JP2008001957A - ガスフロースパッタリング成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスフロースパッタリングによる高速成膜におけるアーキングなどの異常放電の発生を抑制して、欠陥のない高品質の薄膜を安定に成膜する。
【解決手段】ガスフロースパッタリング装置による成膜方法において、該ガスフロースパッタリング装置の電源としてパルス電源20を用いてパルススパッタリングを行う。ガスフロースパッタリング装置において、DC電源に代えてパルス電源20を用いることにより、好ましくは対向して設置されている2枚のターゲットに対して、片方がカソードとして放電している時に、もう一方はアノードとして作用するように交互に電力を印加するデュアルカソードパルススパッタリングを行うことにより、広い範囲で安定して放電が可能となり、更なる高速成膜が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】ガスフロースパッタリング装置による成膜方法において、該ガスフロースパッタリング装置の電源としてパルス電源20を用いてパルススパッタリングを行う。ガスフロースパッタリング装置において、DC電源に代えてパルス電源20を用いることにより、好ましくは対向して設置されている2枚のターゲットに対して、片方がカソードとして放電している時に、もう一方はアノードとして作用するように交互に電力を印加するデュアルカソードパルススパッタリングを行うことにより、広い範囲で安定して放電が可能となり、更なる高速成膜が可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガスフロースパッタリングによる高速成膜において、アーキングなどの異常放電の発生を抑制して放電を安定化させるガスフロースパッタリング成膜方法に関する。
本発明はまた、このようなガスフロースパッタリング成膜方法により成膜された光触媒膜、反射防止膜、エレクトロクロミック素子、透明導電膜に関する。
金属化合物膜の成膜方法として、スパッタリングが周知であるが、プレーナー型マグネトロンスパッタ法等の通常のスパッタ法は、均一成膜が可能である反面、成膜速度が遅く、真空チャンバー内を高真空状態に排気するために大掛かりな排気装置が不可欠であるため、高額な設備を必要とするという欠点がある。
これに対して、ガスフロースパッタリング法が知られており、本出願人は先に、ガスフロースパッタリング法を、固体高分子型燃料電池用電極の触媒層や、色素増感型太陽電池用半導体電極層の形成に応用する技術を提案している(特許文献1〜3)。また、ガスフロースパッタリング法により成膜された反射防止膜、光触媒膜や、ガスフロースパッタリング法により成膜された薄膜を含むエレクトロクロミック素子を提案している(特許文献4〜6)。
図2は、一般的なガスフロースパッタ装置の概略的な構成を示す模式図である。
このガスフロースパッタ装置では、スパッタガス導入口11からチャンバー20内にアルゴン等の希ガス等を導入し、DC電源12に接続されたアノード13及びカソードとなるターゲット15A,15B間での放電で発生したプラズマによりターゲット15A,15Bをスパッタリングし、はじき飛ばされたスパッタ粒子をアルゴン等の希ガス等の強制流にて基板(又は基材)16まで輸送し堆積させる。なお、基板16は、ホルダー17に支持されており、基板16の近傍には、反応性ガスの導入口18が配置されており、反応性スパッタリングを行うことが可能である。14A,14Bは水冷バッキングプレートである。
ガスフロースパッタリング法は、比較的高い圧力下でスパッタリングを行い、スパッタ粒子をガスの強制流により成膜対象基板まで輸送して堆積させる方法である。このガスフロースパッタリング法は、高真空排気が不要であることから、従来の通常のスパッタ法のような大掛かりな排気装置を用いることなく、メカニカルなポンプ排気で成膜することが可能であり、従って、安価な設備で実施できる。しかも、ガスフロースパッタリング法は、通常のスパッタ法の10〜1000倍の高速成膜が可能である。従って、ガスフロースパッタリング法によれば、設備費の低減、成膜時間の短縮により、成膜コストを低減することが可能となる。
なお、従来のガスフロースパッタリング法は、電源として図3(a)に示すタイムチャートで電圧印加を行う直流(DC)電源12を用いている。
特開2006−130378号公報
特開2006−134602号公報
特願2004−319598号
特願2006−007590号
特願2006−053102号
特願2006−007589号
ガスフロースパッタリング法により金属酸化物や窒化物、あるいは酸窒化物薄膜を成膜する場合には、動作ガスとして導入するアルゴン(Ar)ガスに加えて、酸素(O2)や窒素(N2)の反応性ガスをターゲットと基板との間に導入する必要がある。ガスフロースパッタリング法では、高圧で大流量のArガスを導入することにより、酸素や窒素といった反応性ガスがターゲット表面に拡散して酸化物や窒化物層を形成するのを防ぎ、これによりアーキングが生じにくく、またメタルモードでのスパッタリングを実現して高速成膜を可能としている。
しかしながら、更なる高速成膜を目的として投入電力を増大した場合や、反応性ガスの導入量を増大した場合にはアーキングが生じやすくなり、放電が不安定になったり、アーキングによる薄膜の欠陥が生じたり、著しい場合には放電を維持することが困難となり、プロセスが停止してしまったりする。
