JP2008001038A - アクチュエータ装置の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

アクチュエータ装置の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】下電極の剛性、圧電素子の変位特性及び密着性を向上して駆動耐久性及び信頼性を向上したアクチュエータ装置の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】基板110上にチタンと白金とを主成分とする混合層又は合金層62を少なくとも有する下電極60を形成する工程と、該下電極60上に圧電材料からなる圧電体前駆体膜71を形成すると共に該圧電体前駆体膜71を焼成して結晶化させた圧電体膜72からなる圧電体層70を形成し、前記下電極60全体でのチタンの存在比に対する白金の存在比の比率を1.0〜6.5とする工程と、前記圧電体層70上に上電極を形成する工程とを具備する。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板上に変位可能に設けられた圧電素子を有するアクチュエータ装置の製造方法に関し、特に、液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
アクチュエータ装置に用いられる圧電素子としては、電気機械変換機能を呈する圧電材料、例えば、結晶化した圧電性セラミックス等からなる圧電体層を、下電極と上電極との2つの電極で挟んで構成されたものがある。このようなアクチュエータ装置は、一般的に、撓み振動モードのアクチュエータ装置と呼ばれ、例えば、液体噴射ヘッド等に搭載されて使用されている。なお、液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド等がある。
また、インクジェット式記録ヘッドに搭載されるアクチュエータ装置の製造方法としては、振動板上に下電極膜として、チタン(Ti)からなる密着層と、イリジウム(Ir)と白金(Pt)とを含む金属材料とを順次積層して形成し、この下電極上に圧電材料を塗布して圧電体前駆体膜を形成すると共に圧電体前駆体膜を焼成して結晶化させて圧電体層を形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、下電極として、チタンからなる密着層と、白金及びイリジウムを含む金属材料とを用いた場合、下電極上に圧電体層を焼成により形成した際に下電極も同時に加熱され、密着層のチタンが金属材料(特に白金)の粒界に沿って拡散し、しかも、この拡散が下電極の面内方向で均一に行われないため、下電極の面内方向での組成分布を均一にすることができず、下電極の剛性、下電極上に形成する圧電体層の配向性、下電極と基板との密着性及び下電極と圧電体層との密着性等にばらつきが生じてしまい、これらが低下してしまうという問題がある。
また、圧電素子の下電極膜として、チタンと白金との合金を用いたものや、白金ターゲットと酸化チタンターゲットとを用いたスパッタリング法により、白金(99重量%)と酸化チタン(1重量%)との混合層を用いたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2のチタンと白金との合金を用いた構成では、圧電体層を焼成した後の白金とチタンとの比率が明示されておらず、チタンが白金よりも多いと、製造工程中において層間剥離等が発生してしまうという問題がある。また、特許文献2の酸化チタンを用いた構成では、下電極膜中に含まれる酸化チタンは1重量%であるため、下電極膜は実質的に白金で構成されており、下電極膜と基板との密着性及び下電極膜と圧電体層との密着性が低下してしまうという問題がある。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドに用いられるアクチュエータ装置の製造方法だけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドに用いられるアクチュエータ装置の製造方法においても同様に存在する。
特開2006−21392号公報(第6〜7頁、第3〜5図) 特開平10−81016号公報(段落[0063]、[0141]等)
本発明はこのような事情に鑑み、下電極の剛性、圧電素子の変位特性及び密着性を向上して駆動耐久性及び信頼性を向上したアクチュエータ装置の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板上にチタンと白金とを主成分とする混合層又は合金層を少なくとも有する下電極を形成する工程と、該下電極上に圧電材料からなる圧電体前駆体膜を形成すると共に該圧電体前駆体膜を焼成して結晶化させた圧電体膜からなる圧電体層を形成し、前記下電極全体でのチタンの存在比に対する白金の存在比の比率を1.0〜6.5とする工程と、前記圧電体層上に上電極を形成する工程とを具備することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第1の態様では、圧電体層を焼成する前の下電極として、チタンと白金とを主成分とする合金からなる混合層又は合金層を設けることで、圧電体層を焼成した後で下電極の面内方向におけるチタンと白金との組成分布を均一にすることができる。これにより、圧電体層の結晶配向性を向上することができる。また、圧電体層を形成した後、下電極の面内方向における組成分布を均一にすることができるため、下電極の剛性を向上して、繰り返し駆動による駆動耐久性を向上することができる。さらに、下電極膜の組成分布を均一にすることで、下電極と圧電体層との密着性及び下電極と基板との密着性を向上することができる。
本発明の第2の態様は、前記混合層又は前記合金層をスパッタリング法により形成することを特徴とする第1の態様のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第2の態様では、白金とチタンとを主成分とする合金からなる合金層又は混合層を所望の比率で容易に形成することができる。
