JP2008003577A - 画像表示装置の製造方法および分断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像表示装置を構成するデバイスの分断を適正に行う。
【解決手段】配線2と、この配線2と電気的に接続される表示素子とを有する画像表示装置の製造方法であって、配線2と、この配線2を保持する基板1とを有するデバイスを分断する工程を有する。そして、この工程は、基板1にクラックを発生させる工程と、配線2をせん断する工程とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】配線2と、この配線2と電気的に接続される表示素子とを有する画像表示装置の製造方法であって、配線2と、この配線2を保持する基板1とを有するデバイスを分断する工程を有する。そして、この工程は、基板1にクラックを発生させる工程と、配線2をせん断する工程とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、配線と、この配線と接続される表示素子とを有する画像表示装置の製造方法、およびデバイスの分断方法に関する。
特許文献1には、液晶表示装置の基板を切断する技術が開示されている。
特開平11−160667号公報
配線と、この配線を保持する基板とを有するデバイスを適正に、または歩留まり良く分断する技術が望まれている。
従来のスクライビング法で、基板の分断と同じ工程で配線も分断しようとした場合、配線の切れ残りが生じるおそれがある。
また、基板の分断と同じ工程で配線も分断する構成を採用する場合、配線の製法、材料、形状等に対する制限が大きい。また、配線が分断されて形成された端面の形状が乱れるおそれがある。
そこで、本発明は、配線およびこの配線を保持する基板を有するデバイスの分断を適正にまたは歩留まり良く行うことができる画像表示装置の製造方法および分断方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本願に係わる画像表示装置の製造方法のひとつは、配線と、この配線と電気的に接続される表示素子とを有する画像表示装置の製造方法であって、配線と、この配線を保持する基板とを有するデバイスを分断する工程を有する。そして、この工程は、基板にクラックを発生させる工程と、配線をせん断する工程とを有する。
本発明によれば、基板の分断と配線の分断とでそれぞれ適正な工程を採用することで、基板と配線の分断を適正に行うことができる。
本願の発明者は、配線と、この配線を保持する基板とを有するデバイスを分断する技術を開発している。基板としては、特に、ガラス基板、セラミックス基板等の脆性材料で形成された基板を用いて検討を行っている。
この検討によって、従来知られたスクライビング法では配線の切れ残りが生じうることがわかった。
特に、基板が保持している配線が、
1)スパッタリングまたはめっきによって形成された配線である
2)分断位置における配線の厚さが1μm以上である
のいずれかの条件を満たす場合に、デバイスを良好に分断することが難しくなることを見出した。
1)スパッタリングまたはめっきによって形成された配線である
2)分断位置における配線の厚さが1μm以上である
のいずれかの条件を満たす場合に、デバイスを良好に分断することが難しくなることを見出した。
脆性材料によって形成された基板は、例えば基板にクラックや溝を形成する工程の後に、基板に応力を印加する工程を経ることで、クラックや溝が形成された位置で基板を分断することができる。しかしながら、上述した条件を満たす配線を設けている場合には、上述の工程で基板と共に基板上の配線を分断することが困難であった。
この問題は、配線が上述した2つの条件のうちのいずれか一方を満たす場合に生じ、2つの条件をいずれも満たす場合に特に顕著である。すなわち、めっきまたはスパッタリングによって形成された厚さ1μm以上の配線を、この配線が形成された基板と同時に分断するのは極めて困難である。なお、研削加工を用いる場合は、基板と配線とを同じ研削工程で研削して分断する構成を採用することもできるが、研削加工のみで基板と配線を分断しようとすると、加工時間が長くかかる。一方、基板にカッターやレーザ加熱によりクラックを発生させて分断するスクライビング法は加工時間が短い点で好適である。
また、配線がCu,Al,Au,Ag,Pt,Cr,Ni,Pdのいずれかを含む場合には、配線を基板の分断工程と同一の工程で分断するのが特に困難であることも見出している。
