JP2006144053A - NドープZnO膜の成膜方法。 - Google Patents

NドープZnO膜の成膜方法。 Download PDF

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信吾 大野
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Abstract

【課題】NをドープしたZnO膜を高速かつ安定して成膜する方法を提供する。
【解決手段】カバー26内部におけるターゲット21a,21bの上方に基板1を配置し、ポンプによってカバー26内を真空にした後、アルゴン等の不活性ガス中に酸素及び窒素を含有させた混合ガスをカバー26内に導入する。Znよりなる第1、第2のターゲット21a,21bに、交互にパルスパケット状の電圧を印加する。ターゲット21a,21bのスパッタ時におけるZnの放電の発光波長と発光強度が、PEM31a,31bによって検知される。各ターゲット21a,21bのスパッタ速度が算出され、この算出結果に基づき、各ターゲット21a,21bに付与されるパルス電力、パルス量及びパルス幅、カバー26内に供給する酸素量及び窒素量、並びにカバー内の圧力が制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、NをドープしたZnO膜を成膜する方法に関する。
従来、TiOはn型の酸化物半導体であり、その薄膜や粒子は光触媒や高屈折率を活かした光学フィルムとして用いられている。また、近年では、二酸化チタンを利用した色素増感型太陽電池が、安価でクリーンな太陽電池として注目されている(例えば特開2003−123853号)。
最近、TiOにNbやTaをドープすることによって導電性を付与することが行われている。
従来、金属をドープしたTiO膜をスパッタ法によって成膜する場合、金属をドープしたTiターゲットを用いて反応性ガス(酸素)でスパッタする反応性スパッタ法が用いられている。
ZnOも、ノンドープの状態では、酸素欠損や過剰金属の存在のため、n型の導電性を示す酸化物半導体であることが知られている。
最近、このZnOにNをドープすることによってp型の導電性を付与することが可能であることが示されている。従って、NをドープしたZnOとノンドープのZnOとを用いることにより、pn接合体を得ることができる。このNドープZnO(以下、ZnO:Nと称することがある。)とノンドープZnOとのpn接合体は透明な太陽電池として用いることもできるし、発光ダイオードとして用いることもできる。また、ZnO:N(p型半導体)/ZnO(i層)/ZnO:Al(n型半導体)のpin接合体を太陽電池に用いることもできる。さらに、NドープZnOを金属と接触させたものをショトキー型の太陽電池に用いることもできる。
ノンドープZnO膜を成膜する場合、Znターゲットを用い、酸素含有雰囲気中でスパッタする反応性スパッタ法が一般的に用いられている。また、ZnOターゲットを使用し、RF電源を用いて成膜を行うRFスパッタ法によっても成膜することができる。
特開2003−123853号公報
上記従来の反応性スパッタ法及びRFスパッタ法を用い、酸素及び窒素を含む雰囲気中でNドープZnO膜を成膜しようと試みても、ZnとOとの反応性がZnとNとの反応性に比べて極めて高いことから、優先的にZnとOとの反応が進み、Nが膜中に取り込まれ難い。このため、p型導電性を有するNドープZnO膜を成膜することは困難であった。また、Znターゲットを用いた反応性スパッタ法を行う場合、成膜時に表面が酸化されてしまうため、成膜速度が著しく遅くなり、生産性に乏しいという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決し、NをドープしたZnO膜を高速かつ安定して成膜する方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のNドープZnO膜の成膜方法は、酸素ガス及び窒素ガスを含む雰囲気にて、Znターゲットを用いてスパッタすることにより、NをドープしたZnO膜を成膜する方法において、該ターゲットは複数設けられており、各ターゲットに交互に間欠的な電圧を印加してスパッタを行うことを特徴とするものである。
