本発明は、遊技球を遊技媒体とし、該遊技球を前枠扉に配設された球貯留皿に払い出す遊技機に関する。
遊技球を遊技媒体とする遊技機にあっては、遊技中に所定条件が成立した場合に、所定個数の遊技球を、前枠扉に配設された球貯留皿に払い出すようにしたものが一般的である。このような遊技機には、所定個数の遊技球を払い出す作動を実行する払出装置が本体枠に設けられており、この本体枠に、払出装置により払い出された遊技球を前方へ流出する球送出口が設けられている。そして、本体枠に片開き可能に枢支された前枠扉には、その閉鎖状態で前記球送出口と連通して遊技球を球貯留皿へ流出する球払出口が設けられている。
このような遊技機は、前枠扉が開放されると、本体枠の球送出口と前枠扉の球払出口とが離間する。このため、遊技中に球詰まりが発生した場合に、球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まっていると、前枠扉を開放した時に、遊技球が球送出口から零れ落ちてしまう。これを防止するために、例えば、球送出口の直上流位置に、遊技球を下方へ誘導する排出路が連通すると共に、前枠扉の閉鎖状態で球送出口に嵌入する、上方開口した球導出受部が設けられた構成が知られている。ここで、球導出受部は、前枠扉の球払出口から後方へ突出するように形成されている。この構成は、前枠扉の閉鎖状態で、球導出受部が球送出口へ嵌入して排出路を閉鎖し、払出装置から払い出された遊技球を受けて、該遊技球を球払出口を介して球貯留皿へ導出する。前枠扉が開放されると、球導出受部が球送出口から退出するため、排出路を上端開口が開放されて、遊技球が排出路を流下する。これにより、前枠扉の開放した時に、球送出口より上流側に遊技球が溜まっていても、該遊技球が球送出口から零れ落ちることを防止している。尚、遊技機には、その下部に余剰の遊技球を貯留する余剰球貯留皿が配設された構成が一般的であり、前記排出路は、この余剰球貯留皿に連通するように設けられている。
また、上記した構成にあって、球送出口に、前枠扉の閉鎖状態で開放し、前枠扉の開放に伴って閉鎖する開閉扉を備えた構成もある。この開閉扉としては、球送出口の下縁に前後方向へ回動可能に軸支され、起立して球送出口を閉鎖する位置に付勢されて設けられている。かかる構成にあって、前枠扉の閉鎖する時には、球導出受部が開閉扉を後方へ押し付けて球送出口に嵌入し、前枠扉を開放する時には、球導出受部が球送出口から退出することにより、開閉扉が付勢力に従って起立位置となって球送出口を閉鎖する。すなわち、前枠扉を開放した時には、球送出口が自動的に閉鎖されるため、該球送出口の上流に貯留する遊技球が球送出口から零れ落ちることを防止できるのである。
さらにまた、別構成として、球送出口の下方に、前枠扉の開放に伴って前方へ回動する受皿部材が軸支されており、前枠扉を開放した時に、球送出口から零れた遊技球を受皿部材により受け止めるようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1)。ここで、受皿部材に受け止められた遊技球は、余剰球貯留皿へ連通する排出路へ流下するようになっている。すなわち、球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まっている状態で、前枠扉を開放した場合に、球送出口から零れた遊技球を受皿部材により受け止めて、排出路を介して余剰球貯留皿へ流出する。
特開2004−275207号公報
ところで、上述したように球送出口の直上流位置に遊技球を排出する排出路を設けた構成や、球送出口に開閉扉を設けた構成にあっては、球送出口よりも上流側にまで溜まった遊技球が球送出口から零れ落ちることを防止したものである。しかし、前枠扉側に配設された球導出受部については充分に考慮されていない。仮に、球導出受部が、遊技球を貯留可能な領域を有しているものであっても、この貯留領域いっぱいに遊技球が溜まっている場合に、前枠扉を勢いよく開放すると、その振動によって、遊技球が零れ落ちてしまうことが懸念される。
また、上述した従来の、球送出口の下方に零れた遊技球を受ける受皿部材が設けられた構成にあっても、前枠扉を勢いよく開放した場合には、球払出口の裏側から零れた遊技球を確実に受け止めることができない。
上述したように、球詰まりなどによって前枠扉を開放した時に、払出装置から払い出された遊技球が零れ落ちてしまうと、該遊技球が遊技者の持ち球であることから、遊技者との間でトラブルが生じたり、遊技者に不快感を与えることとなる。このため、例え球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まっている状態であっても、前枠扉の開放時に、その遊技球が零れ落ちることを確実に防止できる構成が求められている。
本発明は、前枠扉の開放時に、払出装置から払い出された遊技球が零れ落ちることを防ぎ得る遊技機を提案するものである。