以下、本願発明者が検討を重ねて見出したこの特有の問題点について具体的に説明する。
図14(a)から図14(c)はこの問題点を説明するための断面図である。図14(a)に示すように、脆性材料基板1(以下、単に基板1と称する)の裏面に、カッターホイール4の刃先を走らせることで、基板1の厚み方向に平行な垂直クラック3を形成する。このように、刃を基板と接触させながら、クラックを発生させる位置に沿って刃と基板とを相対的に移動させる工程を、以下ではスクライブとも称する。なお、刃と基板とを相対的に移動させる構成としては、基板を固定して刃を基板に対して移動させる構成を特に好適に採用できる。図14(b)は垂直クラック3を挟んで基板1の片側を傾かせて、垂直クラック3で割る工程を示している。このように分断には至らないクラックを発生させた後、分断を完了させる工程を以下ではブレイクとも称する。この工程によって、垂直クラック3から基板1は2つに分断される。
このとき、上述した条件を満たしている配線2は、基板1と同時には分断されにくい。基板1が分断されて配線2が分断されていない場合には、不良品となる。
ここで、配線2が例えば、銀ペーストをパターニングして焼成することで形成された配線である場合には、厚さが1μm以上であっても基板と配線とを同一の工程で比較的歩留まり良く分断することができる。これは、銀ペーストを焼成して形成された配線が、銀の粒子がバインダで結合された構造を有しており、そのような構造は脆性が高くなることによるものと推測される。
一方で、スパッタリングやめっきによって形成された配線は、膜密度が比較的高く、延性が比較的高いために、基板と同時に分断されにくいものと思われる。
また、配線の膜厚が1μmよりも薄い場合にも、基板と配線を同一の工程で比較的歩留まり良く分断することが可能である。
しかしながら、膜厚が1μmを超える配線では、基板を分断する工程と同一の工程で配線を分断することが困難であることがわかった。また、上述のように、比較的歩留まり良く同一の工程で基板と配線とを分断できる場合であっても、分断されて形成された配線の端面に乱れが生じるおそれがある。
近年、例えば電子放出素子を表示素子として用いる画像表示装置のように、配線に大電流を流す構成が望まれるようになった。本願発明者はそのような要求に応じて、配線の抵抗を低減するべく検討し、特に厚さが1μmを超える配線を有するデバイスの研究を行った。その結果、基板と配線とを同一の工程で分断しようとすると、分断の歩留まりの低下が生じたり、分断によって形成された配線の端面が乱れやすいことを見出した。
配線が分断されていない状態で、ブレイクされた2つの基板を互いに引き離す動作を行った場合には、図14(c)に示すように、基板1上からの配線2の剥離が発生してしまう。
本願発明では、基板1を分断する分断工程とは別の方法で、配線2を分断する分断工程を行う。なお、デバイスが分断されて得られた複数の部分(分断によって得られた部分の個々を分断されたデバイスとも称する)は、そのうちの1つもしくは複数の部分のみを使用し、他の部分は廃棄することができる。また、分断によって得られた全ての各部分をその後の工程でそれぞれ使用することも可能である。分断されたデバイスは、それを部品として用いて、所望の機能を有する装置を組み立てることができる。例えば、分断されたデバイスを部品として用いて、画像表示装置を組み立てることができる。
なお、以上では、特に分断が難しくなる場合として、配線の厚さや、配線の製法の条件を挙げたが、本願発明の適用範囲はその条件に限るものではないこともわかった。分断を比較的歩留まり良く行える条件(配線の厚さが1μmよりも薄い場合など)を満たす場合であっても、分断された配線の端面の形状が乱れる場合がある。配線の端面形状が乱れにくいという効果が本願発明の実施形態の効果の1つであるが、この効果は、配線の厚さが1μmよりも薄い場合や、配線が銀ペーストをパターニングして焼成することで形成したものである場合であっても得られる効果である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1に、分断(割断)工程の模式的な断面図を示す。本実施形態の分断方法について、各工程の順に沿って図1を参照して説明する。
図1に、分断(割断)工程の模式的な断面図を示す。本実施形態の分断方法について、各工程の順に沿って図1を参照して説明する。
まず、配線2が形成された基板1(配線2と基板1とで分断前のデバイスを構成する)の裏面(分断する配線2が保持されている面とは反対側の面)における所定の分断位置に、カッターホイール4の刃先を接触させて、垂直クラック3を形成する。カッターホイール4の刃先としては、超鋼製またはダイヤモンド製が望ましい。
