以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
先ず最初に、本発明の折り畳みコンテナーの斜視図である図1を用いて全体構成について説明する。
折り畳みコンテナーは、上部フレーム1と、底部2と、上部フレーム1の相対する短辺部1aに、その上端部が枢支された、折り畳みコンテナーの内側方向に回動可能に構成された側壁(以下、この側壁を「はね上げ側壁」という。)3と、上部フレーム1の相対する長辺部1b側に配設された、上下に分割されているとともに互いにヒンジ連結された上部分割側壁4’と下部分割側壁4”とを有している。上部分割側壁4’の上端部は、上部フレーム1の長辺部1bにヒンジ連結されており、また、上部分割側壁4’の下端部と下部分割側壁4”の上端部とは、ヒンジ連結されており、更に、下部分割側壁4”の下端部と底部2の長辺部2aとは、ヒンジ連結されている。
箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーに収納されている物品を取り出したり、或いは、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーに物品を収納するために、少なくとも一方のはね上げ側壁3に開口部を形成するとともに、はね上げ側壁3に、開口部を開閉する後述する扉部材Dを配設し、また、はね上げ側壁3の開口部を形成する下部枠3aと扉部材Dの下端部を2軸構造等のヒンジで連結するとともに、扉部材Dの上部に、後述するロック部材5を配設し、ロック部材5のロック状態を解除しない限り、扉部材Dは前方に倒されて、はね上げ側壁3に形成された開口部が開放されないように構成されている。
図1に示されているように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの略垂直状のはね上げ側壁3を、折り畳みコンテナーの内部方向に回動させて、図3に示されているように、略水平状態とし、次いで、上部分割側壁4’と下部分割側壁4”を連結しているヒンジ部を、折り畳みコンテナーの内部方向に移動させて、上部分割側壁4’と下部分割側壁4”とを、それぞれ、重ねることにより、箱型に組み立てられている折り畳みコンテナーを、高さの低いコンパクトな状態に折り畳むことができるように構成されている。
次に、主として、図4〜図8を用いて、扉部材Dが配設されているはね上げ側壁3について説明する。なお、本実施例においては、相対するはね上げ側壁3のうち、一方のはね上げ側壁3にのみに扉部材Dが配設されている例が示されているので、以下において、単に、はね上げ側壁3という場合には、扉部材Dが配設されているはね上げ側壁3を指すものとする。
はね上げ側壁3は、略方形状の開口部3’が穿設された額縁状に形成されており、はね上げ側壁3は、下部枠3aと、上部枠3bと、下部枠3aと上部枠3bの両端を連結する相対する側枠3cとを有している。また、上部枠3bの下面で、且つ、はね上げ側壁3の裏面(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部側に位置する面)付近、及び、相対する側枠3cの対向面で、且つ、はね上げ側壁3の裏面付近には、正面形状が、略U字状の台座3dが形成されている。台座3dは、上部枠3bに沿った水平部3d1と相対する側枠3cに沿った垂直部3d2とを有している。なお、必要に応じて、下部枠3aに沿って、水平部3d1と同様の水平部を形成することにより、台座3dを略口字状に形成することもできる。
はね上げ側壁3の上部枠3bと相対する側枠3cとの隅部に位置する台座3dには、補強枠3eが形成されている。補強枠3eは、一端が側枠3cに連結されているとともに、上部枠3bに略平行な水平板部3e1と、水平板部3e1の他端から、上部枠3bの中央部方向に向かって上方に傾斜しているとともに、上部枠3bに連結されている傾斜板部3e2とから形成されている。
また、はね上げ側壁3に形成されている台座3dの相対する垂直部3d2の外面(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの外部側に位置する面)の中央部付近には、嵌合ブロック部材3fが形成されている。嵌合ブロック部材3fは、はね上げ側壁3の側枠3cに略垂直で、側枠3cにその一端が連結されている連結リブ3f1と、連結リブ3f1の他端に、その略中央部が連結されているとともに、側枠3cに沿って延在するブロック状の嵌合部3f2とから構成されており、連結リブ3f1の高さ(台座3dの垂直部3d2の外面からの距離)は、嵌合部3f2の高さ(台座3dの垂直部3d2の外面からの距離)より低く構成されている。