本発明は、遊技球を払い出す払出装置と、該払出装置により払い出された遊技球を前方へ流出する球送出口を備えた本体枠と、球貯留皿が前面に配設され、前記本体枠の前面側に片開き可能に枢支された前枠扉と、前記球貯留皿から前記前枠扉を貫通して後方へ突成され、該前枠扉の閉鎖状態で前記球送出口に嵌入して、前記払出装置により払い出された遊技球を受けて前記球貯留皿へ導出する球導出受部とを備えた遊技機において、前記球導出受部が、前記前枠扉の後面から突出するように形成され、遊技球の貯留領域を規定する壁部および底部のうち、少なくとも壁部を含む球受基体と、前記貯留領域を規定する壁部および底部のうち、少なくとも底部を含み、前記球受基体と協同して前記貯留領域を規定すると共に、前記球受基体に、該貯留領域を拡張する方向へ変位可能に配設され、前記球送出口に嵌入して遊技球を受ける球受け位置と、該球受け位置から前記貯留領域を拡張する方向へ変位した拡張位置とに変換される貯留領域変換部材とから構成されてなり、前記球送出口の口縁に形成され、前記前枠扉の開放に伴って、前記貯留領域変換部材を球受け位置から拡張位置へ案内する変換案内部を備えていることを特徴とする遊技機である。
ここで、前枠扉の前面、後面とは、前枠扉が本体枠に閉鎖された状態における前面、後面とを指す。前後方向についても同様である。
かかる構成は、前枠扉の閉鎖状態で球送出口に嵌入する球導出受部を備えた構成にあって、該球導出受部の、遊技球を貯留しておくことのできる貯留領域を、前枠扉の開放に伴って貯留領域変換部材が球受け位置から拡張位置へ変位することによって、前枠扉の閉鎖状態に比して、前枠扉の開放状態で拡張(増大)するようにしたものである。これにより、前枠扉の閉鎖状態で貯留している遊技球を、前枠扉が開放されることによって、余裕を持って保持することができることとなる。すなわち、球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まっている時に、前枠扉を開放したとしても球導出受部の貯留領域いっぱいに溜まった遊技球を、拡張した貯留領域により余裕をもって貯留できるため、該遊技球が開放による振動で零れ落ちることを防ぎ得る。そして、例え前枠扉を勢いよく開放したとしても、その振動によって遊技球が球導出受部から零れ落ちることを防止できる。したがって、本発明の構成は、上述した従来の、受け皿部材を備えた構成に比して、前枠扉の開放時に、遊技球を零れ落ちないようにする作用効果が高い。
ここで、上記した球導出受部としては、遊技球を貯留可能な貯留領域を有しており、該貯留領域が壁部および底部により規定されたものとしている。そして、球受基体が、この貯留領域を規定する壁部を少なくとも含み、かつ貯留領域変換部材が、該貯留領域を規定する底部を少なくとも含むものとしており、これら球受基体と貯留領域変換部材とが、協同して遊技球の貯留領域を定めている。そして、貯留領域変換部材を、球受け位置から、例えば上方または下方へ変位することにより、遊技球の貯留領域が拡張する構成が好適に用い得る。
また、本構成にあっては、貯留領域変換部材が、前枠扉の開閉に伴って、変換案内部と直接的又は間接的に連係作動することにより、球受け位置と拡張位置との間で変位する構成が好適に用い得る。
尚、本構成としては、上述したように、球送出口の直上流側に排出路を設けた構成や、球送出口に、球導出受部により開閉する開閉扉を設けた構成にも好適に用い得る。これらの構成は、上述したように、球送出口よりも上流側にまで遊技球が溜まっている場合に、前枠扉を開放した時、球送出口から遊技球が零れることを防止できる作用効果を有している。このため、遊技機として、上述した本発明の作用効果と共に、球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まった状態で前枠扉を開放したとしても、該遊技球が前枠扉側および本体枠側から零れ落ちることを防ぐことができるのである。
上述した遊技機にあって、前記変換案内部を、前記球送出口の下縁から上方突成した案内突片により構成し、前記球受基体の底面に、前記前枠扉の閉鎖状態で、前記案内突片が臨む進入開口を形成し、前記貯留領域変換部材を、その前縁が前記球受基体の底面に上下方向へ回動可能に支持されて、前記貯留領域の底部を成す可動底板により構成し、前記前枠扉の開放状態で、略水平となる拡張位置に保持され、該前枠扉の閉鎖状態で、前記球受基体の進入開口から進入した前記案内突片と当接して上方変位した球受け位置に保持されるものとした構成が提案される。
かかる構成にあっては、球導出受部の有する貯留領域を規定する底部の一部又は全部を、可動底板(貯留領域変換部材)により構成し、該可動底板を、後方へ上方傾斜した球受け位置から、略水平とした拡張位置へ回動することにより、貯留領域を拡張するようにしたものである。ここで、可動底板は、球導出受部が球送出口に入出することにより、球送出口の下縁に設けた案内突片と当接し、上下方向に回動して、球受け位置と拡張位置とに安定して変位するようになっている。すなわち、前枠扉の閉鎖状態で可動底板が球受け位置にあり、前枠扉を開放することによって、可動底板が球受け位置から拡張位置へ下方傾動して、貯留領域を拡張する。これにより、球受け位置で貯留領域いっぱいに遊技球が溜まっている時に、前枠扉を開放したとしても、該遊技球を貯留領域が拡張することにより余裕を持って貯留でき、該開放によって遊技球が零れ落ちることを防ぎ得る。本構成は、上述した本発明の作用効果が適正かつ安定的に発揮できるものである。