本発明は上記従来の問題点を解決し、ガスフロースパッタリングによる高速成膜におけるアーキングなどの異常放電の発生を抑制して、欠陥のない高品質の薄膜を安定に成膜するガスフロースパッタリング成膜方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、このようなガスフロースパッタリング成膜方法により高速成膜された光触媒膜、反射防止膜、エレクトロクロミック素子、透明導電膜を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ガスフロースパッタリング装置において、DC電源に代えてパルス電源を用いてパルススパッタリングを行うことにより、好ましくは対向して設置されている2枚のターゲットに対して、片方がカソードとして放電している時に、もう一方はアノードとして作用するように交互に電力を印加するデュアルカソードパルススパッタリングを行うことにより、広い範囲で安定して放電が可能となり、更なる高速成膜が可能となることを見出した。
本発明はこのような知見をもとに達成されたものであり、以下を要旨とする。
(1) ガスフロースパッタリング装置による成膜方法において、該ガスフロースパッタリング装置の電源としてパルス電源を用いてパルススパッタリングを行うことを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(2) (1)において、パルス電源の周波数が1〜400kHzであることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(3) (1)又は(2)において、成膜時間におけるパルスの印加時間の割合が60〜95%であることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(4) (1)〜(3)において、ガスフロースパッタリング装置の2枚のターゲットに対して、一方がカソードとして放電しているときに、他方がアノードとして作用するように交互に電力を印加するデュアルパルスカソードスパッタリングを行うことを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(5) (4)において、デュアルパルスカソードスパッタリングにおけるパルスの周波数が1〜200kHzであることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(6) (4)又は(5)において、成膜時間における各ターゲットのパルス印加時間の割合が、それぞれ40〜50%であることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(7) (1)〜(6)のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする光触媒膜。
(8) (1)〜(6)のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする反射防止膜。
(9) (1)〜(6)のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜された薄膜を含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
(10) (1)〜(6)のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする透明導電膜。
(1) ガスフロースパッタリング装置による成膜方法において、該ガスフロースパッタリング装置の電源としてパルス電源を用いてパルススパッタリングを行うことを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(2) (1)において、パルス電源の周波数が1〜400kHzであることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(3) (1)又は(2)において、成膜時間におけるパルスの印加時間の割合が60〜95%であることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(4) (1)〜(3)において、ガスフロースパッタリング装置の2枚のターゲットに対して、一方がカソードとして放電しているときに、他方がアノードとして作用するように交互に電力を印加するデュアルパルスカソードスパッタリングを行うことを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(5) (4)において、デュアルパルスカソードスパッタリングにおけるパルスの周波数が1〜200kHzであることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(6) (4)又は(5)において、成膜時間における各ターゲットのパルス印加時間の割合が、それぞれ40〜50%であることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
(7) (1)〜(6)のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする光触媒膜。
