JP2008004501A - 透明導電層付フィルム及びフレキシブル分散型エレクトロルミネッセンス素子並びにそれを用いた電子デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベースフィルム上に塗布法によって透明導電層を形成した透明導電層付フィルムであって、前記透明導電層付フィルムの透明導電層側には該透明導電層との界面で剥離可能な微粘着層を有する支持フィルムが裏打ちされており、前記ベースフィルムの厚さは3〜25μmであり、且つ、前記透明導電層は導電性酸化物微粒子とバインダーマトリックスを主成分とし、尚且つ、圧縮処理が施されていることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
元来、発光素子は夜間など暗い場所での操作を容易にすることから、近年の新しい用途として、例えば、携帯電話、リモートコントローラー、PDA(Personal Digital Assistance)、ラップトップPC等の携帯情報端末等の各種デバイスのキー入力部品(キーパッド)に分散型EL素子を組み込むことが試みられている。
ところで、従来の上記キー入力部品(キーパッド)の発光素子としては、発光ダイオード(LED)が適用されていたが、LEDは点光源でキーパッド部分の輝度が不均一で外観が悪いこと、一般に白色・青色の発光色が好まれるがLEDではそれらの色では高コストになること、分散型EL素子に比べて消費電力が大きいこと、等の問題があり、この点からもLEDに代えて分散型EL素子を採用する動きが盛んになっている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上記スパッタリングITOフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明プラスチックフィルムの上に無機成分であるITO単独層を上記物理的成膜法で厚さ:20〜50nm程度となるように形成したものであり、これにより、表面抵抗値:100〜300Ω/□(オーム・パー・スクエア)程度の低抵抗な透明導電層を得ることが可能となる。
また、ウレタン等の柔らかいベースフィルムは、そのフィルム厚が75μm以上であっても、スパッタリングITO層を形成した場合にクラックが生じやすく実用化されていないのが現状であった。
特に、キーパッドに分散型EL素子を組み込むことでクリック感を損ねないためには、分散型EL素子自体のフレキシビリティを十分に高める必要があり、より具体的には、EL素子の厚みをできるだけ薄く、或いは、柔軟(フレキシブル)な素材のベースフィルムを用いることが必要である。
また、上記とは別のフレキシブル透明導電層を形成する方法として、例えば、特許文献5〜9にあるように、導電性酸化物微粒子とバインダーを主成分とする透明電極層形成用塗布液を、ベースフィルム上に塗布・乾燥した後、金属ロールによる圧縮(圧延)処理を行い、次いで、バインダー成分を硬化させる方法が知られている。この方法では、金属ロールによる圧延処理により透明導電層中の導電性微粒子の充填密度を高め、膜の電気(導電)特性、及び光学特性を大幅に高めることができるという利点がある。
また、上記フレキシブル分散型EL素子を携帯電話等のキーパッドに適用した場合は、実用上十分な打鍵耐久性を有すると同時に、キーパッドに特殊な構造や工夫を行わなくても良好なキー操作のクリック感を得ることが可能となる。
尚、図4では記載していないが、支持フィルムとベースフィルムの間に微粘着層があり、上述のように、その微粘着層は支持フィルムを剥離する際に支持フィルムと一緒に剥離除去される。一般的とは言えないが、支持フィルムの素材自体が微粘着性を有する場合は、支持フィルムが微粘着層の働きを兼ね備えるため、特に微粘着層を支持フィルム上に形成する必要はない。
また、図5には示していないが、図2と同様に、銀等の集電電極や、絶縁保護層を更に形成して用いるのが一般的である。
上述のように、本発明の透明導電層付フィルムやフレキシブル分散型EL素子では、ベースフィルム上に形成された透明導電層に支持フィルムが裏打ちされているため、ベースフィルム自体の厚さを薄く設定でき、かつベースフィルムの材質を適宜選定すれば良好な柔軟性を分散型EL素子に付与することも可能である。