本発明の第3の態様は、前記圧電体層を形成する工程では、前記圧電体前駆体膜を塗布する塗布工程と、当該圧電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、前記圧電体前駆体膜を脱脂する脱脂工程と、前記圧電体前駆体膜を焼成して結晶化させた前記圧電体膜を形成する圧電体膜形成工程を繰り返し行って前記圧電体層を形成することを特徴とする第1又は2の態様のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第3の態様では、結晶配向性に優れ、変位特性に優れた圧電体層を得ることができる。
本発明の第4の態様は、前記下電極を形成する工程では、前記基板上に振動板を形成した後、該振動板上に前記下電極を形成することを特徴とする第1〜3の何れかの態様のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第4の態様では、振動板を介して圧電素子が変位可能となると共に、振動板上に圧電素子を良好に形成することができる。
本発明の第5の態様は、前記振動板が、前記基板側に設けられた酸化シリコンを主成分とする弾性膜と、該弾性膜上に設けられた酸化ジルコニウムを主成分とする絶縁体膜とを含むことを特徴とする第4の態様のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第5の態様では、絶縁体膜からなる振動板と下電極との密着性を向上することができると共に、絶縁体膜上に下電極を良好に成膜することができる。
本発明の第6の態様は、前記下電極を形成する工程では、前記基板上に密着層を形成した後、該密着層上に前記混合層又は前記合金層を形成することを特徴とする第1〜5の何れかの態様のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第6の態様では、下電極と基板との密着性を向上して、圧電素子の駆動による駆動耐久性を向上することができる。
本発明の第7の態様は、前記密着層が、チタンを主成分としたものであることを特徴とする第6の態様のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第7の態様では、下電極と基板との密着性を向上することができると共に、チタンからなる密着層が下電極中に拡散しても、白金とチタンとを主成分とする合金からなる合金層又は混合層によって、面内での組成分布を均一にすることができる。
本発明の第8の態様は、前記下電極を形成する工程では、前記混合層又は前記合金層上に拡散防止層を形成することを特徴とする第1〜7の何れかの態様のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第8の態様では、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pb)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)及びオスミウム(Os)等からなる拡散防止層を設けることによって、圧電体層を結晶化させる際に、下電極の成分が圧電体層に拡散するのを防止することができると共に、圧電体層の成分が下電極に拡散するのを防止して、変位特性の優れた圧電素子を得ることができる。
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様の製造方法によって、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面に、前記アクチュエータ装置を形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第9の態様では、信頼性を向上した液体噴射ヘッドを製造することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では結晶面方位が(110)であるシリコン単結晶基板からなり、その一方面には予め熱酸化により形成した酸化シリコン(SiO)からなる、厚さ0.5〜2.0μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板のリザーバ部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、圧力発生室12を形成する際のマスクとして用いられるマスク膜51を介して、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.1μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部320が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータ装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、弾性膜50、絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみを残して下電極膜60を振動板としても良い。
また、本実施形態の下電極膜60は、圧電体層70を形成する前に、絶縁体膜55上に設けられたチタン(Ti)からなる密着層と、密着層上に白金(Pt)とチタン(Ti)とを主成分とする合金からなる合金層又は白金(Pt)とチタン(Ti)とが混合された金属材料を主成分とする混合層と、この混合層又は合金層上に拡散防止層とが順次積層されて形成され、詳しくは後述する製造方法によって圧電体層70を焼成して結晶化させた際に下電極膜60も同時に加熱処理されて形成されている。なお、ここで言う「合金層」とは、金属元素と他の金属元素とが金属結合している層のことを言い、また、「混合層」とは、金属元素と他の金属元素とが金属結合していない層のことを言う。
このような下電極膜60は、圧電体層70を形成した後の下電極膜60全体でのチタン(Ti)の存在比に対する白金(Pt)の存在比の比率は、1.0〜6.5となっている。このように下電極膜60全体におけるチタン(Ti)と白金(Pt)との存在比に関する比率を所定の範囲にすることによって、詳しくは後述する製造工程中に下電極膜60の層間剥離や、下電極膜60と絶縁体膜55との間及び下電極膜60と圧電体層70との間に剥離が発生するのを防止することができる。