請求項2のNドープZnO膜の成膜方法は、請求項1において、複数のパルス電圧よりなるパルスパケットを各ターゲットに交互に間欠的に印加することを特徴とするものである。
請求項3のNドープZnO膜の成膜方法は、請求項1又は2において、各ターゲットに間欠的に正の電圧を印加することにより、ターゲットのチャージングを防止することを特徴とするものである。
請求項4のNドープZnO膜の成膜方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、スパッタ時におけるZnの放電の発光波長と発光強度をモニタリングすることを特徴とするものである。
請求項5のNドープZnO膜の成膜方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ターゲットと同数のモニタが設けられ、各ターゲットにおけるZnの放電の発光波長と発光強度を対応するモニタを用いてモニタリングすることを特徴とするものである。
請求項6のNドープZnO膜の成膜方法は、請求項5において、前記モニタリングに基づいて、各ターゲットに付与するパルス電力、パルス量、パルス幅及び成膜時の圧力の少なくとも一つを変化させることにより、成膜される膜中のNのドープ量、酸化数及び成膜される膜の結晶性を制御することを特徴とするものである。
請求項7のNドープZnO膜の成膜方法は、請求項4ないし6のいずれか1項において、前記モニタリングに基づいて酸素供給量を制御することを特徴とするものである。
請求項8のNドープZnO膜の成膜方法は、請求項4ないし7のいずれか1項において、前記モニタリングに基づいて窒素供給量を制御することを特徴とするものである。
請求項9のNドープZnO膜の成膜方法は、請求項1ないし8のいずれか1項において、スパッタ時に基板を加熱することによりNドープZnO膜の結晶性と結晶系を制御することを特徴とするものである。
請求項1のNドープZnO膜の成膜方法にあっては、ターゲットは複数設けられており、各ターゲットに交互に間欠的な電圧を印加するため、大電流をターゲットに流し、安定した高速成膜を行うことができる。
即ち、通常、金属ターゲットを用いて酸素・窒素・アルゴン混合雰囲気中でスパッタをして金属酸窒化物を作製しようとすると、膜中へ窒素が効率的にとりこまれない。この理由は、次の通りである。
まず、スパッタリングによる金属酸窒化物作製は次のようなプロセスで行われる。
(1) ターゲット表面に向かってアルゴンイオンなどが衝突
(2) ターゲット表面から金属粒子がスパッタされて試料表面に飛翔
(3) 試料表面で金属の膜が形成される
(4) 金属と反応性ガスである酸素・窒素と反応、金属酸窒化物が形成される
しかし、金属と酸素との反応性が、金属と窒素との反応性に比べて大幅に高い為に、試料表面での酸化反応が優先的に進んでしまい、窒素が効率的に取り込まれない。
これに対し、本発明にあっては、高速成膜を行うことによって試料表面で酸化反応が優先的に起こる前に新たな金属粒子が飛翔して表面を覆うことができるため、試料表面に吸着している酸素と窒素の両方を膜中に取り込むことができる。
このようなことから、本発明によれば、NドープZnO膜を高速かつ安定に成膜することができる。また、この方法を用いることによって異常放電を大幅に抑制できることから、安定した長時間の放電が可能となり、ダメージの少ない高品質の膜が作製可能となる。
請求項2のNドープZnO膜の成膜方法にあっては、各ターゲットにパルスパケットを印加するため、各ターゲットに単一のパルスを印加するときと比べて一層大電流を流すことができ、安定した高速成膜が可能となる。
請求項3のNドープZnO膜の成膜方法は、ターゲットに間欠的に正の電圧を印加してターゲットのチャージングを防止することにより、各ターゲットにより大電流を流すことができ、安定した高速成膜が可能となる。
請求項4のNドープZnO膜の成膜方法にあっては、スパッタ時におけるZnの放電の発光波長と発光強度をモニタリングすることにより、Znのスパッタ量を常時、正確に認識することができる。従って、このモニタリングの結果に基づいて成膜条件を制御することにより、Nのドープ量及び酸化数が制御されたNドープZnO膜を正確かつ安定的に成膜することができる。
請求項5のNドープZnO膜の成膜方法にあっては、ターゲットと同数のモニタが設けられ、各ターゲットにおけるZnの放電の発光波長と発光強度を対応するモニタを用いてモニタリングするため、各ターゲットの放電状況を個別に認識することができる。