図1(a)に示すように、基板1に垂直クラック3が形成された段階では、垂直クラック3が基板1の厚さ方向の途中までしか達しておらず、基板1は完全に分断されていない。
次に、図1(b)に示すように、垂直クラック3が形成された基板1を一組の裏面固定台A7と裏面固定台B8とに跨って固定する。本実施形態は、固定方法として真空チャックを採用したが、機械的な固定方法でも可能である。続いて、鋭角な稜部5aを有する押さえ板5を、垂直クラック3が形成されたスクライブライン(カットライン)上に位置決めし、裏面固定台B8と押さえ板5とによって基板1を挟み込んで固定する。これにより、配線2は基板1と押さえ板5によって挟まれて、配線2が基板1に押圧された状態となり、その後の配線2の分断工程において基板1から配線2が剥離するのを防止する作用も得られる。なお、押さえ板5は、稜部5a先端の位置が、垂直クラック3が形成された位置(スクライブラインの直上)からスクライブラインと平行に基板1の外周側に向かって僅かにずらして配置されている。
裏面固定台A7と裏面固定台B8との間隙9は、基板1のブレイク時に発生する粉末や破片(カレット)等を外部に排出するための空間である。
次に、図1(c)に示すように、図中右側に位置する一方の裏面固定台B8および鋭角な稜部5aを有する押さえ板5をスクライブラインの上の配線2を支点10として、他方の裏面固定台A7に対して矢印A方向に回転させる。これによって、分断位置に、厚み方向の成分を有する力を加える。この工程によって、基板1が2つにブレイクされる。ここまでが基板の分断方法(スクライビング法)を構成するスクライブ工程とブレイク工程である。ここまでの工程では、基板1上の配線2は分断されていない。続いて、図1(d)に示すように、回転された一方の裏面固定台B8と押さえ板5をほぼ水平な元の状態に戻す。
次に、図中右側に位置する一方の裏面固定台B8と、鋭角な稜部5aを有する押さえ板5を、図1(e)に示すように、基板1の厚さ方向に平行な矢印B方向に移動させる。押さえ板5が矢印B方向に移動することで、鋭角な稜部5aによって基板1上の配線2にせん断力が加わる。この工程によって、配線2には、分断位置で配線2を分断する力が加えられることになり、配線2が分断される。
スクライビング法では、配線は分断されていないが、スクライビング法とは異なる、配線の分断により適した方法を採用することで、配線を分断することができている。
なお、スクライブ工程を行うことで基板を分断する際に、配線に、配線が分断されない程度の僅かなクラックが生じることもある。その場合は、このクラックが生じた配線が、せん断されることになる。この構成においては、配線を分断する工程は、主たる要件であるせん断工程と、補助的に機能するスクライブ工程とを組み合わせた工程である。このような組み合わせはスクライブ工程とブレイク工程の組み合わせもしくはスクライブ工程のみで構成される基板を分断する工程とは異なる工程といえる。また、スクライブ工程を実施した時点では、基板の分断位置に僅かに切れ残りがあり、その後、配線を分断する工程で行うせん断により、基板が完全に分断される場合もある。その場合は、基板を分断する工程は、主たる要件であるスクライブ工程と、補助的に機能するせん断工程を組み合わせた工程となる。この組み合わせは、せん断のみで構成される配線を分断する工程とは異なる工程となる。
図1(e)に示した工程における矢印B方向への移動距離は、配線パターンがせん断される距離であれば良い。この距離は、分断装置の機械的な精度、押さえ板5の寸法精度、配線パターンの粘性に応じて、数μmから1mm程度の範囲で設定されれば良い。
続いて、図1(f)に示すように、基板1が2つに分断されて得られた各デバイスの一方を他方に対して矢印C方向に移動させることで、分断された各デバイスを引き離す。最後に、図1(g)に示すように、分断された各デバイスから裏面固定台A7,B8および押さえ板5が取り外される。
なお、本実施形態では、配線として、厚さ20μmに成膜された銅めっき配線を用いた。めっきとしては、化学めっき、電界めっきのいずれが採用されてもよい。また、分断位置での配線の厚さは1000μm以下が好適である。
