JP2008004816A - 導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 - Google Patents

導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性又は電磁波シールド性を有するようにパターニングされた導体層パターン付き基材を転写法を用いて生産性よく、また、導体層パターン付き基材の導体層パターンの上に樹脂等を積層したときに気泡が残存しにくい導体層パターン付き基材の製造法を提供する。
【解決手段】凸部のパターン、それによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材に電気めっきまたは無電解めっきにより金属11を析出させる工程、導電性基材の凸部先端部分に析出させた金属11を放射線硬化性の接着剤層14を有する別の基板13に転写する工程及び金属11を接着剤層14を介して別の基板13に接着させる時点以後に放射線硬化性樹脂を硬化反応させる工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。転写させた金属11の最上端がその金属の近辺の接着剤層14の最上端の位置を基準にして垂直方向で3μm以下の位置にあることが好ましい。
【選択図】図20

Description

本発明は、めっき用導電性基材、その製造法、電性に優れかつ光透過性を有するようにパターニングされた導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材に関する。
公共施設、ホール、病院、学校、企業ビル、住宅等の壁面、ガラス窓、樹脂パネル、電磁波を発生するディスプレイの表示面等を電磁波遮蔽する方法は、従来種々提案されている。例えば、被遮蔽面上に電磁波遮蔽塗料を全面塗布する方法、被遮蔽面上に金属箔を貼り合わせる方法、金属めっきされた繊維メッシュを樹脂板に熱ラミネートしてなる電磁波遮蔽シートを、被遮蔽面に貼り合わせる方法、導電性繊維をメッシュ状に編んだものを被遮蔽面に貼り合わせる方法等が一般的に行われている。
これらのうち、透明ガラス面、透明樹脂パネル面、陰極線管(CRT)やプラズマディスプレイパネル(PDP)などのディスプレイの表示面等を電磁波遮蔽する場合においては、電磁波遮蔽用部材がなるべく薄いことが要求されるとともに、光透過性(透明性)と、これに相反する電磁波遮蔽性とをバランスよく両立させることができるものとして、金属メッシュを電磁波シールド層として有する電磁波遮蔽用部材が主流になっている。
金属メッシュを電磁波シールド層として有する電磁波遮蔽用部材の製造法として、特許文献1にはメッシュ状に金属電着が可能な電着基板上に金属電解液を使用して金属を電着し、接着剤を介して電磁波遮蔽基板に接着転写して電磁波遮蔽板を作製する方法(以下、転写法という)が記載されている。上記の電着基板は、金属板等の導電性基板の上に、電着を阻害する絶縁性膜でメッシュパタ−ンと逆のパターンを形成し、この結果、メッシュ状に金属電着が可能な電着部を露出させるようにして作製される。特許文献2には、また、絶縁層支持体上に凸状の導電性メッシュ層を形成した電着基板を用いる方法が記載されている。
特許文献2には、電子部品の回路パターンやセラミックコンデンサの電極パターンを作製するための金属層転写用ベースシートが開示される。金属層転写用ベースシートは、ベース金属層および電気絶縁層を備え、前記ベース金属層の表面には、転写金属層を電解めっきにより形成するための凸状パターンが形成されており、前記電気絶縁層が、前記ベース金属層の表面における前記凸状パターンが形成されていない部分に、形成されているものである。金属層転写用ベースシートのさせ製法法としては、まず、ベース金属層の表面に、ドライフィルムレジストなどを用いてエッチングレジストを凸状パターンと同一パターンで形成し、エッチングレジストで覆われず露出しているベース金属層の表面をエッチングして溝を形成し、この後、エッチングレジストを除去し、エッチングされたベース金属層の全表面に電気絶縁層を形成し、次いで、凸状パターンが露出するまで電気絶縁層を研磨する方法が開示される。このとき、電気絶縁層の表面とベース金属層の凸状パターンの表面は同一平面上に配置され面一となる。また、その作製方法の他の例として、めっきレジストからなる電気絶縁層を、ベース金属層の表面に、ドライフィルムレジストなどを用いて凸状パターンと逆パターン(反転パターン)で形成し、電気絶縁層の間から露出するベース金属層の表面に、電解めっき金属層を凸状パターンで形成するが、このとき、電解めっき金属層の厚みを、電気絶縁層よりも厚くする方法が記載される。電解めっき金属層の表面を、電気絶縁層の表面よりも高く形成することによって、凸状パターン上に電気めっきにより形成された転写金属層を粘着シートに転写するときに、上記電気絶縁層がこの粘着シートに損傷を与えることを防止することができる旨記載される。
特開平11−26980号公報 特開2004−186416号公報
前記特許文献1に記載の転写法は、電磁波遮蔽部材の作製に当たりコスト低減をはかることができる方法として期待できる。電着基板は、金属板等の導電性基板の上に、電着を阻害する絶縁性膜でメッシュパタ−ンを形成し、この結果、メッシュ状に金属電着が可能な電着部を露出させるようにして作製されている。この電着基板を用いた場合、数回〜数十回程度の繰り返し使用は可能であるが、数百回〜数千回繰り返し使用が出来ず量産レベルにはならないという問題がある。これは、電着基板上のメッシュパターンを形成する絶縁膜が、接着転写により剥離応力を受け、少々の繰り返し使用で導電性基材から絶縁膜が剥離してしまうためである。
また、特許文献1には、絶縁層支持体上に凸状の導電性メッシュ層を形成した電着基板を用いる方法が記載されているが、この方法によれば、実際は、導電性メッシュの側面にも金属が電着され、このことがメッシュ状電着金属層の接着転写に対する抵抗となり、剥離ができなかったり、剥離できたとしてもメッシュパターンに折れが発生し、電磁波シールド性が低下するといった不良が起こるという問題があることを、本発明者らは確認した。
特許文献2において、電気絶縁層の表面とベース金属層の凸状パターンの表面が同一平面上に配置され面一となっている金属層転写用ベースシートを用いて凸状パターン上に形成された転写金属層を粘着シートに転写する場合、特許文献1についての上記説明と同様に、電着基板上の電気絶縁膜が、接着転写により剥離応力を受け、少々の繰り返し使用で導電性基材から絶縁膜が剥離してしまうという問題がある。
また、特許文献2において、電解めっき金属層からなる凸状パターンの表面を電気絶縁層の表面よりも高く形成した金属層転写用ベースシートを用いて凸状パターン上に形成された転写金属層を粘着シートに転写する場合、特許文献1についての上記説明と同様に、凸状パターンの側面にも転写金属層がめっきされ、このことが転写金属層の接着転写に対する抵抗となり、転写金属層を凸状パターンから剥離ができなかったり、剥離できたとしてもメッシュパターンに折れが発生し、電磁波シールド性が低下するといった不良が起こるという問題がある。さらに、凸状の導電性メッシュ層に析出した金属を転写する際に、電気絶縁層と凸状パターンの表面の高さの差が、最大でも数μm程度である場合には、転写用の接着フィルムに転写する際の圧力や、基材のたわみ等により、特許文献1についての上記説明と同様に、電着基板上の電気絶縁膜が、接着転写により剥離応力を受け、少々の繰り返し使用で導電性基材から絶縁膜が剥離してしまうという問題がある。
また、従来、金属メッシュを電磁波シールド層として有する電磁波遮蔽用部材の金属メッシュが存在する表面を保護するなどの目的で、樹脂や接着剤が塗工又は積層されることが行われるが、このとき、金属メッシュがそれが存在する表面に凸状に突起しているため、気泡が残りやすいという問題あった。
また、転写後の工程で異物の付着を防止することは重要である。
本発明は、このような問題点に鑑み、導電性又は電磁波シールド性を有するようにパターニングされた導体層パターン付き基材を転写法を用いて生産性よく製造するためのめっき用導電性基材及びその製造法を提供すること、そのような導電性基材を用いた導体層パターン付き基材の製造法、導体層パターン付き基材及びそれを用いた電磁波遮蔽部材を提供することを第1の目的とするものである。
また、本発明は、導体層パターン付き基材の製造法において、異物が付着を防止しやすくすことを第2の目的とするものである。
さらに、導体層パターン付き基材の導体層パターンの上に樹脂、接着剤、フィルム、ガラス、プラスチック板等を積層したときに気泡が残存しにくい導体層パターン付き基材の製造法を提供することを第3の目的とするものである。
本発明は次のものに関する。
1. 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材に電気めっきまたは無電解めっきにより金属を析出させる工程、上記導電性基材の凸部先端部分に析出させた金属を放射線硬化性の接着剤層を有する別の基板に転写する工程及び金属を接着剤層を介して別の基板に接着させる時点以後に放射線硬化性樹脂を硬化反応させる工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
2. 接着剤層を介して転写させた金属の最上端の位置がその金属の近辺の接着剤層の最上端の位置を基準にして垂直方向で3.5μm以下の位置にある項1に記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
3. 放射線硬化性接着剤層の膜厚が、3〜50μmであることを特徴とする項1又は2のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
4. 放射線硬化性接着剤層の硬化前又は転写時の50℃におけるタック値が20〜100gfであり、且つ放射線の照射による硬化後のタック値が、10gf以下であることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
5. 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材が、凸部の上端から0.5〜5μm低い位置よりも低い位置の凹部表面に絶縁層が形成されており、凸部の導電性基材の露出部分の幅が1μm〜40μmであって、凹部に絶縁層を施した後の凸部の高さが、10μm以上であるめっき用導電性基材からなる項1〜4のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
6. 上記導電性基材の凸部の間隔が100μm〜1000μmである項1〜5のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
7. 上記導電性基材上に電気めっきまたは無電解めっきにより金属を析出させる工程において、導電性基材の凸部において金属の厚さが0.1〜50μmになるように金属を析出させる項1〜6のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
8. 導電性基材が回転体(ロール)である項1〜7のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
9. 導電性基材がフープ状である項1〜7のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
10. 上記凸部に析出させた金属を基材に転写する工程の前に、導電性基材の凸部に析出した金属パターンを黒化処理する工程を含む項1〜9のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
11. 項1〜10のいずれかに記載の製造方法を行った後、基材に転写された金属パターンを黒化処理する工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
12. 項1〜11のいずれかに記載の製造方法を行った後、さらに、導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆することを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
13. 項1〜12のいずれかに記載の方法により製造された導体層パターン付き基材。
14. 基板に接着剤層を介して金属からなる導体層パターンが接着されてなり、その金属の最上端の位置がその金属の近辺の接着剤層の最上端の位置を基準にして垂直方向で3μm以下の位置にある導体層パターン付き基材。
15. 項13又は項14に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを有する面を透明基板に貼りあわせてなる透光性電磁波遮蔽部材。
16. 項13又は項14に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆してなる透光性電磁波遮蔽部材。
本発明によれば、めっき用導電性基材上に作製した導体層パターンを転写するため接着剤に放射線硬化接着剤を使用することにより、接着剤層表面には適度なタック性があるため導体層パターンの接着剤層への転写が可能であるとともに、接着剤層への放射線を照射を行うことで、接着剤層が硬化して接着剤層表面のタックフリー化が可能である。その結果、接着剤層表面への異物付着防止を兼ねた極めて生産性の高い製品とすることが可能である。
本発明では、導体層パターンを接着剤層に転写した後の接着剤層表面においては、導体層パターンが導体層パターン厚みの50%以上接着層中に埋没しており、また、接着層に転写した導体層の最上端の位置がその導体層近辺の接着層面の最上端に対して3.5μm以下でることにより導体層パターンを転写した後の接着剤表面の導体層パターンによる凹凸が緩やかになったり、フラットとなったりする。このため、導体層パターンの上から、他の層を積層したり、樹脂や接着剤を塗布する場合、気泡の巻きをなくしたり、少なくしたりでき、また、導体層パターンの開口部に入る気泡を容易に脱泡でき、その結果、光透過性の低下を防ぐことができる。また、積層又は塗布のスピードを早くすることが可能となり生産性向上を図ることができる。
本発明で使用するめっき用導電性基材は、凹部に絶縁層を有し、その絶縁層が、凸部上端より特定の高さより低く設けられ、絶縁層最下部からの高さが一定以上であることにより、繰り返し転写した場合の絶縁層の剥離の問題を解決し、本発明おける製造法において、めっき用導電性基材の寿命を長くすることができる。
また、本発明のめっき用導電性基材は、絶縁層をDLCからなる絶縁層とすることにより、特に、上記寿命をさらに長くすることができる。中間層により導電性基材と絶縁層の間の密着性を向上させることができ、これにより、めっき用導電性基材の寿命を、さらに、確実に、寿命を長くすることができる。
本発明の導体層パターン付き基材の製造によれば、光透過性に優れた導体層パターン付き基材が容易に製造でき、また、電磁波シールド性又は導電性に優れた導体層パターン付き基材を容易に製造できる。さらにまた、このような導体層パターン付き基材を生産効率よく製造できる。
本発明における電磁波遮蔽部材は、特定の導体層パターンを使用することにより、光透過性及び電磁波シールド性に優れ、また、生産効率よく製造できる。
本発明に係るめっき用導電性基材に用いられる導電性材料は、その表面に電気めっきで金属を析出させるために十分な導電性を有するものであり、金属であることが特に好ましい。また、その基材は、その表面に電気めっきにより形成された金属層を接着性支持体に転写させることができるように、その上に形成された金属層が剥離しやすいものであることが好ましい。このような導電性基材の材料としてはステンレス鋼、クロムめっきされた鋳鉄、クロムめっきされた鋼、チタン、チタンをライニングした材料、ニッケルなどのめっき剥離性のよい材料からなることが特に好ましい。
上記の凸部が形成されている導電性基材の形状としては、シート状、プレート状、ロール状、フープ状等がある。ロール状の場合は、シート状、プレート状のものを回転体(ロール)に取り付けたものであってもよい。フープ状の場合は、フープの内側の2箇所から数箇所にロールを設置し、そのロールにフープ状の導電性基材を通すような形態等が考えられる。ロール状、フープ状ともに金属箔を連続的に生産することが可能であるため、シート状、プレート状に比較すると、生産効率が高く、好ましい。
上記導電性基材の凸部は、導体層パターン付き基材における導体層パターンに対応するものであり、その導体層パターンは、導電性又は電磁波シールド性を有するようにパターンとされ、さらに好ましくは光透過性を有するパターンとされるが、最終的に電磁波遮蔽部材を作製したときには電磁波シールド層となるものである。この凸部に対する凹部の幾何学図形(凸部によって描かれる平面形状としての凹部の幾何学図形)としては、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形(nは3以上の整数)、円、だ円、星型などを組み合わせた模様であり、これらの単位は、単独で又は2種類以上組み合わせて繰り返されることが可能である。
電磁波遮蔽性の観点からは三角形が最も有効であり、可視光透過性の点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど導体層パターンの開口率が上がる。可視光透過性の点から開口率は50%以上が必要とされ、導体層パターンの開口率は50%以上であることがさらに好ましい。導体層パターンの開口率は、電磁波遮蔽材の有効面積(例えば、上記の幾何学図形が描かれている範囲の面積等電磁波遮蔽に有効に機能する範囲の面積)に対するその有効面積から導電層で覆われている面積を引いた面積の比の百分率である。
導電性基材上に凸部に対する凹部の幾何学図形を形成する方法としては、表面が滑らかな導電性基材、例えば、平板状の導電性基材などに対して、上記の幾何学図形からなる凹部を形成するように加工する方法が最も簡便である。
図1は、凸部に対する凹部の幾何学図形が形成されている導電性基材の一例を示す斜視図である。図1で例示しているのは凹部2の幾何学図形としては正方形であり、導電性基材1に凹部2の幾何学図形が正方形になるように凸部3が格子状に形成されている。