更に、はね上げ側壁3に形成されている台座3dの垂直部3d2と側枠3cとの隅部には、係止枠部材3gが形成されている。係止枠部材3gは、台座3dの垂直部3d2と側枠3cに連結された板状の水平部3g1と水平部3g1の先端部付近から下方に垂設された板状の垂直部3g2とから構成されており、係止枠部材3gには、側枠3cの側面、係止枠部材3gを構成する水平部3g1と垂直部3g2及び台座3dの垂直部3d2とにより形成される、下方とはね上げ側壁3の中央部方向が開放された係止凹部3g3が形成されている。また、垂直部3g2の外面下端部には、上方から下方に向かって、台座3dの垂直部3d2に傾斜したガイド傾斜面3g2’が形成されている。
更にまた、上述した係止枠部材3gの上方に位置する台座3dの相対する垂直部3d2の外面には、嵌合突部3hが形成されている。
なお更に、はね上げ側壁3の相対する側枠3cには、台座3dに略垂直な帯状の最外垂直リブ3c1が形成されているとともに、最外垂直リブ3c1に隣接して、且つ、最外垂直リブ3c1に平行に帯状の内側垂直リブ3c2が形成されている。また、最外垂直リブ3c1と内側垂直リブ3c2とは、所定の間隔を置いて形成された水平区画リブ3c3により区画されており、最外垂直リブ3c1と内側垂直リブ3c2と水平区画リブ3c3とにより、少なくとも、外側に開口部を有する区画室3c4が形成されている。
上部分割側壁4’の内面(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部側に位置する面)の下部或いは中央部付近で、且つ、両端垂直面4a’付近には、上部分割側壁4’の内面に略垂直な垂直部6a’と、垂直部6a’の先端から、垂直部6a’に垂直で、且つ、上部分割側壁4’の中央部方向に延在する挿入部6b’とからなる上部挿入部材6’が形成されている。同様に、下部分割側壁4”の内面(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部側に位置する面)の上部或いは中央部付近で、且つ、両端垂直面4a”付近には、下部分割側壁4”の内面に略垂直な垂直部6a”と、垂直部6a”の先端から、垂直部6a”に垂直で、且つ、下部分割側壁4”の中央部方向に延在する挿入部6b”とからなる下部挿入部材6”が形成されている。
上述したはね上げ側壁3の相対する側枠3cに形成された区画室3c4のうち、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態において、上部分割側壁4’に形成されている上部挿入部材6’付近に位置する区画室3c4には、上部挿入部材6’の挿入部6b’が挿入されるように構成されており、同様に、下部分割側壁4”に形成されている下部挿入部材6”付近に位置する区画室3c4には、下部挿入部材6”の挿入部6b”が挿入されるように構成されている。このように構成することにより、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの上部分割側壁4’や下部分割側壁4”に、収納された物品等により、内側から負荷が加わった際に、上部分割側壁4’や下部分割側壁4”が、外側に膨出するようなことを防止することができる。なお、上部挿入部材6’の挿入部6b’が挿入される区画室を、上部挿入部材用区画室と称し、図5に示されているように、符号3c4’が付されており、同様に、下部挿入部材6”の挿入部6b”が挿入される区画室を、下部挿入部材用区画室と称し、図5に示されているように、符号3c4”が付されている。
次に、主として、図6及び図9〜図11を用いて、扉部材Dについて説明する。
扉部材Dは、略方形状の板状部d1と、板状部d1の周辺に、板状部d1に略垂直で、且つ、板状部d1の外面(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの外部側に位置する面)d1aに立設された周壁d2とを有している。周壁d2は、上端水平部d2aと下端水平部d2bと相対する端部垂直部d2cとから形成されている。また、上端水平部d2aの下方に位置する板状部d1の外面d1aには、上端水平部d2aと所定の間隔を置いて、第1上部水平リブd3が、相対する端部垂直部d2cを連結するように立設されており、更に、第1上部水平リブd3の下方に位置する板状部d1の外面d1aには、第1上部水平リブd3と所定の間隔を置いて、第2上部水平リブd4が、相対する端部垂直部d2cを連結するように立設されており、更にまた、下端水平部d2bの上方に位置する板状部d1の外面d1aには、下端水平部d2bと所定の間隔を置いて、下部水平リブd5が、相対する端部垂直部d2cを連結するように立設されている。なお更に、相対する端部垂直部d2c付近に位置する板状部d1の外面d1aには、端部垂直部d2cと所定の間隔を置いて、端部側垂直リブd6が、第2上部水平リブd4と下部水平リブd5を連結するように立設されている。