図2は、鋭角な稜部5aを有する押さえ板5による配線2を分断する工程を示す斜視図である。スクライブおよび基板1のブレイクが終了している図2(a)に示す状態から、配線2を分断する力を加えるための部材である押さえ板5を、配線2に対して分断する力が印加されるように移動する。この工程により、図2(b)に示すように、基板1上の配線2を分断する。この押さえ板5の動きは相対的なものであればよく、押さえ板5を矢印B方向に移動させる代わりに、裏面固定台A7を矢印B方向の逆向きに移動させることで配線2の分断が行われても良い。すなわち、配線2に分断する力が加えられるのであれば、種々の動作を採用することができる。
基板1の平坦な表面の上に配線2が保持されているデバイスの分断について説明したが、基板1の表面に配線2が埋め込まれた構造に対しても本実施形態が適用されてもよい。
図3に、配線2が基板1の表面に埋め込まれているデバイスを示す。このデバイスを図1に示した分断方法によって同様の結果と効果が得られる。
図4に、他の動作によって分断を行う他の実施形態を示す。図4(a)に示す垂直クラックを形成する工程から図4(c)に示す基板1をブレイクする工程までは、図1(a)に示した工程から図1(c)に示した工程までと同一であるため、説明を省略する。
図4(d)に示す工程では、2つにブレイクされた状態の基板1の一方側(図では右側の基板)を僅かに基板の表面に平行な方向に引くことで、ブレイクラインに隙間を確保する。この隙間の量は、配線材料が僅かに伸びる量で良い。
図4(e)に示す工程では片側(図では右側)の裏面固定台B8と、押さえ板5を図4(e)中矢印B方向に移動させる。これにより、配線2を分断する。
垂直方向の移動距離は、配線パターンがせん断される距離でよく、機械精度と鋭角な押さえ板の精度、配線パターンの粘性に応じて数μmから1mmの範囲で設定されれば良い。
続いて、図4(f)に示すように、裏面固定台A7側に対して裏面固定台B8側を矢印C方向に移動させることで、分断された各基板1を互いに引き離す。
そして、基板1の分断が完了した後に、図4(g)に示すように、裏面固定台A7,B8および押さえ板5を取り外す。
この方法では、図4(d)に示した工程での動作によって、基板1の分断面が離間されるので、配線2を分断する図4(e)に示した工程で、分断される各基板1の分断面同士が擦れることが抑制される。このため、チッピング等のカレットの発生を抑制することができる。
図5に、さらに他の実施形態を示す。図5(a)に示した工程から図5(c)に示した工程までは、図1および図2で示した実施形態と同じで工程であるため、説明を省略する。
図5(d)に、配線を分断する工程を行う直前の状態を示す。この状態では、基板1の分断位置を挟む両側の部分が、スクライブラインの上の配線2が支点10を中心として僅かに回転されて傾いている。このとき、僅かに傾斜されていればよく、傾斜させる角度は0度よりも大きければ良い。
図5(e)に示す工程では、支点10を中心に配線2が傾斜された状態から、傾けた側(図では右側)の裏面固定台B8と押さえ板5を図5(e)中矢印B方向に移動させる。このときの移動距離は、配線2がせん断される距離でよい。移動距離は、機械的な精度、押さえ板5の寸法精度、配線パターンの粘性に応じて、数μmから1mmの範囲で設定されれば良い。
続いて、上述の実施形態と同様に、図5(f)に示すように、基板1が2つに分断されて得られた各デバイスの一方を他方に対して矢印C方向に移動させることで、各デバイスを引き離す。最後に、図5(g)に示すように、分断された各デバイスから裏面固定台A7,B8および押さえ板5が取り外される。
この方法では、基板1の分断位置を挟む両側の部分をそれぞれ傾斜させることによって、基板1の分断面を互いに離間させた状態で配線2を分断する工程を行っている。この工程によれば、配線2の分断時の基板1の分断面での互いの擦れを抑制し、チッピング等によるカレットの発生が抑制されている。
図6に、さらに他の機構を用いた実施形態を示す。図6(a)に、図1(a)に示した工程と同様に垂直クラックを形成する工程を示す。図6(b)に示す工程では、鋭角な稜部5aを有する押さえ板5に対して、分断位置、つまりスクライブラインが形成された位置を挟んで対向する位置に、鋭角な稜部6aを有する押さえ板6が配置されている。押さえ板6は、裏面固定台A7と共に基板1を挟み込むように固定されている。
次に、図1(c)に示した工程から図1(e)に示した工程までと同様に、一組の押さえ板5,6で配線2を押さえた状態で、基板1の分断工程と配線2の分断工程とをそれぞれ行う。基板1の分断位置を挟んだ両側の部分で、配線2と基板1との密着状態を維持するための押圧力をそれぞれ加えながら配線2の分断を行うことで、配線2が基板1から剥離されるのが更に抑制されている。