図2及び図3は、図1のA−A断面を示し、図2では(a)〜(d)の4種、図3では(e)の1種を示す。凹部2及び凸部3の断面形状は適宜決定され、凸部3の側面5が、斜面((a)、(b)の場合)、曲面((c)の場合)、段階的斜面((d)の場合)等任意である。また、凹部2の底面も種々の形状がある。これらは、すべて、凸部の側面が少なくとも先端部分で傾斜角を有する。この傾斜角は、図中のαで、30°〜80°に相当することが好ましく、50°以上であることがより好ましい。
凸部3の上面4は必ずしも平面でなくてもよく、上面全体又は上面の一部が平面から変形した形状であっても良いが、この場合、できるだけなめらかに湾曲していることが好ましい。ここで、凸部の先端部分とは、凸部の最先端から0.5〜5μm低い位置までの凸部の表面を意味する。
角度αの基準面は、凸部の上面又は水平面若しくは垂直面である。元の導電性基材として(ほぼ)均一な厚さのもの使用し、この一面に凸部パターンを施した場合には、他面を基準面とすることもできる。
また、断面観察の試料を水平面又は垂直面に載置又は固定し、これを観察することもできる。水平面又は垂直面は、適当な台などを使用して設定できる。
また、凸部を有する導電性基材の上にたわまない平板をのせてこの平板の面を基準面とすることもできる。また、導電性基材が円筒である場合は、その円筒より大きな断面が真円の円筒(基準円筒)を用意し、基準円筒を横にして、基準円筒の中に導電性基材を通してこれらの円筒を重ね、基準円筒の各断面円の頂点が水平になるようにし、この円筒の頂点に接する接面を基準面とすることもできる。
具体的には、導電性基材の断面の観察は、顕微鏡の倍率を適当にして、凸部の上面が観察できるようにし、導電性基材の他面(表面)が観察できるようにし、あるいは、基準となる物体が観察できるようにして基準面を確認し、適宜写真撮影後倍率を高くして詳細な断面(場合により倍率を低くして断面)を観察し、写真撮影することにより行い、角度αに関する測定を行うことができる。基準面の確認に際しては、定規等の基準になるものを同時に写し込むとよい。
以上で説明した基準面は、厚さ、高さ及び幅の測定の基準面にすることもできる。また、別の基材の表面は多くの場合変形することがなく、基準面として採用しやすい。
これに対し、図3に(e)として示すように凸部の側面5が垂直面の場合もあり得る。
導電性基材に形成した凸部の先端部分の幅及びその間隔は、導体層パターンの開口率を50%以上とするために、凸部の先端部分の幅が1μm〜40μm、凸部の先端部分の中心間隔(ラインピッチ)が100μm〜1000μmであることが好ましい。
本発明おいて、凸部の先端部分の中心間隔(ラインピッチ)は、パターンが複雑な図形であったり、複数の図形の組み合わせであったりして簡単に決定できない場合は、パターンの繰り返し単位を基準としてその面積を正方形の面積に換算し、その一辺の長さであると定義する。
導電性基材に形成した凸部3の高さを、凹部2の最も窪んだ部分から凸部3の先端までの高さと規定する。凸部3の高さは、11μm以上が好ましい。それは、凹部に絶縁層を形成しても凹部が十分な深さを有するためでだある。また、凸部3の高さの上限は、110μmが好ましい。凸部の高さを大きくしていくと、アスペクト比が大きくなるため、加工が難しくなり、加工費も高くなる。このことから、凸部の高さは60μm以下であることが特に好ましい。
導電性基材上に凸部を形成させる方法としては、次のような方法をあげることができる。
(1)導電性基材の凹部を形成すべき部分(導体層パターン付き基材の導体層パターンの開口部に対応する部分)に、直接レーザ光を照射し、凹部を形成し、導電層パターンに対応した凸部を形成する方法、
(2)フォトリソグラフ法又は印刷法によって、導電性基材に光硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂により幾何学図形状のパターン(レジストパターン)を形成する工程を行なった後、導電性基材をエッチングする方法、
(3)彫刻により導電性基材の凹部を形成すべき部分(導体層パターン付き基材の導体層パターンの開口部に対応する部分)を掘削する方法などがある。
導電性基材の材質が硬い場合、直接加工するには上記(1)方法(レーザ加工法)または(2)の方法(エッチング法)などを用いることが好ましいが、銅などの柔らかく加工性に優れた材料を用いる場合は、上記(3)の方法(彫刻法)により容易に加工することもでき、このとき、加工後に、クロム等の硬質のめっきを表面に施して、強度を上げることができる。
上記(2)の方法において、印刷法を用いる場合には、レジストパターンの印刷方法としては様々な方法を用いることができる。例えば、スクリーン印刷、凸版印刷、凸版オフセット印刷、凸版反転オフセット印刷、凹版印刷、凹版オフセット印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷などを用いることができる。レジストとしては光硬化性又は熱硬化性の樹脂が使用できる。
また、フォトリソグラフ法を用いる場合には、ドライフィルムレジストなどをラミネートし、マスクを装着して露光し、現像した後にレジストフィルムのエッチング工程を経ることも出来るし、液状レジストを塗布した後に溶剤を乾燥あるいは仮硬化させた後、マスクを装着して露光し、現像した後にレジストフィルムのエッチング工程を経ることも出来る。光硬化性の樹脂にマスクを介して活性エネルギー線を照射することでパターニングできればその態様は問わない。枚葉で版のサイズが大きい場合、あるいはロール・トゥ・ロール(Roll−to−Roll)で作製する場合などはドライフィルムレジストをラミネートしてマスクを介して露光する方法が生産性の観点からは好ましく、めっきドラムなどに直接加工する場合にはドライフィルムレジストを貼り合わせるあるいは液状レジストを塗布した後にマスクを介さずにレーザーなどでダイレクトに露光する方法が好ましい。
また、上記(2)の方法における導電性基材のエッチングは、エッチング液を用いて行うことができる。エッチング液としては導電性金属の材質によって様々な種類があり、それぞれの金属に対してエッチング液が市販されているのでそれらを使用することができる。例えば、導電性金属がステンレスであれば、塩化第二鉄を用いることが一般的であり、チタンであればふっ酸系のエッチング液がよく用いられる。ステンレスのエッチングに関しては、塩化第二鉄の比重が40°Be(ボーメ)〜60°Be(ボーメ)の範囲の液が好んで用いられる。比重が低いとエッチングスピードは速いが、サイドエッチングが大きくなるため、凹部が浅くなる傾向にあり、逆に比重が高いと、エッチングスピードは遅いが、サイドエッチングが少なく、凹部が深くなる傾向にある。したがって、エッチング液の比重は、45°Be(ボーメ)〜50°Be(ボーメ)であることがさらに好ましい。また、エッチング温度は、低いとエッチンスピードが低下し生産性が低下するため、40℃以上であることが好ましい。さらに、エッチング温度が60℃を超えると、エッチング液の腐食性が大きくなるため、エッチング槽をチタン製にする等設備投資が大きくなるため、60℃以下であることが好ましい。
残存するレジストは、導電性基材のエッチング後に、剥離液等を使用して剥離することができる。
本発明におけるめっき用導電性基材は、その凹部がその一部を残し絶縁層で被覆されている。
めっき用導電性基材にめっきした際、めっきは等方的に成長するため、凸部露出部分の近傍の絶縁層に覆い被さるように析出する。絶縁層に覆い被さっためっきは、剥離転写する度に毎回、絶縁層に応力がかかる原因となる。従って、凹部全面に絶縁層が形成されている場合、転写時に絶縁層にかかる応力は、凸部露出部分の近傍が最も大きいので、凸部の先端部分を露出させることで、剥離の際に絶縁層にかかる応力を低下させることができ、結果的に凹部が絶縁層で被覆されているめっき用導電性基材の寿命を向上させることができる。凸部の先端部分の露出が小さすぎると、寿命向上の効果が小さく、大きすぎると側面に深くめっきが析出し、転写不良が発生することがあるので、露出している凸部の先端部分は、凸部最先端から、0.5〜5μm低い位置までであることが好ましく、0.5〜3μm低い位置までであることが更に好ましい。
また、凸部パターンの寿命を長くするためには、凸部の露出部分に析出した金属を別の基材に転写する際に、その別の基材の接着面と導電性基材の凹部に形成されている絶縁層の接触を低減させることが好ましい。したがって、絶縁層を施した後の凸部の高さが、十分であることが好ましい。絶縁層の厚さは、1μm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。絶縁層が厚すぎると、絶縁層を形成する時間が長くなるため作業効率が低下する。また、絶縁層が薄すぎると絶縁層と導電性基材の密着性が低下すると共に、ピンホールが発生しやすくなるため、めっきした際に、絶縁層を施した部分にも金属が析出しやすくなる。
絶縁層を有するめっき用導電性基材の構造を、図面を用いて説明する。図4は、本発明における凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の一例を示す断面図である。ただし、凹部の形状は、図2(c)で記載されているもので説明する。図4において、(a)、(b)及び(c)の3形態を示すが、いずれにおいても、導電性基材1は、凸部3に対し凹部2を有する。凹部2には絶縁層6が形成されており、凸部の側面5に沿って絶縁層6が形成されているが、凸部3の先端部分には形成されておらず、従って、凸部の先端部分は露出している。
図中h′は、前記した凸部の高さである。hは凹部に絶縁層を施した後の凸部の高さ(以下、「絶縁高さ」という)である。tは絶縁層の厚さを示す。凸部の高さh′は、11μm〜110μmが好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。絶縁高さhは、10〜100μmであることが好ましく、tは、h′がhより小さくなるように決定されるが、10μm以下が好ましく、特に、凸部3の側面5において、少なくとも絶縁層の端の部分では厚さが1〜10μmであることが好ましい。さらに、凸部の先端部分は、露出させる。凸部の先端部分の露出の程度は、幅dが1〜40μmであることが好ましく、凸部の最先端からの距離(高さ方向)sは、0.5〜5μmであることが好ましく、0.5〜3μmであることが更に好ましい。この距離sのために、剥離の際に絶縁層にかかる応力を低減することができる。
絶縁層は、薄膜絶縁層であることが好ましく、強度の不均一性をなくすために均一な厚さであることが好ましい。
図5は、本発明における凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の一例を示す断面図である。
図5に示すように、凸部の側面が垂直面の場合も上記の態様で凹部に絶縁層が施され、しかも、凸部の先端部分が露出しているのであれば、好ましい態様として使用できる。
絶縁高さhが低すぎると、転写の際に転写用基材が導電性基材に接触して転写用基材を傷つけたり、転写用基材の接着面が導電性基材に設けた絶縁層に接触しやすくなって絶縁層に剥離応力がかかるため、繰り返し使用した際に絶縁層が剥離することがある。
図6は、本発明における導電性基材の凸部の先端部分の近辺の一例を示す断面図である。図6中、凸部3の先端部分は露出しており、それよりしたの側面5は絶縁層6で覆われている。凸部3の少なくとも露出部分は先端方向に進むにつれて幅が広がっておらず、全体として凸部の下部よりも上部で幅が小さくなっているのが好ましい。凸部の露出部分は、絶縁層の端付近、例えば、凸部の側面の絶縁層の端(第1の位置)とそれより凸部の露出幅の10%に相当する分だけ幅方向に内側における凸部表面の位置(第2の位置)との高さ方向の距離にh10対する第1の位置と第2の位置との幅方向の距離d10との関係(図6で示すところの高さh10に対する幅d10の関係)d10/h10が、角度で30°〜80°に相当することが好ましく、50°以上であることがより好ましい。
また、d10
Figure 2008004816
であることが好ましく、d10は0.839×h10以上であることがより好ましい。
図6(a)では、導電性基材の凸部3として、断面が台形上のものとして模式的に図示したが、(b)に示すように凸部3の表面が凸凹であってもよい。また、絶縁層の表面は、(a)では平面の組み合わせとして模式的に図示されているが、これも(b)に示すように凹凸のある面の組み合わせであってもよい。なお、図6では、上下方向を強調して引き延ばし気味に図示してある。
また、図6中、前記第2の位置は、先端部分の側面に位置するように図示されているが、場合により、第2の位置が凸部の上面に位置していてもよい。
上記のように凸部の側面が傾斜を有していると、そうでないときよりも、めっき用導電性基材の凸部の露出部分に電気めっきにより析出しためっき(金属)をより容易に、剥離でき、転写が円滑に行われる。
また、導電性基材にめっきを施すと、めっきが等方的に成長するため、導電性基材の凸部側面も露出しているとそこにもめっきが析出するが、転写の際に、転写用基材の接着面をめっきに接触させた後転写用基材を剥離すると、めっき層には、斜め方向の応力がかかった場合には、凸部の角度が80°を超えると、剥離(転写)の際に抵抗が大きくなりすぎて、転写不良が発生することがありうる。このことから、凸部の角度は30°〜80°の範囲であることが好ましく、50°〜80°であることがさらに好ましい。
本発明で用いられる絶縁層のための絶縁材料は、金属との密着性が高く、耐薬品性が強い材料が好んで用いられる。電気めっきもしくは無電解めっきの工程では、前処理液やめっき液に浸漬されるため、耐酸性と耐アルカリ性双方に強い材料が特に好ましい。このような樹脂としては、たとえば、熱硬化性樹脂としては、アニリンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、リグリン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ホルマリン樹脂、金属酸化物、金属塩化物、オキシム、アルキルフェノール樹脂等が用いられ、これらは自己硬化性のものである(硬化触媒を使用してもよい)。
熱硬化性樹脂として、硬化剤を利用するものが使用できる。このようなものとしては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、不飽和炭化水素基等の官能基を有する樹脂とエポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、チオール基等の官能基を有する硬化剤あるいは金属塩化物、イソシアネート、酸無水物、金属酸化物、過酸化物等の硬化剤との組み合わせで用いられるものがある。なお、硬化反応速度を増加する目的で、汎用の触媒等の添加剤を使用することもできる。具体的には、硬化性アクリル樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物等が例示される。絶縁層の形成方法としては、例えば、刷毛塗りや、スプレー塗装、さらには、ディッピングした後にスキージやブレード等で樹脂を掻き取った後に乾燥させるなどの方法が挙げられる。
さらに、絶縁材料としては、皮膜の均一性や、形成の簡便さ、さらに環境に対する負荷が少ないことから、電着塗料を用いてもよい。
電着塗料は、それ自体既知のカチオン型及びアニオン型のいずれでも使用でき、ここでは、使用できる電着塗料の一例を示す。
カチオン型電着塗料には、塩基性アミノ基をもつ樹脂のペーストを作製し、これを酸で中和、水溶化(水分散化)してなる陰極析出型の熱硬化性電着塗料が包含される。カチオン型電着塗料は前記導電性基材(被塗物)を陰極にして塗装される。
塩基性アミノ基をもつ樹脂は、例えば、ビスフエノール型エポキシ樹脂、エポキシ基(またはグリシジル基)含有アクリル樹脂、アルキレングリコールのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリブタジエンならびにノボラツクフエノール樹脂のエポキシ化物などのエポキシ基含有樹脂のエポキシ基(オキシラン環)にアミン化合物を付加したもの、塩基性アミノ基をもつ不飽和化合物(例えば、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、N−ビニルピラゾール、N−ジエチルアミノエチルアクリレートなど)を重合させたもの、第3級アミノ基含有グリコール(例えば、N−メチルジエタノールアミン)をグリコールの一成分とするグリコール成分とポリイソシアネート化合物との反応物、さらに、酸無水物とジアミン化合物との反応でイミノアミンが生成することによって、樹脂へアミノ基を導入したものなどがある。ここで、上記したアミン化合物としては、塩基性アミン化合物であって、脂肪族、脂環式もしくは芳香脂肪族系の第1級もしくは第2級アミン、アルカノールアミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン化合物が挙げられる。
また、カチオン電着塗料には、架橋剤を配合することができる。架橋剤としては、ブロツク化したポリイソシアネート化合物がよく知られているが、塗膜を加熱(約140℃以上)するとブロツク剤が解離して、イソシアネート基が再生し、上記の如きカチオン性樹脂中の水酸基などのイソシアネート基と反応性の基に対し架橋反応し硬化する。
さらに、カチオン型電着塗料には、顔料(着色顔料、体質顔料、防錆顔料など。顔料の配合量は樹脂固形分100重量部あたり40重量部以下が好ましい)、親水性溶剤、水、添加剤などを必要に応じて配合することができる。
カチオン型電着塗料は、その固形分濃度を約5〜40重量%となるように脱イオン水などで希釈し、pHを5.5〜8.0の範囲内に調整することが好ましい。このようにして調製されたカチオン型電着塗料を用いてのカチオン電着塗料は、通常、浴温15〜35℃、負荷電圧100〜400Vの条件で被塗物を陰極として行うことができる。塗膜の焼付硬化温度は一般に100〜200℃の範囲が適している。
アニオン型電着塗料は、カルボキシル基を持つ樹脂をベースとし、これを塩基性化合物で中和、水溶化(水分散化)してなる陽極析出型の電着塗料が好ましく、前記導電性基材(被塗物)を陽極として塗装される。