(8) (1)〜(6)のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする反射防止膜。
(9) (1)〜(6)のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜された薄膜を含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
(10) (1)〜(6)のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする透明導電膜。
本発明では、従来のDC電源にかえてパルス電源を用い、一定の周波数で、所定時間ごとに電力印加を停止し、ターゲット表面のチャージをクリーニングするパルススパッタリングを行うことにより、高速成膜におけるアーキングなどの異常放電の発生を抑制して広い範囲で安定した放電を可能とする。特に、対向して設置されている2枚のターゲットに対して、片方がカソードとして放電している時に、もう一方はアノードとして作用するように交互に電力を印加するデュアルカソードパルススパッタリングとすることにより、より広い範囲で安定した放電が可能となり、更なる高速成膜が可能となる。
本発明によれば、投入電力を増した場合や、反応性ガス量を増大した場合でも、安定に放電できる領域が拡大し、安定・高速成膜が可能となる。
本発明は、ガスフロースパッタリング法にて成膜するあらゆる材料に適用可能であり、特に光触媒膜、反射防止膜、エレクトロクロミック素子、透明導電膜などの分野において、薄膜の品質向上、高速成膜によるコスト低減などを有効に達成することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[ガスフロースパッタリング成膜方法]
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係るガスフロースパッタリング成膜方法について説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係るガスフロースパッタリング成膜方法について説明する。
図1は、本発明の実施に好適なガスフロースパッタ装置の概略的な構成を示す模式図である。
このガスフロースパッタリング装置は、電源としてDC電源に代えてパルス電源20を用いたこと以外は、図2に示す従来のガスフロースパッタリング装置と同様に構成されており、図2に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
このガスフロースパッタ装置では、図2に示すガスフロースパッタリング装置と同様に、スパッタガス導入口11からチャンバー20内にアルゴン等の希ガス等を導入し、パルス電源20に接続されたアノード13及びカソードとなるターゲット15A,15B間での放電で発生したプラズマによりターゲット15A,15Bをスパッタリングし、はじき飛ばされたスパッタ粒子をアルゴン等の希ガス等の強制流にて基板(又は基材)16まで輸送し堆積させるが、電源として、図3(b)に示すような電圧印加を行うパルス電源20を用いたことで、一定の周波数、時間ごとに電力印加が停止され、ターゲット15A,15B表面のチャージをクリーニングすることができるため、アーキングなどの異常放電の発生を抑制することができる。
このようなパルス電源20を用いるパルススパッタリング法におけるパルスの周波数は好ましくは1〜400kHz、更に好ましくは20〜350kHzである。パルスの周波数が1kHz未満ではパルススパッタリングを行うことによるアーキング抑制効果が低く、400kHzを超えてもそれ以上の効果が得られない。
また、成膜時間におけるパルスの印加時間の割合、即ち、下記式で算出されるパルスのOnタイムのデューティ比は、アーキング抑制効果が得られる範囲でできるだけ高い値とすることが、高速成膜の観点からは好ましく、60〜95%程度が好ましい。
デューティ比=Onタイム/(Onタイム+OFFタイム) ×100(%)
デューティ比=Onタイム/(Onタイム+OFFタイム) ×100(%)
特に本発明では、パルス電源20として、バイポーラ放電可能なものを用い、対向して設置されている2枚のターゲット15A,15Bに対して、図3(c)に示すような電圧印加を行って、一方のターゲット15Aがカソードとして放電している時に、他方のターゲット15Bはアノードとして作用するように交互に電力を印加し、交互に放電させるデュアルカソードパルススパッタリングを行うことにより、より一層の放電の安定化が可能となり、更なる高速成膜が可能となる。
このようなデュアルカソードパルススパッタリングにおけるパルスの周波数は好ましくは1〜200kHz、更に好ましくは20〜150kHzである。この周波数が1kHz未満ではパルス化によるアーキング抑制効果が低く、200kHzを超えてもそれ以上の効果が得られない。
また、成膜時間における各ターゲットのパルス印加時間の割合、即ち、前述の式で算出される各ターゲットのOnタイムのデューティ比を合計した値は、高速成膜の観点から100%に近い値が好ましく、各ターゲットのデューティ比はそれぞれ40〜50%程度であることが好ましい。