本発明で用いられる支持フィルムの役割は、本発明のフレキシブル分散型EL素子の製造工程での取扱いを容易にする働き、蛍光体層、誘電体層、背面電極層等の積層工程における基材のそり(カール)を防止する働き、透明導電層付フィルム及び分散型EL素子の輸送・ハンドリング中に保護する働き、透明導電層、蛍光体層、誘電体層、背面電極層等の印刷を均一に行う働き(一般にスクリーン印刷では、多数の小径の穴があいた吸引ステージを用い、穴の部分を減圧にしてフィルム固定するが、基材としてのフィルムが薄いと、その穴の部分のフィルムが減圧により変形してくぼみが生じ、スクリーン印刷した膜にこのくぼみの跡が生じる。)等が挙げられる。
一方、本発明で用いられる支持フィルムはその厚さが200μm以下であることが好ましい。200μmを超えると、支持フィルムが硬く、かつ重くなって扱いづらくなると同時に、コスト的にも好ましくない。
ここで、本発明で用いられる微粘着層は、剥離強度(T型剥離試験[引張り速度=300mm/min]における、剥離部における単位長さ当りの剥離に必要な力)が1〜15g/cm、好ましくは2〜10g/cm、更に好ましくは2〜6g/cmの範囲内にあることが好ましい。剥離強度が1g/cm未満では支持フィルムとベースフィルムの透明導電層とを接着したとしても、透明導電層付フィルムや分散型EL素子の製造工程において剥がれ易くなるため好ましくなく、また、剥離強度が15g/cmを超えると、支持フィルムとベースフィルムの透明導電層が剥がしづらくなるため、フレキシブル分散型EL素子が支持フィルムから剥がれにくくなって、EL素子の剥離工程の作業性の悪化、無理に剥がすことによる素子の伸びや透明導電層の劣化(亀裂等)、ベースフィルム面への微粘着層の一部の付着等が生ずる危険性が高くなるからである。
ところで、本発明のフレキシブル分散型EL素子は、後述の通り、透明導電層付フィルムに対し数度の加熱処理工程(通常120〜140℃程度)を経て製造されるため、これらの処理工程を経た後でも上記剥離強度を維持している必要があり、そのためには、上記微粘着層の材質には、耐熱性が要求される。また、透明導電層付フィルムの製造時には、紫外線硬化工程が適用される場合があるため、その場合は微粘着層の材質には、耐紫外線性も必要である。
一方、ベースフィルムの厚さが3μmよりも薄くなると、一般に流通している汎用のフィルムが得られにくくなること、ベースフィルム自体の取扱いが難しくなり透明導電層の形成や支持フィルムによる裏打ちが困難になること、ベースフィルム自体の強度が低下するため、デバイスのキー入力部品に組み込んで用いたときに分散型EL素子の透明導電層や蛍光体層等を含めた素子の構成要素にダメージが発生することがあるなどの問題があるため好ましくない。
本発明で用いられるベースフィルムの材質は、透光性であり、かつ、その上に透明導電層が形成できれば特に限定されず、各種プラスチックを用いることができる。具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ウレタン、フッ素系樹脂等のプラスチックを用いることができる。その中でも、安価で且つ、強度に優れ、透明性と柔軟性も兼ね備えている等の観点から、PETフィルムが好ましい。
ベースフィルムとして、可視光線透過性の無機および/または有機(プラスチック)繊維(針状、棒状、ウィスカー微粒子も含む)やフレーク状微粒子(板状も含む)で強化されたフィルムを用いても良い。繊維やフレーク状微粒子で強化されたベースフィルムは、より薄いフィルムでも良好な強度を有することが可能となる。
本発明に係る透明導電層付フィルムは、図3に示すように、ベースフィルム9の一方の面に透明導電層8を形成する。透明導電層8は、静電気による各種弊害を防止する目的であるため、分散型EL素子の電極として適用される前述の透明導電層の抵抗値に比べて、遥かに高い値で良く、例えば1M(1×106)Ω/□程度以下の値とするのが好ましい。
上記透明導電層8は、導電性酸化物微粒子をバインダー成分を含む溶媒に分散させた透明導電層形成用塗布液を用いてベースフィルム9上に塗布形成されるが、分散型EL素子の輝度低下をできるだけ防止する観点から高い透過率を有することが好ましく、従って、その膜厚は3μm以下であることが好ましく、更に1μm以下が好ましい。
上記透明導電層8に用いられるバインダーの材質は、ベースフィルム9と良好な密着力を有し、かつ、透明性と所定の導電性を有すれば特に限定されず、各種樹脂を用いることができる。具体的には、ウレタン、エポキシ、ポリエステル、フッ素系樹脂等の樹脂を用いることができる。その中でも、安価で且つ透明性、強度に優れ、柔軟性も兼ね備えている等の観点から、ウレタン系樹脂が好ましい。