請求項6のNドープZnO膜の成膜方法にあっては、モニタリングに基づいて、各ターゲットに付与するパルス電力、パルス量、パルス幅及び成膜時の圧力の少なくとも一つを変化させることにより、成膜される膜中のNドープ量、酸化数及び成膜される膜の結晶性を精密に制御することができる。
請求項7のNドープZnO膜の成膜方法にあっては、モニタリングに基づいて酸素供給量を制御することにより、酸素供給量を精密に制御することができる。このため、酸化数が精密に制御されたNドープZnO膜を安定して供給することが可能となる。
また、酸素の供給量が過剰になると、ターゲットの表面が完全に酸化され、成膜速度が非常に遅くなる。一方、酸素の導入量が少な過ぎると、ターゲット表面が酸化されずに成膜が行われ、その結果、成膜中の酸素量が不足する。しかし、上記の通り、前記モニタリングに基づいて酸素供給量を制御するため、プラズマ中のZnの密度に基づいて適切な量の酸素を導入することができる。これにより、上記2つの酸素供給量領域の中間領域である「遷移領域」でのスパッタが可能となる。その結果、適切な量の酸素を含有した膜を高速で成膜することができる。
請求項8のNドープZnO膜の成膜方法にあっては、モニタリングに基づいて窒素供給量を制御することにより、窒素供給量を精密に制御することができる。このため、Nドープ量が精密に制御されたNドープZnO膜を安定して供給することが可能となる。
請求項9のようにスパッタ時に基板を加熱することにより、NドープZnO膜の結晶性を制御することができる。また、NドープZnO膜をアモルファス状態とすることもできる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は実施の形態に係るNドープZnO膜をデュアルカソード方式マグネトロンスパッタリング法により成膜する方法を説明するための概略図、図2は図1のターゲット電極に印加する電圧の一例を説明する図である。
図1の通り、支持体20a上に第1のターゲット21aを設けてなるターゲット電極20Aと、その下方に配置された磁石22aとから、第1のスパッタリング部が構成されている。また、支持体20b上に第2のターゲット21bを設けてなるターゲット電極20Bと、その下方に配置された磁石22bとから、第2のスパッタリング部が構成されている。これら第1のスパッタリング部と第2のスパッタリング部とは隣接して設置され、これらのスパッタリング部に、スイッチングユニット24を介して、交流電源25が接続されている。第1のターゲット21a及び第2のターゲット21bはZnよりなっている。
これらターゲット電極20A,20Bはカバー26によって覆われている。カバー26は排気口28を介してポンプ(図示略)に接続されており、ガス導入口27を介してガス供給源(図示略)に接続されている。
カバー26内にコリメータ30a,30bが設けられており、これらコリメータ30a,30bは、それぞれ図示しないフィルタ及び光倍増幅管を介して、プラズマエミッションモニター(以下PEMと称することがある。)31a,31bに接続されている。これらコリメータ30a,30b、フィルタ、光倍増幅管及びPEM31a,31bにより、第1、第2のモニタが構成されている。
PEMは、プラズマの発光をコリメータで集光し、光倍増幅管(PM)で光電変換した電気信号を監視する装置である。PEMはある一定の感度に設定されてプラズマの発光強度をモニタするようになっている。
ターゲット21a,21b用のフィルタとしては、少なくともZnの発光スペクトルの波長213nmや334nmを選択的に通過させることが可能なものが用いられる。
上記装置を用いてNドープZnO膜を成膜する際には、先ずカバー26内部におけるターゲット21a,21bの上方に基板1を配置し、ポンプによってカバー26内を真空にした後、アルゴン等の不活性ガス中に酸素及び窒素を含有させた混合ガスをカバー26内に導入し、カバー26内を所定の圧力とする。
基板1としては、例えばケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスを使用することができる。また、アクリル等の種々のプラスチック基板等を使用することもできる。またPETなどの高分子フィルム基材も用いることができる。さらに、ショットキー型の太陽電池を作製する場合等には、ITOやFTO、ガラス、もしくはITO膜付きのPETフィルムを用いることもできる。基板の厚さは0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス板は、化学的に、或いは熱的に強化させたものが好ましい。