カルボキシル基を持つ樹脂としては、乾性油(あまに油、脱水ひまし油、桐油など)に無水マレイン酸を付加したマレイン化油樹脂、ポリブタジエン(1,2−型、1,4−型など)に無水マレイン酸を付加したマレイン化ポリブタジエン、エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸エステルに無水マレイン酸を付加した樹脂、高分子量多価アルコール(分子量約1000以上で、エポキシ樹脂の部分エステルおよびスチレン−アリルアルコール共重合体なども含まれる)に多塩基酸(無水トリメリツト酸、マレイン化脂肪酸、マレイン化油など)を付加して得られる樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(脂肪酸変性したものも含む)、カルボキシル基含有アクリル樹脂、グリシジル基もしくは水酸基を含有する重合性不飽和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物を用いて形成された重合体もしくは共重合体に無水マレイン酸などを付加せしめた樹脂などがあげられ、カルボキシル基の含有量が、一般に、酸価で約30〜200の範囲のものが適している。
また、アニオン型電着塗料には、架橋剤を配合することができる。架橋剤としては、ヘキサキスメトキシメチルメラミン、ブトキシ化メチルメラミン、エトキシ化メチルメラミンなどの低分子量メラミン樹脂を必要に応じて使用することができる。さらに、アニオン型電着塗料には顔料(着色顔料、体質顔料、防錆顔料など。顔料の配合量は樹脂固形分100重量部あたり40重量部以下とすることが好ましい)、親水性溶剤、水、添加剤などを必要に応じて配合することができる。
アニオン型電着塗料には、固形分濃度を約5〜40重量%に脱イオン水などで調整し、pH7〜9の範囲に保ってアニオン電着塗装に供することが好ましい。アニオン電着塗装は常法に従って行うことができ、例えば、浴温15〜35℃、負荷電圧100〜350Vの条件で、被塗物を陽極として実施することができる。アニオン電着塗膜は原則として100〜200℃、好ましくは140〜200℃の範囲に加熱して硬化せしめられるが、空気乾燥性の不飽和脂肪酸で変性した樹脂を用いた場合には室温で乾燥させることもできる。
さらに、本発明で用いられる絶縁層として、絶縁層が炭素を主成分とする材料、たとえば、ダイヤモンドに類似したカーボン薄膜、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(以下、DLC薄膜とする)のうち、絶縁性を有するものにて形成させることもできる。DLC薄膜は、酸素プラズマでエッチングすることが可能であり、さらに、耐薬品性にも優れているため、特に好ましい。
DLC薄膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法、プラズマCVD法等の化学気相成長法等のドライコーティング法を採用し得るが、成膜温度が室温から制御できる高周波によるプラズマCVD法が特に好ましい。
上記DLC薄膜をプラズマCVD法で形成するために、原料となる炭素源として炭化水素系のガスが好んで用いられる。例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン系ガス類、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン系ガス類、ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類、アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン系ガス類、ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の芳香属炭化水素系ガス類、シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン系ガス類、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケン系ガス類、メタノール、エタノール等のアルコール系ガス類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系ガス類、メタナール、エタナール等のアルデヒド系ガス類等が挙げられる。上記ガスは単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。また、元素として炭素と水素を含有する原料ガスとして上記した炭素源と水素ガスとの混合物、上記した炭素源と一酸化炭素ガス、二酸化ガス等の炭素と酸素のみからなる化合物のガスとの混合物、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の炭素と酸素のみから構成される化合物のガスと水素ガスとの混合物、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の炭素と酸素のみからなる化合物のガスと酸素ガスまたは水蒸気との混合物等が挙げられる。更に、これらの原料ガスには希ガスが含まれていてもよい。希ガスは、周期律表第0属の元素からなるガスであり、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等が挙げられる。これらの希ガスは単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
絶縁層は、その全体を、上述した絶縁性のDLC薄膜によって形成してもよいが、当該DLC薄膜の、金属板等の導電性基材に対する密着性を向上させて、絶縁層の耐久性をさらに向上させるためには、この両者の間に、Ti、Cr、W、Siもしくはそれらの窒化物又は炭化物から選ばれる一種以上の成分又はその他よりなる中間層を介挿することが好ましい。
上記SiまたはSiCの薄膜は、例えば、ステンレス鋼などの金属との密着性に優れる上、その上に積層する絶縁性のDLC薄膜との界面においてSiCを形成して、当該DLC薄膜の密着性を向上させる効果を有している。
中間層は、前記したようなドライコーティング法により形成させることができる。
中間層の厚みは、1μm以下であることが好ましく、生産性を考慮すると0.5μm以下であることが更に好ましい。1μm以上コーティングするには、コーティング時間が長くなると共に、コーティング膜の内部応力が大きくなるため適さない。
本発明におけるめっき用導電性基材の製造法を図面を用いて説明する。
図7〜図9は、めっき用導電性基材の作製方法を示す工程の一例を断面図で示したものである。これらにおいて、図2(c)で示す断面形状を有する導電性基材を用いて例示する。
まず、導電性基材1の両面に光硬化性樹脂層7を形成する(図7(a))。フォトリソグラフ法を用いて導電性基材1の一方の表面の光硬化性樹脂層7をパターン化する(図7(b))。パターン化された光硬化性樹脂層7をエッチングレジストとして導電性基材をエッチングすることにより、図に示すエッチングされた導電性基材が得られる(図7(c))。このとき、凸部2の側面5の傾斜角を調整することができる(少なくとも凸部の先端部分において)。傾斜角の調整は、エッチング液である塩化第二鉄溶液の比重とエッチング温度を最適化することなどにより行うことができる。次いで、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性の水溶液に浸漬して、エッチングレジストを剥離する(図7(d))。
次いで、この導電性基材1の一方の面を剥離可能な粘着フィルム9を貼り合わせて保護し、エッチングした面の全面に絶縁層8を被覆する(図8(e))。しかる後に、プラズマエッチングに対するマスク層10を絶縁層の上に形成する(図8(f))。
マスク層が形成されている箇所では、絶縁層がエッチングされないため、導電性基材1の凸部3の先端部分に形成された絶縁層8の上のマスク層10を除去する(図8(g))。
マスク層10のこの部分的な除去は凸部3の露出させる先端部分の幅を勘案して除去される。凸部に平面的な又はほぼ平面的な上面がある場合、露出する絶縁層の幅が、上面の幅よりも広くなるようにすることが好ましい(図8(g))。これにより、次の絶縁層8の部分的な除去において、凸部3の上面付近の側面部の絶縁層の除去が行いやすくなる。特に、研磨によるマスク層10の除去を行うと図8(g)に示すようになる。
次いで、絶縁層にドライエッチングを施すことにより、凸部3の先端部分に形成された絶縁層8を除去することができ、これにより凸部3の先端部分を露出させることができる((図9(h))。
特に、酸素ガスでプラズマエッチングを行った場合などには、導電性基材がストッパー層となる。凸部に平面的な又はほぼ平面的な上面がある場合、凸部3の上面の幅を超えた部分の絶縁層を露出させておけば(図8(g))、絶縁層のドライエッチングによる除去が、凸部の側面部にまで及び、その結果、凸部の側面まで露出させることができる((図9(h))。側面部の絶縁層の除去の制御は、ドライエッチングの時間、出力によって行うことができる。
次いで、凹部3の絶縁層8上に形成されているマスク層9は、薬液浸漬等により除去される。このようにして本発明に係るめっき用導電性基材の一例を作製することができる(図9(i))。
さらに、DLCからなる絶縁層と導電性基材の間に中間層を設けた場合、中間層が例えば有機材料である場合には、上記の酸素プラズマで、DLCからなる絶縁層の除去に引き続いて中間層の除去が行え、図9(h)に示すのと同様の構造のめっき用導電性基材とすることができる。中間層が炭素を主成分とする材料でない場合には、酸素プラズマによる中間層のエッチングが困難となるが、この場合には、絶縁層及び中間層の材料に合わせて、ガスを変更するかもしくは、中間層の厚みが0.5μm以下程度であれば、弱い力で機械研磨することにより凸部の先端部分の露出幅を太らせることなく、凸部の先端部分に形成された中間層を除去することが可能である。
DLC薄膜をドライエッチングした際に、中間層が酸素プラズマでエッチングされない場合には、ガスを変更して中間層をドライエッチングするか、もしくは、機械研磨で除去することができる。中間層は薄い皮膜であるため、ラインを太らせること無く、軽い研磨で除去することができる。なお、中間層が導電性である場合には、通電して析出させためっきが中間層から容易に剥離させることができるなら、必ずしも中間層を除去する必要はなく、凸部の露出部分において、それ自体を導電性基材の一部とすることができる。
本発明におけるマスク層は、無機系と有機系のマスク層に大別できる。
無機系のマスク層としては、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、金(Au)、チタン(Ti)等の金属が、特に酸素プラズマに対する耐性が強く好ましく用いられる。これらの膜は、スパッタ法、真空蒸着法、イオンビーム蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、電着法、無電解めっき法などの薄膜形成方法により形成される。これらの材料の中では、酸素プラズマに対する耐性が高く、廉価であり、蒸着が容易で、酸性物質に対しても塩基性物質に対しても可溶であることから、アルミニウム(Al)が好んで用いられる。アルミニウムは導電性であるため、ドライエッチング後に残しておくと導電性基材の全面にめっきが析出するので、除去する必要がある。アルミニウムのエッチング剤としては、塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム等、また酸性物質としては硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸及びその塩等であるが、絶縁層の耐性を考慮して、適宜選択する。
さらに、酸素プラズマに対する耐性を持つ無機材料としては、ウェットコーティング法を用いる場合にはアルカリ金属、オルガノポリ金属、オルガノアルコキシ金属、アルコキシ金属、変性アセチルアセトネート金属等からなる金属酸化物系ポリマーや、無機フィラーを含有した塗料、さらに、セラミックコーティングと呼ばれるケイ素化合物フリット類による塗料を、アルコールや水などの溶剤を加えた状態でスプレー、ディスペンサー、ディッピング、ロール、スピンコート等により塗布できる。また、金属のフッ化物錯体を用いて液層析出法(LPD法)などにより絶縁層の上にマスク層として形成させることもできる。また、ドライコーティング法で各種金属の酸化物を形成させることも可能である。コーティングする方法としては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングといったPVD法や、プラズマCVD、熱CVDといったCVD法の他、溶射などの方法を用いて作製することができる。具体的には、Al、Cr、Fe、MgO、SiO、SiO、SnO、TaO、TiO、WO、Y、ZnO、ZnO、ZrO等の皮膜が好ましく用いられる。
また、有機系のマスク層としては、ドライエッチングに対する耐性があるもので、公知のものが使用できるが、特に酸素プラズマを用いる場合には、一般的にシリコンを含有するレジスト膜が酸素プラズマに対する耐性があるため、好んで用いられる。シリコンを含有するレジスト膜には、感光性があっても、なくてもよい。凸部の上面にあるマスク層を除去する方法として、凸部の上面にあるマスク層を現像して除去してから、現像した箇所をドライエッチングする場合には、レジスト膜が感光性を有していることが好ましいが、凸部の上面にあるマスク層を機械研磨で除去する場合には、必ずしも感光性は必要でない。用いるレジスト膜は、ネガ型でもポジ型でもよく、液状でもフィルム状でもよい。液状の場合は、スプレー、ディスペンサー、ディッピング、ロール、スピンコート等により塗布でき、フィルムの場合は、加熱ラミネートして、凹部にレジストを追随させながら埋め込むことができる。
前記したシリコンを含有するレジスト膜について説明する。シリコンを含有するレジスト膜に使用されるシリコン含有感光性組成物としては、公知のものが使用できるが、好適なシリコン含有感光性組成物の代表例としては、主鎖にシリコン原子を有し、アセタール構造、3級エステル構造、t−ブチルオキシカルボニル構造等の酸分解性基を含有するシロキサンポリマーを用いた化学増幅型のシリコン含有感光性組成物、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジドからなるレジスト組成物に、主鎖にシリコン原子を有し、分子内にシラノール構造を有するアルカリ可溶性ラダー型ポリシロキサンをブレンドした紫外線露光用のシリコン含有感光性組成物等が挙げられる。側鎖にシリコン原子を有し、かつ側鎖にアセタール構造、3級エステル構造、t−ブチルオキシカルボニル構造、又は、β−シリルエチルエステル構造等の酸分解性基を含有するビニルポリマーと光酸発生剤からなる化学増幅型の遠紫外線露光用のシリコン含有感光性組成物、さらに、メチルメタクリレートのシリコン誘導体を含有する単量体の重合によって形成される構造、アクリル酸エステルポリマーのエステル部にシリコンを含有する構造、トリメチルシリル基を2つ有するアクリル系モノマーから得られるポリマー、シリコン含有モノマー、無水マレイン酸、t−ブチルアクリレートからなるポリマーを有するレジスト組成物等が挙げられる。
マスク層を部分的に除去する方法は、(イ)感光性を有するマスク層を用いて、フォトリソグラフプロセスで凸部の上面に形成されたマスク層を現像、除去する方法、(ロ)マスク層の除去部を機械研磨する方法などがある。上記(イ)の方法では、感光性を有するマスク層は、ポジ型であってもネガ型であってもよく、現像液は、後述するマスク層の剥離液と同様の液を用いることができる。また、上記(ロ)のマスク層を研磨して除去する方法としては、例えば、バフロールを回転させながら研磨する方法がある。バフは市販されている不織布、セラミックバフ、ダイヤモンドバフ等を用いることができる。
本発明で用いられるドライエッチングとは、真空容器内にガスを導入し、ガスを高周波、マイクロ波などにより励起し、プラズマを発生させラジカル、イオンを生成させた後、プラズマにより生成されたラジカル、イオンと被エッチング物(絶縁層、中間層)と反応させ、反応生成物を揮発性ガスにし真空排気系により外部に排気することにより行われるエッチングのことである。ドライエッチングは被エッチング物を載置した電極に高周波電力を印加し、発生した負の自己バイアス電圧により、プラズマから生成されたイオンを加速して被エッチング物に衝撃させる反応性イオンエッチングとエッチング物にバイアスを印加せずにプラズマより生成したラジカルにより被エッチング物をエッチングするプラズマエッチングに大別される。反応性イオンエッチングには平行平板型、マグネトロン型、2周波型、ECR型、ヘリコン型、ICP型などがあり、使用する圧力は低圧であることが多く得られるエッチング形状は等方性である。また、プラズマエッチング装置にはバレル型、平行平板型、ダウンフロー型などがあり、使用する圧力は高圧であることが多く、得られるエッチング形状は等方性である。本発明では、上記のどちらの方式を用いてもよい。
また、ドライエッチングにおけるガス組成としては、形成された絶縁層をエッチングできるとともに導電性基材をエッチングしずらいガスを適宜選択するが、代表的なガス組成としては、F原子含有プラズマを発生させる、F、CF−O、C−O、C−O、SF−O、SiF−O、NF、ClF、さらに、不飽和種含有プラズマを発生させる、CF、C、CHF、CF−H、CH、さらに、Cl・Br原子を含有するプラズマを発生させる、Cl、CCl、CFCl、Cl−CCl、Br、さらに酸素プラズマを発生させる、O、O−Ar等が用いられる。地球温暖化作用を有さず、腐食性もないことから、酸素プラズマを発生させるガス組成が好ましく、絶縁層も酸素プラズマでエッチングできる、炭素を主成分とする材料を選定することが好ましい。
絶縁層のドライエッチングに対するマスク層は、ドライエッチングにおけるエッチングレートが絶縁層のエッチングレートと同程度かもしくは、それ以下であるものが好ましい。ドライエッチングにおける絶縁層のエッチングレートよりもマスク層のエッチングレートが大きい場合には、絶縁層が厚くなると、マスク層も厚くしなければならないので非効率的であり、さらに、厚みのばらつきがあった場合にマスク層の下の絶縁層を、エッチングしてしまう可能性がある。したがって、マスク層のエッチングレートは、絶縁層のエッチングレートの1/2以下であることが特に好ましい。