図4および図5に示したデバイスの分断方法でも、分断位置の両側に配線2を押さえる押さえ板をそれぞれ配置した状態で配線の分断を行う構成を採用することができる。それによって、配線の剥離による不良を更に抑制することができ、歩留まりが向上する。
図7は、一組の押さえ板5および押さえ板6を用いて配線を分断する工程を示す斜視図である。なお、図3に示したように配線が基板内に埋め込まれているデバイスであっても同様の効果が得られる。
図8に、更に他の実施形態を示す。図8(a)に示す工程では、配線2が形成された基板1を、裏面固定台A7および裏面固定台B8と、鋭角な稜部5aを有する押さえ板5とで予め固定する。この状態で基板1の裏面側から、カッターホイール4の刃先で垂直クラック3を形成する。
図8(b)に示した工程から図8(e)に示した工程までは、図1に示した実施形態の各工程と同じであるため、説明を省略する。本実施形態では、基板1を固定する工程と、垂直クラック3を形成する工程とを同一の加工装置で行うことで、基板1に形成されるスクライブラインの位置と、押さえ板5の鋭角な稜部5aとの相対的な位置決め作業が容易になる。したがって、本実施形態によれば、基板1と配線2を更に高精度に分断することが可能となる。
また、基板1に垂直クラック3を形成する工程で、カッターホイール4の刃先を用いる代わりに、レーザ光の照射が利用されてもよく、上述と同様の効果が得られる。すなわち、基板にレーザ光を照射することで熱応力を発生させて垂直クラック3を形成する方法を好適に採用することができる。
図9に他の実施形態を示す。図9(a)は基板の分断面に対向する方向から示す側面図である。図9(a)に示すように、鋭角な稜部5aを有する押さえ板5を、基板1の外周側である、スクライブラインの一端側に位置する支点12を中心として、基板1の外周の他端側を矢印D方向に回転させることで、基板1上の配線2の分断を行う。このように配線2の分断を行うことで、配線パターンを構成する複数の配線2がスクライブラインの一端側から他端側に向かって順次に分断されることになる。図9(b)は配線の分断前の状態を示す斜視図であり、図9(c)が配線の分断後の状態を示す斜視図である。この分断方法によれば、基板を分断するための分断機構の構成が簡素化される。
以上では、配線とこの配線を保持する基板とを有するデバイスを分断する方法およびその分断装置について種々の構成例を説明した。
なお、以上では、スクライビング法として、スクライブ工程と、ブレイク工程とを含む方法を示した。具体的には、スクライブ工程においてクラックを基板の途中まで形成し、更に基板の分断を完了させるためにブレイク工程を行う例を示した。ただし、好適に採用できるスクライビング法はこれに限るものではない。スクライブ工程において、クラックを基板の第1の面から該第1の面とは反対側の面まで形成することで、その後のブレイク工程を省いたスクライビング法を採用することもできる。
続いて、以上の工程を経て得られたデバイスを用いて画像表示装置を製造する方法について説明する。
図11は、以上で説明したデバイスの分断方法を用いて不要部を分離したデバイス1200を示している。なお、分離された不要部は、他の画像表示装置の部品として用いることも可能である。
ここでは、図11中で左右方向に延びる3本の配線2を走査配線とし、図11中で上下方向に延びる3本の配線2を変調配線として用いる3×3のマトリックス配線を例示している。変調配線と走査配線との間は絶縁層によって絶縁されている。
このデバイスは、分断を行う前に、画像表示素子を構成する電子放出素子1201が形成されている。電子放出素子は、変調配線に電気的に接続される電極1202と、走査配線に電気的に接続される電極1203と、電極1202と電極1203との間に設けられる電子放出部とを有する表面伝導型放出素子である。
図12は本実施形態の製造方法で製造される画像表示装置の構成を示す平面図である。図11に示したデバイス1200と対向して配置されるフェースプレート1301には、電子放出素子からの電子の照射を受けて発光する蛍光体が形成されている。
デバイス1200とフェースプレート1301との間には、四角形をなす枠部材1302が配置されている。図12では、画像表示装置をフェースプレート1301の側から示しており、フェースプレート1301とデバイス1200との間に挟まれる枠部材1302を点線で示している。図13に本実施形態の画像表示装置の製造方法における各工程を説明するためのフローチャートを示す。