次いで、例えば、図2の通り、ターゲット電極20A,20Bに交互にパルスパケット状の電圧を印加して、グロー放電を形成させる。これにより、ターゲット21a,21bから粒子がスパッタされ、この粒子がターゲット21a,21bの上方の基板1上に付着する。この際、ターゲット21a,21b又はスパッタされた粒子は、酸素ガスによって酸化されると共に窒素ガスによって窒化される。
ターゲット21a,21bのスパッタ時におけるZnの放電の発光波長と発光強度が、コリメータ30a、フィルタ及び光倍増幅管を介して電気信号となり、PEM31a,31bによって検知される。これらの電気信号から第1のターゲット21aのスパッタ速度と第2のターゲット21bのスパッタ速度が算出される。この算出結果に基づき、各ターゲット21a,21bに付与されるパルス電力、パルス量及びパルス幅、カバー26内に導入する酸素量及び窒素量、並びにカバー内の圧力が制御される。
前記パルス電力、パルス量及びパルス幅は、ターゲットの体積、カバー26内の体積、要求される成膜速度等によって異なるが、例えばパルス電力は1kW〜20kW、パルス量は5%〜50%、パルス幅は0.1〜500msecの範囲内で制御される。パルス電力が50kW以上であると異常放電が発生し、組成が精密に制御されたNドープZnO膜を安定して成膜することができず、一方、パルス電力が500W以下であると成膜速度が遅くなる。パルス量が90%以上であると連続放電となってしまい、一方、1%以下であると、成膜速度が遅くなる。
前記酸素供給量は、例えば1〜50sccm程度である。酸素の導入量が過剰になると、ターゲット21a,21bの表面が完全に酸化され、成膜速度が非常に遅くなる。このような酸素の導入量が過剰な領域を「反応性スパッタ領域」と称する。一方、酸素の導入量が少な過ぎると、ターゲット表面が酸化されずに成膜が行われ、その結果、成膜中の酸素量が不足する。このような領域を「金属的スパッタ領域」と称する。本実施の形態では、上記制御により、プラズマ中のZnの密度に基づいて適切な量の酸素が導入される。
前記窒素供給量は、例えば1〜100sccm程度である。窒素の供給量が1sccm以下であると窒素の導入の効果が見られない。300sccm以上であると結晶系がZnNになってしまう。
前記成膜時のカバー26内の圧力は好ましくは0.01〜30Pa特に0.1〜10Paの範囲内で制御される。
基板1上に成膜されたNドープZnO膜が所定厚さとなった後、スパッタを終了し、カバー20内を大気圧にしてNドープZnO膜が積層された基板1を取り出す。
NドープZnO膜中のNの含有量としては、例えば酸素に対して1%〜50%のものが成膜される。また、NドープZnO膜の膜厚としては、例えば5Å〜5μm程度のものが成膜可能である。
本実施の形態に係るNドープZnO膜の成膜方法にあっては、各ターゲット21a,21bに交互に間欠的な電圧を印加するため、大電流をターゲットに流し、安定した高速成膜を行うことができる。前述の通り、このような高速成膜を行うことによって、試料表面で酸化反応が優先的に起こる前に新たな金属粒子が飛翔して表面を覆うことができるため、試料表面に吸着している酸素と窒素の両方を膜中に取り込むことができ、NドープZnO膜を高速かつ確実に成膜することができる。また、この方法を用いることによって異常放電を大幅に抑制できることから、安定した長時間の放電が可能となりダメージの少ない高品質の膜が作製可能となる。
また、各ターゲット21a,21bに単一のパルスを印加してもよいが、図2の通り、各ターゲット21a,21bにパルスパケットを印加することにより、各ターゲット21a,21bに単一のパルスを印加するときと比べて一層大電流を流すことができ、安定した高速成膜が可能となる。
本実施の形態にあっては、スパッタ時におけるZnの放電の発光波長と発光強度をモニタによってモニタリングすることにより、Znのスパッタ量を常時、正確に認識することができる。従って、このモニタリングの結果に基づいて成膜条件を制御することにより、Nのドープ量及び酸化数が制御されたNドープZnO膜を正確かつ安定的に成膜することができる。