ここで、可動底板は、球受基体の底面の少なくとも後側部分を覆うようにしたものが好適に用い得る。この場合には、前枠扉の閉鎖状態で、前方へ下方傾斜した(後方へ上方傾斜した)可動底板が、払出装置から払い出された遊技球を受けて、球貯留領域へ円滑に導出し易くなる。
ここで、可動底板は、球受基体に回動自在に支持されて、その自重又はその上に乗った遊技球の重量により、下方へ回動するように支持されている構成や、板バネやコイルバネ等の付勢手段により、下方へ付勢されている構成などとすることが好適である。これらいずれかの構成により、当該可動底板が一層安定的に拡張位置へ変位することとなり得る。
さらに、本構成は、前枠扉の開閉に伴って、可動底板が球受基体内で傾動するものであるから、球導出受部の外寸法が変化しないため、球送出口への入出を円滑かつ安定的に行い得るという優れた利点も有する。
尚、上記した進入開口は、例えば、その左右方向幅を、案内突片を挿通可能とするように設定した長孔状としても良いし、球受基体の底面をほぼ全体的に開口するものとしても良い。
上述した遊技機にあって、前記変換案内部を、前記球送出口の下縁から前方突成した案内突片により構成し、前記貯留領域変換部材を、その後縁が前記球受基体の底面に上下方向へ回動可能に支持されて、前記貯留領域の底部を成す可動底板により構成し、前記前枠扉の閉鎖状態で、前記案内突片と当接して所定の球受け位置に保持されるものとすると共に、前記可動底板の下方に設けられ、前記前枠扉の開放状態で、前記貯留領域変換部材を球受け位置から下方変位した拡張位置で保持する傾動制限手段を備えている構成が提案される。
かかる構成にあっては、球導出受部の有する貯留領域を規定する底部の一部又は全部を、可動底板(貯留領域変換部材)により構成し、該可動底板を、所定の球受け位置から、前方へ下方傾斜した拡張位置へ回動することにより、貯留領域を拡張するようにしたものである。この球受け位置としては、球受基体の底面に沿うように、略水平又は所定角度で傾斜した位置である。そして、この球受け位置から、可動底板が前方へ下方傾斜して傾動制限手段により保持される拡張位置へ変位することにより、該球受け位置と拡張位置との間に生ずる領域分だけ、貯留領域が拡張するのである。
ここで、本構成は、可動底板が球受基体の底面に上下方向へ回動可能に支持されているものであるから、拡張位置で、可動底板が球受基体の底面より下方へ傾斜することとなる。このため、可動底板は、前枠扉の閉鎖に伴って、球送出口の下縁から前方へ突成した案内突片と当接して、球受け位置へ変位するのである。このように、可動底板は、前枠扉の開閉に伴って安定して変位するようになっている。この可動底板としては、
この構成により、球受け位置で貯留領域いっぱいに遊技球が溜まっている時に、前枠扉を開放したとしても、該遊技球を貯留領域が拡張することにより余裕を持って貯留でき、該開放によって遊技球が零れ落ちることを防ぎ得る。本構成は、上述した本発明の作用効果が適正かつ安定的に発揮できるものである。
また、本構成にあって、傾動制限手段としては、可動底板の下方に設けられて、下方傾斜した可動底板と当接する部位を設けた構成しても良いし、可動底板を所定長さの線条で球受基体に接続し、該線条の長さに従って下方傾斜する位置が定められるものとしても良い。前述の当接する部位を設けた構成としては、例えば、所定位置に突出した突出部としたり、可動底板の直下に形成した領域を構成する壁部とすることができる。また、後述の線条としては、紐状のものやコイルバネ等を用いたものとすることができる。
尚、可動底板は、球受基体に回動自在に支持されて、その自重又はその上に乗った遊技球の重量により、下方へ回動するように支持されている構成や、板バネやコイルバネ等の付勢手段により、下方へ付勢されている構成などとすることが好適である。このような構成とすることにより、一層安定的に可動底板を拡張位置へ変位させることができる。
本発明は、上述したように、前枠扉を貫通して後方へ突成した球導出受部を、遊技球の貯留領域を規定する壁部を少なくとも含む球受基体に、球受け位置と貯留領域を拡張する拡張位置とに変位可能とするように、該貯留領域を規定する底部を含む貯留領域変換部材を備えたものとし、前枠扉の開放に伴って、貯留領域変換部材が球送出口の口縁に形成された変換案内部により球受け位置から拡張位置へ変換するものとしたから、球導出受部の貯留領域に遊技球がいっぱい溜まっている場合に、前枠扉を開放しても、該貯留領域が拡張して、遊技球を余裕をもって留め得ることができる。このため、例え勢いよく前枠扉を開放しても、該開放時の振動によって遊技球が球導出受部から零れ落ちてしまうことを防ぎ得るという優れた作用効果を発揮する。