また、圧電体層70は、下電極膜60上に形成される電気機械変換作用を示す強誘電性セラミックス材料からなるペロブスカイト構造の結晶膜である。圧電体層70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO)ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O)等を用いることができる。圧電体層70の厚さについては、製造工程でクラックが発生しない程度に厚さを抑え、且つ十分な変位特性を呈する程度に厚く形成する。例えば、本実施形態では、圧電体層70を1〜2μm前後の厚さで形成した。
さらに、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、下電極膜60、弾性膜50及びリード電極90上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路200が固定されている。この駆動回路200としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路200とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線210を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路200からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図3〜図6を参照して説明する。なお、図3〜図6は、圧力発生室の長手方向の断面図である。まず、図3(a)に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ110を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン(SiO)からなる二酸化シリコン膜52を形成する。なお、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ110として、膜厚が約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハを用いている。
次いで、図3(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55を形成する。具体的には、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、例えば、スパッタ法等によりジルコニウム(Zr)層を形成後、このジルコニウム層を、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化することにより酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、密着層61、合金層62及び拡散防止層63からなる下電極膜60を形成する。具体的には、まず、絶縁体膜55上に、密着層61を形成する。密着層61としては、例えば、厚さが10〜50nmのチタン(Ti)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)及びタングステン(W)からなる群から選択される少なくとも一つの元素を主成分とするものが挙げられる。本実施形態では、密着層61として、厚さ20nmのチタン(Ti)を設けた。このように下電極膜60の最下層に密着層61を設けることによって、絶縁体膜55と下電極膜60との密着力を高めることができる。
次いで、密着層61上に白金(Pt)とチタン(Ti)とを主成分とする合金からなる合金層62を形成する。合金層62は、例えば、白金(Pt)とチタン(Ti)との合金ターゲットを用いたスパッタリング法により成膜することができる。なお、本実施形態では、下電極膜60に白金とチタンとの合金からなる合金層を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、下電極膜60に白金(Pt)とチタン(Ti)とが混合された金属材料を主成分とする混合層を設けるようにしてもよい。このような混合層は、例えば、同時に2つ以上のスパッタリングターゲットを用いることができるマルチチャンバを有するスパッタリング装置によって、白金ターゲットとチタンターゲットとを同時に成膜するマルチスパッタリング法により成膜することができる。なお、合金層62又は混合層の形成方法は、スパッタリング法に限定されるものではなく、例えば、CVD法(化学蒸着法)等により形成するようにしてもよい。
また、このような合金層62を有する下電極膜60は、詳しくは後述する圧電体層70を焼成により結晶化させる際に同時に加熱処理される。このとき、本実施形態では、密着層61として、白金(Pt)に熱拡散されるチタン(Ti)を用いたため、チタン(Ti)からなる密着層61は、合金層62を構成する白金(Pt)の粒界に沿って拡散してしまうものの、下電極膜60の面内方向での白金(Pt)とチタン(Ti)との組成分布を均一にすることができる。すなわち、圧電体層70を形成した際の加熱によって、密着層61のチタンが合金層62の白金の粒界に沿って拡散したとしても、予め白金(Pt)とチタン(Ti)とが均一に分布された合金からなる合金層62を設けているため、下電極膜60の面内方向での白金とチタンとの組成分布に殆ど影響を与えることがなく、下電極膜60の面内方向での白金とチタンとの組成分布を均一にすることができる。これにより、流路形成基板用ウェハ110の面内方向で不均一に拡散されるのを防止することができ、圧電体層70形成後の下電極膜60の剛性、圧電体層70の結晶配向性、下電極膜60と圧電体層70との密着性及び下電極膜60と流路形成基板用ウェハ110(絶縁体膜55)との密着性を向上することができる。
また、圧電体層70を加熱して結晶化させた後、下電極膜60全体でのチタンに対する白金の比率は、1.0〜6.5となるようにする。すなわち、本実施形態では、下電極膜60を形成した際に、チタンからなる密着層61と、白金及びチタンの合金からなる合金層62とを設けたため、下電極膜60全体で、チタンの存在比に対する白金の存在比の比率が1.0〜6.5となるように、密着層61及び合金層62の膜厚や、合金層62として用いる合金のチタンに対する白金の含有率等を適宜規定するのが好ましい。