扉部材Dの板状部d1には、板状部d1の外面d1aと上述した第1上部水平リブd3と第2上部水平リブd4と周壁d2の相対する端部垂直部d2cとにより囲まれた、後述するロック部材5が収容される前方が開放されたロック部材収容空間部A1が形成されている。
ロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の外面d1aには、板状部d1の垂直中心線L1、換言すれば、扉部材Dの垂直中心線L1を挟んで、線対称位置に、内側垂直ガイドリブd7が立設されており、内側垂直ガイドリブd7の下端は、第2上部水平リブd4に連接されているとともに、その上端d7aと第1上部水平リブd3との間には、所定の間隙が形成されている。
また、ロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の外面d1aで、且つ、内側垂直ガイドリブd7より、周壁d2の端部垂直部d2c側に位置する板状部d1の外面d1aには、板状部d1の垂直中心線L1を挟んで、線対称位置に、外側垂直ガイドリブd8が立設されている。外側垂直ガイドリブd8の下端は、第2上部水平リブd4に連接されているとともに、その上端d8aと第1上部水平リブd3との間には、所定の間隙が形成されている。また、外側垂直ガイドリブd8の高さ(第2上部水平リブd4の上面から外側垂直ガイドリブd8の上端d8aまでの距離)H1は、内側垂直ガイドリブd7の高さ(第2上部水平リブd4の上面から内側垂直ガイドリブd7の上端d7aまでの距離)H2より、所定高さだけ、低く形成されているとともに、外側垂直ガイドリブd8の奥行幅(板状部d1の外面d1aから外側垂直ガイドリブd8の垂直端d8bまでの距離)W1は、内側垂直ガイドリブd7の奥行幅(板状部d1の外面d1aから内側垂直ガイドリブd7の垂直端d7bまでの距離)W2より、所定幅だけ、広く形成されている。
更に、相対する内側垂直ガイドリブd7の対向面の上部には、係合フックd9が形成されている。係合フックd9は、内側垂直ガイドリブd7の対向面に当接された垂直部d9aと、垂直部d9aの先端から、垂直部d9aに垂直で、且つ、板状部d1の垂直中心線L1方向に延在するフック部d9bとから構成されている。
周壁d2の端部垂直部d2c付近には、第1上部水平リブd3と第2上部水平リブd4とを連結するとともに、板状部d1の外面d1aと所定の間隙をおいて、適当数の垂直な端部ガイドリブd10が形成されている。なお、本実施例には、2本の端部ガイドリブd10が形成されている例が示されている。
上述した端部ガイドリブd10の外側で、且つ、第1上部水平リブd3と第2上部水平リブd4との間に位置する板状部d1を切除することにより、ロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の両端部には、切り欠き部d11が形成されている。
また、ロック部材収容空間部A1内に位置する周壁d2の端部垂直部d2cを水平方向に切断することにより、上部水平切断端面d12が形成されており、また、上部水平切断端面d12の下方に位置する端部垂直部d2cを、その先端から板状部d1の外面d1aに向かって、所定の長さ切断することにより、下部水平切断端面d13が形成されており、更に、下部水平切断端面d13の板状部d1の外面d1a側には、周壁d2の端部垂直部d2cを、第2上部水平リブd4に達するまで切除することにより、角部切り欠き部d14が形成されている。更にまた、上部水平切断端面d12の下端には、端部ガイドリブd10に達する上部水平短リブd15が形成されているとともに、同様に、下部水平切断端面d13の上端には、端部ガイドリブd10に達する下部水平短リブd16が形成されている。そして、上部水平短リブd15と一番外側に位置する端部ガイドリブd10と下部水平短リブd16とにより、凹部d17が形成されている。
扉部材Dを構成する周壁d2の上端水平部d2aの両端部付近には、周壁d2の端部垂直部d2c方向に向かって下方に傾斜した傾斜板部d18aと、傾斜板部d18aの端部から端部垂直部d2cまで延在する水平板部d18bとからなる嵌合段差部d18が形成されている。
扉部材Dを構成する周壁d2の端部垂直部d2cと端部側垂直リブd6との間に位置する板状部d1を、その内面(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部側に位置する面)d1bから外面d1a方向に膨出させることにより、図10や図11等に示されているように、上述したはね上げ側壁3に形成された嵌合ブロック部材3fが嵌合される嵌合ブロック部材用嵌合凹部d19が形成されている。嵌合ブロック部材用嵌合凹部d19は、嵌合ブロック部材3fの嵌合部3f2が収納可能な深さを有する主凹部d19aと、端部垂直部d2cの板状部d1の内面d1b側を溝状に切除することにより形成された嵌合ブロック部材3fの連結リブ3f1が嵌合可能なスリット部d19bとから構成されており、スリット部d19bは、主凹部d19aに連通されているとともに、端部垂直部d2cの外側面d2c’まで達している。