また、貯留領域変換部材を、その前縁が球受基体の底面に上下方向へ回動可能に支持されて、貯留領域を規定する底部を成す可動底板により構成し、前枠扉の開放状態で、可動底板を略水平となる拡張位置とし、前枠扉の閉鎖状態で、変換案内部を構成する案内突片と当接して上方変位した球受け位置とするようにしたから、可動底板が、前枠扉の開閉に伴って案内突片と当接して傾動することにより、球受け位置と拡張位置とに円滑に変位する。このため、上述した本発明の作用効果を適正かつ安定的に発揮し得る。
また、貯留領域変換部材を、その後縁が球受基体の底面に上下方向へ回動可能に支持されて、貯留領域を規定する底部を成す可動底板により構成し、前枠扉の閉鎖状態で、変換案内部を構成する案内突片と当接して球受け位置とし、前枠扉の開放状態で、球受け位置から前方へ下方変位して、可動底板の下方に設けた傾動制限突部と当接した拡張位置とするようにしたから、可動底板が、前枠扉の開閉に伴って案内突片と当接して傾動することにより、球受け位置と拡張位置とに円滑に変位する。このため、上述した本発明の作用効果を適正かつ安定的に発揮し得る。
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、遊技島設備に固定される木製の外枠2と、該外枠2の開口部分に取り付けられた遊技機本体3とから構成されている。尚、このパチンコ遊技機1が、本発明にかかる遊技機である。
遊技機本体3は、板状の本体枠5を備え、この本体枠5が上記外枠2にヒンジ部材4を介して枢着されている。この本体枠5の前面側には前枠扉6が開閉可能に配設されており、本体枠5の背面側には裏機構板7が配設されている(図3参照)。
上記した本体枠5には、遊技盤9が配設されており、該遊技盤9の前面には、案内レール13が湾曲状に設けられている。そして、この案内レール13により区画された円形領域は、大入賞口や普通入賞口などを備えた各種入賞装置(図示省略)や遊技釘などが配設された遊技領域12となっている。
また、本体枠5には、遊技盤9の直下に発射装置15が配設されている。そして、発射装置15の前側には、該発射装置15の発射位置に遊技球を一個ずつ送り出す電動式の球送り機構を備えた整流器20が配設されている。
また、本体枠5の前面下部には、図1,2のように、下部パネル23が設けられており、この下部パネル23の前面中央に余剰の遊技球を貯留する余剰球貯留皿11が配設されている。この余剰球貯留皿11内には球放出口24が開口しており、該球放出口24から余剰球貯留皿11内に遊技球が放出される。また、余剰球貯留皿11の底部には遊技球排出用の球抜孔25が形成されており、余剰球貯留皿11の底部に設けられた球抜スライダ26を移動操作すると球抜孔25が開放し、余剰球貯留皿11の遊技球を下方へ排出可能となる。
余剰球貯留皿11の右方には発射ハンドル28が突設される。発射ハンドル28の外周部には回動操作可能な発射レバー29が設けられており、発射ハンドル28の内部には、発射レバー29の回動角度を検知する発射強度電子ボリューム(図示省略)が配設される。発射強度電子ボリュームは、上記した発射装置15や整流器20の作動を制御する発射制御基板(図示省略)に接続される。すなわち、発射レバー29の操作に従って発射強度電子ボリュームから発射制御基板に信号が入力され、これに従って該発射制御基板は、整流器20の球送り機構を作動すると共に、発射装置15を駆動制御し、整流器20から発射位置に送り出された遊技球が発射されるのである。
また、上記した裏機構板7は、図3のように、本体枠5の背面側に取り付けられている。この裏機構板7には、その上部に、図示しない遊技島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク30が設けられており、球タンク30の直下に、該球タンク30内の遊技球を流下させるタンクレール45が設けられている。そして、このタンクレール45の下端部と連通して遊技球を下方の払出装置31に導く上下方向の球通路46が設けられている。さらに、払出装置31には、後述する球送出口34に連通する球流通路32と、上記した余剰球貯留皿11の球放出口24へ流下させるバイパス路36とが分岐して接続されている。ここで、払出装置31から払い出された遊技球は、通常球流通路32へ流下するように、分岐形状が形成されている。そして、遊技球が球流通路32に溜まってしまった場合や、比較的多量の遊技球が短時間で払い出された場合に、後から払い出された遊技球がバイパス路36へ流下して余剰球貯留皿11へ放出される。
この裏機構板7には、遊技盤9の裏面側に突出した状態で取り付けられる制御装置や該制御装置の保護カバー(いずれも図示省略)との干渉を避けるために、その略中央部に矩形状の開口部47が形成されている。すなわち、この開口部47内に、遊技全般を制御する主制御基板、払出装置31を制御する払出制御基板、発射装置15を制御する発射制御基板等の各種基板が夫々配設されることとなる(図示省略)。さらに裏機構板7の上部位置には、遊技状態等の所要情報信号を出力する情報端子基板48が、球タンク30の横に並べて配設されている。