このような本発明のガスフロースパッタリング成膜方法は、金属の酸化物、窒化物、又は酸窒化物よりなる薄膜の成膜に有効であり、また、このような薄膜よりなる光触媒膜、反射防止膜、透明導電膜やこのような薄膜を含むエレクトロクロミック素子の製造に有効である。
以下に、本発明のガスフロースパッタリング成膜方法により製造される光触媒膜、反射防止膜、エレクトロクロミック素子、透明導電膜について説明する。
[光触媒膜]
本発明のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜される光触媒膜としては、酸化チタン薄膜、酸化亜鉛薄膜、酸化タングステン薄膜等が挙げられる。このうち、酸化チタン薄膜の成膜は、金属Tiをターゲットとし、酸素ガスを導入しながら行う反応性スパッタリングであっても良く、また、導電性のTiOy(ただし、y=1.6〜1.95)を用い、酸素ガスを導入しながら行う反応性スパッタリングであっても良い。
本発明のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜される光触媒膜としては、酸化チタン薄膜、酸化亜鉛薄膜、酸化タングステン薄膜等が挙げられる。このうち、酸化チタン薄膜の成膜は、金属Tiをターゲットとし、酸素ガスを導入しながら行う反応性スパッタリングであっても良く、また、導電性のTiOy(ただし、y=1.6〜1.95)を用い、酸素ガスを導入しながら行う反応性スパッタリングであっても良い。
ガスフロースパッタリングによれば、アズデポジッションで良好な光触媒活性を有する酸化チタン薄膜を高速成膜することができるため、成膜時の基材加熱は不要であるが、必要に応じて基材加熱を行っても良い。基材加熱を行う場合、基材としては耐熱性基材が用いられ、例えば、ガラス板、金属板、金属箔、又はセラミックス板等を用いることができる。ここで、金属板、金属箔の金属としては、Al,Cu,Au,Fe,Ni等、或いはこれらを含む合金(例えばSUS)等が挙げられる。また、セラミックスとしてはジルコニア、アルミナ、イットリア、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。
成膜時に基材加熱を行う場合、その加熱温度は、基材の耐熱性よりも低い温度であれば良く、特に制限はないが、通常200〜600℃である。
また、成膜時に基材を加熱しない場合、基材としては、上述の耐熱性基材の他、高分子フィルム、プラスチックレンズ等のプラスチック基材、自動車用などの曲がりガラス、紙、織布、不織布などの耐熱性の低い基材も用いることができる。
非加熱基材で成膜された薄膜は、通常、アズデポジッションではアモルファス薄膜であり、加熱基材で成膜された薄膜は加熱温度によりアモルファス薄膜(200℃以下の低温の場合)である場合と、結晶性薄膜である場合とがある。
本発明では、非加熱基材上のアズデポジッションのアモルファス薄膜であっても、良好な光触媒活性を示す酸化チタン薄膜を成膜することができる。
なお、成膜に用いる基材には、必要に応じて珪素(Si)の酸化物、窒化物、酸窒化物等の下地層を形成しても良い。
ガスフロースパッタリング時の成膜圧力は、高過ぎると成膜速度が低下し、またアークが起きやすく不安定になり、低過ぎると放電電圧が高くなり、放電維持が困難であることから、5〜200Pa、特に10〜120Paであることが好ましい。
その他のガスフロースパッタリング条件、例えば酸素ガス流量やアルゴンガス流量、投入電力、ターゲット基材間距離等は装置型式により異なるため、一概に数値を挙げることはできないが、図1のような型式の装置であれば、通常
電力密度:1〜25W/cm2
アルゴンガス流量:0.5〜30SLM
酸素ガス流量:0〜120sccm
ターゲット基材間距離:5〜15cm
といった条件を採用することができる。
電力密度:1〜25W/cm2
アルゴンガス流量:0.5〜30SLM
酸素ガス流量:0〜120sccm
ターゲット基材間距離:5〜15cm
といった条件を採用することができる。
ここで、高い成膜速度と放電安定性、形成される酸化チタン薄膜の光触媒活性に応じて、これらの条件を設定する。
本発明によれば成膜速度90nm/min以上、例えば90〜120nm/minの高速成膜が可能である。なお、ここで成膜速度とは1分間に成長する膜の厚みの値である。
また、ガスフロースパッタリング成膜によれば、酸素欠陥が極めて少ない、化学量論比に近い酸化チタンが形成可能であることから、本発明によれば、TiOxでxが2又は2に近い酸化チタン薄膜を成膜することができる。
本発明によれば、ガスフロースパッタリングによる成膜で、アズデポジッションの状態で良好な光触媒活性を示す酸化チタン薄膜を成膜することができることから、成膜された薄膜の焼成は必ずしも必要とされないが、これを焼成することにより、より一層光触媒活性を高めることができる。
この場合、基材としては前述の耐熱性の基材を用い、焼成条件は200〜500℃で0.2〜2時間であることが好ましい。この範囲より焼成温度が高過ぎると結晶相にルチル相が出現し活性が低下し、低過ぎると焼成を行ったことによるアナターゼの結晶化による光触媒活性の向上効果を十分に得ることができない。
このような本発明の光触媒酸化チタン薄膜は、その優れた光触媒活性に基く有機物分解や超親水性などの機能により、脱臭、水浄化、防汚、セルフクリーニング(自己浄化)、抗菌、抗ウィルス、抗カビ、殺菌など様々な分野への適用が可能である。
[反射防止膜]