また、上述した扉部材Dを構成する周壁d2の上端水平部d2aの両端部付近に形成された嵌合段差部d18と上部水平短リブd15との間に位置する板状部d1を、その内面d1bから外面d1a方向に膨出させることにより、図10等に示されているように、はね上げ側壁3に形成された嵌合突部3hが嵌合可能な嵌合突部用嵌合凹部d20が形成されている。
なお、図9等において、d21は、必要に応じて、扉部材Dに形成されたロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の外面d1aに突設されたロック部材用ストッパーであり、扉部材Dのロック部材収容空間部A1に配設されたロック部材5が、必要以上に、下降するのを防止する機能を有するものである。本実施例においては、外側垂直ガイドリブd8より、周壁d2の端部垂直部d2c側で、且つ、第2上部水平リブd4寄りに、所定の間隔を置いて、2個のロック部材用ストッパーd21が形成されている。
次に、図12及び図13を用いて、ロック部材5について説明する。
ロック部材5は、横長の本体部5Aを有しており、本体部5Aは、横長板状部5aを有しており、横長板状部5aの上辺には、横長板状部5aに対して略垂直な上部フランジ5bが形成されており、上部フランジ5bは、中央領域に位置し、大部分を占める水平帯状部5b1と、該水平帯状部5b1の両端から下方に傾斜する傾斜部5b2と、該傾斜部5b2の下端に連接された水平段差部5b3とから形成されている。また、横長板状部5aの下辺には、横長板状部5aに対して略垂直な下部フランジ5cが形成されており、下部フランジ5cは、中央領域に位置する下部水平帯状部5c1と、該下部水平帯状部5c1の先端から上方に延在する内側垂直部5c2と、該内側垂直部5c2の上端から水平方向に延在する上部水平帯状部5c3と、該上部水平帯状部5c3の先端から下方に延在する外側垂直部5c4と、該外側垂直部5c4の下端から水平方向に延在する端部水平部5c5とから形成されている。また、上部フランジ5bを形成する水平段差部5b3の先端と下部フランジ5cを形成する端部水平部5c5の先端とは、垂直端壁部5dにより連結されており、垂直端壁部5dには、上述したはね上げ側壁3に形成された係止枠部材3gの係止凹部3g3に出入り可能な係止ブロック5eが、垂直端壁部5dに対して略垂直に突設されている。
ロック部材5の下部フランジ5cを構成する上部水平帯状部5c3の裏面には、それぞれ、根元部5f1に対して先端部5f2が、ロック部材5の中央部方向に位置する弾性片5fが形成されている。弾性片5fが略水平状態に弾性変形した際には、弾性片5fの全体が、下部フランジ5cを構成する上部水平帯状部5c3と内側垂直部5c2と外側垂直部5c4とにより形成される凹部5g内に収容されるように構成されている。このように構成することにより、弾性片5fが略水平状態に弾性変形した際に、弾性片5fの先端部5f2が、下部水平帯状部5c1の下面に当接して折り曲がり、損傷するようなことを防止することができる。
また、横長板状部5aの略中央領域を、凹ますことにより、作業者の指が挿入可能な操作用凹部5hが形成されている。更に、操作用凹部5hの両側に位置する下部水平帯状部5c1に、横長板状部5aに垂直で、且つ、横長板状部5aまで、或いは、横長板状部5a付近まで達するスリット5i1を形成するとともに、スリット5i1を挟むように、下部水平帯状部5c1から上部フランジ5bを形成する水平帯状部5b1まで延在する互いに平行な垂直壁部5i2を形成することにより、上述した扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された外側垂直ガイドリブd8が挿入可能な外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iが形成されている。
また、操作用凹部5hを形成する相対する側壁5h1の係止ブロック5e側には、操作用凹部5hの側壁5h1と、該側壁5h1と対向する側壁5j1と、操作用凹部5hの側壁5h1から側壁5j1方向に延在するが、側壁5j1まで達しないような底板5j2と、奥壁5j3とからなる凹部5jが形成されている。また、底板5j2の側壁5j1側先端と側壁5j1との間には、上述した扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された内側垂直ガイドリブd7が挿入可能な内側垂直ガイドリブ用スリット5kが形成されている。更に、操作用凹部5hの側壁5h1の係止ブロック5e側には、操作用凹部5hの奥壁5h2を、凹部5jの側壁5j1方向に延在することにより、側壁5h1と略同じ高さの縦長係止片5mが形成されている。