一方、上記した前枠扉6は、その左側縁がヒンジ部材17によって本体枠5に枢着されている。ここで、前枠扉6は、上記した下部パネル23よりも上の領域をほぼ全体的に前面から覆うように設けられており、本体枠5に閉鎖された状態で、上記した遊技盤9、発射装置15、整流器20を前方から覆うこととなる。
この前枠扉6の中央には、透明板18を保持する略円形の遊技領域開口部19が形成されており、前枠扉6を閉鎖した状態で、該遊技領域開口部19を介して、上記した遊技盤9の遊技領域12を前方から視認可能となっている。
また、前枠扉6の下部前面には、発射球貯留皿10が配設されている。この発射球貯留皿10は、その右側内部に、遊技球を整列する整列部38が形成されており、該整列部38の右端に、遊技球を取り込む球取込口39が形成されている(図2参照)。また、発射球貯留皿10の内底面は、遊技球が整列部38を流下して球取込口39へ流入するように右方向へ下方傾斜している。そして、前枠扉6の閉鎖状態で、球取込口39から流入した遊技球が整流器20に流入する。すなわち、この発射球貯留皿10は、発射装置15へ送る遊技球を貯留するためのものである。尚、発射球貯留皿10により、本発明にかかる球貯留皿が構成されている。
さらに、前枠扉6には、図2のように、発射球貯留皿10の左側位置に開口した球払出口33が設けられており、この球払出口33が前枠扉6の厚み方向に貫通するように設けられている。そして、本体枠5には、前枠扉6の閉鎖状態で、球払出口33と対向する位置に球送出口34が設けられている。この球送出口34は、上述した球流通路32と連通しており、払出装置31により払い出された遊技球を流出して球払出口33を介して発射球貯留皿10へ流出するためのものである(図3参照)。
上記した球流通路32の、球送出口34の直上流位置には、図3,4のように、下端を球放出口24に連通する排出路35が連通している。これにより、球流通路32を流下した遊技球は、球送出口34から流出せずに排出路35へ流れた場合、球放出口24を介して余剰球貯留皿11へ放出される。尚、この排出路35は、その下端が上記したバイパス路36と合流して球放出口24に連通している。
また、この球送出口34の下縁内側には、図4のように、開閉扉40が前後方向へ回動可能に軸支されている。この開閉扉40は、起立位置で球送出口を後方から遮蔽し(図4(A)参照)、後方へ回動することにより球送出口34を開放する(図4(C)参照)。さらに、開閉扉40は、常態で起立位置に保持されるように、図示しない付勢バネによって付勢されている。
次に、本発明の要部について、以下の各実施例に従って説明する。
前枠扉6には、図2のように、球払出口33から後方へ突出するように、その後部を上方開口した球導出受部50が配設されている。この球導出受部50は、図4(C)のように、前枠扉6が閉鎖された状態で、球送出口34から嵌入して排出路35の上端部を遮蔽する。この状態で、球流通路32を流下した遊技球を受け止め、該遊技球を球送出口34から流出して、球払出口33へ案内する。これにより、上記した払出装置31により払い出された遊技球が球払出口33から発射球貯留皿10へ流出することとなる。
前枠扉6が開放された状態では、図4(A)のように、球送出口34は開閉扉40により閉鎖されている。そして、前枠扉6が閉鎖されることにより、図4(B)から(C)のように、球導出受部50が開閉扉40を後方へ押付けながら球送出口34へ嵌入する。また、前枠扉6が開放されると、図4(C)から(B),(A)の順で、球導出受部50が球送出口34から引き出されることにより、開閉扉40が球送出口34を閉鎖する。すなわち、前枠扉6が開放された状態では、球流通路32を流下した遊技球が、球送出口34から流出することなく、排出路35へ流下して余剰球貯留皿11へ排出される。
上記した球導出受部50は、図5のように、球受基体51と、球受基体51内に支持された可動底板52とにより構成されており、該球受基体51と可動底板52とにより規定された、遊技球を貯留可能な貯留領域53を有している。
ここで、球受基体51は、前枠扉6に嵌合されて球払出口33を構成するトンネル状の環状基体部55と、この環状基体部55の後方へ突成した嵌入基体部56とから構成されている。この嵌入基体部56は、環状基体部55の両側壁部55a,55aの後端から後方へ突出した側壁部56a,56aと、両側壁部56a,56aの後端上部間を結ぶ後壁部56bとから形成されている。これにより、球受基体51に、嵌入基体部56の下方を全体的に開口する進入開口58が形成されている。すなわち、進入開口58は、嵌入基体部56の底面となる部分全体に形成されているものと言える。尚、この進入開口58は、後壁部56bの下端が両側壁部56a,56aの下端より上方に位置していることから、該後壁部56bの下側をも後方へ開口するように形成されている。さらに、この後壁部56bの下縁には、前方に突出する保持凸部56cが設けられている。