上記有機系のマスク層の剥離液として、従来公知のアルカリ性水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。
また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、N−エチル−エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のポリアルキレンポリアミン類;2−エチル−ヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリアリルアミン、ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン;ベンジルアミン、ジフェニルアミン等の芳香族アミン類;ピペラジン、N−メチル−ピペラジン、メチル−ピペ−メチル−ピペラジン、メチル−ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン等の環状アミン類等の水溶性アミンも好ましく用いられる。
マスク層の剥離液として、第4級アンモニウム水酸化物も好ましく用いられる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド〔=TMAH〕、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド〔=コリン〕、(2−ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリプロピルアンモニウムヒドロキシド、(1−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド等が例示される。中でもテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリブチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、コリン等が好ましい。第4級アンモニウム水酸化物は1種または2種以上を用いることができる。
マスク層の剥離液として、有機アルカリ剤や、第4級アンモニウム水酸化物を用いる場合には、通常、レジスト膜の剥離性を向上させるために、水溶性有機溶媒と混合して用いることが多い。水溶性有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン〔=スルホラン〕等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール類およびその誘導体などが挙げられる。中でも、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく用いられる。水溶性有機溶媒は1種または2種以上を用いることができる。
前記図7の(c)において、導電性基材1のエッチングは、凸部3の上面4の幅がレジストパターンの幅と同様にした場合を例示したが、図10の(a)に示すように、凸部3の上面4の幅がレジストパターンの幅よりも小さくなるようにオーバーエッチングしてもよい。この場合、オーバーエッチングを十分行って、引き続いて絶縁層を形成し、図10の(b)に示すようにし、続いてレジストパターンを剥離して図10の(c)のように絶縁層を有する導電性基材を作製してもよい。これをめっき用導電性基材として使用することができる。以上において、レジストパターンの形成法、エッチング法、絶縁層の形成法、残存レジストの剥離法等は前記したのと同様である。
この後、凸部上面に絶縁層がないことを除けば、図8の(f)以降と同様にして目的の図9の(i)に示すようなめっき用導電性基材を作製することができる。
前記しためっき用導電性基材は、必ずしも絶縁層を有していなくてもよい。凸部の先端部分に析出した金属を選択的に転写することができればよい。このようなものとして、凸部の先端部分の表面粗さを小さくし、その他の部分(前記した絶縁層が形成されている部分に相当する)の表面粗さを大きくすることで、めっき用導電性基材の先端部分に析出した金属を選択的に転写することができる。凸部の先端部分の表面粗さが低く、その他の部分の表面粗さが粗いことは、先端部分以外の部分(凹部内)に出現する金属が粒状となり、非連続的に析出する傾向があるため、別の基材により凸部の先端部分に形成された金属層のみを選択的に転写することが可能である。具体的には、凸部の先端部分の表面粗さは、十点平均粗さRz(JIS B 0601−1994に準拠して測定する)で2.0μm以下であることが好ましく、Rzが1.0μm以下であることがさらに好ましい。また、凹部内の表面粗さは、Rzが2.0μmを超えることが好ましく、Rzが3.0μm以上であることがさらに好ましい。
以上で詳細に説明した凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有し、凹部に絶縁層を有するめっき用導電性基材は、凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の絶縁層を有する凹部は、適当な広さで作製される。その領域を領域Aとすると、本発明に係るめっき用導電性支持体には、そのまわりに、電磁波遮蔽部材のアース部に対応する領域(領域Bという)を備えることができる。このとき、領域Aと領域Bは同一のパターンでもよい。また、領域Aにおける凹部の面積比率を、領域Bにおける凹部の面積比率と同じ又はそれよりも大きくすることが好ましく、10%以上大きくすることはさらに好ましい。凹部の面積比率は、平面図で見たときに、ただし、各領域の全面積に対する各領域の凸部における露出部分を除いた部分の面積の比率をいう。また、領域Bの凹部比率を0としてもよいが、この場合には、めっき用導電性支持体上にめっきによりベタの金属膜が周辺に形成される。ベタの金属膜は転写に際し、割れやすいので、望ましくは、領域Bの凹部の面積率は40%以上とすることが好ましく、また、97%未満であることが好ましい。
領域Bにおいて、凸部のパターンによって描かれる幾何学図形状は、前記説明したものが使用できるが、改めて例示すると、
(1)メッシュ状幾何学的模様
(2)所定間隔で規則的に配列された方形状幾何学的模様
(3)所定間隔で規則的に配列された平行四辺形模様
(4)円模様又は楕円模様
(5)三角形模様
(6)五角形以上の多角形模様
(7)星形模様
等がある。
また、領域Bにおける凸部の形成、絶縁層の形成等は、前記した領域Aと同様に、また、同時に行うことができる。さらに、凸部の露出部分の高さ、露出部分が先端方向に進むにつれて幅が広がっておらず、全体として下部よりも上部で幅が小さくなるようにされること、d10/h10の関係等も領域Aと同様にされることが好ましい。
本発明に係るめっき用導電性基材は、さらに、繰り返しめっきし、剥離して使用するためのパターニングされためっき用版として、微細なパターンであっても寸法精度に優れ、繰り返し使用可能な耐久性に優れた導電性基材を容易に作製することができる。
本発明におけるめっき用導電性基材へのめっき法は公知の方法を採用することができる。めっき法としては、電気めっき法、無電解めっき法その他のめっき法を適用することができる。
電気めっきについてさらに説明する。例えば、電気銅めっきであれば、めっき用の電解浴には硫酸銅浴、ほうふっ化銅浴、ピロリン酸銅浴、または、シアン化銅浴などを用いることができる。このときに、めっき浴中に有機物等による応力緩和剤(光沢剤としての効果も有する)を添加すれば、より電着応力のばらつきを低下させることができることが知られている。また、電気ニッケルめっきであれば、ワット浴、スルファミン酸浴などを使用することができる。これらの浴にニッケル箔の柔軟性を調整するため、必要に応じてサッカリン、パラトルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタリントリスルホン酸ナトリウムのような添加剤、及びその調合剤である市販の添加剤を添加してもよい。さらに、電気金めっきの場合は、シアン化金カリウムを用いた合金めっきや、クエン酸アンモニウム浴やクエン酸カリウム浴を用いた純金めっきなどが用いられる。合金めっきの場合は、金−銅、金−銀、金−コバルトの2元合金や、金−銅−銀の3元合金が用いられる。他の金属に関しても同様に公知の方法を用いることができる。電気めっき法としては、例えば、非特許文献1第87〜504頁を参照することができる。
次に、無電解めっきについてさらに説明する。無電解めっき法としては、銅めっき、ニッケルめっき、代表的であるが、その他、すずめっき、金めっき、銀めっき、コバルトめっき、鉄めっき、クロムめっき等が挙げられる。工業的に利用されている無電解めっきのプロセスでは、還元剤をめっき液に添加し、その酸化反応によって生ずる電子を金属の析出反応に利用するのであり、めっき液は、金属塩、錯化剤、還元剤、pH調整剤、pH緩衝材、安定剤等から成り立っている。無電解銅めっきの場合は、金属塩として硫酸銅、還元剤としてホルマリン、錯化剤としてロッセル塩やエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が好んで用いられる。また、pHは主として水酸化ナトリウムによって調整されるが、水酸化カリウムや水酸化リチウムなども使用でき、緩衝剤としては、炭酸塩やリン酸塩が用いられ、安定化剤としては、1価の銅と優先的に錯形成するシアン化物、チオ尿素、ビピリジル、O−フェナントロリン、ネオクプロイン等が用いられる。また、無電解ニッケルめっきの場合は、金属塩として硫酸ニッケル、還元剤には、次亜りん酸ナトリウムやヒドラジン、水素化ホウ素化合物等が好んで用いられる。次亜りん酸ナトリウムを用いた場合には、めっき皮膜中にりんが含有され、耐食性や耐摩耗性が優れている。また、緩衝剤としては、モノカルボン酸またはそのアルカリ金属塩を使用する場合が多い。錯化剤は、めっき液中でニッケルイオンと安定な可溶性錯体を形成するものが使用され、酢酸、乳酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸、グリシン、アラニン、EDTA等が用いられ、安定化剤としては、硫黄化合物や鉛イオンが添加される。無電解めっき法については上記、「現場技術者のための実用めっき」、日本プレーティング協会編(1986年槇書店発行)の第505〜545頁を参照することができる。
さらに、還元剤の還元作用を得るためには、金属表面の触媒活性化が必要になることがある。素地が鉄、鋼、ニッケルなどの金属の場合には、それらの金属が触媒活性を持つため、無電解めっき液に浸漬するだけで析出するが、銅、銀あるいはそれらの合金、ステンレスが素地となる場合には、触媒活性化を付与するために、塩化パラジウムの塩酸酸性溶液中に被めっき物を浸漬し、イオン置換によって、表面にパラジウムを析出させる方法が用いられる。
本発明で利用できる無電解めっきは、例えば、前記した上面を有する凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の凸部に、必要に応じてパラジウム触媒を付着させたあと、温度60〜90℃程度とした無電解銅めっき液に浸漬して、銅めっきを施す方法がある。
無電解めっきでは、基材は必ずしも導電性である必要はない。しかし、前記したように基材の凹部に絶縁層を電着により形成する場合には、基材は導電性である必要があり、また、無電解めっきの準備として、基材上にに析出した金属を容易に剥離するための処理として、基材の無電解めっきされるべき箇所を、陽極酸化処理するような場合は、基材は導電性である必要がある。
特に、導電性基材の材質がNiである場合、無電解めっきするには、上面を有する凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材を陽極酸化した後、無電解銅めっき液に浸漬して、銅を析出させる方法がある。
めっきによって出現又は析出する金属としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、ニッケル、鉄、クロム等の導電性を有するものが使用されるが、20℃での体積抵抗率(比抵抗)が20μΩ/cm以下の金属を少なくとも1種類以上含むことが望ましい。本発明により得られる構造体を電磁波遮蔽シートとして用いる場合には電磁波を電流としてアースするためにこれを構成する金属は導電性が高い方が電磁波遮蔽性に優れるためである。このような金属としては、銀(1.62μΩ/cm)、銅(1.72μΩ/cm)、金(2.4μΩ/cm)、アルミニウム(2.75μΩ/cm)、タングステン(5.5μΩ/cm)、ニッケル(7.24μΩ/cm)、鉄(9.0μΩ/cm)、クロム(17μΩ/cm、全て20℃での値)などがあるが特にこれらに限定するものではない。できれば体積抵抗率が10μΩ/cmであることがより好ましく、5μΩ/cmであることがさらに好ましい。金属の価格や入手の容易さを考慮すると銅を用いることが最も好ましい。これらの金属は単体で用いてもよく、さらに機能性を付与するために他の金属との合金でも構わないし、金属の酸化物であってもよい。ただし、体積抵抗率が20μΩ/cmである金属が成分として最も多く含まれていることが導電性の観点から好ましい。
前記しためっき用導電性基材の凸部の露出部分にめっきにより形成される金属層の厚さ(めっき厚さ)は、十分な導電性を示す(このとき電磁波シールド性が十分に発現する)ためには、0.5μm以上であることが好ましく、導体層にピンホールが形成される(このとき、電磁波シールド性が低下する)可能性を小さくするためには、3μm以上の厚さであることがさらに好ましい。また、めっき厚さが大きすぎると、形成された金属層は幅方向にも広がるため、転写したラインの幅が広くなり、導体層付きパターン基材の開口率が低下し、透明性、非視認性が低下する。したがって、透明性、非視認性を確保するためには、形成された金属の厚みを20μm以下とすることが好ましく、さらに、めっきの時間を短縮し、生産効率をあげるためには、めっきの厚みは10μm以下であることがさらに好ましい。
めっき又は導体層パターンの厚さは、めっきにより作製される導体層パターンの幅の中央ではかる。
本発明おける別の基材(導体層パターンが転写される基材)としては、ガラス、プラスチック等からなる板、プラスチックフィルム、プラスチックシートなどがある。ガラスとしては、ソーダガラス、無アルカリガラス、強化ガラス等のガラスを使用することができる。
プラスチックとしては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリウレタン樹脂、フタル酸ジアリル樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。プラスチックの中では、透明性に優れるポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が好適に用いられる。別の基材の厚みは、0.5mm〜5mmがディスプレイの保護や強度、取扱い性から好ましい。
本発明における別の基材は、プラスチックフィルムが好ましい。このプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂などのプラスチックからなるフィルムで全可視光透過率が70%以上のものが好ましい。これらは単層で使うこともできるが、2層以上を組合せた多層フィルムとして使用してもよい。前記プラスチックフィルムのうち透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムが特に好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚さは特に制限はないが、1mm以下のものが好ましく、厚すぎると可視光透過率が低下しやすくなる傾向がある。また、薄く成りすぎると取扱い性が悪くなることを勘案すると、上記プラスチックフィルムの厚さは5〜500μmがより好ましく、50〜200μmとすることがさらに好ましい。
これらのプラスチックフィルム等の基材は、ディスプレイの前面からの電磁波の漏洩を防ぐための電磁波シールドフィルムとして使用するためには、透明であるもの(すなわち、透明基材)が好ましい。
上記の別の基材の導体層パターンが転写される面は、転写する際に接着性を有していることが必要である。そのためには、基材自体が必要な接着性を有していてもよいが、転写面に接着層を積層するようにしておくことが好ましい。また、接着剤層を転写されるべき導体層パターンの表面に形成しておいてもよい。
本発明における導体パターン層を転写させるための放射線硬化性接着剤としては、(A)バインダポリマ、(B)少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び(C)光重合性開始剤を含有するものが好ましく、前記(A)、(B)及び(C)から構成されることが好ましい。
本発明における(A)バインダポリマの重量平均分子量は、5000〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。重量平均分子量が、5,000未満又は1,000,000を超えると導体層パターンの接着剤層への転写性が著しく低下する傾向がある。但し、本発明における重量平均分子量及び数平均分子量は、標準ポリスチレンによる検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したものである。
光重合開始剤とは、放射線の吸収により活性化し、重合を開始させるものであって、放射線の吸収によりラジカルを発生するものが好ましい。