更に、ロック部材5の少なくとも水平段差部5b3の一部や係止ブロック5eの全体は、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の外面d1aと端部ガイドリブd10との間に形成された間隙に挿入されるように構成されているとともに、ロック部材5の係止ブロック5eが、ロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の両端部を切り欠くことにより形成された切り欠き部d11内に位置するように構成されている。
なお、横長板状部5aと上部フランジ5bと下部フランジ5cと垂直端壁部5dで囲まれた空間部には、適宜、垂直補強リブ5nや水平補強リブ5pを形成することができる。
上述した構成を有するロック部材5は、射出成形等により、合成樹脂で一体成形されており、操作用凹部5hを挟んで、操作用凹部5hから係止ブロック5eまでの部分が、全体として、弓なり状態に弾性変形可能に構成されている。
次に、図14〜図18を用いて、扉部材Dへのロック部材5の組み付けについて説明する。
先ず最初に、図14に示されているように、ロック部材5を、扉部材Dのロック部材収容空間部A1の前面に、扉部材Dの垂直中心線L1とロック部材5の垂直中心線L2とが略一致するように配置する。このように、ロック部材5を、扉部材Dのロック部材収容空間部A1の前面に配置することにより、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された外側垂直ガイドリブd8の前面に、ロック部材5の外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iが位置し、また、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された内側垂直ガイドリブd7の前面に、ロック部材5の内側垂直ガイドリブ用スリット5kが位置するように構成されている。
上述した状態のまま、ロック部材5を、扉部材Dのロック部材収容空間部A1に接近させると、ロック部材5の両端部が、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に位置する端部ガイドリブd10に当接することになるので、図15に示されているように、ロック部材5を、その弾性力に抗して、ロック部材5の係止ブロック5eが、扉部材Dに接近するように、ロック部材5全体を弓なり状に湾曲変形させて、ロック部材5の係止ブロック5eが、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に位置する端部ガイドリブd10に当接しないようにする。この状態のまま、ロック部材5を、更に、扉部材Dのロック部材収容空間部A1に接近させると、ロック部材5の係止ブロック5eは、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に位置する端部ガイドリブd10に当接することなく、ロック部材収容空間部A1内に位置することになる。なお、下部フランジ5cを構成する上部水平帯状部5c3の裏面に形成されている弾性片5fが、扉部材Dの第2上部水平リブd4に当接しないように、弾性片5fの先端部5f2を、横長の本体部5Aに近づけておく。
上述した状態から、ロック部材5の弓なり状の湾曲変形を解除すると、ロック部材5は、その弾性復元力により、直線状に復帰しようとし、ロック部材5の係止ブロック5e等の先端部が、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の外面d1aと端部ガイドリブd10との間に形成された間隙に挿入される。そして、ロック部材5の係止ブロック5e等の先端部が、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の外面d1aと端部ガイドリブd10との間に形成された間隙に挿入された際には、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された外側垂直ガイドリブd8が、ロック部材5の外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iに挿入されないように、即ち、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された外側垂直ガイドリブd8に、ロック部材5の外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iの天部に位置する下部水平帯状部5c1が当接するように、ロック部材5を、扉部材Dの第2上部水平リブd4に接近させて配置する。