本実施形態では、密着層61を20μmの厚さで設け、チタンの存在比に対する白金の存在比の比率が1.0となる合金層62を50〜500nm、本実施形態では、130nmの厚さで設けた。
このように、圧電体層70を形成した後の下電極膜60全体の白金(Pt)とチタン(Ti)との比率を規定することで、製造工程途中での下電極膜60と流路形成基板用ウェハ110(絶縁体膜55)及び圧電体層70との剥離や、下電極膜60内での層間剥離を防止することができる。すなわち、下電極膜60全体で白金よりもチタンの方が多いと、製造工程中で剥離が発生してしまうからである。
次いで、合金層62上に、拡散防止層63を形成する。これにより、密着層61、合金層62及び拡散防止層63からなる下電極膜60が形成される。なお、拡散防止層63は、後の工程で圧電体層70を焼成して結晶化させて形成する際に、密着層61の成分が圧電体層70に拡散するのを防止すると共に圧電体層70の成分が下電極膜60に拡散するのを防止するためのものである。このような拡散防止層63としては、厚さが5〜20nmのイリジウム(Ir)、パラジウム(Pb)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)及びオスミウム(Os)からなる群から選択される少なくとも一つの元素を主成分とするものが挙げられる。本実施形態では、拡散防止層63として、厚さ10nmのイリジウム(Ir)を用いた。
次いで、図3(d)に示すように、下電極膜60上にチタン(Ti)からなる種チタン層64を形成する。この種チタン層64は、3.5〜5.5nmの厚さで形成する。なお、種チタン層64の厚さは、4.0nmが好ましい。本実施形態では、種チタン層64を4.0nmの厚さで形成した。
また、このように形成される種チタン層64は、その膜密度(Ti密度)ができるだけ高い方が好ましく、少なくとも4.5g/cm以上であることが望ましい。種チタン層64の膜密度が高いほど時間経過に伴い表面に形成される酸化層の厚さは薄く抑えられ、圧電体層70の結晶が良好に成長するからである。なお、種チタン層64の膜密度は、厚さに関係なく成膜条件によって決まる。さらに、種チタン層64は非晶質であることが好ましい。具体的には、種チタン層64のX線回折強度、特に、(002)面のX線回折強度(XRD強度)が実質的に零となっていることが好ましい。このように種チタン層64が非晶質であると、種チタン層64の膜密度が高まり表層に形成される酸化層の厚みが薄く抑えられ、その結果、圧電体層70の結晶をさらに良好に成長させることができるからである。
このように下電極膜60の上に種チタン層64を設けることにより、後の工程で下電極膜60上に種チタン層64を介して圧電体層70を形成する際に、圧電体層70の優先配向方位を(100)または(111)に制御することができ、電気機械変換素子として好適な圧電体層70を得ることができる。なお、種チタン層64は、圧電体層70が結晶化する際に、結晶化を促進させるシードとして機能し、圧電体層70の焼成後には圧電体層70内に拡散するものである。
なお、このような下電極膜60の各層61〜63及び種チタン層64は、例えば、DCマグネトロンスパッタリング法によって形成することができる。また、少なくとも下電極膜60の合金層62、拡散防止層63及び種チタン層64は、スパッタリング装置内の真空状態から開放せずに連続して成膜することが好ましい。このように下電極膜60の合金層62、拡散防止層63及び種チタン層64を連続成膜することによって、下電極膜60の合金層62、拡散防止層63及び種チタン層64の密着力を高めて下電極膜60内の層間剥離を防止することができる。
次に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層70を形成する。ここで、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成している。なお、圧電体層70の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛に限定されず、例えば、リラクサ強誘電体(例えば、PMN−PT、PZN-PT、PNN-PT等)の他の圧電材料を用いてもよい。また、圧電体層70の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、例えば、MOD(Metal-Organic Decomposition)法等を用いてもよい。
圧電体層70の具体的な形成手順としては、まず、図4(a)に示すように、下電極膜60上にPZT前駆体膜である圧電体前駆体膜71を成膜する。すなわち、下電極膜60が形成された流路形成基板10上に金属有機化合物を含むゾル(溶液)を塗布する(塗布工程)。次いで、この圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程)。例えば、本実施形態では、圧電体前駆体膜71を170〜180℃で8〜30分間保持することで乾燥することができる。また、乾燥工程での昇温レートは0.5〜1.5℃/secが好適である。なお、ここで言う「昇温レート」とは、加熱開始時の温度(室温)と到達温度との温度差の20%上昇した温度から、温度差の80%の温度に達するまでの温度の時間変化率と規定する。例えば、室温25℃から100℃まで50秒で昇温させた場合の昇温レートは、(100−25)×(0.8−0.2)/50=0.9[℃/sec]となる。
次に、乾燥した圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。例えば、本実施形態では、圧電体前駆体膜71を300〜400℃程度の温度に加熱して約10〜30分保持することで脱脂した。なお、ここで言う脱脂とは、圧電体前駆体膜71に含まれる有機成分を、例えば、NO、CO、HO等として離脱させることである。また、脱脂工程では、昇温レートを0.5〜1.5℃/secとするのが好ましい。