上記縦方向(MD)および横方向(TD)のいずれかの上記寸法変化率が0.3%を超えると、透明導電層付フィルム上に蛍光体層、誘電体層、背面電極層等の各層をそれぞれの層の形成用ペーストを順次パターン印刷・乾燥・加熱硬化させて形成していく各積層過程で、各加熱硬化処理の度に寸法変化(収縮)が起こり印刷ずれを生じるが、そのずれの大きさが分散型EL素子の製造における許容範囲を超えるため、好ましくない。
従って、透明導電層付フィルムの寸法変化率が0%(全くない)の状態であっても、本発明の技術的思想の範囲内であることはいうまでもない。
上記寸法変化率を低減させる方法としては、予め熱収縮させた低熱収縮タイプの支持フィルムやベースフィルムを用いる方法、あるいは、透明導電層付フィルムごと熱収縮させる方法等が考えられるがこれらに限定されない。これらの方法を適宜適用すれば、上記加熱処理工程時の透明導電層付フィルムの寸法変化率低減が可能となると同時に、支持フィルムとベースフィルムの寸法変化率の差に起因する透明導電層付フィルムや支持フィルムで裏打ちされたフレキシブル分散型EL素子におけるそり(カール)も抑制することが可能である。
第一の方法は、導電性酸化物微粒子を、バインダー成分を含む溶媒に分散させた透明導電層形成用塗布液を、厚さ3〜25μm以下のベースフィルム単体上に塗布・乾燥して塗布層を形成した後、この塗布層を圧縮処理し、次いで、バインダー成分を硬化させる。その後、ベースフィルムに形成された上記透明導電層に支持フィルムを裏打ちする方法。
第二の方法は、導電性酸化物微粒子を、バインダー成分を含む溶媒に分散させた透明導電層形成用塗布液を、支持フィルムで裏打ちされた厚さ3〜25μm以下のベースフィルム上に塗布・乾燥して塗布層を形成した後、この塗布層を支持フィルムが裏打ちされたベースフィルムごと圧縮処理し、次いで、圧縮処理された塗布層のバインダー成分を硬化させベースフィルム上に透明導電層を形成する。その後、透明導電層が形成されたベースフィルムを一端剥離して、透明導電層側を支持フィルムで裏打ち直す方法。
第一の方法は簡便であり好ましいが、ベースフィルムが薄いために単体での取扱いが難しい場合には第二の方法が適用できる。また、第二の方法では、支持フィルムを裏打ちしたベースフィルムを用いているため、極めて薄いベースフィルムに対して上記圧縮処理を施しても、ベースフィルムの歪みやしわの発生を効果的に防止できる。
圧縮処理を行うと透明導電層中の導電性微粒子の充填密度が上昇するため、光の散乱を低下させて膜の光学特性を向上させるだけでなく、導電性を大幅に高めることができる。圧縮処理としては、例えば、透明導電層形成用塗布液が塗布・乾燥されたベースフィルムをハードクロムメッキされた金属ロールにより圧延すればよく、この場合の金属ロールの圧延圧力は線圧:29.4〜490N/mm(30〜500kgf/cm)が良く、98〜294N/mm(100〜300kgf/cm)がより好ましい。線圧:29.4N/mm(30kgf/cm)未満では、圧延処理による透明導電層の抵抗値改善の効果が不十分で、線圧:490N/mm(500kgf/cm)を超えると、圧延設備が大型化すると同時に、ベースフィルムや支持フィルムが歪んでしまう場合があるからである。上記金属ロールの圧延処理における単位面積当りの圧延圧力(N/mm2)は、線圧をニップ幅(金属ロールと透明導電層の接触部分において金属ロールで透明導電層がつぶされる領域の幅)で割った値であって、ニップ幅は、金属ロールの径と線圧にもよるが、150mm程度のロール直径であれば、0.7〜2mm程度である。
ベースフィルムの透明導電層が支持フィルムで裏打ちされた透明導電層付フィルムのベースフィルム上に前述の針状の導電性酸化物微粒子とバインダーを主成分とする透明電極層形成用ペーストやポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等の導電ポリマーを主成分とする透明電極層形成用ペーストを、スクリーン印刷、ブレードコーティング、ワイヤーバーコーティング、スプレーコート、ロールコート、グラビア印刷等の方法で塗布・乾燥した後、塗布液の種類により加熱処理(乾燥硬化、熱硬化)、紫外線照射処理(紫外線硬化)等の処理を施し、透明電極層を形成する。透明電極層は全面印刷(ベタ)でもパターン印刷でも良い。
[実施例]