反射防止膜としては、後述の高屈折率透明膜と低屈折率透明膜との積層膜よりなるものが挙げられ、このような反射防止膜を構成する高屈折率透明膜、及び低屈折率透明膜のいずれか1層又は2層以上がガスフロースパッタリング法により成膜される。
反射防止膜としては、後述の高屈折率透明膜と低屈折率透明膜との積層膜よりなるものが挙げられ、このような反射防止膜を構成する高屈折率透明膜、及び低屈折率透明膜のいずれか1層又は2層以上がガスフロースパッタリング法により成膜される。
以下に各層の成膜方法、成膜条件等について説明する。
<高屈折率透明膜>
高屈折率透明膜をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Ti、Nb、Ta、In、Sn、ITO(SnドープIn2O3)、InSn合金、Zn、AZO(AlドープZnO)、GZO(GaドープZnO)、ZnAl合金、ZnGa合金、及びZrよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、チャンバの大きさやターゲットサイズより異なるが、以下のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
高屈折率透明膜をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Ti、Nb、Ta、In、Sn、ITO(SnドープIn2O3)、InSn合金、Zn、AZO(AlドープZnO)、GZO(GaドープZnO)、ZnAl合金、ZnGa合金、及びZrよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、チャンバの大きさやターゲットサイズより異なるが、以下のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、高屈折率透明膜はITO(スズインジウム酸化物)、ZnO、AlをドープしたZnO、TiO2、SnO2、In2O3、Nb2O5、Ta2O5、GaドープZnO、TiN、ZrO等の屈折率1.8以上の高屈折率材料が用いられ、その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜150nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
<低屈折率透明膜>
低屈折率透明膜をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Si、及び/又はAlを用い、チャンバの大きさやターゲットサイズより異なるが、以下のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜35W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
低屈折率透明膜をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Si、及び/又はAlを用い、チャンバの大きさやターゲットサイズより異なるが、以下のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜35W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、低屈折率透明膜は、SiO2、MgF2、Si3N4、Al2O3等の、屈折率が1.6以下の低屈折率材料が用いられ、その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜300nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
特に、この低屈折率透明膜の成膜にあたり、投入電力を増大し、成膜圧力を高めることで150〜300nm・m/minの動的成膜速度の高い成膜速度で空隙を形成し、形成される低屈折率透明膜のより一層の低屈折率化を図ることができる。
なお、上記各層のガスフロースパッタリング法による成膜に当たり、2種類以上のターゲットを用いて複合酸化物層を形成することも可能である。また、各層を2種以上の材料の多層膜とすることもできる。
[エレクトロクロミック素子]
エレクトロクロミック素子としては、基板上に、第1の導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層、及び第2の導電膜がこの順或いは逆順で積層されてなる積層膜を有するものが挙げられ、本発明においては、ガスフロースパッタ法により、エレクトロクロミック素子を構成する酸化発色層、電解層、還元発色層及び導電膜のうちのいずれか1層又は2層以上がガスフロースパッタリング法により成膜される。
エレクトロクロミック素子としては、基板上に、第1の導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層、及び第2の導電膜がこの順或いは逆順で積層されてなる積層膜を有するものが挙げられ、本発明においては、ガスフロースパッタ法により、エレクトロクロミック素子を構成する酸化発色層、電解層、還元発色層及び導電膜のうちのいずれか1層又は2層以上がガスフロースパッタリング法により成膜される。
以下に各層の成膜方法、成膜条件等について説明する。
<透明導電膜>