また、この状態においては、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された内側垂直ガイドリブd7の前面に、ロック部材5の内側垂直ガイドリブ用スリット5kが位置するとともに、ロック部材5の縦長係止片5mの上端が、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された内側垂直ガイドリブd7の上部に形成された係合フックd9のフック部d9bの下端より下方に位置するように構成されている。
上述した状態から、ロック部材5を上昇させると、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された外側垂直ガイドリブd8に当接していた、ロック部材5の外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iの天部に位置する下部水平帯状部5c1が、外側垂直ガイドリブd8の上端d8aから外れて、図18に示されているように、外側垂直ガイドリブd8が、外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iに挿入される。このように、外側垂直ガイドリブd8が、外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iに挿入されると略同時に、外側垂直ガイドリブd8に、外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iの天部に位置する下部水平帯状部5c1が当接していたために、依然として、弓なり状に湾曲変形していたロック部材5が、その弾性復元力により、元の直線状態に復帰するとともに、扉部材Dの板状部d1の外面d1aと、該外面d1aと対向するロック部材5の面、換言すれば、ロック部材5の裏面が、板状部d1の外面d1aに、より接近し、図18に示されているように、ロック部材5の内側垂直ガイドリブ用スリット5kに、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された内側垂直ガイドリブd7が挿入されるように構成されている。この状態においては、上述したように、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成されている係合フックd9のフック部d9bの下端より下方に位置していたロック部材5の縦長係止片5mの上端が、より係合フックd9のフック部d9bの下端に接近することになるが、依然として、縦長係止片5mが、係合フックd9のフック部d9bに当接しないように構成されている。
上述した状態から、更に、ロック部材5を上昇させると、図18に示されているように、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された内側垂直ガイドリブd7の上部に形成された係合フックd9のフック部d9bが、ロック部材5の縦長係止片5mに係合されることになる。即ち、係合フックd9のフック部d9bが、縦長係止片5mと操作用凹部5hを形成する側壁5h1と凹部5jを形成する奥壁5j3とにより形成される凹部5qに挿入されることになる。
上述したようにして、ロック部材5が、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に組み付けられることになるが、ロック部材収容空間部A1内に配設されたロック部材5は、作業者が、操作用凹部5hに指を入れて下降させない限り、ロック部材5の係止ブロック5eは、扉部材Dの上部水平短リブd15と一番外側に位置する端部ガイドリブd10と下部水平短リブd16とにより形成された凹部d17の背後に位置するとともに、はね上げ側壁3の開口部3’が、図1や図2に示されているように、扉部材Dにより閉じられた際には、ロック部材5の係止ブロック5eが、図19に示されているように、はね上げ側壁3に形成されている係止枠部材3gの係止凹部3g3に挿入されるように構成されている。従って、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側から、扉部材Dに負荷が加わって、扉部材Dが、はね上げ側壁3の下部枠3aと扉部材Dの下端部とのヒンジ部を中心に、外側に回動しようとしても、ロック部材5の係止ブロック5eが、係止枠部材3gの垂直部3g2に当接し、扉部材Dの前方への回動が阻止されることになる。なお、はね上げ側壁3の開口部3’が、図1や図2に示されているように、扉部材Dにより閉じられた際には、扉部材Dは、はね上げ側壁3と対向する内周面が、はね上げ側壁3に形成された台座3dに当接或いは接近して位置するように構成されているので、扉部材Dに外側から負荷が加わっても、扉部材Dが、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側方向に回動するようなことがないように構成されている。