次に、図4(b)に示すように、圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することによって結晶化させ、圧電体膜72を形成する(焼成工程)。焼成工程では、圧電体前駆体膜71を680〜900℃に加熱するのが好ましく、本実施形態では、680℃で5〜30分間加熱を行って圧電体前駆体膜71を焼成して圧電体膜72を形成した。また、焼成工程では、昇温レートを15℃/sec以下とするのが好ましい。このように、圧電体膜72を焼成により形成する際には、圧電体前駆体膜71を30分以上加熱するのが好ましい。これにより優れた特性の圧電体膜72を得ることができる。
なお、このような乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程で用いられる加熱装置としては、例えば、ホットプレートや、赤外線ランプの照射により加熱するRTP(Rapid Thermal Processing)装置などを用いることができる。
そして、図4(c)に示すように、下電極膜60上に圧電体膜72の1層目を形成した段階で、下電極膜60及び1層目の圧電体膜72をそれらの側面が傾斜するように同時にパターニングする。
ここで、例えば、下電極膜60の上に種チタン層64を形成した後にパターニングしてから1層目の圧電体膜72を形成する場合、フォト工程・イオンミリング・アッシングして下電極膜60をパターニングするために種チタン層64が変質してしまい、変質した種チタン層64上に1層目の圧電体膜72を形成しても当該圧電体膜72の結晶性が良好なものではなくなり、1層目の圧電体膜72の上に形成される他の圧電体膜72も、1層目の圧電体膜72の結晶状態に影響して結晶成長するため、良好な結晶性を有する圧電体膜72が形成されない。
それに比べ、1層目の圧電体膜72を形成した後に下電極膜60と同時にパターニングすれば、1層目の圧電体膜72は種チタン層64に比べて2層目以降の圧電体膜72を良好に結晶成長させる種(シード)としても性質が強く、たとえパターニングで表層に極薄い変質層が形成されていても2層目以降の圧電体膜72の結晶成長に大きな影響を与えない。
そして、パターニング後、上述した塗布工程、乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程からなる圧電体膜形成工程を複数回繰り返すことで、図4(d)に示すように複数層の圧電体膜72からなる所定厚さの圧電体層70を形成する。例えば、ゾルの1回あたりの膜厚が0.1μm程度の場合には、例えば、10層の圧電体膜72からなる圧電体層70全体の膜厚は約1.1μm程度となる。
なお、上述のように下電極膜60上に圧電体膜72の1層目を形成した段階でこれらを同時にパターニングして、下電極膜60及び1層目の圧電体膜72の側面を傾斜させることで、2層目の圧電体膜72を形成する際に、下電極膜60及び1層目の圧電体膜72が形成された部分とそれ以外の部分との境界近傍において、下地の違いによる2層目の圧電体膜72の結晶性への悪影響を小さく、すなわち、緩和することができる。これにより、下電極膜60とそれ以外の部分との境界近傍において、2層目の圧電体膜72の結晶成長が良好に進み、結晶性に優れた圧電体層70を形成することができる。また、下電極膜60及び1層目の圧電体膜72の側面を傾斜させることで、2層目以降の圧電体膜72を形成する際の付き回りを向上することができる。これにより、密着性及び信頼性に優れた圧電体層70を形成することができる。
このように、圧電体層70を焼成して結晶化させる前の下電極膜60として、チタンと白金とを主成分とした合金からなる合金層62を設けることで、予め流路形成基板用ウェハ110の面内方向で白金とチタンとの組成分布を均一にすることができる。したがって、圧電体層70を形成した際の加熱による熱拡散によって、密着層61のチタンが下電極膜60の面内方向で不均一に拡散されるのを防止することができ、圧電体層70の結晶配向性を向上することができる。また、圧電体層70を形成した後、下電極膜60の面内方向における組成分布を均一にすることができるため、下電極膜60の剛性を向上して、繰り返し駆動による駆動耐久性を向上することができる。さらに、下電極膜60の組成分布を均一にすることで、下電極膜60と圧電体層70との密着性及び下電極膜60と流路形成基板用ウェハ110(絶縁体膜55)との密着性を向上することができる。
そして、図4(a)〜図4(d)に示す工程によって圧電体層70を形成した後は、図5(a)に示すように、例えば、イリジウム(Ir)からなる上電極膜80を流路形成基板用ウェハ110の全面に形成し、圧電体層70及び上電極膜80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。
次に、リード電極90を形成する。具体的には、図5(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなるリード電極90を形成後、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を介して各圧電素子300毎にパターニングすることで形成される。
次に、図5(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の圧電素子300側に、シリコンウェハであり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハ130を接着剤35を介して接合する。なお、この保護基板用ウェハ130は、例えば、400μm程度の厚さを有するため、保護基板用ウェハ130を接合することによって流路形成基板用ウェハ110の剛性は著しく向上することになる。そして、流路形成基板用ウェハ110をある程度の厚さとなるまで研磨した後、さらにフッ硝酸によってウェットエッチングすることにより流路形成基板用ウェハ110を所定の厚みにする。例えば、本実施形態では、約70μm厚になるように流路形成基板用ウェハ110をエッチング加工した。
次いで、図6(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなるマスク膜51を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110をマスク膜51を介してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧電素子300に対応する圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。