透明導電膜をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、ITO(SnドープIn2O3)、IZO(InドープZnO)、AZO(AlドープZnO)、GZO(GaドープZnO)、InSn合金、InZn合金、ZnAl合金、及びZnGa合金よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
透明導電膜をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、ITO(SnドープIn2O3)、IZO(InドープZnO)、AZO(AlドープZnO)、GZO(GaドープZnO)、InSn合金、InZn合金、ZnAl合金、及びZnGa合金よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、透明導電膜はITO、IZO、AZO、GZO等により、必要な抵抗値によるが、10〜500nm程度の厚さに形成される。その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜150nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
<酸化発色層>
酸化発色層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Ni、及び/又はIrを用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
酸化発色層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Ni、及び/又はIrを用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、酸化発色層はNiO、IrOx等により、50〜750nm程度の厚さに形成される。その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜150nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
<還元発色層>
還元発色層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、W、M、及びVよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
還元発色層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、W、M、及びVよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、還元発色層はWO3、MoO3、VO等により、100〜1000nm程度の厚さに形成される。その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜150nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
<電解層>
固体電解層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Ta、Nb、Cr、Si、V、Zr、Hf、及びMgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜35W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
固体電解層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Ta、Nb、Cr、Si、V、Zr、Hf、及びMgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜35W/cm2
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、電解層は、Ta2O5、Cr2O5、Mb2O5、SiO2等により、200〜3000nm程度の厚さに形成される。その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜300nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
なお、上記各層のガスフロースパッタリング法による成膜に当たり、2種類以上のターゲットを用いて複合酸化物層を形成することも可能である。また、各層を2種以上の材料の多層膜とすることもできる。
電解層として液体電解層を形成する場合、電解液としては例えば、プロピレンカーボネート(PC)に過塩素酸リチウム(LiClO4)を溶かしたものを用いることができる。また、封止材としては一般的な有機樹脂のシール材が用いられる。
本発明により、固体電解層を有するエレクトロクロミック素子を製造するには、例えば、ガラス基板等の透明基板上に透明導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層及び透明導電膜をガスフロースパッタリング法により成膜すれば良い。或いは、予め透明導電膜が形成された透明基板上に酸化発色層、電解層、還元発色層及び透明導電膜を順次成膜すれば良い。