また、はね上げ側壁3の開口部3’が、図1や図2に示されているように、扉部材Dにより閉じられ、ロック部材5の係止ブロック5eが、はね上げ側壁3に形成されている係止枠部材3gの係止凹部3g3に挿入された状態、即ち、扉部材Dが、ロック部材5により、はね上げ側壁3にロックされている状態から、図16に示されているように、ロック部材5を下降させると、下部フランジ5cを構成する上部水平帯状部5c3の裏面に形成されている弾性片5fが、弾性片5fの弾性力に抗して、その先端部5f2が、横長の本体部5Aに接近するように変形するとともに、ロック部材5の係止ブロック5eが、はね上げ側壁3に形成されている係止枠部材3gの垂直部3g2の下端より下方に位置することになる。換言すれば、ロック部材5の係止ブロック5eが、はね上げ側壁3に形成されている係止枠部材3gの係止凹部3g3から排出されることになる。このように、扉部材Dに配設されたロック部材5とはね上げ側壁3に形成された係止枠部材3gとのロック状態が解除された後、扉部材Dを手前に回動させることにより、図4に示されているように、はね上げ側壁3の開口部3’を開放することができる。なお、ロック部材5を下降させた際に、扉部材Dに配設されたロック部材5とはね上げ側壁3に形成された係止枠部材3gとのロック状態が解除された時点より、不必要に、ロック部材5が下降しないように、ロック部材5の横長の本体部5Aが、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に位置する板状部d1の外面d1aに突設されたロック部材用ストッパーd21に当接し、それ以上の下降が阻止されるように構成されている。また、作業者が、操作用凹部5hから指を外すことにより、ロック部材5は、弾性片5fの弾性復元力により、上動するように構成されている。
上述したように、扉部材Dとはね上げ側壁3とをロック状態とするため、或いは、扉部材Dとはね上げ側壁3とのロック状態を解除するために、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に配設されたロック部材5を上下動させる際には、ロック部材5は、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された一対の外側垂直ガイドリブd8が、ロック部材5に形成された一対の外側垂直ガイドリブ用縦長ガイド凹溝5iに、それぞれ挿入されることにより構成される第1案内手段により案内されながら上下動するとともに、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に形成された一対の内側垂直ガイドリブd7が、ロック部材5に形成された一対の内側垂直ガイドリブ用スリット5kに、それぞれ挿入されることにより構成される第2案内手段により案内されながら上下動するように構成されている。このように、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内を上下動するロック部材5は、第1案内摺動手段及び第2案内手段により案内されるように構成されているので、ロック部材5が傾斜しながら上下動するようなことを防止することがき、従って、ロック部材5の円滑な上下動操作を実現することができる。
また、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内を上下動するロック部材5は、第1案内摺動手段及び第2案内手段により案内されるように構成されているので、ロック部材5の水平位置からの傾斜を阻止することができ、従って、ロック部材5の係止ブロック5eが、はね上げ側壁3に形成されている係止枠部材3gの係止凹部3g3から、不用意に排出されるようなことを防止することができ、ひいては、不用意に、扉部材Dが手前に回動し、はね上げ側壁3の開口部3’が開放されるようなことを防止することができる。