本実施の形態にあっては、ターゲット21a,21bと同数(2個)のモニタが設けられ、各ターゲット21a,21bにおけるZnの放電の発光波長と発光強度を対応するモニタを用いてモニタリングするため、各ターゲット21a,21bの放電状況を個別に認識することができる。
本実施の形態にあっては、モニタリングに基づいて、各ターゲット21a,21bに付与するパルス電力、パルス量、パルス幅及び成膜時の圧力を変化させることにより、成膜される膜中のNドープ量、酸化数及び成膜される膜の結晶性を精密に制御することができる。
本実施の形態にあっては、モニタリングに基づいて酸素供給量を制御することにより、酸素供給量を精密に制御することができる。このため、酸化数が精密に制御されたNドープZnO膜を安定して供給することが可能となる。また、適切な量の酸素を供給することにより、「遷移領域」でのスパッタが可能となり、その結果、適切な量の酸素を含有した膜を高速で成膜することができる。
また、従来の流量計を用いた酸素供給量制御でNドープZnO膜を作製した場合、NドープZnO膜の酸化数を安定して制御することは難しい。その理由として、例えば、ターゲットの消耗が進むにつれて成膜レートが変化し、成膜時の酸素流量を初めとするスパッタ条件が変化するからである。本実施の形態では、成膜時に第1,第2のターゲット21a,21bにおけるZnの発光波長と発光量をモニタリングし、プラズマ中のZnの密度からチャンバー内に導入する酸素量を制御するPlasma Emission Monitor Control(PEMコントロール)を用いるため、酸化数が制御されたNドープZnO膜を安定して成膜することが可能となる。
また、モニタリングに基づいて窒素供給量を制御することにより、窒素供給量を精密に制御することができる。このため、Nドープ量が精密に制御されたNドープZnO膜を安定して供給することが可能となる。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、通常ターゲットには負の電圧を印加するが、ターゲットに間欠的に正の電圧を印加してターゲットのチャージングを防止してもよい。この場合、負の電圧によってターゲットに蓄積された荷電が正の電圧により解消されるため、スパッタリング中にターゲットの縁部に酸化物等の絶縁膜が形成することが抑えられる。これにより、各ターゲットにより大電流を流すことができ、安定した高速成膜が可能となる。
また、スパッタ時に基板を加熱することにより、NドープZnO膜の結晶性を制御してもよい。加熱温度は基板の種類によって異なるが、例えば200〜1000℃程度である。また、加熱によりNドープZnO膜をアモルファス状態とすることもできる。
上記実施の形態では、第1のターゲット電極20A及び第2のターゲット電極20Bは各々1個ずつであるが、各々2個以上用いられてもよい。
上記実施の形態では、2つのスパッタリング部に共通のスイッチングユニット24を設置したバイポーラ型デュアルマグネトロンスパッタリング法を用いたが、各スパッタリング部に個別にスイッチングユニットを設置したユニポーラ型デュアルマグネトロンスパッタリング法を用いてもよい。
上記実施の形態に係るNドープZnO膜の成膜方法は、NドープZnO膜とノンドープZnO膜よりなるpn接合体の作製に用いることができる。このpn接合体は、透明な太陽電池として用いることもできるし、発光ダイオードとして用いることもできる。また、上記実施の形態に係るNドープZnO膜の成膜方法を、ZnO:N(p型半導体)/ZnO(i層)/ZnO:Al(n型半導体)のpin接合体の作製に用いることもできる。このpin接合体は、太陽電池に用いることができる。さらに、上記実施の形態に係るNドープZnO膜の成膜方法によって、金属上にNドープZnOを積層したものを、ショトキー型の太陽電池に用いることもできる。
以下、実施例1及び比較例1について説明するが、本発明は実施例1に限定されるものではない。
〈実施例1〉
図1の装置を用いて成膜を行った。第1,2のターゲットとして、Znターゲット(縦999mm×横150mm×厚さ5mm)を用いた。基板にはスライドガラス(縦80mm×横25mm×厚さ1.1mm)を用いた。
