて幅が広がっておらず、全体として凸部の下部よりも上部で幅が小さくなっていることを断面の電子顕微鏡写真で確かめた。また、凸部の側面の絶縁層の端(第1の位置)とそれより高い位置(第2の位置)までの高さの差に対する第1の位置と第2の位置での幅方向の差(減少幅)との関係は、図6で示すところでは、高さh10に対する幅d10の関係、は、すなわち、d10/h10は、0.870〜1.000(45〜49°に相当)であった。
実施例6と同様にして上記めっき用導電性基材上にめっきにより、その凸部の露出部に表面が黒化処理された銅めっき(導体パターン)を形成し、水洗し、乾燥した。
(転写等)
実施例1と同様の転写用接着フィルムを使用し、実施例1と同様の方法により転写を行い、また、実施例と同様にして接着剤層の硬化を行った。
このようにして、ライン幅34〜38μm、ラインピッチ225±2μm、導体層の厚さ(中央部)2.5〜3.5μm、導体層の高さ4〜7μm、導体層の突出高さ−0.6〜−2.3μmの格子状金属パターンが接着フィルム上に転写された導体層パターン付き基材を得た。
(保護膜の形成)
得られた導体層パターン付き基材において、それぞれのパターンの導体層パターンが形成されている面に、実施例1と同様にして保護膜を形成し、保護膜が形成された導体層パターン付き基材を得た。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.0であった。
上記のめっき転写用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして500回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁膜の剥離箇所も観測されなかった。
凸部上面の幅は、導電性基材の一部を切り取って樹脂で注型し、断面を顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−500、キーエンス(株)製)を用いて、倍率1000倍で観察して測定する。凸部上面は、エッチング液で粗化されていないため、顕微鏡観察では光沢感がある。この光沢感のある部分を凸部の上面とする。
凸部上面の間隔(ピッチ)の測定は、顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−500、キーエンス(株)製)を用いて、倍率200倍で観察して測定する。
また、凸部の高さ、絶縁層の厚さ及び突出量は、導電性基材の一部を切り取って樹脂で注型し、断面を倍率は3000倍で断面をSEM観察することにより測定する。
凸部先端部分の露出部の幅、第1の位置、第2の位置における高さh10及び幅d10は、導電性基材の一部を切り取って樹脂で注型し、倍率は10000倍で断面をSEM観察することにより測定する。
ライン幅、導体厚さの測定は、得られた導体層パターン付き基材を一部切り取って樹脂で注型し、倍率は3000倍で断面をSEM観察することにより測定する。ラインピッチの測定は、顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−500、キーエンス(株)製)を用いて、倍率200倍で観察して測定する。
2:凹部
3:凸部
4:凸部の上面
4′:凸部の露出部分
5:凸部の側面
6:絶縁層
7:レジストフィルム
8:絶縁膜
9:粘着フィルム
10:マスク層
11:金属
12:粘着フィルム
13:別の基材
14:粘着層
15:導体層パターン付き基材
16、17:黒色層
18:金属
19:他の基材
20:保護樹脂
21:接着剤
22:他の基材
23:接着剤又は粘着剤
24:保護フィルム
100:電解浴
101:電解液
102:陽極
103:回転体
104:配管
105:ポンプ
106:金属
107:フィルム
108:圧着ロール
109:導体層パターン付き基材
110:フープ状の導電性基材
111〜128:搬送ロール
129:前処理槽
130:めっき槽(電解浴槽)
131:水洗槽
132:黒化処理槽
133:水洗槽
134:防錆処理槽
135:水洗槽
136:プラスチックフィルム基材(接着フィルム)
137:圧着ロール
138:導電層パターン付き基材
Claims (16)
- 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材に電気めっきまたは無電解めっきにより金属を析出させる工程、上記導電性基材の凸部先端部分に析出させた金属を放射線硬化性の接着剤層を有する別の基板に転写する工程及び金属を接着剤層を介して別の基板に接着させる時点以後に放射線硬化性樹脂を硬化反応させる工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
- 接着剤層を介して転写させた金属の最上端の位置がその金属の近辺の接着剤層の最上端の位置を基準にして垂直方向で3.5μm以下の位置にある請求項1に記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 放射線硬化性接着剤層の膜厚が、3〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 放射線硬化性接着剤層の硬化前又は転写時の50℃におけるタック値が20〜100gfであり、且つ放射線の照射による硬化後のタック値が、10gf以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材が、凸部の上端から0.5〜5μm低い位置よりも低い位置の凹部表面に絶縁層が形成されており、凸部の導電性基材の露出部分の幅が1μm〜40μmであって、凹部に絶縁層を施した後の凸部の高さが、10μm以上であるめっき用導電性基材からなる請求項1〜4のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 上記導電性基材の凸部の間隔が100μm〜1000μmである請求項1〜5のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 上記導電性基材上に電気めっきまたは無電解めっきにより金属を析出させる工程において、導電性基材の凸部において金属の厚さが0.1〜50μmになるように金属を析出させる請求項1〜6のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 導電性基材が回転体(ロール)である請求項1〜7のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 導電性基材がフープ状である請求項1〜7のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 上記凸部に析出させた金属を基材に転写する工程の前に、導電性基材の凸部に析出した金属パターンを黒化処理する工程を含む請求項1〜9のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法を行った後、基材に転写された金属パターンを黒化処理する工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法を行った後、さらに、導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆することを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の方法により製造された導体層パターン付き基材。