また、液体電解層を有するエレクトロクロミック素子を製造する場合に、ガラス基板等の透明基板上に透明導電膜及び酸化発色層をガスフロースパッタリング法により成膜した(或いは予め透明導電膜が形成された透明基板にガスフロースパッタリング法により酸化発色層を成膜した)第1の基板と、ガラス基板等の透明基板上に透明導電膜及び還元発色層をガスフロースパッタリング法により成膜した(或いは予め透明導電膜が形成された透明基板にガスフロースパッタリング法により還元発色層を成膜した)第2の基板とを、各々成膜面側を対向させて配置して、電解液を注入して封止材により封止すれば良い。
なお、以上の説明では、透明基板上に透明導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層及び透明導電膜を有するエレクトロクロミック素子を、透明基板にこれらの層を順次積層成膜して製造する方法を示したが、本発明のエレクトロクロミック素子は、これに限らず、透明基板上に透明導電膜、還元発色層、電解層、酸化発色層及び透明導電膜を有するエレクトロクロミック素子であっても良く、この場合には透明基板上にこの順で各層を積層成膜すれば良い。また、導電膜の一方が透明でなく金属膜等の不透明導電膜であっても良い。
[透明導電膜]
透明導電膜としては、エレクトロクロミック素子に形成される透明導電膜が挙げられ、その膜厚は、用途に応じて様々であるが、その成膜方法や成膜条件は、前述のエレクトロクロミック素子の項で説明した通りである。
透明導電膜としては、エレクトロクロミック素子に形成される透明導電膜が挙げられ、その膜厚は、用途に応じて様々であるが、その成膜方法や成膜条件は、前述のエレクトロクロミック素子の項で説明した通りである。
このような透明導電膜は、電磁波シールド材をはじめとして、幅広い用途に応用可能である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
比較例1
電源としてDC電源を用いた図2に示すガスフロースパッタ装置を用い、それぞれのターゲット15A,15BにTiメタル(純度99.95%)を、また、チャンバー内に基板16としてアルカリフリーガラスをセットし、荒引きポンプ(ロータリー+メカニカルブースター)で1×10−1Paまで排気した後、反応性ガス流量の多い以下の条件にて酸化チタン薄膜を5分間成膜した。この成膜中のアーキングの回数(アーク頻度)を計測した。また、成膜された酸化チタン薄膜の膜厚を触針式段差計にて計測して成膜速度を算出した。これらの結果を表1に示した。
電源としてDC電源を用いた図2に示すガスフロースパッタ装置を用い、それぞれのターゲット15A,15BにTiメタル(純度99.95%)を、また、チャンバー内に基板16としてアルカリフリーガラスをセットし、荒引きポンプ(ロータリー+メカニカルブースター)で1×10−1Paまで排気した後、反応性ガス流量の多い以下の条件にて酸化チタン薄膜を5分間成膜した。この成膜中のアーキングの回数(アーク頻度)を計測した。また、成膜された酸化チタン薄膜の膜厚を触針式段差計にて計測して成膜速度を算出した。これらの結果を表1に示した。
<成膜条件>
・ターゲット寸法:80mm×160mm×6mmt
・カソード形状:平行平板対向型(上記ターゲットを2枚使用、距離30mm)
・基板位置:カソード端部と基板との距離105mm
・成膜圧力:45Pa
・Arガス流量:3SLM
・酸素ガス流量:50sccm
・投入電力:3kW(カソード2つの合計)
・投入電力密度:11.7W/cm2
・成膜時間:5分
・ターゲット寸法:80mm×160mm×6mmt
・カソード形状:平行平板対向型(上記ターゲットを2枚使用、距離30mm)
・基板位置:カソード端部と基板との距離105mm
・成膜圧力:45Pa
・Arガス流量:3SLM
・酸素ガス流量:50sccm
・投入電力:3kW(カソード2つの合計)
・投入電力密度:11.7W/cm2
・成膜時間:5分
実施例1
比較例1において、電源をパルス電源に変更し、図1に示す装置でパルススパッタリングを行ったこと以外は同一の条件で成膜を行い、アーク頻度と成膜速度を表1に示した。なお、パルス周波数は100kHzで、デューティ比80%の条件とした。
比較例1において、電源をパルス電源に変更し、図1に示す装置でパルススパッタリングを行ったこと以外は同一の条件で成膜を行い、アーク頻度と成膜速度を表1に示した。なお、パルス周波数は100kHzで、デューティ比80%の条件とした。
実施例2
比較例1において、電源をバイポーラ放電可能なパルス電源とし、図1に示す装置でデュアルカソードパルススパッタリングを行ったこと以外は同一の条件で成膜を行い、アーク頻度と成膜速度を表1に示した。なお、電力は各ターゲットに1.5kWずつ印加し合計で3kWとした。また、パルス周波数は50kHzで、デューティ比は各ターゲット45%(合計90%)の条件とした。
比較例1において、電源をバイポーラ放電可能なパルス電源とし、図1に示す装置でデュアルカソードパルススパッタリングを行ったこと以外は同一の条件で成膜を行い、アーク頻度と成膜速度を表1に示した。なお、電力は各ターゲットに1.5kWずつ印加し合計で3kWとした。また、パルス周波数は50kHzで、デューティ比は各ターゲット45%(合計90%)の条件とした。
比較例2