上記バインダポリマとしては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂等の重合性二重結合を1個有する単量体をラジカル重合させることにより製造できるもの、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。導体層パターンの転写性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記バインダポリマにおいて、重合性二重結合を1個有する単量体としては、スチレンやビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル化合物、アクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、α−ブロモアクリル酸、α−クロルアクリル酸、β−フリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸等のアクリル酸又はその誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、α−ブロモメタクリル酸、α−クロルメタクリル酸、β−フリルメタクリル酸、β−スチリルメタクリル酸等のメタクリル酸又はその誘導体、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
上記アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルとしては、一般式(I)
Figure 2008004816
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン等が置換した化合物などが挙げられる。
上記一般式(I)中のR2で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。上記一般式(I)で表される単量体としては、例えば、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸ペンチルエステル、アクリル酸ヘキシルエステル、アクリル酸ヘプチルエステル、アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸ノニルエステル、アクリル酸デシルエステル、アクリル酸ウンデシルエステル、アクリル酸ドデシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ペンチルエステル、メタクリル酸ヘキシルエステル、メタクリル酸ヘプチルエステル、メタクリル酸オクチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ノニルエステル、メタクリル酸デシルエステル、メタクリル酸ウンデシルエステル、メタクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明における(A)成分であるバインダーポリマーは、導電パターン層の接着剤層への転写性の見地から、カルボキシル基、ヒドロキシル基、グリシジル基等を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸などが好ましく、ヒドロキシル基を有する重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが好ましく、グリシジル基を有する重合性単量体としては、グリシジルメタクリレートなどが好ましい。
これらの(A)バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。ここでいう分散度とは、重量平均分子量÷数平均分子量の値のことである。
また、本発明における(A)成分であるバインダーポリマーには、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の2価以上のカルボン酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン等の2価以上のアルコールとのエステル化反応により得られるポリエステル樹脂等も使用できる。エポキシ樹脂として、ビスフェノールエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられ、またこれらに酢酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等の1価のカルボン酸と付加したものが挙げられる。
本発明の接着剤中には、分子中に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物が使用されるが、このうち、分子中に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリエレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(オキシエチレン基の数が2〜14である)、ポリプロピレングリコールジアクリレート(オキシプロピレン基の数が2〜14である)、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート(オキシエチレン基の数が2〜14である)、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(オキシプロピレン基の数が2〜14である)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニルトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等のグリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、
上記としては、例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート等のβ位にOH基を有するアクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体とイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等等のウレタンモノマーなどが挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
等が挙げられる。
重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとしては、さらに、一般式(a)
Figure 2008004816
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジアクリレート又はこの化合物のアクリロイル基をメタクリロイル基に変えた化合物(これらは、2,2−ビス(4−(アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパン又は2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンとも称される、具体的には、2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(アクリロキシデカエトキシ)フェニル)2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシデカエトキシ)フェニル)等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)商品名)として商業的に入手可能である)、
一般式(b)
Figure 2008004816
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜10の整数を示す)で示されるビスフェノールAのエピクロルヒドリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物又はこの化合物のアクリロイル基をメタクリロイル基に変えた化合物、
一般式(c)
Figure 2008004816
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示されるリン酸のアルキレンオキシド付加物のジアクリレート又はこの化合物のアクリロイル基をメタクリロイル基に変えた化合物、一般式(d)
Figure 2008004816
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜10の整数を示す)で示されるフタル酸のエピクロリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物又はこの化合物のアクリロイル基をメタクリロイル基に変えた化合物、一般式(e)
Figure 2008004816
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示される1,6−ヘキサンジオールのエピクロリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物(アクイリル基を一分子中に2個有するもの)、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、一般式(f)
Figure 2008004816
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、3個のmはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示されるリン酸のアルキンオキシド付加物のトリアクリレート又はこの化合物のアクリロイル基をメタクリロイル基に変えた化合物、一般式(g)
Figure 2008004816
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m、m′及びm″はそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示されるトリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリアクリレート又はこの化合物のアクリロイル基をメタクリロイル基に変えた化合物などが挙げられる。
これらのモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記した少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、分子中に1個の重合性二重結合を有する単量体を含むことができる。このような化合物としては、前記バインダーポリマーの説明において例示したものを使用することができる。
本発明における(C)成分の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2ーtertーブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2ーベンズアントラキノン、2,3ーベンズアントラキノン、2ーフェニルアントラキノン、2,3ージフェニルアントラキノン、1ークロロアントラキノン、2ーメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン・エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、N−フェニルグリシン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等のα−ヒドロキシケトン系を組み合わせて使用される。なお、基板の透明性や感度及び導体パターン層の接着剤層への転写性の見地から1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが好ましい。これらは単独または2種類以上を組み合わせても使用できる。
前記(A)バインダーポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、30〜80重量部とすることが好ましく、40〜70重量部とすることがより好ましい。この配合量が30重量部未満では光硬化物が脆くなり易く、紫外線硬化樹脂として用いた場合に、塗膜性が劣る傾向があり、80重量部を超えると光感度が不充分となる傾向がある。
前記(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜70重量部とすることが好ましく、30〜60重量部とすることがより好ましい。この配合量が20重量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、70重量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
(B)光重合性化合物として、分子内に少なくとも2つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(2官能以上のモノマー)が100%であってもよいが、2官能以上のモノマーと分子内に1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(1官能以上のモノマー)の配合割合が、2官能以上のモノマー67〜98重量%、1官能のモノマー33〜2重量%とすることが好ましく、2官能以上のモノマー78〜92重量%、1官能のモノマー22〜8重量%とすることがより好ましい。
前記(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。この配合量が0.1重量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、20重量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、香料などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々20重量部以下で含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。それぞれの効果の発現のためには各々0.01重量部以上が好ましい。
本発明において、めっき用導電性基材に形成された導体層パターンを転写するための接着剤層に放射線硬化性接着剤を使用することにより、導体層パターンの接着剤層への転写性向上を図ることができる。
また、接着剤層に転写された導体層パターンの最上部の位置が接着剤層に対して3μmより上には突出していないことが好ましく、導体層パターンは接着剤層に埋没していてもよい。
このとき、突出高さの測定は、前記した基準面を基準にして、導体層パターンの最上端の位置とその導体層パターンの近辺の接着剤層の最上端の位置の垂直方向の差としてもとめることができる。接着剤層の最上端を基点として求め、値がプラスの時は、導体層パターンが突出しており、マイナスのとき、埋没しているという。この突出の高さは、+3以下であることが好ましい。転写に際し、めっき用導電性基材の凸部上の導体層パターンは接着剤層に圧接することになるが、本発明の接着剤は、流動性を有しているので、導体層パターンが接着剤層に少なくともいくらかは埋まるようになるため、その周りの接着剤層が盛り上がるのが普通である。この場合、上記の導体層パターンの近辺の接着剤層の最上端は、断面写真により、容易に確認することができる。接着剤層が盛り上がらないときは、接着剤層の表面を最上端とする。
これにより、導体層パターンの上を樹脂被覆したときに、気泡の巻き込みが少なくなり、透明性の点で好ましいものとなる。
また、接着強度を考慮すると、接着剤層に転写した導体層パターンにおいて、導体層パターンの高さの50%以上が接着剤層中に埋没していることが好ましい。導体層パターンの高さとは、基準面を基準にして導体層パターンの最上端と最下端の垂直方向の差をいう。
上記導体層の突出高さが+3.5μmを超えると接着剤層を介して導体層パターンを転写させた別の基材の導体層パターンの上から透明樹脂を被覆する際、特に、生産性向上のため塗工速度を早くした場合には、透明樹脂が導体層パターンを転写させた接着剤層と導体層パターンが分離する箇所付近への樹脂廻りが悪くなることや開口部に入った透明樹脂に巻き込まれている気泡を脱泡することが困難となり、光透過性の低下を招く可能性がある。
なお、本発明で用いる導体層パターンの断面形状は、特に制限はなく、矩形型、湾曲型、台形型等広い範囲の形状で、接着剤層への転写に対応することができる。
本発明における放射線硬化性接着剤層の表面における50℃のタック値は、20〜100gfであることが好ましい。50℃における接着剤層の表面におけるタック値が20gf以下の場合は導体層パターンの接着剤層への転写性が悪くなり、50℃における接着剤層の表面におけるタック値が100gf以上の場合、接着剤層上の保護を目的に貼り付けてあるカバーフィルムとの密着性が大きくなりカバーフィルムが剥がしにくいといった不具合が発生し、生産性が低下することになる。
また、導体層パターンを接着剤層へ転写させた後の放射線の照射後において、接着剤層の表面におけるタック値は、10gf以下であることが好ましい。導体層パターンを接着剤層へ転写させた後の放射線の照射後において、接着剤層の表面におけるタック値が10gf以上の場合であると接着剤層表面へ異物付着があり、生産性が低下する傾向がある。
上記放射線硬化性接着剤層は、接着性についての上記の特性を満足する限り、部分的に硬化反応が転写工程前に進行していても良い。
なお、放射線とは、α線、β線、γ線、紫外線、電子線等をいう。
上記のタック値は、JIS Z 0237に準拠して測定する。測定装置としては、タックテスタ(TAC−II、(株)レスカ製)を使用することができ、測定条件をプローブ:径5.1mm/SUS304製、加重:100gf、接触時間:1秒、引き剥がし速度:600mm/min、温度:室温とすることができる。実施例では、この装置と条件で測定した。
接着剤層の厚さは、薄すぎると十分な接着強度を得られないため、めっきで析出した金属を転写する際に、金属が接着剤層に密着せず、転写不良が発生することがある。したがって、接着剤層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、量産時の転写信頼性を確保するためには3μm以上であることが更に好ましい。また、接着剤層の厚さが厚いと、接着剤層の製造コストが高くなるとともに、ラミネートした際に、接着剤層の変形量が多くなり、めっき用導電性基材に絶縁層がある場合には、それに接触する機会が増えるため、接着剤層の厚みは50μm以下が好ましく、15μm以下がさらに好ましく、