そして、この球受基体51の環状基体部55には、その底面直上部位で、可動底板52の前縁が回動自在に軸支されており、該可動底板52により進入開口58全体を覆っている。ここで、可動底板52は、球受基体51の進入開口58をほぼ覆う平板状の主板部52aと、該主板部52aの後端から上方へ湾曲した形状の案内曲部52bと、該案内曲部52bの後端から後方へ延成された被支持部52cとから構成されている。この可動底板52は、常態で、被支持部52cが上記した球受基体51の保持凸部56cに乗載されることにより、図4(A)のように、略水平方向に保持される。この保持された状態が、可動底板52の拡張位置である。
尚ここで、本実施例の球導出受部50にあっては、球受基体51の嵌入基体部56が、前枠扉6の閉鎖状態で、上記した球送出口34に嵌入するのである。すなわち、本実施例にあって、球導出受部50が球送出口34に嵌入するとは、嵌入基体部56が嵌入することを示している。
このような球受基体51と可動底板52とにより、上記した貯留領域53を規定する壁部および底部が構成されている。すなわち、球受基体51の、環状基体部55の両側壁部55a,55aと、嵌入基体部56の両側壁部56a,56aおよび後側壁部56bとによって、本発明にかかる、貯留領域53を規定する壁部が構成されている。そして、球受基体51の環状基体部55の底部55bと可動底板52とによって、本発明にかかる、貯留領域53を規定する底部が構成されている。ここで、貯留領域53は、前枠扉6の閉鎖状態で、上記した球送出口34に嵌入する後部分を上方開口するように形成されている。尚、本実施例1にあっては、可動底板52が、貯留領域53を規定する底部の後部分を成しており、環状基体部55の底部55bが、貯留領域53を規定する底部の前部分を成している。
一方、球導出受部50(嵌入基体部56)が嵌入する球送出口34には、図2,4のように、その下縁から上方へ突出する案内突片59が設けられている。この案内突片59は、球送出口34の下縁の幅方向中央部位に設けられている。そして、前枠扉6の開閉に伴って球導出受部50が球送出口34へ入出する時に、案内突片59を、球受基体51の進入開口58に、その後部から進入または退出させるのである。ここで、球導出受部50が球送出口34に嵌入した状態(前枠扉6の閉鎖状態)では、図4(C)のように、案内突片59が進入開口58から臨み、上記した可動底板52に当接して、該可動底板52を上方へ傾斜させる。この傾斜した状態が、可動底板52の球受け位置である。この球受け位置では、可動底板52が傾斜していることから、上述した拡張位置に可動底板52がある場合(図4(A)参照)に比して、遊技球の貯留領域53が縮小している。
尚、この球受け位置では、可動底板52が前方へ下方傾斜した状態となっていることから、球導出受部50の嵌入基体部56が球送出口34に嵌入した状態で、球流通路32を流下した遊技球を受けて球払出口33へ円滑に案内する作用を発揮している。
上述した球導出受部50が、前枠扉6の開閉に伴って、貯留領域53を増減する作動について改めて説明する。
図4(C)のように可動底板52が球受け位置に保持された前枠扉6の閉鎖状態から、該前枠扉6を開放すると、図4(B)のように、球導出受部50の嵌入基体部56が球送出口34から前方へ退出していくことにより、案内突片59が相対的に球受基体51の後方へ移動して、可動底板52がその自重(および乗載している遊技球の重量)により徐々に下方へ傾動する。そして、図4(A)のように、球導出受部50が球送出口34から完全に退出してしまうと、可動底板52が拡張位置となる。このように、可動底板52が球受け位置から拡張位置へ傾動することより、球導出受部50内に遊技球を貯留できる貯留領域53が拡張する。尚、この貯留領域53の拡張は、可動底板52の球受け位置と拡張位置との間の変位量によって定まっている。
また、前枠扉6を開放状態から閉鎖すると、図4(A)から(B)のように、球導出受部50の嵌入基体部56が球送出口34から嵌入していく。これに従って、球送出口34の案内突片59が、相対的に進入開口58内へ進入していくことから、該案内突片59が可動底板52の下面と当接して、可動底板52が上方へ傾動する。そして、図4(C)のように、前枠扉6が完全に閉鎖すると、可動底板52は球受け位置となる。尚ここで、可動底板52は、その後端部に案内曲部52bを備えたものであるから、進入開口58に進入した案内突片59と比較的円滑に当接して上方へ傾斜するようになっている。
このように、球導出受部50は、前枠扉6の閉鎖状態で可動底板52を球受け位置とし、前枠扉6を開放して球送出口34から排出した状態で可動底板52を拡張位置とするようにしたものである。これにより、前枠扉6の閉鎖状態で球導出受部50の貯留領域53に比較的多数の遊技球が溜まっている時に、前枠扉6を開放したとしても、その開放に伴って貯留領域53の容積が拡張することから、その遊技球を余裕を持って安定して保持することができる。そして、前枠扉6を勢いよく開放したとしても、その振動によって、遊技球が球導出受部50から零れ落ちてしまうことを防ぎ得る。