その後は、流路形成基板用ウェハ110及び保護基板用ウェハ130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ110の保護基板用ウェハ130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハ130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハ110等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドとする。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、圧電体前駆体膜71を塗布、乾燥及び脱脂した後、焼成して圧電体膜72を形成するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、圧電体前駆体膜71を塗布、乾燥及び脱脂する工程を複数回、例えば、2回繰り返し行った後、焼成することで圧電体膜72を形成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、下電極膜60として、チタンからなる密着層61と、白金とチタンとを主成分とする合金からなる合金層62と、イリジウムからなる拡散防止層63とを設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、下電極膜に密着層61を設けないようにしてもよい。このような場合であっても、下電極膜に白金とチタンとを主成分とする合金からなる合金層又は混合層を用いることで、下電極膜と流路形成基板用ウェハ110(絶縁体膜55)との密着性を向上することができる。
さらに、上述した実施形態1では、合金層62として、白金とチタンとの合金を例示したが、合金層及び混合層は、白金及びチタンを主成分とする合金又は混合された金属材料であればよく、例えば、合金層及び混合層に白金及びチタン以外の金属や酸化物等が含有されていてもよい。
なお、上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
また、本発明は、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに搭載されるアクチュエータ装置の製造方法に限られず、他の装置に搭載されるアクチュエータ装置の製造方法にも適用することができる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 リザーバ部、 32 圧電素子保持部、 40 コンプライアンス基板、 60 下電極膜、 61 密着層、 62 合金層、 63 拡散防止層、 64 種チタン層、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 100 リザーバ、 200 駆動回路、 210 接続配線、 300 圧電素子

Claims (9)

  1. 基板上にチタンと白金とを主成分とする混合層又は合金層を少なくとも有する下電極を形成する工程と、該下電極上に圧電材料からなる圧電体前駆体膜を形成すると共に該圧電体前駆体膜を焼成して結晶化させた圧電体膜からなる圧電体層を形成し、前記下電極全体でのチタンの存在比に対する白金の存在比の比率を1.0〜6.5とする工程と、前記圧電体層上に上電極を形成する工程とを具備することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  2. 前記混合層又は前記合金層をスパッタリング法により形成することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  3. 前記圧電体層を形成する工程では、前記圧電体前駆体膜を塗布する塗布工程と、当該圧電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、前記圧電体前駆体膜を脱脂する脱脂工程と、前記圧電体前駆体膜を焼成して結晶化させた前記圧電体膜を形成する圧電体膜形成工程を繰り返し行って前記圧電体層を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  4. 前記下電極を形成する工程では、前記基板上に振動板を形成した後、該振動板上に前記下電極を形成することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  5. 前記振動板が、前記基板側に設けられた酸化シリコンを主成分とする弾性膜と、該弾性膜上に設けられた酸化ジルコニウムを主成分とする絶縁体膜とを含むことを特徴とする請求項4記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  6. 前記下電極を形成する工程では、前記基板上に密着層を形成した後、該密着層上に前記混合層又は前記合金層を形成することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  7. 前記密着層が、チタンを主成分としたものであることを特徴とする請求項6記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  8. 前記下電極を形成する工程では、前記混合層又は前記合金層上に拡散防止層を形成することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の製造方法によって、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面に、前記アクチュエータ装置を形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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