まず、図13中のステップ1401に示すように、ガラス基板上に、素子電極、配線を形成し、更に電子放出部を形成する。この工程により、分断する対象となるデバイスが作られる。続いて、ステップ1402に示すように、ステップ1401で形成されたデバイス1200から不要部を上述の分断方法によって分断する。
次に、ステップ1403に示すように、分断後のデバイスに枠部材1302を接着剤等で接着する。そして、ステップ1404に示すように、デバイスにフェースプレート1301を接合する。これにより、分断後のデバイスが用いられた画像表示装置が製造される。本発明は、電子放出素子を表示素子として用いる画像表示装置の製造に好適に適用できるが、液晶表示装置やプラズマ表示装置やEL(Electroluminescence)表示装置にも適用可能である。液晶表示装置に適用する場合には、例えば、アクティブマトリックス駆動のためのTFT(Thin Film Transistor)が表示素子に該当する。
(第2の実施形態)
図10にさらに他の実施形態を示す。以上述べた実施形態では、配線を分断するためのせん断力が配線の厚さ方向に作用するように構成した。本願発明の実施形態はこれに限るものではない。以下に本実施形態の構成を示す。
図10にさらに他の実施形態を示す。以上述べた実施形態では、配線を分断するためのせん断力が配線の厚さ方向に作用するように構成した。本願発明の実施形態はこれに限るものではない。以下に本実施形態の構成を示す。
本実施形態では、図1に示した実施形態と同様に、図10(a)に示す工程から図10(c)に示す工程までを経て基板1を分断する。裏面固定台A7および裏面固定台B7上に、分断位置を挟んで両側の各基板1を真空吸着力または機械的に固定をする。図10(d)に示す工程では、分断された各基板1の分断面を僅かに離間させる。図10(e)に示す工程では、その離間された空隙13に、カッターナイフ11の先端を基板1の外周の一端側から基板1の分割面に沿って挿入することで、配線パターンを構成する各配線2を、スクライブラインの一端側から他端側に向かって順次に切断する。この工程によれば、基板1上の配線2を押さえる押さえ板5を有する押さえ機構の構成を簡素化することができる。
以上、上述した種々の実施形態では、2つに分断された各基板1における分割箇所の間隔を制御した状態で配線の分断工程を行っている。このように各基板1の分断面の間隔を制御することで、配線2が分断される前に、配線2と基板1との間に、配線2を基板1上から引き剥がす力が印加されることが抑制されている。
また、上述した各実施形態では、押さえ板5、裏面固定台A7、裏面固定台B8が、配線2を分断する工程を行うための治具である。また、押さえ板5、裏面固定台A7、裏面固定台B8は、基板1を分断する工程を行うための治具でもある。
基板1を分断する工程を行うための治具を取り外す前、例えば、押さえ板5、裏面固定台A7、裏面固定台B8のように複数の治具を用いる場合はそれら全ての治具を取り外す前に、配線2を分断する工程を行う。このことは、基板1からの配線2の剥離を抑制する上で有効である。
(第3の実施形態)
第1の実施形態、第2の実施形態では、デバイスの分断にあたって、配線をせん断によって分断する構成を示した。これ以外の構成も可能である。具体的には、デバイスの分断位置において配線を除去する構成である。配線を除去する方法としては公知のウェットエッチングやドライエッチングを採用することができる。
第1の実施形態、第2の実施形態では、デバイスの分断にあたって、配線をせん断によって分断する構成を示した。これ以外の構成も可能である。具体的には、デバイスの分断位置において配線を除去する構成である。配線を除去する方法としては公知のウェットエッチングやドライエッチングを採用することができる。
まず、後の工程で基板にクラックを生じさせる箇所を含む領域に位置している配線を、ウェットエッチングもしくはドライエッチングによって除去する。次に、基板を分断する処理を行う。配線は前の工程で好適には第1の実施形態、第2の実施形態と同様に基板に対してクラックを発生させる処理を行えばよい。クラックは、配線を除去した領域内で生じさせる。
その後必要に応じてブレイク工程を行うことでデバイスの分断を完了させる。なおここでは配線の一部を除去する構成について述べたが、配線の一部を除去するのではなく、配線の一部の厚さを薄くする処理でもよい。配線の厚さを薄くしておくことで、その後の基板の分断を行う工程によって、薄くなっている配線の分断を行うことができる。
1 脆性材料基板
2 配線
3 垂直クラック
4 カッターホイール
5 押さえ板
5a 鋭角な稜部
7 裏面固定台A
8 裏面固定台B
9 間隙