また、上述したように、前枠扉6が開放されると、球送出口34は開閉扉40により遮蔽される。これにより、遊技球が球流通路32内にまで溜まっていた場合に、前枠扉6を開放しても、該遊技球は球送出口34から流出することなく、排出路35へ流下して、余剰球貯留皿11へ排出される。
すなわち、遊技球が球流通路32内まで多量に溜まっている状態で、球詰まりなどの不具合が生じて前枠扉6を開放したとしても、これら遊技球のうち、球導出受部50の貯留領域53内に在るものは該貯留領域53が拡張することにより安定的に保持され、球導出受部50より上側に溜まっていたものは排出路35を流下して余剰球貯留皿11へ移動する。したがって、前枠扉6を開放した場合に、払出装置31の作動により遊技者に払い出された遊技球が零れ落ちてしまい、遊技球を補填しなければならなくなったり、遊技者に不快感を生じさせたりすること等を、本実施例の構成は防止できる。
また、本実施例にあっては、前枠扉6の開閉に伴って、球導出受部50が球送出口34に出入りすることにより、該球送出口34の下縁に設けた案内突片59が可動底板52に当接して球受け位置と拡張位置とに変換するようにしているから、この変換が安定的かつ円滑に行われるという利点も有している。
実施例2にあっては、上述した実施例1と同様に、球払出口33から後方へ突成されて、前枠扉6の閉鎖状態で、球送出口34に嵌入する球導出受部60を備えている(図6参照)。また、球送出口34には、開閉扉40が配設されている。
この球導出受部60は、図6のように、球受基体61と、該球受基体61内に支持された可動底板62とから構成されている。ここで、可動底板62は、略平板状の主板部62aと、該主板部62aの後縁から下方へ突出する軸支部62bと、該軸支部62bから両外側へ突出する支軸62c,62cと、主板部62aの前縁から下方へ突出する当接部62dとから構成されている。
また、上記した球受基体61は、前枠扉6に嵌合されて球払出口33を構成する環状基体部65と、該環状基体部65から後方へ突成された嵌入基体部66とから構成されている。この環状基体部65は、下方を開放する断面コ字形状を成し、その両側壁部65a,65aの下縁後端から下方へ突出した軸受け部67,67を備えている。この軸受け部67,67には、上記した可動底板62の支軸62c,62cが夫々支持されており、この可動底板62が、前記した環状基体部65の下方開放部を覆うようにして、上下方向へ回動自在に設けられている。
また、上記した嵌入基体部66は、平板状の底部66cと、該底部66cの両側縁から起立した側壁部66a,66aと、底部66cの後縁から起立した後壁部66bとから構成されている。そして、両側壁部66a,66aの前端が、環状基体部65の両側壁部65a,65aの後端に連成されている。嵌入基体部66の底部66cと、上記した可動底板62とが隣接している。
このような球導出受部60は、遊技球を貯留可能な貯留領域63を有しており、上記した球受基体61と可動底板62とにより、該貯留領域63を規定する壁部および底部が構成されている。すなわち、球受基体61の、環状基体部65の両側壁部65a,65aと、嵌入基体部66の両側壁部66a,66aおよび後側壁部66bとによって、本発明にかかる、貯留領域63を規定する壁部が構成されている。そして、球受基体61の嵌入基体部66の底部66cと可動底板62とによって、本発明にかかる、貯留領域63を規定する底部が構成されている。ここで、貯留領域63は、前枠扉6の閉鎖状態で、上記した球送出口34に嵌入する後部分を上方開口するように形成されている。尚、本実施例2にあっては、可動底板62が、貯留領域6を規定する底部の前部分を成しており、嵌入基体部66の底部66cが、貯留領域63を規定する底部の前部分を成している。
一方、前枠扉6には、図7のように、上述した球導出受部60の環状基体部65を嵌合した直下部位に、変換空域64が形成されており、その前後に案内孔70,70が形成されている。すなわち、案内孔70,70と変換空域64とにより、前枠扉6を前後方向へ貫通している。また、この変換空域64には、その空域を構成する左側部から内方(中心部へ向かう方向)へ突出する傾動制限突部71が設けられている。この傾動制限突部71は、上記した可動底板62がその自重(及びその上に乗った遊技球の重量)により下方へ回動した時に、該可動底板62の当接部62dと当接して、該可動底板62の下方回動を止めて保持する。このように、可動底板62が傾動制限突部71と当接して、前方へ下方傾斜した状態で保持された位置が、該可動底板62の拡張位置である(図7(A)参照)。ここで、傾動制限突部71は、後述する案内突片69が変換空域64内へ進入した時に、該案内突片69と接触しないように設けられている。尚、この傾動制限突部71が、本発明にかかる傾動制限手段である。
ここで、可動底板62が拡張位置となると、図7(A)のように、該可動底板62と球払出口33の下縁との間に領域が形成され、この領域内に遊技球が入り込む。この可動底板62と球払出口33との間の距離が、遊技球の直径よりも小さくなるように、該可動底板62を保持する傾動制限突部71の配設位置が設定されている。これにより、可動底板62を拡張位置に保持した場合に、該可動底板62から遊技球が下方へ落下しないようにしている。尚、球払出口33の下縁は、環状基体部65を嵌合するために、前枠扉6に形成された球払出口33用の貫通孔の下縁となる。