比較例1において、成膜圧力を100Pa、Ar流量を5SLM、酸素流量を更に増大して100sccm、投入電力を5kWと変更した以外は同一の条件で成膜を行ったが、アーキングが発生し、放電の維持が困難であった。
比較例1において、成膜圧力を100Pa、Ar流量を5SLM、酸素流量を更に増大して100sccm、投入電力を5kWと変更した以外は同一の条件で成膜を行ったが、アーキングが発生し、放電の維持が困難であった。
実施例3
比較例2において、電源をパルス電源とし、図1に示す装置でパルススパッタリングを行ったこと以外は同一の条件で成膜を行い、アーク頻度と成膜速度を表1に示した。なお、パルス周波数は100kHzで、デューティ比は80%の条件とした。
比較例2において、電源をパルス電源とし、図1に示す装置でパルススパッタリングを行ったこと以外は同一の条件で成膜を行い、アーク頻度と成膜速度を表1に示した。なお、パルス周波数は100kHzで、デューティ比は80%の条件とした。
実施例4
比較例2において、電源をバイポーラ放電可能なパルス電源とし、図1に示す装置でデュアルカソードパルススパッタリングを行ったこと以外は同一の条件で成膜を行い、アーク頻度と成膜速度を表1に示した。なお、電力は各ターゲットに2.5kWずつ印加し合計で5kWとした。また、パルス周波数は50kHzで、デューティ比は各ターゲット45%(合計90%)の条件とした。
比較例2において、電源をバイポーラ放電可能なパルス電源とし、図1に示す装置でデュアルカソードパルススパッタリングを行ったこと以外は同一の条件で成膜を行い、アーク頻度と成膜速度を表1に示した。なお、電力は各ターゲットに2.5kWずつ印加し合計で5kWとした。また、パルス周波数は50kHzで、デューティ比は各ターゲット45%(合計90%)の条件とした。
表1より次のことが明らかである。
比較例1では酸素流量が比較的多い条件であるためにアーク頻度が高いが、実施例1,2ではこのアークが抑制され安定放電が可能となる。比較例2では電力、酸素流量ともに増大した条件のためアークがひどく、放電維持が困難で成膜することができないが、実施例3,4ではアークが抑制され安定化し、更なる高速成膜が可能であった。
以上のことからガスフロースパッタにおいて、パルススパッタリング、好ましくはデュアルカソードパルススパッタリングを行うことにより、アーク頻度の低減およびより大電力の投入が可能となり、成膜の安定化及び高速化が可能となることが分かる。
12 DC電源
13 アノード
14A,14B バッキングプレート
15A,15B ターゲット
16 基板
20 パルス電源
13 アノード
14A,14B バッキングプレート
15A,15B ターゲット
16 基板
20 パルス電源
Claims (10)
- ガスフロースパッタリング装置による成膜方法において、
該ガスフロースパッタリング装置の電源としてパルス電源を用いてパルススパッタリングを行うことを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。 - 請求項1において、パルス電源の周波数が1〜400kHzであることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
- 請求項1又は2において、成膜時間におけるパルスの印加時間の割合が60〜95%であることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、ガスフロースパッタリング装置の2枚のターゲットに対して、一方がカソードとして放電しているときに、他方がアノードとして作用するように交互に電力を印加するデュアルパルスカソードスパッタリングを行うことを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
- 請求項4において、デュアルパルスカソードスパッタリングにおけるパルスの周波数が1〜200kHzであることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
- 請求項4又は5において、成膜時間における各ターゲットのパルス印加時間の割合が、それぞれ40〜50%であることを特徴とするガスフロースパッタリング成膜方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする光触媒膜。
- 請求項1ないし6のいずれか1項のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1ないし6のいずれか1項のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜された薄膜を含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
- 請求項1ないし6のいずれか1項のガスフロースパッタリング成膜方法により成膜されたことを特徴とする透明導電膜。
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-
2006
- 2006-06-23 JP JP2006174084A patent/JP2008001957A/ja active Pending
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