特に、絶縁層と接着剤層が接触する機会を低減させる観点からはことから15μm以下好ましい。
本発明により作製しためっき用導電性基材を用いて導電層パターン付き基材の作製方法の一例を、導電性基材に、断面形状で凹部が湾曲形になるように凸部3(図2(c)参照)を形成した場合を例に、図11を用いて説明する。
まず、図11(a)は、本発明におけるめっき用導電性基材の一例を示す断面図である。凸部3のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部2を有する導電性基材1の凸部3を有する面の凹部2に絶縁層8を凸部3の側面3′を含む先端部分4′が露出するように形成されている。
次に、凸部3の先端部分4′(すなわち、凸部3の露出部分)が露出している導電性基材1にめっきを施して、凸部3の先端部分4′に金属11を析出させる。図11(b)は、この状態の断面図を示す。
次いで、接着フィルム12(別の基材としてのフィルム13に接着剤層14を塗布したフィルム)を、導電性基材1の金属11が析出している面に貼り合わせる。図11(c)はこの状態の断面図を示す。接着フィルム12の接着剤層14を、金属11が析出している面に貼り合わせる際には、粘着剤の特性に応じて、必要なら加熱される。
そして、接着フィルム12を剥離することにより、金属11が粘着層14に貼り付いて導電性基材1から剥離して、すなわち、フィルム13に接着剤14を介して転写される(すなわち、接着フィルム12に転写される)。得られた転写物は、接着剤層に放射線を照射して硬化反応させ、導体層パターン付き基材15とされる。この状態の断面図を図11(d)に示す。
接着剤層に放射線を照射して硬化反応させる時期は、接着フィルム12を、導電性基材1の金属11が析出している面に貼り合わせるときと同時又はそれ以降である。
なお、以上の説明で、別の基材は、フィルム以外のものであってもよい。
上記で得られた導体層パターン付き基材15の導体層パターン(金属11)を黒化処理して、黒化処理された導体層パターンを有する導体層パターン付き基材とすることができる。図12は、この導体層パターン付き基材の断面図を模式的に示す。図12において、別の基材13に接着剤層14を介して、表面が黒化処理されて黒色層16となった導体層パターン(金属11)が貼り合わされている。
また、前記の図11(b)の状態で、導電性基材1の凸部3の先端部分4′に析出した金属11(めっき層)に黒化処理を施してから、その後の転写工程を行って得られる導体層パターン付き基材の断面図を図13に模式的に示す。図13において、別の基材13に接着層14を介して、黒色層17を有する金属11からなる導体層パターンが貼り合わされているが、黒色層17は、導体層パターンの転写面側と側面に形成されている。
以上の黒化処理された導体層パターンを有する導体層パターン付き基材を電磁波遮蔽部材としてディスプレイの前面において利用するときは、一般に、黒色層を設けた方の面がディスプレイの視聴者側に向くようにして用いられる。
なお、上記の二つの黒化処理を両方行い、どちらの側から見ても黒色層が見えるようにすることもできる。
上記の黒化処理の方法の一つは、金属パターンに黒色層を形成する方法であるが、このためには、金属層にめっきや酸化処理、印刷などの様々な方法を用いることができる。
なお、図12及び図13については、導体層パターンの接着剤層への埋没は省略している。
本発明における導体層パターン付き基材を電磁波遮蔽体として用いる場合は、そのまま、ディスプレイ画面に適宜別の接着剤を介して又は介さないで貼着して使用することができるが、他の基材に貼着してからディスプレイに適用してもよい。他の基材は、ディスプレイの前面からの電磁波を遮断するために使用するには透明であることが必要である。
図14に導体層パターン付き基材が他の基材に貼着されて得られた電磁波遮蔽部材の断面図を示す。図14において、基材(別の基材)13に積層されている接着剤層14上に金属18からなる導体層パターンが貼り付けられ、この上に他の基材19が積層されており、金属18は、接着剤層14に埋設されている。これは、導体層パターン付き基材の導体層パターン側を他の基材19に加圧し、その後、接着剤層に放射線を照射して硬化させることにより作製することができる。この場合、硬化前の接着剤層14が十分な流動性を有するものであるか十分な流動性を有するうちに、適度な圧力を加えることにより導体層パターンを接着剤層14に埋設する。基材(別の基材)13及び基材(他の基材)19として、透明性を有し、しかもその表面の平滑性が優れるものを使用することにより、透明性が高い電磁波遮蔽部材を得ることができる。
図15に導体層パターン付き基材が保護樹脂で覆われた電磁波遮蔽部材の断面図を示す。基材(別の基材)13に積層されている接着剤層14上に金属18からなる導体層パターンが貼り付けられており、これらは、透明な保護樹脂20によって被覆されている。
図16は、別の態様の電磁波遮蔽体の断面図を示す。この電磁波遮蔽体は、図15の電磁波遮蔽部材が、基材13の導体層パターンがある面とは反対の面で、接着剤層21を介して他の基材22が貼り合わされたものである。
図17は、さらに、別の態様の電磁波遮蔽体の断面図を示す。図17において、基材(別の基材)13に接着剤層14を介して金属18からなる導体層パターンが接着されており、その上を透明樹脂からなる接着剤又は接着剤23により被覆され、さらにその上に保護フィルム24が積層されている。基材13のもう一方の面には接着剤層21を介してガラス板等の他の基材22が貼着されている。この電磁波遮蔽部材では、基材(別の基材)13に接着剤層14を介して接着されている導体層パターンを有する導体層パターン付き基材の導体層パターンが存在する面を、透明樹脂23によりコーティングし、さらに保護フィルム24を積層し、ついで、得られた積層物の基材13のもう一方の面(何も積層されていない面)に接着剤を塗布して接着剤層21を形成し、これを他の基材22に押しつけて接着することにより作製することができる。上記透明な保護樹脂20及び上記の透明樹脂23としては、前記熱可塑性樹脂、前記熱硬化性樹脂のほかに放射線硬化型硬化樹脂を用いることもできる。放射線硬化型硬化樹脂を用いることは、それが瞬時に又は短時間に硬化することから、生産性が高くなるので好ましい。放射線硬化型硬化樹脂としては、前記した放射線硬化性接着剤と同様の組成の樹脂組成物を用いることができる。
保護樹脂又は透明樹脂の厚さ(金属部分を除く)は、3〜100μmであることが好ましく、導体層が被覆されるように厚さが選択される。
また、本発明で用いられるめっき用導電性基材として、回転体(ロール)を用いることができることは前記したが、さらに、この詳細を説明する。回転体(ロール)は金属製が好ましい。さらに、回転体としてはドラム式電解析出法に用いるドラム電極などを用いることが好ましい。ドラム電極の表面を形成する物質としては上述のようにステンレス鋼、クロムめっきされた鋳鉄、クロムめっきされた鋼、チタン、チタンをライニングした材料などのめっき付着性が比較的低い材料を用いることが好ましい。導電性基材として回転体を用いることにより連続的に作製して巻物として導体層パターン付き基材を得ることが可能となるため、この場合、生産性が飛躍的に大きくなる。
回転体を用いて、電気めっきにより形成されたパターンを連続的に剥離しながら、構造体を巻物として得る工程を、図18を用いて説明する。図18は、導電性基材としてドラム電極を用いた場合に、ドラム電極を回転させつつ、金属を電気めっきにより連続的に析出させ、また、析出した金属を連続的に剥離する装置の概念を示す断面図(一部正面図)である。
すなわち、電解浴100内の電解液101が陽極102とドラム電極などの回転体103の間のスペースに配管104とポンプ105により供給されるようになっている。陽極102と回転体103の間に電圧をかけ、回転体103を一定速度で回転させると、回転体103の表面に金属が電解析出し、電解液101の外で、回転体103表面の凸部の上面に析出した金属106に、接着剤層を形成したフィルム107の接着剤層を圧着ロール108で圧着し、連続的に回転体103から金属106を剥離しつつ粘着層を形成したフィルム107にその金属106を転写し、導体層パターン付き基材109とする。これはロール(図示せず)に巻き取ることができる。このようにして導体層パターン付き基材108を製造することができる。なお、上記の回転体103の表面には、凸部とそれにより描かれている幾何学図形状の凹部が形成されている。また、回転中の回転体103から、凸部の上面に析出した金属106が剥離させられた後で、電解液101に浸かる前に、回転体103表面をエッチング洗浄したり(図示せず)してもよい。なお、図示していないが陽極102の上端には高速で循環している電解液が上方へ噴出するのを防ぐために水切りロールを設置しても良く、水切りロールによってせき止められた電解液は陽極102の外部から下の電解液の浴槽へと戻り、ポンプにより循環される。また、図示しないがこの循環の間に消費された銅イオン源や添加剤等を必要に応じて追加する態様を加えることが好ましい。
さらに、本発明で用いられる導電性基材として、フープ状の導電性基材を用いることができることは前記したが、さらに、この詳細を説明する。
フープ状の導電性基材に関しては、帯状の導電性基材の表面に凸部を形成した後、端部をつなぎ合わせるなどして作製できる。導電性基材の表面を形成する物質としては上述のようにステンレス鋼、クロムめっきされた鋳鉄、クロムめっきされた鋼、チタン、チタンをライニングした材料などのめっき付着性が比較的小さい材料を用いることが好ましい。フープ状の導電性基材を用いた場合には、黒化処理、防錆処理、転写等の工程を、1つの連続した工程で処理可能となるため導電性パターン付き基材の生産性が高く、また、導電性パターン付き基材を連続的に作製して巻物として製品とすることができる。フープ状の導電性基材の厚さは適宜決定すればよいが、100〜1000μmであることが好ましい。
フープ状の導電性基材を用いて、電気めっきにより形成された導体層パターンを連続的に剥離しながら、構造体を巻物として得る工程を、図19を用いて説明する。図19は、導電性基材としてフープ状導電性基材を用いた場合に、連続的に導体層パターンを電気めっきにより析出させながら剥離する装置の概念図である。
フープ状の導電性基材110を、搬送ロール111〜128を用い、前処理槽129、めっき槽130、水洗槽131、黒化処理槽132、水洗槽133、防錆処理槽134、水洗槽135を順次とおり、周回運動するように設置する。前処理槽129で導電性基材110の脱脂もしくは酸処理等の前処理を行う。その後、めっき槽130で、導電性基材110上に金属を析出させる。この後に、水洗槽131、黒化処理槽132、水洗槽133、防錆処理槽134、水洗槽135を順次通して、それぞれで、導電性基材110上に析出した金属の表面を黒化し、さらに防錆処理する。各処理工程後にある水洗槽は、1槽しか図示していないが、必要に応じて複数の槽を用いたり、各処理工程の前に他の前処理槽等があってもよい。次いで、接着層を積層したプラスチックフィルム基材136を導電性基材110の凸部の上面に析出した金属が転写されるように搬送ロール128上の導電性基材110と圧着ロール137の間を通し、上記金属をプラスチックフィルム基材136に転写して、導電層パターン付き基材138を連続的に製造することができる。得られる導電層パターン付き基材138は、ロール状に巻き取ることができる。必要に応じて、圧着ロール137を加熱することもできるし、図示はしないが、プラスチックフィルム基材136を圧着ロールを通過させる前にプレヒート槽を通して予備加熱してもよい。また、転写したフィルムの巻取りには、必要に応じて、離型PET等を挿入してもよい。さらに、金属が転写された後、フープ状導電性基材は、上記の工程を繰り返すこととなる。このようにして、連続的に、高い生産性で導体層パターン付き基材を製造することができる。
また本発明は上記のようなめっき方法に限らず枚葉で作製することも可能である。枚葉で行った場合、めっき用導電性基材の作製時の取扱が容易であり、同一のめっき用導電性基材を繰り返し使用した後に一箇所だけ絶縁層が剥離した、といった場合でもドラム状やフープ状の基材であると特定部分だけの抜き取りあるいは交換は困難であるが、枚葉であれば不良が発生しためっき用導電性基材のみを抜き取りあるいは交換することが可能である。このように枚葉で作製することにより、めっき用導電性基材に不具合が発生したときの対応が容易である。枚葉状の導電性基材の厚みは適宜決定すればよいが、めっき槽内で液の攪拌等に左右されない十分な強度を持たせることを考慮すると厚みは20μm以上が好ましい。厚すぎると重量が増え取扱が困難であるため10μm以下の厚みであることが好ましい。
最終的に得られる導体層パターン付き基材の導体層パターン(金属パターンを黒化処理したときは黒化処理された導体層パターンを意味する)のライン幅は、40μm以下、ライン間隔は100μm以上の範囲とすることが好ましい。また、導体層パターン(幾何学図形)の非視認性の観点からライン幅は25μm以下、可視光透過率の点からライン間隔は120μm以上がさらに好ましい。ライン幅は、あまりに小さく細くなると表面抵抗が大きくなりすぎて遮蔽効果に劣るので1μm以上が好ましい。ライン間隔は、大きいほど開口率は向上し、可視光透過率は向上する。本発明によって得られる導体層パターンをディスプレイ前面に使用する場合、開口率は50%以上が必要であるが、60%以上がさらに好ましい。ライン間隔が大きくなり過ぎると、電磁波遮蔽性が低下するため、ライン間隔は1000μm(1mm)以下とするのが好ましい。なお、ライン間隔は、幾何学図形等の組合せで複雑となる場合、繰り返し単位を基準として、その面積を正方形の面積に換算してその一辺の長さをライン間隔とする。
また、導体層パターンのラインの厚みは50μm以下が好ましく、ディスプレイ前面の電磁波遮蔽シートとして適用した場合、厚みが薄いほどディスプレイの視野角が広がり電磁波遮蔽材料として好ましく、また、金属を電気めっきにより析出させるのにかかる時間を短縮することにもなるので20μm以下とすることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。あまりに厚みが薄いと表面抵抗が大きくなりすぎて電磁波遮蔽効果に劣るようになり、また、導体層パターンの強度が劣り、転写時の導電性基材からの剥離が困難になるため0.5μm以上が好ましく、さらに1μm以上がさらに好ましい。
本発明における導体層パターン付き基材において、導体層パターンの開口率を高くすることができ、これにより透光性を優良にできる。導体層として、銅、銀、ニッケル等の金属を使用すると導電性が特に優れている。本発明における導体層パターン付き基材は、透光性電磁波遮蔽部材として使用することができる。
本発明における導体層パターン付き基材を電磁波遮蔽部材として使用するとき、透光性の電磁波シールド部の外側をアース部(領域Bに対応)として、使用することが好ましい。このアース部は、透光性の電磁波シールド部(領域Aに対応)と同様のパターンを有していてもよく、異なったパターンを有していてもよい。また、アース部は、上記したようなパターン又は全くベタ状の膜であってもよい。アース部は、その内側の透光性の電磁波シールド部と導通していることが好ましい。
上記のようにして得られる導体層パターン付き基材を電磁波遮蔽部材として用いる場合には、反射防止層、近赤外線遮蔽層等をさらに積層してもよい。導電性基材に析出した金属を転写する基材そのものが反射防止層、近赤外線遮蔽層等の機能層を兼ねていてもよい。さらに、導体層パターンに保護層を形成する際に用いられるカバーフィルム(例えば、図17の保護フィルム24)が、反射防止層、近赤外線遮蔽層等の機能層を兼ねていてもよい。
また、本発明における導体層パターン付き基材を電磁波遮蔽部材として、ディスプレイ等の前面に用いる場合には、反射防止等を含む視認性確保を図るために導電層パターンは、黒化処理したものであることが好ましい。電磁波遮蔽部材において、導体層パターンは、その前面側が黒色であることがハイコントラストの実現及びディスプレイの電源切断時に画面が黒いこと等の要求を満たすことから好ましいとされている。
前記した導体層パターンの突出高さについて図面を用いて説明する。
図20は、金属11からなる導体層パターンが接着剤層14を介して別の基材13に転写された状態を示す一部断面図(模式図)である。導体層パターンが上になるように図示されている。図20において、高さuが導体層の高さであり、vが接着剤層から導体層のの突出高さである。この場合、導体層の最上端が接着剤層の最上端より高いので、vはプラスの値である。vは導体層の最上端とその導体層の近辺の接着剤層の最上端との垂直方向の差であり、接着剤層は多くの場合、導体層の近辺で盛り上がっている。ここでは、基準面を別の基材の面としている。
(凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の作製)
レジストフィルム(フォテックH−Y920、20μm厚、日立化成工業株式会社製)を10cm角のステンレス(SUS304、仕上げ3/4H、厚さ100μm、日新製鋼(株)製)板の両面に貼り合わせた。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、光透過部のライン幅が40μm、ラインピッチが300μm、バイアス角度が45°(正四角形のなかに、ラインが正四角形の辺に対して45度の角度になるように配されている)で、格子状に形成したネガフィルムを、レジストフィルムを貼り合わせたステンレス板の一方の面上に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、ネガフィルムを載置したステンレス板の上下から、紫外線を120mJ/cm照射した。次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、SUS板の上にライン幅40μm、ラインピッチ300μm、バイアス角度45°のレジストマスクを形成した。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面露光されているため、現像されず、全面にレジスト膜が形成されている。