また、球送出口34の下縁には、前方へ突出する案内突片69が設けられている。この案内突片69は、前枠扉6の閉鎖状態で、上記した案内孔70,70および変換空域64に挿通する。すなわち、前枠扉6が開放状態から閉鎖されることにより、図7(B)のように、案内突片69が後側の案内孔70から変換空域64に挿入して、拡張位置に保持されている可動底板62の当接部62dに当接する。さらに挿入していくに従って、可動底板62を上方へ回動させる。そして、前枠扉6の閉鎖状態で、図7(C)のように、可動底板62は、球受基体61の底部66cと滑らかに繋がるようにした球受け位置に、案内突片69により保持される。
尚、本実施例にあって、この嵌入基体部66の底部66cは、前方へ緩やかに下方傾斜するように設けられている。このため、可動底板62は、球受け位置で、嵌入基体部66の底部66cと同じく緩やかに下方傾斜している。
上述した球導出受部60が、前枠扉6の開閉に伴って、貯留領域63を増減する作動について改めて説明する。
上述したように可動底板62が球受け位置に保持された前枠扉6の閉鎖状態(図7(C))から、該前枠扉6を開放すると、図7(B)のように、球導出受部60の嵌入基体部66が球送出口34から前方へ退出していくことから、案内突片69が球受基体51に対して相対的に後方へ移動して、案内突片69が、変換空域64から徐々に退出していく。これに伴って、案内突片69と当接している可動底板62が、その自重(および乗載している遊技球の重量)により徐々に下方へ傾動する。さらに退出していくことにより、可動底板62が、傾動制限突部71と当接して、この当接した拡張位置で保持される。そして、前枠扉6の開放状態で、図7(A)のように、可動底板62を拡張位置で保持している。このように、可動底板62が球受け位置から拡張位置へ傾動することより、この傾動で生成された領域分だけ、球導出受部50が遊技球を貯留可能である貯留領域63が拡張する。
また、前枠扉6を開放状態から閉鎖すると、図7(A)から(B)のように、球導出受部60の嵌入基体部66が球送出口34に嵌入していく。これに伴って、案内突片69が、後側の案内孔70を介して変換空域64内へ進入し、該案内突片59が可動底板62の当接部62dと当接して、該可動底板62を上方へ傾動する。そして、図7(C)のように、前枠扉6が閉鎖した状態で、可動底板62が球受け位置となる。
このように本実施例2は、払出装置31から払い出された遊技球を貯留可能な貯留領域63を、前枠扉6の開放に伴って拡張するようにしたものである。すなわち、上述した実施例1と同様に、例え、球流通路32内にまで遊技球が溜まっている状態で、前枠扉6を開放したとしても、球導出受部60の貯留領域63内に、遊技球を余裕をもって保持できる。したがって、本実施例2は、上述した実施例1と同様の作用効果を発揮し得るものである。
上述した本実施例2にあって、上述した以外の構成要素は、実施例1と同じとし、同じ符号を用いて、その説明を省略した。
本発明は、上述した実施例1,2に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更することは勿論可能である。例えば、実施例1,2にあって、各可動底板を、拡張位置へ付勢する付勢手段を設ける構成とすることもできる。また、実施例1にあっては、球受基体の嵌入基体部を、両側壁部と後壁部と底部(底面)とから構成し、該底部(底面)に、前枠扉6の閉鎖状態で案内突片59が臨む、前後方向へ長孔状の進入開口を形成した構成としても良い。この構成では、可動底板52が、嵌入基体部の底部(底面)を覆うようにして回動することとなる。また、実施例2にあっては、傾動制限部材により傾動制限手段を構成したものであるが、その他の構成として、変換空域を、その後壁が前方へ下方傾斜する形状として、この後壁に当接した可動底板が拡張位置となるようにし、該変換空域の形状によって傾動制限手段を構成することもできる。
前枠扉6を閉鎖した状態のパチンコ遊技機1の斜視図である。
前枠扉6を開放した状態のパチンコ遊技機1の斜視図である。
パチンコ遊技機1の裏機構板7の背面図である。
実施例1の球導出受部50の、拡張位置と球受け位置とに変換される作動態様を説明する縦断面図である。
実施例1の球導出受部50の、(A)斜視図と、(B)分解斜視図である。
実施例2の球導出受部60の、(A)斜視図と、(B)分解斜視図である。
実施例2の球導出受部60の、拡張位置と球受け位置とに変換される作動態様を説明する横断面図である。
符号の説明
1 パチンコ遊技機(遊技機)
5 本体枠
6 前枠扉
10 発射球貯留皿(球貯留皿)
31 払出装置
34 球送出口
50,60 球導出受部
51,61 球受基体
52,62 可動底板(貯留領域変換部材)
53,63 貯留領域
58 進入開口
59,69 案内突片