先ず、カバー内部に基板を導入し、ポンプによってカバー内を9×10−4Pa以下の真空にした後、70sccmのアルゴン、30sccmの酸素及び30sccmの窒素よりなる混合ガスをカバー26内に導入した。そして、各ターゲット電極に交互にパルス状の電圧を印加することによってNドープZnO膜を作製した。
パルス周波数は50Hz、印加電力は5kW×2ターゲット、パルス量は50%とした。成膜時の圧力は1.0Paとした。
得られた膜の厚さをVeeco社製Dektak 6Mを用いて測定したところ、約500nmであった。成膜時の成膜速度は35nm/minであった。また、得られた膜についてXRD結晶構造解析を行ったところ、ZnOの単層であった。キャリア濃度を、通常のVan der Pauw法ホール測定を用い、室温で求めたところ、移動度が0.9(V sec/cm)、キャリア濃度が2.7×1016(cm−3)であり、キャリアのタイプはp型であった。
〈比較例1〉
実施例1と同一のZnターゲットを1個のみ用い、該ターゲットにDC200Wを印加したことのほかは実施例1と同様にして試料を作製し、実施例1と同様にして、膜厚測定、成膜速度測定、XRD結晶構造解析並びに移動度及びキャリア濃度の測定を行った。
得られた膜の厚さは約500nm、成膜速度は3nm/minであった。また、移動度は0.3(V sec/cm)、キャリア濃度は7.5×1016(cm−3)であり、キャリアのタイプはn型であった。
デュアルカソード方式マグネトロンスパッタリング法を説明するための概略図である。 図1のターゲット電極に印加する電圧の一例を説明する図である。
符号の説明
1 基板
20a,20b 支持体
20A,20B ターゲット電極
21a,21b ターゲット
22a,22b 磁石
24 スイッチングユニット
25 交流電源
26 カバー
27 ガス導入口
28 排気口
30a,30b コリメータ
31a,31b PEM

Claims (9)

  1. 酸素ガス及び窒素ガスを含む雰囲気にて、Znターゲットを用いてスパッタすることにより、NをドープしたZnO膜を成膜する方法において、
    該ターゲットは複数設けられており、各ターゲットに交互に間欠的な電圧を印加してスパッタを行うことを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
  2. 請求項1において、複数のパルス電圧よりなるパルスパケットを各ターゲットに交互に間欠的に印加することを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
  3. 請求項1又は2において、各ターゲットに間欠的に正の電圧を印加することにより、ターゲットのチャージングを防止することを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、スパッタ時におけるZnの放電の発光波長と発光強度をモニタリングすることを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ターゲットと同数のモニタが設けられ、各ターゲットにおけるZnの放電の発光波長と発光強度を対応するモニタを用いてモニタリングすることを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
  6. 請求項5において、前記モニタリングに基づいて、各ターゲットに付与するパルス電力、パルス量、パルス幅及び成膜時の圧力の少なくとも一つを変化させることにより、成膜される膜中のNのドープ量、酸化数及び成膜される膜の結晶性を制御することを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
  7. 請求項4ないし6のいずれか1項において、前記モニタリングに基づいて酸素供給量を制御することを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
  8. 請求項4ないし7のいずれか1項において、前記モニタリングに基づいて窒素供給量を制御することを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、スパッタ時に基板を加熱することによりNドープZnO膜の結晶性と結晶系を制御することを特徴とするNドープZnO膜の成膜方法。
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