上記ベースフィルムの透明導電層が形成された面に耐熱性シリコーン微粘着層を有する支持フィルム(PET:100μm)を裏打し、更に支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムごと、大気中で150℃×20分間の加熱処理を施し、支持フィルム/透明導電層/ベースフィルムからなる実施例1に係る透明導電層付フィルムを得た。圧延処理後の該透明導電層中にある導電性微粒子の充填密度は約57vol%であった。尚、上記支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムの加熱処理は、後述の分散型EL素子製造工程における加熱処理による収縮(寸法変化)、及びフィルムのカールを防止するために実施している。
上記透明導電層付フィルムの支持フィルム/透明導電層間の剥離強度は、2.4g/cmであった。ここで、上記剥離強度は、T型剥離強度(ベースフィルムを300mm/minの引張り速度でT型ピールを実施)である。
また、上記透明導電層付フィルムの加熱時の寸法変化率(熱収縮率)は、0.05%であった。ここで、寸法変化率(熱収縮率)は、上記実施例1に係る透明導電層付フィルムを加熱処理(150℃×30分)して求めたフィルムの縦方向(MD)と横方向(TD)の寸法変化率の内、値の大きい縦方向(MD)の寸法変化率を示す。
[計算式1]
透明導電層の透過率(%)=[(透明導電層とベースフィルムごと測定した透過率)/ベースフィルムの透過率]×100
[計算式2]
透明導電層のヘイズ値(%)=(透明導電層とベースフィルムごと測定したヘイズ値)−(ベースフィルムのヘイズ値)
その透明導電層は、可視光透過率:95.2%、ヘイズ値:1.8%、表面抵抗値:1450Ω/□であった。これ以外は、実施例1と同様にして行い、実施例2に係る透明導電層付フィルム、及びフレキシブル分散型EL素子を得た。
上記透明導電層付フィルムの寸法変化率(熱収縮率)は、0.05%であった。
実施例1で、緻密に充填されたITO微粒子とバインダーで構成される透明導電層の代わりに、スパッタリング法により形成されたITO層(可視光透過率:95.0%、ヘイズ値:0%、表面抵抗値:300Ω/□)を用いた場合、すなわち、ベースフィルム(厚さ25μmのPETフィルム)上に形成されたスパッタリングITO層面が支持フィルム(厚さ100μmのPETフィルム)で裏打ちされた比較例1に係る透明導電層付フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして行い、比較例1に係る分散型EL素子(スパッタリングITO層/ベースフィルム/透明電極層/蛍光体層/誘電体層/背面電極層)を得た。上記透明導電層付フィルムの寸法変化率(熱収縮率)は、0.05%であった。
実施例1で、緻密に充填されたITO微粒子とバインダーで構成される透明導電層を有する透明導電層付フィルムの代わりに、スパッタリング法によるITO透明導電層が厚さ125μmのPETフィルム(ベースフィルム)上に形成された市販のスパッタリングITO透明導電層付フィルム(可視光透過率:92.0%、ヘイズ値:0%、表面抵抗値:100Ω/□)を用い、そのITO透明導電層が形成されていない面に易接着処理としてのコロナ放電処理を施した後、その処理面上に透明電極層を形成した以外は、実施例1と同様にして行い、比較例2に係る分散型EL素子(スパッタリングITO透明導電層/PETフィルム/透明電極層/蛍光体層/誘電体層/背面電極層)を得た。上記スパッタリングITOフィルムの寸法変化率(熱収縮率)は、0.3%であった。
[計算式1]
ITO透明導電層の透過率(%)=[(ITO透明導電層が形成されたベースフィルムごと測定した透過率)/ベースフィルムの透過率]×100
[計算式2]
ITO透明導電層のヘイズ値(%)=(ITO透明導電層が形成されたベースフィルムごと測定したヘイズ値)−(ベースフィルムのヘイズ値)
各実施例にかかるフレキシブル分散EL素子は、分散型EL素子作製後もその発光面となるベースフィルムの外表面が導電性を有しているため、支持フィルムを剥離した際に静電気の発生が抑制されることが確認された。
各実施例に係るフレキシブル分散型EL素子(支持フィルムを剥離したもの)と各比較例に係る分散型EL素子を直径3mmの棒にその発光面がそれぞれ内側、及び外側となるように1回づつ巻きつけた後、分散型EL素子の電圧印加用リード線間に100V、400Hzの電圧を印加して、素子の発光状態を観察した。各実施例及び比較例1においては、発光状態に変化は見られなかった。比較例2は、基材のPETフィルムが125μmと厚いためか、直径3mmの棒に巻きづらく、無理に巻いたところ、一部素子に剥離部分が生じ、発光が不均一になった。