10 支点
2 配線
3 垂直クラック
4 カッターホイール
5 押さえ板
5a 鋭角な稜部
7 裏面固定台A
8 裏面固定台B
9 間隙
10 支点
Claims (17)
- 配線と、該配線と電気的に接続される表示素子とを有する画像表示装置の製造方法であって、
前記配線と、該配線を保持する基板とを有するデバイスを分断する工程を有し、
前記工程は、前記基板にクラックを発生させる工程と、前記配線をせん断する工程とを有する画像表示装置の製造方法。 - 配線と、該配線と電気的に接続される表示素子とを有する画像表示装置の製造方法であって、
前記配線と、該配線を保持する基板とを有するデバイスを分断する工程を有し、
前記工程は、分断を行う位置の前記配線を処理して薄くするかもしくは除去する工程と、分断を行う位置において前記基板にクラックを発生させる工程とを有する画像表示装置の製造方法。 - 配線と、該配線と電気的に接続される表示素子とを有する画像表示装置の製造方法であって、
前記配線と、該配線を保持する基板とを有するデバイスを所定の分断位置において分断する工程を有し、
前記工程は、前記分断位置において前記基板の分断を行う工程と、前記分断位置において前記配線の分断を行う工程とを有しており、
前記配線の分断を行う工程は、前記基板の分断を行う工程とは異なる方法により行う画像表示装置の製造方法。 - 前記基板の分断を行う方法は、前記基板にクラックを発生させる工程を有する請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記配線の分断は、前記基板の分断の後に行う請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記配線の分断は、分断された前記基板の分割箇所の間隔を制御した状態で行う請求項5に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記配線の分断は、前記基板の厚さ方向の成分を有する力を前記配線に作用させることにより行う請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記配線の分断は、前記配線と前記基板との間に互いに押圧させる力を加えた状態で行う請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記クラックを発生させる工程は、前記クラックを発生させるための刃を前記基板の前記配線が保持されている面とは反対側の面に接触させながら、前記クラックが前記デバイスを分断する位置に沿って順次に発生するように前記刃と前記基板とを相対的に移動させる工程を有する請求項1、2、4のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記クラックを発生させる工程において、前記基板の前記配線が保持されている面とは反対側の面にレーザ光を照射することでクラックを発生させる請求項1、2、4のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記基板はガラス基板である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記配線は、めっきで形成されている請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記配線は、スパッタリングによって形成された配線である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記配線は、前記分断位置における厚さが1μm以上である請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記配線は、Cu,Al、Au、Ag、Pt、Cr、Ni、Pdのいずれかを含む請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記分断した後のデバイスを用いて前記画像表示装置を組み立てる工程を有する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 配線と、該配線を保持する基板とを有するデバイスを所定の分断位置において分断する分断方法であって、
前記分断位置における前記基板の分断と、前記分断位置における前記配線の分断とを互いに異なる方法により行う分断方法。
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