次いで、40℃に加温した塩化第二鉄水溶液(45°Be‘、鶴見曹達株式会社製)を用いて、SUS板をエッチングした。エッチングは、SUS板のライン幅が約7μmになるまで行い、上面を有する凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材上にレジストマスクが残っているめっき用導電性基材(中間品)を作製した。レジストマスクの上から顕微鏡で観察したところ、ラインの幅(凸部上面の幅)は5〜8μmであった。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面にレジスト膜が形成されているため、エッチングされなかった。
次いで、水洗後100℃10分間乾燥した後、2%水酸化ナトリウム水溶液でレジストマスクを剥離した。
(絶縁膜を有する導電性基材の作製)
次いで、上記の導電性基材(中間品)を陰極にして、陽極をステンレス(SUS304)板として、カチオン型電着塗料(Insuleed3020、日本ペイント(株)製)中で、15V10秒の条件で、格子模様状にエッチングされたステンレス板に電着塗装した。次いで、窒素気流下、230℃で40分間電着塗膜を焼付けした。炉内の酸素濃度は1%であった。電着塗料の塗膜厚は、2.5μmであった。このようにして得られた凹部が絶縁膜で覆われためっき用導電性基材は、その断面が図10(c)に示すように凹部に選択的に絶縁膜が形成されたものであった。
(銅めっき)
次いで、上記で得られためっき用導電性基材の凹凸のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として電解銅めっきを行った。電解銅めっき浴(硫酸銅(5水塩)230g/L、硫酸55g/L、キューブライト#1AHH(荏原ユージライト株式会社、添加剤)4ml/Lの水溶液、25℃)中に、上記めっき用導電性基材を陰極として、また、含燐銅を陽極としてに浸した。両極に電圧をかけて、電流密度を5A/dmとして、めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した金属の厚さがほぼ4μmになるまでめっきした。
(転写用接着フィルムの作製)
接着剤として下記する紫外線硬化性樹脂組成物1を用いた。厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−7300、東洋紡績株式会社製)に、この紫外線硬化性樹脂組成物を厚さ15μmに塗布して転写用接着フィルムを作製した。次いで、表面タック値を測定した結果、30gfであった。
<紫外線硬化樹脂組成物1の組成>
ポリマ(メチルメタクリレート50重量%、メタクリル酸25重量%及びスチレン25重量%の共重合物、重量平均分子量51200、分散度1.96):55重量部
モノマ FA321M(日立化成工業株式会社製、EO変性ジメタクリレート):16重量部
UA1137(新中村化学工業株式会社製、ウレタンジメタクリレート):10重量部
UA21(新中村化学工業株式会社製、トリスイソシアヌレート):5重量部
FA−023M(新中村化学工業株式会社製、EO/PO変性ジメタクリレート):5重量部
TMPT21(日立化成工業株式会社製、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート):4重量部
M114(共栄社化学株式会社製、ノニルフェニルEO変性アクリレート):5重量部
光重合開始剤 イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン):3重量部
(転写)
上記転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
(接着剤層の硬化)
次いで、導体層パターンを転写させた接着フィルムに、その導体層パターンの上からカバーフィルム(OPP)(E−200C、王子製紙株式会社製)を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、カバーフィルムを貼り合わせた導体層パターンを転写させた接着フィルムの透明基板側から露光機(オーク株式会社製 HMW−6N)にて紫外線を350mJ/cm照射して接着剤層を硬化した。次いで、カバーフィルムを剥離して、硬化後の接着剤層の表面タック値を測定した結果、4gfであった。
これにより、ライン幅11〜18μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ(中央部)3〜5μm、導体層の高さ4〜7、導体層の突出高さ0.6〜1.0の格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。
(保護膜の形成)
上記で得られた導体層パターン付き基材の導体層パターンが存在する面のカバーフィルムを除去し、次いで、紫外線硬化型樹脂ヒタロイド7983AA3(日立化成工業(株)製)を塗工速度10m/minでコーティングし、その上にカバーフィルム(OPP)(E−200C、王子製紙株式会社製)を積層した。次いで、紫外線ランプを用いて1J/cmの紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させて、保護膜を有する導体層パターン付き基材を得た。カバーフィルムを剥離して、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、また導体層パターン付き基材のヘイズ値は2.5であった。
(繰り返し使用)
次いで、上記のめっき用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして500回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁膜の剥離箇所も観測されなかった。
実施例1と同様にして、絶縁膜を有する導電性基材の作製し、さらに、実施例1と同様にしてめっき用導電性基材の凸部の上面に析出した金属の厚さが10μmを目安にめっきした。
(転写)
実施例1で作製したのと同じ転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
次いで、導電層パターンを転写させた接着剤層上に、実施例1と同様にしてカバーフィルム(OPP)フィルムを貼り合わせ、接着剤の硬化を行った。この結果、硬化後の接着剤層の表面タック値を測定したところ、5gfであった。
これにより、ライン幅13〜18μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ(中央部)10〜13μm、導体層の高さ12〜14、導体層の突出高さ2.8〜3.2の格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。
さらに、実施例1と同様にして、保護膜の形成を行った。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.8であった。
実施例1と同様にして、絶縁膜を有する導電性基材の作製し、さらに、実施例1と同様にしてめっき用導電性基材の凸部の上面に析出した金属の厚さが5μmを目安にめっきした。
(転写用接着フィルムの作製)
接着剤として下記する紫外線硬化性樹脂組成物2を用いた。厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−7300、東洋紡績株式会社製)に、この紫外線硬化性樹脂組成物2を厚さ15μmになるように塗布して転写用接着フィルムを作製した。次いで、表面タック値を測定した結果、35gfであった。
<紫外線硬化樹脂組成物2の組成>
ポリマ(メチルメタクリレート50重量%、メタクリル酸25重量%及びスチレン25重量%の共重合物、重量平均分子量51200、分散度1.96):55重量部
モノマ FA321M(日立化成工業株式会社製、EO変性ジメタクリレート):16重量部
UA1137(新中村化学工業株式会社製、ウレタンジメタクリレート):10重量部
UA21(新中村化学工業株式会社製、トリスイソシアヌレート):5重量部
FA−023M(新中村化学工業株式会社製、EO/PO変性ジメタクリレート):5重量部
TMPT21(日立化成工業株式会社製、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート):4重量部
M114(共栄社化学株式会社製、ノニルフェニルEO変性アクリレート):5重量部
光重合開始剤 イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン):3重量部
(転写)
上記転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
次いで、導電層パターンを転写させた接着剤層上に、実施例1と同様にしてカバーフィルム(OPP)フィルムを貼り合わせ、接着剤の硬化を行った。この結果、、硬化後の接着剤層の表面タック値を測定した結果、4gfであった。
これにより、ライン幅15〜19μm、ラインピッチ300±2μm、導体厚さ(中央部)3〜6μm、導体層の高さ5〜7μm、導体層の突出高さ1.0〜1.3の格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。
さらに、実施例1と同様にして、保護膜の形成を行った。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.9であった。
実施例1と同様にして、絶縁膜を有する導電性基材の作製し、さらに、実施例1と同様にしてめっき用導電性基材の凸部の上面に析出した金属の厚さが1μmを目安めっきした。
(転写)
実施例1で作製したのと同じ転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
次いで、導電層パターンを転写させた接着剤層上に、実施例1と同様にしてカバーフィルム(OPP)フィルムを貼り合わせ、接着剤の硬化を行った。この結果、硬化後の接着剤層の表面タック値を測定したところ、5gfであった。
これにより、ライン幅11〜18μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ(中央部)1〜2μm、導体層の高さ3〜4、導体層パターン最上端の突出量−1.6〜−3.3μmの格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。
さらに、実施例1と同様にして、保護膜の形成を行った。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.1であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして、絶縁膜を有する導電性基材の作製し、さらに、実施例1と同様にしてめっき用導電性基材の凸部の上面に析出した金属の厚さが10μmになるまでめっきした。
(転写)
実施例1で作製したのと同じ転写用接着フィルムの接着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅メッキを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた接着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凸部の上面に析出した銅が接着フィルムに転写されていた。これにより、ライン幅16〜19μm、ラインピッチ300μm、導体厚さ10μm、導体層パターンは接着剤層に3.0μm埋設され、接着剤層表面より7.0μm突出しているされているされている格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁膜が剥離している箇所はなかった。
次いで、導電層パターンを転写させた接着剤層上に、実施例1と同様にしてカバーフィルム(OPP)フィルムを貼り合わせ、接着剤の硬化を行った。この結果、硬化後の接着剤層の表面タック値を測定したところ、4gfであった。
さらに、実施例1と同様にして、保護膜の形成を行った。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、微小な気泡の発生が多数確認できた。またヘイズ値は4.8であった。
(凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の作製)
レジストフィルム(フォテックH−Y920、20μm厚、680mm幅、日立化成工業株式会社製)を700×1100mmのステンレス板(SUS304、仕上げ3/4H、厚さ100μm、日新製鋼(株)製)の両面に貼り合わせた(図7(a)に対応する)。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、光透過部のライン幅が40μm、ラインピッチが300μm、バイアス角度が45°(正四角形のなかに、ラインが正四角形の辺に対して45度の角度になるように配されている)で、パターンサイズが基板サイズと同一である、格子状に形成したネガフィルムを、ステンレス板のレジストフィルムを貼り合わせた方の面上に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、ネガフィルムを載置したステンレス板の上下から、紫外線を120mJ/cm2照射した。さらに、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、SUS板の上にライン幅40μm、ラインピッチ300μm、バイアス角度45°のレジストマスクを形成した。さらに、レジストが形成されたSUS板を150℃30分間加熱処理し、レジストとSUS板の密着性を向上させた。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面露光されているため、現像されず、全面にレジスト膜が形成されている(図7(b)に対応する)。
次いで、800mm幅のロータリー式エッチングマシン(株式会社石井表記製)に、塩化第二鉄水溶液(47°Be’、ラサ工業株式会社製)1.5tを加えた。エッチング液の液温は40℃で、3kg/cm2のスプレー厚で、300秒間SUS板をエッチングした。上面を有する凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材上にレジストマスクが残っているめっき用導電性基材を作製した。凸部上面の幅は5〜8μmであり、凸部上面の間隔(ピッチ)は300±2μm、凸部の高さは35〜38μmであった。
なお、凸部パターンが形成された面の反対面は、全面にレジスト膜が形成されているため、エッチングされなかった(図7(c)に対応する)。次いで、めっき用導電性基材を、液温30℃で5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬すると、凸部パターンが形成された面及びその反対面に形成されたレジスト膜が除去された(図7(d)に対応する)。
(絶縁膜を有する導電性基材の作製)
RFプラズマCVD装置(HTC1500、Hauzer Techno Coating BV製)によりDLC膜を形成した。RFプラズマCVD装置は上部電極、基板を乗せる下部電極及びガス導入口を備えた真空チャンバー、プラズマを発生するためのRF電源、スイッチ/マッチングボックス、マッチングボックス、真空ポンプなどから構成される。真空チャンバーは真空ポンプにより10−3torrの真空度に減圧される。最初にArガスによるプラズマを励起し基板のクリーニングを行なった後、クロムをターゲット材料として、上記で作製した凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の両面にスパッタリングした結果、約1μmのクロム層が形成された。なお、裏面は、めっきをする際の導通をとるために、スパッタリングする前に、4辺の外周10mmに、マスキングテープを貼り合わせた。次いで、アセチレンガスを15sccmの流量で導入し、RF出力500Wで膜厚が2.5〜3.5μmとなるように、中間層であるクロム層の上に、凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の両面にDLC層を形成した(図8(e)に対応する。)最後に、裏面に貼り合わせたマスキングテープを剥離して、SUS面を露出させた。
(酸素プラズマによるドライエッチング)
全面に絶縁層が形成されているめっき用導電性基材において、凸部パターンが形成された面に、シリコン系のレジストDLR−501(NTTアドバンテステクノロジ(株)製)をダイコータ(タツモ株式会社製)で膜厚が1〜3μmとなるように塗布した。次いで、90℃に加熱したホットプレート上で、90秒間加熱乾燥した。絶縁層のTOP部におけるシリコン系レジストの厚みは1μmであった(図8(f)に対応する)。さらに、#4000の研磨紙で、全面を手作業で軽く研磨し、凸部の上面にある絶縁層の上にあるシリコンレジスト層を除去した(図8(g)に対応する)。
次いで、プラズマCVD装置(HTC1500、Hauzer Techno Coating BV製)を用いて、凸部の上面にある絶縁層を酸素プラズマを用いてドライエッチングした(図9(h)に対応する)。
ガス組成は、酸素16sccm、アルゴン2sccmの混合ガスを用い、ガス圧は4Paとした。さらに、RFの出力300Wで40分間ドライエッチングした。次いで、50℃に加温したジプロピレングリコールモノメチルエーテル:モノイソプロパノールアミン=75:25の溶液に上記めっき用導電性基材を3分間浸漬し、絶縁皮膜上に形成されているシリコン系レジストを剥離した。以上により、凸部先端部分のステンレスが露出し、その露出幅5.9〜10.0μm、絶縁高さ32〜36.5μmであった。絶縁層は、凸部の上端から高さ方向で1.5〜2.5μmまで除去されていた。すなわち、凸部の露出している部分の高さは、1.5〜2.5μmであった。また、エッチング後のめっき用導電性基材の凸部の上面の幅5〜8μmと変わらなかった。以上のようにして、転写用のめっき用導電性基材を得た(図9(i)に対応する)。