また、扉部材Dへのロック部材5の組み付けに際しては、上述したように、ロック部材5を、ロック部材5の係止ブロック5eが、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に位置する端部ガイドリブd10に当接しないように、ロック部材5を弓なり状に湾曲変形するとともに、扉部材Dの前面から、扉部材Dのロック部材収容空間部A1内に配置し、その後、ロック部材5を上動させるだけで、組み付けることができるので、ロック部材5の扉部材Dへの組み付けを確実に、且つ、正確に行うことができるとともに、ロック部材5の扉部材Dへの組み付け作業の作業性が向上する。
また、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられ、はね上げ側壁3の開口部3’が、扉部材Dにより閉鎖された状態においては、はね上げ側壁3に形成されている台座3dの相対する垂直部3d2の外面の中央部付近に形成されている嵌合ブロック部材3fの嵌合部3f2が、扉部材Dの板状部d1に形成された嵌合ブロック部材用嵌合凹部d19の主凹部d19aに嵌合されるように構成されているので、上部分割側壁4’や下部分割側壁4”に、折り畳みコンテナーの内側より負荷が加わり、上部分割側壁4’や下部分割側壁4”が外側に湾曲変形し、この湾曲変形に引っ張られて、はね上げ側壁3の開口部3’を形成する相対する側枠3cが互いに離反する方向に湾曲変形しようとしても、その変形が阻止されることになり、従って、開口部3’が形成され、強度や剛性が低下しているはね上げ側壁3が損傷するようなことを防止することができるとともに、ロック部材5の係止ブロック5eが、はね上げ側壁3に形成されている係止枠部材3gの係止凹部3g3から、不用意に排出されるようなことを防止することができ、ひいては、不用意に、扉部材Dが手前に回動し、はね上げ側壁3の開口部3’が開放されるようなことを防止することができる。
更に、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられ、はね上げ側壁3の開口部3’が、扉部材Dにより閉鎖された状態においては、はね上げ側壁3の台座3dの相対する垂直部3d2の上方に突設されている嵌合突部3hが、扉部材Dの板状部d1に形成された嵌合突部用嵌合凹部d20に嵌合されるように構成されているので、はね上げ側壁3の開口部3’を閉鎖している扉部材Dの上下方向や左右方向への移動を抑制することができるので、ロック部材5の係止ブロック5eが、はね上げ側壁3に形成されている係止枠部材3gの係止凹部3g3から、不用意に排出されるようなことを防止することができ、ひいては、不用意に、扉部材Dが手前に回動し、はね上げ側壁3の開口部3’が開放されるようなことを防止することができとともに、はね上げ側壁3と扉部材Dとのヒンジ部の損傷を防止することができる。
図6〜図9に示されているように、はね上げ側壁3の上部枠3bと相対する側枠3cとの隅部に位置する台座3dに、水平板部3e1と傾斜板部3e2とを有する補強枠3eが形成されているとともに、扉部材Dを構成する周壁d2の上端水平部d2aの両端部付近に、傾斜板部d18aと水平板部d18bとを有する嵌合段差部d18が形成されており、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられ、はね上げ側壁3の開口部3’が、扉部材Dにより閉鎖された状態においては、図20に示されているように、はね上げ側壁3に形成されている補強枠3eの水平板部3e1と扉部材Dに形成されている嵌合段差部d18の水平板部d18bとが接近して対峙するとともに、はね上げ側壁3に形成されている補強枠3eの傾斜板部3e2と扉部材Dに形成されている嵌合段差部d18の傾斜板部d18aとが接近して対峙するように構成されている。
箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの上部フレーム1に、上方から負荷が加わり、上部フレーム1が下方に変形する場合があるが、上部フレーム1の短辺部1aに、上述したような下部枠3a、上部枠3b及び相対する側枠3cから額縁状に形成されたはね上げ側壁3がヒンジ連結されている場合には、強度や剛性が低い、開口部3’を有するはね上げ側壁3が、上部フレーム1の変形により、損傷するという問題があったが、上述したように、はね上げ側壁3に形成されている補強枠3eの水平板部3e1と扉部材Dに形成されている嵌合段差部d18の水平板部d18bとが接近して対峙するとともに、はね上げ側壁3に形成されている補強枠3eの傾斜板部3e2と扉部材Dに形成されている嵌合段差部d18の傾斜板部d18aとが接近して対峙するように構成することにより、上部フレーム1の変形に起因するはね上げ側壁3の変形、特に、はね上げ側壁3の上部枠3bの変形を、はね上げ側壁3に形成されている補強枠3eと扉部材Dに形成されている嵌合段差部d18との接触により負担することができるので、従って、開口部3’を有するはね上げ側壁3の損傷を防止することができる。