発光面となるベースフィルム外表面の導電性については、各実施例においては、上記試験の前後で大きな変化は見られなかったが、各比較例においては、ベースフィルム外表面のスパッタリングITO層にクラックが生じその導電性が完全に失われた。
各実施例に係るフレキシブル分散型EL素子(支持フィルムを剥離したもの)と各比較例に係る分散型EL素子に対し、打鍵試験機を用いて打鍵耐久性を評価した。具体的には、分散型EL素子の電圧印加用リード線間に100V、400Hzの電圧を印加して素子の発光状態を観察ながら、荷重300gで打鍵試験を行い、発光状態の劣化を目視で観察し評価した。各実施例及び各比較例において、200万回の打鍵後も発光状態に変化は見られなかった。
ただし、各実施例にかかるフレキシブル分散EL素子が、200万回の打鍵後もその発光面となるベースフィルムの外表面が導電性を有していたのに対し、比較例1及び比較例2では、100万回の打鍵後には、その発光面となるベースフィルム外表面のスパッタリングITO層にクラックや剥離が生じ、導電性が完全に失われていた。
各実施例にかかるフレキシブル分散EL素子と比較例に係る分散型EL素子を携帯電話用ドーム接点スイッチ上に貼り付け、クリック感を評価した。実施例1、2及び比較例1については、良好なクリック感を得られたが比較例2では十分なクリック感が得られなかった。
2 透明電極層
3 蛍光体層
4 誘電体層
5 背面電極層
6 集電電極
7 絶縁保護層
8 透明導電層
9 ベースフィルム
10 支持フィルム
Claims (11)
- ベースフィルム上に塗布法によって透明導電層を形成した透明導電層付フィルムであって、前記透明導電層付フィルムの透明導電層側には該透明導電層との界面で剥離可能な微粘着層を有する支持フィルムが裏打ちされており、前記ベースフィルムの厚さは3〜25μmであり、且つ、前記透明導電層は導電性酸化物微粒子とバインダーマトリックスを主成分とし、尚且つ、圧縮処理が施されていることを特徴とする透明導電層付フィルム。
- 前記微粘着層と前記透明導電層との間の剥離強度(剥離部における単位長さ当りの剥離に必要な力)が、加熱処理工程の有無に関わらず、1〜15g/cmであることを特徴とする請求項1に記載の透明導電層付フィルム。
- 前記透明導電層付フィルムの縦方向および横方向の寸法変化率(熱収縮率)が共に0.3%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電層付フィルム。
- 前記ベースフィルムの厚さが3〜9μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電層付フィルム。
- 前記導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分として含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電層付フィルム。
- 前記酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子は、インジウム錫酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電層付フィルム。
- 前記バインダーマトリックスは、架橋されており、有機溶剤耐性を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電層付フィルム。
- 前記圧縮処理が、金属ロールの圧延処理により行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明導電層付フィルム。
- 請求項1〜8に記載の透明導電層付フィルムの透明導電層が形成されていない面に、少なくとも透明電極層、蛍光体層、誘電体層、背面電極層を順次形成した後、前記微粘着層を有する支持フィルムを前記ベースフィルム上に形成された透明導電層と微粘着層の界面にて剥離除去したことを特徴とするフレキシブル分散型エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記フレキシブル分散型エレクトロルミネッセンス素子が、デバイスのキー入力部品に組み込まれる発光素子として適用されたことを特徴とする電子デバイス。
- 前記電子デバイスが、携帯電話、リモートコントローラー、携帯情報端末であることを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。
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