- 基板に接着剤層を介して金属からなる導体層パターンが接着されてなり、その金属の最上端の位置がその金属の近辺の接着剤層の最上端の位置を基準にして垂直方向で3μm以下の位置にある導体層パターン付き基材。
- 請求項13又は請求項14に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを有する面を透明基板に貼りあわせてなる透光性電磁波遮蔽部材。
- 請求項13又は請求項14に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆してなる透光性電磁波遮蔽部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006173886A JP4798439B2 (ja) | 2006-06-23 | 2006-06-23 | 導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006173886A JP4798439B2 (ja) | 2006-06-23 | 2006-06-23 | 導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008004816A true JP2008004816A (ja) | 2008-01-10 |
JP4798439B2 JP4798439B2 (ja) | 2011-10-19 |
Family
ID=39008946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006173886A Expired - Fee Related JP4798439B2 (ja) | 2006-06-23 | 2006-06-23 | 導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4798439B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010003967A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-01-07 | Hitachi Chem Co Ltd | めっき用導電性基材、それを用いた導体層パターン若しくは導体層パターン付き基材の製造方法、導体層パターン付き基材及び電磁波遮蔽部材 |
CN111724676A (zh) * | 2019-03-21 | 2020-09-29 | 昆山工研院新型平板显示技术中心有限公司 | 可拉伸导线及其制作方法和显示装置 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7426560B2 (ja) * | 2019-01-10 | 2024-02-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | メッキ用パターン版及び配線基板の製造方法 |
JPWO2020144959A1 (ja) * | 2019-01-10 | 2021-11-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | メッキ用パターン版及び配線基板の製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1126980A (ja) * | 1997-07-04 | 1999-01-29 | Dainippon Printing Co Ltd | 電磁波遮蔽板およびその製造法 |
JPH11126025A (ja) * | 1997-10-22 | 1999-05-11 | Dainippon Printing Co Ltd | 電磁波遮蔽板の製造方法 |
JP2000261187A (ja) * | 1999-03-11 | 2000-09-22 | Mikuni Color Ltd | 金属パターン形成方法 |
JP2005022365A (ja) * | 2003-07-02 | 2005-01-27 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | ディスプレイ用光学フィルタ及びディスプレイ表面構造。 |
JP2006032686A (ja) * | 2004-07-16 | 2006-02-02 | Hitachi Chem Co Ltd | 導体層パターン及び電磁波遮蔽体の製造法 |
JP2007220789A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Fujimori Kogyo Co Ltd | ディスプレイ用光学フィルター及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-06-23 JP JP2006173886A patent/JP4798439B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1126980A (ja) * | 1997-07-04 | 1999-01-29 | Dainippon Printing Co Ltd | 電磁波遮蔽板およびその製造法 |
JPH11126025A (ja) * | 1997-10-22 | 1999-05-11 | Dainippon Printing Co Ltd | 電磁波遮蔽板の製造方法 |
JP2000261187A (ja) * | 1999-03-11 | 2000-09-22 | Mikuni Color Ltd | 金属パターン形成方法 |
JP2005022365A (ja) * | 2003-07-02 | 2005-01-27 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | ディスプレイ用光学フィルタ及びディスプレイ表面構造。 |