このめっき用導電性基材の凸部の露出部分は、先端方向に進むにつれて幅が広がっておらず、全体として凸部の下部よりも上部で幅が小さくなっていることを断面の電子顕微鏡写真で確かめた。また、凸部の側面の絶縁層の端(第1の位置)とそれより高い位置(第2の位置)までの高さの差に対する第1の位置と第2の位置での幅方向の差(減少幅)との関係は、図6で示すところでは、高さh10に対する幅d10の関係、は、すなわち、d10/h10は、0.306〜0.404(68〜73°に相当)であった。
(銅めっき)
上記で作製しためっき用導電性基材を下記のピロリン酸銅電解液に浸漬してから、55秒間は、電流密度15A/dm2でめっきを行いめっき用導電性基材の凸部の露出部分に銅を析出させた。ついで、次いで電流密度30A/dm2として5秒間をめっきし、先に析出した銅の表面を黒化処理した。その結果、凸部の露出部分に析出する金属の凸部上面の上では厚みは3〜5μmであった。その凸部の露出部に表面が黒化処理された銅めっき(導体パターン)を有する導電性基材は引続き水洗し、乾燥した。
(電解液の組成等)
ピロリン酸銅 100g/L
ピロリン酸カリウム 200g/L
アンモニア水(30%) 5mL/L
pH 8〜9
電流密度 20A/dm2
浴温 30℃
陽極 銅板
回転スピード 0.55m/min
(転写等)
実施例1と同様の転写用接着フィルムを使用し、実施例1と同様の方法により転写を行い、また、実施例と同様にして接着剤層の硬化を行った。
このようにして、ライン幅11〜15μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ(中央部)3〜5μm、導体層の高さ6〜8、導体層の突出高さ0.5〜0.8の格子状金属パターンが接着フィルム上に転写された導体層パターン付き基材を得た。
(保護膜の形成)
実施例1と同様にして保護膜を上記導体層パターン付き基材の導体層パターンが存在する面に形成した。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.3であった。
(繰り返し使用)
上記のめっき転写用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして5000回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁膜の剥離箇所も観測されなかった。
(凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の作製)
700×1100mmのステンレス(SUS316L、仕上げ3/4H、厚さ100μm、日新製鋼(株)製)に400メッシュのポリエステル製スクリーン版にライン幅が40μm、ラインピッチが225μm、バイアス角度が45°で、格子状のパターンを形成した版を用い、アルカリ除去型エッチングレジストインク(226Black、Nazdar Company製)を塗布した後、スキージで余分なレジストインクを50mm/minの速度でかき取った。パターンの形成は、SUS基板の中央に650×1050mmの範囲に、幾何学図形のみを形成した。また、もう一方の面には、上記レジストインクを全体に塗布した。乾燥炉を用いて120℃で5分乾燥させ、SUS板の一方の面上に、SUS基板の中央に650×1050mmの範囲で、ライン幅40μm、ラインピッチ225μm、バイアス角度45°のレジストマスクを形成し、他方の面全体にレジスト膜を形成した(図7(b)に対応する)。
次いで、800mm幅のロータリー式エッチングマシン(株式会社石井表記製)に、塩化第二鉄水溶液(47°Be’、ラサ工業株式会社製)1.5tを加えた。エッチング液の液温は50℃で、3kg/cm2のスプレー厚で、180秒間SUS板をエッチングした。
エッチング後の実際の凸部上面の幅は18〜23μmであり、凸部上面の間隔(ピッチ)は、225±2μm、凸部の高さは12〜17μmであった。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面にレジスト膜が形成されているため、エッチングされなかった(図7(c)に対応する)。さらに、パターンの外周から4辺それぞれで、50mmの範囲で全面がエッチングされていた。次いで、めっき用導電性基材を、液温30℃で5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬すると、凸部パターンが形成された面及びその反対面に形成されたレジスト膜が除去された(図7(d)に対応する)。
(絶縁膜を有する導電性基材の作製)
次いで、上記の導電性基材の凸部パターンがある面と反対の面に保護用の粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り合わせて、カチオン電着塗料(パワーニックス110F、日本ペイント株式会社製)を、株式会社秀榮産業で電着塗装した結果、SUSのパターン形成面に5〜7μmの厚さで絶縁層が形成された。水洗後180℃30分の条件で電着塗膜を焼付けて絶縁層を形成した。このようにして、凸部パターン面全面に絶縁膜が施された導電性基材を得た(図8(e)に対応する)。
(酸素プラズマによるドライエッチング)
全面に絶縁層が形成されているめっき用導電性基材において、凸部パターンが形成された面に、シリコン系のレジストDLR−501(NTTアドバンテステクノロジ(株)製)をダイコータ(タツモ株式会社製)で膜厚が1〜3μmとなるように塗布した。次いで、90℃に加熱したホットプレート上で、90秒間加熱乾燥した。絶縁層のTOP部におけるシリコン系レジストの厚みは1μmであった(図8(f)に対応する)。さらに、#4000の研磨紙で、全面を手作業で軽く研磨し、凸部の上面にある絶縁層の上にあるシリコンレジスト層を除去した(図8(g)に対応する)。
次いで、プラズマCVD装置(HTC1500、Hauzer Techno Coating BV製)を用いて、凸部の上面にある絶縁層を酸素プラズマを用いてドライエッチングした(図9(h)に対応する)。
ガス組成は、酸素16sccm、アルゴン2sccmの混合ガスを用い、ガス圧は4Paとした。さらに、RFの出力300Wで10分間ドライエッチングした。次いで、50℃に加温したジプロピレングリコールモノメチルエーテル:モノイソプロパノールアミン=75:25の溶液に上記めっき用導電性基材を3分間浸漬し、絶縁皮膜上に形成されているシリコン系レジストを剥離した。
以上により、凸部先端部分のステンレスが露出し、その露出幅は、29.9〜35.0μm、絶縁高さ8.5〜14.1μmであった。絶縁層は、凸部の上端から高さ方向で0.5〜1.5μmまで除去されていた。すなわち、凸部の露出している部分の高さは、0.5〜1.5μmであった。また、エッチング後のめっき用導電性基材の凸部の上面の幅29〜32μmは変わらなかった。
以上のようにして、保護用の粘着フィルムが付着している、転写用のめっき用導電性基材を得た(図9(i)に対応する)。
このめっき用導電性基材の凸部の露出部分は、先端方向に進むにつれて幅が広がっておらず、全体として凸部の下部よりも上部で幅が小さくなっていることを断面の電子顕微鏡写真で確かめた。また、凸部の側面の絶縁層の端(第1の位置)とそれより高い位置(第2の位置)までの高さの差に対する第1の位置と第2の位置での幅方向の差(減少幅)との関係は、図6で示すところでは、高さh10に対する幅d10の関係、は、すなわち、d10/h10は、0.870〜1.000(45〜49°に相当)であった。
(銅めっき)
実施例6と同様にして上記めっき用導電性基材上にめっきにより、その凸部の露出部に表面が黒化処理された銅めっき(導体パターン)を形成し、水洗し、乾燥した。
(転写等)
実施例1と同様の転写用接着フィルムを使用し、実施例1と同様の方法により転写を行い、また、実施例と同様にして接着剤層の硬化を行った。
このようにして、ライン幅34〜38μm、ラインピッチ225±2μm、導体層の厚さ(中央部)2.5〜3.5μm、導体層の高さ4〜7μm、導体層の突出高さ−0.6〜−2.3μmの格子状金属パターンが接着フィルム上に転写された導体層パターン付き基材を得た。
(保護膜の形成)
得られた導体層パターン付き基材において、それぞれのパターンの導体層パターンが形成されている面に、実施例1と同様にして保護膜を形成し、保護膜が形成された導体層パターン付き基材を得た。得られた保護膜付き導体層パターン付き基材を、保護膜層側及び基材PET側両面から外観を拡大顕微鏡にて観察した結果、気泡の発生はみられず、またヘイズ値は2.0であった。
(繰り返し使用)
上記のめっき転写用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして500回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁膜の剥離箇所も観測されなかった。
上記実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2008004816
本発明において、幅、厚さ、高さ等の測定は次のようにして行うことができる。実施例で該当するものは、下記の方法による。実施例では、任意に5点を選択して測定した。
凸部上面の幅は、導電性基材の一部を切り取って樹脂で注型し、断面を顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−500、キーエンス(株)製)を用いて、倍率1000倍で観察して測定する。凸部上面は、エッチング液で粗化されていないため、顕微鏡観察では光沢感がある。この光沢感のある部分を凸部の上面とする。
凸部上面の間隔(ピッチ)の測定は、顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−500、キーエンス(株)製)を用いて、倍率200倍で観察して測定する。
また、凸部の高さ、絶縁層の厚さ及び突出量は、導電性基材の一部を切り取って樹脂で注型し、断面を倍率は3000倍で断面をSEM観察することにより測定する。
凸部先端部分の露出部の幅、第1の位置、第2の位置における高さh10及び幅d10は、導電性基材の一部を切り取って樹脂で注型し、倍率は10000倍で断面をSEM観察することにより測定する。
ライン幅、導体厚さの測定は、得られた導体層パターン付き基材を一部切り取って樹脂で注型し、倍率は3000倍で断面をSEM観察することにより測定する。ラインピッチの測定は、顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−500、キーエンス(株)製)を用いて、倍率200倍で観察して測定する。
凸部に対する凹部の幾何学図形が形成されている導電性基材の一例を示す斜視図。 図1のA−A断面図の一部。 図1のA−A断面図の一部であって図2とは別の例。 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材において、その表面に絶縁層を形成した状態の導電性基材の断面図。 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材において、その表面に絶縁層を形成した状態の導電性基材の他の例を示す断面図。 本発明における導電性基材の凸部のパターン及び凸部側面の絶縁層の構造の一例を示す断面図。 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材の作製方法の一例を示す断面図。 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材に絶縁層を形成する工程(前半)の一例を示す断面図。 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材に絶縁層を形成する工程(後半)の一例を示す断面図。 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有する導電性基材に絶縁層を形成する工程の他の例を示す断面図。 作製しためっき転写用版を用いた導体層パターン付き基材の作製方法の一例を示す断面図。 導体層パターンが黒化処理された金属パターンからなる導体層パターン付基材の断面図。 導体層パターンが黒化処理された金属パターンからなる導体層パターン付基材の断面図。 導体層パターン付基材が他の基材に貼着された電磁波遮蔽部材の一例を示す断面図。 導体層パターン付基材が他の基材に貼着された電磁波遮蔽部材の一例を示す断面図。 導体層パターン付基材が他の基材に貼着された電磁波遮蔽部材の一例を示す断面図。 導体層パターン付基材が他の基材に貼着された電磁波遮蔽部材の一例を示す断面図。 回転体を用いて導体層パターン付き基材を連続的に作製するための装置の概念断面図。 フープ状のめっき用導電性基材を用いて導体層パターン付き基材を連続的に作製するための装置の概念断面図。 金属11からなる導体層パターンが接着剤層を介して別の基材に転写された状態を示す一部断面図(模式図)。
符号の説明
1:めっき用導電性基材
2:凹部
3:凸部
4:凸部の上面
4′:凸部の露出部分
5:凸部の側面
6:絶縁層
7:レジストフィルム
8:絶縁膜
9:粘着フィルム
10:マスク層
11:金属
12:粘着フィルム
13:別の基材
14:粘着層
15:導体層パターン付き基材
16、17:黒色層
18:金属
19:他の基材
20:保護樹脂
21:接着剤
22:他の基材
23:接着剤又は粘着剤
24:保護フィルム
100:電解浴
101:電解液
102:陽極
103:回転体
104:配管
105:ポンプ
106:金属
107:フィルム
108:圧着ロール
109:導体層パターン付き基材
110:フープ状の導電性基材
111〜128:搬送ロール
129:前処理槽
130:めっき槽(電解浴槽)
131:水洗槽
132:黒化処理槽
133:水洗槽
134:防錆処理槽
135:水洗槽
136:プラスチックフィルム基材(接着フィルム)
137:圧着ロール
138:導電層パターン付き基材

Claims (16)

  1. 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材に電気めっきまたは無電解めっきにより金属を析出させる工程、上記導電性基材の凸部先端部分に析出させた金属を放射線硬化性の接着剤層を有する別の基板に転写する工程及び金属を接着剤層を介して別の基板に接着させる時点以後に放射線硬化性樹脂を硬化反応させる工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
  2. 接着剤層を介して転写させた金属の最上端の位置がその金属の近辺の接着剤層の最上端の位置を基準にして垂直方向で3.5μm以下の位置にある請求項1に記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  3. 放射線硬化性接着剤層の膜厚が、3〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  4. 放射線硬化性接着剤層の硬化前又は転写時の50℃におけるタック値が20〜100gfであり、且つ放射線の照射による硬化後のタック値が、10gf以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  5. 凸部のパターン及びそれによって描かれる幾何学図形状の凹部を有するめっき用導電性基材が、凸部の上端から0.5〜5μm低い位置よりも低い位置の凹部表面に絶縁層が形成されており、凸部の導電性基材の露出部分の幅が1μm〜40μmであって、凹部に絶縁層を施した後の凸部の高さが、10μm以上であるめっき用導電性基材からなる請求項1〜4のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  6. 上記導電性基材の凸部の間隔が100μm〜1000μmである請求項1〜5のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  7. 上記導電性基材上に電気めっきまたは無電解めっきにより金属を析出させる工程において、導電性基材の凸部において金属の厚さが0.1〜50μmになるように金属を析出させる請求項1〜6のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  8. 導電性基材が回転体(ロール)である請求項1〜7のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  9. 導電性基材がフープ状である請求項1〜7のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  10. 上記凸部に析出させた金属を基材に転写する工程の前に、導電性基材の凸部に析出した金属パターンを黒化処理する工程を含む請求項1〜9のいずれかに記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法を行った後、基材に転写された金属パターンを黒化処理する工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法を行った後、さらに、導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆することを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法により製造された導体層パターン付き基材。
  14. 基板に接着剤層を介して金属からなる導体層パターンが接着されてなり、その金属の最上端の位置がその金属の近辺の接着剤層の最上端の位置を基準にして垂直方向で3μm以下の位置にある導体層パターン付き基材。
  15. 請求項13又は請求項14に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを有する面を透明基板に貼りあわせてなる透光性電磁波遮蔽部材。
  16. 請求項13又は請求項14に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆してなる透光性電磁波遮蔽部材。
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