JP2006032686A (ja) * | 2004-07-16 | 2006-02-02 | Hitachi Chem Co Ltd | 導体層パターン及び電磁波遮蔽体の製造法 |
JP2007220789A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Fujimori Kogyo Co Ltd | ディスプレイ用光学フィルター及びその製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010003967A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-01-07 | Hitachi Chem Co Ltd | めっき用導電性基材、それを用いた導体層パターン若しくは導体層パターン付き基材の製造方法、導体層パターン付き基材及び電磁波遮蔽部材 |
CN111724676A (zh) * | 2019-03-21 | 2020-09-29 | 昆山工研院新型平板显示技术中心有限公司 | 可拉伸导线及其制作方法和显示装置 |
CN111724676B (zh) * | 2019-03-21 | 2022-09-02 | 昆山工研院新型平板显示技术中心有限公司 | 可拉伸导线及其制作方法和显示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4798439B2 (ja) | 2011-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101557927B (zh) | 凹版和使用该凹版的带有导体层图形的基材 | |
JP2008025025A (ja) | 表面が黒化処理された銅金属の製造法、導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた透光性電磁波遮蔽部材 | |
WO2006068175A1 (ja) | 導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 | |
JP2009167523A (ja) | めっき用導電性基材、その製造方法及びそれを用いた導体層パターン若しくは導体層パターン付き基材の製造方法、導体層パターン付き基材および透光性電磁波遮蔽部材 | |
WO2007117040A1 (ja) | 樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法および樹脂付きスクリーン印刷用マスク | |
JP4798439B2 (ja) | 導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 | |
JP4159094B2 (ja) | 感光性樹脂組成物およびこれを用いた感光性ドライフィルム | |
JP5393087B2 (ja) | ガラスエッチング用感光性樹脂組成物及び被加工ガラス基板の製造方法 | |
JP5626419B2 (ja) | めっき用導電性基材、その製造方法及びそれを用いた導体層パターン付き基材の製造方法、導体層パターン付き基材、透光性電磁波遮蔽部材 | |
JP2008001952A (ja) | めっき用導電性基材、その製造法、導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 | |
JP2008001936A (ja) | めっき用導電性基材、その製造法、導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 | |
US20040069636A1 (en) | Metal pattern formation | |
JP5333822B2 (ja) | めっき用導電性基材、それを用いた導体層パターン若しくは導体層パターン付き基材の製造方法、導体層パターン付き基材及び電磁波遮蔽部材 | |
JP2008004886A (ja) | 導体層パターン付き基材 | |
JP2009295677A (ja) | 金属パターンの作製方法 | |
JP4339284B2 (ja) | 樹脂エッチング液、樹脂エッチング方法、樹脂剥離方法、およびフレキシブルプリント配線板の製造方法 | |
JP5231863B2 (ja) | 導電層を有する三次元構造物及び三次元金属構造物の製造方法 | |
TW201804259A (zh) | 積層圖案形成基材及觸控面板之製造方法 | |
JPH06283842A (ja) | パターン形成方法及びこれに用いる粘着性電着塗料組成物 | |
KR100940537B1 (ko) | 금속 패턴 형성 방법 | |
JP2009158679A (ja) | めっき用導電性基材、その製造法、それを用いた導体層パターン若しくは付き基材の製造方法、導体層パターン付き基材及び透光性電磁波遮蔽部材 | |
JP2010007127A (ja) | めっき用導電性基材、その製造方法及びそれを用いた導体層パターン若しくは導体層パターン付き基材の製造方法。 | |
JP2005331771A (ja) | 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 | |
JPH06104554A (ja) | 電気回路トレースの製造法 | |
JPH10307390A (ja) | 紫外線硬化性樹脂組成物及びそれを用いたシャドウマスクの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090130 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110120 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110322 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110414 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110613 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110707 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110720 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |